説明

無線通信装置

【課題】特別な操作を必要とすることなく自動的に最適な通信特性で無線通信を行うことができる無線通信装置を提供する。
【解決手段】通信対象と無線通信を行うための第1又は第2アンテナ111,112及び高周波回路131を有し、据え置き箇所に据え置かずに使用する携帯使用モードと据え置き箇所に据え置いて使用する固定使用モードとを備え、携帯使用がなされているか固定使用がなされているかを検出するコネクタ141と、コネクタ141で携帯使用が検出された場合には携帯使用モードに切り替え、コネクタ141で固定使用が検出された場合には固定使用モードに切り替える制御回路133とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信対象と無線通信を行う無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信対象と無線通信を行う無線通信システムの1つとして、所定の無線タグ情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うタグ側アンテナを備えた無線タグ回路素子を有する小型の無線タグと、リーダ(読み取り装置)/ライタ(書き込み装置)との間で非接触で情報の読み取り/書き込みを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが提唱されており、様々な分野において実用化されつつある。
【0003】
上記RFIDシステムの従来技術として、例えば特許文献1に記載のものがある。この従来技術のシステムでは、無線通信装置(リーダ/ライタ)からの制御信号により、無線タグ回路素子(ICタグ)に対し、電波の強度が規定以上の場合のみ応答する短距離モード或いは、この制限を行わない長距離モードとの切り替えを行う。これにより、例えば無線タグ回路素子が取り付けられた物品をトラック等で搬送する際に短距離モードにしておくことで、車外からの不正目的での無線タグ情報の読み取りを防止することを可能としている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−268359号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年のRFIDシステムの様々な分野での実用化に伴い、無線タグ回路素子に対し情報の読み取り・書き込みを行う無線通信装置の使用形態も多様化している。例えば、無線通信装置を固定位置に据え置いて用いる場合もあれば、操作者が携帯して持ち歩きながら用いる場合もある。このとき、無線通信装置を据え置いて用いる場合には、一般に無線タグ回路素子を無線通信装置に近づけて情報の読み取り等を行うことになるため、必要な通信距離は比較的短い。一方、携帯して用いる場合には、一般に操作者は無線タグ回路素子からある程度離れた位置から無線通信装置で情報の読み取り等を行うことになるため、通信距離を比較的長くする必要がある。このように、無線通信装置と無線タグ回路素子との間で最適な通信を行うためには、その使用態様により無線通信装置側の通信特性を切り替える必要があるが、上記従来技術では無線通信装置側の通信特性の切り替えについては何ら考慮されていなかった。
【0006】
本発明の目的は、特別な操作を必要とすることなく自動的に最適な通信特性で無線通信を行うことができる無線通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の発明は、通信対象と無線通信を行うための無線通信手段を有し、据え置き箇所に据え置かずに使用する携帯使用モードと前記据え置き箇所に据え置いて使用する固定使用モードとを備えた無線通信装置であって、携帯使用がなされているか固定使用がなされているかを検出する使用検出手段と、前記使用検出手段で前記携帯使用が検出された場合には前記携帯使用モードに切り替え、前記使用検出手段で前記固定使用が検出された場合には前記固定使用モードに切り替える、モード切替手段とを有することを特徴とする。
【0008】
本願第1発明においては、操作者が携帯して使用できるとともに、据え置き箇所に据え置いても使用できるように構成されている。また、据え置き箇所に据え置かずに携帯して使用する場合に対応した携帯使用モードと、据え置きで使用する場合に対応した固定使用モードとが予め用意されている。そして、操作者が携帯して使用する場合は、このことが使用検出手段で検出され、これによってモード切替手段はモードを携帯使用モードに切り替える。同様に、操作者が据え置き箇所に据え置いて使用する場合は、このことが使用検出手段で検出され、これによってモード切替手段はモードを固定使用モードに切り替える。
【0009】
以上のようにして、携帯しても据え置いても使用可能に構成されるとともに、いずれの使用法であるかが検出されて自動的に対応するモードに切り替えられる。この結果、操作者は、いずれの使用法の場合であっても、特別な操作を必要とすることなく自動的に最適な通信特性で無線通信を行うことができるので、利便性を向上させることができる。
【0010】
第2の発明は、上記第1発明において、前記使用検出手段は、前記据え置き箇所としての着脱台への着脱状態を検出する着脱検出手段であり、前記モード切替手段は、前記着脱検出手段で前記着脱台への装着が検出された場合には前記固定使用モードに切り替え、前記着脱検出手段で前記着脱台への装着が検出されない場合には前記携帯使用モードに切り替えることを特徴とする。
【0011】
操作者が無線通信装置を着脱台に装着すると、このことが着脱検出手段で検出され、これによってモード切替手段がモードを固定使用モードに切り替える。操作者が携帯して使用するために着脱台から取り外すと、着脱検出手段では装着が検出されなくなり、これによってモード切替手段がモードを携帯使用モードに切り替える。このようにして、着脱台への着脱状態によって自動的に通信特性を最適なものに切り替えることができる。
【0012】
第3の発明は、上記第1発明において、前記使用検出手段は、他の電子機器への接続ケーブルの着脱状態を検出する接続検出手段であり、前記モード切替手段は、前記接続検出手段で前記接続ケーブルの装着が検出された場合には前記固定使用モードに切り替え、前記接続検出手段で前記接続ケーブルの装着が検出されない場合には前記携帯使用モードに切り替えることを特徴とする。
【0013】
操作者が無線通信装置と他の電子機器とを接続ケーブルで接続すると、この接続ケーブルの装着が接続検出手段で検出され、これによってモード切替手段がモードを固定使用モードに切り替える。操作者が携帯して使用するために接続ケーブルを取り外すと、接続検出手段では装着が検出されなくなり、これによってモード切替手段がモードを携帯使用モードに切り替える。このようにして、接続ケーブルの着脱状態によって自動的に通信特性を最適なものに切り替えることができる。
【0014】
第4の発明は、上記第1発明において、前記使用検出手段は、装置に加わる加速度又は速度を検出するセンサ手段であり、前記モード切替手段は、前記センサ手段で検出された加速度又は速度が所定のしきい値未満である場合には前記固定使用モードに切り替え、前記センサ手段で検出された前記加速度又は前記速度が前記しきい値以上である場合には前記携帯使用モードに切り替えることを特徴とする。
【0015】
操作者が携帯して使用する際に無線通信装置を持って振り回したり自ら移動すると、このとき生じた比較的大きい(=しきい値以上の)加速度や速度がセンサ手段で検出され、これによってモード切替手段がモードを携帯使用モードに切り替える。操作者が携帯を止めて据え置きで使用すると、据え置きによってセンサ手段で検出される加速度や速度がしきい値未満となり、これによってモード切替手段がモードを固定使用モードに切り替える。このようにして、センサ手段の検出結果によって自動的に通信特性を最適なものに切り替えることができる。
【0016】
第5の発明は、上記第2乃至第4発明のいずれかにおいて、前記無線通信手段は、少なくとも、前記携帯使用モードに対応した第1アンテナを含むアンテナ手段と、前記アンテナ手段に接続された高周波回路とを有し、前記モード切替手段は、前記携帯使用モードでは前記高周波回路を前記第1アンテナに接続し、前記固定使用モードでは前記高周波回路を当該固定使用モードに対応した第2アンテナ側に接続するように接続切り替えを行う、接続切替手段を備えることを特徴とする。
【0017】
