説明

熱分解ガス化方式の燃焼制御を特徴とする医療廃棄物専用小型焼却炉と医療廃棄物専用焼却システム

【課題】 医療廃棄物を処理するための医療廃棄物焼却システムの提供。
【解決手段】 医療廃棄物コンテナ8を投入する密閉方式の投入機9を設け、燃焼室の上部に二次燃焼室2を連設し、該二次燃焼室の排気口にガス冷却室3を連設し、さらに集塵機4を介して煙突に誘導する医療廃棄物用小型焼却炉において、燃焼室1の下部に遠赤外線発生面57を配し、投入機は操作盤14、第1扉17、第2扉18と第1プッシャ−15、第2プッシャ−16を密閉方式で備え、燃焼室の上部の二次燃焼室には二次ブロア22を配設し、かつ、空気供給装置6を内蔵し、上部に温度指示調節計を、排気口にも温度調節計を配設、ガス冷却室の上部を連設し、下部に白煙防止用送風機30を配設し、消石灰・活性炭共用タンク44を併設し、該タンクにより排ガス中の有害物質を除去するようにした医療廃棄物用小型焼却炉と医療廃棄物焼却システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療廃棄物、即ち病院から排出される非感染性廃棄物はもちろん、危険性及び処理難度の高さから厄介視されている感染性廃棄物まで、あらゆる医療廃棄物を熱分解ガス化方式の燃焼制御を特徴とした医療廃棄物専用の小型焼却炉と医療廃棄物専用の焼却システムである。
【背景技術】
【0002】
医療廃棄物は大きく分けて「感染性」のものと「非感染性」のものがあり、「感染性廃棄物」とは、人が感染し、又は感染するおそれのある病原体が含まれ、もしくは病原体が付着している廃棄物、又はこれらのおそれのある廃棄物で、「感染性廃棄物」には「感染性一般廃棄物」と「感染性産業廃棄物」とに分けられている。
【0003】
具体的に「感染性廃棄物」を廃棄物の種類ごとにみると、「感染性一般廃棄物」では、「手術等に伴って発生する病理廃棄物」では臓噐・組織があり、「病原微生物に関連した試験、検査等に用いられたもの」では、実験・検査等に使用した培地・実験動物の死体等があり、「その他血液等が付着したもの」では、血液等が付着した紙くず・繊維くず(脱脂綿・ガ−ゼ・包帯等)等があり、「汚染物、若しくはこれらが付着したまたはそれらのおそれのあるもので前記に該当しないもの」では、汚染物が付着した紙くず・繊維くずがあげられている。
【0004】
「感染性産業廃棄物」では、「血液等」では血液・血清・血漿・体液(精液を含む。)・血液製剤があり、「血液等が付着した鋭利なもの」では注射針・メス・試験管・シャ−レ・ガラスくずなどがあり、「病原微生物に関連した試験、検査等に用いられたもの」では実験・検査等に使用した試験管・シャ−レ等があり、「その他血液等が付着したもの」では血液等が付着した実験・手術用の手袋等があり、「汚染物、若しくはこれらが付着した又はそれらのおそれのあるもので前記に該当しないもの」では汚染物が付着した廃プラスチック類等があげられている。
【0005】
「医療廃棄物」の中の「非感染性廃棄物」とは、「点滴瓶・バイアル瓶・消毒処理済みの注射針・消毒済みのプラスチック類・焼却処理後の残灰等・レントゲン定着液・現像廃液等」があげられている。
【0006】
