説明

湿度センサ及びその製造方法

【課題】構成や製造工程を簡素化しつつ保護ゲル部が感湿膜に付着するのをより効果的に抑制することのできる湿度センサ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】湿度センサ10は、基板20の一面20aにおいて対向配置された一対の検出電極31a,31bと感湿膜36を有する湿度検出部30と、一面20aにおいて湿度検出部30と離れて形成され、ボンディングワイヤ115が接続された状態で保護ゲル50に覆われるパッド40と、一面20aにおいて湿度検出部30とパッド40の間に形成され、パッド40側から湿度検出部30側への保護ゲル50の流動を抑制するダム部60と、を備える。ダム部60は、検出電極31a,31bと同一材料を用いて一面20aに形成されたダミー配線61と、感湿膜36と同一材料を用いて形成され、ダミー配線61の少なくとも一部を覆うダム用感湿膜62を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対向配置された一対の検出電極と、該検出電極及び検出電極間を覆う感湿膜を備えた湿度センサ及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
湿度センサとして、例えば特許文献1,2に記載のものが知られている。
【0003】
特許文献1では、基板の一面に一対のくし形電極が形成され、このくし形電極の周囲に、発泡性材料による枠部材が配置されている。そして、枠部材の内側全域が感湿膜によって覆われている。また、外部接続端子としてのパッド部は、基板における枠部材の外側の部分に形成されている。
【0004】
特許文献2では、同一の基板に、一対の検出電極と感湿膜を有する湿度検出部と、湿度検出部の出力信号を処理する回路部とが構成されている。一対の検出電極は、基板の同一平面に離間して対向配置されており、感湿膜は、該検出電極及び検出電極間を覆うように配置されている。また、回路部の図示しないパッドにはボンディングワイヤが接続されており、基板における湿度検出部とパッド部(回路部)の間には、ダム部材が形成されている。
【0005】
ところで、パッド部は、コストなどの面から一般的にアルミニウムを用いて形成されるため、水分を含む雰囲気下で湿度センサを用いると、パッド部が腐食する虞がある。このようなパッド部の腐食を抑制すべく、パッド部は、特許文献2に示されるように、耐水性の材料からなる保護ゲル部によって被覆保護される。
【0006】
しかしながら、保護ゲル部は、流動性を有している状態で塗布をし、その後に硬化処理を行うことで所定位置に保持される。このため、流動性を有する保護ゲル部をパッド部に塗布する際、保護ゲル部が流動して感湿膜の表面に付着し、これにより感湿膜の性質が変化して、湿度の検出精度が低下する虞がある。
【0007】
これに対し、特許文献1では、上記したダム部材により、感湿膜への保護ゲル部の付着を、ダム部材を設けない場合よりも低減することができる。また、特許文献2でも、上記した枠部材により、感湿膜への保護ゲル部の付着を、枠部材を設けない場合よりも低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−64561号公報
【特許文献2】特開2002−71612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、特許文献2では、感湿膜を構成するポリイミドを湿度検出部の形成領域に塗布しつつ、ダム部材の形成領域にもポリイミドを塗布してダム部材を形成する。このように、感湿膜を形成しつつダム部材を形成するため、湿度センサの構成を簡素化することができる。また、製造工程を簡素化することができる。
【0010】
しかしながら、特許文献2では、ダム部材が、感湿膜と同じ構成材料であるポリイミドのみからなる。また、ダム部材の高さは、感湿膜の形成条件によって決定されるため、感湿膜に較べてダム部材を極端に高く(厚く)することは困難である。このため、特に保護ゲル部材の塗布量が多い場合には、ダム部材を越えて保護ゲル部が湿度検出部側に流入し、感湿膜に付着する虞がある。
【0011】
一方、特許文献2では、感湿膜とは別部材として枠部材が構成されるため、感湿膜の形成条件に縛られず、枠部材の高さを任意の高さで設定することができる。しかしながら、湿度センサを構成する他の部材とは別部材として枠部材を構成するため、湿度センサの部品点数が増加する。また、製造工程も複雑となる。このような部品点数の増加、製造工程の複雑化は、製造コストに大きく反映され、当該湿度センサを安価に提供することができなくなる虞がある。
【0012】
本発明は上記問題点に鑑み、構成や製造工程を簡素化しつつ保護ゲル部が感湿膜に付着するのをより効果的に抑制することのできる湿度センサ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために請求項1に記載の湿度センサ(10)は、
基板(20)の同一平面(20a)において対向配置された一対の検出電極(31a,31b)と、該検出電極(31a,31b)及び検出電極(31a,31b)間を覆う感湿膜(36)と、を有する湿度検出部(30)と、
基板(20)の湿度検出部形成面(20a)において、湿度検出部(30)と離れた位置に形成され、ボンディングワイヤ(115)が接続された状態で保護ゲル部(50)に覆われる外部接続端子としてのパッド部(40)と、
基板(20)の湿度検出部形成面(20a)において湿度検出部(30)とパッド部(40)の間に形成され、パッド部(40)側から湿度検出部(30)側への保護ゲル部(50)の流動を抑制するダム部(60)と、を備える。
【0014】
そして、ダム部(60)は、検出電極(31a,31b)と同一材料を用いて検出電極(31a,31b)と同一平面に形成されたダム用配線(61,81)と、感湿膜(36)と同一材料を用いて形成され、ダム用配線(61,81)の少なくとも一部を覆うダム用感湿膜(62)と、を有することを特徴とする。
【0015】
本発明では、ダム部(60)を構成するダム用配線(61,81)が、検出電極(31a,31b)と同一材料を用いて検出電極(31a,31b)と同一平面(20a)に形成されている。また、同じくダム部(60)を構成するダム用感湿膜(62)が、感湿膜(36)と同一材料を用いて形成されている。このため、湿度センサ(10)の構成を簡素化することができる。また、湿度センサ(10)の他の部分を形成する工程を利用して、ダム部(60)を形成することができるため、製造工程も簡素化することができる。
【0016】
また、ダム部(60)は、ダム用配線(61,81)にダム用感湿膜(62)を積層配置してなる構造となっている。このため、ダム部(60)がダム用感湿膜(62)のみから構成される場合に較べて、ダム部(60)の高さを高くすることができる。これにより、保護ゲル部(50)がダム部(60)を乗り越え難いため、保護ゲル部(50)が感湿膜(36)の表面に付着するのをより効果的に抑制することができる。
【0017】
以上から、本発明によれば、構成や製造工程を簡素化しつつ保護ゲル部(50)が感湿膜(36)に付着するのをより効果的に抑制することができる。
【0018】
請求項2に記載のように、湿度検出部(30)とパッド部(40)との対向方向において、複数のダム用配線(61,81)が並設されており、
ダム部(60)は、隣り合うダム用配線(61,81)の間の部分に対応して凹部(63,64)を有する構成とすることが好ましい。
