説明

液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置及び画像形成装置

【課題】 本発明は、ノズル板に形成するノズル孔の精度を高め、吐出インク滴の高い着弾位置精度を実現するとともに、生産性に優れた液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】 本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法によれば、マスクに形成された所定のノズル孔パターンにレーザビームを照射してマスクのノズル孔パターンを透過して加工試料に照射する。そして、加工試料をノズル孔パターンの配列方向に移動させてレーザビーム内の異なった複数のビーム領域を用いて加工試料にノズル孔を形成する。よって、ノズル孔の精度及び形状のばらつきが抑えられ、均一化されたノズル孔が形成可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置及び画像形成装置に関し、詳細にはインク滴の着弾位置精度が高い記録用のインク滴を吐出するための液滴吐出ヘッドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にプリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ等の画像記録装置として用いる液滴吐出ヘッドは、液滴を吐出する複数のノズル孔が形成されたノズル板と、ノズル孔に連通して吐出されるインク液を貯留するためのインク液室と、インク液室内のインクにエネルギーを作用させるためのエネルギー発生素子より構成されている。このように構成された液滴吐出ヘッドにおいては、記録信号によってエネルギー発生素子が駆動され、対応したノズル孔よりインク液滴を吐出し画像が形成されるものである。
【0003】
近年、このような液滴吐出ヘッドを有するインクジェット記録装置では記録画像の高画質化が進んでおり、現在では1200dpi相当の高精彩な画像が実用化されつつある。このような高精彩な画像を形成するためには吐出されるインク液滴の微小化をはじめ、高密度化と高い着弾位置精度が要求されることになる。
【0004】
このような微小かつ高密度なノズル孔を形成する方法として、特許文献1〜5に提示されるように、現在レーザ光を用いた形成方法が広く知られている。一般的にはノズル孔の開口パターンが形成された遮光マスクにエキシマレーザを照射し、マスクパターンを透過させてノズル孔を形成する方法が用いられている。特徴としてマスクに複数のノズルパターンを形成することで、多数のノズル孔を一括で、あるいはそれらを繰り返し行うことでノズル孔が形成できるため、生産性に優れた工法である。
【0005】
しかし、上記のように多数のノズル孔を一括(以降、「ノズル孔群」とする)に形成した場合に、隣り合うノズル孔群のノズル孔ピッチに誤差が発生し、これによってインク滴の着弾位置精度が損なわれるという問題が生じている。このようにインク滴の着弾位置にずれが生じた場合には、ノズル孔群の加工単位毎にスジ状の印字不良が発生し印刷品質が低下してしまう。例えば、レーザ光の直進性が十分に得られていない場合などでは、形成されるノズル孔の垂直度(ノズル出口孔と入射孔の軸性)が、ノズル孔群の中心部と端部とで差が生じ、インク滴の着弾位置ずれにつながっている。このような場合では、多くはノズル孔群の中心部では垂直度が真っ直ぐあるのに対して、ノズル孔群の端部のノズル孔の垂直度はノズル孔群の中心方向に向く、あるいはノズル孔群の外側方向に向くなどから、インク滴が中心部の方向に寄る、あるいは外側方向に寄るなどのスジ状の印字不良につながっている。特にこれらのスジ障害は、形成されたノズル孔群の境界部で多く発生するもので、またそれらが周期的に発生することから、印字画像の品質として大きな課題となっている。
【0006】
ここで、従来から用いられているエキシマレーザ装置の概要と加工方法について図13を用いて以下に説明する。エキシマレーザ装置全体の構成を示す図13の(a)において、レーザ発振機21は波長248nmのKrFエキシマレーザを発振し、レーザ発振機21からのレーザ光22は、反射ミラー23を介してホモジェナイザー24に入射される。そして、ホモジェナイザー24はレーザ光の全領域においてエネルギーを均一化させ、フィールドレンズ25によって集光されたレーザ光は所望のノズル孔パターンを形成したマスク26を透過する。透過したレーザ光は加工試料29の面に縮小転写するための集光レンズ27を介して、加工試料29を保持し、移動させる加工ステージ28上の加工試料29に集束され、ノズル孔が形成される。このように構成されたエキシマレーザ装置では、エキシマレーザ装置の主要部の構成を示す図13の(b)からわかるように、マスク26によって形成されたノズル孔群が加工試料面に縮小転写されるもので、加工試料29の移動とレーザ照射を繰り返すことで所望のノズル孔及びノズルパターンが形成される。
【特許文献1】特開2003−341069号公報
【特許文献2】特開2007−118585号公報
