説明

現像ローラー、電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置

【課題】トナーの融着を抑制し、塑性変形を抑制し、出力画像においてセット跡画像や融着スジ画像を抑制し、長期に亘り高品位の画像を得られる現像ローラーを提供する。
【解決手段】軸芯体と、該軸芯体上に順次設けられた弾性層と、樹脂層とを有する現像ローラーにおいて、弾性層と樹脂層との積層体が、ユニバーサル硬度計により100mN/mm2の荷重を加えられたときの圧子の押し込み深さ率が厚さの4.0〜10.0%で、荷重を解放されたときから30分後の歪み率が厚さの0.50%以下であり、弾性層が、ユニバーサル硬度計により100mN/mm2の荷重を加えられたときの圧子の押し込み深さ率が厚さの10.0〜50.0%で、荷重を解放されたときから30分後の歪み率が厚さの1.0〜10.0%であり、樹脂層が周波数10Hz、温度20℃における引張法で測定した弾性率E’が109〜1011Paである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像ローラー、これを用いた電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機や光プリンタ等の電子写真装置の画像形成としては、以下のようなプロセスによる方法が知られている。具体的には、回転可能な感光体を帯電ローラー等の帯電手段により一様に帯電し、一様に帯電した感光体表面に、レーザー光等の露光により静電潜像を形成する。静電潜像を担持した感光体に、現像ローラー表面に薄膜状に形成された現像剤を接触させながら、感光体と現像ローラーを相互に回転させる。このとき、現像ローラーに現像バイアスを印加すると、現像剤は現像ローラー上から感光体上の静電潜像へ移動し、静電潜像はトナー像として現像(可視化)される。その後、感光体上のトナー像は転写部において記録材に転写され、定着部において加熱、加圧等により記録材に定着されることにより、記録材上への画像形成が終了し、画像形成装置外へ排出される。
【0003】
このような画像形成において感光体に現像剤を供給する現像装置としては、以下のような構成を有するものを挙げることができる。現像剤を収納する現像剤容器の開口を閉塞し、且つ、一部を容器外に露出させ、この露出部分において感光体に対向するように現像ローラーが設けられる。現像剤容器内には、現像ローラーに現像剤を供給するトナー供給ローラー、現像ローラー上の現像剤を薄膜に形成する現像ブレードが設けられる。現像ブレードは、その先端近傍、例えば、先端から0.1〜5.0mmの位置において、現像ローラーに当接するように設置され、トナー供給ローラーによって供給された現像ローラー上の現像剤を均一な厚さの薄膜状に形成する。
【0004】
上記現像装置に用いられる現像ローラーには、半導電領域の電気抵抗を有する弾性体ローラーが使用され、感光体、現像ブレード、トナー供給ローラーに圧接し、電圧が印加されて使用される。現像ローラーによるトナーへのストレスが高じると、現像ローラー表面に現像剤が融着し、現像剤の融着部分において、いわゆる融着スジと呼ばれる画像不良が発生する場合がある。現像ローラーへのトナーの融着を抑制するためには、現像ローラーを低硬度材料で形成する方法が有効である。
【0005】
しかしながら、低硬度材料で形成した現像ローラーにおいては、画像形成装置を作動させずに長時間放置すると、現像ブレードや感光体等と、その一定位置が長時間当接することになり、この部分に塑性変形が生じる。その後、画像形成装置を作動して、画像出力を行うと、画像上にセット跡画像と称する画像不良が発生する傾向が高くなる。セット跡画像は、現像ローラーと感光体や現像ブレードとが当接していた部分に対応して発生する横線状の画像不良で、ハーフトーン画像やベタ画像に、濃い横線状のスジとして現れるものである。このような感光体等の当接圧力によって、現像ローラーに生じる塑性変形は、現像ローラーの硬度を高くすることによって抑制することができ、セット跡画像の抑制を図ることができる。
【0006】
以上のように、現像ローラーにおいて、現像剤の融着の抑制と、塑性変形によるセット跡画像の抑制に対する対応策は、相反しており、低硬度でありながら、塑性変形しにくい低圧縮永久歪で、しかも電気的特性のばらつきが少ない現像ローラーが求められている。
【0007】
この要求に応えるべく、現像ローラーの材料改良が様々に試みられている。低硬度、低圧縮永久歪みの現像ローラーとしては、軸芯体の表面に弾性層として特定のポリマーを可塑剤で膨潤させた有機ゲル層を形成し、さらにその外周にカバー層や樹脂層を形成した現像ローラーが報告されている(特許文献1)。
