説明

液体封入バッグの梱包方法、液体封入バッグ包装体および液体封入バッグ用包装箱

【課題】部材点数の増加、包装箱の大型化及び梱包作業の煩雑化を回避しつつ、液体封入バッグの運搬および保管の安全性を高める。
【解決手段】上面部24と下面部25と複数の側面部26〜29とを備え、且つ、少なくとも1つの側面部29が開閉可能である包装箱20を用いて、液体が封入された複数の液体封入バッグ2を梱包する方法において、開閉可能な側面部29を上側に配置し且つ該側面部29を開いた状態で包装箱20を所定位置に載置し、開いた状態の側面部29を通して複数の液体封入バッグ2を順に包装箱20に入れ、包装箱20内に複数の液体封入バッグ2を積み上げて、開いた状態の側面部29を閉じた後、上面部24が上側に配置されるように包装箱20を起立させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体封入バッグを梱包する方法、包装箱により液体封入バッグが包装されてなる液体封入バッグ包装体、及び液体封入バッグを包装するための包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
人工透析等に用いられる医療用の輸液バッグとして、2室以上に区画され且つ室毎に異なる種類の輸液が封入された液体封入バッグが知られている。
【0003】
この種の液体封入バッグでは、複数の室が易剥離性のシール部により仕切られており、使用時にシール部を剥離させることで複数の室が互いに連通し、これにより、シール部により隔てられていた複数種類の液体が混合される。この種の液体封入バッグを取り扱う場合、運搬時および保管時において、シール部の剥離によりバッグ内の液体が使用前に混合されてしまったり、バッグを包む外袋またはバッグ自体に穴が空いてしまったりしないように相当の注意を払う必要がある。
【0004】
このような観点から、液体封入バッグを安全に運搬および保管するための種々の技術が提案されている。
【0005】
例えば、特許文献1及び2の技術によれば、液体封入バッグは、シール部において折り畳まれた状態で外袋に封入され、外袋に封入された状態の液体封入バッグが、段ボール箱等の包装箱を用いて梱包される。具体的に、液体封入バッグは、包装箱内において複数積み上げられた状態で梱包される。液体封入バッグは互い違いの向きで積み上げられ、これにより、バッグの傾きが軽減される。そのため、包装箱内において各液体封入バッグにかかる負荷を軽減できる。
【0006】
また、特許文献3及び4の技術によれば、包装箱が仕切部材により複数の区画に区切られ、区画毎に液体封入バッグが1つずつ収容される。この技術によれば、隣接する液体封入バッグが仕切部材により仕切られるため、液体封入バッグ同士が擦れ合うことを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−149124号公報
【特許文献2】特開2004−203488号公報
【特許文献3】特開2004−135916号公報
【特許文献4】特開2005−200085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1及び2の技術のように、包装箱内において複数の液体封入バッグを積み上げた状態でバッグの保管および運搬を行うと、各バッグがその上に積み上げられたバッグの重力負荷を長期間に亘って受け続けるため、バッグの外袋およびバッグ自体の保護、並びにシール部の剥離防止の観点上好ましくない。
【0009】
このことから、複数のバッグを横方向に重ねて並ぶように包装箱に入れることで、各バッグが別のバッグの重力負荷を受けないようにすることが考えられる。しかし、この場合、バッグを順に積み上げる場合に比べて、バッグの積み込み作業が著しく煩雑になる。
【0010】
また、特許文献3及び4の技術のように仕切部材を使用すると、部材点数が増加し、包装箱が大型化してしまう。また、仕切部材を使用しながらバッグの積み込みを行う必要があるため、梱包作業の煩雑化も招くことになる。
【0011】
そこで、本発明は、部材点数の増加、包装箱の大型化及び梱包作業の煩雑化を回避しつつ、液体封入バッグの運搬および保管の安全性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明に係る液体封入バッグの梱包方法は、
上面部と、該上面部に対向する下面部と、前記上面部と前記下面部とに跨る複数の側面部とを備え、且つ、少なくとも1つの前記側面部が開閉可能である包装箱を用いて、液体が封入された複数の液体封入バッグを梱包する方法であって、
前記開閉可能な側面部を上側に配置し且つ該側面部を開いた状態で、前記包装箱を所定位置に載置する工程と、
前記開いた状態の側面部を通して前記複数の液体封入バッグを順に前記包装箱に入れ、前記包装箱内に前記複数の液体封入バッグを積み上げる工程と、
前記包装箱内に前記複数の液体封入バッグを積み上げた後、前記開いた状態の側面部を閉じる工程と、
前記開いた状態の側面部を閉じた後、前記上面部が上側に配置されるように前記包装箱を起立させる工程と、を有することを特徴とする。
【0013】
なお、ここでいう「液体封入バッグ」とは、液体を封入するための袋状の部材を指し、液体封入バッグの具体例としては、例えば、医療用の輸液バッグが挙げられる。
【0014】
本発明に係る液体封入バッグ包装体は、
