説明

熱可塑性接着剤検査装置及び検査方法

【課題】熱可塑性接着剤の塗布異常を速やかに検出して、熱可塑性接着剤が正常に塗布されていない箱体が搬出されることを防止することができる熱可塑性接着剤検査装置及び検査方法を提供する。
【解決手段】熱可塑性接着剤検査装置1は、箱体成形装置2において、箱体成形装置2によって成形される箱体6に塗布された熱可塑性接着剤40及び41に光を照射する光源装置3a及び3bと、熱可塑性接着剤40及び41からの反射光を撮像する撮像装置4a及び4bと、撮像装置4a及び4bから送られてきた画像データを処理し、規定値と比較することにより、前記熱可塑性接着剤40及び41が正常に塗布されているかを判定する画像処理装置5a及び5bとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性接着剤の検査装置及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の発明として、特許文献1に記載された「滑り防止用熱可塑性接着剤検査装置」に係る発明がある。図30は滑り防止用熱可塑性接着剤検査装置80の側面図である。滑り防止用熱可塑性接着剤検査装置80は、熱可塑性接着剤噴射部材81から熱可塑性接着剤82を噴射して搬送部材83によって搬送されてくる箱体6の上面に付着させることにより、この箱体6が段積みされた際に荷崩れを起すのを防止する装置である。滑り防止用熱可塑性接着剤検査装置80は、熱可塑性接着剤噴射部材81から噴射される熱可塑性接着剤82が通る道筋の側方に配置されて熱可塑性接着剤噴射部材81から噴射される熱可塑性接着剤82の有無を検知して検知信号を出力する検知部材84と、この検知部材84から検知信号が入力されこの検知信号に基づいて箱体6への熱可塑性接着剤82の塗布の有無を判定する制御部材(図示しない)とを備えている。
【0003】
この滑り防止用熱可塑性接着剤検査装置80によれば、熱可塑性接着剤噴射部材81から噴射される熱可塑性接着剤82が、搬送部材83によって搬送されてくる箱体6の上面に吹き付けられて塗布される。このとき、検知部材84によって熱可塑性接着剤噴射部材81から熱可塑性接着剤82が噴出されたか否かが検知されてその検知信号が制御部材に入力される。制御部材は、検知部材84から入力される検知信号に基づいて熱可塑性接着剤噴射部材81から熱可塑性接着剤82が噴射されているか否かを判断し、熱可塑性接着剤噴射部材81から熱可塑性接着剤82が噴射されていないと判断した場合には、箱体6への熱可塑性接着剤82の塗布が異常であると判断する。
【特許文献1】特開平9−183404号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の熱可塑性接着剤検査装置80においては、熱可塑性接着剤噴射部材81から箱体6への熱可塑性接着剤82の噴射の有無は判断されたが、箱体6に対する熱可塑性接着剤82が噴射された位置及び噴射量については判断されなかった。したがって、たとえ箱体6に対して熱可塑性接着剤82が噴射された場合においても、箱体6に対する噴射位置及び量が適確でない場合においては、箱体6の強度が落ちるという問題があった。
【0005】
本発明は上記した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、熱可塑性接着剤の塗布異常を速やかに検出して、熱可塑性接着剤が正常に塗布されていない箱体が搬出されることを防止することができる熱可塑性接着剤検査装置及び検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のうち請求項1に係る熱可塑性接着剤検査装置は、箱展開シートを折り曲げて、前記箱展開シートの必要部分に熱可塑性接着剤を塗布し、塗布された熱可塑性接着剤により前記必要部分を接着することによって箱体とする箱体成形装置に備えられる熱可塑性接着剤検査装置において、前記箱体成形装置に設けられ、前記箱展開シートの必要部分に塗布された熱可塑性接着剤に光を照射する光源装置と、前記箱体成形装置に設けられ、前記熱可塑性接着剤からの反射光を撮像する撮像装置と、該撮像装置と接続され、該撮像装置から送られてきた画像データを処理し、塗布された熱可塑性接着剤の面積、縦長さ、横長さ、縦位置及び横位置のうちいずれか1つ以上を、予め設定された値と比較することにより、前記熱可塑性接着剤が正常に塗布されているかを判定する画像処理装置とを有