説明

無線通信システムにおけるサービス品質関連情報を選択する装置及び関連方法

CDMA2000セルラ通信システムなどの無線通信システム内において実現される逆方向リンク通信サービスと関連するQoS情報について報告する装置及び関連方法である。移動局は、通信サービスが実現される通信速度などの選択されたサービス品質レベルを選択するサービス品質レベルセレクタを含んでいる。移動局は、更に、サービス品質指示メッセージを生成するメッセージ生成器を選択的に含んでいる。検出器が、移動局が通信する相手である通信システムのネットワーク部分のスケジューリングアーキテクチャを検出する。そして、メッセージ生成器によって生成されるメッセージ内に含まれる情報は、このスケジューリングアーキテクチャに部分的に依存している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本発明は、2003年8月18日付けで出願された仮特許出願第60/496,177号の優先権を主張するものであり、この内容は、本明細書に包含される。
本発明は、一般に、1xEV−DV又は1xEV−DOデータ通信サービスを提供するCDMA2000セルラ通信システムなどのパケット無線通信システムにおけるデータ通信に関するものである。更に詳しくは、本発明は、逆方向(reverse)リンク通信サービスの通信速度などの通信のQoS(Quality of Service:サービス品質)情報を選択する装置及び関連方法に関するものである。
【0002】
分散型の実装の場合には、移動局のMAC(Medium Access Control:メディアアクセス制御)レイヤにおいて、サービス品質情報が選択される。中央集中型の実装の場合には、特定の通信サービスを実現するのに望ましいサービス品質レベルを識別するQoS情報を示すレイヤ2、例えば、MAC(Medium Access Control:メディアアクセス制御)レイヤメッセージが更に形成される。このメッセージに含まれる情報は、例えば、中央集中型実装におけるネットワークスケジューラの場所に応じて、第1タイプ又は第2タイプから構成されている。通信リソースの迅速、且つ、従って、良好なスケジューリングが提供される。又、共通期間内において、複数の通信サービスインスタンス用の別個のリソーススケジューリングが提供される。
【背景技術】
【0003】
新世代のセルラ通信システムには、通信サービスを実現するためのQoS(Quality of Service:サービス品質)レベルという概念が導入されている。QoSレベルは、通信サービスが実現されるサービス品質レベルをなんらかの方式で規定している。一般に、通信サービスを実現するべく割り当てられるリソースの量と、通信サービスが実現されるサービス品質レベルの間には、相関関係が存在している。即ち、一般に、通信サービスに対して割り当てる通信リソースの量が多いほど、高いサービス品質レベルを実現可能である。
【0004】
例えば、CDMA2000に準拠したセルラ通信システムの1xEV−DV又は1xEV−DO通信サービスなどのパケット通信サービスは、通信サービスの実現内容に応じて維持するべきQoSレベルを規定している。QoSレベルは、例えば、サービスの加入内容やパケット通信サービスのタイプに応じて決まっている。特定のサービス品質レベルにおいて通信サービスを実現するには、その通信サービスを実現するための方法により、適切なレベルの通信リソースを割り当てなければならない。通信リソースは、通信リソースの割り当てをスケジューリングするシステムスケジューラによって割り当てられる。利用可能な場合には、通信サービスが実現されるサービス品質レベルに関係する情報をスケジューラに提供することにより、スケジューラによって通信リソースを適切に割り当てなければならない。例えば、通信サービスが移動局から起動される場合には、移動局は、適切なレベルの通信リソースが割り当てられるように、サービス品質情報をスケジューラに対して提供しなければならない。
【0005】
QoS(Quality of Service:サービス品質)とは、例えば、データ呼のエンドツーエンド特性であり、これには、無線IP(Internet Protocol:インターネットプロトコル)ネットワーク内のそれぞれの構成要素が寄与している。無線リンクの予測不能な特性に起因し、無線リンクは、エンドツーエンドアーキテクチャにおける重要な要素であると考えられる。CDMA2000無線リンクについて規定されているQoS属性には、例えば、データレート、遅延、ジッタ、誤り率、優先順位など、多数のものが存在している。
【0006】
CDMA2000のMAC(Medium Access Control:メディアアクセス制御)レイヤは、無線QoS制御機能は、ここに実装されているが、CDMA2000通信局の上位レイヤと物理レイヤ間の主要なインタフェースを提供している。現時点においては、MACレイヤは、QoSの制御に関連し、例えば、無線リンクのQoSを要求するQoS BLOB(Binary Large Object Block:大きなバイナリオブジェクトブロック)などのレイヤ3シグナリングによって報告される間接的なQoS情報を処理している。CDMA2000通信システムのネットワーク部分におけるQoS制御メカニズム及び無線リソース割当方式は、実装によって左右され、現時点においては、標準化されていない。
【0007】
利用可能な無線リソースを効果的に利用した効率的な方式で、先進的なアプリケーションのQoS要件を満足するべく、これまで、様々なQoS制御機能及びそれらの関連シグナリングメカニズムが幅広く研究されている。CDMA2000通信システムに関しては、MAC/物理シグナリングにより、移動局は、QoS情報をフィードバックし、移動局との通信サービスのネットワークスケジューリングを可能にすると共に、関連するQoS要件を満たすことが一般に知られている。レイヤ3シグナリングとは対照的に、MACレイヤシグナリングは、無線リンクのQoS要件を満たすべく、より良好で高速のリソーススケジューリングを提供する。例えば、CDMA2000の1xEV−DV逆方向リンク通信のQoS制御又はリソース割当には、多くの考慮事項が伴っている。これらの考慮事項の要因に関係する検討は、例えば、既存の1xEV−DV Rev.D規格の開発の際に行われている。同様に、CDMA2000の1xEV−DO逆方向リンク通信のQoS制御又はリソース割当にも、多くの考慮事項を伴っている。