本願第5発明においては、操作者が携帯して使用する場合に対応した第1アンテナと、据え置きで使用する場合に対応した第2アンテナとが予め用意されている(第2アンテナは無線通信装置側に設けてもよいし、据え置き箇所側に設けてもよい)。そして、携帯使用モードのときには高周波回路が第1アンテナに接続されて第1アンテナを介し通信対象と無線通信が行われ、固定使用モードのときには高周波回路が第2アンテナ側に接続されて第2アンテナを介し通信対象と無線通信が行われる。これにより、いずれの使用法の場合であっても、自動的に最適な通信特性で無線通信を行うことができる。
【0018】
第6の発明は、上記第2乃至第5発明のいずれかにおいて、前記モード切替手段は、前記携帯使用モードと前記固定使用モードとで、前記無線通信手段で用いる通信パラメータを切り替えるパラメータ切替手段を備えることを特徴とする。
【0019】
本願第6発明においては、操作者が携帯して使用する場合に対応した通信パラメータ設定と、据え置きで使用する場合に対応した通信パラメータ設定とが予め用意されている。そして、携帯使用モードであるか、固定使用モードであるかに応じて、パラメータ切替手段がパラメータ設定を切り替え、通信対象と無線通信が行われる。これにより、いずれの使用法の場合であっても、自動的に最適な通信特性で無線通信を行うことができる。
【0020】
第7の発明は、上記第5又は第6発明において、前記アンテナ手段は、前記第2アンテナを含み、前記接続切替手段は、前記固定使用モードでは、前記高周波回路を前記第2アンテナに接続することを特徴とする。
【0021】
固定使用モードのときには、高周波回路が第2アンテナに接続されて第2アンテナを介し通信対象と無線通信が行われ、最適な通信特性を得ることができる。
【0022】
第8の発明は、上記第5又は第6発明において、前記固定使用時に、前記据え置き箇所に設けられた前記第2アンテナに対し接続されるアンテナ接続手段を有し、前記接続切替手段は、前記固定使用モードでは、前記高周波回路を前記アンテナ接続手段に接続することを特徴とする。
【0023】
固定使用モードのときには、高周波回路がアンテナ接続手段を介して第2アンテナに接続されることで、第2アンテナを介し通信対象と無線通信が行われ、最適な通信特性を得ることができる。
【0024】
第9の発明は、上記第6発明において、前記パラメータ切替手段は、前記通信パラメータとして、前記携帯使用モードと前記固定使用モードとで前記無線通信手段の送信出力を切り替えることを特徴とする。
【0025】
携帯使用モードであるか固定使用モードであるかによって、パラメータ切替手段が無線通信手段の送信出力を増減変化させることにより、最適な通信特性を得ることができる。例えば倉庫における物品サーチに使用する場合には、携帯使用モードでは送信出力を小さくし適宜装置を振り回す又は移動することにより目標とする物品を高精度に探すことができる。倉庫入口等に配置して固定使用モードで使用する場合には物品までの距離があることから送信出力を大きくした方がよい。逆に、オフィスにおける物品サーチに使用する場合には、デスク上を通信範囲がカバーできるように無線通信装置を配置することで、固定使用モードでは送信出力を小さくし、携帯使用モードではデスクより離れた物品サーチを行う可能性があることから送信出力を大きくしたほうがよい。
【0026】
第10の発明は、上記第6発明において、前記パラメータ切替手段は、前記通信パラメータとして、前記携帯使用モードと前記固定使用モードとで前記無線通信手段の通信速度を切り替えることを特徴とする。
【0027】
携帯使用モードであるか固定使用モードであるかによって、パラメータ切替手段が無線通信手段の通信速度を増減変化させることにより、最適な通信特性を得ることができる。例えば固定使用モードでは、無線通信装置から無線タグ回路素子への通信速度を遅くすることで当該無線タグ回路素子から無線通信装置への通信速度と異ならすことにより、複数の無線通信装置間の通信干渉の発生を低減することができる。
【0028】
第11の発明は、上記第6発明において、前記パラメータ切替手段は、前記通信パラメータとして、前記携帯使用モードと前記固定使用モードとで前記無線通信手段で用いる転送方式を切り替えることを特徴とする。
【0029】
携帯使用モードであるか固定使用モードであるかによって、パラメータ切替手段が無線通信手段の転送方式を変えることにより、最適な通信特性を得ることができる。例えば固定使用モードでは、パソコン等の他の外部電子機器と接続されていることから、取得した情報を無線通信装置内のメモリ等に記憶させることなくスルーで外部電子機器へ出力してもよい。これに対し携帯使用モードでは、取得した情報はいったん無線通信装置内のメモリ等に記憶しておくようにすればよい。
【0030】
第12の発明は、上記第5乃至第11発明のいずれかにおいて、前記無線通信手段は、前記通信対象としての、情報を記憶するIC回路部と情報を送受信するタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子に対し、無線通信を行うことを特徴とする。
【0031】
これにより、無線タグ回路素子と通信を行うタグリーダを、携帯しても据え置いても使用可能に構成することができる。さらに、いずれの使用法であるかにより自動的に対応するモードに切り替え、自動的に最適な通信特性で無線タグ回路素子から情報取得を行うことができる。
【0032】
第13の発明は、上記第12発明において、前記無線通信手段は、UHF帯の周波数を用いて、前記無線タグ回路素子と無線通信を行うことを特徴とする。
【0033】
これにより、UHF帯の周波数を用いて比較的長い通信距離で無線タグ回路素子と通信を行うタグリーダを、携帯しても据え置いても使用可能に構成することができる。さらに、いずれの使用法であるかにより自動的に対応するモードに切り替え、自動的に最適な通信特性で無線タグ回路素子から情報取得を行うことができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、特別な操作を必要とすることなく自動的に最適な通信特性で無線通信を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0036】
図1は、本実施形態の無線通信装置であるリーダライタ100の全体構造を表す図であり、図1(a)は携帯使用状態、図1(b)は固定使用状態を示している。本実施形態においては、このようにリーダライタ100がクレードル200に対し装着されていない状態を、据え置き箇所に据え置かずに使用する携帯使用状態と、リーダライタ100がクレードル200に対し装着された状態を、据え置き箇所に据え置いて使用する固定使用状態とする。
【0037】
リーダライタ100は、所定の無線タグ情報を記憶するIC回路部150とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うタグ側アンテナ151とを備えた無線タグ回路素子To(後述の図5参照)に対し無線通信を介して情報の書き込み又は読み取りを行う携帯型(いわゆるハンディタイプ)の無線通信装置である。このリーダライタ100は、図1(a)に示すように据え置き箇所に据え置かずに操作者が携帯して使用したり(以下適宜「携帯使用」と記載)、図1(b)に示すように据え置き箇所に据え置いて使用する(以下適宜「固定使用」と記載)ことが可能である。据え置いて使用する場合には、リーダライタ100を充電可能なクレードル200(着脱台)に装着した状態で使用する。
【0038】
リーダライタ100は、上記携帯使用に対応した第1アンテナ111及び上記固定使用に対応した第2アンテナ112(図2参照)を備えたアンテナ部110(アンテナ手段)と、このアンテナ部110の下部に設けられた本体部120を有している。本体部120は、図中における当該本体部120の上方側に配置され、各種情報の表示を行う表示部121と、この表示部121の図中における下方側に配置され、各種操作入力を行う操作部122とを有している。
【0039】
図2はリーダライタ100及びクレードル200の機能構成を表す機能ブロック図であり、図2(a)は携帯使用状態、図2(b)は固定使用状態を示している。なお、図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0040】
