説明

無人搬送車の走行制御装置、および無人搬送車

【課題】特殊なキャスタを使用しなくても、路面の補強にかかる手間およびコストの低減と、失敗のない荷物の受け渡しとを可能にする無人搬送車の走行制御装置、および無人搬送車を提供する。
【解決手段】走行制御装置7は、車体2の走行方向一方側および他方側に各1つ設けられ、走行ガイド10からの位置ずれに関する信号を出力する2つのガイドセンサ3、4と、各ガイドセンサ3、4から出力された信号に基づいて操舵制御を行う操舵制御部8とを備え、操舵制御部8は、スイッチバック後、所定距離を走行するまでの間または所定時間が経過するまでの間は、走行方向前側にあるガイドセンサ3の位置ずれが予め設定されたゼロ以外の目標位置ずれ量となり、かつ走行方向後側にあるガイドセンサ4の位置ずれが実質的にゼロとなるように操舵制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行経路に沿って路面に設けられた走行ガイドの位置を検知しながらスイッチバック走行する無人搬送車の走行制御装置、および無人搬送車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、工場や倉庫等においては、ステーションから別のステーションへと荷物を搬送する手段として無人搬送車が使用されている。図6に示すように、従来の無人搬送車20は、走行経路に沿って路面に設けられた走行ガイド10を検知する第1および第2ガイドセンサ3、4と、駆動輪でもある2つの操舵輪5と、キャスタ軸6a回りに旋回自在に設けられたキャスタ6とを備え、走行ガイド10が第1および第2ガイドセンサ3、4の幅方向中心にくるように操舵制御が行われている。
【0003】
図7に、ステーションST1で受け取った荷物をステーションST2で降ろすという荷役を繰り返し行う無人搬送車20を示す。このような荷役を行う場合、無人搬送車20は走行方向をこれまでの方向とは異なる方向に切り替えるスイッチバックを行う。例えば、無人搬送車20は、ステーションST2において荷物を降ろしてステーションST1に戻る際に、走行方向を180°反転させるスイッチバックを行う。
【0004】
ところで、この無人搬送車20は、スイッチバック前後においてキャスタ6が180°反転するので、キャスタ6の偏心量A(=キャスタ軸6aと車輪軸6cとの距離)に応じた分だけ左右いずれかの方向に一時的にふくらんで走行する。また、キャスタ6が反転するとき、キャスタ6の車輪6bが路面に対して横滑りし、路面が磨耗する。
【0005】
路面の磨耗は、金属板により路面を予め補強しておくことで予防することができる。しかしながら、キャスタ6の反転は、スイッチバック直後に起こるのか、スイッチバック後ある程度走行した後に起こるのか予測が困難なので、かなり広範囲にわたって金属板による補強を行う必要があり、手間とコストがかかっていた。また、キャスタ6の反転が次のステーションに到着する直前に起こると、姿勢が傾いた状態、すなわち走行ガイド10が第1または第2ガイドセンサ3、4の幅方向中心にない状態で荷物の受け渡しを行うこととなり、受け渡しに失敗するおそれがあった。
【0006】
これらの問題を解決するために、例えば特許文献1に記載の発明では、キャスタ軸6aの側面に設けられた溝6dとボールプランジャ6eとからなるロック機構を有するキャスタ6’(図8参照)を採用している。このロック機構によれば、スイッチバック時にボールプランジャ6eから突出したボールと溝6dとを係合させてキャスタ6’の反転を防ぐことにより、上記の問題を解決することができる。この他、反転を防ぐための機構を備えたキャスタとしては、例えば特許文献2および3に記載のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−211906号公報
【特許文献2】特開2003−237304号公報
