説明

無線通信網を利用した児童保護管理システム及び方法

無線通信網を利用した児童保護管理システム及び方法が開示される。本発明の実施形態による児童保護管理システムは、携帯用録画装置及びユーザ端末を含む。携帯用録画装置は、映像情報と音声情報とを獲得して保存し、無線通信網を通じて受信される情報要請に応答して映像情報と音声情報とを無線通信網を通じて伝送する。ユーザ端末は、無線通信網を通じて情報要請を伝送し、情報要請に応答して伝送される映像情報と音声情報とを受信して再生する。本発明の実施形態による児童保護管理システムは、いつでもどこでも児童の位置と児童が処した状況とを把握して対処することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、児童保護管理システムに係り、特に、無線通信を用いてリアルタイムで児童の動き、周りの状態などをモニタリングすることで、遠隔でも児童を保護・管理することができるシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
児童は、状況を認識し、判断して対処する能力が不足しているために、常に保護を必要とする。しかし、社会が複雑になって核家族化されるにつれて、両親などの保護者が常に児童を保護することは不可能である。直接児童の面倒を見られない保護者のために、間接的に児童を保護することができるさまざまな方法が提案された。
【0003】
このような方法のうち代表的なものとして、児童が生活する範囲にCCTV(閉回路テレビ)のような映像機器を設置して児童の行動を直接モニタリングする方法がある。しかし、この方法は、児童が、映像機器が設置された範囲を外れる場合、児童の行動や児童が処した状況を把握することができないという問題点がある。
【0004】
このような問題点を解決するために、児童が所持している無線機器の位置をモニタリングすることによって、リアルタイムで児童の位置を追跡する方法がある。しかし、このような方法は、無線機器が児童から離脱したかどうかを確認する方法がなく、また、単純に児童の位置を追跡することができるだけで、児童が処した状況などを認識することができず、児童を正しく保護しにくいという問題点がある。
【0005】
また、RFIDリーダーを地域の多くの施設に設置して児童がRFIDタグを所持することで、児童の位置を把握するシステムも紹介されたが、このような方法は、RFIDタグのコスト自体は安いが、システム全体を具現するための基盤施設の導入には多くの難しさとコストとが要求される。すなわち、あらゆる地域と施設ごとにRFIDリーダーを設置しなければならないので、莫大なコストが必要であり、全国的に基盤施設の導入にかかる時間も長くなり、児童が移動するあらゆる施設に対する設置は、現実的に難しいので、死角地帯が発生してしまうなどさまざまな問題がある。
【0006】
したがって、いつでもどこでも児童の位置と児童が処した状況とを把握することができる新たな方法が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする技術的課題は、無線通信を用いてリアルタイムで児童の動き、周りの状態などをモニタリングすることで、遠隔でも児童を保護・管理することができるシステムを提供することである。
【0008】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、無線通信を用いてリアルタイムで児童の動き、周りの状態などをモニタリングすることで、遠隔でも児童を保護・管理することができる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記技術的課題を解決するための本発明の実施形態による児童保護管理システムは、携帯用録画装置及びユーザ端末を含む。携帯用録画装置は、映像情報と音声情報とを獲得して保存し、無線通信網を通じて受信される情報要請に応答して前記映像情報と音声情報とを前記無線通信網を通じて伝送する。ユーザ端末は、前記無線通信網を通じて前記情報要請を伝送し、前記情報要請に応答して伝送される前記映像情報と音声情報とを受信して再生する。
【0010】
一方、前記ユーザ端末は、前記無線通信網を通じて音声報知メッセージをさらに伝送することができ、この際、前記携帯用録画装置は、前記音声報知メッセージをさらに受信して放送することが望ましい。
【0011】
一方、前記携帯用録画装置は、緊急要請に応答して前記映像情報と音声情報とを前記無線通信網を通じて伝送することができ、この際、本発明の実施形態による児童保護管理システムは、前記緊急要請に応答して伝送される前記映像情報と音声情報とを受信して保存し、あらかじめ指定された番号に対応する指定端末に緊急メッセージを伝送する管理サーバをさらに含みうる。
