説明

無線通信装置の電力制御のための方法及びシステム

【課題】 本開示は、無線通信装置の電力制御のための方法及びシステムを提供する。
【解決手段】 本開示によると、無線通信信号の電力レベルを追跡する方法は、無線通信要素の送信経路からアンテナへ送信された関連する無線通信信号の電力レベルを示すフィードバック信号を受信するステップを有する。当該方法は、前記無線通信信号に変換されるデジタル信号と関連する基準信号を受信するステップを更に有する。さらに、当該方法は、前記フィードバック信号の前記基準信号に対する利得を決定するステップ、前記決定した利得及び期待利得に基づき、利得誤差を決定するステップ、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してモバイル通信ネットワークに関し、より詳細には、無線通信装置の動的電力制御のための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
伝統的な無線通信端末(例えば、携帯電話機)は、外部電力検出器を用いて端末の外部電力を検知し、端末の外部電力を制御及び調整する。しかしながら、外部電力を検出するために電力検出器を用いることは、外部の別個のコンポーネントを必要とするので、端末のコストを増大してしまう。また、適切な検出器を選択し、その検出器を端末の回路に統合することは、端末を開発するために必要なコスト、時間及び/又はリソースを増大してしまう。さらに、外部電力検出器を備えた電力制御システムは、利得制御を実行するのに約30乃至40マイクロ秒(μsec)を要する。ところが、CDMA(code division multiple access)やEVDO(evolution data optimized)のような種々の無線通信プロトコルは7マイクロ秒より短い電力制御応答時間を要求しうる。さらに、外部電力検出器を備えた電力制御システムは、外部ブロッカ及び干渉物の影響を受けやすい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示によると、無線通信装置の電力の追跡に関連する欠点及び問題が低減できる。本開示によると、無線通信要素は、デジタル信号を無線通信信号に変換する送信経路を有する。無線通信要素は、送信経路に結合され無線通信信号を送信するようにされたアンテナを更に有する。無線通信要素は、アンテナと送信経路との間に通信可能に結合されたフィードバック受信経路も有する。フィードバック受信経路は、送信経路からアンテナへ送信された無線通信信号の電力レベルを示すフィードバック信号を受信するようにされる。無線通信要素は、フィードバック受信経路に結合されたエラー・トラッキング経路を更に有する。エラー・トラッキング経路は、フィードバック信号を受信し、デジタル信号と関連する基準信号を受信するようにされる。エラー・トラッキング経路は、フィードバック信号の基準信号に対する利得を決定し、決定した利得及び期待利得に基づき利得誤差を決定するようにされる。
【0004】
本開示、その特徴及び利点のより完全な理解のために、添付の図面と関連して以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】本開示の特定の実施形態による、例示的な無線通信システムのブロック図を示す。
【図2】本開示の特定の実施形態による、例示的な送信及び/又は受信要素の選択されたコンポーネントのブロック図を示す。
【図3】本開示の特定の実施形態による、図2の利得及び遅延モジュールの例示的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1は、本開示の特定の実施形態による、例示的な無線通信システム100のブロック図を示す。簡単のため、2つの端末110及び2つの基地局120のみが図1に示される。端末110は、遠隔局、移動局、アクセス端末、ユーザ機器(UE)、無線通信装置、携帯電話機又は特定の他の用語としても表される。基地局120は、固定局であり、アクセス・ポイント、NodeB又は特定の他の用語としても表される。移動交換局(MSC)140は、基地局120に結合され、基地局120の調整及び制御を提供してもよい。
【0007】
システム100は、CDMA(code division multiple access)システム、TDMA(time division multiple access)システム又は特定の他の無線通信システムであってもよい。CDMAシステムは、IS−95、IS−2000(一般に「1x」としても知られる)、IS−856(一般に「1xEV−DO」としても知られる)、広帯域CDMA(W−CDMA)等のような1又は複数のCDMA標準を実装していてもよい。TDMAシステムは、GSM(登録商標)(global system for mobile communications)のような1又は複数のTDMA標準を実装していてもよい。W−CDMA標準は、3GPPとして知られるコンソーシアムにより策定されている。IS−2000及びIS−856標準は、3GPP2として知られるコンソーシアムにより策定されている。
【0008】
