説明

物品収納設備

【課題】物品収納部の構成の簡素化を図ることができ且つ物品収納部に複数の物品を効率よく上下方向に並べて収納することができる物品収納設備を提供する。
【解決手段】物品Aを物品収納部3に収納する物品収納処理として、収納対象の物品収納箇所8が物品aを収納していない空状態のときには、物品収納箇所8における物品支持面7に物品Aを載置する物品載置処理を実行し、且つ、収納対象の物品収納箇所8が既に物品aを収納している収納済み状態のときには、先に収納されている物品aの上面部に物品Aを載置する物品積み上げ処理を実行するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行経路に沿って走行する走行台車に立設させた支柱に、物品移載装置を備える昇降台を昇降自在に案内支持させたスタッカークレーンと、前記走行経路の横側方に設けられた物品収納部と、物品を前記物品収納部に収納する物品収納処理及び前記物品収納部から物品を取り出す物品取出処理を行うように、前記スタッカークレーンの作動を制御する運転制御手段とが備えられた物品収納設備に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる物品収納設備は、物品を物品収納部に収納する際には、物品収納処理を実行して、スタッカークレーンにて物品を物品収納部に収納し、物品収納部から物品を取り出す際には、物品取出処理を実行して、スタッカークレーンにて物品収納部から物品を取り出すようにして、物品の収納や取り出しをスタッカークレーンにて迅速に行うことができるものである。
そして、このような物品収納設備において、従来では、物品収納部が、走行経路に沿う方向並びに上下方向に沿って並ぶ複数の物品収納棚部分を備える物品収納棚にて構成され、その物品収納棚の物品収納棚部分に物品を収納するように構成され、運転制御手段が、物品収納処理として、物品を収納していない物品収納棚部分を収納対象の物品収納棚部分として、その収納対象の物品収納棚部分における物品支持体に物品を載置するように構成されていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2006−327759号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した物品収納設備では、物品収納部の物品収納棚部分の夫々において、物品支持体に載置させた状態で物品が収納されているから、収納する物品の夫々に対して物品支持体を設ける必要があるため、物品収納部の構成が複雑なものとなり、また、物品の夫々を物品支持体に載置させることにより、物品収納部に収納された上下方向に並ぶ複数の物品が互いに間隔を隔てた状態で収納されているから、物品収納部に複数の物品を効率よく上下方向に並べて収納することができないものであった。
【0005】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、物品収納部の構成の簡素化を図ることができ且つ物品収納部に複数の物品を効率よく上下方向に並べて収納することができる物品収納設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる物品収納設備は、走行経路に沿って走行する走行台車に立設させた支柱に、物品移載装置を備える昇降台を昇降自在に案内支持させたスタッカークレーンと、前記走行経路の横側方に設けられた物品収納部と、物品を前記物品収納部に収納する物品収納処理及び前記物品収納部から物品を取り出す物品取出処理を行うように、前記スタッカークレーンの作動を制御する運転制御手段とが備えられたものであって、その第1特徴構成は、
前記物品収納部が、前記走行経路に沿って並ぶ複数の物品収納箇所の夫々にて複数の物品を積み上げた状態で収納するように構成され、前記運転制御手段が、前記物品収納処理として、収納対象の前記物品収納箇所が物品を収納していない空状態のときには、前記物品収納箇所における物品支持面に物品を載置する物品載置処理を実行し、且つ、収納対象の前記物品収納箇所が既に物品を収納している収納済み状態のときには、先に収納されている物品の上面部に物品を載置する物品積み上げ処理を実行するように構成されている点にある。
【0007】
すなわち、物品を物品収納部に収納する際に、収納対象の物品収納箇所が物品を収納していない空状態のときには、物品載置処理が実行されて、物品を物品支持面に載置するように収納対象の物品収納箇所に収納すべくスタッカークレーンが作動し、且つ、収納対象の物品収納箇所が既に物品を収納している収納済み状態のときには、物品積み上げ処理が実行されて、物品を先に収納されている物品の上面部に載置するように収納対象の物品収納箇所に収納すべくスタッカークレーンが作動して、物品収納部には複数の物品収納箇所の夫々にて複数の物品を積み上げた状態で収納される。
