説明

温感非水フォーム化粧料

【課題】 1剤系のフォーム状化粧料であって、優れた温熱効果を有する化粧料を提供する。
【解決手段】 1)アシル化ポリグリセリンと2)多価アルコール15〜80質量%と3)25℃1気圧で液体の油性成分15〜80質量%とを、泡沫化粧料に含有させる。前記アシル化ポリグリセリンとして、少なくとも2種のアシル化ポリグリセリンを含有することが好ましく、前記少なくとも2種のポリグリセリンの脂肪酸エステルとして、ジグリセリンのモノ脂肪酸エステルと、デカグリセリンのモノ脂肪酸エステルとを含有することが好ましい。前記油性成分に於いて、その30〜80質量%がジグリセリンのテトラ脂肪酸エステルであることが、好ましく、実質的に水を含有しないことが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料に関し、更に詳細には温感を有するフォーム化粧料に好適な化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
パック或いはマッサージなどの化粧行為時に重要な要素の一つに、温感を感じることがある。これは、この様な化粧行為に於いて期待される効果に血行促進作用があり、温感を感じることにより、この様な効果の実感が具現され、その結果、この化粧行為そのものに大いなる満足を感じるためと、適度な温感が使用時の心地よさを具現し、この快感によって、個人的な生態系の環境を整え、健康上好ましい効果を発揮するためである。この様な温感化粧料を具現化する方法としては、金属酸化物の水による酸化反応や酸との中和反応によって生ずる熱を利用する方法や、グリセリン、ジプロピレングリコール、液状のポリエチレングリコール等が水と溶媒和するときに生ずる水和熱を利用する方法が存する。この内、前者は2剤系として、用時混合の形態を取らないと発熱のコントロールが出来ない欠点が存し、後者に於いては、1剤系での剤形化が可能であるものの、発熱量そのものが小さいという欠点が存した。(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4を参照)即ち、この様な1剤系の化粧料では、50℃程度の適温は通常は3〜5分ほどしか持続しない。
【0003】
一方、フォーム形状の化粧料においては、閉塞効果、断熱効果などが存し、パック化粧料に好適であることが既に知られている。又、フォーム状の化粧料に於いては、デカグリセリンモノラウレートやジグリセリンモノラウレートなどのアシル化ポリグリセリンが優れた発泡特性を有していることも知られている。(例えば、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8を参照)しかしながら、非水乳化物をフォーム状にする剤形化技術は知られていない。水和熱を利用した温感フォーム状化粧料も全く知られていない。
【0004】
又、1)アシル化ポリグリセリンと2)多価アルコール15〜80質量%と3)25℃1気圧で液体の油性成分15〜80質量%とを含有する、泡沫化粧料も知られていないし、この様な構成の化粧料が、使用時に優れた温熱効果を発揮することも全く知られていない。
【0005】
【特許文献1】特開2004−161709号公報
【特許文献2】特開2003−300839号公報
【特許文献3】特開2003−261433号公報
【特許文献4】特開2002−265329号公報
【特許文献5】特開2004−83498号公報
【特許文献6】特開2003−292431号公報
【特許文献7】特開2003−286130号公報
【特許文献8】特開平5−213734号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、1剤系のフォーム状化粧料であって、優れた温熱効果を有する化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、1剤系のフォーム状化粧料であって、優れた温熱効果を有する化粧料を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、1)アシル化ポリグリセリンと2)多価アルコール15〜80質量%と3)25℃1気圧で液体の油性成分15〜80質量%とを含有する、泡沫化粧料がその様な特性を有していることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示すとおりである。
