説明

無線通信方法及び装置

【課題】複数の無線デバイスを含む無線通信ネットワークにおける信号中継方法を提供する。
【解決手段】方法は、複数の無線デバイスのうちの一つと複数の無線デバイスのうちの他の一つとの間の通信経路において信号を中継するために、複数の無線デバイスのうちの少なくとも一つによって実行され、該方法は、複数の無線デバイスのうちの一つから信号を受信することと、無線通信ネットワークの一部又は全部に関連するチャネル統計情報を判定することと、判定されたチャネル統計情報に基づいて、通信経路のためのアウテージ確率が予め定められた条件を満足するように、複数の予め定められた中継モードから、信号を中継するモードを選択することと、選択されたモードを使用して、複数の無線デバイスのうちの他の一つへ、信号を送信することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この出願は、2011年6月17日付け提出の英国特許出願第1110366.0号に基づくものであり、また、その優先権の利益を主張する。そして、その内容の全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本明細書で説明される実施形態は一般に無線通信ネットワークにおける中継局を介した無線通信に関係する。
【背景技術】
【0003】
近年では、無線中継ネットワークはポピュラーな研究領域になっている。これは、通信カバレッジを拡張し、チャネル容量を増加させ、リンク信頼性を改善するそれらの能力に起因する。2つのタイプの中継戦略がある:(1)復号転送(DF)中継(decode-and- forward relay)(それによって、中継局により、受信信号が、復号され、再符号化され、そして、転送される)、及び、(2)増幅転送(AF)中継(amplify-and-forward relay)(それによって、受信信号が、単に増幅され、そして、ネットワーク中の他の無線デバイス又は他の中継局に転送される)。DFスキームは、一般に、DFスキームの下で必要とされる計算量を提供可能な専用の中継局(例えば、3GPP LTE−Advancedの及びIEEE 802.16jのシステムにおいて動作する中継局)で使用される。しかし、AFスキームは、一般に、バッテリーで動作するデバイス(例えば、送信すべきそれら自身のデータを通常有し、その中継動作の計算量を最小限に保つ必要のあるデバイスなど)(例えば、スマート・グリッド及びセンサー・ネットワークにおけるノード)に好ましい。
【0004】
AF中継スキームは、固定ゲイン増幅と可変ゲイン増幅にさらに分類することができる。これらの2つのカテゴリーの相違は、固定ゲイン増幅は平均受信チャネル電力に基づくのに対して、可変ゲイン増幅は瞬時受信チャネル電力に基づくということである。単一の中継経路をもつマルチホップAFネットワークにおいて、可変ゲインAF中継スキームは、固定ゲインAF中継スキームより、かなり性能が優れている。しかし、可変ゲインAF中継スキームにおいて、瞬時チャネル状態情報(CSI)を判定するために、チャネル推定が中継ノードの各々により実行される必要がある。そのような中継ノードは、一般に、CSI支援AFリレーとも呼ばれる。したがって、固定ゲインAF中継ノードと比較して、可変ゲインAF中継ノードの計算量はチャネル推定の必要性のためにかなり高い。固定ゲインAF中継スキーム(それは一般に非再生中継スキームとしても知られている)は、低計算量システム(例えば、工業用無線センサー・ネットワークだけでなく新生のエネルギー及びユーティリティ管理アプリケーションなど)において広く適用されてきた。
【図面の簡単な説明】
【0005】
以下の添付の図面を参照しながら実施形態がこれから説明される。
【図1】図1は、実施形態に従ってマルチホップ中継ネットワークを示す。
【図2】図2は、実施形態を組み込んでいる例示的な中継局を示す。
【図3】図3は、実施形態に従って一つのフェイズから他のフェイズへ中継されている信号を示す。
【図4】図4は、他の実施形態に従って一つのフェイズから他のフェイズへ中継されている信号を示す。
【図5】図5は、実施形態に従って転送/受信モードを選択するステップを示す。
【図6】図6は、他の実施形態に従って転送/受信モードを選択するステップを示す。
【図7】図7は、中継フェイズにおいて中継ノードの各々に強いられる遅延の比較グラフを示す。
【図8】図8は、実施形態に従って、選択された単一の中継経路をもつマルチホップ中継ネットワークを示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の各段落で添付された各図に基づき特定の実施形態がより詳細に説明される。これはただ例としてであって、求められる保護の範囲に対する制限を示すものとしても見られるべきでないことは認識されるであろう。
【0007】
一つの実施形態において、複数の無線デバイスを含む無線通信ネットワークにおける信号中継方法において、該方法は、上記複数の無線デバイスのうちの一つと上記複数の無線デバイスのうちの他の一つとの間の通信経路において信号を中継するために、上記複数の無線デバイスのうちの少なくとも一つによって実行され、該方法は、上記複数の無線デバイスのうちの上記一つから信号を受信することと、上記無線通信ネットワークの一部又は全部に関連するチャネル統計情報を判定することと、上記判定されたチャネル統計情報に基づいて、上記通信経路のためのアウテージ確率が予め定められた条件を満足するように、複数の予め定められた中継モードから、上記信号を中継するモードを選択することと、上記選択されたモードを使用して、上記複数の無線デバイスのうちの上記他の一つへ、信号を送信することを含む方法が提供される。
