説明

海流発電システム

【課題】魚類が衝突して死亡することを低減し、環境影響の少ない海流発電システムを提供する。
【解決手段】海水の流れを回転エネルギに変換する翼2と、変換された回転エネルギを翼2に接続された回転軸を介して与えられて発電を行い、ナセル1に内包された発電機と、翼2における回転軸に接続された回転中心から外径側へ所定半径を覆うように設けられたキャップ4とを備え、キャップ4が円錐形状を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海流発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
水を用いた発電システムには、ダム等の高低差を利用した水車、海の波力、潮汐を用いた発電、浸透膜や温度差を用いた発電等、数多く存在する。高低差を利用する発電システム以外で容易に大容量のエネルギを得ることのできる発電システムは、潮流や海流の流れのエネルギを用いた発電システムである。しかし、大容量機に関してはまだ一般的ではなく、欧州の一部で先行して開発が進められている。
【0003】
図32に、係留式海流発電システムの概略構成を示し、その基礎概念について述べる。このシステムは、流れを回転エネルギに変換する翼102と、翼102に接続された箇所がキャップ106で覆われ回転エネルギを発電機に伝える回転軸とを有し、発電機がナセル101に内包されている。ナセル101は構造部材103により支持され、構造部材103は係留ワイヤ104を介して海底にアンカー105により固定されている。
【0004】
図33に、固定式海流発電システムの概略構成を示す。翼102やナセル101に関しては図32に示された係留式海流発電システムにおけるものと同様の構造であるが、ナセル101を海底に固定するために支柱112が用いられている。係留式、固定式の両方の海流発電システムにおいて、風車でよく見られるように図示されたような形状を有するキャップ106が用いられていることが多い。
【0005】
日本近海で海流発電を実施できる地点は限られており、主に黒潮、対馬海流、親潮等が挙げられる。これに対して潮流発電は潮の流れを利用するものであり、鳴門海峡のうず潮が最大級である。潮流・海流発電システムは共に周辺環境に対する影響が非常に大きく、またこれらの地点は豊富なプランクトンに支えられる漁場として利用されている。このため、新たな発電システムを構築する際には、漁業を生業としている生活者に対し、生態系の混乱等を伴う環境破壊が起こらないように十分な考慮が必要である。
【0006】
以下に、従来の海流発電システムを開示した文献名を記載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第7530224号公報
【特許文献2】米国特許第7425772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、環境影響の少ない海流発電システムを構築する必要があり、特に配慮すべきは生態系への影響である。
【0009】
通常の発電システム、特に風車を海流発電として適用した場合、発電システムに魚類が衝突して死亡すること、また魚類が死亡したことによりその上位捕食者の衰退等、生態系へ及ぼす影響が考えられる。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、魚類が衝突して死亡することを低減し環境影響の少ない海流発電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の海流発電システムは、海水の流れを回転エネルギに変換する翼と、
変換された前記回転エネルギを、前記翼に接続された回転軸を介して与えられて発電を行い、ナセルに内包された発電機とを備える海流発電システムにおいて、前記翼における前記回転軸に接続された回転中心から外径側へ所定半径を覆うように設けられたキャップをさらに備え、前記キャップが円錐形状を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の海流発電システムによれば、魚類の衝突による死亡率を低減し環境に与える影響が少ない海流発電システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1による海流発電システムの構成を示した正面図。
【図2】同実施の形態1による海流発電システムの変形例における構成を示した正面図。
【図3】本発明の実施の形態2による海流発電システムの構成を示した正面図。
【図4】本発明の実施の形態3による海流発電システムの構成を示した左側面図。
【図5】同実施の形態3による海流発電システムの変形例における構成を示した左側面図。
【図6】本発明の実施の形態4による海流発電システムの構成を示した正面図。
【図7】同実施の形態4による海流発電システムの変形例における構成を示した正面図。
【図8】同実施の形態4による海流発電システムの他の変形例における構成を示した正面図。
【図9】同実施の形態4による海流発電システムの他の変形例における構成を示した正面図。
【図10】同実施の形態4による海流発電システムの他の変形例における構成を示した正面図。