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明のうち請求項2に係る熱可塑性接着剤検査方法は、箱展開シートを折り曲げて、前記箱展開シートの必要部分に熱可塑性接着剤を塗布し、塗布された熱可塑性接着剤により前記必要部分を接着することによって箱体とする箱体成形装置に設けられた光源装置により、前記箱展開シートの必要部分に塗布された熱可塑性接着剤に光を照射する工程と、前記箱体成形装置に設けられた撮像装置により、前記熱可塑性接着剤からの反射光を撮像する工程と、前記撮像装置と接続された画像処理装置によって、前記撮像装置から送られてきた画像を処理し、塗布された熱可塑性接着剤の面積、縦長さ、横長さ、縦位置及び横位置のうちいずれか1つ以上を、予め設定された規定値と比較することにより、前記熱可塑性接着剤が正常に塗布されているかを判定する工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像処理装置により、塗布された熱可塑性接着剤の面積、縦長さ、横長さ、縦位置及び横位置を予め設定された値と比較し、前記熱可塑性接着剤が正常に塗布されているかを判定できる。よって、熱可塑性接着剤の塗布異常を速やかに検出して、熱可塑性接着剤が正常に塗布されていない箱体が搬出されることを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態に係る熱可塑性接着剤検査装置の概略構成図である。
図1において、熱可塑性接着剤検査装置1は、箱体成形装置2において、2つのトップ用照明装置(光源装置)3aと、4つのサイド用照明装置(光源装置)3bと、2つのトップ用カメラ(撮像装置)4aと、4つのサイド用カメラ(撮像装置)4bと、画像処理装置5a及び5bと、制御装置7とを備えている。
【0010】
図1に示すように、2つのトップ用照明装置3aは、箱体成形装置2の箱搬送方向(図1における左右方向)に対して直交する方向に一定の間隔で取付けられ、箱体6のトップフラップ29に塗布されたホットメルト(熱可塑性接着剤)40に対して光を照射するようになっている。また、4つのサイド用照明装置3bは、箱体成形装置2の箱搬送方向に対して水平方向左右側方に一定の間隔で取付けられ、箱体6の内サイドフラップ25、26、30及び31に塗布されたホットメルト41に対して光を照射するようになっている。
【0011】
2つのトップ用カメラ4aは、箱体成形装置2の箱搬送方向に対して直交する方向にトップ用照明装置3aと並べて取付けられ、ホットメルト40からの反射光を受光するようになっている。
また、4つのサイド用カメラ4bは、箱体成形装置2の箱搬送方向に対して水平方向左右側方にサイド用照明装置3bと並べて取付けられ、ホットメルト41からの反射光を受光するようになっている。
【0012】
そして、トップ用カメラ4aは画像処理装置5aに、サイド用カメラ4bは画像処理装置5bにそれぞれ接続され、撮像画像が伝送されるようになっている。
図2は箱展開シート20の正面図である。図3は箱体6が箱形成装置2上において形成される途中の状態を示す斜視図である。図4は箱体6とトップ用カメラ4a、サイド用カメラ4b、トップ用照明装置3a及びサイド用照明装置3bとの対応関係を示す斜視図である。
【0013】
図2において箱展開シート20は、底面パネル22と、底面パネル22の幅方向(図2における左右方向)の側部に折り曲げ線35を介して連設された側面パネル23と、側面パネル23の幅方向の側部に折り曲げ線34を介して連設された天面パネル21と、底面パネル22の幅方向の側部に折り曲げ線36を介して連設された側面パネル24と、側面パネル24の幅方向の側部に折り曲げ線37を介して連設されたトップフラップ29と、底面パネル22の長手方向(図2における上下方向)の両端部に折り曲げ線38を介して連設された外サイドフラップ28及び33と、天面パネル21の長手方向の両端部に折り曲げ線38を介して連設された外サイドフラップ27及び32と、側面パネル23の長手方向の両端部に折り曲げ線39を介して連設された内サイドフラップ25及び30と、側面パネル24の長手方向の両端部に折り曲げ線39を介して連設された内サイドフラップ26及び31とから形成される。
【0014】
