説明

測位方法及び測位システム

【課題】
可能な限り高精度な移動通信端末装置の現在位置の測位結果を迅速に取得する。
【解決手段】
移動通信端末装置102が、通信中の基地局の識別子を指定して、GPS衛星の捕捉用情報の要求である第1アシスト要求を行うと、アシストサーバ50は、捕捉用情報とともに該基地局の位置情報を導出し、移動通信端末装置102へ向けて送信する。次に、移動通信端末装置102が、受信した捕捉用情報に基づいて捕捉されたGPS衛星との間の距離の計測結果を指定して、現在位置の算出要求である第2アシスト要求を行うと、アシストサーバ50は、移動通信端末装置102の現在位置を算出し、算出結果を移動通信端末装置102へ報告する。この報告を受けた移動通信端末装置102は、当該報告が算出成功の結果であったときには当該算出結果を、当該報告が算出失敗の結果であったときには基地局の位置を測位結果とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測位方法及び測位システムに係り、より詳しくは、移動通信端末装置の現在位置をアシストサーバによるアシストを受けて測位する測位方法、及び、この測位方法を使用して測位を行う測位システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、携帯電話等の移動通信端末装置が広く普及している。こうした移動通信端末装置の機能や性能の向上は目覚しく、移動通信端末装置としての必須機能である通話機能やEメールの送受信機能に加えて、移動通信端末装置の現在位置を計測する測位機能を有するものが登場してきている。
【0003】
こうした移動通信端末装置における測位としては、ネットワークに接続されたGPS測位アシストサーバの支援を受けつつ行われるGPS(Global Positioning System)を利用した測位(以下、「アシストGPS」という)が実用化されている。このアシストGPSでは、GPS測位アシストサーバは、常にGPS衛星の情報を収集している。そして、移動通信端末装置と無線リンクが確立している基地局の識別子をパラメータとして、移動通信端末装置から測位用の情報の要求があると、GPS測位アシストサーバは、GPS衛星を捕捉するための捕捉用情報や、移動通信端末装置の現在位置を算出するための位置算出用情報等を移動通信端末装置へ向けて送信する。
【0004】
捕捉用情報を受けた移動通信端末装置は、その捕捉用情報を利用してGPS衛星を捕捉し、GPS衛星との間の距離を計測する。この後、移動通信端末装置は、計測されたGPS衛星との間の距離と位置算出用情報とに基づいて現在位置の算出を行ったり、計測された距離をGPS測位アシストサーバに通知して現在位置の算出要求を行ったりする。ここで、移動通信端末装置の現在位置の算出要求を受けたGPS測位アシストサーバは、通知されたGPS衛星との間の計測距離に基づいて移動通信端末装置の現在位置を算出し、算出結果を移動通信端末装置に通知するようになっている(特許文献1等参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2002−196063号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来のアシストGPSは、原理的には、移動通信端末装置にとって迅速に、且つ高精度な現在位置の測位ができる。しかしながら、移動通信端末装置において実際に捕捉できたGPS衛星の数が必要数以下であった場合には、位置算出ができず、GPSによる測位は失敗する。また、GPS測位ができたとしても、算出された移動通信端末装置の現在位置が許容精度よりも悪く、実質的な測位の失敗となる場合もある。さらに、許容時間以内にGPS衛星を捕捉できない場合もある。本明細書では、こうした3つの場合、すなわち、位置算出ができなかった場合及び算出された位置精度が許容精度以下であった場合の双方を含めて、GPS測位の失敗というものとする。
【0007】
以上のようにGPS測位に失敗した場合には、移動通信端末装置と通信を行っている基地局すなわち移動体通信端末装置と無線リンクが確立している基地局の位置をセル識別子測位サーバから取得することが考えられる。この基地局の位置の取得に際しては、まず、移動通信端末装置が、自身と無線リンクが確立している基地局の識別子(すなわち、「セル識別子」)をパラメータとして、セル識別子測位サーバへ向けて、当該基地局位置の通知の要求を送信する。そして、この要求を受けたセル識別子測位サーバは、通知された基地局識別子に対応する基地局位置を移動通信端末装置に通知するようになっている。
【0008】
ところで、上述したGPS測位アシストサーバと、セル識別子測位サーバとは異なるものであった。この結果、GPS測位と、基地局識別子による測位とは、移動通信端末装置にとっては、全く独立した機能であった。
【0009】
このため、移動通信端末装置は、GPS測位のアシストを受けるための通信と、基地局識別子による測位のための通信とは別個に設定されることとなっていた。したがって、GPS測位による高精度の測位に失敗した場合には、基地局識別子による測位を行うために新たな通信のセッションを設定する必要があった。この結果、移動通信端末装置がアシストサーバの支援を受けて測位を行うときに、GPS測位に失敗したことにより基地局識別子による測位まで行うと、長時間を要することとなっていた。
【0010】