リーダライタ100は、上記表示部121及び操作部122と、通信対象である上記無線タグ回路素子Toとの間で無線通信により信号の授受を行う上記第1アンテナ111及び第2アンテナ112と、これら第1又は第2アンテナ111,112を介し上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150へUHF帯の周波数を用いた無線通信によりアクセスするとともに、その無線タグ回路素子Toから読み出された信号を処理する高周波回路131(無線通信手段)と、この高周波回路131と上記第1及び第2アンテナ111,112との接続を切り替えるアンテナスイッチ回路132(接続切替手段)と、上記高周波回路131及びアンテナスイッチ回路132を含むリーダライタ100全体の制御を行う制御回路133と、携帯使用時に上記制御回路133及び上記表示部121等に電力を供給する充電池134と、固定使用時に上記クレードル200が有するコネクタ201と接続されるコネクタ141とを有する。
【0041】
図2(b)に示すように、固定使用時にリーダライタ100をクレードル200に装着し、リーダライタ100のコネクタ141とクレードル200のコネクタ201とが接続されると、外部電源300の電力がコネクタ201,141を介してリーダライタ100に供給される。これにより、外部電源300の電力が充電池134に供給されて充電されると共に、制御回路133や表示部121等にも電力が供給される。一方、携帯使用時にリーダライタ100がクレードル200から脱着されると、図2(a)に示すように上記充電池134から制御回路133及び表示部121等に電力が供給される。
【0042】
また上記コネクタ141は、リーダライタ100のクレードル200に対する着脱状態を検出する着脱検出手段としての機能を有しており、固定使用時にリーダライタ100がクレードル200に対し装着されると、その装着状態を検出し、対応する検出信号を制御回路133に出力する。一方、携帯使用時にリーダライタ100がクレードル200から脱着されると、その脱着状態を検出し、対応する検出信号を制御回路133に出力する(言い換えれば、脱着された場合には装着状態が検出されなくなり、装着状態に対応する信号の出力を停止する)。以上のような機能により、コネクタ141は、リーダライタ100が携帯使用がなされているか固定使用がなされているかを検出する使用検出手段であるとも言える。なお、本明細書では、リーダライタ100がクレードル200から取り外されることを脱着とし、取り外された状態のことを脱着状態として説明する。
【0043】
上記制御回路133は、上記コネクタ141から脱着状態に対応する信号が入力された場合には、携帯使用モードに移行し、アンテナスイッチ回路132に制御信号を出力して、図2(a)に示すように高周波回路131と第1アンテナ111とが接続されるようにアンテナスイッチ回路132を切り替える。一方、上記コネクタ141から装着状態に対応する信号が入力された場合には、固定使用モードに移行し、アンテナスイッチ回路132に制御信号を出力して、図2(b)に示すように高周波回路131と第2アンテナ112とが接続されるようにアンテナスイッチ回路132を切り替える。
【0044】
図3は、上記高周波回路131の詳細構成を表す機能ブロック図である。なお、図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0045】
この図3において、高周波回路131は、上記第1又は第2アンテナ111,112を介し上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150の情報へアクセスするものであり、またリーダライタ100の制御回路133は無線タグ回路素子ToのIC回路部150から読み出された信号を処理して情報を読み出すとともに無線タグ回路素子ToのIC回路部150へアクセスするための各種コマンドを生成するものである。
【0046】
高周波回路131は、第1又は第2アンテナ111,112を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部142と、第1又は第2アンテナ111,112により受信された無線タグ回路素子Toからの応答波を入力する受信部143と、送受分離器144とから構成される。
【0047】
送信部142は、無線タグ回路素子ToのIC回路部150の無線タグ情報にアクセスするための質問波を生成するブロックで、質問波の搬送波を発生させる水晶振動子145A、制御回路133の制御により所定の周波数の信号を発生させるPLL(Phase Locked Loop)145B、及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)145Cと、上記制御回路133から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例では制御回路133からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路146(但し振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路146により変調された変調波を増幅(この例では制御回路133からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定される増幅)する可変送信アンプ147とを備えている。そして、上記発生される搬送波は、例えばUHF帯(又はマイクロ波帯、あるいは短波帯でもよい)の周波数を用いており、上記可変送信アンプ147の出力は、送受分離器144を介し第1アンテナ111又は第2アンテナ112に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部150に供給される。なお、質問波は上記のように変調した信号(変調波)に限られず、単なる搬送波のみの場合もある。
【0048】
受信部143は、第1又は第2アンテナ111,112で受信された無線タグ回路素子Toからの応答波と上記発生させられた搬送波とを乗算して復調する受信第1乗算回路148と、その受信第1乗算回路148の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第1バンドパスフィルタ149と、この第1バンドパスフィルタ149の出力を増幅する受信第1アンプ162と、この受信第1アンプ162の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換する第1リミッタ163と、上記第1又は第2アンテナ111,112で受信された無線タグ回路素子Toからの応答波と上記発生された後に移相器167により位相を90°遅らせた搬送波とを乗算する受信第2乗算回路172と、その受信第2乗算回路172の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第2バンドパスフィルタ173と、この第2バンドパスフィルタ173の出力を増幅する受信第2アンプ175と、この受信第2アンプ175の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換する第2リミッタ176とを備えている。そして、上記第1リミッタ163から出力される信号「RXS−I」及び第2リミッタ176から出力される信号「RXS−Q」は、上記制御回路133に入力されて処理される。
【0049】
また、受信第1アンプ162及び受信第2アンプ175の出力は、強度検出手段としてのRSSI(Received Signal Strength Indicator)回路178にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」が制御回路133に入力されるようになっている。このようにして、リーダ1では、I−Q直交復調によって無線タグ回路素子Toからの応答波の復調が行われる。
【0050】
アンテナスイッチ回路132は、周知の高周波用FETやダイオードを用いたスイッチ回路であり、制御回路133からの制御信号により第1及び第2アンテナ111,112のいずれかを送受分離器144に接続するものである。
【0051】
図4は、第1アンテナ111及び第2アンテナ112の概略構造を表す図である。
【0052】
図4(a)に示すように、第1アンテナ111(無線通信手段)は、主として中〜遠距離の通信対象と情報送受信を行うのに好適な電界放射型アンテナであるパッチアンテナである。この第1アンテナ111は、誘電体111A及びアンテナ素子111Bを有しており、アンテナ素子111B上には無線タグ回路素子Toへの通信に対応した偏波面を第1アンテナ111に生じさせるための給電点Pが設けられている。本実施形態では、例えばオフィスにおいて物品サーチを行うような場合に携帯使用ではデスクより離れた物品サーチを行う可能性があることから、通信距離が比較的大きいパッチアンテナを採用している。
【0053】