【0008】
しかしながら、低硬度化するために単に架橋点の少ないポリマーを用いて現像ローラーを作製すると圧縮永久歪みが悪化する。このため、現像ブレードとの長期接触によって接触部の変形量が大きくなり、セット跡画像不良が発生する場合がある。特許文献1に記載される現像ローラーにおいては、可塑剤の揮発や漏れを抑制する目的でカバー層を必要とし、製造効率が低下するという問題点がある。
【特許文献1】特開2003−241465号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、トナーの融着を抑制し、塑性変形を抑制し、出力画像においてセット跡画像や融着スジ画像を抑制し、可塑剤等の滲出を抑制し、長期に亘り高品位の画像を得ることができる部材としても安定性が高い現像ローラーを提供することにある。更に、出力画像においてセット跡画像や融着スジ画像を抑制し、現像ローラーからの可塑剤等の滲出による汚染を抑制し、長期に亘り高品位の画像を得ることができる電子写真プロセスカートリッジや、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、弾性層の低硬度化による圧縮永久歪の悪化を高弾性率の樹脂層を設けることで上記課題の解決を図ることができることの知見を得た。即ち、高弾性率の樹脂層により、現像ブレードや感光体との長期接触による現像ローラーにおける塑性変形量の低減を図り、且つ弾性層が低硬度のために現像ローラーの硬度を上昇させず、かぶりも抑制することができることを見出した。かかる知見に基づき、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、軸芯体と、該軸芯体上に順次設けられた弾性層と、樹脂層とを有する現像ローラーにおいて、弾性層と樹脂層との積層体が、ユニバーサル硬度計により100mN/mm2の荷重を加えられたときの圧子の押し込み深さ率が厚さの4.0〜10.0%で、荷重を解放されたときから30分後の歪み率が厚さの0.50%以下であり、弾性層が、ユニバーサル硬度計により100mN/mm2の荷重を加えられたときの圧子の押し込み深さ率が厚さの10.0〜50.0%で、荷重を解放されたときから30分後の歪み率が厚さの1.0〜10.0%であり、樹脂層が周波数10Hz、温度20℃における引張法で測定した弾性率E’が109〜1011Paであることを特徴とする現像ローラーに関する。
【0012】
また、本発明は、上記現像ローラーの製造方法であって、シリコーン材料を加熱による付加反応により硬化させることを特徴とする現像ローラーの製造方法に関する。
【0013】
また、本発明は、電子写真装置に着脱自在に設けられ、薄膜状に形成した現像剤を感光体へ供給し、感光体が担持する静電潜像の現像を行う現像ローラーを有する電子写真プロセスカートリッジにおいて、現像ローラーが上記現像ローラーであることを特徴とする電子写真プロセスカートリッジに関する。
【0014】
また、本発明は、静電潜像を担持する感光体と、該感光体へ薄膜状に形成した現像剤を供給し感光体が担持する静電潜像の現像を行う現像ローラーを有する画像形成装置において、現像ローラーが上記現像ローラーであることを特徴とする画像形成装置に関する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の現像ローラーは、トナーの融着を抑制し、塑性変形を抑制し、出力画像においてセット跡画像や融着スジ画像を抑制し、可塑剤等の滲出を抑制し、長期に亘り高品位の画像を得ることができる部材としても安定性が高い。本発明の電子写真プロセスカートリッジや画像形成装置は、出力画像においてセット跡画像や融着スジ画像を抑制し、現像ローラーからの可塑剤等の滲出による汚染を抑制し、長期に亘り高品位の画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の現像ローラーは、軸芯体と、該軸芯体上に順次設けられた弾性層と、樹脂層とを有する現像ローラーにおいて、弾性層と樹脂層との積層体が、ユニバーサル硬度計により100mN/mm2の荷重を加えられたときの圧子の押し込み深さ率が厚さの4.0〜10.0%で、荷重を解放されたときから30分後の歪み率が厚さの0.50%以下であり、弾性層が、ユニバーサル硬度計により100mN/mm2の荷重を加えられたときの圧子の押し込み深さ率が厚さの10.0〜50.0%で、荷重を解放されたときから30分後の歪み率が厚さの1.0〜10.0%であり、樹脂層が周波数10Hz、温度20℃における引張法で測定した弾性率E’が109〜1011Paであることを特徴とする。
【0017】
