説明

液体移送具

【課題】 移送される液体が汚染されることを防止しつつ液体を連続的に移送可能で、しかも安価な液体移送具を提供する。
【解決手段】 液体を移送するための流路26を有する移送管24、25と、この移送管24、25の一方の端部に設けられた吸込部21と、他方の端部に設けられた吐出部22とを備えてなり、少なくとも気体を吸引可能な吸引手段28を接続可能であると共に密閉状態を維持可能な吸引口27を吸込部21と吐出部22との間に流路26と連通するように備え、且つ、吸引口27より吐出部22側の流路26を閉塞可能な閉塞手段38を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給側の液体を受容側の容器等に移送する際に使用する液体移送具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の液体を供給側から受容側まで移送させるために多数のポンプが用いられている。このポンプは、液体を収容して押出すための収容部を有し、この収容部に液体を導入する導入口と液体を排出する排出口とを有すると共にそれぞれに逆止弁が設けられ、更に、導入口に一次側の配管が接続されると共に排出口に二次側の配管が接続されている。そして、機械的或いは手動で収容部の容積を増加減少させたり、液体に遠心力を付与する等の方法で収容部内を加圧減圧させることにより、一次側の配管から導入口及び逆止弁を介して液体を収容部に導入し、次いで、収容部から逆止弁及び排出口を介して二次側の配管へ液体を排出し、これにより多量の液体を連続的に移送することができるようになっている。
【0003】
移送される液体の種類や量は様々であるが、例えば、清浄な液体を移送する場合には、一次側及び二次側の配管やポンプとして、液体が汚染され難いものを用いる必要がある。その場合、ポンプは接液部分の構造が配管に比べて複雑になり易く、液体に応じた適切なものを選択する必要がある。高度に清浄な液体が出来るだけポンプの接液部分による悪影響を受けることを防止するためには、その構造や材質が特定された専用のポンプが使用される。
【0004】
比較的少量の液体を移送する場合には、ポンプなどの移送手段を用いずに行われることもある。例えば、医療用の液体や実験用の液体等において、少量の液体を移送する場合には、供給側の液体を容器やピペット等に分取し、内部に保持して、受容側に移すことが行われる。
【0005】
患者から採取した細胞を体外で培養し、増殖した細胞を再び体内に戻す養子免疫療法においては、細胞を増殖させる際、細胞の密度に合わせたフラスコ内で、細胞培養用の培地によりプレ培養させた後、増殖した細胞とその培養液からなる混合液体を内容量が大きい閉鎖系のカルチャーバッグへ移送して、更に、細胞を増殖させるという方法が行われている。
【0006】
このような液体の移送は、例えば図5に示すような手段により行われている。ここでは、硬質樹脂よりなるフラスコ11内でプレ培養が行われた後、増殖した細胞とその培養液との混合液体が収容されたフラスコ11から、新たな液体培地が収容された閉鎖系の軟質カルチャーバッグ12へ、フラスコ11内の混合液体を移送する。
【0007】
このような場合、クリーンベンチ内で、シリンジのプランジャを取り外した状態の外筒13をスタンド14にクランプ15で固定し、外筒13の先端をカルチャーバッグ12の充填ポート16に接続し、カルチャーバッグ12を外筒13より下方に配置して移送具を準備する。尚、充填ポート16には可撓性の充填チューブ17の一端が接続されており、この充填チューブ17の他端は、カルチャーバッグ12に溶着などにより接続されている。
【0008】
そして、ピペッター18に装着されたピペット19により、フラスコ11内から混合液体をピペット19内に吸引し、シリンジの外筒13内に排出するという回分式の動作を繰り返し、混合液体の高低差を利用して充填ポート16からカルチャーバッグ12内に導入することにより移送している。また、場合によっては、フラスコ11から直接シリンジの外筒13内に流し込むことにより移送することも行われる。これらは、何れも管理されたクリーンベンチ内で行われている。
【0009】
また、一方で、養子免疫治療のプレ培養に、フラスコと比べ、培養操作時に生じるコンタミネーションが起こり難く、さらに培養効率が高い小型の閉鎖系カルチャーバッグが用いられている。このカルチャーバッグでは、内面に抗CD3抗体を固相化して用いられるが、その固相化する操作が煩雑であり、改善が要望されていた。
【0010】
この固相化では、まず、抗CD3抗体をりん酸緩衝液等に混合した液体を予め調製し、その調製された液体をシリンジに充填し、バッグに備わるポートからバッグ内へ注入する。所定時間放置後、シリンジで固相化されていない抗CD3抗体混合液を前記ポートから抜き取る。
【0011】
次に、図5と同様の手段を用い、りん酸緩衝液を貯留した容器(不図示)からりん酸緩衝液をピペット19内に吸引してシリンジの外筒13内に排出し、カルチャーバッグ12の充填ポート16を介してカルチャーバッグ12内に移送する。このりん酸緩衝液によりカルチャーバッグ12内を洗浄し、外筒13を充填ポート16から外した後、その液をカルチャーバッグ12の充填ポート16から排出する。
