説明

液体調合装置

【課題】液体調合装置の新しい装置構成を提供する。
【解決手段】複数の薬瓶100は、共通のシリンジポンプ20に接続される。各薬瓶100には、吐出配管34が設けられている。吐出配管34は、その先端が回転テーブル18の下面に突出している。水薬調合を行う際には、回転テーブル18を回転させ、所望の薬瓶100に接続された吐出配管34の先端を投薬瓶110の上方に移動させる。そして投薬瓶110が上方に移動され、吐出配管34の先端が投薬瓶110に挿入される。その状態で、吐出用バルブ36、加減圧用バルブ25、大気開放用バルブ28、シリンジポンプ20などが適宜制御されることにより、薬瓶100内の水薬が投薬瓶110へと吐出される。水薬調合に必要な複数の薬瓶100の各々を対象として吐出作業を繰り返し行うことにより、投薬瓶110内に複数の水薬が吐出されて水薬調合が実現される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類の液体を調合する液体調合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、様々な分野において、異なる複数の液体を定められた一定の比率で調合する液体調合が行われている。例えば、医薬分野では、処方箋にしたがって、複数種類の水薬を調合している。従来、このような調合は、各水薬を人手でメスシリンダ等を用いて計量することにより行われていた。しかしながら、かかる人手による計量は、煩雑であるだけでなく、調合ミスが生じやすいという問題もあった。
【0003】
そこで、水薬等の液体の調合を自動で行う液体調合装置が従来から提案されている。例えば、特許文献1には、水薬の調合を自動化する水薬自動調剤機が開示されている。この水薬自動調剤機では、複数の薬品容器および各薬品容器に設置されたポンプを回転テーブルに設置している。水薬を調合する際には、回転テーブルを駆動することにより指定の薬品容器のノズルを薬ボトル上に移動させたうえで、ポンプを駆動して指定量の水薬を薬ボトルに吐出している。この調剤機によれば、指定量の薬液が自動的に薬ボトルに吐出されるため、水薬調剤を自動で行うことができる。
【0004】
【特許文献1】特開2003−325639号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、かかる水薬調剤機では、投薬瓶とは分離されたポンプで水薬の吐出量等を管理している。そのため、確実に投薬瓶に水薬が吐出されたか否かは確認できない。また、複数の薬品容器それぞれに吸引吐出量を厳密に制御できるポンプを設ける必要がある。吸引吐出量を厳密に制御できるポンプは高価になりやすく、かかるポンプを多数設けた場合、さらに装置全体が高額になりやすい。また、多数のポンプを設けた場合、その制御が複雑になるという問題もある。
【0006】
本発明は、以上のような従来の問題点に鑑みて成されたものであり、その目的は、液体調合装置の新しい装置構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の好適な態様である液体調合装置は、複数の貯留容器の各々から液体を調合容器に供給することにより調合容器内で複数種類の液体を調合する液体調合装置であって、各貯留容器ごとに設けられる加減圧用バルブと、加減圧用バルブが設けられた配管を介して複数の貯留容器と接続されるポンプと、を有し、複数の貯留容器のうちから選択された選択貯留容器の加減圧用バルブを開放し、ポンプによって選択貯留容器内の気体層の圧力を変化させることにより、選択貯留容器内の液体を調合容器に吐出することを特徴とする。
【0008】
望ましい態様において、前記液体調合装置は、選択貯留容器から吐出すべき所定量の液体の体積分だけポンプを駆動することにより、選択貯留容器から液体を調合容器に吐出することを特徴とする。
【0009】
望ましい態様において、前記液体調合装置は、前記ポンプとして機能するシリンジポンプと、各貯留容器内の気体層の圧力を計測する圧力センサと、選択貯留容器と調合容器とを接続する配管に設けられた吐出用バルブと、を有し、吐出用バルブを閉鎖した状態で前記体積分だけシリンジポンプのピストンを移動させて選択貯留容器内の気体層を加圧し、ピストンの移動後に吐出用バルブを開放して選択貯留容器から調合容器へ液体の吐出を開始し、圧力センサの計測結果に基づいて選択貯留容器内の気体層の圧力がピストンの移動前の圧力にまで低下するタイミングを検知し、そのタイミングで吐出用バルブを閉鎖して吐出を終了することにより、選択貯留容器から所定量の液体を調合容器に吐出することを特徴とする。
【0010】
望ましい態様において、前記液体調合装置は、各貯留容器内の気体層の圧力を計測する圧力センサと、選択貯留容器と調合容器とを接続する配管に設けられた吐出用バルブと、を有し、吐出用バルブを閉鎖した状態でポンプを駆動して選択貯留容器内の気体層を第一圧力まで加圧し、第一圧力まで加圧した後に吐出用バルブを開放して選択貯留容器から調合容器へ液体の吐出を開始し、圧力センサの計測結果に基づいて選択貯留容器内の気体層の圧力が第二圧力にまで低下するタイミングを検知し、そのタイミングで吐出用バルブを閉鎖して吐出を終了することにより、選択貯留容器から所定量の液体を調合容器に吐出することを特徴とする。