【0012】
また、前記指定端末は、前記ユーザ端末であることが望ましい。
【0013】
一方、前記携帯用録画装置は、映像情報獲得部、音声情報獲得部、情報保存部、無線通信モジュール、及び制御部を含む。映像情報獲得部と音声情報獲得部は、前記映像情報と前記音声情報とをそれぞれ獲得する。情報保存部は、前記獲得された映像情報と音声情報とを保存する。無線通信モジュールは、前記無線通信網と通信して前記情報要請を受信し、前記映像情報と音声情報とを伝送する。制御部は、前記情報要請または前記緊急要請に応答して前記映像情報獲得部、音声情報獲得部、情報保存部、及び無線通信モジュールの動作を制御する。
【0014】
また、前記無線通信網は、CDMA(Code Division Multiple Access)方式、GSM(Global System for Mobile Communication)方式、Wibro(Wireless broadband)方式、及びWCDMA(Wideband CDMA)方式のうち少なくとも何れか一つの方式であることが望ましい。
【0015】
前記他の技術的課題を解決するための本発明の実施形態による児童保護管理方法は、ユーザ端末で、無線通信網を通じて情報要請を伝送する段階と、携帯用録画装置で、前記無線通信網を通じて前記情報要請を受信する段階と、前記携帯用録画装置で、前記情報要請に応答して獲得されて保存された映像情報と音声情報とを前記無線通信網を通じて伝送する段階と、前記ユーザ端末で、前記無線通信網を通じて伝送される前記映像情報と音声情報とを受信して再生する段階と、を含む。
【0016】
一方、本発明の実施形態による児童保護管理方法は、前記ユーザ端末で、前記無線通信網を通じて音声報知メッセージを伝送する段階と、前記携帯用録画装置で、前記音声報知メッセージを受信して放送する段階と、をさらに含みうる。
【0017】
一方、本発明の実施形態による児童保護管理方法は、前記携帯用録画装置で、緊急要請に応答して前記映像情報と音声情報とを前記無線通信網を通じて伝送する段階と、管理サーバで、前記緊急要請に応答して伝送される前記映像情報と音声情報とを受信して保存する段階と、前記管理サーバで、あらかじめ指定された番号に対応する指定端末に緊急メッセージを伝送する段階と、をさらに含みうる。
【0018】
前記技術的課題を解決するための本発明の他の実施形態による児童保護管理システムは、携帯用録画装置、管理サーバ及びユーザ端末を備える。
【0019】
携帯用録画装置は、既定の時間間隔ごとに現在位置情報と状態情報とを送信し、映像情報と音声情報とを獲得して保存し、無線通信網を通じて受信される情報要請に応答して前記映像情報と音声情報とを前記無線通信網を通じて伝送する。
【0020】
管理サーバは、活動領域設定情報に応答して、前記携帯用録画装置が各時間帯別に存在する活動領域を設定し、前記現在位置情報に基づいて、前記携帯用録画装置が前記活動領域から離脱する場合、アラーム信号を伝送し、前記情報要請を前記携帯用録画装置に伝送し、前記映像情報、音声情報、前記現在位置情報及び前記状態情報を保存し、所定のユーザ命令に応答して前記現在位置情報、前記映像情報及び前記音声情報を警察庁サーバに伝送する。
【0021】
ユーザ端末は、前記情報要請を前記管理サーバに伝送し、前記情報要請に応答して伝送される前記映像情報と音声情報とを前記管理サーバから受信して再生し、前記アラーム信号を受信し、前記ユーザ命令を発する。
【0022】
前記携帯用録画装置は、前記ユーザ端末から前記無線通信網を通じて音声信号を受信して、前記携帯用録画装置の持ち主に音声を伝達するスピーカーをさらに備える。
【0023】
前記携帯用録画装置は、非常ボタンの動作時に発生する非常信号に応答して保存された映像情報及び音声情報を前記管理サーバ及び前記ユーザ端末に伝送し、前記ユーザ端末は、前記映像情報及び音声情報を再生して検討した後、前記警察庁サーバに接続するか、または前記ユーザ命令を発する。
【0024】
前記アラーム信号は、文字メッセージまたは音声信号である。前記無線通信網は、CDMA方式、GSM方式、Wibro方式、及びWCDMA方式のうち何れか一つの方式である。
【0025】
前記携帯用録画装置は、前記映像情報を獲得する映像情報獲得部と、前記音声情報を獲得する音声情報獲得部と、前記獲得された映像情報と音声情報とを保存する情報保存部と、前記無線通信網と通信して前記情報要請を受信し、前記映像情報と音声情報とを伝送する無線通信モジュールと、前記情報要請に応答するか、または前記非常ボタンの動作によって発生した前記非常信号に応答して前記映像情報獲得部、音声情報獲得部、情報保存部、及び無線通信モジュールの動作を制御する制御部と、を含む。
