説明

液晶装置及び電子機器

【課題】FFS方式の液晶装置において、透過率の低下を招くドメイン領域を減少させる
ことが可能な画素構造を提供する。
【解決手段】FFS方式を有する液晶装置において、素子基板は、2行2列に配置された
複数のサブ画素により構成された単位画素を含み、サブ画素たる画素電極は略矩形に形成
され、第3絶縁膜を介して共通電極との間でフリンジフィールドを発生させる複数のスリ
ットを有し、各スリットの長辺の延在方向はサブ画素の並びである行方向に且つゲート線
の延在方向に対して所定の角度だけ傾いた方向に規定されている。このような画素構造に
より、スリットの設定数を減らすことができる。よって、液晶の駆動時に各スリットの長
辺方向の両端部のうちいずれか一方の端部付近にはドメイン領域が生じるが、スリットの
設定数を減らしているのでドメイン領域を減らすことができ、透過率が低下するのを防止
できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種情報の表示に用いて好適な液晶装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、液晶の表示モードを大別すると、TN(Twisted Nematic)方式、或いは広
視野角及び高コントラストを目的とする垂直配向方式、或いはIPS(In−Plane Switch
ing)方式若しくはFFS方式(Fringe Field Switching)に代表される横電界方式など
が存在する。
【0003】
このうち、IPS方式は、液晶に印加する電界の方向を基板にほぼ平行な方向とする方
式であり、TN方式などに比べて視角特性の向上を図ることができるという利点がある。
【0004】
しかしながら、このような液晶装置では、一般に、ITO(Indium Tin Oxide)などの
透明導電材料からなる画素電極と、その画素電極との間で横電界を発生させる共通電極と
が同一層に設けられているため、画素電極の上側に位置する液晶分子は十分に駆動されず
、透過率等の低下を招いてしまうといった課題がある。
【0005】
この点、FFS方式では、共通電極が形成される層が画素電極の形成される層の下側に
設けられているので、画素電極の上側に位置する液晶分子に対しても横方向の電界を印加
することができ、その位置に存在する液晶分子を十分に駆動することができる。その結果
、上記したIPS方式に比べて、透過率等の向上を図ることができるといった利点を有し
ている。
【0006】
このようなFFS方式の液晶装置の一例が特許文献1及び2に記載されている。
【0007】
ここで、特許文献1及び2に記載の液晶装置は、いずれもα−Si(アモルファスシリ
コン)型のTFT素子を適用したFFS方式の液晶装置となっている。また、特許文献2
に記載の液晶装置では、画素電極は、データバスラインの延在方向に長辺を有すると共に
ゲートバスラインの延在方向に短辺を有する縦長状の形状(縦ストライプ形状)に形成さ
れ、当該画素電極には、その下層に形成されるカウンタ電極(共通電極)との間でフリン
ジフィールド(横方向の電界)を生じさせる複数のスリットが設けられている。
【0008】
また、そのような液晶装置では、一般的に、原色系の赤(R)、緑(G)、青(B)の
各着色層が画素電極毎に対応して設けられ、その各色に対応する画素電極毎に階調に応じ
た電圧を印加して、各画素電極の透過率を調整することにより複雑な中間色を表示するこ
とが可能となっている。近年では、そのような原色系のR、G、Bの3色の着色層に加え
、さらに補色系のシアン(C)の色の着色層を備えることで広範な色を表示することが可
能な画像表示装置が提案されている(例えば、特許文献3を参照)。
【0009】
【特許文献1】特開2001−235763号公報
【特許文献2】特開2002−182230号公報
【特許文献3】特開2001−306023号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記の特許文献2に記載の液晶装置は、画素電極が縦ストライプ形状に形成され、各ス
リットが画素電極の長辺方向の中心に対して対称をなすように所定の傾きで配列されてい
るため、スリットの設定数が多い構造となっている。
【0011】
ここで、一般的なFFS方式の液晶装置の場合、画素電極に設けられるスリットの長辺
方向の両端部のうち、いずれか一方の端部付近では、液晶の駆動時に、各スリットの端部
付近でない位置と比較してフリンジフィールドのかかり方が変わり、液晶分子が殆ど駆動
されないドメイン領域(液晶の配向異常領域)が発生する。このため、このドメイン領域
では、明るさが低下して表示上暗い領域となってしまう。なお、このドメイン領域は、現
象的に、スリットの設定数分だけ発生し、且つ、隣接する各スリットの間では互い違いに
且つ千鳥状に発生する。したがって、上記の特許文献2に記載の液晶装置では、スリット
の設定数が多い画素構造なので、明るさに寄与しないドメイン領域が増加し、その分、液
晶装置の透過率が著しく低下してしまうという問題がある。
【0012】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、透過率の低下を招くドメイン領域を
減少させることが可能な画素構造を有するFFS方式の液晶装置及びそれを用いた電子機
器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の1つの観点では、液晶装置は、複数行と複数列で構成される複数のサブ画素を
単位画素として構成される基板を備え、前記基板は、スイッチング素子と、少なくとも前
記スイッチング素子の上側に設けられた絶縁膜と、前記絶縁膜の上側に設けられた第1の
透明電極と、前記第1の透明電極の上側に設けられた他の絶縁膜と、前記他の絶縁膜の上
側に設けられ、前記サブ画素毎に形成された複数のスリットを有すると共に前記第1の透
明電極との間で前記スリットの各々を通じて電界を発生させる第2の透明電極と、を備え
、前記スリットの各々の長辺の延在方向は、前記列方向と非同一の方向に規定されている

【0014】
上記の液晶装置は、複数行と複数列で構成される複数のサブ画素を単位画素として構成
される基板を備えて構成される。このような画素構造の例としては、サブ画素が行及び列
方向に田の字状に配置されて単位画素を構成する画素構造が挙げられる。そして、基板は
、スイッチング素子と、少なくともスイッチング素子の上側に設けられ、例えば透明のア
クリル樹脂等により形成された絶縁膜と、かかる絶縁膜の上側に設けられた第1の透明電
極と、かかる第1の透明電極の上側に設けられ、例えばSiOやSiNx(シリコン窒
化膜)等により形成された他の絶縁膜と、かかる他の絶縁膜の上側に設けられ、サブ画素
毎に形成された複数のスリットを有すると共に第1の透明電極との間で当該スリットの各
々を通じて電界を発生させる第2の透明電極と、を備えて構成される。好適な例では、前
記電界は、前記基板と略平行な方向及び略垂直な方向(基板の上側方向)に強い電界成分
を有するフリンジフィールドとすることができる。これにより、FFS方式の液晶装置を
構成することができる。
【0015】
好適な例では、スイッチング素子としては、例えば、ガラス基板上に600℃以下の温
度で製造されるLTPS(Low Temperature Poly Silicon)型のTFT素子又はP−Si
(ポリシリコン)型のTFT素子又はα−Si(アモルファスシリコン)型のTFT素子
などに代表される三端子型素子、或いはTFD(Thin Film Diode)素子などに代表され
る二端子型非線形素子などを用いることができる。
【0016】
ここで、単位画素が1行複数列に配置されたサブ画素により構成され、さらにサブ画素
が長辺及び短辺を有する矩形に形成され、第2の透明電極に設けられるスリットの各々の
長辺の延在方向が、サブ画素の短辺の延在方向と同一の方向に規定されている比較例を想
定した場合、FFS方式を用いて適正に液晶を駆動させためには、スリットをサブ画素の
全体に亘って均一に設ける必要がある。そうすると、比較例では、サブ画素の長辺方向に
適宜の間隔をおいてスリットを並べるように設ける必要があり、その分だけスリットの設
定数が増加してしまう。また、一般的なFFS方式の液晶装置の場合、スリットの長辺方
向の両端部のうち、いずれか一方の端部付近では、液晶の駆動時に、各スリットの端部付
近でない位置と比較してフリンジフィールドのかかり方が変わり、液晶分子が殆ど駆動さ
れないドメイン領域(液晶の配向異常領域)が発生する。このため、このドメイン領域で
は、明るさが低下して表示上暗い領域となってしまう。なお、このドメイン領域は、現象
的に、スリットの設定数分だけ発生し、且つ、隣接する各スリットの間では互い違いに且
つ千鳥状に発生する。したがって、上記の比較例のようにサブ画素に設けるスリットの数
が多いほど明るさに寄与しないドメイン領域が増加し、その分、液晶装置の透過率が著し
く低下してしまうという問題がある。
【0017】
この点、この液晶装置では、単位画素が複数行と複数列で構成される複数のサブ画素に
より構成され、第2の透明電極に設けられたスリットの各々の長辺の延在方向は、サブ画
素の並びである列方向と非同一の方向に規定されている。好適な例では、前記スリットの
各々の長辺の延在方向は、前記行方向又は前記行方向に対して所定の角度だけ傾いた方向
に規定されているのが好ましい。
【0018】
これにより、スリットを第2の透明電極の全体に均一に配置しつつ、上記の比較例と比
べて、そのスリットの設定数を減らすことができる。この液晶装置でも、液晶の駆動時に
、各スリットの長辺方向の両端部のうち、いずれか一方の端部付近にドメイン領域が生じ
るが、第2の透明電極に設定されるスリットの数を上記の比較例と比較して減らしている
ので、それに伴ってドメイン領域を減らすことができる。その結果、透過率が低下するの
を防止できる。
【0019】
好適な例では、前記スイッチング素子の各々に電気的に接続され、前記列方向に延在す
る複数の第1の配線及び前記行方向に延在する複数の第2の配線を有し、前記スリットの
各々の長辺の延在方向は、前記複数の第2の配線の延在方向と同一の方向又は前記複数の
第2の配線の延在方向に対して所定の角度だけ傾いた方向に規定されているのが好ましい
。なお、第1の配線は画像信号が供給されるデータ線又は走査信号が供給されるゲート線
とすることができると共に、これに対応して、第2の配線は走査信号が供給されるゲート
線又は画像信号が供給されるデータ線とすることができる。
【0020】
上記の液晶装置の一つの態様では、前記第1の透明電極は、共通電位に接続された共通
電極であると共に、前記第2の透明電極は、前記サブ画素毎に形成され、前記絶縁膜及び
