説明

淡水化装置

【課題】海水などの淡水化で用いられる淡水化装置は、蒸発凝縮法では、海水から水分を蒸発させるために多くのエネルギーを消費してしまう課題がある。本発明は消費エネルギーの少ない淡水化装置を提供する事を目的とする。
【解決手段】海水などの原水1を10μm以下のサイズで噴霧できるノズル2に導入し、霧化室5内で噴霧し、霧化した原水6を吸着材7に吸着させ、この吸着材7を再生手段14によって再生することで、高湿度の水分を得、これを凝縮することで、低エネルギー、省エネルギーにて淡水を得ることとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海水や泥水といった原水を淡水にするための装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
現在、地球上では人口増加、産業活動の活性化により水の需要は増加傾向にあり、水資源の安定的な供給は必要不可欠なものとなっている。しかしながら、地球上に存在する水は塩化ナトリウムを含む海水であったり、また、泥水のような飲用や生活に使用できない水が多い。そのため、これら海水や泥水を原水として淡水を作り出す淡水化装置が注目されている。また、地球環境の視点からは、地球上各地での砂漠化は深刻化しており、淡水化装置による水の供給とそれによる植物の栽培によって砂漠化の進行をストップする研究も盛んである。
【0003】
淡水化の方法としては、採取した原水を加熱して、生成した水蒸気を凝縮することにより淡水を得る、蒸発型淡水化装置や採取した原水を逆浸透膜に導き、加圧することにより淡水を得る逆浸透膜方式淡水化装置等が知られている。
【0004】
以下、その蒸発型淡水化装置について図11を参照しながら説明する。
【0005】
図に示すように、淡水化装置101はスプレーノズル102と熱交換器103からなり、タービン104等で加熱した空気105を熱交換器103に流し、それに海水106を吹きかける。熱交換器の面積が広くなることで、効率的に水分を蒸発させ、これを後に冷却用の熱交換器107で凝縮することで、淡水108を回収している。(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開昭52−110279号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来の技術では、例えば、蒸発型淡水化装置を用いる場合は原水を高温で加熱するために大量のエネルギーを消費するし、逆浸透膜方式の場合においても、加圧のためにエネルギーを消費するため、淡水製造にかかるエネルギーが膨大であるという課題があり、低エネルギー、省エネルギーで淡水を得られる手法が求められている。
【0007】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、低エネルギー、省エネルギーで淡水を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、わずかなエネルギーのみで、淡水を取り出す方法として、原水を噴霧して外気との接触によって効率的に気化させたのち、気化水分を吸着材によって吸湿し、これを加熱等の再生手段によって、再生することで吸着材から放出する高湿空気を得、これを凝縮機で水とすることで、淡水を得る方法を開発した。これによって、原水を高温に熱したり、膜を通過させるために加圧するようなエネルギーも要求されず、少ない消費エネルギーによって原水を淡水化することが出来る。
【0009】
なお、このとき発生する不純物は気中にてその多くが沈降するため、吸着材に付着しないか付着しても吸着材をそのまま原水につけるよりも非常に微量にしかつかないため、不純物を洗い流すなどのメンテナンスは少なくてよい。また、原水の一例としてあげられる海水に多く含まれる塩化ナトリウムなどは吸着材を再生の際には高湿空気に気化しないため、凝集する際には塩化ナトリウムが入り込むことはなく、純度の高い純粋が得られる。
【0010】
なお、さらに吸着材に付着した不純物を洗い流すなどのメンテナンスの頻度をさらに少なくするためには、吸着材の前段に不純物や気化できなかった原水の粒子を捕集するための不純物除去手段を設けてもよい。
【0011】
また、本発明での噴霧方法として、微細水滴を噴霧できる形状のノズルから水を噴霧することによって霧を発生させることで、効率的に低エネルギーで水を噴霧でき、供給される乾燥空気によって、微細な霧は気化し、高湿の空気と、不純物の析出物に分けられ、湿度を吸着することで、水分子のみとして取り出し、吸着材から再生し、凝縮することで水を得ることが出来るものである。
【0012】
また、本発明の噴霧方法としては、原水を、回転装置の遠心力や、高位置からの落下などを用いて壁面もしくは床面に原水をあてて微細化することで移動というわずかなエネルギーで高湿空気を取り出すことが出来る。
【0013】
また、本発明の噴霧方法としては、キャブレター方式を用いて、通気路に高速空気を流し、負圧にし、負圧部分に原水の噴出口を設けることで、原水は吸い上げられ、水が霧化して噴出す。噴出すと、原水量の調整をしながら、急激に気化させることが出来、高湿の空気を得られる。特に高温で乾燥した空気を導入することで気化しやすく効率が上がるのは言うまでも無い。
【0014】