(1)1)アシル化ポリグリセリンと2)多価アルコール15〜80質量%と3)25℃1気圧で液体の油性成分15〜80質量%とを含有することを特徴とする、泡沫化粧料。
(2)アシル化ポリグリセリンとして、少なくとも2種のアシル化ポリグリセリンを含有することを特徴とする、(1)に記載の泡沫化粧料。
(3)前記少なくとも2種のポリグリセリンの脂肪酸エステルとして、ジグリセリンのモノ脂肪酸エステルと、デカグリセリンのモノ脂肪酸エステルとを含有することを特徴とする、(2)に記載の泡沫化粧料。
(4)前記油性成分に於いて、その30〜80質量%がジグリセリンのテトラ脂肪酸エステルであることを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の泡沫化粧料。
(5)実質的に水を含有しないことを特徴とする、(1)〜(4)何れか1項に記載の泡沫化粧料。
(6)温感を有する化粧料であることを特徴とする、(1)〜(5)何れか1項に記載の化粧料。
(7)更に、グリチルレチン酸アルキル、グリチルリチン酸、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、アルブチン、トラネキサム酸、4−メトキシサリチル酸及びそれらの塩から選択される1種乃至は2種以上を含有することを特徴とする、(1)〜(6)何れか1項に記載の化粧料。
(8)抗炎症作用及び/又はメラニン産生抑制作用を訴求した医薬部外品であることを特徴とする、(7)に記載の化粧料。
(9)抗炎症作用及び/又はメラニン産生抑制作用を有する旨の表示を包装形態に有することを特徴とする、(7)又は(8)に記載の化粧料。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、1剤系のフォーム状化粧料であって、優れた温熱効果を有する化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(1)本発明のフォーム状化粧料の必須成分であるポリグリセリンの脂肪酸エステル
本発明のフォーム状化粧料は、必須成分としてポリグリセリンの脂肪酸エステルを少なくとも2種含有することを特徴とする。本発明のフォーム状化粧料で使用できるポリグリセリンの脂肪酸エステルとしては、遊離の水酸基を有し、界面活性作用が存すれば、特段の限定無く使用できるが、親水性のポリグリセリンの脂肪酸エステルと、親油性のポリグリセリンの脂肪酸エステルの2種を含んだ形態で組み合わせて含有させることが好ましい。前記親水性のポリグリセリンの脂肪酸エステルとしては、、これを構成するポリグリセリン部分としては、グリセリンの重合度が5〜15のものが好ましく、7〜12のものが特に好ましい。かかるポリグリセリンの有している水酸基の内、その半数以上が遊離の水酸基であることが好ましい。又、脂肪酸残基としては、通常知られているものであれば、特段の限定無く使用することが出来、例えば、炭素数10〜30の直鎖脂肪酸残基、分岐鎖を有する脂肪酸残基、環状構造を有する脂肪酸残基、不飽和結合を有する脂肪酸残基などが好ましく例示でき、具体的には、例えば、ラウリン酸残基、ミリスチン酸残基、パルミチン酸残基、ステアリン酸残基、ベヘン酸残基、イソステアリン酸残基、オクチルドデカン酸残基、オレイン酸残基、リノール酸残基、リノレイン酸残基などが好ましく例示できる。より好ましいものとしては、ラウリン酸残基、ステアリン酸残基、イソステアリン酸残基或いはオレイン酸残基などが例示できる。この様な親水性のポリグリセリンの脂肪酸エステルとしては、デカグリセリンのモノ脂肪酸エステルが好ましく例示でき、中でも、デカグリセリンモノオレートが特に好ましい。親油性の界面活性剤としてのポリグリセリンの脂肪酸エステルに於ける、ポリグリセリン部分のグリセリンの重合度は2〜5が好ましく、2乃至は3が特に好ましい。又、1分子あたりの平均の脂肪酸残基の存在数は、1〜4が好ましく、1〜3がより好ましい。脂肪酸部分については、例えば、炭素数10〜30の直鎖脂肪酸残基、分岐鎖を有する脂肪酸残基、環状構造を有する脂肪酸残基、不飽和結合を有する脂肪酸残基などが好ましく例示でき、具体的には、例えば、ラウリン酸残基、ミリスチン酸残基、パルミチン酸残基、ステアリン酸残基、ベヘン酸残基、イソステアリン酸残基、オクチルドデカン酸残基、オレイン酸残基、リノール酸残基、リノレイン酸残基などが好ましく例示できる。より好ましいものとしては、ラウリン酸残基、ステアリン酸残基、イソステアリン酸残基或いはオレイン酸残基などが例示でき、ラウリン酸残基が特に好ましい。