【0026】
前記状態情報は、前記携帯用録画装置のバッテリー状態、GPS(Global Position System)信号状態、前記無線通信網の連結状態、及び前記携帯用録画装置自体のテスト状態についての情報を含む。
【発明の効果】
【0027】
本発明の実施形態による児童保護管理システムは、いつでもとこでも児童の位置と児童が処した状況とを把握して対処することができる。
【0028】
すなわち、児童保護管理システムは、保護者が、いつでもどこでも携帯端末機を用いて随時に児童の映像、音声及び位置をリアルタイムでモニタリングでき、保護者が、児童に遠隔音声放送をして即時に児童の行動を制限することができる。また、児童が、緊急時に非常ボタンを押せば、管理サーバ及び指定端末に緊急状況を映像、音声及び文字で伝送して危険から即時に助けを要請することができ、緊急状況を即時に警察署などに通報して犯罪前に捜査情報を警察署に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態による児童保護管理システムの構成図である。
【図2】図1の携帯用録画装置のブロック図である。
【図3】本発明の実施形態による児童保護管理方法のフローチャートである。
【図4】図3の方法にさらに含まれる音声報知メッセージを放送するための段階のフローチャートである。
【図5】図3の方法にさらに含まれる緊急要請に応答して緊急メッセージを伝送するための段階のフローチャートである。
【図6】本発明の他の実施形態による児童保護管理システムを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明と本発明の動作上の利点及び本発明の実施によって達成される目的を十分に理解するためには、本発明の望ましい実施形態を例示する添付図面及び図面に記載の内容を参照しなければならない。
【0031】
以下、添付図面を参照して、本発明の望ましい実施形態を説明することによって、本発明を詳しく説明する。各図面に付された同じ参照符号は、同じ部材を表わす。
【0032】
図1は、本発明の実施形態による児童保護管理システムの構成図である。児童保護管理システム100は、携帯用録画装置110及びユーザ端末130を含み、管理サーバ150をさらに含みうる。携帯用録画装置110は、児童が常に着用していることが望ましく、児童の処した状況での映像情報と音声情報とを継続的に獲得して保存する。保護者は、ユーザ端末130を用いて情報要請を伝送し、情報伝送に応答して伝送される映像情報と音声情報とを確認することで、現在児童が処している状況を確認することができる。
【0033】
一方、児童をよりよく保護・管理させるために、本発明の実施形態で、ユーザは、ユーザ端末130を用いて無線通信網を通じて音声報知メッセージをさらに伝送することができる。この場合、携帯用録画装置110は、音声報知メッセージをさらに受信して、スピーカーのような放送装置(図示せず)を用いて受信された音声報知メッセージを放送することが望ましい。
【0034】
一方、後述するが、管理サーバ150は、特に、児童が危険な状況に処した場合のような緊急な状況で、入力される緊急要請に応答して所定の動作を行う。また、本発明の実施形態で、無線通信網は、CDMA方式、GSM方式、Wibro方式、及びWCDMA方式のうち少なくとも何れか一つの方式であることが望ましい。
【0035】
再び図1を参照すれば、映像情報と音声情報とを継続的に獲得して保存する携帯用録画装置110は、無線通信網を通じて受信される情報要請に応答して、獲得された映像情報と音声情報とを無線通信網を通じて伝送する。この際、伝送される映像情報と音声情報は、情報要請が受信された時、その前後に獲得された映像情報と音声情報とであることが望ましい。
【0036】
携帯用録画装置のブロック図である図2を参照すれば、携帯用録画装置110は、映像情報獲得部111、音声情報獲得部113、情報保存部115、無線通信モジュール117、及び制御部119を含む。
【0037】
映像情報獲得部111と音声情報獲得部113は、前記映像情報と前記音声情報とをそれぞれ獲得する。情報保存部115は、獲得された映像情報と音声情報とを保存する。無線通信モジュール117は、無線通信網に連結されて情報要請を受信して映像情報と音声情報とを伝送する。制御部119は、情報要請または緊急要請に応答して映像情報獲得部111、音声情報獲得部113、情報保存部115、及び無線通信モジュール117の動作を制御する。
【0038】
再び図1を参照すれば、ユーザ端末130は、無線通信網を通じて情報要請を伝送し、情報要請に応答して伝送される映像情報と音声情報とを受信して再生する。