【0008】
CDMA2000通信システム内において動作可能な移動局、並びにその他のものは、同時にアクティブな複数のデータサービスインスタンスの能力を有している。複数のデータサービスは、それぞれ、異なるQoS要件を具備している。それぞれのデータインスタンスは、上位レイヤのアプリケーションとの間で、それぞれのデータフローを搬送する。それぞれがQoS要件と関連付けられているこのデータサービスインスタンスのために、これらの別個のサービスインスタンスをスケジュールするための方式が必要である。スケジューリングは、順方向(forward)リンクと逆方向リンクの両方に必要である。順方向リンク上においては、ネットワークエンティティは、そのQoS情報とバッファの状態に基づいて、それぞれのサービスをスケジューリングし、これにより、ユーザ間又はユーザ内のQoSサポートを提供可能である。しかしながら、逆方向リンクのスケジューリングのためには、移動局内におけるデータの到着とバッファの状態が、ネットワークにとって未知である。逆方向リンクのリソース割当を実行できるように、このような情報をネットワークに報告しなければならない。
【0009】
1xEV−DV通信サービスに関しては、逆方向リンクのMAC制御メカニズムの提案が既に公表されている。この提案においては、R−RCH(Reverse Request Channel:逆方向要求チャネル)が規定されている。移動局は、このR−RCHを使用し、逆方向リンクのレート要求を実行する。そして、現在のCDMA2000の1xEV−DV逆方向リンクの提案においては、移動局は、バッファの状態と利用可能な送信パワーの指示(indication)を提供し、これらが、通信サービスインスタンスに応じて必要なQoS属性調整のネットワークに対して提供される。通信システムのネットワーク部分が、QoSパラメータを操作し、通信インスタンス用の改善されたQoSを得る。しかしながら、ネットワークは、典型的には、無線エアインタフェース上において多数の同時フローを管理している。そして、この既存の提案に公表されている指示は、特定の通信サービスインスタンス用の改善されたQoSを得るべくQoS属性の無指示(blind)操作が可能な十分な情報をネットワークに提供してはいるが、サービスインスタンスのタイプに関係する情報がネットワークに対して提供されていない。例えば、サービスインスタンスのタイプには、会話型ストリーミング、対話型通信、バックグラウンド通信などが含まれる。そして、ネットワークは、フロー基準ごと又はユーザ基準ごとに、QoS属性を効率的に調整することができない。又、スケジューリング機能がネットワーク部分の基地局に実現されている実装により、QoS要求の指示がスケジューリング機能の有効性に影響を与えることになる。スケジューリング機能は、中央集中型であるか、又は分散型である。中央集中型の場合には、中央集中型スケジューラが、ネットワーク部分のBSC(Base Station Controller:基地局コントローラ)に配置される。そして、分散型の場合には、スケジューラ機能は、基地局に配置される。これらのエンティティは、それぞれ、異なる範囲のQoS制御を具備している。従って、基地局コントローラ及び基地局に実現されるスケジューリングエンティティに提供されるQoS指示には、異なる情報を含む必要がある。
【0010】
既存の提案は、スケジューリング機能が、中央集中型であるか、或いは分散型であるかに応じたスケジューリング機能の異なる情報ニーズに対処していない。
【0011】
又、既存の提案は、ユーザ内、即ち、単一のユーザ用のサービス間におけるリソース割当とユーザ間、即ち、異なるユーザ間におけるリソース割当に関する異なる通信サービスインスタンス用のQoSの区分を満足するための十分なメカニズムを提供していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、逆方向リンクの通信サービスと関連するQoS関連情報を選択するための改善された方式が求められている。
【0013】
本発明による重要な改善は、このような無線通信システムにおけるデータ通信サービスに関係する背景情報に鑑み、導出されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
従って、本発明は、有利には、1xEV−DV又は1xEV−DOデータ通信サービスを提供するCDMA2000セルラ通信システムなどのパケット無線通信システムにおいてデータを通信する装置及び関連方法を提供する。
【0015】
本発明の実施例の動作を通じ、QoS(Quality of Service;サービス品質)情報を効率的に選択及び/又は報告することにより、通信リソースのスケジューリングを実現する方式が提供される。選択は、移動局のMACレイヤにおいて実行される。そして、MACレイヤ(メディアアクセス制御レイヤ)メッセージから形成されたQoS報告が形成される。このメッセージは、特定の通信サービスに応じた望ましいQoS情報を指示する。MACレイヤメッセージ内に含まれる情報は、通信システムが、基地局に実現されたスケジューリングアーキテクチャを利用している場合には、第1タイプから構成される。そして、通信システムが、基地局コントローラに実現されたスケジューリングアーキテクチャを利用している場合には、レイヤ2メッセージは、第2タイプから構成されている。
【0016】
通信サービスを実現するための通信リソースのスケジューリングが迅速に実行されることにより、通信システム内の通信が円滑に実行される。又、共通期間内において、移動局における複数の通信サービスインスタンス用の別個のリソーススケジューリングが提供される。