前記他の絶縁膜の各々に設けられたコンタクトホールを介して前記スイッチング素子と電
気的に接続された単位サブ画素電極である。
【0021】
この態様では、第1の透明電極は、共通電位に接続された共通電極とすることができる
と共に、第2の透明電極は、サブ画素毎に形成され、絶縁膜及び他の絶縁膜の各々に設け
られたコンタクトホールを介してスイッチング素子と電気的に接続された単位サブ画素電
極とすることができる。
【0022】
上記の液晶装置の他の態様では、前記第1の透明電極は、前記サブ画素毎に形成され、
前記絶縁膜に設けられたコンタクトホールを介して前記スイッチング素子と電気的に接続
された単位サブ画素電極であると共に、前記第2の透明電極は、共通電位に接続された共
通電極である。
【0023】
この態様では、第1の透明電極は、サブ画素毎に形成され、絶縁膜に設けられたコンタ
クトホールを介してスイッチング素子と電気的に接続された単位サブ画素電極とすること
ができると共に、第2の透明電極は、共通電位に接続された共通電極とすることができる

【0024】
上記の液晶装置の他の態様では、前記基板と液晶を挟んで対向する対向基板を備え、前
記対向基板側において、前記単位画素内の前記複数の前記サブ画素の各々に対応する位置
には任意の単一色よりなる着色層が設けられ、当該サブ画素の各々の面積は同一の大きさ
に設定されている。
【0025】
この態様では、基板と液晶を挟んで対向する対向基板を備える。そして、対向基板側に
おいて、単位画素内の複数のサブ画素の各々に対応する位置には任意の単一色よりなる着
色層が設けられている。これにより、任意の4色を有する単位画素を構成することができ
る。また、当該サブ画素の各々の面積を同一の大きさに設定することができる。
【0026】
上記の液晶装置の他の態様では、前記基板と液晶を挟んで対向する対向基板を備え、前
記対向基板側において、前記単位画素内の前記複数の前記サブ画素の各々に対応する位置
には任意の単一色よりなる着色層が設けられ、当該複数のサブ画素のうち少なくとも1つ
の前記サブ画素の面積は、他の前記サブ画素の面積と非同一の大きさに設定されている。
【0027】
この態様では、基板と液晶を挟んで対向する対向基板を備える。そして、対向基板側に
おいて、単位画素内の複数のサブ画素の各々に対応する位置には任意の単一色よりなる着
色層が設けられている。これにより、任意の4色を有する単位画素を構成することができ
る。また、当該複数のサブ画素のうち少なくとも1つのサブ画素の面積は、他のサブ画素
の面積と非同一の大きさに設定されている。好適な例では、前記単位画素内において、同
一の前記行方向又は同一の前記列方向に配置されたサブ画素の各々の面積は非同一の大き
さに設定されているのが好ましい。
【0028】
このように、この態様では、単位画素内のサブ画素の面積を全て同一の大きさとするの
ではなく、必要に応じて、単位画素内の各サブ画素の面積を上記のように変えることによ
り、ホワイトバランスの調整をすることができる。
【0029】
本発明の他の観点では、上記の液晶装置を表示部として備える電子機器を構成すること
ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。尚、以下
の各種実施形態は、本発明を液晶装置に適用したものである。なお、本明細書では、「内
面上」との文言は、液晶層4側に位置する「内面上」の意味で用いる。したがって、例え
ば、「素子基板の内面上」といった場合には、「液晶層4側に位置する素子基板の内面上
」を意味することになる。
【0031】
[第1実施形態]
(液晶装置の構成)
まず、図1等を参照して、本発明の第1実施形態に係る液晶装置100の構成等につい
て説明する。
【0032】
図1は、本発明の第1実施形態に係る液晶装置100の概略構成を模式的に示す平面図
である。図1では、紙面手前側(観察側)にカラーフィルタ基板92が配置されている一
方、紙面奥側に素子基板91が配置されている。なお、図1では、紙面縦方向(列方向)
をY方向と、また、紙面横方向(行方向)をX方向と規定する。また、図1において、赤
色(R)、緑色(G)、青色(B)、任意の色(Other、以下では、「O」と略記す
ることがある)の4色の各々に対応する領域は1つのサブ画素領域SGを示していると共
に、R、G、B、Oの各色のサブ画素領域SGにより構成される2行2列の画素配列は、
1つの画素領域AGを示している。各サブ画素領域SGは、略正方形に形成され、同一の
面積を有する領域となっている。なお、以下では、1つのサブ画素領域SG内に存在する
1つの表示領域を「サブ画素」と称し、また、1つの画素領域AG内に対応する表示領域
を「単位画素」と称することもある。
【0033】
液晶装置100は、素子基板91と、その素子基板91に対向して配置されるカラーフ
ィルタ基板92とが枠状のシール材5を介して貼り合わされ、そのシール材5で区画され
る領域内に液晶が封入されて液晶層4が形成されてなる。
【0034】
ここに、液晶装置100は、R、G、B、Oの4色を用いて構成されるカラー表示用の
液晶装置であると共に、スイッチング素子として後述する第1基板1上に600℃以下の
温度で製造され、ダブルゲート構造を有するLTPS(低温ポリシリコン)型のTFT素
子(以下、「LTPS型TFT素子21」と呼ぶ)を用いたアクティブマトリクス駆動方
式の液晶装置である。また、この液晶装置100は、画素電極等の各種電極が形成された
素子基板91側において、当該素子基板91面に略平行な方向、及び略垂直な方向(観察
側)にフリンジフィールド(電界E)を発生させて液晶分子の配向を制御する、いわゆる
FFS方式の液晶装置である。このため、この液晶装置100では高い視野角等を得るこ
とが可能となっている。また、液晶装置100は、透過型表示のみを行う透過型の液晶装
置である。
【0035】
まず、素子基板91の平面構成は次の通りである。
【0036】
素子基板91の内面上には、主として、複数のソース線32、複数のゲート線33、複
数のLTPS型TFT素子21、複数の画素電極10、共通電極20、信号線駆動回路4
0、走査線駆動回路41、外部接続用配線35及びFPC(Flexible Printed Circuit)
などの実装部品42が形成若しくは実装されている。
【0037】
図1に示すように、素子基板91は、カラーフィルタ基板92の隣り合う二辺側から夫
々の外側へ張り出してなる張り出し領域36を有している。カラーフィルタ基板92の一
辺側の外側であって、Y方向に位置する張り出し領域36上には信号線駆動回路40が実
装されていると共に、カラーフィルタ基板92の他の一辺側の外側であって、X方向に位
置する張り出し領域36上には走査線駆動回路41が実装されている。信号線駆動回路4
0及び走査線駆動回路41の各入力側の端子(図示略)は、複数の外部接続用配線35の
一端側と電気的に接続されていると共に、複数の外部接続用配線35の他端側は実装部品
42と電気的に接続されている。なお、図1では、便宜上、走査線駆動回路41と実装部
品42との外部接続用配線35を通じた接続状態の図示は省略する。
【0038】
各ソース線32は、X方向に適宜の間隔をおいてY方向に延在するように形成されてお
り、各ソース線32の一端側は、信号線駆動回路40の出力側の端子(図示略)に電気的
に接続されている。
【0039】
各ゲート線33は、例えば、Ti(チタン)/Al(アルミニウム)/Ti(チタン)
の3層構造を有し、Y方向に適宜の間隔をおいてX方向に且つ有効表示領域V内に延在す
るように形成されている。各ゲート線33の一端側は、走査線駆動回路41の出力側の端
子(図示略)に電気的に接続されている。
【0040】
各ソース線32と各ゲート線33の交差位置付近にはLTPS型TFT素子21が対応
して設けられており、LTPS型TFT素子21は各ソース線32、各ゲート線33及び
各画素電極10等に電気的に接続されている。
【0041】
各画素電極10は、例えばITOなどの透明導電材料により形成され、各サブ画素領域
SG内に対応して設けられている。
【0042】
共通電極20は、画素電極10と同一の材料により形成され、有効表示領域Vと略同一
の大きさの領域(太い破線で囲まれた領域)を有し、図3に示す第3絶縁膜(誘電膜)5
3を挟んで各画素電極10の下側に略べた状に設けられる。共通電極20は、当該共通電
極20と同一の材料などからなる共通配線27を通じて、例えば、信号線駆動回路40内
の共通電位用端子(COM端子)と電気的に接続されている。
【0043】
1つの画素領域AGがX方向及びY方向に複数個、マトリクス状に並べられた領域が有
効表示領域V(2点鎖線により囲まれる領域)である。この有効表示領域Vに、文字、数
字、図形等の画像が表示される。なお、有効表示領域Vの外側の領域は表示に寄与しない
額縁領域38となっている。また、各画素電極10等の内面上には、図示しない配向膜が
形成されている。かかる配向膜は、所定の方向Rにラビング処理(図2を参照)が施され
ている。
【0044】
次に、カラーフィルタ基板92の平面構成は次の通りである。
【0045】
カラーフィルタ基板92は、図3も参照して分かるように、遮光層(一般に「ブラック
マトリクス」と呼ばれ、以下では、単に「BM」と略記する)、R、G、B、Oの4色の
着色層6R、6G、6B、6O、オーバーコート層16及び配向膜18などを有する。な
お、以下の説明において、色を問わずに着色層を指す場合は単に「着色層6」と記し、色
を区別して着色層を指す場合は「着色層6R」などと記す。BMは、各サブ画素領域SG
を区画する位置等に形成されている。
【0046】
以上の構成を有する液晶装置100では、電子機器等と接続された実装部品42側から
の信号及び電力等に基づき、走査線駆動回路41によって、G、G、・・・、Gm−
、G(m:自然数)の順にゲート線33が順次排他的に1本ずつ選択されるとともに
、選択されたゲート線33には、選択電圧のゲート信号が供給される一方、他の非選択の
ゲート線33には、非選択電圧のゲート信号が供給される。そして、信号線駆動回路40
は、選択されたゲート線33に対応する位置に存在する画素電極10に対し、表示内容に
応じたソース信号を、それぞれ対応するS、S、・・・、Sn−1、S(n:自然
数)のソース線32及び各LTPS型TFT素子21を介して供給する。その結果、液晶
層4の表示状態が、非表示状態または中間表示状態に切り替えられ、液晶層4内の液晶分
子の配向状態が制御されることとなる。これにより、有効表示領域V内において所望の画
像を表示することができる。
【0047】
(画素構成)
次に、図2(a)及び図3等を参照して、本発明の第1実施形態に係る液晶装置100
の画素構成等について説明する。
