説明

浸透気化法において用いられる捕水システム

【課題】 浸透気化法において、透過膜の透過側に接続され、透過膜の透過側を透過膜の供給側に比べて減圧することができる捕水システム、浸透気化法において、透過膜の透過側に接続され、透過膜の透過側を透過膜の供給側に比べて減圧し、透過膜を透過した画分を冷却して液化するとともに、混入した気泡を除去することができる捕水システムを提供すること。
【解決手段】 浸透気化装置の透過膜の透過側に配置されて、浸透気化装置の透過側を供給側に比べて減圧するとともに、透過膜の透過側に透過した画分を液化するための捕水システムであって、前記捕水システムにはアスピレーターが設けられており、前記アスピレーター内を流れる液体によって浸透気化装置の透過側を供給側に比べて減圧するとともに、浸透気化装置の透過側に透過した画分をアスピレーター内を流れる液体によって液化することを特徴とする捕水システムとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浸透気化法において用いられる捕水システムに関する。より詳しくは、浸透気化法において、透過膜の透過側に接続され、透過膜の透過側を透過膜の供給側に比べて減圧することができる捕水システムに関する。また本発明は、浸透気化法において、透過膜の透過側に接続され、透過膜の透過側を透過膜の供給側に比べて減圧し、透過膜を透過した画分を冷却して液化するとともに、混入した気泡を除去することができる捕水システムに関する。さらに本発明は、宇宙空間などの微小重力環境においても、好適に使用することができる捕水システムに関する。
尚、本明細書において、浸透気化法は、パーベーパレーション法と同義語である。
【背景技術】
【0002】
宇宙環境利用を進めるためには、国際宇宙ステーションの開発と軌道上建設及びその運用を支える科学技術の基盤構築が不可欠である。特に、宇宙ステーションにおける有人活動では、人が生きるために必要な空気、水、食料を供給し、排出される廃棄物を速やかに取り除く環境制御・生命維持システムが重要とされる。中でも廃水を浄化処理して再利用することができれば、必要な資源を地上から補給する量が減り、ひいては補給コストの削減を期待することができる。
【0003】
本発明者らは、特許文献1において、親水性のキトサン膜を用いた浸透気化法を開示しており、この浸透気化法によって、(1)水中の非揮発成分を完全に除去できること、(2)キトサン膜で遊離アンモニアを約60%除去できること、(3)硝酸アンモニアや有機酸アンモニアの場合90%以上除去できること、(4)浸透気化法と吸着法を組み合わせた方法によれば、遊離アンモニアを99.99%以上除去できること、(5)真空を利用して吸着剤を繰り返し再生できること、などを明らかにした。
【0004】
特許文献1に開示したような浸透気化法による浸透気化システムを、宇宙環境において安定的に運用するためには、浸透気化における気化熱に相当する温熱の供給によって膜透過駆動プロセスを維持すること、透過水蒸気を凝縮液化するための冷熱を供給すると同時に透過側の減圧を維持することなどが必要とされる。
宇宙空間の特徴は極端な温度差である。即ち、太陽光の当たる日向は高温になり、太陽光の当たらない日陰は低温になる。従って、適当な液体媒体と熱交換器及び媒体の輸送手段によって温熱及び低温を浸透気化システムの所定部位に運ぶことが可能である。また、太陽光発電によって電気エネルギーから温熱及び冷熱を発生させて浸透気化システムで利用することも可能である。
【0005】
【特許文献1】特開2001−269572号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1記載の発明による浸透気化法によって、宇宙環境における水循環システムを構築するために残された課題は微少重力環境における捕水手法の開発である。
通常、浸透気化装置の透過側は、供給側に比べて減圧されている。宇宙環境において、減圧状態は、宇宙空間を利用することによって容易に得ることができる。しかし、浸透気化装置の透過側を減圧するために宇宙空間を利用すると、透過側に透過した画分を回収することが困難となるといった問題が存在した。
【0007】
また、通常の浸透気化システムにおける透過水蒸気の凝縮による液化は熱交換器を用いた冷却で行われる。凝縮液の扱いは微少重力環境特有の難しい課題である。即ち、微小重力下では凝縮液化した液体は熱交換器に付着してそこに止まり熱交換効率を低下させてしまう。従来、熱交換器に付着した凝縮液を除去するには、熱交換器に機械的回転運動を与えてその遠心力によって付着した凝縮液を除去することが考えられていた。しかし、この手法は浸透気化システムを複雑にしてしまうためシステムを安定的に運用することが困難になるといった問題が存在した。