【0019】
ところで、粘性抵抗は、粘性部材と接触する物体の形状にも依存する。具体的には、平面に較べて、凸部や凹部を有する構成のほうが、粘性部材との接触面積が大きくなり、粘性抵抗が大きくなる。
【0020】
本発明のように、ダム部(60)が、ダム用配線(61,81)の間の部分に対応する凹部(63,64)を有すると、対向方向においてダム部(60)の体格を増大させることなく、保護ゲル部(50)がダム部(60)を乗り越えるまでの、ダム部(60)と保護ゲル部(50)との接触面積を大きくすることができる。すなわち粘性抵抗を大きくすることができる。また、凹部(63,64)に保護ゲル部(50)の一部を貯留することもできる。このため、保護ゲル部(50)が感湿膜(36)に付着するのをより効果的に抑制することができる。
【0021】
例えば請求項3に記載のように、ダム用感湿膜(62)は、隣り合う少なくとも2本のダム用配線(61,81)及びダム用配線(61,81)間を覆うとともに、ダム用配線(61,81)間の部分に凹部(63)を有する構成としても良い。
【0022】
このように、ダム用感湿膜(62)に凹部(63)を設けると、保護ゲル部(50)がダム部(60)を乗り越えるまでの、ダム部(60)と保護ゲル部(50)との接触面積を大きくすることができる。
【0023】
また、請求項4に記載のように、ダム用配線(61,81)は、ダム用感湿膜(62)から露出されたダム用配線(61b)を少なくとも1本有し、
ダム用感湿膜(62)から露出されたダム用配線(61b)と該ダム用配線(61b)の隣に位置するダム用配線(61,81)との間に凹部(64)を有するようにしても良い。
【0024】
この場合、少なくとも、ダム用感湿膜(62)から露出されたダム用配線(61b)と、ダム用感湿膜(62)が積層配置されたダム用配線(61a)との間に凹部(64)を有することとなる。これにより、保護ゲル部(50)がダム部(60)を乗り越えるまでの、ダム部(60)と保護ゲル部(50)材との接触面積をより大きくすることができる。また、上記凹部(64)は、ダム用感湿膜(62)表面の凹部(63)に較べて深くなるので、接触面積をより大きくすることができる。
【0025】
請求項5に記載のように、湿度検出部(30)とパッド部(40)との対向方向において、ダム用感湿膜(62)から露出されたダム用配線(61b)を、ダム用感湿膜(62)と感湿膜(36)との間に有すると良い。
【0026】
これによれば、ダム部(60)と保護ゲル部(50)との接触面積を大きくしつつ、ダム用感湿膜(62)と感湿膜(36)とを分離しやすくすることができる。
【0027】
請求項6に記載のように、検出電極(31a,31b)、パッド部(40)、及びダム用配線(61,81)は同一材料を用いて形成され、
検出電極(31a,31b)の表面とダム用配線(61,81)の表面は、保護膜(23)により一体的に覆われ、
感湿膜(36)及びダム用感湿膜(62)は、保護膜(23)上に形成された構成としても良い。
【0028】
これによれば、湿度センサ(10)の構成をより簡素化することができる。また、製造工程も簡素化することができる。なお、保護膜(23)としては、検出電極(31a,31b)及びダム用配線(61,81)の水分による腐食を防止できるもの、すなわち耐水性を有するものを採用することができる。
【0029】
請求項7に記載のように、ダム用配線として、電気的な接続機能を提供せず、検出電極(31a,31b)及びパッド部(40)と電気的に分離されたダミー配線(61)を有しても良い。これによれば、後述する回路部(80)を有さなくとも、背の高いダム部(60)とすることができる。
【0030】
また、請求項8に記載のように、基板(20)に形成され、湿度検出部(30)の出力信号を処理する回路部(80)を有し、ダム用配線として、回路部(80)を構成する配線(81)を有しても良い。これによれば、湿度検出部(30)と同一の基板(20)に構成された回路部(80)を利用するため、湿度センサ(10)の体格を小型化することができる。
【0031】
請求項9に記載のように、感湿膜(36)とダム用感湿膜(62)とは、分離されることが好ましい。これによれば、ダム用感湿膜(62)の表面(上面)に保護ゲル部(50)が到達したとしても、同一材料からなる部材上をそのまま流動して感湿膜(36)の表面に到達するのではない。したがって、保護ゲル部(50)が感湿膜(36)に付着するのをより効果的に抑制することができる。
【0032】
例えば、請求項10に記載のように、基板(20)の湿度検出部形成面(20a)は矩形状をなし、
ダム部(60)を構成するダム用感湿膜(62)は、平面矩形状の湿度検出部形成面(20a)の一辺部から該一辺部に対向する辺部まで延設されて湿度検出部形成面(20a)を2分割する構成を採用することができる。
【0033】
これによれば、湿度検出部形成面(20a)全域において、ダム部(60)により、保護ゲル部(50)の湿度検出部(30)側への流入を抑制することができる。
【0034】
一方、請求項11に記載のように、感湿膜(36)とダム用感湿膜(62)とは、感湿膜(36)と同一材料を用いて形成された連結用感湿膜(70)により、一体化された構成としても良い。これによれば、連結用感湿膜(70)が設けられた部分において凹部(64,65)の効果を奏することはできないものの、感湿膜(36)とダム用感湿膜(62)が一体化されるため、ダイシング時にこれら感湿膜(36)及びダム用感湿膜(62)の剥離を抑制することができる。
【0035】
例えば請求項12に記載のように、基板(20)の湿度検出部形成面(20a)は矩形状をなし、
ダム部(60)を構成するダム用感湿膜(62)は、平面矩形状の湿度検出部形成面(20a)の一辺部から該一辺部に対向する辺部まで延設されて湿度検出部形成面(20a)を2分割するとともに、その長手方向に直交する方向の幅が、湿度検出部(30)の感湿膜(36)よりも狭くされ、
連結用感湿膜(70)は、ダム用感湿膜(62)の長手方向においてダム用感湿膜(62)の一部に接続された構成を採用することができる。
【0036】
これによれば、湿度検出部形成面(20a)全域において、ダム部(60)により、保護ゲル部(50)の湿度検出部(30)側への流入を抑制することができる。また、特にダイシング時において、感湿膜(36)よりも幅の狭いダム用感湿膜(62)の剥離を抑制することができる。
【0037】
また、請求項13に記載のように、ダム部(60)は平面コの字状をなし、このダム部(60)が、パッド部(40)と湿度検出部(30)の間と、湿度検出部(30)とパッド部(40)との対向方向に垂直な方向においてパッド部(40)の両側と、に位置してすると良い。これによれば、保護ゲル部(50)が湿度検出部(30)と反対の方向に流動しやすいため、感湿膜(36)に付着するのをより効果的に抑制することができる。
【0038】
また、請求項14に記載のように、ダム部(60)により、湿度検出部(30)が取り囲まれても良い。これによれば、湿度検出部(30)の四方にダム部(60)が存在するため、保護ゲル部(50)が感湿膜(36)に付着するのをより効果的に抑制することができる。
【0039】
請求項15に記載のように、湿度検出部(30)は、雰囲気の湿度変化を一対の検出電極(31a,31b)間の静電容量の変化として検出する構成としても良い。このように静電容量式の湿度センサ(10)だけでなく、所謂抵抗式の湿度センサを採用することもできる。
【0040】
次に、請求項16に記載の湿度センサ(10)の製造方法は、
