説明

湿式クラッチ用摩擦板及びその製造方法

【課題】湿式クラッチ用摩擦板において,帯状摩擦材から複数の摩擦セグメントを歩留り良く得ることができ,しかもオイル溝の幅および形状の自由度を高め得るようにする。
【解決手段】環状芯板2と,その環状芯板2の環状平面3に接合された摩擦材4とを有し,各摩擦材4は環状平面3に配置された複数の摩擦材セグメントa,b,bよりなり,相隣る両摩擦材セグメントa,b,b間にはオイル溝5を設けてなる湿式クラッチ用摩擦板において,少なくとも1つの帯状摩擦材6,13に,その長手方向に沿う複数の連続した切込みを入れて複数の短冊状摩擦材7を形成すると共に,これら短冊状摩擦材7間を,オイル溝5に対応する間隔に開けた状態で,これら短冊状摩擦材7の先端部7a,7b,7c,7bを切放して複数の摩擦材セグメントa,b,bとなし,これら摩擦材セグメントa,b,bを環状芯板2の環状平面3に接着した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,環状芯板と,その環状芯板の環状平面に接合された摩擦材とを有し,各摩擦材は前記環状平面に配置された複数の摩擦材セグメントよりなり,相隣る両摩擦材セグメント間にはオイル溝を設けてなる湿式クラッチ用摩擦板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来,この種の摩擦板としては,環状芯板と,その環状芯板の両環状平面にそれぞれ接合された摩擦材とを有し,各摩擦材は環状平面に配置された複数の摩擦材セグメントよりなり,相隣る両摩擦材セグメント間にはオイル溝が存する,といったものが知られている。
【0003】
この場合,環状芯板の環状平面に,複数の前記摩擦材セグメントを接合するに当っては,帯状摩擦材に打抜き加工を施して摩擦材セグメントを形成し,その摩擦材セグメントを環状平面に1枚宛接合する,といった方法が採用されている(例えば,特許文献1,特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平7−151175号公報[0023],図12,13
【特許文献2】特開平6−300051号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来のものでは,帯状摩擦材から複数の摩擦セグメントを得る際に歩留りが低く不経済である,という問題があった。
【0005】
本発明は,帯状摩擦材から複数の摩擦セグメントを歩留り良く得ることができ,しかもオイル溝の幅および形状の自由度を高め得る,生産性の良い前記湿式クラッチ用摩擦板及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため本発明は,環状芯板と,その環状芯板の環状平面に接合された摩擦材とを有し,各摩擦材は前記環状平面に配置された複数の摩擦材セグメントよりなり,相隣る両摩擦材セグメント間にはオイル溝を設けてなる湿式クラッチ用摩擦板において,少なくとも1つの帯状摩擦材に,その長手方向に沿う複数の連続した切込みを入れて複数の短冊状摩擦材を形成すると共に,これら短冊状摩擦材間を,前記オイル溝に対応する間隔に開けた状態で,これら短冊状摩擦材の先端部を切放して前記複数の摩擦材セグメントとなし,これら摩擦材セグメントを前記環状芯板の前記環状平面に接着したことを第1の特徴とする。
【0007】
また本発明は,環状芯板と,その環状芯板の環状平面に接合された摩擦材とを有し,各摩擦材は前記環状平面に配置された複数の摩擦材セグメントよりなり,相隣る両摩擦材セグメント間にはオイル溝を設けてなる湿式クラッチ用摩擦板の製造方法において,前記環状芯板の前記環状平面に接着すべき複数の前記摩擦材セグメントを得るために,少なくとも1つの帯状摩擦材に,その長手方向に沿う複数の連続した切込みを入れて複数の短冊状摩擦材を形成し,これら短冊状摩擦材間を,前記オイル溝に対応する間隔に開けた状態で,これら短冊状摩擦材の先端部を複数の前記摩擦材セグメントとして切放すことを第2の特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば,環状芯板の環状平面に接着すべき複数の摩擦材セグメントを帯状摩擦材から歩留り良く得ることができる。