そして、上述の如く、複数の物品収納箇所の夫々にて複数の物品を積み上げた状態で収納されることにより、物品収納部として、床面或いは支持台の上面を物品載置面に載置させる状態で積み上げられた複数の物品を収納するように構成することにより、物品収納部の構成の簡素化を図ることができ、また、物品収納部に収納された上下方向に並ぶ複数の物品は互いに間隔を隔てることなく積み上げた状態で物品収納部に収納されるから、物品収納部に複数の物品を効率よく上下方向に並べて収納することができる。
従って、物品収納部の構成の簡素化を図ることができ且つ物品収納部に複数の物品を効率よく上下方向に並べて収納することができる物品収納設備を提供することができるに至った。
【0008】
本発明にかかる物品収納設備の第2特徴構成は、第1特徴構成において、前記走行経路の横側方に物品取り出し箇所が設けられ、前記運転制御手段が、物品取出処理として、取り出し対象の物品の上に他の物品が積み上げられていないときには、その取り出し対象の物品を前記物品取り出し箇所に取り出す単独物品搬送処理を実行し、且つ、取り出し対象の物品の上に取り出しの対象ではない物品が積み上げられているときには、取り出し対象の物品を支持した状態で、取り出し対象の物品及びその取り出し対象の物品に支持された取り出し対象ではない物品からなる物品群を前記物品取り出し箇所に取り出し、次に、その取り出した物品群における取り出し対象ではない物品を前記物品収納箇所に収納する複数物品搬送処理を実行するように構成されている点にある。
【0009】
すなわち、物品収納部から物品を取り出す際に、取り出し対象の物品の上に他の物品が積み上げられていないときには、単独物品搬送処理が実行されて、取り出し対象の物品を前記物品取り出し箇所に取り出すべくスタッカークレーンが作動し、且つ、取り出し対象の物品の上に取り出しの対象ではない物品が積み上げられているときには、複数物品搬送処理が実行されて、取り出し対象の物品を支持した状態で、取り出し対象の物品及びその取り出し対象の物品に支持された取り出し対象ではない物品からなる物品群を物品取り出し箇所に取り出し、次に、その取り出した物品群における取り出し対象ではない物品を物品収納箇所に収納すべくスタッカークレーンが作動して、物品収納部から物品が取り出される。
そして、上述の如く物品収納部から物品が取り出されるから、取り出し対象の物品の上に取り出しの対象ではない物品が積み上げられているときでも、その取り出し対象ではない物品を取り出し対象の物品上から退避箇所に退避させる必要がなく、物品収納設備に退避箇所を設ける必要がないので、物品収納設備の省スペース化を図ることができる。
従って、省スペース化を図ることができる物品収納設備を提供することができるに至った。
【0010】
本発明にかかる物品収納設備の第3特徴構成は、第1又は第2特徴構成において、前記物品移載装置が、前記昇降台に支持される基部側部材に対して物品載置支持用の支持部材を出退操作自在に設けたフォーク式の物品移載装置として構成され、前記物品が、その底部に前記支持部材を挿通する挿通用空間を備えるものである点にある。
【0011】
すなわち、物品移載装置が、昇降台に支持される基部側部材に対して物品載置支持用の支持部材を出退操作自在に設けたフォーク式の物品移載装置として構成され、物品が、その底部に支持部材を挿通する挿通用空間を備えるものであるから、物品収納処理や物品取出処理を行う際に、支持部材を挿通用空間に挿通させて物品の底部を支持部材にて載置支持することにより支持部材にて物品を安定よく支持することができる。
従って、物品収納処理や物品取出処理を行う際に支持部材にて物品を安定よく支持することができる物品収納設備を提供することができるに至った。
【0012】
本発明にかかる物品収納設備の第4特徴構成は、第1〜第3特徴構成のいずれか1つにおいて、前記物品が、側周面並びに下面を備えた箱部と、この箱部の下方に前記挿通用空間を形成すべく前記箱部から下方に突出し且つ他の物品に載置するときにその他の物品における箱部の上縁部に載置自在な脚部とを備えるものである点にある。
【0013】
すなわち、物品が、側周面並びに下面を備えた箱部と、この箱部の下方に挿通用空間を形成すべく箱部から下方に突出し且つ他の物品に載置するときにその他の物品における箱部の上縁部に載置自在な脚部とを備えるものであるから、底部に挿通用空間を備えた複数の物品を物品収納箇所に安定よく積み上げた状態で収納することができる。
従って、底部に挿通用空間を備えた複数の物品を物品収納箇所に安定よく積み上げた状態で収納することができる物品収納設備を提供することができるに至った。
