説明

無線通信システム、及びサーバ並びにメッセージ通知方法

【課題】災害が発生した際に、被災地周辺にいる親戚等を通知すること。
【解決手段】サーバは、所定の事象が発生した際に、該所定の事象が発生したエリアを表す情報を取得するエリア情報取得部と、該エリアを表す情報に基づいて、ユーザ端末毎に、加入者情報と、在圏する基地局を表す情報とを対応付けて管理する加入者情報管理サーバから、該エリアに設置されている基地局に在圏するユーザ端末の加入者情報を取得する加入者情報取得部と、ユーザ端末に格納されるべき個人情報を管理する個人情報データベースにより管理される個人情報と、加入者情報取得部により取得された加入者情報とを照合し、該加入者情報を含む個人情報を有するユーザ端末を特定する個人情報照合部と、該特定されたユーザ端末に、所定の事象が発生したエリアに、該ユーザ端末の個人情報に含まれる加入者情報を有するユーザ端末のユーザがいることを通知するメッセージ通知部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
大地震などの大規模な災害が発生したときには、災害の復旧活動にあたる行政や防災機関などに加えて、多くのユーザが被災地への安否確認などに音声電話を利用する。このとき、通常時と比べて多量のトラフィックがネットワークで処理されることになる。多量のトラフィックがネットワークで処理されることにより、通信がつながりにくい状態となる。通信がつながりにくい状態となるため、通信を規制することにより、トラヒックのネットワークコントロールが実施される場合がある。トラヒックのネットワークコントロールが実施されると、被災地への安否確認が困難になる。
【0003】
移動体交換局のシステムダウンや伝送路障害等が発生し、無線基地局制御装置との通信が不可能になった場合でも、災害発生により警察署あるいは消防署等の端末に対して連絡をとることができる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、災害時における通信要求の処理において、過密状態、輻輳状態を可能な限り回避し、できるだけ多くの利用者が通信できるように許容するための技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−259205号公報
【特許文献2】特開2007−053816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
大規模な災害が発生した際に、自分の親戚、友人、知人(以下、「親戚等」という)が何処にいたのかを知るための手段は少ない。
【0007】
例えば、出張や旅行などで、被災地付近に自分の親戚等が滞在していたとしても、そのことを実際に知るのは、ある程度の時間経過後となることが多い。
【0008】
また、被災地付近に自分の親戚等が住んでいたとしても、災害が起きたときには、他の場所にいて、被害を受けていないこともある。しかし、電話などで確かめなければ、無事かどうかを知る手段がない。
【0009】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、災害が発生した際に、被災地周辺にいる親戚等を通知できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本無線通信システムは、
ユーザ端末に格納されるべき個人情報を管理する個人情報データサーバと、
ユーザ端末毎に、加入者情報と、該ユーザ端末の在圏する基地局を表す情報とを対応付けて管理する加入者情報管理サーバと、
所定の事象が発生した際に、該所定の事象が発生したエリアを表す情報を取得するエリア情報取得部と、
該エリア情報取得部により取得された所定の事象が発生したエリアを表す情報に基づいて、前記加入者情報管理サーバから、前記所定の事象が発生したエリアに設置されている基地局に在圏するユーザ端末の加入者情報を取得する加入者情報取得部と、
前記個人情報データベースにより管理される個人情報と、前記加入者情報取得部により取得された加入者情報とを照合し、該加入者情報を含む個人情報を有するユーザ端末を特定する個人情報照合部と、
該個人情報照合部により特定されたユーザ端末に、前記所定の事象が発生したエリアに、該ユーザ端末の個人情報に含まれる加入者情報を有するユーザ端末のユーザがいることを通知するメッセージ通知部と
を有する個人情報照合サーバと
を有する、無線通信システムとして達成される。
【0011】
前記個人情報照合サーバは、
前記個人情報データサーバとの間で、前記個人情報に関して、同期をとる個人情報同期処理部
を有し、
前記個人情報照合部は、前記個人情報同期処理部により同期が取られた個人情報と、前記加入者情報取得部により取得された加入者情報とを照合するように構成してもよい。
【0012】
前記個人情報照合サーバは、
前記所定の事象が発生した際に、前記個人情報データサーバから、前記個人情報を取得する個人情報取得部
を有し、
前記個人情報照合部は、前記個人情報取得部により取得された個人情報と、前記加入者情報取得部により取得された加入者情報とを照合するように構成してもよい。
【0013】
前記個人情報データベースにより管理される個人情報には、電話帳データが含まれるように構成してもよい。
【0014】
前記エリア情報取得部は、
セルレベルで指定されたエリア、トラッキングエリアレベルで指定されたエリア、及びオペレータにより設定されるエリアの少なくとも1つにより指定されたエリアを表す情報を取得するように構成してもよい。
【0015】
本サーバは、
所定の事象が発生した際に、該所定の事象が発生したエリアを表す情報を取得するエリア情報取得部と、
該エリア情報取得部により取得された所定の事象が発生したエリアを表す情報に基づいて、ユーザ端末毎に、加入者情報と、該ユーザ端末の在圏する基地局を表す情報とを対応付けて管理する加入者情報管理サーバから、前記所定の事象が発生したエリアに設置されている基地局に在圏するユーザ端末の加入者情報を取得する加入者情報取得部と、
ユーザ端末に格納されるべき個人情報を管理する個人情報データベースにより管理される個人情報と、前記加入者情報取得部により取得された加入者情報とを照合し、該加入者情報を含む個人情報を有するユーザ端末を特定する個人情報照合部と、
該個人情報照合部により特定されたユーザ端末に、前記所定の事象が発生したエリアに、該ユーザ端末の個人情報に含まれる加入者情報を有するユーザ端末のユーザがいることを通知するメッセージ通知部と
を有する、サーバとして達成される。
【0016】
また、上記無線通信システムが実行するメッセージ通知方法として構成することもできる。
【発明の効果】
【0017】