特に,複数の摩擦材セグメントは,少なくとも1つの帯状摩擦材に,その長手方向に沿う複数の連続した切込みを入れて複数の短冊状摩擦材を形成すると共に,これら短冊状摩擦材間を,オイル溝に対応する間隔に開けた状態で,これら短冊状摩擦材の先端部を切放して形成されるので,素材の無駄がなく,しかもオイル溝の幅および形状の自由度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の一実施例に基づいて以下に説明する。図1は摩擦板の平面図,図2は図1の2−2線断面図,図3は帯状摩擦材の要部平面図,図4は帯状摩擦材から複数の短冊状摩擦材を形成した状態を示す平面図,図5は複数の短冊状摩擦材と間隔規定部材との関係を示す平面図,図6は芯板と複数の短冊状摩擦材との関係を示す平面図,図7は1つの短冊状摩擦材の先端部の一部分を切除した状態を示す平面図,図8は複数の短冊状摩擦材の摩擦材セグメント対応部を芯板に重ね合せた状態を示す平面図,図9は各摩擦材セグメント対応部を各短冊状摩擦材の残部から切放した状態を示す平面図,図10は芯板を36°回転させた状態を示す平面図,図11は1つの短冊状摩擦部材の先端部の一部分を切除した状態を示す平面図,図12は複数の短冊状摩擦材の摩擦材セグメント対応部を芯板に重ね合せた状態を示す平面図,図13は各摩擦材セグメント対応部を各短冊状摩擦材の残部から切放した状態を示す平面図,図14は複数の摩擦材セグメントの幅を変更する場合において,複数の短冊状摩擦材の摩擦材セグメント対応部を芯板に重ね合せた状態を示す平面図,図15はオイル溝の幅を変更する場合において,複数の短冊状摩擦材の摩擦材セグメント対応部を芯板に重ね合せた状態を示す平面図,図16は2つの短冊状摩擦材を用いる場合において,それら短冊状摩擦材の先端部の一部分を切除した状態を示す平面図,図17は2つの短冊状摩擦材を1組とし,それを2組用いる場合において,それら短冊状摩擦材の先端部の一部分を切除した状態を示す平面図,図18は複数の波形切込み入り短冊状摩擦材を用いる場合において,それらの摩擦セグメント対応部を芯板に重ね合せた状態を示す平面図,図19は複数の短冊状摩擦材の摩擦材セグメント対応部を芯板に重ね合せて,複数の矢羽形の変形摩擦材セグメントを有するセグメント群を形成した状態を示す平面図,図20は材質を異にする二種の帯状摩擦材を用いる場合において,二種の,複数の短冊状摩擦材の摩擦材セグメント対応部を交互に芯板に重ね合せた状態を示す平面図,図21は1回の接合作業で一方の摩擦材を形成する場合において,複数の短冊状摩擦材よりなる複数組の集合体の摩擦材セグメント対応部を芯板に重ね合せた状態を示す平面図である。
【0010】
先ず,図1,2において,湿式クラッチ用摩擦板1は,金属製環状芯板2と,その環状芯板2の両環状平面3にそれぞれ接合された,繊維成分,添加成分,バインダ等よりなる摩擦材4とを有する。各摩擦材4は,環状平面3に配置された複数の摩擦材セグメント,実施例では1つの三角形状摩擦材セグメントaと,その傍から図1,時計回りに並ぶ5つの方形状摩擦材セグメントbを1組のセグメント群Gとして10組のセグメント群Gよりなり,相隣る両摩擦材セグメントa,b;b,b間にはオイル溝5が存する。
【0011】
各摩擦材4の製造に当っては,環状芯板2の一方の環状平面3に,複数の摩擦材セグメントa,b,つまり1組のセグメント群Gを同時に接合し,次いで,同様の接合作業を9回繰返すものである。
【0012】
次に,摩擦板1の製造について詳細に説明する。
【0013】
(a)摩擦材ロール(図示せず)から,図3に示すように1つの帯状摩擦材6を繰出す。その際,帯状摩擦材6の先端縁を芯板2の外周縁にほぼ合致するように円弧状に形成しておく。
【0014】
(b)複数,実施例では5つのスリッタを並列させた切断機(図示せず)を用いて,図4に示すように,帯状摩擦材6に,その長手方向に沿う5つの切込みを入れて6つの短冊状摩擦材7を形成する。切断機はスリッタに限定されない。
【0015】
(c)図5に示すように,それら短冊状摩擦材7を,間隔規定部材8の6つの通し孔9にそれぞれ通して,相隣る両短冊状摩擦材7間にオイル溝5に対応する間隔を開けてその状態を保持する。