また、本発明の噴霧方法としては、原水を超音波振動の発生する槽に入れたり、原水中に超音波を発生する振動子を入れたりすることで、原水に超音波振動を与え、原水と空気の界面を振動させることで、そのエネルギーにより、原水の粒子および水蒸気を気中に拡散する。これにより原水を加熱して蒸発させるよりも非常に少ないエネルギーで高湿空気を取り出すことが出来る。また、原水中の不純物は、原水の飛散元から比較的近くに落ちるため、発生器と吸着材の距離をとることで、吸着材に不純物が混入することを防ぐことが出来る。
【0015】
また、本発明における噴霧して得られる高湿空気を有効に利用するために、噴霧室を設け、吸入口より外気もしくは処理後の乾燥空気を回収して取り込み、噴霧した高湿空気が拡散しないようにすることで、効率よく、水分を吸着回収できる。
【0016】
また、本発明における霧化室を負圧にし、原水の噴霧状態で霧状の水が揮発しやすくし、その後外気もしくは処理後の乾燥空気を回収して取り込み、高湿空気を正圧に戻すことで、効率よく、水分を回収できる。
【0017】
また、原水を気化した場合に、気化とともに原水から取り除かれた固形分や、大きな水滴は重いため、気中で沈降する。その沈降物や大きな水滴を回収するスペースを有することで、吸着材に吸い込まれず、固形分を回収でき、そうすることによって、吸着材の目詰まりがなく、装置の長寿命化につながる。また、この堆積物の回収部分を取り外して、堆積物を噴霧室から回収するようにすると、より簡易的にメンテナンスが可能になる。また、不純物であったものは水に溶けやすいものも多いため、沈降物の回収部に水をためたり、流すことで、より回収しやすくまた際飛散の心配がないため、よりよい。
【0018】
また、高湿の空気を吸着材に導入する前に、その高湿空気の温湿度もしくはそのどちらか一方でもセンサーを設置する。これにより、より高湿の空気の場合は吸着材が早く吸着容量の飽和点に達するため、早く再生過程に送る必要があり、その制御をすることが可能である。逆に比較的低湿の場合は、送風量や加湿する原水供給を増やすなどの制御を行うことで、淡水化能力を向上させることが出来る。同様に、処理後の空気や、霧化する前の導入空気もセンシングすることでその制御がより高精度なものになる。
【0019】
また、吸着材の後段にファンを配置することによって、霧化室は外気より負圧になり、噴霧された原水は気化しやすくなり、またファン自体は吸着材に処理されたのちの乾燥した空気にさらされるだけなので、比較的長寿命の運転が可能となる。
【0020】
また、吸着材を再生して取り出した高温高湿度に凝縮した空気は顕熱交換器に導入され、熱交換器を吸着材に導入される前の低温低湿度の空気にさらされることで、再生空気は冷やされ、水は結露することが出来る。これにより凝縮に新たなエネルギーを用いることなく、目的の淡水を回収できる。
【0021】
また、吸着材がハニカム構造をしており、通気体の構造で表面積が大きいために、圧力損失が低くて通気エネルギーを低く出来且つ、空気中の湿度を回収できるため、水の回収効率を向上させることが出来る。また、原水を霧化した際にも、空中で原水から分離した不純物固体などは、通気口のあいたハニカム構造であれば捕集されずに排気されてしまうため、吸着材の劣化を遅くすることもできるし、不純物を洗い流すなどの洗浄のメンテナンスの頻度を少なくすることが可能である。
【0022】
また、吸着材の材料として少なくともゼオライト、シリカゲル、活性炭、酸化アルミナ、シリカアルミナのうち複数もしくはいずれかひとつを有していることで、以上の材料は、吸着のサイクルにおいて、吸着空気と再生空気の間で、大きな吸着容量を有し、且つ吸着と再生の繰り返しにおいても、性能の劣化が少ないため、装置の長寿命化が計れる。
【0023】
また、前述の材料を、前述のハニカム形状に加工するために、ハニカム形状のアルミなどの金属やセラミックの基材上に、接着剤を用いて前述の材料を担持することでハニカム状の吸着材が得られる。また、前述の吸着材をバインダなどと混合して、押し出し生計などを用いてハニカム形状に仕上げても良い。
【0024】
また、吸着材の形状としては円形で、装置には吸着材を回転させる回転手段を設け、吸着材を回転させる。円形の一部で高湿の空気を吸着しながら残り部分には再生用の温風を流し、水分を回収する。このようにして、吸着材の一部で再生し、連続的に吸着と再生を繰り返すことが出来る。
【0025】
また、吸着材は複数個を設け、水蒸気を吸着する吸着部と吸着した水分を取り出す再生部を交互に入れ替えて繰り返すことで連続的に吸着と再生による水分の回収してもよい。
【0026】
また、吸着材の再生手段としてはヒーターなどの加熱装置を用いてもよいが、本発明では外気が砂漠気候などの高温乾燥した地域でとくに有利であるが、吸着材の再生用空気としても塵などを取り除いた乾燥した外気を導入することで、特に再生装置で空気の加熱をせずに吸着材の再生をすることも可能である。
【0027】
また、本発明の再生装置として、例えば黒く塗り太陽光による加熱を受けた材料に、送風して、空気を加熱したものを再生空気として用いることで、低エネルギーでの再生効率を向上させることが出来る。
【0028】
また、本発明の再生装置の再生手段として、太陽光を集光し、これを再生部で素子に照射することで素子を温め、別途再生用の空気をファンで送る、例えば前述のような方法で送風することで、脱着した水蒸気を得ることが可能である。
【0029】
また、本発明の再生装置の再生手段として、水の蒸発に用いることのできないような80℃以下のガスタービンや燃料電池などの廃熱を利用して、再生空気と熱交換し、再生空気を温め吸着材の再生をすることも可能である。
【発明の効果】
【0030】