開示の無線通信システムによれば、災害が発生した際に、被災地周辺にいる親戚等を通知できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】無線通信システムの一実施例の概要を示す図である。
【図2】加入者情報と、該加入者情報に対応する在圏基地局情報との対応を表すテーブルの一実施例を示す図である。
【図3】ユーザ端末の識別子と、該ユーザ端末に格納されるPIMデータとの対応を表すテーブルの一実施例を示す図である。
【図4】無線通信システムの一実施例を示す図である。
【図5】PIMデータ照合サーバの一実施例を示す図である。
【図6】PIMデータ照合サーバの一実施例を示す機能ブロック図である。
【図7】無線通信システムの動作の一実施例を示す図である。
【図8】PIMデータ照合サーバの一実施例を示す機能ブロック図である。
【図9】無線通信システムの動作の一実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明を実施するための形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0020】
<実施例>
<無線通信システム>
図1は、無線通信システムの一実施例の概要を示す。
【0021】
無線通信システムには、ユーザ端末100(nは、n>0の整数)と、PIM(Personal Information Manager/Management)データサーバ500と、加入者情報管理サーバ600と、PIMデータ照合サーバ700と、災害情報管理サーバ800とが含まれる。図1には、一例として、n=2の場合が示される。
【0022】
ユーザ端末100は、加入者情報管理サーバ600に、在圏している基地局を表す情報(以下、「在圏基地局情報」という)を通知する。ユーザ端末100も、加入者情報管理サーバ600に、在圏基地局情報を通知するようにしてもよい。該在圏基地局情報には、在圏基地局情報とともに、該在圏基地局情報を通知したユーザ端末100の識別子、加入者の氏名、電子メールアドレス等のうち、少なくとも1つが含まれる。ユーザ端末の識別子は、電話番号であってもよい。以下、ユーザ端末の識別子、加入者の氏名、電子メールアドレス等を総称して加入者情報という。換言すれば、加入者情報には、ユーザ端末の識別子、加入者の氏名、及び電子メールアドレスの少なくとも1つが含まれる。加入者情報管理サーバ600は、加入者情報と、該加入者情報に対応する在圏基地局情報とを対応付けて管理する。
【0023】
図2は、加入者情報管理サーバ600に管理される加入者情報と、該加入者情報に対応する在圏基地局情報との対応を表すテーブルの一例を示す。
【0024】
図2に示される例では、名前「AAA」、電話番号「090−1234−5678」、電子メールアドレス「○○○@XXX.ne.jp」である加入者情報と、在圏基地局「ααα」とが対応付けて格納されている。
【0025】
PIMデータサーバ500は、ユーザ端末100に格納されたPIMデータを管理する。該PIMデータには、個人情報が含まれる。PIMデータサーバ500は、ユーザ端末100に格納されたPIMデータを管理するようにしてもよい。ユーザがユーザ端末100を操作することにより、PIMデータサーバ500に、PIMデータが送信されるようにしてもよい。PIMデータサーバ500は、PIMデータと、該PIMデータを通知したユーザ端末を表す情報とを対応付けて管理する。図1には、PIMデータの一例として、電話帳データが示される。電話帳には、氏名、電話番号、電子メールのアドレス等が含まれる。図1に示されるユーザ端末100の電話帳には、名前「AAA」、電話番号「090−1234−5678」、メール「○○○@XXX.ne.jp」である親戚等と、名前「BBB」、電話番号「090−1234−0123」、メール「XXX@XXX.ne.jp」である親戚等とが含まれる。
【0026】
図3は、PIMデータサーバ500に管理されるユーザ端末の識別子と、該ユーザ端末に格納されるPIMデータとの対応を表すテーブルの一例を示す。
【0027】
図3に示される例では、ユーザ端末の識別子「090−4321−5678」と、該ユーザ端末に格納されるPIMデータに含まれる電話帳とが対応付けて格納されている。該電話帳には、名前「AAA」、電話番号「090−1234−5678」、電子メールアドレス「○○○@XXX.ne.jp」であるユーザと、名前「BBB」、電話番号「090−1234−0123」、電子メールアドレス「xxx@XXX.ne.jp」であるユーザとが含まれる。
【0028】
災害情報管理サーバ800には、大規模災害が発生した際に、被災地情報が集められる。例えば、セル報知センタ(CBC: Cell Broadcast Center)などからの報知情報が収集されてもよい。また、セル報知センタからの地震情報や、台風情報が収集されてもよい。また、災害情報管理サーバ800がセル報知センタであってもよい。災害情報管理サーバ800は、災害が発生した際に、PIMデータ照合サーバ700に、親戚等を通知するための命令を送信するようにしてもよい。災害情報管理サーバ800は、被災地情報を管理する。被災地情報には、被災地のエリアを表す情報が含まれる。具体的には、セルレベルで被災地のエリアが指定されてもよい。例えば、セルIDのリストから被災地に含まれるセルのセルIDが指定される。また、トラッキングエリア(TA: Tracking Area)レベルで被災地のエリアが指定されてもよい。例えば、トラキングエリアの識別子のリストから被災地に含まれるトラッキングエリアのトラッキングエリア識別子が指定される。また、緊急エリア(EA: Emergency Area)レベルで被災地のエリアが指定されてもよい。セルレベル、トラッキングエリアレベル、及び緊急エリアレベル以外のレベルで被災地のエリアが指定されてもよい。該緊急エリアはオペレータにより設定される。例えば、緊急エリアの識別子のリストから被災地に含まれる緊急エリアの緊急エリア識別子が指定される。災害情報管理サーバ800は、PIMデータ照合サーバ700から被災地情報の問い合わせに応じて、被災地情報を通知する。
【0029】
PIMデータ照合サーバ700は、大規模災害が発生した際に、災害情報管理サーバ800から、被災地情報を取得する。PIMデータ照合サーバ700は、災害情報管理サーバ800から取得した被災地情報に基づいて、被災地のエリアをカバーする基地局(以下、「被災地基地局」という)を特定する。被災地のエリアに設置されている基地局が特定されてもよい。PIMデータ照合サーバ700は、加入者情報管理サーバ600から、被災地基地局に在圏しているユーザ端末の加入者情報を取得する。具体的には、ユーザ端末のユーザの名前、電話番号、電子メールアドレス等のうち少なくとも1つが取得されてもよい。
【0030】
PIMデータ照合サーバ700は、PIMデータサーバ500に格納されているPIMデータのうち、被災地基地局に在圏しているユーザ端末の加入者情報を含むPIMデータがあるかどうかを判定する。加入者情報に含まれる情報の少なくとも1つを含むPIMデータがあるかどうかが判定されてもよい。PIMデータ照合サーバ700は、PIMデータサーバ500に格納されているPIMデータのうち、被災地基地局に在圏しているユーザ端末の加入者情報に含まれる情報のうち、いずれかの情報を含むPIMデータがあるかどうかを判定する。PIMデータサーバ500に格納されているPIMデータのうち、被災地基地局に在圏しているユーザ端末の加入者情報に含まれる情報のうち、いずれかの情報を含むPIMデータがある場合、PIMデータ照合サーバ700は、被災地基地局に在圏しているユーザ端末の加入者情報に含まれる情報のうち、いずれかの情報を含むPIMデータを有するユーザ端末に通知する。
【0031】
PIMデータサーバ500に格納されているPIMデータのうち、被災地基地局に在圏しているユーザ端末の加入者情報に含まれる情報のうち、いずれかの情報を含むPIMデータがない場合、PIMデータ照合サーバ700は、通知しない。被災地基地局に在圏しているユーザ端末の加入者情報に含まれる情報のうち、いずれかの情報を含むPIMデータがない場合、PIMデータ照合サーバ700は、被災地のエリアに親戚等がいないことを通知するようにしてもよい。
【0032】
PIMデータに、被災地基地局に在圏しているユーザ端末の加入者情報が含まれる場合に、該PIMデータを格納するユーザ端末に、PIMデータに含まれる加入者情報を有するユーザ端末のユーザが被災地にいることを通知することにより、該ユーザ端末のユーザは、大規模災害発生時に、親戚等が被災地周辺にいたことを知ることができる。PIMデータに格納されるユーザは、該PIMデータを格納するユーザ端末のユーザの親戚等であることが多いためである。
【0033】
図4は、無線通信システムの一実施例を示す。
【0034】
図4には、第1の無線通信システム(添え字「1」により表す)と、第2の無線通信システム(添え字「2」により表す)が示される。
【0035】
第1の無線通信システムと、第2の無線通信システムは同様のシステムであってもよいし、異なるシステムであってもよい。具体的には、同様の無線アクセス方式を有するものであってもよいし、異なる無線アクセス方式を有するものであってもよい。
【0036】
第1の無線通信システムは、基地局200を有する。基地局200は、セル250をカバーする。第1の無線通信システムは、基地局200よりカバーされるエリアで無線通信可能である。第1の無線通信システムは、複数の基地局を有するようにしてもよい。
【0037】
第2の無線通信システムは、基地局200を有する。基地局200は、セル250をカバーする。第2の無線通信システムは、基地局200によりカバーされるエリアで無線通信可能である。第2の無線通信システムは、複数の基地局を有するようにしてもよい。
【0038】
本実施例では、一例として、第2の無線通信システムによりカバーされるエリアの少なくとも一部を含むエリアで災害が発生した場合について説明する。第1の無線通信システムによりカバーされるエリアの少なくとも一部を含むエリアで災害が発生した場合についても同様である。
【0039】
ユーザ端末100は、PIMデータサーバ500との間で、PIMデータに関して同期を取る。具体的には、ユーザ端末100の有するPIMデータが更新された場合、該更新された情報により、PIMデータサーバ500に含まれる、該ユーザ端末100のPIMデータも更新される。ユーザ端末100も、PIMデータサーバ500との間で、PIMデータに関して同期を取るようにしてもよい。具体的には、ユーザ端末100の有するPIMデータが更新された場合、該更新された情報により、PIMデータサーバ500に含まれる、該ユーザ端末100のPIMデータも更新される。
【0040】
ユーザ端末100は、基地局200によりカバーされるセル250に在圏する。ユーザ端末100は、加入者情報管理サーバ600に、在圏している基地局を表す情報を通知する。
【0041】
ユーザ端末100、100は、ユーザが通信することができる適切な如何なる移動機でもよく、例えば、携帯電話、情報端末、パーソナルディジタルアシスタント、携帯用パーソナルコンピュータ等が含まれるが、これらに限定されない。
【0042】
無線通信システムは、主に無線アクセス制御を行う無線アクセスネットワーク(RAN)(図示なし)と、移動管理、呼制御、サービス制御等を行うコアネットワーク(CN)900に分類される。本実施例では、本願に特に関連するコアネットワーク(CN)900について主に説明され、無線アクセスネットワークについての説明は省略される。
【0043】
RANには、無線基地局(BTS: Base Transceiver Station)200(200)及び無線ネットワーク制御装置(RNC:Radio Network Controller)(図示なし)が含まれる。
【0044】
CN900は、回線交換(CS: Circuit Switched)ドメイン、パケット交換(PS: Packet Switched)ドメインから構成される。一般に、CSドメインは音声系サービスを提供し、PSドメインはデータ通信系サービスを提供する。
【0045】
交換機400(400)には、PIMデータサーバ500、加入者情報管理サーバ600、PIMデータ照合サーバ700、及び災害情報管理サーバ800が接続される。
【0046】
交換機400には基地局200が接続され、交換機400には基地局200が接続される。
【0047】
また、PIMデータサーバ500は、PIMデータ照合サーバ700との間で、PIMデータに関して同期を取る。具体的には、ユーザ端末100の有するPIMデータが更新されることによりPIMデータサーバ500の該ユーザ端末100のPIMデータが更新された場合、該更新された情報により、PIMデータ照合サーバ700における、該ユーザ端末100のPIMデータも更新される。また、ユーザ端末100の有するPIMデータが更新されることによりPIMデータサーバ500の該ユーザ端末100のPIMデータが更新された場合、該更新された情報により、PIMデータ照合サーバ700における、該ユーザ端末100のPIMデータも更新される。
【0048】