【0011】
望ましい態様において、前記第二圧力は、予め定められた固定値であり、前記第一圧力は、選択貯留容器から吐出すべき所定量の液体の体積と選択貯留容器内の気体層の体積と第二圧力の固定値とを利用して求められることを特徴とする。望ましい態様において、前記第一圧力は、予め定められた固定値であり、前記第二圧力は、選択貯留容器から吐出すべき所定量の液体の体積と選択貯留容器内の気体層の体積と第一圧力の固定値とを利用して求められることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、液体調合装置の新しい装置構成が提供される。例えば、液体調合をより確実に、安価に、シンプルに行う装置を提供することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を説明する。
【0014】
図1には、本発明の好適な実施形態が示されており、図1は、本発明に係る水薬調合装置10の機能を説明するための全体構成図である。また、図2には、図1の水薬調合装置10の構造を説明するための図が示されており、図2は、水薬調合装置10の回転テーブル18部分の概略上面図である。まず、図1および図2を併用して、本実施形態の全体構成を説明する。
【0015】
この水薬調合装置10は、ユーザの指示に応じて複数種類の水薬の調合を自動で行う装置である。調合に必要となる水薬は貯留容器である薬瓶100a,100b,・・・100*(以下、添字a,b,・・・,*を省略)に貯留されており、水薬調合の際には、各薬瓶100から指定量の水薬が調合容器である投薬瓶110に吐出される。
【0016】
各薬瓶100には、分岐配管24が接続され、さらに、その分岐配管24には加減圧用バルブ25が設けられている。また、各薬瓶100には、吐出配管34が接続され、さらに、その吐出配管34には吐出用バルブ36が設けられている。複数の薬瓶100は、図2に示すように、回転テーブル18上に円周に沿って配列され、複数の薬瓶100と同様に、複数の加減圧用バルブ25も円周に沿って配列される。複数の薬瓶100に対応した複数の加減圧用バルブ25は、円形状の回転テーブル18の中心部分において、共通の加減圧配管22に接続される。この加減圧配管22は、図1に示すように、シリンジポンプ20に接続される。なお、図1においては、水薬調合装置10の全体を図示する都合上、円周に沿って配列された複数の薬瓶100を直線的に配列して図示している。
【0017】
このように、本実施形態では、複数の薬瓶100が、各薬瓶100に対応した分岐配管24と加減圧用バルブ25を介して、共通の加減圧配管22に接続される。そして、加減圧配管22がシリンジポンプ20に接続される。つまり、複数の薬瓶100は、分岐配管24と加減圧用バルブ25と加減圧配管22を介して、共通のシリンジポンプ20に接続される。
【0018】
各薬瓶100には、吐出配管34と吐出用バルブ36が設けられている。そして、吐出用バルブ36が設けられた吐出配管34は、その一端が対応する薬瓶100内に挿入され、その他端が回転テーブル18の下面に突出されている。なお、薬瓶100内に挿入されている吐出配管34の一端は、水薬内に水没している。
【0019】
回転テーブル18の下方には、投薬瓶110と当該投薬瓶110を垂直方向に移送させる垂直移動機構16が設けられている。水薬調合を行う際には、回転テーブル18を回転させ、所望の薬瓶100に接続された吐出配管34の先端(他端側)を投薬瓶110の上方に移動させる。その状態で、垂直移動機構16によって投薬瓶110が上方に移動され、吐出配管34の先端が投薬瓶110に挿入される。
【0020】
そして、吐出配管34の先端が投薬瓶110に挿入された状態で、吐出用バルブ36、加減圧用バルブ25、大気開放用バルブ28、シリンジポンプ20などが適宜制御されることにより、薬瓶100内の水薬が投薬瓶110へと吐出される。水薬調合に必要な複数の薬瓶100の各々を対象として吐出作業を繰り返し行うことにより、投薬瓶110内に複数の水薬が吐出されて水薬調合が実現される。
【0021】
図3は、図1の破線枠A内部を詳細に説明するための図である。図3を利用して本実施形態の水薬調合装置10の主要部について詳述する。
【0022】
投薬瓶110は、垂直移動機構16の一部である載置台42に載置されている。載置台42は、垂直方向に延びるガイド軸44に挿通されており、当該ガイド軸44に沿って垂直方向にのみ移動可能となっている。この載置台42の下方は、楕円カム46により支持されている。楕円カム46は、垂直面内で回転可能となっており、当該楕円カム46の回転に伴い載置台42が昇降する。この楕円カム46の回転は、制御部56により制御されている。
【0023】