液体が封入された複数の液体封入バッグが、上面部と、該上面部に対向する下面部と、前記上面部と前記下面部とに跨る複数の側面部とを備えた包装箱により包装されてなる液体封入バッグ包装体であって、
前記複数の側面部は、前記複数の液体封入バッグを前記包装箱内に積み上げるように順に前記包装箱に入れるために開放される開閉可能な側面部を含み、
前記上面部が上側に配置されるように起立した状態の前記包装箱内において前記複数の液体封入バッグが横方向に重なって並ぶように包装されていることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る液体封入バッグ用包装箱は、
液体が封入された複数の液体封入バッグを包装するための液体封入バッグ用包装箱であって、
上面部と、該上面部に対向する下面部と、前記上面部と前記下面部とに跨る複数の側面部とを備え、
前記複数の側面部は、前記複数の液体封入バッグを積み上げながら順に前記包装箱に入れるために開放される開閉可能な側面部を含み、
該開閉可能な側面部は、該側面部の全体または略全体を閉塞可能な内蓋と、該内蓋の全体または略全体を外側から被覆可能な中蓋と、該中蓋の全体または略全体を外側から被覆可能な外蓋と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る液体封入バッグの梱包方法によれば、包装箱の側面部を上側に配置し且つ開いた状態で、この側面部を通して包装箱に複数の液体封入バッグを順に入れて積み上げることにより、バッグの積み込みを簡易に行うことができる。また、バッグを積み込んだ後、包装箱の側面部を閉じて包装箱を起立させるだけで、極めて簡単に梱包作業を完了することができる。しかも、このように梱包された液体封入バッグは、包装箱内において横方向に重なるように並べられた状態となるため、運搬時および保管時において、各バッグが別のバッグの重力負荷を受け続けることを防止でき、バッグのシール部が剥離したりバッグの外袋またはバッグ自体に穴が空いたりすることを確実に防止することができる。その上、バッグを仕切るための仕切部材を使用しなくても運搬および保管の安全性を確保できるため、部材点数の増加および包装箱の大型化を避けることができる。
【0017】
本発明に係る液体封入バッグ包装体では、包装箱が起立した状態において複数の液体封入バッグが横方向に重なって並ぶように包装されているため、運搬時および保管時において、各バッグが別のバッグの重力負荷を受け続けることを防止でき、運搬および保管の安全性を高めることができる。また、バッグの梱包時は、上側に配置し且つ開いた状態の包装箱の側面部を通して、包装箱に複数の液体封入バッグを順に入れて積み上げることにより、バッグの積み込みを簡易に行うことができる。さらに、バッグの積み込み後は、包装箱の側面部を閉じて包装箱を起立させるだけで梱包が完了するため、梱包作業の簡略化を図ることができる。
【0018】
本発明に係る液体封入バッグ用包装箱は、複数の液体封入バッグを積み上げながら順に包装箱に入れるために開放される開閉可能な側面部を有する。そのため、梱包の際、開閉可能な側面部を上側に配置し且つ開いた状態で、開いた状態の側面部を通して、複数の液体封入バッグを順に包装箱に入れて積み上げた後、側面部を閉じて包装箱を起立させることで、極めて簡単に梱包作業を完了することができる。また、このように梱包することで、包装箱内の複数のバッグは横方向に重なって並べられた状態となるため、各バッグが別のバッグの重力負荷を受け続けることを回避できる。さらに、包装箱の開閉可能な側面部は、梱包状態において内蓋、中蓋および外蓋により三重に塞がれるため、包装箱の側方から加えられる衝撃を軽減することができ、バッグの運搬および保管の安全性を一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1の実施形態に係る液体封入バッグ包装体を示す斜視図である。
【図2】輸液バッグを示す正面図である。
【図3】輸液バッグが外袋に封入された状態を示す図である。
【図4】第1の実施形態に係る包装箱の組み立てに使用される段ボールシートを示す平面図である。
【図5】段ボールシートを示す断面図である。
【図6】図1に示す包装箱を用いて輸液バッグを梱包する手順を示す図である。
【図7】図1に示す包装箱を用いて輸液バッグを梱包する手順を示す図である。
【図8】図1に示す包装箱を用いて輸液バッグを梱包する手順を示す図である。
【図9】図1に示す包装箱を用いて輸液バッグを梱包する手順を示す図である。
【図10】図1に示す包装箱を用いて輸液バッグを梱包する手順を示す図である。
【図11】図1に示す包装箱を開封する手順を示す図である。
【図12】図1に示す包装箱を開封する手順を示す図である。
【図13】第2の実施形態に係る液体封入バッグ包装体を示す斜視図である。
【図14】第2の実施形態に係る包装箱の組み立てに使用される段ボールシートを示す平面図である。
【図15】図13に示す包装箱を用いて輸液バッグを梱包する手順を示す図である。
【図16】図13に示す包装箱を用いて輸液バッグを梱包する手順を示す図である。
【図17】図13に示す包装箱を用いて輸液バッグを梱包する手順を示す図である。
【図18】図13に示す包装箱を用いて輸液バッグを梱包する手順を示す図である。
【図19】図13に示す包装箱を用いて輸液バッグを梱包する手順を示す図である。