【0017】
一つの実装においては、MAC(Medium Access Control:メディアアクセス制御)チャネルによってサービスインスタンス用のレート要求情報を伝達する通信装置は、命令信号を受信するための受信機を有している。この命令信号は、レートスケジューラが、基地局又は基地局コントローラに配置されていることを示す。レート要求メカニズムは、移動局に位置しており、トラフィッククラス識別子を有するMACチャネルパケットを提供する。レートスケジューラが基地局に配置された場合には、トラフィッククラス識別子は、サービスインスタンスと関連付けられる。レートスケジューラが基地局コントローラに配置された場合には、SR_ID(Service Reference Identifiation:サービス参照識別情報)が、サービスインスタンスと関連するQoS属性を識別する。送信機が、MACチャネルによりMACチャネルパケットを送信する。
【0018】
本発明の別の態様においては、通信するべく移動局が位置している無線アクセスネットワークのスケジューリングアーキテクチャを示すため、移動局に対して指示が提供される。通信システムのネットワーク部分に対して供給するべく、逆方向リンクで、即ち、移動局によって通信サービスが実現される場合には、移動局によって生成されるレイヤ2のMACメッセージに、無線ネットワークのスケジューリングアーキテクチャに依存した情報が含まれる。無線ネットワークのスケジューリングアーキテクチャが、ネットワークの基地局に実現されたスケジューラエンティティを含んでいる場合には、レイヤ2のMACメッセージは、基地局に実現されたスケジューラエンティティが使用可能な第1タイプの情報を含んでいる。そして、スケジューリングアーキテクチャが無線ネットワークの基地局コントローラに実現されている場合には、レイヤ2のMACメッセージは、基地局コントローラに実現されたスケジューラエンティティが使用可能な第2タイプの情報を含んでいる。このメッセージは、MACレイヤメッセージを形成しているため、その通信は、迅速に実現され、この結果、通信サービスを実現するべく通信リソースの迅速な割当が実現する。
【0019】
一つの実装においては、移動局は、複数の通信サービスインスタンスの能力を有している。即ち、移動局は、それそれが、それぞれに関連付けられたサービス品質レベルを具備する複数の通信サービスを共通期間内において実行する能力を有している。これらの別個の通信サービスインスタンスと関連するサービス品質レベルを識別するべく、MACレイヤメッセージが生成される。これらの別個の通信サービスをその関連するサービス品質レベルにおいて実現できるように、無線ネットワークのスケジューリング機能によって、スケジューリングが実行される。
【0020】
一つの実装においては、通信システムは、1xEV−DV又は1xEV−DOデータ通信サービスを提供するCDMA2000セルラ通信システムを形成している。逆方向リンクデータサービスを実現する際には、データ通信サービスが実現されるサービス品質レベルを識別するべく、移動局によって、レイヤ2、例えば、MACレイヤのメッセージが生成され、ネットワーク部分に対して伝達される。そして、ネットワーク部分に実現されているスケジューラが、所望のサービス品質レベルにおいてデータサービスを実現できるように、通信リソースを割り当てる。メッセージ内に含まれる情報は、通信システムのスケジューリングアーキテクチャによって左右される。即ち、スケジューリングアーキテクチャが基地局に配置されている場合には、MACレイヤメッセージ内に含まれる情報は、第1タイプから構成され、スケジューリングアーキテクチャが基地局コントローラに配置されている場合には、MACレイヤ内に含まれる情報は、第2タイプから構成されている。
【0021】
MACレイヤシグナリングを利用しているため、データ通信サービスを実現するべくチャネルリソースの迅速な割当が迅速に実行され、通信システム内の通信が改善される。
【0022】
従って、これらの、並びに、その他の態様においては、通信サービスを実現するべく動作可能な通信機器用の装置及び関連方法が提供される。通信機器は、上位論理レイヤ、下位論理レイヤ、及びこれらの間に位置する中間レイヤを含む論理レイヤを具備している。サービス品質指示メッセージ生成器が、通信機器の中間レイヤに実現される。サービス品質指示メッセージ生成器は、通信サービスが実現される選択されたサービス品質レベルを示すサービス品質指示メッセージを生成する。サービス品質指示メッセージは、中間レイヤメッセージを形成する。
【0023】
以下に簡潔に要約されている添付図面、本発明の現時点における好適な実施例に関する以下の詳細な説明、及び添付の請求項から、本発明及びその範囲について、更に十分に理解することができよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
まず、図1を参照すれば、参照符号10によって全体的に示されている無線通信システムは、移動局12によって代表される移動局による、並びに、これとの通信サービスの実現を提供する。典型的な実装においては、通信システム10は、CDMA2000の動作仕様に公表されている動作プロトコルに略準拠して動作可能なCDMA2000セルラ通信システムを形成している。しかしながら、このCDMA2000動作システムとしての通信システムの実装は、その他のタイプのセルラ及びその他の通信システムをも表している。従って、以下の説明においては、通信システムがCDMA2000通信システムの動作プロトコルに応じて動作可能な本発明の実施例の典型的な動作について説明しているが、別の通信システムとして実装された本発明の実施例の動作の説明もこれに類似している。そして、更に詳しくは、CDMA2000通信システムは、この場合に、1xEV−DV又は1xEV−DO通信サービスなどの高速データ通信サービスを実行するべく動作可能である。通信システムをその他の方式で実装する場合にも、類似のデータ通信サービスを実装可能である。
【0025】
