物品の搬送方法およびこの方法を実施する装置
倉庫内を自走する少なくとも1台の台車による物品(2)の搬送方法は、以下の特徴、つまり、コンピュータ(7)を搭載した台車(8)は好ましくは無線によって少なくとも1つの指令、詳細にはa)取出しまたは引渡しされるべき物品(2)、および/またはb)目的箇所たとえば倉庫内の保管箇所(1)、および/またはc)走行されるべきルート、に関する指令を受け取ることと、前記指令に応じ台車(8)のコンピュータ(7)は指令a)につき、目的箇所および最適ないしほぼ最適な走行ルートを決定し、指令b)につき、最適ないしほぼ最適な走行ルートを決定し、指令a)またはb)またはc)につき、動作トランザクションをスタートさせ、目的箇所において台車(8)はコンピュータ(7)によって起動されて、物品(2)を自動的に引取りまたは引渡しまたは積込みもしくは荷降ろしし、その後、場合により、さらに別の指令があればさらに別の物品(2)を取出しに行くかまたは積込まれた物品をa)、b)および/またはc)の指令によって決定される別の目的箇所へ搬送することを組み合わせたことを特徴としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は倉庫内を自走する少なくとも1台の台車による物品の搬送方法、ならびにこの方法を実施するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
倉庫荷役・製造物流における従来の技術では、カートンおよび容器用分野、したがって、パレット用分野ではないが、それらにおける庫内搬送プロセスに人力式ハンド台車または容器ないしカートン搬送設備が利用されている。
ただし前者も後者も共に決定的な短所がある。人力式ハンド台車の使用は高い労働力集約を要求するし、搬送設備の配備は特に、大量多種の商品(重量、寸法、破損の危険等)を収容する倉庫で荷役が行われなければならない場合に、高い資本投下を要求する。
【0003】
ドイツ公開特許第10142395号公報は、複数のラック段に保管物品を収容する1つまたは複数のラック列と、個々のラック段の高さに配置された多数の軌条路とを備えたモジュラー構造の倉庫・搬送システムを記載している。軌条路上を物品の受取り・引渡し手段を備えた多数の軌条車両が走行する。該車両は中央制御コンピュータを経て互いに独立に制御され、コードレスで外部給電される。
【0004】
欧州公開特許第1352817号公報から、搬送区間に沿って構造部材を搬送するための搬送装置および搬送方法が知られている。長尺の構造部材を搬送し得るように、搬送車両は構造部材自体によって互いに連結される。
【0005】
ドイツ特許第3823540号公報は小口荷用ラック荷役方法を開示しており、この方法ではラックへの装荷のために小口荷はラックの片側からラック内に押し込まれる。小口荷はラック内において列を形成するように機械的に連結される。取出しのため、ラック端部に位置する小口荷は引っ張られ、その際、その小口荷は取出し方向において後続の小口荷が所定のポジションに達すると小口荷列から切り離される。
【0006】
国際公開特許第WO01/70602号公報は、ラックに配置されて内部に製品が段積みされた製品収容設備を備えた入出庫荷役装置を示しており、この場合、指定された製品収容設備の最下段の製品がポジショニング式移送装置によってラック横方向に押し出される。
【0007】
国際公開特許第WO03/011722号公報から、ラック入出庫荷役を行うための類似の装置が知られており、そこでは、ラックは互いに独立に操作されるフラットな操作器具の他に、入出庫されるべき容器またはトレイ用の少なくとも1つのリフトおよび載置場所を有している。
【0008】
米国特許第5684696号公報から、連続した走路に沿って自律式駆動車両を走行させることのできるシステムおよび方法が公知である。
【0009】
米国特許第4809178号公報から、走行区間にある障害物を自動的に回避するように車両を制御する、無人自動制御車両用の障害物データ処理システムが知られている。
【0010】
米国公開特許第2004/0091338号公報は移送システム、ならびに加工物コンテナ用装置を開示しており、この場合、車両はさまざまな高さの荷役プラットフォームの間を移動する。移送システムはさらに、車両を当該処理ステーションにもたらす垂直移動装置を有している。このシステムは中央制御される。この種の中央制御されるシステムは大量の荷役処理をする際には柔軟性に欠けるとともにスピードを欠くという大きな短所を有している。
【0011】
ドイツ登録実用新案第29808762号公報は、搬送車両上に配置された複数の搬送品収容場所を備えた無人搬送車両を記載しており、この場合、搬送車両は収容場所に搬送品を格納・収容するとともに搬送車両の脇の定置収納場所に搬送品を格納・収容するための荷役装置を有している。この荷役装置は垂直な軸を中心にして搬送品を旋回させる旋回装置を有している。
【0012】
さらにドイツ公開特許第4101615号公報から、小口荷を段積み収容するための少なくとも1つのマガジンと、個々の小口荷をマガジンから自動的に押し出すための少なくとも1つのマガジンに対応した移送装置とを備えた自動入出庫荷役装置が知られている。この場合、移送装置としてエアジェットノズルが設けられている。
【0013】
さらに、小口荷を収容するための傾倒式商品キャリアを有し、互いにリンク式に結合された要素からなる周回式ソータ搬送装置を備えたソータ装置が知られている。商品キャリアは商品搬出装置の領域で、搬送方向に延びる軸を中心にして所望通りに傾倒可能である。この種のソータ装置はオーストリア特許第398536号公報から公知である。
【0014】
さらにドイツ公開特許第2034834号公報は、小口荷を積込み・荷降ろしおよび搬送するための走行式荷役ユニットタイプのコンビネーション式倉庫荷役装置を開示している。リフティングマストとリフトトラックからなる荷役ユニットは連結システムにより、荷役物品に応じた同行式の、荷役物品を庫内で積込みないし荷降ろしするために収容して連行する保管部と連結されている。
【0015】
ドイツ特許第3247960号公報は、互いに切り離された複数の収容場所を有した車両専用収容装置を備えた搬送車両と、それとは別の、小口荷を別々の収容場所に対して収納および取出すために形成されている車両専用積込み・荷降ろし装置とを開示している。連動車両は強制誘導され、特に頭上に延びるガイドレールまたは牽引車両によって牽引可能である。
【0016】
ドイツ公開特許第3328241号公報から、少なくとも1つの収容ブレードを有する収容装置として形成されて、それぞれの収容場所に小口荷を入出庫するための積込み・荷降ろし装置を有する小口荷用格納装置を備えた搬送車両が知られている。この場合、積込み・荷降ろし装置は搬送車両自体から小口荷を受け取るために連行される随伴車両として形成されている。同所で随伴車両は小口荷の受取りまたは引渡しのために少なくとも片側に自動的に離れることができる。
【0017】
【特許文献1】ドイツ公開特許第10142395号
【特許文献2】欧州公開特許第1352817号
【特許文献3】ドイツ特許第3823540号
【特許文献4】国際公開特許第WO01/70602号
【特許文献5】国際公開特許第WO03/011722号
【特許文献6】米国特許第5684696号
【特許文献7】米国特許第4809178号
【特許文献8】米国公開特許第2004/0091338号
【特許文献9】ドイツ登録実用新案第29808762号
【特許文献10】ドイツ公開特許第4101615号
【特許文献11】オーストリア特許第398536号
【特許文献12】ドイツ公開特許第2034834号
【特許文献13】ドイツ特許第3247960号
【特許文献14】ドイツ公開特許第3328241号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
公知のいずれのシステムによっても、限定された荷役処理件数しか、または非常に柔軟性を欠く荷役機能しか達成することができない。公知の自動入出庫荷役装置にあっては製品種別ごとにそれぞれ専用のモータまたはニューマチック装置を備えた移送装置が必要である。特に、たとえば薬剤倉庫のように製品が多数多様に及ぶ場合には、多数の移送装置が必要である。
【0019】
本発明の目的は、上記の短所および難点を回避し、わずかな人手とわずかな資本投下で十分であって、物品の(1つの倉庫に保管さるべき非常に多様な物品であっても)極めて柔軟な搬送を可能にする冒頭に述べたタイプの方法ならびにこの方法を実施するための装置を提供することである。さらに本方法ないし装置はきわめて多様な物流要件に容易に適応し得るように構成される。特に本発明の目的は高い荷役処理件数を可能にすることである。さらに本発明の目的は倉庫内の保管箇所での荷役コストを低減させることである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
冒頭に述べたタイプの搬送方法において前記課題を解決するため、
− コンピュータを搭載した台車は好ましくは無線によって、取出しもしくは引渡しされるべき物品に関するa指令、目的箇所たとえば倉庫内の保管箇所に関するb指令、走行されるべきルートに関するc指令のうちの少なくとも1つの指令を受け取り、
− 前記指令に応じて台車のコンピュータは、前記a指令に応答して、目的箇所および最適ないしほぼ最適な走行ルートを決定し、前記b指令に応答して、最適ないしほぼ最適な走行ルートを決定し、前記a指令またはb指令またはc指令に応答して、動作トランザクションをスタートさせ、
− 前記目的箇所において台車はコンピュータによって起動されて、物品を自動的に引取りまたは引渡しまたは積込みもしくは荷降ろしし、
− その後、場合により、さらに別の指令があればさらに別の物品を取出しに行くかまたは積込まれた物品をa指令、b指令、c指令のうちのいずれかまたはその組み合わせの指令によって決定される別の目的箇所へ搬送する。
【0021】