【0008】
上記信号を中継するモードを選択するステップは、上記アウテージ確率に対する制約を条件として、上記無線通信ネットワークの少なくとも一つのパラメータが最適化されるように実行されても良い。
【0009】
上記複数の無線デバイスのうちの上記一つから上記複数の無線デバイスのうちの上記他の一つへ上記信号を中継するための少なくとも一つの更なる通信経路が提供され、該方法は、上記アウテージ確率に対する制約を条件として、上記少なくとも一つの更なる通信経路が更なる予め定められた条件を満足する場合に、上記少なくとも一つの更なる通信経路を選択するステップを更に含んでも良い。
【0010】
一つの実施形態において、上記予め定められた条件を満足する上記通信経路に関する上記アウテージ確率が、上記無線デバイスのうちの上記少なくとも一つにより維持されることができるかどうかを定義する信頼性レベルに基づいて、上記複数の無線デバイスのうちの更なる一つと共同中継を実行するステップが提供されても良い。
【0011】
他の実施形態において、該方法は、上記信頼性レベルに基づいて遅延を決定することを更に含んでも良い。ここで、上記遅延は、上記無線デバイスのうちの上記少なくとも一つが、上記複数の無線デバイスのうちの上記更なる一つとの上記共同中継が要求されるかどうか判断するタイムインターバルを規定する。
【0012】
上記信号を中継する方法は、以下のモードのいずれか一つを含んでも良い:
(a)最大比送信又は受信合成;
(b)無線周波数又はデジタル・ビームフォーミング;
(c)局所化された又は分散された空間−時間符号化;又は、
(d)繰り返し符号化
他の実施形態に従って、複数の無線デバイスを含む無線通信ネットワークにおいて信号を中継するための中継装置において、該中継装置は、上記複数の無線デバイスのうちの一つと上記複数の無線デバイスのうちの他の一つとの間の通信経路において信号を中継するように構成され、該中継装置は、上記複数の無線デバイスのうちの上記一つから信号を受信するための受信機と、上記無線通信ネットワークの一部又は全部に関連するチャネル統計情報を判定するための手段と、上記判定されたチャネル統計情報に基づいて、上記通信経路のためのアウテージ確率が予め定められた条件を満足するように、複数の予め定められた中継モードから、上記信号を中継するモードを選択するためのセレクターと、上記選択されたモードを使用して、上記複数の無線デバイスのうちの上記他の一つへ、信号を送信するための送信機とを含む中継装置が提供される。
【0013】
上記セレクターは、上記アウテージ確率に対する制約を条件として、上記無線ネットワークの少なくとも一つのパラメータが最適化されるように、上記信号を中継するモードを選択するように構成されても良い。
【0014】
上記複数の無線デバイスのうちの上記一つから上記複数の無線デバイスのうちの上記他の一つへ上記信号を中継するための少なくとも一つの更なる通信経路が提供され、上記セレクターは、上記アウテージ確率に対する制約を条件として、上記少なくとも一つの更なる通信経路が更なる予め定められた条件を満足する場合に、上記少なくとも一つの更なる通信経路を選択するように更に構成されても良い。
【0015】
一つの実施形態において、該中継装置は、予め定められた条件を満足する上記通信経路に関する上記アウテージ確率が、上記中継装置により維持されることができるかどうかを定義する信頼性レベルに基づいて、上記複数の無線デバイスのうちの更なる一つと共同中継を実行するように更に構成されても良い。
【0016】
他の実施形態において、該中継装置は、上記信頼性レベルに基づいて遅延を決定するための手段を更に含んでも良い。ここで、上記遅延は、上記中継装置が、上記複数の無線デバイスのうちの上記更なる一つとの上記共同中継が要求されるかどうか判断するタイムインターバルを規定する。
【0017】
上記信号を中継する方法は、以下のモードのいずれか一つを含んでも良い:
(a)最大比送信又は受信合成;
(b)無線周波数又はデジタル・ビームフォーミング;
(c)局所化された又は分散された空間−時間符号化;又は、
(d)繰り返し符号化
他の実施形態に従って、複数の無線デバイスを含む無線通信システムにおいて、上記複数の無線デバイスのうちの少なくとも一つは、通信経路上で上記複数の無線デバイスのうちの一つと上記複数の無線デバイスのうちの他の一つとの間に信号を中継するように動作可能であり、上記複数の無線デバイスのうちの上記少なくとも一つは、上記複数の無線デバイスのうちの上記一つから信号を受信するための受信機と、上記無線通信ネットワークの一部又は全部に関連するチャネル統計情報を判定するための手段と、上記判定されたチャネル統計情報に基づいて、上記通信経路のためのアウテージ確率が予め定められた条件を満足するように、複数の予め定められた中継モードから、上記信号を中継するモードを選択するためのセレクターと、上記選択されたモードを使用して、上記複数の無線デバイスのうちの上記他の一つへ、信号を送信するための送信機とを含む無線通信システムが提供される。
【0018】