端末110は、衛星130からの信号を受信できてもできなくてもよい。衛星130は、良く知られたGPS(global positioning system)のような衛星測位システムに属してもよい。各GPS衛星は、地上にいるGPS受信機がGPS信号の到着時間を測定できるようにする情報を有するエンコードされたGPS信号を送信してもよい。十分な数のGPS衛星に対する測定は、GPS受信機の三次元位置を正確に推定するために用いられる。端末110は、Bluetooth(登録商標)送信機、Wi−Fi(wireless fidelity)送信機、WLAN(wireless local area network)送信機、IEEE802.11送信機、及び任意の他の適切な送信機のような他の種類の送信源からの信号を受信可能であってもよい。
【0009】
図1では、各端末110は、複数の送信源から同時に信号を受信するように示され、送信源は基地局120又は衛星130であってもよい。特定の実施形態では、端末110が送信源であってもよい。一般に、端末110は、ゼロ、1又は複数の送信源から所与の瞬間に信号を受信してもよい。
【0010】
端末110は、基地局120が送信信号を受信できるように、種々のパラメータに依存して変化する信号電力レベルで、基地局120へ信号を送信するよう構成される。幾つかの例では、端末110は、信号を増幅し端末110により送信された信号の電力が所望のレベルになるように調整される電力増幅器(例えば、図2の電力増幅器220)を有してもよい。電力増幅器は、送信信号電力の検出に少なくとも部分的に基づき調整されて、電力増幅器が所望のレベルで送信することを保証してもよい。以下に更に詳細に開示されるように、送信信号電力は、外部の別個の電力検出器の代わりに、フィードバック、自己受信(crx)経路を用いて検出されてもよい。
【0011】
後述するように、crx経路は、crx経路により検出された信号(「crx信号」)を受信するよう構成されたエラー・トラッキング経路に結合されてもよい。エラー・トラッキング経路は、端末110により送信されるべき基準信号を受信するよう構成されてもよい。送信経路を通過した後、基準信号は、crx経路によりcrx信号として検出され、crx信号は基準信号と関連付けられてもよい。しかしながら、基準信号の受信とcrx信号の受信との間に遅延が生じうる。したがって、エラー・トラッキング経路は、エラー・トラッキング経路が基準信号をcrx信号と時間的に揃えるように、基準信号の受信とcrx信号の受信との間の時間遅延を決定してもよい。エラー・トラッキング経路は、基準信号に対するcrx信号の利得を決定するよう構成されてもよい。さらに、エラー・トラッキング経路は、決定した利得から期待利得を除去するように構成され、エラー・トラッキング経路が実際の利得と期待利得との間の利得誤差を決定できるようにしてもよい。利得誤差が分かると、端末110は、信号電力を調整して、実際の利得が期待利得と密に関連するようにする。したがって、端末110は、エラー・トラッキング経路を用いて、送信信号の利得を調整するように構成されてもよい。エラー・トラッキング経路は、端末110により送信された無線通信信号の送信を混乱させる干渉源又はブロッカの存在を決定するように構成されてもよい。
【0012】
このような構成は、電力制御システムに外部電力検出器を必要としない。また、本開示のcrx経路及びエラー・トラッキング経路を用いることで、外部電力検出器を用いる実装と比べて、電力トラッキングの時間量の低減が達成できる。さらに、エラー・トラッキング経路及びcrx経路は、外部電力検出器を用いて検出できない干渉を追跡するために用いることができる。
【0013】
図2は、例示的な送信及び/又は受信要素200(例えば、端末110、基地局120又は衛星130)の選択されたコンポーネントのブロック図を示す。これらのコンポーネントは、電力検出器の代わりにcrx経路及びエラー・トラッキング経路を用いて、要素200の送信電力を検出し、要素200により送信されるRF信号の電力制御を向上させるように構成される。
【0014】
要素200は、送信経路201及びcrx経路221を有してもよい。要素200は、明示的に示されない受信経路を有してもよい。要素200の機能に依存して、要素200は、送信機、受信機又は通信機と考えられる。要素200は、crx経路221により検出された信号を基準信号と比較するよう構成されたエラー・トラッキング経路241を有し、後述するように要素200により送信されているRF信号の電力制御が達成できるようにしてもよい。
【0015】
要素200のデジタル回路202は、受信経路を介して受信されたデジタル信号及び情報を処理するよう構成された、及び/又は送信経路201を介して送信するための信号及び情報を処理するよう構成された任意のシステム、素子又は装置を有してもよい。したがって、デジタル回路202は、プログラム命令を解釈及び/又は実行し、及び/又はデータを処理するよう構成された任意のシステム、素子又は装置を有してもよい。また、デジタル回路202は、限定ではないが、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、又はプログラム命令を解釈及び/又は実行し、及び/又はデータを処理するよう構成された任意の他のデジタル若しくはアナログ回路を有してもよい。幾つかの実施形態では、デジタル回路202は、デジタル回路202に通信可能に結合され及び/又はデジタル回路202に含まれたメモリに格納されたプログラム命令を解釈及び/又は実行し、及び/又はそのメモリに格納されたデータを処理してもよい。