ここで、物品とは、個々の商品として理解されるほか、容器、たとえば多数の商品を組み合わせているかもしくは多数の商品を収納しているカートンも含まれることとする。
【0022】
重要な点は台車が自律的に反応する点である。これは台車が指令を受け取った後、各々の台車に搭載されているコンピュータと、同じく各台車に搭載されているインタラクティブセンサデバイスとによって、自主的にかつ/または集団で、指令を遂行することができることを意味している。これによって、たとえば大形物品を複数の台車で共同して運搬することが可能であり、その際、台車は自主的に、中央制御コンピュータの制御を受けることなく、互いに交信し、与えられた指令に応じて、各コンピュータのデータバンクに格納されている指令実行戦略を選択する。この種の戦略はたとえば狭い通路における台車から台車への物品の転送であってよい。これにより、台車は物品を最初の台車から最後の台車まで転送するリレー隊列を形成する。
【0023】
各台車に搭載されたコンピュータによって、台車はさらに、道路交通と同様に右側優先規則に反応することにより、上位のコンピュータの制御なしに、交差点を衝突することなく通過することができる。
【0024】
台車はそのセンサ機構と台車間の交信手段とによって、真正な障害物と荷役に起因する渋滞とを区別して、適切に回避するか代替ルートを選択して走行するかを決定するができるので、そのために中央コンピュータから命令を受け取る必要はない。
【0025】
こうした自律性によって、中央コンピュータに実装された1つのアプリケーションによって稼働させることのできる台車の数は実際のところ無限である。中央コンピュータの機能は指令データの伝達およびそれらの指令の実行に関係する台車へのデータの分配に限定することができる。これらの情報はラジオ交通無線による渋滞情報にたとえることができる。
【0026】
冒頭に述べたように、中央コンピュータによって制御される台車を物品の搬送に使用することは公知に属する。ただし、この種のシステムは中央コンピュータの能力が制限されているために限定された数の台車でしか使用することができず、加えてさらに、比較的わずかな荷役処理件数しか可能でないという短所を有している。高性能の中央コンピュータをもってしても荷役処理件数の大幅な引き上げは達成不能である。
【0027】
この点で顕著な改善を実現するために、本発明は、台車の制御が、台車外の中央コンピュータによる影響力の行使なしに、各々の台車に搭載されたコンピュータによって完全に自律的に行われるようにする、好適な形態を採用することができる。公知の中央制御システムと本発明による自律自走台車との間の相違は、遠隔制御式マリオネットと自律反応ロボットとの間の相違に類似している。物品搬送設備に代えて自律反応台車を使用することにより、荷役処理件数を決定的に、しかも驚異的な高レベルに高めることができる。第1の好ましい実施形態によれば、台車の積込みおよび/または荷降ろしは受動的に行われ、この場合、好ましくは倉庫内に少なくとも1つの能動式の積込み手段および/または荷降ろし手段が配置されて、台車の到着時に好ましくは台車自体によって起動される。
【0028】
さらに別の好ましい実施形態は、台車の積込みおよび/または荷降ろしが能動的に行われ、そのために台車に配置された駆動式の積込み・荷降ろし手段たとえばベルトコンベア、チェーンコンベア、ローラコンベア等が好ましくは台車自体によって起動される。
【0029】
好適には、台車の積込み・荷降ろしも、積込みないし荷降ろし箇所への台車の到着時に自動的に、つまり台車に設けられた協働装置によって、または重力によって、あるいはその両方によって行われるようにすることができる。
大きな寸法の物品の運搬には、2台またはそれ以上の台車が連帯機能ユニットを形成して少なくとも走行区間の一部を共同して走行し、必要に応じ協働して、個々の台車の寸法を上回る寸法を有する物品を運搬することが好都合である。この場合、好適には、連帯機能ユニットへの積込みおよび/または荷降ろしは個々の台車につき、並行して、つまり同時に実施されるか、または逐次的に、つまり少なくとも1つの物品を台車から台車へと転送することによって実現する。
【0030】
ただし、2台またはそれ以上の台車から編成されたこの種の連帯機能ユニットは、またそれ自体で、連帯機能ユニットの一端の台車から連帯機能ユニットの他端の台車へと物品を搬送するための搬送装置として使用することも可能である。
【0031】
物品の搬送が単一のラック段においてのみならず、互いに上下に配置された2つまたはそれ以上のラック段に及ぶ場合には、物品は台車によって、詳しくは、台車に設けられた物品トレイの上昇ないし下降によって、垂直方向に搬送されるとよい。
【0032】
ただし、台車自体が任意のラック段から垂直方向上方または垂直方向下方のラック段へ引上げおよび/または下降されるのも好適である。
台車の積込み・荷降ろしには必ずしも台車の停止は必要ではなく、台車の走行中にも行うことができる。
【0033】
本発明による方法を実現するための装置は以下の特徴つまり、
− 物品用の多数の保管箇所を有する物品用の倉庫と、
− 保管箇所に沿っておよび/またはそれらの間に設けられた少なくとも1つの走行路と、
− コンピュータを搭載し、少なくとも1つの物品用の物品トレイを備えた、少なくとも1台の自走台車と、
− コンピュータによって起動される台車走行機構と、
− 制御台において入力されたデータを台車のコンピュータに伝達するためのデータ伝送デバイスと、
を組み合わせて有している。
【0034】
好ましくは、前記装置では、台車が、コンピュータによって起動されて台車の走行方向に対して横方向および/または縦方向に作動する、物品トレイへの荷役を行う能動式の積込み手段および/または荷降ろし手段を有しているか、または、台車に備えられた物品トレイ自体が台車の走行方向に対して横方向および/または縦方向に作動する搬送装置として形成されているとともに、該物品トレイはコンピュータによって起動されるとよい。
【0035】
台車自体が積込み手段および/または荷降ろし手段を有することにより、保管箇所におけてはこの種の手段は不要になる。これは多数の保管箇所を有する倉庫たとえば薬剤倉庫にとって、モータ、エアジェットノズル等の数を大幅に減少させることができる点で、特に有利である。台車と一体化した積込み手段および/または荷降ろし手段によってまったく別種の物流が可能になる。たとえば物品を台車の走行中に受取りまたは引渡しすることが可能であり、これによって荷役処理件数を劇的に高めることができる。
【0036】
単一のラック段においてのみならず複数のラック段に及ぶ物品の搬送を行うために、好適には、台車の物品トレイはリフティング装置によって上昇および下降されるとともに、該リフティング装置は好ましくはコンピュータによって起動される。
【0037】
台車への特に簡単な積込み方法は、台車が自動積込みおよび/または自動荷降ろし用の協働装置を装備しているとともに、該協働装置が好ましくはコンピュータによって能動(アクティブ)ポジションから受動(ポジティブ)ポジションへ、かつその逆に起動されることができることによって実現可能である。
【0038】
大形物品または同時に多数の物品を運搬するために、前記装置は好適には、連結手段を装備して連帯機能ユニットとなるべく連結可能な2台またはそれ以上の台車を備え、該連結手段は好ましくはコンピュータによって起動される。この場合、連結手段は台車同士の交信によって制御される論理的な連結手段である。論理的な連結に際して台車間の間隔はコンピュータによって一定に保たれ、その際、台車同士は必ずしも互いに接触している必要はなく、互いに離間していてよい。
【0039】
好適なデータ伝送のために前記装置は、制御台において入力されたデータをコンピュータに伝達するためのデータ伝送デバイスを有しており、このデータ伝送デバイスは、好ましくは無線デバイスおよび/または赤外線デバイスおよび/または差込みコネクタやすべり接点および/または超音波デバイスによって形成されている。
【0040】
好ましくは前記装置は、好ましくは台車のコンピュータによって起動される能動式の積込みおよび/または荷降ろし手段を備えた少なくとも1つの保管箇所を有する。
台車自体を上昇および下降させるため、前記装置は保管箇所の脇に、好ましくは台車のコンピュータによって起動されるリフティング装置を有している。
【0041】
台車への特に簡単な積込みを行うためのさらに別の好ましい方法は、保管箇所が重力式搬送装置たとえば傾斜したローラ搬送路を備えているとともに、保管箇所がその搬送路に、台車によって作動または停止される物品用ストッパ装置、つまり保管箇所への台車の到着または同所からの立去りによるかまたはコンピュータによって機械的に作動または停止される物品用ストッパ装置を備えている。
【0042】
倉庫荷役技術において今日通例の多くの設備は特許請求の範囲での請求項に記載した特徴を有する設備で置き換えることができる。したがって、搬送設備、自動入出庫荷役装置、ラック荷役装置、回転式システムおよび分別装置を統一化することが可能である。これにより、今後の入出庫保管倉庫は全体としてシンプル化され、使用人員の減少によって経済的に運営されると同時に機能規模が拡大される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、図面によって示した複数の実施例を参照して、本発明を詳細に説明する。ここで、図1、図2および図3はそれぞれ倉庫の平面図を具体的に示している。図4、図5および図6は側面図によって、さまざまな物品引渡し方法を示している。図7は倉庫の一部の平面図を示している。図8は台車への物品引渡し方法の1つを同じく側面図で示しており、図9は図8の矢印IXの方向から見た図を示している。図10、図11および図12は平面図ないし側面図によって、複数の台車が連結されて連帯機能ユニットとされた状態を示している。図13は側面図によって搬送装置を示しており、図14〜図16には互いに上下に配置された多段の成層ラック段におけるさまざまな物品搬送方法が、物品倉庫の側面図によって具体的に示されている。図17は1保管箇所から別の保管箇所への搬送手段としての台車の使用を示している。図18〜図24は倉庫の詳細を平面図で示している。図25は台車の駆動装置を示し、図26は台車への給電方法および/またはデータ供給方法を示している。図27および図28は斜視図および正面図によってシンプルな入出庫荷役作業部署を示している。
