説明

濃縮装置

【課題】濃縮装置において、ベーパー胴部内に処理液の堆積物が発生することを防止できるようにする。
【解決手段】軸線L1方向が横向きとなるように配置され、外周に加熱手段37を設けた略円筒状のドラム5と、ドラム5の軸線L1方向の一方側をなす本体胴部15に開口して処理液を本体胴部15内に供給する供給口と、ドラム5の他方側をなすベーパー胴部17の下部に開口して加熱手段37により濃縮された処理液をベーパー胴部17から排出する排出口21と、ドラム5の軸線L1方向に貫通して回転自在に軸支された回転軸11と、回転軸11に本体胴部15の内周壁面5aとの間に間隙を有して固定された攪拌羽根13とを備える濃縮装置であって、ベーパー胴部17に、その内部空間を軸線L1方向に区画する略板状の衝突板45が配置され、本体胴部15に対向する衝突板45の表面45aが、排出口21に向けて下方に傾斜している濃縮装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、各種処理液の濃縮処理に用いる濃縮装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、脂肪酸等の油脂類、スープ・ジュース等の各種飲料食品、各種ビタミン・抗生物質等の医薬品、ポリプロピレン等の各種合成樹脂、各種合成ゴム・ワックス・洗剤等の石油化学製品、等の各種処理液の加熱蒸発による濃縮処理を行う際には、処理液を流入する略円筒状のドラムの外周に処理液を加熱する加熱手段を設けた濃縮装置(ロートサーム)を使用する(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この種の濃縮装置において、上記ドラムは、その軸線方向が略水平となるように配置されており、前記軸線方向の一方側(ドラムの本体胴部)に処理液の供給口が設けられると共に他方側(ドラムのベーパー胴部)に濃縮された処理液の排出口及び蒸気の排気口が設けられている。ここで、供給口はドラムの鉛直方向の上方に取り付けられており、排出口はドラムの鉛直方向の下方に取り付けられている。
すなわち、処理液は供給口からドラム内に流入するようになっており、濃縮された処理液はその自重により排出口からドラムの外側に流出するようになっている。
【0004】
また、ドラム内には、その軸線方向に貫通して回転自在に軸支された回転軸と、この回転軸からドラムの内周壁面に向けて突出する攪拌羽根とが設けられており、攪拌羽根の先端と内周壁面との間には微小な間隙が形成されている。したがって、攪拌羽根を回転させた際には、処理液が攪拌羽根の回転によってドラムの内周壁面に押し付けられることになる。この攪拌羽根は供給口を設けたドラムの本体胴部にのみ配置されており、排出口及び排気口を配置したドラムのベーパー胴部には配置されていない。
なお、この種の濃縮装置においては、ドラム内を真空状態にして処理液の熱処理を行う場合もあるため、ドラムに対する回転軸の軸支部分にメカニカルシール等のシール材やパッキンを設けてドラム内を密封している。
【特許文献1】特開2004−197989号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来の濃縮装置においては、ドラム内において攪拌羽根が高速回転するために、処理液が本体胴部からオーバーランしてベーパー胴部まで飛散することがあり、この飛散した処理液はベーパー胴部の内周壁面に付着することになる。ここに付着した処理液は、加熱手段により直接加熱されてしまうため、ベーパー胴部において固着・固形化して堆積成長する。そして、この堆積物が過剰に成長すると排出口を閉塞したり、回転軸に接触して攪拌羽根の回転の妨げとなる不具合を生じる。また、回転軸の軸支部分に堆積物が侵入すると、ドラム内の真空度が低下するという問題も発生する。上述した問題は、スラリー状やスラッジ状の処理液を取り扱う際に特に顕著に発生する。
【0006】