【特許文献3】特開2004−34914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1〜3に記載されている特殊なキャスタは、構造が複雑で、かつ高価なので、これらのキャスタを用いて上記の問題を解決すると、無人搬送車全体のコストが高くなってしまうという別の問題が発生する。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その課題とするところは、特殊なキャスタを使用しなくても、路面の補強にかかる手間およびコストの低減と、失敗のない荷物の受け渡しとを可能にする無人搬送車の走行制御装置、および無人搬送車を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係る走行制御装置は、走行経路に沿って路面に設けられた走行ガイドの位置を検知しながらスイッチバック走行する無人搬送車の走行制御装置であって、車体の走行方向一方側および他方側に各1つ設けられ、走行ガイドからの位置ずれに関する信号を出力する2つのガイドセンサと、2つのガイドセンサから出力された信号に基づいて操舵制御を行う操舵制御部とを備え、
操舵制御部は、(1)通常時は、2つのガイドセンサの位置ずれがそれぞれ実質的にゼロとなるように操舵制御を行い、(2)スイッチバック後、所定距離を走行するまでの間または所定時間が経過するまでの間は、走行方向前側にあるガイドセンサの位置ずれが予め設定されたゼロ以外の目標位置ずれ量となり、かつ走行方向後側にあるガイドセンサの位置ずれが実質的にゼロとなるように操舵制御を行うことを特徴としている。
【0011】
この構成では、スイッチバック後、所定距離を走行するまでの間または所定時間が経過するまでの間、無人搬送車の姿勢を意図的に傾けることでキャスタの反転が促されるので、キャスタが反転する位置(以下、“反転位置”という)の特定が容易になる。したがって、この構成によれば、特定された反転位置の路面だけを補強すればよいので、補強にかかる手間とコストを低減することができる。また、この構成によれば、スイッチバック後、比較的早い時期にキャスタを反転させることができるので、次のステーションに到着する前に姿勢修正を完了させ、正しい姿勢で失敗なく荷物の受け渡しを行うことができる。
【0012】
また、本発明に係る無人搬送車は、走行経路に沿って路面に設けられた走行ガイドの位置を検知しながらスイッチバック走行する無人搬送車であって、車体と、車体に旋回自在に設けられ、スイッチバック前後において反転するキャスタ輪と、車体に設けられた操舵手段と、操舵手段を制御する上記走行制御装置とを備えたことを特徴としている。
【0013】
この構成によれば、本発明に係る走行制御装置によって車体の操舵制御が行われるので、路面の補強にかかる手間およびコストを低減することができるとともに、正しい姿勢で失敗なく荷物の受け渡しを行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、特殊なキャスタを使用しなくても、路面の補強にかかる手間およびコストの低減と、失敗のない荷物の受け渡しとを可能にする無人搬送車の走行制御装置、および無人搬送車を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る無人搬送車の平面図である。
【図2】走行ガイドからの位置ずれ量とセンサ出力信号の関係を示すグラフである。
【図3】第1実施形態の図であって、(A)は予め設定された目標センサ出力値(位置ずれ量)のテーブル、(B)はスイッチバック後の無人搬送車の走行軌跡である。
【図4】第2実施形態の図であって、(A)は予め設定された目標センサ出力値(位置ずれ量)のテーブル、(B)はスイッチバック後の無人搬送車の走行軌跡である。
【図5】第3実施形態において予め設定された目標センサ出力値(位置ずれ量)のテーブルである。
【図6】従来の無人搬送車の平面図である。
【図7】隣り合うステーション間でスイッチバック走行する無人搬送車の平面図である。
【図8】従来の無人搬送車に備えられたキャスタの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る走行制御装置および無人搬送車の好ましい実施形態について説明する。
【0017】
[第1実施形態]
図1に、本発明の第1実施形態に係る無人搬送車を示す。無人搬送車1は、路面に設けられた走行ガイド10に沿ってスイッチバック走行しながら荷役を行うもので、同図に示すように、車体2と、車体2の走行方向一方側に設けられた第1ガイドセンサ3と、走行方向他方側に設けられた第2ガイドセンサ4と、2つの操舵輪5と、車体2に旋回自在に設けられたキャスタ6と、操舵輪5を制御する操舵制御部8とを備えている。第1ガイドセンサ3、第2ガイドセンサ4およびキャスタ6は、車体2を幅方向に二等分する車体中心線C上に配置されている。また、第1ガイドセンサ3、第2ガイドセンサ4および操舵制御部8は、本実施形態に係る走行制御装置7を構成している。