【0014】
本発明にかかる物品収納設備の第5特徴構成は、第1〜第4特徴構成のいずれか1つにおいて、前記走行台車が、走行レール上を転動する車両前後方向に並ぶ一対の走行輪を車両横幅方向に2組並べた状態で設けて構成され、前記支柱が、前記走行台車のみに支持した状態で設けられている点にある。
【0015】
すなわち、走行台車が、走行レール上を転動する車両前後方向に並ぶ一対の走行輪を車両横幅方向に2組並べた状態で設けて構成されているから、走行台車が走行経路に沿って安定よく走行することができ、支柱を走行台車のみに支持した状態で設けたとしても、支柱が車両前後方向や車両横幅方向に傾き難いため、支柱の傾きを規制すべく支柱の上端部を案内支持するガイドレールが必要なく、物品収納設備の構成の簡素化を図ることができる。
説明を加えると、走行台車が走行経路に沿って安定よく走行することができない場合には、支柱の上端部を案内支持するガイドレールを走行レールの上方に走行経路に沿って設けて、このガイドレールにて支柱の傾きを規制させる必要があるが、このようにガイドレールを設けると、ガイドレールおよびそのガイドレールを支持するガイドレール用の支柱を設ける必要がある等、物品収納設備の構成が複雑なものとなる。しかし、上述の如く走行台車が走行経路に沿って安定よく走行できる場合には、支柱の上端部を案内支持するガイドレールが必要ないため、物品収納設備の構成の簡素化を図ることができる。
従って、物品収納設備の簡素化を図ることができる物品収納設備を提供することができるに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明による物品収納設備の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜3に示すように、物品収納設備は、走行経路1に沿って走行する走行台車13に立設させた支柱15に、物品移載装置19を備える昇降台16を昇降自在に案内支持させたスタッカークレーン2と、前記走行経路1の横側方に設けられて、前記走行経路1に沿って並ぶ複数の物品収納箇所8の夫々にて複数の物品aを積み上げた状態で収納するように構成されている物品収納部3と、前記走行経路1の横側方に設けられたベルト式の搬送コンベア4とを備えて構成されている。
【0017】
物品収納部3は、走行経路1に沿って支持台6を設け、その支持台6の上面を物品支持面7とするとともに支持台6上に走行経路1に沿って設定間隔置きに物品収納箇所8が設定されている。そして、物品収納部3は、物品収納箇所8の夫々において、最下段の物品aを支持台6に載置支持させ、最下段以外の物品aを直下に位置する他の物品aに載置支持させて、複数の物品aを積み上げた状態で収納するように構成されている。
具体的には、物品収納部3は、物品収納箇所8の夫々において、下から1段目の物品aを支持台6に載置支持させ、下から2段目の物品aを下から1段目の物品aに載置支持させ、下から3段目の物品aを下から2段目の物品aに載置支持させて、最大3つの物品aを積み上げた状態で収納するように構成されている。尚、以後、単に1段目、2段目、3段目と称する場合は、下から1段目、下から2段目、下から3段目とする。
【0018】
搬送コンベア4は、物品収納部3の横幅方向一方側にスタッカークレーン2の走行経路1を挟む状態で一対設けられている。そして、一対の搬送コンベア4のうちの一方は、図外から物品収納部3近くに物品aを載置搬送する入庫用の搬送コンベア4として設けられ、一対の搬送コンベア4のうちの他方は、物品収納部3近くから図外に物品aを載置搬送する出庫用の搬送コンベア4として設けられている。
そして、出庫用の搬送コンベア4の物品収納部3側の端部が物品取り出し箇所9に相当するものであり、上述の如く出庫用の搬送コンベア4を設けることにより、物品取り出し箇所9が走行経路1の横側方に設けられている。
【0019】
スタッカークレーン2は、走行経路1に沿って設置された走行レール11上を転動する車両前後方向に並ぶ一対の走行輪12を車両横幅方向に2組並べた状態で設けて構成された走行台車13と、走行台車13に立設されて上端部が上部フレーム14にて互いに連結される前後一対の支柱15と、前後一対の支柱15にて案内支持される昇降台16と、昇降台16に支持される基部側部材17に対して物品載置支持用の支持部材18を出退操作自在に設けたフォーク式の前記物品移載装置19とを備えて構成されている。
ちなみに、前後一対の支柱15の夫々は走行台車13のみに支持した状態で設けられており、支柱15の傾きを規制すべく支柱15の上端部を支持するガイドレールは設けられていない。また、走行レール11は、2本設けられている。