【図11】図10における翼の構成を示した拡大図。
【図12】図11におけるA−A線に沿う断面構造を示した断面図。
【図13】本発明の実施の形態5による海流発電システムの構成を示した正面図。
【図14】本発明の実施の形態6による海流発電システムの構成を示した正面図。
【図15】同実施の形態6による海流発電システムの翼及びキャップの形状を示した左側面図。
【図16】同実施の形態6による海流発電システムの翼及びキャップの形状の一部を示した拡大図。
【図17】本発明の実施の形態7による海流発電システムの構成を示した正面図。
【図18】同実施の形態7による海流発電システムの翼及びキャップの形状を示した左側面図。
【図19】同実施の形態7による海流発電システムの翼及びキャップの形状の一部を示した拡大図。
【図20】本発明の実施の形態8による海流発電システムの構成を示した正面図。
【図21】同実施の形態8による海流発電システムの翼及びキャップの形状を示した左側面図。
【図22】本発明の実施の形態9による海流発電システムの構成を示した正面図。
【図23】本発明の実施の形態9による海流発電システムの翼及びキャップの形状を示した左側面図。
【図24】同実施の形態9の第1の変形例による海流発電システムの構成を示した正面図。
【図25】同実施の形態9の第1の変形例による海流発電システムの翼及びキャップの形状を示した左側面図。
【図26】同実施の形態9の第2の変形例による海流発電システムの翼及びキャップの形状を示した左側面図。
【図27】同実施の形態9の第3の変形例による海流発電システムの翼及びキャップの形状を示した左側面。
【図28】同実施の形態9の第3の変形例による海流発電システムのキャップの断面形状を示した説明面。
【図29】本発明の実施の形態10による海流発電システムの構成を示した外観図。
【図30】同実施の形態10による海流発電システムの翼及びキャップの形状を示した説明図。
【図31】同実施の形態10の変形例による海流発電システムの構成を示した外観図。
【図32】係留式海流発電システムの概略構成を示した図。
【図33】固定式海流発電システムの概略構成を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態による海流発電システムについて、図面を参照して説明する。尚、ここで述べる海流発電システムには、海流を利用する海流発電システムに加えて、潮の流れを利用する潮流発電システムもその範囲内に含むものとする。
【0015】
(1)実施の形態1
本発明の実施の形態1による海流発電システムについて、図1を用いて説明する。
【0016】
図1に、本実施の形態1による海流発電システムの主要な構成要素を示す。このシステムは、海流の流れを回転エネルギに変換する翼2と、変換された回転エネルギを発電機に伝える回転軸と、回転軸に接続され回転エネルギを与えられて発電する発電機とを備え、発電機はナセル1に内包されている。
【0017】
さらに、翼2の前面側、即ち翼2より上流側において、回転中心から外径側へ向かって所定半径を覆うように、内側に凹となる円錐形状を有するキャップ4が設けられている。
【0018】
点線で示されたような従来用いられていたキャップ3では、点線の矢印で示されたように海流が流れ、その向きは回転軸に対する角度が小さく垂直に近いものとなる。
【0019】
本実施の形態1では、キャップ3の替わりにキャップ4を備えたことにより、海流がキャップ4に衝突して実線の矢印で示されたように翼2の外周側へ向かって分散されるようになり、その向きは回転軸に対してより大きい角度を有することになる。海流における回転軸に向かって垂直方向の流れ成分は、キャップ4に衝突した分だけ損失となる。しかし、翼2を回転させるエネルギは十分に得られるので、発電は可能である。
【0020】
そして、翼2の外周側へ向かって分散して流れる方向成分が発生することで、翼2中心部へ向かって衝突するように泳いできた魚類の進行方向も外周側へ変更される。その結果、翼2へ衝突する確率を低減することが可能となる。
【0021】
キャップ4の直径は、大きいほど魚類が翼2へ衝突する確立を低減することができるが、大きいほど損失となる。したがって、好ましくはキャップ4の直径(回転中心からキャップ4が回転してできる外周までの長さ)は翼2の回転直径の5%〜25%に設定する。
【0022】
尚、本実施の形態1の変形例として、図2に示されたようにキャップ14の形状が単純な円錐形状(母線が略直線形状である円錐形状)であっても、海流の流れが実線の矢印で示されたように翼2の外周側へ向かって分散されるようになり、魚類の衝突確率を低減することができる。海流の流れは図1に示されたキャップ4の方がより抵抗少なく翼2の外周側へ向かって変更することができるので、渦の発生を低減することができると考えられる。しかし、図2に示されたような単純な円錐形状のキャップ6によれば、作製が容易でコストを低減することができる。
【0023】
(2)実施の形態2
本発明の実施の形態2による海流発電システムについて、図3を用いて説明する。尚、上記実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0024】