【0016】
メモリは、ある時間期間の間、プログラム命令又はデータを保持する任意のシステム、素子又は装置(例えば、コンピュータ可読媒体)を有してもよい。メモリは、RAM(random access memory)、EEPROM(electrically erasable read-only memory)、PCMCIAカード、フラッシュ・メモリ、磁気記憶装置、光磁気記憶装置、又は揮発性若しくはデジタル回路202への電力が切断された後にデータを保持する不揮発性メモリからの任意の適切な選択及び/又はそれらのアレイであってもよい。
【0017】
後述するように、デジタル回路202は、例えば1又は複数の無線通信信号を増幅するよう構成された可変利得増幅器(VGA214)及び/又は電力増幅器220の利得を調整することにより、送信経路201を介して送信されるRF信号の電力を制御するよう構成されてもよい。デジタル回路202は、デジタル信号の同相(I)チャネル成分及び直交(Q)チャネル成分(明示的に示されない)を送信経路201に伝達するよう構成されてもよい。
【0018】
送信経路201は、デジタル−アナログ・コンバータ(DAC)204を有してもよい。DAC204は、デジタル回路202からデジタル信号を受信し、そのデジタル信号をアナログ信号に変換するよう構成されてもよい。このアナログ信号は、次に、アップコンバータ208を含む送信経路201の1又は複数の他のコンポーネントを通過する。
【0019】
アップコンバータ208は、発振器210により供給される発振器信号に基づき、DAC204から受信したアナログ信号を無線周波数の無線通信信号に周波数アップコンバートするよう構成されてもよい。発振器210は、アナログ信号を無線通信信号に変調若しくはアップコンバートするため又は無線通信信号をアナログ信号に復調若しくはダウンコンバートするために特定の周波数のアナログ波形を生成する任意の適切な素子、システム又は装置であってもよい。幾つかの実施形態では、発振器210は、デジタル制御される水晶発振器であってもよい。
【0020】
送信経路201は、送信のためにアップコンバートされた信号を増幅する可変利得増幅器(VGA)214、増幅された信号をVGA214から受信し及び関心帯域の信号成分を通過し帯域外の雑音や不要な信号を除去するよう構成された帯域通過フィルタ216を有してもよい。帯域通過フィルタを通った信号は、電力増幅器220により受信され、送信のために増幅される。
【0021】
増幅された信号は、電力増幅器220とアンテナ218との間に結合された無線周波数(RF)カプラ225により受信される。RFカプラ225は、後述するように、電力増幅器220とアンテナ218との間の伝送線の送信電力の少なくとも一部を結合し、その送信電力をcrx経路221に送るよう構成された任意のシステム、素子又は装置であってもよい。RFカプラ225は、電力増幅器220から受信した増幅された信号の残りの部分を結合し、アンテナ218に送るよう構成されてもよい。アンテナ218は、増幅された信号をカプラ225から受信し、その信号を(例えば、端末110、基地局120及び/又は衛星130のうちの1又は複数に)送信してもよい。電力増幅器220により増幅されアンテナ218により送信された信号は、RF信号又は送信信号としても表される。
【0022】
crx経路221は、送信経路201によりRFカプラ225を介して送信された無線通信信号の一部を受信するよう構成された帯域通過フィルタ236を有してもよい。帯域通過フィルタ236は、関心帯域を通過させ、帯域外の雑音及び不要な信号を除去する。また、crx経路221は、帯域通過フィルタ236から受信した信号を増幅する低雑音増幅器(LNA)224を有してもよい。
【0023】
crx経路221は、ダウンコンバータ228を有してもよい。ダウンコンバータ228は、アンテナ218を介して受信しLNA234により増幅された無線通信信号を、発振器210により供給される発振器信号によりダウンコンバートする(例えば、ベースバンド信号にダウンコンバートする)よう構成されてもよい。ダウンコンバート中、信号は、その信号のIチャネル成分とQチャネル成分に分けられてもよい。さらに、crx経路221は、アナログ信号をダウンコンバータ228から受信し、そのアナログ信号をデジタル信号に変換するよう構成されたアナログ−デジタル・コンバータ(ADC)224を有してもよい。このデジタル信号は、次に、crx経路221により検出された信号(「crx信号」)のDCオフセットを除去するよう構成されたフィルタ238に渡されてもよい。幾つかの実施形態では、フィルタ238は、移動平均フィルタを有してもよい。フィルタ238は、crx信号をエラー・トラッキング経路241に伝達してもよい。明示的に示されないが、crx信号は、そのcrx信号のIチャネル成分とQチャネル成分とに従って分けられてもよい。したがって、crx経路221は、各チャネル成分のためにADC224及びフィルタ221を有してもよい。