【0020】
そして、図1に示すように、スタッカークレーン2は、3つの物品aを積み重ねた物品群を搬送可能に支柱15の高さ等が設定されており、物品収納部3と搬送コンベア4との間で最大3つの物品aを同時に搬送可能に構成されている。
ちなみに、物品収納部3の物品支持面7の高さは、スタッカークレーン2が物品収納部3との間で3つの物品aを積み上げた物品群を受け渡し可能となる高さであり、搬送コンベア4の搬送面の高さは、スタッカークレーン2が搬送コンベア4との間で3つの物品aを積み上げた物品群を受け渡し可能となる高さである。
【0021】
図1に示すように、スタッカークレーン2には、搬送中の物品数を検出する搬送数検出手段21が設けられている。
この搬送数検出手段21は、上下方向に並ぶ状態で支柱15に設けられた3つの搬送物品用存否センサ22にて構成されており、昇降台16を設定高さに昇降移動させた状態において、3つの搬送物品用検出センサ22にて、昇降台16上に積み上げられる物品aのうちの1段目の物品a、2段目の物品a及び3段目の物品aの夫々の存否を検出することにより、搬送中の物品数を検出するように構成されている。
【0022】
また、スタッカークレーン2には、搬送中の物品Aの高さが設定高さ以上であるか否かを検出する高さ異常検出手段23が設けられている。
この高さ異常検出手段23は、支柱15に設けられた異常物品用存否センサ24にて構成されており、昇降台16を設定高さに昇降移動させた状態において、移動物品存否用センサ24にて、3段目の物品aが位置する箇所よりも上方において物品aの存否を検出することにより、搬送中の物品aの高さが設定高さ以上であるか否かを検出するように構成されている。
ちなみに、搬送物品用存否センサ22及び異常物品用存否センサ24の夫々は、一対の支柱の一方に支持された投光器から投光し、それを一対の支柱の他方に支持された受光器にて受光するように構成されている。
【0023】
また、図3に示すように、スタッカークレーン2には、物品収納部3に収納されている物品数を検出する収納数検出手段25が設けられている。
この収納数検出手段25は、昇降台16の上部と下部とに設けられた2つの収納物品用存否センサ26にて構成されており、物品収納箇所8に物品aを収納する際や物品収納箇所8から物品aを取り出す際に、物品収納箇所8に収納された収納対象の物品aや取り出し対象の物品aを昇降台16の上部に設けられた収納物品用存否センサ26にて検出し、これらの物品aを載置する収納対象や取り出し対象ではない物品aを昇降台16の下部に設けられた収納物品存否センサ26にて検出することにより、物品収納箇所8に収納されている物品数を検出するように構成されている。
ちなみに、収納対象の物品aや取り出し対象の物品aが、積み上げた複数の物品aが積み上げられた物品群である場合は、その物品群の最下段の物品aが昇降台16の上部に設けられた収納物品用存否センサ26にて検出される。また、収納物品用存否センサの夫々は、昇降台に支持された投光器にて投光し、それの物品からの反射光を昇降台に支持された受光器にて受光するように構成されている。
【0024】
図1に示すように、物品aは、その底部に前記支持部材18を挿通する挿通用空間a3を備えるものであり、詳しくは、側周部並びに下面を備えた箱部a1と、この箱部a1の下方に挿通用空間a3を形成すべく前記箱部a1から下方に突出し且つ他の物品aに載置するときにその他の物品aにおける箱部a1の上縁部に載置自在な脚部a2とを備えて構成されており、複数を積み上げ可能に構成されている。
【0025】
物品収納設備には、物品aを前記物品収納部3に収納する物品収納処理及び前記物品収納部3から物品aを取り出す物品取出処理を行うように、前記スタッカークレーン2の作動を制御する運転制御手段Hが備えられている。
この運転制御手段Hは、前記物品収納処理として、収納対象の前記物品収納箇所8が物品aを収納していない空状態のときには、前記物品収納箇所8における物品支持面7に物品aを載置する物品載置処理を実行し、且つ、収納対象の前記物品収納箇所8が既に物品aを収納している収納済み状態のときには、先に収納されている物品aの上面部に物品aを載置する物品積み上げ処理を実行するように構成されている。
また、運転制御手段Hは、物品取出処理として、取り出し対象の物品aの上に他の物品aが積み上げられていないときには、その取り出し対象の物品aを前記物品取り出し箇所9に取り出す単独物品搬送処理を実行し、且つ、取り出し対象の物品aの上に取り出しの対象ではない物品aが積み上げられているときには、取り出し対象の物品aを支持した状態で、取り出し対象の物品a及びその取り出し対象の物品aに支持された取り出し対象ではない物品aからなる物品群を前記物品取り出し箇所9に取り出し、次に、その取り出した物品群における取り出し対象ではない物品aを前記物品収納箇所8に収納する複数物品搬送処理を実行するように構成されている。