特に好ましくはジグリセリンモノラウレートである。本発明のフォーム状化粧料では、かかるポリグリセリンの脂肪酸エステルは、親水性の界面活性剤であるものと、親油性の界面活性剤であるものの、それぞれ唯一種を含有させることも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。本発明のフォーム状化粧料に於ける、前記ポリグリセリンの脂肪酸エステルの好ましい含有量は、総量で、フォーム状化粧料全量に対して、1〜20質量%であり、より好ましくは3〜10質量%である。これは、少なすぎると、安定な泡沫を形成しないからである。又、好ましい形態としては、親水性のポリグリセリンの脂肪酸エステルと、親油性のポリグリセリンの脂肪酸エステルを1:8〜1:1の質量比で含有することが例示できる。
【0010】
(2)本発明のフォーム状化粧料の必須成分である多価アルコール
本発明のフォーム状化粧料は、多価アルコールを15〜80質量%、より好ましくは、25〜70質量%、更に好ましくは40〜50質量%必須成分として含有することを特徴とする。多価アルコールとしては、通常化粧料で使用されているものであれば特段の限定無く使用することが出来、例えば、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等が好ましく例示できる。この様な多価アルコールは、本発明のフォーム状化粧料では唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有することも出来る。好ましい形態としては、1気圧、25℃で流動性を有する多価アルコールを、多価アルコール全量に対して70質量%以上、より好ましくは80質量%以上含有することが好ましい。前記1気圧、25℃で流動性を有する多価アルコールとしては、平均分子量1000以下のポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオールが好ましく例示できる。取り分け好ましいものは、グリセリンを多価アルコール全量に対して70質量%以上、より好ましくは80質量%以上含有する形態である。かかる成分は、本発明のフォーム状化粧料では、皮膚上に塗布した場合、皮膚上の水分と水和して水和熱を発し、これにより温熱効果を奏する。
【0011】
(3)本発明のフォーム状化粧料の必須成分である油性成分
本発明のフォーム状化粧料は必須成分として、油性成分を15〜80質量%、より好ましくは、25〜70質量%、更に好ましくは40〜50質量%含有する泡沫エアゾールの形態を取ることを特徴とする。前記油性成分は、界面活性作用を有していないか、殆ど有さない油溶性成分であって、それ自体では乳化しない成分であり、炭化水素、脂肪酸のエステル、ジメチコンなどのシリコーン、高級アルコール、グリセリンのトリ脂肪酸エステル、ジグリセリンのテトラ脂肪酸エステル、トリグリセリンのペンタ脂肪酸エステル、脂肪酸、N−アシルグルタミン酸のジエステル等が好ましく例示できる。具体的には、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル/べへニル/オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/ べへニル/オクチルドデシル)等のN−アシル化グルタミン酸のジエステルなどが好ましく例示できる。本発明のフォーム状化粧料では、これらの何れもが利用できるが、その30〜80質量%がジグリセリンのテトラ脂肪酸エステルであることが好ましく、前記ジグリセリンのテトラ脂肪酸エステルとしては、ジグリセリンテトラオレートが特に好ましい。これは、一つには安定な泡沫を形成しやすいことと、もう一つには、親油性の汚れ、親水性の汚れの何れもを再分散しやすいためである。又、同様の観点で、更に、N−アシルグルタミン酸のジエステルを含有することも好ましい。かかる成分において、N−アシルグルタミン酸のジエステルを構成するアシル基としては、炭素数10〜32の直鎖脂肪族のアシル基が好ましく、例えば、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、ベヘノイル基等が好適に例示できる。又、ジエステルを構成する炭化水素基は、脂肪族であることが好ましく、炭素数は10〜32が好ましく、18〜30がより好ましい。該脂肪族炭化水素基としては、直鎖状であっても、環状構造或いは分岐構造を有していても良い。