【図20】図13に示す包装箱を開封する手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。なお、以下の説明では、特定の方向を意味する用語(例えば、「上」、「下」、「左」、「右」、およびそれらを含む他の用語)を使用するが、それらの使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明は限定的に解釈されるべきものでない。また、以下の説明において、同一又は類似の構成部分には同一の符号を用いている。
【0021】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る液体封入バッグ包装体1を示す。液体封入バッグ包装体1は、液体が封入された液体封入バッグが包装箱20により包装されてなる。
【0022】
本実施形態において、包装箱20は、図2に示す輸液バッグ2の梱包に使用される。輸液バッグ2は、易剥離性のシール部8により仕切られてなる例えば2つの室4,6を有する。2つの室4,6には、互いに異なる輸液が封入されており、使用時においてシール部8が剥離されることにより2つの室4,6が互いに連通し、これにより、各室4,6に封入された輸液が混合される。また、一方の室6には口栓10が接続されており、混合された輸液は口栓10を通して排出されるようにしてある。
【0023】
図3に示すように、輸液バッグ2は、シール部8において折り曲げられた状態で外袋12に封入され、外袋12に封入された状態で包装箱20により梱包される。なお、外袋12と輸液バッグ2との間の空間には、輸液のpHの安定を図ることができる気体が封入されることが好ましい。
【0024】
包装箱20は、例えば図4に示す段ボールシート22を組み立てて形成される。図5に示すように、段ボールシート22は、断面波形の中芯40と、包装箱20の内側に配置されるように中芯40の一方の面に貼り合わせた内側ライナー38と、包装箱20の外側に配置されるように中芯40の他方の面に貼り合わせた外側ライナー36とを備えている。段ボールシート22の平面形状については後に説明する。
【0025】
図1に戻って、包装箱20は、上面部24と、上面部24に対向する下面部25と、上面部24と下面部25とに跨る第1〜第4の側面部26〜29とを備えている。上面部24及び下面部25を構成する段ボールシート22部分においては、中芯40の目方向が、上面部24及び下面部25の長手方向に平行になるように構成することが好ましく、これにより、包装箱20の座屈強度を高めることができる。互いに対向する第1及び第2の側面部26,27は開放不能であり、第1の側面部26と第2の側面部27とに跨る第3及び第4の側面部28,29は、複数の蓋31〜34からなり開閉可能となっている。
【0026】
例えば図7に示すように、第3及び第4の側面部28,29は、これらの側面部28,29の略全体を閉塞可能な例えば一対の内蓋31,32と、内蓋31,32の全体または略全体を外側から被覆可能な中蓋33と、中蓋33の全体または略全体を外側から被覆可能な外蓋34とを備えている。
【0027】
外蓋34は、運搬者が掴むための把手部62を備えている。実施形態において、把手部62は切り込みからなり、この切り込み62で囲まれたシート部分を包装箱20の内側へ折り曲げることにより、運搬者が指先を包装箱20の内部に入れた状態で把手部62を掴むことができるようにしてある。ただし、把手部62は、必ずしも切り込みで構成する必要はなく、開口で構成するようにしてもよい。
【0028】
中蓋33は、把手部62に重なることを回避するための回避部66を備えている。これにより、全ての蓋31〜34を閉じたときに外蓋34の把手部62の機能が中蓋33との干渉により阻害されないようにしてある。中蓋33の回避部66は例えば開口からなるが、切り欠き又は切り込みで構成してもよい。
【0029】
一対の内蓋31,32のうち、第1の内蓋31は第2の側面部27に連なって設けられ、第2の内蓋32は第1の側面部26に連なって設けられている。第2の内蓋32は、第1の内蓋31よりも長く形成されている。具体的に、第1の内蓋31は、閉じられた状態の第1の内蓋31の先端が第3又は第4の側面部28,29の中央に届かない程度の長さを有し、第2の内蓋32は、閉じられた状態の第2の内蓋32の先端が第3又は第4の側面部28,29の中央を越えて第1の内蓋31の先端に当接または近接する程度の長さを有する。第2の内蓋32の先端部には、外蓋34の把手部62に重なることを回避するための回避部64が設けられている。これにより、全ての蓋31〜34を閉じたときに外蓋34の把手部62の機能が内蓋32との干渉により阻害されないようにしてある。内蓋32の回避部64は例えば切り欠きからなるが、開口又は切り込みで構成してもよい。
【0030】
図11に示すように、包装箱20は、包装箱20を開封するための包装箱開封手段61を備えている。包装箱開封手段61は、上面部24の中央部を通るように上面部24に形成されたミシン目54,56を有する。具体的に、上面部24には、2列のミシン目54,56が互いに平行な直線上に設けられており、これにより、2列のミシン目54,56に挟まれた一対の切り離し片58,60が形成されている。切り離し片58,60の先端は上面部24の中央に配置されており、容易に摘むことができるようにしてある。包装箱20の開封時は、切り離し片58,60の先端を摘んで切り離し片58,60の基端側に向かって引っ張ることで、ミシン目54,56に沿って切り離し片58,60が上面部24から切り離されるようにしてある。