基板(20)の同一平面(20a)において対向配置された一対の検出電極(31a,31b)と、該検出電極(31a,31b)及び検出電極(31a,31b)間を覆う感湿膜(36)と、を有する湿度検出部(30)と、
基板(20)の湿度検出部形成面(20a)において、湿度検出部(30)と離れた位置に形成され、ボンディングワイヤ(115)が接続された状態で保護ゲル部(50)に覆われる外部接続端子としてのパッド部(40)と、
基板(20)の湿度検出部形成面(20a)において湿度検出部(30)とパッド部(40)の間に形成され、パッド部(40)側から湿度検出部(30)側への保護ゲル部(50)の流動を抑制するダム部(60)と、を備える湿度センサ(10)の製造方法であって、
基板(20)の湿度検出部形成面(20a)に、一対の検出電極(31a,31b)を形成する電極形成工程と、
電極形成工程後、検出電極(31a,31b)及び検出電極(31a,31b)間を覆うように感湿膜(36)を形成する感湿膜形成工程と、を有する。
【0041】
そして、電極形成工程において、検出電極(31a,31b)を形成するとともに、ダム部(60)を構成するダム用配線(61,81)を、検出電極(31a,31b)と同一材料を用いて基板(20)の湿度検出部形成面(20a)に形成し、
感湿膜形成工程において、感湿膜(36)を形成するとともに、ダム部(60)を構成するダム用感湿膜(62)を、ダム用配線(61,81)の少なくとも一部を覆うように、感湿膜(36)と同一材料を用いて形成することを特徴とする。
【0042】
本発明の作用効果は、請求項1に記載の発明の作用効果と同じであるので、その記載を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】第1実施形態の湿度センサを備える湿度検出装置の概略構成を示す斜視図である。便宜上、保護ゲルを省略して図示している。
【図2】第1実施形態に係る湿度センサの概略構成を示す平面図である。便宜上、検出電極、参照電極、これら電極とパッドとを接続する配線、ダミー配線を実線で図示している。また、保護ゲルを破線で示している。
【図3】図2のIII−III線に沿う断面構成を簡略化した図である。図2に対し、検出電極とパッドとを繋ぐ配線を省略するとともに、検出電極及びダミー配線の本数を減らして図示している。
【図4】ダム部の効果を示す図で断面図であり、(a)は第1実施形態に示す構成、(b)は比較例としての従来構成を示す。(a)では、便宜上、図3に対し、ダミー配線の本数を減らして図示している。
【図5】ダム部の変形例を示す断面図である。
【図6】ダム部の変形例を示す断面図である。
【図7】基板におけるダム部配置の変形例を示す平面図である。本図においても、便宜上、検出電極、参照電極、これら電極とパッドとを接続する配線、ダミー配線を実線で図示している。また、保護ゲルを破線で示している。
【図8】基板におけるダム部配置の変形例を示す平面図である。本図においても、便宜上、検出電極、参照電極、これら電極とパッドとを接続する配線、ダミー配線を実線で図示している。また、保護ゲルを破線で示している。
【図9】第2実施形態に係る湿度センサの概略構成を示す平面図である。本図においても、便宜上、検出電極、参照電極、これら電極とパッドとを接続する配線、ダミー配線を実線で図示している。また、保護ゲルを破線で示している。
【図10】第3実施形態に係る湿度センサの概略構成を示す平面図である。本図においては、便宜上、検出電極、参照電極、これら電極と回路部とを接続する配線、ダム部を構成する回路部の配線、回路部とパッドとを接続する配線を実線で図示している。また、保護ゲルを破線で示すとともに、ダム部を構成する配線を除く回路部の部分を一点鎖線で示している。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下に示す各実施形態において、共通乃至関連する要素には同一の符号を付与するものとする。また、形成範囲を明確化するため、図2、図7〜図10の各平面図において、感湿膜、ダム用感湿膜、連結用感湿膜の部分に、ハッチングを施している。
【0045】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態の湿度センサチップ10を備えた湿度検出装置100である。この湿度検出装置100は、合成樹脂等を用いて有底角筒状に形成されたケース110と、該ケース110の底部内面に固定されたリードフレームのアイランド111,112と、アイランド111にダイマウントされた湿度センサチップ10と、アイランド112にダイマウントされた回路チップ113と、一端がケース110の内部に露出し、他端がケース110外に延出されたリード114を備える。
【0046】
そして、湿度センサチップ10と回路チップ113とが、ボンディングワイヤ115を介して電気的に接続され、回路チップ113とリード114とが、ボンディングワイヤ116を介して電気的に接続されている。また、図示しないが、ボンディングワイヤ115,116及びその接続部位(パッド)は、保護ゲルによって被覆されている。
【0047】
このように、本実施形態では、湿度センサチップ10と回路チップ113とが別チップとなっている。なお、湿度センサチップ10が、特許請求の範囲に記載の湿度センサに相当する。
【0048】
次に、湿度センサチップ10の構成について説明する。
【0049】
図2及び図3に示すように、湿度センサチップ10は、同一の基板20に、湿度検出部30、ボンディングワイヤ115が接続された状態で保護ゲル50により保護される外部接続端子としてのパッド40、保護ゲル50の流動を抑制するダム部60を備える。なお、パッド40が、特許請求の範囲に記載のパッド部に相当し、保護ゲル50が、特許請求の範囲に記載の保護ゲル部に相当する。
【0050】
本実施形態では、基板20としてシリコン基板を採用しており、この基板20の一面側表層に、全面にわたって不純物の拡散層21が形成されている。本実施形態では、拡散層21がp導電型の拡散層21となっている。この拡散層21上には絶縁膜22が配置されており、絶縁膜22の一部位にコンタクトホール22aが形成されている。本実施形態では、絶縁膜22が、基板20側からシリコン酸化膜、BPSG膜の順に積層されてなる。なお、湿度検出部30、パッド40、及びダム部60は、この絶縁膜22上に形成されている。このため、絶縁膜22を含む基板20を基板とみなし、絶縁膜22における基板20と反対の面を、基板20の一面20aとする。この一面20aが、特許請求の範囲に記載の湿度検出部形成面に相当する。
【0051】
湿度検出部30は、少なくとも検出容量部31を備えるものであり、本実施形態では、さらに参照容量部32を備える。検出容量部31は、基板20の一面20aにおいて、互いに対向して配置された一対の検出電極31a,31bを有する。参照容量部32は、該一面20aの検出電極31a,31bとは異なる位置において、互いに対向して配置された一対の参照電極32a,32bを有する。
【0052】
これら検出電極31a,31b及び参照電極32a,32bの形状は特に限定されるものではない。本実施形態では、図2に示すように、検出電極31aと検出電極31bとが交互に配置されてなる櫛歯形状の検出電極31a,31bを採用している。このように櫛歯形状とすると、検出電極31a,31bの配置面積を小さくしつつ、互いに対向する面積を大きくすることができる。これにより、周囲の湿度変化に伴って変化する検出電極31a,31b間の静電容量の変化量が大きくなり、センサ感度が向上する。同様に、参照電極32aと参照電極32bとが交互に配置されてなる櫛歯形状の参照電極32a,32bを採用している。