本実施の形態2は、翼12が流れ方向に対して後退翼であるように構成されている。即ち翼12が、回転軸に近い中心部分が回転軸に対して垂直に近い角度を有しているが、徐々に先端に向かうに従って角度が減少し後退していく形状を有している。
【0025】
言い換えれば、翼12の断面における上面と下面との中間点を結ぶキャンバーラインと回転軸との間の角度が、先端に向かうに従って徐々に小さくなっていく形状となっている(キャンバーラインが、略U字形状となっている)。
【0026】
上記実施の形態1、2における翼2のように、回転軸に対して垂直に設置されている方が得られる回転エネルギは大きい。しかし、本実施の形態3によれば、翼12を流れ方向に対して後退翼とすることで翼12の外周側への流れる成分が増加する。この結果、魚類が直接翼12に衝突する確率を大幅に低減することが可能である。
【0027】
また、後退翼とすることで、翼12に魚類が衝突する確率が減少するため翼12自身の損傷度合いも小さくなり、延命化並びにコスト低減を図ることが可能となる。
【0028】
(3)実施の形態3
本発明の実施の形態3による海流発電システムについて、図4を用いて説明する。尚、上記実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0029】
海流発電システムでは、魚類の致死率を下げる一方で、発電システム本来の発電容量を減少させないようにする必要がある。翼径を小さくすると魚類の衝突確率を低減することができるが、発電容量が減少する。
【0030】
そこで本実施の形態3では、翼径を小さく抑えて魚類の衝突確率を減少させつつ、発電容量が減少しないように補助翼を用いている。
【0031】
図4に示されたように、上記実施の形態1と同様のキャップ4と複数の翼2が設けられ、翼2の外周側に、翼2を相互に結合する円形の外周バンドリング8が設けられ、さらに外周バンドリング8より内径側に同心円状に中間バンドリング9が設けられている。そして、円周方向における翼2のそれぞれの間に複数の補助翼10が放射状に設けられ、この補助翼10が外周バンドリング8と中間バンドリング9とによって両端がそれぞれ支持されるように構成されている。
【0032】
本実施の形態3によれば、外周バンドリング8を翼2の外周側へ設置することで翼2の先端部分が発生する翼端渦を低減することができるため、海流発電システム下流域における流れの変動を抑制し、これにより下流域での生態系へ及ぼす影響を低減することができる。
【0033】
また、翼2に加えて補助翼10も海流の流れを回転エネルギに変換する仕事をすることができる。このため、所定の出力を必要とする翼径は、補助翼10が無い場合の発電システムと比較して小さくすることができる。この結果、翼径が小さくなることで魚が翼に衝突する確率が減少し生態系への影響を小さくすることができる。
【0034】
さらに補助翼10が外周バンドリング8と中間バンドリング9とによって支持されていることで、翼2と同様に補助翼10が発生する翼端渦が低減され、海流発電システム下流域における流れの変動が抑制され生態系への影響が低減される。
【0035】
上記実施の形態2のように、翼2を流れ方向に対して後退翼とした場合にも本実施の形態3を適用し、翼2の外周側に外周バンドリング8を設け、中間バンドリング9との間に補助翼10を設けて上記実施の形態2及び本実施の形態3の効果を同時に奏することができる。
【0036】
図5に、本実施の形態3の変形例を示す。この変形例では、補助翼10がキャップ4で覆われた回転軸と中間バンドリング9との間に支持された状態で設けられている。この場合も、図4に示された実施の形態3と同様に、翼2の翼径を減らして魚類の衝突確率を減らすと共に必要な発電力を確保することができる。
【0037】
しかし、図4に示された構成の方が、図5に示された構成より回転軸と中間バンドリング9との間の断面に存在する翼の数及び翼の占める面積が小さいので、魚類が翼に衝突することなく貫通する確率が高く致死率を下げることができる。
【0038】
その一方で、図5に示された構成によれば補助翼10が回転軸と中間バンドリング9との間に両端が接続されるように設けられているため、図4に示された補助翼10が中間バンドリング9と外周バンドリング8との間に接続された構成より強度が高いと考えられる。
【0039】
(4)実施の形態4
本発明の実施の形態4による海流発電システムについて、図6を用いて説明する。尚、上記実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0040】
本実施の形態4は海底固定式海流発電システムに相当し、ナセル1が支柱21により海底に固定されている。そして、ナセル1に海水電気分解装置が内蔵されている。ナセル1に内蔵されている発電機により発電された電力が海水電気分解装置に供給され、海水が電気分解され発生した水素がエネルギとして貯蔵されるとともに、発生した酸素がケーブ22を介して支柱23に送られ、支柱23の先端の気泡排出穴24から海水中に気泡25となって放出される。この気泡排出穴24が、キャップ14で覆われた回転軸の中心前方に位置するように支柱23が海底に固定されている。