大規模災害が発生すると、PIMデータ照合サーバ700は、災害情報管理サーバ800から被災地情報を取得する。該大規模災害には、地震や、津波等が含まれる。ユーザ端末100から、親戚等が被災地周辺にいるかどうかを問い合わせるための操作が行われることにより、PIMデータ照合サーバ700が動作を開始するようにしてもよい。また、災害が発生した際に、災害情報管理サーバ800により動作を開始する命令が行われた場合、該命令に従って動作を開始するようにしてもよい。
【0049】
PIMデータ照合サーバ700は、被災地情報に含まれるべき被災地のエリアを表す情報に基づいて、該被災地基地局を特定する。また、PIMデータ照合サーバ700は、加入者情報管理サーバ600から、被災地基地局に在圏するユーザ端末を表す情報を取得する。具体的には、PIMデータ照合サーバ700は、加入者情報管理サーバ600に、災害情報管理サーバ800から取得した被災地情報に含まれるべき被災地のエリアに基づいて特定された被災地基地局を表す情報を通知する。加入者情報管理サーバ600は、PIMデータ照合サーバ700からの被災地基地局を表す情報に基づいて、該被災地基地局に在圏しているユーザ端末の加入者情報を応答する。PIMデータ照合サーバ700は、被災地基地局に在圏しているユーザ端末の加入者情報を取得する。
【0050】
PIMデータ照合サーバ700は、PIMデータサーバ500に格納されているPIMデータのうち、被災地基地局に在圏しているユーザ端末の加入者情報を含むPIMデータがあるかどうかを判定する。
【0051】
PIMデータ照合サーバ700は、被災地基地局に在圏しているユーザ端末の加入者情報を含むPIMデータを有するユーザ端末があると判定した場合、該PIMデータを有するユーザ端末に通知する。
【0052】
<PIMデータ照合サーバ>
図5は、PIMデータ照合サーバ700の一実施例を示す。図5には、主にハードウェア構成が示される。
【0053】
PIMデータ照合サーバ700は、中央演算処理装置(CPU: Central Processing Unit)702と、記憶装置704と、入力装置706と、出力装置708とを有する。各装置は、バス750により接続される。
【0054】
CPU702は、記憶装置704、入力装置706、及び出力装置708の制御を行う。CPU702は、記憶装置704に記憶されたプログラムに従って機能し、所定の処理を行う。
【0055】
記憶装置704は、各種アプリケーションと、各種サービスと、オペレーティングシステム(OS: Operating System)と、各種ドライバーとを有する。例えば、記憶装置704は、コンピュータ内でデータやプログラムを記憶する外部記憶装置である。例えば、ハードディスク(hard disk、 fixed disk)やフレキシブルディスク(Flexible Disk)、MO(Magneto−Optical disk)、CD−R(Compact Disk Recordable)、磁気テープなどが含まれる。
【0056】
アプリケーションは、PIMデータ照合サーバ700上で実行される処理を実施する機能を有するソフトウェアである。
【0057】
オペレーティングシステムは、PIMデータ照合サーバ700において、ハードウェアを抽象化したインターフェースをアプリケーションソフトウェアに提供するソフトウェアである。
【0058】
入力装置706は、例えば、キーボードやタッチパネル等により構成され、当該PIMデータ照合サーバ700への指示や、データの入力を行うための装置である。該指示は、オペレーティングシステムに対するものや、アプリケーションに対するものが含まれる。
【0059】
出力装置708は、例えば、ディスプレイにより構成され、当該PIMデータ照合サーバ700による処理状態や処理結果を表示する。該処理状態や処理結果には、オペレーティングシステムやアプリケーションによるものが含まれる。ディスプレイには、液晶ディスプレイ(LCD: Liquid Crystal Display)、CRT(Cathod Ray Tube)ディスプレイ、プラズマ(PDP: Plasma Display Panel)ディスプレイ、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイなどが含まれる。
【0060】
<PIMデータ照合サーバの機能>
図6は、PIMデータ照合サーバ700の一実施例の機能ブロック図を示す。図6には、CPU702により実行される機能が主に示される。具体的には、CPU702が、記憶装置704に格納されたPIMデータ照合プログラムに従って機能することにより、実行される。
【0061】
PIMデータ照合サーバ700は、PIMデータ同期処理部7022と、PIMデータ保持部7024と、災害情報取得部7026と、加入者情報データ取得部7028と、加入者情報データ保持部7030と、PIMデータ照合部7032と、PIMデータ一致データ処理部7034と、メッセージ送信部7036とを有する。
【0062】
PIMデータ同期処理部7022は、PIMデータサーバ500との間で、PIMデータの同期を取る処理を行う。具体的には、PIMデータ同期処理部7022は、定期的又は不定期に、PIMデータサーバ500に、PIMデータを問い合わせるようにしてもよい。PIMデータ同期処理部7022は、PIMデータ保持部7024に、PIMデータサーバ500からのPIMデータを格納する。PIMデータ同期処理部7022は、PIMデータサーバ500との間でPIMデータの同期を取る際に、PIMデータサーバ500から、全PIMデータを取得するようにしてもよいし、前回の問い合わせから更新されたPIMデータの差分情報を取得するようにしてもよい。PIMデータ同期処理部7022は、PIMデータ保持部7024に、全PIMデータ又は前回の問い合わせから更新されたPIMデータを格納することにより更新するようにしてもよい。
【0063】
PIMデータ保持部7024は、PIMデータ同期処理部7022と接続される。PIMデータ保持部7024は、PIMデータ同期処理部7022により入力されるべきPIMデータを格納する。
【0064】
災害情報取得部7026は、大規模災害が発生した際に、災害情報管理サーバ800から被災地情報を取得する。具体的には、災害情報取得部7026は、大規模災害が発生した際に、災害情報管理サーバ800に、被災地情報を要求するための被災地情報要求信号を送信する。災害情報取得部7026は、被災地情報要求信号に対する応答として、災害情報管理サーバ800から送信された被災地情報を受信する。この場合、災害情報管理サーバ800からの親戚等を通知するための命令に応じて、PIMデータ照合サーバ700は、災害情報管理サーバ800に、被災地情報要求信号を送信するようにしてもよい。また、ユーザ端末100からの問い合わせに応じて、PIMデータ照合サーバ700は、災害情報管理サーバ800に、被災地情報要求信号を送信するようにしてもよい。災害情報取得部7026は、加入者情報データ取得部7028に、災害情報管理サーバ800からの被災地情報を入力する。
