説明

熱交換システム

【課題】人工地盤の利用価値を高める。
【解決手段】熱交換システム10は、建築物11の基礎となる人工地盤12と、太陽熱温水器13と、上水道管14と、給湯器15と、を備えている。人工地盤12は、建築物11の下方に埋設された雨水槽16と、この雨水槽16の内部に隙間を形成するように敷設された複数の樹脂製のブロック17と、等を備えている。上水道管14は、雨水槽16の外部から内部に引き込まれ、ブロック17の隙間を縫うように雨水槽16の内部に張り巡らされると共に、雨水槽16の内部から外部に引き出される。上水道管14は、雨水槽16の内部において、蓄えられた雨水に浸される。雨水槽16に蓄えられた雨水の熱は、上水道管14を介して、上水道管14を流れる上水道水に移動する。雨水槽16の外部に引き出された上水道管14は、給湯器15につながれており、給湯器15に上水道水を供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の人工地盤を利用した熱交換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築物の下方に埋設された雨水槽と、この雨水槽の内部に隙間を形成するように埋設されて建築物の重力を支持する複数の樹脂製のブロックと、を備える人工地盤が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
この人工地盤は、周囲の地盤と比較して軽量であるから、人工地盤の下方に掛かる荷重が低減され、建築物の荷重が地耐力を超えることによる地盤沈下が防止される。また、軽量化された人工地盤は、周囲の地盤からの作用、すなわち先行上載圧との荷重置換による作用が働くから、建築物の荷重のバランスを保ちやすい。このため、人工地盤の不均一な沈下(不同沈下)が防止される。仮に、不同沈下が生じたとしても、人工地盤が地中の比較的浅い箇所に埋設されているから、改修工事は容易である。なお、上記の先行上載圧とは、地面を掘り下げることによって形成された穴において、取り出した土砂が元々その穴に作用させていた単位面積当たりの重力(圧力)のことをいう。
【0004】
また、上記の人工地盤は、表層地盤改良やフローティング基礎を基に、経済性や施工性、あるいは環境性を考慮して改良されたものであり、一般的な工法との共通点も多いから、他の人工地盤の工法との併用が容易である。さらに、近年多発するゲリラ豪雨の時には、雨水槽に大量の雨水が蓄えられ、河川や用水路、あるいは下水道管等の氾濫を防止できる。雨水槽に蓄えられた雨水は、渇水の時に利用できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4210312号公報(段落[0035]、[0036]および図8参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように独特で優れた人工地盤であっても、他の工法との差別化を推し進め、利用価値をさらに高めることが要求されている。
【0007】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、上記の人工地盤の利用価値を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明は、建築物の下方に埋設された雨水槽と、前記雨水槽の内部に隙間を形成するように敷設されて前記建築物の少なくとも一部の重力を支持する複数のブロックと、を備える人工地盤を利用する熱交換システムであって、前記雨水槽の外部から内部に引き込まれると共に、前記雨水槽の内部から外部に引き出される送液管を備え、前記雨水槽に蓄えられた雨水の熱を、前記送液管を流れる液体に移動させることを特徴とする、熱交換システムである。
【0009】
本発明によれば、人工地盤を構成する雨水槽に蓄えられた雨水の熱を、雨水槽の内部に引き込まれた送液管を流れる水に移動させられる。雨水の熱は、空気の熱や地熱等が移動したものであるから、雨水の熱が移動された送液管を流れる液体を利用する場合、空気の熱や地熱等を有効活用できる。ひいては、省エネおよびランニングコストの低減が実現される。これにより、人工地盤の利用価値が高まる。
【0010】
(2)本発明はまた、前記送液管は、前記雨水層の内部において、前記隙間を縫うように張り巡らされることを特徴とする、上記(1)に記載の熱交換システムである。
【0011】
(3)本発明はまた、太陽熱を利用して温水を生成する太陽熱温水器と、前記雨水槽に蓄えられた雨水を前記太陽熱温水器に供給する供給管と、を備えることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の熱交換システムである。
【0012】
(4)本発明はまた、太陽熱を利用して温かい液体を生成する太陽熱温水器と、前記太陽熱温水器から引き出されてから前記雨水槽の内部に引き込まれると共に、前記雨水槽の内部から外部に引き出されてから前記太陽熱温水器に引き込まれ、前記太陽熱温水器に蓄えられた液体を循環させる循環管と、を備え、前記循環管を流れる水の熱を、前記雨水槽に蓄えられた雨水に移動させることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の熱交換システムである。