【0012】
次に、再度充填ポート16に外筒13を取り付け、所定量の液体培地を貯留した容器(不図示)から液体培地をピペット19内に吸引して外筒13内に排出し、
カルチャーバッグ12の充填ポート16を介してカルチャーバッグ12内に移送する操作を複数回繰り返すことにより、液体培地をカルチャーバッグ12内に収容し、プレ培養バッグの準備が終了する。その後、カルチャーバッグ12に備わるポート16aから増殖させる細胞を注入し、インキュベータ内で数日間細胞を増殖させることが行われている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、このような操作では、液体を移送する操作を多数回行うため、手間を要するだけでなく、毎回の操作でピペットを容器内外に出し入れしたり、都度、外筒の取り付け、取り外しを繰り返す事から、クリーンベンチ内であっても、ピペットやポート先端が細菌や異物で汚染される可能性が高く、このような汚染を防止でき、かつ、簡易な操作で液体を連続式に移送できる液体移送具の案出が望まれていた。
【0014】
そこで、本発明は、移送される液体が汚染される事なく、簡易な操作で液体を連続的に移送可能で、しかも安価な液体移送具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、液体を移送するための流路を有する移送管と、該移送管の一方の端部に設けられた吸込部と、他方の端部に設けられた吐出部とを備えた液体移送具において、少なくとも気体を吸引可能な吸引手段を接続可能であると共に密閉状態を維持可能な吸引口を前記吸込部と前記吐出部との間に前記流路と連通するように備え、且つ、前記吸引口より前記吐出部側の前記流路を閉塞可能な閉塞手段を備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記吸引口に前記吸引手段が接続されていることを特徴とする。
【0017】
請求項3に記載の発明は、液体を移送するための流路を有する移送管と、該移送管の一方の端部に設けられた吸込部と、他方の端部に設けられた吐出部とを備えた液体移送具において、前記吸込部と前記吐出部との間に吸引部を備え、該吸引部が、前記流路と連通する吸引口と、該吸引口に着脱可能に接続され、少なくとも前記流路から気体を吸引可能であると共に密閉状態を維持可能な吸引手段と、少なくとも前記吸引口より前記吐出部側の前記流路を閉塞可能な閉塞手段とを備えたことを特徴とする。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一つに記載の構成に加え、前記移送管は、前記吸引口より前記吐出部側及び/又は前記吸引口より前記吸込部側に可撓性チューブを有することを特徴とする。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一つに記載の構成に加え、前記移送管は、少なくとも前記吸引口と前記吐出部との間で弾性変形可能であり、前記閉塞手段は、該移送管を弾性変形させることにより前記流路を閉塞する手段からなることを特徴とする。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れか一つに記載の構成に加え、前記吸引手段は、前記気体を吸引及び排出可能に構成され、前記閉塞手段は、前記吸引口より前記吐出部側の前記流路と前記吸引口より前記吸込部側の流路とを択一的に閉塞可能であることを特徴とする。
【0021】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の構成に加え、前記閉塞手段は、前記吸引口より前記吸込部側の前記流路を閉塞する一次側閉塞状態と、前記吸引手段より前記吐出部側の前記流路を閉塞する二次側閉塞状態と、前記吐出部側の前記流路と前記吸引部側の前記流路との間を連通する連通状態とを択一的に切換可能な切換弁であることを特徴とする。
【0022】
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の構成に加え、前記吸引手段は、前記気体及び液体を吸引及び排出可能に構成されていることを特徴とする。
【0023】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の構成に加え、前記吸引手段は、吸引量の測定手段を有するシリンジからなることを特徴とする。
【0024】
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9の何れか一つに記載の構成に加え、前記吸込部は、供給側の液体中に先端を没入させて吸込む接液体と、該接液体が着脱自在な嵌合コネクタとからなることを特徴とする。
【0025】
請求項11に記載の発明は、請求項10の記載の構成に加え、前記接液体がピペット状の管状体であることを特徴とする。