【0065】
加入者情報データ取得部7028は、災害情報取得部7026と接続される。加入者情報データ取得部7028は、加入者情報管理サーバ600に、被災地基地局に在圏するユーザ端末を問い合わせるために、被災地情報を含むユーザ端末情報要求信号を送信する。加入者情報データ取得部7028は、加入者情報管理サーバ600から、被災地基地局に在圏するユーザ端末の加入者情報を取得する。該被災地基地局に在圏するユーザ端末の加入者情報は、ユーザ端末情報要求に対する応答として送信されたものであってもよい。加入者情報データ取得部7028は、加入者情報データ保持部7030に、加入者情報管理サーバ600からの被災地基地局に在圏するユーザ端末の加入者情報を入力する。
【0066】
加入者情報データ保持部7030は、加入者情報データ取得部7028と接続される。加入者情報データ保持部7030は、加入者情報データ取得部7028からの被災地基地局に在圏するユーザ端末の加入者情報を格納する。
【0067】
PIMデータ照合部7032は、PIMデータ保持部7024と、加入者情報データ保持部7030と接続される。PIMデータ照合部7032は、PIMデータ保持部7024に格納されたPIMデータのうち、加入者情報データ保持部7030に格納された加入者情報を含むPIMデータがあるかどうかを判定する。PIMデータ照合部7032は、PIMデータ一致データ処理部7034に、PIMデータ保持部7024に格納されたPIMデータのうち、加入者情報データ保持部7030に格納された加入者情報を含むPIMデータがあるかどうかの判定結果と、該判定結果が加入者情報を含むPIMデータがあることを表す場合には、該加入者情報を含むPIMデータを入力する。
【0068】
PIMデータ一致データ処理部7034は、PIMデータ照合部7032と接続される。PIMデータ一致データ処理部7034は、PIMデータ照合部7032からの判定結果に基づいて、該判定結果が加入者情報を含むPIMデータがあることを表す場合に、加入者情報を含むPIMデータを有するユーザ端末を特定する。PIMデータ一致データ処理部7034は、メッセージ送信部7036に、特定されたユーザ端末を表す情報と、PIMデータに含まれる加入者情報とを入力する。
【0069】
メッセージ送信部7036は、PIMデータ一致データ処理部7034と接続される。メッセージ送信部7036は、PIMデータ一致データ処理部7034からの特定されたユーザ端末を表す情報と、PIMデータに含まれる加入者情報とに基づいて、特定されたユーザ端末に、加入者情報に該当するユーザを表す情報を送信する。メッセージ送信部7036は、CS回線を利用して通知してもよいし、PS回線を利用して通知してもよい。具体的には、メッセージ送信部7036は、PIMデータに含まれる親戚等が、被災地のエリアにいることを通知する。
【0070】
また、メッセージ送信部7036は、PIMデータ一致データ処理部7034からの特定されたユーザ端末を表す情報と、PIMデータに含まれる加入者情報とに基づいて、特定されたユーザ端末に、災害用伝言板などを確認するように促すようにしてもよい。具体的には、災害伝言板にアクセスすることを要求するメッセージが送信されてもよい。
【0071】
<無線通信システムの動作>
図7は、無線通信システムの動作の一実施例を示すシーケンスチャートである。
【0072】
ユーザ端末100と、PIMデータサーバ500との間で、PIMデータの同期が実行される(ステップS702)。具体的には、PIMデータサーバ500からユーザ端末100に定期的又は不定期に、PIMデータを問い合わせるようにしてもよい。また、ユーザ端末100から定期的又は不定期に、PIMデータサーバ500に、PIMデータを通知するようにしてもよい。ユーザ端末100は、PIMデータが更新された際に、PIMデータサーバ500に通知するようにしてもよい。
【0073】
PIMデータサーバ500と、PIMデータ照合サーバ700との間で、PIMデータの同期が実行される(ステップS704)。具体的には、PIMデータ照合サーバ700からPIMデータサーバ500に定期的又は不定期に、PIMデータを問い合わせるようにしてもよい。また、PIMデータサーバ500から定期的又は不定期に、PIMデータ照合サーバ700に、PIMデータを通知するようにしてもよい。PIMデータサーバ500は、PIMデータが更新された際に、PIMデータ照合サーバ700に通知するようにしてもよい。
【0074】
一方、ユーザ端末100は、加入者情報管理サーバ600に、在圏基地局情報を通知する(ステップS706)。具体的には、ユーザ端末100から、加入者情報管理サーバ600に、定期的又は不定期に、在圏基地局情報を通知するようにしてもよい。また、ユーザ端末100は、在圏する際、在圏する基地局を変更した際に、加入者情報管理サーバ600に、在圏基地局情報を通知するようにしてもよい。
【0075】
加入者情報管理サーバ600は、ユーザ端末100の加入者情報と、該ユーザ端末100から通知された在圏基地局情報とを対応付けて格納する。
【0076】
ステップS702−S706の処理は、大規模災害が発生したかどうかにかかわらず、定期的又は不定期に実行されてもよい。
【0077】
大規模災害が発生する。大規模災害が発生すると、災害情報管理サーバ800に、被災地情報が収集される。
【0078】
PIMデータ照合サーバ700は、災害情報管理サーバ800に、被災地情報要求信号を送信する(ステップS708)。つまり、災害情報取得部7026は、災害情報管理サーバ800に、被災地情報要求信号を送信する。
【0079】
災害情報管理サーバ800は、PIMデータ照合サーバ700からの被災地情報要求信号に対する応答として、被災地情報を通知する(ステップS710)。
【0080】
PIMデータ照合サーバ700は、加入者情報管理サーバ600に、ユーザ端末情報要求信号を送信する(ステップS712)。つまり、加入者情報データ取得部7028は、加入者情報管理サーバ600に、ユーザ端末情報要求信号を送信する。該ユーザ端末情報要求信号には、被災地情報が含まれる。
【0081】
加入者情報管理サーバ600は、PIMデータ照合サーバ700からのユーザ端末情報要求信号に含まれる被災地情報に基づいて、被災地基地局に在圏するユーザ端末の加入者情報を通知する(ステップS714)。
【0082】