一つの実施形態は、コンピュータにより実行されるときに、上に示されるような方法をコンピュータに実行させるコンピュータ実行可能なインストラクションを含むコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、記憶媒体又は信号媒体であり得るキャリア媒体において具体化されても良い。記憶媒体は、光学記憶手段(又は磁気記憶手段)、又は電子記憶手段を含んでも良い。
【0019】
説明される諸実施形態は、特定のハードウェア・デバイス、ソフトウェアにより構成された汎用デバイス、又は両方を組み合せたものに組み込むことができる。諸態様は、完全なソフトウェア実装として、或いは、既存のソフトウェアの修正又は機能強化のためのアドオン・コンポーネント(例えばプラグイン)として、ソフトウェア製品において具体化することができる。そのようなソフト製品は、例えば、記憶媒体(例えば、光ディスク、又は、FLASHメモリなどのような大容量記憶メモリ、など)又は信号媒体(例えばダウンロードなど)のようなキャリア媒体において具体化することができる。実施形態に適した特定のハードウェア・デバイスは、例えばASIC、FPGA又はDSPのような、アプリケーションに特有のデバイス、或いは、他の専用の機能ハードウェア手段を含むことができる。ソフトウェア又はハードウェアにおける前述の実施形態の議論が、まだ発見又は定義されていない実行の手段に関する発明の将来の実装を制限するものではないことを読者は理解するであろう。
【0020】
マルチホップ中継ネットワークは、例えばセルラー・ネットワーキング及びスマート・メーターICT(Information and Communications Technology)(情報及び通信技術)インフラストラクチャーなどのようなアプリケーションのために、最近、かなりの注目を集めている。図1に、単一の中継経路をもつマルチホップ中継ネットワークの概略図が示される。この例では、ホップ(又は、フェイズ)Nの数は4であり、中継ノードの数N−1は3である。図1において、各列に示される各円は、ネットワーク中のノードを表す。各列は、送信元ノードSから中継ノード(R11、R12又はR13)と(R21又はR22)と(R31又はR32)を経由して宛先ノードDまで信号を中継する異なるフェイズを表す。この例では、隣接ノード間に直接通信が確立されることが示されているが、非隣接ノード間にも直接通信が確立されることができることを当業者は認識するであろう。
【0021】
各ノードは、いくつかの物理レイヤ変調、符号化、ダイバーシティー合成、プリコーディング及び電力負荷スキームのうちの一つを使用して信号を送信及び/又は受信する能力をもつ。各中継ノードにおいて信号を受信し転送するために使用される方法は、本明細書では中継転送/受信モード(relay forwarding/reception mode)と呼ばれる。さらにまた、送信元ノードと宛先ノードとの間に利用可能な2以上の中継経路が存在することが有り得ることが認識される。それゆえ、送信元ノードから宛先ノードまで信号を中継するために適した経路を判定するためにルーティング・プロトコルが提供されることができる。
【0022】
後の段落で説明されるように、中継転送/受信モード及びルーティング・プロトコルは、無線通信ネットワークの状態に基づいて選択することができる。無線通信ネットワークの状態の一つの例は、ネットワークのエンドツーエンドのアウテージ確率である。
【0023】
図1で示すように、マルチホップネットワークの第nのフェイズにはb個の利用できるリレーが存在する。第nのフェイズにおける第jのリレーの各々は、tn,j個の送信アンテナ及びrn,j個の受信アンテナが提供される。この例では、各中継ノードにおける送信アンテナの数と受信アンテナの数は等しい(すなわち、tn,j=rn,jである)。さらに、送信元ノードSにおける送信アンテナはt0として示され、宛先ノードDにおける受信アンテナはrN+1として示される。したがって、図1のマルチホップ中継ネットワークでは、N=4、b1=3、b2=b3=2、t0=t1,1=t1,3=t3,1=t3,2=1,t1,2=t2,1=t2,2=r4=2、tn,j=rn,jである。
【0024】
図1では、フェイズ1において、信号が生成され、送信元ノードSから第1の中継ノードR11,R12及びR13のうちの一つへ送信される。フェイズ2において、一旦、信号が第1の中継ノードのうちの一つによって受信され、該信号は、処理されて、次の隣接ノードR21又はR22に転送される。信号が宛先ノードDにより受信されるまで、同一のプロセスが続く。
【0025】
この例では、中継ノードの各々は、通信ネットワーク中の様々なノード間のリンクに対応するチャネル統計情報を取得する能力を有すると仮定される。チャネル統計情報を取得する任意の適した方法が使用されても良いことは当業者により認識されるであろう。したがって、中継ノードによるチャネル統計情報の取得の詳細は説明されない。
【0026】
一つの実施形態に従って、送信元ノードと宛先ノードとの間の通信リンクのエンドツーエンドのアウテージ確率が、予め定められた基準又は閾値を満たすように、各々のフェイズにおいて各々の適した転送/受信モードを選択するために、チャネル統計情報が使用される。
【0027】