箱展開シート20は、図3に示すように、箱体形成装置2にトップフラップ29を搬送方向上流側として設置される。そして、箱体形成装置2は、箱展開シート20を、各折り曲げ線34、35、36、37を介して天面パネル21、底面パネル22、側面パネル23、側板パネル24及びトップフラップ29を折り曲げた後、メルトガン(図示しない)によりトップフラップ29の外面にホットメルト40を長手方向に並べて複数箇所(本実施例においては6箇所)塗布し、該塗布部分に天面パネル21の端部を接着して略四角筒状に成形する。次いで、内サイドフラップ25、26、30及び31を折り曲げ線39を介して折り曲げ、メルトガン(図示しない)により各内サイドフラップにホットメルト41を幅方向に並べて複数箇所(本実施例においては各2箇所)塗布した後、外サイドフラップ27、28、32及び33を折り曲げて内サイドフラップ25、26、30及び31と接着し、これにより箱体6が形成される。
【0015】
上記流れの中、トップフラップ29にホットメルト40を塗布後、天面パネル21の端部を接着前及び、各内サイドフラップにホットメルト41を塗布後、各外サイドフラップと接着前において、図4に示すように、トップ用照明装置3aはメルト40に対して、サイド用照明装置3bはホットメルト41に対して光を照射する。そして、メルト40に対して照射された光の反射光をトップ用カメラ4aが撮像し、メルト41に対して照射された光の反射光をサイド用カメラ4bが撮像する。この場合において、トップ用照明装置3a及びサイド用照明装置3bはUVファイバー照明であることが好ましいが、UVファイバー照明以外の照明であってもかまわない。また、トップ用カメラ4a及びサイド用カメラ4bはUVカットフィルタが備えられた、CCDカメラであることが好ましいが、UVカットフィルタが備えられていなくてもかまわなく、CCDカメラ以外のカメラであってもかまわない。
【0016】
図5は画像処理装置5aにおける撮像画像の処理を表したフローチャート図である。図6は画像処理装置5bにおける撮像画像の処理を表したフローチャート図である。図7はトップフラップに塗布されたホットメルトの検査領域画像の正面図である。図8は背景画像の正面図である。図9はシェーディング補正画像の正面図である。図10は2値化画像の正面図である。図11はクロージング処理画像の正面図である。図12はオープニング処理画像の正面図である。図13は縦長さ測定画像の正面図である。図14は横長さ測定画像の正面図である。図15は縦位置ずれ測定画像の正面図である。図16は横位置ずれ測定画像の正面図である。
【0017】
図5を参照して、画像処理装置5aでの処理を説明すると、先ず、ステップS101において、各トップ用カメラ4aにより撮像された撮像画像は、画像処理装置5aへと入力される。
そして、画像処理装置5aに入力された撮像画像は、ステップS102において、図7に示す検査領域画像45が決定される。検査領域画像45は、ホットメルト部46と背景部47とホットメルトの糸引き部48とから構成されている。
【0018】
次いで、ステップS103において、図8に示すように、検査領域画像45から背景部47が抽出され、背景画像49が作成される。
そして、ステップS104において、図9に示すように、検査領域画像45から背景画像49の差分を取ることによって、背景部47の輝度ムラの影響を無くす、シェーディング処理が行われ、シェーディング補正画像50が作成される。
【0019】
ステップS105において、図10に示すように、各検査領域毎に予め設定された2値化閾値を使用し、ホットメルトの特徴量(面積、長さ等)を計測しやすくするために白と黒に2値化し、2値化画像51を作成する。この2値化処理に際して、2値化処理後の2値化画像51において、図10に示すように、ホットメルト部46の中に穴(ノイズ)52が生じる場合がある。
S106において、図11に示すように、2値化の際にホットメルト部46の中にできた穴(ノイズ)52を埋めるクロージング処理が行われ、クロージング処理画像53が作成される。
ステップS107において、図12に示すように、ホットメルトの糸引き部48を除去するオープニング処理が行われ、オープニング処理画像54が作成される。
【0020】
