説明

液晶表示装置及びその駆動方法

【課題】表示品質を向上させた液晶表示装置及びその駆動方法を提供すること。
【解決手段】
本発明の一実施形態に係る液晶表示装置は、ゲート線と、前記ゲート線と絶縁されて交差し、データ電圧を供給するデータ線、前記ゲート線及び前記データ線から分離され、一定の電圧を伝達する共通電圧線と、前記ゲート線及び前記データ線と接続される第1スイッチング素子と、前記ゲート線及び前記データ線と接続される第2スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子と接続される第1液晶キャパシタと、前記第2スイッチング素子と接続される第2液晶キャパシタと、前記第2スイッチング素子と接続される入力端子、フローティングされた制御端子、及び出力端子を含む第3スイッチング素子と、前記第3スイッチング素子及び前記共通電圧線と接続される第3キャパシタとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置及びその駆動方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、現在、最も広く用いられているフラットパネルディスプレイの一つであって、画素電極と共通電極などの電界生成電極(field generating electrode)及び液晶層を含む。液晶表示装置は、電界生成電極に電圧を印加して液晶層に電界を生成し、これによって液晶層の液晶分子の方向、すなわち傾きを決定し、入射光の偏光を制御することによって画像を表示する。
【0003】
液晶表示装置のうち、電界が印加されない状態で液晶分子の長軸を上下表示板に対して垂直となるように配列した垂直配向方式(vertically aligned mode)の液晶表示装置は、コントラスト比が大きく、広い基準視野角の実現が容易であるため注目されている。
【0004】
一方、垂直配向方式の液晶表示装置は、前面視認性に比べて側面視認性が劣るが、これを解決するために、一つの画素を二つの副画素に分割し、二つの副画素の電圧を異なるようにする方法が提示された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、液晶表示装置の開口率を低くすることなく、側面視認性を改善することができ、トランジスタのストレスを減らしてしきい値電圧が変化することを防ぐことにより、残像などの表示不良を減少させて、表示品質を向上させた液晶表示装置及びその駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る液晶表示装置は、ゲート線と、前記ゲート線と絶縁されて交差し、データ電圧を供給するデータ線と、前記ゲート線及び前記データ線から分離されて、一定の電圧を伝達する共通電圧線と、前記ゲート線及び前記データ線と接続される第1スイッチング素子と、前記ゲート線及び前記データ線と接続される第2スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子と接続される第1液晶キャパシタと、前記第2スイッチング素子と接続される第2液晶キャパシタと、前記第2スイッチング素子と接続される入力端子、フローティングされた制御端子、及び出力端子を含む第3スイッチング素子と、前記第3スイッチング素子及び前記共通電圧線と接続される第3キャパシタとを含むことを特徴とする。
【0007】
前記第3スイッチング素子の前記出力端子と前記制御端子は第1キャパシタを形成し、前記第3スイッチング素子の前記入力端子と前記制御端子は第2キャパシタを形成してもよい。
【0008】
前記データ電圧の極性をフレームごとに反転させる制御部をさらに含んでもよい。
【0009】
前記第1スイッチング素子の制御端子と前記第2スイッチング素子の制御端子は前記ゲート線に接続されており、前記第1スイッチング素子の入力端子と前記第2スイッチング素子の入力端子は前記データ線に接続されており、前記第1スイッチング素子の出力端子は前記第1液晶キャパシタと接続されており、前記第2スイッチング素子の出力端子は前記第2液晶キャパシタ及び前記第3スイッチング素子の前記入力端子と接続されてもよい。
【0010】
本発明の他の実施形態に係る液晶表示装置は、互いに対向する第1基板及び第2基板と、前記第1基板上に配置されるゲート線、データ電圧を供給するデータ線、及び共通電圧線と、前記ゲート線及び前記データ線と接続される第1スイッチング素子と、前記ゲート線及び前記データ線と接続される第2スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子と接続される第1副画素電極と、前記第2スイッチング素子と接続される第2副画素電極と、前記第2スイッチング素子と接続される入力端子、フローティングされた制御端子、及び前記入力端子と対向する出力端子を含む第3スイッチング素子と、前記第3スイッチング素子の前記出力端子と前記共通電圧線の一部を二端子として含む第3キャパシタとを含むことを特徴とする。
【0011】
前記第3スイッチング素子の前記出力端子と前記制御端子は第1キャパシタを形成し、前記第3スイッチング素子の前記入力端子と前記制御端子は第2キャパシタを形成してもよい。
【0012】
前記データ電圧の極性をフレームごとに反転させる制御部をさらに含んでもよい。
【0013】
前記第1スイッチング素子の制御端子と前記第2スイッチング素子の制御端子は前記ゲート線に接続されており、前記第1スイッチング素子の入力端子と前記第2スイッチング素子の入力端子は前記データ線に接続されており、前記第1スイッチング素子の出力端子は前記第1副画素電極と接続されており、前記第2スイッチング素子の出力端子は前記第2副画素電極及び前記第3スイッチング素子の前記入力端子と接続されてもよい。
【0014】
前記第2基板上に配置され、共通電圧の印加を受ける対向電極をさらに含んでもよい。
【0015】
本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の駆動方法は、ゲート線と、前記ゲート線と絶縁されて交差するデータ線と、前記ゲート線及び前記データ線から分離されて、一定の電圧を伝達する共通電圧線と、前記ゲート線及び前記データ線と接続される第1スイッチング素子と、前記ゲート線及び前記データ線と接続される第2スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子と接続される第1液晶キャパシタと、前記第2スイッチング素子と接続される第2液晶キャパシタと、前記第2スイッチング素子と接続される入力端子、フローティングされる制御端子、及び出力端子を含む第3スイッチング素子と、前記第3スイッチング素子及び前記共通電圧線と接続される第3キャパシタとを含む液晶表示装置において、前記データ線にデータ電圧を印加する段階と、前記ゲート線にゲートオン電圧を印加して、前記第1液晶キャパシタ及び前記第2液晶キャパシタを第1電圧で充電させる段階と、前記第3スイッチング素子を通じて前記第2液晶キャパシタの充電電圧を変化させる段階とを含むことを特徴とする。