【0039】
一方、前述したように、児童保護管理システム100は、管理サーバ150をさらに含みうるが、本発明の実施形態で、管理サーバ150は、緊急な状況に利用されうる。例えば、児童が誘拐されるか、児童に事故が発生した場合などのように緊急状況が発生する場合、自動でまたは携帯用録画装置に設置される緊急ボタンなどの緊急状況入力手段(図示せず)を用いて緊急要請を発生させうる。
【0040】
緊急要請が発生した場合、携帯用録画装置110は、緊急要請に応答して、緊急要請に該当する状況で獲得されて保存される映像情報と音声情報とを無線通信網を通じて管理サーバ150に伝送する。この際、管理サーバ150は、緊急要請に応答して伝送される映像情報と音声情報とを受信して保存し、あらかじめ指定された番号に対応する指定端末に緊急メッセージを伝送する。この場合、保護者が直ちに確認するために、本発明の実施形態で、指定端末は、ユーザ端末130であることが望ましい。
【0041】
以下、図3を参照して、児童保護管理システム100の構成及び動作について説明する。図3は、本発明の実施形態による児童保護管理方法のフローチャートである。
【0042】
保護者が児童の現在処した状況を確認しようとする場合、ユーザは、ユーザ端末130を用いて無線通信網を通じて情報要請を携帯用録画装置110に伝送する(S301)。一方、携帯用録画装置110(具体的には、無線通信モジュール117)は、無線通信網を通じてユーザ端末130から伝送される情報要請を受信する(S303)。
【0043】
制御部119は、児童が処した状況と関連した映像情報と音声情報とをそれぞれ獲得するように、映像情報獲得部111と音声情報獲得部113とを制御する。また、制御部119は、獲得された映像情報と音声情報とを情報保存部115に保存させることが望ましい。
【0044】
また、制御部119は、無線通信網を通じて獲得された映像情報と音声情報とをユーザ端末130に伝送するように、無線通信モジュール117を制御する(S305)。次いで、ユーザ端末130は、携帯用録画装置110から伝送される映像情報と音声情報とを受信して再生する(S307)。したがって、ユーザは、児童の処した状況の映像と音声とをリアルタイムで確認することができる。
【0045】
一方、本発明の実施形態では、保護者が児童に音声報知メッセージを放送することができる方法を提供する。図4は、図3の方法にさらに含まれる音声報知メッセージを放送するための段階のフローチャートである。
【0046】
図4を参照すれば、保護者が児童に音声報知メッセージを放送しようとする場合、保護者は、ユーザ端末130を用いて無線通信網を通じて音声報知メッセージを携帯用録画装置110に伝送する(S401)。次いで、携帯用録画装置110は、音声報知メッセージを受信し、この受信された音声メッセージを放送することによって(S403)、児童に、保護者が伝送した音声報知メッセージを聞かせる。
【0047】
一方、児童に緊急状況が発生した場合、自動的にまたは携帯用録画装置110に設置される緊急ボタン(図示せず)などを用いて緊急要請が生成されうる。
【0048】
図5は、図3の方法にさらに含まれる緊急要請に応答して緊急メッセージを伝送するための段階のフローチャートである。
【0049】
図5を参照すれば、緊急要請が生成された場合、携帯用録画装置110は、緊急状況で獲得されて保存された映像情報と音声情報とを無線通信網を通じて管理サーバ150に伝送する(S501)。
【0050】
次いで、管理サーバ150は、無線通信網を通じて携帯用録画装置110から伝送された映像情報と音声情報とを受信し、これを保存する(S503)。また、管理サーバ150は、あらかじめ指定された番号に対応する指定端末に緊急メッセージを伝送することによって(S505)、児童に緊急状況が発生したということを知らせる。
【0051】
一方、前述した本発明の実施形態は、コンピュータで実行可能なプログラムで作成可能であり、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を用いて、前記プログラムを動作させる汎用デジタルコンピュータで具現可能である。また、前述した本発明の実施形態で使われたデータの構造は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に多様な手段を通じて記録されうる。
【0052】
前記コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、マグネチック記録媒体(例えば、ROM、フレキシブルディスク、ハードディスクなど)、光学的判読媒体(例えば、CD−ROM、DVDなど)及び搬送波(例えば、インターネットを通じる伝送)のような記録媒体を含む。
