説明

炭化シリコン用の反射性オーミックコンタクト及びそれを備えた発光ダイオード並びにその作製方法

n型炭化シリコン用の反射性オーミックコンタクトは、炭化シリコン上に設けられた本質的にニッケルから成る層を備えている。この本質的にニッケルから成る層は、炭化シリコンにオーミックコンタクトを設け、炭化シリコンからの光学的放射がその中を透過するように構成されている。反射体層は、炭化シリコンとは反対側の本質的にニッケルから成る層上に設けられている。バリア層は、本質的にニッケルから成る層とは反対側の反射体層上に設けられ、ボンディング層は、反射体層とは反対側のバリア層上に設けられている。本質的にニッケルから成る層及びその上に設けられた反射体層は、低抵抗損失及び/又は高反射率を有することができる、炭化シリコン用の反射性オーミックコンタクトを提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化シリコン用の反射性オーミックコンタクト及びそれを備えた発光ダイオード並びにその作製方法、つまり、炭化シリコンをベースとする超小型電子デバイス及びその作製方法に関し、より詳細には、炭化シリコンをベースとする発光ダイオード(LED)やレーザダイオードなどの発光デバイス及びその作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードは、民生用途及び商業用途において広く使用されている。当業者には周知のように、発光ダイオードは、一般に超小型電子基板上にダイオード領域を備えている。超小型電子基板は、例えば、シリコン、ガリウムヒ素、リン化ガリウム、それらの合金、炭化シリコン、及び/又はサファイヤからなる。LEDにおいて継続的な開発がなされた結果、可視及び可視を超えるスペクトルをカバーできる非常に効率的で機械的に堅牢な光源がもたらされた。これらの属性は、半導体デバイスの潜在的に長期にわたる耐用年数とあいまって、各種の新規表示装置への適用を可能にし、LEDを十分に定着している白熱灯や蛍光灯と競合する立場にできるものである。
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,393,993号明細書
【特許文献2】米国特許第5,523,589号明細書
【特許文献3】米国特許第6,177,688号明細書
【特許文献4】米国特許出願第09/154,363号明細書 “Vertical Geometry InGaN Light Emitting Diode"
【特許文献5】米国特許第6,201,262号明細書
【特許文献6】米国特許第6,187,606号明細書
【特許文献7】米国特許第6,120,600号明細書
【特許文献8】米国特許第5,912,477号明細書
【特許文献9】米国特許第5,739,554号明細書
【特許文献10】米国特許第5,631,190号明細書
【特許文献11】米国特許第5,604,135号明細書
【特許文献12】米国特許第5,416,342号明細書
【特許文献13】米国特許第5,338,944号明細書
【特許文献14】米国特許第5,210,051号明細書
【特許文献15】米国特許第5,027,168号明細書
【特許文献16】米国特許第4,966,862号明細書
【特許文献17】米国特許第4,918,497号明細書
【特許文献18】米国特許仮出願第60/294,378号明細書 "Light Emitting Diode Structure With Multi-Quantum Well and Superlattice Structure", filed, May 30, 2001
【特許文献19】米国特許仮出願第60/294,445号明細書"Multi-Quantum Light Emitting Diode Structure", filed May 30, 2001
【特許文献20】米国特許仮出願第60/294,308号明細書 "Light Emitting Diode Structure With Superlattice Structure", filed May 30, 2001
【特許文献21】米国特許出願第10/140,796号明細書 "Group III Nitride Based Light Emitting Diode Structures With A Quantum Well And Superlattice, Group III Nitride Based Quantum Well Structures And Group III Nitride Based Superlattice Structures", filed May 7, 2002
【特許文献22】米国特許仮出願第10/057,82号明細書 "Light Emitting Diodes Including Substrate Modifications For Light Extraction And Manufacturing Methods Therefor", filed July. 23, 2001
【特許文献23】米国特許出願10/057,821号明細書 "Light Emitting Diodes Including Substrate Modifications For Light Extraction And Manufacturing Methods Therefor", filed January. 25, 2002
【特許文献24】米国特許仮出願第60/411,980号明細書 "Phosphor-Coated Light Emitting Diodes Including Tapered Sidewalls, and Fabrication Methods Therefor", filed September. 19, 2002
【特許文献25】米国特許仮出願第60/307,235号明細書 "Light Emitting Diodes Including Substrate Modifications For Light Extraction And Manufacturing Methods Therefor", filed July 23, 2001
【特許文献26】米国特許第5,767,581号明細書
【特許文献27】米国特許第5,718,760号明細書
【特許文献28】米国特許出願第10/603,331号明細書"Low Temperature Formation of Backside Ohmic Contacts for Vertical Device" to Slater et al., filed October. 31, 2001
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