【0016】
前記第3スイッチング素子において、前記制御端子の電圧は、前記入力端子の電圧と前記出力端子の電圧との間の値、または前記入力端子の電圧及び前記出力端子の電圧と同一の値を有してもよい。
【0017】
前記第3スイッチング素子において、前記制御端子、前記入力端子、及び前記出力端子の電圧は、1フレームの50%以上の時間の間に同一の値を有してもよい。
【0018】
前記データ電圧の極性をフレームごとに反転する段階をさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の実施形態によれば、液晶表示装置の第1副画素及び第2副画素の輝度を異ならせることにより、液晶表示装置の開口率を低くすることなく、視認性を向上させることができる。また、1フレームの一定時間の間に第2副画素に含まれる第3スイッチング素子が受けるストレスを減少させて、第3スイッチング素子のしきい値電圧の変化を防止し、これによって残像などの表示不良を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る液晶表示装置のブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の一画素に対する等価回路図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の一画素に対する配置図である。
【図4】図3の液晶表示装置のIV−IV線に沿った断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る液晶表示装置の一画素に対する配置図である。
【図6】図2乃至図5に示した液晶表示装置の第3スイッチング素子の三端子(N1、N2、N3)の電圧のフレームによる変化を示した図面である。
【図7】図6の‘P’部分及びゲート信号を共に示した図面である。
【図8】図6の‘N’部分及びゲート信号を共に示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は種々の異なる形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限られない。
【0022】
図面において、種々の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。明細書の全体にわたって類似する部分に対しては同一の図面符号を付けた。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の“上”にあるという場合、これは他の部分の“すぐ上”にある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も含む。一方、ある部分が他の部分の“すぐ上”にあるという場合には、中間に他の部分がないことを意味する。
【0023】
まず、図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置について説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置のブロック図であり、図2は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の一画素に対する等価回路図である。
【0025】
図1を参照すると、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置は、液晶表示パネルアセンブリ(liquid crystal panel assembly)300、ゲート駆動部(gatedriver)400、及びデータ駆動部(data driver)500を含む。
【0026】
図1及び図2を参照すると、液晶表示パネルアセンブリ300は、複数の信号線(GL、DL、SL)と、これに接続されて、ほぼ行列状に配列された複数の画素(pixel)(PX)を含む。
【0027】
信号線(GL、DL、SL)は、ゲート信号(“走査信号”ともいう)を伝達(transfer)する複数のゲート線(GL)、データ電圧を伝達する複数のデータ線(DL)、及び共通電圧など一定の電圧を伝達する共通電圧線(SL)を含む。ゲート線(GL)及び共通電圧線(SL)はそれぞれほぼ行方向に延び、互いにほぼ平行に配置してもよく、データ線(DL)はほぼ列方向に延び、互いにほぼ平行に配置してもよい。
【0028】
各画素(PX)は第1副画素(PXa)及び第2副画素(PXb)を含む。第1副画素(PXa)は第1液晶キャパシタ(Clca)及び第1スイッチング素子(Qa)を含み、第2副画素(PXb)は第2液晶キャパシタ(Clcb)、第2スイッチング素子(Qb)、第3スイッチング素子(Qc)、及び第3キャパシタ(C3)を含む。
【0029】
第1、第2及び第3スイッチング素子(Qa、Qb、Qc)は、それぞれ例えば薄膜トランジスタなどの三端子素子であってもよい。
【0030】
第1スイッチング素子(Qa)の制御端子はゲート線(GL)と接続されており、入力端子はデータ線(DL)と接続されており、出力端子は第1液晶キャパシタ(Clca)と接続されている。第2スイッチング素子(Qb)の制御端子はゲート線(GL)と接続されており、入力端子はデータ線(DL)と接続されており、出力端子は第2液晶キャパシタ(Clcb)と接続されている。
【0031】
第1液晶キャパシタ(Clca)及び第2液晶キャパシタ(Clcb)は、それぞれ二つの電極、例えば、副画素電極と対向電極(図示せず)を有し、誘電体(dielectric material)として二つの電極間の液晶層(図示せず)を有する。
【0032】
第3スイッチング素子(Qc)の制御端子(N1)はフローティング(floating)されており、入力端子(N3)は第2スイッチング素子(Qb)及び第2液晶キャパシタ(Clcb)と接続されており、出力端子(N2)は第3キャパシタ(C3)と接続されている。図2に示したように、第3スイッチ素子(Qc)の制御端子(N1)と出力端子(N2)は共に第1キャパシタ(C1)を形成し、第3スイッチング素子(Qc)の制御端子(N1)と入力端子(N3)は共に第2キャパシタ(C2)を形成する。