一方、第2アンテナ112(無線通信手段)は、図4(b)に示すように、主として近距離の通信対象と情報送受信を行うのに好適な磁界放射型アンテナである微小ループアンテナである。この第2アンテナ112は、アンテナ素子112Aのループの周囲長が波長に対して非常に短くなるように構成されている。本実施形態では、例えばオフィスにおいて物品サーチを行うような場合に固定使用ではデスク上を通信範囲がカバーできれば足りることから、通信距離が比較的小さい微小ループアンテナを採用している。
【0054】
図5は、上記無線タグ回路素子Toの機能的構成の一例を表すブロック図である。なお、図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0055】
この図5において、無線タグ回路素子Toは、上述したようにリーダライタ100の第1又は第2アンテナ111,112と非接触で信号の送受信を行う上記タグ側アンテナ151と、このタグ側アンテナ151に接続された上記IC回路部150とを有している。
【0056】
IC回路部150は、タグ側アンテナ151により受信された質問波を整流する整流部152と、この整流部152により整流された質問波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部153と、上記タグ側アンテナ151により受信された質問波からクロック信号を抽出して制御部157に供給するクロック抽出部154と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部155と、上記タグ側アンテナ151に接続された変復調部156と、上記メモリ部155、クロック抽出部154、及び変復調部156等を介し上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部157とを備えている。
【0057】
変復調部156は、タグ側アンテナ151により受信された上記リーダライタ100の第1又は第2アンテナ111,112からの通信信号の復調を行い、また、上記制御部157からの返信信号を変調し、タグ側アンテナ151より応答波(タグIDを含む信号)として送信する。
【0058】
クロック抽出部154は受信した信号からクロック成分を抽出して制御部157にクロックを抽出するものであり、受信した信号のクロック成分の周波数に対応したクロックを制御部157に供給する。
【0059】
制御部157は、上記変復調部156により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部155において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、この返信信号を上記変復調部156により上記タグ側アンテナ151から返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0060】
以上において、本実施形態の特徴は、リーダライタ100で無線タグ回路素子Toに対し無線タグ情報の書き込み又は読み取りを行う際に、リーダライタ100の使用態様が携帯使用であるか又は固定使用であるかに応じ、通信に用いるアンテナを第1アンテナ111又は第2アンテナ112に切り替えるように制御することにある。以下、その制御内容について説明する。
【0061】
図6は、リーダライタ100の制御回路133が実行する制御手順を表すフローチャートである。なお、ここではリーダライタ100で無線タグ回路素子Toから情報の読み取りを行う場合を説明する。
【0062】
まずステップS10では、制御回路133は、操作者により操作部122を介して無線タグ回路素子Toに対するタグ情報の読み取りを開始するように操作入力がされたか否かを判定する。操作入力があるまで本ステップを繰り返し、入力がされたら次のステップS15に移る。
【0063】
ステップS15では、制御回路133は、リーダライタ100の使用態様が固定使用であるか否かを、コネクタ141から入力される検出信号に基づき判定する。コネクタ141から装着状態に対応する信号が入力された場合には、固定使用と見なし、制御回路133は、次のステップS20で固定使用モードに移行する。その後、ステップS25でアンテナスイッチ回路132に制御信号を出力し、高周波回路131と固定使用モードに対応した第2アンテナ112とが接続されるようにアンテナスイッチ回路132を切り替える。そして、次のステップS40に移る。
【0064】
一方、上記ステップS15において、コネクタ141から脱着状態に対応する信号が入力された場合には、携帯使用と見なし、制御回路133は、次のステップS30で携帯使用モードに移行する。その後、ステップS35でアンテナスイッチ回路132に制御信号を出力し、高周波回路131と第1アンテナ111とが接続されるようにアンテナスイッチ回路132を切り替える。そして、次のステップS40に移る。
【0065】
ステップS40では、上記高周波回路131の送信部142に制御信号を送信し、水晶振動子145A、PLL145B、及びVCO145CからUHF帯(例えば915MHz)の搬送波を発生させ、制御信号に基づいて発生した搬送波を変調・増幅させ、送受分離器144及び第1又は第2アンテナ111,112を介し、無線タグ回路素子ToのIC回路部150に対して読み取り信号を送信させる。
【0066】
次のステップS45では、上記読み取り信号を送信した無線タグ回路素子ToのIC回路部150から、上記読み取り信号に対応した応答信号が受信されたかどうかを判定する。応答信号を受信し、タグ情報の読み取りが完了した場合には、判定が満たされて本フローを終了する。一方、応答信号を受信していない場合には、判定が満たされずにステップS50に移る。
【0067】
ステップS50では、上記ステップS40で最初に無線タグ回路素子Toに対し読み取り信号を送信した後、所定の時間が経過したかどうかを判定する。所定の時間が経過していない場合には、判定が満たされずにステップS40に戻る。一方、応答信号が受信されないまま所定の時間が経過してしまった場合には、判定が満たされて次のステップS55に移る。
【0068】
ステップS55では、表示部121に対し制御信号を出力し、当該表示部121にタグ情報の読み取りがうまくいかなかった旨を表示させる。そして、本フローを終了する。
【0069】
なお、特にフローチャートは図示しないが、無線タグ回路素子Toに対し情報の書き込みを行う場合にも、上記と同様に携帯使用モードでは第1アンテナ111に切り替え、固定使用モードでは第2アンテナ112に切り替えるように制御する。
【0070】
また、上記制御回路133により実行されるステップS15、ステップS20、ステップS25、ステップS30、及びステップS35と、アンテナスイッチ回路132とは、特許請求の範囲各項記載の使用検出手段で携帯使用が検出された場合には携帯使用モードに切り替え、使用検出手段で固定使用が検出された場合には固定使用モードに切り替える、モード切替手段を構成する。
【0071】
また、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0072】
以上説明した実施形態においては、リーダライタ100は操作者が携帯して使用できるとともに、据え置き箇所に据え置いても使用できるように構成されている。また、据え置き箇所に据え置かずに携帯して使用する場合に対応した携帯使用モードと、据え置きで使用する場合に対応した固定使用モードとが予め用意されている。そして、操作者が携帯して使用する場合は、このことがコネクタ141で検出され、これによって制御回路133はリーダライタ100のモードを携帯使用モードに切り替える。同様に、操作者が据え置き箇所に据え置いて使用する場合は、このことがコネクタ141で検出され、これによって制御回路133はモードを固定使用モードに切り替える。
【0073】
以上のようにして、携帯しても据え置いても使用可能に構成されるとともに、いずれの使用法であるかが検出されて自動的に対応するモードに切り替えられる。この結果、操作者は、いずれの使用法の場合であっても、特別な操作を必要とすることなく自動的に最適な通信特性で無線通信を行うことができるので、利便性を向上することができる。
【0074】
また、本実施形態では特に、操作者がリーダライタ100をクレードル200に装着すると、このことがコネクタ141で検出され、これによって制御回路133がリーダライタ100のモードを固定使用モードに切り替える。操作者が携帯して使用するためにリーダライタ100をクレードル200から取り外すと、コネクタ141では装着が検出されなくなり、これによって制御回路133がモードを携帯使用モードに切り替える。このようにして、クレードル200への着脱状態によって自動的に通信特性を最適なものに切り替えることができる。