さらに、熱交換器を用いた冷却では気体の凝縮・液化エネルギーが必要とされるが、熱交換における熱交換器材料を伝わる熱伝導にともなうエネルギーがロスする。また凝縮液は熱の不良導体であるので、熱交換器を用いた冷却では、熱交換効率を上昇させることは困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記した課題を解決するためになされた発明であって、請求項1に係る発明は、浸透気化装置の透過膜の透過側に配置されて、浸透気化装置の透過側を供給側に比べて減圧するとともに、透過膜の透過側に透過した画分を液化するための捕水システムであって、前記捕水システムにはアスピレーターが設けられており、前記アスピレーター内を流れる液体によって浸透気化装置の透過側を供給側に比べて減圧するとともに、浸透気化装置の透過側に透過した画分をアスピレーター内を流れる液体によって液化することを特徴とする捕水システムに関する。
【0009】
請求項2に係る発明は、浸透気化装置の透過膜の透過側に配置されて、浸透気化装置の透過側を供給側に比べて減圧するとともに、透過膜の透過側に透過した画分を液化するための捕水システムであって、前記捕水システムにはアスピレーターと、ポンプとが設けられてなり、前記ポンプによって液体がアスピレーター内に供給されることによって、浸透気化装置の透過側を供給側に比べて減圧するとともに、浸透気化装置の透過側に透過した画分を前記ポンプによってアスピレーター内に供給された液体によって液化することを特徴とする捕水システムに関する。
【0010】
請求項3に係る発明は、浸透気化装置の透過膜の透過側に配置されて、浸透気化装置の透過側を供給側に比べて減圧するとともに、透過膜の透過側に透過した画分を液化するための捕水システムであって、循環ラインと、前記循環ラインには、アスピレーターと、ポンプと、熱交換手段と、気泡除去装置と、が設けられてなり、前記循環ライン内の液体は前記ポンプによって循環移動可能とされており、前記アスピレーターは、前記液体の循環移動によって、浸透気化装置の透過側を供給側に比べて減圧するとともに、浸透気化装置の透過側に透過した画分をアスピレーター内を循環移動する液体によって液化され、前記液体は熱交換手段によって液温が一定温度範囲に調節されるとともに、前記気泡除去装置によって、前記液体中に存在する気泡が除去されることを特徴とする捕水システムに関する。
【0011】
請求項4に係る発明は、前記気泡除去装置が、一方の端面中央部に気泡排出孔と、一方の端部に液体用の供給口と、他方の端部に脱泡液体用の排出口とを、それぞれ備えた円筒形状のハウジングと、前記ハウジング内において、前記ハウジングの中心軸線と同軸に配設されて旋回流室を画成する先端に開口部が設けられた円錐形状のコーンと、一端が前記ハウジング外部に開放されかつ周壁に多数の小孔が穿設されるとともに、前記コーンの中心軸線に沿って伸びる気泡除去管と、が設けられてなり、前記循環ライン内を循環移動する液体は、前記供給口から気泡除去装置に供給され、前記供給口を介して旋回流路に導入された液体は、遠心分離作用により液体と、液体に含まれていた気泡とを外側と内側の層に各々分離し、前記コーンの中心軸線に沿って集合する気泡を液体とともに前記気泡除去管を介して外部に排出し、前記コーンの先端開口部から吐出された液体は、脱泡液体用の排出口から排出されることを特徴とする請求項3に記載の捕水システムに関する。
【0012】
請求項5に係る発明は、前記気泡除去装置が、一方の端面中央部に気泡排出孔と、一方の端部に液体用の供給口と、他方の端部に脱泡液体用の排出口とを、それぞれ備えた円筒形状のハウジングと、前記ハウジング内において、前記ハウジングの中心軸線と同軸に配設されて旋回流室を画成する先端に開口部が設けられた円錐形状のコーンと、一端が前記ハウジング外部に開放されかつ周壁に多数の小孔が穿設されるとともに、前記コーンの中心軸線に沿って伸びる気泡除去管と、前記コーンの外面側に沿って設けられた熱交換手段と、前記コーンの中心軸線延長線上に設けられ、前記円錐形状のコーンの先端開口部から吐出した液体の流れ方向を変えるための表面半球状の流方向反転体と、が設けられてなり、前記循環ライン内を循環移動する液体は、前記供給口から気泡除去装置に供給され、前記供給口を介して旋回流路に導入された液体は、遠心分離作用により液体と、液体に含まれていた気泡とを外側と内側の層に各々分離し、前記コーンの中心軸線に沿って集合する気泡を液体とともに前記気泡除去管を介して前記排出口から外部に排出し、前記コーンの先端開口部から吐出された液体は、前記流方向反転体によって、流方向が反転させられ、前記熱交換手段によって、液体に温度変化が与えられた後、脱泡液体用の排出口から排出されることを特徴とする請求項3に記載の捕水システムに関する。
【0013】
請求項6に係る発明は、前記アスピレーター内を流れる液体が、実質的に不純物を含有していないことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の捕水システムに関する。
【発明の効果】
【0014】