【0024】
エラー・トラッキング経路241は、crx信号を受信しダウンコンバージョンにより引き起こされる周波数利得のドループ(droop)を調整するよう構成されたドループ補償器240を有してもよい。したがって、ドループ補償器は、crx信号のIチャネル成分とQチャネル成分を周波数増幅利得で増幅するよう構成されてもよい。
【0025】
ドループ補償器240は、crx信号のIチャネルとQチャネルとの間に存在する利得の不平衡を調整してIチャネルとQチャネルとの間の利得が実質的に等しくなるようにするよう構成された利得不平衡補償器242にcrx信号を伝達してもよい。利得不平衡補償器242は、IチャネルとQチャネルとの間の位相差を調整してIチャネルとQチャネルとが互いに実質的に直角位相になるようにする(例えば、90°の位相だけオフセットする)よう構成された位相不平衡補償器244にcrx信号を伝達してもよい。位相不平衡補償器244は、crx信号を振幅推定器246に伝達してもよい。
【0026】
振幅推定器246は、crx信号の振幅を決定するよう構成されてもよい。幾つかの実施形態では、振幅推定器246は、Iチャネルの振幅の二乗とQチャネルの振幅の二乗との和の平方根をとることにより、crx信号の振幅を決定してもよい。振幅推定器246は、crx振幅(crx(n)、ここでnは現在のサンプルを表す)を、基準信号に対するcrx信号の利得を決定するよう構成された適応型利得及び遅延モジュール(「利得及び遅延モジュール」)248に伝達してもよい。利得及び遅延モジュール248は、後述するように、crx信号と基準信号との間の遅延差を決定し、基準信号とcrx信号とを時間的に揃え、より正確な利得が決定されるように構成されてもよい。
【0027】
基準信号は、crx経路221により測定されcrx信号により示されるように、送信経路201により送信されている信号により経験された利得を決定するために、利得及び遅延モジュール248により、その名前が示すように基準として用いられてもよい。したがって、利得及び遅延モジュール248は、基準信号をcrx信号と比較し、送信されたRF信号の実際の利得を決定してもよい。利得及び遅延モジュール248は、決定した利得をループ利得補償器250に伝達してもよい。後述するように、ループ利得補償器250は、crx信号の実際の利得をcrx信号の期待利得と比較して、利得誤差(例えば、実際の利得と期待利得との間の差)が決定されるようにしてもよい。利得誤差が分かると、ループ利得補償器250は、その利得誤差をデジタル回路202に伝達して、デジタル回路202が送信経路201を介して送信する信号の利得を調整し、送信RF信号の電力をより正確に制御するために利得誤差を補償できるようにしてもよい。同一の又は代替の実施形態では、ループ利得補償器250及び/又はデジタル回路202は、VGA214の利得を調整し、利得誤差を補償するほう構成されてもよい。
【0028】
利得及び遅延モジュール248は、crx信号と基準信号との間の遅延を決定するよう構成されてもよい。したがって、利得及び遅延モジュール248は、遅延を遅延調整モジュールに伝達し、遅延モジュールが基準信号をcrx信号と時間的に揃えて、基準信号利得のcrx信号利得とのより正確な比較を可能にするようにしてもよい。
【0029】
利得及び遅延モジュール248は、基準信号に対するcrx信号の利得を決定してもよく、最小二乗平均(LMS)又は再帰的最小二乗(RLS)アルゴリズムのような適切な方法を用いてcrx信号と基準信号との間の遅延差を決定してもよい。図3は、後述するように、最小二乗平均アルゴリズムを用いる実施形態を示す。
【0030】
上述のように、エラー・トラッキング経路241は、基準信号をデジタル回路202から受信するよう構成された遅延調整モジュール254を有してもよい。また、これも上述したように、明示的に示されないが、基準信号は、基準信号のI及びQチャネル成分に従って分けられてもよい。遅延調整モジュール254は、基準信号とcrx信号との間の時間差を示す制御信号を利得及び遅延モジュール248から受信してもよい。遅延は、デジタル・サンプルの観点で表現されてもよい。したがって、遅延モジュール254は、基準信号を、利得及び遅延モジュール248により示されたサンプル数だけ遅延させてもよい。
【0031】
遅延モジュール254は、変化する遅延の程度を変化する遅延分解能の程度で提供するよう構成された複数の遅延モジュールを有してもよい。例えば、遅延モジュール254は、基準信号の粗い遅延調整を行い、特定のサンプリング・レートで1サンプルより大きい遅延分解能(例えば、62.4MHzのサンプリング・レートで4サンプルの遅延分解能)を有する粗整数遅延モジュールを有してもよい。遅延モジュール254は、示されたサンプル・レートで最大1サンプルの遅延調整分解能(例えば、62.4MHzのサンプリング・レートで1サンプルの遅延分解能)を有する精整数遅延モジュールを有してもよい。さらに、同一の又は代替の実施形態では、遅延モジュール254は、示されたサンプル・レートで1サンプルの分数の遅延分解能(例えば、62.4MHzのサンプリング・レートで0.1サンプルの遅延分解能)を提供する分数遅延モジュールを有してもよい。したがって、精遅延調整の遅延分解能が精細なほど、遅延調整の精度も高くなる。