載置台42が最上昇高さまで上昇した場合、回転テーブル18の下面に突出した吐出配管34の先端が投薬瓶110に挿入される。この挿入状態になる位置が吐出位置となる。また、載置台42が最下降高さまで下降した場合、投薬瓶110から吐出配管34の先端が抜き出され、投薬瓶110が吐出配管34の先端から所定の距離だけ離れて下に移動される。すなわち、載置台42の最下降高さは、回転テーブル18が回転した際に、吐出配管34と投薬瓶110が互いに物理的干渉を生じないような高さに設定されている。
【0024】
なお、図3においては、垂直移動機構の一例として、楕円カム46を備えた機構を示したが、本実施形態の垂直移動機構はこれに限定されない。例えば、リードスクリューとモータを備えた垂直移動機構などを利用してもよい。
【0025】
回転テーブル18は、回転テーブル18上に円周に沿って配列された複数の薬瓶100を回転移動させて、所定の薬瓶100を投薬瓶110の略鉛直上方に配置するための移動機構である。この回転テーブル18は、テーブル回転駆動部52により、その駆動が制御されている。なお、所定の薬瓶100を選択的に投薬瓶110の略鉛直上方に配置することができる機構であれば、回転テーブル以外の移動機構を用いてもよい。例えば、回転テーブルに代えて、ベルトコンベアやXYテーブル等の移動機構を用いてもよい。
【0026】
回転テーブル18の下面に突出された吐出配管34の先端(他端側)には、水センサ40が設けられている。この水センサ40は、吐出配管34に対して例えば光を照射して、その際の透過量等に基づいて吐出配管34内の液体の有無を検知するセンサである。この水センサ40は、吐出配管34の先端近傍に設定された基準位置Xに検知光を照射できるように設置されており、基準位置Xにおける水薬の有無が検知できる。
【0027】
制御部56は、例えば、基準位置Xにおいて、水薬有りの状態から水薬無しの状態に切り替わった時点、あるいは、水薬無しの状態から水薬有りの状態に切り替わった時点を、水薬の先頭が基準位置Xに達した時点と判断する。この水センサ40は、水薬吐出に先立って吐出配管34内の気体を排除するために設けられている。なお、水センサ40による検知のタイミングなどについては後に詳述する。
【0028】
回転テーブル18によって投薬瓶110の略鉛直上方に所定の薬瓶100が配置され、投薬瓶110と所定の薬瓶100とが吐出配管34を介して接続されると、その薬瓶100に貯留されている水薬が吐出配管34を通じて投薬瓶110へと導かれる。この水薬の流れを適宜、許可または遮断するために、吐出配管34の途中には制御部56により開閉制御される吐出用バルブ36が設けられている。
【0029】
この吐出用バルブ36を、薬瓶100内の気体層の圧力に応じて適宜、開放または閉鎖することにより、所望の量の水薬が薬瓶100から投薬瓶110へ吐出される。なお、吐出用バルブ36としては、ピンチバルブが望ましい。これにより、吐出用バルブ36の洗浄作業を省略して吐出配管34のみについて洗浄を行うようにして、メンテナンス作業を簡易化することが可能になる。また、吐出配管34の交換も容易になる。
【0030】
シリンジポンプ20は、加減圧配管22と分岐配管24を介して薬瓶100に接続されている。分岐配管24には加減圧用バルブ25が設けられており、また、分岐配管24の一端は薬瓶100内に挿入されている。なお、薬瓶100内に挿入された分岐配管24の一端は、薬瓶100内の水薬には触れずに、薬瓶100内の気体層に位置している。
【0031】
先に説明したように(図1および図2参照)、本実施形態では、複数の薬瓶100が分岐配管24を介して共通の加減圧配管22に接続され、さらに、共通のシリンジポンプ20に接続される。そして、このシリンジポンプ20によって、対象となる薬瓶100内の気体層の圧力を変化させる場合、対象となる薬瓶100に対応した加減圧用バルブ25が開放され、他の薬瓶100に対応した加減圧用バルブ25が閉鎖される。これにより、シリンジポンプ20と対象となる薬瓶100のみとの接続状態が確保される。シリンジポンプ20は、ポンプ駆動部54によって駆動され、そのポンプ駆動部54は、制御部56からの指示に応じてシリンジポンプ20を駆動する。
【0032】
加減圧配管22には、さらに、複数の薬瓶100に対して共用される圧力センサ26と大気開放用バルブ28が設けられている。圧力センサ26は、加減圧配管22の内部の圧力を計測できるようになっている。なお、加減圧用バルブ25が開放されている状態では、加減圧配管22の内部と薬瓶100の内部とが連通するため、加減圧配管22の内部の圧力と薬瓶100の内部の気体層の圧力が等しくなり、圧力センサ26によって薬瓶100の内部の気体層の圧力を計測することができる。また、大気開放用バルブ28は、加減圧配管22の内部と外界とを連通する配管上に設けられている。
【0033】
制御部56は、水薬調合装置内の各部を制御する。この制御部56は、予め、各種水薬の吐出位置等を装置情報として記憶している。また、水薬調合時にユーザから入力される調合に必要な水薬種類および液体体積等を、調合情報として一時記憶している。そして、水薬調合を行う際には、調合情報および装置情報に基づいて、制御部56が装置内の各部の動作を制御する。
【0034】