【特許文献3】特開平06−171082号公報
【特許文献4】特開2006−218712号公報
【特許文献5】特許第2,763,563号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述したように、印字画像の高画質化に向けては、現状のエキシマレーザ加工装置では性能面で不十分であることがわかってきた。すなわち従来の加工方法では形成されたノズル孔の精度においては、インク滴の着弾精度が十分でなく、スジ障害が発生する状況が判明してきた。一般的に、エキシマレーザによるノズル形成のおいては、ノズル孔の加工精度を得るためには、図13のフィールドレンズ25、マスク26、集光レンズ27などの光学素子の配置設計、及びホモジェナイザー24によるエネルギー分布の均一化が重要な要件となり、それらを考慮してシステムが構成されるが、実際にはレーザ光22内でのビーム特性に微小な変動、あるいはばらつきが生じ、加工精度を悪化させる要因となっている。例えば加工に用いられるレーザ光22の中で、周囲でエネルギーが低下するなど、微小にエネルギー分布の不均一が生じている。あるいは、レーザ光22の直進性に不均一が生じている不具合などから、一括に形成されたノズル孔群の中心部と周囲部で、開孔されたノズル孔の垂直度が異なるなどの問題がわかってきた。図14からわかるように、マスク26を透過したレーザ光22の周辺領域ではエネルギー分布あるいは直進性が劣ることから、端部で形成されたノズル孔の直進性及びノズル孔形状に問題が生じている。よって、このようなノズル孔から吐出されるインク滴は設計値より外側に着弾される不具合が分かってきた。
【0008】
本発明はこれらの問題点を解決するためのものであり、ノズル板に形成するノズル孔の精度を高め、吐出インク滴の高い着弾位置精度を実現するとともに、生産性に優れた液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記問題点を解決するために、複数のノズル孔パターンが配列されたマスクを用いて、マスクを透過したレーザビームを照射することにより、ノズル板にノズル孔を形成する、本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法によれば、ノズル孔パターンは複数回のレーザビーム照射により開孔されるとともに、ノズル孔パターンがマスクの少なくとも2つ以上の異なる位置のノズル孔パターンを透過したレーザビームにより開孔される。よって、ノズル孔の垂直度を高めることで、インク滴の高い着弾位置精度を実現でき、特にエキシマレーザ光の端部で発生する微小なレーザ光の広がり成分の影響を回避することができる。
【0010】
また、レーザビーム照射毎に異なった位置のノズル孔パターンを使用することにより、ノズル孔の精度及び形状のばらつきが抑えられ、均一化されたノズル孔が形成可能となる。
【0011】
更に、マスクに形成された複数のノズル孔パターンの配列方向に沿ってノズル板が移動するステップと、レーザビームが照射されるステップとを繰り返し行うことでノズル板にノズル孔が形成され、マスクに形成されたノズル孔数をNとし、ノズル板に形成されるノズルピッチをPとすると、ノズル板の送りピッチがノズル孔の加工分割数B(Bは正の整数)に応じて、(Bの整数倍+1)回目の加工時は(N−B+1)×Pの送りピッチであり、(Bの整数倍+1)回目以外の加工時はPの送りピッチである。よって、形成されるノズル孔の垂直度が均等化され、加工精度及び形状が安定したノズル孔が形成可能となるとともに、ノズル孔群間の隣接ノズル間のノズル精度の変化が緩やかになることから画像品質上問題となってきた画像のスジに対して有効である。
【0012】
また、本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法によれば、マスクに形成された所定のノズル孔パターンにレーザビームを照射してマスクのノズル孔パターンを透過して加工試料に照射する。そして、加工試料をノズル孔パターンの配列方向に移動させてレーザビーム内の異なった複数のビーム領域を用いて加工試料にノズル孔を形成する。よって、ノズル孔の精度及び形状のばらつきが抑えられ、均一化されたノズル孔が形成可能となる。
【0013】
更に、ノズル孔を貫通させないレーザビームの照射パルス数のレーザビームを加工試料に照射する第1の工程と、加工試料をノズル孔パターンの配列方向に移動させる第2の工程とを、交互に複数回繰り返す。よって、ノズル孔の均一化が可能となる。
【0014】
また、レーザビーム内の異なった複数のビーム領域の区分数と、第1の工程と第2の工程を繰り返す数が同数であることにより、効率的なノズル孔の加工が可能となる。
【0015】
更に、レーザビームがエキシマレーザであることが好ましく、加工残渣のない、形状に優れたノズル孔の形成が可能となる。
【0016】
また、ノズル板がポリイミド樹脂で形成されることにより、加工残渣のない、形状に優れたノズル孔の形成が可能となる。
【0017】