【0033】
第3キャパシタ(C3)の二端子は第3スイッチング素子(Qc)の出力端子と共通電圧線(SL)にそれぞれ接続されている。第3キャパシタ(C3)は、第3スイッチング素子(Qc)の出力端子と共通電圧線(SL)の一部とが絶縁体を介してオーバーラップして形成されてもよい。
【0034】
その他に、第1及び第2液晶キャパシタ(Clca、Clcb)の補助的な役割を果たすストレージキャパシタ(図示せず)をさらに含んでもよい。
【0035】
一方、色表示を実現するためには、各画素(PX)が基本色(primary color)のうちの一つを固有に表示するか(空間分割)、各画素(PX)が時間により交互に基本色を表示する(時間分割)ようにして、これらの基本色の空間的、時間的な作用により所望の色が認識されるようにする。基本色の例としては赤色、緑色、青色など三原色が挙げられる。空間分割の一例として、各画素(PX)は基本色のうちの一つを示すカラーフィルタ(図示せず)を備えてもよい。
【0036】
液晶表示パネルアセンブリ300は、少なくとも一つの偏光子(図示せず)を具備してもよい。
【0037】
さらに図1及び図2を参照すると、データ駆動部500は、液晶表示パネルアセンブリ300のデータ線(DL)と接続されて、データ電圧(Vd)をデータ線(DL)に印加する。
【0038】
ゲート駆動部400は、液晶表示パネルアセンブリ300のゲート線(GL)と接続されて、第1及び第2スイッチング素子(Qa、Qb)をターンオンさせるゲートオン電圧(Von)とターンオフさせるゲートオフ電圧(Voff)との組み合わせからなるゲート信号(Vg)をゲート線(GL)に印加する。
【0039】
以下、図1及び図2に示した液晶表示装置の一例について、図3及び図4を参照して詳細に説明する。
【0040】
図3は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の一画素に対する配置図であり、図4は、図3の液晶表示装置のIV−IV線に沿った断面図である。
【0041】
本発明の一実施形態に係る液晶表示装置は、互いに対向する下部表示板100と上部表示板200、及びこれら二つの表示板100、200の間に挿入される液晶層3を含む。
【0042】
まず、下部表示板100について説明する。
【0043】
絶縁基板110の上に複数のゲート線121、第3ゲート電極124c、及び複数の共通電圧線131を含む複数のゲート導電体が形成されている。
【0044】
ゲート線121は、主に横方向(horizontal direction)に延びて、ゲート信号を伝達する。ゲート線121はゲート線121から上に突出した第1ゲート電極124a及び第2ゲート電極124bを含む。第1ゲート電極124a及び第2ゲート電極124bは互いに接続されてもよい。第3ゲート電極124cは島型(island shape)で、フローティング(floating)されている。
【0045】
共通電圧線131は、主に横方向に延びており、共通電圧Vcomなどの一定の電圧を伝達する。共通電圧線131は、共通電圧線131から下に突出して拡張された維持電極137、及びゲート線121に対してほぼ垂直に上に延びた一対の縦部(vertical portion)134を含む。
【0046】
ゲート導電体の上にはゲート絶縁膜(gate insulating layer)140が形成されている。
【0047】
ゲート絶縁膜140の上には、アモルファスシリコン(amorphous silicon)または結晶シリコン(crystalline silicon)などからなる複数の線状半導体(図示せず)が形成されている。線状半導体は、主に縦方向(vertical direction)に延びており、第1ゲート電極124a及び第2ゲート電極124bに向かって延びて互いに接続されている第1半導体154a及び第2半導体154bと、第2半導体154bから延びて第3ゲート電極124cの上に位置する第3半導体154cを含む。
【0048】
第1半導体154aの上には、一対のオーミックコンタクト部(ohmic contact)(163a、165a)が配置され、第2半導体154bの上には一対のオーミックコンタクト部(163b、165b)が配置される。また、第3半導体154cの上には一対のオーミックコンタクト部(163c、165c)が配置される。オーミックコンタクト部163aは、線状半導体の上に位置する線状オーミックコンタクト部(図示せず)と接続されてもよく、オーミックコンタクト部(165a、163b)は互いに接続されてもよく、オーミックコンタクト部(165b、163c)は互いに接続されてもよい。
【0049】
オーミックコンタクト部(163a、165a、163b、165b、163c、165c)は、リンなどのn型不純物が高濃度にドーピングされているn+水素化アモルファスシリコンなどの物質、またはケイ素化合物(silicon compound)などで形成されてもよい。
【0050】
オーミックコンタクト部(163a、165a、163b、165b、163c、165c)及びゲート絶縁膜140の上には、複数のデータ線171、複数の第1ドレイン電極175a、複数の第2ドレイン電極175b、及び複数の第3ドレイン電極175cを含むデータ導電体が形成されている。
【0051】
データ線171は、データ信号を伝達し、主に縦方向に延びてゲート線121及び共通電圧線131と交差する。各データ線171は、第1ゲート電極124a及び第2ゲート電極124bに向かって延びて互いに接続される第1ソース電極(source electrode)173a及び第2ソース電極173bを含む。
【0052】
第1ドレイン電極175a、第2ドレイン電極175b、及び第3ドレイン電極175cは、棒状の一端部と、面積が相対的に広い他端部とを含む。第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bの棒状の端部は、それぞれ第1ソース電極173a及び第2ソース電極173bによって一部が囲まれている。第2ドレイン電極175bの広い一端部はさらに延長されて棒状の第3ソース電極173cを形成し、第3ソース電極173cは第3ドレイン電極175cと対向する。第3ドレイン電極175cの広い端部177cは、共通電圧線131の維持電極137とオーバーラップして第3キャパシタC3を形成する。
【0053】
