説明

炊飯器

【課題】鍋が交換されることなどで鍋重量が変化したとき鍋重量の記憶を変更し、鍋が交換されても調理物の重量を精度よく検知できるようにし、使い勝手を向上する。
【解決手段】炊飯器本体10内に鍋12を着脱自在に収納し、炊飯器本体10の上面を蓋20により開閉自在に覆い、鍋12を加熱手段201により加熱し、鍋12内の調理物の温度を温度検知手段15により検知し、鍋12と調理物との総重量を重量検知手段40により検知し、鍋12の重量を鍋重量記憶手段205に記憶し、蓋12の開閉を検知する蓋開閉検知手段21が蓋開を検知しかつ鍋12の有無を検知する鍋検知手段16が鍋12のないことを検知した場合に、重量検知手段40への負荷が無負荷状態と判断してそのときの重量検知手段40の出力値をゼロ値としてゼロ値記憶手段206に記憶する。鍋重量記憶手段205に記憶された鍋重量の変更を行う鍋重量記憶変更手段207を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鍋と調理物との総重量を検知する重量検知手段を備えた炊飯器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の炊飯器は、操作パネル、ブザーおよび重量を測定する重量測定手段を備え、予めユーザが設定した所望の炊飯量(設定炊飯量)に対応する米量および水量を正確に計量できるようにし、操作パネル上にカップ数設定キー、重量キー、クリアーキー、数字表示部を配置している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ユーザは、以下の手順で炊飯の準備を行う。ユーザは、カップ数設定キーをオンし、数字表示部に所望の炊飯量(カップ数)が表示されたときにカップ数設定キーをオフする。空の内鍋を炊飯器の所定の位置に収納し、重量キーをオンする。計量モードが開始し、数字表示部に内鍋の重量(g)が表示される。つぎに、クリアーキーをオンし、数字表示部の表示を0gにリセットする。この状態で米を鍋に入れる。米の量(重量)が設定炊飯量に対応する米の重量と一致し、適正報知のためのブザーが鳴るように、米の量を調節する。つぎに、再度クリアーキーをオンすると、数字表示部の表示が0gにリセットされ、水重量測定状態となる。鍋に給水すると、数字表示部に水の重量が表示される。水の重量が設定炊飯量に対応する水の重量と一致し、適正報知のためのブザーが鳴るように水加減する。ユーザは、ブザーの報知音に基づき、米および水の重量を正確に計量できる。
【特許文献1】特開昭61−146215号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来の構成では、重量測定手段の出力は、鍋が炊飯器本体に入っていない無負荷のときでも出力が出ている。重量測定手段の無負荷時の出力をZ、鍋が炊飯器本体にセットされているとき(鍋の中には何も入っていない)の出力をN、1gあたりの出力をmとすると、鍋の重量N1は、
N1=(N−Z)/m
となる。このN1を鍋重量として記憶する。鍋が炊飯器本体にセットされており、鍋の中に調理物が入っている場合の重量測定手段の出力をMとすると、調理物の重量M1は、
M1=(M−Z)/m−N1
となる。ここで、重量測定手段の無負荷時の出力Zは経年劣化や室温などで出力値が変化する。その出力値の変化が重量検知の誤差の原因となる。また、鍋交換などで鍋が変更になった場合でも鍋重量が変化した分だけ調理物の重量に誤差が生じる。
【0005】
従来の炊飯器は、鍋に何も入っていない状態の重量計測前には必ずクリアーキーを押して、鍋の中に何も入っていない状態を0gとすることによって、そのずれを補正していた。
【0006】
このような炊飯器は、使用する前に必ずクリアーキーを押す必要があり、ユーザにとってはきわめて使い勝手が悪かったため、自動的に重量測定手段の出力値をゼロ値と鍋重量を記憶することによってクリアーキーを押す必要のなくした炊飯器も提案されている。しかしながら、鍋交換などで鍋重量が変わった場合などには鍋重量を新たに記憶しなおす必要があった。
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、鍋が交換されることなどで鍋重量が変化したときに、鍋重量の記憶を変更できるようにし、鍋が交換されても調理物の重量を精度よく検知できるようにして、使い勝手を向上することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記目的を達成するために、上面が開口した炊飯器本体内に鍋を着脱自在に収納し、炊飯器本体の上面開口部を蓋により開閉自在に覆い、鍋を加熱手段により加熱し、鍋に入れられた調理物の温度を温度検知手段により検知し、鍋と調理物との総重量を重量検知手段により検知し、鍋の重量を鍋重量記憶手段に記憶し、蓋の開閉を検知する蓋開閉検知手段が蓋開を検知しかつ鍋の有無を検知する鍋検知手段が鍋のないことを検知した場合に、重量検知手段への負荷が無負荷状態と判断してそのときの重量検知手段の出力値を無負荷時の値(ゼロ値)としてゼロ値記憶手段に記憶するよう構成し、鍋重量記憶手段に記憶された鍋重量の変更を行う鍋重量記憶変更手段を有するものである。