一つの実施形態では、非再生中継スキームが使用される。すなわち、各々の中継ノードは、信号を受信し、固定ゲインによりそれを増幅し、そして、増幅された信号を、次の中継フェイズにおける一つの中継ノードに送信する。そのような中継スキームは、本明細書では固定ゲイン増幅転送中継スキーム(fixed gain amplify-and-forward relay scheme)(FAF)と呼ばれる。そのようなスキームの下で、エンドツーエンドのアウテージ確率は、次のように表すことができる。
【数1】

【0028】
ここで、CはNに依存する定数であり、Pはエンドツーエンドのアウテージ確率への第nのリンクの寄与を意味する。
【0029】
式(1)のエンドツーエンドのアウテージ確率Poutが、(ここで分離特性として示される)N個の項(すなわち、適した転送/受信モードが各々のフェイズで独立して選択されるのを可能にするためにネットワーク中の各ホップごとに1つ)に分解できることを当業者は理解するであろう。
【0030】
最も一般的なフェーディング・プロセスを経験する均質なFAFネットワークに関する高いCINRでのエンドツーエンドのアウテージ確率は、以下の式で与えられる。均質性は、ここではネットワーク中のすべてのホップが同一のタイプのフェーディングを経験する状態として定義されるが、必ずしも同一の分布パラメータをもつとは限らない(例えば、すべてのホップがNakagami−mフェーディングを経験しても良く、その場合に、形状パラメータmは各々のホップについて同一であるが、スケール・パラメータθnは各ホップごとに異なる)。
【数2】

【0031】
ここで、mとθはそれぞれのフェーディング分布についての形状及びスケール・パラメータをそれぞれ意味し、KはRician Kファクター(すなわち、準支配的な散乱経路の平均チャネルゲインに対する支配的な経路に対応するチャネルゲインの比率)を意味し、Aは第nのリレーの固定増幅係数であり(そして、A=1は、送信元ノードの増幅係数である)、q(0≦q≦1)はHoyt qのパラメータであり、ρはアウテージ閾値(エンドツーエンドのCINRがこの閾値を満たさないならば、システムはアウテージであるであろう)であり、γはホップごとの平均のCINRである。
【0032】
不均質なネットワークに関するアウテージ確率のより一般的な式が利用できることは認識されるであろう。しかし、上記の表現は、FAFネットワークにおけるアウテージ確率の分離特性の具体例を与える。
【0033】
他の実施形態において、再生中継スキームが使用される。すなわち、各々の中継ノードは、信号を受信し、適切な復号化技術を用いてそれを復号化し、再符号化し、(固定又は可変)ゲインによりそれを増幅し、そして、増幅された信号を、次の中継フェイズにおける一つの中継ノードに送信する。そのような再生中継スキームは、本明細書では復号転送(DF)スキーム(decode-and forward relay scheme)と呼ばれる。DF中継スキームを使用する無線通信ネットワークにおいて、エンドツーエンドのアウテージ確率Poutは、以下のように表すことができる。
【数3】

【0034】
ここで、Pは、第nの通信リンクのアウテージ確率を意味する。分離特性がDF中継スキームにも適合することに留意される。それゆえ、各々のホップを独立して考慮することによって、エンドツーエンドのアウテージ確率を最小にするために、適切な転送/受信モード又は適した中継経路を選択することができる。例えば、レイリー・フェーディングの単一入力単一出力チャネルにおいて、P及び対応するPoutは、以下のように表すことができる。
【数4】

【0035】
ここで、μは第nのチャネルの平均フェーディング・ゲインを意味し、ρはアウテージ閾値である。
【0036】
図2は、(ソフトウェア、又は、アプリケーションに特有のハードウェア・コンポーネントによって)中継装置100として動作可能に構成されたハードウェアを概略的に示す。
【0037】
図2に示される中継装置100は、一般に、1又は複数の他のデバイスとの通信チャネルを確立するのに用いることができ、そして、特定の実施形態に従ったものである。中継装置の実際の実装は、それが任意の通信デバイス(例えば、基地局又はユーザ端末など)で有り得るという点で、非特有(non-specific)であると、読者は認識するであろう。
【0038】
装置100は、ワーキングメモリ124に記憶された及び/又は大容量記憶デバイス122から検索可能なマシンコードインストラクションを実行するように動作可能なプロセッサ120を含む。ユーザ操作可能な入力デバイス136は、汎用バス130を用いて、プロセッサ120と通信することができる。ユーザ操作可能な入力デバイス136は、この例では、キーボード及びマウスを含むが、例えば他の種類のポインティング・デバイス、ライティング・タブレット、音声認識手段又はユーザ入力動作を解釈又は変換してデータ信号にすることができる任意の他の手段などのような、任意の他の入力デバイスもまた備え得ることは認識されるであろう。
【0039】
オーディオ/映像出力ハードウェア・デバイス138が、ユーザへの情報の出力のために、汎用バス130に更に接続される。オーディオ/映像出力ハードウェア・デバイス138は、表示装置、スピーカ又はユーザに情報を提示することができる任意の他のデバイスを含むことができる。
【0040】
通信ハードウェア・デバイス132(それは汎用バス130に接続される)は、アンテナ134に接続される。図2に示される実施形態では、ワーキングメモリ124は、プロセッサ120により実行されるときに、ユーザへ/からのデータの通信を可能にするユーザ・インタフェースの設立をもたらすユーザ・アプリケーション群126を記憶する。この実施形態のアプリケーションは、ユーザにより習慣的に用いられ得る汎用又は特定のコンピュータ実装されたユーティリティを設立する。