しかし、医療廃棄物の焼却には従来から大型タイプの焼却炉が中心であったが、現状では多様な医療廃棄物の効率的な連続処理とともに小型の焼却炉が必要になってきており、さらに法的規制も厳しく、ダイオキシン類対策等特別措置法をはじめとして、廃棄物の処理性及び清掃に関する法律施行規則、騒音規制法などにも配慮しなければならなくなってきた。ダイオキシン類対策等特別措置法では、1時間当り処理能力50kg以上で200kg未満、又は火床面積0.5m以上の焼却炉は、ダイオキシン排出基準を排出ガスは5ngTEQ(毒性等量)/mN以下、媒塵(集じん灰)は3ngTEQ/g以下とされており、廃棄物の処理性及び清掃に関する法律施行規則(施行規則第1条の7)では、空気取入口及び煙突の先端以外に燃焼設備と外気が接することなく、燃焼ガスの温度が摂氏800℃以上の状態で廃棄物を焼却できるものであること。外気と遮断された状態で廃棄物を燃焼室に投入できるものであること。燃焼室中の燃焼ガスの温度を測定するための装置が設けられていること。燃焼ガスの温度を保つために必要な助燃装置が設けられていること。があげられている。
【0007】
医療廃棄物の焼却に際しては、チュ−ブなどの発熱量が高いものをはじめ、紙オムツの様な水分を多く含んだ焼却処理が困難なものや、他の廃棄物と比較して多量の不燃物が混在されている医療廃棄物の焼却で発生する大気汚染物質としては塩化水素、硫黄酸化物、窒素酸化物、煤塵などのほか、一酸化炭素、アンモニア、水銀などの重金属、多環芳香族炭化水素、PCB(ポリ塩化ビフェニ−ル)などの有機塩素化合物が知られている。その中でも医療廃棄物の焼却炉から発生するダイオキシン類が社会的問題になり、数多くの開発が進められてきた。PCBやダイオキシン類の発生抑制と再合成抑制のためには、吸着除去としてPCBやダイオキシン単体を活性炭や活性コ−クスで吸着、排ガスからダイオキシン類を除去し、その後吸着した活性炭や活性コ−クスを燃焼して熱分解する方法や、運転管理、二次燃焼、温度管理、薬剤投入、触媒反応、吸着、集塵など多岐にわたり開発が進められ、バグフィルタ−(集塵機)の採用もみられるようになってきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
医療廃棄物の焼却にあたっては、発生するダイオキシン除去のためには、装置の大型化を図らなければならなかったり、焼却炉における完全燃焼技術、有害物質生成抑制技術、有害物質処理技術などの効率的な開発が進んでいたが、医療廃棄物は感染性をおそれ、容器のままに焼却炉に投入することが義務付けられており、熱分解ガス化、高機能性で小型化ばかりか、廃棄物全般に対応し、医療廃棄物は可燃容器で結束された医療廃棄物コンテナで燃焼室に投入するすることなどが課題となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、従来知られているダイオキシン除去のための燃焼炉における不完全な燃焼技術、有害物質の生成、有害物質の不完全処理などの装置やシステムの欠点を解消し、上記課題を解決するためになされたものであって、焼却炉の小型化ばかりか、加熱エア−の供給と熱源の調節によってPCBやダイオキシンの分解を促進し、再合成の抑制を図ったものである。
【0010】
本発明は、発明が解決しようとする課題を解決したもので、医療廃棄物用小型焼却炉の全体構成について、図1、図2、図3、図4で詳細に説明すると、燃焼室1に併設して可燃容器で結束された医療廃棄物コンテナ8を投入する投入機9を密閉方式で設け、燃焼室1の下胴部49から下部の一次ブロア21にかけて空洞部58を有する遠赤外線発生面57を任意に配し、上部に二次燃焼室2を連設し、該二次燃焼室2の排気口45にガス冷却室3を連設し、さらに集塵機4を介して煙突10に誘導する医療廃棄物用小型焼却炉において、燃焼室1の下胴部49から下部の一次ブロア21にかけて空洞部58を有する遠赤外線発生面57を任意に配し、下胴部49に一次バ−ナ−19を配設し、下部に一次ブロア21を配し、ロストル13を介してケ−スコンベア12を配設し、ケ−スコンベヤ12の先端に灰コンテナ11を設置、燃焼室1の中間に併設した医療廃棄物コンテナ8を投入する投入機9は操作盤14、第1扉17、第2扉18と第1プッシャ−15、第2プッシャ−16を密閉方式で備え、燃焼室1の近傍に燃料タンク7を併設し、燃焼室1の上部に温度指示調節計36、炉内圧力指示調節計55、燃焼室1下部に一次ブロア21、温度調節計33、34を配設し、燃焼室1の上部に連設した二次燃焼室2には空気供給装置6を内蔵し、空気供給装置6には二次バ−ナ−20と二次ブロア22を配し、かつガス入口とガス出口24とを配し、二次燃焼室2の上部に温度指示調節計35を配設し、排気口45に温度調節計31を配設し、ガス冷却室3の上部を連設し、ガス冷却室3の上頭部46に第1噴射ノズル28、上胴部47に第2噴射ノズル48を挿着し、下部に白煙防止用送風機30を配し、かつ、ダスト引き出し29、スクレ−パ−38を配設、第1噴射ノズル28と第2噴射ノズル48を駆動する水圧ポンプ25とコンプレッサ26とを配し、下底部51にダクト50の吸引口52を配設し、温度指示調節計37と消石灰・活性炭共用タンク44を併設したダクト50を集塵機4の下部に連通させ、ガス冷却室3と集塵機4の間に温度調節計32を備え、中途に三方ダンパ−27を配設してバイパスダクト40を回設させ、さらに集塵機4の上部から煙突10に誘導するダクト53を立設させ、煙突10に排ガスを誘導する誘引ファン5を設置した熱分解ガス化方式の燃焼制御を特徴とする医療廃棄物専用小型焼却炉である。
【0011】
また、医療廃棄物専用焼却システムについて、図1、図4で詳細に説明すると、可燃容器で結束された医療廃棄物コンテナ8を燃焼室1に併設された密閉方式の投入機9に連続的に定量ずつ載置し、投入機9に配設されている操作盤14の操作によって第1扉17を開け、第1プッシャ−15により医療廃棄物コンテナ8を投入機9に送り込み、第2扉18を開け、第2プッシャ−16により燃焼室1に医療廃棄物コンテナ8が投入され、燃焼室1の下胴部49から下部の一次ブロア21にかけて空洞部58を有する遠赤外線発生面57を任意に配し、燃焼室1内の加温を促進させ、燃焼室1の下胴部49に一次バ−ナ−19を配設し、下部にロストル13を介してケ−スコンベア12を配設し、ケ−スコンベア12の先端に灰コンアナ11を設置するが、燃焼室1上部に温度指示調節計36、炉内圧力指示調節計55、燃焼室1下部に一次ブロア21、温度調節計33、34を配設し、燃焼室1内部では1050℃を限度に医療廃棄物コンテナ8を燃焼させ、1050℃に近づくと噴霧ノズル54により冷水を噴霧して900℃程度に温度制御し、燃焼ガスは燃焼室1の上部に連設されている空気供給装置6を内蔵する二次燃焼室2に送給し、二次燃焼室2には温度指示調節計35を配設して燃焼ガスの温度を連続的に測定し記録し、二次燃焼室2には内部を800℃程度に温度制御し、燃焼ガスを2秒以上滞留させ、二次燃焼室2の排気口45にガス冷却室3を連設し、ガス冷却室3の上頭部46には第1噴射ノズル(30kpA)28、上胴部47には第2噴射ノズル(100kpA)48を挿着し、冷水を噴射して燃焼ガスの温度は200℃程度に冷却するように温度制御し、下部にダスト引き出し29、スクレ−パ−38を配設しているため媒塵を焼却灰として分離して排出するようにし、ガス冷却室3の下底部51にダクト50の吸引口52を配設し、ダクト50を集塵機4の下部に連通させ、中途に温度指示調節計37と消石灰・活性炭共用タンク44と三方ダンパ−27を配設してバイパスダクト40を回設させ、集塵機4の下部には集塵機4で作られるダストを集めるダストコンテナ43を設置し、集塵機4の上部から煙突10に誘導するダクト53を立設させ、ダクト53の中間に三方ダンパ−56を配設し、温度指示調節計37と消石灰・活性炭共用タンク44を併設したダクト50を集塵機4の下部に連通させ、ガス冷却室3と集塵機4の間に温度調節計32