【0031】
包装箱開封手段61はさらに、上面部24と第3の側面部28の外蓋34との境界部分52に形成された切り込みと、上面部24と第4の側面部29の外蓋34との境界部分48に形成された切り込みとを有する。これらの境界部分48,52の切り込みは、段ボールシート22の内側ライナー38に形成されている。包装箱20の開封時は、切り離し片58,60を上面部24から切り離した後、上面部24の中央部よりも第1の側面部26側の部分は第1の側面部26側に向かって引っ張ることで、境界部分48,52の切り込みに沿って第3及び第4の側面部28,29から容易に切り離し可能となっている。同様に、上面部24の中央部よりも第2の側面部27側の部分は第3及び第4の側面部28,29から容易に切り離し可能となっている。
【0032】
図4を参照しながら、段ボールシート22の平面形状について説明する。図4は、段ボールシート22の組み立て後において包装箱20の外側に配置される面側から見た平面図である。段ボールシート22は、図4において右から順に第2の側面部27、下面部25、第1の側面部26、上面部24が折り目42〜44を介して連なるように形成されている。また、上面部24の左側には、段ボールシート22の組み立て時において第2の側面部27に接着される接着片30が折り目41を介して連なって設けられている。第2の側面部27の上側には折り目45を介して第3の側面部28の第1の内蓋31が連なって設けられ、第2の側面部27の下側には折り目49を介して第4の側面部29の第1の内蓋31が連なって設けられている。下面部25の上側には、折り目47を介して第3の側面部28の中蓋33が連なって設けられ、下面部25の下側には、折り目51を介して第4の側面部29の中蓋33が連なって設けられている。第1の側面部26の上側には、折り目46を介して第3の側面部28の第2の内蓋32が連なって設けられ、第1の側面部26の下側には、折り目50を介して第4の側面部29の第2の内蓋32が連なって設けられている。上面部24の上側には、折り目48を介して第3の側面部28の外蓋34が連なって設けられ、上面部24の下側には、折り目52を介して第4の側面部29の外蓋34が連なって設けられている。
【0033】
続いて、包装箱20を用いて輸液バッグ2を梱包する手順について説明する。
【0034】
図6に示すように、先ず、上面部24が下側に配置されるように段ボールシート22を載置し、段ボールシート22を折り目41〜44に沿って折り曲げて、第2の側面部27の内側の面に接着片30を接着させる。これにより、上面部24、第1の側面部26、下面部25及び第2の側面部27が筒状に連なった状態となる。
【0035】
続いて、図7に示すように、開放された状態の第3及び第4の側面部28,29のうち、第3の側面部28を閉じる。具体的には、先ず第1及び第2の内蓋31,32を閉じ、内蓋31,32の外側に重ねるように中蓋33を閉じ、内蓋31,32と中蓋33とを接着させる。続いて、中蓋33の外側に重ねるように外蓋34を閉じ、中蓋33と外蓋34とを接着させる。これにより、第3の側面部28は、内蓋31,32、中蓋33及び外蓋34が三重に重なって構成される。また、内蓋31,32、中蓋33及び外蓋34は、把手部62及び回避部64,66を除く部分の全体又は略全体を塞ぐ。よって、第3の側面部28の強度が高められている。
【0036】
次に、図8に示すように、第3の側面部28が下側に配置されるように包装箱20を回転させる。すなわち、第4の側面部29を上側に配置し且つ第4の側面部29を開いた状態で包装箱20を所定位置に載置する。続いて、このように載置された包装箱20に例えば樹脂フィルム製の袋70を、袋70の開口部が上側に配置される向きで挿入する。袋70としては、切取線72を有するものを使用することが好ましく、これにより、開口部を閉じた後であっても容易に袋70を開封することができる。
【0037】
続いて、図9に示すように、袋70の開口周縁部を折り曲げて、第4の開口部29の第2の内蓋32、中蓋33及び外蓋34の上端部に被せる。このようにして袋70を包装箱20に装着した後、開いた状態の第4の側面部29を通して外袋12に封入された輸液バッグ2を入れる。具体的には、複数の輸液バッグ2を順に包装箱20に入れ、包装箱20内に複数の輸液バッグ2を積み上げる。本実施形態では、例えば2リットルの輸液が封入された輸液バッグ2を5つ積み上げる。このようにして複数の輸液バッグ2を順に積み上げるだけで積み込み作業を簡易に完了することができる。輸液バッグ2を積み上げる際、輸液バッグ2の口栓10が上面部24側に配置される向きで輸液バッグ2を包装箱20に入れる。これにより、包装箱20を開封する際、包装箱開封手段61を用いて開いた上面部24を通して、輸液バッグ2の口栓10を容易に掴むことができ、輸液バッグ2の取り出しが容易となる。
【0038】
輸液バッグ2の積み込みが完了すると、図10に示すように、袋70を閉じた後、第4の側面部29を閉じる。具体的には、第3の側面部28を閉じる手順と同様、先ず第1及び第2の内蓋31,32を閉じ、内蓋31,32の外側に重ねるように中蓋33を閉じ、内蓋31,32と中蓋33とを接着させる。続いて、中蓋33の外側に重ねるように外蓋34を閉じ、中蓋33と外蓋34とを接着させる。第4の側面部29においても、第3の側面部28と同様、内蓋31,32、中蓋33及び外蓋34が三重に重なって構成されるとともに、内蓋31,32、中蓋33及び外蓋34が、把手部62及び回避部64,66を除く部分の全体又は略全体を塞ぐため、高い強度を得ることができる。