【0026】
次に、運転制御手段Hについて説明を加える。
図4に示すように、物品収納部3に収納されている物品Aを管理する管理用制御装置H1と、スタッカークレーン2及び搬送コンベア4に対して設けられた搬送用制御装置H2と、スタッカークレーン2に搭載されたクレーン用制御装置H3とが設けられており、これら管理用制御手段H1と搬送用制御手段H2とクレーン用制御手段H3とで運転制御手段Hが構成されている。
ちなみに、管理用制御装置H1と搬送用制御装置H2とが相互に通信可能に構成され、搬送用制御装置H2とクレーン用制御装置H3とが相互に通信可能に構成されている。
また、図示は省略するが、物品収納設備にはスタッカークレーン2と搬送コンベア4との組が複数組設けられており、各組に対して搬送制御装置H2が設けられている。
【0027】
管理用制御装置H1は、物品収納部3に収納される各物品aの収納位置の情報及び各物品aの種類(格納される荷の種類)の情報等を関連付けて管理情報として記憶しており、図外の入力手段にて入庫情報が入力されると、その入庫情報と管理情報とに基づいて、物品収納部3における物品aを収納する物品収納位置を設定するとともに、入庫用の搬送コンベア4による物品aの入庫及びスタッカークレーン2による物品aの収納を指令し、且つ、図外の入力手段にて出庫情報が入力されると、その出庫情報と管理情報とに基づいて、物品収納部3における出庫する物品aが収納されている箇所を物品取出位置として設定するとともに、出庫用の搬送コンベア4による物品aの出庫及びスタッカークレーン2による物品aの取り出しを指令するように構成されている。
【0028】
物品収納位置の設定は、具体的には、入庫情報が1つの物品aを入庫する情報であれば、物品aを収納していない空状態の物品収納箇所8における1段目の位置、1つの物品aが収納されている物品収納箇所8における2段目の位置、2つの物品aが積み上げられた物品群が収納されている物品収納箇所8における3段目の位置のいずれかが物品収納位置として設定される。また、入庫情報が2つの物品aを積み上げた物品群を入庫する情報であれば、物品aを収納していない空状態の物品収納箇所8における1段目と2段目との位置、1つの物品aが収納されている物品収納箇所8における2段目と3段目との位置のいずれかが物品収納位置として設定される。また、入庫情報が3つの物品aを積み上げた物品群を入庫する情報であれば、物品aを収納していない空状態の物品収納箇所8における1段目から3段目の位置が物品収納位置として設定される。
そして、物品収納位置として設定する候補が複数ある場合は、収納されている物品aの数が多い物品収納箇所8が優先的に設定される。それでも物品収納位置として設定する候補が複数ある場合は、搬送コンベア4に近い物品収納箇所8が優先的に設定される。
【0029】
運転制御装置H2は、入庫用の搬送コンベア4による物品aの入庫が指令されると、物品aを図外から物品収納部3近くの物品搬送箇所10まで搬送するように入庫用の搬送コンベア4の作動を制御し、スタッカークレーン2による物品aの収納が指令されると、クレーン用制御装置H3に物品収納処理を指令するように構成されている。また、運転制御装置H2は、出庫用の搬送コンベア4による物品aの出庫が指令されると、物品aを物品取り出し箇所9から図外に搬送するように出庫用の搬送コンベア4の作動を制御し、スタッカークレーン2による物品aの取り出しが指令されると、クレーン用制御装置H3に物品取出処理を指令するように構成されている。
【0030】
クレーン用制御装置H3は、物品収納処理が指令されると、物品搬送箇所10に位置する物品a物品収納部3における物品収納位置に収納すべくスタッカークレーン2の作動を制御し、物品取出処理が指令されると、物品収納部3における物品取出位置から物品aを物品取り出し箇所9に取り出すべくスタッカークレーン2の作動を制御するように構成されている。
ちなみに、搬送物品用存否センサ22、異常物品用存否センサ24及び収納物品用存否センサ26の検出情報はクレーン用制御装置H3に入力されるように構成されている。
【0031】
次に、図5〜7に示すフローチャートに基づいて、運転制御装置Hによる入出庫制御について説明する。
図5に示すように、入庫情報が入力されると、その入庫情報と管理情報とに基づいて、物品収納部3における物品aを収納する物品収納位置を設定し、入庫用の搬送コンベア4を作動させて物品aを図外から物品収納部3近くの物品搬送箇所10まで搬送させた後、設定された物品収納位置に基づいて物品収納制御を実行する。そして、物品収納処理が終了すると、入庫情報に基づいて管理情報を更新する。