を備え、中途に三方ダンパ−27を配設してバイパスダクト40を回設させ、さらに集塵機4の上部から煙突10に誘導するダクト53を立設させ、煙突10内部にダンパ−41を設け、煙突10上部に設けた測定口39によって煙突10内部を200℃程度に温度制御し、煙突10下部にはドレン排出のドレン口42と排ガスを誘導する誘引ファン5とを設置し、誘引ファン5で排ガスを誘導しながらドレンを排出し、排ガスを無害化して煙突外に排出する熱分解ガス化方式の燃焼制御を特徴とする医療廃棄物専用の焼却システムである。
【0012】
図4で説明すると、燃焼室1の下胴部49から下部の一次ブロア21にかけて、空洞部58を有する遠赤外線発生面57を配し、燃焼室1内の温度上昇を促進させているが、燃焼室1の下胴部49から下部の一次ブロア21にかけた側面を、250℃〜400℃の温度で加熱すると、投入された医療廃棄物コンテナ8の有機物は乾燥し、熱分解で急速に処理され、通常6〜7時間掛かっていた灰化時間が2〜3時間に短縮され、同じ容積の部屋で約3倍の処理能力が得られるようになった。これは処理物を遠赤外線輻射セラミックからの遠赤効果で処理物の内部から加熱するので、効率的に熱分解が促進するからである。
【0013】
燃焼室1の下部よりに投入された投入廃棄物を焼却するためのエア(酸素)を意図的に少なく供給し、強制的に全部を燃焼させないでいる。
【0014】
ロストル13との中間部においては、250℃〜400℃の雰囲気温度を作り、熱分解ガス化現象をおこし、有機物の熱分解ガス化をはかり、その分解ガスを上部の二次燃焼室2で充分な空気(酸素)を供給し、完全燃焼をはかることにより、他の方式の焼却炉と比較してダイオキシンの発生量が抑制されるようになった。
【0015】
こうした過程によって、堆積された無機物中の有機物の残存率(熱灼減量率)は、他の方式の焼却炉と比較して極端に少なくなっている。こうした構成とシステムによる医療廃棄物専用の小型焼却炉(医療廃棄物の処理能力:200kg未満/h)であって、このサイズでの医療廃棄物焼却炉でダイオキシン対策をした小型焼却炉は皆無である。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、有害物質として知られるダイオキシンの排出基準である5ngTEQ(毒性等量)/mN以下を維持することができ、媒塵(集じん灰)は3ngTEQ/g以下を保つことができ、エア−の供給と熱源の調節によって完全に処理することができるようになり、しかも、ダイオキシンの発生が抑制され、再合成の抑制も効率よく進められるようになった。
【0017】
また、医療廃棄物の焼却によって発生する排ガス中の有害物質は消石灰・活性炭共用タンク44の消石灰・活性炭の駆動により、排ガス中の有害物質を除去できるようになった。
【0018】
また、排ガスを排出する煙突の上部に配設する測定口39によってCO濃度を連続的に測定・記録することができ、排ガス中の有害物質を完全に除去できるようになった。
【0019】
燃焼室1に併設して可燃容器で結束された医療廃棄物コンテナ8を投入する投入機9を設けているが、外気と遮断された状態で、医療廃棄物を定量ずつ、連続的に供給できるようになった。
【0020】
燃焼室1を800℃以上の状態に保てるため、有害物質の完全除去が確保できるようになった。
【0021】
燃焼室1の下胴部49から下部の一次ブロア21にかけて空洞部58を有する遠赤外線発生面57を任意に配するため、燃焼室1内の処理物の内部も均一に加温でき、遠赤外線での乾燥、熱分解ガス化効果が利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