本発明では、原水をノズルや水の破砕、キャブレター、超音波振動によって噴霧して気化させ、気化水分を吸着材に送り込んで、吸着材で吸湿し、これを加熱手段によって再生することで高湿空気を得、これを熱交換器等の凝縮機で水にすることで、低エネルギー、省エネルギーで淡水を得ることが出来る。また、この際霧化した水分が拡散しないよう、霧化室をもうけ、それに乾燥空気を導入したり、空間を負圧にするとより蒸気にしやすい。
【0031】
また、本発明では、霧化室の入り口に集塵フィルターおよび有機ガスフィルターを設置することで、霧化室内への不純物および有機ガスの混入を防ぎ、吸着材への不純物および有機ガスの混入を防ぐことで、吸着材の再生によって得られる高湿空気中に不純物および有機ガスが溶け込むのを防ぐことができ、純度の高い淡水が得られる。
【0032】
また、本発明では高湿の空気の温湿度をセンシングすることによって、吸着再生のタイミングや導入空気の風量や原水の噴霧量を制御することで、淡水化の効率を最適化することが出来る。
【0033】
また、本発明では吸着材の後段にファンを配置し、霧化室を負圧にすることで、噴霧された原水を気化しやすくし、またファン自体は吸着材に処理されたのちの乾燥した空気にさらされるように配置するため、効率よく且つ長寿命な装置が得られる。
【0034】
また、本発明では吸着材を再生して取り出した高温高湿度の空気を顕熱交換器に導入し、この熱交換器を吸着材に導入される前の低温低湿度の空気に接触させることで、高湿度の再生空気を冷やし凝縮させることができるため、新たなエネルギー無しに、淡水を回収することが出来る。
【0035】
また、本発明では吸着材がハニカム構造にすることで、通気用のエネルギー負担を減らし、かつ広い面積で効率よく湿分と吸着材を接触させることで高効率に淡水を回収できる。
【0036】
また、本発明では、吸着材の材料にゼオライト、シリカゲル、活性炭、酸化アルミナ、シリカアルミナのうち複数もしくはいずれかひとつを使うことで吸着容量が大きくかつ、劣化しにくい装置を得ることが出来る。またその加工方法としては、ハニカム状の基材上にバインダを介して担持したり、バインダと吸着材料を混合し、押し出し成形などによってハニカム成形しても良い。
【0037】
また、本発明では、吸着材を円形とすることで吸着材を回転させ、円形の一部で高湿の空気を吸着しながら別の部分には再生用の温風を流し、このようにして連続的に淡水を取り出すことが出来る。
【0038】
また、本発明では吸着材を複数個を設け、水蒸気を吸着する吸着部と吸着した水分を取り出す再生部を交互に入れ替えて繰り返すことで連続的に水分を回収できる。
【0039】
また、本発明では、外気が比較的乾燥しているならば、それを導入し吸着材の再生空気に用い、エネルギーを節約できる。
【0040】
また、本発明の再生空気としては、太陽光で温めた材料に空気を触れさせ温めた温風やガスタービンや燃料電池などの廃熱を熱交換して作った温風で再生したり、太陽光を集光し、これを再生部で素子に照射することで素子を温め、別途再生用の空気をファンで送ることで、エネルギー消費の少ない再生が出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
本発明の請求項1記載の発明は、前段に原水の霧化装置と後段に吸着材を備え、原水を霧化した内の水分を吸着材が吸着し、この吸着材を再生装置によって再生することで、高湿度の水分を得、これを凝縮することで淡水を得られるようにしたものであり、従来の装置に比べ、加熱による水の蒸発を伴わず、水分を吸着放出というサイクルを経るために低エネルギー、省エネルギーで不純物の少ない淡水を得られる。
【0042】
また、本発明の請求項2記載の発明は、前述の淡水化装置の霧化方法として、原水に圧力をかけて、霧状に噴出せる形状に加工したノズルから噴出すことによって、非常に細かい原水の粒子を気中に噴出し、徐々に蒸発させることで、高湿空気を得る手法として、加熱を伴わず、少ないエネルギーによって淡水を得るための高湿空気を作り出すことが出来る。噴出す霧が気化できるように、ノズルの形状は特殊な形状でなくてはならず、噴出される水が100μm以下で、望ましくは、10μm以下がより気化しやすく望ましい。
【0043】
また、本発明の請求項3記載の発明は、前述の淡水化装置の霧化方法として、原水を落下や遠心力を掛けることによって壁面もしくは床面に衝突させ、水を破砕し、その際に水の細かい粒子を得、径時に蒸発させることで、高湿空気を得る手法として、加熱を伴わず、少ないエネルギーによって淡水を得るための高湿空気を作り出すことが出来る。
【0044】
また、本発明の請求項4記載の発明は、前述の淡水化装置の霧化方法として、キャブレターを有しており、通気路に高速空気を流し、通気路を負圧にし、負圧部分に原水の噴出口を設けることで、原水は吸い上げられ、水が霧化して噴出す。噴出すと、原水量の調整をしながら、急激に気化させることが出来、高湿空気を得る手法として、加熱を伴わず、少ないエネルギーによって淡水を得るための高湿空気を作り出すことが出来る。
【0045】
また、本発明の請求項5記載の発明は、前述の淡水化装置の霧化方法として、原水を超音波振動の発生する槽に入れたり、原水中に超音波を発生する振動子を入れたりすることで、原水に超音波振動を与え、原水と空気の界面を振動させることで、そのエネルギーにより、原水の粒子および水蒸気を気中に拡散することができる。これにより原水を加熱して蒸発させるよりも非常に少ないエネルギーで淡水を得るための高湿空気を取り出すことが出来る。
【0046】
なお、霧化において原水中の不純物は、多くは霧化によって発生する比較的大きな原水の微粒子中に存在し、原水の飛散元から比較的近くに落ちるため、発生器と吸着材の距離を微粒子を吸着材が吸い込んでしまわない程度以上にとることで、吸着材に不純物が混入することを防ぐことが出来る。