【0013】
上記(3)および(4)に記載の発明によれば、太陽熱を雨水に移動させられる。雨水に移動された太陽熱は、送液管を流れる液体に移動されるから、送液管を流れる液体を利用する場合、太陽熱を有効活用できる。ひいては、さらなる省エネおよびランニングコストの低減が実現される。これにより、人工地盤の利用価値がさらに高まる。
【0014】
(5)本発明はまた、前記循環管は、前記雨水層の内部において、前記隙間を縫うように張り巡らされることを特徴とする、上記(4)に記載の熱交換システムである。
【0015】
(6)本発明はまた、前記送液管は、地中に向けて穿たれた穴の内部に引き込まれる採熱管に接続されており、前記採熱管を利用して、地熱を、前記送液管を流れる液体に移動させることを特徴とする、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の熱交換システム。
【0016】
上記発明によれば、地熱を、採熱管を流れる液体に直接移動させることで、地熱を、送液管を流れる液体に移動させられる。このため、送液管を流れる液体を利用する場合、地熱を大いに有効活用できる。ひいては、さらなる省エネおよびランニングコストの低減が実現される。これにより、人工地盤の利用価値がさらに高まる。
【0017】
(7)本発明はまた、上水道水を蓄える受水槽と、前記送液管を流れる液体の熱を、前記受水槽に蓄えられる上水道水に移動させるヒートポンプと、を備えることを特徴とする、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の熱交換システムである。
【0018】
上記発明によれば、送液管を流れる液体の熱、すなわち、雨水の熱をヒートポンプの熱源にできる。これにより、人工地盤の利用価値がさらに高まる。
【0019】
(8)本発明はまた、前記受水槽から供給される温水を沸かして熱湯にする給湯器を備えることを特徴とする、上記(7)に記載の熱交換システムである。
【0020】
上記発明によれば、送液管を流れる液体の熱、すなわち、雨水の熱を給湯器の熱源にできる。これにより、人工地盤の利用価値がさらに高まる。
【0021】
(9)本発明はまた、前記受水槽から供給される温水を利用して前記建築物の内部を暖める暖房器具を備えることを特徴とする、上記(7)または(8)に記載の熱交換システムである。
【0022】
上記発明によれば、送液管を流れる液体の熱、すなわち、雨水の熱を暖房器具の熱源にできる。これにより、人工地盤の利用価値がさらに高まる。
【0023】
(10)本発明はまた、給湯器を備え、前記送液管は、前記給湯器に上水道水を供給する上水道管であることを特徴とする、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の熱交換システムである。
【0024】
上記発明によれば、雨水の熱を給湯器の熱源にできる。これにより、人工地盤の利用価値がさらに高まる。
【0025】
(11)本発明はまた、前記給湯器から供給される温水を利用して前記建築物の内部を暖める暖房器具を備えることを特徴とする、上記(10)に記載の熱交換システムである。
【0026】
上記発明によれば、雨水の熱を暖房器具の熱源にできる。これにより、人工地盤の利用価値がさらに高まる。
【0027】
(12)本発明はまた、前記建築物の内部の空気を前記雨水槽に循環させて前記建築物の内部を除湿する除湿手段を備えることを特徴とする、上記(1)〜(11)のいずれかに記載の熱交換システムである。
【0028】
上記発明によれば、建築物の内部の空気の熱を、人工地盤を構成する雨水槽に蓄えられた雨水に奪わせられる。ひいては、建築物の内部が除湿される。建築物の内部における体感温度は下がり、夏季の快適な空間が実現される。これにより、人工地盤の利用価値がさらに高まる。
【0029】
(13)本発明はまた、前記雨水槽を循環する空気の熱を、前記雨水槽に蓄えられた雨水に移動させる金属製の熱交換プレートを備えることを特徴とする、上記(12)に記載の熱交換システムである。
【0030】
上記発明によれば、熱交換プレートによって、建築物の内部の空気の熱を雨水に効率良く奪わせられる。ひいては、建築物の内部が効率良く除湿される。これにより、人工地盤の利用価値がさらに高まる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、人工地盤を構成する雨水槽に蓄えられた雨水の熱を、雨水槽の内部に引き込まれた送液管を流れる水に移動させられる。雨水の熱は、空気の熱や地熱等が移動したものであるから、雨水の熱が移動された送液管を流れる液体を利用する場合、空気の熱や地熱等を有効活用できる。ひいては、省エネおよびランニングコストの低減が実現される。これにより、人工地盤の利用価値が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】第1実施形態に係る熱交換システムの概略図である。
【図2】図1に示す熱交換システムにおける人工地盤を側方から視た断面図である。