排ガスを大気へ放出する前、燃焼室1から排出される排ガスの温度は、おおよそ900℃となって、二次燃焼室2に送られ、ガス冷却室3では湿度を下げるために白煙防止用送風機30で送られる空気を活用している。
【0023】
燃焼室1の下胴部49から下部の一次ブロア21にかけて空洞部58を有する遠赤外線発生面57を任意に配し、燃焼室1内の加温を促進させているが、遠赤外線発生面の材料として燃焼室1内の最高温度に耐えられる材料を選択するものである。耐熱性の材料が必要であり、また、熱衝撃性、機械的強度に強いことも条件となっている。さらに遠赤外線放射性に優れていることが必要で、本発明ではセラミック材質のものを用いるのがよく、金属表面にセラミック材質をコ−ティングしたものは、素地の金属とセラミック材質との間に熱膨張率の違いがあることから機械的強度に弱くてもセラミック材質のものを用いるのがよいことがわかった。
【0024】
ガス冷却室3の上頭部46には第1噴射ノズル(30kpA)28、上胴部47には第2噴射ノズル(100kpA)48を挿着し、冷水を噴射して排ガスは集塵機4のフィルタ−の仕様に適した180〜200℃の温度条件まで温度制御して冷却され、供給された用水が蒸発して急冷却させながらダイオキシンの再合成を防いでいる。
【0025】
集塵機4は、排ガスから微細な無機埃を集塵するための設備で、集塵機4によって清浄化された排ガスは、その後、誘引ファン5によって煙突10に送られる。
【0026】
煙突10は、排ガスを大気に放出するための装置で、口径は、ほぼ1000mmとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】 本発明の医療廃棄物用小型焼却炉の全体構成図。
【図2】 本発明の医療廃棄物用小型焼却炉の上面視全体構成図。
【図3】 本発明の小型焼却炉に用いる二次燃焼室内空気供給装置の平面図。
【図4】 燃焼室内の遠赤外線発生面装着状態の断面図。
【符号の説明】
【0028】
1:燃焼室 2:二次燃焼室 3:ガス冷却室
4:集塵機 5:誘引ファン 6:空気供給装置
7:燃料タンク 8:医療廃棄物コンテナ 9:投入機
10:煙突 11:灰コンテナ 12:ケ−スコンベア
13:ロストル 14:操作盤 15:第1プレッシャ−
16:第2プレッシャ− 17:第1扉 18:第2扉
19:一次バ−ナ− 20:二次バ−ナ− 21:一次ブロア
22:二次ブロア 23:ガス入口 24:ガス出口
25:水圧ポンプ 26:コンプレッサ 27:三方ダンパ−
28:第1噴射ノズル 29:ダスト引き出し 30:白煙防止用送風機
31:温度調節計 32:温度調節計 33:温度調節計
34:温度調節計 35:温度指示調節計 36:温度指示調節計
37:温度指示調節計 38:スクレ−パ− 39:測定口
40:バイパスダクト 41:ダンパ− 42:ドレン口
43:ダストコンテナ 44:消石灰・活性炭共用タンク
45:排気口 46:上頭部 47:上胴部
48:第2噴射ノズル 49:下胴部 50:ダクト
51:下底部 52:吸引口 53:ダクト
54:噴霧ノズル 55:炉内圧力指示調節計 56:三方ダンパ−
57:遠赤外線発生面 58:空洞部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼室に併設して可燃容器で結束された医療廃棄物コンテナを投入する投入機を密閉方式で設け、燃焼室の上部に二次燃焼室を連設し、該二次燃焼室の排気口にガス冷却室を連設し、さらに集塵機を介して煙突に誘導する医療廃棄物用小型焼却炉において、燃焼室1の下胴部に一次バ−ナ−を配設し、下部に一次ブロアを配し、ロストルを介してケ−スコンベアを配設し、ケ−スコンベアの先端に灰コンテナを設け、燃焼室の中間に併設した医