【0047】
なお、ここではそれぞれの霧化装置について説明したが、これ以外の霧化装置で、装置前段の原水の霧化工程を行なってもよく、複数の霧化装置を配しても良い。
【0048】
また、本発明の請求項6記載の発明は、前述の霧化装置で発生した霧を拡散させないように、霧化用の部屋を設けることによって、効率的に高湿度の空気を得られる。
【0049】
また、本発明の請求項7記載の発明は、前述の霧化室を特に負圧とすることで霧化して存在している水の粒子を蒸発しやすくすることで、より効率的に水蒸気を得ることが出来る。
【0050】
また、本発明の請求項8記載の発明は、前述の霧化室中に霧化した原水中の不純物が、重力によって、沈下し、室内に積もるようにすることで、不純物を空気中から取り除けるようなスペースを設ける。このスペースを吸着材より下の部分に設定し、吸着材に吸い込まれないように配置することで吸着材への不純物の混入を防止することが出来る。
【0051】
また、本発明の請求項9記載の発明は、原水中の不純物および霧化しなかった水の粒が霧化室中で下降し、室内の下部に溜まるように、室内の下部に不純物を溶かし水の粒を回収できるように水をためられるようにすることで、もともと不純物等は水に溶けていたもしくは分散しており、水への溶解および馴染みが良いものであるため、効果的に回収でき、かつ不純物の再飛散を防ぐことが出来る。
【0052】
本発明の請求項10記載の発明は、霧化室への吹き込み口に有機ガスを吸着するフィルターおよび塵埃を捕集するフィルターの両方もしくは一方を設置する。霧化室の後段の吸着材は、有機ガスを吸着しやすく、再生装置によって、濃縮された有機ガスが淡水と同時に吸着材から離れてしまう可能性があるため、吹き込み口に有機ガスのフィルターを設けることで、吸着材が吸着する有機ガスをあらかじめ取り除くことができる。また、塵埃のフィルターについても、吸着材の劣化につながる可能性があり、あらかじめ塵埃を捕集できるフィルターを設けることで、吸着材の劣化を無くすことが出来る。しかしながらこのようなフィルターは通気抵抗をあげ、通気ファン等に負荷がかかってしまい、また装置のコストも上がるため、必要のない場合取り付けなくともよい。たとえば微量な有機ガスが存在するものの、装置で得られる淡水を農業用水などそれほど純度を求めないものなどの場合は、有機ガスフィルターは必要ないといえる。
【0053】
本発明の請求項11記載の発明は、霧化装置から霧化した原水の水蒸気が吸着材に導入される前段と後段の両方もしくはいずれか一方に、温度と湿度の両方もしくはどちらか片方をモニターするセンサーを配し、温度と湿度をモニターすることで、吸着材への水分の吸着時間と吸着材への空気の導入量と再生時間と再生装置の温度、再生装置の風量のうち複数もしくはいずれかひとつを設定できるような自動切り換え装置、もしくは設定の変更指令を作業者に知らせるための報知器のその一方もしくは両方を設置することで、淡水化装置の運転状況を変更し、淡水を供給することで、エネルギー消費量を抑え、効率的に運転することが出来る。
【0054】
本発明の請求項12記載の発明は、吸着材の後段にファンを設置し、吸い込み空気によって、水蒸気を吸着材に吸着させることによって、連続的に高湿空気を吸着材に供給でき、かつ、ファン自体は吸着材を通った後の乾燥空気があたるため、湿度が低く、劣化が起こりにくい。また、霧化室が存在する場合、吸着材の前は負圧になるため、水が気化しやすい効果がある。
【0055】
本発明の請求項13記載の発明は、吸着材を再生装置によって再生し、それによって抜けた高温で高湿な水分を冷やして凝縮させるために、吸着材の前段に配置した熱交換器内に導入する。これにより、吸着材に吸い込まれる前の高湿で低温な空気が熱交換器を冷やし、再生空気を冷やし、水分が凝縮し、淡水として回収できる。熱交換気を吸着材前に置くことで、再生空気の凝縮に新たなエネルギーを必要としないため、装置のエネルギー消費を抑えることが出来る。
【0056】
本発明の請求項14記載の発明は、吸着材の形状をハニカム状にすることで、霧化した処理空気を通す際には圧力損失が低く、且つ接触面積が大きいために、多くの湿分を吸着できる。また再生空気を通す際も同様に、吸着材料はハニカム材の表面近くにあるため、吸着材内の移動によって、吸着材の内部まで湿分が入ってしまい、再生する際のエネルギーと時間のロスを防ぐことが出来る。
【0057】
本発明の請求項15記載の発明は、吸着材が少なくともゼオライト、シリカゲル、活性炭、酸化アルミナ、シリカアルミナのうち複数もしくはいずれかひとつをふくんでおり、吸着材として、吸着再生の繰り返しに強く、吸着材の劣化が少ないため、長く使用できるという作用がある。
【0058】
本発明の請求項16記載の発明は、前述の吸着材を特にハニカム状に加工した基材上および基材内部に担持することで、ハニカム構造体としての強度をあわせながら、その表面を吸着材で構成することで、ハニカム構造体の接触面積をもち、高効率の吸着材として利用できる。
【0059】
本発明の請求項17記載の発明は、吸着材が円形で吸着材を回転させる回転手段を有しており、円形の一部で吸着しながら残り部分には再生用の温風を流して吸着材を再生し、その吸着材が回転することにより吸着部分と再生部分を繰り返し通過することで連続的に吸着と再生を繰り返すことが出来る。
【0060】