更に、別の発明としての液滴吐出ヘッドは、上記液滴吐出ヘッドの製造方法によって製造される。よって、加工試料のハンドリング、及び装置の自動搬送対応が可能となり、生産性に優れたノズル孔の加工が可能となる。また、貫通部を有した流路基板と接合することで、流路基板側からエキシマレーザを照射することが可能となり、インクの吐出方向に対して、先細りしたテーパー形状のノズル孔の形成が可能となる。
【0018】
また、別の発明としての液滴吐出装置は、上記液滴吐出ヘッドを有している。よって、液滴の高い着弾精度の微小液滴が形成できる液滴吐出装置を提供できる。
【0019】
更に、別の発明としての画像形成装置は、上記液滴吐出ヘッドから液滴を吐出させて画像を形成する。よって、液滴、例えばインク滴の高い着弾精度によって高画質な画像形成が可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の液滴吐出ヘッドは、エキシマレーザ光の複数のビーム領域を用いてノズル孔を形成することで、ノズル孔の精度及び形状のばらつきが抑えられ、均一化されたノズル孔が形成可能となる。特にレーザ光の周囲ではレーザ光の発散成分に起因したノズル孔の形状不良に対して効果が大きいものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は本発明の一実施の形態に係る液滴吐出ヘッドの構成を示す分解斜視図である。図2は図1のA−A’線断面図である。両図に示す本実施の形態の液滴吐出ヘッド10は、ノズル板11と流路ユニット12と振動基板13とアクチュエータ基板14を積層して構成されている。そして、ノズル板11はポリイミドシートより形成されており、ノズル孔15が配列されている。流路ユニット12にはノズル孔15に連通した連通孔16とインク液室17が形成されている。また、流路ユニット12はシリコン基板より形成されている。振動基板13にはインク液室17に対応し、かつインク液室17の一面を形成するダイヤフラム状の振動板18が形成されている。また、振動基板13としてNi材が用いられている。アクチュエータ基板14にはインク液室17及び振動板18に対応した圧電素子19が配列されている。更に、ノズル板11は25μm厚のポリイミドシートで形成されており、図2に示すように上層に撥水層20が0.01μm形成されている。また、ノズル孔15は吐出面より流路側に向けてテーパー状の広がった形状で形成されている。ここでノズル孔15の開口径は21μmとしている。また、撥水層20としてフッ素系のコーティング膜を用いている。
【0022】
このように構成された本実施の形態の液滴吐出ヘッド10において、外部の電気回路(図示しない)から供給される駆動信号によって、アクチュエータ基板14上に形成された圧電素子19が電気機械変換作用によって収縮し、圧電素子19に対応した振動板18に変位をもたらす。この振動板18の変位によって流路ユニット12に形成されたインク液室17に貯留されたインクに圧力が作用し、インク液室17に連通した連通孔16を経て、インク液滴がノズル孔15から吐出される。
【0023】
次に、本発明の主要な課題であるノズル孔の形成方法について説明する。上述したように、図13の従来例と同様に従来よりエキシマレーザ光22をマスク26を介して、加工試料29にレーザ光22を照射することによって、マスク26に形成されたノズル孔群が加工試料29面上に縮小投影され、ノズル孔が形成されるものであるが、本発明ではノズル孔の加工工程でノズル板となる加工試料を移動させ、複数のレーザ光領域を用いてノズル孔を形成するものである。
【0024】
図3は本発明の第1の実施の形態に係る液滴吐出ヘッドのノズル孔加工工程を示す概略構成図である。図4はノズル孔加工工程によるノズル孔形成の様子を示す概略断面図である。両図において図13と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。両図に示す本実施の形態の液滴吐出ヘッドのノズル孔加工工程ではレーザ光をノズル配列方向に対して3つのエリアに分け、まず図3の(a)及び図4の(a)に示すようにエリア1で一括加工の3分の1に相当する穴あけを行い、レーザ光22の照射を一旦停止する。次に、加工ステージ28を移動させることによりノズル板となる加工試料29を移動させ、図3の(b)及び図4の(b)に示すようにエリア2のレーザ光22で先と同様に3分の1相当の穴あけを行う。更に、加工ステージ28を移動させることによりノズル板となる加工試料29を移動させ、図3の(c)及び図4の(c)に示すように同様にエリア3のレーザ光22によって3分の1相当の穴あけを行うことで、ノズル孔の形成を行う。詳細にはマスク26に孔のノズル孔群が形成されており、孔のピッチでノズル板の加工試料29の移動とレーザ光の照射を交互に繰り返すことでノズル孔を形成している。従来ではノズル孔を形成するために、エキシマレーザ光を180パルス照射していたものに対して、本実施の形態では3分の1に分割する形で各エリアでの照射パルスを60パルスとしてノズル孔を形成している。液滴吐出ヘッドでは、例えば全部で192個の孔のノズル孔を有している場合、これらを20回繰り返し行うことで、全部のノズル孔が形成される。なお、上記実施の形態では例としてレーザ光領域を3つに区分することを想定したが、区分数は特に限定されたものではない。多区画に区分するほど形成されるノズル孔の精度及び形状の均一化が図れるが、反面スループットの低下にもつながることから、ノズル孔の数量などより適宜設定できるものである。