【0041】
ここで、本実施の形態4は上記実施の形態1〜3並びにそれぞれの変形例におけるいずれかの構成を備えている。
【0042】
本実施の形態4によれば、海水を電気分解することにより生成された酸素が回転軸の中心前方に位置する気泡排出穴11より排出されることで、酸素が翼2の上流側から排出されて翼2の回転径に万遍なく気泡25が行き渡り、翼2の前縁付近に酸素気泡の膜が形成される。この気泡膜により、魚類が翼2に衝突する際の衝撃を和らげるクッション材として作用して死傷率を低減し、あるいは翼2への直接衝突自体を低減させることができる。
【0043】
さらに、翼2を通過した酸素の気泡25は翼2の回転により海中を拡散され下流側へ流れていく。酸素には水の浄化作用があり、かつ下流域に生存するプランクトンの活動を活性化する作用がある。その結果、下流域の漁場が活性化されることとなる。
【0044】
本実施の形態4の変形例として、係留式海流発電システムに本実施の形態4を適用させた場合について、図7を用いて説明する。ナセル1が構造部材31により支持され、構造部材31は係留ワイヤ32を介して海底にアンカー33により固定されている。回転軸に上記実施の形態1の変形例と同様の円錐型のキャップ14が設けられており、キャップ2を貫通するように回転軸の先端にT字型のパイプ34が取り付けられており、両端には気泡排出穴35が形成されている。この気泡排出穴24は、キャップ14で覆われた回転軸の中心前方に位置する。
【0045】
上記実施の形態3と同様に、ナセル1に海水電気分解装置が内蔵されており、ナセル1に内蔵された発電機から電力が供給されて海水が電気分解され発生した水素がエネルギとして貯蔵されるとともに、発生した酸素がパイプ34に送られ、気泡排出穴35から海水中に気泡25となって放出される。
【0046】
海水の電気分解により生成された酸素が回転軸の中心前方に位置する気泡排出穴35より回転しながら排出されることで、翼2の回転径に万遍なく気泡25が行き渡り、翼2の前縁付近に酸素気泡の膜が形成される。この気泡膜によって、魚類が翼2に衝突する際の衝撃が和らげられて死傷率が低減し、また翼2への衝突自体が低減される。
【0047】
また上記実施の形態3と同様に、酸素の気泡25が翼2の回転によって海中を拡散され下流側へ流れていくことで、酸素の浄化作用並びに下流域のプランクトンの活動が活性化されて、下流域の漁場が活性化される。
【0048】
図8に、本実施の形態4における酸素の気泡を排出する構成に関する変形例を示す。この例では、キャップ44の中央先端部分に気泡排出穴45が直接形成されている。これにより、ナセル1に内蔵された海水電気分解装置から発生した酸素が、キャップ44の気泡排出穴45から排出される。
【0049】
図9に、本実施の形態4における酸素の気泡を排出する構成に関する他の変形例を示す。この例では、キャップ54の周辺領域に円状に複数の気泡排出穴55が配置されている。この場合は、排出された気泡が翼2の回転とともにより海水中に拡散されることとなる。
【0050】
このように、キャップに設ける気泡排出穴は任意の領域に任意の数だけ形成することができる。尚、キャップに気泡排出穴を形成する場合、図8に示されたように回転軸の前方の中心部分に形成すると静圧が高く気泡が排出し難い可能性がある。これに対し、図9に示されたようにキャップの周辺領域に気泡排出穴を形成した場合は、静圧がより低く気泡の排出が容易となる。
【0051】
図10に示された変形例のように、キャップ64の替わりに翼62に気泡排出穴を形成してもよい。図11に翼62の形状を拡大して示し、図11におけるA−A線に沿う縦断面形状を図12に示す。翼62は、内部が空洞である中空構造を有し、先端から前縁領域に渡って気泡排出穴63が設けられている。ナセル1に内蔵された海水電気分解装置から発生した酸素が、回転軸から翼62の内部空間を経て気泡排出穴63から海中へ排出され、翼62の回転と共に拡散される。
【0052】
これらの変形例は気泡を排出する構成に関する一例であり、これらの変形例に限らず回転軸先端に設けられたキャップから、あるいはキャップより前方側から気泡が排出されるものであれば、本実施の形態4と同様の効果を奏することができる。
【0053】
(5)実施の形態5
本発明の実施の形態5による海流発電システムについて、その構成を示した図13を用いて説明する。尚、上記実施の形態1〜4と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0054】
本実施の形態5では、図13に示されたように、ナセル1の後端部1aが終端を頂点とする円錐形状を有している。ナセル1の後端部1aがこのような円錐形状を有することにより、ナセル1の下流域において死水領域が形成されない。このため、ナセル1の下流域におけるキャビテーションの発生が抑制され、キャビテーションが原因となる魚類の殺傷が回避される。
【0055】
この結果、本実施の形態5によれば、海流発電システムの下流域における魚類の殺傷確率を低減することが可能である。
【0056】
(6)実施の形態6