【0053】
また、櫛歯形状をなす検出電極31a,31b及び参照電極32a,32bは、図2に示すように、電極同士の対向面積と櫛歯の本数が異なっている。詳しくは、検出電極31a,31bのほうが参照電極32a,32bよりも本数が多く、且つ、対向面積も大きくなっている。
【0054】
このような検出電極31a,31b及び参照電極32a,32bは、同一の材料を用いて形成されている。具体的には、アルミニウム、銅、金、白金、多結晶シリコン等の配線材料を、蒸着やスパッタリング等の手法によって堆積させ、その後、フォトリソグラフィ処理により、櫛歯形状にパターニングすることで形成されている。本実施形態では、後述するパッド40同様、アルミニウムを用いて検出電極31a,31b及び参照電極32a,32bが形成されている。このため、図3に示すように、検出電極31a,31b及び参照電極32a,32b上には保護膜23が形成されており、この保護膜23を介して感湿膜36が形成されている。
【0055】
この保護膜23は、アルミニウムからなる検出電極31a,31b及び参照電極32a,32bが、水分により腐食するのを防ぐためのものである。本実施形態では、保護膜23として、プラズマCVD法により形成されるシリコン窒化膜を採用している。この保護膜23は、検出電極31a,31b上だけでなく、基板20の一面20aにおいて、パッド40を除く部分に形成されている。なお、検出電極31a,31b(及び参照電極32a,32b)が、水分に対する耐食性を有する場合、保護膜23を有さない構成とすることもできる。
【0056】
保護膜23上には、検出電極31a,31b及び検出電極31a,31b間を覆うとともに、参照電極32a,32b及び参照電極32a,32b間を覆うように、感湿膜36が形成されている。本実施形態では、検出電極31a,31bを覆う感湿膜36と、参照電極32a,32bを覆う感湿膜36が、1つの感湿膜36として一体化されている。感湿膜36の構成材料としては、ポリイミド系材料など周知のものを採用することができる。本実施形態では、ポリイミド系材料を採用しており、スピンコート法や印刷法にて前駆体(ポリアミド)を塗布後、加熱硬化(イミド化処理)することにより形成されている。
【0057】
このように構成される湿度検出部30において、検出容量部31を構成する検出電極31aは、図2に示すように、配線33により、対応するパッド41と電気的に接続されている。検出容量部31を構成する検出電極31b及び参照容量部32を構成する参照電極32bは、共通の配線34により、対応するパッド42と電気的に接続されている。また、参照容量部32を構成する参照電極32aは、配線35により、対応するパッド43と電気的に接続されている。すなわち、一対の検出電極31a,31bからなるコンデンサと、一対の参照電極32a,32bからなるコンデンサが、パッド41,43間で直列接続され、これらコンデンサの接続点(中点)にパッド42が接続された構成となっている。
【0058】
これら配線33〜35は、基板20の一面20a、すなわち検出電極31a,31b及び参照電極32a,32bと同一平面に形成されている。また、検出電極31a,31b及び参照電極32a,32bと同じアルミニウムを用いて形成されている。この配線33〜35も、上記した保護膜23により被覆されている。
【0059】
パッド40は、湿度検出部30を構成する各電極31a,31b,32a,32bと電気的に接続されたパッド41〜43を有する。これらパッド41〜43は、対応する配線33〜35のうち、湿度検出部30と反対の端部付近で保護膜23の開口部から露出された部分である。このため、各パッド41〜43も、検出電極31a,31b及び参照電極32a,32b同様、同じアルミニウムを用いて形成されている。
【0060】
本実施形態では、さらに上記した拡散層21に電気的に接続されたパッド44を有する。このパッド44には、平面矩形状の基板20の縁部に沿って形成された配線45が接続されており、配線45のうち、図3に示すように保護膜23の開口部から露出された部分がパッド44となっている。配線45も、基板20の一面20a、すなわち検出電極31a,31b及び参照電極32a,32bと同一平面に形成されている。また、検出電極31a,31b及び参照電極32a,32bと同じアルミニウムを用いて形成されており、上記した保護膜23により被覆されている。配線45は、図3に示すように、絶縁膜22に形成されたコンタクトホール22aを埋めるように形成されており、拡散層21と電気的に接続されている。このため、パッド44に定電位(例えばグランド電位)を印加することで、配線45を通じて拡散層21を、電磁波に対するシールド層として機能させることができる。
【0061】
これらパッド40(41〜44)は、ボンディングワイヤ115が接続された状態で、保護ゲル50によって被覆される。したがって、パッド40にボンディングワイヤ115が接続される前の状態で、湿度センサチップ10は、保護ゲル50を有さない。この保護ゲル50は、アルミニウムからなるパッド40が、水分により腐食するのを防ぐためのものであり、フッ素系ゲルなど耐水性を有する材料からなる。この保護ゲル50は、パッド40の周辺に、ディスペンサなどを用いて塗布し、その後硬化することで形成される。このため、塗布した時点では、保護ゲル50が流動性を有している。
【0062】
パッド40周辺に塗布された保護ゲル50が、湿度検出部30側に流動し、感湿膜36に付着すると、感湿膜36の性質が変化してしまい、雰囲気湿度にかかる検出精度が低下しかねない。このため、パッド40周辺に塗布した保護ゲル50が、湿度検出部30側への流入し、感湿膜36に付着するのを抑制すべく、基板20の一面20aにおいて湿度検出部30とパッド40の間にダム部60が形成されている。
【0063】
ダム部60は、検出電極31a,31bと同一材料を用いて検出電極31a,31bと同一平面(基板20の一面20a)に形成されたダム用配線としてのダミー配線61と、感湿膜36と同一材料を用いて形成され、ダミー配線61の少なくとも一部を覆うダム用感湿膜62と、を有する。すなわち、ダム部60は、ダミー配線61とダム用感湿膜62の積層構造となっている。
【0064】
このダム部60についてより詳しく説明する。ダミー配線61は、湿度検出部30を構成する電極31a,31b,32a,32bやパッド40と電気的に分離された、電気的な接続機能を提供しない配線である。このダミー配線61は、図3に示すように、検出電極31a,31bと同一平面、すなわち基板20の一面20aに形成されている。本実施形態では、図2に示すように、上記した配線33〜35,45が、平面矩形状の湿度センサチップ10(基板20の一面20a)において、縁部近辺に形成されている。そして、ダミー配線61は、湿度検出部30とパッド40との対向方向(以下、単に対向方向と示す)において、平面矩形状の湿度センサチップ10を2分割するように、上記対向方向に垂直な方向(矩形の1辺に沿う方向)に延びて形成されている。また、複数本のダミー配線61が、対向方向において並設されている。詳しくは、互いに平行且つ等間隔で形成されている。
【0065】
また、ダミー配線61は、検出電極31a,31b同様アルミニウムからなる。このため、図3に示すように、ダミー配線61も保護膜23によって被覆されている。そして、この保護膜23を介してダム用感湿膜62が形成されている。このダム用感湿膜62は、感湿膜36同様ポリイミド系材料からなる。