【0025】
図5は本発明の第2の実施の形態に係る液滴吐出ヘッドのノズル孔加工工程によるノズル孔形成の様子を示す概略断面図である。同図において、図3と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。ここでは9孔のノズルパターンが形成されたマスク26を用いて、3分割加工でノズル孔が形成される例を示している。図5ではマスク26とレーザ光22、加工試料29の関係を概要的に示したもので、フィールドレンズ、集光レンズを含めた結像に関する説明は省略している。マスク26を透過したレーザ光22は集光レンズで加工パターンを集光し、加工試料29であるノズル板に照射される。先ず、第1段階として、図5の(a)に示すように、ノズル孔を3分の1だけ加工した後に、レーザ照射を止める。その後、第2段階として、図5の(b)に示すように、加工試料29を1ノズル分だけ移動させ、再度レーザ照射を行い、同様に3分の1だけノズル孔を加工し、レーザ照射を止める。次いで、第3段階として、図5の(c)に示すように、加工試料29を1ノズル分だけ更に移動させ、再度レーザ照射を行い、残りの3分の1分を加工し、ノズル孔を形成する。ここで7孔分のノズル孔の形成が完了する。次に、図5の(d)〜(f)に示すように、加工試料29を7孔分だけ移動させて、レーザ照射を行い、上記第一段階から第3段階までの加工を繰り返して行なうことで、ノズル孔が順次形成される。
【0026】
このように、本実施の形態の液滴吐出ヘッドのノズル孔加工工程によれば、マスクに形成された複数のノズル孔パターンの配列方向に沿ってノズル板が移動するステップと、レーザビームが照射されるステップとを繰り返し行うことでノズル板にノズル孔が形成される。そして、ノズル板の送りピッチがノズル孔の加工分割数B(Bは正の整数)に応じて、(Bの整数倍+1)回目の加工時は(N−B+1)×Pの送りピッチであり、(Bの整数倍+1)回目以外の加工時はPの送りピッチである。なお、マスクに形成されたノズル孔数をNとし、ノズル板に形成されるノズルピッチをPとする。
【0027】
このように形成されたノズル孔の特徴について図6を用いて模式的に説明する。ここではレーザ光の直進性を便宜的に指数化して表しており、図6の(a)に示すようにレーザ光の中心部ではレーザ光の進行方向に対するズレ成分(広がり成分)が「0」であるのに対して、レーザ光の端部ではそのズレ成分が大きくなっていることがわかる。このような成分を用いて形成されたノズル孔の加工精度として便宜的に垂直度を用いて示す。ここで垂直度は3分割のそれぞれの加工の際に使用されたレーザ光の領域に応じたズレ成分の総和として表している。図6の(b)に示す従来加工での問題としては、加工されたノズル孔群の境界部では、それらの指数が隣接ノズル間で(特にノズル孔群間の隣接ノズルを指す)変動が生じるところにあって、隣接したノズル孔群間の垂直度は「−3」と「+3」となり、変化量として「6」の変動が生じており、それに影響されたインク滴の着弾位置にズレが発生していた。本発明では、これらの不具合に対して、境界部のノズル孔がレーザ光の両端の成分を用いて形成されるため、垂直度の大きな変化が抑えられている。従来、画像スジの要因となっているノズル孔群間の垂直度の変化量「6」に対して、本発明の加工方法では、最大「4」まで抑制されており、インク滴の着弾位置の精度改善が図られることになる。
【0028】
また、ノズル孔形成時の分割数は特に制約されるものではないが、今般の実験において分割数を多数にするほど形成されるノズル孔の精度および形状の均一化が可能であることが分かったが、反面スループットの低下につながるため、ノズル孔の数量あるいは画像品質の確保などより適宜設定できるものである。
【0029】
次に、本発明に用いる加工試料の詳細について説明する。
図7は加工試料の形態を示す図である。同図に示す本発明に用いる加工試料は、流路ユニットを形成したシリコン基板30上に、ノズル板となるポリイミドシート31及びレーザ加工時の保護用フィルムとしてPVCフィルム32を接合されたものを用いている。レーザ照射は流路ユニット側から行われている。レーザ加工時のワーク形態はシリコンウェハ状としており、レーザ加工装置に設けられた自動搬送機構によるウェハハンドリングによって、ノズル孔の加工が成されている。
【0030】