【0016】
(d)図6に示すように,6つの短冊状摩擦材7の先端がターンテーブル(図示せず)上に設置された環状芯板2の外周面近傍に達したとき,それら短冊状摩擦材7の移動を停止させる。
【0017】
(e)図7に示すように,それら短冊状摩擦材7のうち,少なくとも一方の端,つまり図7において左端に位置するものの先端部の一部分を,切断機(図示せず)の切断刃によって,環状平面3における方形状摩擦材セグメントbとの間にオイル溝5を確保すべく,全幅(幅:芯板2の周方向長さ)に亘って斜めに切除する。これにより台形状スクラップ10が生じる。
【0018】
(f)図8に示すように,芯板2の接着剤を塗布された環状平面3に,6つの短冊状摩擦材7の先端部を形成している,切除による1つの摩擦材セグメント対応部7aおよび原形の5つの摩擦材セグメント対応部7bを重ね合せる。
【0019】
(g)切断機(図示せず)の押え部材により各摩擦材セグメント対応部7a,7bを押えると共に切断刃によって,図9に示すように,各短冊状摩擦材7に芯板2の外周縁に沿った切断加工を施して,各摩擦材セグメント対応部7a,7bを各短冊状摩擦材7の残部から切放し,これにより,前記切除による1つの三角形状摩擦材セグメントaと,原形であったことによる5つの方形状摩擦材セグメントbとよりなる1組目のセグメント群Gを得る。
【0020】
(h)図10に示すように芯板3を反時計方向に36°回転させる。
【0021】
(i)図11に示すように,図7の(e)工程と同様に,左端の短冊状摩擦材7の先端部の一部分を全幅に亘って斜めに切除する。
【0022】
(j)図12に示すように,図8の(f)工程と同様に,芯板2の,接着剤を塗布された環状平面3に6つの短冊状摩擦材7の摩擦材セグメント対応部7a,7bを重ね合せる。
【0023】
(k)図13に示すように,図9の(g)工程と同様に,押え部材により各摩擦材セグメント対応部7a,7bを押えると共に切断刃によって各短冊状摩擦材7に芯材2の外周縁に沿った切断加工を施して,1つの三角形状摩擦材セグメントaと5つの方形状摩擦材セグメントbとよりなる2組目のセグメント群Gを得る。
【0024】
以後,図10〜13の(h)〜(k)工程を8回繰返して一方の側の摩擦材4を形成し,引続き,同様の方法で他方の側の摩擦材4の形成を行う。
【0025】
前記のように短冊状摩擦材7形成のための切込み,オイル溝5確保のための切除および摩擦材セグメント対応部7a,7bの,短冊状摩擦材7残部からの切放しを,切断刃を用いて行うと,帯状摩擦材6から摩擦材セグメントa,bを製作するに当り,発生するスクラップ10を前記切除によるものに止め,これにより摩擦材セグメントa,bの製作における歩留りを向上させることができる。
【0026】
次に,他の実施例について説明する。
【0027】
図14に示した実施例は,各組のセグメント群Gにおいて,5つの方形状摩擦材セグメントbの幅(周方向長さ)を三角形状摩擦材セグメントaから離れるに従って広くなるようにしたものである。これは短冊状摩擦材7の幅を変更することによって達成される。
【0028】
図15に示した実施例は,各組のセグメント群Gにおいて,三角形状摩擦材セグメントaおよびそれに隣接する方形状摩擦材セグメントb間のオイル溝5の幅(周方向長さ)を最小とし,他のオイル溝5の幅を三角形状摩擦材セグメントaから離れるに従って広くなるようにしたものである。これは相隣る両短冊状摩擦材7間の間隔を変更することによって達成される。
【0029】
図16に示した実施例は,2つの短冊状摩擦材7を用い,それらの先端部の一部分,つまり外側の角部をそれぞれオイル溝5確保のために切除するようにしたもので,これにより2つの三角形状スクラップ10が生じる。この場合,2つの摩擦材セグメント対応部7bから得られた2つの方形状摩擦材セグメントbが1組のセグメント群Gを形成する。また両短冊状摩擦材7は,複数の短冊状摩擦材のうち両方の端に位置するものに該当する。
【0030】