本発明は、上記事情を鑑み、処理液がドラムのベーパー胴部まで飛散してもベーパー胴部内に処理液の堆積物が発生することを防止して、安全運転を可能とする濃縮装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に記載の発明は、軸線方向が横向きとなるように配置され、外周に加熱手段を設けた略円筒状のドラムと、該ドラムの軸線方向の一方側をなす本体胴部に開口して処理液を前記本体胴部内に供給する供給口と、前記ドラムの他方側をなすベーパー胴部の下部に開口して前記加熱手段により濃縮された前記処理液を前記ベーパー胴部から排出する排出口と、前記ドラムの軸線方向に貫通して回転自在に軸支された回転軸と、該回転軸に前記本体胴部の内周壁面との間に間隙を有して固定された攪拌羽根とを備える濃縮装置であって、前記ベーパー胴部に、前記ベーパー胴部の内部空間を前記軸線方向に区画する略板状の衝突板が配置され、前記本体胴部に対向する前記衝突板の表面が、前記排出口に向けて下方に傾斜していることを特徴とする。
【0008】
この発明に係る濃縮装置において処理液を濃縮する際には、ドラムの内周壁面を加熱手段で加熱した状態で、供給口から処理液を供給すると共に回転軸と一体の攪拌羽根を回転させる。この際には、処理液が攪拌羽根によって本体胴部の内周壁面に押し付けられて薄膜状となるため、その水分を効率よく蒸発させて処理液の水分調整が行われる。また、この際には、処理液が徐々にベーパー胴部側に移動し、濃縮された処理液がベーパー胴部の排出口から排出されることになる。
そして、ベーパー胴部側に飛散した処理液は、衝突板の表面に衝突することになる。ここで、衝突板の表面は排出口に向けて下方に傾斜しているため、衝突板に付着した処理液をその自重で排出口に向けて流下させることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、軸線方向が横向きとなるように配置され、外周に加熱手段を設けた略円筒状のドラムと、該ドラムの軸線方向の一方側をなす本体胴部に開口して処理液を前記本体胴部内に供給する供給口と、前記ドラムの他方側をなすベーパー胴部の下部に開口して前記加熱手段により濃縮された前記処理液を前記ベーパー胴部から排出する排出口と、前記ドラムの軸線方向に貫通して回転自在に軸支された回転軸と、該回転軸に前記本体胴部の内周壁面との間に間隙を有して固定された攪拌羽根とを備える濃縮装置であって、前記ベーパー胴部の下部に位置する前記ベーパー胴部の内周壁面に、前記排出口に向けて下方に傾斜する傾斜流下部が設けられていることを特徴とする。
【0010】
この発明に係る濃縮装置によれば、ベーパー胴部の内周壁面に飛散した処理液は、その自重によってベーパー胴部の下部に位置する内周壁面に流れ落ちるが、ここには傾斜流下部が設けられているため、ここに流れ落ちた処理液を排出口に向けて流下させることができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の濃縮装置において、前記ベーパー胴部内に洗浄液を噴射して前記ベーパー胴部内に滞留した前記処理液を洗浄する洗浄手段が設けられていることを特徴とする。
【0012】
この発明に係る濃縮装置によれば、洗浄手段によりベーパー胴部内に洗浄液を噴射することで、ベーパー胴部の内周壁面や衝突板の表面、傾斜流下部に滞留した処理液を洗い流すことができる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1及び請求項2に係る発明によれば、ベーパー胴部側に飛散した処理液を排出口まで流下させることができるため、ベーパー胴部内に処理液の堆積物が発生することを防止でき、濃縮装置の安全運転が可能となる。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、洗浄液によりベーパー胴部の内周壁面や衝突板の表面、傾斜流下部に滞留した処理液を洗い流すことができるため、ベーパー胴部内に処理液の堆積物が発生することを確実に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図1から図4を参照し、本発明の第1実施形態に係る濃縮装置について説明する。図1に示すように、本実施形態の濃縮装置1は、外周に加熱手段を設けた略円筒状のドラム5と、ドラム5の軸線L1方向に貫通してドラム5の両端に設けられた軸受部7,9で回転自在に軸支された回転軸11と、ドラム5の内周壁面5aとの間に微小な間隙を有して回転軸11に固定された複数の攪拌羽根13とを備えている。
ドラム5は、その軸線L1方向が略水平となるように横向きに配置されており、該軸線L1方向の一方側(図1において左側)が本体胴部15をなしており、他方側(図1において右側)がベーパー胴部17をなしている。本体胴部15には、その内部に開口して処理液を本体胴部15内に供給する供給口19が形成されている。