【図3】図1に示す熱交換システムにおける人工地盤を上方から視た断面図である。
【図4】第2実施形態に係る熱交換システムの概略図である。
【図5】第3実施形態に係る熱交換システムの概略図である。
【図6】第4実施形態に係る熱交換システムの概略図である。
【図7】第5実施形態に係る熱交換システムの概略図である。
【図8】図7に示す熱交換システムにおける人工地盤を上方から視た模式的な断面図である。
【図9】建築物の支持方法を説明する概略図であり、(A)は各実施形態の場合を示す図であり、(B)は変形例の場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照して、本発明の第1〜第5実施形態に係る熱交換システムについて詳細に説明する。
【0034】
[第1実施形態]
まず、図1〜図3を用いて、第1実施形態に係る熱交換システム10の構成について説明する。図1は、熱交換システム10の概略図である。また、図2は、人工地盤12を側方から視た断面図であり、図3は、人工地盤12を上方から視た断面図である。なお、図2では、図面の簡略化のために、上水道管14の図示を省略する。
【0035】
図1に示すように、熱交換システム10は、建築物11の基礎となる人工地盤12を利用するものである。この熱交換システム10は、人工地盤12の他に、太陽熱温水器13と、上水道管14と、給湯器15と、を備えている。以下、上記各構成要素を説明する。
【0036】
(建築物)
建築物11は、後述する雨水槽16に蓄えられた雨水を、外気から断熱する断熱体として機能する。この建築物11は、戸建て住宅、集合住宅、洋蘭やパプリカ等を栽培する農業用ハウス、納骨堂、立て看板、倉庫、工場、駅舎、公衆便所、寺院、神社、宮殿、競技場、野球場、体育館等、あらゆる構造物のうちのいずれであってもよい。
【0037】
(人工地盤)
図2に示すように、人工地盤12は、建築物11の下方に埋設された雨水槽16と、この雨水槽16の内部に隙間を形成するように敷設されて建築物11の重力を支持する複数の樹脂製のブロック17と、等を備えている。
【0038】
雨水槽16は、深さが一定となるように地面に形成された穴(符号省略)の側面や底面を覆う透水シート18と、この透水シート18を覆う砕石19と、この砕石19の側方を覆う擁壁層20と、この擁壁層20の下から5分の4程度の部分と砕石19の上方とを覆う防水層21と、上記穴の内部に敷設された複数のブロック17の上方を覆うカバー層22と、このカバー層22の上方を覆う捨てコンクリート層23と、を備えている。
【0039】
擁壁層20は、通水用の溝および孔を有する有孔発泡樹脂製のブロックを積み上げて構成される。有孔発泡樹脂製のブロックは、直方体状で、細長い溝や貫通孔が形成されている。防水層21は、例えば防水シートを敷設したり、多数の防水プレートを並べて防水性の接着剤で接着したりすることで構成される。
【0040】
カバー層22は、発泡樹脂製のプレートを敷き詰めて構成される。発泡樹脂製のプレートは、1820mm×910mm程度の大きさの方形であり、厚さは30mm〜50mm程度である。発泡樹脂製のプレートは、孔開けされたものであっても、孔開けされていないものであってもよい。捨てコンクリート層23は、厚さが50mm〜100mm程度で、ベタ打ちとなっている。カバー層22と捨てコンクリート層23とは、建築物11を構築する際の基準となる水平面を構成する。
【0041】
以上の雨水槽16によれば、地面に浸み込んだ雨水の水位が防水層21の高さを超えると、防水層21の内部に雨水が浸入する。これにより、雨水槽16に雨水が蓄えられる。雨水槽16に蓄えられた雨水には、空気の熱や地熱が移動されていると共に、後述するように、太陽熱が移動されている。なお、雨水槽16は、上水道水を蓄えるための注水口を備えるようにしてもよい。また、雨水層16は、建築物11の屋根から雨水が供給される構成にしてもよい。この場合、地面に浸み込んだ雨水を利用する場合と比較して、きれいな雨水を利用できる。
【0042】
樹脂製のブロック17は、正方形の板状を有するベース部と、このベース部の四隅から内側寄りの箇所から垂直に延びる4本の脚部と、から構成される。ベース部と4本の脚部とには、多くの孔が形成され、通水性の向上および軽量化が図られている。さらに、4本の脚部は、内部が空洞となっている。ブロック17は、複数の段に積み重ねられる。複数の段に積み重ねられたブロック17は、ベース部とベース部の間に脚部が位置する。脚部は、ベース部とベース部との間に隙間を形成する。
【0043】
ブロック17の大きさは、例えば、ベース部の一辺が500mm〜600mm程度であり、脚部の長さが200mm〜500mm程度である。ブロック17の重量は、1個当たり6kg〜8kg程度である。ブロック17は、材質がポリプロピレン、ポリエチレン、ポリオレフィン、あるいはABS樹脂等であり、射出成型により製作される。このようなブロック17には、株式会社林物産(茨城県日立市)が市販するカンカンブロック(商品名)を応用できる。なお、ブロック17を含めた人工地盤12の具体的な構成は、特許第4210312号公報を参照されたい。
【0044】