【0053】
図6は、本発明の他の実施形態による児童保護管理システムを説明する図である。
【0054】
図6の児童保護管理システム600は、図1の児童保護管理システム100よりさらに具体的に実際状況に適用されるように開発されたシステムである。すなわち、携帯用録画装置(DVR:Digital Video Recorder)に移動通信用の無線モデム(CDMA/GSM)とGPSモジュールとを装着し、既設の移動通信基地局を用いて管理サーバに周期的に位置情報を伝送することで、管理サーバで携帯用録画装置の持ち主、すなわち、児童の位置をリアルタイムで監視し、児童が指定された位置を外れれば、指定されたユーザ端末、すなわち、保護者の携帯端末機に自動で通報する人工知能的なシステムである。
【0055】
図6を参照すれば、児童保護管理システム600は、携帯用録画装置610、管理サーバ650及びユーザ端末630を備える。
【0056】
携帯用録画装置610は、既定の時間間隔ごとに現在位置情報PSと状態情報SSとを管理サーバ650に送信し、映像情報VDIと音声情報ADIとを獲得して保存し、無線通信網620を通じて受信される情報要請RQに応答して映像情報VDIと音声情報ADIとを無線通信網620を通じて伝送する。
【0057】
携帯用録画装置610は、図6に示されたように、ユーザ(児童、学生など)が容易に着用できるように腕につける腕輪形式や、首につけるネックレス形式になりうる。
【0058】
携帯用録画装置610は、小型カメラレンズが装着されて映像情報VDIと音声情報ADIとを獲得することができるデジタルビデオレコーダー(DVR)である。ここに、現在全国的に整えられている移動通信網を利用することができる無線通信モジュールと現在位置情報PSを獲得するGPSモジュールとを備える。
【0059】
さらに具体的に説明すれば、携帯用録画装置610は、映像情報VDIを獲得する映像情報獲得部、音声情報ADIを獲得する音声情報獲得部、獲得された映像情報VDIと音声情報ADIとを保存する情報保存部、無線通信網620と通信して情報要請RQを受信し、映像情報VDIと音声情報ADIとを伝送する無線通信モジュール及び情報要請RQに応答するか、または非常ボタンの動作によって発生した非常信号に応答して映像情報獲得部、音声情報獲得部、情報保存部、及び無線通信モジュールの動作を制御する制御部を含む。このような、携帯用録画装置610の構造は、その機能面は少し異なるが、既に図2で説明しており、当業者ならば、各構成要素の動作及び機能を理解することができるので、その詳細な説明は省略する。
【0060】
無線通信網620は、CDMA方式、GSM方式、Wibro方式、及びWCDMA方式のうち何れか一つの方式で具現可能である。このように、現在全国的に設備がよく整えられている移動通信網を利用することで、別途にネットワークの設置が不要で、RFIDタグを用いて児童の位置を把握するシステムに比べて、システム具現のためのコストが節約され、死角地帯もないという長所がある。
【0061】
また、携帯用録画装置610が発生する状態情報SSは、携帯用録画装置610のバッテリー状態、GPS信号状態、無線通信網620の連結状態、携帯用録画装置610自体のテスト状態についての情報を含む。
【0062】
管理サーバ650は、ユーザ端末630から伝送される活動領域設定情報TSETに応答して、携帯用録画装置610が各時間帯別に存在する活動領域を設定し、現在位置情報PSに基づいて携帯用録画装置610が活動領域から離脱する場合、アラーム信号ALMをユーザ端末630に伝送する。アラーム信号ALMは、文字メッセージまたは音声信号である。
【0063】
そして、管理サーバ650は、情報要請RQを携帯用録画装置610に伝送し、映像情報VDI、音声情報ADI、現在位置情報PS及び状態情報SSを保存し、所定のユーザ命令ODSに応答して現在位置情報PS、映像情報VDI及び音声情報ADIを警察庁サーバ670に伝送する。ここで、警察庁サーバ670は、隣近の交番や地域単位の警察署に備えられることもある。
【0064】
ユーザ端末630は、情報要請RQを管理サーバ650に伝送し、情報要請RQに応答して伝送される映像情報VDIと音声情報ADIとを管理サーバ650から受信して再生する。また、アラーム信号ALMを受信し、ユーザ命令ODSを発する。ユーザ端末630は、携帯電話やPDA、ノート型パソコンなど携帯が可能でありながらも、無線移動通信が可能な機器であれば、いずれも可能である。
【0065】