また、本発明ではエキシマレーザ光を用いたマスク投影の加工方法に関して記載したものであるが、レーザ加工には大別して2つのタイプがあり、本発明ではいずれのタイプも用いることができる。1つは、レーザを光学系で絞り込みオリフィスプレート上に焦点を当てて1孔1孔穿孔するタイプである。もう1つはマスクを使用して多くのノズル穴を一度に形成するタイプである。前者は1点ずつ穿孔箇所を移動する際に時間がかかるため、後者の方が加工効率、つまり生産コストに優れている。後者はさらに2つのタイプに分けることができる。1つは図8に示すようなマスクプレート41を、犠牲層42を介してオリフィスプレート43に密着させるタイプであり、もう1つはマスクとオリフィスプレートの間にレンズを介在させるタイプ(以下、レンズ介在型と言う)である。前者の密着型はマスクとオリフィスプレートの密着度によって光の干渉度合いが変わってしまう。密着度が1つのオリフィスプレート上でばらつく場合、穿孔されるノズルの形状、大きさがばらつくことになり、ひいてはインク吐出量のばらつきにつながってしまう。その点、後者のレンズ介在型はマスクの密着度に依存することなく、均一なノズル穿孔ができる点で最も優れた方式である。
【0031】
更に、レーザの光源としていくつかあるが、エキシマレーザであることが好ましい。YAGレーザでは穴が開くもののエッジ面が荒れ、また赤外線であるCOレーザでは穴の周囲にクレーターを生じるという欠点を有しており、これらのレーザ加工はいわゆるレーザ熱加工であって、光エネルギーを熱エネルギーに変換することにより加工を行うため、加工形状を崩しやすく微細な加工を行うことは困難である。これに対し、エキシマレーザによるレーザブレーション加工は、炭素原子の共有結合を切断する光化学反応によって昇華エッチングを行うものであるため、加工形状を崩しにくく、非常に高精度の加工が行えるものである。ここで、レーザブレーション加工方法とは、液相状態を介することなくレーザにより昇華加工を行う方法を意味するものである。
【0032】
また、本発明のノズル孔の形成では、液室側からエキシマレーザを照射することで、吐出方向に対して先細りのテーパー形状にノズル孔を形成されることになる。
【0033】
更に、ノズル孔の形状は図9に示すようにテーパーがついていることが好ましい。テーパーがつくことで、インクの供給がよりスムーズに行われる。また、テーパー角θは、1〜45度であることが好ましく、3〜30度であることがさらに好ましい。θが1度未満ではインクリフィルが十分でなく、逆に45度を超えるとノズルの高集積化に支障が出てしまう。
【0034】
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドを備える本発明に係る液体吐出装置を含む画像形成装置について図10〜図12を参照して説明する。なお、図10は本発明の画像形成装置としてのインクジェット記録装置を前方から見た斜視図、図11はインクジェット記録装置の機構部の概要を示す側面図、図12はインクジェット記録装置の機構部の要部平面図である。
【0035】
図10に示す本発明の画像形成装置としてのインクジェット記録装置100は、装置本体101と、装置本体101に装着された用紙を装填するための給紙トレイ102と、装置本体101に着脱自在に装着されて画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ103とを備えている。また、装置本体101の前面の一端部側(給排紙トレイ部の側方)には、前面から装置本体101の前方側に突き出し、上面よりも低くなったインクカートリッジを装填するためのカートリッジ装填部104を有し、このカートリッジ装填部104の上面には操作ボタンや表示器などの操作/表示部105が設けられている。
【0036】
このカートリッジ装填部104には、色の異なる色材である記録液(インク)、例えば黒(K)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクをそれぞれ収容した複数の記録液収容手段としての記録液カートリッジであるインクカートリッジ110k、110c、110m、110y(色を区別しないときは「インクカートリッジ110」という。)を、装置本体101の前面側から後方側に向って挿入して装填可能とし、このカートリッジ装填部104の前面側には、インクカートリッジ110を着脱するときに開く前カバー(カートリッジカバー)106が開閉可能に設けられている。また、インクカートリッジ110k、110c、110m、110yは縦置き状態で横方向に並べて装填する構成となっている。
【0037】
また、操作/表示部105には、各色のインクカートリッジ110k、110c、110m、110yの装着位置(配置位置)に対応する配置位置で、各色のインクカートリッジ110k、110c、110m、110yの残量がニアーエンド及びエンドになったことを表示するための各色の残量表示部111k、111c、111m、111yを配置している。更に、この操作/表示部105には、電源ボタン112、用紙送り/印刷再開ボタン113、キャンセルボタン114も配置されている。
【0038】
更に、フレーム121を構成する左右の側板121A、121Bに横架したガイド部材であるガイドロッド131とステー132とでキャリッジ133を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して図12で矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