この場合には、移動局12は、論理レイヤの観点から表されており、図には、この中の3つのレイヤが示されている。図には、物理レイヤ14、中間、例えば、MACレイヤ(2L)レイヤレイヤ16、及び上位レイヤ18が示されている。
【0026】
物理レイヤ14には、移動局の送受信機回路22が形成されている。送受信機回路は、移動局の動作期間中、通信システムのネットワーク部分との1xEV−DV又は1xEV−DO通信サービスを実現する際に通信されるデータなどのデータを送受信するべく動作する。データは、無線エアインタフェース上に規定されているチャネルを介して通信される。この無線エアインタフェースは、図には矢印24によって表されている。無線エアインタフェース上には、順方向リンク及び逆方向リンクチャネルが規定される。ネットワーク部分から移動局に対して伝達されるデータは、順方向リンクチャネルで伝達される。そして、移動局からネットワーク部分に対して伝達されるデータは、逆方向リンクチャネルで伝達される。
【0027】
図に示されているネットワーク部分のエンティティは、ネットワーク部分のパケット交換エンティティを含んでいる。わかりやすくするべく、回線交換エンティティは、示されていない。
【0028】
ネットワーク部分は、BS(Base Station:基地局)26を含んでいる。基地局は、移動局とデータを送受信する能力を有する送受信機回路を含んでいる。基地局は、BSC/PCF(Base Station Controller/Point Control Fuction:基地局コントローラ/ポイント制御機能)28に接続されている。基地局コントローラは、とりわけ、基地局26の動作を制御するべく動作する。そして、次には、基地局コントローラは、PDSN(Packet Data Support Node:パケットデータサポートノード)32に接続されている。パケットデータサポートノードは、キャリアパケットデータネットワーク34、並びに、インターネットバックボーンなどのPDN(Packet Data Network:パケットデータネットワーク)に対するゲートウェイを形成している。CE(Correspondant Entity:通信エンティティ)38などの通信エンティティが、パケットデータネットワークに接続されている。通信エンティティは、パケットフォーマット化データを送受信する能力を有する様々なタイプの通信装置のいずれかを表している。移動局12と通信エンティティ38間におけるエンドツーエンドの通信サービスは、通信システムのネットワーク部分と無線エアインタフェース24を通じて形成される適切な通信接続によって実現される。
【0029】
QoS(Quality of Service:サービス品質)レベルは、CDMA2000通信システムにおける通信と関連付けられている。サービス品質は、例えば、通信レートなどの様々な要因に応じて、様々な方式で規定される。一般に、選択されたサービス品質レベルにおいて通信サービスが実現されるように、通信サービスに割り当てる通信リソースのレベルを適切なレベルに設定しなければならない。一つの実装においては、スケジューリングエンティティは、通信システムのネットワーク部分に実現される。スケジューリングエンティティは、とりわけ、所望のQoSレベルにおいて通信サービスを実現できるように通信リソースをスケジュールするべく動作する。前述のように、スケジューリングエンティティは、実装によって左右される。一つの実装においては、スケジューリングエンティティを形成するスケジューラは、通信システム内に分散している、例えば、ネットワーク部分の基地局26などの基地局やその他の場所に実現される。基地局26に実現されたスケジューラ44が、この種のスケジューリングアーキテクチャを表している。或いは、この代わりに、スケジューリングエンティティは、基地局コントローラ28に実現される。基地局コントローラに実現されたスケジューラ46が、この種のアーキテクチャを表している。
【0030】
移動局に供給するべく、通信サービスが通信システムのネットワーク部分において発生した場合には、通信サービスと関連するQoSに関係する情報をなんらかのアーキテクチャのスケジューラによって容易に得ることができる。しかしながら、ネットワーク部分に伝達するべく、通信サービスが移動局において発生した場合には、スケジューラは、移動局がスケジューラに対して通知した場合にのみ、通信サービスと関連付けられるQoSについて認知可能である。既存の提案は、レベル3のBLOB(Binary Large Object Block:大きなバイナリオブジェクトブロック)を使用するようになっているが、このような上位レベルのシグナリングは、低速であり、且つ、その他の理由からも不適当である。
【0031】
移動局は、装置52を含んでおり、この装置は、サービス品質レベルを選択すると共に、一つの実装においては、移動局において発生した通信サービスインスタンスと関連付けられるQoSの指示を提供することにより、スケジューリングエンティティが通信リソースをスケジューリングして所望のQoSレベルにおける通信サービスの実現を円滑に実行できるようにしている。この装置を形成する要素は、機能的に表されており、処理回路によって実行可能なアルゴリズムなどの任意の望ましい方式で実装可能である。
【0032】
この場合には、本装置は、検出器54と、サービス品質指示セレクタ及びメッセージ生成器56と、を含んでいる。検出器は、送受信機回路に接続されており、ネットワークから送信された指示を検出し、ネットワークのスケジューリングアーキテクチャを識別するべく動作する。即ち、ネットワークは、そのシステムアーキテクチャを識別する信号を送信する。これにより、移動局は、ネットワークのスケジューリングアーキテクチャが分散型であるか又は中央集中型であるのかを認知する。検出器によって実行された検出結果は、セレクタメッセージ生成器に提供される。この場合には、検出器は、物理レイヤに示されている。或いは、この代わりに、検出器を別の場所に配置することも可能である。
【0033】