尚、ピペット状の管状体とは、ピペットのみならず、ピペットと同様に硬質性の細管を備えたものをいう。
【0026】
請求項12に記載の発明は、請求項1乃至は11何れか一つに記載の構成に加え、前記吐出部は、ルアー形状を有する接合コネクタからなることを特徴とする。
【0027】
請求項13に記載の発明は、請求項1乃至12の何れか一つに記載の構成に加え、前記液体が除菌処理されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
請求項1乃至3に記載の発明によれば、吸引口に吸引手段を接続して、吸込部を供給側の液体中に没入させ、吸引口と吐出部との間の流路を閉塞手段により閉塞した状態で、吸引手段により流路の気体を吸引すれば、液体を流路の吸引口側まで吸引することができる。このとき、液体を供給側の液面位より低い流路内の位置まで吸引し、吸引口を密閉状態で維持して閉塞手段を開放すれば、その後は、吸引手段で吸引せずに、供給側の液面位と受容側の液面位との高低差に応じ、吸込部から吐出部まで流体を移送することができる。
【0029】
これにより、一旦、液体の移送を開始すると、吸込部や吐出部を液体内から出し入れする事無く、連続的に移送することが可能である事から、液体の汚染や異物のコンタミネ―ションを防止する事ができる。また、連続的に液体を移送する為、移送効率が良い。
【0030】
また、吸引手段内を経由することなく液体を移送できるため、無理な吸引や排出を回避でき、より穏やかに液体を移送することが可能である。
【0031】
更に、構造が簡素な為、移送時に流体移送具内に収容される液体量を少なく抑えることができるため、供給側の液量が少量であっても液体を移送し易く、また、移送後に残留する液体量を少なく抑えることができるため、移送する液体の無駄も防止することができる。
【0032】
請求項4に記載の発明によれば、移送管が吸引口より吐出部側及び/又は吸引口より吸込部側に可撓性チューブを有するので、移送管の配置が自在であり、使い勝手がよい。
【0033】
請求項5に記載の発明によれば、移送管が、少なくとも吸引口と吐出部との間で弾性変形可能であり、閉塞手段がその移送管を弾性変形させることにより流路を閉塞する手段からなるので、閉塞手段を極めて簡単な構成にすることができる。
【0034】
請求項6に記載の発明によれば、閉塞手段が吸引口より吐出部側の流路と吸引口より吸込部側の流路とを択一的に閉塞可能であるので、吸引口より吐出部側の流路を閉塞した状態で吸込部側から吸引手段により吸引した気体を、吸引口より吸込部側の流路を閉塞して吐出部側に排出することができる。そのため、吸引手段が移送管の流路の容積に対して吸引量が少ないものであっても、吸引及び排出を複数回繰り返すことで、供給側の液体を確実に流路内に吸引することが可能である。そのため、吸引手段を小型化し易い。
【0035】
請求項7に記載の発明によれば、一次側閉塞状態、二次側閉塞状態、及び連通状態の切換が容易に行うことができ、液体を移送するための切換操作が容易である。
【0036】
請求項8に記載の発明によれば、吸引手段が液体も吸引及び排出可能であるので、液体を吸引手段に接触させることなく移送できるだけでなく、液体を吸引手段に接触させて吸引手段の吸引及び排出により強制的に移送することも可能である。また、液体の性状の種類に合せて、液体の落差(高低差)による移送と強制的な移送を選択する事ができ、使用態様の自由度が大きい。
【0037】
請求項9に記載の発明によれば、吸引手段が吸引量の測定手段を有するシリンジからなるので、液体吸引手段に接触させて強制的に移送させる際、液体の移送量を正確に把握し、かつ、調整することができる。
【0038】
請求項10に記載の発明によれば、供給側の液体に接触する接液体が着脱自在に嵌合コネクタに嵌合されるため、使用済みの接液体をすみやかに交換することが可能であり、供給側の液体の汚染を防止し易い。そのため、異なる供給側の液体を同じ受容側に移送するような場合に、接液体を交換して移送管、吸引手段、閉塞手段などをそのまま使用することができて、複数の供給側の液体を移送する際の手間を簡素化することができる。
【0039】
請求項11に記載の発明によれば、接液体がピペット状の管状体であるため、小さな容器内に収容された少量の液体でも吸引することができ、供給側の容器に残液を生じないばかりでなく、また、大容量のフラスコやボトルに対しても全長が十分確保することができる。
さらに、ピペット状の管状体としてピペットを用いれば、ピペットは大量生産されており、滅菌済みで固包装仕様の製品が量産されていることから、安価に調達することができ、経済的である。
【0040】
請求項12に記載の発明によれば、吐出部がルアー形状を有する接合コネクタからなるので、接合コネクタへ穿刺針や密封容器のポートを脱着し易い。