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、測位時点の状況に応じて可能な限り高精度な移動通信端末装置の現在位置の測位結果を迅速に得ることができる測位方法及び測位システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の測位方法は、移動通信端末装置の存在する現在位置を測定する測位方法であって、前記移動通信端末装置が、前記移動通信端末装置と無線リンクが確立している基地局の識別子をパラメータとして、GPS衛星を捕捉するための捕捉用情報を含むアシスト情報の要求である第1アシスト要求をアシストサーバへ向けて送信する第1アシスト要求送信工程と;前記第1アシスト要求を受けた前記アシストサーバが、前記基地局の識別子の値に応じて、前記捕捉用情報を含む衛星捕捉用アシスト情報とともに前記基地局の位置情報を前記移動通信端末装置へ向けて送信する第1アシスト情報送信工程と;前記移動通信端末装置が、前記衛星捕捉用アシスト情報に基づいて前記GPS衛星を捕捉し、前記GPS衛星との距離を計測する距離計測工程と;前記移動通信端末装置が、前記距離計測工程における計測結果をパラメータとして、前記移動通信端末装置の現在位置の算出要求である第2アシスト要求を前記アシストサーバへ向けて送信する第2アシスト要求送信工程と;前記第2アシスト要求を受けた前記アシストサーバが、前記距離計測工程における計測結果に基づいて、前記移動通信端末装置の現在位置を算出する位置算出工程と;前記アシストサーバが、前記位置算出工程における算出結果を前記移動通信端末装置へ向けて送信する位置算出結果送信工程と;前記移動通信端末装置が、前記算出結果が算出成功の結果であったときには前記算出結果を、前記算出結果が算出失敗の結果であったときには前記基地局の位置を測位結果とする測位結果決定工程と;を備える測位方法である。
【0012】
この測位方法では、移動通信端末装置の利用者又はネットワ−クを介した第三者から移動通信端末装置の現在位置の測位指令がなされると、第1アシスト情報要求工程において、移動通信端末装置が、自身と無線リンクが確立している基地局の識別子をパラメータとして、GPS衛星を捕捉するための捕捉用情報を含むアシスト情報の要求である第1アシスト要求をアシストサーバへ向けて送信する。この第1アシスト要求をアシストサーバが受けると、第1アシスト情報送信工程において、アシストサーバが、当該アシスト情報とともに当該基地局の位置の情報を移動通信端末装置へ向けて送信する。すなわち、上述した本発明の第1の測位方法と同様に、基地局位置の通知の要求が無くとも、第1アシスト情報送信工程において、当該基地局の位置が移動通信端末装置へ通知される。
【0013】
次に、距離計測工程において、移動通信端末装置が、受信したアシスト情報に基づいて、GPS衛星を捕捉してGPS衛星との間の距離を計測する。引き続き、第2アシスト要求送信工程において、移動通信端末装置が、距離計測工程における測定結果をパラメータとして、当該移動通信端末装置の現在位置の算出要求である第2アシスト要求をアシストサーバへ向けて送信する。
【0014】
この第2アシスト要求をアシストサーバが受けると、位置算出工程において、アシストサーバが、通知された距離に基づいて、移動通信端末装置の現在位置を算出する。引き続き、位置算出結果送信工程において、アシストサーバが、位置算出工程における算出結果を前記移動通信端末装置へ向けて送信する。この位置算出結果を受けた移動通信端末装置は、測位結果決定工程において、当該算出結果が算出成功の結果であったときには当該算出結果を、当該算出結果が算出失敗の結果であったときには基地局の位置を測位結果とする。
【0015】
こうして、移動通信端末装置が、自身が存在する現在位置を取得すると、測位結果が測位指令者に通知される。ここで、測位指令者が移動通信端末装置の利用者である場合には、測位結果は、移動通信端末装置の表示部に表示される。一方、測位指令者が、ネットワークを介した第三者である場合には、測位結果は、ネットワークを介して当該第三者に通知される。
【0016】
したがって、本発明の測位方法によれば、GPS測位が成功した場合には高精度の測位結果が得られる。一方、GPS測位が失敗した場合であっても、成功した場合と同等の時間で、基地局識別子による測位結果が得られる。すなわち、本発明の測位方法によれば、測位時点の状況に応じて可能な限り高精度な移動通信端末装置の現在位置の測位結果を迅速に得ることができる。
【0017】
本発明の測位システムは、ネットワークに接続された移動通信端末装置と、前記ネットワークに接続されたアシストサーバとを備える測位システムであって、前記移動通信端末装置は、前記アシストサーバへ向けて、自身と無線リンクが確立している基地局の識別子をパラメータとして、GPS衛星を捕捉するための捕捉用情報を含む衛星捕捉用アシスト情報の要求である第1アシスト要求を送信する第1アシスト要求手段と;前記第1アシスト要求に応答して前記ネットワークを介して前記アシストサーバから送信された前記衛星捕捉用アシスト情報及び前記基地局の位置を受信する第1受信手段と;前記ネットワークを介して前記アシストサーバから受信した前記衛星捕捉用アシスト情報に基づいて、前記GPS衛星との間の距離を計測する距離計測手段と;前記距離計測手段による計測結果をパラメータとして、現在位置の算出要求である第2アシスト要求を送信する第2アシスト要求手段と;前記第2アシスト要求に応答して前記ネットワークを介して前記アシストサーバから送信された算出結果を受信する第2受信手段と;前記ネットワークを介して前記アシストサーバから受信した算出結果が算出成功の結果であったときには前記算出結果を、前記算出結果が算出失敗の結果であったときには前記衛星捕捉用アシスト情報とともに前記アシストサーバから受信した前記基地局の位置を測位結果とする測位結果決定手段と;を備え、前記アシストサーバは、前記ネットワークの基地局それぞれの位置情報を格納した基地局位置記憶手段と;前記移動通信端末装置からの第1アシスト要求に応じて、前記衛星捕捉用アシスト情報を導出する捕捉用情報導出手段と;前記捕捉用情報導出手段により導出された前記衛星捕捉用アシスト情報とともに、前記基地局位置記憶手段から読み出された、前記移動通信端末装置と無線リンクが確立している基地局の位置情報を、前記ネットワークを介して、前記移動通信端末装置へ通知する第1アシスト情報通知手段と;前記移動通信端末装置からの第2アシスト要求に応じて、前記移動通信端末装置の現在位置を算出する位置算出手段と;前記位置算出手段による位置算出結果を、前記ネットワークを介して、前記移動通信端末装置へ通知する第2アシスト情報通知手段と;を備えることを特徴とする測位システムである。