本発明の請求項18記載の発明は、吸着材を複数個有し、吸着用の高湿の空気を通過させる吸着塔と再生空気を通過させる再生塔とをわけ、水分を吸着した吸着材を再生塔に送り、水分の放出再生が終わったものを吸着塔に送るものである。この繰り返しによって連続的に淡水を作り出すことができ、吸着塔、再生塔の数を調節することで、吸着時間と再生時間を調節することができる。
【0061】
本発明の請求項19記載の発明は、再生空気として、吸着材に導入される霧化した低温で高湿な空気より乾燥した装置の外気を導入することによって、再生空気として新たな熱源を必要とせず、低エネルギー消費の装置を実現できる。特に砂漠地方など、淡水化が必要で且つ、高温で乾いた空気が外気である地域では、実現しやすい。
【0062】
本発明の請求項20記載の発明は、再生空気として、太陽光によって温められた材料に空気を当てて、熱交換することにより空気を高温低湿にし、吸着材に再生空気として送り込むものであることで、太陽光を使うことでエネルギー消費を減らすことが出来る。また、特に砂漠地方など、淡水化が必要で且つ、高温で乾いた空気が外気であり、太陽の光が強い地域では、実現しやすい。
【0063】
本発明の請求項21記載の発明は、太陽光を集光して、吸着材に直接当てることで吸着材を温め、加熱し、空気を送り込むことで吸着した水分を取り出すことができる。この際吸着材は黒などの赤外線を吸収しやすい材料とすることが望ましい。また、特に砂漠地方など、淡水化が必要で且つ、高温で乾いた空気が外気であり、太陽の光が強い地域では、実現しやすい。また、集光には集光機器などをもちい、より強い光を吸着材にあてて、高温で再生でき、淡水化の効率を向上させることができるため望ましい。
【0064】
本発明の請求項22記載の発明は、ガスタービンや燃料電池などより排出される比較的低温である80℃以下の廃熱を熱交換器にて熱交換し、これを高温低湿な再生空気として送り込むものである。通常80℃以下の廃熱は利用範囲が限られるため、そのまま排出されているが、これによって廃熱を有効利用でき、かつ再生手段として用いることができる。
【0065】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0066】
(実施の形態1)
図1に示すように、海水などの原水1を100μm以下のサイズ、望ましくは10μm以下のサイズで噴霧できるノズル2に導入し、それより空気導入口3と処理装置入り口4をそれぞれ設けた霧化室5内に噴霧し、霧化した原水6が吸着材7に吸着されるよう、吸着材7の後段に設けたファン8により、吸い込み、水蒸気が吸着材7に吸着される。なお、吸着材7の前段に原水中の不純物や気化しなかった原水の粒子をろ過できるフィルター9を設け、不純物が吸着材に導入されないようにするのが望ましい。なお、霧化室5の下部に、水10など(純水でなくともよい)を望ましくは流しつづける設備を設けることで、霧化した水から分離して沈降する不純物や、気化できなかった原水などを回収することが出来る。なお、そのために、処理装置入り口4とノズル2の間の距離は、出来るだけ離したほうがよく、霧化室5内を過剰に加湿することで、水蒸気分のみを処理装置に導入したほうがよい。なお、霧化室5中に余分な不純物を取り込まず、また、吸着材7が有機ガスを吸着し、ガスが濃縮されて、得られる淡水中に溶け込む問題をなくすために、集塵フィルター11および有機ガスフィルター12を空気導入口3に設置するのが望ましい。
【0067】
吸着材7はギアモーターなどの回転手段13によって回転し、吸着材7の通風面の一部に再生手段14を設けて、吸着材を加熱し、吸着した水蒸気を高温高湿に濃縮して放出する。再生した空気を、熱交換器15に送り込むよう、再生風路16と再生ファン17を設けておく。熱交換器15に送られた水分は凝集し水となってタンク18に回収される。再生手段14としては加熱手法として、ニクロム線ヒーター、赤外線ランプ、ハロゲンランプ、PTCヒーター、セラミックヒーター等の熱源によって温める手法が一般的であるが、本発明の装置としても同様である。また、別の淡水化装置、例えば蒸発法などと併用する場合は、その廃熱を使用してもよく、蒸発に用いるより低い温度で再生できる吸着材もあるため、吸着材の選択によって、より効率的に淡水を得ることが出来る。また、実施の形態6乃至8では別の再生手段を述べており、そちらを用いた再生手法でもよい。
【0068】
また、霧化室への導入空気、霧化後吸着材の前での加湿空気、吸着材透過後の処理後空気、それぞれの温度湿度を温湿度計19で測定する。この情報をもとに制御装置20より原水1の噴霧量、ファン8の回転数による処理風量、回転手段13の回転数による吸着材7の吸着再生時間、再生手段14の出力を制御し、これによりそのときの最適な装置の運用ができ、望む量の淡水を得ることが出来る。
【0069】
また、熱交換器15は高湿の風路21中に一部もしくはその全てを置くことで、原水が気化することで熱が奪われ低温となっている高湿の空気21によって冷やされるためより効率的に水を凝集させ、回収することが出来る。
【0070】
また、吸着材7の構造として、図2に示すように平らな平シート22と波型形状の波シート23を積層したハニカム構造体24などがあるが、その他に、図示はしないが押し出し成形などのハニカムや、ペレット状の吸着剤を筒状のものに飛散しないように詰めたものなどでも良い。
【0071】
また、吸着材を形成する吸着材料としては、ゼオライト、シリカゲル、活性炭、酸化アルミナ、シリカアルミナなどがあり、これを前述のハニカムなどに加工した基材上に、バインダーを介して接着することで、吸着材を構成する。またその際には基材は比熱の低いもののほうがが、吸着材が吸着再生の際、すばやく温まり、すばやく冷えるため水分の吸放湿能力を向上させるため望ましい。
