説明

浴室の換気構造

【課題】 ミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機を配設した浴室において、浴室外への高湿度の空気の漏れや暖気の逃げを確実に防止し、そのうえ、換気運転や乾燥運転を行なうに際しても、換気又は乾燥を確実に行なうことのできる浴室の換気構造を提供する。
【解決手段】 浴室の出入り口に開閉自在に浴室ドア1を設ける。浴室内にミストを噴霧するミスト運転を行なうミスト運転機能と、浴室内を暖房する暖房運転を行なう暖房運転機能と、浴室内を換気させる換気運転を行なう換気運転機能と、浴室内を乾燥させる乾燥運転を行なう乾燥運転機能と、を備えたミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8を設ける。浴室ドア1に、浴室内外を連通する通気部3と、通気部3に開閉自在に設けられた開閉蓋4とを、ミスト運転又は暖房運転を行なったときに開閉蓋4を閉塞すると共に換気運転又は乾燥運転を行なったときに開閉蓋4を開放する開閉制御手段5とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室の換気構造に関するものであり、特に、ミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機を配設した浴室の換気構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、浴室内において暖房、換気、乾燥並びにミスト噴霧をするためにミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機を浴室の天井に配設している(例えば、特許文献1参照)。また、浴室には、浴室内外に出入り可能とする出入り口に、開閉自在な浴室ドアが設けられている。この浴室ドアには、浴室内外における空気の通流を行なうための連通口から成る通気部が設けられており、この通気部には手動で開閉させる開閉蓋が設けられている。
【0003】
このような浴室において、ミスト運転によるミスト噴霧を行なうに当たっては、浴室外への高湿度の空気の漏れを防ぐために開閉蓋を閉じる必要がある。そこで、開閉蓋の閉じ動作をミスト運転を行なうごとに手動で行なうことで、通気部を介した脱衣室等への高湿度の空気の漏れを防ごうとしている。
【0004】
また同様に、暖房運転を行なうにあたっても、浴室の暖房を効率良く行なうためには開閉蓋を閉じる必要がある。そこで、開閉蓋の閉じ動作を暖房運転を行なうごとに手動で行なうことで、浴室内の暖房における暖気が通気部を介して浴室外の脱衣室等へ逃げるのを防ごうとしている。
【特許文献1】特開2006−071144号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このようなミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機を配設した浴室において、ミスト運転又は暖房運転を行なうに当たり、従来のように開閉蓋を単に開閉自在に設けたものにあっては、開閉蓋を閉じるのを忘れて、開閉蓋を開放したままの状態でミスト運転や暖房運転を長時間運転させてしまうことが多く、結果的に、上記のように脱衣室等への高湿度の空気の漏れや、浴室外への暖気の逃げを防ぐものとはなっていなかった。
【0006】
一方、入浴者が開閉蓋の閉じ動作を行なったミスト運転又は暖房運転後において、換気運転又は乾燥運転行なうに当たっては、閉塞状態の開閉蓋をあらためて開放させることで、換気に必要な有効換気量や乾燥に必要な通気量を確保しようとしている。
【0007】
しかしながら、このように開閉蓋を単に開閉自在に設けただけの従来の浴室の換気構造においては、換気運転又は乾燥運転を行うに際して、開閉蓋を開放させるのを忘れ、開閉蓋を閉塞したままの状態で、換気運転又は乾燥運転を行なってしまうケースが多発しており、結果的に、有効な換気又は乾燥ができていないという問題が生じていた。
【0008】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機を配設した浴室において、浴室外への高湿度の空気の漏れや暖気の逃げを確実に防止し、そのうえ、換気運転や乾燥運転を行なうに際しても、換気又は乾燥を確実に行なうことのできる浴室の換気構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために請求項1に係る発明にあっては、浴室の出入り口に開閉自在に設けられた浴室ドア1と、浴室内にミストを噴霧するミスト運転を行なうミスト運転機能と、浴室内を暖房する暖房運転を行なう暖房運転機能と、浴室内を換気させる換気運転を行なう換気運転機能と、浴室内を乾燥させる乾燥運転を行なう乾燥運転機能と、を備えたミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8と、を有する浴室の換気構造において、浴室ドア1は、浴室内外を連通する通気部3と、通気部3に開閉自在に設けられた開閉蓋4と、ミスト運転又は暖房運転を行なったときに開閉蓋4を閉塞すると共に換気運転又は乾燥運転を行なったときに開閉蓋4を開放する開閉制御手段5と、を備えて成ることを特徴とするものである。
【0010】