【0048】
図2(a)は、第1実施形態に係る素子基板91における1画素分の平面構成を示す。
なお、図2(a)では、素子基板91の説明に必要な最小限の要素のみ図示している。図
3は、図2(a)における切断線A−A’に沿った断面図を示すと共に、LTPS型TF
T素子21を通る位置で切断したときの1サブ画素を含む断面構成を示す。
【0049】
まず、第1実施形態の素子基板91における画素構成等について説明する。
【0050】
素子基板91は、2行2列に配置された4つのサブ画素により構成される単位画素をマ
トリクス状に配置して構成される有効表示領域V(図1を参照)を有する。ここで、単位
画素内において各サブ画素は、画素電極10と共通電極20とが平面的に重なり合う電極
部分に対応しており、当該各サブ画素は略同一の面積を有するように設定されている。
【0051】
ガラス基板である第1基板1の内面上には、ソース線32とゲート線33の交差位置に
対応して、ゲート線33に対して二度交差するように略Uの字状の平面形状を有する低温
型のP−Si(ポリシリコン)層19が形成されている。P−Si層19及び第1基板1
の内面上には、その略一面に亘って、例えばSiOなどからなるゲート絶縁膜50が形
成されている。
【0052】
ゲート絶縁膜50は、P−Si層19の一端側に且つソース線32の一部と平面的に重
なる位置に第1のコンタクトホール50aを有すると共に、P−Si層19の他端側に対
応する位置に第2のコンタクトホール50bを有する。ゲート絶縁膜50の内面上にはゲ
ート線33が形成されており、そのゲート線33は、図2(a)に示すように、Y方向に
一定の間隔をおいてX方向に延在するように形成され、さらにP−Si層19と部分的且
つ平面的に重なっている。なお、後述するソース線32の延在方向に相隣接するサブ画素
の間隔は、ゲート線33の延在方向に相隣接するサブ画素の間隔より大きくなっている。
【0053】
ゲート線33及びゲート絶縁膜50の内面上には、例えばSiOなどからなる透明の
第1絶縁膜51が形成されている。第1絶縁膜51は、第1のコンタクトホール50aに
対応する位置に第1のコンタクトホール51aを有すると共に、第2のコンタクトホール
50bに対応する位置に第2のコンタクトホール51bを有する。第1絶縁膜51の内面
上には、ソース線32及び中継電極77が設けられている。
【0054】
ソース線32は、図2(a)に示すように、X方向に一定の間隔をおいてY方向に延在
するように形成されている。ソース線32の一部は、P−Si層19の一端側の一部と平
面的に重なっている。ソース線32の一部は、第1のコンタクトホール50a及び51a
内まで入り込むように設けられており、当該ソース線32は、P−Si層19の一端側と
電気的に接続されている。中継電極77は、P−Si層19の他端側の一部と平面的に重
なり合っている。中継電極77の一部は、第2のコンタクトホール50b及び51b内ま
で入り込むように設けられており、当該中継電極77は、P−Si層19の他端側と電気
的に接続されている。これにより、各ソース線32は、対応する各P−Si層19を介し
て、対応する各中継電極77に電気的に接続されている。こうして、各P−Si層19に
対応する位置に且つソース線32とゲート線33との交差位置に対応してダブルゲート構
造のLTPS型TFT素子21が設けられている。
【0055】
ソース線32、中継電極77及び第1絶縁膜51の内面上には、例えば透明のアクリル
樹脂等からなる第2絶縁膜52が形成されている。第2絶縁膜52の内面上は平坦性を有
し、第2絶縁膜52は平坦化膜を構成している。第2絶縁膜52は、中継電極77の一端
側に且つ第2のコンタクトホール50b及び51bの近傍位置にコンタクトホール52a
を有する。なお、本発明では、第1絶縁膜51と第2絶縁膜52との間に、例えばSiN
x(シリコン窒化膜)などからなる絶縁膜を更に設けるようにしても構わない。
【0056】
第2絶縁膜52の内面上には、その略一面に亘って、COM端子(共通電位用端子)に
電気的に接続された共通電極20が形成されている(図1も参照)。共通電極20は、例
えばITOなどの透明導電材料により形成され、コンタクトホール52aに対応する位置
に開口20aを有する。コンタクトホール52a内に位置する第2絶縁膜52の一部、及
び共通電極20の内面上には、例えばSiOやSiNxなどからなる第3絶縁膜53が
形成されている。第3絶縁膜53は、第2絶縁膜52のコンタクトホール52aに対応す
る位置にコンタクトホール53aを有する。第3絶縁膜53は、共通電極20と後述する
画素電極10との間に設けられるため、補助容量を形成する誘電膜として機能する。ここ
で、十分な補助容量を確保するためには、第3絶縁膜53の厚さd1は、できる限り薄く
設定されているのが好ましい。
【0057】
かかる目的を実現するため、好適な例では、第3絶縁膜53の厚さd1は、自身に形成
される補助容量の大きさが約100〜600fF、より好ましくは約200〜800fF
に設定するように決定するのが好ましい。また、精細度200PPi以上では、第3絶縁
膜53の厚さd1は約50〜400nmに設定するのが好ましい一方、精細度200PP
i未満では、第3絶縁膜53の厚さd1は約200〜1000nmに設定するのが好まし
い。
【0058】
第3絶縁膜53の内面上であって、各サブ画素領域SG内には、例えばITOなどの透
明導電材料よりなる画素電極10が形成されている。各画素電極10は、各サブ画素領域
SGの形状に対応して略正方形に形成され、単位画素内において、各サブ画素に係る各画
素電極10の面積はそれぞれ同一の大きさに設定されている。画素電極10は、コンタク
トホール52a及び53a内まで入り込むように設けられ、当該コンタクトホール52a
及び53aを介して中継電極77と電気的に接続されている。このため、ソース線32か
らのソース信号(映像信号)は、LTPS型TFT素子21及び中継電極77を介して画
素電極10へ供給される。また、画素電極10は、第3絶縁膜53を介して共通電極20
と対向し且つ平面的に重なっている。画素電極10には、自身と共通電極20との間で、
フリンジフィールド(電界E)を発生させるための複数のスリット10xが設けられてい
る。各スリット10xは、細長状に且つ横ストライプ状に形状に形成され、各スリット1
0xの長辺10xaの延在方向は、サブ画素の並びである列方向及びソース線32の延在
方向と非同一の方向に規定されている。本例では、各スリット10xの長辺10xaの延
在方向は、サブ画素の並びである行方向及びゲート線33の延在方向に対して所定の角度
だけ傾いた方向に規定されている。但し、本発明では、各スリット10xの長辺10xa
の延在方向は、サブ画素の並びである行方向及びゲート線33の延在方向と同一の方向に
規定されていても構わない。なお、本例では、各スリット10xの長辺10xaと繋がる
、当該各スリット10xの短辺(符号は省略する)は曲線状の形状を有するように形成さ
れているが、これに限らず、本発明では、当該短辺の形状に限定はなく、例えば直線状の
形状に形成されていても構わない。
【0059】
第3絶縁膜53の一部、及び画素電極10の内面上には図示しない配向膜が形成されて
いる。かかる配向膜には、図2(a)に示すように、ゲート線33の延在方向(以下、「
ラビング方向R」と呼ぶ)にラビング処理が施されている。このため、液晶分子4aは、
初期配向状態において、その長軸方向がラビング方向Rに沿った状態で配向している。ま
た、第1基板1の下側には偏光板11が設けられていると共に、偏光板11の下側には照
明装置としてのバックライト15が設けられている。こうして、第1実施形態に係る画素
構成を含む素子基板91が構成されている。
【0060】
一方、上記の画素構成に対応するカラーフィルタ基板92の構成は次の通りである。
【0061】
ガラス基板である第2基板2の内面上であって、1つの画素領域AG内には、サブ画素
領域SG毎に任意の色の着色層、例えば赤色(R)の着色層6R、緑色(G)の着色層6
G、青色(B)の着色層6B、及び任意の色(O)の着色層6Oのうち、いずれか1つか
らなる着色層6が設けられている。なお、本発明では、2行2列に配置された各サブ画素
に対する、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、任意の色(O)の着色層6の配列順序
に限定はなく、その各色の着色層6の配列順序は任意である。第2基板2の内面上であっ
て、各サブ画素領域SGを区画する位置及びLTPS型TFT素子21に対応する位置に
はBMが設けられている。このため、LTPS型TFT素子21、ソース線32及びゲー
ト線33等はBMと平面的に重なっている。BM及び各着色層6の内面上にはオーバーコ
ート層16が形成されている。このオーバーコート層16は、液晶装置100の製造工程
中に使用される薬剤等による腐食や汚染から、着色層6等を保護する機能を有している。
オーバーコート層16の内面上には所定の方向にラビング処理が施された配向膜18が形
成されている。こうして、第1実施形態に係るカラーフィルタ基板92が構成されている

【0062】
以上の構成を有する液晶装置100では、その駆動時、ラビング方向Rに沿って初期配
向状態にある液晶分子(図示略)は、ソース線32の延在方向に生じるフリンジフィール
ド(電界E)によって反時計廻り又は時計廻りに回転してソース線32の延在方向に再配
向する。なお、図3の断面構成では、フリンジフィールド(電界E)は、素子基板91と
略平行な方向(紙面横方向)及び略垂直な方向(カラーフィルタ基板側)に強い電界成分
を有し、画素電極10と、その複数のスリット10x及び第3絶縁膜53を介して共通電
極20との間で生じる。これにより、液晶分子の配向制御がなされ、透過型表示をするこ
とができる。そして、透過型表示の際、バックライト15から出射した照明光は、図3に
示す経路Tに沿って進行し、共通電極20、画素電極10及びR、G、B、Oの各着色層
6等を通過して観察者に至る。この場合、その照明光は、その着色層6等を透過すること
により所定の色相及び明るさを呈する。こうして、所望のカラー表示画像が観察者により
視認される。
【0063】
(電気的等価回路の構成)
次に、図5等を参照して、第1実施形態に係る液晶装置100の電気的等価回路の構成
について説明する。図5は、液晶装置100の電気的等価回路の構成を示すブロック図で
ある。なお、図5では、実際は、走査線駆動回路41と実装部品42とは外部接続用配線
35を通じて接続されているが、便宜上、その図示は省略している。
【0064】
液晶装置100は、1つの画素領域AG内に設けられる単位画素(以下、「単位画素P
」と呼ぶ)を行方向(X方向)及び列方向(Y方向)にマトリクス状に配列してなる有効