【0072】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態1と同一部分は同一番号を付し、詳細な説明は省略する。実施の形態1では吸着材を回転させ、その一部に再生手段を配したが、図3に示すように吸着材7を複数有し、それを高湿の処理風路25と再生風路26で入れ替える入れ替え手段27を設けることで、吸着中の吸着材28と再生中の吸着材29を設ける。再生したあとの高湿空気は熱交換器30に送られるが熱交換器30は、処理風路25にあたるように配するのが望ましい。なお、入れ替え手段としては、複数の吸着材を円中心より等距離に配置して、一定時間で回転させるなどが挙げられる。吸着材がその容量まで吸着しきるとの再生によってその吸着容量が回復するのに最適なタイミングで回転時間を設定するのがのぞましく、そのサイクルは5乃至10分程度が望ましい。
【0073】
また、前述の実施の形態1では吸着材の前段にフィルターを設け、不純物や原水の粒子が吸着材に入るのを防いだが、吸着材7の前段に空気を回転させるサイクロン装置31を設けることで、空気に遠心力をあたえ、水分子より重い不純物や、大きな水の粒子を分離することができ、水分を含んだ空気のみを吸着材7に導入することが出来るためより望ましい。
【0074】
また、前述の実施の形態1では分離した不純物や大きいままの原水の粒子を沈降させて回収するのに、水を流して回収したが、霧化室から取り外すことの出来る回収皿32を底部に設けることで、不純物や原水の粒子を回収することが出来る。
【0075】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態1または2と同一部分は同一番号を付し、詳細な説明は省略する。実施の形態1では水蒸気の発生源としてノズルから水を噴霧する方法をもちいたが、図4に示すように、超音波振動子33によって原水を振動させ、水を霧化する。図中には示されていないが、超音波振動子33は複数在っても良いし、原水が常に一定の水位となるように供給される構成とし、常に振動によって最も霧化しやすい水位に保つのが望ましい。
【0076】
また、前述の実施の形態1では吸着材に不純物や原水の粒子が入らないようにフィルターをまた、実施の形態2ではサイクロンを設置したが、同様に吸着材7の前段に空気のトラップ装置34を設けることが、不純物を分離することができて、望ましい。
【0077】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態1乃至3のいずれかと同一部分は同一番号を付し、詳細な説明は省略する。実施の形態1では水蒸気の発生源としてノズルから水を噴霧する方法を用いたが、図5に示すように、原水35をポンプ36によって回転装置37の中心に送り込み、遠心力によって、回転装置37の周辺に吹き飛ばし、これが壁面38にあたることでそのエネルギーで水を破砕し霧化することが出来る。
【0078】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態1乃4のいずれかと同一部分は同一番号を付し、詳細な説明は省略する。実施の形態1では水蒸気の発生源としてノズルから水を噴霧する方法を用いたが、図6に示すように、霧化室内にキャブレター39を設け、例えばポンプ40などによって高速空気41を流しながら負圧になっている風路42に原水43を流し、霧化することが出来る。
【0079】
なお、実施の形態1乃至5では原水の霧化方法や不純物の回収方法、捕集方法などについて述べたが、複数の霧化方法を同時に行なっても良い。
【0080】
(実施の形態6)
本発明の実施の形態1乃5のいずれかと同一部分は同一番号を付し、詳細な説明は省略する。実施の形態1乃至5では吸着材の再生方法として、例えばヒーターなどの加熱装置を述べたが、図7に示すように、再生部44に導入する空気を外気の乾燥空気45とし、再生ファン46によって導入する。とくに砂漠などの高温低湿な地域の空気であれば、吸着材7に吸着した水を取り出すことができ、ヒーターなどの加熱手段を用いないため、低電力の淡水化装置が実現できる。
【0081】
(実施の形態7)
本発明の実施の形態1乃6のいずれかと同一部分は同一番号を付し、詳細な説明は省略する。実施の形態6では再生手段として、外気導入のみをおこなったが、図8に示すように再生ファン47により外気を導入する前段に太陽光48によって蓄熱した熱交換器49を通過させ、空気を温めることができる。この温められた空気によって吸着材7が再生され、水を回収することが出来る。これによって低電力の淡水化装置が実現できる。なお、太陽光48によって温められるため、熱交換器は赤外線を吸収しやすい黒い材料かもしくは、光の吸収率が高い材料をもちいたほうがより望ましく、その面積は広く、太陽光線を垂直に受けられる角度に立てられたものがより望ましい。
【0082】
(実施の形態8)
本発明の実施の形態1乃7のいずれかと同一部分は同一番号を付し、詳細な説明は省略する。実施の形態7では熱交換器に外気を導入したが、図9に示すように、太陽光50を集光機51によって集光し、その光を吸着材7に当てることで、吸着材7を温め、再生ファン52によって空気を流すことで、温められた吸着材7から水分を回収することができる。これによって低電力の淡水化装置が実現できる。なお、この場合も太陽光によって吸着材は温められるため、吸着材表面が赤外線を吸収しやすい黒色かもしくは光の吸収率が高いものを配合したものがより望ましい。
【0083】