【0044】
図1に示したように、倉庫内の個々の保管箇所1には物品2が、しかもそれぞれ物品2に指定されたラック3、つまり定められた保管場所に収納されているかまたは収容することが可能である。各々の物品2は梱包された個々の商品4によって形成されているかまたは複数の商品4がカートン5または搬送容器6に詰められていてよく、この場合、各々のカートン5ないし搬送容器6が本発明の趣旨の物品2を形成する。
【0045】
架台ないしラック3の保管箇所1の間は、コンピュータ7を搭載した台車8が、しかも専用の駆動装置9(図25参照)によって走行可能である。この駆動装置はコンピュータ7によって起動/停止される。台車8は電動式であってよく、エネルギー貯蔵装置としてバッテリまたは蓄電池が使用される。電圧レベルが所定の最低レベル以下に低下すると、台車8は自動的にバッテリ交換ないし充電ステーションに向かって自走する。別法としてまたは追加的にその他のエネルギー源たとえば燃料電池または太陽電池を使用することも可能である。
【0046】
各々の台車8の詳細は不図示の、たとえば光学センサまたは音響センサを介して、各々の台車8の周囲条件が検知され、たとえば障害物がある場合に適時に回避行動パターンが実現される。この行動パターンは各々の台車8のコンピュータに格納されており、必要に応じて種々のケース対処することが可能であり、そのために中央コンピュータを介入させる必要はない。台車は場合により相互に交信し、こうして、一定の状況にとって適切な対策を見出すこともできる。指定された指令を遂行するための行動パターンも、台車8のコンピュータ7のデータバンクないし行動パターンライブラリに格納されている。
【0047】
台車8は少なくとも1つの物品2用の物品トレイ10を有している。データ伝送デバイス11は好ましくは中央制御台12において入力されたデータを台車8のコンピュータ7に伝達するために使用される。このデータ伝送デバイス11は無線デバイスおよび/または赤外線デバイスおよび/または超音波デバイスとして形成されていてよい。また、走行路に沿って布設された導線14に接触するすべり接点13によって、取出しまたは引渡しされるべき物品2および/または倉庫内目的箇所および/または走行ルート等に関する所要のデータおよび/またはエネルギーを台車8に供給することも可能である(図26参照)。
【0048】
図1〜図3からわかるように、倉庫は特定の形態に限定されるものではない。倉庫には物品2ないし商品4の自動入出庫荷役用の入出庫荷役装置15または人力式入出庫荷役装置16が設けられてもよい。通例、倉庫保管ないし入出庫されるべき物品2は台車8で一定の箇所17に集められ、空の台車8は別の箇所18に集められる。
【0049】
所望の物品2ないし商品4の積込まれた台車8は、積込み済み台車8が検査ステーション20を通過した後、発送準備エリア19で待機させられる。
【0050】
図4は、傾斜させて配置され、同所において物品2が第1の保管箇所1の前端21に位置するストッパ22に向かってローラ路23上を重力によって移動するように形成されたラック3ないし台架の保管箇所1を示している。このストッパ22は、必要に応じてコンピュータ7によって起動または停止される台車8の詳細不図示の連動子によって側方または下方ないし上方に向かって、つまり、物品2ないしカートン5がローラ路23の端部21を越えて移動し得る位置に変位されることができ、その際、物品1は台車8に設けられた物品トレイ10を形成する能動式積込み・荷降ろし手段24、これは図2に示した実施例においてベルトコンベアとして形成されているのだが、その作用を受けて、台車8上に移される。続いて台車がこの保管箇所1を離れると、ストッパ22は再び当初の位置に復帰するため、ローラ路23上の後続物品2が再びストッパ22に向かってローラ路23の端部21まで移動する。積込み・荷降ろし手段22に配置された連動子25によって物品2を持ち上げてストッパ22を越えさせて、全体を物品トレイ10上に移動させることも可能である。
【0051】
物品2の引渡しは所望の箇所で同じく、好ましくは台車8のコンピュータ7を経て行われるベルトコンベア24の起動によって行われる。ベルトコンベアに代えて、チェーンコンベアが設けられていてもよく、あるいは駆動式ローラ(図17参照)が設けられていてもよい。搬送方向は必ずしも図4に示したように台車8の移動方向に対して横向きである必要はなく、必要に応じ、たとえば図17に具体的に示したように、たとえばベルトコンベアまたは駆動式ローラによって形成されたローラ路の配置を変更することによって、走行方向の縦方向に行われてもよい。
【0052】
図5によれば、台車8の物品台としての物品トレイ10上には容器6が配置されているとともに、台車8はシュート27内に配置された段積みされた物品2から個々の物品2ないし商品4を取り出すための搬送装置26を有している。コンピュータ7によるこの搬送装置26の起動によって、シュート27から一定数の物品2を取り出して、容器6に収容することができる。
【0053】
図6はシュート27を備えた類似の装置を示しており、ここでは、物品2ないし商品4の引渡しはシュート27自体に設けられた装置(エゼクタ)27’によって行われる。この装置27’は好ましくは同じく台車8のコンピュータ7によって制御可能とする。
【0054】
図7は倉庫内の保管箇所1からの物品2の取出し、ないし同所への物品の引渡しを示している。
【0055】
図8および図9には同じく、シュート27内に段積みされた物品2ないし商品4からの個々の商品4または物品2の取出しが示されており、この場合、台車8に配置された協働装置28によってそれぞれ最下段の商品が、台車8の物品トレイ10上にある容器6内に搬送される。協働装置28は台車8のコンピュータ7によって起動または停止されることができ、起動状態においてそれぞれ最下段の物品2と接触する連動ピン29は協働装置28から突き出している。
【0056】
図10、図11および図12は、好ましくは台車8のコンピュータ7によって起動される連結手段29により複数の台車が連結されて連帯機能ユニットに編成された状態を示している。この連帯機能ユニットは、図10に示したように、個々の台車8では搬送不能な大形物品2の搬送に使用されるとともに、図11および12に示したように、同時に多数の物品2ないし商品4を搬送するために使用される。ただし、時により、台車8を停止させた状態でこの連帯機能ユニット自体を搬送装置として使用することが必要となることもあり(図12参照)、その場合には、この連帯機能ユニットの最後尾の台車8上に物品2が供給されて、台車8の駆動式ローラ路24またはベルトコンベア24を経て、連帯機能ユニットの最前端の台車8まで移送され、同所で保管箇所1に引渡されることになる。
【0057】
図13は、台車8が物品2ないし商品4の搬送には使用されず、シュート27から物品を取り出して、該物品を台車8の脇に配置された搬送装置30たとえばコンベアベルト上に供給するためにのみ使用される一例を示している。
【0058】
図14〜図16は、互いに上下に配置された複数のラック段31に物品2が保管された倉庫を示している。台車8によるこれらのラック段31への物品の供給には、複数の方法が考えられる。それはたとえば、図14に示したように、リフティング装置32によって台車8全体が適切な高さにまでリフティングされるか、または当該階層高さに配置された走行路33に台車8が走行集合路を経て到達すること(図15および図16)である。図15はさらに、台車8自体に物品トレイ10用のリフティング装置34が装備されたもう一つの方法を示している。
【0059】
図18および図19には台車8の走行時における、保管箇所1への物品引渡しが具体的に示されており、このため、保管箇所1には台車8の走行方向とは反対向きの物品受取り部35が設けられている。この場合、物品2は台車8を経て発送場36上に到達する。図20には斜向した発送場36を備えた類似の装置が示されている。
【0060】
図21は、台車8が、保管箇所1に到達する別の台車8を追い越す状況を具体的に示している。これは個々の物品2の優先的ソート順位を決定することのできるソータ装置である。
【0061】
図22および図23は入出庫荷役ステーションを示しており、詳細には、図22は定置された搬送設備37を備えたステーションを、図23は本発明による搬送設備および台車8の使用ならびにラック3の自動補充を組み合わせたステーションを示している。この場合、ラック38は容器6用の単純な留置場所として形成されて、商品はラック38から台車8へ引渡されるかまたはその逆の荷役が行われるだけとされてもよい。
【0062】
本発明との関連で、省スペース化を考慮して、ラック38に直接統合することのできる特にシンプルな入出庫荷役作業部署33を構築してもよい(図27参照)。このため、容器6にアクセスし易くすべく、荷役作業エリアにおいてラック列は容易にずらして配置するとよい。この場合でも容器6用の留置場所には台車8によって容易にアクセス可能であるが、それはこれらがラック38内でも自由に移動し得るからである。
【0063】
上側ラック段40から下側ラック段41へ、またはその逆に入出庫荷役作業が行われる。
入出庫荷役作業は、その際、ピックバイライト(Pick by Light)・システムまたはピックバイボイス(Pick by Voice)・システムによって支援されることができる。加えてさらに作業部署には画像スクリーンを有する支援装置またはその他の操作支援装置が装備されていてよい。
図24は台車8の容器6に多様な商品が入れられる自動入出庫荷役システムの充填ステーションに関する説明である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】倉庫の平面図