【0009】
これにより、鍋が交換されることなどで鍋重量が変化したときに、鍋重量を新たに記憶しなおすことができ、鍋が交換されても調理物の重量を精度よく検知することができて、使い勝手を向上することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の炊飯器は、鍋が交換されることなどで鍋重量が変化したときに、鍋重量を新たに記憶しなおすことができ、鍋が交換されても調理物の重量を精度よく検知することができて、使い勝手を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
第1の発明は、上面が開口した炊飯器本体と、前記炊飯器本体内に着脱自在に収納される鍋と、前記炊飯器本体の上面開口部を開閉自在に覆う蓋と、前記鍋を加熱する加熱手段と、前記鍋に入れられた調理物の温度を検知する温度検知手段と、前記鍋と前記調理物との総重量を検知する重量検知手段と、前記鍋の重量を記憶する鍋重量記憶手段と、前記蓋の開閉を検知する蓋開閉検知手段と、前記鍋の有無を検知する鍋検知手段と、前記蓋開閉検知手段が蓋開を検知しかつ前記鍋検知手段が鍋のないことを検知した場合に前記重量検知手段への負荷が無負荷状態と判断してそのときの重量検知手段の出力値を無負荷時の値(ゼロ値)として記憶するゼロ値記憶手段とを備え、前記鍋重量記憶手段に記憶された鍋重量の変更を行う鍋重量記憶変更手段を有するものであり、計量機能使用前にクリアーキーを押すことがなく、しかも誤差がない鍋重量を記憶できる炊飯器で、鍋が交換されることなどで鍋重量が変化したときに、鍋重量を新たに記憶しなおすことができ、鍋が交換されても調理物の重量を精度よく検知することができて、使い勝手を向上することができる。
【0012】
第2の発明は、上記第1の発明において、鍋重量が記憶、変更されるときに鍋重量が一定値より重い、または軽い場合は鍋重量を記憶、変更させない鍋重量監視手段と、前記鍋重量監視手段が働いた場合を報知する第1の報知手段を付加したものであり、鍋の中に何かが入っているなど明らかに誤った鍋重量が記憶されるのを防ぐことができる。
【0013】
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、鍋重量が記憶、変更されるときに鍋の温度が一定値より高い、または低い場合は鍋重量を記憶、変更させない鍋温度監視手段と、前記鍋温度監視手段が働いた場合を報知する第2の報知手段を付加したものであり、重量検知手段が正常に働かない温度の場合は誤った鍋重量が記憶される可能性があるため、そのような状況を防ぐことができる。
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0015】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の炊飯器のブロック図、図2は同炊飯器の一部切欠した側面図、図3は同炊飯器の一部ブロック化した回路図を示すものである。なお、図2では、図面を簡潔にするために、電気的接続のためのリード線等は省略している。
【0016】
図2に示すように、炊飯器本体10は、上面が開口し、この炊飯器本体10の上面開口部を覆う蓋20を開閉自在に配置している。炊飯器本体10の内部に、上方の上枠32と下方のコイルベース31とで構成した収納部30を設け、この収納部30内に磁性体製の鍋12を着脱自在に収納している。コイルベース31の鍋12の底部に対向する部分に、鍋12を誘導加熱する加熱コイル13を配設して鍋12を誘導加熱し、鍋12内の調理物19を加熱調理する。調理物19は、炊飯前の米、米と水との混合物または炊き上がったご飯等である。この炊飯器は図示しない電源コードを有し、電源コードから商用電源が供給されたときに「電源オン」の状態になる。
【0017】
温度検知手段15は、コイルベース31の底部に配設し、鍋12の温度を検知するもので、この温度検知手段15は、鍋12が収納部30に収納されると鍋12の底の中央部に当接して鍋12の温度を検知し、図1に示すように、その出力を制御手段203に入力している。
【0018】
鍋検知手段16は、鍋12が収納部30に収納されているか否かを検知するもので、この鍋検知手段16は、炊飯器本体10に剛体接続されたマイクロスイッチで構成し、鍋12が収納部30に収納されると、温度検知手段15の底に設けた突起部がマイクロスイッチを押下し、鍋検知手段16はオン信号を出力し、その出力を制御手段203に入力している。