ユーザ命令ODSは、ユーザが管理サーバ650をして映像情報VDIと音声情報ADI及び現在位置情報PSとを警察庁サーバ670に送信させる命令である。
【0066】
以下、図6を参照して、児童保護管理システム600の動作が詳しく説明される。
【0067】
まず、保護者は、ユーザ端末630を用いて管理サーバ650に児童の性別、名前、年齢などの身上情報とユーザ端末630の番号、児童が携帯する携帯用録画装置610の固有IDとを登録させた後、活動領域設定情報TSETを管理サーバ650に伝送して児童の活動領域を設定する。
【0068】
すなわち、児童が、午前9時から午後3時までは学校に、3時30分から5時30分までは民間機関に、6時から7時までは友人の家、7時30分からは家におり、中間の時間は移動時間であって、移動経路を設定して活動領域設定情報TSETとして管理サーバ650に伝送すれば、管理サーバ650は児童の活動領域を設定する。
【0069】
このような活動領域の設定は、ユーザ端末630を用いて管理サーバ650に設定するか、またはインターネットを用いて管理サーバ650に接続した後、活動領域を設定することができる。
【0070】
活動領域が設定されれば、管理サーバ650は、児童が携帯している携帯用録画装置610から児童の現在位置情報PSと状態情報SSとを受信する。現在位置情報PSは、携帯用録画装置610に付着されたGPSから無線通信網620を通じて受信される。
【0071】
または、携帯用録画装置610が、周辺の無線通信網620の基地局と通信して携帯用録画装置610自身の位置情報が分かった後、その位置情報を現在位置情報PSとして管理サーバ650に送ることもできる。この場合には、GPSが携帯用録画装置610に装着される必要がない。
【0072】
現在、児童が携帯電話を携帯すれば、親の携帯電話に児童の位置情報を一定間隔で伝送するサービスもあるが、このようなサービスは、現在の位置情報のみ伝送されるために、本発明の実施形態のように親が児童を統制するか、定められた位置を外れた場合、アラーム信号ALMが伝送されるなどの機能とは異なると言える。
【0073】
現在位置情報PSを受信した管理サーバ650は、現在位置情報PSと既定の活動領域とを比べて児童が定められた活動領域を離脱しているか否かをチェックすることができる。現在位置情報PSを非常に短い時間間隔で伝送できるように携帯用録画装置610を設定すれば、児童の位置をほぼリアルタイムで確認することができる。
【0074】
もし、児童が、既定の活動領域から外れれば、管理サーバ650は、アラーム信号ALMをユーザ端末630に伝送する。アラーム信号ALMは、文字メッセージまたは音声信号としてユーザ端末630に伝送されれば、保護者は、これを確認することができる。
【0075】
携帯用録画装置610は、ユーザ端末630から無線通信網620を通じて音声信号ADSを受信して携帯用録画装置610の持ち主に音声を伝達するスピーカー(図示せず)をさらに備える。
【0076】
児童が、定められた活動領域から外れてユーザ端末630にアラーム信号ALMが伝送されれば、保護者は、ユーザ端末630を用いて携帯用録画装置610に音声信号ADSを直ちに伝送することができる。そうすると、携帯用録画装置610に装着されたスピーカー(図示せず)が、保護者が送った音声信号ADSを直ちに児童に伝達して遠隔地でも児童を統制することができる。
【0077】
保護者は、ユーザ端末630を用いて携帯用録画装置610に保存された映像情報VDIと音声情報ADIとを受信して再生することで、児童の現在状態を確認することができる。
【0078】
すなわち、保護者は、ユーザ端末630を通じて情報要請RQを管理サーバ650に伝送すれば、管理サーバ650は、情報要請RQを受信して無線通信網620を通じて携帯用録画装置610に伝送する。そうすると、携帯用録画装置610は、保存された映像情報VDIと音声情報ADIとを、無線通信網620と管理サーバ650とを通じてユーザ端末630に伝送する。保護者は、伝送された映像情報VDIと音声情報ADIとをユーザ端末630で再生して児童の周辺環境や現在状況などを確認することができる。
【0079】
また、管理サーバ650は、携帯用録画装置610に保存された映像情報VDI、音声情報ADI、状態情報SS、現在位置情報PSを受信して保存する。現在位置情報PSと状態情報SSは、既定の時間間隔ごとに自動で受信して保存し、映像情報VDIと音声情報ADIは、携帯用録画装置610が映像情報VDIと音声情報ADIとを獲得し次第、続けて管理サーバ650に保存することもでき、携帯用録画装置610に保存された映像情報VDIと音声情報ADIとを必要によって、または一定の時間間隔ごとに管理サーバ650に保存させることもできる。