請求項1及び2に係る発明によれば、浸透気化装置の透過側をアスピレーターによって減圧しているので、浸透気化装置の透過側を減圧すると同時に、透過側に透過した画分がアスピレーター内を流れる液体と熱交換することによって、この画分は液化されるので、透過画分を容易に回収することが可能となる。
また熱交換手段の回転装置などを必要としないので、浸透気化システムを安定的に運用することができる。
請求項3に係る発明によれば、さらに熱交換手段と、気泡除去装置と、循環ラインとが設けられ、液体が循環移動可能とされているので、液体の液温を一定温度範囲に維持することができるとともに、液体に混入した気泡を除去することが可能となり、浸透気化システムをより安定的に運用することができる。
請求項4に係る発明によれば、液体の遠心力によって液体中の気泡を除去することができ、回転運動を与える手段などを必要としないので、浸透気化システムをより安定的に運用することができる。
また透過側に透過した成分の液化による循環ライン内の液体の増分は、気泡とともに気泡除去装置から排出されるので、透過成分の回収を容易に行うことができる。
請求項5に係る発明によれば、気泡除去装置の円錐形のコーンの外周に熱交換手段が設けられているので、捕水システムをコンパクト化することができ、スペースを有効利用することができる。
請求項6に係る発明によれば、透過膜を透過した画分の汚染を最小限度に抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る捕水システムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本発明に係る捕水システムの好適な実施形態の一例を示す図である。
【0016】
本発明に係る捕水システムは、浸透気化装置の透過側に接続されて使用される。即ち、浸透気化装置の透過膜の透過側を供給側に比べて減圧するとともに、透過膜を透過した画分を液化して回収するための装置である。
尚、浸透気化法は、透過膜の供給側(一次側)に液体が供給され、透過膜の透過側(二次側)が気体という、相変化を伴う分離方法である。
【0017】
本発明に係る捕水システム(10)には、図1に示すように、浸透気化装置(A)の透過側(b)に設けられたアスピレーター(11)からなる。アスピレーター(11)には、液体供給口(11a)と、液体吐出口(11b)と、吸引口(11c)とがあり、浸透気化装置(A)の透過側(b)は、吸引口(11c)に接続されている。
液体供給口(11a)に液体が供給されて液体吐出口(11b)から吐出されることによって、吸引口(11c)から気体が吸引されて、浸透気化装置(A)の透過側(b)が減圧される。
【0018】
浸透気化装置(A)の透過膜(c)を透過した画分(以下、透過画分という場合がある。)は、アスピレーター(11)の吸引によって、吸引口(11c)からアスピレーター(11)内に入り、アスピレーター(11)内を流れる液体と接触する。これによって、透過画分と、液体との間で熱交換が起こり、透過画分は液化される。
透過画分を容易に回収するために、アスピレーター(11)内に供給される液体は、透過画分と同一の物質、或いは透過画分と容易に分離することができる物質であることが好ましい。例えば、透過画分が水(水蒸気)を含む場合、水の回収を容易に行うために、アスピレーター(11)内に供給される液体は、水であることが好ましい。
【0019】
図1に示すように、本発明に係る捕水システム(10)には、ポンプ(12)が設けられ、このポンプ(12)の駆動によって、液体がアスピレーター(11)に供給されることが好ましい。
本発明で用いられるポンプ(12)は、液体を圧送することができるものであれば特に限定されず、例えば、遠心ポンプ、レビトロポンプ、マグネットポンプ、自給式マグネットポンプ、バレスケ型ポンプなどを例示することができる。
【0020】
ポンプ(12)は、アスピレーター(11)の最適流水通過速度以上となるように、液体をアスピレーター(11)に供給することができるものであることが好ましく、アスピレーター(11)の最適流水通過速度の2倍以上の液体をアスピレーター(11)に供給することができるポンプ(12)がより好ましい。
アスピレーター(11)に供給される液体が少ないと、浸透気化装置(A)の透過側(b)を充分減圧することができない場合がある。
【0021】
ポンプ(12)を構成する素材としては、液体を汚染する心配がない材質であることが好ましく、例えば、PVDFを例示することができる。
【0022】
特に、本発明では、ポンプ(12)として、レビトロポンプを使用することが好ましい。図2は、レビトロポンプ(120)の概略構成を示す図である。レビトロポンプ(120)には、コイル(121)が設けられており、一体化されたインペラ(122)とローター(123)を磁気浮上させて、ステーター(124)の磁界内で回転させる機構を有している。