次に、図1から図3に示した本実施形態の水薬調合装置10による吐出動作の原理について説明する。本実施形態では、複数の薬瓶100のうちから選択された薬瓶100に対応した加減圧用バルブ25のみが開放され、選択された薬瓶100とシリンジポンプ20とが接続される。そして、シリンジポンプ20を駆動して、薬瓶100の内部の気体層が加圧され、加圧後に吐出用バルブ36を開放することにより、薬瓶100内部の水薬が投薬瓶110へと供給される。このとき、水薬の吐出に伴う薬瓶100内の気体層の圧力の変化を圧力センサ26でモニタリングし、吐出開始のタイミングや吐出終了のタイミングが制御される。
【0035】
ここで、目標吐出液体積ΔVaと薬瓶100の内圧との関係について説明する。目標吐出液体積ΔVaを、投薬瓶110に吐出した場合、薬瓶100内の気体の体積増加量は、ΔVaとみなすことができる。そして、水薬吐出開始時における薬瓶100内の気体層、分岐配管24内部の気体、加減圧配管22内部の気体、および、シリンジポンプ20のシリンダ内の気体の全体積(以下「収容容器内の気体体積」という)をVsとすると、水薬吐出後の収容容器内の気体体積は(Vs+ΔVa)となる。
【0036】
また、水薬吐出の開始から終了までの間に大幅な温度変化はないと考えられるため、収容容器内の気体体積(V)とその圧力(P)との積(PV)は、水薬吐出の開始から終了まで、ほぼ一定値を維持する。したがって、吐出開始時の薬瓶100内の気体層の圧力をPs、目標吐出液体積ΔVaの水薬を吐出した後の薬瓶100内の気体層の圧力をPeとおくと、次の式が成り立つ。
Vs・Ps=(Vs+ΔVa)・Pe ・・・ 式1
【0037】
本実施形態では、吐出開始時の圧力Psがシリンジポンプ20の加圧動作によって得られる。そして、加圧前の薬瓶100内の気体層の圧力を大気圧P0、収容容器内の気体体積をV0とすると次の式が成立する。
V0・P0=Vs・Ps ・・・ 式2
この式2を式1に代入すると、次の式3が得られる。
V0・P0=(Vs+ΔVa)・Pe ・・・ 式3
【0038】
ここで、吐出終了時の薬瓶100内の気体層の圧力PeをP0(大気圧)とすると、式3から次の式4が得られる。
Vs=V0−ΔVa ・・・ 式4
つまり、加圧後の体積Vsをこの式4を満たすような値として、かつ、加圧前および水薬吐出終了時の内圧を同じ大気圧P0にすることにより、目標吐出液体積ΔVaを投薬瓶に吐出できることになる。ここで、改めて式4をみれば分かるとおり、加圧後の気体体積Vsは、加圧前の気体体積V0から目標吐出液体積ΔVaを減算した値である。本実施形態では、シリンジポンプ20を用いているため、加圧前の体積V0と加圧後の体積Vsとの体積差は、シリンジポンプ20のピストンが駆動することによるシリンダ内の体積の変化に相当する。つまり、シリンジポンプ20の吐出気体体積が目標吐出液体積になる。
【0039】
そして、この制御方法によれば、シリンジポンプ20の吐出体積が目標吐出液体積になるため、薬瓶100内の気体層の体積や、投薬瓶110内の液体量(液体の体積)が不明であっても、簡易に、吐出液体積を制御することできる。また、大気圧の絶対値を考慮しなくてもよいというメリットがある。
【0040】
図4は、水薬吐出時の薬瓶100の内圧変化を示す図である。図4において、横軸は時間軸であり、縦軸は薬瓶の内圧(圧力)を示している。
【0041】
まず、時刻Tにおける薬瓶100の内圧を大気圧P0に調整する。そして、吐出用バルブ36を閉鎖した状態でシリンジポンプ20を駆動する。シリンジポンプ20を駆動すると時刻TからTにかけて薬瓶100の内圧が大気圧P0から上昇する。吐出液体積に応じた体積量だけシリンジポンプ20が駆動すると時刻Tにおいて加圧動作が終了する。その後、時刻Tにおいて吐出用バルブ36が開放される。
【0042】
吐出用バルブ36が開放されると、薬瓶100内から水薬が投薬瓶110内へ吐出される。水薬の吐出に伴い、時刻T以後、薬瓶100内の気体層の体積が増加するとともに薬瓶100内の圧力が減少する。
【0043】
そして、薬瓶100内の圧力が大気圧P0に戻る時刻Tにおいて吐出用バルブ36を閉鎖すると、先に説明した原理(式1から式4参照)により、シリンジポンプ20が駆動した体積分、つまり目標吐出液体積の液体が薬瓶100内から水薬が投薬瓶110内へ吐出される。
【0044】
ちなみに、時刻Tにおいて吐出用バルブ36を閉鎖しなければ、水薬の吐出が継続されて、図4において破線で示すカーブに沿って薬瓶100内の圧力が大気圧P0よりも低い値(陰圧)にまで減少する。吐出用バルブ36を開放し続けた場合、吐出が自然に停止する平衡状態になる圧力は、(P0−ρgh)となる。ここで、ρghは水頭圧であり、hは薬瓶100内の水薬の液面の高さと吐出配管34の先端の高さとの差である。
【0045】
次に、図1から図3に示す水薬調合装置10による水薬調合処理について詳述する。
【0046】
図5は、本実施形態における水薬調合処理を説明するためのフローチャートである。水薬調合を行う際、ユーザは、まず、水薬調合に必要な水薬種類およびその液体積などを調合情報として制御部56に入力する。制御部56は、入力された調合情報および予め記憶している装置情報に基づいて、各部の駆動シーケンスを生成する(S500)。
【0047】