【0075】
また、本実施形態では特に、操作者が携帯して使用する場合に対応した第1アンテナ111と、据え置きで使用する場合に対応した第2アンテナ112とが予め用意されている。そして、携帯使用モードのときには高周波回路131が第1アンテナ111に接続されて第1アンテナ111を介し通信対象と無線通信が行われ、固定使用モードのときには高周波回路131が第2アンテナ112側に接続されて第2アンテナ112を介し通信対象と無線通信が行われる。これにより、いずれの使用法の場合であっても、自動的に最適な通信特性で無線通信を行うことができる。
【0076】
また、本実施形態では特に、高周波回路131及び第1又は第2アンテナ111,112は、UHF帯の周波数を用いて無線タグ回路素子Toと無線通信を行う。これにより、UHF帯の周波数を用いて比較的長い通信距離で無線タグ回路素子Toと通信を行うリーダライタ100を、携帯しても据え置いても使用可能に構成することができる。さらに、いずれの使用法であるかにより自動的に対応するモードに切り替え、自動的に最適な通信特性で無線タグ回路素子Toから情報取得を行うことができる。
【0077】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0078】
(1)第2アンテナがクレードルに設けられている場合
上記実施形態では、リーダライタ100が第1アンテナ111及び第2アンテナ112を有するようにしたが、これに限られない。すなわち、リーダライタ100は携帯使用モードに対応する第1アンテナ111のみを有し、固定使用モードに対応した第2アンテナ112についてはクレードル200に設けるようにしてもよい。
【0079】
図7は、本変形例におけるリーダライタの固定使用状態を示した図であり、前述の図1(b)に対応する図である。図1(b)と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
【0080】
この図7に示すように、クレードル200A(着脱台)は、その設置面(図示せず)上に略平板状の第2アンテナ202を有している。この第2アンテナ202は、上記実施形態における第2アンテナ112と同様に、主として近距離の通信対象と情報送受信を行うのに好適な磁界放射型アンテナである微小ループアンテナであり、上記コネクタ201と接続されている(後述の図8(b)参照)。
【0081】
図8は本変形例におけるリーダライタ100及びクレードル200Aの機能構成を表す機能ブロック図であり、図8(a)は携帯使用状態、図8(b)は固定使用状態を示している。なお、前述の図2(a)及び図2(b)と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。また、図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0082】
本変形例では、制御回路133は、上記コネクタ141から脱着状態に対応する信号が入力された場合には、上記実施形態と同様に携帯使用モードに移行し、アンテナスイッチ回路132に制御信号を出力して、図8(a)に示すように高周波回路131と第1アンテナ111とが接続されるようにアンテナスイッチ回路132を切り替える。一方、上記コネクタ141から装着状態に対応する信号が入力された場合には、固定使用モードに移行し、アンテナスイッチ回路132に制御信号を出力して、図8(b)に示すように高周波回路131とコネクタ141とが接続されるようにアンテナスイッチ回路132を切り替える。これにより、高周波回路131は、コネクタ141,201を介してクレードル200A側の第2アンテナ202と接続されるようになっている。
【0083】
なお、本変形例において、コネクタ141は特許請求の範囲各項記載の固定使用時に、据え置き箇所に設けられた第2アンテナに対し接続されるアンテナ接続手段を構成する。
【0084】
以上説明した本変形例においては、固定使用モードのときに、高周波回路131がコネクタ141を介して第2アンテナ202に接続されるので、第2アンテナ202を介し通信対象と無線通信が行われ、最適な通信特性を得ることができる。またこのように、固定使用モードの第2アンテナ202をリーダライタ100の代わりにクレードル200Aに備えることで、リーダライタ100には携帯使用モードの第1アンテナ111を備えるだけでよい。すなわち、リーダライタ100における処理回路の簡略化および小型化を実現しつつ、通信特性の最適化を図ることができる。
【0085】
(2)第1アンテナ、第2アンテナのバリエーション
上記実施形態では、第1アンテナ111として電界放射型のパッチアンテナを、第2アンテナ112として磁界放射型の微小ループアンテナを用いるようにしたが、これに限られず、他のアンテナを用いてもよい。
【0086】
例えば、第1アンテナとして直線偏波アンテナを用い、第2アンテナとして円偏波アンテナを用いてもよい。上記直線偏波アンテナは、アンテナから無線タグ回路素子Toへ電界方向が直線となるように電波が伝わるため、通信距離が大きいという特性がある。一方、円偏波アンテナは、アンテナから無線タグ回路素子Toへ電界方向が回転しながら電波が伝わるため、通信距離は小さいがタグの読み取り角度の制約が少ないという特性がある。そこで本変形例では、携帯使用モードに対応する第1アンテナ211として直線偏波アンテナを用い、固定使用モードに対応する第2アンテナ212として円偏波アンテナを用いるようにする。
【0087】
図9は、上記第2アンテナ212(無線通信手段)の概略構造を表す図である。なお、本変形例の第1アンテナ211(無線通信手段)は前述の図4(a)に示す第1アンテナ111と同等の構造であるので説明を省略する。
【0088】
図9に示すように、第2アンテナ212は、誘電体212A及びアンテナ素子212Bを有しており、アンテナ素子212B上には給電点P1,P2が設けられている。このアンテナでは、垂直偏波となる給電点P1と水平偏波となる給電点P2に対し位相を90度ずらして給電することにより、円偏波の電波を発生させるようになっている。
【0089】
また例えば、携帯使用モードに対応する第1アンテナとしてゲインの高いアンテナを用い、固定使用モードに対応する第2アンテナとしてゲインの低いアンテナを用いてもよい。上記高ゲインアンテナは通信距離が大きく、低ゲインアンテナは通信距離が小さいという特性があるからである。さらに、携帯使用モードに対応する第1アンテナとして指向性の無いアンテナを用い、固定使用モードに対応する第2アンテナとして指向性を有するアンテナ(アレイアンテナ等)を用いてもよい。例えば前述したようにオフィスにおいて物品サーチを行うような場合を考えると、デスク上に固定して使用する固定使用モードではある程度決まった方向において無線タグ回路素子Toの情報読み取りが行われると考えられるからである。
【0090】
さらに、上記実施形態では、第1アンテナ111として電界放射型のパッチアンテナを、第2アンテナ112として磁界放射型の微小ループアンテナを用いるようにしたが、これに限られず、反対に第1アンテナ111として磁界放射型の微小ループアンテナを、第2アンテナ112として電界放射型のパッチアンテナを用いるようにしてもよい。
【0091】
すなわち、例えば前述したようなオフィスにおいて物品サーチを行うような場合を考えると、携帯使用ではデスクより離れた物品サーチを行う可能性があることから通信距離が大きい必要があり、固定使用ではデスク上を通信範囲がカバーできれば足りることから通信距離が小さくても足りるが、例えば倉庫における物品サーチにリーダライタ100を使用する場合には、携帯使用モードでは適宜装置を振り回す又は移動することにより目標とする物品の近傍で探索を行う(すなわち通信距離は短くてよい)ことが考えられ、また倉庫入口等に配置して固定使用モードで使用する場合には物品までの距離があることから通信距離は大きい必要があるからである。
【0092】
なお、上述した垂直偏波と円偏波、高・低ゲイン、指向性の有無における変形例においても、第1アンテナと第2アンテナの対応関係を反対にしてもよい。
【0093】
(3)使用検出手段のバリエーション
上記実施形態では、コネクタ141によりリーダライタ100のクレードル200に対する着脱状態を検出し、リーダライタ100が携帯使用がなされているか固定使用がなされているかを検出するようにしたが、これに限られず、他の手段によりリーダライタ100の使用態様の検出を行うようにしてもよい。
【0094】