本発明の現像ローラーにおける軸芯体は、上層の弾性層、樹脂層を支持可能な強度を有し、導電性を有するものである。軸芯体の材質としては、例えば、炭素鋼、鉄、鋼、アルミニウム、チタン、銅及びニッケル等の合金やこれらの金属を含むステンレス、ジュラルミン、真鍮及び青銅等の合金を挙げることができる。さらにカーボンブラックや炭素繊維をプラスチックで固めた複合材料等の剛直で導電性を示す樹脂を用いることができる。これらのうち、炭素鋼合金等を強度の観点から、好ましいものとして使用することができる。
【0018】
更に、軸芯体は防錆処理をしたものが好ましく、具体的には、軸体にめっき処理や、酸化処理を施したものを用いることができる。かかるめっき処理としては、工業ニッケルめっきを好ましいものとして挙げることができ、めっき厚としては、例えば、5μm等とすることができる。
【0019】
軸芯体は円柱状、円筒状等いずれであってもよいが、円柱状であることがより好ましい。その外径としては、例えば、6〜8mmを挙げることができる。軸芯体の外径が6mm以上であれば、軸体が充分な剛性を有し、画像形成における現像ローラーの撓みを抑制し、ローラー長手方向に亘って均一な画像濃度を得ることができる。軸芯体の外径が8mm以下であれば、全体の体積を低く抑え、充分な厚さの弾性層を確保することができる。
【0020】
本発明の現像ローラーにおける弾性層としては、トナーへ与えるストレスの低減を図ると共に、現像ブレード等との圧接による圧縮永久歪を抑制できる弾性率を有する。かかる弾性層としては、ユニバーサル硬度計により100mN/mm2の荷重を1分間で加えたときの圧子の押し込み深さ率が弾性層の厚さの10.0〜50.0%となる硬度を有する。具体的には、例えば、弾性層の厚さが2〜5mmのとき、ユニバーサル硬度計により100mN/mm2荷重を1分間で加えたときの圧子の押し込み深さが500〜1000μmであることが好ましい。上記荷重を加えたときの圧子の押し込み深さ率が弾性層の厚さの10.0%以上であれば、トナーに与えるストレスを抑制することができ、得られる画像においてトナー融着によるスジの発生を抑制することができる。また、上記荷重を加えたときの圧子の押し込み深さ率が弾性層の厚さの50.0%以下であれば、弾性層の形状を保持して低圧縮永久歪とし、得られる画像においてセット跡画像の発生を抑制することができる。上記荷重を加えたときの圧子の押し込み深さが、厚さ2〜5mmの弾性層の場合、500μm以上1000μm以下であれば、このような効果をより顕著に得ることができる。
【0021】
また、弾性層が、ユニバーサル硬度計により100mN/mm2荷重を1分間で加え、荷重が100mN/mm2に達した後、この100mN/mm2の荷重を1分間で取り除いたときから30分後の歪み率が弾性層の厚さの1.0〜10%となる弾性を有する。具体的には、例えば、弾性層の厚さが2〜5mmのとき、50〜200μmであることが好ましい。上記加重を取り除いたときから30分後の歪み率が弾性層の厚さの1.0%以上であれば、トナーに与えるストレスを抑制することができ、得られる画像においてトナー融着によるスジの発生を抑制することができる。上記加重を取り除いたときから30分後の歪み率が弾性層の厚さの10.0%以下であれば、低圧縮永久歪とし、得られる画像においてセット跡画像の発生を抑制することができる。上記加重を取り除いたときから30分後の歪が、厚さ2〜5mmの弾性層の場合、50μm以上200μm以下であれば、このような効果をより顕著に得ることができる。
【0022】
ここでユニバーサル硬度計としては、市販のもの、例えば、Fischer社製の表面皮膜物性試験機フィッシャースコープH100Cを使用することができ、室温、例えば23℃で行った測定値を採用することができる。
【0023】
このような弾性層を形成する材料としては、具体的には、シリコーンゲル、ウレタンゲル、ポリスチレンゲル、ポリエステルゲル、酢酸ビニル共重合体ゲル、ポリ塩化ビニルゲル、ネオプレンゲル等を含む組成物を挙げることができる。これらのうち、上記弾性率とすることの調整が容易である、加工性に優れ、硬化反応に伴う副生成物の発生がなく寸法安定性が良好である、硬化後の物性が安定している等の理由から、付加反応型シリコーンゲル組成物を特に好ましいものとして挙げることができる。
【0024】
上記シリコーンゲル組成物としては、1分子中に2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン(A)と、1分子中にケイ素原子に結合した2個以上の水素原子を有するオルガノハイドロジェンシロキサン(B)と、白金系触媒(C)とを含むものが好ましい。
【0025】