第1/第2/第3ゲート電極(124a/124b/124c)、第1/第2/第3ソース電極(173a/173b/173c)、及び第1/第2/第3ドレイン電極(175a/175b/175c)は、第1/第2/第3半導体(154a/154b/154c)と共に第1/第2/第3薄膜トランジスタ(thin film transistor、TFT)(Qa/Qb/Qc)を形成し、薄膜トランジスタのチャネル(channel)領域は、各ソース電極(173a/173b/173c)と各ドレイン電極(175a/175b/175c)との間の第1/第2/第3半導体(154a/154b/154c)にそれぞれ形成される。
【0054】
第1、第2及び第3半導体(154a、154b、154c)を含む線状半導体は、第1、第2、第3ソース電極(173a、173b、173c)と、第1、第2、第3ドレイン電極(175a、175b、175c)との間のチャンネル領域を除いては、データ導電体及びその下部のオーミックコンタクト部(163a、165a、163b、165b、163c、165c)と実質的に同一の平面形状を有してもよい。
【0055】
データ導電体及び露出した第1、第2及び第3半導体(154a、154b、154c)部分の上には、窒化ケイ素または酸化ケイ素などの無機絶縁物または有機絶縁物などからなる保護膜(passivation layer)180が形成されている。しかし、保護膜180は有機絶縁物及び無機絶縁物からなる二重層構造を有することも可能である。保護膜180には、第1ドレイン電極175aの広い端部を露出する第1コンタクトホール(contact hole)185a、及び第2ドレイン電極175bの広い端部を露出する第2コンタクトホール185bが形成されている。
【0056】
保護膜180の上には、ITO(indium tin oxide)またはIZO(indium zinc oxide)などの透明な導電物質や、アルミニウム、銀、クロムまたはその合金などの反射性金属からなる複数の画素電極(pixel electrode)191が形成されている。一つの画素電極191は第1副画素電極191a及び第2副画素電極191bを含み、画素電極191の全体的な形状は四角形としてもよい。第1副画素電極191aは、間隙91を間に置いて第2副画素電極191bによって取り囲まれている。
【0057】
第1副画素電極191aは、ゲート線121に対してそれぞれ斜めに対称な方向に延びた下部及び上部を含む。
【0058】
第2副画素電極191bは、第1副画素電極191aの二つの斜めに延びた部分を囲み、漏斗型の三角形状(funnel−shaped triangular)の切開部92を含み、第2副画素電極191bの上部及び下部は、第1副画素電極191aの二つの斜めに延びた上部及び下部の近くに位置し、切開部(93a、93b)を含む。切開部92は、対向する間隙91の斜辺に平行に延びる二つの斜辺、及び二つの斜辺と接続されて横方向に延びる二つの横辺を含み、切開部(93a、93b)も対向する間隙91の斜辺に平行な斜辺を含む形状に形成されている。
【0059】
間隙91の二つの斜辺、切開部92の二つの斜辺、及び切開部(93a、93b)の斜辺は、ゲート線121とほぼ45度または135度の角度をなす形状であってもよい。
【0060】
第2副画素電極191bの面積は、第1副画素電極191aの面積より大きいものであってもよい。
【0061】
第1副画素電極191aは第1コンタクトホール185aを通じて第1ドレイン電極175aからデータ電圧の印加を受け、第2副画素電極191bは第2コンタクトホール185bを通じて、第2ドレイン電極175bからデータ電圧の印加を受ける。このとき、第1副画素電極191a及び第2副画素電極191bが、第1スイッチング素子Qa及び第2スイッチング素子Qbから印加を受けるデータ電圧は互いに同一である。
【0062】
画素電極191の上には配向膜(図示せず)が形成されてもよい。
【0063】
次に、上部表示パネル200について説明する。
【0064】
絶縁基板210の上に遮光部(light blocking member)220が形成されている。遮光部220は、画素電極191の間の光漏れを防止し、画素電極191と対向する開口領域を定義する開口部(図示せず)を含む。
【0065】
基板210及び遮光部220の上には複数のカラーフィルタ(図示せず)が形成されている。カラーフィルタは、遮光部220によって取り囲まれた領域内にその大部分が位置し、画素電極191の列に沿って長く延びた形状に形成されてもよい。各カラーフィルタは赤色、緑色、及び青色の三原色など基本色のうちの一つを表示するものであってもよい。
【0066】
遮光部220及びカラーフィルタのうちの少なくとも一つは下部表示パネル100に位置してもよい。
【0067】
カラーフィルタ及び遮光部220の上には保護膜(overcoat)250が形成されている。しかし、保護膜250は省略してもよい。
【0068】
保護膜250の上には、画素電極191と対向して、共通電圧Vcomの印加を受ける対向電極270が形成されている。対向電極270は、複数の画素電極191、例えば、全ての画素電極191と対向するように形成されてもよい。対向電極270は、画素電極191の間隙91の斜辺、切開部92の斜辺、及び切開部(93a、93b)と実質的に平行な斜線部を有する形状の複数対の切開部(71、72、73a、73b、74a、74b)を含む。各切開部(71、72、73a、73b、74a、74b)は、各斜線部の端部から縦方向または横方向に延びた長手部(longitudinal portion)をさらに含む。切開部71は二つの斜線部が互いに交差する所から横方向に延びた横部(horizontal portion)をさらに含む。
【0069】
対向電極270の上には配向膜(図示せず)を配置してもよい。
【0070】
下部表示パネル100及び上部表示パネル200の上の配向膜は垂直配向膜であってもよい。
【0071】
下部表示パネル100と上部表示パネル200との間に挿入されている液晶層3は、誘電率異方性を有する液晶分子を含む。液晶分子は、電界がない状態でほぼその長軸が二つの表示パネル(100、200)の面(surface)に対して垂直となるように配向されてもよい。
【0072】
下部表示パネル100の第1副画素電極191aは、上部表示パネル200の対向電極270及びその間の液晶層3と共に第1液晶キャパシタ(Clca)を形成し、第2副画素電極191bは、対向電極270及びその間の液晶層3と共に第2液晶キャパシタ(Clcb)を形成する。
【0073】