【0018】
本実施形態では、磁気棒からなる走行ガイド10が路面に敷設されている。また、第1ガイドセンサ3および第2ガイドセンサ4としては、走行ガイド10による磁界を検知して、走行ガイド10からの位置ずれ量に関する信号(以下、“センサ出力信号”という)を出力する磁気センサが用いられている。
【0019】
図2に示すように、第1および第2ガイドセンサ3、4は、S0〜S14で表された計15個の単位磁気センサを10[mm]間隔で横一列に並べたものであり、走行ガイド10からの位置ずれ量に応じたセンサ出力信号を操舵制御部8に向けて出力する。より具体的には、第1および第2ガイドセンサ3、4は、走行ガイド10がセンサの幅方向中心(位置ずれ量=0[mm])にあるときは電圧値V7(以下、“標準センサ出力値”という)、走行ガイド10が単位磁気センサS2の真下にあるとき、すなわち位置ずれ量が−50[mm]であるときは電圧値V2、走行ガイド10が単位磁気センサS12の真下にあるとき、すなわち位置ずれ量が+50[mm]であるときは電圧値V12を有するセンサ出力信号を出力する。
【0020】
駆動輪でもある操舵輪5(本発明の“操舵手段”に相当する)は、車体2の下部に設けられている。操舵制御部8は、操舵輪5の操舵角(車体2に対する取り付け角)を変化させるか、または左右の操舵輪5に対する指示速度比率を変化させて操舵輪5の回転速度に差をつけることにより、操舵制御を行う。また、操舵制御部8は操舵輪5の回転速度に関する情報、すなわち走行距離に関する情報を取得可能となっている。
【0021】
キャスタ6は車体2の下部に設けられ、キャスタ軸6a回りに旋回自在となっている。キャスタ6は、車輪6bと車輪軸6cとを有し、無人搬送車1が第1ガイドセンサ3を前にして走行するときは、キャスタ軸6aと第2ガイドセンサ4の間に車輪軸6cがある図1の状態となる。一方、無人搬送車1が第2ガイドセンサ4を前にして走行するときは、キャスタ軸6aと第1ガイドセンサ3の間に車輪軸6cがある状態となる。つまり、キャスタ6は、無人搬送車1がスイッチバックする度に、キャスタ軸6a回りに180°旋回する。
【0022】
操舵制御部8はマイコンおよび不揮発性メモリ等からなり、第1ガイドセンサ3から出力されるセンサ出力信号、および第2ガイドセンサ4から出力されるセンサ出力信号に基づいて、車体2を操舵制御する。具体的には、操舵制御部8は、第1および第2ガイドセンサ3、4から出力されるセンサ出力信号の電圧値がいずれも標準センサ出力値となるように操舵制御を行う。これにより、第1ガイドセンサ3および第2ガイドセンサ4の位置ずれが実質的にゼロとなり、無人搬送車1は走行ガイド10に沿って走行する。
【0023】
また、操舵制御部8は、スイッチバック後、所定距離を走行するまでの間は、上記通常の制御とは異なる制御、すなわち走行方向後側にあるガイドセンサから出力されるセンサ出力信号の電圧値が標準センサ出力値となり、かつ走行方向前側にあるガイドセンサから出力されるセンサ出力信号の電圧値が予め設定された電圧値(以下、“目標センサ出力値”という)となるように車体2を操舵制御する。これにより、走行方向後側にあるガイドセンサの位置ずれは実質的にゼロとなるが、走行ガイド10と走行方向前側にあるガイドセンサには、目標センサ出力値に応じた量の位置ずれが生じる。
【0024】
目標センサ出力値は、スイッチバック後の無人搬送車1の走行距離に対応付けられて操舵制御部8の不揮発性メモリ内に予め格納されている。図3(A)に示すように、本実施形態における目標センサ出力値は、スイッチバック後の走行距離が800[mm]となるまでの間はV7→V8・・・→V11のように上昇し、その後、V11→V10・・・のように下降し、走行距離が1600[mm]となった後は標準センサ出力値であるV7となっている。
【0025】
図3(B)は、本実施形態に係る無人搬送車のスイッチバック後の走行軌跡(a)→(b)・・・→(e)である。このうち、(a)は、第1ガイドセンサ3を前にして走行してきた無人搬送車1が不図示のステーションとの間で荷物の受け渡しを終えたスイッチバック前の状態を示す。(a)の状態にある無人搬送車1は、その車体中心線Cと走行ガイド10がぴったりと重なっているので、第1ガイドセンサ3および第2ガイドセンサ4からは、標準センサ出力値の電圧値を有するセンサ出力信号が出力される。