以上の人工地盤12によれば、周囲の地盤と比較して軽量であるから、人工地盤12の下方に掛かる荷重が低減され、建築物11の荷重が地耐力を超えることによる地盤沈下が防止される。また、軽量化された人工地盤12は、周囲の地盤からの浮力が働くから、建築物11の荷重のバランスを保ちやすい。このため、人工地盤12の不均一な沈下(不同沈下)が防止される。仮に、不同沈下が生じたとしても、人工地盤が地中の比較的浅い箇所に埋設されているから、改修工事は容易である。
【0045】
また、人工地盤12は、表層地盤改良やフローティング基礎を基に、経済性や施工性、あるいは環境性を考慮して改良されたものであり、一般的な工法との共通点も多いから、他の人工地盤の工法との併用が容易である。さらに、近年多発するゲリラ豪雨の時には、雨水槽16に大量の雨水が蓄えられ、河川や用水路、あるいは下水道管等の氾濫を防止できる。雨水槽16に蓄えられた雨水は、渇水の時に利用できる。
【0046】
(太陽熱温水器)
図1に示す太陽熱温水器13は、太陽熱を利用して温水を生成する装置である。この太陽熱温水器13は、建築物11の屋根等、太陽光の当たる傾斜面に設置された温水器本体24と、雨水槽16に蓄えられた雨水を温水器本体24に供給する一対の供給管25と、ポンプ26と、を備えている。
【0047】
温水器本体24は、筏状に並べられた複数のガラス管と、各ガラス管の内部に個別に配設された複数のヒートパイプと、各ガラス管の一端側(図面における下側)を個別に塞ぐ複数のキャップと、各ガラス管の他端側(図面における上側)を束ね、各ガラス管と共に貯水槽を構成する角管と、を備えている。
【0048】
ガラス管は、二重構造の真空ガラス管であり、内部に蓄えた雨水が外気温の影響を受けることを防止する。ヒートパイプは、雨水と比較して伝導率が高い素材でできており、高い集熱性能を有する。角管は、両端に供給管25が繋がれており、一端から他端に向けて雨水が流れる。
【0049】
以上の太陽熱温水器13によれば、ガラス管の内部に蓄えられた雨水は太陽熱で熱されて水蒸気となり、角管まで上昇する。水蒸気の熱は、供給管25から角管の内部に流れ込んだ雨水に移動する。水蒸気は雨水に戻り、ガラス管を下降する。水蒸気の熱が移動された雨水は、供給管25に流れ出し、雨水槽16に戻る。これにより、太陽熱が、雨水槽16に蓄えられた雨水に移動される。このような太陽熱温水器13には、株式会社アグリクラスター(埼玉県さいたま市)が市販するハイブリッドソーラーシステム(商品名)を応用できる。
【0050】
(上水道管)
図1および図3に示すように、上水道管14は、雨水槽16の外部から内部に引き込まれ、ブロック17の隙間を縫うように雨水槽16の内部に張り巡らされると共に、雨水槽16の内部から外部に引き出される。上水道管14は、雨水槽16の内部において、蓄えられた雨水に浸される。上水道管14を流れる上水道水は、雨水槽16に蓄えられた雨水と比較して、低温である。このため、雨水槽16に蓄えられた雨水の熱が、上水道管14を介して、上水道管14を流れる上水道水に移動する。雨水槽16の外部に引き出された上水道管14は、給湯器15に繋がれており、給湯器15に上水道水を供給する。
【0051】
(給湯器)
図1に示す給湯器15は、上水道管14から供給される上水道水を沸かして熱湯にする。具体的に、給湯器15は、電気、ガス、あるいは石油等の燃料を燃焼させて得た熱を、上水道管14から供給された上水道水に移動させて熱湯にする。給湯器15には、蛇口27が繋がれている。蛇口27は、栓が捻られることで、給湯器15で沸かされた熱湯を排出する。これにより、給湯器15で沸かされた熱湯が利用される。
【0052】
次に、熱交換システム10における熱の流れを図1に基づいて説明する。
【0053】
太陽熱温水器13では、太陽熱が、温水器本体24の内部を流れる雨水に移動する。その熱量は、例えば、20[MJ/日]である。太陽熱を得た雨水は、雨水槽16に流れ込む。これにより、雨水槽16に蓄えられた雨水に、太陽熱が移動する。その熱量は、例えば、20[MJ/日]である。雨水槽16に蓄えられた雨水には、太陽熱の他に、空気の熱や地熱が移動する。
【0054】
雨水槽16では、雨水槽16に蓄えられた雨水の熱が、上水道管14を流れる上水道水に移動すると共に、地面や外気に放出され、あるいはオーバーフローに伴い放出される。上水道管14を流れる上水道水に移動する熱量は、例えば、10[MJ/日]である。雨水槽16に蓄えられる熱量は、例えば、5[MJ/日]である。雨水の熱を得た上水道管14を流れる上水道水は、給湯器15に流れ込む。
【0055】
給湯器15では、燃料を燃焼させて得た熱が、上水道管14から供給された上水道水に移動する。燃料を燃焼させて得る熱量は、45℃の湯を300[L/日]沸かす場合、例えば、37.8[MJ/日]である。
【0056】
このように、熱交換システム10によれば、人工地盤12を構成する雨水槽16に蓄えられた雨水の熱を、雨水槽16の内部に張り巡らされる上水道管14を流れる上水道水に移動させられる。雨水の熱は、空気の熱や地熱等が移動したものであるから、雨水の熱が移動された上水道管14を流れる上水道水を利用する場合、空気の熱や地熱等を有効活用できる。ひいては、省エネおよびランニングコストの低減が実現される。これにより、人工地盤12の利用価値が高まる。