上記オルガノポリシロキサン(A)はシリコーンゲルの主剤であり、分子構造としては、直鎖状、分岐鎖状、環状、網状いずれであってもよい。オルガノポリシロキサン(A)は1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有することが好ましい。オルガノポリシロキサン(A)のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基を挙げることができ、これらのうち、特にビニル基を好ましいものとして挙げることができる。オルガノポリシロキサン(A)中のアルケニル基の結合位置としては分子鎖末端のケイ素原子、または分子鎖中のケイ素原子いずれであってもよく、またはこの両方に結合したものでもよい。オルガノポリシロキサン(A)中のアルケニル基以外の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基、クロロメチル基、ブロモエチル基等のハロゲン化アルキル基を挙げることができる。これらのうち、特に、メチル基、フェニル基であることが好ましい。
【0026】
オルガノポリシロキサン(A)の分子量は、硬化物がゲル状弾性体となるために、例えば、6,000〜1,000,000が好ましく、特に、12,000〜500,000であることが好ましい。分子量が6,000以上であれば、得られる弾性層が高硬度になることを抑制し、トナーに与えるストレスを抑制することができ、また、分子量が1,000,000以下であれば、作業性が低下するのを抑制することができる。
【0027】
ここで、分子量としては、東ソー製高速液体クロマトグラフ分析装置HLC−8120GPCを用い、溶媒にテトラヒドロフラン、測定温度40℃、流速0.6ml/minの条件下でポリスチレン換算で求めた重量平均分子量を採用することができる。
【0028】
上記付加反応型のシリコーンゲル組成物中に含まれるオルガノハイドロジェンシロキサン(B)は上記オルガノポリシロキサン(A)の架橋剤として用いられ、その分子構造としては、直鎖状、分岐鎖状、環状、網状いずれであってもよい。かかるオルガノハイドロジェンシロキサン(B)としては、1分子中にケイ素原子に結合する少なくとも2個の水素原子を有することが好ましい。オルガノハイドロジェンシロキサン(B)のケイ素原子結合水素原子の結合位置としては分子鎖末端のケイ素原子、または分子鎖中のケイ素原子いずれであってもよく、またはこの両方に結合したものでもよい。その他の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基、クロロメチル基、ブロモエチル基等のハロゲン化アルキル基を挙げることができる。これらのうち、特に、メチル基、フェニル基を好ましいものとして挙げることができる。
【0029】
オルガノハイドロジェンシロキサン( B)の分子量は、500〜1,000,000、特に、2,500〜200,000であることが好ましい。オルガノハイドロジェンシロキサン (B)の分子量が500以上であると揮発を抑制することができ、得られるシリコーンゲルの組成が不安定になるのを抑制することができる。また、オルガノハイドロジェンシロキサン( B)の分子量が1,000,000以下であれば作業性の低下を抑制することができる。
【0030】
オルガノハイドロジェンシロキサン(B)のシリコーンゲル組成物中の含有量は、オルガノポリシロキサン(A)を100重量部とするとき、b/aが0.1〜5.0となる重量部であることが好ましい。ここで、bはオルガノハイドロジェンシロキサン(B)におけるケイ素原子に結合した水素原子の総数を示し、aはオルガノポリシロキサン(A)におけるアルケニル基の総数を示す。即ち、オルガノポリシロキサン(A)中のアルケニル基1モルに対して、オルガノハイドロジェンシロキサン(B)中のケイ素原子結合水素原子が0.1〜5.0モルとなる量である。オルガノポリシロキサン(A)中のアルケニル基1モルに対して、オルガノハイドロジェンシロキサン(B)成分中のケイ素原子結合水素原子が0.1モル以上であれば、シリコーンゲル組成物において十分な架橋が形成される。また、オルガノハイドロジェンシロキサン(B)成分中のケイ素原子結合水素原子が5.0モル以下であれば、シリコーンゲル組成物の架橋後に得られるシリコーンゲルの耐熱性の低下を抑制することができる。
【0031】
上記シリコーンゲル組成物中に含まれる白金系触媒(C)はこのシリコーンゲル組成物の架橋を促進するための触媒である。白金系触媒(C)としては、例えば、白金微粉末、白金黒、白金坦持シリカ微粉末、白金坦持活性炭、塩化白金酸、四塩化白金、塩化白金酸のアルコール溶液、白金とオレフィンの錯体、白金とアルケニルシロキサンの錯体を挙げることができる。更に、これらの白金系触媒を含有してなるポリスチレン樹脂、ナイロン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂等の粒子径が10μm未満の熱可塑性樹脂粉末等を挙げることができる。