療廃棄物コンテナを投入する投入機は操作盤、第1扉、第2扉と第1プッシャ−、第2プッシャ−を密閉方式で備え、燃焼室の下胴部から下部の一次ブロアにかけて空洞部を有する遠赤外線発生面を任意に配し、燃焼室の近傍に燃料タンクを併設し、燃焼室上部に温度指示調節計、炉内圧力指示調節計、燃焼室下部に一次ブロア、温度調節計を配設し、燃焼室の上部に連設した二次燃焼室には二次ブロアを配設し、かつ、空気供給装置を内蔵し、上部に温度指示調節計を配設し、排気口に温度調節計を配設し、ガス冷却室の上部を連設し、ガス冷却室の上頭部に第1噴射ノズル、上胴部に第2噴射ノズルを挿着し、下部に白煙防止用送風機を配設し、かつダスト引き出し、スクレ−パ−を配設、下底部にダクトの吸引口を配設し温度指示調節計と消石灰・活性炭共用タンクを併設したダクトを集塵機の下部に連通させ、中途に三方ダンパ−を配設し温度調節計を備えたバイパスダクトを回設させ、さらに集塵機の上部から煙突に誘導するダクトを立設させ、煙突に排ガスを誘導する誘引ファンを設置した熱分解ガス化方式の燃焼制御を特徴とする医療廃棄物専用小型焼却炉。
【請求項2】
可燃容器で結束された医療廃棄物コンテナを燃焼室に併設された密閉方式の投入機に連続的に定量ずつ載置し、投入機に配設されている操作盤の操作によって第1扉を開け、第1プッシャ−により医療廃棄物コンテナを密閉方式の投入機に送り込み、第2扉を開け第2プッシャ−により燃焼室に医療廃棄物コンテナが投入され、燃焼室の下胴部に一次バ−ナ−を配設し、燃焼室の下胴部から下部の一次ブロアにかけて空洞部を有する遠赤外線発生面を任意に配することによって燃焼室内の温度を加温させ、下部にロストルを介してケ−スコンベアを配設し、ケ−スコンベアの先端に灰コンテナを設置するが、燃焼室上部に温度指示調節計、炉内圧力指示調節計、燃焼室下部に一次ブロア、温度調節計を配し、燃焼室内部では1050℃を限度に医療廃棄物コンテナを燃焼させ、1050℃に近づくと噴霧ノズルにより冷水を噴霧して900℃程度に温度制御し、燃焼ガスは燃焼室の上部に連設されている空気供給装置を内蔵する二次燃焼室に送吸し、二次燃焼室には温度指示調節計を配設して燃焼ガスの温度を連続的に測定し記録し、二次燃焼室内部を800℃程度に温度制御し、燃焼ガスを2秒以上滞留させ、該二次燃焼室の排気口にガス冷却室を連設し、ガス冷却室の上頭部には第1噴射ノズル(30kpA)、上胴部には第2噴射ノズル(100kpA)を挿着し、冷水を噴射して燃焼ガスの温度は200℃程度に冷却するように温度制御し、下部にダスト引き出し、スクレ−パ−を配設しているため媒塵を焼却灰として分離して排出するようにし、ガス冷却室の下底部にダクトの吸引口を配設し、温度指示調節計と消石灰・活性炭共用タンクを併設し、消石灰・活性炭共用タンクにより排ガス中の有害物質を除去し、ダクトを集塵機の下部に連通させ、中途に三方ダンパ−を配設してバイパスダクトを回設させ、集塵機の上部から煙突に誘導するダクトを立設させ、煙突内部にダンパ−を設け、煙突上部に設けた測定口によって煙突内部を200℃程度に温度制御し、煙突下部にはドレン排出のドレン口と排ガスを誘導する誘引ファンを配し、誘引ファンで排ガスを誘導しながらドレンを排出し、排ガスを無害化して煙突外に排出する医療廃棄物焼却システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−234371(P2006−234371A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−78023(P2005−78023)
【出願日】平成17年2月21日(2005.2.21)
【出願人】(500456084)
【Fターム(参考)】