【0041】
また、アプリケーション群126のうちの一つのアプリケーションの実行において生成されるデータが、処理され、そして、他の通信デバイスとの伝送及び通信のために通信ハードウェア・デバイス132に渡されるのを可能にする通信プロトコルを確立するために、特定の実施形態に従う通信ファシリティー128が、ワーキングメモリ124に記憶される。アプリケーション群126及び通信ファシリティー128を規定するソフトウェアは、便宜上、ワーキングメモリ124及び大容量記憶デバイス122に部分的に記憶されても良いことが理解されるであろう。これを効率的に管理するのを可能にするために、ワーキングメモリ124及び大容量記憶デバイス122に記憶されるデータに対する有り得る異なるアクセス速度を考慮して、任意的にメモリ・マネージャーが提供されることができるであろう。
【0042】
通信ファシリティー128に対応するプロセッサ実行可能なインストラクションをプロセッサ120により実行する際に、プロセッサ120は、認められた通信プロトコルに従って、他のデバイスとの通信を確立するように動作可能である。
【0043】
通信ファシリティー128は、別個のソフトウェア要素として示されているが、ソフトウェアがいくつかの異なる方法でコンピュータに導入されることができることを読者は認識するであろう。例えば、記憶されたインストラクションをコンピュータへ転送することができるように、記憶媒体で構成されるコンピュータプログラム製品をコンピュータに導入することができる。同様に、そのようなインストラクションを担う信号を、コンピュータに送信することができる。さらに、コンピュータプログラム製品を導入する際に、ソフトウェアの一部がいくつかのコンポーネントで構成されていることがあり、その幾つかは新しいものであることがあり、そして、その他のものはすでにコンピュータに提供されていると仮定され得ることを読者は認識するであろう。例えば、コンピュータは、既知のタイプのオペレーティング・システムを供給されると合理的に仮定されても良く、また、コンピュータプログラムは、そのようなオペレーティング・システムの存在に基づいて開発されても良い。そのように開発されるコンピュータプログラムとオペレーティング・システムのファシリティーとの間の相互関係は、例えば図2に示されるような通信ファシリティー要素を明確にするであろう。それゆえ、任意のコンピュータプログラム製品が、新しい独立型製品として又は既存の製品へのプラグインとして開発されても良い。
【0044】
中継転送/受信モード
いくつかの転送/受信モードは、中継ネットワークにおける統計的なチャネル知識の有り得る所与の様々な程度にある点に留意される。
【0045】
中継転送/受信モードの例は、以下を含むが、これに限定されるものではない:
・最大比送信又は受信合成;
・無線周波数(RE)又はデジタル・ビームフォーミング;
・局所化された又は分散された空間−時間符号化;及び、
・繰り返し符号化。
【0046】
上記の転送/受信モードの各々は異なるアウテージ・パフォーマンス特性をもたらす点に留意される。実質的に、これらのモードは、ネットワークのチャネル特性を変えることができる。例えば、図3を参照して、中継フェイズ(n=3)のアンテナを1つもつ中継ノードR31が、中継フェイズ(n=4)のアンテナを1つもつ単一の中継ノードR42に、大量の散乱を経験する非照準線(NLOS)チャネルを通してメッセージを送信するならば、アンダーライング・チャネルは、特定の平均チャネルゲインをもつレイリー・フェーディング・モデルに従うであろう。しかし、図4で示すように、空間−時間ブロック符号(例えば、Alamouti符号)を使用してメッセージを符号化し、そして、この符号化されたメッセージを、中継フェイズ(n=4)の単一アンテナのノードR42へ運ぶために、中継フェイズ(n=3)で2つの中継ノードR31とR32(それぞれ単一のアンテナをもつ)が協調するならば、結果として生じる等価なチャネル統計は、Nakagami−mフェーディング・モデル(ここで、m=2は、この場合、形状パラメータである)に従うであろう。あるいは、ビームフォーミング・アプローチは、Rician分布に似ている統計チャネル・モデルを潜在的にもたらすであろう。
【0047】
グローバルな統計知識を用いた中継転送/受信モードの選択
実施形態では、各々の中継フェイズの各々のノードは、中継ネットワーク全体にわたったチャネル統計情報についてのグローバルな知識を有する。これは、各々のフェイズでの適した転送/受信モード選択するために最適化手続きが実行されることを可能にする。それゆえ、システム資源の利用(例えば、各々のフェイズで使用されるノードの数など)を、(最大許容アウテージ確率を条件として)最小化することができる。あるいは、ネットワークで送信される全電力を、(アウテージ確率に対する制約を条件として)最小化することもできる。
【0048】
一つの例において、目標は、エンドツーエンドのアウテージ確率を最小にすることであり、ネットワーク中のフェイズ間リンクに関するフェーディング・チャネルの統計は、ネットワーク中の中継ノードにより得られた。リンクごとのチャネル電力は、この例では、レイリー・フェーディング(すなわち、Nakagami−1)プロファイルに従う。低アウテージ確率の通信を容易にするために、レイリー・フェーディング(すなわち、Nakagami−m、ここでm>1)よりも適した等価なチャネル統計が達成できるように、各々の中継フェイズの中継ノードは、送信の前に空間−時間ブロック・コードを使用してメッセージを符号化し、そして、最大比受信合成(MRRC)を使用して信号を復号化するために、互いに協調する。