駆動シーケンスが生成されると、得られた駆動シーケンスに基づいて、水薬の調合を実行する。具体的には、まず、全てのバルブを閉鎖するとともに、吐出すべき水薬に対応する吐出配管34が投薬瓶110の上方に位置するべく、回転テーブル18を駆動させる(S502)。このとき、吐出配管34と投薬瓶110との物理的干渉を防止するために、投薬瓶110は、最下降高さに下降させておく。
【0048】
次に、大気開放用バルブ28を開放してシリンジポンプ20を吸引して加圧用のストロークを確保しておく(S504)。そして、垂直移動機構16を駆動して、投薬瓶110を最上昇高さまで上昇させ、吐出配管34の先端を投薬瓶110の開口部に挿入する(S506)。
【0049】
次に、水センサ40の検知結果に基づいて吐出配管34の内部に空気(気泡)が存在するか否かを確認して吐出配管34内の空気を排除する処理を行うか否かを判断する(S508)。そして、空気を排除する必要があれば、S510に進んで吐出配管34内の空気(気体)を排除する処理を実行してから、S512に進んで水薬の吐出処理を実行する。また、S508において空気を排除する必要が無いと判断されると、S510における気体の排除処理を省略して、S512に進んで水薬の吐出処理を実行する。
【0050】
図6は、吐出配管34内の気体の排除処理(図5におけるS510)を説明するためのフローチャートである。まず、吐出用バルブ36を開放し(S600)、そして、加減圧用バルブ25を開放してシリンジポンプ20を駆動させてゆっくりと薬瓶100内を加圧する(S602)。これにより、薬瓶100内が低速加圧され、薬瓶100に貯留されている水薬が吐出配管34の先端近傍へと低速移動する。
【0051】
このとき、水センサ40によって、水薬が吐出配管34の基準位置Xまで移動したか否かを検出しておき(S604)、水薬が基準位置Xに移動するまでシリンジポンプ20を駆動させる。そして、水センサ40により、水薬が基準位置Xまで移動したことが検知されれば、制御部56は、シリンジポンプ20の駆動を即座に停止させる(S606)。
【0052】
さらに、吐出用バルブ36を閉鎖し(S608)、薬瓶100と投薬瓶110との連通を遮断する。シリンジポンプ20の駆動停止により、吐出配管34内での水薬の移動も基準位置Xに達した時点で停止している。これにより、吐出配管34の内部には、水薬が充填しており、吐出配管34の内部に存在していた気体はほぼ排除されたことになる。そして、大気開放用バルブ28を開放して(S610)、吐出配管34内の気体の排除処理が終了する。
【0053】
なお、吐出配管34の内部に存在する気体を排除するのは、次の理由による。既述したとおり、本実施形態では、密閉空間、すなわち、薬瓶100および加減圧配管22の気体体積変化量を目標吐出液体積としている。そして、この気体体積変化量に応じた内圧変化量を与えることで、吐出液体積を制御している。よって、吐出配管34内に液が充填されていないと、投薬瓶110への吐出液体積に誤差が生じてしまう。この誤差を低減するために、本実施形態では、予め、吐出配管34の内部を水薬で充填させて、余分な気体を排除している。なお、この気体排除処理は、各薬瓶100の初回吐出の際にのみ行えばよい。すなわち、2回目以降では吐出配管34の気体は排除されているため、この気体排除処理は不要となる。
【0054】
吐出配管34内の気体が排除されると、続いて、水薬の吐出処理が開始される。
【0055】
図7は、水薬吐出処理(図5におけるS512)を説明するためのフローチャートである。水薬吐出処理を行う場合は、まず、全てのバルブ25,28,36が閉鎖され(S700)、その後、加減圧用バルブ25が開放され(S702)、シリンジポンプ20で目標吐出液体積ΔVaと同じ体積の気体を吐出して、薬瓶100内の気体層を加圧する(S704)。
【0056】
続いて、吐出用バルブ36を開放する(S706)。吐出用バルブ36が開放されると、薬瓶100に貯留された水薬は、吐出配管34を通じて薬瓶100内部から投薬瓶110の内部へ供給される。この水薬の供給に伴い、薬瓶100の気体体積が増加して内圧が低下することになる。このときの内圧変化を圧力センサ26でモニタリングする。
【0057】
制御部56は、薬瓶100の内圧が大気圧P0に達するまで吐出用バルブ36の開放状態を維持してから、薬瓶100の内圧が大気圧P0に達したタイミングで、吐出用バルブ36を閉鎖して水薬の吐出を停止させる(S708)。そして、加減圧配管22に設けられた大気開放用バルブ28を開放して薬瓶100の内圧を大気圧に戻してから(S712)、水薬吐出処理を終了する。
【0058】
図5に戻り、水薬吐出処理が終了すると、垂直移動機構16を駆動して投薬瓶110を下降させて、一種類の水薬の吐出が終了となる(S514)。一種類の水薬吐出が完了すれば、制御部56は、算出した駆動シーケンスに基づいて、調合に必要な水薬がまだ残っているか否かを判断する(S516)。調合に必要な水薬がある場合は、回転テーブル18を駆動して、当該水薬に対応する吐出配管34を投薬瓶110の上方へと移動させる(S518)。そして、再び、S504〜S516までのステップを実行する。これを繰り返して、調合に必要な水薬が全て投薬瓶110に吐出されれば、水薬調合は終了となる。