このように構成したことで、ミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8を配設した浴室であっても、ミスト運転又は暖房運転を行なうに当たって、開閉蓋4を確実に閉塞させることができる。また、換気運転又は乾燥運転を行なうに当たっても、開閉蓋4を確実に開放させることができる。さらに、開閉制御手段5により開閉蓋4の開閉を制御しているから、ミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8を運転させるごとに、手動で行なう必要があった従来の開閉蓋4の開放又は閉塞する動作による手間を解消することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機を配設した浴室であっても、浴室外への高湿度の空気の漏れを確実に防止することができる。また、浴室外への暖気の逃げを確実に阻止できるから効率の良い暖房運転を行なうことができる。その上、換気運転や乾燥運転を行なうに当たっても、浴室内における換気又は乾燥を確実に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明について添付図面に基づいて説明する。
【0013】
本発明の一実施形態として、浴室としての浴室ユニットに基づいて本発明を説明する。
【0014】
本実施形態の浴室ユニットは、図1乃至図4に示すように、浴槽用床パンと洗い場を構成する洗い場床パンとで床パン(図示せず)を構成し、この床パンの周囲に壁パネル6が立設されている。この壁パネル6の一部には出入り口枠62が形成されており、この出入り口枠62が形成する出入り口により浴室内外への出入りが可能となっている。この出入り口枠62には、浴室ドア1が開閉自在に設けられている。また、壁パネル6又は出入り口枠62で囲まれた部分の上端部には天井パネル61が載設してあり、この天井パネル61上にミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8が配設されている。さらに、この浴槽用床パンには浴槽63が載設されており、この浴槽63に隣接するようにして浴室カウンター64が壁パネル6から突設してある。
【0015】
この浴室の天井に設けられたミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8は、浴室内にミストを噴霧するミスト運転を行なうミスト運転機能と、浴室内を暖房する暖房運転を行なう暖房運転機能と、浴室内を換気させる換気運転を行なう換気運転機能と、浴室内を乾燥させる乾燥運転を行なう乾燥運転機能と、を備えている。
【0016】
本実施形態のミスト運転は、次のようにして運転される。ミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8の本体内に設けられたミスト用給水管路内に、給水管に設けた給水開閉弁を開放して給水し、このミスト用給水管路を流れる水がミスト用熱交換器により加熱される。このミスト用熱交換器により加熱されて生成された温水を、ミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8に設けられたミストノズルから霧状に噴霧するようになっている(図1参照)。
【0017】
また、本実施形態の暖房運転は次のようにして運転される。ミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8内に設けられた温風用熱交換器の内部を流れる温水と、ミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8内に取り込まれた浴室内の空気とが、該装置8内部で熱交換することで、取り込まれた空気が加熱されて温風が生成される。このように生成された温風をミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8に設けられた温風吹き出し口から吹き出すことで浴室内の空気を循環させて、浴室内を暖房するようになっている(図2参照)。
【0018】
本実施形態の換気運転は次のようにして運転される。ミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8内に取り込まれた浴室内の空気を、このミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8と外部とを連通するようにして設けられた排気ダクト9を介して外部に排出することで、浴室内の換気が行なわれるようになっている(図3参照)。
【0019】
本実施形態の乾燥運転は、浴室内を乾燥したり、浴室に干した洗濯物を乾燥したり、ミスト運転後等のミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8本体等を乾燥するために自動で行なわれたりするものであり、次のようにして運転される。ミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8の本体内に設けられた温風用熱交換器の内部を流れる温水と、ミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8内に取り込まれた浴室内の空気とが、該装置8内部で熱交換することで温風を生成し、それと同時に、前述のミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8内に取り込まれた浴室内の空気の一部を、排気ダクト9を介して外部に排出するようにする。こうすることで、加熱された温風が吹き出し口から吹き出して空気が循環されると共に、この装置8本体内に吸い込まれた湿度の高い空気の一部が排気ダクト9を介して外部に排気される。その結果、浴室内の湿度が下がると共に浴室内の温度が上昇し、浴室内の乾燥や浴室内に干した洗濯物の乾燥ができるようになっている(図4参照)。