信号品質指示メッセージ生成器は、上位レベルの論理レイヤ18、この場合には、通信サービスデータが形成されるアプリケーションレイヤ58に更に接続されている。図には、移動局の複数のサービスインスタンス能力を表すべく、2つのアプリケーションレイヤのアプリケーション58が示されている。メッセージ生成器は、移動局が実行するそれぞれの通信サービスと関連するサービス品質指示メッセージを生成するべく動作する。サービス品質指示メッセージは、通信サービスと関連付けられるQoSを識別する。このメッセージは、生成が完了すると、送受信機回路に提供され、送信される。この場合には、メッセージ生成器は、MACレイヤメッセージ、レイヤ2メッセージを形成する。このメッセージは、ネットワークに供給された際に、逆方向リンクの通信サービスを実現するべく通信リソースのスケジューリングが割り当てられ、所望のQoSレベルにおいて通信サービスを実現可能であるようにスケジューラに提供される。
【0034】
メッセージ内に含まれる情報は、通信サービスと関連するQoSレベルによって左右されるだけでなく、ネットワークのスケジューリングアーキテクチャの影響をも受ける。スケジューリングタイプが、タイプ1から構成されている場合には、メッセージ内に含まれる情報は、基地局に実現されたスケジューラ44が使用可能な第1タイプから構成される。そして、スケジューリングアーキテクチャが別のタイプから構成されている場合には、メッセージ内に含まれる情報は、スケジューラ46が使用可能な第2タイプから構成される。スケジューリングアーキテクチャが、第1タイプから構成されている場合には、メッセージ生成器によって形成されるメッセージは、SR_ID(Service Reference Identifier:サービス参照識別情報)、バッファサイズ/状態、及び/又は移動局の送信パワーを含んでいる。スケジューリングアーキテクチャが第2タイプから構成されている場合には、メッセージ生成器によって生成されるメッセージは、通信サービスのトラフィッククラスの指示を含んでいる。そして、このメッセージには、バッファサイズ/状態及び/又は移動局の送信パワーも含まれる。
【0035】
図2は、CDMA2000システム内における逆方向リンク1xEV−DV及び1xEV−DO通信サービスの実現など、逆方向リンク通信用のQoS制御の設計の際に考慮される要因を識別する、参照符号62によって全体的に示された図を示している。ハンドオフ64、スケジューラの配置66、QoSの区分68、及び移動局フィードバック72という4つの要因が示されている。ハンドオフ要因は、ソフトハンドオフ74と非ソフトハンドオフ76を含んでいる。スケジューラの配置要因は、中央集中型及び分散型アーキテクチャ78及び82を含んでいる。QoSの区分要因は、ユーザ間及びユーザ内という区分84及び86を含んでいる。移動局フィードバック要因は、フィードバック周波数88とフィードバック情報92を含んでいる。フィードバック周波数要因のサブ要因は、MAC/PHYレイヤシグナリング94と上位レイヤシグナリング96を含んでいる。そして、フィードバック情報のサブ要因は、利用可能な送信パワー98、バッファの状態102、及びその他のQoS情報104を含んでいる。
【0036】
これらの考慮要因は、すべて相互に関係があり、逆方向リンク用のQoS制御を設計する際に一緒に考慮する必要がある。本発明の実施例の動作により、スケジューリングの配置要因とQoSの区分が利用され、且つ、QoSの区分と移動局のフィードバック要因が利用される。そして、本発明の実施例の動作により、1xEV−DV又は1xEV−DO逆方向リンク通信サービスに応じて、移動局と基地局間のMACシグナリングが利用される。移動局において同時にアクティブであって異なるQoS要件を有する複数データサービスインスタンスが、本発明の実施例の動作により処理される。それぞれのデータインスタンスは、上位レイヤのアプリケーションとの間で、それぞれのデータフローを搬送する。順方向リンク通信は、その関連するQoS情報及びバッファの状態に基づいて、それぞれのサービスごとに、基地局によって容易に処理される。順方向リンク上においては、ユーザ間及びユーザ内のQoSサポートも提供される。本発明の実施例の動作により、そのスケジューリングエンティティが、リソース割当を実行可能であるように、移動局内部のパケットの到着及びバッファの状態がネットワークに報告される。
【0037】
CDMA2000ネットワークアーキテクチャは、2つのスケジューリング方式から構成されている。これらのスケジューリング方式は、中央集中型スケジューリングと分散型スケジューリングを含んでいる。
【0038】
中央集中型スケジューリングにおいては、スケジューラは、基地局コントローラと共に配置されており、複数のセルにわたる移動局の同時スケジューリングの責任を担っている。換言すれば、このタイプのスケジューラ、即ち、図1に示されているスケジューラ46は、ソフトハンドオフという考慮事項を含むスケジューリングを大規模に実行する。中央集中型スケジューリングは、例えば、低速のフェージングと一定のビットレートという状態に適している。
【0039】
基地局コントローラ及び中央集中型スケジューラは、それぞれの個々のサービスに関する知識を具備している。例えば、基地局コントローラは、サービスインスタンス、SR_ID、及びそのQoS要件について認知している。
【0040】
別のアーキテクチャにおいては、アクティブな組内のそれぞれの基地局が、基地局間における調整を伴うことなしに、スケジューリングを実行する。ソフトハンドオフの期間中、移動局は、特定の規則を使用することにより、アクティブな組からのレート割当を決定する。このタイプのスケジューリングアーキテクチャは、相対的に短い遅延を受け、無線チャネル及びトラフィックの状態に関する相対的に新しい知識を具備している。分散型スケジューリングは、高速フェージング及び可変ビットレートサービスの状態に特に適している。
【0041】