しかも、吐出部側の流路を閉塞できる閉塞手段が設けられているため、閉塞手段により吐出部側を閉塞すれば吸込部側の流路などに液体が収容された状態で、接合コネクタを脱離させても液体が吐出部から吐出されることがない。そのため、液体を複数の密封容器に移送する際、容易に接合コネクタを異なる密封容器に接合させることが可能であり、複数の密封容器へ液体を移送する際の手間を簡素化することができる。
【0041】
請求項13に記載の発明によれば、除菌処理された液体とは、液体培地、細胞を増殖させた培養液または、リン酸緩衝液等の洗浄液等が挙げられ、この発明の液体移送具は構造が簡素でありながら、細菌や異物のコンタミネーションを防止することができるため、除菌処理された液体の移送に好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
[実施の形態1]
以下、この発明の実施の形態について説明する。
図1及び図2はこの実施の形態1を示す。
この実施の形態1の液体移送具20では、一方の端部に吸込部21が設けられると共に他方の端部に吐出部22が設けられ、両者の間に略「ト」字状の連結部23が設けられており、吸込部21と連結部23との間が弾性を有する可撓性チューブからなる吸込部側移送管24により連結され、連結部23と吐出部22との間が弾性を有する可撓性チューブからなる吐出部側移送管25により連結されている。そして、内部には吸込部側移送管24、連結部23、及び吐出部側移送管25を通して、吸込部21から吐出部22まで連通する流路26が設けられている。
【0043】
略「ト」字状の連結部23は、吐出部側移送管25より硬質の樹脂成形体からなり、吐出部側移送管25が接続される吐出部側突出部23bに対し、吸込部側移送管24が接続される吸込部側突出部23aが鈍角方向に突出して設けられている。
この連結部23には、更に、吐出部側突出部23bに対して略直線状に位置する反対方向に、吸引口側突出部23cが設けられており、その端部側に流路26と連通する吸引口27が設けられている。
【0044】
この吸引口27は、ゴム栓23dにより密閉されており、吸引手段としてのシリンジ28が穿刺針28aを刺通することにより接続可能となっている。この吸引口27は、吸引口27からシリンジ28の穿刺針28aを抜脱することにより、又は、穿刺針28aにより連通されるシリンジ28の外筒28b内の容積を一定に維持することにより、密閉状態を維持することができる。
【0045】
吸込部21では、吸込部側移送管24の先端に嵌合コネクタ31が気密に接続されており、この嵌合コネクタ31に接液体としてのピペット32が嵌合されている。
嵌合コネクタ31は、軟質塩化ビニルからなり、一端側に吸込部側移送管24が気密に接合され、他端側の内部がピペット32の外径を着脱自在に、且つ、気密に嵌合できるように弾性を有するテーパ面31aとなっている。
【0046】
ピペット32はガラスやポリスチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂からなり、一端側がテーパ面31aに嵌合され、先端側が吸込口32aを有して貯留された移送対象の液体中に没入されるようになっている。この吸込口32a先端に、図1に示すように、スリット若しくは、切り欠き32bを設ける等の加工を施すことがより好ましい。これにより、液体が貯留されている容器33の底面32cに吸込口32aが当接した状態でも容易に液体を吸込む事ができる。また、ここでは、吸込部側移送管24の先端に嵌合コネクタ31を用いてピペット32を気密に接合させているが、吸込部側移送管24に直接ピペット32の先端を差し込み、気密としたものでも同様の機能を有することができる。
【0047】
吐出部22では、吐出部側移送管25の先端に接合コネクタ34が設けられ、この接合コネクタ34により、移送される液体の受容側である閉鎖系のカルチャーバッグ36とルアー接続されるようになっており、カルチャーバッグ36に液体を導入するために設けられたポート部36aに着脱自在に構成されている。具体的には、ポート部36aに設けられたメスルア部36cに螺合可能なオスルア部34aが接合コネクタ34に設けられている。
【0048】
また、吐出部側移送管25には、吐出部側移送管25を弾性に抗して外部から押圧して、扁平形状にすることにより流路26を閉塞することが可能な閉塞手段としてのクレンメ38が装着されている。
【0049】
なお、この実施の形態1において、吸引手段であるシリンジ28は、穿刺針28aから気体を吸引及び排出可能であると共に、液体を吸引及び排出可能に構成されている。そして、外筒28bには目盛り28dが設けられており、シリンジ28の吸引量が測定できるようになっている。
【0050】
次に、このような構成の液体移送具20を用いて液体を移送する方法として、フラスコ内でプレ培養された細胞の混合液を閉鎖系のカルチャーバッグへ移送する場合について説明する。
プレ培養バッグ内で培養された細胞の混合液を移送するには、新たな液体移送具20を用い、図1に示すように、吸込部21の嵌合コネクタ31にピペット32を嵌合し、連結部23の吸引口27にシリンジ28の穿刺針28aを刺通することによりシリンジ28を吸引口27に接続して、液体移送具20を準備しておく。