【図2】倉庫の平面図
【図3】倉庫の平面図
【図4】物品引渡し方法を示す側面図
【図5】物品引渡し方法を示す側面図
【図6】物品引渡し方法を示す側面図
【図7】倉庫の一部の平面図
【図8】台車への物品引渡し方法の1つを示す側面図
【図9】図8の矢印IXの方向から見た図
【図10】複数の台車が連結されて連帯機能ユニットとされた状態を示す平面図
【図11】複数の台車が連結されて連帯機能ユニットとされた状態を示す断面図
【図12】複数の台車が連結されて連帯機能ユニットとされた状態を示す断面図
【図13】搬送装置を示す側面図
【図14】多段成層ラックにおける物品搬送方法を示す物品倉庫の側面図
【図15】多段成層ラックにおける物品搬送方法を示す物品倉庫の側面図
【図16】多段成層ラックにおける物品搬送方法を示す物品倉庫の側面図
【図17】保管箇所から別の保管箇所への搬送手段としての台車の使用を示している側面図
【図18】倉庫の詳細を示す平面図
【図19】倉庫の詳細を示す平面図
【図20】倉庫の詳細を示す平面図
【図21】倉庫の詳細を示す平面図
【図22】倉庫の詳細を示す平面図
【図23】倉庫の詳細を示す平面図
【図24】倉庫の詳細を示す平面図
【図25】台車の駆動装置を示す図
【図26】台車への給電および/またはデータ供給の方法を示す図
【図27】簡単な入出庫荷役の作業場所を示す斜視図
【図28】簡単な入出庫荷役の作業場所を示す正面図
【技術分野】
【0001】
本発明は倉庫内を自走する少なくとも1台の台車による物品の搬送方法、ならびにこの方法を実施するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
倉庫荷役・製造物流における従来の技術では、カートンおよび容器用分野、したがって、パレット用分野ではないが、それらにおける庫内搬送プロセスに人力式ハンド台車または容器ないしカートン搬送設備が利用されている。
ただし前者も後者も共に決定的な短所がある。人力式ハンド台車の使用は高い労働力集約を要求するし、搬送設備の配備は特に、大量多種の商品(重量、寸法、破損の危険等)を収容する倉庫で荷役が行われなければならない場合に、高い資本投下を要求する。
【0003】
ドイツ公開特許第10142395号公報は、複数のラック段に保管物品を収容する1つまたは複数のラック列と、個々のラック段の高さに配置された多数の軌条路とを備えたモジュラー構造の倉庫・搬送システムを記載している。軌条路上を物品の受取り・引渡し手段を備えた多数の軌条車両が走行する。該車両は中央制御コンピュータを経て互いに独立に制御され、コードレスで外部給電される。
【0004】
欧州公開特許第1352817号公報から、搬送区間に沿って構造部材を搬送するための搬送装置および搬送方法が知られている。長尺の構造部材を搬送し得るように、搬送車両は構造部材自体によって互いに連結される。
【0005】
ドイツ特許第3823540号公報は小口荷用ラック荷役方法を開示しており、この方法ではラックへの装荷のために小口荷はラックの片側からラック内に押し込まれる。小口荷はラック内において列を形成するように機械的に連結される。取出しのため、ラック端部に位置する小口荷は引っ張られ、その際、その小口荷は取出し方向において後続の小口荷が所定のポジションに達すると小口荷列から切り離される。
【0006】
国際公開特許第WO01/70602号公報は、ラックに配置されて内部に製品が段積みされた製品収容設備を備えた入出庫荷役装置を示しており、この場合、指定された製品収容設備の最下段の製品がポジショニング式移送装置によってラック横方向に押し出される。
【0007】
国際公開特許第WO03/011722号公報から、ラック入出庫荷役を行うための類似の装置が知られており、そこでは、ラックは互いに独立に操作されるフラットな操作器具の他に、入出庫されるべき容器またはトレイ用の少なくとも1つのリフトおよび載置場所を有している。
【0008】
米国特許第5684696号公報から、連続した走路に沿って自律式駆動車両を走行させることのできるシステムおよび方法が公知である。
【0009】
米国特許第4809178号公報から、走行区間にある障害物を自動的に回避するように車両を制御する、無人自動制御車両用の障害物データ処理システムが知られている。
【0010】
米国公開特許第2004/0091338号公報は移送システム、ならびに加工物コンテナ用装置を開示しており、この場合、車両はさまざまな高さの荷役プラットフォームの間を移動する。移送システムはさらに、車両を当該処理ステーションにもたらす垂直移動装置を有している。このシステムは中央制御される。この種の中央制御されるシステムは大量の荷役処理をする際には柔軟性に欠けるとともにスピードを欠くという大きな短所を有している。
【0011】
ドイツ登録実用新案第29808762号公報は、搬送車両上に配置された複数の搬送品収容場所を備えた無人搬送車両を記載しており、この場合、搬送車両は収容場所に搬送品を格納・収容するとともに搬送車両の脇の定置収納場所に搬送品を格納・収容するための荷役装置を有している。この荷役装置は垂直な軸を中心にして搬送品を旋回させる旋回装置を有している。
【0012】
さらにドイツ公開特許第4101615号公報から、小口荷を段積み収容するための少なくとも1つのマガジンと、個々の小口荷をマガジンから自動的に押し出すための少なくとも1つのマガジンに対応した移送装置とを備えた自動入出庫荷役装置が知られている。この場合、移送装置としてエアジェットノズルが設けられている。
【0013】
さらに、小口荷を収容するための傾倒式商品キャリアを有し、互いにリンク式に結合された要素からなる周回式ソータ搬送装置を備えたソータ装置が知られている。商品キャリアは商品搬出装置の領域で、搬送方向に延びる軸を中心にして所望通りに傾倒可能である。この種のソータ装置はオーストリア特許第398536号公報から公知である。
【0014】
さらにドイツ公開特許第2034834号公報は、小口荷を積込み・荷降ろしおよび搬送するための走行式荷役ユニットタイプのコンビネーション式倉庫荷役装置を開示している。リフティングマストとリフトトラックからなる荷役ユニットは連結システムにより、荷役物品に応じた同行式の、荷役物品を庫内で積込みないし荷降ろしするために収容して連行する保管部と連結されている。
【0015】
ドイツ特許第3247960号公報は、互いに切り離された複数の収容場所を有した車両専用収容装置を備えた搬送車両と、それとは別の、小口荷を別々の収容場所に対して収納および取出すために形成されている車両専用積込み・荷降ろし装置とを開示している。連動車両は強制誘導され、特に頭上に延びるガイドレールまたは牽引車両によって牽引可能である。
【0016】
ドイツ公開特許第3328241号公報から、少なくとも1つの収容ブレードを有する収容装置として形成されて、それぞれの収容場所に小口荷を入出庫するための積込み・荷降ろし装置を有する小口荷用格納装置を備えた搬送車両が知られている。この場合、積込み・荷降ろし装置は搬送車両自体から小口荷を受け取るために連行される随伴車両として形成されている。同所で随伴車両は小口荷の受取りまたは引渡しのために少なくとも片側に自動的に離れることができる。
【0017】
【特許文献1】ドイツ公開特許第10142395号
【特許文献2】欧州公開特許第1352817号
【特許文献3】ドイツ特許第3823540号
【特許文献4】国際公開特許第WO01/70602号
【特許文献5】国際公開特許第WO03/011722号
【特許文献6】米国特許第5684696号
【特許文献7】米国特許第4809178号
【特許文献8】米国公開特許第2004/0091338号
【特許文献9】ドイツ登録実用新案第29808762号
【特許文献10】ドイツ公開特許第4101615号
【特許文献11】オーストリア特許第398536号
【特許文献12】ドイツ公開特許第2034834号
【特許文献13】ドイツ特許第3247960号
【特許文献14】ドイツ公開特許第3328241号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
公知のいずれのシステムによっても、限定された荷役処理件数しか、または非常に柔軟性を欠く荷役機能しか達成することができない。公知の自動入出庫荷役装置にあっては製品種別ごとにそれぞれ専用のモータまたはニューマチック装置を備えた移送装置が必要である。特に、たとえば薬剤倉庫のように製品が多数多様に及ぶ場合には、多数の移送装置が必要である。
【0019】
本発明の目的は、上記の短所および難点を回避し、わずかな人手とわずかな資本投下で十分であって、物品の(1つの倉庫に保管さるべき非常に多様な物品であっても)極めて柔軟な搬送を可能にする冒頭に述べたタイプの方法ならびにこの方法を実施するための装置を提供することである。さらに本方法ないし装置はきわめて多様な物流要件に容易に適応し得るように構成される。特に本発明の目的は高い荷役処理件数を可能にすることである。さらに本発明の目的は倉庫内の保管箇所での荷役コストを低減させることである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
冒頭に述べたタイプの搬送方法において前記課題を解決するため、
− コンピュータを搭載した台車は好ましくは無線によって、取出しもしくは引渡しされるべき物品に関するa指令、目的箇所たとえば倉庫内の保管箇所に関するb指令、走行されるべきルートに関するc指令のうちの少なくとも1つの指令を受け取り、
− 前記指令に応じて台車のコンピュータは、前記a指令に応答して、目的箇所および最適ないしほぼ最適な走行ルートを決定し、前記b指令に応答して、最適ないしほぼ最適な走行ルートを決定し、前記a指令またはb指令またはc指令に応答して、動作トランザクションをスタートさせ、
− 前記目的箇所において台車はコンピュータによって起動されて、物品を自動的に引取りまたは引渡しまたは積込みもしくは荷降ろしし、