【0019】
蓋開閉検知手段21は、蓋20の開閉を検知するもので、この蓋開閉検知手段21は炊飯器本体10に設け、マイクロスイッチで構成している。蓋20が開くと蓋20のヒンジ部がマイクロスイッチを押下し、蓋開閉検知手段21はオン信号を出力し、その出力を制御手段203に入力している。
【0020】
鍋検知手段16および蓋開閉検知手段21は、炊飯器の電源が入っている状態では常に動作しており、オン信号又はオフ信号を出力している。
【0021】
重量検知手段40は、鍋12と調理物19の重量との総重量を検知するもので、この重量検知手段40は、支持部17およびロードセル18で構成している。ロードセル18は、ロバーバル型のロードセル(荷重変換器)であり、炊飯器本体10に剛体接続している。ロードセル18に抵抗線ひずみゲージ(図示せず)を取り付けており、ロードセル18が歪んだときのひずみゲージの抵抗変化をブリッジ回路で電気信号として取り出す。
【0022】
支持部17は、薄板に3つの突起部を設けた形状を有する。薄板はロードセル18の一端にねじ止めされる。支持部17の突起部は、コイルベース31の底部に設けた3つの孔をそれぞれ貫通する。鍋12が収納部30に収納されていない場合、ロードセル18は支持部17の重量を検知する。鍋12が収納部30に収納されると、鍋12の底部が支持部17の突起部先端に当接し、ロードセル18が歪む。鍋12が収納部30に収納されると、ロードセル18は、支持部17、鍋12および鍋12の中の調理物19の総重量を検知する。重量検知手段40は、鍋の底面を3点支持する支持部17を通じて、正確に鍋12および被加熱物(調理物19)の重量を測定する。
【0023】
鍋重量記憶手段205は、鍋12の重量を記憶するものであり、ゼロ値記憶手段206は、蓋開閉検知手段21が蓋開を検知しかつ鍋検知手段16が鍋12のないことを検知した場合に、重量検知手段40への負荷が無負荷状態と判断してそのときの重量検知手段40の出力値を無負荷時の値(ゼロ値)として記憶するものである。鍋重量記憶変更手段207は、鍋重量記憶手段205に記憶された鍋重量の変更を行うものである。また、計時手段204は、時間を計時するものである。
【0024】
制御手段203は、駆動手段202を介して加熱手段201を制御し、鍋12を誘導加熱するよう構成しており、この制御手段203は、図3に示すように、回路基板14に搭載されたマイコン100によって構成し、加熱手段201は、平滑コンデンサ103、共振コンデンサ104、スイッチング素子105、加熱コイル101よりなるインバータ回路により構成し、商用電源から供給される交流電源をダイオードブリッジ102によって整流して印加し、誘導加熱のための高周波電力を発生させ、鍋12を誘導加熱する。このインバータ回路はドライブIC107とIH制御用IC108とで構成した駆動手段202によって駆動されている。電源IC106は動作のための電源を各回路に供給している。
【0025】
鍋重量記憶手段205、ゼロ値記憶手段206はマイコン100とメモリ115によって実現し、計時手段204はマイコン100によって実現している。また、鍋重量記憶変更手段207は、鍋重量変更スイッチ113で構成し、鍋重量を変更する際に鍋重量変更スイッチ113を押すことで、鍋重量変更モードに入るようにしている。
【0026】
サーミスタ109は温度検知手段15の中に内蔵されており、サーミスタ109が温度によって抵抗値が変化するのを利用して鍋12の温度を検知している。水晶発振子110の発振によって、マイコン100内のタイマをカウントして計時を行っている。そしてマイコン100に入力された温度や計時している時間を基に、IH制御用IC108を制御することにより、鍋12の加熱を制御して、炊飯を行っている。
【0027】
蓋開閉検知手段21は蓋20が開くと信号をマイコン100に出力する。表示はランプ52および液晶表示パネル53によって行っている。ブザー112は音による報知を行う。
【0028】
重量検知は、ロードセル18からの信号は微小なので、オペアンプと抵抗よりなる差動増幅回路114によって増幅し、マイコン100に入力している。ロードセル18からの出力は、ロードセル18にかかっている重量に比例しているので、マイコン100の重量入力に1gあたりの入力で割った値が重量値になる。マイコン100に入力されたゼロ点並びに鍋重量はメモリ115に記憶される。
【0029】
上記構成において動作、作用を説明する。重量検知手段40の出力は、鍋12が炊飯器本体10に入っていない無負荷のときでも、出力が出ている。重量検知手段40の無負荷時の制御手段203、いいかえればマイコン100への入力をZ、鍋12が炊飯器本体10にセットされているとき(鍋12の中には何も入っていない)の入力をN、1gあたりのマイコン入力をmとすると、鍋12の重量N1は、