なお、プレ培養された細胞の混合液はプレ培養に用いた容器70内に収容されている。
【0051】
そして、図2に示すように、吸込部21のピペット32の先端側を容器70内に収容して、吸込口32aをプレ培養された細胞の混合液中に没入させる。このとき、容器70は、載置台41等に載置するのが好ましい。
一方、吐出部22の接合コネクタ34を一つのカルチャ−バッグ36のポート部36cに接続し、カルチャーバッグ36を容器70の液面より低い位置、好ましくは載置台41の下に配置する。
【0052】
次に、吐出部側移送管25に装着してあるクレンメ38により流路26を閉塞する。
この状態で、シリンジ28の押し子28cを引き上げることにより、流路26内の気体を吸引する。このとき、プレ培養された細胞の混合液をシリンジ28の穿刺針28aには接触しない付近まで吸引した段階で、シリンジ28による吸引を一度終了する。
すると、ピペット32により容器70内のプレ培養された細胞の混合液が吸込部側移送管24内に吸引されて流路26内を連結部23側に移動し、流路26内を移動するプレ培養された細胞の混合液の先端の液面が容器70内の液面より下方に到達する。このとき、シリンジ28の押し子28cを調整することにより、シリンジ28による吸引を終了する。
【0053】
そして、シリンジ28の穿刺針28aを連結部23の吸引口27から抜脱した後、吐出部側移送管25からクレンメ38を除去し、吐出部側移送管25の弾性により流路26を開放する。すると、容器70内の液面とカルチャーバッグ36内の液面との落差(高低差)に応じて、容器70からカルチャーバッグ36まで、吸込部側移送管24、連結部23、及び吐出部側移送管25の流路26を経由してプレ培養された細胞の混合液が移送される。容器70内の液の全量が流出した時点で移送が完了となる。
なお、シリンジ28の穿刺針28aを吸引口27から抜脱することなく、シリンジ28の外筒28b内の容積を一定に維持することで吸引口27の密閉状態を維持しておき、シリンジ28内を経由せずにプレ培養された細胞の混合液を移送することも可能である。
【0054】
その後、別の容器70に収容されているプレ培養された細胞の混合液を別のカルチャーバッグ36に移送する場合には、液体移送具20は新たなものを使用する。一方、シリンジ28は前回移送したプレ培養された細胞の混合液とは接触していないため、再度使用することも可能である。
【0055】
以上のような液体移送具20によれば、プレ培養された細胞の混合液を移送する際、シリンジ28により流路26内の供給側容器液面より低い位置まで液体を吸引し、吸引口27を密閉状態に維持してクレンメ38を開放すれば、その後はシリンジ28で吸引することなく、吸込部21から吐出部22まで液体を移送することができる。
そのため、シリンジ28内を経由することなく流路26を通して液体を連続的に移送することが可能である。その結果、液体をシリンジ28に接触させる機会をなくすことができる。
また、液体移送具の滅菌方法として、一般的に医療用具で行われている滅菌方法を挙げることができ、例えば、γ線照射や電子線照射による放射線照射や、エチレンオキサイドガス滅菌を挙げられ、無菌管理が容易である。
【0056】
また、シリンジ28を経由することなく液体を移送できるため、無理に吸引する事ことなく、より穏やかに液体を移送することが可能である。
更に、構造が簡素な為、移送時に流体移送具内に収容される液体量を少なく抑えることができるため、供給側の液量が少量であっても液体を移送し易く、また、移送後に残留する液体量を少なく抑えることができるため、移送する液体の無駄も防止することができる。
【0057】
更に、上記液体移送具20では、吐出部側移送管25及び吸込部側移送管24が可撓性チューブからなるため、これらの移送管24、25の配置が自在であり、使い勝手がよい。しかも、これらの移送管24、25が弾性変形可能であり、クレンメ38によりその移送管24、25を弾性変形させて流路26を閉塞するので、構成を簡単にできる。
【0058】
また、ここでは、フラスコ内でプレ培養した細胞を容量の大きなカルチャーバッグ内へ全てを移送させた場合を説明したが、細胞を数バッグへ分ける際は、
吐出部22がカルチャーバッグ36のポート部36aに着脱自在な接合コネクタ34からなるので、ポート部36a、36cに着脱し易く、この吐出部側移送管25の流路26をクレンメ38で閉塞できるので、クレンメ38で流路26を閉塞すれば吸込部側移送路24の流路26などに収容された状態で、接合コネクタ34を脱離させて、容易に異なるカルチャーバッグ36に接合させて、次の移送を行うことが可能であり、複数のカルチャーバッグ36への移送操作の手間を簡素化することができる。
【0059】
[実施の形態2]
次に、図3、図4により実施の形態2の液体移送具20について説明する。この液体移送具20では、実施の形態1と比べ、連結部23が略「T」字状で、吸引口27が設けられた吸引口側突出部23cと吐出部側突出部23bとが略直線状に位置する反対方向に突出し、吸込部側突出部23aがこれらに対し略直角方向に突出している。