【0080】
携帯用録画装置610は、非常ボタンを備える。非常ボタンは、携帯用録画装置610のユーザ、すなわち、児童が危険な状況下で自ら押すようになっている。
【0081】
非常ボタンが動作すれば、非常信号が携帯用録画装置610の内部から発生し、制御部(図示せず)は、非常信号に応答して保存された映像情報VDI及び音声情報ADIを管理サーバ650及びユーザ端末630に伝送する。この際、伝送される映像情報VDIと音声情報ADIは、非常信号が発生した瞬間から継続的に獲得される映像情報VDIと音声情報ADIとであるか、または非常信号が発生した瞬間から一定の時間の間に獲得された映像情報VDIと音声情報ADIとであり得る。
【0082】
ユーザ端末630は、非常ボタンの動作によって発生した映像情報VDI及び音声情報ADIを再生して検討した後、非常ボタンが誤って押されたものであれば、音声信号ADSを携帯用録画装置610に送ってスピーカーを通じて児童に話すことができ、もし、危険状況であれば、直ちに警察庁サーバ670に接続して申告することができる。
【0083】
または、ユーザ端末630は、ユーザ命令ODSを発して管理サーバ650に伝送する。ユーザ命令ODSは、管理サーバ650をして、非常ボタンの動作によって受信した映像情報VDIと音声情報ADI及び現在位置情報PSを警察庁サーバ670に伝送させる命令である。管理サーバ650は、ユーザ命令ODSに応答して映像情報VDIと音声情報ADI及び現在位置情報PSを警察庁サーバ670に伝送し、警察庁サーバ670は、隣近の交番に連絡して現場に出動させるなどの措置を取ることができる。
【0084】
以上、図面と明細書とで最適の実施形態が開示された。ここで、特定の用語が使われたが、これは、単に本発明を説明するための目的で使われたものであって、意味限定や特許請求の範囲に記載の本発明の範囲を制限するために使われたものではない。したがって、当業者ならば、これより多様な変形及び均等な他実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決定されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、移動通信技術分野に利用されうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像情報と音声情報とを獲得して保存し、無線通信網を通じて受信される情報要請に応答して前記映像情報と音声情報とを前記無線通信網を通じて伝送する携帯用録画装置と、
前記無線通信網を通じて前記情報要請を伝送し、前記情報要請に応答して伝送される前記映像情報と音声情報とを受信して再生するユーザ端末と、
を含む児童保護管理システム。
【請求項2】
前記ユーザ端末は、前記無線通信網を通じて音声報知メッセージをさらに伝送し、
前記携帯用録画装置は、前記音声報知メッセージをさらに受信して放送する請求項1に記載の児童保護管理システム。
【請求項3】
前記携帯用録画装置は、緊急要請に応答して前記映像情報と音声情報とを前記無線通信網を通じて伝送し、
前記児童保護管理システムは、前記緊急要請に応答して伝送される前記映像情報と音声情報とを受信して保存し、あらかじめ指定された番号に対応する指定端末に緊急メッセージを伝送する管理サーバをさらに含む請求項1に記載の児童保護管理システム。
【請求項4】
前記指定端末は、前記ユーザ端末である請求項3に記載の児童保護管理システム。
【請求項5】
前記携帯用録画装置は、
前記映像情報を獲得する映像情報獲得部と、
前記音声情報を獲得する音声情報獲得部と、
前記獲得された映像情報と音声情報とを保存する情報保存部と、
前記無線通信網と通信して前記情報要請を受信し、前記映像情報と音声情報とを伝送する無線通信モジュールと、
前記情報要請または前記緊急要請に応答して前記映像情報獲得部、音声情報獲得部、情報保存部、及び無線通信モジュールの動作を制御する制御部と、
を含む請求項3に記載の児童保護管理システム。
【請求項6】
前記無線通信網は、
CDMA(Code Division Multiple Access)方式、GSM(Global System for Mobile Communication)方式、Wibro(Wireless Broadband)方式、及びWCDMA(Wideband CDMA)方式のうち少なくとも何れか一つの方式である請求項1に記載の児童保護管理システム。
【請求項7】
ユーザ端末で、無線通信網を通じて情報要請を伝送する段階と、
携帯用録画装置で、前記無線通信網を通じて前記情報要請を受信する段階と、