【0018】
この測位システムでは、移動通信端末装置の利用者又はネットワ−クを介した第三者から移動通信端末装置の現在位置の測位指令がなされると、移動通信端末装置の第1アシスト要求手段が、当該移動通信端末装置と無線リンクが確立している基地局の識別子をパラメータとして、GPS衛星を捕捉するための捕捉用情報を含む衛星捕捉用アシスト情報の要求である第1アシスト要求をアシストサーバへ向けて送信する。この第1アシスト要求をアシストサーバが受けると、アシストサーバの捕捉用情報導出手段が、基地局位置記憶手段の記憶内容を参照しつつ、捕捉用情報を導出する。そして、第1アシスト情報通知手段が、捕捉用情報を含む衛星捕捉用アシスト情報とともに当該基地局の位置情報を移動通信端末装置へ向けて送信する。
【0019】
この衛星捕捉用アシスト情報及び当該基地局の位置情報を第1受信手段で受けた移動通信端末装置では、距離計測手段が、通知された衛星捕捉用アシスト情報に基づいて、GPS衛星を捕捉してGPS衛星との間の距離を計測する。引き続き、第2アシスト要求手段が、距離計測手段による計測結果をパラメータとして、当該移動通信端末装置の現在位置の算出要求である第2アシスト要求をアシストサーバへ向けて送信する。
【0020】
この第2アシスト要求を受けたアシストサーバでは、位置算出手段が、通知された距離に基づいて、移動通信端末装置の現在位置を算出する。引き続き、第2アシスト情報通知手段が、位置算出手段による算出結果を移動通信端末装置へ向けて送信する。この位置算出結果を第2受信手段で受けた移動通信端末装置では、測位結果決定手段が、当該算出結果が算出成功の結果であったときには当該算出結果を、当該算出結果が算出失敗の結果であったときには基地局の位置を測位結果とする。
【0021】
すなわち、本発明の測位システムでは、上述した本発明の測位方法を使用して、移動通信端末装置の測位を行うことができる。したがって、本発明の測位システムによれば、測位時点の状況に応じて可能な限り高精度な移動通信端末装置の現在位置の測位結果を迅速に得ることができる。
【0022】
本発明の移動通信端末装置は、ネットワークを介して接続されたアシストサーバと協働して、自身の現在位置を取得する移動通信端末装置であって、前記アシストサーバへ向けて、自身と無線リンクが確立している基地局の識別子をパラメータとして、GPS衛星を捕捉するための補足用情報を含む衛星捕捉用アシスト情報の要求である第1アシスト要求を送信する第1アシスト要求手段と;前記第1アシスト要求に応答して前記ネットワークを介して前記アシストサーバから送信された前記衛星捕捉用アシスト情報及び前記基地局の位置を受信する第1受信手段と;前記ネットワークを介して前記アシストサーバから受信した前記衛星捕捉用アシスト情報に基づいて、前記GPS衛星との間の距離を計測する距離計測手段と;前記距離計測手段による計測結果をパラメータとして、現在位置の算出要求である第2アシスト要求を送信する第2アシスト要求手段と;前記第2アシスト要求に応答して前記ネットワークを介して前記アシストサーバから送信された算出結果を受信する第2受信手段と;前記ネットワークを介して前記アシストサーバから受信した算出結果が算出成功の結果であったときには前記算出結果を、前記算出結果が算出失敗の結果であったときには前記衛星捕捉用アシスト情報とともに前記アシストサーバから受信した前記基地局の位置を測位結果とする測位結果決定手段と;を備えることを特徴とする移動通信端末装置である。
【0023】
この移動通信端末装置では、利用者又はネットワ−クを介した第三者から現在位置の測位指令がなされると、第1アシスト要求手段が、当該移動通信端末装置と無線リンクが確立している基地局の識別子をパラメータとして、GPS衛星を捕捉するための捕捉用情報を含む衛星捕捉用アシスト情報の要求である第1アシスト要求をアシストサーバへ向けて送信する。引き続き、第1受信手段が、当該第1アシスト要求に対する応答としてアシストサーバから送信された衛星捕捉用アシスト情報及び当該基地局の位置を受信する。
【0024】
衛星捕捉用アシスト情報及び当該基地局の位置情報を第1受信手段で受けた移動通信端末装置では、距離計測手段が、通知された衛星捕捉用アシスト情報に基づいて、GPS衛星を捕捉してGPS衛星との間の距離を計測する。引き続き、第2アシスト要求手段が、距離計測手段による計測結果をパラメータとして、当該移動通信端末装置の現在位置の算出要求である第2アシスト要求をアシストサーバへ向けて送信する。
【0025】
次に、第2受信手段が、当該第2アシスト要求に対する応答である位置算出結果をうける。この位置算出結果を第2受信手段で受けた移動通信端末装置では、測位結果決定手段が、当該算出結果が算出成功の結果であったときには当該算出結果を、当該算出結果が算出失敗の結果であったときには基地局の位置を測位結果とする。
【0026】