【0049】
図5は、上記の実施形態に従ってマルチホップ通信ネットワークにおいて受信信号を中継するステップを示す。
【0050】
ステップS5−1:中継フェイズを初期化する(n=1)。
【0051】
ステップS5−2:第nのフェイズの中継ノードにより信号が受信されると、本方法が開始する。
【0052】
ステップS5−3:中継ネットワーク全体にわたるグローバルなチャネル統計情報を判定する。
【0053】
ステップS5−4:ステップS5−3で取得された判定されたチャネル統計情報に基づいて、ネットワーク全体にわたるすべての中継フェイズについて、目標のエンドツーエンドのアウテージ確率制約を達成する受信転送モードを判定する。
【0054】
ステップS5−5:目標のエンドツーエンドのアウテージ確率制約を満足する2以上の転送/受信モードが利用できるかどうか判定する。
【0055】
肯定の場合には、以下のステップが実行される。
【0056】
ステップS5−6:ネットワーク・パラメータのうちの少なくとも一つを最適化するモードを選択する。例えば、該モードはまた、現在のフェイズにおいて最少の数の資源(例えば、中継ノード)が利用されることを可能にする。
【0057】
そうでない場合には、ステップS5−7を実行して、唯一の利用できるモードを選択する。
【0058】
ステップS5−8:受信信号を処理し、それを、選択された転送/受信モードを使用して次のノードに転送する。
【0059】
ステップS5−9:後続のノードが宛先ノードであるかどうか調べる。そうでなければ、ステップS5−10を実行して、ステップS5−2〜S5−8を繰り返す。
【0060】
ローカルな統計知識を用いた中継転送/受信モードの選択
この例では、中継フェイズの中継ノードの各々は、その現在の中継フェイズと前のフェイズとの間のリンク及びその現在のフェイズと後続のフェイズとの間のリンクに対応するチャネル統計の情報を取得する。中継転送/受信モードの選択は、諸フェイズにおいて、第1の中継フェイズから宛先ノードの前の中継フェイズまで、シーケンシャルに実行される。
【0061】
一つの実施形態では、各フェイズにおける転送/受信モードの選択は、すべての中継フェイズが現在のフェイズと同じ統計特性を有すると仮定することによって実行される。あらゆるフェイズが同一の転送/受信モードを使用するものと更に仮定される。そして、目標のエンドツーエンドのアウテージ確率を達成するために、適切な転送/受信モードが選択される。アウテージ確率条件を満足する2以上の転送/受信モードが利用できる場合には、一つのオプションは、最少の数の利用されている資源(例えば、中継ノード)をもたらすモードを選択することである。また、他のオプションが利用できることは当業者により認識されるであろう。
【0062】
図6は、上記の実施形態に従ってマルチホップ通信ネットワークにおいて受信信号を中継するステップを示す。
【0063】
ステップS6−1:中継フェイズを初期化する(n=1)。
【0064】
ステップS6−2:第nのフェイズの中継ノードにより信号が受信されると、本方法が開始する。
【0065】
ステップS6−3:第n−1と第nの中継フェイズの間の通信リンク及び第n番と第n+lの中継フェイズの間の通信リンクに関するチャネル統計情報を判定する。
【0066】
ステップS6−4:ステップS6−3で取得された判定されたチャネル統計情報に基づいて、すべての先行及び後続するチャネル統計が現在の中継フェイズにおいて取得されるそれらと同一であると仮定して、目標のエンドツーエンドのアウテージ確率制約を達成する受信転送モードを判定する。
【0067】
ステップS6−5:目標のエンドツーエンドのアウテージ確率制約を満足する2以上の転送/受信モードが利用できるかどうか判定する。
【0068】
肯定の場合には、以下のステップが実行される。
【0069】
ステップS6−6:ネットワーク・パラメータのうちの少なくとも一つを最適化するモードを選択する。例えば、該モードはまた、最少の数の資源(例えば、中継ノード)が利用されることを可能にする。
【0070】
そうでない場合には、ステップS6−7を実行して、唯一の利用できるモードを選択する。
【0071】
ステップS6−8:受信信号を処理し、それを、次のノードに転送する。
【0072】
ステップS6−9:後続のノードが宛先ノードであるかどうか調べる。さもなければ、ステップS6−10を実行して、ステップS6−2〜S6−8を繰り返す。
【0073】
同一のフェイズにおける中継ノード間の協調
以前の段落に記載されているように、一つの中継フェイズにおける各中継ノードはまた、適した転送/受信モードを選択するために、互いに協調することができる。互いに協調する前に、中継ノードは、最初に、要求されたエンドツーエンドのアウテージ制約が協調なしでもなお満足されることができるかどうか、判定する。したがって、各々のフェイズにおいて、中継ノードが、そのような協調が要求されるかどうか決定できるように、短期間の「予約された」時間が、信号の受信の上に提供され、それによって、遅延の後に、現在のフェイズの各々のノードが、受信信号を転送するであろう。