炭化シリコンを使用する、LED及び/又はレーザダイオードなどの発光デバイスの作製では、炭化シリコン、より具体的には、n型炭化シリコンへ反射性オーミックコンタクトを提供することが望ましいことがある。これらの反射性オーミックコンタクトは、従来の超小型電子作製技術を使用して簡単に製作できるべきであり、低抵抗損失及び/又は高反射率を提供すべきである。これらのコンタクトも、それらへのワイヤボンディング及び/又はサブマウントボンディングがしやすいものであるべきである。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、炭化シリコン用の反射性オーミックコンタクト及びそれを備えた発光ダイオード並びにその作製方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のいくつかの実施形態によれば、炭化シリコン用、及びいくつかの実施形態では、n型炭化シリコン用の反射性オーミックコンタクトは、炭化シリコン上に設けられた本質的にニッケルから成る層を備えている。この本質的にニッケルから成る層は、炭化シリコンにオーミックコンタクトを設け、炭化シリコンからの光学的放射がその中を透過するように構成されている。本明細書で使用するように、本質的にニッケルから成る層は、実質的にニッケル元素だけを含み、相当量のニッケル合金、酸化ニッケル、及び/又はその他のニッケル化合物は含まないが、通常、ニッケルに関係する、わずかな量の上記の合金又は化合物を含むわずかな量の不純物を含むことがあり、炭化シリコンからの光学的放射をその中を透過もさせる、炭化シリコンへのオーミックコンタクトとしてのニッケル元素の基本的特性及び新規の特性に物質的に影響を及ぼさないわずかな量又は相当量の材料を含むこともある。また、本発明の各実施形態による反射性オーミックコンタクトは、炭化シリコンとは反対側の本質的にニッケルから成る層上に設けられた反射体層と、本質的にニッケルから成る層とは反対側の反射体層上に設けられたバリア層と、反射体層とは反対側のバリア層上に設けられたボンディング層とを備えている。本発明のいくつかの実施形態によれば、本質的にニッケルから成る層と、その上に設けられた反射体層とは、低抵抗損失及び/又は高反射率を有することができる、炭化シリコン用の反射性オーミックコンタクトを提供できることがわかった。
【0007】
本発明のその他の実施形態では、本質的にニッケルから成る層は、その中を炭化シリコンからのほぼすべての光学的放射が透過するのに十分な薄さである。さらに他の実施形態では、反射体層は、本質的にニッケルから成る層からのほぼすべての光学的放射を反射させるのに十分な厚さである。さらに本発明のその他の実施形態では、炭化シリコンは、表面と、表面を覆う本質的にニッケルから成る層とを備えている。表面を覆うことによって、炭化シリコンへのニッケルの接合を強化でき、炭化シリコンから出てくる光学的放射のほぼすべてを反射させることができる。さらに他の実施形態では、本質的にニッケルから成る層は、表面の一部分だけを覆い、かつ/又はパターン付けして、例えば、グリッドを形成することもできる。
【0008】
本発明のその他の実施形態は、炭化シリコン基板の第1の面に反射性オーミックコンタクトを設けるとともに、炭化シリコン基板の第2の面に発光領域を設け、LED又はレーザなどの発光素子をもたらす。さらに、その他の実施形態では、バリア層とは反対側のボンディング層上に取り付けアセンブリを設ける。さらに他の実施形態では、ボンディング層へのワイヤボンディングを行う。その他の外部要素をボンディング層へ接合することもできる。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態では、本質的にニッケルから成る層は、アニール無しのニッケルから成る層である。さらに、いくつかの実施形態では、本質的にニッケルから成る層は、厚さ約15Åから約100Åである。その他の実施形態では、本質的にニッケルから成る層は、厚さ約15Åから約25Åである。さらに他の実施形態では、本質的にニッケルから成る層は厚さ約15Åであり、さらに他の実施形態では、本質的にニッケルから成る層は厚さ約25Åである。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態では、反射体層は、銀及び/又はアルミニウムを含んでいる。本発明のいくつかの実施形態では、この反射体層は、厚さ約700Åから約2μmである。その他の実施形態では、この反射体層は、少なくとも厚さ約700Åである。さらに他の実施形態では、この反射体層は、厚さ約1000Åである。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態では、バリア層は白金を含んでいる。いくつかの実施形態では、このバリア層は、厚さ約250Åから約1μmである。その他の実施形態では、このバリア層は、少なくとも厚さ約250Åである。その他の実施形態では、このバリア層は厚さ約500Åであり、さらに他の実施形態では、このバリア層は厚さ約1000Åである。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態では、ボンディング層は金を含んでいる。いくつかの実施形態では、このボンディング層は、厚さ約250Åから約1μmである。他の実施形態では、このボンディング層は、少なくとも厚さ約250Åである。その他の実施形態では、このボンディング層は厚さ約500Åであり、さらに他の実施形態では、このボンディング層は厚さ約1μmである。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態によれば、基板の第2の面上に設けられたダイオード領域を有する炭化シリコン基板の第1の面上に、本質的にニッケルから成る第1の層を堆積させることによって発光ダイオードなどの発光素子を作製することができる。第1の面とは反対側の第1の層上には、銀及び/又はアルミニウムを含む第2の層を堆積させる。第1の層とは反対側の第2の層上には、白金を含む第3の層を堆積させる。第2の層とは反対側の第3の層上には、金を含む第4の層を堆積させる。取り付けアセンブリ、サブマウント、及び/又はワイヤなどの外部要素へ第4の層を接合する。第1の層の堆積中、第1層の堆積と第2の層の堆積の間、第2の層の堆積と第3層の堆積の間、第3層の堆積と第4層の堆積の間、又は第4の層の堆積と第4の層の接合の間はアニールを実施しない。その他の実施形態では、第1の層の堆積中、第1の層の堆積と第2の層の堆積の間、第2の層の堆積と第3の層の堆積の間、第3の層の堆積と第4の層の堆積の間、第4の層の堆積と第4の層の接合の間、及び第4の層の接合中はパターン付けも実施しない。さらに他の実施形態では、これらの作業の少なくとも1つでパターン付けを実施することができる。さらに、その他の実施形態では、上述した堆積ステップのすべてを室温で実施する。したがって、本発明のいくつかの実施形態は、いくつかのパターン付けステップをなくすこと、及び/又はコンタクトの作製中に高温アニールを使用しないことによって作製を容易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。しかし、本明細書で説明する各実施形態に限定されるものであると本発明を解釈すべきではない。むしろ、この開示が網羅的かつ包括的なものとなり、当業者に本発明の技術的範囲が完全に伝わるようにこれらの実施形態を提供する。図面では、明確にするために層及び領域の厚さを強調してある。同様の番号は全体を通して同様の要素を示している。層、領域、又は基板などの要素が別の要素の「上」にあると述べる場合には、それが別の要素の上に直接ある、又はそれが別の要素上へ直接延びることができ、あるいは介在要素が存在することもあることが理解されるであろう。それとは対照的に、ある要素が別の要素の「直接上に」あると述べる場合には、介在要素は存在しない。さらに、本明細書で説明し図示する各実施形態は、それと相補的な導電型の実施形態も含んでいる。