前記携帯用録画装置で、前記情報要請に応答して獲得されて保存された映像情報と音声情報とを前記無線通信網を通じて伝送する段階と、
前記ユーザ端末で、前記無線通信網を通じて伝送される前記映像情報と音声情報とを受信して再生する段階と、
を含む児童保護管理方法。
【請求項8】
前記ユーザ端末で、前記無線通信網を通じて音声報知メッセージを伝送する段階と、
前記携帯用録画装置で、前記音声報知メッセージを受信して放送する段階と、
をさらに含む請求項7に記載の児童保護管理方法。
【請求項9】
前記携帯用録画装置で、緊急要請に応答して前記映像情報と音声情報とを前記無線通信網を通じて伝送する段階と、
管理サーバで、前記緊急要請に応答して伝送される前記映像情報と音声情報とを受信して保存する段階と、
前記管理サーバで、あらかじめ指定された番号に対応する指定端末に緊急メッセージを伝送する段階と、
をさらに含む請求項7に記載の児童保護管理方法。
【請求項10】
前記指定端末は、前記ユーザ端末である請求項9に記載の児童保護管理方法。
【請求項11】
前記無線通信網は、CDMA方式、GSM方式、Wibro方式、及びWCDMA方式のうち少なくとも何れか一つの方式である請求項7に記載の児童保護管理方法。
【請求項12】
既定の時間間隔ごとに現在位置情報と状態情報とを送信し、映像情報と音声情報とを獲得して保存し、無線通信網を通じて受信される情報要請に応答して前記映像情報と音声情報とを前記無線通信網を通じて伝送する携帯用録画装置と、
活動領域設定情報に応答して、前記携帯用録画装置が各時間帯別に存在する活動領域を設定し、前記現在位置情報に基づいて、前記携帯用録画装置が前記活動領域から離脱する場合、アラーム信号を伝送し、前記情報要請を前記携帯用録画装置に伝送し、前記映像情報、音声情報、前記現在位置情報及び前記状態情報を保存し、所定のユーザ命令に応答して前記現在位置情報、前記映像情報及び前記音声情報を警察庁サーバに伝送する管理サーバと、
前記情報要請を前記管理サーバに伝送し、前記情報要請に応答して伝送される前記映像情報と音声情報とを前記管理サーバから受信して再生し、前記アラーム信号を受信し、前記ユーザ命令を発するユーザ端末と、
を含む児童保護管理システム。
【請求項13】
前記携帯用録画装置は、
前記ユーザ端末から前記無線通信網を通じて音声信号を受信して、前記携帯用録画装置の持ち主に音声を伝達するスピーカーをさらに備える請求項12に記載の児童保護管理システム。
【請求項14】
前記携帯用録画装置は、
非常ボタンの動作時に発生する非常信号に応答して保存された映像情報及び音声情報を前記管理サーバ及び前記ユーザ端末に伝送し、
前記ユーザ端末は、前記映像情報及び音声情報を再生して検討した後、前記警察庁サーバに接続するか、または前記ユーザ命令を発する請求項12に記載の児童保護管理システム。
【請求項15】
前記アラーム信号は、
文字メッセージまたは音声信号である請求項12に記載の児童保護管理システム。
【請求項16】
前記無線通信網は、
CDMA方式、GSM方式、Wibro方式、及びWCDMA方式のうち何れか一つの方式である請求項12に記載の児童保護管理システム。
【請求項17】
前記携帯用録画装置は、
前記映像情報を獲得する映像情報獲得部と、
前記音声情報を獲得する音声情報獲得部と、
前記獲得された映像情報と音声情報とを保存する情報保存部と、
前記無線通信網と通信して前記情報要請を受信し、前記映像情報と音声情報とを伝送する無線通信モジュールと、
前記情報要請に応答するか、または前記非常ボタンの動作によって発生した前記非常信号に応答して前記映像情報獲得部、音声情報獲得部、情報保存部、及び無線通信モジュールの動作を制御する制御部と、
を含むことを請求項12に記載の児童保護管理システム。
【請求項18】
前記状態情報は、
前記携帯用録画装置のバッテリー状態、GPS(Global Position System)信号状態、前記無線通信網の連結状態、及び前記携帯用録画装置自体のテスト状態についての情報を含む請求項12に記載の児童保護管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−504312(P2011−504312A)
【公表日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−529862(P2010−529862)
【出願日】平成20年10月15日(2008.10.15)
【国際出願番号】PCT/KR2008/006082
【国際公開番号】WO2009/051406
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(505472713)
【Fターム(参考)】