このように、レビトロポンプ(120)には、シャフト・軸受・軸封などが無く、摩擦熱やパーティクルの発生が無い。また液体を汚染することがなく、液体を高純度に保つことができる。またレビトロポンプ(120)は、液体中の気泡を排出する能力を有するので、液体の気泡除去効果を期待することもできる。
【0023】
図1に示すように、本発明に係る捕水システム(10)には、気泡除去装置(13)が設けられていることが好ましい。
液体中に存在する気体は、宇宙環境のような微小重力環境下では、気泡として留まった状態で存在するので、液体中に存在する気泡を積極的に除去しないと、熱交換効率の低下などを招くことがある。
本発明で用いられる気泡除去装置(13)としては、液体中に存在する気泡を除去することができるものであれば特に限定されない。好ましくは、液体に遠心力を与えて、液体と気泡とを分離して気泡を除去することができる気泡除去装置(13)を例示することができる。
【0024】
図1に示すように、本発明に係る捕水システム(10)には、熱交換手段(14)が設けられていることが好ましい。
アスピレーター(11)内に供給される液体は、透過画分と接触した際に、透過画分を液化する。このために、液体の液温が上昇する。液温が上昇すると、最終的には、透過画分の液化を効率良く行うことが困難になる。
捕水システム(10)に熱交換手段(14)を設けることによって、液体の液温を一定範囲に調節することが可能となり、効率良く透過画分を液化することができる。
熱交換手段(14)としては、特に限定されるものではなく、一般的な熱交換手段を例示することができる。
【0025】
図1に示すように、アスピレーター(11)、気泡除去装置(13)、ポンプ(12)及び熱交換手段(14)は、循環ライン(15)によって連結されていることが好ましい。ポンプ(12)の駆動によって、循環ライン(15)内を液体が循環移動することができる。
循環ライン(15)を構成する材質は、液体を汚染しない素材であれば特に限定されず、例えば、ステンレスを例示することができるが、循環ライン(15)の軽量化のために、エンジニアリングプラスチック類、特にテフロン(登録商標)をコーティングしたエンジニアリングプラスチック類が好ましい。
【0026】
図3に、本発明で好適に用いられる気泡除去装置(130)の一例を示す。
図3に示す気泡除去装置(130)は、円筒形のハウジング(131)を備えている。円筒形のハウジング(131)の一方の端面中央部には、液体増分排出兼気泡排出孔(132a)と、一方の端面には気泡含有液体用の供給孔(133a)とが設けられている。供給孔(133a)には気泡含有液体用の供給管(133)が挿通されており、供給された液体が後述する円錐形状のコーン(134)の接線方向に噴出するようにされている。液体が円錐形状のコーン(134)の接線方向に噴出するようにされているので、液体は旋回流室(136)内で旋回流を生じる。
液体増分排出兼気泡排出孔(132a)には、液体増分排出兼気泡排出管(132)が挿通されている。
円筒形のハウジング(131)の他方の端部には、脱泡液体用排出口(135a)が設けられており、脱泡液体用排出管(135)が挿通されている。
円筒形のハウジング(131)内には、円筒形のハウジング(131)の中心軸線と同軸に配設されて旋回流室(136)を画成する先端に開口部が設けられた円錐形状のコーン(134)と、一端がハウジング外部に開放されかつ周壁に多数の小孔が穿設されるとともに、前記コーン(134)の中心軸線に沿って伸びる液体増分排出兼気泡除去管(132)とが備えられている。
【0027】
さらに、図示する気泡除去装置(130)のように、円筒形のハウジング(131)内には、コーン(134)の中心軸線延長線上に設けられ、前記円錐形のコーン(134)の先端開口部から吐出した液体の流れ方向を変えるための表面半球状の流方向反転体(137)が設けられていることが好ましい。
さらに、図示する気泡除去装置(130)のように、コーン(134)の外面に沿って熱交換手段(14)を設けることが好ましい。
【0028】
アスピレーター(11)に供給された液体は、供給口(133a)を介して旋回流室(136)に導入される。この液体が気泡を含有する場合、遠心分離作用により液体と気泡とを外側と内側の層に各々分離され、コーン(134)の中心軸線に沿って集合する気泡を液体とともに液体増分排出兼気泡除去管(132)を介して外部に排出することができる。
透過画分を液化すると、当然、循環ライン(15)内を流れる液体の流量が増加する。循環ライン(15)の液量が許容量以上になると、液体が気泡とともに液体増分排出兼気泡除去管(132)から排出される。透過画分を回収して再利用する場合であれば、液体増分排出兼気泡除去管(132)から溢れ出た液体を回収すれば、容易に利用することができる。
一方、気泡が除去された液体は、コーン(134)の先端開口部から吐出する。図示する気泡除去装置(13)では、先端開口部から吐出した液体は、流方向反転体(137)によって、流方向が反転させられて、螺旋状に巻回する管(冷却コイル)と接触して冷却されて、前記コーン(134)の外面側を通過して、一方の端面側のハウジング(131)内壁によって、再び流方向が反転させられ、排出口(135)から排出される。