そして、その後、ステップS108において、面積、縦長さ、横長さ、縦位置ずれ及び横位置ずれの計測処理が行われる。面積の計測処理においては、図12に示すように、オープニング処理画像54の白い部分の画素数をカウントし、面積とする。縦長さの計測処理においては、図13に示すように、オープニング処理画像54のホットメルト部46の長手方向(図13における上下方向)の縦長さaを測定し、画素数をミリメートルへと分解能変換する。横長さの計測処理においては、図14に示すように、オープニング処理画像54のホットメルト部46の幅方向(図14における左右方向)の横長さbを測定し、画素数をミリメートルへと分解能変換する。縦位置ずれの計測処理においては、図15に示すように、オープニング処理画像54のホットメルト部46の重心位置55を求め、その重心位置55の長手方向成分eとオープニング処理画像54の長手方向の中心位置cとの縦ずれを測定し、画素数をミリメートルへと分解能変換する。横位置ずれの計測処理においては、図16に示すように、オープニング処理画像54のホットメルト部46の重心位置55幅方向成分fとオープニング処理画像54の幅方向の中心位置dとの横ずれを測定し、画素数をミリメートルへと分解能変換する。
【0021】
図17は各内サイドフラップに塗布されたホットメルトの検査領域画像の正面図である。図18は黒印刷除去画像の正面図である。図19はオープニング処理画像の正面図である。図20は輪郭抽出画像の正面図である。図21は輪郭の2値化画像の正面図である。図22は輪郭の接続画像の正面図である。図23は輪郭の穴埋め画像の正面図である。図24は収縮画像の正面図である。図25はホットメルト抽出後の検査領域枠設定画像の正面図である。図26は縦長さ測定画像の正面図である。図27は横長さ測定画像の正面図である。図28は縦位置ずれ測定画像の正面図である。図29は横位置ずれ測定画像の正面図である。
【0022】
次に、図6を参照して、画像処理装置5bでの処理について説明すると、先ず、ステップS201において、各サイド用カメラ4bにより撮像された撮像画像は、画像処理装置5bへと入力される。
そして、ステップS202において、撮像画像の縮小が行われ、撮像画像の横幅が二分の一倍に縮小される。
次いで、ステップS203において、図17に示すように、縮小された撮像画像について、検査領域画像56が決定される。検査領域画像56は、各フラップが長方形に映らないため、各フラップの写り方に合わせた4角形領域で設定する。検査領域画像56は、ホットメルト部57と背景部58とホットメルトの糸引き部59とから構成されている。
ステップS204において、図18に示すように、背景部58における黒い印刷等を除去するクロージング処理が行われ、黒印刷除去画像60が作成される。
【0023】
ステップS205において、図19に示すように、ホットメルトの糸引き部59を除去するオープニング処理が行われ、オープニング処理画像61が作成される。
ステップS206において、図20に示すように、ホットメルト部57の輪郭部63を抽出するソーベルフィルタ処理が行われ、輪郭抽出画像62が作成される。
ステップS207において、図21に示すように、各検査領域毎に予め設定された2値化閾値を使用し、輪郭部63をはっきりさせるために輪郭部63を白、背景部58を黒に分け、輪郭の2値化画像64が作成される。この2値化処理に際して、2値化処理後の輪郭の2値化画像64において、図21に示すように、輪郭部63に途切れ部分65が生じる場合があり、また、輪郭部63の内側は穴部66となっている。
【0024】
ステップS208において、図22に示すように、輪郭部63の途切れ部分65を接続するクロージング処理が行われ、輪郭の接続画像67が作成される。
ステップS209において、図23に示すように、輪郭部63の内側の穴部66を埋め、ホットメルト部69とするクロージング処理が行われ、輪郭の穴埋め画像68が作成される。
【0025】
ステップS210において、図24に示すように、ホットメルト部69は、輪郭抽出時に実際のメルトより大きめに抽出されているため、元のサイズに収縮し、ホットメルト部71とするエロージョン処理が行われ、収縮画像70が作成される。
ステップS211において、収縮画像70について検査領域枠73が設定され、検査領域枠設定画像72が作成される。
【0026】
そして、その後、ステップS212において、面積、縦長さ、横長さ、縦位置ずれ及び横位置ずれの計測処理が行われる。面積の計測処理においては、図25に示すように、検査領域枠設定画像72の白い部分の画素数をカウントし、面積とする。縦長さの計測処理においては、図26に示すように、検査領域枠設定画像72のホットメルト部71の幅方向(図26における上下方向)の縦長さgを測定し、画素数をミリメートルへと分解能変換する。横長さの計測処理においては、図27に示すように、検査領域枠設定画像72のホットメルト部71の長手方向(図27における左右方向)の横長さhを測定し、画素数をミリメートルへと分解能変換する。縦位置ずれの計測処理においては、図28に示すように、検査領域枠設定画像72のホットメルト部71の重心位置74を求め、その重心位置74の幅方向成分kと検査領域枠73の幅方向の中心位置iとの縦ずれを測定し、画素数をミリメートルへと分解能変換する。横位置ずれの計測処理においては、図29に示すように、検査領域枠設定画像72におけるホットメルト部71の重心位置74の長手方向成分lと検査領域枠73の長手方向の中心位置jとの横ずれを測定し、画素数をミリメートルへと分解能変換する。