− その後、場合により、さらに別の指令があればさらに別の物品を取出しに行くかまたは積込まれた物品をa指令、b指令、c指令のうちのいずれかまたはその組み合わせの指令によって決定される別の目的箇所へ搬送する。
【0021】
ここで、物品とは、個々の商品として理解されるほか、容器、たとえば多数の商品を組み合わせているかもしくは多数の商品を収納しているカートンも含まれることとする。
【0022】
重要な点は台車が自律的に反応する点である。これは台車が指令を受け取った後、各々の台車に搭載されているコンピュータと、同じく各台車に搭載されているインタラクティブセンサデバイスとによって、自主的にかつ/または集団で、指令を遂行することができることを意味している。これによって、たとえば大形物品を複数の台車で共同して運搬することが可能であり、その際、台車は自主的に、中央制御コンピュータの制御を受けることなく、互いに交信し、与えられた指令に応じて、各コンピュータのデータバンクに格納されている指令実行戦略を選択する。この種の戦略はたとえば狭い通路における台車から台車への物品の転送であってよい。これにより、台車は物品を最初の台車から最後の台車まで転送するリレー隊列を形成する。
【0023】
各台車に搭載されたコンピュータによって、台車はさらに、道路交通と同様に右側優先規則に反応することにより、上位のコンピュータの制御なしに、交差点を衝突することなく通過することができる。
【0024】
台車はそのセンサ機構と台車間の交信手段とによって、真正な障害物と荷役に起因する渋滞とを区別して、適切に回避するか代替ルートを選択して走行するかを決定するができるので、そのために中央コンピュータから命令を受け取る必要はない。
【0025】
こうした自律性によって、中央コンピュータに実装された1つのアプリケーションによって稼働させることのできる台車の数は実際のところ無限である。中央コンピュータの機能は指令データの伝達およびそれらの指令の実行に関係する台車へのデータの分配に限定することができる。これらの情報はラジオ交通無線による渋滞情報にたとえることができる。
【0026】
冒頭に述べたように、中央コンピュータによって制御される台車を物品の搬送に使用することは公知に属する。ただし、この種のシステムは中央コンピュータの能力が制限されているために限定された数の台車でしか使用することができず、加えてさらに、比較的わずかな荷役処理件数しか可能でないという短所を有している。高性能の中央コンピュータをもってしても荷役処理件数の大幅な引き上げは達成不能である。
【0027】
この点で顕著な改善を実現するために、本発明は、台車の制御が、台車外の中央コンピュータによる影響力の行使なしに、各々の台車に搭載されたコンピュータによって完全に自律的に行われるようにする、好適な形態を採用することができる。公知の中央制御システムと本発明による自律自走台車との間の相違は、遠隔制御式マリオネットと自律反応ロボットとの間の相違に類似している。物品搬送設備に代えて自律反応台車を使用することにより、荷役処理件数を決定的に、しかも驚異的な高レベルに高めることができる。第1の好ましい実施形態によれば、台車の積込みおよび/または荷降ろしは受動的に行われ、この場合、好ましくは倉庫内に少なくとも1つの能動式の積込み手段および/または荷降ろし手段が配置されて、台車の到着時に好ましくは台車自体によって起動される。
【0028】
さらに別の好ましい実施形態は、台車の積込みおよび/または荷降ろしが能動的に行われ、そのために台車に配置された駆動式の積込み・荷降ろし手段たとえばベルトコンベア、チェーンコンベア、ローラコンベア等が好ましくは台車自体によって起動される。
【0029】
好適には、台車の積込み・荷降ろしも、積込みないし荷降ろし箇所への台車の到着時に自動的に、つまり台車に設けられた協働装置によって、または重力によって、あるいはその両方によって行われるようにすることができる。
大きな寸法の物品の運搬には、2台またはそれ以上の台車が連帯機能ユニットを形成して少なくとも走行区間の一部を共同して走行し、必要に応じ協働して、個々の台車の寸法を上回る寸法を有する物品を運搬することが好都合である。この場合、好適には、連帯機能ユニットへの積込みおよび/または荷降ろしは個々の台車につき、並行して、つまり同時に実施されるか、または逐次的に、つまり少なくとも1つの物品を台車から台車へと転送することによって実現する。
【0030】
ただし、2台またはそれ以上の台車から編成されたこの種の連帯機能ユニットは、またそれ自体で、連帯機能ユニットの一端の台車から連帯機能ユニットの他端の台車へと物品を搬送するための搬送装置として使用することも可能である。
【0031】
物品の搬送が単一のラック段においてのみならず、互いに上下に配置された2つまたはそれ以上のラック段に及ぶ場合には、物品は台車によって、詳しくは、台車に設けられた物品トレイの上昇ないし下降によって、垂直方向に搬送されるとよい。
【0032】
ただし、台車自体が任意のラック段から垂直方向上方または垂直方向下方のラック段へ引上げおよび/または下降されるのも好適である。
台車の積込み・荷降ろしには必ずしも台車の停止は必要ではなく、台車の走行中にも行うことができる。
【0033】
本発明による方法を実現するための装置は以下の特徴つまり、
− 物品用の多数の保管箇所を有する物品用の倉庫と、
− 保管箇所に沿っておよび/またはそれらの間に設けられた少なくとも1つの走行路と、
− コンピュータを搭載し、少なくとも1つの物品用の物品トレイを備えた、少なくとも1台の自走台車と、
− コンピュータによって起動される台車走行機構と、
− 制御台において入力されたデータを台車のコンピュータに伝達するためのデータ伝送デバイスと、
を組み合わせて有している。
【0034】
好ましくは、前記装置では、台車が、コンピュータによって起動されて台車の走行方向に対して横方向および/または縦方向に作動する、物品トレイへの荷役を行う能動式の積込み手段および/または荷降ろし手段を有しているか、または、台車に備えられた物品トレイ自体が台車の走行方向に対して横方向および/または縦方向に作動する搬送装置として形成されているとともに、該物品トレイはコンピュータによって起動されるとよい。
【0035】
台車自体が積込み手段および/または荷降ろし手段を有することにより、保管箇所におけてはこの種の手段は不要になる。これは多数の保管箇所を有する倉庫たとえば薬剤倉庫にとって、モータ、エアジェットノズル等の数を大幅に減少させることができる点で、特に有利である。台車と一体化した積込み手段および/または荷降ろし手段によってまったく別種の物流が可能になる。たとえば物品を台車の走行中に受取りまたは引渡しすることが可能であり、これによって荷役処理件数を劇的に高めることができる。
【0036】
単一のラック段においてのみならず複数のラック段に及ぶ物品の搬送を行うために、好適には、台車の物品トレイはリフティング装置によって上昇および下降されるとともに、該リフティング装置は好ましくはコンピュータによって起動される。
【0037】
台車への特に簡単な積込み方法は、台車が自動積込みおよび/または自動荷降ろし用の協働装置を装備しているとともに、該協働装置が好ましくはコンピュータによって能動(アクティブ)ポジションから受動(ポジティブ)ポジションへ、かつその逆に起動されることができることによって実現可能である。
【0038】
大形物品または同時に多数の物品を運搬するために、前記装置は好適には、連結手段を装備して連帯機能ユニットとなるべく連結可能な2台またはそれ以上の台車を備え、該連結手段は好ましくはコンピュータによって起動される。この場合、連結手段は台車同士の交信によって制御される論理的な連結手段である。論理的な連結に際して台車間の間隔はコンピュータによって一定に保たれ、その際、台車同士は必ずしも互いに接触している必要はなく、互いに離間していてよい。
【0039】
好適なデータ伝送のために前記装置は、制御台において入力されたデータをコンピュータに伝達するためのデータ伝送デバイスを有しており、このデータ伝送デバイスは、好ましくは無線デバイスおよび/または赤外線デバイスおよび/または差込みコネクタやすべり接点および/または超音波デバイスによって形成されている。
【0040】
好ましくは前記装置は、好ましくは台車のコンピュータによって起動される能動式の積込みおよび/または荷降ろし手段を備えた少なくとも1つの保管箇所を有する。
台車自体を上昇および下降させるため、前記装置は保管箇所の脇に、好ましくは台車のコンピュータによって起動されるリフティング装置を有している。
【0041】
台車への特に簡単な積込みを行うためのさらに別の好ましい方法は、保管箇所が重力式搬送装置たとえば傾斜したローラ搬送路を備えているとともに、保管箇所がその搬送路に、台車によって作動または停止される物品用ストッパ装置、つまり保管箇所への台車の到着または同所からの立去りによるかまたはコンピュータによって機械的に作動または停止される物品用ストッパ装置を備えている。
【0042】
倉庫荷役技術において今日通例の多くの設備は特許請求の範囲での請求項に記載した特徴を有する設備で置き換えることができる。したがって、搬送設備、自動入出庫荷役装置、ラック荷役装置、回転式システムおよび分別装置を統一化することが可能である。これにより、今後の入出庫保管倉庫は全体としてシンプル化され、使用人員の減少によって経済的に運営されると同時に機能規模が拡大される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、図面によって示した複数の実施例を参照して、本発明を詳細に説明する。ここで、図1、図2および図3はそれぞれ倉庫の平面図を具体的に示している。図4、図5および図6は側面図によって、さまざまな物品引渡し方法を示している。図7は倉庫の一部の平面図を示している。図8は台車への物品引渡し方法の1つを同じく側面図で示しており、図9は図8の矢印IXの方向から見た図を示している。図10、図11および図12は平面図ないし側面図によって、複数の台車が連結されて連帯機能ユニットとされた状態を示している。図13は側面図によって搬送装置を示しており、図14〜図16には互いに上下に配置された多段の成層ラック段におけるさまざまな物品搬送方法が、物品倉庫の側面図によって具体的に示されている。図17は1保管箇所から別の保管箇所への搬送手段としての台車の使用を示している。図18〜図24は倉庫の詳細を平面図で示している。図25は台車の駆動装置を示し、図26は台車への給電方法および/またはデータ供給方法を示している。図27および図28は斜視図および正面図によってシンプルな入出庫荷役作業部署を示している。