好ましいものとしては例えば、デシル基、ドデシル基、オクチルドデシル基、コレステリル基、カンペステリル基、シトステリル基スティグマスタニル基などのフィトステリル基が好ましく例示できる。これらのエステルとしては、混合した炭化水素基を誘導する試薬で、確率論的に2種類以上の炭化水素基を有するように誘導した、混合エステルであることが好ましい。かかる混合エステルを構成する炭化水素基の組合せとしては、少なくとも1種の環状構造を有する炭化水素基と、少なくとも1種の分岐構造を有する炭化水素基を組み合わせた混合エステルがより好ましい。この様なN−アシルグルタミン酸のジエステルとしては、例えば、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル/べへニル/オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/ べへニル/オクチルドデシル)等が好適に例示できる。かかる成分は、例えば、N−ラウロイルグルタミン酸などのN−アシルグルタミン酸をジメチルホルムアミドなどを溶媒として、アルカリ存在下、フィトステリルクロリド、オクチルドデシルクロリド、ベヘニルクロリド等のハロゲン化炭化水素と縮合させることにより、製造することが出来る。又、この様なN−アシル化グルタミン酸のジエステルには既に化粧料原料として市販されているものが存し、かかる市販品を購入して使用することも出来る。好ましい市販品としては、味の素株式会社より販売されている、「エルデュウPS203」(N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル))が好ましく例示できる。本発明のフォーム状化粧料に於ける、かかるN−アシルグルタミン酸のジエステルの含有量は、0.01〜1質量%が好ましく、より好ましくは0.05〜0.5質量%である。更に、本発明のフォーム状化粧料は、水性成分を含有することが好ましく、具体的には水を15〜80質量%含有することが好ましい。これは、使用後に優れたしっとり感を呈するためである。
【0012】
(4)本発明のフォーム状化粧料
本発明のフォーム状化粧料は、前記必須成分を含有しフォーム状であることを特徴とする。本発明の化粧料は、かかる必須成分以外に通常化粧料で使用されている任意の成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸,ローカストビーンガム,サクシノグルカン,カロニン酸,キチン,キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等の増粘剤、表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類、表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩,ビタミンB6トリパルミテート,ビタミンB6ジオクタノエート,ビタミンB2又はその誘導体,ビタミンB12,ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類などが好ましく例示できる。更に加えて、泡沫エアゾールの形態を取るために、本発明のフォーム状化粧料は気化成分を含有することが好ましく、前記気化成分としては、例えば、フロンガスなどのハロゲン化炭化水素ガス、炭酸ガス、液化天然ガス、ジメチルエーテルなどが例示でき、液化天然ガスが特に好ましく例示できる。液化天然ガスの組成としては、イソブタンを主成分として含むものが特に好ましく、その含有量は、ガス全量の少なくとも80質量%がイソブタンであることが好ましい。かかる気化成分の好ましい含有量は、2〜10質量%である。本発明のフォーム状化粧料は、かかる必須成分、好ましい成分、任意成分を常法に従って処理することにより製造することが出来る。
【0013】