例えば、固定使用時にリーダライタ100をPC端末等の外部電子機器に接続して使用するような場合には、その接続状態を検出し、外部電子機器と接続されていない場合は携帯使用、外部電子機器と接続されている場合は固定使用がなされていると見なすようにしてもよい。
【0095】
図10は、本変形例のリーダライタ100の使用態様を表す図であり、図10(a)は携帯使用時、図10(b)は固定使用時を示している。図10(b)に示すように、リーダライタ100は固定使用時にはPC端末400と接続ケーブル9(例えばUSBケーブル)により接続されている。本変形例においては、このようにリーダライタ100がPC端末400と接続ケーブル9(例えばUSBケーブル)により接続されていない状態を、据え置き箇所に据え置かずに使用する携帯使用状態と、リーダライタ100がPC端末400と接続ケーブル9により接続された状態を、据え置き箇所に据え置いて使用する固定使用状態とする。
【0096】
リーダライタ100は、上記接続ケーブル9が差し込まれるケーブルコネクタ161を有している。このケーブルコネクタ161は、前述の実施形態におけるコネクタ141と同様に、PC端末400への接続ケーブル9の着脱状態を検出する接続検出手段としての機能を有しており、固定使用時に接続ケーブル9がリーダライタ100のケーブルコネクタ161に対し装着されると、その装着状態を検出し、対応する検出信号を制御回路133に出力する。なお、接続ケーブル9がケーブルコネクタ161に装着されると必ず装着状態を検出するようにしてもよいし、接続ケーブル9(の一端)がケーブルコネクタ161に装着されてもPC端末400が接続ケーブル9(の他端)に接続されるまでは装着状態を検出しないようにしてもよい。
【0097】
一方、携帯使用時に接続ケーブル9が脱着されると、その脱着状態を検出し、対応する検出信号を制御回路133に出力する(言い換えれば、脱着された場合には装着状態が検出されなくなり、装着状態に対応する信号の出力を停止する)。なお、接続ケーブル9(の一端)がケーブルコネクタ161から脱着されていない場合でも、接続ケーブル9(の他端)がPC端末400から脱着された場合には脱着状態を検出するようにしてもよい。
【0098】
上記制御回路133は、上記ケーブルコネクタ161から脱着状態に対応する信号が入力された場合には、携帯使用モードに移行して第1アンテナ111に切り替える。一方、上記ケーブルコネクタ161から装着状態に対応する信号が入力された場合には、固定使用モードに移行して第2アンテナ112に切り替える。
【0099】
以上説明した変形例においては、操作者がリーダライタ100とPC端末400とを接続ケーブル9で接続すると、この接続ケーブル9の装着がケーブルコネクタ161で検出され、これによって制御回路133がモードを固定使用モードに切り替える。操作者が携帯して使用するために接続ケーブル9を取り外すと、ケーブルコネクタ161では装着が検出されなくなり、これによって制御回路133がモードを携帯使用モードに切り替える。このようにして、接続ケーブル9の着脱状態によって自動的に通信特性を最適なものに切り替えることができる。
【0100】
また例えば、リーダライタ100が携帯電話のように折り畳み式である場合には、その折り畳み状態を検出し、折り畳まれていない場合は携帯使用、折り畳まれている場合は固定使用がなされていると見なすようにしてもよい。
【0101】
図11は、本変形例のリーダライタ100Aの全体構造を表す図であり、図11(a)は携帯使用時、図11(b)は固定使用時を示している。本変形例においては、このようにリーダライタ100Aが開かれた状態を、据え置き箇所に据え置かずに使用する携帯使用状態と、リーダライタ100Aが折り畳まれた状態を、据え置き箇所に据え置いて使用する固定使用状態とする。
【0102】
図11において、リーダライタ100A(無線通信装置)は、上記アンテナ部110と、このアンテナ部110の下部に設けられた本体部120と、これらアンテナ部110と本体部120とを回転可能に連結する連結部115とを有しており、この連結部115を中心にアンテナ部110と本体部120とが相対回転して折り畳み可能な構成となっている。また、連結部115の内部には、アンテナ部110と本体部120との相対角度を検出する角度センサ(図示せず)が設けられている。
【0103】
また上記角度センサは、固定使用時にアンテナ部110と本体部120との相対角度が所定の角度以下となると、リーダライタ100Aが折り畳まれたと見なし、対応する検出信号を制御回路133に出力する。一方、携帯使用時にアンテナ部110と本体部120との相対角度が所定の角度以上となると、リーダライタ100Aが開かれたと見なし、対応する検出信号を制御回路133に出力する。制御回路133は、上記角度センサから開かれた状態に対応する信号が入力された場合には、携帯使用モードに移行して第1アンテナ111に切り替える。一方、上記角度センサから折り畳み状態に対応する信号が入力された場合には、固定使用モードに移行して第2アンテナ112に切り替える。
【0104】
以上説明した変形例によっても、リーダライタ100の折り畳み状態によって自動的に通信特性を最適なものに切り替えることができる。
【0105】
なお、以上ではリーダライタ100の折り畳み状態を角度センサで検出するようにしたが、これに限られず、例えば接触センサや光学センサ等、その他の検出手段を用いてもよい。
【0106】
また例えば、リーダライタ100の持ち運び状態を速度、加速度、振動等により検出し、持ち運ばれている場合は携帯使用、持ち運ばれていない場合は固定使用がなされていると見なすようにしてもよい。
【0107】
本変形例では、特に図示はしないが、リーダライタ100が装置に加わる速度、加速度、又は振動を検出するセンサ手段を内蔵しており、制御回路133は、上記センサ手段で検出された速度、加速度、又は振動が所定のしきい値未満である場合には固定使用モードに移行して第2アンテナ112に切り替え、上記センサ手段で検出された速度、加速度、又は振動が所定のしきい値以上である場合には携帯使用モードに移行して第1アンテナ111に切り替える。
【0108】
本変形例によれば、操作者が携帯して使用する際にリーダライタ100を持って振り回したり自ら移動すると、このとき生じた比較的大きい(=しきい値以上の)速度や加速度、振動がセンサ手段で検出され、これによって制御回路133がモードを携帯使用モードに切り替える。操作者が携帯を止めて据え置きで使用すると、据え置きによってセンサ手段で検出される速度や加速度、振動がしきい値未満となり、これによって制御回路133がモードを固定使用モードに切り替える。このようにして、センサ手段の検出結果によって自動的に通信特性を最適なものに切り替えることができる。
【0109】
(4)通信パラメータを切り替える場合
上記実施形態では、リーダライタ100の使用態様(クレードル200に対する着脱状態)に応じて無線通信に使用するアンテナを切り替えるようにしたが、これに限られず、無線通信における通信パラメータを切り替えるようにしてもよい。
【0110】
例えば、通信パラメータとして送信出力を切り替えるようにしてもよい。図12は、本変形例においてリーダライタ100の制御回路133が実行する制御手順を表すフローチャートであり、前述の図6に対応する図である。図6と同様の手順には同符号を付し説明を省略する。
【0111】
この図12において前述の図6と異なる手順はステップS25A及びステップS35Aである。すなわち、ステップS15で、制御回路133は、リーダライタ100の使用態様が固定使用であるか否かを判定し、固定使用である場合には、次のステップS20で固定使用モードに移行する。その後、ステップS25Aで、制御回路133は、上記高周波回路131の送信部142の可変送信アンプ147に対し、送信出力が小さくなるように制御信号(「TX_PWR」信号)を出力する。これにより、可変送信アンプ147における変調波の増幅率が低下し、リーダライタ100から無線タグ回路素子Toへの送信出力は低下する。
【0112】
一方、上記ステップS15において、制御回路133は、リーダライタ100の使用態様が固定使用であるか否かを判定し、携帯使用である場合には、次のステップS30で携帯使用モードに移行する。その後、ステップS35Aで、制御回路133は、上記高周波回路131の送信部142の可変送信アンプ147に対し、送信出力が大きくなるように制御信号(「TX_PWR」信号)を出力する。これにより、可変送信アンプ147における変調波の増幅率が増大し、リーダライタ100から無線タグ回路素子Toへの送信出力は増大する。
【0113】
上記以外の手順については前述の図6と同様である。
【0114】