基地局とその分散型スケジューラ、例えば、図1に示されているスケジューラ44は、それぞれの個々の通信サービスに関する知識を具備していない。例えば、基地局は、サービスインスタンス、SR_ID、及びそのQoS要件について認知不能である。
【0042】
図3は、複数の基地局26が従来の方式で配置されている分散型スケジューリングアーキテクチャの図を示している。それぞれの基地局は、スケジューラ44を含んでいる。図には、移動局12も示されている。
【0043】
図4は、典型的な中央集中方式を示している。即ち、スケジューラ46が、基地局コントローラ28に実現されている、基地局コントローラは、複数の基地局26に接続されている。図には、移動局12も示されている。図3及び図4は、いずれも、バックホール(backhaul)リソースを仮定している。スケジューリングアーキテクチャは、通常、通信システムのネットワーク部分に共存している。或いは、この代わりに、スケジューラは、基地局コントローラ又は基地局の中の選択されたものに実現される。それぞれの接続されているサービスのQoS要件は、それぞれのスケジューリング環境内においてサポートされる。
【0044】
中央集中型スケジューリングを利用する場合には、即ち、ネットワークが中央集中型スケジューラを有している場合には、スケジューラは、図1に示されている基地局コントローラに実現されたスケジューラ46のように、基地局コントローラ内に配置される。移動局がサービスインスタンスのための接続確立をネゴシエートする際には、サービス参照識別情報SR_IDが割り当てられ、折衝されたQoS属性が基地局コントローラに保存される。移動局が、接続されたインスタンス、即ち、通信サービスインスタンス用のレート要求を実行すると、SR_ID、バッファのサイズ/状態、及び/又は移動局の送信パワーに関する情報が報告される。
【0045】
3ビットのSR_IDは、要求しているデータインスタンスを識別し、バッファサイズは、逆方向リンク上における伝送を待っている現時点においてバッファリングされているデータを示している。基地局コントローラは、SR_IDから、データインスタンス用のQoS属性を受信する。そして、レート要求の優先順位に関する判定が行われる。データインスタンスの現在のバッファサイズ、移動局の送信パワー、並びに、データレート、遅延、及び誤り率に関するQoS要件に基づいて、認可決定が行われる。
【0046】
SR_IDを有する逆方向フィードバックに起因し、例えば、複数の通信サービスインスタンスが同時に実行された場合に、中央集中型スケジューラ46は、特定の移動局のアプリケーションの中のQoSを弁別する。
【0047】
分散型スケジューリングを実行する場合には、SR_IDは、基地局には未知である。移動局は、なんらかのQoSプロファイル情報をフィードバックして、基地局の意思決定を支援する必要がある。QoS属性の中のトラフィッククラスをエンドツーエンドサービス品質について規定する。これは、サービスインスタンスのQoSカテゴリを表している。
【0048】
接続されたインスタンス用のレート要求を移動局が実行すると、トラフィッククラス、バッファのサイズ/状態、及び/又は移動局の送信パワーに関する情報が報告される。
【0049】
基地局は、接続されたサービスのトラフィッククラス、そのバッファ内のデータ量、及び/又は移動局の送信パワーに基づいて、レート認可の決定を行う。ソフトハンドオフの期間中に、移動局は、なんらかの規則、例えば、or−of−down規則を利用してレート割当を決定する。移動局において同時に実行された複数のデータインスタンスが同一のトラフィッククラスに属している場合にも、レート要求及びリソース割当が同期方式で処理されるため、基地局は、依然として、それぞれのインスタンスの要件を満足させることができる。
【0050】
図5は、図1に示されている通信システムの複数インスタンス実装の典型的な動作における典型的なタイミング関係を表すタイミング図112を示している。図には、インスタンスIIとインスタンスIという2つのインスタンス114及び116が、それぞれ、示されている。第2のインスタンスの2つのフレームが示されている。第1及び第2インスタンス用のレート要求118及び122が示されている。そして、この図には、レート要求に応答するレート認可124も示されている。
【0051】
トラフィッククラス指示を有する逆方向フィードバックにより、分散型スケジューラ44は、ユーザの中のQoSレベルを弁別可能である。スケジューリングモードの選択に関しては、移動局は、中央集中型又は分散型スケジューリング環境のいずれかにおいて、そのバッファ内のデータ量及び/又は送信パワーを報告する。異なる方式で報告される唯一の制御情報は、SR_ID対トラフィッククラスである。サービスの接続又は設定の期間中に、ネットワーク、例えば、基地局又は基地局コントローラは、スケジューリングモードを示す。又、ネットワークは、情報を提供し、報告するべき内容、例えば、SR_ID又はトラフィッククラスのいずれかについて移動局に対して指示する。両方のスケジューラが一緒に配置されており、呼の期間中に切り換えが必要な場合には、基地局は、例えば、UHDM(Universal Handoff Direction Message:ユニバーサルハンドオフ指示メッセージ)又はサービス設定メッセージにより、報告フィールドを変更するように移動局に対して通知する。
【0052】
図6は、スケジューラの実装とソフト/非ソフトハンドオフの可能なシナリオの組み合わせを識別した図128を示している。4つのシナリオ132、134、136、及び138が可能である。
【0053】
通信サービスは、典型的な実装において逆方向リンク上に実現された1xEV−DV又は1xEV−DOデータサービスとして実装可能な様々なタイプの中のいずれかから構成されている。会話型、ストリーミング、対話型、及びバックグラウンドクラス、並びに、その他のもののいずれもが実装可能であり、本発明の実施例の動作に応じて円滑に実行される通信サービスを表している。会話型クラスは、双方向、低遅延、低データ損失率、及び遅延変動の影響を受けやすいという属性を具備している。ストリーミングクラスも同様であるが、これは、単方向であって、遅延の影響を受けにくい。ストリーミングクラスの通信サービスは、しばしば、広帯域幅を必要とする。通信サービスの対話型クラスは、双方向で、バースト型であり、可変帯域幅の要件を有し、遅延は、中程度であり、データ損失率も中程度であって、部分的に修正可能である。バックグラウンドクラスは、遅延とデータ損失については非常に耐性があり、バックグラウンドクラスは、可変帯域幅を呈する。