【0032】
また、出庫情報が入力されると、その出庫情報と管理情報とに基づいて、物品収納部3における物品aを取り出す物品取出位置を設定し、その設定された物品取出位置に基づいて物品取出制御を実行した後、出庫用の搬送コンベア4を作動させて物品aを物品取り出し箇所9から図外に搬送する。そして、出庫用の搬送コンベア4の搬送が終了すると、出庫情報に基づいて管理情報を更新する。
【0033】
図6に示すように、物品収納処理では、収納対象の物品収納箇所8が物品aを収納していない空状態のとき、つまりは、物品収納位置に1段目が含まれるときは、物品収納箇所8における物品支持面7に物品を載置する物品載置処理を実行し、且つ、収納対象の物品収納箇所8が既に物品aを収納している収納済み状態のとき、つまりは、物品収納位置に1段目が含まれないときは、先に収納されている物品aの上面部に物品aを載置する物品積み上げ処理を実行する。
【0034】
そして、物品収納処理を実行している際に、搬送数検出手段21にて検出されたスタッカークレーン2にて搬送されている物品数が入庫情報による物品数と異なる場合、収納数検出手段25にて検出された物品収納箇所8の物品数が管理情報による物品数と異なる場合、スタッカークレーン2にて搬送されている物品aの高さが高さ異常検出手段23にて設定高さ以上であることが検出された場合は、異常であるとして物品収納処理を停止するように構成されている。
【0035】
図7に示すように、物品取出処理では、取り出し対象の物品aの上に他の物品aが積み上げられていないとき、つまりは、物品取出位置の最上段より上方に物品aが収納されていないときは、単独物品搬送処理を実行し、取り出し対象の物品aの上に他の物品aが積み上げられているとき、つまりは、物品取出位置の最上段より上方に物品aが収納されているときは、複数物品搬送処理を実行する。
【0036】
そして、物品取出処理を実行している際に、搬送数検出手段21にて検出されたスタッカークレーン2にて搬送されている物品数が入庫情報による物品数と異なる場合、収納数検出手段25にて検出された物品収納箇所8の物品数が管理情報による物品数と異なる場合、スタッカークレーン2にて搬送されている物品aの高さが高さ異常検出手段23にて設定高さ以上であることが検出された場合は、異常であるとして物品取出処理を停止するように構成されている。
【0037】
次に、図8に基づいて、物品収納処理について具体的に説明する。尚、この物品収納処理の具体的な説明、及び、後述する物品取出処理の具体的な説明では、便宜上、3箇所の物品収納箇所8を備えた物品収納部3を用い、その3箇所の物品収納箇所8を搬送コンベア4に近い側から順に、左側の物品収納箇所8、中央の物品収納箇所8、右側の物品収納箇所8と称して説明する。また、収納対象の物品aや取り出し対象の物品aについては符号Aを付して説明する。
【0038】
図8(a)に示すように、物品収納処理において、左側の物品収納箇所8に1つの物品aが収納されている状態で、収納対象の物品Aとして1つの物品Aを収納する場合は、物品収納位置は左側の物品収納箇所8の2段目に設定されているので、収納対象の物品Aを左側の物品収納箇所8に収納されている物品aの上面部に載置する物品積み上げ処理を実行する。
【0039】
図8(b)に示すように、物品収納処理において、左側の物品収納箇所8に2つの物品aを積み上げた物品群が収納されている状態で、収納対象の物品として2つの物品Aを積み上げた物品群を収納する場合は、物品収納位置は中央の物品収納箇所8の1段目と2段目とに設定されているので、収納対象の物品Aを中央の物品収納箇所8における物品支持面7に載置する物品載置処理を実行する。
【0040】
図8(c)に示すように、物品収納処理において、左側の物品収納箇所8と中央の物品収納箇所8との夫々に2つの物品aを積み上げた物品群が収納されている状態で、収納対象の物品Aとして1つの物品Aを収納する場合は、物品収納位置8は左側の物品収納箇所8の3段目に設定されているので、収納対象の物品Aを左側の物品収納箇所8に収納されている物品aの上面部に載置する物品積み上げ処理を実行する。
【0041】
図8(d)に示すように、物品収納処理において、左側の物品収納箇所8に3つの物品aを積み上げた物品群が収納され、中央の物品収納箇所8に2つの物品aを積み上げた物品群が収納されている状態で、収納対象の物品Aとして3つの物品Aを積み上げた物品群を収納する場合は、物品収納位置は右側の物品収納箇所8の1段目から3段目に設定されているので、収納対象の物品Aを右側の物品収納箇所8における物品支持面7に載置する物品載置処理を実行する。
【0042】