【0039】
このようにして第4の側面部29を閉じた後、図1に示すように上面部24が上側に配置されるように包装箱20を起立させる。包装箱20を起立させた状態においては、包装箱20内において複数の輸液バッグ2が横方向に並ぶように重ねられた状態となるため、各輸液バッグ2が別の輸液バッグ2の重力負荷を受けることがなく、包装体1の運搬時および保管時において輸液バッグ2のシール部8が剥離したり輸液バッグ2の外袋12又は輸液バッグ2自体に穴が空いたりすることを確実に防止することができる。
【0040】
[第2の実施形態]
図13は、第2の実施形態に係る液体封入バッグ包装体101を示す。液体封入バッグ包装体101は、液体が封入された液体封入バッグが包装箱120により包装されてなる。
【0041】
本実施形態に係る包装箱120も、第1の実施形態と同様、図2に示す輸液バッグ2の梱包に使用される。ただし、輸液バッグ2の梱包方法は、後述のように第1の実施形態と異なる。
【0042】
包装箱120は、例えば図14に示す段ボールシート122を組み立てて形成される。段ボールシート122は、図4に示す段ボールシート22と同様、断面波形の中芯40と、包装箱20の内側に配置されるように中芯40の一方の面に貼り合わせた内側ライナー38と、包装箱20の外側に配置されるように中芯40の他方の面に貼り合わせた外側ライナー36とを備えている(図5参照)。段ボールシート122の平面形状については後に説明する。
【0043】
図13に戻って、包装箱120は、上面部124と、上面部124に対向する下面部125と、上面部124と下面部125とに跨る第1〜第4の側面部126〜129とを備えている。第1の実施形態と同様、上面部124及び下面部125を構成する段ボールシート122部分においては、中芯40の目方向が、上面部124及び下面部125の長手方向に平行になるように構成することが好ましく、これにより、包装箱120の座屈強度が高められる。互いに対向する第1及び第2の側面部126,127は開放不能となっている。また、第1及び第2の側面部126,127には、運搬者が掴むための把手部162が設けられている。把手部162は、例えば切り込みからなるが、開口で構成するようにしてもよい。一方、第1の側面部126と第2の側面部127とに跨る第3及び第4の側面部128,129は、複数の蓋131〜134からなり開閉可能となっている。
【0044】
例えば図16に示すように、第3及び第4の側面部128,129は、これらの側面部128,129の全体または略全体を閉塞可能な例えば一対の内蓋131,132と、内蓋131,132の全体または略全体を外側から被覆可能な中蓋133と、中蓋133の全体または略全体を外側から被覆可能な外蓋134とを備えている。
【0045】
一対の内蓋131,132のうち、第1の内蓋131は第2の側面部127に連なって設けられ、第2の内蓋132は第1の側面部126に連なって設けられている。第1及び第2の内蓋131,132は、互いに等しく、且つ、閉じられた状態の第1及び第2の内蓋131,132の先端同士が当接又は近接する程度の長さを有する。
【0046】
図13と図20に示すように、包装箱120は、包装箱120を開封するための包装箱開封手段161を備えている。包装箱開封手段161は、上面部124の中央部を通るように上面部124に形成されたミシン目154,156を有する。具体的に、上面部124には、2列のミシン目154,156が互いに平行な直線上に設けられており、これにより、2列のミシン目154,156に挟まれた一対の切り離し片158,160が形成されている。切り離し片158,160の先端は上面部124の中央に配置されており、容易に摘むことができるようにしてある。包装箱120の開封時は、切り離し片158,160の先端を摘んで切り離し片158,160の基端側に向かって引っ張ることで、ミシン目154,156に沿って切り離し片158,160が上面部124から切り離されるようにしてある。
【0047】
包装箱開封手段161はさらに、上面部124と第1の側面部126との境界部分141に形成された切り込みと、上面部124と第2の側面部127との境界部分142に形成された切り込みとを有する。これらの境界部分141,142の切り込みは、段ボールシート122の内側ライナー38に形成されている。包装箱120の開封時は、切り離し片158,160を上面部124から切り離した後、上面部124の中央部よりも第3の側面部128側の部分は第3の側面部128側に向かって引っ張ることで、境界部分141,142の切り込みに沿って第1及び第2の側面部126,127から容易に切り離し可能となっている。同様に、上面部124の中央部よりも第4の側面部129側の部分は第1及び第2の側面部126,127から容易に切り離し可能となっている。
【0048】