【0059】
以上の説明から明らかなように、本実施形態によれば、密閉容器、すなわち、薬瓶100の内圧を制御することで吐出液体積の制御を行っている。しかも、気体の吸引・吐出量を制御できるシリンジポンプ20を用いれば、薬瓶100内の気体層の体積、大気圧の絶対値等の影響を受けることなく吐出液体積を制御できる。そのため、より簡易な構成で高精度の自動液体調合が可能となる。また、一つのシリンジポンプ20や圧力センサ26を、複数の薬瓶100で共用する構成となっている。そのため、水薬調合装置を安価に提供することができる。また、複数のポンプを利用する場合に比べて、ポンプの制御や配線等、メンテナンス等を簡易化できる。さらに、本実施形態によれば、薬瓶100を一度密閉すると、その薬瓶100内の水薬がなくなるまでその密閉状態を解除する必要がない。そのため、シーリング不良などによる空気漏れが原因で吐出精度を低下させるようなリスクが極めて小さくなる。
【0060】
以上、本発明の実施形態として、図1から図3に示すシリンジポンプ20を利用した水薬調合装置10を説明した。本発明に係る装置に利用されるポンプは、シリンジポンプ20に限定されず、他のポンプが利用されてもよい。例えば、ダイヤフラムポンプが利用されてもよい。そこで、次に、ポンプとしてダイヤフラムポンプを利用した別の実施形態について説明する。
【0061】
図8は、ダイヤフラムポンプ21を利用した実施形態(以下、第二実施形態)を説明するための図である。構成上の比較において、図8に示す第二実施形態と、図1から図3に示した実施形態は、シリンジポンプ20に換えてダイヤフラムポンプ21を利用している点と、それに伴って各薬瓶100に液面レベルセンサ60を設けている点の二点が異なっている。
【0062】
そして、その他の部分、つまり、図8において図3に示す符号と同じ符号の部分については、図8に示す第二実施形態と、図1から図3に示した実施形態は、互いに同じ構成を採用している。そこで、図3に示した構成部分については説明を省略して、図8に示す第二実施形態を説明する。
【0063】
第二実施形態では、複数の薬瓶100が、各薬瓶100に対応した分岐配管24と加減圧用バルブ25を介して、共通の加減圧配管22に接続される。そして、加減圧配管22がダイヤフラムポンプ21に接続される。つまり、複数の薬瓶100は、分岐配管24と加減圧用バルブ25と加減圧配管22を介して、共通のダイヤフラムポンプ21に接続される。
【0064】
シリンジポンプ(図3の符号20)を利用した実施形態では、シリンジポンプの吐出気体体積で吐出液体積を制御していた。これに対し、第二実施形態では、ダイヤフラムポンプ21による圧力で吐出液体積を制御する。
【0065】
なお、図8に示す第二実施形態においても、複数の薬瓶100のうちから選択された薬瓶100に対応した加減圧用バルブ25のみが開放され、選択された薬瓶100とダイヤフラムポンプ21とが接続される。そして、ダイヤフラムポンプ21を駆動して、薬瓶100の内部の気体層が加圧され、加圧後に吐出用バルブ36を開放することにより、薬瓶100内部の水薬が投薬瓶110へと供給される。このとき、水薬の吐出に伴う薬瓶100内の気体層の圧力の変化を圧力センサ26でモニタリングし、吐出開始のタイミングや吐出終了のタイミングが制御される。そこで、圧力による吐出液体積の制御の原理について説明する。
【0066】
薬瓶100内の気体層、分岐配管24内部の気体および加減圧配管22内部の気体の全体積を収容容器内の気体体積とする。ダイヤフラムポンプ21による加圧後の収容容器内の気体体積をV1、その圧力をP1とする。その後、目標吐出液体積ΔVaを、投薬瓶110に吐出した場合、薬瓶100内の気体層の体積がΔVaだけ増加する。そこで、目標吐出液体積ΔVaの水薬を吐出した後の収容容器内の気体体積をV2としてその圧力をP2とすると、V2=V1+ΔVaとなる。
【0067】
また、水薬吐出の開始から終了までの間に大幅な温度変化はないと考えられるため、収容容器内の気体体積(V)とその圧力(P)との積(PV)は、水薬吐出の開始から終了まで、ほぼ一定値を維持する。従って、次の式が成り立つ。
P1・V1=P2・V2=P2・(V1+ΔVa) ・・・ 式5
【0068】
そして式5から次式が導かれる。
P1=P2・(1+ΔVa/V1) ・・・ 式6
つまり、吐出を停止させる閾値としてP2を所定の値に固定すると、P2の固定値と目標吐出液体積ΔVaと収容容器内の気体体積V1から、式6に基づいて、ダイヤフラムポンプ21によって加圧すべき圧力P1を求めることができる。
【0069】
ここで、収容容器内の気体体積のうち、分岐配管24内部の体積と加減圧配管22内部の体積については、装置の設計値として予め求めておくことができる。そして、収容容器内の気体体積のうち、薬瓶100内の気体層の体積については、薬瓶100の内容量と薬瓶100に貯留されている水薬量から求めることができる。薬瓶100の内容量は、薬瓶100の仕様として予め把握しておくことができる。
【0070】