図8(e)に示すように、物品収納処理において、左側の物品収納箇所8に3つの物品aを積み上げた物品群が収納され、中央の物品収納箇所8に2つの物品aを積み上げた物品群が収納され、右側の物品収納箇所8に3つの物品aを積み上げた物品群が収納されている状態で、収納対象の物品Aとして1つの物品Aを収納する場合は、物品収納位置は中央の物品収納箇所8の3段目に設定されているので、収納対象の物品Aを中央の物品収納箇所8に収納されている物品aの上面部に載置する物品積み上げ処理を実行する。
【0043】
次に、図9に基づいて、物品取出処理について具体的に説明する。
図9(a)に示すように、物品取出処理において、中央の物品収納箇所8に3つの物品aを積み上げた物品群が収納されている状態で、物品取出位置が中央の物品収納箇所8の3段目に設定された場合は、中央の物品収納箇所8の3段目の物品Aが取り出し対象の物品となり、取り出し対象の物品Aの上に他の物品aが積み上げられていないので、取り出し対象の物品Aを物品取り出し箇所9に取り出す単独物品搬送処理を実行する。
【0044】
図9(b)に示すように、物品取出処理において、右側の物品収納箇所8に3つの物品aを積み上げた物品群が収納されている状態で、物品取出位置が右側の物品収納箇所8の1段目から3段目に設定された場合は、右側の物品収納箇所8の1段目から3段目の3つの物品を積み上げた物品群が取り出し対象の物品Aとなり、取り出し対象の物品Aの上に他の物品aが積み上げられていないので、取り出し対象の物品Aを物品取り出し箇所9に取り出す単独物品搬送処理を実行する。
【0045】
図9(c)、(d)に示すように、物品取出処理において、左側の物品収納箇所8に3つの物品aを積み上げた物品群が収納されている状態で、物品取出位置が左側の物品収納箇所8の2段目に設定された場合は、左側の物品収納箇所8の2段目の物品Aが取り出し対象の物品Aとなり、取り出し対象の物品Aの上に3段目の物品aが積み上げられているので、取り出し対象の物品A(左側の物品収納箇所8の2段目の物品A)及びその取り出し対象の物品Aに支持された取り出し対象ではない物品a(左側の物品収納箇所8の3段目の物品a)からなる物品群を物品取り出し箇所9に取り出し(図9(c)参照)、次に、その取り出した物品群における取り出し対象ではない物品aを物品収納箇所8に収納(図9(d)参照)する複数物品搬送処理を実行する。
ちなみに、複数物品搬送処理における取り出し対象ではない物品aを物品収納箇所8に収納する際の物品収納位置の設定は、物品収納処理を実行する際の物品収納位置の設定と同様に設定される。
【0046】
〔別実施の形態〕
(1) 上記実施の形態では、物品aを箱部a1と脚部a2とを備えたボックスパレットとしたが、物品aとしては複数積み上げることができるものであればよく、例えば、物品aをスキッドパレット等のパレットとこのパレットに支持させた直方体形状の荷とを備えたものでもよい。
【0047】
(2) 上記実施の形態では、複数の物品収納箇所8の夫々にて3つの物品aを積み上げた状態で収納するように構成したが、複数の物品収納箇所8の夫々にて2つ又は4つ以上の物品aを積み上げた状態で収納するように構成してもよい。
また、物品収納箇所8を上下方向に複数並べ、その上下に複数並べた物品収納箇所8の夫々にて複数の物品aを積み上げた状態で収納するように構成してもよい。
また、物品収納部3に収納される物品aを全て同じ外形とせず、上下方向の大きさや横幅方向の大きさ異なる等の外形が異なる複数種の物品を収納するように構成してもよい。
【0048】
(3) 上記実施の形態では、物品取出処理として、取り出し対象の物品aの上に取り出し対象ではない物品aが積み上げられているときには、複数物品搬送処理を実行するように構成したが、物品取出処理として、取り出し対象の物品aの上に取り出し対象ではない物品aが積み上げられているときには、取り出し対象の物品aに支持された取り出し対象ではない物品aを、物品収納部3における他の物品収納箇所8、又は、物品収納部3外の物品退避箇所に退避させ、次に、取り出し対象の物品aを物品取り出し箇所9に取り出す分割物品搬送処理を実行するように構成してもよい。
また、上記実施の形態では、複数物品搬送処理における取り出し対象ではない物品aを物品収納箇所8に収納する際の物品収納位置の設定を、物品収納処理を実行する際の物品収納位置の設定と同様に設定するように構成したが、複数物品搬送処理における取り出し対象ではない物品aを物品収納箇所8に収納する際の物品収納位置の設定を、例えば、取り出し対象ではない物品aを取り出し対象の物品aが収納されていた物品収納箇所8に収納する等、異なる条件で物品収納位置を設定するように構成してもよい。
【0049】