図14を参照しながら、段ボールシート122の平面形状について説明する。図14は、段ボールシート122の組み立て後において包装箱120の外側に配置される面側から見た平面図である。段ボールシート122は、図14において左から順に第1の側面部126、上面部124、第2の側面部127、下面部125が折り目141〜143を介して連なるように形成されている。また、下面部125の右側には、段ボールシート122の組み立て時において第1の側面部126に接着される接着片130が折り目144を介して連なって設けられている。第1の側面部126の上側には折り目145を介して第3の側面部128の第1の内蓋131が連なって設けられ、第1の側面部126の下側には折り目149を介して第4の側面部129の第1の内蓋131が連なって設けられている。上面部124の上側には折り目146を介して第3の側面部128の外蓋134が連なって設けられ、上面部124の下側には折り目150を介して第4の側面部129の外蓋134が連なって設けられている。第2の側面部127の上側には折り目147を介して第3の側面部128の第2の内蓋132が連なって設けられ、第2の側面部127の下側には折り目151を介して第4の側面部129の第2の内蓋132が連なって設けられている。下面部125の上側には、折り目148を介して第3の側面部128の中蓋133が連なって設けられ、下面部125の下側には、折り目152を介して第4の側面部129の中蓋133が連なって設けられている。
【0049】
続いて、包装箱120を用いて輸液バッグ2を梱包する手順について説明する。
【0050】
図15に示すように、先ず、上面部124が下側に配置されるように段ボールシート122を載置し、段ボールシート122を折り目141〜144に沿って折り曲げて、第1の側面部126の内側の面に接着片130を接着させる。これにより、上面部124、第1の側面部126、下面部125及び第2の側面部127が筒状に連なった状態となる。
【0051】
続いて、図16に示すように、開放された状態の第3及び第4の側面部128,129のうち、第4の側面部129を閉じる。具体的には、先ず第1及び第2の内蓋131,132を閉じ、内蓋131,132の外側に重ねるように中蓋133を閉じ、内蓋131,132と中蓋133とを接着させる。続いて、中蓋133の外側に重ねるように外蓋134を閉じ、中蓋133と外蓋134とを接着させる。これにより、第4の側面部129は、内蓋131,132、中蓋133及び外蓋134が三重に重なって構成され、第4の側面部129の強度が高められている。
【0052】
次に、図17に示すように、第4の側面部129が下側に配置されるように包装箱120を回転させる。すなわち、第3の側面部128を上側に配置し且つ第3の側面部128を開いた状態で包装箱120を所定位置に載置する。続いて、このように載置された包装箱120に、第1の実施形態と同様、袋70を挿入する。
【0053】
続いて、図18に示すように、袋70の開口周縁部を折り曲げて、第3の開口部128の内蓋131,132、中蓋133及び外蓋134の上端部に被せる。このようにして袋70を包装箱120に装着した後、開いた状態の第3の側面部128を通して、外袋12に封入された輸液バッグ2を入れる。第2の実施形態では、包装箱120内において、例えば1リットルの輸液バッグ2を2列に並ぶように積み上げる。具体的には、例えば、各列5つずつの輸液バッグ2を積み上げ、合わせて10個の輸液バッグ2を積み込む。本実施形態においても、第1の実施形態と同様、複数の輸液バッグ2を順に積み上げるだけで積み込み作業を簡易に完了することができる。また、第1の実施形態と同様、輸液バッグ2を積み上げる際、輸液バッグ2の口栓10が上面部124側に配置される向きで輸液バッグ2を包装箱120に入れる。これにより、包装箱120を開封したとき、輸液バッグ2を容易に取り出すことができる。
【0054】
輸液バッグ2の積み込みが完了すると、袋70を閉じた後、図19に示すように、第3の側面部128を閉じる。具体的には、第4の側面部129を閉じる手順と同様、先ず第1及び第2の内蓋131,132を閉じ、内蓋131,132の外側に重ねるように中蓋133を閉じ、内蓋131,132と中蓋133とを接着させる。続いて、中蓋133の外側に重ねるように外蓋134を閉じ、中蓋133と外蓋134とを接着させる。第3の側面部128においても、第4の側面部129と同様、内蓋131,132、中蓋133及び外蓋134が三重に重なって構成されるため、高い強度を得ることができる。
【0055】
このようにして第3の側面部128を閉じた後、図13に示すように上面部124が上側に配置されるように包装箱120を起立させる。本実施形態においても、包装箱120を起立させた状態では、包装箱120内において複数の輸液バッグ2が横方向に並ぶように重ねられた状態となるため、各輸液バッグ2が別の輸液バッグ2の重力負荷を受けることがなく、包装体101の運搬時および保管時において輸液バッグ2のシール部8が剥離したり輸液バッグ2の外袋12又は輸液バッグ2自体に穴が空いたりすることを確実に防止することができる。
【0056】
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0057】
例えば、上述の実施形態においては、輸液バッグ2の梱包に関する構成について説明したが、本発明は、輸液以外の液体が封入された種々の液体封入バッグの梱包にも等しく適用することができる。
【0058】
また、上述の実施形態においては、2つの室4,6を有する液体封入バッグを梱包する場合について説明したが、本発明は、液体封入バッグの室の個数が1つ又は3つ以上である場合にも同様に適用することができる。
【実施例】
【0059】
[輸送試験]