N1=(N−Z)/m
となる。この鍋12の重量N1を鍋重量記憶手段205に記憶する。工場出荷時に鍋重量記憶は行われるので、鍋12を変更しない限り、通常は使用者が意識する必要はない。
【0030】
鍋12が炊飯器本体10にセットされており、鍋12の中に調理物が入っている場合の重量検知手段40のマイコン100への入力をMとすると、調理物の重量M1は、
M1=(M−Z)/m−N1
となる。
【0031】
重量検知手段40の無負荷時のマイコン100への入力Zはロードセル18の経年劣化や室温などで出力値が変化する。その出力値の変化が重量検知の誤差の原因となる。そこで、重量計測直前に無負荷時の出力Zを入力することで、ロードセル18の無負荷時の出力変化に対応して、誤差をなくすというゼロリセットが必要となってくる。
【0032】
本実施の形態1では、蓋開閉検知手段21によって蓋開を検知し、鍋検知手段16で鍋12が炊飯器本体10にセットされていないとき無負荷と判断して無負荷時の入力を行うことによって、ゼロリセットする。
【0033】
このような炊飯器において、鍋12が交換された場合は、鍋重量変更スイッチ112の入力によって鍋重量記憶変更モードに入り、メモリ115に記憶している鍋重量を記憶しなおすことによって精度を維持することができる。
【0034】
このときの制御手段203、いいかえればマイコン100の動作を図4を参照しながら説明する。
【0035】
ステップ301で蓋20があいているかどうかを判定し、蓋20が開いていない場合は処理を終了し、蓋20が開いている場合はステップ302へ進む。ステップ302では、鍋12の有無を判定し、鍋12がない場合はステップ303へ進み、鍋12がある場合はステップ305へ進む。ステップ303では無負荷時のマイコン100への重量入力値Zを測定し、ステップ304でその値を記憶する。
【0036】
ステップ305では、鍋重量変更スイッチ113の入力があるかどうかを判断し、ない場合はステップ306へ進み、鍋12が炊飯器本体10にセットされているので鍋12と鍋12内の調理物の重量によるマイコン100への重量入力値Mを測定し、ステップ307にて、これらの値より調理物の重量M1を計算する。鍋重量変更スイッチ113の入力があった場合は、ステップ308へ進み、鍋重量を記憶しなおす。
【0037】
以上のように、本実施の形態においては、鍋重量記憶手段205に記憶された鍋重量の変更を行う鍋重量記憶変更手段207を有するので、計量機能使用前にクリアーキーを押すことがなく、しかも誤差がない鍋重量を記憶できる炊飯器で、鍋12が交換されることなどで鍋重量が変化したときに、鍋重量を新たに記憶しなおすことができ、鍋12が交換されても調理物の重量を精度よく検知することができて、使い勝手を向上することができる。
【0038】
なお、本実施の形態においては、鍋検知手段16にスイッチを用いたが、他にも誘導加熱を駆動してその波形の違いによって鍋検知を行うといった手段や、あるいは重量検知手段40を用いて、重量検知手段40にかかっている重量が一定値より小さいときは鍋なしに判断するといった手段を用いてもよいことはいうまでもない。
【0039】
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2の炊飯器のブロック図を示すものである。
【0040】
図5に示すように、鍋重量監視手段208は、鍋重量を記憶、変更する際に鍋12の中に米が残っているなどにより、鍋重量が一定値より重い場合、または軽い場合は鍋重量記憶変更手段207が鍋重量の記憶、変更を行わないようにし、この鍋重量監視手段208が働いた場合に第1の報知手段209によって使用者に対して報知を行い、誤った鍋重量記憶を防ぐよう構成している。他の構成は上記実施の形態1と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0041】
上記構成において、図6を参照しながら動作を説明する。なお、ステップ301からステップ308までの動作は上記実施の形態1の動作と同じであるので説明を省略する。
【0042】
ステップ309にて鍋重量が所定重量Maより重ければ、誤った鍋重量と判断し鍋重量を記憶しない。またステップ310で鍋重量が所定重量Mbより軽ければ、誤った鍋重量を判断し鍋重量を記憶しない。鍋重量を記憶しない場合はステップ311でブザー112(第1の報知手段209)にエラー報知を行わせる。
【0043】
以上のように、本実施の形態においては、鍋重量が記憶、変更されるときに鍋重量が一定値より重い、または軽い場合は鍋重量を記憶、変更させない鍋重量監視手段208と、鍋重量監視手段208が働いた場合を報知する第1の報知手段209を付加したので、鍋12の中に何かが入っているなど明らかに誤った鍋重量が記憶されるのを防ぐことができる。