(4) 上記実施の形態では、走行台車13を、走行レール11上を転動する車両前後方向に並ぶ一対の走行輪12を車両横幅方向に2組並べた状態で設けて構成し、支柱15を、走行台車13のみに支持した状態で設けたが、走行台車13を、走行レール11上を転動する車両前後方向に並ぶ一対の走行輪12を一組だけ設けて構成し、支柱15を、その上端部をガイドレールにて案内支持される状態で設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】物品収納設備の横側面図
【図2】物品収納設備の平面図
【図3】物品収納設備の正面図
【図4】物品収納設備の制御ブロック図
【図5】入出庫制御のフローチャートを示す図
【図6】物品収納処理のフローチャートを示す図
【図7】物品取出処理のフローチャートを示す図
【図8】物品収納処理の作用図
【図9】物品取出処理の作用図
【符号の説明】
【0051】
1 走行経路
2 スタッカークレーン
3 物品収納部
7 物品支持面
8 物品収納箇所
9 物品取り出し箇所
11 走行レール
12 走行輪
13 走行台車
15 支柱
16 昇降台
17 基部側部材
18 支持部材
19 物品移載装置
a 物品
a1 箱部
a2 脚部
a3 挿通用空間
A 収納対象の物品
A 取り出し対象の物品
H 運転制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行経路に沿って走行する走行台車に立設させた支柱に、物品移載装置を備える昇降台を昇降自在に案内支持させたスタッカークレーンと、
前記走行経路の横側方に設けられた物品収納部と、
物品を前記物品収納部に収納する物品収納処理及び前記物品収納部から物品を取り出す物品取出処理を行うように、前記スタッカークレーンの作動を制御する運転制御手段とが備えられた物品収納設備であって、
前記物品収納部が、前記走行経路に沿って並ぶ複数の物品収納箇所の夫々にて複数の物品を積み上げた状態で収納するように構成され、
前記運転制御手段が、前記物品収納処理として、収納対象の前記物品収納箇所が物品を収納していない空状態のときには、前記物品収納箇所における物品支持面に物品を載置する物品載置処理を実行し、且つ、収納対象の前記物品収納箇所が既に物品を収納している収納済み状態のときには、先に収納されている物品の上面部に物品を載置する物品積み上げ処理を実行するように構成されている物品収納設備。
【請求項2】
前記走行経路の横側方に物品取り出し箇所が設けられ、
前記運転制御手段が、物品取出処理として、取り出し対象の物品の上に他の物品が積み上げられていないときには、その取り出し対象の物品を前記物品取り出し箇所に取り出す単独物品搬送処理を実行し、且つ、取り出し対象の物品の上に取り出しの対象ではない物品が積み上げられているときには、取り出し対象の物品を支持した状態で、取り出し対象の物品及びその取り出し対象の物品に支持された取り出し対象ではない物品からなる物品群を前記物品取り出し箇所に取り出し、次に、その取り出した物品群における取り出し対象ではない物品を前記物品収納箇所に収納する複数物品搬送処理を実行するように構成されている請求項1記載の物品収納設備。
【請求項3】
前記物品移載装置が、前記昇降台に支持される基部側部材に対して物品載置支持用の支持部材を出退操作自在に設けたフォーク式の物品移載装置として構成され、
前記物品が、その底部に前記支持部材を挿通する挿通用空間を備えるものである請求項1又は2記載の物品収納設備。
【請求項4】
前記物品が、側周面並びに下面を備えた箱部と、この箱部の下方に前記挿通用空間を形成すべく前記箱部から下方に突出し且つ他の物品に載置するときにその他の物品における箱部の上縁部に載置自在な脚部とを備えるものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の物品収納設備。
【請求項5】
前記走行台車が、走行レール上を転動する車両前後方向に並ぶ一対の走行輪を車両横幅方向に2組並べた状態で設けて構成され、
前記支柱が、前記走行台車のみに支持した状態で設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の物品収納設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−263121(P2009−263121A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−117406(P2008−117406)
【出願日】平成20年4月28日(2008.4.28)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】