【0026】
スイッチバックした無人搬送車1が第2ガイドセンサ4を前にして走行し始めると、操舵制御部8は、走行方向前側にある第2ガイドセンサ4から出力されるセンサ出力信号の電圧値が図3(A)に示す目標センサ出力値となり、かつ走行方向後側にある第1ガイドセンサ3から出力されるセンサ出力信号の電圧値が標準センサ出力値となるように操舵制御し始める。
【0027】
(b)は、(a)の状態から400[mm]走行した後の状態である。走行距離400[mm]に対応する目標センサ出力値はV9なので、(b)の状態にある無人搬送車1は、走行ガイド10に対する第2ガイドセンサ4の位置ずれ量が20[mm]、第1ガイドセンサ3の位置ずれ量が0[mm]となっている。
【0028】
(c)は、(b)の状態からさらに400[mm]走行した後の状態である。走行距離800[mm]に対応する目標センサ出力値はV11なので、(c)の状態にある無人搬送車1は、走行ガイド10に対する第2ガイドセンサ4の位置ずれ量が40[mm]、第1ガイドセンサ3の位置ずれ量が0[mm]となっている。
【0029】
(d)は、(c)の状態からさらに400[mm]走行した後の状態である。走行距離1200[mm]に対応する目標センサ出力値はV9なので、(d)の状態にある無人搬送車1は、走行ガイド10に対する第2ガイドセンサ4の位置ずれ量が20[mm]、第1ガイドセンサ3の位置ずれ量が0[mm]となっている。
【0030】
そして、(e)は、(d)の状態からさらに400[mm]走行した後の状態である。走行距離1600[mm]に対応する目標センサ出力値はV7(標準センサ出力値)なので、(e)の状態にある無人搬送車1は、走行ガイド10に対する第2ガイドセンサ4の位置ずれ量が0[mm]、第1ガイドセンサ3の位置ずれ量が0[mm]となり、車体中心線Cと走行ガイド10とがぴったりと重なっている。
【0031】
以上のように、本実施形態に係る無人搬送車1では、スイッチバック後に第2ガイドセンサ4の幅方向中心が線10’に沿って進み、かつ第1ガイドセンサ3の幅方向中心が走行ガイド10に沿って進むことにより、キャスタ6の反転が促される。したがって、本実施形態に係る無人搬送車1によれば、キャスタ6の反転位置の特定が容易になり、特定された反転位置の路面だけを補強すればよいので、補強にかかる手間とコストを低減することができる。なお、本実施形態では、スイッチバック直後(無人搬送車1が(a)から(b)に移動する間)にキャスタ6が反転する。
【0032】
また、本実施形態に係る無人搬送車1によれば、スイッチバック後、比較的早い時期にキャスタ6を反転させることができるので、次のステーションに到着する前に姿勢修正を完了させ、正しい姿勢で失敗なく荷物の受け渡しを行うことができる。
【0033】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る無人搬送車1は、図4(A)に示すように、操舵制御部8の不揮発性メモリに格納された目標センサ出力値が第1実施形態のものと異なっている。このため、本実施形態に係る無人搬送車1は、スイッチバック後の走行軌跡(a)→(b)・・・→(f)が第1実施形態のものと異なっている(図4(B)参照)。
【0034】
具体的には、本実施形態に係る無人搬送車1は、スイッチバック後の走行距離が300[mm]になるまでの間、第1および第2ガイドセンサ3、4から出力されるセンサ出力信号の電圧値がいずれも標準センサ出力値となるように操舵制御され、走行ガイド10に沿って走行する。その後、無人搬送車1は、第1実施形態と同様に、走行方向前側にある第2ガイドセンサ4から出力されるセンサ出力信号の電圧値が図4(A)に示す目標センサ出力値となり、かつ走行方向後側にある第1ガイドセンサ3から出力されるセンサ出力信号の電圧値が標準センサ出力値となるように操舵制御される。
【0035】
本実施形態に係る無人搬送車1によれば、スイッチバック直後に姿勢を変化させるのではなく、ある程度走行してステーションから離れた後に姿勢を変化させることにより、ステーションと無人搬送車1が接触するのを防ぐことができる。ただし、姿勢を変化させ始めるまでの距離(本実施形態では、300[mm])を長くし過ぎると、その距離を走行する間にキャスタ6の反転が起こり、反転位置の特定が困難になってしまう可能性があるので注意が必要である。