第1の実施形態に係る方法により輸液バッグを梱包する実施例1と、第2の実施形態に係る方法により輸液バッグを梱包する実施例2について輸送試験を行った。
【0060】
具体的に説明すると、実施例1では、第1の実施形態に係る包装箱と同じ構造を有する段ボール箱を用いて、2リットルのサブラッド−BS(登録商標:扶桑薬品工業株式会社製)が封入された輸液バッグを5つ梱包した。より具体的に、実施例1では、長手方向の幅が321mm、短手方向の幅が226mm、高さが339mmである段ボール箱を用いた。
【0061】
一方、実施例2では、第2の実施形態に係る包装箱と同じ構造を有する段ボール箱を用いて、1リットルのサブラッド−BS(登録商標:扶桑薬品工業株式会社製)が封入された輸液バッグを10個梱包した。より具体的に、実施例2では、長手方向の幅が481mm、短手方向の幅が265mm、高さが259mmである段ボール箱を用いた。
【0062】
また、実施例1及び実施例2のいずれにおいても、使用した輸液バッグは、二酸化炭素雰囲気となるように外袋に封入されたものである。また、外袋には、外袋の内部空間が二酸化炭素雰囲気であるか否かを確認するための酸素検知剤としてエージレスアイが封入されている。なお、エージレスアイは、二酸化炭素雰囲気中ではピンク色であるが、酸素雰囲気に変化すると青色に変色する特性を有する。
【0063】
梱包後、鉄道コンテナの所定位置に、実施例1の段ボール箱と実施例2の段ボール箱とを18個ずつ積み込み、鉄道コンテナの残りのスペースに、輸液バッグが従来の方法で梱包された試験対象外の段ボール箱を積み込んだ。このとき、実施例1の段ボール箱は、最も荷重がかかりやすく振動が大きくなりやすい部分であるコンテナ内のコーナー部に積み上げた。具体的には、コンテナ内のコーナー部において、隣接する3列に分けて各列6個の段ボール箱を積み上げた。実施例2の段ボール箱も、コンテナ内の別のコーナー部において同様に積み上げた。
【0064】
鉄道コンテナへの積み込み後、貨物列車および貨物自動車により茨城県と福岡県との間で往復輸送した。輸送後、実施例1及び実施例2について、段ボール箱および輸液バッグの状態を確認した。具体的には、段ボール箱が損傷したか否か、及び、輸液バッグの外袋または輸液バッグ自体に穴が空いたか否かを確認した。輸液バッグの外袋に穴が空いたか否かは、エージレスアイの変色の有無によって確認した。
【0065】
[試験結果]
実施例1及び実施例2のいずれの段ボール箱についても損傷は確認されなかった。また、それらの段ボール箱に梱包されたいずれの輸液バッグについても、外袋およびバッグ自体に穴は空いていなかった。これにより、上述した第1及び第2の実施形態に係る方法により輸液バッグを梱包することで、輸液バッグを安全に運搬および保管できることを確認できた。
【符号の説明】
【0066】
1,101:液体封入バッグ包装体、2:輸液バッグ、8:シール部、10:口栓、20,120:包装箱、22,122:段ボールシート、24,124:上面部、25,125:下面部、26,126:第1の側面部、27,127:第2の側面部、28,128:第3の側面部、29,129:第4の側面部、31,32:内蓋、33:中蓋、34:外蓋、36:外側ライナー、38:内側ライナー、40:中芯、61,161:包装箱開封手段、62:把手部、64,66:回避部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面部と、該上面部に対向する下面部と、前記上面部と前記下面部とに跨る複数の側面部とを備え、且つ、少なくとも1つの前記側面部が開閉可能である包装箱を用いて、液体が封入された複数の液体封入バッグを梱包する方法であって、
前記開閉可能な側面部を上側に配置し且つ該側面部を開いた状態で、前記包装箱を所定位置に載置する工程と、
前記開いた状態の側面部を通して前記複数の液体封入バッグを順に前記包装箱に入れ、前記包装箱内に前記複数の液体封入バッグを積み上げる工程と、
前記包装箱内に前記複数の液体封入バッグを積み上げた後、前記開いた状態の側面部を閉じる工程と、
前記開いた状態の側面部を閉じた後、前記上面部が上側に配置されるように前記包装箱を起立させる工程と、を有することを特徴とする液体封入バッグの梱包方法。
【請求項2】
前記開閉可能な側面部に、該側面部の全体または略全体を閉塞可能な内蓋と、該内蓋の全体または略全体を外側から被覆可能な中蓋と、該中蓋の全体または略全体を外側から被覆可能な外蓋と、を設けることを特徴とする請求項1に記載の液体封入バッグの梱包方法。
【請求項3】
前記外蓋に設けられた切り込み又は開口からなる把手部に前記内蓋と前記中蓋とが重なることを回避するための、切り欠き、開口又は切り込みからなる回避部を、前記内蓋と前記中蓋とに設けることを特徴とする請求項2に記載の液体封入バッグの梱包方法。
【請求項4】
前記包装箱を開封するためのミシン目を、前記上面部の中央部を通るように形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液体封入バッグの梱包方法。
【請求項5】
前記包装箱は、断面波形の中芯と、該中芯の内側の面に貼り合わされた内側ライナーと、前記中芯の外側の面に貼り合わされた外側ライナーとを備えた段ボールシートを組み立ててなる箱であり、
前記包装箱の開封を容易にするための切り込みを、前記上面部と前記側面部との境界部分において前記内側ライナーに形成することを特徴とする請求項4に記載の液体封入バッグの梱包方法。