図17に示した実施例は,摩擦材4を外周側半部4Aと内周側半部4Bとに分け,外周側半部4Aの形成を2つの短冊状摩擦材7を用い,また内周側半部4Bの形成を同様に2つの短冊状摩擦材7を用いて行い,その際,それらの先端部の一部分を,図16例の場合と同様にそれぞれオイル溝5確保のために切除するようにしたものである。ただし,内周側半部4Bの形成において,前記切除および各摩擦材セグメント対応部7bの前記切放しは,芯板2上にて切断刃を用いて行われる。
【0031】
図18に示した実施例は,三角形状摩擦材セグメントaを形成するための短冊状摩擦材7を除いた他の短冊状摩擦材7の形成に当り,波形の切込みを入れるようにしたもので,これにより三角形状摩擦材セグメントaの両側のオイル溝5を除く他のオイル溝5が蛇行形状となる。これらの蛇行形オイル溝5はオイルの排出を妨げるので,クラッチが切れ易くなって引摺り抵抗が減少する。この場合,1組のセグメント群Gは,1つの三角形状摩擦材セグメント9と,2つの,一側面がS字状に湾曲した変形摩擦材セグメントcと,3つのS字状をなす変形摩擦材セグメントdとよりなる。図中,7c,7dは摩擦材セグメント対応部である。
【0032】
図19に示した実施例は,各セグメント群Gにおいて,三角形状摩擦材セグメントaを除く他の変形摩擦材セグメントeを,半径方向内方に向かう面がV形凹面11を,また半径方向外方へ向かう面がV形凸面12をそれぞれ有するように矢羽形に形成したものである。このような矢羽形をなす変形摩擦材セグメントeは,そのV形凹面11によってオイルの排出を妨げるのでクラッチの引摺り抵抗が減少する。図中,7eは摩擦材セグメント対応部である。
【0033】
図20に示した実施例は,材質を異にする二種の帯状摩擦材6,13より形成された二種の短冊状摩擦材7,14を用い,各環状平面3において一種の三角形状および方形状摩擦材セグメントa,bと他種の方形状摩擦材セグメントfとを交互に配置するようにしたものである。このような摩擦板1は,例えば特開平2−3716号公報に開示された湿式クラッチにおいて需要がある。図中,14fは摩擦材セグメント対応部を示す。
【0034】
図21に示した実施例は,図1〜13に示した実施例の変形例に該当する。即ち,6つの短冊状摩擦材7より1組の集合体Aを構成すると共に10組の集合体Aにおける摩擦材セグメント対応部7a,7bを芯板2の一方の環状平面3上に均等に配置し,10組のセグメント群Gを同時に接合して1回の接合作業で一方の摩擦材4を形成するようにしたものである。このような手段を採用すると,セグメント群Gの位置精度を容易に向上させることができる。
【0035】
なお,本発明における摩擦板1には芯板2の一方の環状平面3のみに摩擦材4を設けたものも含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】摩擦板の平面図である
【図2】図1の2−2線断面図である。
【図3】帯状摩擦材の要部平面図である。
【図4】帯状摩擦材から複数の短冊状摩擦材を形成した状態を示す平面図である。
【図5】複数の短冊状摩擦材と間隔規定部材との関係を示す平面図である。
【図6】芯板と複数の短冊状摩擦材との関係を示す平面図である。
【図7】1つの短冊状摩擦材の先端部の一部分を切除した状態を示す平面図である。
【図8】複数の短冊状摩擦材の摩擦材セグメント対応部を芯板に重ね合せた状態を示す平面図である。
【図9】各摩擦材セグメント対応部を各短冊状摩擦材の残部から切放した状態を示す平面図である。
【図10】芯板を36°回転させた状態を示す平面図である。
【図11】1つの短冊状摩擦部材の先端部の一部分を切除した状態を示す平面図である。
【図12】複数の短冊状摩擦材の摩擦材セグメント対応部を芯板に重ね合せた状態を示す平面図である。
【図13】各摩擦材セグメント対応部を各短冊状摩擦材の残部から切放した状態を示す平面図である。
【図14】複数の摩擦材セグメントの幅を変更する場合において,複数の短冊状摩擦材の摩擦材セグメント対応部を芯板に重ね合せた状態を示す平面図である。
【図15】オイル溝の幅を変更する場合において,複数の短冊状摩擦材の摩擦材セグメント対応部を芯板に重ね合せた状態を示す平面図である。
【図16】2つの短冊状摩擦材を用いる場合において,それら短冊状摩擦材の先端部の一部分を切除した状態を示す平面図である。