すなわち、本発明の測位システムでは、上述した本発明の測位方法を使用して、移動通信端末装置の測位を行うことができる。したがって、本発明の測位システムによれば、測位時点の状況に応じて可能な限り高精度な移動通信端末装置の現在位置の測位結果を迅速に得ることができる。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように、本発明の測位方法によれば、測位時点の状況に応じて可能な限り高精度な移動通信端末装置の現在位置の測位結果を迅速に得ることができるという効果を奏する。
【0028】
また、本発明の測位システムによれば、本発明の測位方法を使用して移動通信端末装置の測位を行うことができるので、測位時点の状況に応じて可能な限り高精度な移動通信端末装置の現在位置の測位結果を迅速に得ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図9を参照しつつ説明する。なお、これらの図においては、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0030】
図1には、本発明の一実施形態に係る測位システム100の構成が模式的に示されている。図1に示されるように、この測位システム100は、(a)携帯電話101,102と、(b)携帯電話101,102と無線通信を行う基地局421,422を介して、携帯電話101,102が接続されるネットワーク41と、(c)ネットワーク41に接続されたアシストサーバ50とを備えている。ここで、携帯電話の数及び基地局の数は、一般に2つよりも多いが、図1では、2つの携帯電話101,102と、2つの基地局421,422とが代表的に示されている。
【0031】
なお、本実施形態においては、携帯電話101は、GPS測位に際して、距離計測及び位置算出の機能を有するものであり、携帯電話102は、GPS測位に際して、距離計測機能のみを有するものとなっている。また、携帯電話101は基地局421と無線リンクを確立し、携帯電話102は基地局422と無線リンクを確立するものとして、以下の説明を行う。
【0032】
図2には、携帯電話10j(j=1,2)の外観構成が概略的に示されている。図2に示されるように、携帯電話10jは、(a)携帯電話本体11jと、(b)電話番号を入力するためのテンキー、及び、動作モードの切替等の各種指令を制御部21jに入力するためのファンクションキーを有する操作部12と、(c)制御部21jによる指令に応じて、操作案内、動作状況、受信メッセージ等を表示する液晶表示装置を有する表示部13とを備えている。また、携帯電話10jは、(d)通話時に通信相手から送られてきた音声信号を再生する通話用スピーカ14と、(e)集音時に音を入力したり、通話時に音声を入力したりするためのマイクロフォン15と、(f)制御部21jによる指令に応じて、着信音や案内音を発生するための案内用スピーカ16とを備えている。さらに、携帯電話10jは、(g)基地局との間で無線信号を授受するためのアンテナ17を備えている。
【0033】
ここで、携帯電話本体111は、図3に示されるように、その内部に、(i)携帯電話本体111の全体の動作を統括制御する制御部211と、(ii)制御部211による制御のもとで、GPS衛星からの電波を受信するためのアンテナ22Aを有し、GPS衛星からの電波を受信するGPS受信部22とを備えている。また、携帯電話本体111は、その内部に、(iii)リードオンリメモリ(ROM)やランダムアクセスメモリ(RAM)等に構成された記憶部23と、(iv)基地局421との間で通信を行うための無線送受信部24とを備えている。
【0034】
制御部211は、(i)無線送受信部24を介してアシストサーバ50から受信したGPS衛星の捕捉用情報に基づいてGPS受信部22を制御して、GPS衛星からの電波を観測する電波観測部39と、(ii)電波観測部39におけるGPS衛星からの電波の観測結果に基づいて、GPS衛星との間の距離を計測する距離計測部31と、(iii)距離計測部31による計測結果及び無線送受信部24を介してアシストサーバ50から受信した位置算出用情報に基づいて、携帯電話101の現在位置を算出する位置算出部32と、(iv)位置算出部32による位置算出が成功したときには、位置算出部32による位置算出結果を測位結果とし、位置算出部32による位置算出が失敗したときには、無線送受信部24を介してアシストサーバ50から受信した基地局421の位置を測位結果とする測位結果決定部33とを備えている。また、制御部211は、(v)基地局421の識別子をパラメータとして、捕捉用情報及び位置算出用情報を含むアシスト情報の要求であるアシスト要求を、無線送受信部24を介してアシストサーバへ送信するアシスト要求部34を備えている。
【0035】
なお、本実施形態では、制御部211は、中央処理装置(CPU)やデジタル信号処理装置(DSP)等を有し、プログラムを実行する処理装置となっている。そして、上述した距離計測部31、位置算出部32及び測位結果決定部33の機能は、制御部211において実行されるプログラムの実行によって実現されるようになっている。
【0036】
また、携帯電話本体112は、図4に示されるように、その内部に、携帯電話本体112の全体の動作を統括制御する制御部212を備えている。また、携帯電話本体112は、上述した携帯電話本体111の場合と同様に、その内部に、GPS受信部22と、記憶部23と、無線送受信部24とを備えている。
【0037】