PIMデータ照合サーバ700は、加入者情報管理サーバ600からの被災地基地局に在圏するユーザ端末の加入者情報を認識する(ステップS716)。つまり、加入者情報データ取得部7028は、加入者情報データ保持部7030に、加入者情報管理サーバ600からの被災地基地局に在圏するユーザ端末の加入者情報を格納する。
【0083】
PIMデータ照合サーバ700は、PIMデータと、被災地基地局に在圏するユーザ端末の加入者情報とを照合する(ステップS718)。つまり、PIMデータ照合部7032は、PIMデータ保持部7024に格納されたPIMデータと、加入者情報データ保持部7030に格納された被災地基地局に在圏するユーザ端末の加入者情報とを照合する。具体的には、PIMデータ照合部7032は、PIMデータ保持部7024に格納されたPIMデータと、被災地基地局に在圏するユーザ端末の加入者情報とを照合する。
【0084】
PIMデータ照合サーバ700は、PIMデータ保持部7024に格納されたPIMデータのうち、被災地基地局に在圏するユーザ端末の加入者情報を含むPIMデータがあるかどうかを判定する(ステップS720)。具体的には、PIMデータ照合部7032は、PIMデータ保持部7024に格納されたPIMデータのうち、被災地基地局に在圏するユーザ端末の加入者情報を含むPIMデータがあるかどうかを判定する。
【0085】
被災地基地局に在圏するユーザ端末の加入者情報を含むPIMデータがあると判定された場合(ステップS720:YES)、PIMデータ照合サーバ700は、該被災地基地局に在圏するユーザ端末の加入者情報を含むPIMデータを有するユーザ端末に通知するメッセージを作成し、通知する(ステップS722)。つまり、被災地基地局に在圏するユーザ端末の加入者情報を含むPIMデータがあると判定された場合、PIMデータ照合部7032は、PIMデータ一致データ処理部7034に、被災地基地局に在圏するユーザ端末の加入者情報を含むPIMデータがあることを表す判定結果と、該加入者情報を含むPIMデータを入力する。PIMデータ一致データ処理部7034は、判定結果が、被災地基地局に在圏するユーザ端末の加入者情報を含むPIMデータがあることを表すものである場合には、該加入者情報を含むPIMデータに基づいて、該PIMデータを有するユーザ端末を特定する。PIMデータ一致データ処理部7034は、該PIMデータを有するユーザ端末宛にメッセージを作成する。該メッセージには、該PIMデータに含まれる加入者情報に対応する被災地基地局に在圏するユーザ端末のユーザを表す情報が含まれる。PIMデータ一致データ処理部7034は、メッセージ送信部7036に、メッセージを入力する。メッセージ送信部7036は、PIMデータ一致データ処理部7034により入力されたメッセージを送信する。
【0086】
PIMデータ照合サーバ700からのメッセージを受信したユーザ端末100のユーザは、該メッセージに含まれる被災地基地局に在圏するユーザ端末のユーザを参照することにより、親戚等が被災地のエリアにいることが分かる(ステップS724)。
【0087】
一方、被災地基地局に在圏するユーザ端末の加入者情報を含むPIMデータがあると判定されない場合(ステップS720:NO)、終了する(ステップS726)。PIMデータ照合サーバ700は、当該PIMデータ照合サーバ700に格納されたPIMデータを有するユーザ端末に通知するメッセージを作成し、通知するようにしてもよい。つまり、被災地基地局に在圏するユーザ端末の加入者情報を含むPIMデータがあると判定されない場合、PIMデータ照合部7032は、PIMデータ一致データ処理部7034に、被災地基地局に在圏するユーザ端末の加入者情報を含むPIMデータがないことを表す判定結果を入力する。PIMデータ一致データ処理部7034は、判定結果が、被災地基地局に在圏するユーザ端末の加入者情報を含むPIMデータがないことを表すものである場合には、当該PIMデータ照合サーバ700に格納されたPIMデータを有するユーザ端末宛にメッセージを作成する。該メッセージには、被災地のエリアには、親戚等はいないことを表す情報が含まれる。PIMデータ一致データ処理部7034は、メッセージ送信部7036に、メッセージを入力する。メッセージ送信部7036は、PIMデータ一致データ処理部7034により入力されたメッセージを送信する。
【0088】
PIMデータ照合サーバ700からのメッセージを受信したユーザ端末100のユーザは、該メッセージを参照することにより、親戚等が被災地のエリアにいないことが分かる。
【0089】
ステップS702の処理は、ユーザ端末100の有するCPU(図示なし)により実行される。ステップS702、及びS704の処理は、PIMデータサーバ500の有するCPU(図示なし)により実行される。ステップS704、S708、S712、S716−S722、及びS726の処理は、PIMデータ照合サーバ700の有するCPU702により実行される。また、ステップS706の処理は、ユーザ端末100の有するCPU(図示無し)により実行される。また、ステップS710の処理は、災害情報管理サーバ800の有するCPU(図示無し)により実行される。また、ステップS714の処理は、加入者情報管理サーバ600の有するCPU(図示無し)により実行される。
【0090】
CPUをユーザ端末100、及び100、PIMデータサーバ500、PIMデータ照合サーバ700、災害情報管理サーバ800、加入者情報管理サーバ600として機能させるためのプログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、メモリカード等の記録媒体に記録された状態で提供される。また、プログラムを、通信網を介してダウンロードするようにしてもよい。この記録媒体をコンピュータの補助記憶装置に挿入すると、記録媒体に記録されたプログラムが読み取られる。CPUは、読み込んだプログラムをRAMあるいはHDDに書き込み、処理を実行する。プログラムは、コンピュータに、図7の各ステップS702−S726を実行させる。また、例えば、プログラムは、少なくとも一部のステップを実行されるようにしてもよい。
【0091】
本実施例によれば、大規模災害が起きた際、あるユーザ端末のPIMデータに登録されている人が該災害地周辺にいたかどうかを,該あるユーザ端末のユーザに自動的に通知することができる。PIMデータには、電話帳が含まれる。
【0092】
普段は被災地付近に居住している親戚等が偶然被災地付近にいなかった場合には、被災地付近にいなかったことを通知することができる。このため、被災地付近へ直接連絡を取ることができない輻輳の場合であっても、安否確認を迅速に行なうことができる。
【0093】
<変形例>
<無線通信システム>
無線通信システムの一実施例は、図1−図4と略同一である。
【0094】