【0066】
ダム用感湿膜62は、対向方向において、複数本のダミー配線61aのうちの一部の上方に形成されている。より詳しくは、対向方向において連続する複数本のダミー配線61aに跨ってダム用感湿膜62が一体的に形成されている。図4に示すように、隣り合うダミー配線61aの間にはダミー配線61aが存在しないため、ダム用感湿膜62の表面には、ダミー配線61a間に対応して凹部63が形成されている。また、ダミー配線61aの延設方向(長手方向)に沿いつつ、平面矩形状の湿度センサチップ10の相対する一方の辺から他方の辺にわたって形成されている。すなわち、ダム用感湿膜62により、対向方向において、平面矩形状の湿度センサチップ10を2分割されている。
【0067】
一方、複数本のダミー配線61のうち、残りのダミー配線61bは、ダム用感湿膜62に対して露出され、その上部には保護膜23のみが存在している。本実施形態では、図2〜図4に示すように、感湿膜36とダム用感湿膜62の間に、ダミー配線61bが位置している。また、ダミー配線61bと該ダミー配線61bの隣に位置するダミー配線61aの間にはダミー配線61が存在しないため、保護膜23の表面には、これらダミー配線61a,61b間に対応して凹部64が形成されている。なお、図3及び図4では図示を省略しているが、図2に示すように、ダム用感湿膜62から露出されたダミー配線61bを複数本有するため、これらダミー配線61b間の部分にも、保護膜23の表面には凹部64が形成されている。
【0068】
このように構成されるダム部60は、湿度検出部30と対向方向において離れて形成されている。具体的には、対向方向において、ダミー配線61と検出電極31a,31b及び参照電極32a,32bの間に、配線や電極が形成されていない領域を有する。また、感湿膜36とダム用感湿膜62は完全に分離されており、対向方向において感湿膜36とダム用感湿膜62の間に、これら感湿膜36,62の存在しない領域を有する。このため、図4に示すように、対向方向において、湿度検出部30側の端部のダミー配線61bと湿度検出部30との間において、保護膜23の表面に凹部65が形成されている。
【0069】
上記した湿度センサチップ10では、検出容量部31に構成されるコンデンサの容量値と、参照容量部32に構成されるコンデンサの容量値が、雰囲気の相対湿度に応じて変化する。また、上記構成により、検出容量部31と参照容量部32の容量値の湿度変化に対する傾きが互いに異なっており、これにより、各容量値は、相対湿度に対して異なる傾きと切片をもつ直線となる。換言すれば、検出容量部31と参照容量部32に感度差をもたせている。したがって、検出容量部31及び参照容量部32の湿度変化に伴う静電容量変化から、雰囲気中の相対湿度を計測することができる。
【0070】
また、検出電極31a,31b上と参照電極32a,32b上とに、同一材料からなる感湿膜36を形成しているので、感湿膜36のもつ温度特性(温度による吸放湿特性の違い)によるセンサ出力の温度特性(感度の温度特性)や、感湿膜36の経年劣化の影響を、キャンセルすることができる。
【0071】
このように構成される湿度センサチップ10は、例えば以下に示す製造方法により、形成することができる。
【0072】
先ず、ウェハ状態のシリコンからなる基板20を準備し、熱酸化により一面にシリコン酸化膜を形成する。次いで、シリコン酸化膜を介して基板20の一面側表層に不純物をイオン注入し、拡散層21を形成する。次いで、シリコン酸化膜上にBPSG膜を形成し、シリコン酸化膜とともに絶縁膜22とする。そして、絶縁膜22の所定位置にコンタクトホール22aを形成した後、基板20の一面20a全域にアルミニウムを堆積させ、パターニングにより、各電極31a,31b,32a,32b、パッド40(41〜44)を含む配線33〜35,45、及びダミー配線61を形成する。このように、湿度検出部30を構成する電極31a,31b,32a,32bと同一材料を用いて同一の工程で、ダミー配線61(ダム用配線)を形成する。
【0073】
次いで、基板20の一面20a全域に保護膜23としてのシリコン窒化膜を形成し、パターニングしてパッド40(41〜44)を露出させる。そして、例えばスピンコート法により基板20の一面20a上に前駆体を塗布し、硬化処理した後、パターニングすることで、感湿膜36及びダム用感湿膜62を形成する。このように、湿度検出部30を構成する感湿膜36と同一材料を用いて同一の工程で、ダム用感湿膜62を形成する。
【0074】
次いで、基板20をダイシングし、チップ単位とする。そして、パッド40(41〜44)にそれぞれボンディングワイヤ115を接続した後、保護ゲル50を、例えばディスペンサを用いてパッド40周辺に塗布する。そして、塗布した保護ゲル50を硬化させることで、湿度センサチップ10を得ることができる。
【0075】
次に、本実施形態に係る湿度センサチップ10及びその製造方法の特徴部分の効果について説明する。
【0076】
本実施形態では、ダム部60を構成するダム用配線としてのダミー配線61が、湿度検出部30を構成する検出電極31a,31bと同一材料を用いて同一工程で形成されており、且つ、検出電極31a,31bと同一平面(基板20の一面20a)に形成されている。また、同じくダム部60を構成するダム用感湿膜62が、湿度検出部30を構成する感湿膜36と同一材料を用いて形成されている。このように、湿度検出部30と同じ材料を用いてダム部60を構成するため、湿度センサチップ10の構成を簡素化することができる。また、湿度検出部30を形成する工程を利用してダム部60を形成することができるため、製造工程も簡素化することができる。
【0077】
また、図4(b)に示すように、ダム部60が、ダム用配線としてのダミー配線61を有さず、ダム用感湿膜62のみを有する場合、絶縁膜22上にダミー配線61の無い部分(絶縁膜22に保護膜23が接して配置されている部分)を基準としたダム部60の高さH2は、ダム用感湿膜62の厚さと一致する。上記したように、ダム用感湿膜62は、感湿膜36と同一材料を用いて同一工程で形成するため、感湿膜36に対し、ダム用感湿膜62を極端に厚くすることは困難である。このため、ダム用感湿膜62のみでは、ダム部60の高さを十分に高くすることはできない。
【0078】
これに対し、本実施形態では、図4(a)に示すように、ダム部60が、ダミー配線61aに、保護膜23を介してダム用感湿膜62を積層配置してなる構造を有している。したがって、絶縁膜22上にダミー配線61の無い部分(絶縁膜22に保護膜23が接して配置されている部分)を基準としたダム部60の高さH1は、ダム用感湿膜62の厚さに、ダミー配線61(61a)の厚さを加味したものと同等となる。このため、ダム部60がダム用感湿膜62のみから構成される場合に較べて、ダム部60の高さを高くすることができる。これにより、保護ゲル50がダム部60を乗り越え難くなるため、保護ゲル50が感湿膜36の表面に付着するのをより効果的に抑制することができる。なお、図4(a),(b)において、破線で挟まれた部分がダム部60の形成範囲を示す。
【0079】
このように、本実施形態によれば、湿度センサチップ10の構成や製造工程を簡素化しつつ、保護ゲル50が感湿膜36に付着するのをより効果的に抑制することができる。
【0080】