【0015】
次に、全般的に炭化シリコンをベースとする基板と接する窒化ガリウムをベースとする発光ダイオードに関して、本発明の各実施形態を説明する。しかし、本発明の多くの実施形態は、炭化シリコン基板及び/又は層と、発光ダイオード又はレーザダイオードなどの発光素子との任意の組み合わせで使用できることが当業者には理解されよう。したがって、組み合わせには、例えば、炭化シリコン基板と接する炭化シリコンダイオードが含まれ得る。
【0016】
図1は、本発明のいくつかの実施形態を説明するための反射性オーミックコンタクトを備えた発光ダイオード(LED)の断面図である。図1に示すように、これらの発光ダイオード100は、第1及び第2の対向する面110a及び110bを有し、所定の波長範囲にある光学的放射に対して透過的、すなわち、所定の波長範囲にあるすべての光学的放射を吸収又は反射しない、n型炭化シリコン基板などの炭化シリコン基板110を備えている。ダイオード領域(発光領域)130は、第2の面110b上に設けられ、ダイオード領域130の両端、例えば、オーミックコンタクト120と150の間に電圧を印加すると、所定の波長範囲の光学的放射に対して透過的な炭化シリコン基板110内へ所定の波長範囲の光を放出するように構成されている。
【0017】
さらに図1を参照すると、これらの実施形態では、ダイオード領域130は、n型層132と活性領域134及びp型層136とを備えている。オーミックコンタクト150及び120を、それぞれp型層136及びn型炭化シリコン基板110に作製して、それぞれアノード160とカソード140を設ける。いくつかの実施形態では、n型層132と活性領域134及び/又はP型層136を有するダイオード領域130は、窒化ガリウムインジウム及び/又は窒化ガリウムアルミニウムインジウムなどの窒化ガリウムの合金を含む窒化ガリウムをベースとする半導体層を備えている。また、n型窒化ガリウム層132と炭化シリコン基板110の間に、例えば、窒化ガリウムアルミニウムを含む単一のバッファ層又は複数のバッファ層を形成できる。このことは特許文献に記載されており(例えば、特許文献1乃至4参照)、それらの開示は、これによりここで完全に記載するかのようにその全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0018】
活性領域134は、n型、p型、又は真性の窒化ガリウムをベースとする材料の単一の層、他のホモ構造、シングルヘテロ構造、ダブルヘテロ構造、及び/又は量子井戸構造を有することができ、これらのすべては当業者には周知である。さらに、活性領域134は、1つ又は複数のクラッド層と境界を接する発光層を有することができる。いくつかの実施形態では、n型窒化ガリウム層132は、シリコンをドープした窒化ガリウムを含み、p型窒化ガリウム層136はマグネシウムをドープした窒化ガリウムを含んでいる。さらに、活性領域134は、少なくとも1つの窒化ガリウムインジウム量子井戸を有することが好ましいことがある。
【0019】
例えば、ダイオード100などの発光素子は、Cree社(ノースカロライナ州ダラム)によって作製・販売されている発光デバイスなどの炭化シリコン基板上に作製される窒化ガリウムをベースとするLED又はレーザであってもよい。例えば、本発明は、上述した特許文献に記載されているようなLED及び/又はレーザとの使用に適していることがある(例えば、特許文献1,2、特許文献5乃至17参照)。それらの開示は、ここで完全に記載するかのように参照によって本明細書に組み込まれる。その他の適切なLED及び/又はレーザも文献に記載されている(例えば、特許文献18乃至23参照)。それらの開示は、完全に記載するかのように本明細書に組み込まれる。さらに、文献(例えば、特許文献24参照)に記載されているような蛍光体被覆LEDも本発明の各実施形態で使用するのに適していることがある。この特許文献の開示は、完全に記載するかのように参照によって本明細書に組み込まれる。
【0020】
基板を通って発光が生じるよう動作するように、LED及び/又はレーザを構成することができる。このような実施形態では、特許文献に記載されているように(例えば、特許文献25、特許文献23参照)、デバイスの光出力が強化されるように基板をパターン付けすることができる。それらの開示は、ここで完全に記載するかのように参照によって本明細書に組み込まれる。
【0021】
いくつかの実施形態では、p型窒化ガリウム層136用のオーミックコンタクト150は、白金、ニッケル、及び/又はチタン/金を含んでいる。その他の実施形態では、例えば、アルミニウム及び/又は銀を含む反射性オーミックコンタクトを使用できる。p型窒化ガリウムへのオーミックコンタクトを形成するのに適したその他材料をオーミックコンタクト150に使用することもできる。n型窒化ガリウム及びp型窒化ガリウムへのオーミックコンタクトの例は、特許文献(例えば、特許文献26参照)に示されており、その開示は、これによりここで完全に記載するかのようにその全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0022】
さらに図1を参照すると、いくつかの実施形態では、基板110は、所定の波長範囲の光学的放射に対して透過的な炭化シリコン基板を備えている。本発明の各実施形態によるコンタクトを反射体として使用できるように、これらの基板は半絶縁性(高抵抗率)であってもよい。所定の波長範囲の光学的放射に対して透過的な炭化シリコン基板の作製方法は、本発明の譲受人に譲渡された特許文献(例えば、特許文献27参照)に記載されており、その開示は、これによりここで完全に記載するかのようにその全体が本明細書に組み込まれる。炭化シリコン基板110は、2H、4H、6H、8H、15R、及び/又は3Cのポリタイプを含むことができる。光電子分野で利用するには、6H及び/又は4Hのポリタイプが好ましいことがある。その他の実施形態では、炭化シリコン基板110は、上述した特許文献27に記載されているように、補償型の、無色の炭化シリコン基板である。例えば、特許文献3に記載されているように、窒化ガリウムをベースとするエピタキシャル層を基板上に形成することができ、次いで、処理を行って図1に示すような構造を作製することができる。