本発明のフォーム状化粧料は、通常フォーム状化粧料が使用される製剤であれば、特段の限定無く適用することが出来、パック化粧料、クレンジング化粧料、栄養付与化粧料、マッサージ化粧料の何れもが使用可能である。これらの内、本発明の温熱効果が最大生かせる化粧料としては、パック化粧料乃至はマッサージ化粧料が挙げられ、これらに適用することが好ましい。又、この様な実施形態に於いては、有効成分も効率よく経皮吸収できるため、有効成分を含有することが好ましく、前記有効成分としては、抗炎症剤やメラニン産生抑制剤を含有することが好ましい。前記抗炎症剤としては、グリチルレチン酸アルキル、グリチルリチン酸及びその塩が好ましく例示でき、メラニン産生抑制剤としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、アルブチン、トラネキサム酸、4−メトキシサリチル酸及びそれらの塩が好適に例示できる。かかる有効成分の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、トリエチルアミン塩等の有機アミン塩類、リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩等が好ましく例示できる。又、アスコルビン酸の誘導体としては、アスコルビン酸−2−グルコシド等のような配糖体、アスコルビン酸2リン酸塩などのリン酸エステル類などが好適に例示できる。かかる成分は唯一種を含有することも出来るし、二種以上を含有することも出来る。本発明の化粧料に於ける抗炎症剤或いはメラニン産生抑制剤の好ましい含有量は、それぞれ、0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.03〜5質量%である。これらの有効成分を含有する場合に於いて、本発明のフォーム状化粧料は、それぞれの効能を訴求した医薬部外品とすることが好ましく、前記医薬部外品に於いては、安全性と有効性をより具体的に具現化するために、抗炎症作用を有する旨或いはメラニン産生抑制作用を有する旨と、使用態様において、炎症の存する箇所乃至はメラニンの産生が亢進している或いは亢進するであろう箇所に、一日1回乃至は数回適量を塗布する旨と、皮膚に異常を感じた場合には速やかに使用を中止し、皮膚科医にかかる旨とを表示し、使用態様を明確に使用者に知らしめることが好ましい。
【0014】
以下に、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明が、かかる実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
【実施例1】
【0015】
以下に示す処方に従って、本発明のフォーム状化粧料である泡沫エアゾール化粧料1を作成した。即ち、イ、ロの成分を80℃に加熱し、可溶化し、攪拌下イに徐々にロを加え乳化し、攪拌冷却し非水ゲル1を得た。このものをハの成分とともにエアゾール缶に充填し、密閉して本は発明のフォーム状化粧料である、泡沫エアゾール化粧料1を得た。
【0016】
イ)
セタノール 0.4質量部
N−ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)
(「エルデュウPS203」;味の素株式会社製)0.1質量部
イソステアリルオクチルドデカネート 10 質量部
流動パラフィン 43.7質量部
ジグリセリンテトラオレート 40 質量部
デカグリセリンモノオレート 1.5質量部
ジグリセリンモノラウレート 4 質量部
ステアリン酸 0.3質量部
ロ)
グリセリン 80 質量部
ジグリセリン 20 質量部
ハ)
液化天然ガス 10 質量部
(イソブタン:ブタン=4:1)
【0017】
<試験例1>
寒天平板上にサンプル1gを4cm×4cmの面積に延ばし、経時的に接触面の温度を計測した。サンプルとしては、非水ゲル1と泡沫エアゾール化粧料1を用いた。結果を表1に示す。これより、本発明のフォーム状化粧料である、泡沫エアゾール化粧料1は適温を長時間維持できることが判る。
【0018】
【表1】

【実施例2】
【0019】
実施例1とイ)とロ)より同様に非水ゲル2を作成し、これをハ)とともに密閉して本発明のフォーム状化粧料である泡沫エアゾール化粧料2を得た。このもの評価を試験例1と同様に行った。結果を表2に示す。このもののも泡沫エアゾール化粧料1と同様の効果を有していることが判る。又、界面活性剤としてのアシル化ポリグリセリンは2種用いた方が好ましいことも判る。
【0020】
イ)
セタノール 0.4質量部
N−ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)
(「エルデュウPS203」;味の素株式会社製)0.1質量部
イソステアリルオクチルドデカネート 10 質量部
流動パラフィン 43.7質量部
ジグリセリンテトラオレート 40 質量部
ジグリセリンモノラウレート 5.5質量部
ステアリン酸 0.3質量部
ロ)
グリセリン 80 質量部