上部表示パネル200の対向電極270とともにデータ電圧が印加される第1及び第2副画素電極(191a、191b)は、液晶層3に電界を生成することによって、二つの電極(191、270)の間の液晶層3の液晶分子の方向、すなわち傾きを決定する。液晶分子が傾く方向は、まず、電極素子の辺(画素電極191の間隙91及び切開部(92、93a、93b)と対向電極270の切開部(71、72、73a、73b、74a、74b)の辺)が表示パネル(100、200)の面に対してほぼ垂直である主電界を歪める(distort)ことにより生成される電界の水平成分(horizontal component)によって決定される。このような電界の水平成分は、間隙91及び切開部(92、93a、93b、71、72、73a、73b、74a、74b)の辺にほぼ垂直であるため、液晶分子はこれらの辺にほぼ垂直な方向に傾く。本実施例において、液晶分子の傾く方向はほぼ4方向であり、このように液晶分子が傾く方向を多様な方向にすれば、液晶表示装置の基準視野角を大きくすることができる。
【0074】
また、第1及び第2副画素電極(191a、191b)の電圧と対向電極270の電圧との差は、第1及び第2液晶キャパシタ(Clca、Clcb)の充電電圧、即ち、画素電圧として表される。液晶分子は、この画素電圧の大きさによってその配列または傾きが変化し、液晶層3に入射した光の偏光に変化を生じさせることができる。このような偏光の変化は、出射側偏光子(exit polarizer)による光の透過率の変化として表れ、これによって液晶表示装置には映像が表示される。
【0075】
本発明の実施形態においては、第2副画素電極191bが第2スイッチング素子(Qb)を通じて印加を受けたデータ電圧が、第3スイッチング素子(Qc)及び第3キャパシタ(C3)によって変化して、第2液晶キャパシタ(Clcb)及び第1液晶キャパシタ(Clca)の充電電圧が変化し、これにより、液晶分子の傾きが変化するようになる。
【0076】
このような液晶表示装置の動作について、上述した図1乃至図4と共に図6、図7及び図8を参照して説明する。
【0077】
図6は、図2乃至図5に示した液晶表示装置の第3スイッチング素子(Qc)の三端子(N1、N2、N3)の電圧の、1フレーム間の変化を示した図面であり、図7は、図6の‘P’部分及びゲート信号を拡大して示した図面であり、図8は、図6の‘N’部分及びゲート信号を拡大して示した図面である。
【0078】
データ駆動部500は、外部からデジタル映像信号を受信し、各デジタル映像信号に対応する階調電圧を選択することによって、デジタル映像信号をアナログデータ電圧(Vd)に変換した後、これを対応するデータ線(DL、171)に印加する。
【0079】
ゲート駆動部400は、ゲートオン電圧(Von)をゲート線(GL、121)に印加して、ゲート線(GL、121)に接続された第1及び第2スイッチング素子(Qa、Qb)をターンオンさせる。これにより、データ線(DL、171)に印加されたデータ電圧(Vd)が、ターンオンされた第1及び第2スイッチング素子(Qa、Qb)を通じて対応する画素(PX)の第1及び第2副画素電極(191a、191b)に印加される。
【0080】
このプロセスは1水平周期を一単位として繰り返される。1水平周期(“1H”とも記す)は、水平同期信号(Hsync)及びデータイネーブル信号(DE)の一周期と同じ意味である。1フレーム(frame)の映像を表示するために、全てのゲート線(GL、121)に対して順次にゲートオン電圧(Von)が印加され、全ての画素(PX)にデータ電圧(Vd)が印加される。1フレームが終了すると、次のフレームが開始され、各画素(PX)に印加されるデータ電圧(Vd)の極性が、直前フレームの極性と反対となるように、データ駆動部500に印加される反転信号(RVS)の状態が制御される(“フレーム反転”という。)。データ駆動部500の内部または外部には、反転信号(RVS)の状態を制御する制御部を形成してもよい。
【0081】
以下の説明において、対向電極270の電圧が基準電圧を基準として同一であるかまたは大きい場合をデータ電圧(Vd)が正極性であり、対向電極270の電圧が基準電圧を基準として同一であるかまたは小さい場合をデータ電圧(Vd)が負極性であるとする。
【0082】
図2を参照すると、第3スイッチング素子(Qc)の出力端子(N2)と制御端子(N1)のカップリングによる第1キャパシタ(C1)の容量をCといい、入力端子(N3)と制御端子(N1)のカップリングによる第2キャパシタ(C2)の容量をCといい、第3スイッチング素子(Qc)自体の容量をCtftというとき、第3スイッチング素子(Qc)の制御端子(N1)の電圧(V1)は次の数式1で示される。
【0083】
【数1】

【0084】
数式1において、V2は出力端子(N2)の電圧であり、V3は入力端子(N3)の電圧である。
【0085】
数式1によれば、第1キャパシタ(C1)の容量(C)と第2キャパシタ(C2)の容量(C)が同一である場合、第3スイッチング素子(Qc)の制御端子(N1)の電圧(V1)は、次の数式2の通りである。
【0086】
【数2】

【0087】
以下において、CとCが同一である場合を仮定して説明する。
【0088】
まず、図2、図6及び図7を参照して、データ線(DL、171)に正極性のデータ電圧(Vd)が印加される場合について説明する。第3スイッチング素子(Qc)の入力端子(N3)に正極性のデータ電圧(Vd)が充電される間、制御端子(N1)の電圧(V1)は電圧(V2)と電圧(V3)との平均値を有するので高くなる。これにより、正極性のフレーム(positive frame)(図7において、“P”と示した)において、第3スイッチング素子(Qc)の電圧(Vgs)に対応する電圧差(V1−V2)は、正の値である(V3−V2)/2となり、入力端子(N3)から出力端子(N2)に電流が流れ、出力端子(N2)の電圧(V2)も高くなる。これを整理すると、電圧差(V1−V2)は数式3の通りである。
【0089】
【数3】

【0090】
図6及び図7を参照すると、ゲート信号(Vg)がゲートオフ電圧(Voff)になった後には、出力端子(N2)の電圧(V2)と入力端子(N3)の電圧(V3)、そして制御端子(N1)の電圧(V1)が互いに同一になるまで、入力端子(N3)から出力端子(N2)に電流は流れ続け、入力端子(N3)の電圧(V3)は下降し、出力端子(N2)の電圧(V2)は上昇する。これにより、第3スイッチング素子(Qc)の入力端子(N3)と接続されている第2副画素電極191bの電圧は、最初に印加を受けた正極性のデータ電圧(Vd)より低くなって、第1副画素電極191aの電圧より小さくなり、これは残りのフレーム内に維持される。また、第3スイッチング素子(Qc)の出力端子(N2)の電圧(V2)も、第3キャパシタ(C3)によって残りのフレーム内に維持される。
【0091】