【0057】
また、太陽熱温水器13を備えることで、太陽熱を雨水に移動させられる。雨水に移動された太陽熱は、上水道管14を流れる上水道水に移動されるから、上水道管14を流れる上水道水を利用する場合、太陽熱を有効活用できる。ひいては、さらなる省エネおよびランニングコストの低減が実現される。これにより、人工地盤12の利用価値がさらに高まる。
【0058】
さらに、給湯器15を備えることで、雨水の熱を給湯器15の熱源にできる。これにより、人工地盤12の利用価値がさらに高まる。具体的には、熱交換システム10を利用しない場合と比較して、給湯に掛かるコストを、例えば、約26%削減できる。
【0059】
[第2実施形態]
次に、図4を用いて、第2実施形態に係る熱交換システム30の構成について説明する。図4は、熱交換システム30の概略図である。
【0060】
なお、第2実施形態に係る熱交換システム30の特徴部分のみを説明し、第1実施形態に係る熱交換システム10と同様の構成要素、作用および効果についての説明は省略する。後述する第3〜第6実施形態についても、特徴部分のみを説明し、他の実施形態に係る熱交換システムと同様の構成要素、作用および効果についての説明は省略する。
【0061】
図4に示すように、熱交換システム30は、人工地盤12と、太陽熱温水器31と、上水道管14と、給湯器15と、温水式床暖房32と、を備えている。
【0062】
(太陽熱温水器)
太陽熱温水器31は、2台の温水器本体24と、一対の供給管25と、ポンプ26と、を備えている。一方の温水器本体24を構成する角管は、一端に供給管25が繋がれると共に、他端に、他方の温水器本体24を構成する角管の一端が繋がれる。他方の温水器本体24を構成する角管は、他端に供給管25が繋がれる。これにより、各角管には、一端から他端に向けて雨水が流れる。
【0063】
(温水式床暖房)
温水式床暖房32は、建築物11の内部の床下に敷設された暖房機器本体33と、給湯器15で沸かされた熱湯を暖房機器本体33に循環させる一対の管34と、ポンプ35と、を備えている。
【0064】
暖房機器本体33には、給湯器15で沸かされた熱湯が流れ込む。暖房機器本体33は、流れ込んだ熱湯の熱を、建築物11の内部の空気に移動させる。放熱後の熱湯は、暖房機器本体33から給湯器15に循環する。
【0065】
次に、熱交換システム30における熱の流れを図4に基づいて説明する。
【0066】
太陽熱温水器31では、太陽熱が、2台の温水器本体24の内部を流れる雨水に移動する。その熱量は、例えば、1台につき20[MJ/日]であり、2台で40[MJ/日]である。太陽熱を得た雨水が雨水槽16に流れ込んで雨水槽16に移動する熱量は、例えば、40[MJ/日]である。
【0067】
雨水槽16において、上水道管14を流れる水に移動する熱量は、例えば、20[MJ/日]である。雨水槽16に蓄えられる熱量は、例えば、10[MJ/日]である。
【0068】
給湯器15において、燃料を燃焼させて得る熱量は、45℃の湯を300[L/日]沸かすと共に、温水式床暖房32を利用する場合、例えば、62.8[MJ/日]である。給湯器15で沸かされた熱湯は、温水式床暖房32を循環する。
【0069】
温水式床暖房32では、暖房機器本体33の内部を流れる熱湯の熱が、建築物11の内部の空気に移動する。その熱量は、床暖房機器本体33の大きさが畳6畳相当で、8[時間/日]利用する場合、例えば、25[MJ/日]である。
【0070】
このように、熱交換システム30によれば、温水式床暖房32を備えることで、雨水の熱を温水式床暖房32の熱源にできる。これにより、人工地盤12の利用価値がさらに高まる。具体的には、熱交換システム30を利用しない場合と比較して、給湯および暖房に掛かるコストを、例えば、約32%削減できる。
【0071】
[第3実施形態]
次に、図5を用いて、第3実施形態に係る熱交換システム40の構成について説明する。図5は、熱交換システム40の概略図である。
【0072】
図5に示すように、熱交換システム40は、人工地盤12と、太陽熱温水器13と、上水道管41と、受水槽42と、ガスヒートポンプ装置43と、給湯器15と、温水式床暖房44と、を備えている。
【0073】
(受水槽)
受水槽42は、上水道管41の途中に設けられ、上水道水を蓄える。
【0074】
(ガスヒートポンプ装置)
ガスヒートポンプ装置43は、ガスを燃焼させて得た熱を媒体として、雨水槽16に蓄えられた雨水の熱を、受水槽42に蓄えられた上水道水に移動させ、温水を生成する。このガスヒートポンプ装置43は、建築物11の外部に設置された装置本体45と、この装置本体45から雨水槽16に水等の液体を循環させる送液管46と、ポンプ47と、受水槽42に蓄えられた上水道水を装置本体45に循環させる一対の管48と、ポンプ49と、を備えている。
【0075】
装置本体45は、ガスを燃焼させて得た熱を媒体として、送液管46を流れる液体の熱を、管48を流れる水に移動させる。
【0076】