【0016】
また、ベーパー胴部17には、その内部に開口して濃縮された処理液をベーパー胴部17内から排出する排出口21、及び、処理液の蒸気を排気する排気口23が形成されている。なお、排出口21はベーパー胴部17の下部に開口しており、排気口23はベーパー胴部17の上部に開口している。また、排出口21は、本体胴部15の端部に隣接する位置に形成されており、排気口23は、排出口21よりも本体胴部15から軸線L1方向に離れた位置に形成されている。
【0017】
回転軸11は、伝達機構25を介してモータ27に連結されており、モータ27の駆動力に基づいて回転するようになっている。伝達機構25としては、従来公知のものでよく、例えば図示のように、回転軸11に取り付けたプーリ29とモータ27の駆動軸に取り付けたプーリ31との間にベルト33を巻回したものから構成されるとしてもよい。
この回転軸11を軸支する軸受部7,9は、例えばメカニカルシールによってドラム5の内部空間を外方に対して封止可能とされている。すなわち、この濃縮装置1においては、ドラム5内を真空状態にすることもできるようになっている。
【0018】
複数の攪拌羽根13は、それぞれ長尺な板状に形成されており、回転軸11の外周面から径方向外方に突出するアーム35を介して回転軸11に固定されている。各攪拌羽根13は、その長手方向が軸線L1方向に沿って配されており、本体胴部15の軸線L1方向の寸法と略等しくなっている、すなわち、ベーパー胴部17には配置されていない。
なお、攪拌羽根13と本体胴部15の内周壁面5aとの隙間は2mm程度となっており、回転軸11を回転させた際には、攪拌羽根13が内周壁面5aとの間で上記隙間を保持しながら内周壁面5a上をその周方向に移動するようになっている。また、これら複数の攪拌羽根13は、回転軸11の周方向に等間隔で配置されている(図3参照)。
【0019】
加熱手段は、本体胴部15からベーパー胴部17にわたってドラム5の外周全体に設けられたジャケット37により構成されており、ジャケット37には、その内部に高温水蒸気等の熱媒を供給する熱媒入口39、及び熱媒を排出する熱媒出口41が形成されている。すなわち、この濃縮装置1においては、熱媒入口39から供給された熱媒によってドラム5の内周壁面5aが加熱され、ドラム5に熱を奪われた熱媒が熱媒出口41から排出される。
【0020】
図2に示すように、ベーパー胴部17内には、その内部空間を軸線L1方向に区画する略板状の衝突板45が配されている。この衝突板45は、軸線L1に対して斜めに配置されるように、外形が略楕円形状に形成されている。また、衝突板45には回転軸11を挿通させる略楕円形状の貫通孔(不図示)が形成されており、衝突板45が回転軸11に触れないようにベーパー胴部17に固定されている。
本体胴部15側に対向する衝突板45の表面45aは、その上端部が排気口23に対向するようになっていて、排出口21に向けて下方に向かうに従い、軸線L1方向に沿って本体胴部15側に近づくように傾斜している。すなわち、排出口21及び排気口23は、衝突板45によって区画されて本体胴部15に対向するベーパー胴部17の一方の空間に開口しており、ベーパー胴部17の端部に配された回転軸11の軸受部7は他方の空間に隣接して配置されている。
【0021】
また、図2,3に示すように、ベーパー胴部17内には、洗浄液を噴射してベーパー胴部17内に滞留した処理液を洗浄する洗浄手段47が設けられており、この洗浄手段47は、ベーパー胴部17の一方の空間に配置された第1の洗浄ノズル49と、ベーパー胴部17の他方の空間に配置された第2の洗浄ノズル51とから構成されている。
第1の洗浄ノズル49は、排気口23からベーパー胴部17の内部に向けて下方に吊り下げられており、回転軸11を挟み込むように一対形成されている。各第1の洗浄ノズル49には、複数の噴射口が形成されており、ベーパー胴部17の内周壁面5a及び衝突板45の表面45aに向けて洗浄液を噴射できるようになっている。第2の洗浄ノズル51は、ベーパー胴部17の端部に設けられており、ベーパー胴部17の内周壁面5a及び衝突板45の裏面45bに向けて洗浄液を噴射するように構成されている。
なお、上述した洗浄液は、例えば水、油、アルコール、あるいは各種溶剤からなり、処理液の種類に応じて処理液を容易に洗い流せるものであればよい。