【0020】
浴室の出入り口に開閉自在に設けられた浴室ドア1は、壁パネル6の一部に設けた出入り口枠62に嵌まり込む(すなわち、出入り口枠62を閉塞するように設けられている)平面視略矩形状の浴室ドア本体2により主体が構成されており、浴室ドア本体2の長辺のいずれか一方の一端部に枢支部を設けると共に、枢支部がある一端部とは反対側の他端部に把持部21が設けてある。浴室ドア本体2の把持部21側の側端部には、突没自在に設けられた係止部が設けられており、把持部21を操作することによりこの係止部が突没するように構成されている。出入り口枠62における係止部に対応する部位には、被係止部が設けられており、浴室ドア1を閉塞したときに、出入り口枠62の被係止部に浴室ドア1の係止部が係止するようになっている。さらに、この浴室ドア本体2の下部には、浴室内外を連通し浴室内の空気の通流を図るための通気部3と、この通気部3に開閉自在に設けられた開閉蓋4とが備えられている。
【0021】
この通気部3は、平面視矩形状に設けられて浴室ドア本体2を貫設した連通口31と、この連通口31の浴室内側の開口下縁部に設けられた突起部32とを備えており、この連通口31における浴室内外方向の略中間部の上部には、開閉蓋4を、着脱自在に且つ回動自在に軸支する支持部材7が設けられている。この支持部材7は、図6(b)に示すように、支持部材7の内部に位置する支持部71と、一対の対向する突出片721により構成された導入導出部72と、互いに対向する各突出片721に設けられて相互に向き合うように突出する係合突起部73と、を備えており、可撓性を有する弾性材により形成されている。この支持部71は、後述する開閉蓋4の回転軸部42を回転自在に支承するように形成されており、詳しくは、この開閉蓋4の回転軸部42が摺動可能なように円滑な曲面から構成され、断面略U字形状にて形成されている。また、導入導出部72は、この支持部71から同方向へ突出する一対の突出片721が、該支持部71へ連通する連通部74を介して離間するように突設して構成してある。
【0022】
開閉蓋4は、図6(a)に示すように、上述した通気部3の連通口31を閉塞する大きさで形成された板状の蓋部41と、この蓋部41の上端部に設けられた回転軸部42と、回転軸部42に固設された回転ギア部43とを備えている。回転軸部42は、矩形状の蓋部41の両側方から突出して構成されており、この両側方から突出する回転軸部42のいずれか一方の端部に、回転ギア部43が嵌合して固設してある。つまり、この回転ギア部43を周方向に回転させることにより、開閉蓋4が回転軸部42を中心として回動するように構成されている。
【0023】
このような通気部3に設けられた支持部材7に、開閉蓋4を装着する(つまり、離間して設けられた2つの支持部材7間に開閉蓋4の蓋部41が位置するように装着する)に当たっては、図6(b)に示すように、支持部材7の導入導出部72の間にある連通部74に回転軸部42を挿通する。このとき、回転軸部42は導入導出部72の対向する突出片721間に突出した係合突起部73に当接するが(図6(b)の状態)、支持部材7は可撓性を有する弾性材により形成されているから、この回転軸部42を支持部71に向けて押し込めば、回転軸部42が係合突起部73を押し広げるようにして(すなわち、対向する突出片721を押し広げるようにして)係合突起部73を乗り越えるようになる。このようにして、回転軸部42が支持部71に嵌まり込むようにして装着され、通気部3の連通口31を閉塞して開閉蓋4が設置される。このような開閉蓋4の閉塞状態においては、連通口31の浴室内側の下縁部に設けられた突起部32に開閉蓋4の下部が当接するようになっており、開閉蓋4が鉛直下向きの状態からさらに浴室内側に向けて回動しないように突起部32がストッパーの役割を果たしている。
【0024】
上記のように浴室ドア1の通気部3に対して開閉自在に設けられた開閉蓋4は、開閉制御手段5に連結されている。この開閉制御手段5は、ミスト運転又は暖房運転を行なったときに開閉蓋4によって通気部3を閉塞すると共に、換気運転又は乾燥運転を行なったときに開閉蓋4によって通気部3を開放するように、開閉蓋4の開閉を自動で制御するものであるが、詳しくは以下のように構成されている。
【0025】
この開閉制御手段5は、浴室ドア本体2に設けられた開閉蓋4を開閉させる駆動部51と、駆動部51に電気的に接続されてこの駆動部51による駆動を指示するための信号を発する制御部52と、を備えており、この制御部52は前述のミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8と電気的に接続されている。
【0026】
本実施形態の駆動部51は、正逆回転可能な小型の電動モータにより構成されており、この電動モータには、開閉蓋4の回転軸部42に固設された回転ギア部43に噛み合う伝動ギア部(図示せず)が設けられている。この伝動ギア部は、電動モータの回転軸による回転を減速して出力軸側へ動力を伝える減速ギア機構により構成されており、開閉蓋4の回転軸部42にある回転ギア部43へは、低速度の回転が伝動するようになっている。この駆動部51は、浴室ドア1に設けられた通気部3の上部近傍に凹設された駆動部用凹所(図示せず)内に埋設されており、浴室ドア1の通気部3を覆う開閉蓋4の回転ギア部43の上部で伝動ギア部と噛み合うように配設されている。この駆動部用凹所は、開閉自在な駆動部用蓋(図示せず)によって覆われており、この駆動部用蓋と浴室ドア1の表面とは面一状となり目立たないようになっている。