【0023】
図1の説明を続けると、本発明の各実施形態によれば、n型炭化シリコン基板110の第1の面110aに炭化シリコンへの反射性オーミックコンタクト120が提供される。図1に示すように、これらのオーミックコンタクト120は、n型炭化シリコン基板110の第1の面110aなどの炭化シリコン上に本質的にニッケルから成る層122(第1の層ともいう)を備えている。本明細書で使用するように、本質的にニッケルから成る層122は、実質的にニッケル元素だけを含み、相当量のニッケル合金、酸化ニッケル、及び/又はその他のニッケル化合物は含まないが、通常、ニッケルに関係する、わずかな量の上記の合金又は化合物を含むわずかな量の不純物を含むことがあり、炭化シリコンから出てくる光学的放射をその中を透過もさせる、炭化シリコンへのオーミックコンタクトとしてのニッケル元素の基本的特性及び新規の特性に物質的に影響を及ぼさないわずかな量又は相当量の材料を含むこともある。いくつかの実施形態では、これらのわずかな量は、約0.01%未満である。その他の実施形態では、それらは約1%未満である。
【0024】
いくつかの実施形態では、本質的にニッケルから成る層122は、炭化シリコン基板110にオーミックコンタクトを設けるのに十分な厚さであるが、炭化シリコン基板110の第1の面110aからの少なくとも一部の光学的放射がその中を透過するのには十分な薄さとなっている。その他の実施形態では、本質的にニッケルから成る層122は、炭化シリコン基板110の第1の面110aからのほぼすべての光学的放射がその中を透過するのに十分な薄さである。いくつかの実施形態では、ほぼすべての光学的放射とは、光学的放射の約50%よりも大きい。その他の実施形態では、ほぼすべての光学的放射とは、光学的放射の約90%よりも大きい。いくつかの実施形態では、本質的にニッケルから成る層122は、厚さ約15Åから約100Åである。その他の実施形態では、本質的にニッケルから成る層122は、厚さ約15Åから約25Åである。さらに他の実施形態では、ニッケルから成る層122は厚さ約25Åであり、さらに他の実施形態では、このニッケルから成る層122は厚さ約15Åである。
【0025】
反射性オーミックコンタクト120は、炭化シリコン基板110とは反対側の本質的にニッケルから成る層122上に設けられた導電性の反射体層124(第2の層ともいう)を備えている。いくつかの実施形態では、反射体層124は、本質的にニッケルから成る層122からのほぼすべての光学的放射を反射させるのに十分な厚さである。いくつかの実施形態では、ほぼすべての光学的放射とは、光学的放射の約50%よりも大きい。その他の実施形態では、ほぼすべての光学的放射とは、光学的放射の約90%よりも大きい。いくつかの実施形態では、反射体層124は、銀及び/又はアルミニウムを含んでいる。その他の実施形態では、反射体層124は、少なくとも厚さ約700Åである。さらに他の実施形態では、反射体層124は、厚さ約700Åから約2μmである。さらに他の実施形態では、反射体層124は、厚さ約1000Åである。
【0026】
さらに図1に示すように、反射性オーミックコンタクト120は、本質的にニッケルから成る層122とは反対側の反射体層124上に設けられた導電性のバリア層126(第3の層ともいう)を備えている。いくつかの実施形態では、バリア層126は、このバリア層126の外側から反射体層124内及び/又は本質的にニッケルから成る層122内への不純物の移入を減少させる又は防止するのに十分な厚さである。いくつかの実施形態では、バリア層126は白金を含んでいる。本発明のいくつかの実施形態では、バリア層126は、少なくとも厚さ約250Åである。その他の実施形態では、バリア層126は、厚さ約250Åから約1μmである。本発明のいくつかの実施形態では、例えば、図1に示すように、反射性オーミックコンタクト120をサブマウント210へ取り付ける場合、バリア層126は厚さ約500Åである。本発明のさらに他の実施形態では、例えば、図2及び図3に示すように、反射性オーミックコンタクト120をワイヤボンディングする場合、バリア層126は厚さ約1000Åである。
【0027】
最後に、さらに図1を参照すると、本発明の各実施形態による反射性オーミックコンタクト120は、反射体層124とは反対側のバリア層126上に設けられた導電性のボンディング層128(第4の層ともいう)を備えている。いくつかの実施形態では、ボンディング層128は金を含んでいる。いくつかの実施形態では、ボンディング層128は、少なくとも厚さ約250Åである。その他の実施形態では、ボンディング層128は、厚さ約250Åから約1μmである。本発明のいくつかの実施形態では、例えば、図1に示すように、反射性オーミックコンタクト120をサブマウント210へ取り付ける場合、ボンディング層128は厚さ約500Åである。さらに他の実施形態では、例えば、図2及び図3に示すように、反射性オーミックコンタクト120をワイヤボンディングする場合、ボンディング層128は厚さ約1μmである。
【0028】
ヒートシンクなどの取り付け支持体又はサブマウント210へボンディング層128を接合できる。接合には銀エポキシを使用することができる。取り付け支持体210へボンディング層128を接合する場合、上述したように、いくつかの実施形態では比較的薄いバリア層126及びボンディング層128を使用することができる。例えば、厚さ約500Åであるバリア層126及び厚さ約500Åであるボンディング層128を使用することができる。さらに図1に示すように、ボンディング領域162を介してカソード160とオーミックコンタクト150の間に、ワイヤ164又はその他の電気的接続を設けることができる。発光用レンズ182などの光学要素を備えた従来のドーム構造180内に、本発明のいくつかの実施形態によるLED100をパッケージングすることができる。ドーム構造180全体も、光学要素として機能することができる。ドーム構造180は、プラスチック、ガラス、及び/又はその他の材料を含むことができ、シリコンゲル、蛍光体、及び/又はその他の材料をその中に含むこともできる。本発明のいくつかの実施形態による反射性オーミックコンタクトを使用できるその他のLED構造は、上述した本明細書に組み込み済みの特許文献23に記載されている。
【0029】