PIMデータ照合サーバ700は、当該PIMデータ照合サーバ700に保持されるPIMデータと、PIMデータサーバ500に格納されるPIMデータとの間で、災害が発生した際に同期を取る。つまり、PIMデータ照合サーバ700は、災害が発生した際に、PIMデータサーバ500に、PIMデータを要求する。災害が発生した際に、PIMデータサーバ500にPIMデータを要求するようにすることにより、PIMデータ照合サーバ700と、PIMデータサーバ500との間で、PIMデータに関して常に同期を取る処理が不要になるため、PIMデータ照合サーバ700における処理負荷を低減できる。
【0095】
<PIMデータ照合サーバ>
PIMデータ照合サーバ700のハードウェア構成は、図5と略同一である。
【0096】
<PIMデータ照合サーバの機能>
図8は、PIMデータ照合サーバ700の一実施例を示す機能ブロック図である。
【0097】
PIMデータ照合サーバ700は、図6を参照して説明したPIMデータ照合サーバ700において、PIMデータ同期処理部7022の代わりにPIMデータ取得部7038を有するようにしたものである。
【0098】
PIMデータ取得部7038は、PIMデータサーバ500に、PIMデータを要求する。具体的には、PIMデータ取得部7038は、災害が発生した際に、PIMデータサーバ500に、PIMデータを要求するようにしてもよい。PIMデータ取得部7038は、PIMデータ保持部7024に、PIMデータサーバ500からのPIMデータを格納する。PIMデータ取得部7038は、PIMデータサーバ500に、全PIMデータを要求するようにしてもよいし、前回の要求から更新されたPIMデータの差分情報を要求するようにしてもよい。PIMデータ取得部7038は、PIMデータ保持部704に、全PIMデータ又は前回の要求から更新されたPIMデータを格納するようにしてもよい。
【0099】
<無線通信システムの動作>
図9は、無線通信システムの動作の一実施例を示すシーケンスチャートである。
【0100】
ユーザ端末100と、PIMデータサーバ500との間で、PIMデータの同期が実行される(ステップS902)。具体的には、PIMデータサーバ500からユーザ端末100に定期的又は不定期に、PIMデータを問い合わせるようにしてもよい。また、ユーザ端末100から定期的又は不定期に、PIMデータサーバ500に、PIMデータを通知するようにしてもよい。ユーザ端末100は、PIMデータが更新された際に、PIMデータサーバ500に通知するようにしてもよい。
【0101】
一方、ユーザ端末100は、加入者情報管理サーバ600に、在圏基地局情報を通知する(ステップS904)。具体的には、ユーザ端末100から、加入者情報管理サーバ600に、定期的又は不定期に、在圏基地局情報を通知するようにしてもよい。また、ユーザ端末100は、在圏する際、在圏する基地局を変更した際に、加入者情報管理サーバ600に、在圏基地局情報を通知するようにしてもよい。
【0102】
加入者情報管理サーバ600は、ユーザ端末100の加入者情報と、該ユーザ端末100から通知された在圏基地局情報とを対応付けて格納する。
【0103】
ステップS902−S904の処理は、大規模災害が発生したかどうかにかかわらず、定期的又は不定期に実行されてもよい。
【0104】
大規模災害が発生すると、災害情報管理サーバ800に、被災地情報が収集される。
【0105】
PIMデータ照合サーバ700は、災害情報管理サーバ800に、被災地情報要求信号を送信する(ステップS906)。つまり、災害情報取得部7026は、災害情報管理サーバ800に、被災地情報要求信号を送信する。
【0106】
災害情報管理サーバ800は、PIMデータ照合サーバ700からの被災地情報要求信号に対する応答として、被災地情報を通知する(ステップS908)。
【0107】
PIMデータ照合サーバ700は、PIMデータサーバ500に、PIMデータ要求を送信する(ステップS910)。つまり、PIMデータ取得部7038は、PIMデータサーバ500に、PIMデータ要求を送信する。
【0108】
PIMデータサーバ500は、PIMデータ照合サーバ700からのPIMデータ要求に対する応答として、PIMデータを送信する(ステップS912)。PIMデータ照合サーバ700は、PIMデータサーバ500からのPIMデータを保持する。
【0109】
ステップS914−S928の処理は、図7を参照して説明したステップS712−S726と同様である。
【0110】
ステップS902の処理は、ユーザ端末100の有するCPU(図示なし)により実行される。ステップS902、及びS912の処理は、PIMデータサーバ500の有するCPU(図示なし)により実行される。ステップS906、S910、S914、S918−S924、及びS928の処理は、PIMデータ照合サーバ700の有するCPU702により実行される。また、ステップS904の処理は、ユーザ端末100の有するCPU(図示無し)により実行される。また、ステップS908の処理は、災害情報管理サーバ800の有するCPU(図示無し)により実行される。また、ステップS916の処理は、加入者情報管理サーバ600の有するCPU(図示無し)により実行される。
【0111】
CPUをユーザ端末100、及び100、PIMデータサーバ500、PIMデータ照合サーバ700、災害情報管理サーバ800、加入者情報管理サーバ600として機能させるためのプログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、メモリカード等の記録媒体に記録された状態で提供される。また、プログラムを、通信網を介してダウンロードするようにしてもよい。この記録媒体をコンピュータの補助記憶装置に挿入すると、記録媒体に記録されたプログラムが読み取られる。CPUは、読み込んだプログラムをRAMあるいはHDDに書き込み、処理を実行する。プログラムは、コンピュータに、図9の各ステップS902−S928を実行させる。また、例えば、プログラムは、少なくとも一部のステップを実行されるようにしてもよい。
【0112】
本実施例によれば、災害が発生した際に、PIMデータ照合サーバ700は、PIMデータサーバ500に、PIMデータを要求するため、PIMデータ照合サーバ700と、PIMデータサーバ500との間で常に、PIMデータを同期しておく必要はない。
【0113】
上述した実施例及び変形例は、大規模災害が発生した場合に限られず、所定の事象が発生した場合に動作するようにしてもよい。該所定の事象は、予め設定された事象であってもよい。
【0114】