【0027】
画像処理装置5a及び画像処理装置5bにより測定された面積、縦長さ、横長さ、縦位置ずれ及び横位置ずれの各検査項目は、予め設定された検査パラメータの範囲(予め設定された値)と比較され、OK、NG及びSUSPECTの各検査項目毎に判定される。そして、全検査領域及び全検査項目でOKの時のみOK信号を制御装置7に出力し、どれか1つでもNGがある場合にはNGと出力し、NGが全く無くSUSPECTが1つでもある場合にはSUSPECTを出力する。また、SUSPECT信号を連続して出力した場合には、点検信号を出力するようになっている。
【0028】
画像処理装置5a及び画像処理装置5bよりOK又はNG信号を受信した制御装置7は、NG信号を受信した場合には、箱体成形装置2に対して、NG信号に係る箱体6を除去するよう指令を出力する。これにより、熱可塑性接着剤の塗布異常を速やかに検出して、熱可塑性接着剤が正常に塗布されていない箱体が搬出されることを防止することができる。
【0029】
本実施形態においては、ホットメルト40及び41は、それぞれトップフラップ29又は内サイドフラップ25、26、30及び31に塗布されているが、かかる場所に限定されるものではなく、箱体成形6の成形に必要な部分に塗布してもよい。また、本実施形態においては、画像処理装置5a及び5bにおいて、塗布された熱可塑性接着剤の面積、縦長さ、横長さ、縦位置及び横位置の全てを計測し、判定しているが、かかる場合に限定されるものではなく、面積、縦長さ、横長さ、縦位置及び横位置のうち1つを計測し、判定するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一つの実施形態に係る熱可塑性接着剤検査装置のブロック図である。
【図2】箱展開シートの正面図である。
【図3】箱体が箱形成装置上において形成される途中の状態を示す斜視図である。
【図4】箱体とトップ用カメラ、サイド用カメラ、トップ用照明装置及びサイド用照明装置との対応関係を示す斜視図である。
【図5】画像処理装置における撮像画像の処理を表したフローチャート図である。
【図6】画像処理装置における撮像画像の処理を表したフローチャート図である。
【図7】トップフラップに塗布されたホットメルトの検査領域画像の正面図である。
【図8】背景画像の正面図である。
【図9】シェーディング補正画像の正面図である。
【図10】2値化画像の正面図である。
【図11】クロージング処理画像の正面図である。
【図12】オープニング処理画像の正面図である。
【図13】縦長さ測定画像の正面図である。
【図14】横長さ測定画像の正面図である。
【図15】縦位置ずれ測定画像の正面図である。
【図16】横位置ずれ測定画像の正面図である。
【図17】各内サイドフラップに塗布されたホットメルトの検査領域画像の正面図である。
【図18】黒印刷除去画像の正面図である。
【図19】オープニング処理画像の正面図である。
【図20】輪郭抽出画像の正面図である。
【図21】輪郭の2値化画像の正面図である。
【図22】輪郭の接続画像の正面図である。
【図23】輪郭の穴埋め画像の正面図である。
【図24】収縮画像の正面図である。
【図25】ホットメルト抽出後の検査領域枠設定画像の正面図である。
【図26】縦長さ測定画像の正面図である。
【図27】横長さ測定画像の正面図である。
【図28】縦位置ずれ測定画像の正面図である。
【図29】横位置ずれ測定画像の正面図である。
【図30】従来の滑り防止用熱可塑性接着剤検査装置の側面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 熱可塑性接着剤検査装置
2 箱体成形装置
3a トップ用照明装置
3b サイド用照明装置
4a トップ用カメラ
4b サイド用カメラ
5a 画像処理装置
5b 画像処理装置
6 箱体
7 制御装置
20 箱展開シート
21 天面パネル
22 底面パネル
23 側面パネル
24 側面パネル
25 内サイドフラップ