なお、上記ステップS25A及びステップS35Aは、特許請求の範囲各項記載の携帯使用モードと固定使用モードとで、無線通信手段で用いる通信パラメータを切り替えるパラメータ切替手段を構成する。
【0115】
本変形例においては、携帯使用モードであるか固定使用モードであるかによって、制御回路133がリーダライタ100の送信出力を増減変化させることにより、最適な通信特性を得ることができる。例えばリーダライタ100をオフィスにおける物品サーチに使用するような場合には、デスク上を通信範囲がカバーできるように無線通信装置を配置することで、固定使用モードでは送信出力を小さくし、携帯使用モードではデスクより離れた物品サーチを行う可能性があることから送信出力を大きくしたほうがよい。したがって、上記制御を行うことで最適な通信特性を得ることができる。
【0116】
なお、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。例えば、上記とは反対にステップS25Aで送信出力を大きくし、ステップS35Aで送信出力を小さくしてもよい。これにより、例えばリーダライタ100を倉庫における物品サーチに使用するような場合に、携帯使用モードでは送信出力を小さくすることで適宜装置を振り回す又は移動することにより目標とする物品を高精度に探すことができる。また、倉庫入口等に配置して固定使用モードで使用する場合には物品までの距離があることから、上記のように送信出力を大きくした方がよい。
【0117】
また例えば、通信パラメータとして通信速度を切り替えるようにしてもよい。図13は、本変形例においてリーダライタ100の制御回路133が実行する制御手順を表すフローチャートであり、前述の図6に対応する図である。図6と同様の手順には同符号を付し説明を省略する。
【0118】
この図13において前述の図6と異なる手順はステップS25B及びステップS35Bである。すなわち、ステップS15で、制御回路133は、リーダライタ100の使用態様が固定使用であるか否かを判定し、固定使用である場合には、次のステップS20で固定使用モードに移行する。その後、ステップS25Bで、制御回路133は、上記高周波回路131の送信部142の送信乗算回路146に対し通信速度が小さくなるように制御信号(「TX_ASK」信号)を出力する。
【0119】
一方、上記ステップS15において、制御回路133は、リーダライタ100の使用態様が固定使用であるか否かを判定し、携帯使用である場合には、次のステップS30で携帯使用モードに移行する。その後、ステップS35Bで、制御回路133は、上記高周波回路131の送信部142の送信乗算回路146に対し通信速度が大きくなるように制御信号(「TX_ASK」信号)を出力する。
【0120】
上記以外の手順については前述の図6と同様である。
【0121】
なお、上記ステップS25B及びステップS35Bは、特許請求の範囲各項記載の携帯使用モードと固定使用モードとで、無線通信手段で用いる通信パラメータを切り替えるパラメータ切替手段を構成する。また、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0122】
以上説明した変形例においては、携帯使用モードであるか固定使用モードであるかによって、制御回路133がリーダライタ100の通信速度を増減変化させることにより、最適な通信特性を得ることができる。特に固定使用モードでは、リーダライタ100から無線タグ回路素子Toへの通信速度を遅くすることで無線タグ回路素子Toからリーダライタ100への通信速度と異ならすことにより、複数のリーダライタ間の通信干渉の発生を低減することができる。
【0123】
また例えば、通信パラメータとして無線タグ回路素子Toから取得した無線タグ情報の転送方式を切り替えるようにしてもよい。図14は、本変形例においてリーダライタ100の制御回路133が実行する制御手順を表すフローチャートであり、前述の図6に対応する図である。図6と同様の手順には同符号を付し説明を省略する。なお、本変形例では、前述の図10と同様に、リーダライタ100は固定使用時にはPC端末400(その他の外部電子機器でもよい)と接続されて用いられ、携帯使用時にはPC端末400との接続が解除されて用いられるものとする。
【0124】
この図14において前述の図6と異なる部分は、ステップS25C及びステップS35Cと、ステップS60〜ステップS70が加わった点である。すなわち、ステップS15で、制御回路133は、リーダライタ100の使用態様が固定使用であるか否かを判定し、固定使用である場合には、次のステップS20で固定使用モードに移行する。その後、ステップS25Cで、制御回路133は、リーダライタ100の使用態様を表すFLAGを固定使用であることを表す0にする。
【0125】
一方、上記ステップS15において、制御回路133は、リーダライタ100の使用態様が固定使用であるか否かを判定し、携帯使用である場合には、次のステップS30で携帯使用モードに移行する。その後、ステップS35Cで、制御回路133は、リーダライタ100の使用態様を表すFLAGを携帯使用であることを表す1にする。
【0126】
その後、制御回路133は、ステップS40で無線タグ回路素子Toに対して読み取り信号を送信し、この読み取り信号に対応した応答信号を受信すると、ステップS45の判定が満たされて次のステップS60に移る。
【0127】
ステップS60では、制御回路133はFLAGが0であるか否かを判定する。FLAGが0である場合には、次のステップS65に移り、リーダライタ100は固定使用されている(すなわちPC端末400と接続されている)ことから、制御回路133は無線タグ回路素子Toから読み取って取得した無線タグ情報を装置内に記憶保持させることなくそのままPC端末400に送信する。そして、本フローを終了する。
【0128】
一方、上記ステップS60においてFLAGが1である場合には、判定が満たされずにステップS70に移り、リーダライタ100は携帯使用されている(すなわちPC端末400と接続されていない)ことから、制御回路133は無線タグ回路素子Toから読み取って取得した無線タグ情報を装置内の適宜の記憶手段(メモリ等。図示せず)に記憶保持させる。そして、本フローを終了する。
【0129】
なお、上記ステップS65及びステップS70は、特許請求の範囲各項記載の携帯使用モードと固定使用モードとで、無線通信手段で用いる通信パラメータを切り替えるパラメータ切替手段を構成する。
【0130】
また、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。例えば、ステップS10の後ステップS40に直接進み、ステップS45において無線タグ情報の読み取りが完了した後に、ステップS15の判定を行うようにしてもよい。この場合、固定使用モードである場合にはステップS20の後にステップS65の手順を行い、携帯使用モードの場合にはステップS30の後にステップS70の手順を行えばよい。すなわち、ステップS25C、ステップS35C、及びステップS60の手順が不要となる。
【0131】
以上説明した変形例においては、携帯使用モードであるか固定使用モードであるかによって、制御回路133がリーダライタ100の転送方式を変えることにより、最適な通信特性を得ることができる。すなわち、固定使用モードでは、PC端末400と接続されていることから、取得した情報をリーダライタ100内のメモリ等に記憶させることなくスルーでPC端末400へ出力すればよい。これに対し携帯使用モードでは、取得した情報はいったんリーダライタ100内のメモリ等に記憶しておくようにすればよい。このようにすることで、固定使用モードでは情報処理の迅速化を図ることができる。
【0132】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。例えば、リーダライタ100の使用態様が携帯使用である場合には第1アンテナ111に切り替えると共に送信出力を大きくし、リーダライタ100の使用態様が固定使用である場合には第2アンテナ112に切り替えると共に送信出力を小さくするといったように、上記変形例(4)で述べた通信パラメータの切り替えと、上記実施形態や変形例(1)(2)等で述べたアンテナの切り替えの両方を組み合わせて行うようにしてもよい。
【0133】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本実施形態の無線通信装置であるリーダライタの携帯使用状態及び固定使用状態における全体構造を表す図である。
【図2】リーダライタ及びクレードルの携帯使用状態及び固定使用状態における機能構成を表す機能ブロック図である。