【0054】
図7は、図6のシナリオ1として識別されているシナリオ1の実装に応じて生成されるシグナリングを表す、参照符号132によって示されたメッセージシーケンス図を示している。移動局と様々な基地局26間において、信号144、146、148、152、及び154が伝送される。
【0055】
図8は、図6に識別されているシナリオ2の実装に対応するメッセージシーケンス図134を示している。信号156、158、及び162が示されており、これらは、移動局、基地局、及び基地局コントローラの間におけるシグナリングを識別している。
【0056】
図9は、図6に識別されている共通参照シナリオ実装に対応するメッセージシーケンス図136を示している。信号164、166、168、172、及び174が、移動局、基地局26、及び基地局コントローラ28間のシグナリングを表している。
【0057】
図10は、図6に示されている対応参照シナリオ4に対応する実装におけるシグナリングを表すメッセージシーケンス図138を示している。信号176、178、及び182が、移動局、基地局26、及び基地局コントローラ28の間において生成されるシグナリングを表している。
【0058】
従って、本発明の実施例の動作を通じ、QoS情報が移動局によって通信システムのネットワーク部分に対して提供され、所望のQoSレベルにおける逆方向リンクデータ通信サービスのスケジューリングが可能となる。レイヤ2シグナリングを使用してQoS要件についてネットワーク部分に通知することにより、リソース割当の迅速な実行が可能となり、通信サービスが円滑に実現される。
【0059】
以上の説明は、本発明を実装する好適な例に関するものであり、本発明の範囲は、必ずしも、この説明に限定されるものではない。本発明の範囲は、添付の請求項に規定されているとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施例が動作可能な無線通信システムの機能ブロック図を示す図である。
【図2】通信サービスの実現と関連したQoS(Quality of Service:サービス品質)制御の設計の際に考慮される要因の図を示している。
【図3】無線通信システムの典型的な実装による通信システムの無線ネットワーク部分に実現されたスケジューラの分散型スケジューリングアーキテクチャを示す図である。
【図4】別の典型的な実施例による図1に示されている通信システムのネットワーク部分に実現されたスケジューラの中央集中型スケジューリングアーキテクチャを示す図である。
【図5】本発明の実施例の典型的な動作の期間中に生成されるメッセージを示すタイミング図を示す図である。
【図6】図1に示されている無線通信システムの可能な実装及び動作のハンドオフ及びスケジューリングアーキテクチャの組み合わせを示す図である。
【図7】本発明の実施例の第1の典型的な動作の期間において生成されるシグナリングを表すメッセージシーケンス図を示す図である。
【図8】本発明の実施例の第2の典型的な動作の期間において生成されるシグナリングを表すメッセージシーケンス図を示す図である。
【図9】本発明の第3の典型的な動作の期間において生成されるシグナリングを表すメッセージシーケンス図を示す図である。
【図10】本発明の実施例の動作の期間において生成される第4の典型的なシグナリングを表すメッセージシーケンス図を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信サービスを実現するべく動作可能な通信機器用の装置であって、該通信機器は、上位論理レイヤ、下位論理レイヤ、及びこれらの間に位置する中間レイヤを含む論理レイヤを具備している、前記装置において、
前記通信機器の前記中間レイヤに実現されたサービス品質レベルセレクタであって、前記通信サービスが実現される選択されたサービス品質レベルを選択するサービス品質レベルセレクタ、
を備える装置。
【請求項2】
前記サービス品質レベルセレクタによって選択される前記サービス品質レベルは、前記通信サービスが実現される通信速度を有する請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記中間レイヤは、メディアアクセス制御レイヤからなり、前記サービス品質レベルセレクタは、前記MACレイヤに実現される請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記通信機器の前記中間レイヤに実現されたサービス品質指示メッセージ生成器を更に備え、該サービス品質指示メッセージ生成器は、前記通信サービスが実現される選択されたサービス品質レベルを示すサービス品質指示メッセージを生成し、該サービス品質指示メッセージは、中間レイヤメッセージを形成している請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記中間レイヤは、メディアアクセス制御レイヤからなり、前記サービス品質指示メッセージ生成器によって生成される前記サービス品質指示メッセージは、メディアアクセス制御レイヤメッセージからなる請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記通信サービスは、CDMA2000パケット通信サービスからなり、前記サービス品質指示メッセージは、前記CDMA2000パケット通信サービスが実現される前記サービス品質レベルを示す請求項4記載の装置。
【請求項7】