26 内サイドフラップ
27 外サイドフラップ
28 外サイドフラップ
29 トップフラップ
30 内サイドフラップ
31 内サイドフラップ
32 外サイドフラップ
33 外サイドフラップ
34 折り曲げ線
35 折り曲げ線
36 折り曲げ線
37 折り曲げ線
38 折り曲げ線
39 折り曲げ線
40 ホットメルト
41 ホットメルト
45 検査領域画像
46 ホットメルト部
47 背景部
48 ホットメルトの糸引き部
49 背景画像
50 シェーディング補正画像
51 2値化画像
52 穴(ノイズ)
53 クロージング処理画像
54 オープニング処理画像
55 重心位置
56 検査領域画像
57 ホットメルト部
58 背景部
59 ホットメルトの糸引き部
60 黒印刷除去画像
61 オープニング処理画像
62 輪郭抽出画像
63 輪郭部
64 輪郭の2値化画像
65 途切れ部分
66 穴部
67 輪郭の接続画像
68 輪郭の穴埋め画像
69 ホットメルト部
70 収縮画像
71 ホットメルト部
72 検査領域枠設定画像
73 検査領域枠
74 重心位置
a 縦長さ
b 横長さ
c 長手方向の中心位置
d 幅方向の中心位置
e 長手方向成分
f 幅方向成分
g 縦長さ
h 横長さ
i 幅方向の中心位置
j 長手方向の中心位置
k 幅方向成分
l 長手方向成分
S101 撮像画像入力
S102 検査領域画像の決定
S103 背景画像の作成
S104 シェーディング処理
S105 2値化処理
S106 クロージング処理
S107 オープニング処理
S108 計測処理
S201 撮像画像入力
S202 撮像画像の縮小
S203 検査領域画像の決定
S204 クロージング処理
S205 オープニング処理
S206 ソーベルフィルタ処理
S207 2値化処理
S208 クロージング処理
S209 クロージング処理
S210 エロージョン処理
S211 検査領域枠の設定
S212 計測処理
80 滑り防止用熱可塑性接着剤検査装置
81 熱可塑性接着剤噴射部材
82 熱可塑性接着剤
83 搬送部材
84 検知部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱展開シートを折り曲げて、前記箱展開シートの必要部分に熱可塑性接着剤を塗布し、塗布された熱可塑性接着剤により前記必要部分を接着することによって箱体とする箱体成形装置に備えられる熱可塑性接着剤検査装置において、
前記箱体成形装置に設けられ、前記箱展開シートの必要部分に塗布された熱可塑性接着剤に光を照射する光源装置と、前記箱体成形装置に設けられ、前記熱可塑性接着剤からの反射光を撮像する撮像装置と、該撮像装置と接続され、該撮像装置から送られてきた画像データを処理し、塗布された熱可塑性接着剤の面積、縦長さ、横長さ、縦位置及び横位置のうちいずれか1つ以上を、予め設定された値と比較することにより、前記熱可塑性接着剤が正常に塗布されているかを判定する画像処理装置とを有することを特徴とする、熱可塑性接着剤検査装置。
【請求項2】
箱展開シートを折り曲げて、前記箱展開シートの必要部分に熱可塑性接着剤を塗布し、塗布された熱可塑性接着剤により前記必要部分を接着することによって箱体とする箱体成形装置に設けられた光源装置により、前記箱展開シートの必要部分に塗布された熱可塑性接着剤に光を照射する工程と、前記箱体成形装置に設けられた撮像装置により、前記熱可塑性接着剤からの反射光を撮像する工程と、前記撮像装置と接続された画像処理装置によって、前記撮像装置から送られてきた画像を処理し、塗布された熱可塑性接着剤の面積、縦長さ、横長さ、縦位置及び横位置のうちいずれか1つ以上を、予め設定された規定値と比較することにより、前記熱可塑性接着剤が正常に塗布されているかを判定する工程とを含むことを特徴とする、熱可塑性接着剤検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図30】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2006−78451(P2006−78451A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−265868(P2004−265868)
【出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【出願人】(000000055)アサヒビール株式会社 (535)
【Fターム(参考)】