【0032】
遅延モジュール254は、時間の揃えられた基準信号を、基準信号の振幅を推定するよう構成された振幅推定器252に伝達してもよい。振幅推定器252は、振幅推定器246と実質的に同様であってもよい。振幅推定器252は、基準信号の時間調整の大きさ(例えば、ref(n)、ここでnは基準信号の現在のサンプルを表す)を利得及び遅延モジュール248に伝達し、利得及び遅延モジュール248が時間の揃えられた基準信号とcrx信号との間の利得を決定できるようにしてもよい。
【0033】
基準信号とcrx信号との間の利得を決定すると、利得及び遅延モジュール248は、決定した利得をループ利得補償器250に伝達してもよい。ループ利得補償器250は、crx信号の期待利得を決定した利得から差し引き、送信信号の利得誤差を決定するように構成されてもよい。crx信号の期待利得は、送信経路201とcrx経路221の期待利得に基づいてもよく、デジタル回路202を出て利得及び遅延モジュール248によりcrx信号として受信される信号により影響されうる。
【0034】
例えば、デジタル回路202を出た信号は、送信経路201内で、VGA214及び電力増幅器220により増幅されるのに加えて、アップコンバータ208及び/又は帯域通過フィルタ216で減衰されるように、増幅及び/又は減衰されてもよい。さらに、信号は、crx経路221を通じて送信するために、カプラ225において及びカプラ225からのフィードバック信号を受信するよう構成されたパッド(明示的に示されない)における損失を経験する。さらに、フィードバック信号は、エラー・トラッキング経路241にcrx信号として入る前に、LNA234により増幅され、及び/又はダウンコンバータ228により減衰されてもよい。これらの利得及び損失は、ある程度知ることができるので、デジタル回路202を出て利得及び遅延モジュール248でcrx信号として受信される信号の期待利得が概算できる。したがって、ループ利得補償器250は、期待ループ利得を測定した利得から差し引き、利得誤差を得てもよい。この利得誤差は、実際の利得と期待利得との間の差を示す。
【0035】
ループ利得補償器250は、利得誤差をデジタル回路202に伝達してもよい。したがって、上述のように、デジタル回路202は、送信信号の利得を調整するときに、(例えば送信経路201に伝達されるデジタル信号の利得を調整することにより)利得誤差を埋め合わせ(account for)、送信信号電力が所望の信号電力により密接に対応するようにする。さらに、上述のように、同一の又は代替の実施形態では、ループ利得補償器250及び/又はデジタル回路202は、VGA214の利得を調整して利得誤差を補償するように構成されてもよい。
【0036】
利得及び遅延モジュール248は、誤差信号(e(n))を干渉検出モジュール260に伝達するよう構成されてもよい。誤差信号は、crx信号と決定された利得を乗算された基準信号との間の差を示してもよい。干渉源及び/又はブロッカは、検出されたcrx信号が、ブロッカが存在しなかった場合と大きく異なる大きさを有するようにしてもよい。さらに、ブロッカは、crx信号の大きさを予測できないように変化させてもよい。このような例では、利得及び遅延モジュール248により決定され基準信号に適用される利得は、crx信号の基準信号に対する利得と適切に整合しない。したがって、crx信号と決定された利得により乗算された基準信号との間の誤差は、ブロッカが存在するときに増大する。したがって、干渉検出モジュール260は、誤差が示された閾より上か否かを決定し、閾より上の場合には、デジタル回路202に、ブロッカが存在することを示すフラグを伝達してもよい。デジタル回路202は、相応してブロッカを解決してもよい。
【0037】
したがって、crx経路221、エラー・トラッキング経路241及びデジタル回路202は、要素200により送信されている信号の電力を追跡し調整するよう構成されうる。このような構成は、外部電力検出器を含まず、外部電力検出システムと比べて修正時間が短縮される。したがって、利得誤差の追跡は、他の電力検出及び追跡の構成を有するよりも高速である。
【0038】
本開示の範囲から逸脱することなく、図2に変形、追加又は省略を行うことができる。例えば、上述のように、基準信号とcrx信号は、I及びQチャネル信号成分を有し、crx経路221、エラー・トラッキング経路241及び送信経路201がIチャネルに対する動作を実行するよう構成されるコンポーネント及びQチャネルに対する動作を実行するよう構成される他の同様のコンポーネントを有するようにしてもよい。例えば、要素200は、図2には1つのみが示されるが、各アナログ−デジタル変換において各チャネルのためにADCを有してもよく、各チャネルのために増幅器を有してもよい。
【0039】
図3は、図2の利得及び遅延モジュール248の例示的な実施形態を示す。本例では、利得及び遅延モジュール248は、最小二乗平均(LMS)アルゴリズムを実行するよう構成されたDSPを有し、図2のref(n)とcrx(n)との間の利得及び遅延を決定してもよい。しかしながら、任意の適切な適応型誤差検出方法(例えば、RLSアルゴリズム)を実行するよう構成された任意の適切なシステム、装置又は素子が用いられてもよい。