本発明の実施の形態6による海流発電システムについて、その構成を示した図14〜図17を用いて説明する。図14にこの海流発電システムの主機形状の正面図を示し、図15にその左側面図としてキャップ74及び翼2の形状を示し、図16に、図15における翼2のB−B線に沿う断面形状を示す。尚、上記実施の形態1〜5と同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0057】
ナセル1と翼2より上流側に、回転中心から外径測へ向かって内側に凹となる円錐形状キャップ74が設けられているが、このキャップ74はさらに、翼2を露出するように切り欠き74aが設けられている。
【0058】
図32、図33に示されたキャップ106のような従来の形状を有する場合には、海流の流れ方向は回転軸に沿って平行となる。
【0059】
これに対し、上記実施の形態1〜5と同様に、本実施の形態6におけるキャップ74の形状により、キャップ74に海流が衝突することで矢印で示されたように翼2の外周方向へ分散される。
【0060】
翼2の垂直方向に流れる海流成分は、衝突損失分として失われるが、翼2を回転させるエネルギとしては十分確保され発電が可能である。
【0061】
さらに本実施の形態6によれば、キャップ74において翼2が露出するように切り欠き74aが形成されている。図15に示されたように、キャップ74と翼2との間に隙間が存在するように切り欠き74aが存在する。さらに図16に示されたように、キャップ74の切り欠き74aにより、翼2の圧力面2a及び負圧面2bの両方を含む全面が露出する。これにより、翼2に海流が流れて翼としての性能を十分に発揮しキャップ74による出力低下を抑制することができる。
【0062】
以上のように本実施の形態6によれば、翼2の中心部へ衝突するように泳いできた魚類の進行方向がキャップ74により外周側へ変更されて衝突確率が低減されると共に、キャップ74に切り欠き74aが形成されたでキャップ74による出力低下を抑制することが可能である。
【0063】
(7)実施の形態7
本発明の実施の形態7による海流発電システムについて、その構成を示した図17〜図19を用いて説明する。図17にこの海流発電システムの主機形状の正面図を示し、図18にその左側面図としてキャップ84及び翼2の形状を示し、図19に、図18における翼2のC−C線に沿う断面形状を示す。尚、上記実施の形態1〜6と同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0064】
上記実施の形態6では、キャップ74の切り欠き74aが翼2の負圧面及び圧力面の両方を含む全面を露出するように形成されている。これに対し本実施の形態7では、キャップ84において翼2における圧力面のみが露出するように切り欠き84aが形成されている。より具体的には、図18に示されたように、翼2の圧力面2aのみがキャップ84との間に隙間があり、負圧面2bとキャップ84との間に隙間がないように切り欠き84aが形成されている。また図19に示されたように、キャップ84の切り欠き84aにより、翼2の圧力面2aが露出する。
【0065】
このように本実施の形態7では、切り欠き84aによる翼2の露出部を圧力面2aに限定しているが、翼2は圧力面2aと負圧面2bとの圧力差により回転することから、キャップ84による出力低下を抑制することが可能である。また、上記実施の形態6よりもキャップ84が翼2を覆う部分が多いことから、魚類の死傷率をより低下させることができる。
【0066】
(8)実施の形態8
本発明の実施の形態8による海流発電システムについて、図20、図21を用いて説明する。図20にこの海流発電システムの主機形状の正面図を示し、図21にその左側面図としてキャップ94及び翼2の形状を示す。上記実施の形態1〜7と同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0067】
本実施の形態8では、翼2がキャップ94上に接合され、あるいは翼2とキャップ94とが一体となるように成形されている。上記実施の形態1〜7では、いずれも翼の上流側にキャップが設けられ、キャップには翼の形状が全く形成されていない。このため、キャップで覆われている部分は翼が存在しない状態にある。
【0068】
一方、本実施の形態8ではキャップ94上に翼2が接合されていることから、キャップ94の表面上に翼の中心部分の形状が形成された状態となる。これにより、翼2のより多くの面積に海流が作用して仕事量が増加し、出力を高めることができる。
【0069】
また本実施の形態8においても上記実施の形態1〜7と同様に、キャップ94の存在により海流が翼2の外周方向へ流れることで、魚類の衝突確率を低減することが可能である。
【0070】
(9)実施の形態9
本発明の実施の形態9による海流発電システムについて、主要な構成要素を示した図22、その翼とキャップの形状を示した図23を用いて説明する。上記実施の形態1〜8と同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0071】
本実施の形態9は、翼2の回転軸中心に対してキャップ104aの図形上の中心位置が偏心するように、キャップ104aが設けられている。キャップ104aの図形上の中心位置を偏心させることで、図23において一点鎖線で示されたようにキャップ104aが回転する半径が見かけ上大きくなる。これにより、キャップ104aが見かけ上翼2を覆う面積が大きくなり、魚類の死傷率を低減させることができる。