説明の便宜上、発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明されるが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてよい。
【0115】
以上、本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、各実施例は単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウエアで、ソフトウエアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が包含される。
【符号の説明】
【0116】
100、100 ユーザ端末
200、200 基地局
250、250 セル
400、400 交換機
500 PIMデータサーバ
600 加入者情報管理サーバ
700 PIMデータ照合サーバ
702 CPU
704 記憶装置
706 入力装置
708 出力装置
750 バス
800 災害情報管理サーバ
900 コアネットワーク
950 バス
7022 PIMデータ同期処理部
7024 PIMデータ保持部
7026 災害情報取得部
7028 加入者情報データ取得部
7030 加入者情報データ保持部
7032 PIMデータ照合部
7034 PIMデータ一致データ処理部
7036 メッセージ送信部
7038 PIMデータ取得部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末に格納されるべき個人情報を管理する個人情報データサーバと、
ユーザ端末毎に、加入者情報と、該ユーザ端末の在圏する基地局を表す情報とを対応付けて管理する加入者情報管理サーバと、
所定の事象が発生した際に、該所定の事象が発生したエリアを表す情報を取得するエリア情報取得部と、
該エリア情報取得部により取得された所定の事象が発生したエリアを表す情報に基づいて、前記加入者情報管理サーバから、前記所定の事象が発生したエリアに設置されている基地局に在圏するユーザ端末の加入者情報を取得する加入者情報取得部と、
前記個人情報データベースにより管理される個人情報と、前記加入者情報取得部により取得された加入者情報とを照合し、該加入者情報を含む個人情報を有するユーザ端末を特定する個人情報照合部と、
該個人情報照合部により特定されたユーザ端末に、前記所定の事象が発生したエリアに、該ユーザ端末の個人情報に含まれる加入者情報を有するユーザ端末のユーザがいることを通知するメッセージ通知部と
を有する個人情報照合サーバと
を有する、無線通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
前記個人情報照合サーバは、
前記個人情報データサーバとの間で、前記個人情報に関して、同期をとる個人情報同期処理部
を有し、
前記個人情報照合部は、前記個人情報同期処理部により同期が取られた個人情報と、前記加入者情報取得部により取得された加入者情報とを照合する、無線通信システム。
【請求項3】
請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
前記個人情報照合サーバは、
前記所定の事象が発生した際に、前記個人情報データサーバから、前記個人情報を取得する個人情報取得部
を有し、
前記個人情報照合部は、前記個人情報取得部により取得された個人情報と、前記加入者情報取得部により取得された加入者情報とを照合する、無線通信システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の無線通信システムにおいて、
前記個人情報データベースにより管理される個人情報には、電話帳データが含まれる、無線通信システム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の無線通信システムにおいて、
前記エリア情報取得部は、
セルレベルで指定されたエリア、トラッキングエリアレベルで指定されたエリア、及びオペレータにより設定されるエリアの少なくとも1つにより指定されたエリアを表す情報を取得する、無線通信システム。
【請求項6】
所定の事象が発生した際に、該所定の事象が発生したエリアを表す情報を取得するエリア情報取得部と、
該エリア情報取得部により取得された所定の事象が発生したエリアを表す情報に基づいて、ユーザ端末毎に、加入者情報と、該ユーザ端末の在圏する基地局を表す情報とを対応付けて管理する加入者情報管理サーバから、前記所定の事象が発生したエリアに設置されている基地局に在圏するユーザ端末の加入者情報を取得する加入者情報取得部と、
ユーザ端末に格納されるべき個人情報を管理する個人情報データベースにより管理される個人情報と、前記加入者情報取得部により取得された加入者情報とを照合し、該加入者情報を含む個人情報を有するユーザ端末を特定する個人情報照合部と、
該個人情報照合部により特定されたユーザ端末に、前記所定の事象が発生したエリアに、該ユーザ端末の個人情報に含まれる加入者情報を有するユーザ端末のユーザがいることを通知するメッセージ通知部と
を有する、サーバ。
【請求項7】
所定の事象が発生した際に、該所定の事象が発生したエリアを表す情報を取得するエリア情報取得ステップと、
該エリア情報取得ステップにより取得された所定の事象が発生したエリアを表す情報に基づいて、ユーザ端末毎に、加入者情報と、該ユーザ端末の在圏する基地局を表す情報とを対応付けて管理する加入者情報管理サーバから、前記所定の事象が発生したエリアに設置されている基地局に在圏するユーザ端末の加入者情報を取得する加入者情報取得ステップと、
ユーザ端末に格納されるべき個人情報を管理する個人情報データベースにより管理される個人情報と、前記加入者情報取得ステップにより取得された加入者情報とを照合し、該加入者情報を含む個人情報を有するユーザ端末を特定する個人情報照合ステップと、
該個人情報照合ステップにより特定されたユーザ端末に、前記所定の事象が発生したエリアに、該ユーザ端末の個人情報に含まれる加入者情報を有するユーザ端末のユーザがいることを通知するメッセージ通知ステップと
を有する、メッセージ通知方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図1】
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【公開番号】特開2013−38722(P2013−38722A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175348(P2011−175348)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】