また、本実施形態では、ダム用配線として、電気的な接続機能を提供せず、検出電極31a,31b及びパッド40と電気的に分離されたダミー配線61を採用している。これによれば、後述する回路部80の配線81を用いなくとも、背の高いダム部60を形成することができる。また、ダミー配線61は電気的な接続機能を提供しないため、複数本並設し、且つ、ダム用感湿膜62に覆われていても、信号品質の劣化等が生じることが無い。
【0081】
ところで、粘性抵抗は、保護ゲル50のような粘性部材と接触する物体の形状にも依存する。具体的には、平面に較べて、凸部や凹部を有する構成のほうが、粘性部材との接触面積が大きくなり、粘性抵抗が大きくなる。すなわち、保護ゲル50が流動しにくくなる。
【0082】
これに対し、本実施形態では、湿度検出部30とパッド40との対向方向において、ダミー配線61が複数本並設されており、ダム部60が、隣り合うダミー配線61の間の部分に対応して凹部63,64を有している。具体的には、ダム用感湿膜62は、連続する複数本のダミー配線61aを跨いで一体的に覆っており、その表面に、ダミー配線61a間の部分に対応する凹部63を有する。また、ダミー配線61として、ダム用感湿膜62から露出されたダミー配線61bを含み、このダミー配線61bと隣に位置するダミー配線61(61a又は61b)の間に凹部64を有する。
【0083】
このようにダム部60が、ダミー配線61間の部分(ダミー配線61の無い部分)に対応する凹部63,64を有すると、対向方向においてダム部60の体格を増大させることなく、保護ゲル50がダム部60を乗り越えるまでの、ダム部60と保護ゲル50との接触面積を大きくすることができる。換言すれば、乗り越えるのに必要な保護ゲル50の流動経路を長くすることができる。これにより、保護ゲル50の流動に伴う粘性抵抗を大きくすることができる。また、凹部63,64に保護ゲル50の一部を貯留することもできる。したがって、保護ゲル50が感湿膜36に付着するのをより効果的に抑制することができる。
【0084】
特に本実施形態では、湿度検出部30とパッド40との対向方向において、ダム用感湿膜62から露出されたダミー配線61bを、ダム用感湿膜62と感湿膜36との間に有している。換言すれば、凹部64を、ダム用感湿膜62と感湿膜36との間に有している。このため、ダム部60と保護ゲル50との接触面積を大きくしつつ、ダム用感湿膜62と感湿膜36との距離を離して、両者を分離しやすくすることができる。
【0085】
なお、複数本のダミー配線61(ダム用配線)を有することで形成される凹部63,64の深さは、一般に高さ方向においてダミー配線61に近いほど深くなる。これに対し、本実施形態では、ダム用感湿膜62に凹部63を形成するだけでなく、ダム用感湿膜62から露出されたダミー配線61bにより、保護膜23の表面に凹部64を形成している。凹部64のほうが、凹部63よりも高さ方向においてダミー配線61に近く、深い。このため、保護ゲル50が感湿膜36に付着するのをより効果的に抑制することができる。
【0086】
また、本実施形態では、図2に示すように、感湿膜36とダム用感湿膜62が分離されている。このため、ダム用感湿膜62の表面(上面)に保護ゲル50が到達したとしても、同一材料(ポリイミド)からなる部材上をそのまま流動して感湿膜36の表面に到達するのではない。また、感湿膜36に到達するまでの流動経路も長くなっている。したがって、保護ゲル50が感湿膜36に付着するのをより効果的に抑制することができる。特に本実施形態では、ダム部60が、平面矩形状の湿度センサチップ10(基板20の一面20a)を2分割するように形成されているため、ダム部60により、保護ゲル50の湿度検出部30側への流入を、効果的に抑制することができる。
【0087】
また、本実施形態では、対向方向において、湿度検出部30側の端部のダミー配線61bと湿度検出部30との間に凹部65が形成される。この凹部65により、ダム部60と保護ゲル50との接触面積を大きくすることができる。また、凹部65に保護ゲル50を貯留することもできる。
【0088】
(変形例)
上記実施形態では、図3及図4に示したように、ダム部60が、ダミー配線61として、ダム用感湿膜62に少なくとも覆われるダミー配線61aと、ダム用感湿膜62から露出されたダミー配線61bを有するとともに、凹部63,64を有する例を示した。しかしながら、例えば図5に示すように、複数のダミー配線61として、ダム用感湿膜62に少なくとも覆われるダミー配線61aのみを有する構成、すなわちダム用感湿膜62表面の凹部63のみを有し、凹部64を有さない構成としても良い。このような構成としても、ダム部60の高さが高いため、保護ゲル50が感湿膜36の表面に付着するのをより効果的に抑制することができる。また、ダム用感湿膜62が凹部63を有するため、保護ゲル50が感湿膜36に付着するのをより効果的に抑制することができる。
【0089】
なお、図5では、パッド40と湿度検出部30の対向方向において、ダム用感湿膜62のパッド40側端部がダミー配線61aのパッド40側端部よりもパッド40に近い位置とされ、ダム用感湿膜62の湿度検出部30側端部がダミー配線61aの湿度検出部30側端部よりも湿度検出部30に近い位置となっている。しかしながら、ダム用感湿膜62のパッド40側端部がダミー配線61aのパッド40側端部上に位置する構成としても良い。また、ダム用感湿膜62の湿度検出部30側端部がダミー配線61aの湿度検出部30側端部上に位置する構成としても良い。
【0090】
また、例えば図6に示すように、ダム部60が、ダミー配線61として、1本のダミー配線61aのみを有する構成としても良い。ダム部60の高さが高いため、保護ゲル50が感湿膜36の表面に付着するのをより効果的に抑制することができる。なお、図6では、パッド40と湿度検出部30の対向方向において、ダム用感湿膜62のパッド40側端部及び湿度検出部30側端部が、ともにダミー配線61a上に位置している。しかしながら、ダム用感湿膜62のパッド40側端部が、ダミー配線61aのパッド40側端部よりもパッド40に近い位置とされ、ダム用感湿膜62の湿度検出部30側端部がダミー配線61aの湿度検出部30側端部よりも湿度検出部30に近い位置とされた構成としても良い。
【0091】
上記実施形態では、ダム部60が、平面矩形状の湿度センサチップ10(基板20の一面20a)を2分割するように、パッド40と湿度検出部30の対向方向と垂直な方向に延びて形成される例を示した。しかしながら、ダム部60の配置は上記例に限定されるものではない。例えば図7に示す例では、ダム部60が平面コの字状をなし、このダム部60が、対向方向においてパッド40と湿度検出部30との間と、パッド40に対して対向方向に垂直な方向の両側と、に位置している。なお、パッド40は、図7に示すように、平面矩形状の基板20において、1辺の縁に形成されているため、上記ダム部60により、パッド40は基板20の一面20a上において取り囲まれている。これによれば、保護ゲル50が湿度検出部30と反対の方向に流動しやすいため、感湿膜36に付着するのをより効果的に抑制することができる。
【0092】
また、図8に示すように、ダム部60を、湿度検出部30を取り囲むように形成しても良い。図8では、矩形環状にダム部60を形成し、その内周部に湿度検出部30を形成している。なお、図8では、パッド40を湿度検出部30及びダム部60を挟むように分けて配置している。このような構成としても、保護ゲル50が感湿膜36に付着するのをより効果的に抑制することができる。なお、図7及び図8では、ダム部60の形成範囲において、配線33〜35,45の配置されていない部分に、ダミー配線61を形成している。