流方向反転体(137)が設けられていない場合、液体は排出口(135)から排出される。
【0029】
図示する気泡除去装置(130)のように、コーン(134)の外面に沿って熱交換手段(14)を設けることによって、液体が円筒形のハウジング(131)内を通過する際に、液体の熱交換を行うことができる。
図示する熱交換手段(14)では、コーン(134)の外面に沿って、コーン(134)の外面を螺旋状に巻回する管が備えられており、この管内に熱交換用の冷媒を通液することによって、液体を熱交換することができるように構成されている。
螺旋状に巻回する管(冷却コイル)の材質は液体を汚染することがない材質が好ましく、かつ熱伝導率の高い材質が好ましく、このような素材としては、例えばSUS304、SUS316、銅、チタン系合金などを例示することができる。
【0030】
気泡除去装置(13)を構成する材質は、液体を汚染することがない材質が好ましく、このような素材としては、例えば、SUS304、SUS316、銅、チタン系合金を例示することができ、かつ軽量である材質が好ましい場合はポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリプロピレン、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、エンジニアリングプラスチックなどを例示することができる。
【0031】
本発明に係る捕水システムは、宇宙環境のような微小重量環境において実施する浸透気化法の捕水システムとして好適に用いることができるが、地上において実施する浸透気化法の捕水システム、例えば、医療用及び生化学実験用の小型浸透気化膜超純水製造装置として用いることもできる。
【実施例】
【0032】
以下、本発明を実施例に基づき、より詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
【0033】
[捕水装置]
図4〜6に、以下の実施例で使用する微小重力対応型試験捕水装置(100)の投影図を示す。図4は上面(X面)方向からの投影図であり、図5は正面(Y面)方向からの投影図であり、図6は左側面(Z面)方向からの投影図である。図7は、微小重力対応型試験捕水装置(100)の概略構成を示すフロー図である。
図示する微小重力対応型試験捕水装置(100)は、微小重力環境において機能するか否かを地上で検証することができるように、フレーム(F)が設けられており、6方位に設置ができるようになっている。
【0034】
(120)はレビトロポンプ(循環ポンプ)であり、(E)は渦式フローモニター(流速計)であり、(130)は熱交換手段を備えた気泡除去装置であり、(X)はアスピレーター取付部であり、(D)は測温抵抗体であり、(131a)は小型ボールバルブであり、(G)はボールバルブである。
気泡除去装置(130)は図3で示した気泡除去装置と同一構成である。
【0035】
図7のフロー図に示されるように、気泡除去装置(130)を通過した循環水は熱交換手段(14)で熱交換されて冷却される。冷却された循環水はポンプ(120)に送られる。次いで、循環水はポンプ(120)からアスピレーター(11)へ送られ、流量計(E)を経て再び気泡除去装置(130)に戻る。
尚、図7中、Iは圧力センサーであり、Hは温度センサーであり、Yは浸透気化装置の取付位置である。
【0036】
[実施例1]
先ず装置(100)をX面が上面となるように配置して、気泡除去装置(130)の液体増分排出兼気泡除去管(132)から系内に純水を満たした。次に、液体増分排出兼気泡除去管(132)のボールバルブを閉じ、気泡除去装置(130)の小型ボールバルブ(131a)及びアスピレーターの吸引口にチューブ(図示せず)の一方を接続し、他方をそれぞれ容器(図示せず)に差し込み、その容器に純水を満たした。この状態でポンプ(12)を始動し、熱交換手段(14)の冷却コイル内に冷媒を循環させて循環水を冷却した。
小型ボールバルブ(131a)及びアスピレーターの吸引口のコックを開け、ポンプ(12)の回転数を上げると、アスピレーターの吸引口から純水が吸い込まれるとともに、排出口(135)から純水が排出され、容器を介して純水が循環した。この際に系内に残っていた空気は容器から系外に排出されるので、循環系が純水で満たされた。完全に純水が系内に満たされた後、アスピレーターの吸引口のコックと排出口(135)のコックを閉め、ポンプの回転を落とし停止した。これを循環系に純水が満たされた初期設定の状態とした。
【0037】
次の条件で捕水装置(100)を操作した場合の、循環ポンプの回転数、循環水温度、循環水流速、及び到達圧力(真空度)を測定した。
結果を表1〜6に示す。表7に、表1〜6の結果において、最も到達圧力が低くなった条件を示す。尚、表1〜7において、「+X」とはX面が上面となるように配置した場合であり、「−X」とはX面が底面となるように配置した場合である。Y及びZについても同様である。