【0074】
一つの実施形態では、遅延は、受信信号がそのような協調なしで転送されることができ且つ要求されるエンドツーエンドのアウテージ確率制約をなお満足することができるという信頼性のレベルに基づいて判定される。それゆえ、高い信頼性レベルをもつ中継ノードが、同一の中継フェイズにおける他の中継ノードの前に受信信号を転送することができるように、該高い信頼性レベルをもつ中継ノードに短い遅延を割り当てることができ、それによって、効率的な伝送をもたらす。
【0075】
したがって、一つの中継フェイズにおける第jのノードに対する信頼性レベルC≧0が定義可能である。遅延dは、cに反比例するように規定される。図6に、そのような順序付けられた遅延アプローチの説明図が示されている。図6は、同一の中継フェイズにおける4つの中継ノードの例を示す(ここで、c>c>c3>c4)。それゆえ、それぞれの中継ノードの遅延の関係は、d<d<d<dである。あるいは、各々の中継ノードに強いられる遅延はまた、疑似乱数パターンに従うことができる。
【0076】
マルチホップ通信ネットワークを介した経路の選択
上記の実施形態は、送信元ノードから宛先ノードまで信号を中継するための中継経路を選択することに拡張することができる。例えば、二つの経路がネットワークを介して利用できるならば、該経路は、エンドツーエンドのアウテージ確率を最小にし、及び/又は、アウテージ確率に対する制約を条件として、いくつかの予め定められた基準を満たすものである。他の例は、エンドツーエンドのアウテージ確率を満足するという条件の下で選択可能な最小の数の中継ノードをもつ経路である。他の例において、フェーディング・プロセスは、あらゆるリンクについて同一であり、マルチホップ経路のためのフェーディング・プロセス(j=1)は、より良い統計特性を示す。したがって、j=1の経路(S−R11−R21−R31−D)は、図7で示すように選択される。
【0077】
上記の実施形態は、再生及び非再生中継スキームの下で分離特性を利用することによって、プロセッサ集約型のオペレーションを回避する。さらにまた、上記の実施形態は、適した中継転送/受信方法及びルーティング・プロトコルを選択するために、例えばチャネル転送特性及び平均CINR(Carrier-to-interference-plus-noise ratio)(キャリア対干渉雑音比)のような、ネットワーク・パラメータの統計情報を利用する。それゆえ、例えば瞬時CINR及びチャネル転送係数のような、支配的な通信ネットワーク状態についての瞬時的な知識は、要求されない。これは、ネットワーク中の中継ノードがそのような情報で更新される必要がないので有利であり、それで、ネットワークのオーバーヘッドをかなり低減することができる。
【0078】
特定の実施形態が説明されたが、これらの実施形態はただ例として提示されたものであり、本発明の範囲を制限することが意図されるものではない。実際に、本明細書で説明された新しい方法、デバイス及びシステムは、種々の他のフォームで表現されても良い;さらに、本明細書で説明される方法、デバイス及びシステムの形の様々な省略、置き換え及び変形が本発明の趣旨を逸脱しない範囲でなされても良い。添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物は、本発明の範囲及び趣旨に含まれるであろうそのようなフォーム又は変形をカバーすることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の無線デバイスを含む無線通信ネットワークにおける信号中継方法において、該方法は、前記複数の無線デバイスのうちの一つと前記複数の無線デバイスのうちの他の一つとの間の通信経路において信号を中継するために、前記複数の無線デバイスのうちの少なくとも一つによって実行され、該方法は、
前記複数の無線デバイスのうちの前記一つから信号を受信することと、
前記無線通信ネットワークの一部又は全部に関連するチャネル統計情報を判定することと、
前記判定されたチャネル統計情報に基づいて、前記通信経路のためのアウテージ確率が予め定められた条件を満足するように、複数の予め定められた中継モードから、前記信号を中継するモードを選択することと、
前記選択されたモードを使用して、前記複数の無線デバイスのうちの前記他の一つへ、信号を送信することを含む方法。
【請求項2】
前記信号を中継するモードを選択することは、前記アウテージ確率に対する制約を条件として、前記無線通信ネットワークの少なくとも一つのパラメータが最適化されるように実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の無線デバイスのうちの前記一つから前記複数の無線デバイスのうちの前記他の一つへ前記信号を中継するための少なくとも一つの更なる通信経路が提供され、
前記アウテージ確率に対する制約を条件として、前記少なくとも一つの更なる通信経路が更なる予め定められた条件を満足する場合に、前記少なくとも一つの更なる通信経路を選択するステップを更に含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記予め定められた条件を満足する前記通信経路に関する前記アウテージ確率が、前記無線デバイスのうちの前記少なくとも一つにより維持されることができるかどうかを定義する信頼性レベルに基づいて、前記複数の無線デバイスのうちの更なる一つと共同中継を実行することを更に含む、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記信頼性レベルに基づいて遅延を決定することを更に含み、