送液管46は、装置本体45から引き出されてから雨水槽16の内部に引き込まれ、ブロック17の隙間を縫うように雨水槽16の内部に張り巡らされると共に、雨水槽16の内部から外部に引き出されてから装置本体45に引き込まれ、液体を循環させる。送液管46を流れる液体は、雨水槽16に蓄えられた雨水と比較して、低温である。このため、雨水槽16に蓄えられた雨水の熱が、送液管46を介して、送液管46を流れる液体に移動する。
【0077】
以上のガスヒートポンプ装置43によれば、雨水槽16に蓄えられた雨水の熱が、送液管46を流れる液体に移動すると共に、送液管46を流れる液体の熱が、管48を流れる水に移動し、温水が生成される。ガスヒートポンプ装置43で生成された温水は、管48を流れ、受水槽42に蓄えられる。また、ガスヒートポンプ装置43は、雨水槽16内の雨水の熱とガスの燃焼熱との二熱源を併用する装置であるので、雨水槽16内の雨水の熱が枯れた場合であっても、システムに支障はない。
【0078】
(温水式床暖房)
温水式床暖房44は、暖房機器本体33と、受水槽42に蓄えられた温水を暖房機器本体33に循環させる一対の管50と、ポンプ35と、を備えている。
【0079】
次に、熱交換システム40における熱の流れを図5に基づいて説明する。
【0080】
雨水槽16では、雨水槽16に蓄えられた雨水の熱が、送液管46を流れる液体に移動する。送液管46を流れる液体に移動する熱量は、例えば、18[MJ/日]である。雨水槽16に蓄えられる熱量は、例えば、2[MJ/日]である。雨水の熱を得た送液管46を流れる液体は、ガスヒートポンプ装置43の装置本体45に流れ込む。
【0081】
ガスヒートポンプ装置43の装置本体45では、ガスを燃焼させて得た熱を媒体として、送液管46を流れる液体の熱が、管48を流れる上水道水に移動する。その熱量は、ガスヒートポンプ装置41の成績係数(COP)が3.5の場合、例えば、25[MJ/日]である。
【0082】
このように、熱交換システム40によれば、送液管46を流れる液体の熱、すなわち、雨水の熱をヒートポンプ装置41の熱源にできる。これにより、人工地盤12の利用価値がさらに高まる。具体的には、熱交換システム40を利用しない場合と比較して、給湯および暖房に掛かるコストを、例えば、約40%削減できる。
【0083】
[第4実施形態]
次に、図6を用いて、第4実施形態に係る熱交換システム60の構成について説明する。図6は、熱交換システム60の概略図である。
【0084】
図6に示すように、熱交換システム60は、人工地盤12と、太陽熱温水器13と、上水道管41と、受水槽42と、ガスヒートポンプ装置61と、給湯器15と、温水式床暖房44と、を備えている。
【0085】
(ガスヒートポンプ装置)
ガスヒートポンプ装置61は、ガスを燃焼させて得た熱を媒体として、雨水槽16に蓄えられた雨水の熱、および地熱を、受水槽42に蓄えられた上水道水に移動させ、温水を生成する。このガスヒートポンプ装置61は、装置本体45と、この装置本体45からボーリング穴62および雨水槽16に水を循環させる採熱管63および送液管64と、ポンプ47と、管48と、ポンプ49と、を備えている。
【0086】
ボーリング穴62は、地中に向けて穿たれた穴で、30m程度の深さを有する。ボーリング穴62の内部には、地熱がこもっている。
【0087】
採熱管63は、装置本体45から引き出されてボーリング穴62の内部に引き込まれてから、送液管64に接続されている。送液管64は、採熱管63に接続されており、雨水槽16の内部に引き込まれ、ブロック17の隙間を縫うように雨水槽16の内部に張り巡らされると共に、雨水槽16の内部から外部に引き出されてから装置本体45に引き込まれ、水等の液体を循環させる。採熱管63を流れる液体は、ボーリング穴62の内部の地熱と比較して、低温である。このため、ボーリング穴62の内部の地熱が、採熱管63を介して、採熱管63を流れる水に移動する。
【0088】
以上のガスヒートポンプ装置61によれば、ボーリング穴62の内部の地熱、および雨水槽16に蓄えられた雨水の熱が、採熱管63および送液管64を流れる液体に移動すると共に、採熱管63および送液管64を流れる液体の熱が、管48を流れる水に移動し、温水が生成される。
【0089】
次に、熱交換システム60における熱の流れを図6に基づいて説明する。
【0090】
ボーリング穴62では、内部の地熱が、採熱管63を流れる液体に移動する。その熱量は、例えば、15[MJ/日]である。地熱等を得た採熱管63および送液管64を流れる液体は、ガスヒートポンプ装置61の装置本体45に流れ込む。
【0091】
このように、熱交換システム60によれば、地熱を、採熱管63を流れる液体に直接移動させられる。このため、採熱管63および送液管64を流れる液体を利用する場合、地熱を大いに有効活用できる。ひいては、さらなる省エネおよびランニングコストの低減が実現される。これにより、人工地盤12の利用価値がさらに高まる。具体的には、熱交換システム60を利用しない場合と比較して、給湯および暖房に掛かるコストを、例えば、約40%低減できる。
【0092】
[第5実施形態]