【0072】
また、キャップ104a自体の面積は、翼2を覆う一点鎖線で囲まれた見かけ上の面積よりも小さいため、翼2がキャップ104aから露出して海流を受ける面積も確保され、キャップ104aで覆われることによる出力低下を抑制することができる。
【0073】
キャップ104の回転軸と翼2の回転軸との間にギア等を設けて、キャップ104の回転数と翼2の回転数とを異ならせてもよい。この場合には、海流に対してキャップ104により翼2が隠れている部分を常に変化させることができる。複数枚の翼2のうち、露出面積が大きいもの程海流を受ける負荷が大きくなるが、この負荷を均一化させ翼2全体の疲労を分散させて寿命を延ばすことができる。また、発電機の回転軸にかかる負荷も均一化され片減りを防ぐことができる。尚、この翼2への負荷の均一化は、翼2の回転数よりキャップ104の回転数が高い方がより効果的である。
【0074】
図24に、本実施の形態9の第1の変形例による海流発電システムにおける主要な構成要素を示し、図25に翼2とキャップ104bの形状を示す。
【0075】
この第1の変形例では、上記実施の形態9とは異なり翼2の回転軸中心とキャップ104bの図形上の中心とは一致しており偏心していない。さらにキャップ104bは、図25において示されたように、上記実施の形態9のような真円ではなくハッチングが施された一部の領域104cが欠けた形状を有する。
【0076】
この第1の変形例によれば、図25において一点鎖線で示されたようにキャップ114が回転する半径が見かけ上大きくなり、上記実施の形態9と同様に魚類の死傷率を低減させることができる。さらにキャップ114が真円から一部の領域104cが欠けた形状を有することで、円形状のキャップ104を有する上記実施の形態9よりも翼2がキャップ2から露出する部分がより大きくなり、出力を向上させることができる。
【0077】
図26に、本実施の形態9の第2の変形例による海流発電システムにおける翼2とキャップ114の形状を示す。
【0078】
この第2の変形例では、翼2の回転軸中心とキャップ114の図形上の中心とは一致しておらず偏心している。さらにキャップ114は、楕円形状を有する。
【0079】
この第2の変形例によれば、図23において点線で示されたようにキャップ114が回転する半径が見かけ上大きくなり、上記実施の形態9、第1の変形例と同様に魚類の死傷率を低減させることができる。さらにキャップ114を楕円形状としたことで、円形状のキャップ104を有する上記実施の形態9よりも、翼2がキャップ2から露出して海流を受ける部分が大きくなり、出力を向上させることができる。
【0080】
図27に、本実施の形態9の第3の変形例による海流発電システムにおける翼2とキャップ124とを示す。この第3の変形例では、翼2の回転軸中心とキャップ124の図形上の中心とは一致しており偏心しておらず、キャップ124が多角形形状を有する。
【0081】
ここでは翼2の枚数が3であり、これと同数の頂点を有するように多角形形状として三角形の形状をキャップ124が有する。さらに、キャップ124の3つの頂点が、それぞれ翼2の間に位置するように設けられている。翼2の枚数が4枚の場合は、キャップは四角形、翼2の枚数が5枚の場合は、キャップは五角形の形状を有し、それぞれの頂点が翼の間に位置することが望ましい。
【0082】
尚、図27におけるキャップ124のD−D線に沿う断面を図28に示す。図28(a)に示されたように、左右対称な二等辺三角形の断面の一部124aが除去された形状であってもよく、あるいは図28(b)のように左右が非対象な形状を有し一部124bが欠けた形状を有するものであってもよい。
【0083】
この第3の変形例によれば、図27において一点鎖線で示されたようにキャップ124が回転する半径が見かけ上大きくなるため、上記実施の形態9、第1の変形例、第2の変形例と同様に魚類の死傷率を低減させることができる。さらにキャップ124を多角形状としたことで、円形状のキャップ104を有する上記実施の形態9より翼2がキャップ2から露出する部分が多くなり、出力が向上する。
【0084】
第1、第2、第3の変形例においても上記実施の形態9と同様に、キャップ114a、114b、124の回転軸と翼2の回転軸との間にギア等を設けて、キャップ114a、114b、124の回転数と翼2の回転数とを異ならせてもよい。
【0085】
(10)実施の形態10
本発明の実施の形態10による海流発電システムについて、図29〜図30を用いて説明する。図29にこの海流発電システムの主機形状の正面図を示し、図30にその左側面図としてキャップ134及び翼2の形状を示す。上記実施の形態1〜9と同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0086】
本実施の形態10では、キャップ134の表面上に円環状のネット41が設けられている。キャップ134から露出している翼2の部分で海流を受けて回転するが、魚類が翼2に衝突する確率は全く零ではない。