前記遅延は、前記無線デバイスのうちの前記少なくとも一つが、前記複数の無線デバイスのうちの前記更なる一つとの前記共同中継が要求されるかどうか判断するタイムインターバルを規定する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記信号を中継する前記モードは、以下のモードのうちのいずれか一つを含む、
(a)最大比送信又は受信合成;
(b)無線周波数又はデジタル・ビームフォーミング;
(c)局所化された又は分散された空間−時間符号化;又は、
(d)繰り返し符号化
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
複数の無線デバイスを含む無線通信ネットワークにおいて信号を中継するための中継装置において、該中継装置は、前記複数の無線デバイスのうちの一つと前記複数の無線デバイスのうちの他の一つとの間の通信経路において信号を中継するように構成され、該中継装置は、
前記複数の無線デバイスのうちの前記一つから信号を受信するための受信機と、
前記無線通信ネットワークの一部又は全部に関連するチャネル統計情報を判定するための手段と、
前記判定されたチャネル統計情報に基づいて、前記通信経路のためのアウテージ確率が予め定められた条件を満足するように、複数の予め定められた中継モードから、前記信号を中継するモードを選択するためのセレクターと、
前記選択されたモードを使用して、前記複数の無線デバイスのうちの前記他の一つへ、信号を送信するための送信機とを含む中継装置。
【請求項8】
前記セレクターは、前記アウテージ確率に対する制約を条件として、前記無線ネットワークの少なくとも一つのパラメータが最適化されるように、前記信号を中継するモードを選択するように構成される、請求項7に記載の中継装置。
【請求項9】
前記複数の無線デバイスのうちの前記一つから前記複数の無線デバイスのうちの前記他の一つへ前記信号を中継するための少なくとも一つの更なる通信経路が提供され、
前記セレクターは、前記アウテージ確率に対する制約を条件として、前記少なくとも一つの更なる通信経路が更なる予め定められた条件を満足する場合に、前記少なくとも一つの更なる通信経路を選択するように更に構成される、請求項7または8に記載の中継装置。
【請求項10】
予め定められた条件を満足する前記通信経路に関する前記アウテージ確率が、前記中継装置により維持されることができるかどうかを定義する信頼性レベルに基づいて、前記複数の無線デバイスのうちの更なる一つと共同中継を実行するように更に構成される、請求項7ないし9のいずれか1項に記載の中継装置。
【請求項11】
前記信頼性レベルに基づいて遅延を決定するための手段を更に含み、
前記遅延は、前記中継装置が、前記複数の無線デバイスのうちの前記更なる一つとの前記共同中継が要求されるかどうか判断するタイムインターバルを規定する、請求項10に記載の中継装置。
【請求項12】
前記信号を中継する前記モードは、以下のモードのうちのいずれか一つを含む
(a)最大比送信又は受信合成;
(b)無線周波数又はデジタル・ビームフォーミング;
(c)局所化された又は分散された空間−時間符号化;又は、
(d)繰り返し符号化
請求項7ないし11のいずれか1項に記載の中継装置。
【請求項13】
複数の無線デバイスを含む無線通信システムにおいて、前記複数の無線デバイスのうちの少なくとも一つは、通信経路上で前記複数の無線デバイスのうちの一つと前記複数の無線デバイスのうちの他の一つとの間に信号を中継するように動作可能であり、前記複数の無線デバイスのうちの前記少なくとも一つは、
前記複数の無線デバイスのうちの前記一つから信号を受信するための受信機と、
前記無線通信ネットワークの一部又は全部に関連するチャネル統計情報を判定するための手段と、
前記判定されたチャネル統計情報に基づいて、前記通信経路のためのアウテージ確率が予め定められた条件を満足するように、複数の予め定められた中継モードから、前記信号を中継するモードを選択するためのセレクターと、
前記選択されたモードを使用して、前記複数の無線デバイスのうちの前記他の一つへ、信号を送信するための送信機とを含む無線通信システム。
【請求項14】
コンピュータにより実行されるときに、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法を前記コンピュータに実行させるように動作可能であるコンピュータ実行可能なインストラクションを含むコンピュータプログラム製品。
【請求項15】
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含む、請求項14に記載のコンピュータプログラム製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−34182(P2013−34182A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−135567(P2012−135567)
【出願日】平成24年6月15日(2012.6.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】