吐出部側突出部23bには、図1に示すような吐出部側移送管25がなく、直接、接合コネクタ34が設けられている。この接合コネクタ34はカルチャーバッグのポートや穿刺針と螺合可能なルアーロック構造となっており、ここでは接合コネクタ34には穿刺針34bが取り付けられる構成となっている。また、吸引口側突出部23cの吸引口27には、図1に示すようなゴム栓23dが設けられておらず、穿刺針のないシリンジ28がルアー接続されている。この吸引口27はシリンジ28の容積を一定に維持することにより密封状態が維持されるようになっている。
【0060】
更に、この液体移送具20では、閉塞部材としてクレンメ38を用いる代りに連結部23に切換弁としての三方弁44が設けられている。この三方弁44は、吸引口27より吸込部21側の流路26を閉塞する一次側閉塞状態と、吸引口27より吐出部22側の流路26を閉塞する二次側閉塞状態と、吐出部22側の流路26と吸込部21側の流路26との間を連通する連通状態とを択一的に切換可能となっている。その他は、実施の形態1と同様である。
【0061】
次に、このような構成の液体移送具20を用いて液体を移送する方法について説明する。
この実施の形態では、閉鎖系カルチャーバッグへの抗CD3抗体の固相化、バッグ内洗浄及び培地充填方法について説明する。
【0062】
先ず、閉鎖系カルチャーバッグ内へ抗CD3抗体を固相化する方法について説明する。
この前準備では、予め、図3に示すように、吸込部21の嵌合コネクタ31にピペット32を嵌合し、連結部23の吸引口27にシリンジ28を接続して、吐出部22に穿刺針34bを取り付けた液体移送具20を準備しておく。
【0063】
まず、抗CD3抗体を固相化するには、図4に示すように、一方にメスルアーロック構造のポート36dを具備したチューブ36eと、他方に穿刺針34bで連通可能なゴム栓を具備したゴム栓部36fを有する閉鎖系カルチャーバッグ36を準備する。
次に、抗CD3抗体をリン酸緩衝液等で希釈した抗CD3抗体混合液を予め調整し、その調整された液体を容器40内に収容しておく。容器40には一つのカルチャーバッグ36に収容する分量の抗CD3抗体混合液が収容されている。
【0064】
そして、吸込部21のピペット32の先端側を容器40内に収容して、吸込口32aを抗CD3抗体混合液中に没入させる。
吐出部22の先端に取り付けた穿刺針34bをゴム栓部36fに刺通し、三方弁44を二次側閉塞状態とすることにより、吐出部22側の流路26を閉塞する。
【0065】
この状態で、シリンジ28の押し子28cを引き上げて、流路26内の気体を吸引する。すると、ピペット32により容器40内の抗CD3抗体混合液が吸込部側移送管24内に吸引されて流路26内を連結部23側に移動し、シリンジ28の外筒28b内に抗CD3抗体混合液の全量と気体とが吸引される。
【0066】
そして、操作レバー44aを傾倒操作することにより一次側閉塞状態として、吸込部21側の流路26を閉塞し、シリンジ28の押し子28cを押し下げれば、穿刺針34bから液体を排出することができ、シリンジ28内の抗CD3抗体混合液の全量をカルチャ−バッグ36内に強制的に移送し、そのまま所定時間放置後、他方のチューブ36dにシリンジ51を接続し、バッグ36内の固相化されていない抗CD3抗体混合液をシリンジ51の収容部へ吸引する。
【0067】
次に、別のカルチャーバッグ36に抗CD3抗体混合液を移送するには、抗CD3抗体混合液を収容した別の容器40を準備しておき、先に使用した液体移送具20をそのまま用いて、ピペット32の先端を次の容器40内の液中に没入して配置する。一方、液体移送具20の穿刺針34bを、充填が終了したカルチャーバッグ36のゴム栓部36fから抜脱させ、そのまま、次のカルチャーバッグ36のゴム栓部36fに刺通する事で連続して抗CD3抗体を固相化することができる。
【0068】
次に、抗CD3抗体が固相化されたバッグ内洗浄について説明する。
抗CD3抗体の固相化した後に、カルチャーバッグ36内部を洗浄するには、抗CD3抗体の固相化に使用した液体移送具20の吸込部21に接続されたピペット32を新たなものに取り替えた後、新たなピペット32をリン酸緩衝液を収容した容器50に収容して吸込口32aをリン酸緩衝液中に没入させる。
一方、吐出部22側の穿刺針34bをカルチャ−バッグ36のゴム栓部36fに刺通し、三方弁44の操作レバー44aを二次閉塞状態とし、シリンジ28の押し子28cを引き上げることにより、先の抗CD3抗体を固相化した時と同様に、リン酸緩衝液がシリンジ28内に収容される。なお、カルチャーバッグ36に充填するりん酸緩衝液の量は、特定される必要がなく、任意でよい。
【0069】
そして、三方弁44の操作レバー44aを一次閉塞状態とし、吸込部21側の流路26を閉塞し、シリンジ28の押し子28cを押し下げれば、これも先の抗CD3抗体の固相化した時と同様に、シリンジ28内のリン酸緩衝液の全量をカルチャ−バッグ36内に強制的に移送し、カルチャーバッグ36内を洗浄後、他方のチューブ36dに接続されたシリンジ51を用いてりん酸緩衝液を排出し、洗浄を完了する。