従来から行われることがあるように光が基板に入るのを防止する又は抑制する代わりに、本発明のいくつかの実施形態は、ダイオード領域130で発生された光が、最も効率的に光を抽出することができる基板110に入るのを促進することができる。したがって、次に図2及び図3と関連して説明するように、本発明のいくつかの実施形態は、いわゆる「フリップチップ(flip−chip)」又は「上下が逆さまの(upside−down)」パッケージング構成での使用に特に適していることがある。本発明の各実施形態は、図1に関連して説明したような従来の「上面が上向きの(right−side−up)」又は「フリップチップでない(non−flip−chip)」パッケージングで使用することもできる。
【0030】
図2は、本発明のいくつかの他の実施形態を説明するための反射性オーミックコンタクトを備えた発光ダイオード(LED)の断面図である。図2を参照すると、本発明のいくつかの実施形態によれば、反射性オーミックコンタクト120を備えたLED200は、基板110’及びダイオード領域130を備えている。図2で示すように、これらのLED200は、基板110’が上にあり(サブマウント210から離れている)、ダイオード領域130が下にある(サブマウント210に隣接している)フリップチップ構成で形成されている。さらに図2で示すように、本発明のいくつかの実施形態では、第1の面110a’が第2の面110b’よりも小さい表面積を有するように基板110’を構成することができる。しかし、その他の実施形態では、各表面積が同じであることがあり、あるいは第2の面110b’の方が第1の面110a’よりも小さい表面積を有することもある。従来技術を使用して、ボンディング層128へワイヤ220を接合する。ワイヤボンディングのために、いくつかの実施形態では、上述したように、より厚いバリア層126及び/又はボンディング層128を使用することができる。例えば、バリア層126は厚さ約1000Åであってもよく、ボンディング層128は厚さ約1μmであってもよい。さらに図2に示すように、本発明のいくつかの実施形態では、本質的にニッケルから成る層122及び/又は反射性オーミックコンタクト120は、基板110’の第1の面110a’全体を覆うことができる。第1及び第2の面の面積が異なる基板を有するLEDの追加の説明は、上述した本明細書に組み込み済みの特許文献23で見つけることができる。
【0031】
図3は、本発明のいくつかのさらに他の実施形態を説明するための反射性オーミックコンタクトを備えた発光ダイオード(LED)の断面図である。図3に示すように、これらのLED300は、第1の面110a”に隣接する傾斜部分110cを有する少なくとも1つの側壁を有し、n型SiC基板110”などの炭化シリコン基板を備えている。傾斜部分110cは、第1の面110a”に対して非直交角度(例えば、120°などの鈍角)を形成する。図3に示すように、いくつかの実施形態では、傾斜部分110cは、第1の面110a”から第2の面110b”までずっと延びることができる。第1の面110a”に隣接する傾斜部分110cを有する炭化ケシリコン基板の各実施形態は、特許文献24でさらに説明されている。
【0032】
図4は、本発明のいくつかの実施形態によるLED及び/又は反射性オーミックコンタクトの作製方法を説明するためのフローチャートを示す図で、LEDなどの炭化シリコンをベースとする光電子デバイス用を含めた、炭化シリコン用の反射性オーミックコンタクトの作製方法を説明するためのフローチャートに示す図である。図4に示すように、まず、ステップ410で、図1乃至図3の層122などの本質的にニッケルから成る第1の層を、例えば、それぞれ図1乃至図3の基板110、110’、110”などの炭化シリコン基板の第1の面上に堆積させる。炭化シリコン基板は、その第2の面と接するダイオード領域130を備えている。すでに説明したように、多くの技術を使用して基板及びダイオード領域を製作することができる。
【0033】
次に、ステップ420を参照すると、第1の面とは反対側の第1の層上に、図1乃至図3の反射体層124などの銀及び/又はアルミニウムを含む第2の層を堆積させる。次に、ステップ430を参照すると、第1の層とは反対側の第2の層上に、図1乃至図3のバリア層126などの白金を含む第3の層を堆積させる。次に、ステップ440では、第2の層とは反対側の第3の層上に、図1乃至図3のボンディング層128などの金を含む第4の層を堆積させる。最後に、ステップ450を参照すると、図1のサブマウント210又は図2及び図3のワイヤ220などの外部要素へ第4の層を接合する。上述した堆積ステップ410乃至440はすべて、電子線堆積、熱蒸着、スパッタ堆積、及び/又はその他の従来の堆積技術を使用して実施することができる。
【0034】
図4に示すように、本発明のいくつかの実施形態では、ステップ410中、ステップ410と420の間、ステップ420と430の間、ステップ430と440の間、ステップ440と450の間、又はステップ450中にはアニールを実施しない。したがって、本発明のいくつかの実施形態では、アニールせずに堆積したままの状態で反射性オーミックコンタクトを形成する。アニールは、本質的にニッケルから成る第1の層の望ましくない酸化物を生成することがあり、かつ/又は反射体の反射率を損なうことがある。
【0035】
さらに、図1乃至図3に示すように、本発明のその他の実施形態によれば、反射性オーミックコンタクト120は、炭化シリコン基板110、110’、110”の第1の面110a、110a’、110a”全体を覆う。換言すると、図4のステップ410中、ステップ410と420の間、ステップ420と430の間、ステップ430と440の間、又はステップ440と450の間はパターン付けを実施しない。その他の実施形態では、これらのステップの少なくとも1つ中又は1つの間でパターン付けを実施することができる。
【0036】
最後に、本発明のその他の実施形態によれば、図4に示すように、従来の電子線堆積、熱蒸着、スパッタ堆積、及び/又は他の従来の堆積技術を使用して、室温でステップ410乃至440の堆積を実施することができる。高温アニールを使用する必要はない。
【0037】
しかるべく、n型炭化シリコン、及びいくつかの実施形態では高濃度にドープしたn炭化シリコンへの反射性オーミックコンタクトを説明してきた。これらのコンタクトは、反射性コンタクト/炭化シリコン界面での電力損失及び光学損失を低減することができる。本発明のいくつかの実施形態では、これらのコンタクトは、Ni/Ag/Pt/Auの各層を含み、それぞれの厚さは25Å/1000Å/500Å/500Åである。本質的にニッケルから成る層122は非常に薄いので、入射光をほぼすべて透過させることができる。本発明のいくつかの実施形態によれば、チタン又はクロミウムなどのその他の金属は、25Å程度の薄さの層においてさえもニッケル又は白金よりもずっと光を吸収することがあることが分かった。さらに、オーミック金属として、ニッケルの方が白金よりも優れたものとなり得ることが分かった。このことに関しては、特許文献を参照されたい(例えば、特許文献28参照)。この特許文献の開示は、これによりここで完全に記載するかのようにその全体が参照によって本明細書に組み込まれる。したがって、本発明の各実施形態は、本質的にニッケルから成るオーミック層122を提供する。