【0039】
このキャリッジ133には、前述したようにイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個の液滴吐出ヘッドからなる記録ヘッド134を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
【0040】
記録ヘッド134を構成するインクジェットヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段として備えたものなどを使用できる。
【0041】
この記録ヘッド134にはドライバICを搭載し、図示しない制御部との間でハーネス(フレキシブルプリントケーブル)122を介して接続している。また、キャリッジ133には、記録ヘッド134に各色のインクを供給するための各色のサブタンク135を搭載している。この各色のサブタンク135には各色のインク供給チューブ136を介して、前述したように、カートリッジ装填部104に装着された各色のインクカートリッジ110から各色のインクが補充供給される。なお、このカートリッジ装填104にはインクカートリッジ110内のインクを送液するための供給ポンプユニット124が設けられ、またインク供給チューブ136は這い回しの途中でフレーム121を構成する後板121Cに係止部材125にて保持されている。
【0042】
一方、給紙トレイ102の用紙積載部(圧板)141上に積載した用紙142を給紙するための給紙部として、用紙積載部141から用紙142を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)143及び給紙コロ143に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド144を備え、この分離パッド144は給紙コロ143側に付勢されている。
【0043】
そして、この給紙部から給紙された用紙142を記録ヘッド134の下方側に送り込むために、用紙142を案内するガイド部材145と、カウンタローラ146と、搬送ガイド部材147と、先端加圧コロ149を有する押さえ部材148とを備えるとともに、給送された用紙142を静電吸着して記録ヘッド134に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト151を備えている。
【0044】
この搬送ベルト151は、無端状ベルトであり、搬送ローラ152とテンションローラ153との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト151の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ156を備えている。この帯電ローラ156は、搬送ベルト151の表層に接触し、搬送ベルト151の回動に従動して回転するように配置されている。更に、搬送ベルト151の裏側には、記録ヘッド134による印写領域に対応してガイド部材157が配置されている。
【0045】
この搬送ベルト151は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ152が回転駆動されることによって図12のベルト搬送方向に周回移動する。
【0046】
更に、記録ヘッド134で記録された用紙142を排紙するための排紙部として、搬送ベルト151から用紙142を分離するための分離爪161と、排紙ローラ162及び排紙コロ163とを備え、排紙ローラ162の下方に排紙トレイ103を備えている。
【0047】
また、装置本体101の背面部には両面ユニット171が着脱自在に装着されている。この両面ユニット171は搬送ベルト151の逆方向回転で戻される用紙142を取り込んで反転させて再度カウンタローラ146と搬送ベルト151との間に給紙する。また、この両面ユニット171の上面は手差しトレイ172としている。
【0048】
更に、図12に示すように、キャリッジ133の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド134のノズルの状態を維持し、回復するための回復手段を含む維持回復機構181を配置している。
【0049】
この維持回復機構181には、記録ヘッド134の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)182a〜182d(区別しないときは「キャップ182」という。)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード183と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け184などを備えている。ここでは、キャップ182aを吸引及び保湿用キャップとし、他のキャップ182b〜182dは保湿用キャップとしている。
【0050】