<操作条件>
循環ポンプの回転速度は、コントローラーで制御した。市販の恒温循環装置を用いて冷媒(エチレングリコール52wt%含有水)を熱交換手段(14)の冷却コイル内へ循環し冷媒温度を所定温度(−1℃±4℃)に維持した。
【0038】
【表1】

【0039】
【表2】

【0040】
【表3】

【0041】
【表4】

【0042】
【表5】

【0043】
【表6】

【0044】
【表7】

【0045】
[実施例2]
捕水装置を「+X」の状態に配置して、所定温度(−1℃±4℃)の冷媒(エチレングリコール52wt%含有水)を熱交換手段(14)の冷却コイル内へ循環送液した。
ポンプ(120)の回転数を5000rpmに維持した場合の循環水の温度変化を記録した。結果を図8に示す。図8中、「系列1」で示されるグラフが回転数5000rpmにおける結果である。
【0046】
[実施例3]
捕水装置を「+X」の状態に配置して、所定温度(−5℃±2℃)の冷媒(エチレングリコール52wt%含有水)を熱交換手段(14)の冷却コイル内へ循環送液した。
ポンプ(120)の回転数を6000rpmに維持した場合の循環水の温度変化を記録した。結果を図8に示す。図8中、「系列2」で示されるグラフが回転数6000rpmにおける結果である。
【0047】
[実施例4]
捕水装置を「+X」の状態に配置して、所定温度(−5℃±2℃)の冷媒(エチレングリコール52wt%含有水)を熱交換手段(14)の冷却コイル内へ循環送液した。
循環ポンプ(120)の回転数を7000rpmに維持した場合の循環水の温度変化を記録した。結果を図8に示す。図8中、「系列3」で示されるグラフが回転数7000rpmにおける結果である。
【0048】
表7に示すように、捕水装置(100)は循環水の温度を10℃以下、具体的には、5〜8℃に維持することができた。
循環冷却水の流速は約25L/minであった(アスピレーター1本当たり約6L/min)。
回転速度と到達真空度の関係では、回転速度の増加及び冷却水流速の増加に従い真空度は増加して冷却水系温度の理論上の真空度に到達した。最適回転速度は6000rpmから7000rpmであった。
XYZ方向全ての方向で冷却水系捕水装置は理論上の真空度に達した。前記の循環冷却水温度における真空度は950〜1400Paであった。
冷却水系は純水を用いているが、高速回転(7000rpm)でも放電現象は認められなかった。
【0049】
[実施例5]
循環ポンプの回転速度:6000rpm、循環水温度:5℃、真空度:2000Paの条件で、アスピレーターの吸引口から純水を15ml/min〜150ml/minの速度で連続吸引する状態で捕水装置(100)を運転した。この際、純水と共に所定量の空気(1ml〜10ml)を系内に供給した。
その結果、系内に供給された空気(気泡)は、液体増分排出兼気泡除去装置(132)によって生じる旋回流の中央に集まり、やがて液体増分排出兼気泡除去管(132)から循環水と共に系外へ排出された。
【0050】
[実施例6]
図4〜6に示す微小重力対応型試験捕水装置(100)において、アスピレーターの吸引口から空気を導入した。空気を導入した直後と、アスピレーターの吸引口を密閉してから3分経過後のポンプ内の状態を、高速度カメラで撮影した。6通りのポンプの空間的配置に関して、系内の気泡の挙動を観察した。尚、ポンプとしては、イワキ社製のDCP1型ポンプを使用した。
【0051】
結果を図9〜14に示す。
図9は、ポンプのインペラを垂直方向に配置するとともに、ポンプの排出口を上方水平に配置した場合の結果を示す写真である。(a)は、気泡導入直後のポンプ内の状態を示す写真であり、(b)は、気泡導入から3分経過したポンプ内の状態を示す写真である。
図10は、ポンプのインペラを垂直方向に配置するとともに、ポンプの排出口を下向きに配置した場合の結果を示す写真である。(a)は、気泡導入直後のポンプ内の状態を示す写真であり、(b)は、気泡導入から3分経過したポンプ内の状態を示す写真である。
図11は、ポンプのインペラを垂直方向に配置するとともに、ポンプの排出口を下方水平に配置した場合の結果を示す写真である。(a)は、気泡導入直後のポンプ内の状態を示す写真であり、(b)は、気泡導入から3分経過したポンプ内の状態を示す写真である。
図12は、ポンプのインペラを垂直方向に配置するとともに、ポンプの排出口を上向きに配置した場合の結果を示す写真である。(a)は、気泡導入直後のポンプ内の状態を示す写真であり、(b)は、気泡導入から3分経過したポンプ内の状態を示す写真である。
図13は、ポンプのインペラと排出口を水平方向に配置するとともに、ポンプの吸入口を上向きに配置した場合の結果を示す写真である。(a)は、気泡導入直後のポンプ内の状態を示す写真であり、(b)は、気泡導入から3分経過したポンプ内の状態を示す写真である。