【0040】
利得及び遅延モジュール248は、それぞれ、ref(n)及びcrx(n)の各デジタル・サンプル間の利得及び遅延を決定するよう構成された利得適応経路300及び遅延適応経路301を有してもよい。利得適応経路300は、crx(n)のref(n)に対する利得と計算された利得g(n)との間の誤差を示す最小二乗平均アルゴリズムを実行するよう構成されてもよい。また、利得適応経路300は、メトリックとして誤差を用いて、ref(n)のcrx(n)に対する利得を決定し、したがって誤差e(n)に従って適応してもよい。LMSアルゴリズムは、各サンプルについて、前のサンプルの誤差及び利得に基づき調整するよう構成され、僅かな誤差又は誤差のない安定状態になるようにしてもよい。利得適応経路300が僅かな誤差又は誤差のない安定状態になると、ref(n)のcrx(n)との間の利得は、無理なく決定できる。本例では、利得適応経路300は、次式を実行して、ref(n)のcrx(n)との間の利得を決定するように構成されてもよい。
【数1】

【0041】
上述の式では、e(n)は最小二乗平均誤差を表し、g(n)はref(n)のcrx(n)に対する利得を表し、gainμは利得適応経路300が安定状態に達するのに必要な時間を調整するために用いられる倍率を表す。
【0042】
上式の実装は、図3から分かる。例えば、乗算器302aは、ref(n)を受信し、ref(n)をg(n)で乗算して上式のg(n)*ref(n)を生成してもよい。g(n)*ref(n)は、決定した利得により乗算された基準信号の大きさを表す。この乗算に続いて、g(n)*ref(n)は、g(n)*ref(n)とcrx(n)との間の差を決定するよう構成された加算器304aに伝達されてもよい。g(n)*ref(n)とcrx(n)との間の差は、計算した利得g(n)とref(n)に対するcrx(n)により経験された実際の利得との間の誤差e(n)を示しうる。この差の計算に続いて、c(n)は、乗算器302bに伝達され、e(n)はref(n)により乗算され、上式のe(n)*ref(n)を与える。
【0043】
この積(e(n)*ref(n))は、乗算器302cに伝達され、gainμを乗算される。上述のように、gainμは、利得適応経路300が安定状態に達するのに必要な時間を調整しうる倍率を有する。gainμが大きいほど、利得適応経路300は速く安定状態に達するが、安定状態に達する間の振動も大きい。したがって、gainμの値は、このトレードオフを念頭において選択される。乗算器302cに続いて、(e(n)*ref(n)*gainμ)は、加算器304bに伝達され、計算した利得の前の値(例えば、g(n−1))に加算され、計算した利得の現在の値(例えば、g(n))を生成してもよい。計算した利得、g(n)は、上述の決定を実行するためにフィードバックとして乗算器302aにループバックされ、また、図2に関して説明したように、出力され、そしてループ利得補償器250に伝達されてもよい。
【0044】
上述のように、利得及び遅延モジュール248は、crx(n)とref(n)との間の遅延(d(n))を決定し、d(n)が遅延調整モジュール254(図2に示される)に伝達され、相応してref(n)の遅延を調整してref(n)をcrx(n)と時間的に揃えるよう構成された遅延適応経路301を有してもよい。遅延適応経路301は、次式を実行して、ref(n)とcrx(n)との間の遅延を決定するよう構成されてもよい。
【数2】

【0045】
上式では、delμは、gainμと同様の倍率を表し、ref(n−1)は基準信号の前のサンプルの大きさを表し、ref(n)は基準信号の現在のサンプルの大きさを表し、e(n)はcrx(n)と利得適応経路300により決定されたg(n)を乗算されたref(n)との間の誤差を表す。最後に、d(n−1)は、前のサンプルに対して決定された遅延を表す。
【0046】
上述の遅延の式を実装するために、遅延適応経路301は、ref(n)及びref(n−1)を受信し両者の差を決定するよう構成された加算器310aを有してもよい。この差(ref(n−1)−ref(n))は、乗算器312aに伝達されてもよい。また、乗算器312aは、利得適応経路300の加算器304aから誤差e(n)を受信するよう構成され、上述の遅延適応式により示されるようにe(n)に(ref(n−1)−ref(n))を乗算してもよい。さらに、遅延適応経路301は、上述の遅延適応式により示されるように[e(n)*(ref(n−1)−ref(n))]にdelμを乗算するよう構成された乗算器312bを有してもよい。この積は、次に、加算器310bに伝達されてもよい。加算器310bは、この積及び前のサンプルの遅延(例えばd(n−1))を受信する。加算器310bは、上述の遅延式により示されるように、[e(n)*(ref(n−1)−ref(n))]とd(n−1)を加算して現在のサンプルの遅延(d(n))を生成してもよい。このd(n)は、遅延調整モジュール254に伝達され、ref(n)がd(n)に従ってcrx(n)と時間的に揃えられるようにしてもよい。