【0036】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係る無人搬送車1は、スイッチバック後、所定時間が経過するまでの間、走行方向後側にあるガイドセンサから出力されるセンサ出力信号の電圧値が標準センサ出力値となり、かつ走行方向前側にあるガイドセンサから出力されるセンサ出力信号の電圧値が目標センサ出力値となるように操舵制御される。このため、目標センサ出力値は、スイッチバック後の経過時間に対応付けられて操舵制御部8の不揮発性メモリ内に予め格納されている。
【0037】
図5に示すように、本実施形態における目標センサ出力値は、スイッチバック後の経過時間が0.8[s]となるまでの間はV7→V8・・・→V11のように上昇し、その後、V11→V10・・・のように下降し、経過時間が1.6[s]となった後は標準センサ出力値であるV7となっている。無人搬送車1の速度が3.6[km/h]である場合、経過時間0.2[s]は走行距離200[mm]に相当する。したがって、この場合、本実施形態に係る無人搬送車1の走行軌跡は、図3(B)に示す第1実施形態の走行軌跡と同じになる。
【0038】
走行距離により目標センサ出力値を切り替えるか、経過時間によって目標センサ出力値を切り替えるかは、設計者または使用者が任意に選択することができる。
【0039】
以上、本発明に係る走行制御装置および無人搬送車の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの構成に限定されるものではない。
【0040】
例えば、第1ガイドセンサ3、第2ガイドセンサ4および走行ガイド10は磁気的なものに限定されず、電磁的なものや光学的なものであってもよい。
また、図3(A)、図4(A)、図5に示す目標センサ出力値は一例であり、適宜変更することができる。ただし、無人搬送車の姿勢を傾けてキャスタの反転を促すために、目標センサ出力値は、標準センサ出力値(V7)以外の電圧値を少なくとも1つ含んでいる必要がある。
また、無人搬送車は、2つの操舵輪と1つのキャスタを備えたものに限定されず、操舵輪およびキャスタの数は適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 無人搬送車
2 車体
3 第1ガイドセンサ
4 第2ガイドセンサ
5 操舵輪
6 キャスタ
6a キャスタ軸
6b 車輪
6c 車輪軸
7 走行制御装置
8 操舵制御部
10 走行ガイド
ST1、ST2 ステーション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行経路に沿って路面に設けられた走行ガイドの位置を検知しながらスイッチバック走行する無人搬送車の走行制御装置であって、
車体の走行方向一方側および他方側に各1つ設けられ、前記走行ガイドからの位置ずれに関する信号を出力する2つのガイドセンサと、
前記2つのガイドセンサから出力された前記信号に基づいて操舵制御を行う操舵制御部とを備え、
前記操舵制御部は、
通常時は、前記2つのガイドセンサの前記位置ずれがそれぞれ実質的にゼロとなるように操舵制御を行い、
スイッチバック後、所定距離を走行するまでの間または所定時間が経過するまでの間は、走行方向前側にある前記ガイドセンサの前記位置ずれが予め設定されたゼロ以外の目標位置ずれ量となり、かつ走行方向後側にある前記ガイドセンサの前記位置ずれが実質的にゼロとなるように操舵制御を行う、
ことを特徴とする走行制御装置。
【請求項2】
走行経路に沿って路面に設けられた走行ガイドの位置を検知しながらスイッチバック走行する無人搬送車であって、
車体と、
前記車体に旋回自在に設けられ、スイッチバック前後において反転するキャスタ輪と、
前記車体に設けられた操舵手段と、
前記操舵手段を制御する請求項1に記載の走行制御装置と、
を備えたことを特徴とする無人搬送車。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−137823(P2012−137823A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−287973(P2010−287973)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000232807)日本輸送機株式会社 (320)
【Fターム(参考)】