制御部212は、上述した携帯電話本体111の場合と同様に、(i)電波観測部39と、(ii)距離計測部31とを備えている。また、制御部212は、(iii)基地局422の識別子をパラメータとして、GPS衛星の捕捉用情報を含む衛星捕捉用アシスト情報の要求である第1アシスト要求を、無線送受信部24を介してアシストサーバ50へ送信する第1アシスト要求部35と、(iv)距離計測部31による計測結果をパラメータとして、携帯電話102の現在位置の算出要求である第2アシスト要求を、無線送受信部24を介してアシストサーバ50へ送信する第2アシスト要求部36と、(v)アシストサーバ50による位置算出が成功したときには、その位置算出結果を測位結果とし、アシストサーバ50による位置算出が失敗したときには、無線送受信部24を介してアシストサーバ50から受信した基地局421の位置を測位結果とする測位結果決定部37とを備えている。
【0038】
なお、本実施形態では、制御部212は、上述した制御部211の場合と同様に、中央処理装置(CPU)やデジタル信号処理装置(DSP)等を有し、プログラムを実行する処理装置となっている。そして、上述した距離計測部31、第1アシスト要求部35及び第2アシスト要求部36の機能は、制御部212において実行されるプログラムの実行によって実現されるようになっている。
【0039】
アシストサーバ50は、図5に示されるように、(i)アシストサーバ50の全体の動作を統括制御する制御処理装置51と、(ii)GPS衛星からの電波を受信するためのアンテナ52と、(iii)各種プログラムや各種データを格納する記憶装置53と、ネットワーク41を介した通信を行うための送受信装置54とを備えている。ここで、制御処理装置51は、上述した携帯電話101のような位置算出機能を有するものに対する測位アシストを行う第1モードアシスト部と、上述した携帯電話102のような位置算出機能を有しないものに対する測位アシストを行う第2モードアシスト部とを有している。また、記憶装置53には、ネットワーク41に接続される全ての基地局の識別子と位置情報とが対応付けて記憶されている。
【0040】
このように構成されたアシストサーバ50は、アンテナ52を用いて、常にGPS衛星を観測しており、GPS衛星に関する各種情報を刻々収集している。そして、ネットワーク41に接続された端末装置からアシスト要求を受けると、その端末装置が位置算出機能を有するか否かに応じて、第1モードアシスト部56又は第2モードアシスト部57が動作して、測位アシストを行うようになっている。
【0041】
第1モードアシスト部56は、図6に示されるように、(i)送受信装置54を介したアシスト要求を受けて、アシスト情報を導出するアシスト情報導出部61と、(ii)アシスト情報導出部61により導出されたアシスト情報を、送受信装置54、ネットワーク41等を介して、アシスト要求を行った端末装置へ通知するアシスト情報通知部62とを備えている。ここで、アシスト情報導出部61は、送受信装置54を介してアシスト要求を受けると、アシスト要求のパラメータとして指定された基地局識別子に対応する基地局位置情報を記憶装置53から読み出す。そして、アシスト情報導出部61は、読み出された基地局位置に応じたセル内における位置算出機能を有する端末装置のための捕捉用情報及び位置算出用情報というGPS測位のアシスト情報を導出する。また、アシスト情報送出部62は、GPS測位のアシスト情報に加えて読み出された基地局位置情報(すなわち、基地局識別子(セル識別子)測位結果の情報)を、アシスト要求を行った端末装置へ通知する。
【0042】
第2モードアシスト部57は、図7に示されるように、(i)送受信装置54を介した第1アシスト要求を受けて、捕捉用情報を含む衛星捕捉用アシスト情報を導出する捕捉用情報導出部66と、(ii)送受信装置54を介した第2アシスト要求を受けて、当該第2アシスト要求をした端末装置の位置を算出する位置算出部68とを備えている。また、第2モードアシスト部57は、(iii)第1アシスト要求に応じて捕捉用情報とともに基地局422の位置情報を、第2アシスト要求に応じて位置算出結果を、送受信装置54、ネットワーク41等を介して、アシスト要求を行った端末装置へ通知するアシスト情報通知部69とを備えている。
【0043】
ここで、捕捉用情報導出部66は、送受信装置54を介して第1アシスト要求を受けると、第1アシスト要求のパラメータとして指定された基地局識別子に対応する基地局位置情報を記憶装置53から読み出す。そして、捕捉用情報導出部66は、読み出された基地局位置情報に応じたセル内における位置算出機能を有しない端末装置のための捕捉用情報を含む衛星捕捉用アシスト情報を導出する。
【0044】
次に、上記のように構成された測位システム100における、携帯電話101,102の現在位置の測位動作について説明する。
【0045】
まず、位置算出機能を有する携帯電話101の現在位置の測位動作について説明する。なお、測位動作を開始させる測位要求は、携帯電話101の利用者の操作部12によって行われるものとする。また、携帯電話101は、自身と無線リンクが確立している基地局421の識別子を取得しているものとする。
【0046】
携帯電話101の現在位置の測位では、図8に示されるように、測位要求がなされると、まず、携帯電話101のアシスト要求部34が、基地局421の識別子をパラメータとするアシスト要求を、無線送受信部24、基地局421及びネットワーク41を介して、アシストサーバ50へ向けて送信する。このアシスト要求をアシストサーバ50が受信すると、制御処理装置51の第1モードアシスト部56のアシスト情報導出部61が、基地局421の識別子と対応して記憶装置53内に記憶されている基地局421の位置情報を読み出す。引き続き、アシスト情報導出部61は、読み出された基地局421の位置情報に基づいて、携帯電話101がGPS測位のために必要とする衛星の捕捉用情報及び位置算出用情報をアシスト情報として導出する。そして、アシスト情報導出部61は、導出されたアシスト情報及び基地局421の位置情報をアシスト情報通知部62へ送る。このアシスト情報とともに基地局421の位置情報を受けたアシスト情報通知部62は、送受信装置54、ネットワーク41及び基地局421を介して、アシスト情報及び基地局421の位置情報を携帯電話101へ向けて送信する。