表示領域Vと、その外側に設けられ、各サブ画素領域SG内に設けられる各サブ画素(以
下、「サブ画素SP」と呼ぶ)を駆動する信号線駆動回路40及び走査線駆動回路41と
、信号線駆動回路40及び走査線駆動回路41と電気的に接続され、液晶装置100と電
子機器とのインターフェースである実装部品42と、を有する。
【0065】
液晶装置100は、所定間隔おきに交互に設けられた複数のゲート線33およびコモン
線80と、所定間隔おきに設けられてゲート線33およびコモン線80に交差する複数の
ソース線32と、を備える。
【0066】
単位画素Pは、2行2列に配置された4つのサブ画素SPにより構成される。言い換え
れば、単位画素P内において、4つのサブ画素SPの配列状態は、ソース線32の延在方
向(Y方向)に2列、及び、ゲート線33の延在方向(X方向)に2行となっている。各
サブ画素SPは、各ゲート線33および各コモン線80と各ソース線32との交差位置に
対応して設けられている。なお、本発明では、上記したように、画素電極10と共通電極
20の間に設けられた誘電膜たる第3絶縁膜53に補助容量が形成されるので、コモン線
80及び後述する蓄積容量81を設けることは必須ではない。
【0067】
少なくとも各サブ画素領域SG内には、LTPS型TFT素子21、画素電極10、当
該画素電極10に第3絶縁膜53(図示略)を挟んで対向する共通電極20、並びに画素
電極10及びコモン線80に電気的に接続された蓄積容量81が設けられている。
【0068】
LTPS型TFT素子21のゲート電極には、ゲート線33が接続され、LTPS型T
FT素子21のソース電極には、ソース線32が接続され、LTPS型TFT素子21の
ドレイン電極には、画素電極10および蓄積容量81が接続されている。画素電極10と
共通電極20との間には、液晶層4が挟持される。したがって、このLTPS型TFT素
子21は、ゲート線33から選択電圧が印加されると、ソース線32と画素電極10およ
び蓄積容量81とを導通状態とする。
【0069】
走査線駆動回路41は、LTPS型TFT素子21を導通状態にする選択電圧を各ゲー
ト線33に線順次で供給する。例えば、あるゲート線33に選択電圧が供給されると、こ
のゲート線33に接続されたLTPS型TFT素子21が全て導通状態になり、このゲー
ト線33に係るサブ画素SPの全てが選択される。具体的には、走査線駆動回路41は、
シフトレジスタ回路41a、出力制御回路41b及びバッファ回路41cを有し、当該走
査線駆動回路41には、実装部品42を介して、図示しない電子機器の外部回路側から電
力及び各種の信号が供給される。シフトレジスタ回路41aは、順次転送型シフトレジス
タであり、電子機器の外部回路側からスタート信号VSP(1フレームの開始信号)、ク
ロック信号VCK、及びディレクション信号VDIR(ゲート線の走査方向を指定する信
号)などの各種信号が供給されると、それらの各種信号を出力制御回路41bへ出力する
。出力制御回路41bは、走査線駆動回路41の動作を制御する回路であり、電子機器の
外部回路内の電源回路から供給される駆動信号VENBがLレベルのとき、ゲート線33
を選択可能とする制御信号をバッファ回路41cへ出力すると共に、シフトレジスタ回路
41aから出力されたスタート信号VSP、クロック信号VCK及びディレクション信号
VDIRなどの各種信号をバッファ回路41cへ出力する。バッファ回路41cは、出力
制御回路41bから出力された各種信号の波形整形を行う波形整形用回路である。なお、
本発明では、出力制御回路41bとバッファ回路41cとの間に、出力制御回路41bか
ら出力された各種信号のレベルを増幅するレベルシフタ回路を設けるようにしても構わな
い。以上の構成を有する走査線駆動回路41は、一垂直走査期間(1V期間)内に、アド
レス番号G、G、・・・、Gm−1、Gのゲート線33を(図1も参照)を順次走
査すると共に、一水平走査期間(1H期間)内に2つのゲート線33を順次走査して単位
画素Pを駆動する。
【0070】
信号線駆動回路40は、画像信号を各ソース線32に供給し、オン状態のLTPS型T
FT素子21を介して、各サブ画素領域SG内の画素電極10に画像情報を順次書き込む
。具体的には、信号線駆動回路40は、各単位画素Pの列に対応して設けられたデマルチ
プレクサとしてのデマルチプレクサ単位回路310を備え、各デマルチプレクサ単位回路
310は、一対のトランスファゲート311及び312を含んで構成される。デマルチプ
レクサ単位回路310は、実装部品42を介して電子機器の外部回路(図示略)から供給
される時分割信号を、トランスファゲート311及び312を電気的に開閉することによ
り、対応する単位画素Pに係るソース線32へ振り分ける機能を有する。なお、本発明で
は、信号線駆動回路40内にデマルチプレクサ単位回路310を設けることは必須ではな
い。この場合、各ソース線32は、信号線駆動回路40と直接的に電気的に接続される構
成となる。
【0071】
以上の構成を有する液晶装置100は、以下のように動作する。
【0072】
すなわち、走査線駆動回路41から選択電圧を線順次で供給することで、あるゲート線
33と接続されたサブ画素SPの全てを選択する。そして、これらサブ画素SPの選択に
同期して、信号線駆動回路40からソース線32に画像信号を供給する。これにより、走
査線駆動回路41および信号線駆動回路40で選択した全てのサブ画素SPに、ソース線
32からLTPS型TFT素子21を介して画像信号が供給されて、画像情報が画素電極
10に書き込まれる。
【0073】
サブ画素領域SG内の画素電極10に画像情報が書き込まれると、この画素電極10と
共通電極20との電位差により、液晶層4に駆動電圧が印加される。したがって、画像信
号の電圧レベルを変化させることで、液晶の配向や秩序を変化させて、各サブ画素SPの
光変調による階調表示を行う。
【0074】
なお、液晶に印加される駆動電圧は、蓄積容量81により、画像情報が書き込まれる期
間よりも3桁も長い期間に亘って保持される。
【0075】
図6は、有効表示領域V内の任意の単位画素P、及び当該任意の単位画素Pに対応する
デマルチプレクサ単位回路310の電気的構成を示す回路図である。
【0076】
ここで、図6において、説明の便宜上、上側に位置するゲート線33を「ゲート線33
a」とし、また、下側に位置するゲート線33を「ゲート線33b」とする。ゲート線3
3a及び33bには、それぞれ、走査信号GATE1a、1bが供給される。また、図6
において、説明の便宜上、左側に位置するソース線32を「ソース線32a」とし、また
、右側に位置するソース線32を「ソース線32b」とする。コモン線80及び共通電極
20には駆動信号VCOMが供給される。
【0077】
デマルチプレクサ単位回路310は、1入力2出力型の1:2デマルチプレクサであり
、1つの入力端子SEGに対して2つの出力端子SS1、SS2を有し、2つの出力端子
SS1、SS2の中から選択された出力端子を入力端子SEGに接続することにより、時
分割信号として供給される画像信号をソース線32a、32bに振り分ける。
【0078】
デマルチプレクサ単位回路310は、例えば、相補型トランジスタであるCMOS(Co
mplementary Metal-Oxide Semiconductor)で構成された第1のトランスファゲート31
1及び第2のトランスファゲート312を有する。具体的には、第1のトランスファゲー
ト311及び第2のトランスファゲート312の一方の端子は、入力端子SEGに接続さ
れ、その他方の端子は、それぞれ、出力端子SS1及びSS2に接続されている。
【0079】
出力端子SS1は、赤色(R)及び青色(B)の各サブ画素SPと夫々接続されたソー
ス線32aに接続されている。一方、出力端子SS2は、緑色(G)及び任意の色(O)
の各サブ画素SPと夫々接続されたソース線32bに接続されている。
【0080】
第1のトランスファゲート311の制御端子には、選択信号SEL1、SEL1Bが入
力される。選択信号SEL1Bは、選択信号SEL1が反転されたものである。選択信号
SEL1、SEL1Bがアクティブになると、第1のトランスファゲート311がオン状
態となり、入力端子SEGから入力された画像信号をソース線32aへ供給する。
【0081】
第2のトランスファゲート312の制御端子には、選択信号SEL2、SEL2Bが入
力される。選択信号SEL2Bは、選択信号SEL2が反転されたものである。選択信号
SEL2、SEL2Bがアクティブになると、第2のトランスファゲート312がオン状
態となり、入力端子SEGから入力された画像信号をソース線32bへ供給する。
【0082】
入力端子SEGには、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、任意の色(O)の各色の
画像情報の多重信号が入力される。
【0083】
以上のデマルチプレクサ単位回路310は、以下のように動作する。
【0084】
入力端子SEGに画像信号を供給すると共に、選択信号SEL1、SEL1B、或いは
、選択信号SEL2、SEL2Bをアクティブにする。これにより、赤色(R)及び青色
(B)の各サブ画素に接続されたソース線32a、或いは、緑色(G)及び任意の色(O
)の各サブ画素に接続されたソース線32bを選択し、その選択したソース線32に画像
信号を供給できる。
【0085】
次に、図7を参照して、液晶装置100の駆動方法について説明する。図7は、液晶装
置100の駆動方法に係るタイミングチャートを示す。
【0086】
上記したように、VSPはスタート信号、VCKはクロック信号であり、これらスター
ト信号VSP及びクロック信号VCKは、走査線駆動回路41を通じて液晶装置100に
供給される。また、VENBは駆動信号であり、この駆動信号VENBがLレベルのとき
、走査線駆動回路31は、ゲート線33に供給される走査信号GATE1a、1b、2a
、2b、・・・、640a、640b(例えば、ゲート線33の本数が1280本の場合
)が選択可能となる。
【0087】
また、VDIRは走査方向を指定する信号であり、このディレクション信号VDIRは
、第1実施形態では、常時Hレベルであり、図5中左側から右側に向かって走査する。
【0088】
VCOMは、上述のように、共通電極20及びコモン線80に供給される駆動信号であ
る。第1実施形態では、1ラインごとに共通電極20の電位を反転するライン反転駆動方
式を採用しており、VCOMは、1ラインごとに反転する。
【0089】
GATEは、上述のように、ゲート線33に供給される走査信号である。第1実施形態
では、ゲート線33の本数は例えば1280本であり、図6において、GATE1aは、