前記CDMA2000パケット通信サービスは、1xEV−DV通信サービスを有し、前記サービス品質指示メッセージ生成器によって生成される前記サービス品質指示メッセージは、前記1xEV−DVのCDMA2000パケット通信サービスが実現される前記サービス品質レベルを示す請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記CDMA2000パケット通信サービスは、1xEV−DO通信サービスからなり、前記サービス品質指示メッセージ生成器によって生成される前記サービス品質指示メッセージは、前記1xEV−DOのCDMA2000パケット通信サービスが実現される前記サービス品質レベルを示す請求項3記載の装置。
【請求項9】
前記通信サービスは、第1通信サービスインスタンスと第2通信サービスインスタンスとからなり、前記サービス品質指示メッセージ生成器は、前記第1通信サービスインスタンスが実現される第1の選択されたサービス品質レベルを識別するための第1サービス品質指示メッセージと、前記第2通信サービスインスタンスが実現される第2の選択されたサービス品質レベルを識別するための第2サービス品質指示メッセージを生成する請求項4記載の装置。
【請求項10】
前記通信機器は、逆方向リンクチャネルを規定するパケット無線通信システムの移動局を備え、前記逆方向品質指示メッセージは、前記逆方向リンクチャネル上において前記逆方向通信が実現される前記サービス品質レベルを示す請求項4記載の装置。
【請求項11】
前記通信サービスが実現される前記サービス品質レベルを示す前記サービス品質情報メッセージは、前記パケット無線通信システムが分散型スケジューリング構造から構成されている場合には第1情報を含んでいる請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記第1情報は、前記通信サービスを識別する識別子と送信パワーの指示とからなる請求項11記載の装置。
【請求項13】
前記通信サービスを識別する前記識別子は、トラフィッククラス指示からなる請求項12記載の装置。
【請求項14】
前記通信サービスが実現される前記サービス品質レベルを示す前記サービス品質情報メッセージは、前記パケット無線通信システムが中央集中型スケジューリングアーキテクチャから構成されている場合には第2情報を含んでいる請求項10記載の装置。
【請求項15】
前記第2情報は、前記通信サービスを識別する識別子とバッファの指示からなる請求項14記載の装置。
【請求項16】
前記通信サービスを識別する前記識別子は、サービス参照識別子からなる請求項15記載の装置。
【請求項17】
前記パケット無線通信システムは、順方向リンクチャネルを更に規定しており、前記装置は、前記移動局に実現される検出器を更に有し、該検出器は、前記パケット無線通信システムを構成しているスケジューリングアーキテクチャのタイプに関する、前記順方向リンク上において前記移動局に対して伝達される指示を検出する請求項10記載の装置。
【請求項18】
前記サービス品質指示メッセージ生成器によって生成される前記サービス品質指示メッセージは、前記検出器によって検出される前記指示に部分的に応答したレベルの値から構成されている請求項17記載の装置。
【請求項19】
パケット通信サービスが動作可能なパケット無線通信システムのネットワーク機器用の装置であって、
前記ネットワーク機器に実現され、前記通信サービスが実現される選択されたサービス品質レベルを示すサービス品質指示メッセージの前記ネットワーク機器における供給を検出するサービス品質指示メッセージ検出器であって、前記サービス品質指示メッセージは、中間レイヤメッセージを形成している、サービス品質指示メッセージ検出器、
を備える装置。
【請求項20】
通信機器による通信サービスの実現を円滑に実行する方法であって、
前記通信サービスが実現される選択されたサービス品質レベルを示すサービス品質指示メッセージを前記通信機器の中間レイヤにおいて生成する段階であって、前記サービス品質指示メッセージは、中間レイヤメッセージを形成している、段階と、
前記サービス品質指示メッセージ内に示されている前記選択された通信品質レベルにおける前記通信サービスのスケジューリングを可能にするために、前記生成段階の期間において、生成された前記サービス品質指示メッセージを送信する段階と、
を有する方法。
【請求項21】
前記通信機器は、無線通信システム内において動作可能であり、前記検出段階の前に、前記無線通信システム内のスケジューリングアーキテクチャの指示を検出する段階を更に有する請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記生成段階の期間において生成される前記サービス品質指示メッセージ内に含まれる情報は、前記検出段階の期間において実行された検出の内容に部分的に応答した値から構成されている請求項21記載の方法。
【請求項23】
ネットワーク部分を具備する無線通信システム内における通信サービスの実現を円滑に実行する方法であって、
前記通信サービスが実現される選択されたサービス品質レベルを通知するサービス品質指示メッセージの供給を前記ネットワーク部分において検出する段階と、
前記選択されたサービス品質レベルにおける前記通信サービスの実現を可能にするために通信リソースを選択的に割り当てる段階と、
を有する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−503173(P2007−503173A)
【公表日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524070(P2006−524070)
【出願日】平成16年8月18日(2004.8.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/027033
【国際公開番号】WO2005/020597
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(398012616)ノキア コーポレイション (1,359)
【Fターム(参考)】