【0047】
アシスト情報及び基地局421の位置情報を受けた携帯電話101では、アシスト情報のうち、捕捉用情報を電波観測部39が受け取るとともに、位置算出用情報を位置算出部32が受け取る。また、測位結果決定部33が、基地局421の位置情報を受け取る。捕捉用情報を受けた電波観測部39は、GPS受信部22を制御して、GPS衛星を捕捉し、GPS衛星からの電波を観測する。この観測結果は、電波観測部39から距離計測部31へ通知される。観測結果を受けた距離計測部31は、その観測結果に基づいて、GPS衛星との間の距離を求める。こうして計測された距離は、位置算出部32へ送られる。なお、電波観測部39におけるGPS衛星の捕捉が所定時間以内にできなかった場合には、距離計測部31が、タイムアウトエラーを検出し、その旨を位置算出部32へ通知するようになっている。
【0048】
引き続き、位置算出部32は、計測された距離及び先に受けた位置算出用情報に基づいて、携帯電話101の現在位置を算出する。そして、位置算出部32は、必要数に満たないのGPS衛星しか捕捉できず、必要数に満たないGPS衛星との間の距離しか計測できなかった、又は、タイムアウトエラーが発生したために位置算出できなかった場合にはその旨を、位置算出ができた場合には位置算出結果とその精度を、測位結果決定部33に通知する。
【0049】
位置算出結果を受けた測位結果決定部33は、位置算出結果が「位置算出できなかった」である場合には、先に受けた基地局421の位置を測位結果とする。また、測位結果決定部33は、位置算出結果における精度が許容精度よりも低い場合には、基地局421の位置を測位結果とする。また、測位結果決定部33は、位置算出結果における精度が許容精度よりも高い場合には、当該位置算出結果を測位結果とする。
【0050】
こうして測位結果が決定されると、制御部211は、測位結果を表示部13に表示して、利用者に測位結果を知らせる。
【0051】
次に、位置算出機能を有しない携帯電話102の現在位置の測位動作について説明する。なお、測位動作を開始させる測位要求は、携帯電話102の利用者の操作部12によって行われるものとする。また、携帯電話102は、自身と無線リンクが確立している基地局422の識別子を取得しているものとする。
【0052】
携帯電話102の現在位置の測位では、図9に示されるように、測位要求がなされると、まず、携帯電話102の第1アシスト要求部35が、基地局422の識別子をパラメータとする第1アシスト要求を、無線送受信部24、基地局422及びネットワーク41を介して、アシストサーバ50へ向けて送信する。このアシスト要求をアシストサーバ50が受信すると、制御処理装置51の第2モードアシスト部57の捕捉用情報導出部66が、基地局422の識別子と対応して記憶装置53内に記憶されている基地局422の位置情報を読み出す。引き続き、捕捉用情報導出部66は、読み出された基地局422の位置情報に基づいて、携帯電話102が距離計測のために必要とする捕捉用情報を含む衛星捕捉用アシスト情報を導出する。そして、捕捉用情報導出部66は、導出された衛星捕捉用アシスト情報とともに基地局422の位置情報をアシスト情報通知部69へ送る。これらの情報を受けたアシスト情報通知部69は、送受信装置54、ネットワーク41及び基地局422を介して、衛星捕捉用アシスト情報とともに、基地局422の位置情報を携帯電話102へ向けて送信する。
【0053】
衛星捕捉用アシスト情報及び基地局422の位置情報を受けた携帯電話102では、捕捉用情報を電波観測部39が受け取る。また、測位結果決定部37が、基地局422の位置情報を受け取る。捕捉用情報を受けた電波観測部39は、GPS受信部22を制御して、GPS衛星を捕捉し、GPS衛星からの電波を観測する。この観測結果は、電波観測部39から距離計測部31へ通知される。観測結果を受けた距離計測部31は、その観測結果に基づいて、GPS衛星との間の距離を求める。こうして計測された距離は、第2アシスト要求部36へ送られる。距離の計測結果を受けた第2アシスト要求部36は、距離の計測結果をパラメータとする第2アシスト要求を、無線送受信部24、基地局422及びネットワーク41を介して、アシストサーバ50へ向けて送信する。なお、電波観測部39におけるGPS衛星の捕捉が所定時間以内にできなかった場合には、距離計測部31が、タイムアウトエラーを検出し、その旨を測位結果決定部37へ通知するようになっている。
【0054】
第2アシスト要求を受けたアシストサーバ50では、位置算出部68が、通知された距離及びアシストサーバ50がGPS衛星からの電波の観測により得ている位置算出用情報に基づいて、携帯電話102の現在位置を算出する。そして、位置算出部68は、必要数に満たないGPS衛星しか捕捉できず、必要数に満たないGPS衛星との間の距離しか計測できなかったために位置算出できなかった場合にはその旨を、位置算出ができた場合には算出された位置とその精度を、位置算出結果として、アシスト情報通知部69へ送る。位置算出結果を受けたアシスト情報通知部69は、送受信装置54、ネットワーク41及び基地局422を介して、位置算出結果を携帯電話102へ向けて送信する。
【0055】