なお、実施の形態7乃至8では外気導入以外でも、再生後、水分を凝集して乾燥した空気を再度再生空気として循環して用いてもよく、外気との再生効率の良いほうをユーザーが選べばよい。
【0084】
なお、さまざまな実施の形態を挙げたが、当然この実施の形態を組み合わせて装置をくみ上げてもよい。
【実施例1】
【0085】
図10に示すように、アクリル製ボックス53内に、超音波振動子54を備えた水槽55を設け、これを電子天秤56上に置いた。水槽55は一定の水位57となるようにし、原水として海水を模した塩化ナトリウム3.5%塩化ナトリウム水溶液58を入れた。
【0086】
アクリル製ボックス53は下部に吸気用の穴として吸気口59を設け、比較的上部に処理用通気口60を設けた。
【0087】
処理用通気口60から再生凝集用の熱交換器61を通して、吸着材62を配し、その後段に処理ファン63を設置した。吸着材62の再生装置としてはヒーター64と再生用のファン(図示せず)を用いた。
【0088】
外気雰囲気としては、約40℃20%R.H.と設定し、超音波振動を起こしてアクリル製ボックス53内を加湿しながら、処理ファン63によって、加湿空気を吸着材62に導入した。吸着材62は回転手段(図示せず)によって回転し、回転によって再生部と吸着部を交互に入れ替わる。再生された高湿空気は、熱交換器61内で凝集し、凝集した水がタンク65に流れ、淡水66が回収された。
【0089】
このときの加湿量は水槽の重量減分より算出し、吸着材による水の回収量はタンクに溜まった量を測定した。このとき、導入空気および、加湿後吸着材導入前の空気の温度湿度をモニターした。その結果を表1に示す。表1は本発明の実施例1の淡水化実験での回収効率の測定結果である。
【0090】
【表1】

【0091】
また、回収した水について、蒸発させ、回収した水における不純物の割合を測定した。その結果を表2に示す。表2は本発明の実施例1の淡水化実験での回収水の不純物量の測定結果である。
【0092】
【表2】

【0093】
その結果、装置運転の初期は、加湿量が少ないことなどが考慮されるが、30分以降は安定して、水の回収が出来、水の回収率は27%程度であった。また、回収された水に不純物はほとんど見られず、淡水化が出来た。
【産業上の利用可能性】
【0094】
海水や泥水などから、少ないエネルギーで淡水を回収できる装置を提供でき、従来のものより低エネルギーで淡水を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の実施の形態1の淡水化装置を示す概略図
【図2】本発明の実施の形態1の吸着材のハニカム構造を示す概略図
【図3】本発明の実施の形態2の淡水化装置を示す概略図
【図4】本発明の実施の形態3の淡水化装置を示す概略図
【図5】本発明の実施の形態4の淡水化装置を示す概略図
【図6】本発明の実施の形態5の淡水化装置を示す概略図
【図7】本発明の実施の形態6の淡水化装置を示す概略図
【図8】本発明の実施の形態7の淡水化装置を示す概略図
【図9】本発明の実施の形態8の淡水化装置を示す概略図
【図10】本発明の実施例1の淡水化実験装置を示す概略図
【図11】従来の淡水化装置の例を示す概略図
【符号の説明】
【0096】
1 原水
2 ノズル
3 空気導入口
4 処理装置入り口
5 霧化室
6 原水(霧化)
7 吸着材
8 ファン
9 フィルター
10 水
11 集塵フィルター
12 有機ガスフィルター
13 回転手段
14 再生手段
15 熱交換器
16 再生風路
17 再生ファン
18 タンク
19 温湿度計
20 制御装置
21 高湿の風路
22 平シート
23 波シート
24 ハニカム構造体
25 処理風路
26 再生風路
27 入れ替え手段
28 吸着材(吸着中)
29 吸着材(再生中)
30 熱交換器
31 サイクロン装置
32 回収皿
33 超音波振動子
34 トラップ装置
35 原水
36 ポンプ
37 回転装置
38 壁面
39 キャブレター
40 ポンプ
41 高速空気
42 風路(負圧)
43 原水
44 再生部
45 乾燥空気
46 再生ファン
47 再生ファン
48 太陽光
49 熱交換器
50 太陽光
51 集光機
52 再生ファン
53 アクリル製ボックス
54 超音波振動子
55 水槽
56 電子天秤
57 水位(一定)
58 塩化ナトリウム水溶液
59 吸気口
60 処理用通気口(加湿空気)
61 熱交換器
62 吸着材
63 処理ファン
64 ヒーター
65 タンク
66 淡水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前段に原水の霧化装置と後段に吸着材を備え、原水を霧化した内の水分を吸着材が吸着し、この吸着材を再生装置によって再生することで、高湿度の水分を得、これを凝縮することで淡水を得ることを特徴とする淡水化装置。
【請求項2】
霧化装置としてノズルを有し、原水に圧力をかけて複数もしくはひとつ配したノズルから噴射されることを特徴とする請求項1記載の淡水化装置。
【請求項3】
霧化装置として原水の移動手段を有し、移動させた原水を壁面および、もしくは床面に衝突させることで霧化させることを特徴とする請求項1または2記載の淡水化装置。
【請求項4】
霧化装置としてキャブレターを有し、キャブレターによって原水が霧状に噴射されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の淡水化装置。
【請求項5】
霧化装置として超音波発生器を有し、原水に超音波振動を与え、原水と空気の界面より振動によって水の粒子および水蒸気を気中に拡散することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の淡水化装置。