有効表示領域V内において、最上段のゲート線33aに供給される走査信号であり、GA
TE1bは、最上段の1つ下の段のゲート線33bに供給される走査信号である。GAT
E640bは、有効表示領域V内において、最下段のゲート線33bに供給される制御信
号である。
【0090】
DISPLAY DATA信号は、信号線駆動回路40に供給される時分割の画像信号
である。
【0091】
ここで、1H期間に着目したとき、VCOM及びVENBが夫々Lレベルの状態で、時
刻t1からt2の間、GATE1aがHレベルになり、単位画素P内において、最上段の
ゲート線33aに係る、赤色(R)及び緑色(G)の各サブ画素SPが選択される。また
、これらの各サブ画素SPの選択に同期して、DATAとして、赤色(R)及び緑色(G
)の画像情報V001が連続してデマルチプレクサ単位回路310に供給される。赤色(
R)の画像情報V001が供給されている間は、選択信号SEL1、SEL1Bがアクテ
ィブであり、選択信号SEL2、SEL2Bは非アクティブである。また、緑色(G)の
画像情報V001が供給されている間は、選択信号SEL1、SEL1Bが非アクティブ
であり、選択信号SEL2、SEL2Bはアクティブである。
【0092】
これにより、赤色(R)の画像情報V001が、ソース線32aを介して、最上段のゲ
ート線33aに係る赤色(R)のサブ画素SPに供給され、緑色(G)の画像情報V00
1が、ソース線32bを介して、最上段のゲート線33aに係る緑色(G)のサブ画素S
Pに供給される。
【0093】
続いて、時刻t2からt3の間だけVENBがHレベルになり、さらにVCOMが反転
してHレベルの状態になり、時刻t3でVENBがHレベルからLレベルへ立ち下がると
、それに同期して時刻t3からt4の間、GATE1bがHレベルになり、有効表示領域
V内において、最上段の1つ下の段のゲート線33bに係る、青色(B)及び任意の色(
O)の各サブ画素SPが選択される。また、これらの各サブ画素SPの選択に同期して、
DATAとして、青色(B)及び任意の色(O)の画像情報V001が連続してデマルチ
プレクサ単位回路310に供給される。青色(B)の画像情報V001が供給されている
間は、選択信号SEL1、SEL1Bがアクティブであり、選択信号SEL2、SEL2
Bは非アクティブである。また、任意の色(O)の画像情報V001が供給されている間
は、選択信号SEL1、SEL1Bは非アクティブであり、選択信号SEL2、SEL2
Bはアクティブである。
【0094】
これにより、青色(B)の画像情報V001が、ソース線32aを介して、最上段の1
つ下の段のゲート線33bに係る青色(B)のサブ画素SPに供給され、任意の色(O)
の画像情報V001が、ソース線32bを介して、最上段の1つ下の段のゲート線33b
に係る任意の色(O)のサブ画素SPに供給される。
【0095】
以上に述べた駆動制御を1V期間内において更に画像情報V640に対応する、GAT
E640a、GATE640bまで行う。
【0096】
以上のように、この液晶装置100では、単位画素Pにおいて、1H期間に、同一の行
方向に位置する2つのサブ画素SPを順次走査(2回の走査)して、その各々のサブ画素
SPを対応する各ソース線32により画像信号を供給する駆動方法を採用している。
【0097】
次に、比較例と比較した、第1実施形態に係る液晶装置100の特有の作用効果につい
て説明する。
【0098】
以下では、まず、図8(a)及び(b)を参照して、比較例に係るFFS方式の液晶装
置500の素子基板91xの構成及びその問題点について説明し、その後、比較例と比較
した第1実施形態の特有の作用効果について説明する。なお、比較例において、第1実施
形態と共通する要素については同一の符号を付し、その説明は簡略化又は省略する。
【0099】
図8(a)は、図2(a)に対応する、比較例に係る素子基板91xにおける1画素分
の平面構成を示す。図8(b)は、図8(a)の切断線C−C’に沿った、素子基板91
xにおける1サブ画素の断面構成を示す。なお、比較例の各サブ画素領域SG1は、第1
実施形態のサブ画素領域SGと異なり、サブ画素の並びである列方向に長辺を有すると共
に、その行方向に短辺を有する縦長領域であり、各サブ画素領域SG1の長辺の方向は、
ソース線32の延在方向に規定されている一方、各サブ画素領域SGの短辺の方向は、ゲ
ート線33の延在方向に規定されている。
【0100】
比較例に係る液晶装置500は、スイッチング素子としてα−Si型TFT素子23を
有する素子基板91xと、図示しないカラーフィルタ基板92との間に液晶が封入されて
液晶層4が形成されてなる。
【0101】
まず、素子基板91xの構成は次の通りである。
【0102】
比較例では、単位画素は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、他の色(O)の4色
を含む1行4列に配置された複数のサブ画素により構成されている。なお、比較例に係る
1つの画素領域AGの面積は、第1実施形態に係る1つの画素領域AGの面積と同一の大
きさに規定されている。
【0103】
第1基板1上には、サブ画素領域SG1毎にITO等からなる共通電極20(二点鎖線
で囲まれた領域)が設けられている。共通電極20は、サブ画素領域SGの行方向(短辺
方向)に短辺を有すると共に、サブ画素領域SGの列方向(長辺方向)に長辺を有する、
縦長状の長方形(縦ストライプ形状)に形成されている。共通電極20の一部上及び第1
基板1上には、図8(a)に示すように、Y方向に一定の間隔をおいて形成され、X方向
に延在する共通電極線20sが設けられている。このため、共通電極20は、共通電極線
20sに電気的に接続されている。共通電極線20sは、図示を省略するが素子基板91
x上の所定位置において共通電位用端子(COM端子)と電気的に接続されている。第1
基板1上には、Y方向に一定の間隔をおいてX方向に延在するようにゲート線33が設け
られている。ゲート線33は、隣接する単位画素に対応して設けられた共通電極線20s
の近傍位置に設けられている。
【0104】
共通電極20、共通電極線20s、ゲート線33及び第1基板1の上には、ゲート絶縁
膜50が形成されている。ゲート絶縁膜50上であって、後述するソース線32と、ゲー
ト線33の交差位置近傍には、α−Si型TFT素子23の要素となるα−Si層26が
設けられている。
【0105】
図8(a)において、ゲート絶縁膜50上には、Y方向に延在するようにソース線32
が設けられている。ソース線32は、α−Si層26上に重なるように折れ曲がり、当該
α−Si層26と電気的に接続される折れ曲がり部分32xを有する。また、α−Si層
26及びゲート絶縁膜50上には、ドレイン電極34が設けられている。このため、ドレ
イン電極34は、α−Si層26と電気的に接続されている。このため、ソース線32の
折れ曲がり部分32xは、α−Si層26を介してドレイン電極34に電気的に接続され
ている。こうして、その領域にはα−Si型TFT素子23が形成されている。
【0106】
ゲート絶縁膜50及びα−Si型TFT素子23上には、例えばSiNxなどからなる
パシベーション層54が形成されている。バシベーション層54は、共通電極20の一部
と重なる位置に且つドレイン電極34の一端側と重なる位置にコンタクトホール54aを
有する。
【0107】
パシベーション層54上には、サブ画素領域SG1毎にITOなどからなる画素電極1
0が形成されている。画素電極10は、サブ画素の並びである行方向に短辺10Sを有す
ると共に、サブ画素の並びである列方向に長辺10Lを有する、縦長状の長方形(縦スト
ライプ形状)に形成されている。画素電極10は、複数のスリット10xを有し、各スリ
ット10xは、細長状に且つサブ画素の並びである行(横)方向に延在するように形成さ
れて横ストライプ形状を構成し、各スリット10xの長辺10xaの延在方向は、画素電
極10の短辺10Sの延在方向及びゲート線33の延在方向に対して所定の角度だけ傾い
た方向に規定されている。画素電極10は、コンタクトホール54aを通じてドレイン電
極34に電気的に接続されている。このため、画素電極10には、ソース線32からのソ
ース信号(画像信号)がα−Si型TFT素子23を介して供給される。画素電極10等
の上には図示しない配向膜が形成されている。かかる配向膜には、第1実施形態と同様の
方向にラビング処理が施されている。
【0108】
以上の構成を有する比較例に係る液晶装置500では、その駆動時、第1実施形態に係
る液晶装置100と同様の原理により液晶の配向が制御され、透過型表示がなされる。
【0109】
このような構成を有する比較例では、次のような課題を有している。
【0110】
即ち、比較例では、図8(a)に示すように、画素電極10を縦ストライプ形状に形成
して、その各スリット10xを画素電極10の短辺10Sの延在方向に且つゲート線33
の延在方向に対して所定の角度だけ傾いた方向に規定している。このため、比較例では、
スリット10xを画素電極10の全体に亘って均一に設ける必要があるため、その構造上
、スリット10xの設定数が増加している。ここで、画素電極10の各スリット10xの
長辺10xaの方向の両端部のうち、いずれか一方の端部付近では、各スリット10xの
端部付近でない位置と比較してフリンジフィールド(電界E)のかかり方が変わり、液晶
分子が殆ど駆動されないドメイン領域(液晶の配向異常領域)DArが発生する。このた
め、このドメイン領域DArでは、明るさが低下して表示上暗い領域となってしまう。な
お、このドメイン領域DArは、現象的に、スリット10xの設定数分だけ発生し、且つ
、Y方向に隣接する各スリット10xの間では互い違いに且つ千鳥状に発生する。したが
って、比較例のように画素電極10に設けるスリット10xの数が多いほど明るさに寄与
しないドメイン領域DArは増加し、その分、液晶装置の透過率が著しく低下してしまう
という問題がある。
【0111】
したがって、画素構造を工夫して、サブ画素(画素電極10)に設けるスリット10x
の設定数をできる限り減らすことができれば、表示状態を適切な状態に保持しつつドメイ
ン領域DArを減らすことができ、上記のような問題を改善することができる。
【0112】
そこで、第1実施形態では、まず、単位画素を、2行2列に配置された4つのサブ画素
により構成する。そして、サブ画素に対応する画素電極10の形状を略正方形に形成し、
各画素電極10には、サブ画素領域SG毎に複数のスリット10xを設け、各スリット1
0xを、細長状に且つサブ画素の並びである行(横)方向に延在するに形成して、各スリ
ット10xの長辺10xaの延在方向を、サブ画素の並びである列方向及びソース線32