携帯電話102では、アシストサーバ50からの位置算出結果を測位結果決定部37が受け取る。すなわち、測位結果決定部37は、GPS測位結果として、当該位置算出結果又は上述したタイムアウトエラーが発生した旨を受け取る。そして、測位結果決定部37は、タイムアウトエラーが発生した旨を受けた場合には、先に受けた基地局422の位置を測位結果とする。また、アシストサーバ50から受けた位置算出結果が「位置算出できなかった」である場合には、先に受けた基地局422の位置を測位結果とする。また、測位結果決定部37は、位置算出結果における精度が許容精度よりも低い場合には、基地局422の位置を測位結果とする。また、測位結果決定部37は、位置算出結果における精度が許容精度よりも高い場合には、当該位置算出結果を測位結果とする。
【0056】
こうして測位結果が決定されると、制御部212は、測位結果を表示部13に表示して、利用者に測位結果を知らせる。
【0057】
以上説明したように、本実施形態の測位システム100では、位置算出機能を有する携帯電話101の測位に際しては、アシストサーバ50が、GPS測位のための捕捉用情報及び位置検出用情報等を含むアシスト情報の送信時に、基地局421の位置情報を併せて送信する。そして、携帯電話101におけるGPS測位が失敗した場合には、携帯電話101は、先に受信した基地局421の位置を測位結果とする。また、携帯電話101におけるGPS測位が成功した場合には、GPS測位結果を測位結果とする。
【0058】
また、位置算出機能を有しない携帯電話102の測位に際しても、アシストサーバ50が、GPS衛星の捕捉用情報等を含む衛星捕捉用アシスト情報の送信時に、基地局422の位置情報を併せて送信する。そして、携帯電話102において計測された距離に基づくGPS測位に失敗した場合には、携帯電話102が自動的に基地局422の位置を測位結果とする。また、GPS測位が成功した場合には、GPS測位結果を測位結果とする。
【0059】
したがって、本実施形態によれば、測位時点の状況に応じて可能な限り高精度な携帯電話101,102の現在位置の測位結果を迅速に得ることができる。
【0060】
なお、上記の実施形態では、携帯電話101,102への測位要求を、携帯電話101,102の利用者が行うこととした。これに対して、携帯電話101,102への測位要求を、ネットワーク41を介した第三者が行うこととしてもよい。この場合には、携帯電話101,102が、取得された測位結果を、ネットワーク41を介して当該第三者へ向けて送信するようにすればよい。なお、ネットワーク41を介した第三者による携帯電話102への測位要求がアシストサーバ50を介するものである場合には、携帯電話102に代えて、アシストサーバ50が測位結果を当該第三者へ向けて送信するようにしてもよい。
【0061】
また、上記の実施形態では、携帯電話101,102におけるGPS衛星からの電波を受信するアンテナ22Aを携帯電話本体11内に収納したが、携帯電話本体11の外側に配設することもできる。
【0062】
また、上記の実施形態では、携帯電話の現在位置の測位に本発明を適用したが、携帯電話以外の移動通信端末装置に本発明を適用することができるのは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上説明したように、本発明の測位方法及び測位システムは、移動通信端末装置の現在位置の測位に有用であり、特に、移動通信端末装置の現在位置のGPS測位及び基地局識別子による測位の併用時において、測位時点の状況に応じて可能な限り高精度な移動通信端末装置の現在位置の測位結果の迅速な取得に適している。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施形態に係る測位システムの構成を模式的に図面である。
【図2】図1の携帯電話の外観構成を概略的に示す図である。
【図3】図1の位置算出機能を有する携帯電話の機能ブロック図である。
【図4】図1の位置算出機能を有しない携帯電話の機能ブロック図である。
【図5】図1のアシストサーバの機能ブロック図である。
【図6】図5の第1モードアシスト部の機能ブロック図である。
【図7】図5の第2モードアシスト部の機能ブロック図である。
【図8】位置算出機能を有する携帯電話の現在位置の測位動作を説明するためのシーケンス図である。
【図9】位置算出機能を有しない携帯電話の現在位置の測位動作を説明するためのシーケンス図である。
【符号の説明】
【0065】
101…携帯電話、102…携帯電話(移動通信端末装置)、111,112…携帯電話本体、12…操作部、13…表示部、14…通話用スピーカ、15…マイクロフォン、16…案内用スピーカ、17…アンテナ、211,212…制御部、22…GPS受信部、22A…GPS用のアンテナ、23…記憶部、24…無線送受信部(第1受信手段及び第2受信手段)、31…距離計測部(距離計測手段)、32…位置算出部、33…測位結果決定部、34…アシスト要求部、35…第1アシスト要求部(第1アシスト要求手段)、36…第2アシスト要求部(第2アシスト要求手段)、37…測位結果決定部(測位結果決定手段)、39…電波観測部、41…ネットワーク、421,422…基地局、50…アシストサーバ、51…制御処理装置、52…アンテナ、53…記憶装置(基地局位置記憶手段)、54…送受信装置、56…第1モードアシスト部、57…第2モードアシスト部、61…アシスト情報導出部、62…アシスト情報通知部、66…捕捉用情報導出部(捕捉用情報導出手段)、68…位置算出部(位置算出手段)、69…アシスト情報通知部(第1アシスト情報通知手段及び第2アシスト情報通知手段)、100…測位システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動通信端末装置の存在する現在位置を測定する測位方法であって、