【0047】
したがって、本例では、利得及び遅延モジュール248は、crx(n)のref(n)に対する利得を決定し、利得誤差が上述のように決定できるようにしてもよい。さらに、利得及び遅延モジュール248は、crx(n)とref(n)との間の遅延を決定し、crx(n)とref(n)を時間的に更に良好に揃え、両者の間のより正確な利得を決定できるようにしてもよい。さらに、図3の利得及び遅延モジュール248は、決定したe(n)を図2の干渉検出モジュール260(図3には明示的に示されない)に伝達し、干渉検出モジュール260が少なくとも部分的にe(n)に基づいてブロッカが存在するか否かを決定できるように構成されてもよい。
【0048】
本開示の範囲から逸脱することなく、図3に変形、追加又は省略を行うことができる。例えば、gainμ及びdelμに加えて、利得及び遅延モジュール248は、(g(n)*ref(n))とcrx(n)との間の差を乗算された誤差倍率を有し、e(n)の値を調整してもよい。スケーリングは、安定状態の動作中のリプルを減少させるために又は安定状態動作に達するのに必要な時間量を短縮するために行われてもよい。
【0049】
本開示及びその利点が詳細に説明されたが、添付の請求の範囲に定められた本開示の精神と範囲から逸脱することなく、種々の変更、代替及び選択が行われてもよいことが理解されるべきである。
【0050】
上述の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) デジタル信号を無線通信信号に変換する送信経路、
前記送信経路に結合され、前記無線通信信号を送信するアンテナ、
前記アンテナと送信経路との間に通信可能に結合され、前記送信経路から前記アンテナへ送信される前記無線通信信号の電力レベルを示すフィードバック信号を受信するフィードバック受信経路、
前記フィードバック受信経路に結合されたエラー・トラッキング経路、
を有し、
前記エラー・トラッキング経路は、
前記フィードバック信号を受信し、
前記デジタル信号と関連する基準信号を受信し、
前記フィードバック信号の前記基準信号に対する利得を決定し、
前記決定した利得及び期待利得に基づき利得誤差を決定する、
ことを特徴とする無線通信要素。
(付記2) 前記エラー・トラッキング経路は、前記フィードバック信号を前記基準信号に時間的に揃える、付記1に記載の無線通信要素。
(付記3) 前記エラー・トラッキング経路は、前記基準信号と前記フィードバック信号との間の遅延に基づき、前記フィードバック信号を前記基準信号に時間的に揃え、前記遅延は、適応型エラー・トラッキング・アルゴリズムを用いて決定される、付記2に記載の無線通信要素。
(付記4) 前記エラー・トラッキング経路は、適応型エラー・トラッキング・アルゴリズムを用いて、前記フィードバック信号の利得を決定する、付記1に記載の無線通信要素。
(付記5) 前記適応型エラー・トラッキング・アルゴリズムは、最小二乗平均アルゴリズム及び再帰的最小二乗アルゴリズムのうちの少なくとも1つを有する、付記4に記載の無線通信要素。
(付記6) 前記送信経路は、前記利得誤差に基づき、前記無線通信信号の電力レベルを調整する、付記1に記載の無線通信要素。
(付記7) 前記エラー・トラッキング経路は、前記フィードバック信号と前記決定した利得を乗算された前記基準信号との間の差に基づき、前記無線通信信号と関連する干渉を検出する、付記1に記載の無線通信要素。
(付記8) 前記エラー・トラッキング経路は、前記フィードバック信号の成分の位相を調整し、前記成分が互いに直交位相になるようにする、付記1に記載の無線通信要素。
(付記9) 前記エラー・トラッキング経路は、前記フィードバック信号の成分の大きさを調整し、前記成分が実質的に同じ大きさを有するようにする、付記1に記載の無線通信要素。
(付記10) 前記エラー・トラッキング経路は、前記フィードバック信号を調整して、前記フィードバック信号と関連する周波数利得ドループを補償する、付記1に記載の無線通信要素。
(付記11) 無線通信信号の電力レベルを追跡する方法であって、
無線通信要素の送信経路からアンテナへ送信された関連する無線通信信号の電力レベルを示すフィードバック信号を受信するステップ、
前記無線通信信号に変換されるデジタル信号と関連する基準信号を受信するステップ、
前記フィードバック信号の前記基準信号に対する利得を決定するステップ、
前記決定した利得及び期待利得に基づき、利得誤差を決定するステップ、
を有する方法。
(付記12) 前記フィードバック信号を前記基準信号に時間的に揃えるステップ、
を更に有する付記11に記載の方法。
(付記13) 適応型エラー・トラッキング・アルゴリズムを用いて、前記基準信号と前記フィードバック信号との間の遅延を決定するステップ、
前記決定した遅延に基づき、前記フィードバック信号を前記基準信号に時間的に揃えるステップ、
を更に有する付記12に記載の方法。
(付記14) 適応型エラー・トラッキング・アルゴリズムを用いて、前記フィードバック信号の利得を決定するステップ、
を更に有する付記11に記載の方法。