そして、この維持回復機構181による維持回復動作で生じる記録液の廃液、キャップ182に排出されたインク、あるいはワイパーブレード183に付着してワイパークリーナ185で除去されたインク、空吐出受け194に空吐出されたインクは図示しない廃液タンクに排出されて収容される。
【0051】
また、図12に示すように、キャリッジ133の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け188を配置し、この空吐出受け188には記録ヘッド134のノズル列方向に沿った開口189などを備えている。
【0052】
このように構成した本発明の画像形成装置としてのインクジェット記録装置100においては、給紙トレイ102から用紙142が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙142はガイド145で案内され、搬送ベルト151とカウンタローラ146との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド137で案内されて先端加圧コロ149で搬送ベルト151に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
【0053】
このとき、制御部のACバイアス供給部から帯電ローラ156に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト151が交番する帯電電圧パターン、すなわち周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト151上に用紙142が給送されると、用紙142が搬送ベルト151に吸着され、搬送ベルト151の周回移動によって用紙142が副走査方向に搬送される。
【0054】
そこで、リニアエンコーダ137による主走査位置情報に基づいてキャリッジ133を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド134を駆動することにより、停止している用紙142にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙142を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙142の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙142を排紙トレイ103に排紙する。
【0055】
また、印字(記録)待機中にはキャリッジ133は維持回復機構181側に移動されて、キャップ182で記録ヘッド134がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、キャップ182で記録ヘッド134をキャッピングした状態で図示しない吸引ポンプによってノズルから記録液を吸引し(「ノズル吸引」又は「ヘッド吸引」という。)し、増粘した記録液や気泡を排出する回復動作を行う。また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する空吐出動作を行う。これによって、記録ヘッド134の安定した吐出性能を維持する。
【0056】
なお、本発明に係る画像形成装置は、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、これらの複合機などにも適用することができる。また、インク以外の液体、例えばDNA試料やレジスト、パターン材料などを吐出する液滴吐出ヘッドや液滴吐出装置、あいはこれらを備える画像形成装置にも適用することができる。
【0057】
また、本発明は上記実施の形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変形や置換可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る液滴吐出ヘッドの構成を示す分解斜視図である。
【図2】図1のA−A’線断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る液滴吐出ヘッドのノズル孔加工工程を示す概略構成図である。
【図4】ノズル孔加工工程によるノズル孔形成の様子を示す概略断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る液滴吐出ヘッドのノズル孔加工工程によるノズル孔形成の様子を示す概略断面図である。
【図6】第2の実施の形態と従来の液滴吐出ヘッドのノズル孔加工工程によるノズル孔の垂直度を示す図である。
【図7】加工試料の形態を示す図である。
【図8】マスクプレートをオリフィスプレートに密着させるタイプの構成を示す概略断面図である。
【図9】ノズル孔の形状を示す概略断面図である。
【図10】本発明の画像形成装置としてのインクジェット記録装置を前方から見た斜視図である。
【図11】インクジェット記録装置の機構部の概要を示す側面図である。
【図12】インクジェット記録装置の機構部の要部平面図である。
【図13】従来のエキシマレーザ装置の構成を示す概略図である。