【0038】
次に、本発明の各実施形態は、銀を含む反射体層124も使用する。銀は、優れた反射体となり得る。さらに、バリア層126及びボンディング層128は、ニッケル及び銀鏡をケミカルアタック及び/又は酸化から保護することができる化学的に安定した層である。本発明の各実施形態によって得られる反射性オーミックコンタクト120は、低い光吸収作用と低い電気損失を有することができる。
【0039】
従来の炭化シリコンの、相当量の酸化ニッケルを含むアニール又は焼結されたニッケルのコンタクト、又はTi/Pt/Auなどの堆積したままのオーミックコンタクトは、電気的及び/又は光学的に損失が多いことがある。これらの従来のコンタクトは損失が多いことがあるので、入射光及び反射光の吸収及び減衰を回避するために、従来から炭化シリコン基板表面上を覆う量が制限されることがある。より具体的には、発光ダイオードでは、n型炭化シリコン基板への従来のコンタクトは、炭化シリコン基板表面の約20%だけを覆うことができるグリッドであることがある。炭化シリコン表面に金属を選択的に堆積又は追加することによって、又は炭化シリコン表面から堆積させた金属を選択的にエッチングする又は取り去ることによって、グリッドとしてオーミック金属をパターン付けすることができるフォトリソグラフィ処理ステップを使用して、このグリッドを形成することができる。従来のグリッドコンタクトは、ダイアタッチ(die attach)に使用する銀エポキシに、炭化シリコン上のオーミック金属のグリッド線間で反射体としての働きをさせる。
【0040】
それとは対照的に、本発明のいくつかの実施形態による反射性オーミックコンタクトは、より大きな接触面積を提供することができ、いくつかの実施形態では、基板表面全体を覆うこともできる。この反射性オーミックコンタクトは、金属/炭化シリコン界面の電気抵抗を改善し、銀エポキシの反射性質も提供する。より大きい接触面積は、炭化シリコンとオーミック金属の間に固有の接触抵抗を小さくする必要性を低減させることもできる。さらに、本発明のいくつかの実施形態によれば、フォトリソグラフィを行う必要なしに炭化シリコン表面上全体に金属を配置するこの能力は、炭化シリコンをベースとするLEDウエハ及びチップを製作するのに使用する従来のグリッドコンタクト手法と比較すると、労働、ハンドリング及び潜在的なウエハ破損、サイクルタイム、出荷検査活動、ならびに/又はコストを低減させることができる。
【0041】
また、ボンディング層に接合される外部要素に応じて、バリア層及びボンディング層の厚さを変えることができる。例えば、図2及び図3で示した本発明の各実施形態では、ボンディングパッドは、炭化シリコン基板へのオーミックコンタクトでもある。本発明のこれらの実施形態は、約1000Åの厚さを有する白金を含むバリア層126と、約1μmの厚さを有する金を含むボンディング層128とを採用することができる。これにより、低損失の反射性基板コンタクト/ボンディングパッドの組み合わせを形成することができる。
【0042】
図面及び明細書において、本発明の各実施形態を開示してきた。特定の用語を使用しているが、それらは全般的かつ説明的意味で使用しているに過ぎず、添付の特許請求の範囲において説明する本発明の技術的範囲を限定する目的では使用していない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明のいくつかの実施形態を説明するための反射性オーミックコンタクトを備えた発光ダイオード(LED)の断面図である。
【図2】本発明のいくつかの他の実施形態を説明するための反射性オーミックコンタクトを備えた発光ダイオード(LED)の断面図である。
【図3】本発明のいくつかのさらに他の実施形態を説明するための反射性オーミックコンタクトを備えた発光ダイオード(LED)の断面図である。
【図4】本発明のいくつかの実施形態によるLED及び/又は反射性オーミックコンタクトの作製方法を説明するためのフローチャートを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化シリコン用の反射性オーミックコンタクトであって、
前記炭化シリコンにオーミックコンタクトを設けて前記炭化シリコンからの光学的放射がその中を透過するように構成され、前記炭化シリコン上に設けられた本質的にニッケルから成る層と、
前記炭化シリコンとは反対側の前記ニッケルから成る層上に設けられた反射体層と、
前記ニッケルから成る層とは反対側の前記反射体層上に設けられたバリア層と、
前記反射体層とは反対側の前記バリア層上に設けられたボンディング層と
を備えたことを特徴とする反射性オーミックコンタクト。
【請求項2】
前記ニッケルから成る層は、前記炭化シリコンへオーミックコンタクトを設けるのに十分な厚さであり、前記炭化シリコンからの光学的放射がその中を透過するのに十分な薄さであることを特徴とする請求項1に記載の反射性オーミックコンタクト。
【請求項3】
前記ニッケルから成る層は、前記炭化シリコンからのほぼすべての光学的放射がその中を透過するのに十分な薄さであることを特徴とする請求項2に記載の反射性オーミックコンタクト。
【請求項4】
前記反射体層は、前記ニッケルから成る層からのほぼすべての光学的放射を反射するのに十分な厚さであることを特徴とする請求項2に記載の反射性オーミックコンタクト。
【請求項5】
前記炭化シリコンは表面を有し、前記ニッケルから成る層は、前記表面を覆うことを特徴とする請求項1に記載の反射性オーミックコンタクト。
【請求項6】
前記炭化シリコンは、n型炭化シリコンであることを特徴とする請求項1に記載の反射性オーミックコンタクト。
【請求項7】
前記炭化シリコン上のダイオード領域と組み合わされていることを特徴とする請求項1に記載の反射性オーミックコンタクト。
【請求項8】
前記ニッケルから成る層は、アニールされていないニッケルから成る層であることを特徴とする請求項1に記載の反射性オーミックコンタクト。
【請求項9】
前記バリア層とは反対側の前記ボンディング層上に設けられた取り付けアセンブリとさらに組み合わされていることを特徴とする請求項7に記載の反射性オーミックコンタクト。
【請求項10】
前記ニッケルから成る層は、厚さ約15Åから約100Åであることを特徴とする請求項1に記載の反射性オーミックコンタクト。
【請求項11】
前記ニッケルから成る層は、厚さ約15Åから約25Åであることを特徴とする請求項1に記載の反射性オーミックコンタクト。
【請求項12】