ジグリセリン 20 質量部
ハ)
液化天然ガス 10 質量部
(イソブタン:ブタン=4:1)
【0021】
【表2】

【実施例3】
【0022】
実施例1とイ)とロ)より同様に非水ゲル3を作成し、これをハ)とともに密閉して本発明のフォーム状化粧料である泡沫エアゾール化粧料3を得た。このもの評価を試験例1と同様に行った。結果を表3に示す。このもののも泡沫エアゾール化粧料1と同様の効果を有していることが判る。
【0023】
イ)
セタノール 0.4質量部
N−ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)
(「エルデュウPS203」;味の素株式会社製)0.1質量部
イソステアリルオクチルドデカネート 10 質量部
流動パラフィン 43.7質量部
ジグリセリンテトラオレート 40 質量部
ジグリセリンモノラウレート 4 質量部
デカグリセリンモノラウレート 1.5質量部
ステアリン酸 0.3質量部
ロ)
グリセリン 80 質量部
ジプロピレングリコール 5 質量部
1,3−ブタンジオール 5 質量部
1,2−ペンタンジオール 5 質量部
ポリエチレングリコール400 5 質量部
ハ)
液化天然ガス 10 質量部
(イソブタン:ブタン=4:1)
【0024】
【表3】

【0025】
<試験例2>
泡沫エアゾール化粧料1と、それのグリセリンとジグリセリンを水に置換した比較例1を作成し、パック化粧料としての、エステティック施術に於ける、その心地よさの提供の度合いを調べた。(n=1)即ち、被験者に日を変えて、それぞれの化粧料でパックを行い、その前後における、唾液中のプラステロン硫酸の濃度を測定した。プラステロン硫酸の濃度はサンドウィッチ抗体法により、ワサビペルオキシダーゼ標識抗体による発色を以て測定した。結果は、泡沫エアゾール化粧料1の上昇率が13.2%であるのに対し、比較例1の上昇率が7.3%であった。これは本発明の化粧料である、泡沫エアゾール化粧料1が温感特性に優れ、化粧料の塗布時に冷感を感じず、充分に心地よさを満喫できるためであると思われる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、温感パック化粧料などの温感化粧料に応用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)アシル化ポリグリセリンと2)多価アルコール15〜80質量%と3)25℃1気圧で液体の油性成分15〜80質量%とを含有することを特徴とする、泡沫化粧料。
【請求項2】
アシル化ポリグリセリンとして、少なくとも2種のアシル化ポリグリセリンを含有することを特徴とする、請求項1に記載の泡沫化粧料。
【請求項3】
前記少なくとも2種のポリグリセリンの脂肪酸エステルとして、ジグリセリンのモノ脂肪酸エステルと、デカグリセリンのモノ脂肪酸エステルとを含有することを特徴とする、請求項2に記載の泡沫化粧料。
【請求項4】
前記油性成分に於いて、その30〜80質量%がジグリセリンのテトラ脂肪酸エステルであることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の泡沫化粧料。
【請求項5】
実質的に水を含有しないことを特徴とする、請求項1〜4何れか1項に記載の泡沫化粧料。
【請求項6】
温感を有する化粧料であることを特徴とする、請求項1〜5何れか1項に記載の化粧料。
【請求項7】
更に、グリチルレチン酸アルキル、グリチルリチン酸、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、アルブチン、トラネキサム酸、4−メトキシサリチル酸及びそれらの塩から選択される1種乃至は2種以上を含有することを特徴とする、請求項1〜6何れか1項に記載の化粧料。
【請求項8】
抗炎症作用及び/又はメラニン産生抑制作用を訴求した医薬部外品であることを特徴とする、請求項7に記載の化粧料。
【請求項9】
抗炎症作用及び/又はメラニン産生抑制作用を有する旨の表示を包装形態に有することを特徴とする、請求項7又は8に記載の化粧料。

【公開番号】特開2006−8574(P2006−8574A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−187147(P2004−187147)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【Fターム(参考)】