【0022】
以上のように構成された濃縮装置1の動作について以下に説明する。
この濃縮装置1において処理液を濃縮する際には、ドラム5の内周壁面5aを加熱手段で加熱した状態で、処理液を供給口19から本体胴部15内に供給すると共に、モータ27により回転軸11と一体の攪拌羽根13を回転させる。この際には、処理液が攪拌羽根13によって本体胴部15の内周壁面5aに押し付けられて薄膜状となるため、その水分を効率よく蒸発させて処理液の水分調整が行われる。
また、この際には、処理液が徐々にベーパー胴部17側に移動し、濃縮された処理液がベーパー胴部17の排出口21から排出されることになる。さらに、この際には、処理液から蒸発した蒸気がベーパー胴部17の排気口23からドラム5の外方に排出されることになる。
【0023】
また、本体胴部15からオーバーランしてベーパー胴部17側に飛散する処理液は、衝突板45の表面45aに衝突する。ここで、衝突板45の表面45aは排出口21に向けて下方に傾斜しているため、衝突板45に付着した処理液はその自重により衝突板45の表面45a上を流下して排出口21に到達することになる。なお、上述のように、飛散した処理液は衝突板45に衝突するため、ベーパー胴部17の端部に配された回転軸11の軸受部9に到達することがない。
また、この濃縮装置1においては、第1の洗浄ノズルや第2の洗浄ノズルからベーパー胴部17の内周壁面5aや衝突板45の表面45aや裏面45bに向けて噴射して、ベーパー胴部17の内周壁面5aや衝突板45の表面45aや裏面45bに滞留した処理液を洗い流すことができる。
【0024】
上述したように、この実施形態に係る濃縮装置1によれば、衝突板45を設けることで、ベーパー胴部17側に飛散した処理液を排出口21まで流下させることができるため、ベーパー胴部17内に処理液の堆積物が発生することを防止できる。
さらに、この衝突板45は、本体胴部15と軸受部9との間に配置されているため、飛散した処理液が軸受部9に到達することを確実に防止できる。したがって、ドラム5内を真空状態としてもその真空度が低下することを防止できる。
また、洗浄液によりベーパー胴部17の内周壁面5aや衝突板45の表面45a及び裏面45bに滞留した処理液を洗い流すことができるため、ベーパー胴部17内に処理液の堆積物が発生することを確実に防止できる。したがって、濃縮装置1の安全運転が可能となる。
【0025】
次に、本発明による第2実施形態について図4を参照して説明する。なお、この第2の実施形態に係る濃縮装置は、第1の実施形態の濃縮装置1とベーパー胴部17の構成について異なっている。ここでは、ベーパー胴部の構造のみについて説明し、第1実施形態の濃縮装置1の構成要素と同一の部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0026】
図4に示すように、この実施形態に係る濃縮装置61は、本体胴部15と共にドラム63を構成するベーパー胴部65の下部に位置する内周壁面63aに、排出口21に向けて下方に傾斜する傾斜流下部67が設けられている。より具体的には、この傾斜流下部67は、ベーパー胴部65の内周壁面63aから窪んだ断面半円状あるいはU字状の溝状に形成されると共に排出口21の側部に連通しており、排出口21に向けて下方に傾斜している。すなわち、傾斜流下部67の底面67aがベーパー胴部65の他方側の端部からこれよりも一方側に位置する排出口21に向けて下方に傾斜している。
【0027】
この濃縮装置61では、処理液の濃縮プロセスにおいてベーパー胴部65の内周壁面63aや端面63bに処理液が飛散した際には、ここに付着した処理液が内周壁面63aや端面63b上を流下して、ベーパー胴部65の下部に位置する内周壁面63aに流れ落ち、さらに、ベーパー胴部65の下部に設けられた傾斜流下部67に流れ落ちた処理液が流入する。そして、この傾斜流下部67は、その底面67aがベーパー胴部65の端部から排出口21に向けて下方に傾斜しているため、上記処理液はこの底面67a上を流下して排出口21に到達し、排出されることになる。
【0028】
この実施形態に係る濃縮装置61によれば、傾斜流下部67を設けることで、第1実施形態と同様に、ベーパー胴部65側に飛散した処理液を排出口21まで流下させることができるため、ベーパー胴部65内に処理液の堆積物が発生することを防止できる。