前記反射体層は、銀及び/又はアルミニウムを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の反射性オーミックコンタクト。
【請求項13】
前記バリア層は、白金を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の反射性オーミックコンタクト。
【請求項14】
前記ボンディング層は、金を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の反射性オーミックコンタクト。
【請求項15】
炭化シリコン用のコンタクトであって、
前記炭化シリコン上に設けられた本質的にニッケルから成る第1の層と、
前記炭化シリコンとは反対側の前記第1の層上に設けられた銀及び/又はアルミニウムを含む第2の層と、
前記第1の層とは反対側の前記第2の層上に設けられた白金を含む第3の層と、
前記第2の層とは反対側の前記第3の層上に設けられた金を含む第4の層と
を備えたことを特徴とするコンタクト。
【請求項16】
前記炭化シリコンは表面を有し、前記第1の層は前記表面を覆うことを特徴とする請求項15に記載のコンタクト。
【請求項17】
前記炭化シリコンは、n型炭化シリコンであることを特徴とする請求項15に記載のコンタクト。
【請求項18】
前記炭化シリコン上のダイオード領域と組み合わされていることを特徴とする請求項15に記載のコンタクト。
【請求項19】
前記第1の層は、アニールされていないニッケルから成ることを特徴とする請求項15に記載のコンタクト。
【請求項20】
前記第3の層とは反対側の前記第4の層上に設けられた取り付けアセンブリとさらに組み合わされていることを特徴とする請求項18に記載のコンタクト。
【請求項21】
前記第1の層は、厚さ約15Åから約100Åであることを特徴とする請求項15に記載のコンタクト。
【請求項22】
前記第2の層は、少なくとも厚さ約700Åであることを特徴とする請求項15に記載のコンタクト。
【請求項23】
前記第3の層は、少なくとも厚さ約250Åであることを特徴とする請求項15に記載のコンタクト。
【請求項24】
前記第4の層は、少なくとも厚さ約250Åであることを特徴とする請求項15に記載のコンタクト。
【請求項25】
第1及び第2の対向する面を有する炭化シリコン基板と、
前記第2の面上に設けられた発光領域と、
前記第2の面とは反対側の前記発光領域上に設けられたオーミックコンタクトと、
前記第1の面にオーミックコンタクトを設けて前記第1の面からの光学的放射がその中を透過するように構成され、前記第1の面上に設けられた本質的にニッケルから成る層と、
前記第1の面とは反対側の前記ニッケルから成る層上に設けられた反射体層と、
前記ニッケルから成る層とは反対側の前記反射体層上に設けられたバリア層と、
前記反射体層とは反対側の前記バリア層上に設けられたボンディング層と
を備えたことを特徴とする発光デバイス。
【請求項26】
前記ニッケルから成る層は、前記炭化シリコンにオーミックコンタクトを設けるのに十分な厚さであり、前記炭化シリコンからの光学的放射がその中を透過するのには十分な薄さであることを特徴とする請求項25に記載の発光デバイス。
【請求項27】
前記ニッケルから成る層は、前記第1の面からのほぼすべての光学的放射がその中を透過するのに十分な薄さであることを特徴とする請求項26に記載の発光デバイス。
【請求項28】
前記反射体層は、前記ニッケルから成る層からのほぼすべての光学的放射を反射するのに十分な厚さであることを特徴とする請求項26に記載の発光デバイス。
【請求項29】
前記ニッケルから成る層は、前記第1の面を覆うことを特徴とする請求項25に記載の発光デバイス。
【請求項30】
前記ニッケルから成る層は、アニールされていないニッケルから成る層であることを特徴とする請求項25に記載の発光デバイス。
【請求項31】
前記バリア層とは反対側の前記ボンディング層上に設けられた取り付けアセンブリとさらに組み合わされていることを特徴とする請求項25に記載の発光デバイス。
【請求項32】
前記ニッケルから成る層は、厚さ約15Åから約100Åであることを特徴とする請求項25に記載の発光デバイス。
【請求項33】
前記反射体層は、銀及び/又はアルミニウムを含んでいることを特徴とする請求項25に記載の発光デバイス。
【請求項34】
前記バリア層は、白金を含んでいることを特徴とする請求項25に記載の発光デバイス。
【請求項35】
前記ボンディング層は、金を含んでいることを特徴とする請求項25に記載の発光デバイス。
【請求項36】
第1及び第2の対向する面を有する炭化シリコン基板と、
前記第2の面上に設けられた発光領域と、
前記第2の面とは反対側の前記発光領域上に設けられたオーミックコンタクトと、
前記第1の面上に設けられた本質的にニッケルから成る第1の層と、
前記第1の面とは反対側の前記第1の層上に設けられた銀及び/又はアルミニウムを含む第2の層と、
前記第1の層とは反対側の前記第2の層上に設けられた白金を含む第3の層と、
前記第2の層とは反対側の前記第3の層上に設けられた金を含む第4の層と
を備えたことを特徴とする発光デバイス。
【請求項37】
前記第1の層は、前記第1の面を覆うことを特徴とする請求項36に記載の発光デバイス。
【請求項38】
前記第1の層は、アニールされていないニッケルから成ることを特徴とする請求項36に記載の発光デバイス。
【請求項39】
前記第3の層とは反対側の前記第4の層上に設けられた取り付けアセンブリとさらに組み合わされていることを特徴とする請求項36に記載の発光デバイス。
【請求項40】
前記第1の層は、厚さ約15Åから約100Åであることを特徴とする請求項36に記載の発光デバイス。
【請求項41】
前記第2の層は、少なくとも厚さ約700Åであることを特徴とする請求項36に記載の発光デバイス。
【請求項42】
前記第3の層は、少なくとも厚さ約250Åであることを特徴とする請求項36に記載の発光デバイス。
【請求項43】
前記第4の層は、少なくとも厚さ約250Åであることを特徴とする請求項36に記載の発光デバイス。
【請求項44】
炭化シリコン基板の第2の面上に設けられた発光領域を有する前記炭化シリコン基板の第1の面上に、本質的にニッケルから成る第1の層を堆積させるステップと、
前記第1の面とは反対側の前記第1の層上に、銀及び/又はアルミニウムを含む第2の層を堆積させるステップと、
前記第1の層とは反対側の前記第2の層上に、白金を含む第3の層を堆積させるステップと、
前記第2の層とは反対側の前記第3の層上に、金を含む第4の層を堆積させるステップと、
該第4の層を外部要素へ接合するステップとを有し、
前記第1の層の堆積中、該第1の層の堆積と前記第2の層の堆積の間、該第2の層の堆積と前記第3の層の堆積の間、該第3の層の堆積と前記第4の層の堆積の間、該第4の層の堆積と該第4の層の前記接合の間、及び該第4の層の前記接合中はアニールを実施しないことを特徴とする発光デバイスの作製方法。