(付記15) 前記適応型エラー・トラッキング・アルゴリズムは、最小二乗平均アルゴリズム及び再帰的最小二乗アルゴリズムのうちの少なくとも1つを有する、付記14に記載の方法。
(付記16) 前記利得誤差に基づき、前記無線通信信号の電力レベルを調整するステップ、
を更に有する付記11に記載の方法。
(付記17) 前記フィードバック信号と前記決定した利得を乗算された前記基準信号との間の差に基づき、前記無線通信信号と関連する干渉を検出するステップ、
を更に有する付記11に記載の方法。
(付記18) 前記フィードバック信号の成分の位相を調整するステップであって、前記成分が互いに直交位相になるようにする、ステップ、
を更に有する付記11に記載の方法。
(付記19) 前記フィードバック信号の成分の大きさを調整するステップであって、前記成分が実質的に同じ大きさを有するようにする、ステップ、
を更に有する付記11に記載の方法。
(付記20) 前記フィードバック信号と関連する周波数利得ドループを補償するために、前記フィードバック信号を調整するステップ、
を更に有する付記11に記載の方法。
【符号の説明】
【0051】
100 無線通信システム
110 端末
120 基地局
130 衛星
202 デジタル回路
204 DAC
208 アップコンバータ
210 発振器
214 VGA
216 帯域通過フィルタ
220 電力増幅器
224 ADC
225 RFカプラ
228 ダウンコンバータ
230 ループ利得補償器
234 LNA
236 帯域通過フィルタ
238 フィルタ
240 ドループ補償器
242 利得不平衡補償器
244 位相不平衡補償器
246 振幅推定
248 適応利得及び遅延モジュール
252 振幅推定器
254 遅延調整
260 干渉検出
300 利得適応経路
301 遅延適応経路
310、304 加算器
312、302 乗算器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル信号を無線通信信号に変換する送信経路、
前記送信経路に結合され、前記無線通信信号を送信するアンテナ、
前記アンテナと送信経路との間に通信可能に結合され、前記送信経路から前記アンテナへ送信される前記無線通信信号の電力レベルを示すフィードバック信号を受信するフィードバック受信経路、
前記フィードバック受信経路に結合されたエラー・トラッキング経路、
を有し、
前記エラー・トラッキング経路は、
前記フィードバック信号を受信し、
前記デジタル信号と関連する基準信号を受信し、
前記フィードバック信号の前記基準信号に対する利得を決定し、
前記決定した利得及び期待利得に基づき利得誤差を決定する、
ことを特徴とする無線通信要素。
【請求項2】
前記エラー・トラッキング経路は、前記フィードバック信号を前記基準信号に時間的に揃える、請求項1に記載の無線通信要素。
【請求項3】
前記エラー・トラッキング経路は、前記基準信号と前記フィードバック信号との間の遅延に基づき、前記フィードバック信号を前記基準信号に時間的に揃え、前記遅延は、適応型エラー・トラッキング・アルゴリズムを用いて決定される、請求項2に記載の無線通信要素。
【請求項4】
前記エラー・トラッキング経路は、適応型エラー・トラッキング・アルゴリズムを用いて、前記フィードバック信号の利得を決定する、請求項1に記載の無線通信要素。
【請求項5】
前記適応型エラー・トラッキング・アルゴリズムは、最小二乗平均アルゴリズム及び再帰的最小二乗アルゴリズムのうちの少なくとも1つを有する、請求項4に記載の無線通信要素。
【請求項6】
前記送信経路は、前記利得誤差に基づき、前記無線通信信号の電力レベルを調整する、請求項1に記載の無線通信要素。
【請求項7】
前記エラー・トラッキング経路は、前記フィードバック信号と前記決定した利得を乗算された前記基準信号との間の差に基づき、前記無線通信信号と関連する干渉を検出する、請求項1に記載の無線通信要素。
【請求項8】
前記エラー・トラッキング経路は、前記フィードバック信号の成分の位相を調整し、前記成分が互いに直交位相になるようにする、請求項1に記載の無線通信要素。
【請求項9】
前記エラー・トラッキング経路は、前記フィードバック信号の成分の大きさを調整し、前記成分が実質的に同じ大きさを有するようにする、請求項1に記載の無線通信要素。
【請求項10】
無線通信信号の電力レベルを追跡する方法であって、
無線通信要素の送信経路からアンテナへ送信された関連する無線通信信号の電力レベルを示すフィードバック信号を受信するステップ、
前記無線通信信号に変換されるデジタル信号と関連する基準信号を受信するステップ、
前記フィードバック信号の前記基準信号に対する利得を決定するステップ、
前記決定した利得及び期待利得に基づき、利得誤差を決定するステップ、
を有する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−13080(P2013−13080A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−143014(P2012−143014)
【出願日】平成24年6月26日(2012.6.26)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】