【0027】
また、本実施形態の制御部52は、マイクロコンピューターから構成されており、浴室天井(つまり、天井パネル61)上面にある制御ボックス53内に配設されている。この制御部52は、上述したように駆動部51及びミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8と電気的に接続されており、ミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8の運転状態に応じて駆動部51に信号を送るようになっている。詳しくは、以下のように動作する。
【0028】
ミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8に付属するコントローラを操作して、ミスト運転をするように指示すると、図1に示すように、このミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8に接続された制御部52が、そのミスト運転を開始した信号を受け取り、電動モータにより構成された駆動部51に対して正転(逆転)駆動をするように信号を送る。その信号を受け取った駆動部51は正転(逆転)駆動をするが、それにより、浴室ドア1に設けられた開閉蓋4が閉じ動作をして通気部3を閉塞する。なお、すでに開閉蓋4が閉塞状態にある場合において、ミスト運転を開始した場合は、制御部52は駆動部51に対して駆動信号を送らないように制御するようになっている。
【0029】
また、ミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8に付属するコントローラを操作して、暖房運転をするように指示すると、図2に示すように、このミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8に接続された制御部52が、その暖房運転を開始した信号を受け取り、電動モータにより構成された駆動部51に対して正転(逆転)駆動をするように信号を送る。その信号を受け取った駆動部51は正転(逆転)駆動をするが、それにより、浴室ドア1に設けられた開閉蓋4が閉じ動作をして通気部3を閉塞する。なお、ミスト運転時と同様に、すでに開閉蓋4が閉塞状態にある場合において、暖房運転を開始した場合は、制御部52は駆動部51に対して駆動信号を送らないように制御するようになっている。
【0030】
一方、浴室ドア1の開閉蓋4が開放している状態で、ミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8に付属するコントローラを操作して、換気運転をするように指示すると、図3に示すように、このミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8に接続された制御部52が、その換気運転を開始した信号を受け取り、電動モータにより構成された駆動部51に対して逆転(正転)駆動をするように信号を送る。その信号を受け取った駆動部51は逆転(正転)駆動をするが、それにより、浴室ドア1に設けられた開閉蓋4が所定の角度開き動作をして通気部3を開放する。なお、すでに開閉蓋4が開放状態にある場合において、換気運転を開始した場合は、制御部52は駆動部51に対して駆動信号を送らないように制御するようになっている。
【0031】
また、浴室ドア1の開閉蓋4が開放している状態で、ミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8に付属するコントローラを操作し、又は、装置8本体等を乾燥するための自動運転により、ミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8が乾燥運転を行なうように指示されると、図4に示すように、このミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8に接続された制御部52が、その乾燥運転を開始した信号を受け取り、電動モータにより構成された駆動部51に対して逆転(正転)駆動をするように信号を送る。その信号を受け取った駆動部51は逆転(正転)駆動をするが、それにより、浴室ドア1に設けられた開閉蓋4が所定の角度開き動作をして通気部3を開放する。なお、換気運転時と同様に、すでに開閉蓋4が開放状態にある場合において、乾燥運転を開始した場合は、制御部52は駆動部51に対して駆動信号を送らないように制御するようになっている。
【0032】