これに対し、薬瓶100に貯留されている水薬量は、吐出作業などに伴って変化する。そこで、図8に示す第二実施形態では、変化する水薬量を検出するために、各薬瓶100に液面レベルセンサ60が設けられている。つまり、この液面レベルセンサ60によって、薬瓶100に貯留されている水薬量の液面高さを常に検出し、検出された高さに基づいて水薬量を求めている。
【0071】
これにより、薬瓶100の内容量と水薬量から薬瓶100内の気体層の体積が得られ、さらに、薬瓶100内の気体層の体積と、予め装置の設計値として得られる分岐配管24内部の体積と加減圧配管22内部の体積とに基づいて、収容容器内の気体体積を知ることができる。
【0072】
以上のようにして、図8に示す第二実施形態では、P2の固定値と目標吐出液体積ΔVaと収容容器内の気体体積V1から、式6に基づいて、ダイヤフラムポンプ21によって加圧すべき圧力P1を求めることができる。
【0073】
なお、式5から次式を導くこともできる。
P2=P1・V1/(V1+ΔVa) ・・・ 式7
つまり、ダイヤフラムポンプ21によって加圧すべき圧力P1を所定の値に固定すると、P1の固定値と目標吐出液体積ΔVaと収容容器内の気体体積V1から、式7に基づいて、吐出を停止させる閾値P2を求めることもできる。
【0074】
図9は、第二実施形態における水薬吐出時の薬瓶100の内圧変化を示す図である。図9において、横軸は時間軸であり、縦軸は薬瓶の内圧(圧力)を示している。
【0075】
まず、時刻Tにおける薬瓶100の内圧を大気圧P0に調整する。そして、吐出用バルブ36を閉鎖した状態でダイヤフラムポンプ21を駆動する。ダイヤフラムポンプ21を駆動すると時刻TからTにかけて薬瓶100の内圧が大気圧P0から上昇する。そして、ダイヤフラムポンプ21によって加圧すべき圧力P1に達する時刻Tにおいて加圧動作が終了する。その後、時刻Tにおいて吐出用バルブ36が開放される。
【0076】
吐出用バルブ36が開放されると、薬瓶100内から水薬が投薬瓶110内へ吐出される。水薬の吐出に伴い、時刻T以後、薬瓶100内の気体層の体積が増加するとともに薬瓶100内の圧力が減少する。そして、薬瓶100内の圧力が吐出停止タイミングを定めた圧力P2に達する時刻Tにおいて吐出用バルブ36を閉鎖すると、先に説明した原理により目標吐出液体積の液体が薬瓶100内から水薬が投薬瓶110内へ吐出される。
【0077】
つまり、吐出を停止させる閾値としてP2を所定の値に固定しておき、P2の固定値などから式6に基づいて圧力P1を求めることにより、目標吐出液体積の液体を薬瓶100内から投薬瓶110内へ吐出することができる。あるいは、加圧すべき圧力P1を所定の値に固定しておき、P1の固定値などから式7に基づいて閾値P2を求めることにより、目標吐出液体積の液体を薬瓶100内から投薬瓶110内へ吐出することができる。
【0078】
次に、第二実施形態における水薬調合処理について詳述する。第二実施形態においても、図5に示したフローチャートに従って水薬調合処理が実施される。但し、第二実施形態では、S504の処理は不要である。また、第二実施形態においては、水薬吐出処理が図5に示す内容(S512(図7))とは異なる。そこで、第二実施形態における水薬吐出処理について詳述する。
【0079】
図10は、第二実施形態における水薬吐出処理を説明するためのフローチャートである。水薬吐出処理を行う場合は、まず、全てのバルブ25,28,36が閉鎖される(S1000)。そして、制御部56は、液面レベルセンサ60によって検出される水薬の液面高さなどから、収容容器内の気体体積V1を算出する(S1002)。さらに、制御部56は、吐出を停止させる閾値としてP2を所定の値に固定しておき、P2の固定値などから式6に基づいて圧力P1を算出する(S1004)。なお、S1004において、加圧すべき圧力P1を所定の値に固定しておき、P1の固定値などから式7に基づいて閾値P2を算出してもよい。
【0080】
その後、加減圧用バルブ25が開放され(S1006)、ダイヤフラムポンプ21が駆動されて加圧が開始される(S1008)。加圧が開始されると、薬瓶100内の圧力がP1に達するまで加圧が続けられる(S1010)。
【0081】
薬瓶100内の圧力がP1に達すると、ダイヤフラムポンプ21が停止され(S1011)、そして、吐出用バルブ36が開放され(S1012)、吐出用バルブ36が開放されると、薬瓶100に貯留された水薬は、吐出配管34を通じて薬瓶100内部から投薬瓶110の内部へ供給される。この水薬の供給に伴い、薬瓶100の気体体積が増加して内圧が低下することになる。このときの内圧変化を圧力センサ26でモニタリングする。
【0082】
制御部56は、薬瓶100の内圧が閾値であるP2に達するか否かを確認し(S1014)、閾値であるP2に達するまで吐出用バルブ36の開放状態を維持してから、薬瓶100の内圧が閾値P2に達したタイミングで、吐出用バルブ36を閉鎖して水薬の吐出を停止させる(S1016)。そして、加減圧配管22に設けられた大気開放用バルブ28を開放して薬瓶100の内圧を大気圧に戻してから(S1018)、水薬吐出処理を終了する。
【0083】