【図17】2つの短冊状摩擦材を1組とし,それを2組用いる場合において,それら短冊状摩擦材の先端部の一部分を切除した状態を示す平面図である。
【図18】複数の波形切込み入り短冊状摩擦材を用いる場合において,それらの摩擦セグメント対応部を芯板に重ね合せた状態を示す平面図である。
【図19】複数の短冊状摩擦材の摩擦材セグメント対応部を芯板に重ね合せて,複数の矢羽形の変形摩擦材セグメントを有するセグメント群を形成した状態を示す平面図である。
【図20】材質を異にする二種の帯状摩擦材を用いる場合において,二種の,複数の短冊状摩擦材の摩擦材セグメント対応部を交互に芯板に重ね合せた状態を示す平面図である。
【図21】1回の接合作業で一方の摩擦材を形成する場合において,複数の短冊状摩擦材よりなる複数組の集合体の摩擦材セグメント対応部を芯板に重ね合せた状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0037】
1…………摩擦板
2…………芯板
3…………環状平面
4…………摩擦材
5…………オイル溝
6…………帯状摩擦材
7…………短冊状摩擦材
7a,7b,7c,7d,7e,14f……短冊状摩擦材の先端部(摩擦材セグメント対応部)
13………帯状摩擦材
14………短冊状摩擦材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状芯板(2)と,その環状芯板(2)の環状平面(3)に接合された摩擦材(4)とを有し,各摩擦材(4)は前記環状平面(3)に配置された複数の摩擦材セグメント(a,b,c,d,e,f)よりなり,相隣る両摩擦材セグメント(a,b;b,b;a,c;c,d;d,d;a,e;e,e;a,f;b,f)間にはオイル溝(5)を設けてなる湿式クラッチ用摩擦板において,
少なくとも1つの帯状摩擦材(6,13)に,その長手方向に沿う複数の連続した切込みを入れて複数の短冊状摩擦材(7,14)を形成すると共に,これら短冊状摩擦材(7,14)間を,前記オイル溝(5)に対応する間隔に開けた状態で,これら短冊状摩擦材(7,14)の先端部(7a,7b,7c,7d,7e,14f)を切放して前記複数の摩擦材セグメント(a,b;b,b;a,c,d;a,e;a,b,f)となし,これら摩擦材セグメント(a,b;b,b;a,c,d;a,e;a,b,f)を前記環状芯板(2)の前記環状平面(3)に接着したことを特徴とする湿式クラッチ用摩擦板。
【請求項2】
環状芯板(2)と,その環状芯板(2)の環状平面(3)に接合された摩擦材(4)とを有し,各摩擦材(4)は前記環状平面(3)に配置された複数の摩擦材セグメント(a,b,c,d,e,f)よりなり,相隣る両摩擦材セグメント(a,b;b,b;a,c;c,d;d,d;a,e;e,e;a,f;b,f)間にはオイル溝(5)を設けてなる湿式クラッチ用摩擦板の製造方法において,
前記環状芯板(2)の前記環状平面(3)に接着すべき複数の前記摩擦材セグメント(a,b;b,b;a,c,d;a,e;a,b,f)を得るために,少なくとも1つの帯状摩擦材(6,13)に,その長手方向に沿う複数の連続した切込みを入れて複数の短冊状摩擦材(7,14)を形成し,これら短冊状摩擦材(7,14)間を,前記オイル溝(5)に対応する間隔に開けた状態で,これら短冊状摩擦材(7,14)の先端部(7a,7b,7c,7d,7e,14f)を複数の前記摩擦材セグメント(a,b;b,b;a,c,d;a,e;a,b,f)として切放すことを特徴とする,湿式クラッチ用摩擦板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2007−198605(P2007−198605A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−85782(P2007−85782)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【分割の表示】特願2002−365712(P2002−365712)の分割
【原出願日】平成14年12月17日(2002.12.17)
【出願人】(000128175)株式会社エフ・シー・シー (109)
【Fターム(参考)】