【0070】
連続して他のカルチャーバッグ36にもりん酸緩衝液を移送する場合には、液体移送具20の吐出部22の穿刺針34bを充填が終了したカルチャーバッグ36のゴム栓部36fから抜脱させ、そのまま、次のカルチャ−バッグ36のゴム栓部36fに刺通する。このとき、前回の充填でりん酸緩衝液が既に流路26内で存在しているため、そのまま三方弁44の切り替え及びシリンジ28の押し子28cの操作だけで、りん酸緩衝液の移送を開始することができる。
そして、このような作業を、複数のカルチャーバッグ36の全てに繰り返せば、りん酸緩衝液を移送してりん酸緩衝液による洗浄作業を行うことが容易であり、効率的である。
【0071】
次に、カルチャーバッグ36内への液体培地の移送について説明する。
カルチャーバッグ36内に液体培地を移送するには、図3のように液体移送具20を準備する。このとき、リン酸緩衝液によるバッグ内洗浄で使用したもの用いる場合、カルチャーバッグ36のゴム栓部36fに刺通した穿刺針34bを一旦抜脱し、流路26の残存液を排出した後、ピペット32を取り替えたものを用いても良い。また、図4に示すように、所定量の液体培地を収容した容器60を準備する。
【0072】
それと共に、吸込部21のピペット32の吸込口32aを容器60の液体培地中に没入させ、三方弁44の操作レバー44aを二次側閉塞状態とし、吸引手段より吐出部22側の流路を閉塞した後、シリンジ28の押し子28cを引き上げ、一旦、連結部23からピペット32の先端32aまでの流路26に存在する空気をシリンジ28内に収容した後、三方弁44の操作レバー44aを一次側閉塞状態とすることにより、吸込部21側の流路26を閉塞した後、シリンジ28の押し子28cを押し下げ、シリンジ28内の空気を排出する。
【0073】
次に、穿刺針34bをカルチャーバッグ36のゴム栓部36fに刺通した後、再度、三方弁44を二次側閉塞状態とし、シリンジ28の押し子28cを引き上げることにより、シリンジ28の外筒28b内に液体培地を吸引する。このとき、目盛り28dを用いて所定量を吸引することができる。
【0074】
そして、操作レバー44aを傾倒操作することにより一次側閉塞状態として、吸込部21側の流路26を閉塞し、シリンジ28の押し子28cを押し下げれば、所定量の液体培地を吐出部22へ排出することができ、カルチャ−バッグ36内に強制的に移送することができる。培地が大容量の場合は、この作業を繰り返す事により、所定量の液体培地を移送させることができる。
【0075】
その後、別のカルチャーバッグ36に液体培地を充填する場合には、吸込部21のピペット32をそのままにして、吐出部22の穿刺針34bを、移送が終了したカルチャーバッグ36のゴム栓部36fから抜脱させて次のカルチャ−バッグ36のゴム栓部36fに刺通し、操作レバー44a及びシリンジ28の押し子28cを同様に操作する。
これにより、複数のカルチャーバッグ36に所定量の液体培地の収容を簡易に行うことができる。
【0076】
以上のような実施の形態1及び2は、液体移送具20の使用範囲を限定するものでは無く、その使用範囲は任意であり、例えば、実施の形態2の液体移送具を実施の形態1で説明したプレ培養された細胞の混合液の移送に使用することもでき、同様の効果を得る事ができる。
【0077】
更に、この液体移送具20では、ピペット32が着脱自在に嵌合コネクタ31に嵌合されるため、使用されたピペット32だけを交換することが可能であり、各容器に収容されている液体の汚染を防止し易い。そのため、異なる容器の液体を同じカルチャーバッグ36に移送する場合、ピペット32だけを交換して吸込部側移送管24、連結部23、吐出部側移送管25、及び吐出部22などをそのまま使用することができて、交換の手間を簡素化することができる。
【0078】
培養した細胞を容器間で移送させる等の1回操作で作業が完結するものは、実施の形態1で挙げた略「ト」字状の連結部23を用いたものや、実施の形態2で挙げた三方弁44を連通状態として移送させることが好ましい。さらに、細胞を移送する際であっても、無理な吸引や排出を回避できるため、細胞へ影響を与えることがない。
【0079】
また、抗CD3抗体を固相化させる等の複数回操作があるものや、同一品を複数個作製する場合は、三方弁44の切り換えにより、流路26を容易に閉塞及び開放することができるため、実施の形態2に係る液体移送具20の方が、実施の形態1のようなクレンメ38の着脱や、シリンジ28の押し子28cの調整により吸引口27の密封状態を維持する必要がなく、しかも、シリンジ28には吸引量を測定できる目盛り28dを有するので、移送量を正確に調整することができる為、適しているものと言える。
【0080】