【0044】
図1に示したように、倉庫内の個々の保管箇所1には物品2が、しかもそれぞれ物品2に指定されたラック3、つまり定められた保管場所に収納されているかまたは収容することが可能である。各々の物品2は梱包された個々の商品4によって形成されているかまたは複数の商品4がカートン5または搬送容器6に詰められていてよく、この場合、各々のカートン5ないし搬送容器6が本発明の趣旨の物品2を形成する。
【0045】
架台ないしラック3の保管箇所1の間は、コンピュータ7を搭載した台車8が、しかも専用の駆動装置9(図25参照)によって走行可能である。この駆動装置はコンピュータ7によって起動/停止される。台車8は電動式であってよく、エネルギー貯蔵装置としてバッテリまたは蓄電池が使用される。電圧レベルが所定の最低レベル以下に低下すると、台車8は自動的にバッテリ交換ないし充電ステーションに向かって自走する。別法としてまたは追加的にその他のエネルギー源たとえば燃料電池または太陽電池を使用することも可能である。
【0046】
各々の台車8の詳細は不図示の、たとえば光学センサまたは音響センサを介して、各々の台車8の周囲条件が検知され、たとえば障害物がある場合に適時に回避行動パターンが実現される。この行動パターンは各々の台車8のコンピュータに格納されており、必要に応じて種々のケース対処することが可能であり、そのために中央コンピュータを介入させる必要はない。台車は場合により相互に交信し、こうして、一定の状況にとって適切な対策を見出すこともできる。指定された指令を遂行するための行動パターンも、台車8のコンピュータ7のデータバンクないし行動パターンライブラリに格納されている。
【0047】
台車8は少なくとも1つの物品2用の物品トレイ10を有している。データ伝送デバイス11は好ましくは中央制御台12において入力されたデータを台車8のコンピュータ7に伝達するために使用される。このデータ伝送デバイス11は無線デバイスおよび/または赤外線デバイスおよび/または超音波デバイスとして形成されていてよい。また、走行路に沿って布設された導線14に接触するすべり接点13によって、取出しまたは引渡しされるべき物品2および/または倉庫内目的箇所および/または走行ルート等に関する所要のデータおよび/またはエネルギーを台車8に供給することも可能である(図26参照)。
【0048】
図1〜図3からわかるように、倉庫は特定の形態に限定されるものではない。倉庫には物品2ないし商品4の自動入出庫荷役用の入出庫荷役装置15または人力式入出庫荷役装置16が設けられてもよい。通例、倉庫保管ないし入出庫されるべき物品2は台車8で一定の箇所17に集められ、空の台車8は別の箇所18に集められる。
【0049】
所望の物品2ないし商品4の積込まれた台車8は、積込み済み台車8が検査ステーション20を通過した後、発送準備エリア19で待機させられる。
【0050】
図4は、傾斜させて配置され、同所において物品2が第1の保管箇所1の前端21に位置するストッパ22に向かってローラ路23上を重力によって移動するように形成されたラック3ないし台架の保管箇所1を示している。このストッパ22は、必要に応じてコンピュータ7によって起動または停止される台車8の詳細不図示の連動子によって側方または下方ないし上方に向かって、つまり、物品2ないしカートン5がローラ路23の端部21を越えて移動し得る位置に変位されることができ、その際、物品1は台車8に設けられた物品トレイ10を形成する能動式積込み・荷降ろし手段24、これは図2に示した実施例においてベルトコンベアとして形成されているのだが、その作用を受けて、台車8上に移される。続いて台車がこの保管箇所1を離れると、ストッパ22は再び当初の位置に復帰するため、ローラ路23上の後続物品2が再びストッパ22に向かってローラ路23の端部21まで移動する。積込み・荷降ろし手段22に配置された連動子25によって物品2を持ち上げてストッパ22を越えさせて、全体を物品トレイ10上に移動させることも可能である。
【0051】
物品2の引渡しは所望の箇所で同じく、好ましくは台車8のコンピュータ7を経て行われるベルトコンベア24の起動によって行われる。ベルトコンベアに代えて、チェーンコンベアが設けられていてもよく、あるいは駆動式ローラ(図17参照)が設けられていてもよい。搬送方向は必ずしも図4に示したように台車8の移動方向に対して横向きである必要はなく、必要に応じ、たとえば図17に具体的に示したように、たとえばベルトコンベアまたは駆動式ローラによって形成されたローラ路の配置を変更することによって、走行方向の縦方向に行われてもよい。
【0052】
図5によれば、台車8の物品台としての物品トレイ10上には容器6が配置されているとともに、台車8はシュート27内に配置された段積みされた物品2から個々の物品2ないし商品4を取り出すための搬送装置26を有している。コンピュータ7によるこの搬送装置26の起動によって、シュート27から一定数の物品2を取り出して、容器6に収容することができる。
【0053】
図6はシュート27を備えた類似の装置を示しており、ここでは、物品2ないし商品4の引渡しはシュート27自体に設けられた装置(エゼクタ)27’によって行われる。この装置27’は好ましくは同じく台車8のコンピュータ7によって制御可能とする。
【0054】
図7は倉庫内の保管箇所1からの物品2の取出し、ないし同所への物品の引渡しを示している。
【0055】
図8および図9には同じく、シュート27内に段積みされた物品2ないし商品4からの個々の商品4または物品2の取出しが示されており、この場合、台車8に配置された協働装置28によってそれぞれ最下段の商品が、台車8の物品トレイ10上にある容器6内に搬送される。協働装置28は台車8のコンピュータ7によって起動または停止されることができ、起動状態においてそれぞれ最下段の物品2と接触する連動ピン29は協働装置28から突き出している。
【0056】
図10、図11および図12は、好ましくは台車8のコンピュータ7によって起動される連結手段29により複数の台車が連結されて連帯機能ユニットに編成された状態を示している。この連帯機能ユニットは、図10に示したように、個々の台車8では搬送不能な大形物品2の搬送に使用されるとともに、図11および12に示したように、同時に多数の物品2ないし商品4を搬送するために使用される。ただし、時により、台車8を停止させた状態でこの連帯機能ユニット自体を搬送装置として使用することが必要となることもあり(図12参照)、その場合には、この連帯機能ユニットの最後尾の台車8上に物品2が供給されて、台車8の駆動式ローラ路24またはベルトコンベア24を経て、連帯機能ユニットの最前端の台車8まで移送され、同所で保管箇所1に引渡されることになる。
【0057】
図13は、台車8が物品2ないし商品4の搬送には使用されず、シュート27から物品を取り出して、該物品を台車8の脇に配置された搬送装置30たとえばコンベアベルト上に供給するためにのみ使用される一例を示している。
【0058】
図14〜図16は、互いに上下に配置された複数のラック段31に物品2が保管された倉庫を示している。台車8によるこれらのラック段31への物品の供給には、複数の方法が考えられる。それはたとえば、図14に示したように、リフティング装置32によって台車8全体が適切な高さにまでリフティングされるか、または当該階層高さに配置された走行路33に台車8が走行集合路を経て到達すること(図15および図16)である。図15はさらに、台車8自体に物品トレイ10用のリフティング装置34が装備されたもう一つの方法を示している。
【0059】
図18および図19には台車8の走行時における、保管箇所1への物品引渡しが具体的に示されており、このため、保管箇所1には台車8の走行方向とは反対向きの物品受取り部35が設けられている。この場合、物品2は台車8を経て発送場36上に到達する。図20には斜向した発送場36を備えた類似の装置が示されている。
【0060】
図21は、台車8が、保管箇所1に到達する別の台車8を追い越す状況を具体的に示している。これは個々の物品2の優先的ソート順位を決定することのできるソータ装置である。
【0061】
図22および図23は入出庫荷役ステーションを示しており、詳細には、図22は定置された搬送設備37を備えたステーションを、図23は本発明による搬送設備および台車8の使用ならびにラック3の自動補充を組み合わせたステーションを示している。この場合、ラック38は容器6用の単純な留置場所として形成されて、商品はラック38から台車8へ引渡されるかまたはその逆の荷役が行われるだけとされてもよい。
【0062】
本発明との関連で、省スペース化を考慮して、ラック38に直接統合することのできる特にシンプルな入出庫荷役作業部署33を構築してもよい(図27参照)。このため、容器6にアクセスし易くすべく、荷役作業エリアにおいてラック列は容易にずらして配置するとよい。この場合でも容器6用の留置場所には台車8によって容易にアクセス可能であるが、それはこれらがラック38内でも自由に移動し得るからである。
【0063】
上側ラック段40から下側ラック段41へ、またはその逆に入出庫荷役作業が行われる。