次に、図7および図8を用いて、第5実施形態に係る熱交換システム70の構成について説明する。図7は、熱交換システム70の概略図である。また、図8は、人工地盤12を上方から視た模式的な断面図である。なお、図8では、図面の簡略化のために、ブロック17、送液管46および循環管73の図示を省略する。
【0093】
図7に示すように、熱交換システム70は、人工地盤12と、太陽熱温水器71と、上水道管41と、受水槽42と、ガスヒートポンプ装置43と、給湯器15と、温水式床暖房44と、除湿手段72と、を備えている。
【0094】
太陽熱温水器71は、温水器本体24と、この温水器本体24から雨水槽16に水等の液体を循環させる循環管73と、ポンプ26と、を備えている。
【0095】
以上の太陽熱温水器71によれば、温水器本体24で得られた太陽熱が、循環管73を流れる液体に移動する。循環管73を流れる液体の熱は、雨水槽16に蓄えられた雨水に移動する。
【0096】
(除湿手段)
除湿手段72は、建築物11の内部の空気を雨水槽16に循環させて建築物11の内部を除湿するものであり、主に夏季に利用される。この除湿手段72は、図7および図8に示すように、建築物11の内部と雨水槽16とを繋ぐ2つの通気孔74,75と、一方の通気孔74に設けられた換気扇76と、雨水槽16の内部に設けられた複数の熱交換プレート77と、を備えている。
【0097】
換気扇76は、建築物11の内部の空気を通気孔74から雨水槽16に送る。熱交換プレート77は、金属製であり、空気の流れに沿う方向にギザギザに並ぶように配置されている。この熱交換プレート77は、雨水槽16の内部の空気の熱を、雨水槽16に蓄えられた雨水に移動させる。なお、雨水槽16に蓄えられた雨水の夏季の平均温度は、15℃以下、ガスヒートポンプ装置43を利用しない場合であっても23℃以下であり、建築物11の内部の気温(例えば、30℃)と比較して十分に低い。
【0098】
次に、熱交換システム70における除湿手段72の作用を説明する。
【0099】
建築物11の内部の空気は、換気扇76によって、通気孔74から雨水槽16に送られる。雨水槽16では、空気の熱が、雨水槽16に蓄えられた雨水に移動し、除湿される。雨水槽16で除湿された空気は、通気孔75から建築物11の内部に戻る。
【0100】
このように、熱交換システム70によれば、建築物11の内部の空気の熱を、人工地盤12を構成する雨水槽16に蓄えられた雨水に奪わせられる。ひいては、建築物11の内部が除湿される。建築物11の内部における体感温度は下がり、夏季の快適な空間が実現される。これにより、人工地盤12の利用価値がさらに高まる。
【0101】
また、熱交換プレート77を備えることで、熱交換プレート77によって、建築物11の内部の空気の熱を雨水に効率良く奪わせられる。ひいては、建築物11の内部が効率良く除湿される。これにより、人工地盤12の利用価値がさらに高まる。
【0102】
本発明は、上記第1〜第5実施形態に限られるものではなく、その趣旨および技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0103】
すなわち、上記各実施形態において、温水器本体24として、最新型の真空ガラス管式のものを利用したが、従来型の落水式のものや改良型の平板式のものを利用してもよい。
【0104】
すなわち、上記各実施形態において、ブロック17として、樹脂製のものを備えているが、ステンレス製、鋼製、鋳鉄製、木製、アルミ製等のものを備えるようにしてもよい。
【0105】
すなわち、上記各実施形態において、空気の熱で湯を沸かすエコキュート(登録商標)、あるいは、都市ガス等に含まれる水素と空気中の酸素との反応による発電時に発生する熱で湯を沸かすエネファーム(登録商標)等と連携する熱交換システムを構築してもよい。さらには、暖炉・ペレットボイラー等の暖房器具の排熱を回収して再利用するようにしてもよい。
【0106】
すなわち、上記各実施形態において、建築物11の基礎となる人工地盤12を備え、人工地盤12が建築物11の全ての重力を支持しているが、建築物11の基礎として支持杭を併用し、支持杭と共に人工地盤12が建築物11の重力を支持するようにしてもよい。これにより、人工地盤12の設置態様に幅が出る。ひいては、ニーズに合致する熱交換システムを実現できる。
【0107】
図9を用いて、建築物11の支持方法について説明する。図9(A)は、上記各実施形態における支持方法を説明する概略図であり、図9(B)は、変形例における支持方法を説明する。
【0108】
図9(A)に示すように、上記各実施形態における人工地盤12は、建築物11全体の下方に埋設されている。この人工地盤12は、建築物11の全ての重力を支持する。
【0109】
一方、図9(B)に示す変形例となる熱交換システム90は、建築物11の基礎となる人工地盤12および支持杭91、等を備えている。人工地盤12は、建築物11中央の下方に埋設されている。支持杭91は、人工地盤12の周囲において、建築物11の下部から地中に延び、支持層に達している。
【0110】
あるいは、上記第2〜第5実施形態において、建築物11の内部を暖める暖房器具として、温水式床暖房32を備えているが、温水式壁暖房や温水式天井暖房を備えるようにしてもよい。