なお、上述した第2実施形態の濃縮装置61には、第1実施形態と同様の洗浄手段47を設けても構わない。この場合、洗浄手段47は、ベーパー胴部65の内周壁面63a及び端面63b、並びに、傾斜流下部67内に噴射するように配置されることが好ましい。これにより、ベーパー胴部65の内周壁面63a及び端面63b、並びに、傾斜流下部67内に滞留した処理液を洗い流すことができる。
また、傾斜流下部67を設けると共に、第1実施形態の衝突板45設けるようにしてもよい。
【0029】
なお、上述した全ての実施形態において、ドラム5はその軸線L1方向が略水平となるように配置されるとしたが、これに限ることはなく、少なくとも上記軸線L1方向が横向きとなるように配置されていればよい。すなわち、ドラム5はその軸線L1方向が傾斜するように斜めに配置されるとしても構わない。ただし、ドラム5の傾斜の度合は、衝突板45の表面45aや傾斜流下部67の底面67aが排出口21に向けて下方に傾斜できる程度とする必要がある。
【0030】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1実施形態に係る濃縮装置の概略を示す側断面図である。
【図2】図1の濃縮装置において、ドラムのベーパー胴部を示す拡大側断面図である。
【図3】図2のA−A矢視断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る濃縮装置において、ドラムのベーパー胴部を示す拡大側断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1,61 濃縮装置
5,63 ドラム
5a,63a 内周壁面
11 回転軸
13 攪拌羽根
15 本体胴部
17,65 ベーパー胴部
19 供給口
21 排出口
37 ジャケット(加熱手段)
45 衝突板
45a 表面
47 洗浄手段
67 傾斜流下部
L1 軸線


【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線方向が横向きとなるように配置され、外周に加熱手段を設けた略円筒状のドラムと、
該ドラムの軸線方向の一方側をなす本体胴部に開口して処理液を前記本体胴部内に供給する供給口と、
前記ドラムの他方側をなすベーパー胴部の下部に開口して前記加熱手段により濃縮された前記処理液を前記ベーパー胴部から排出する排出口と、
前記ドラムの軸線方向に貫通して回転自在に軸支された回転軸と、該回転軸に前記本体胴部の内周壁面との間に間隙を有して固定された攪拌羽根とを備える濃縮装置であって、
前記ベーパー胴部に、前記ベーパー胴部の内部空間を前記軸線方向に区画する略板状の衝突板が配置され、
前記本体胴部に対向する前記衝突板の表面が、前記排出口に向けて下方に傾斜していることを特徴とする濃縮装置。
【請求項2】
軸線方向が横向きとなるように配置され、外周に加熱手段を設けた略円筒状のドラムと、
該ドラムの軸線方向の一方側をなす本体胴部に開口して処理液を前記本体胴部内に供給する供給口と、
前記ドラムの他方側をなすベーパー胴部の下部に開口して前記加熱手段により濃縮された前記処理液を前記ベーパー胴部から排出する排出口と、
前記ドラムの軸線方向に貫通して回転自在に軸支された回転軸と、該回転軸に前記本体胴部の内周壁面との間に間隙を有して固定された攪拌羽根とを備える濃縮装置であって、
前記ベーパー胴部の下部に位置する前記ベーパー胴部の内周壁面に、前記排出口に向けて下方に傾斜する傾斜流下部が設けられていることを特徴とする濃縮装置。
【請求項3】
前記ベーパー胴部内に洗浄液を噴射して前記ベーパー胴部内に滞留した前記処理液を洗浄する洗浄手段が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の濃縮装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−313381(P2007−313381A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−142430(P2006−142430)
【出願日】平成18年5月23日(2006.5.23)
【出願人】(390004879)三菱マテリアルテクノ株式会社 (201)
【Fターム(参考)】