【0087】
そこで本実施の形態10では、翼2の上流側にネット41を設けることで、魚類が翼2に衝突することを回避し魚類の致死率を低減することが可能である。
【0088】
ところで、ネット41を翼2の上流側に設置すると、海草や流れてきた塵等がネット41に付着するため、取り除く作業が必要となる。本実施の形態10によれば、ネット41がキャップ134と共に回転することで、一旦付着した塵類を振り払うことで、取り除く作業回数を少なくすることができる。
【0089】
図31に、本発明の実施の形態10の変形例による海流発電システムの構成を示す。この変形例では、ネット41をキャップ144よりさらに上流側へ設置するために、ネット支持棒42をキャップ144の上流側へ設け、このネット支持棒42にネット41を取り付けている。ネット支持棒42はキャップ144と共に回転し、これに伴いネット41も回転する。
【0090】
この変形例においても上記実施の形態10と同様に、魚類が翼2に衝突することを回避し魚類の致死率を低減すると共に、ネット41が回転することで一旦付着した塵類が振り払われ、取り除く作業回数を低減することができる。
【0091】
尚、ネット41は金属、化学繊維、樹脂等の素材を用いて作製することができる。金属を用いた場合は海流におけるネット41の回転抵抗を少なくすることができる。化学繊維を用いた場合は、海流に沿って撓むことで、魚類に傷を付けにくいという効果が得られる。さらに樹脂を用いた場合には、回転抵抗を減少させ、かつ魚類に与える傷を減少させることが可能である。
【0092】
上記実施の形態1〜10によれば、魚類の衝突による死亡率を低減し、魚類の死亡によるその上位捕食者の衰退等、環境に与える影響が少ない海流発電システムを提供することができる。
【0093】
上記実施の形態はいずれも一例であって限定するものではなく、様々に変形することが可能である。
【0094】
上記実施の形態2〜10及びそれぞれの変形例では、いずれも上記実施の形態1と同様の形状を有するキャップを備えている。しかし、このようなキャップを備えていない場合であっても魚類の衝突確率を低減することができる。例えば、上記実施の形態2及びその変形例において後退翼を有することで、上記実施の形態1と同様のキャップを有していなくとも魚類の衝突確率が低減され生態系への影響を下げることができる。また上記実施の形態3、4及びそれぞれの変形例において気泡を発生することにより、上記実施の形態1と同様のキャップを有していなくとも魚類の衝突確率の低減並びに生態系への影響の低減が可能である。
【0095】
また、上記実施の形態4、並びに実施の形態4の各変形例において、海水電気分解装置は必ずしもナセルに内蔵されている必要はなく、ナセルの外部に設けられていてもよい。
【0096】
さらに、上記実施の形態5はナセルの後端が円錐形状を有しているが、上記実施の形態6〜10、変形例のそれぞれにおいても同様にナセルの後端が円錐形状を有するように構成してもよい。
【0097】
あるいはまた、上記実施の形態10、その変形例において、上記実施の形態6、7のようにキャップに切り欠きが設けられていてもよく、あるいは上記実施の形態8のようにキャップに翼が接合、あるいは一体に成形されていてもよい。
【符号の説明】
【0098】
1 ナセル
2、12、62 翼
4、14、44、54、64、74、84、94、104a、104b、114、124、134、144 キャップ
8 外周バンドリング
9 中間バンドリング
10 補助翼
21、23 支柱
22 ケーブル
24、35、45、55 気泡排出穴
34 パイプ
41 ネット
42 ネット支持棒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
海水の流れを回転エネルギに変換する翼と、
変換された前記回転エネルギを、前記翼に接続された回転軸を介して与えられて発電を行い、ナセルに内包された発電機と、
を備える海流発電システムにおいて、
前記翼における前記回転軸に接続された回転中心から外径側へ所定領域を覆うように設けられたキャップをさらに備え、
前記キャップが円錐形状を有することを特徴とする海流発電システム。
【請求項2】
請求項1に記載の海流発電システムにおいて、前記キャップが前記回転中心から前記外径側へ向かうに従い内側に凹となる円錐形状または母線が略直線形状である円錐形状を有することを特徴とする請求項1記載の海流発電システム。
【請求項3】
前記翼が、海水の流れ方向に対して後退する後退翼形状を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の海流発電システム。
【請求項4】
前記翼の外周側に前記翼を連結する円形の外周バンドリングと、
前記外周バンドリングの内周側に、前記外周バンドリングと同心円状に設けられた中間バンドリングと、
前記回転軸から前記中間バンドリングへ向かって放射状に設けられた補助翼と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の海流発電システム。
【請求項5】
前記翼の外周側に前記翼を連結する円形の外周バンドリングと、