また、三方弁44による液体移送具20は、シリンジ28の吸引量が例えば流路26の容積や定量的に移送する液量に対して少ないものであっても、吸引及び排出を複数回繰り返すことで、液体を確実に流路26内に吸引したり、定量的に多量に移送することが可能であり、シリンジ28を小型化し易い。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】この発明の実施の形態1の液体移送具を示す模式的な構成図である。
【図2】図1の液体移送具の使用状態を示す模式的な斜視図である。
【図3】この発明の実施の形態2の液体移送具を示す模式的な構成図である。
【図4】図3の液体移送具の使用状態を示す模式的な斜視図である。
【図5】従来の液体移送具の使用状態を示す模式的な斜視図である。
【符号の説明】
【0082】
20 液体移送具
21 吸込部
22 吐出部
23 連結部
23d ゴム栓
24 吸込部側移送管
25 吐出部側移送管
26 流路
27 吸引口
28 シリンジ
31 嵌合コネクタ
34 接合コネクタ
36 カルチャーバッグ
38 クレンメ
33、40、50、60、70 容器
44 三方弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を移送するための流路を有する移送管と、該移送管の一方の端部に設けられた吸込部と、他方の端部に設けられた吐出部とを備えた液体移送具において、
少なくとも気体を吸引可能な吸引手段を接続可能であると共に密閉状態を維持可能な吸引口を前記吸込部と前記吐出部との間に前記流路と連通するように備え、且つ、前記吸引口より前記吐出部側の前記流路を閉塞可能な閉塞手段を備えたことを特徴とする液体移送具。
【請求項2】
前記吸引口に前記吸引手段が接続されていることを特徴とする請求項1に記載の液体移送具。
【請求項3】
液体を移送するための流路を有する移送管と、該移送管の一方の端部に設けられた吸込部と、他方の端部に設けられた吐出部とを備えた液体移送具において、
前記吸込部と前記吐出部との間に吸引部を備え、
該吸引部が、前記流路と連通する吸引口と、該吸引口に着脱可能に接続され、少なくとも前記流路から気体を吸引可能であると共に密閉状態を維持可能な吸引手段と、少なくとも前記吸引口より前記吐出部側の前記流路を閉塞可能な閉塞手段とを備えたことを特徴とする液体移送具。
【請求項4】
前記移送管は、前記吸引口より前記吐出部側及び/又は前記吸引口より前記吸込部側に可撓性チューブを有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載の液体移送具。
【請求項5】
前記移送管は、少なくとも前記吸引口と前記吐出部との間で弾性変形可能であり、前記閉塞手段は、該移送管を弾性変形させることにより前記流路を閉塞する手段からなることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一つに記載の液体移送具。
【請求項6】
前記吸引手段は、前記気体を吸引及び排出可能に構成され、前記閉塞手段は、前記吸引口より前記吐出部側の前記流路と前記吸引口より前記吸込部側の流路とを択一的に閉塞可能であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一つに記載の液体移送具。
【請求項7】
前記閉塞手段は、前記吸引口より前記吸込部側の前記流路を閉塞する一次側閉塞状態と、前記吸引手段より前記吐出部側の前記流路を閉塞する二次側閉塞状態と、前記吐出部側の前記流路と前記吸引部側の前記流路との間を連通する連通状態とを択一的に切換可能な切換弁であることを特徴とする請求項6に記載の液体移送具。
【請求項8】
前記吸引手段は、前記気体及び液体を吸引及び排出可能に構成されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の液体移送具。
【請求項9】
前記吸引手段は、吸引量の測定手段を有するシリンジからなることを特徴とする請求項8に記載の液体移送具。
【請求項10】
前記吸込部は、供給側の液体中に先端を没入させて吸込む接液体と、該接液体が着脱自在な嵌合コネクタとからなることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一つに記載の液体移送具。
【請求項11】
前記接液体は、ピペット状の管状体であることを特徴とする請求項10に記載の液体移送具。
【請求項12】
前記吐出部は、ルアー形状を有する接合コネクタからなることを特徴とする請求項1乃至は11の何れか一つに記載の液体移送具。
【請求項13】
前記液体は、除菌処理されていることを特徴とする請求項1乃至12の何れか一つに記載の液体移送具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2007−325765(P2007−325765A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−159496(P2006−159496)
【出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(000136354)株式会社フコク (97)
【Fターム(参考)】