これによって図6に示したように、1フレームの大部分の時間の間、第1液晶キャパシタ(Clca)の充電電圧より第2液晶キャパシタ(Clcb)の充電電圧が低いので、第1副画素(PXa)と第2副画素(PXb)とで液晶分子の傾いた角度が異なるようになるため、二つの副画素(PXa、PXb)の輝度(luminance)を変化させることができる。したがって、第1液晶キャパシタ(Clca)の充電電圧と第2液晶キャパシタ(Clcb)の充電電圧とを適切に調節すれば、側面から見る映像を正面から見る映像に最大限近いものとすることができ、これによって側面視認性を向上させることができる。
【0092】
次に、図2、図6及び図8を参照して、データ線(DL、171)に負極性のデータ電圧(Vd)が印加される場合について説明する。第3スイッチング素子(Qc)の入力端子(N3)に負極性のデータ電圧(Vd)が充電される間、制御端子(N1)の電圧(V1)は電圧(V2)と電圧(V3)の平均値に達して低くなる。これにより、負極性のフレーム(negative frame)(図8において、“N”と示した)で第3スイッチング素子(Qc)の電圧(Vgs)に対応する電圧差(V1−V3)は、正の値である(V2−V3)/2となって、正極性のフレームの場合とは反対に、第3スイッチング素子(Qc)の出力端子(N2)から入力端子(N3)に電流が流れ、出力端子(N2)の電圧(V2)は低くなる。これを整理すれば、次の数式4の通りである。
【0093】
【数4】

【0094】
図6及び図8を参照すると、ゲート信号(Vg)がゲートオフ電圧(Voff)になった後には、出力端子(N2)の電圧(V2)と入力端子(N3)の電圧(V3)、及び制御端子(N1)の電圧(V1)が互いに同一になるまで、出力端子(N2)から入力端子(N3)に電流は流れ続け、入力端子(N3)の電圧(V3)は上昇し、出力端子(N2)の電圧(V2)は下降する。これにより、第3スイッチング素子(Qc)の入力端子(N3)と接続されている第2副画素電極191bの電圧も最初に印加を受けた負極性のデータ電圧(Vd)より高くなって、第1副画素電極191aの電圧より大きくなり、これは残りのフレーム内に維持される。また、第3スイッチング素子(Qc)の出力端子(N2)の電圧(V2)も第3キャパシタ(C3)によって残りのフレーム内に維持される。負極性のフレームにおいては、第1副画素電極191aと対向電極270の電圧差より第2副画素電極191bと対向電極270の電圧差がさらに小さいので、第2液晶キャパシタ(Clcb)の充電電圧が第1液晶キャパシタ(Clca)の充電電圧より小さくなる。
【0095】
これにより、図6に示したように、1フレームの大部分の時間の間に第1液晶キャパシタ(Clca)の充電電圧より第2液晶キャパシタ(Clcb)の充電電圧が低いので、第1副画素(PXa)と第2副画素(PXb)で液晶分子の傾いた角度が異なるようになるため、二つの副画素(PXa、PXb)の輝度を変化させることができる。
【0096】
本実施形態においては、データ電圧(Vd)の印加後、第3スイッチング素子(Qc)の三端子(N1、N2、N3)の電圧(V1、V2、V3)が同一になるまでの時間は、数十msec、さらに具体的には2msec以下とすることができる。このとき、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置は、120Hzの周波数で駆動させてもよく、この場合、1フレームの50%以上、さらに具体的には1フレームの70%以上の時間の間に第3スイッチング素子(Qc)の三端子(N1、N2、N3)の電圧(V1、V2、V3)が同一の値を有するようにしてもよい。
【0097】
また、データ電圧(Vd)の印加後、第3スイッチング素子(Qc)の三端子(N1、N2、N3)の電圧(V1、V2、V3)が同一になる最終値及び同一になる速度は、第1キャパシタ(C1)及び第2キャパシタ(C2)の容量及び容量比によって変化させてもよい。例えば、第2キャパシタ(C2)の容量が第1キャパシタ(C1)の容量より大きい場合、三電圧(V1、V2、V3)が同一になる最終値、即ち、制御端子(N1)の電圧(V1)の最終値は、上記数式1によって出力端子(N2)の電圧(V2)よりも、入力端子(N3)の電圧(V3)にさらに近い値であってもよい。
【0098】
また、第3キャパシタ(C3)の容量によって液晶表示装置の透過率及び側面わい曲現象(the side distortion phenomenon)を変化させることができる。例えば、第3キャパシタ(C3)の容量が大きくなるほど透過率は低下するが、側面わい曲現象は減少させることができる。
【0099】
また、負極性のフレーム及び正極性フレームにおいて、三端子(N1、N2、N3)の電圧(V1、V2、V3)が同一になる時間を変化させてもよい。
【0100】
このように、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の第1及び第2副画素(PXa、PXb)の輝度を異なるようにすることにより、開口率の減少なしに、視認性を向上させることができる。また、図6に示したように、1フレームの大部分の時間、例えば、1フレームの50%以上、さらに具体的には1フレームの70%以上の時間の間に、第3スイッチング素子(Qc)の制御端子(N1)、出力端子(N2)、及び入力端子(N3)のうちの少なくとも二端子間の電圧差は実質的に0に維持されるので、第3スイッチング素子(Qc)が受けるストレス(stress)を大幅に減少させることができる。これにより、第3スイッチング素子(Qc)のしきい値電圧(threshold voltage)の変化を防止して、残像などの表示不良を減少させて表示品質を向上させることができる。
【0101】
以下、図1及び図2に示した液晶表示装置の他の例について、図5を参照して説明する。上述した実施形態と同一の構成要素に対しては同一の図面符号を付け、同一の説明は省略する。
【0102】
図5は、本発明の他の実施形態に係る液晶表示装置の一画素に対する配置図である。本実施形態に係る液晶表示装置は、上述した図3及び図4の液晶表示装置とほぼ同一の断面構造を有しているので、対応する図面符号はそのまま用いる。
【0103】
図5に示した本実施形態に係る液晶表示装置は、互いに対向する下部表示パネル100と上部表示パネル200、及びこれら二つの表示パネルの間に挿入されている液晶層3を含む。
【0104】
まず、上部表示パネル200について説明すると、絶縁基板210の上に対向電極270が形成されており、対向電極270の上には上部配向膜(図示せず)が形成されている。上部配向膜は垂直配向膜としてもよい。
【0105】
液晶層3は負の誘電率異方性を有し、液晶層3の液晶分子は、電界がない状態でその長軸が二つの表示パネル(100、200)の面に対して垂直となるように配向されている。