【請求項45】
前記第1の層の堆積中、該前記第1の層の堆積と前記第2の層の堆積との間、該第2の層の堆積と前記第3の層の堆積の間、該第3の層の堆積と前記第4の層の堆積の間、及び該第4の層の堆積と該第4の層の前記接合の間はパターン付けを実施しないことを特徴とする請求項44に記載の発光デバイスの作製方法。
【請求項46】
前記第1の層を堆積させるステップと、前記第2の層を堆積させるステップと、前記第3の層を堆積させるステップ、及び前記第4の層を堆積させるステップは、すべて室温で実施されることを特徴とする請求項44に記載の発光デバイスの作製方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の対向する面を有する炭化シリコン基板と、
前記第2の面上に設けられた発光領域と、
前記第2の面とは反対側の前記発光領域上に設けられたオーミックコンタクトと、
前記第1の面にオーミックコンタクトを設けて前記第1の面からの前記発光領域で発生された光学的放射がその中を透過するように構成され、前記第1の面上に設けられた本質的にニッケルから成る層と、
前記第1の面とは反対側の前記ニッケルから成る層上に設けられた反射体層と、
前記ニッケルから成る層とは反対側の前記反射体層上に設けられたバリア層と、
前記反射体層とは反対側の前記バリア層上に設けられたボンディング層と
を備えたことを特徴とする発光デバイス。
【請求項2】
前記ニッケルから成る層は、前記炭化シリコンへオーミックコンタクトを設けるのに十分な厚さであるが、前記炭化シリコンからの前記発光領域で発生された光学的放射がその中を透過するのには十分な薄さであることを特徴とする請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項3】
前記ニッケルから成る層は、前記第1の面からの前記発光領域で発生されたほぼすべての光学的放射がその中を透過するのに十分な薄さであることを特徴とする請求項2に記載の発光デバイス。
【請求項4】
前記反射体層は、前記ニッケルから成る層からの前記発光領域で発生されたほぼすべての光学的放射を反射するのに十分な厚さであることを特徴とする請求項2に記載の発光デバイス。
【請求項5】
前記ニッケルから成る層は、前記第1の面を覆うことを特徴とする請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項6】
前記ニッケルから成る層は、アニールされていないニッケルから成る層であることを特徴とする請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項7】
前記バリア層とは反対側の前記ボンディング層上に設けられた取り付けアセンブリとさらに組み合わされていることを特徴とする請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項8】
前記ニッケルから成る層は、厚さ約15Åから約100Åであることを特徴とする請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項9】
前記ニッケルから成る層は、厚さ約15Åから約100Åであることを特徴とする請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項10】
前記反射体層は、銀及び/又はアルミニウムを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項11】
前記バリア層は、白金を含んでいることを特徴とする請求項10に記載の発光デバイス。
【請求項12】
前記ボンディング層は、金を含んでいることを特徴とする請求項11に記載の発光デバイス。
【請求項13】
前記反射体層は、少なくとも厚さ約700Åであることを特徴とする請求項11に記載の発光デバイス。
【請求項14】
前記バリア層は、少なくとも厚さ約250Åであることを特徴とする請求項11に記載の発光デバイス。
【請求項15】
前記ボンディング層は、少なくとも厚さ約250Åであることを特徴とする請求項12に記載の発光デバイス。
【請求項16】
前記炭化シリコン基板は、n型炭化シリコンを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項17】
炭化シリコン基板の第2の面上に設けられた発光領域を有する前記炭化シリコン基板の第1の面上に、本質的にニッケルから成る第1の層を堆積させるステップと、
前記第1の面とは反対側の前記第1の層上に、銀及び/又はアルミニウムを含む第2の層を堆積させるステップと、
前記第1の層とは反対側の前記第2の層上に、白金を含む第3の層を堆積させるステップと、
前記第2の層とは反対側の前記第3の層上に、金を含む第4の層を堆積させるステップと、
前記第4の層を外部要素へ接合するステップとを有し、
前記ニッケルから成る第1の層は、前記第4の層を前記外部要素へ接合した後も、実質的に堆積したときのままの状態であることを特徴とする発光デバイスの作製方法。
【請求項18】
前記第1の層の堆積中、該第1の層の堆積と前記第2の層の堆積の間、該第2の層の堆積と前記第3の層の堆積の間、該第3の層の堆積と前記第4の層の堆積との間、該第4の層の堆積と該第4の層の前記接合の間、及び該第4の層の前記接合中はアニールを実施しないことを特徴とする請求項17に記載の発光デバイスの作製方法。
【請求項19】
前記第1の層の堆積中、該第1の層の堆積と前記第2の層の堆積の間、該第2の層の堆積と前記第3の層の堆積の間、該第3の層の堆積と前記第4の層の堆積との間、該第4の層の堆積と該第4の層の前記接合の間はパターン付けを実施しないことを特徴とする請求項18に記載の発光デバイスの作製方法。
【請求項20】
前記第1の層を堆積させるステップと、前記第2の層を堆積させるステップと、前記第3の層を堆積させるステップ、及び前記第4の層を堆積させるステップは、すべて室温で実施されることを特徴とする請求項19に記載の発光デバイスの作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−518113(P2006−518113A)
【公表日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503402(P2006−503402)
【出願日】平成16年1月30日(2004.1.30)
【国際出願番号】PCT/US2004/003564
【国際公開番号】WO2004/075309
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(592054856)クリー インコーポレイテッド (468)
【氏名又は名称原語表記】CREE INC.
【Fターム(参考)】