【0093】
上記実施形態では、検出電極31a,31b、参照電極32a,32b、ダミー配線61が、保護膜23により覆われる例を示した。しかしながら、これら電極31a,31b,32a,32b及びダミー配線61が、水分に対して耐食性を有する材料を用いて形成される場合には、保護膜23の無い構成とすることもできる。この場合、ダミー配線61aに接してダム用感湿膜62が形成されることとなる。また、凹部64は、ダミー配線61bに隣接して形成されることとなる。
【0094】
上記実施形態では、パッド40と接続された配線33〜35,45も、パッド40と同じアルミニウムからなり、検出電極31a,31bと同じ平面(基板20の一面20a)に形成される例を示した。しかしながら、少なくともダム部60の形成領域を通過する部分を、拡散層からなる配線としても良い。これによれば、ダミー配線61を、平面矩形状の湿度センサチップ10(基板20の一面20a)において、相対する2辺を跨ぐように形成することができる。これにより、相対する2辺間全域で、ダム部60の高さを高くすることができる。
【0095】
上記実施形態では、湿度センサチップ10が、拡散層21、該拡散層21に電気的に接続されるパッド44及び配線45を有する例を示したが、これらを有していない構成としても良い。
【0096】
(第2実施形態)
第1実施形態では、感湿膜36とダム用感湿膜62が分離される例を示した。これに対し、本実施形態では、図9に示すように、感湿膜36とダム用感湿膜62が、感湿膜36と同一材料(ポリイミド)を用いて形成された連結用感湿膜70により、一体化されている点を特徴とする。
【0097】
図9に示す例において、ダム用感湿膜62は、第1実施形態(図2参照)同様、平面矩形状の基板20の一面20aの相対する2辺を跨いで形成されており、一面20aを2分割している。また、ダム用感湿膜62は、その長手方向に直交する方向(湿度検出部30とパッド40の対向方向)の幅が、感湿膜36の同方向の幅よりも狭くなっている。そして、連結用感湿膜70は、ダム用感湿膜62の長手方向において、ダム用感湿膜62の両端にそれぞれ接続されている。
【0098】
このように構成される湿度センサチップ10は、第1実施形態に記載の効果に加え、さらに下記効果を奏することができる。なお、ダム部60は、連結用感湿膜70の接続部を除く部分で、凹部(64,65)の効果を奏する。
【0099】
本実施形態では、連結用感湿膜70により、感湿膜36とダム用感湿膜62を連結し、1つの感湿膜として一体化されている。このため、感湿膜全体の基板20に対する接着面積が増加し、ダイシング時にこれら感湿膜36及びダム用感湿膜62の剥離を抑制することができる。特に、感湿膜36よりも幅の狭いダム用感湿膜62の剥離を抑制することができる。
【0100】
また、ダム用感湿膜62は、長手方向端部で連結用感湿膜70を介して感湿膜36と連結されており、長手方向中央では、感湿膜36と分離されている。また、パッド40は、長手方向において中央に位置している。すなわち、湿度検出部30とパッド40との対向方向において、パッド40に近いダム用感湿膜62表面の中央部分に保護ゲル50が到達したとしても、同一材料(ポリイミド)からなる部材上をそのまま流動して感湿膜36の表面に到達するのではない。また、感湿膜36に到達するまでの流動経路も長くなっている。したがって、保護ゲル50が感湿膜36に付着するのをより効果的に抑制することができる。
【0101】
(第3実施形態)
上記実施形態では、湿度センサチップ10が回路チップ113と別チップとして構成されており、湿度検出部30を構成する電極31a,31b,32a,32b、パッド40と電気的に接続されないダミー配線61をダム用配線とする例を示した。これに対し、本実施形態では、図10に示すように、回路チップ113に構成される回路部80が、湿度センサチップ10に集積され、この回路部80の配線81をダム用配線として用いる点を特徴とする。この回路部80は、少なくとも湿度検出部30の出力を処理する回路(例えばC−V変換回路など)を有している。
【0102】
図10に示す例では、湿度検出部30とパッド40の対向方向において、湿度検出部30とパッド40の間に、回路部80が形成されている。そして、回路部80を構成するとともに、検出電極31a,31bと同一材料(アルミニウム)からなる配線81が、ダミー配線61同様、上記対向方向と垂直な方向に延びて形成されている。また、対向方向において、複数の配線81が並設されている。なお、図10では、ダム用感湿膜62に覆われる2本の配線81を示しているが、配線81の本数は上記例に限定されるものではない。また、配線81についても、ダミー配線61同様、ダム用感湿膜62に覆われる配線とともに、ダム用感湿膜62から露出される配線を有しても良い。
【0103】
なお、配線33〜35は、湿度検出部30を構成する電極31a,31b,32a,32bと回路部80を電気的に接続している。また、配線46は、パッド40と回路部80とを電気的に接続している。
【0104】
このように構成される湿度センサチップ10は、第1実施形態に記載の効果に加え、さらに下記効果を奏することができる。本実施形態では、湿度センサチップ10に回路部80が集積されている。このため、湿度検出装置100の体格を小型することができる。また、湿度検出部30と同一の基板20に構成された回路部80の配線81をダム用配線として利用する。このため、ダミー配線61を用いる構成に較べて、湿度センサチップ10の体格を小型化することができる。
【0105】
なお、本実施形態では、湿度センサチップ10と回路チップ113が1チップ化される。このため、図1に示した湿度検出装置100において、アイランド111,112はいずれか1つで良い。また、湿度センサチップ10のパッド40が、ボンディングワイヤ115を介して、リード114と接続されることとなる。
【0106】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
【0107】
本実施形態では、湿度検出部30が、検出容量部31と参照容量部32を備える例を示した。しかしながら、湿度検出部30として、少なくとも検出容量部31を備えれば良い。
【0108】
また、湿度センサチップ10として、雰囲気の湿度変化を一対の電極31a,31b間の静電容量の変化として検出する容量式湿度センサの例を示した。しかしながら、検出原理はこれに限定されるものではない。例えば、一対の電極31a,31bを備え、雰囲気の湿度変化を感湿膜36のインピーダンスの変化として検出する抵抗式湿度センサを採用することもできる。
【符号の説明】
【0109】
10・・・湿度センサチップ(湿度センサ)
20・・・基板
20a・・・一面(湿度検出部形成面)
30・・・湿度検出部
31・・・検出容量部
31a,31b・・・検出電極
36・・・感湿膜
40〜44・・・パッド(パッド部)
50・・・保護ゲル(保護ゲル部)
60・・・ダム部
61,61a,61b・・・ダミー配線(ダム用配線)
62・・・ダム用感湿膜
80・・・回路部
81・・・配線(ダム用配線)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(20)の同一平面(20a)において対向配置された一対の検出電極(31a,31b)と、該検出電極(31a,31b)及び検出電極(31a,31b)間を覆う感湿膜(36)と、を有する湿度検出部(30)と、