【0106】
次に、下部表示パネル100について説明すると、絶縁基板110の上に複数のゲート線121、第3ゲート電極124c、及び複数の共通電圧線131を含む複数のゲート導電体が形成されている。共通電圧線131は、下に拡張された維持電極137、及び上に形成されて閉ループ形状を有している環部(ring portion)133を含む。
【0107】
ゲート導電体の上にはゲート絶縁膜140が形成されており、ゲート絶縁膜の上には複数の第1、第2及び第3半導体(154a、154b、154c)を含む複数の線状半導体(図示せず)が形成されている。第1、第2及び第3半導体(154a、154b、154c)の上にはそれぞれ一対のオーミックコンタクト部が形成されている。
【0108】
オーミックコンタクト部の上には複数のデータ線171、複数の第1ドレイン電極175a、複数の第2ドレイン電極175b、及び複数の第3ドレイン電極175cを含むデータ導電体が形成されている。データ線171は、第1ソース電極173a及び第2ソース電極173bを含み、第3ドレイン電極175cの広い端部177cは、共通電圧線131の維持電極137とオーバーラップして第3キャパシタ(C3)を形成する。
【0109】
第1/第2/第3ゲート電極(124a/124b/124c)、第1/第2/第3ソース電極(173a/173b/173c)、及び第1/第2/第3ドレイン電極(175a/175b/175c)は、第1/第2/第3半導体(154a/154b/154c)と共に第1/第2/第3薄膜トランジスタ(Qa/Qb/Qc)を形成する。
【0110】
データ導電体及び露出した第1、第2、第3半導体(154a、154b、154c)部分の上には保護膜180が形成されており、保護膜180は第1ドレイン電極175aの広い端部を露出する第1コンタクトホール185a、及び第2ドレイン電極175bの広い端部を露出する第2コンタクトホール185bが形成されている。
【0111】
保護膜180の上には第1副画素電極191a及び第2副画素電極191bを含む画素電極が形成されている。第1副画素電極191aと第2副画素電極191bは、ゲート線121及び共通電圧線131を介して互いに分離され、それぞれ列方向の上部と下部に隣接して配置される。第2副画素電極191bの高さは、第1副画素電極191aの高さより高くしてもよく、第1副画素電極191aの高さのほぼ1倍〜3倍としてもよい。
【0112】
第1副画素電極191a及び第2副画素電極191bの全体的な形状は四角形であってもよい。
【0113】
第1副画素電極191aは、横幹部(horizontal stem portion)及び縦幹部(vertical stem portion)を含む十字幹部(cross stem portion)、外周(periphery)を取り囲む外周部、及び外周部の左側下端から下に突出して第1コンタクトホール185aを通じて第1ドレイン電極175aと接続された突出部を含む。一方、共通電圧線131の環部133は、第1副画素電極191aの外周を取り囲んでいるので、光漏れを防止することができる。
【0114】
第2副画素電極191bも、横幹部及び縦幹部を含む十字幹部、上端横部及び下端横部、そして十字幹部の縦幹部の上端から上に突出して第2コンタクトホール185bを通じて第2ドレイン電極175bと接続された突出部を含む。
【0115】
第1副画素電極191a及び第2副画素電極191bのそれぞれは、十字幹部によって4個の副領域に分けられ、各副領域は十字幹部から外側に斜めに延びる複数の微細枝部(fine branching units)を含む。微細枝部がゲート線121となす角度は、約45度または135度であってもよい。
【0116】
第1及び第2副画素電極(191a、191b)の微細枝部の辺が液晶層3の電界を歪め、微細枝部の辺に対して垂直な水平成分を作り、液晶分子の傾斜方向が水平成分によって決定される。したがって、液晶分子はまず微細枝部の辺に垂直な方向に傾こうとする。しかし、隣接する微細枝部の辺における電界の水平成分の方向が互いに反対であり、微細枝部の幅または微細枝部間の間隔が液晶層3のセルギャップに比べて狭いため、互いに反対方向に傾こうとする液晶分子が、微細枝部の長さ方向に平行な方向に傾くようになる。
【0117】
本発明の実施形態において、第1及び第2副画素電極(191a、191b)は、微細枝部の長さ方向が互いに異なる4個の副領域を含むので、液晶層3の液晶分子が傾く方向も4個の副領域に対応する4方向になる。このように、液晶分子が傾く方向を多様にすることにより、液晶表示装置の基準視野角を大きくすることができる。
【0118】
また、第1副画素電極191aと対向電極270は、その間の液晶層3と共に第1液晶キャパシタ(Clca)を形成し、第2副画素電極191bと対向電極270は、その間の液晶層3と共に第2液晶キャパシタ(Clcb)を形成する。液晶層3は、第1液晶キャパシタ(Clca)及び第2液晶キャパシタ(Clcb)の誘電体であってもよい。
【0119】
本実施形態に係る液晶表示装置の動作は、上述した図3及び図4、そして図6乃至図8の実施形態に係る液晶表示装置の動作と同一である。そのため第1及び第2液晶キャパシタ(Clca、Clcb)の充電電圧を異ならせることにより、液晶表示装置の側面視認性を向上させることができる。また、第3スイッチング素子(Qc)のストレスを減らし、しきい値電圧の変化を減らすことができる。従って、液晶表示装置の残像を減らして表示品質を向上させることができる。
【0120】
上述した図3及び図4に示した実施形態に係る液晶表示装置の種々の特徴及び効果などは、本実施形態に係る液晶表示装置にも適用できる。
【0121】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の種々の変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0122】
3 液晶層
91 間隙
71、72、73a、73b、74a、74b、92、93a、93b 切開部
100 下部表示パネル
110、210 絶縁基板
121 ゲート線
124a、124b、124c ゲート電極
131 共通電圧線
133 共通電圧線の環部
134 共通電圧線の縦部
137 維持電極
140 ゲート絶縁膜
154a、154b、154c 半導体
163a、163b、163c、165a、165b、165c オーミックコンタクト部
171 データ線
173a、173b、173c ソース電極
175a、175b、175c、177c ドレイン電極
180 保護膜
185a、185b コンタクトホール
191 画素電極
191a、191b 副画素電極