入出庫荷役作業は、その際、ピックバイライト(Pick by Light)・システムまたはピックバイボイス(Pick by Voice)・システムによって支援されることができる。加えてさらに作業部署には画像スクリーンを有する支援装置またはその他の操作支援装置が装備されていてよい。
図24は台車8の容器6に多様な商品が入れられる自動入出庫荷役システムの充填ステーションに関する説明である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】倉庫の平面図
【図2】倉庫の平面図
【図3】倉庫の平面図
【図4】物品引渡し方法を示す側面図
【図5】物品引渡し方法を示す側面図
【図6】物品引渡し方法を示す側面図
【図7】倉庫の一部の平面図
【図8】台車への物品引渡し方法の1つを示す側面図
【図9】図8の矢印IXの方向から見た図
【図10】複数の台車が連結されて連帯機能ユニットとされた状態を示す平面図
【図11】複数の台車が連結されて連帯機能ユニットとされた状態を示す断面図
【図12】複数の台車が連結されて連帯機能ユニットとされた状態を示す断面図
【図13】搬送装置を示す側面図
【図14】多段成層ラックにおける物品搬送方法を示す物品倉庫の側面図
【図15】多段成層ラックにおける物品搬送方法を示す物品倉庫の側面図
【図16】多段成層ラックにおける物品搬送方法を示す物品倉庫の側面図
【図17】保管箇所から別の保管箇所への搬送手段としての台車の使用を示している側面図
【図18】倉庫の詳細を示す平面図
【図19】倉庫の詳細を示す平面図
【図20】倉庫の詳細を示す平面図
【図21】倉庫の詳細を示す平面図
【図22】倉庫の詳細を示す平面図
【図23】倉庫の詳細を示す平面図
【図24】倉庫の詳細を示す平面図
【図25】台車の駆動装置を示す図
【図26】台車への給電および/またはデータ供給の方法を示す図
【図27】簡単な入出庫荷役の作業場所を示す斜視図
【図28】簡単な入出庫荷役の作業場所を示す正面図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
倉庫内を自走する少なくとも1台の台車による物品(2)の搬送方法において、
− コンピュータ(7)を搭載した台車(8)は好ましくは無線によって、取出しもしくは引渡しされるべき物品(2)に関するa指令、目的箇所たとえば倉庫内の保管箇所(1)に関するb指令、走行されるべきルートに関するc指令のうちの少なくとも1つの指令を受け取り、
− 前記指令に応じて台車(8)のコンピュータ(7)は、前記a指令に応答して、目的箇所および最適ないしほぼ最適な走行ルートを決定し、前記b指令に応答して、最適ないしほぼ最適な走行ルートを決定し、前記a指令またはb指令またはc指令に応答して、動作トランザクションをスタートさせ、
− 前記目的箇所において台車(8)はコンピュータ(7)によって起動されて、物品(2)を自動的に引取りまたは引渡しまたは積込みもしくは荷降ろしし、
− その後、場合により、さらに別の指令があればさらに別の物品(2)を取出しに行くかまたは積込まれた物品をa指令、b指令、c指令のうちのいずれかまたはその組み合わせの指令によって決定される別の目的箇所へ搬送することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記台車(8)の積込みまたは荷降ろしあるいはその両方は受動的に行われ、好ましくは倉庫内に少なくとも1つの能動式の積込み手段または荷降ろし手段あるいはその両方が配置されて、台車(8)の到着時に好ましくは台車(8)自体によって起動されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記台車(8)の積込みまたは荷降ろしあるいはその両方は能動的に行われ、そのために台車(8)に配置された駆動式積込み・荷降ろし手段(10)たとえばベルトコンベア、チェーンコンベア、ローラコンベア等は好ましくは台車(8)自体によって起動されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記台車(8)に対する積込みまたは荷降ろしあるいはその両方は積込み箇所や荷降ろし箇所への台車(8)の到着時に自動的に、つまり台車に設けられた協働装置(28)または重力あるいはその両方によって行われることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
2台またはそれ以上の台車(8)は連帯機能ユニットを形成して少なくとも走行区間の一部を共同して走行し、必要に応じ協働して、個々の台車(8)の寸法を上回る寸法を有する物品(2)を運搬することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記連帯機能ユニットへの積込みまたは荷降ろしあるいはその両方は個々の台車(8)毎に、並行して、つまり同時に実施されるか、または逐次的に、つまり少なくとも1つの物品(2)を台車(8)から台車(8)へと移送することによって行われることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも2台の台車(8)は連帯機能ユニットに連結編成されて、該連帯機能ユニットの一端の台車(8)から他端の台車(8)への物品(2)の搬送に使用されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
物品(2)は台車(8)により、詳しくは、台車(8)に設けられた物品トレイ(10)の上昇ないし下降によって、垂直方向に搬送されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
台車(8)は任意のラック段(31)から垂直方向上方または垂直方向下方のラック段(31)へ引上げまたは下降させられることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
台車(8)または請求項5に記載の連帯機能ユニットへの積込みまたは荷降ろしあるいはその両方は台車(8)の走行中ないし連帯機能ユニットの走行中に行われることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実現するための装置であって、
− 物品(2)用の多数の保管箇所(1)を有する物品(2)用の倉庫と、
− 保管箇所(1)に沿ってまたはそれらの間にあるいはその両方に設けられた少なくとも1つの走行路と、
− コンピュータ(7)を搭載した少なくとも1台の自走台車(8)と、
− 前記台車に装備された、少なくとも1つの物品(2)用の物品トレイ(10)と、
− コンピュータ(7)によって起動される台車走行機構と、
− 制御台(12)において入力されたデータを前記台車(8)のコンピュータ(7)に伝達するためのデータ伝送デバイス(11)と、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項12】
前記台車(8)は、コンピュータ(7)によって起動されて台車(8)の走行方向に対して横方向または縦方向あるいはその両方に作動する、物品トレイ(1)への荷役を行なう能動式の積込み手段または荷降ろし手段(24)あるいはその両方を有することを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記台車(8)に備えられた物品トレイ(10)自体は台車(8)の走行方向に対して横方向または縦方向あるいはその両方に作動する搬送装置(24)として形成されているとともに、該物品トレイ(10)はコンピュータ(7)によって起動されることを特徴とする請求項11または12に記載の装置。
【請求項14】
前記台車(8)の物品トレイ(10)はリフティング装置(34)によって上昇および下降されるとともに、該リフティング装置(34)は好ましくはコンピュータ(7)によって起動されることを特徴とする請求項11から13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
台車(8)は自動積込みまたは自動荷降ろしあるいはその両方のための協働装置(28,29)を装備しているとともに、該協働装置(28,29)は好ましくはコンピュータ(7)によって能動ポジションから受動ポジションへ、かつその逆に起動されることができることを特徴とする請求項11から14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
2台またはそれ以上の台車(8)は連結手段(29)を装備して、連帯機能ユニットに連結可能であり、該連結手段(29)は好ましくはコンピュータ(7)によって起動されることを特徴とする請求項11から15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記制御台(12)において入力されたデータをコンピュータ(7)に伝達するためのデータ伝送デバイス(11)は好ましくは無線デバイス、赤外線デバイス、差込みコネクタ、すべり接点(13)、超音波デバイスのうちのいずれかまたはそれらの組み合わせを備えていることを特徴とする請求項11から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
少なくとも1つの保管箇所(1)は好ましくは台車(8)のコンピュータ(7)によって起動される能動式の積込み手段または荷降ろし手段(22)あるいはその両方を備えることを特徴とする請求項11から17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記保管箇所(1)の脇に、好ましくは台車(8)のコンピュータ(7)によって起動されるリフティング装置(32)が設けられていることを特徴とする請求項11から18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記保管箇所(1)は重力式搬送装置(23,27)たとえば傾斜したローラ路(23)を備えているとともに、この保管箇所(1)の搬送路には、台車(8)によって作動または停止されるところの、つまり保管箇所(1)への台車(8)の到着または同所からの立去りによるかまたはコンピュータ(7)によって機械的に作動または停止される物品(2)用ストッパ装置(10)が備えられていることを特徴とする請求項11から19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項1】