前記基板(20)の湿度検出部形成面(20a)において、前記湿度検出部(30)と離れた位置に形成され、ボンディングワイヤ(115)が接続された状態で保護ゲル部(50)に覆われる外部接続端子としてのパッド部(40)と、
前記基板(20)の湿度検出部形成面(20a)において前記湿度検出部(30)と前記パッド部(40)の間に形成され、前記パッド部(40)側から前記湿度検出部(30)側への前記保護ゲル部(50)の流動を抑制するダム部(60)と、を備える湿度センサであって、
前記ダム部(60)は、前記検出電極(31a,31b)と同一材料を用いて前記検出電極(31a,31b)と同一平面に形成されたダム用配線(61,81)と、前記感湿膜(36)と同一材料を用いて形成され、前記ダム用配線(61,81)の少なくとも一部を覆うダム用感湿膜(62)と、を有することを特徴とする湿度センサ。
【請求項2】
前記湿度検出部(30)と前記パッド部(40)との対向方向において、複数の前記ダム用配線(61,81)が並設されており、
前記ダム部(60)は、隣り合う前記ダム用配線(61,81)の間の部分に対応して凹部(63,64)を有することを特徴とする請求項1に記載の湿度センサ。
【請求項3】
前記ダム用感湿膜(62)は、隣り合う少なくとも2本の前記ダム用配線(61,81)及びダム用配線(61,81)間を覆うとともに、前記ダム用配線(61,81)間の部分に前記凹部(63)を有することを特徴とする請求項2に記載の湿度センサ。
【請求項4】
前記ダム用配線(61,81)として、前記ダム用感湿膜から露出されたダム用配線(61b)を少なくとも1本有し、
前記ダム用感湿膜(62)から露出されたダム用配線(61b)と該ダム用配線(61b)の隣に位置するダム用配線(61,81)との間に前記凹部(64)を有することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の湿度センサ。
【請求項5】
前記湿度検出部(30)と前記パッド部(40)との対向方向において、前記ダム用感湿膜(62)から露出されたダム用配線(61b)を、前記ダム用感湿膜(62)と前記感湿膜(36)との間に有することを特徴とする請求項4に記載の湿度センサ。
【請求項6】
前記検出電極(31a,31b)、前記パッド部(40)、及び前記ダム用配線(61,81)は同一材料を用いて形成され、
前記検出電極(31a,31b)の表面と前記ダム用配線(61,81)の表面は、保護膜(23)により一体的に覆われ、
前記感湿膜(36)及び前記ダム用感湿膜(62)は、前記保護膜(23)上に形成されていることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の湿度センサ。
【請求項7】
前記ダム用配線として、電気的な接続機能を提供せず、前記検出電極(31a,31b)及び前記パッド部(40)と電気的に分離されたダミー配線(61)を有することを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載の湿度センサ。
【請求項8】
前記基板(20)に形成され、前記湿度検出部(30)の出力信号を処理する回路部(80)を有し、
前記ダム用配線として、前記回路部(80)を構成する配線(81)を有することを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載の湿度センサ。
【請求項9】
前記感湿膜(36)と前記ダム用感湿膜(62)とは、分離されていることを特徴とする請求項1〜8いずれか1項に記載の湿度センサ。
【請求項10】
前記基板(20)の湿度検出部形成面(20a)は矩形状をなし、
前記ダム部(60)を構成するダム用感湿膜(62)は、平面矩形状の前記湿度検出部形成面(20a)の一辺部から該一辺部に対向する辺部まで延設されて前記湿度検出部形成面(20a)を2分割していることを特徴とする請求項9に記載の湿度センサ。
【請求項11】
前記感湿膜(36)と前記ダム用感湿膜(62)とは、前記感湿膜(36)と同一材料を用いて形成された連結用感湿膜(70)により、一体化されていることを特徴とする請求項1〜8いずれか1項に記載の湿度センサ。
【請求項12】
前記基板(20)の湿度検出部形成面(20a)は矩形状をなし、
前記ダム部(60)を構成するダム用感湿膜(62)は、平面矩形状の前記湿度検出部形成面(20a)の一辺部から該一辺部に対向する辺部まで延設されて前記湿度検出部形成面(20a)を2分割するとともに、その長手方向に直交する方向の幅が、前記湿度検出部(30)の感湿膜(36)よりも狭くされ、
前記連結用感湿膜(70)は、前記ダム用感湿膜(62)の長手方向において前記ダム用感湿膜(62)の一部に接続されていることを特徴とする請求項11に記載の湿度センサ。
【請求項13】
前記ダム部(60)は平面コの字状をなし、このダム部(60)が、前記パッド部(40)と前記湿度検出部(30)の間と、前記湿度検出部(30)と前記パッド部(40)との対向方向に垂直な方向において前記パッド部(40)の両側と、に位置していることを特徴とする請求項9又は請求項11に記載の湿度センサ。
【請求項14】
前記ダム部(60)により、前記湿度検出部(30)が取り囲まれていることを特徴とする請求項9又は請求項11に記載の湿度センサ。
【請求項15】
前記湿度検出部(30)は、雰囲気の湿度変化を一対の前記検出電極(31a,31b)間の静電容量の変化として検出することを特徴とする請求項1〜14いずれか1項に記載の湿度センサ。
【請求項16】
基板(20)の同一平面において対向配置された一対の検出電極(31a,31b)と、該検出電極(31a,31b)及び検出電極(31a,31b)間を覆う感湿膜(36)と、を有する湿度検出部(30)と、
前記基板(20)の湿度検出部形成面(20a)において、前記湿度検出部(30)と離れた位置に形成され、ボンディングワイヤ(115)が接続された状態で保護ゲル部(50)に覆われる外部接続端子としてのパッド部(40)と、
前記基板(20)の湿度検出部形成面(20a)において前記湿度検出部(30)と前記パッド部(40)の間に形成され、前記パッド部(40)側から前記湿度検出部(30)側への前記保護ゲル部(50)の流動を抑制するダム部(60)と、を備える湿度センサの製造方法であって、
前記基板(20)の湿度検出部形成面(20a)に、一対の前記検出電極(31a,31b)を形成する電極形成工程と、
前記電極形成工程後、前記検出電極(31a,31b)及び検出電極(31a,31b)間を覆うように前記感湿膜(36)を形成する感湿膜形成工程と、を有し、
前記電極形成工程において、前記検出電極(31a,31b)を形成するとともに、前記ダム部(60)を構成するダム用配線(61,81)を、前記検出電極(31a,31b)と同一材料を用いて前記基板(20)の湿度検出部形成面(20a)に形成し、
前記感湿膜形成工程において、前記感湿膜(36)を形成するとともに、前記ダム部(60)を構成するダム用感湿膜(62)を、前記ダム用配線(61,81)の少なくとも一部を覆うように、前記感湿膜(36)と同一材料を用いて形成することを特徴とする湿度センサの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−251933(P2012−251933A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126375(P2011−126375)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】