【図14】従来のエキシマレーザ装置を用いたノズル孔加工工程によるノズル孔形成の様子を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0059】
10;液滴吐出ヘッド、11;ノズル板、12;流路ユニット、
13;振動基板、14;アクチュエータ基板、
15;ノズル孔、16;連通孔、17;インク液室、
18;振動板、19;圧電素子、20;撥水層、
21;レーザ発振機、22;レーザ光、23;反射ミラー、
24;ホモジェナイザー、25;フィールドレンズ、
26;マスク、27;集光レンズ、28;加工ステージ、
29;加工試料、30;シリコン基板、31;ポリイミドシート、
32;PVCフィルム、41;マスクプレート、42;犠牲層、
43;オリフィスプレート、100;インクジェット記録装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノズル孔パターンが配列されたマスクを用いて、前記マスクを透過したレーザビームを照射することにより、ノズル板にノズル孔を形成する液滴吐出ヘッドの製造方法において、
前記ノズル孔パターンは複数回のレーザビーム照射により開孔されるとともに、前記ノズル孔パターンが前記マスクの少なくとも2つ以上の異なる位置の前記ノズル孔パターンを透過したレーザビームにより開孔されることを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
【請求項2】
レーザビーム照射毎に異なった位置の前記ノズル孔パターンを使用することを特徴とする請求項1記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
【請求項3】
前記マスクに形成された複数の前記ノズル孔パターンの配列方向に沿ってノズル板が移動するステップと、レーザビームが照射されるステップとを繰り返し行うことでノズル板にノズル孔が形成され、
前記マスクに形成されたノズル孔数をNとし、ノズル板に形成されるノズルピッチをPとすると、ノズル板の送りピッチがノズル孔の加工分割数B(Bは正の整数)に応じて、(Bの整数倍+1)回目の加工時は(N−B+1)×Pの送りピッチであり、(Bの整数倍+1)回目以外の加工時はPの送りピッチであることを特徴とする請求項1又は2に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
【請求項4】
液滴を吐出するノズル孔を有するノズル板と、前記ノズル孔に連通する液室と、前記液室内の液体にエネルギーを与えるエネルギー発生素子とを有し、該エネルギー発生素子によって前記液室内の液体を前記ノズル孔から液滴として吐出させる液滴吐出ヘッドの製造方法において、
マスクに形成された所定のノズル孔パターンにレーザビームを照射して前記マスクのノズル孔パターンを透過して加工試料に照射し、前記加工試料をノズル孔パターンの配列方向に移動させてレーザビーム内の異なった複数のビーム領域を用いて前記加工試料にノズル孔を形成することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
【請求項5】
ノズル孔を貫通させない前記レーザビームの照射パルス数のレーザビームを前記加工試料に照射する第1の工程と、前記加工試料をノズル孔パターンの配列方向に移動させる第2の工程とを、交互に複数回繰り返すことを特徴とする請求項4記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
【請求項6】
前記レーザビーム内の異なった複数のビーム領域の区分数と、前記第1の工程と前記第2の工程を繰り返す数が同数であることを特徴とする請求項5記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
【請求項7】
前記レーザビームがエキシマレーザであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
【請求項8】
前記ノズル板がポリイミド樹脂で形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法によって製造されることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項10】
請求項9記載の液滴吐出ヘッドを有することを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項11】
請求項9記載の液滴吐出ヘッドから液滴を吐出させて画像を形成することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−61775(P2009−61775A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−205363(P2008−205363)
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】