【請求項6】
前記包装箱内に前記複数の液体封入バッグを積み上げる工程において、前記液体封入バッグの口栓が前記上面部側に配置される向きで前記液体封入バッグを前記包装箱に入れることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液体封入バッグの梱包方法。
【請求項7】
前記液体封入バッグは、易剥離性のシール部により仕切られてなる複数の室を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の液体封入バッグの梱包方法。
【請求項8】
液体が封入された複数の液体封入バッグが、上面部と、該上面部に対向する下面部と、前記上面部と前記下面部とに跨る複数の側面部とを備えた包装箱により包装されてなる液体封入バッグ包装体であって、
前記複数の側面部は、前記複数の液体封入バッグを前記包装箱内に積み上げるように順に前記包装箱に入れるために開放される開閉可能な側面部を含み、
前記上面部が上側に配置されるように起立した状態の前記包装箱内において前記複数の液体封入バッグが横方向に重なって並ぶように包装されていることを特徴とする液体封入バッグ包装体。
【請求項9】
前記開閉可能な側面部は、該側面部の全体または略全体を閉塞可能な内蓋と、該内蓋の全体または略全体を外側から被覆可能な中蓋と、該中蓋の全体または略全体を外側から被覆可能な外蓋と、を備えていることを特徴とする請求項8に記載の液体封入バッグ包装体。
【請求項10】
前記外蓋は、運搬者が掴むための切り込み又は開口からなる把手部を備え、
前記内蓋と前記中蓋とが、前記把手部に重なることを回避するための切り欠き、開口又は切り込みからなる回避部を備えていることを特徴とする請求項9に記載の液体封入バッグ包装体。
【請求項11】
前記包装箱は、前記包装箱を開封するための包装箱開封手段を備え、
該包装箱開封手段は、前記上面部の中央部を通るように前記上面部に形成されたミシン目を有することを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の液体封入バッグ包装体。
【請求項12】
前記包装箱は、断面波形の中芯と、前記包装箱の内側に配置されるように前記中芯の一方の面に貼り合わされた内側ライナーと、前記包装箱の外側に配置されるように前記中芯の他方の面に貼り合わされた外側ライナーとを備えた段ボールシートを組み立ててなる箱であり、
前記包装箱開封手段は、前記上面部と前記側面部との境界部分に形成された切り込みをさらに有し、
該切り込みは、前記内側ライナーに形成されていることを特徴とする請求項11に記載の液体封入バッグ包装体。
【請求項13】
前記複数の液体封入バッグは、各バッグの口栓が前記上面部側に配置される向きで前記包装箱に収容されていることを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載の液体封入バッグ包装体。
【請求項14】
前記液体封入バッグは、易剥離性のシール部により仕切られてなる複数の室を有することを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載の液体封入バッグ包装体。
【請求項15】
液体が封入された複数の液体封入バッグを包装するための液体封入バッグ用包装箱であって、
上面部と、該上面部に対向する下面部と、前記上面部と前記下面部とに跨る複数の側面部とを備え、
前記複数の側面部は、前記複数の液体封入バッグを積み上げながら順に前記包装箱に入れるために開放される開閉可能な側面部を含み、
該開閉可能な側面部は、該側面部の全体または略全体を閉塞可能な内蓋と、該内蓋の全体または略全体を外側から被覆可能な中蓋と、該中蓋の全体または略全体を外側から被覆可能な外蓋と、を備えていることを特徴とする液体封入バッグ用包装箱。
【請求項16】
前記外蓋は、運搬者が掴むための切り込み又は開口からなる把手部を備え、
前記内蓋と前記中蓋とが、前記把手部に重なることを回避するための切り欠き、開口又は切り込みからなる回避部を備えていることを特徴とする請求項15に記載の液体封入バッグ用包装箱。
【請求項17】
前記包装箱は、前記包装箱を開封するための包装箱開封手段を備え、
該包装箱開封手段は、前記上面部の中央部を通るように前記上面部に形成されたミシン目を有することを特徴とする請求項15または16に記載の液体封入バッグ用包装箱。
【請求項18】
前記包装箱は、断面波形の中芯と、前記包装箱の内側に配置されるように前記中芯の一方の面に貼り合わされた内側ライナーと、前記包装箱の外側に配置されるように前記中芯の他方の面に貼り合わされた外側ライナーとを備えた段ボールシートを組み立ててなる箱であり、
前記包装箱開封手段は、前記上面部と前記側面部との境界部分に形成された切り込みをさらに有し、
該切り込みは、前記内側ライナーに形成されていることを特徴とする請求項17に記載の液体封入バッグ用包装箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−173652(P2010−173652A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−15094(P2009−15094)
【出願日】平成21年1月27日(2009.1.27)
【出願人】(000238201)扶桑薬品工業株式会社 (42)
【Fターム(参考)】