【請求項6】
霧化装置から霧化した原水が拡散せず室内にこもるように、原水の霧化室を前段に設け、後段には吸着材を備えた請求項1乃至5のいずれかに記載の淡水化装置。
【請求項7】
霧化装置から霧化した原水が拡散せず室内にこもるように、原水の霧化室を前段に設け、その霧化室を負圧にすることを特徴とした請求項6に記載の淡水化装置。
【請求項8】
霧化装置から霧化した原水が室内にこもるように原水の霧化室を前段に設け、原水中の不純物が、重力によって、沈下し、室内に積もることで、不純物を取り除けるように、堆積用のスペースを吸着材より下の部分に配したことを特徴とする請求項6または7のいずれかに記載の淡水化装置。
【請求項9】
霧化装置から霧化した原水が室内にこもるように原水の霧化室を前段に設け、原水中の不純物および霧化しなかった水の粒が下降し、室内の下に溜まるように室内の下部に、不純物を溶かし水の粒を回収できるように、水をためられるようにしたことを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の淡水化装置。
【請求項10】
霧化室に空気が吹き込む吸気口に、有機ガスを吸着するフィルターおよび、塵埃を捕集するフィルターの両方もしくはいずれか一方を配したことを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の淡水化装置。
【請求項11】
霧化装置から霧化した原水の水蒸気が吸着材に導入される前段と後段の両方もしくはいずれか一方に、温度と湿度の両方もしくはどちらか片方をモニターするセンサーを配し、温度と湿度をセンサーすることで、吸着材の吸着時間と吸着材への空気の導入量と再生時間と再生装置の温度、再生装置の風量のうち複数もしくはいずれかひとつを設定できるような自動切り換え装置、もしくは設定の変更指令を作業者に知らせるための報知器のその一方もしくは両方を設置したことを特徴とした請求項1乃至10のいずれかに記載の淡水化装置。
【請求項12】
吸着材の後段にファンを配置し、ファンによって吸着材に霧化した水蒸気を導入することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の淡水化装置。
【請求項13】
再生装置により吸着材より抜けた水分を熱交換器に導入し、吸着材に導入される前の霧化した空気によって冷やされることで、凝縮し、水を回収することを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の淡水化装置。
【請求項14】
吸着材がハニカム状の構造体であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の淡水化装置。
【請求項15】
吸着材が少なくともゼオライト、シリカゲル、活性炭、酸化アルミナ、シリカアルミナのうち複数もしくはいずれかひとつを含むことを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の淡水化装置。
【請求項16】
吸着材が、少なくともゼオライト、シリカゲル、活性炭、酸化アルミナ、シリカアルミナのうちの複数もしくはいずれかひとつの材料をふくみ、ハニカム状に加工した基材上および基材内部に担持したことを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の淡水化装置。
【請求項17】
吸着材が円形で吸着材を回転させる回転手段を有し、吸着材が回転することにより、円形の一部で吸着しながら残り部分には再生用の温風が流れることで、吸着材を再生することを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の淡水化装置。
【請求項18】
吸着材を複数有し、水蒸気を吸着する吸着時と吸着した水分を取り出す再生時を繰り返すことを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の淡水化装置。
【請求項19】
再生空気が、吸着材に導入前の水蒸気空気に比べ乾燥した、装置の外気を導入する再生装置であることを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載の淡水化装置。
【請求項20】
再生装置が、太陽光によって温められた材料に空気をあてて、乾燥した温風として再生空気を送り込むものであることを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載の淡水化装置。
【請求項21】
再生装置として、太陽光を集光し吸着材に直接当てることで、吸着材の一部もしくは全てを加熱し、再生空気を当てることで、吸着した水分を取り除くことを特徴とした請求項1乃至20のいずれかに記載の淡水化装置。
【請求項22】
再生装置として、80℃以下の廃熱と熱交換してあたためた空気を再生空気として送り込むものであることを特徴とする請求項1乃至21のいずれかに記載の淡水化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−237140(P2007−237140A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−67182(P2006−67182)
【出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】