の延在方向と非同一の方向に規定する。本例では、各スリット10xの長辺10xaの延
在方向を、サブ画素の並びである行方向及びゲート線33の延在方向に対して所定の角度
だけ傾いた方向に規定している。但し、本発明では、各スリット10xの長辺10xaの
延在方向を、サブ画素の並びである行方向及びゲート線33の延在方向と同一の方向に規
定しても構わない。
【0113】
これにより、画素電極10の全体にスリット10xを均一に配置しつつ、比較例と比較
して、そのスリット10xの設定数を減らすことができる。例えば、比較例では、各サブ
画素に設けられるスリット10xの設定数は11個であるのに対して、第1実施形態では
、各サブ画素に設けられるスリット10xの設定数は7個となっている。このような構成
を有する第1実施形態では、液晶の駆動時に、図2(a)に示すように、各スリット10
xの長辺10xaの方向の両端部のうち、いずれか一方の端部付近にドメイン領域DAr
が生じるが、画素電極10に設定されるスリット10xの数を比較例と比較して減らして
いるので、それに伴ってドメイン領域DArを減らすことができる。その結果、液晶装置
100の透過率が低下するのを防止できる。
【0114】
また、第1実施形態では、図2(a)に示すように、画素電極10に設けるスリット1
0xの長辺10xaの延在方向を、サブ画素の並びである行方向及びゲート線33の延在
方向と概ね同一の方向に規定している。このため、液晶の駆動時に画素電極10と共通電
極20との間で生じるフリンジフィールド(電界E)は、ソース線32の延在方向に生じ
る。しかし、第1実施形態では、ソース線32の延在方向に相隣接するサブ画素の間隔は
、ゲート線33の延在方向に相隣接するサブ画素の間隔より大きいので、ソース線32の
延在方向に相隣接する任意のサブ画素に着目したときに、その一方のサブ画素に生じるフ
リンジフィールド(電界E)が他方のサブ画素にまで及ぶことはなく、当該他のサブ画素
に係る液晶分子を不要に動作させてしまうようなことはない。つまり、かかるスリット構
造を採用すれば、ソース線32の延在方向に相隣接する任意のサブ画素間において、その
夫々に生じるフリンジフィールド(電界E)が相互に影響を及ぼすのを防止できる。した
がって、その副次的な効果として、ソース線32に対応する位置では液晶の配向乱れが生
じ難いので、カラーフィルタ基板92側において、当該ソース線32に対応する位置には
BMを設けなくても構わない。
【0115】
また、第1実施形態では、上記したように2行2列に配置された4つのサブ画素により
単位画素が構成され、当該単位画素において、1行目に係る2つのサブ画素に対応する2
つの画素電極10(即ち、1行1列目のサブ画素に係る画素電極10及び1行2列目のサ
ブ画素に係る画素電極10)は、1つのゲート線33に電気的に共通接続されていると共
に、2行目に係る2つのサブ画素に対応する2つの画素電極10(即ち、2行1列目のサ
ブ画素に係る画素電極10及び2行2列目のサブ画素に係る画素電極10)は、他の1つ
のゲート線33に電気的に共通接続されている。また、当該単位画素において、1列目に
係る2つのサブ画素に対応する2つの画素電極10(即ち、1行1列目のサブ画素に係る
画素電極10及び2行1列目のサブ画素に係る画素電極10)は、1つのソース線32に
電気的に共通接続されていると共に、2列目に係る2つのサブ画素に対応する2つの画素
電極10(即ち、1行2列目のサブ画素に係る画素電極10及び2行2列目のサブ画素に
係る画素電極10)は、他の1つのソース線32に電気的に共通接続されている。このた
め、第1実施形態では、当該単位画素において、1H期間に、同一の行方向に位置する2
つのサブ画素が順次走査(2回の走査)され、その各々のサブ画素を対応する各ソース線
32により画像信号が供給される。
【0116】
したがって、上記した比較例に係る液晶装置と比較して2倍の駆動デューティで単位画
素が駆動される結果、表示品位の向上を図ることができる。ここで、比較例に係る液晶装
置は、1行4列に配置された4つのサブ画素により単位画素が構成されており、当該単位
画素内において、各サブ画素は1つのゲート線33に電気的に共通接続されていると共に
、対応する4つのソース線32の各々に電気的に接続されている。そのため、かかる液晶
装置では、1H期間内に単位画素内の4つのサブ画素が1つのゲート線により走査されて
、その各サブ画素は、それらに接続されたソース線32の各々により映像信号が供給され
る。
【0117】
[第2実施形態]
次に、図2(b)及び図4を参照して、本発明の第2実施形態に係る液晶装置200に
ついて説明する。
【0118】
図2(b)は、第2実施形態に係る素子基板93における1画素分の平面構成を示す。
なお、図2(b)では、素子基板91の説明に必要な最小限の要素のみ図示している。図
4は、図2(b)における切断線B−B’に沿った断面図を示すと共に、LTPS型TF
T素子21を通る位置で切断したときの1サブ画素を含む断面構成を示す。
【0119】
第2実施形態と第1実施形態とを比較した場合、主として、その両者は素子基板におい
て誘電膜たる第3絶縁膜53に対する、共通電極20と画素電極10の位置関係が逆にな
っており、それ以外の点はその両者は構成上共通している。よって、以下では、第1実施
形態と共通する要素については同一の符号を付し、その説明は簡略化又は省略する。
【0120】
具体的には、第1実施形態と異なる、素子基板93の部分の構成は次の通りである。
【0121】
即ち、第2実施形態は、第1実施形態と同様に2行2列に配置された4つのサブ画素に
より単位画素が構成され、各単位画素内における4つのサブ画素と、ゲート線33及びソ
ース線32との接続構成は第1実施形態と同様である。そして、素子基板93において、
平坦化膜たる第2絶縁膜52上には、サブ画素領域SG毎に画素電極10が略正方形の形
状を有するように設けられている。単位画素内において、各サブ画素に係る各画素電極1
0の面積はそれぞれ同一の大きさに設定されている。画素電極10とソース線32及びゲ
ート線33との平面的な位置関係は第1実施形態と同様である。画素電極10は、コンタ
クトホール52a内まで入り込むように設けられ、中継電極77と電気的に接続されてい
る。このため、画素電極10にはLTPS型TFT素子21を通じてソース線32から映
像信号が供給される。画素電極10及び第2絶縁膜52の上には、誘電膜たる第3絶縁膜
53が設けられている。第3絶縁膜53上には、共通電極20がべた状に設けられている
。共通電極20は、サブ画素領域SG毎に、複数のスリット20xを有し、各スリット2
0xは細長状に且つサブ画素の並びである行(横)方向に延在するに形成され、各スリッ
ト20xの長辺20xaの延在方向は、サブ画素の並びである列方向及びソース線32の
延在方向と非同一の方向に規定されている。本例では、各スリット20xの長辺20xa
の延在方向は、サブ画素の並びである行方向及びゲート線33の延在方向に対して所定の
角度だけ傾いた方向に規定されている。なお、これに代え、本発明では、各スリット20
xの長辺20xaの延在方向は、サブ画素の並びである行方向及びゲート線33の延在方
向と同一の方向に規定されていても構わない。なお、本例では、各スリット20xの長辺
20xaと繋がる、当該各スリット20xの短辺(符号は省略する)は曲線状の形状を有
するように形成されているが、これに限らず、本発明では、当該短辺の形状に限定はなく
、例えば直線状の形状に形成されていても構わない。また、共通電極20は、サブ画素領
域SG内において、複数のスリット20xのうち、コンタクトホール52aの近傍に位置
するスリット20xの一端側に、当該スリット20xと繋がる切り欠き部分20xbを有
する。切り欠き部分20xbは、コンタクトホール52aの面積より大きく形成され、当
該コンタクトホール52aに対応する位置に設けられている。
【0122】
以上の構成を有する第2実施形態では、2行2列に配置された4つのサブ画素により単
位画素が構成されている。そして、サブ画素に対応する画素電極10は、略正方形に形成
されている。また、共通電極20は、サブ画素毎に、複数のスリット20xを有し、各ス
リット20xは細長状に且つサブ画素の並びである行(横)方向に延在するに形成され、
各スリット20xの長辺20xaの延在方向は、サブ画素の並びである列方向及びソース
線32の延在方向と非同一の方向に規定されている。本例では、各スリット20xの長辺
20xaの延在方向は、サブ画素の並びである列方向及びゲート線33の延在方向に対し
て所定の角度だけ傾いた方向に規定されている。
【0123】
これにより、スリット20xを共通電極20の全体に均一に配置しつつ、下記想定の比
較例と比較して、そのスリット20xの設定数を減らすことができる。ここで、かかる比
較例は、上記した比較例において、第3絶縁膜53に対する画素電極10と共通電極20
の位置関係を逆にした断面構成を有し、共通電極20に設けるスリット20xが細長状に
且つサブ画素の並びである行(横)方向に延在するように形成されて横ストライプ形状を
有し、各スリット20xの長辺20xaの延在方向が、画素電極10の短辺10Sの延在
方向及びゲート線33の延在方向に規定されている、又は当該延在方向に対して所定の角
度だけ傾いた方向に規定されているものと想定されたい。よって、このような構成を有す
る第2実施形態では、液晶の駆動時に、図2(b)に示すように、各スリット20xの長
辺20xaの方向の両端部のうち、いずれか一方の端部付近にドメイン領域DArが生じ
るが、共通電極20に設定されるスリット20xの数を当該想定の比較例と比較して減ら
しているので、それに伴ってドメイン領域DArを減らすことができる。その結果、液晶
装置200の透過率が低下するのを防止できる。
【0124】
また、第2実施形態では、図2(b)に示すように、共通電極20に設けるスリット2
0xの長辺20xaの延在方向を、サブ画素の並びである行方向及びゲート線33の延在
方向と概ね同一の方向に規定している。このため、液晶の駆動時に画素電極10と共通電
極20との間で生じるフリンジフィールド(電界E)は、ソース線32の延在方向に生じ
る。しかし、第2実施形態では、ソース線32の延在方向に相隣接するサブ画素の間隔は
、第1実施形態と同様にゲート線33の延在方向に相隣接するサブ画素の間隔より大きく
設定されており、ソース線32の延在方向に相隣接する任意のサブ画素に着目したときに
、その一方のサブ画素に生じるフリンジフィールド(電界E)が他方のサブ画素にまで及
ぶことはなく、当該他のサブ画素に係る液晶分子を不要に動作させてしまうようなことは
ない。つまり、かかるスリット構造を採用すれば、ソース線32の延在方向に相隣接する