倉庫内を自走する少なくとも1台の台車による物品(2)の搬送方法において、
− コンピュータ(7)を搭載した台車(8)は好ましくは無線によって、取出しもしくは引渡しされるべき物品(2)に関するa指令、目的箇所たとえば倉庫内の保管箇所(1)に関するb指令、走行されるべきルートに関するc指令のうちの少なくとも1つの指令を受け取り、
− 前記指令に応じて台車(8)のコンピュータ(7)は、前記a指令に応答して、目的箇所および最適ないしほぼ最適な走行ルートを決定し、前記b指令に応答して、最適ないしほぼ最適な走行ルートを決定し、前記a指令またはb指令またはc指令に応答して、動作トランザクションをスタートさせ、
− 前記目的箇所において台車(8)はコンピュータ(7)によって起動されて、物品(2)を自動的に引取りまたは引渡しまたは積込みもしくは荷降ろしし、
− その後、場合により、さらに別の指令があればさらに別の物品(2)を取出しに行くかまたは積込まれた物品をa指令、b指令、c指令のうちのいずれかまたはその組み合わせの指令によって決定される別の目的箇所へ搬送することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記台車(8)の積込みまたは荷降ろしあるいはその両方は受動的に行われ、好ましくは倉庫内に少なくとも1つの能動式の積込み手段または荷降ろし手段あるいはその両方が配置されて、台車(8)の到着時に好ましくは台車(8)自体によって起動されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記台車(8)の積込みまたは荷降ろしあるいはその両方は能動的に行われ、そのために台車(8)に配置された駆動式積込み・荷降ろし手段(10)たとえばベルトコンベア、チェーンコンベア、ローラコンベア等は好ましくは台車(8)自体によって起動されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記台車(8)に対する積込みまたは荷降ろしあるいはその両方は積込み箇所や荷降ろし箇所への台車(8)の到着時に自動的に、つまり台車に設けられた協働装置(28)または重力あるいはその両方によって行われることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
2台またはそれ以上の台車(8)は連帯機能ユニットを形成して少なくとも走行区間の一部を共同して走行し、必要に応じ協働して、個々の台車(8)の寸法を上回る寸法を有する物品(2)を運搬することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記連帯機能ユニットへの積込みまたは荷降ろしあるいはその両方は個々の台車(8)毎に、並行して、つまり同時に実施されるか、または逐次的に、つまり少なくとも1つの物品(2)を台車(8)から台車(8)へと移送することによって行われることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも2台の台車(8)は連帯機能ユニットに連結編成されて、該連帯機能ユニットの一端の台車(8)から他端の台車(8)への物品(2)の搬送に使用されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
物品(2)は台車(8)により、詳しくは、台車(8)に設けられた物品トレイ(10)の上昇ないし下降によって、垂直方向に搬送されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
台車(8)は任意のラック段(31)から垂直方向上方または垂直方向下方のラック段(31)へ引上げまたは下降させられることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
台車(8)または請求項5に記載の連帯機能ユニットへの積込みまたは荷降ろしあるいはその両方は台車(8)の走行中ないし連帯機能ユニットの走行中に行われることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実現するための装置であって、
− 物品(2)用の多数の保管箇所(1)を有する物品(2)用の倉庫と、
− 保管箇所(1)に沿ってまたはそれらの間にあるいはその両方に設けられた少なくとも1つの走行路と、
− コンピュータ(7)を搭載した少なくとも1台の自走台車(8)と、
− 前記台車に装備された、少なくとも1つの物品(2)用の物品トレイ(10)と、
− コンピュータ(7)によって起動される台車走行機構と、
− 制御台(12)において入力されたデータを前記台車(8)のコンピュータ(7)に伝達するためのデータ伝送デバイス(11)と、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項12】
前記台車(8)は、コンピュータ(7)によって起動されて台車(8)の走行方向に対して横方向または縦方向あるいはその両方に作動する、物品トレイ(1)への荷役を行なう能動式の積込み手段または荷降ろし手段(24)あるいはその両方を有することを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記台車(8)に備えられた物品トレイ(10)自体は台車(8)の走行方向に対して横方向または縦方向あるいはその両方に作動する搬送装置(24)として形成されているとともに、該物品トレイ(10)はコンピュータ(7)によって起動されることを特徴とする請求項11または12に記載の装置。
【請求項14】
前記台車(8)の物品トレイ(10)はリフティング装置(34)によって上昇および下降されるとともに、該リフティング装置(34)は好ましくはコンピュータ(7)によって起動されることを特徴とする請求項11から13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
台車(8)は自動積込みまたは自動荷降ろしあるいはその両方のための協働装置(28,29)を装備しているとともに、該協働装置(28,29)は好ましくはコンピュータ(7)によって能動ポジションから受動ポジションへ、かつその逆に起動されることができることを特徴とする請求項11から14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
2台またはそれ以上の台車(8)は連結手段(29)を装備して、連帯機能ユニットに連結可能であり、該連結手段(29)は好ましくはコンピュータ(7)によって起動されることを特徴とする請求項11から15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記制御台(12)において入力されたデータをコンピュータ(7)に伝達するためのデータ伝送デバイス(11)は好ましくは無線デバイス、赤外線デバイス、差込みコネクタ、すべり接点(13)、超音波デバイスのうちのいずれかまたはそれらの組み合わせを備えていることを特徴とする請求項11から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
少なくとも1つの保管箇所(1)は好ましくは台車(8)のコンピュータ(7)によって起動される能動式の積込み手段または荷降ろし手段(22)あるいはその両方を備えることを特徴とする請求項11から17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記保管箇所(1)の脇に、好ましくは台車(8)のコンピュータ(7)によって起動されるリフティング装置(32)が設けられていることを特徴とする請求項11から18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記保管箇所(1)は重力式搬送装置(23,27)たとえば傾斜したローラ路(23)を備えているとともに、この保管箇所(1)の搬送路には、台車(8)によって作動または停止されるところの、つまり保管箇所(1)への台車(8)の到着または同所からの立去りによるかまたはコンピュータ(7)によって機械的に作動または停止される物品(2)用ストッパ装置(10)が備えられていることを特徴とする請求項11から19のいずれか一項に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公表番号】特表2008−501592(P2008−501592A)
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−513593(P2007−513593)
【出願日】平成17年6月6日(2005.6.6)
【国際出願番号】PCT/AT2005/000196
【国際公開番号】WO2005/118436
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(506402229)“カット”・トランスポート・ゲー・エム・ベー・ハー (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月6日(2005.6.6)
【国際出願番号】PCT/AT2005/000196
【国際公開番号】WO2005/118436
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(506402229)“カット”・トランスポート・ゲー・エム・ベー・ハー (1)
【Fターム(参考)】
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