前記外周バンドリングの内周側に、前記外周バンドリングと同心円状に設けられた中間バンドリングと、
前記中間バンドリングから前記外周バンドリングに向かって放射状に設けられた補助翼と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の海流発電システム。
【請求項6】
前記発電機により発電された電力を用いて海水を電気分解し、酸素及び水素を発生させる海水電気分解装置と、
前記海水電気分解装置が発生した酸素を与えられ、前記翼の上流側から気泡を排出する気泡排出穴を有する気泡排出手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載の海流発電システム。
【請求項7】
前記気泡排出手段として、前記気泡排出穴を一端に有する支柱を有し、前記海水電気分解装置が発生した酸素を与えられて前記気泡排出穴から気泡を排出することを特徴とする請求項6記載の海流発電システム。
【請求項8】
前記気泡排出手段として、前記キャップを介して前記回転軸に接続され前記翼の上流側へ向けて延在し一端に前記気泡排出穴を有し、前記回転軸の回転とともに回転するパイプを有し、前記海水電気分解装置が発生した酸素を与えられて前記気泡排出穴から気泡を排出することを特徴とする請求項6記載の海流発電システム。
【請求項9】
前記発電機により発電された電力を用いて海水を電気分解し、酸素及び水素を発生させる海水電気分解装置と、
前記海水電気分解装置が発生した酸素を与えられて気泡を排出する気泡排出穴を有する気泡排出手段と、
をさらに備え、
前記気泡排出手段として、前記キャップが前記気泡排出穴を有し、前記海水電気分解装置が発生した酸素を与えられて前記気泡排出穴から排出することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載の海流発電システム。
【請求項10】
前記発電機により発電された電力を用いて海水を電気分解し、酸素及び水素を発生させる海水電気分解装置と、
前記海水電気分解装置が発生した酸素を与えられて気泡を排出する気泡排出穴を有する気泡排出手段と、
をさらに備え、
前記気泡排出手段として、前記翼が縁部に沿って前記気泡排出穴が形成された中空構造を有し、前記海水電気分解装置が発生した酸素を与えられて前記気泡排出穴から気泡を排出することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載の海流発電システム。
【請求項11】
前記ナセルの後端部が、後端を頂点とする円錐形状を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の海流発電システム。
【請求項12】
前記キャップに、前記翼が露出するように切り欠きが設けられていることを特徴とする請求項1乃至5、又は11のいずれか1項に記載の海流発電システム。
【請求項13】
前記キャップに、前記翼の圧力面のみが露出するように切り欠きが設けられていることを特徴とする請求項1乃至5、又は11のいずれか1項に記載の海流発電システム。
【請求項14】
前記翼は、前記所定領域において前記キャップ上に接合され、又は前記キャップと一体となるように成形されていることを特徴とする請求項1記載の海流発電システム。
【請求項15】
前記キャップの図形上の中心が、前記回転軸から偏心していることを特徴とする請求項1乃至5、又は11のいずれか1項に記載の海流発電システム。
【請求項16】
前記キャップは真円から一部の領域が除去された形状を有し、前記領域から前記翼の一部が露出することを特徴とする請求項1乃至5、又は11のいずれか1項に記載の海流発電システム。
【請求項17】
前記キャップは楕円形状を有し、この楕円の中心が前記回転軸から偏心していることを特徴とする請求項1乃至5、又は11のいずれか1項に記載の海流発電システム。
【請求項18】
前記キャップは前記翼と同数の多角形形状を有し、この多角形のそれぞれの頂点が前記翼の間に位置することを特徴とする請求項1乃至5、又は11のいずれか1項に記載の海流発電システム。
【請求項19】
前記翼の回転数と前記キャップの回転数とが異なることを特徴とする請求項15乃至18のいずれか1項に記載の海流発電システム。
【請求項20】
前記キャップ上にネットがさらに設けられ、前記ネットが前記キャップと共に回転することを特徴とする請求項1乃至5、又は11のいずれか1項に記載の海流溌電システム。
【請求項21】
前記キャップの先端から上流方向に延在するように接合された部材と、前記部材に取り付けられたネットとをさらに備え、前記ネットが前記キャップと共に回転することを特徴とする請求項1乃至5、又は11のいずれか1項に記載の海流発電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2012−41920(P2012−41920A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−147496(P2011−147496)
【出願日】平成23年7月1日(2011.7.1)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】