このようにして浴室ドア1の通気部3に設けられた開閉蓋4の開閉動作を、開閉制御手段5により制御しているので、ミスト運転又は暖房運転を行なうに当たって、開閉蓋4を確実に閉塞させることができる。また、換気運転又は乾燥運転を行なうに当たっても、開閉蓋4を確実に開放させることができる。つまり、ミスト運転時に開閉蓋4を確実に閉塞できることで、浴室外(脱衣室等)へのミストの漏れや高湿度の空気の漏れを確実に防ぐことができる。また、暖房運転時にも開閉蓋4を確実に閉塞できることで、暖気が浴室内から逃げるのを防止することができると共に、冷気が浴室内に流入するのを防止することができ、効率良く浴室内を暖房することができるようになる。また、換気運転時には開閉蓋4を確実に開放できることで、換気に必要な有効換気量を確実に確保することができるようになり、十分な換気ができるようになる。そのうえ、乾燥運転時にも開閉蓋4を確実に閉塞できるから、乾燥に必要な通気量を確保することができ、乾燥不良が起こることが防止される。特に、ミスト運転後のミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8内には多量の水分が付着しており、その水分により引き起こされる故障を防ぐために、ミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8がミスト運転後に自動で乾燥運転を行なうものもある。このようなものに対しても、乾燥運転時には開閉蓋4を確実に開放することができるため、ミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8が乾燥不良となる心配もなくなり、その結果、ミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8の長期にわたる性能の維持や長寿命化に貢献するものとなる。
【0033】
さらに、駆動部51により開閉蓋4の開閉動作を行なっているから、ミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8を運転させるごとに、手動で行なう必要があった従来の開閉蓋4の開閉動作を行なう煩わしさを解消することができる。
【0034】
その上、特に換気運転又は乾燥運転を行なうに当たっては、通気部3を介して浴室外から空気を取り入れるため、その浴室外の空気は、開閉蓋4の表面を沿うようにして浴室内に入るといった経路をとるようになる。つまり、浴室外の埃や塵などがこの開閉蓋4の表面に付着してしまうという問題があるが、本実施形態における開閉蓋4は、浴室ドア本体2に対して着脱自在に構成してあるから、簡単に浴室ドア1から取り外すことができ、埃が堆積し易く汚れ易い部分のお手入れ性を向上させることができる。
【0035】
以上、浴室ユニットに基づいて本発明の浴室の換気構造を説明したが、本発明の浴室の換気構造は、ミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8が設置された浴室であれば、すべてにおいて適用することができる。
【0036】
本実施形態のミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機8のミスト運転機能は、温水のミストを霧状に噴霧しているが、天井からシャワーを供給できる機能を備えたものにおいても、本発明を同様に適用することができる。
【0037】
また、着脱自在に設けた開閉蓋4の取付構造は、本実施形態のものに特に限定されるものではない。なお、本実施形態においては、開閉蓋4は浴室の外側に向けて回動するように開放しているが、浴室の内側に向けて回動して開放するように構成してもよく、特に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施形態のミスト運転時の概略側面図である。
【図2】同上の暖房運転時の概略側面図である。
【図3】同上の換気運転時の概略側面図である。
【図4】同上の乾燥運転時の概略側面図である。
【図5】同上の要部の概略断面図であり(a)はミスト運転時又は暖房運転時の状態を示し(b)は換気運転時又は乾燥運転時の状態を示している。
【図6】(a)は同上の開閉蓋の正面図を示し(b)は同上の支持部材に開閉蓋を装着する方法を説明する概略側面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 浴室ドア
2 浴室ドア本体
21 把持部
3 通気部
31 連通口
32 突起部
4 開閉蓋
5 開閉制御手段
51 駆動部
52 制御部
53 制御ボックス
6 壁パネル
61 天井パネル
62 出入り口枠
63 浴槽
64 浴室カウンター
7 支持部材
8 ミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機
9 排気ダクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室の出入り口に開閉自在に設けられた浴室ドアと、浴室内にミストを噴霧するミスト運転を行なうミスト運転機能と、浴室内を暖房する暖房運転を行なう暖房運転機能と、浴室内を換気させる換気運転を行なう換気運転機能と、浴室内を乾燥させる乾燥運転を行なう乾燥運転機能と、を備えたミストサウナ機能付浴室暖房換気乾燥機と、を有する浴室の換気構造において、浴室ドアは、浴室内外を連通する通気部と、通気部に開閉自在に設けられた開閉蓋と、ミスト運転又は暖房運転を行なったときに開閉蓋を閉塞すると共に換気運転又は乾燥運転を行なったときに開閉蓋を開放する開閉制御手段と、を備えて成ることを特徴とする浴室の換気構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−126917(P2010−126917A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−300140(P2008−300140)
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【出願人】(505154956)パナソニック電工バス&ライフ株式会社 (306)
【Fターム(参考)】