200 上部表示パネル
220 遮光部
250 保護膜
270 対向電極
300 液晶表示パネルアセンブリ
400 ゲート駆動部
500 データ駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート線と、
前記ゲート線と絶縁されて交差し、データ電圧を供給するデータ線と、
前記ゲート線及び前記データ線から分離された共通電圧線と、
前記ゲート線及び前記データ線と接続される第1スイッチング素子と、
前記ゲート線及び前記データ線と接続される第2スイッチング素子と、
前記第1スイッチング素子と接続される第1液晶キャパシタと、
前記第2スイッチング素子と接続される第2液晶キャパシタと、
前記第2スイッチング素子と接続される入力端子、フローティングされた制御端子、及び出力端子を含む第3スイッチング素子と、
前記第3スイッチング素子及び前記共通電圧線と接続される第3キャパシタと、を含むことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記第3スイッチング素子の前記出力端子と前記制御端子は第1キャパシタを形成し、前記第3スイッチング素子の前記入力端子と前記制御端子は第2キャパシタを形成することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記データ電圧の極性をフレームごとに反転させる制御部をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記第1スイッチング素子の制御端子と前記第2スイッチング素子の制御端子は前記ゲート線に接続されており、
前記第1スイッチング素子の入力端子と前記第2スイッチング素子の入力端子は前記データ線に接続されており、
前記第1スイッチング素子の出力端子は前記第1液晶キャパシタと接続されており、
前記第2スイッチング素子の出力端子は前記第2液晶キャパシタ及び前記第3スイッチング素子の前記入力端子と接続されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項5】
互いに対向する第1基板及び第2基板と、
前記第1基板上に配置されるゲート線、データ電圧を供給するデータ線、及び共通電圧線と、
前記ゲート線及び前記データ線と接続される第1スイッチング素子と、
前記ゲート線及び前記データ線と接続される第2スイッチング素子と、
前記第1スイッチング素子と接続される第1副画素電極と、
前記第2スイッチング素子と接続される第2副画素電極と、
前記第2スイッチング素子と接続される入力端子、フローティングされた制御端子、及び前記入力端子と対向する出力端子を含む第3スイッチング素子と、
前記第3スイッチング素子の前記出力端子と前記共通電圧線の一部を二端子として含む第3キャパシタと、
を含むことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項6】
前記第3スイッチング素子の前記出力端子と前記制御端子は第1キャパシタを形成し、前記第3スイッチング素子の前記入力端子と前記制御端子は第2キャパシタを形成することを特徴とする請求項5に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記データ電圧の極性をフレームごとに反転させる制御部をさらに含むことを特徴とする請求項5または6に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記第1スイッチング素子の制御端子と前記第2スイッチング素子の制御端子は前記ゲート線に接続されており、
前記第1スイッチング素子の入力端子と前記第2スイッチング素子の入力端子は前記データ線に接続されており、
前記第1スイッチング素子の出力端子は前記第1副画素電極と接続されており、
前記第2スイッチング素子の出力端子は前記第2副画素電極及び前記第3スイッチング素子の前記入力端子と接続されることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記第2基板上に配置され、共通電圧の印加を受ける対向電極をさらに含むことを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項10】
ゲート線と、前記ゲート線と絶縁されて交差するデータ線と、前記ゲート線及び前記データ線から分離された共通電圧線と、前記ゲート線及び前記データ線と接続される第1スイッチング素子と、前記ゲート線及び前記データ線と接続される第2スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子と接続される第1液晶キャパシタと、前記第2スイッチング素子と接続される第2液晶キャパシタと、前記第2スイッチング素子と接続される入力端子、フローティングされた制御端子、及び出力端子を含む第3スイッチング素子と、前記第3スイッチング素子及び前記共通電圧線と接続される第3キャパシタとを含む液晶表示装置において、
前記データ線にデータ電圧を印加する段階と、
前記ゲート線にゲートオン電圧を印加して、前記第1液晶キャパシタ及び前記第2液晶キャパシタを第1電圧で充電させる段階と、
前記第3スイッチング素子を通じて前記第2液晶キャパシタの充電電圧を変化させる段階と
を含むことを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
【請求項11】
前記第3スイッチング素子において、前記制御端子の電圧は、前記入力端子の電圧から前記出力端子の電圧までの範囲の値を有することを特徴とする請求項10に記載の液晶表示装置の駆動方法。
【請求項12】
前記第3スイッチング素子において、前記制御端子、前記入力端子、及び前記出力端子の電圧は、1フレームの50%以上の時間の間に同一の値を有することを特徴とする請求項10または11に記載の液晶表示装置の駆動方法。
【請求項13】
前記データ電圧の極性をフレームごとに反転する段階をさらに含むことを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の液晶表示装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−3229(P2012−3229A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20040(P2011−20040)
【出願日】平成23年2月1日(2011.2.1)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】