任意のサブ画素において、その夫々に生じるフリンジフィールド(電界E)が相互に影響
を及ぼすのを防止できる。
【0125】
また、第2実施形態では、上記したように2行2列に配置された4つのサブ画素により
単位画素が構成され、当該単位画素において、1行目に係る2つのサブ画素に対応する2
つの画素電極10とゲート線33及びソース線32との接続構成、及び、2行目に係る2
つのサブ画素に対応する2つの画素電極10とゲート線33及びソース線32との接続構
成は、上記した第1実施形態と同様の構成を有する。このため、第2実施形態では、当該
単位画素において、1H期間に、同一の行方向に位置する2つのサブ画素が順次走査(2
回の走査)され、その各々のサブ画素を対応する各ソース線32により画像信号が供給さ
れる。よって、上記した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0126】
[変形例]
上記の第1及び第2実施形態では、単位画素内の4つのサブ画素は、それぞれ略同一の
面積を有する大きさに設定されていた。これに限らず、本発明では、必要に応じて、ホワ
イトバランスの調整(色調整)をするために、単位画素内において、4つのサブ画素の面
積を変える構成を採用しても構わない。以下、この構成例について、図9及び図10を参
照して説明する。なお、上記した第1実施形態と同一の要素については同一の符号を付し
、その説明は簡略化又は省略する。
【0127】
図9(a)及び図10(a)は、それぞれ、図2(a)に対応する画素構造を示し、単
位画素内の4つのサブ画素の面積を変えた変形例に係る1画素分の平面構成を示す。図9
(b)及び図10(b)は、それぞれ、図2(b)に対応する画素構造を示し、単位画素
内の4つのサブ画素の面積を変えた変形例に係る1画素分の平面構成を示す。
【0128】
図9及び図10に示す変形例において、単位画素は、第1実施形態と同様に、2行2列
に配置された4つのサブ画素により構成される。但し、かかる変形例では、単位画素内に
おいて、赤色(R)のサブ画素に係る画素電極10、緑色(G)のサブ画素に係る画素電
極10、青色(B)のサブ画素に係る画素電極10、及び他の色(O)のサブ画素に係る
画素電極10のうち、少なくとも1つのサブ画素に係る画素電極10の面積が、他のサブ
画素に係る画素電極10の面積と非同一の大きさに設定されている。
【0129】
まず、図9(a)及び図9(b)に示す変形例に係る画素構造等について説明する。こ
こで、図9(a)に示す変形例の断面構成は、図2(a)に示す第1実施形態の断面構成
に対応していると共に、図9(b)に示す変形例の断面構成は、図2(b)に示す第2実
施形態の断面構成に対応している。
【0130】
図9(a)及び図9(b)に係る変形例において、単位画素内では、サブ画素の並びで
ある同一の列方向(Y方向又は縦方向)に配置されたサブ画素の各々の面積は非同一の大
きさに設定されている。具体的には、図9(a)及び図9(b)に係る変形例では、単位
画素内において、赤色(R)のサブ画素に係る画素電極10と、青色(B)のサブ画素に
係る画素電極10との相対的な面積は非同一の大きさに設定されていると共に、緑色(G
)のサブ画素に係る画素電極10と、他の色(O)のサブ画素に係る画素電極10との相
対的な面積は非同一の大きさに設定されている。
【0131】
このように、図9(a)及び図9(b)に示す変形例では、単位画素内の4つのサブ画
素の面積を全て同一の大きさとするのではなく、必要に応じて、単位画素内の各サブ画素
の面積を上記のように変えることにより、ホワイトバランスの調整をすることができる。
【0132】
また、第1実施形態では、単位画素において、1行1列目に配置された赤色(R)に係
るサブ画素及び1行2列目に配置された緑色(G)に係るサブ画素を各々駆動するゲート
線33は、当該赤色(R)に係るサブ画素及び当該緑色(G)に係るサブ画素と、2行1
列目に配置された青色(B)に係るサブ画素及び2行2列目に配置された他の色(O)に
係るサブ画素との間に配置されていた。これに対して、図9(a)及び図9(b)に示す
変形例では、1行1列目に配置された赤色(R)に係るサブ画素及び1行2列目に配置さ
れた緑色(G)に係るサブ画素を各々駆動するゲート線33は、当該赤色(R)に係るサ
ブ画素及び当該緑色(G)に係るサブ画素と、当該赤色(R)に係るサブ画素及び当該緑
色(G)に係るサブ画素に対してY方向に隣接する図示しない他の単位画素内の、2行1
列目に配置された青色(B)に係るサブ画素及び2行2列目に配置された他の色(O)に
係るサブ画素との間に配置される。これにより、第1実施形態と同様に上記した比較例と
比較して2倍の駆動デューティで単位画素が駆動される結果、表示品位の向上を図ること
ができる。なお、図9(a)及び図9(b)に示す変形例において、その他の構成は第1
実施形態と同様である。
【0133】
次に、図10(a)及び図10(b)に示す変形例に係る画素構造について説明する。
ここで、図10(a)に示す変形例の断面構成は、図2(a)に示す第1実施形態の断面
構成に対応していると共に、図10(b)に示す変形例の断面構成は、図2(b)に示す
第2実施形態の断面構成に対応している。
【0134】
図9(b)及び図10(b)に係る変形例において、単位画素内では、サブ画素の並び
である同一の行方向(X方向又は横方向)に配置されたサブ画素の各々の面積は非同一の
大きさに設定されている。具体的には、図10(a)及び図10(b)に示す変形例では
、単位画素内において、赤色(R)のサブ画素に係る画素電極10と、緑色(G)のサブ
画素に係る画素電極10との相対的な面積は非同一の大きさに設定されていると共に、青
色(B)のサブ画素に係る画素電極10と、他の色(O)のサブ画素に係る画素電極10
との相対的な面積は非同一の大きさに設定されている。
【0135】
このように、図10(a)及び図10(b)に示す変形例では、図9(a)及び図9(
b)に示す変形例と同様に、必要に応じて、単位画素内の各サブ画素の面積を上記のよう
に変えることにより、ホワイトバランスの調整をすることができる。なお、図10(a)
及び図10(b)に示す変形例では、単位画素内の4つのサブ画素と、その各サブ画素を
各々駆動する2つのゲート線33の位置関係、及び、その他の構成は第1実施形態と同様
である。
【0136】
また、上記の各種実施形態では、単位画素は2行2列に配置された複数のサブ画素によ
り構成されていたが、これに限らず、本発明では、単位画素は、複数行と複数列で構成さ
れる複数のサブ画素により構成されていても構わない。
【0137】
また、上記の各種実施形態では、走査線駆動回路41を1つだけ設け、その走査線駆動
回路41からサブ画素側へ延在するようにゲート線33を引き回していたが、これに限ら
ず、本発明では、図11に示すように、有効表示領域Vを挟むように2つの走査線駆動回
路41を設け、その各々からサブ画素側へ延在するように当該ゲート線33を交互に引き
回すようにしても構わない。
【0138】
また、本発明では、信号線駆動回路40の構成は、上記の第1実施形態の構成に限定さ
れず、例えば、1つずつのサブ画素にソース線32を介して順次画像情報を書き込む点順
次駆動回路などの既知の各種の回路により構成されていても構わない。
【0139】
また、本発明では、共通電極20に係る時定数に問題が無ければ、上記の各種の実施形
態及び各種の変形例において、金属膜等により形成される共通電極線を適当な位置に設け
、共通電極20が共通電極線を介して共通電位用端子に接続される構成としても構わない

【0140】
また、上記の各種の実施形態等では、本発明を透過型の液晶装置に適用することとした
が、これに限らず、本発明を反射型又は半透過反射型の液晶装置に適用することとしても
構わない。
【0141】
また、上記の各種の実施形態等では、本発明を、LTPS型TFT素子21を有する液
晶装置に適用した。これに限らず、本発明では、その趣旨を逸脱しない範囲において、P
−Si型のTFT素子若しくはα−Si型のTFT素子などに代表される三端子型素子、
或いはTFD素子に代表される二端子型非線形素子に本発明を適用しても構わない。
【0142】
その他、本発明では、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形をすることができ
る。
【0143】
[他の実施形態]
上記の説明では、第1及び第2の実施形態及び各種の変形例において、4色の着色領域
として、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、任意の色(Other)の4色の着色領
域の一例を挙げて説明したが、本発明の適用はこれには限定されず、他の4色の着色領域
により1つの画素領域を構成することもできる。
【0144】
この場合、4色の着色領域は、波長に応じて色相が変化する可視光領域(380〜78
0nm)のうち、青系の色相の着色領域(「第1着色領域」とも呼ぶ。)、赤系の色相の
着色領域(「第2着色領域」とも呼ぶ。)と、青から黄までの色相の中で選択された2種
の色相の着色領域(「第3着色領域」、「第4着色領域」とも呼ぶ。)からなる。ここで
「系」との語を用いているが、例えば青系であれば純粋の青の色相に限定されるものでな
く、青紫や青緑等を含むものである。赤系の色相であれば、赤に限定されるものでなく橙
を含む。また、これら着色領域は単一の着色層で構成されても良いし、複数の異なる色相
の着色層を重ねて構成されても良い。また、これら着色領域は色相で述べているが、当該
色相は、彩度、明度を適宜変更し、色を設定し得るものである。
【0145】
具体的な色相の範囲は、
・青系の色相の着色領域は、青紫から青緑であり、より好ましくは藍から青である。
・赤系の色相の着色領域は、橙から赤である。
・青から黄までの色相で選択される一方の着色領域は、青から緑であり、より好ましくは
青緑から緑である。
・青から黄までの色相で選択される他方の着色領域は、緑から橙であり、より好ましくは
緑から黄である。もしくは緑から黄緑である。
【0146】
ここで、各着色領域は、同じ色相を用いることはない。例えば、青から黄までの色相で
選択される2つの着色領域で緑系の色相を用いる場合は、他方は一方の緑に対して青系も
しくは黄緑系の色相を用いる。
【0147】
これにより、従来のRGBの着色領域よりも広範囲の色再現性を実現することができる

【0148】
また、上記では4色の色相の着色領域による広範囲の色再現性を色相で述べたが、着色
領域を透過する波長で表現すると以下のようになる。
・青系の着色領域は、該着色領域を透過した光の波長のピークが415〜500nmにあ
る着色領域、好ましくは、435〜485nmにある着色領域である。