【図3】高周波回路の詳細構成を表す機能ブロック図である。
【図4】第1アンテナ及び第2アンテナの概略構造を表す図である。
【図5】無線タグ回路素子の機能的構成の一例を表すブロック図である。
【図6】リーダライタの制御回路が実行する制御手順を表すフローチャートである。
【図7】第2アンテナがクレードルに設けられた変形例におけるリーダライタの固定使用状態を示した図である。
【図8】第2アンテナがクレードルに設けられた変形例における、リーダライタ及びクレードルの携帯使用状態及び固定使用状態における機能構成を表す機能ブロック図である。
【図9】第1アンテナに直線偏波アンテナ、第2アンテナとして円偏波アンテナを用いる変形例における第2アンテナの概略構造を表す図である。
【図10】固定使用時にリーダライタをPC等の端末に接続して使用する場合における、リーダライタの携帯使用時及び固定使用時を表す図である。
【図11】リーダライタが携帯電話のように折り畳み式である場合における、リーダライタの携帯使用時及び固定使用時における全体構造を表す図である。
【図12】通信パラメータとして送信出力を切り替える変形例において、リーダライタの制御回路が実行する制御手順を表すフローチャートである。
【図13】通信パラメータとして通信速度を切り替える変形例において、リーダライタの制御回路が実行する制御手順を表すフローチャートである。
【図14】通信パラメータとして転送方式を切り替える変形例において、リーダライタの制御回路が実行する制御手順を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0135】
9 接続ケーブル
100 リーダライタ(無線通信装置)
100A リーダライタ(無線通信装置)
110 アンテナ部(アンテナ手段)
111 第1アンテナ(無線通信手段)
112 第2アンテナ(無線通信手段)
132 アンテナスイッチ回路(モード切替手段、接続切替手段)
131 高周波回路(無線通信手段)
141 コネクタ(使用検出手段、着脱検出手段、アンテナ接続手段)
150 IC回路部
151 タグ側アンテナ
161 ケーブルコネクタ(接続検出手段)
200 クレードル(着脱台)
200A クレードル(着脱台)
202 第2アンテナ(無線通信手段)
211 第1アンテナ(無線通信手段)
212 第2アンテナ(無線通信手段)
To 無線タグ回路素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信対象と無線通信を行うための無線通信手段を有し、据え置き箇所に据え置かずに使用する携帯使用モードと前記据え置き箇所に据え置いて使用する固定使用モードとを備えた無線通信装置であって、
携帯使用がなされているか固定使用がなされているかを検出する使用検出手段と、
前記使用検出手段で前記携帯使用が検出された場合には前記携帯使用モードに切り替え、前記使用検出手段で前記固定使用が検出された場合には前記固定使用モードに切り替える、モード切替手段と
を有することを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
請求項1記載の無線通信装置において、
前記使用検出手段は、
前記据え置き箇所としての着脱台への着脱状態を検出する着脱検出手段であり、
前記モード切替手段は、
前記着脱検出手段で前記着脱台への装着が検出された場合には前記固定使用モードに切り替え、前記着脱検出手段で前記着脱台への装着が検出されない場合には前記携帯使用モードに切り替える
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項3】
請求項1記載の無線通信装置において、
前記使用検出手段は、
他の電子機器への接続ケーブルの着脱状態を検出する接続検出手段であり、
前記モード切替手段は、
前記接続検出手段で前記接続ケーブルの装着が検出された場合には前記固定使用モードに切り替え、前記接続検出手段で前記接続ケーブルの装着が検出されない場合には前記携帯使用モードに切り替える
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項4】
請求項1記載の無線通信装置において、
前記使用検出手段は、
装置に加わる加速度又は速度を検出するセンサ手段であり、
前記モード切替手段は、
前記センサ手段で検出された加速度又は速度が所定のしきい値未満である場合には前記固定使用モードに切り替え、前記センサ手段で検出された前記加速度又は前記速度が前記しきい値以上である場合には前記携帯使用モードに切り替える
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項5】
請求項2乃至請求項4のいずれか1項記載の無線通信装置において、
前記無線通信手段は、
少なくとも、前記携帯使用モードに対応した第1アンテナを含むアンテナ手段と、前記アンテナ手段に接続された高周波回路とを有し、
前記モード切替手段は、
前記携帯使用モードでは前記高周波回路を前記第1アンテナに接続し、前記固定使用モードでは前記高周波回路を当該固定使用モードに対応した第2アンテナ側に接続するように接続切り替えを行う、接続切替手段を備える
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項6】
請求項2乃至請求項5のいずれか1項記載の無線通信装置において、
前記モード切替手段は、
前記携帯使用モードと前記固定使用モードとで、前記無線通信手段で用いる通信パラメータを切り替えるパラメータ切替手段を備える
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項7】
請求項5又は請求項6記載の無線通信装置において、
前記アンテナ手段は、前記第2アンテナを含み、
前記接続切替手段は、
前記固定使用モードでは、前記高周波回路を前記第2アンテナに接続する
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項8】
請求項5又は請求項6記載の無線通信装置において、
前記固定使用時に、前記据え置き箇所に設けられた前記第2アンテナに対し接続されるアンテナ接続手段を有し、
前記接続切替手段は、
前記固定使用モードでは、前記高周波回路を前記アンテナ接続手段に接続する
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項9】
請求項6記載の無線通信装置において、
前記パラメータ切替手段は、
前記通信パラメータとして、前記携帯使用モードと前記固定使用モードとで前記無線通信手段の送信出力を切り替える
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項10】
請求項6記載の無線通信装置において、
前記パラメータ切替手段は、
前記通信パラメータとして、前記携帯使用モードと前記固定使用モードとで前記無線通信手段の通信速度を切り替える
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項11】
請求項6記載の無線通信装置において、
前記パラメータ切替手段は、
前記通信パラメータとして、前記携帯使用モードと前記固定使用モードとで前記無線通信手段で用いる転送方式を切り替える
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項12】
請求項5乃至請求項11のいずれか1項記載の無線通信装置において、
前記無線通信手段は、
前記通信対象としての、情報を記憶するIC回路部と情報を送受信するタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子に対し、無線通信を行う
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項13】
請求項12記載の無線通信装置において、
前記無線通信手段は、UHF帯の周波数を用いて、前記無線タグ回路素子と無線通信を行う
ことを特徴とする無線通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−60561(P2009−60561A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−228565(P2007−228565)
【出願日】平成19年9月4日(2007.9.4)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】