【0111】
あるいは、上記第3〜第6実施形態において、ヒートポンプとして、ガスヒートポンプ装置43を備えているが、電気ヒートポンプや石油ヒートポンプを備えるようにしてもよい。
【0112】
あるいは、上記各実施形態の構成要素を、可能な範囲で他の実施形態に適用してもよい。
【符号の説明】
【0113】
10,30,40,60,70,80,90 熱交換システム
11 建築物
12 人工地盤
13,31,71 太陽熱温水器
14,41 上水道管
15 給湯器
16 雨水槽
17 ブロック
18 透水シート
19 砕石
20 擁壁層
21 防水層
22 カバー層
23 コンクリート層
24 温水器本体
25 供給管
26 ポンプ
27 蛇口
32 温水式床暖房
33 暖房機器本体
34 管
35 ポンプ
42 受水槽
43,61 ガスヒートポンプ装置
44 温水式床暖房
45 装置本体
46,64 送液管
47 ポンプ
48 管
49 ポンプ
50 管
62 ボーリング穴
63 採熱管
72 除湿手段
73 循環管
74,75 通気孔
76 換気扇
77 熱交換プレート
91 支持杭

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の下方に埋設された雨水槽と、
前記雨水槽の内部に隙間を形成するように敷設されて前記建築物の少なくとも一部の重力を支持する複数のブロックと、を備える人工地盤を利用する熱交換システムであって、
前記雨水槽の外部から内部に引き込まれると共に、前記雨水槽の内部から外部に引き出される送液管を備え、
前記雨水槽に蓄えられた雨水の熱を、前記送液管を流れる液体に移動させることを特徴とする、
熱交換システム。
【請求項2】
前記送液管は、前記雨水層の内部において、前記隙間を縫うように張り巡らされることを特徴とする、
請求項1に記載の熱交換システム。
【請求項3】
太陽熱を利用して温水を生成する太陽熱温水器と、
前記雨水槽に蓄えられた雨水を前記太陽熱温水器に供給する供給管と、を備えることを特徴とする、
請求項1または2に記載の熱交換システム。
【請求項4】
太陽熱を利用して温かい液体を生成する太陽熱温水器と、
前記太陽熱温水器から引き出されてから前記雨水槽の内部に引き込まれると共に、前記雨水槽の内部から外部に引き出されてから前記太陽熱温水器に引き込まれ、前記太陽熱温水器に蓄えられた液体を循環させる循環管と、を備え、
前記循環管を流れる液体の熱を、前記雨水槽に蓄えられた雨水に移動させることを特徴とする、
請求項1または2に記載の熱交換システム。
【請求項5】
前記循環管は、前記雨水層の内部において、前記隙間を縫うように張り巡らされることを特徴とする、
請求項4に記載の熱交換システム。
【請求項6】
前記送液管は、地中に向けて穿たれた穴の内部に引き込まれる採熱管に接続されており、
前記採熱管を利用して、地熱を、前記送液管を流れる液体に移動させることを特徴とする、
請求項1〜5のいずれかに記載の熱交換システム。
【請求項7】
上水道水を蓄える受水槽と、
前記送液管を流れる液体の熱を、前記受水槽に蓄えられる上水道水に移動させるヒートポンプと、を備えることを特徴とする、
請求項1〜6のいずれかに記載の熱交換システム。
【請求項8】
前記受水槽から供給される温水を沸かして熱湯にする給湯器を備えることを特徴とする、
請求項7に記載の熱交換システム。
【請求項9】
前記受水槽から供給される温水を利用して前記建築物の内部を暖める暖房器具を備えることを特徴とする、
請求項7または8に記載の熱交換システム。
【請求項10】
給湯器を備え、
前記送液管は、前記給湯器に上水道水を供給する上水道管であることを特徴とする、
請求項1〜6のいずれかに記載の熱交換システム。
【請求項11】
前記給湯器から供給される温水を利用して前記建築物の内部を暖める暖房器具を備えることを特徴とする、
請求項10に記載の熱交換システム。
【請求項12】
前記建築物の内部の空気を前記雨水槽に循環させて前記建築物の内部を除湿する除湿手段を備えることを特徴とする、
請求項1〜11のいずれかに記載の熱交換システム。
【請求項13】
前記雨水槽を循環する空気の熱を、前記雨水槽に蓄えられた雨水に移動させる金属製の熱交換プレートを備えることを特徴とする、
請求項12に記載の熱交換システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−137211(P2012−137211A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−288521(P2010−288521)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【特許番号】特許第4882021号(P4882021)
【特許公報発行日】平成24年2月22日(2012.2.22)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 環境新聞、株式会社環境新聞社、平成22年10月13日発行
【出願人】(507216892)
【出願人】(509173591)
【Fターム(参考)】