・赤系の着色領域は、該着色領域を透過した光の波長のピークが600nm以上にある着
色領域で、好ましくは、605nm以上にある着色領域である。
・青から黄までの色相で選択される一方の着色領域は、該着色領域を透過した光の波長の
ピークが485〜535nmにある着色領域で、好ましくは、495〜520nmにある
着色領域である。
・青から黄までの色相で選択される他方の着色領域は、該着色領域を透過した光の波長の
ピークが500〜590nmにある着色領域、好ましくは510〜585nmにある着色
領域、もしくは530〜565nmにある着色領域である。
【0149】
この波長は、透過表示の場合は、照明装置からの照明光がカラーフィルタを通して得ら
れた数値である。反射表示の場合は、外光を反射して得られた数値である。
【0150】
さらに、4色の色相の着色領域をx−y色度図で表現すると以下のようになる。
・青系の着色領域は、x≦0.151、y≦0.200にある着色領域であり、好ましくは、0.134
≦x≦0.151、0.034≦y≦0.200にある着色領域である。
・赤系の着色領域は、0.520≦x、y≦0.360にある着色領域であり、好ましくは、0.550
≦x≦0.690、0.210≦y≦0.360にある着色領域である。
・青から黄までの色相で選択される一方の着色領域は、x≦0.200、0.210≦yにある着色
領域であり、好ましくは、0.080≦x≦0.200、0.210≦y≦0.759にある着色領域である。
・青から黄までの色相で選択される他方の着色領域は、0.257≦x、0.450≦yにある着色
領域であり、好ましくは、0.257≦x≦0.520、0.450≦y≦0.720にある着色領域である。
【0151】
このx−y色度図は、透過表示の場合は、照明装置からの照明光がカラーフィルタを通
して得られた数値である。反射表示の場合は、外光を反射して得られた数値である。
【0152】
これら4色の着色領域は、サブ画素に透過領域と反射領域を備えた場合、透過領域及び
反射領域も上述した範囲で適用することができるものである。
【0153】
なお、本例における4色の色相の着色領域を用いた場合、バックライト(照明装置)に
は、上記のようにRGBの光源としてのLED(Light Emitting Diode)、或いは蛍光管
、有機EL(organic electroluminescence)などを用いても良い。または白色光源を用
いても良い。なお、白色光源は、上記のように青の発光体とYAG系蛍光体により生成され
る白色光源でもよい。
【0154】
但し、RGB光源としては、以下のものが好ましい。
・Bは発光する光の波長のピークが435nm〜485nmにあるもの
・Gは発光する光の波長のピークが520nm〜545nmにあるもの
・Rは発光する光の波長のピークが610nm〜650nmにあるもの
そして、RGB光源の波長によって、上記した着色層を適切に選定すればより広範囲の
色再現性を得ることができる。また、波長が例えば、450nmと565nmにピークが
くるような、複数のピークを持つ光源を用いても良い。
【0155】
上記の4色の色相の着色領域の構成の例としては、具体的には以下のものが挙げられる

・色相が、赤、青、緑、シアン(青緑)の着色領域。
・色相が、赤、青、緑、黄の着色領域
・色相が、赤、青、深緑、黄の着色領域
・色相が、赤、青、エメラルドグリーン、黄緑の着色領域
・色相が、赤、青、エメラルドグリーン、黄の着色領域
・色相が、赤、青、深緑、黄緑の着色領域
[電子機器]
次に、上記の各種の実施形態に係る液晶装置を適用可能な電子機器の具体例について図
12を参照して説明する。
【0156】
まず、上記の各種の実施形態に係る液晶装置を、可搬型のパーソナルコンピュータ(い
わゆるノート型パソコン)の表示部に適用した例について説明する。図12(a)は、こ
のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。同図に示すように、パーソナルコ
ンピュータ710は、キーボード711を備えた本体部712と、本発明に係る液晶表示
装置をパネルとして適用した表示部713とを備えている。
【0157】
続いて、上記の各種の実施形態に係る液晶装置を、携帯電話機の表示部に適用した例に
ついて説明する。図12(b)は、この携帯電話機の構成を示す斜視図である。同図に示
すように、携帯電話機720は、複数の操作ボタン721のほか、受話口722、送話口
723とともに、上記の各種の実施形態に係る液晶装置を適用した表示部724を備える

【0158】
なお、上記の各種の実施形態に係る液晶装置を適用可能な電子機器としては、図12(
a)に示したパーソナルコンピュータや図12(b)に示した携帯電話機の他にも、液晶
テレビ、ビューファインダ型・モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーショ
ン装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電
話、POS端末、ディジタルスチルカメラなどが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0159】
【図1】本発明の第1実施形態に係る液晶装置の構成を模式的に示す平面図。
【図2】第1及び第2実施形態に係る画素構成等を示す拡大平面図。
【図3】第1実施形態に係るサブ画素を含む要部断面図。
【図4】第2実施形態に係るサブ画素を含む要部断面図。
【図5】第1実施形態に係る液晶装置の電気的等価回路を示すブロック図。
【図6】信号線駆動回路内に設けられたデマルチプレクサ単位回路の構成を示す。
【図7】第1実施形態の液晶装置の駆動方法に係るタイミングチャート。
【図8】比較例に係る画素構成を示す拡大平面図及び要部断面図。
【図9】第1及び第2実施形態に対応する変形例の画素構成等を示す拡大平面図。
【図10】第1及び第2実施形態に対応する変形例の画素構成等を示す拡大平面図。
【図11】信号線駆動回路を2つ設けた他の変形例の構成を模式的に示す平面図。
【図12】本発明の液晶装置を適用した電子機器の例。
【符号の説明】
【0160】
1 第1基板、 2 第2基板、 4 液晶層、 10 画素電極、 10x スリッ
ト、 20 共通電極、 20x スリット、 20xa 長辺、 21 LTPS型T
FT素子、 32 ソース線、 33 ゲート線、 40 信号線駆動回路、 41 走
査線駆動回路、 91、93 素子基板、 92 カラーフィルタ基板、 100、20
0 液晶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数行と複数列で構成される複数のサブ画素を単位画素として構成される基板を備え、
前記基板は、スイッチング素子と、少なくとも前記スイッチング素子の上側に設けられ
た絶縁膜と、前記絶縁膜の上側に設けられた第1の透明電極と、前記第1の透明電極の上
側に設けられた他の絶縁膜と、前記他の絶縁膜の上側に設けられ、前記サブ画素毎に形成
された複数のスリットを有すると共に前記第1の透明電極との間で前記スリットの各々を
通じて電界を発生させる第2の透明電極と、を備え、
前記スリットの各々の長辺の延在方向は、前記列方向と非同一の方向に規定されている
ことを特徴とする液晶装置。
【請求項2】
前記スリットの各々の長辺の延在方向は、前記行方向又は前記行方向に対して所定の角
度だけ傾いた方向に規定されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
【請求項3】
前記スイッチング素子の各々に電気的に接続され、前記列方向に延在する複数の第1の
配線及び前記行方向に延在する複数の第2の配線を有し、
前記スリットの各々の長辺の延在方向は、前記複数の第2の配線の延在方向と同一の方
向又は前記複数の第2の配線の延在方向に対して所定の角度だけ傾いた方向に規定されて
いることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶装置。
【請求項4】
前記第1の透明電極は、共通電位に接続された共通電極であると共に、前記第2の透明
電極は、前記サブ画素毎に形成され、前記絶縁膜及び前記他の絶縁膜の各々に設けられた
コンタクトホールを介して前記スイッチング素子と電気的に接続された単位サブ画素電極
であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液晶装置。
【請求項5】
前記第1の透明電極は、前記サブ画素毎に形成され、前記絶縁膜に設けられたコンタク
トホールを介して前記スイッチング素子と電気的に接続された単位サブ画素電極であると
共に、前記第2の透明電極は、共通電位に接続された共通電極であることを特徴とする請
求項1乃至3のいずれか一項に記載の液晶装置。
【請求項6】
前記基板と液晶を挟んで対向する対向基板を備え、
前記対向基板側において、前記単位画素内の前記複数の前記サブ画素の各々に対応する
位置には任意の単一色よりなる着色層が設けられ、当該サブ画素の各々の面積は同一の大
きさに設定されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
【請求項7】
前記基板と液晶を挟んで対向する対向基板を備え、
前記対向基板側において、前記単位画素内の前記複数の前記サブ画素の各々に対応する
位置には任意の単一色よりなる着色層が設けられ、当該複数のサブ画素のうち少なくとも
1つの前記サブ画素の面積は、他の前記サブ画素の面積と非同一の大きさに設定されてい
ることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
【請求項8】
前記単位画素内において、同一の前記行方向又は同一の前記列方向に配置されたサブ画
素の各々の面積は非同一の大きさに設定されていることを特徴とする請求項7に記載の液
晶装置。
【請求項9】
前記電界は、前記基板と略平行な方向及び略垂直な方向に強い電界成分を有することを
特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の液晶装置を表示部として備えることを特徴とす
る電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−264367(P2007−264367A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−90375(P2006−90375)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(304053854)エプソンイメージングデバイス株式会社 (2,386)
【Fターム(参考)】