以上、本発明の好適な実施形態(第二実施形態を含む)を説明したが、上述した実施形態は、あらゆる点で単なる例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明に係る水薬調合装置の機能を説明するための全体構成図である。
【図2】水薬調合装置の回転テーブル部分の概略上面図である。
【図3】図1の破線枠A内部を詳細に説明するための図である。
【図4】水薬吐出時の薬瓶の内圧変化を示す図である。
【図5】水薬調合処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】吐出配管内の気体の排除処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】水薬吐出処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】ダイヤフラムポンプを利用した第二実施形態を説明するための図である。
【図9】第二実施形態における水薬吐出時の薬瓶の内圧変化を示す図である。
【図10】第二実施形態の水薬吐出処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0085】
10 水薬調合装置、20 シリンジポンプ、21 ダイヤフラムポンプ、22 加減圧配管、25 加減圧用バルブ、26 圧力センサ、28 大気開放用バルブ、34 吐出配管、36 吐出用バルブ、56 制御部、100 薬瓶、110 投薬瓶。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の貯留容器の各々から液体を調合容器に供給することにより調合容器内で複数種類の液体を調合する液体調合装置であって、
各貯留容器ごとに設けられる加減圧用バルブと、
加減圧用バルブが設けられた配管を介して複数の貯留容器と接続されるポンプと、
を有し、
複数の貯留容器のうちから選択された選択貯留容器の加減圧用バルブを開放し、ポンプによって選択貯留容器内の気体層の圧力を変化させることにより、選択貯留容器内の液体を調合容器に吐出する、
ことを特徴とする液体調合装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液体調合装置において、
選択貯留容器から吐出すべき所定量の液体の体積分だけポンプを駆動することにより、選択貯留容器から液体を調合容器に吐出する、
ことを特徴とする液体調合装置。
【請求項3】
請求項2に記載の液体調合装置において、
前記ポンプとして機能するシリンジポンプと、
各貯留容器内の気体層の圧力を計測する圧力センサと、
選択貯留容器と調合容器とを接続する配管に設けられた吐出用バルブと、
を有し、
吐出用バルブを閉鎖した状態で前記体積分だけシリンジポンプのピストンを移動させて選択貯留容器内の気体層を加圧し、ピストンの移動後に吐出用バルブを開放して選択貯留容器から調合容器へ液体の吐出を開始し、圧力センサの計測結果に基づいて選択貯留容器内の気体層の圧力がピストンの移動前の圧力にまで低下するタイミングを検知し、そのタイミングで吐出用バルブを閉鎖して吐出を終了することにより、選択貯留容器から所定量の液体を調合容器に吐出する、
ことを特徴とする液体調合装置。
【請求項4】
請求項1に記載の液体調合装置において、
各貯留容器内の気体層の圧力を計測する圧力センサと、
選択貯留容器と調合容器とを接続する配管に設けられた吐出用バルブと、
を有し、
吐出用バルブを閉鎖した状態でポンプを駆動して選択貯留容器内の気体層を第一圧力まで加圧し、第一圧力まで加圧した後に吐出用バルブを開放して選択貯留容器から調合容器へ液体の吐出を開始し、圧力センサの計測結果に基づいて選択貯留容器内の気体層の圧力が第二圧力にまで低下するタイミングを検知し、そのタイミングで吐出用バルブを閉鎖して吐出を終了することにより、選択貯留容器から所定量の液体を調合容器に吐出する、
ことを特徴とする液体調合装置。
【請求項5】
請求項4に記載の液体調合装置において、
前記第二圧力は、予め定められた固定値であり、
前記第一圧力は、選択貯留容器から吐出すべき所定量の液体の体積と選択貯留容器内の気体層の体積と第二圧力の固定値とを利用して求められる、
ことを特徴とする液体調合装置。
【請求項6】
請求項4に記載の液体調合装置において、
前記第一圧力は、予め定められた固定値であり、
前記第二圧力は、選択貯留容器から吐出すべき所定量の液体の体積と選択貯留容器内の気体層の体積と第一圧力の固定値とを利用して求められる、
ことを特徴とする液体調合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−312977(P2007−312977A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−145095(P2006−145095)
【出願日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【出願人】(390029791)アロカ株式会社 (899)
【Fターム(参考)】