【0044】
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3の炊飯器のブロック図を示すものである。
【0045】
図7に示すように、鍋温度監視手段210は、鍋重量を記憶する際に鍋12の温度が一定値より高い、または低い場合は鍋重量記憶変更手段207が鍋重量の記憶、変更を行わないようにし、この鍋温度監視手段210が働いた場合に第2の報知手段211によって使用者に対して報知を行い、誤った鍋重量記憶を防ぐよう構成している。他の構成は上記実施の形態1と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0046】
上記構成において、図8を参照しながら動作を説明する。なお、ステップ301からステップ308までの動作は上記実施の形態1の動作と同じであるので説明を省略する。
【0047】
ステップ312にて鍋温度が所定温度Taより高い場合は、ロードセル18の正常使用温度範囲外であれば鍋重量が正確に記憶できないので、鍋重量を記憶せず、また、ステップ313で鍋温度が所定重量Tbより低ければ、鍋重量を記憶しない。鍋重量を記憶しない場合はステップ314でブザー112(第2の報知手段211)にエラー報知を行わせる。
【0048】
以上のように、本実施の形態においては、鍋重量が記憶、変更されるときに鍋12の温度が一定値より高い、または低い場合は鍋重量を記憶、変更させない鍋温度監視手段210と、鍋温度監視手段210が働いた場合を報知する第2の報知手段211を付加したので、重量検知手段40が正常に働かない温度の場合は誤った鍋重量が記憶される可能性があるため、そのような状況を防ぐことができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上のように、本発明にかかる炊飯器は、鍋が交換されることなどで鍋重量が変化したときに、鍋重量を新たに記憶しなおすことができ、鍋が交換されても調理物の重量を精度よく検知することができて、使い勝手を向上することができるので、鍋と調理物との総重量を検知する重量検知手段を備えた炊飯器として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施の形態1の炊飯器のブロック図
【図2】同炊飯器の一部切欠した側面図
【図3】同炊飯器の一部ブロックかした回路図
【図4】同炊飯器の要部フローチャート
【図5】本発明の実施の形態2の炊飯器のブロック図
【図6】同炊飯器の要部フローチャート
【図7】本発明の実施の形態3の炊飯器のブロック図
【図8】同炊飯器の要部フローチャート
【符号の説明】
【0051】
10 炊飯器本体
12 鍋
15 温度検知手段
16 鍋検知手段
20 蓋
21 蓋開閉検知手段
40 重量検知手段
201 加熱手段
205 鍋重量記憶手段
206 ゼロ値記憶手段
207 鍋重量記憶変更手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が開口した炊飯器本体と、前記炊飯器本体内に着脱自在に収納される鍋と、前記炊飯器本体の上面開口部を開閉自在に覆う蓋と、前記鍋を加熱する加熱手段と、前記鍋に入れられた調理物の温度を検知する温度検知手段と、前記鍋と前記調理物との総重量を検知する重量検知手段と、前記鍋の重量を記憶する鍋重量記憶手段と、前記蓋の開閉を検知する蓋開閉検知手段と、前記鍋の有無を検知する鍋検知手段と、前記蓋開閉検知手段が蓋開を検知しかつ前記鍋検知手段が鍋のないことを検知した場合に前記重量検知手段への負荷が無負荷状態と判断してそのときの重量検知手段の出力値を無負荷時の値(ゼロ値)として記憶するゼロ値記憶手段とを備え、前記鍋重量記憶手段に記憶された鍋重量の変更を行う鍋重量記憶変更手段を有する炊飯器。
【請求項2】
鍋重量が記憶、変更されるときに鍋重量が一定値より重い、または軽い場合は鍋重量を記憶、変更させない鍋重量監視手段と、前記鍋重量監視手段が働いた場合を報知する第1の報知手段を付加した請求項1記載の炊飯器。
【請求項3】
鍋重量が記憶、変更されるときに鍋の温度が一定値より高い、または低い場合は鍋重量を記憶、変更させない鍋温度監視手段と、前記鍋温度監視手段が働いた場合を報知する第2の報知手段を付加した請求項1または2記載の炊飯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−29590(P2007−29590A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−219962(P2005−219962)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】