前記移動通信端末装置が、前記移動通信端末装置と無線リンクが確立している基地局の識別子をパラメータとして、GPS衛星を捕捉するための捕捉用情報を含むアシスト情報の要求である第1アシスト要求をアシストサーバへ向けて送信する第1アシスト要求送信工程と;
前記第1アシスト要求を受けた前記アシストサーバが、前記基地局の識別子の値に応じて、前記捕捉用情報を含む衛星捕捉用アシスト情報とともに前記基地局の位置情報を前記移動通信端末装置へ向けて送信する第1アシスト情報送信工程と;
前記移動通信端末装置が、前記衛星捕捉用アシスト情報に基づいて前記GPS衛星を捕捉し、前記GPS衛星との距離を計測する距離計測工程と;
前記移動通信端末装置が、前記距離計測工程における計測結果をパラメータとして、前記移動通信端末装置の現在位置の算出要求である第2アシスト要求を前記アシストサーバへ向けて送信する第2アシスト要求送信工程と;
前記第2アシスト要求を受けた前記アシストサーバが、前記距離計測工程における計測結果に基づいて、前記移動通信端末装置の現在位置を算出する位置算出工程と;
前記アシストサーバが、前記位置算出工程における算出結果を前記移動通信端末装置へ向けて送信する位置算出結果送信工程と;
前記移動通信端末装置が、前記算出結果が算出成功の結果であったときには前記算出結果を、前記算出結果が算出失敗の結果であったときには前記基地局の位置を測位結果とする測位結果決定工程と;を備える測位方法。
【請求項2】
ネットワークに接続された移動通信端末装置と、前記ネットワークに接続されたアシストサーバとを備える測位システムであって、
前記移動通信端末装置は、
前記アシストサーバへ向けて、自身と無線リンクが確立している基地局の識別子をパラメータとして、GPS衛星を捕捉するための捕捉用情報を含む衛星捕捉用アシスト情報の要求である第1アシスト要求を送信する第1アシスト要求手段と;
前記第1アシスト要求に応答して前記ネットワークを介して前記アシストサーバから送信された前記衛星捕捉用アシスト情報及び前記基地局の位置を受信する第1受信手段と;
前記ネットワークを介して前記アシストサーバから受信した前記衛星捕捉用アシスト情報に基づいて、前記GPS衛星との間の距離を計測する距離計測手段と;
前記距離計測手段による計測結果をパラメータとして、現在位置の算出要求である第2アシスト要求を送信する第2アシスト要求手段と;
前記第2アシスト要求に応答して前記ネットワークを介して前記アシストサーバから送信された算出結果を受信する第2受信手段と;
前記ネットワークを介して前記アシストサーバから受信した算出結果が算出成功の結果であったときには前記算出結果を、前記算出結果が算出失敗の結果であったときには前記衛星捕捉用アシスト情報とともに前記アシストサーバから受信した前記基地局の位置を測位結果とする測位結果決定手段と;を備え、
前記アシストサーバは、
前記ネットワークの基地局それぞれの位置情報を格納した基地局位置記憶手段と;
前記移動通信端末装置からの第1アシスト要求に応じて、前記衛星捕捉用アシスト情報を導出する捕捉用情報導出手段と;
前記捕捉用情報導出手段により導出された前記衛星捕捉用アシスト情報とともに、前記基地局位置記憶手段から読み出された、前記移動通信端末装置と無線リンクが確立している基地局の位置情報を、前記ネットワークを介して、前記移動通信端末装置へ通知する第1アシスト情報通知手段と;
前記移動通信端末装置からの第2アシスト要求に応じて、前記移動通信端末装置の現在位置を算出する位置算出手段と;
前記位置算出手段による位置算出結果を、前記ネットワークを介して、前記移動通信端末装置へ通知する第2アシスト情報通知手段と;を備えることを特徴とする測位システム。
【請求項3】
ネットワークを介して接続されたアシストサーバと協働して、自身の現在位置を取得する移動通信端末装置であって、
前記アシストサーバへ向けて、自身と無線リンクが確立している基地局の識別子をパラメータとして、GPS衛星を捕捉するための補足用情報を含む衛星捕捉用アシスト情報の要求である第1アシスト要求を送信する第1アシスト要求手段と;
前記第1アシスト要求に応答して前記ネットワークを介して前記アシストサーバから送信された前記衛星捕捉用アシスト情報及び前記基地局の位置を受信する第1受信手段と;
前記ネットワークを介して前記アシストサーバから受信した前記衛星捕捉用アシスト情報に基づいて、前記GPS衛星との間の距離を計測する距離計測手段と;
前記距離計測手段による計測結果をパラメータとして、現在位置の算出要求である第2アシスト要求を送信する第2アシスト要求手段と;
前記第2アシスト要求に応答して前記ネットワークを介して前記アシストサーバから送信された算出結果を受信する第2受信手段と;
前記ネットワークを介して前記アシストサーバから受信した算出結果が算出成功の結果であったときには前記算出結果を、前記算出結果が算出失敗の結果であったときには前記衛星捕捉用アシスト情報とともに前記アシストサーバから受信した前記基地局の位置を測位結果とする測位結果決定手段と;を備えることを特徴とする移動通信端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−175824(P2008−175824A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−27206(P2008−27206)
【出願日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【分割の表示】特願2003−318043(P2003−318043)の分割
【原出願日】平成15年9月10日(2003.9.10)
【出願人】(501440684)ソフトバンクモバイル株式会社 (654)
【Fターム(参考)】