図14は、ポンプのインペラと排出口を水平方向に配置するとともに、ポンプの吸入口を下向きに配置した場合の結果を示す写真である。(a)は、気泡導入直後のポンプ内の状態を示す写真であり、(b)は、気泡導入から3分経過したポンプ内の状態を示す写真である。
【0052】
図9〜14に示すように、系内に吸引された気泡は、ポンプの姿勢方向に関わらず、長時間系内に滞留することなく、比較的短時間で系内から排出された。
空気注入1分後の改良バレスケ型ポンプCP3型ケーシングと熱交換器内の高速度デジタル写真をそれぞれ図15と図16に示す。注入空気はポンプではなく熱交換器に滞留した。気泡は熱交換器内旋回流の中心部に集まる傾向が認められた。重力の働く地上試験であるため大きな気泡は浮力で容器の上方に滞留傾向があった。しかし、微小重力においてはそこに滞留することなく、アスピレーターを通過する際に微小の気泡に粉砕され、熱交換器に備えた気泡除去機能によって気泡は水と共に排出すると考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明に係る捕水システムは、回転運動を与えることなく、液体に含まれた気泡を除去することができ、システムを安定的に運用することができるので、特に、微小重力環境において実施する浸透気化法の捕水システムとして好適に利用することができる。
また微小重力環境ではない地上において実施する浸透気化法の捕水システムとしても好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係る捕水システムの好適な実施形態の一例を示す図である。
【図2】レビトロポンプの概略構成を示す図である。
【図3】気泡除去装置を示す図である。
【図4】実施例で使用する微小重力対応型試験捕水装置の上面(X面)方向からの投影図である。
【図5】実施例で使用する微小重力対応型試験捕水装置の正面(Y面)方向からの投影図である。
【図6】実施例で使用する微小重力対応型試験捕水装置の左側面(Z面)方向からの投影図である。
【図7】微小重力対応型試験捕水装置の概略構成を示すフロー図である。
【図8】実施例2〜4の結果を示す図である。
【図9】ポンプのインペラを垂直方向に配置するとともに、ポンプの排出口を上方水平に配置した場合の結果を示す写真である。(a)は、気泡導入直後のポンプ内の状態を示す写真であり、(b)は、気泡導入から3分経過したポンプ内の状態を示す写真である。
【図10】ポンプのインペラを垂直方向に配置するとともに、ポンプの排出口を下向きに配置した場合の結果を示す写真である。(a)は、気泡導入直後のポンプ内の状態を示す写真であり、(b)は、気泡導入から3分経過したポンプ内の状態を示す写真である。
【図11】ポンプのインペラを垂直方向に配置するとともに、ポンプの排出口を下方水平に配置した場合の結果を示す写真である。(a)は、気泡導入直後のポンプ内の状態を示す写真であり、(b)は、気泡導入から3分経過したポンプ内の状態を示す写真である。
【図12】ポンプのインペラを垂直方向に配置するとともに、ポンプの排出口を上向きに配置した場合の結果を示す写真である。(a)は、気泡導入直後のポンプ内の状態を示す写真であり、(b)は、気泡導入から3分経過したポンプ内の状態を示す写真である。
【図13】ポンプのインペラと排出口を水平方向に配置するとともに、ポンプの吸入口を上向きに配置した場合の結果を示す写真である。(a)は、気泡導入直後のポンプ内の状態を示す写真であり、(b)は、気泡導入から3分経過したポンプ内の状態を示す写真である。
【図14】ポンプのインペラと排出口を水平方向に配置するとともに、ポンプの吸入口を下向きに配置した場合の結果を示す写真である。(a)は、気泡導入直後のポンプ内の状態を示す写真であり、(b)は、気泡導入から3分経過したポンプ内の状態を示す写真である。
【図15】ポンプのケーシング内の高速度デジタル写真である。
【図16】熱交換器内の高速度デジタル写真である。
【符号の説明】
【0055】
10 捕水システム
11 アスピレーター
11a 液体供給口
11b 液体吐出口
11c 吸引口
12 ポンプ
120 レビトロポンプ
121 コイル
122 インペラ
123 ローター
124 ステーター
13 気泡除去装置
131 ハウジング
131a 小型ボールバルブ
132 液体増分排出兼気泡除去管
132a 液体増分排出兼気泡排出孔
133 供給管
134 コーン
135 脱泡液体用排出管
135a 脱泡液体用排出口
136 旋回流室
137 流方向反転体
14 熱交換手段
15 循環ライン
A 浸透気化装置
a 供給側
b 透過側
c 透過膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浸透気化装置の透過膜の透過側に配置されて、浸透気化装置の透過側を供給側に比べて減圧するとともに、透過膜の透過側に透過した画分を液化するための捕水システムであって、
前記捕水システムにはアスピレーターが設けられており、前記アスピレーター内を流れる液体によって浸透気化装置の透過側を供給側に比べて減圧するとともに、
浸透気化装置の透過側に透過した画分をアスピレーター内を流れる液体によって液化することを特徴とする捕水システム。
【請求項2】
浸透気化装置の透過膜の透過側に配置されて、浸透気化装置の透過側を供給側に比べて減圧するとともに、透過膜の透過側に透過した画分を液化するための捕水システムであって、
前記捕水システムにはアスピレーターと、ポンプとが設けられてなり、前記ポンプによって液体がアスピレーター内に供給されることによって、浸透気化装置の透過側を供給側に比べて減圧するとともに、
浸透気化装置の透過側に透過した画分を前記ポンプによってアスピレーター内に供給された液体によって液化することを特徴とする捕水システム。
【請求項3】
浸透気化装置の透過膜の透過側に配置されて、浸透気化装置の透過側を供給側に比べて減圧するとともに、透過膜の透過側に透過した画分を液化するための捕水システムであって、
循環ラインと、前記循環ラインには、アスピレーターと、ポンプと、熱交換手段と、気泡除去装置と、が設けられてなり、前記循環ライン内の液体は前記ポンプによって循環移動可能とされており、
前記アスピレーターは、前記液体の循環移動によって、浸透気化装置の透過側を供給側に比べて減圧するとともに、浸透気化装置の透過側に透過した画分をアスピレーター内を循環移動する液体によって液化され、
前記液体は熱交換手段によって液温が一定温度範囲に調節されるとともに、前記気泡除去装置によって、前記液体中に存在する気泡が除去されることを特徴とする捕水システム。
【請求項4】
前記気泡除去装置が、
一方の端面中央部に気泡排出孔と、一方の端部に液体用の供給口と、他方の端部に脱泡液体用の排出口とを、それぞれ備えた円筒形状のハウジングと、
前記ハウジング内において、前記ハウジングの中心軸線と同軸に配設されて旋回流室を画成する先端に開口部が設けられた円錐形状のコーンと、
一端が前記ハウジング外部に開放されかつ周壁に多数の小孔が穿設されるとともに、前記コーンの中心軸線に沿って伸びる気泡除去管と、が設けられてなり、
前記循環ライン内を循環移動する液体は、前記供給口から気泡除去装置に供給され、
前記供給口を介して旋回流路に導入された液体は、遠心分離作用により液体と、液体に含まれていた気泡とを外側と内側の層に各々分離し、前記コーンの中心軸線に沿って集合する気泡を液体とともに前記気泡除去管を介して外部に排出し、
前記コーンの先端開口部から吐出された液体は、脱泡液体用の排出口から排出されることを特徴とする請求項3に記載の捕水システム。
【請求項5】
前記気泡除去装置が、
一方の端面中央部に気泡排出孔と、一方の端部に液体用の供給口と、他方の端部に脱泡液体用の排出口とを、それぞれ備えた円筒形状のハウジングと、
前記ハウジング内において、前記ハウジングの中心軸線と同軸に配設されて旋回流室を画成する先端に開口部が設けられた円錐形状のコーンと、
一端が前記ハウジング外部に開放されかつ周壁に多数の小孔が穿設されるとともに、前記コーンの中心軸線に沿って伸びる気泡除去管と、
前記コーンの外面側に沿って設けられた熱交換手段と、
前記コーンの中心軸線延長線上に設けられ、前記円錐形状のコーンの先端開口部から吐出した液体の流れ方向を変えるための表面半球状の流方向反転体と、が設けられてなり、
前記循環ライン内を循環移動する液体は、前記供給口から気泡除去装置に供給され、
前記供給口を介して旋回流路に導入された液体は、遠心分離作用により液体と、液体に含まれていた気泡とを外側と内側の層に各々分離し、前記コーンの中心軸線に沿って集合する気泡を液体とともに前記気泡除去管を介して前記排出口から外部に排出し、
前記コーンの先端開口部から吐出された液体は、前記流方向反転体によって、流方向が反転させられ、前記熱交換手段によって、液体に温度変化が与えられた後、脱泡液体用の排出口から排出されることを特徴とする請求項3に記載の捕水システム。
【請求項6】
前記アスピレーター内を流れる液体が、実質的に不純物を含有していないことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の捕水システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−43564(P2006−43564A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−227057(P2004−227057)
【出願日】平成16年8月3日(2004.8.3)
【出願人】(501186173)独立行政法人森林総合研究所 (91)
【出願人】(503361400)独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 (453)
【出願人】(599172656)財団法人 日本宇宙フォーラム (8)
【Fターム(参考)】