【0032】
白金系触媒(C)のシリコーンゲル組成物中の含有量は、オルガノポリシロキサン(A)及びオルガノハイドロジェンシロキサン(B)の架橋形成に充分な量であることが好ましい。具体的には、このシリコーンゲル組成物において白金系触媒(C)中の白金金属が重量単位で0.1〜1,000ppmとなる量であることが好ましく、特に、1〜500ppmとなる量であることが好ましい。シリコーンゲル組成物に含有される白金系触媒(C)中の白金金属が重量単位で0.1ppm以上であれば、このシリコーンゲル組成物の架橋反応を効率よく進行させることができる。また、これが1000ppm以下であれば無駄な使用を抑制することができ、得られるシリコーンゲル架橋物の着色等を抑制することができる。
【0033】
上記弾性層は、上記含有物の機能を阻害しない範囲で、必要に応じて各種添加物を含有していてもよい。具体的には、例えば、導電剤、非導電性充填剤等、各種の添加剤等を挙げることができる。
【0034】
弾性層に導電性を付与する目的に添加する導電剤としては、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム、パラジウム、銀、鉄、銅、錫、ステンレス鋼等の各種導電性金属または合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化モリブデン、酸化錫−酸化アンチモン固溶体、酸化錫−酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物、これらの導電性材料で被覆された絶縁性物質等の微粉末を用いることができる。更にイオン導電剤として、LiClO4、NaClO4等の過塩素酸塩、4級アンモニウム塩等を挙げることができる。これらのうち、カーボンブラックは、比較的容易に入手でき、また、材料の種類に関わらず、良好な帯電性が得られるため、好適に利用できる。
この他にも非導電性充填剤として、珪藻土、石英粉末、乾式シリカ、湿式シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミノケイ酸、炭酸カルシウム、珪酸ジルコニウム、珪酸アルミニウム、タルク、アルミナ、酸化鉄等を配合することができる。
【0035】
上記弾性層の体積固有抵抗値としては、100Vの直流電圧印加時において103〜1010Ω・cmの範囲にあることが好ましい。弾性層の体積抵抗率が1×103〜1×1010Ω・cmであれば、トナーを均一に帯電することができる。弾性層をこのような体積固有抵抗値とするため使用する導電性付与剤の使用量としては、例えば、上記シリコーンゲル組成物にカーボンブラックを使用する場合は、樹脂成分100質量部に対して5〜20質量部とすることができる。
【0036】
ここで、弾性層の体積抵抗率を測定する際には、弾性層の成形時と同じ条件で弾性層材料を硬化して、厚さ2.0mmの弾性層のテストピースを作製し、これを用いて測定を行う。具体的には、弾性層材料をシート状にして130℃のオーブンに入れ20分加熱し、厚み2.0mmのシートを2枚成形し、その後200℃のオーブンで4時間加熱し二次加硫を行う。その後、シートを温度25℃、湿度45%の環境に24時間以上放置し、ハイレスタIP(三菱油化社製)を用いて100Vの電圧印加で測定を行い、2枚のシートから得られる抵抗の値の平均値として、体積抵抗率を求めることができる。
【0037】
上記弾性層の厚さは限定されるものではないが、2〜5mmであることが好ましい。弾性層の厚さが2mm以上であれば、軸芯体の影響を受けて現像ローラーが高硬度になることを抑制することができ、現像ローラー表面にトナーが融着するのを抑制することができる。また、弾性層の厚さが5mm以下であれば、現像ローラーとしての形状を容易に保持することができる。
【0038】
本発明の現像ローラーにおける樹脂層は、上記弾性層上に積層され、現像ローラーに高弾性を付与し、得られる画像におけるセット跡画像不良の発生を抑制するために設けられる。更に、弾性層に含有される可塑剤等が現像ローラー表面へブリードアウトするのを抑制し、感光体の汚染を抑制し、現像ローラー全体の電気抵抗の調整を行うために設けられる。
【0039】
かかる樹脂層は、周波数10Hz、温度20℃における引張法で測定した弾性率E’が109〜1011Paを有する。樹脂層の弾性率が109Pa以上であれば、現像ブレード等との圧接による塑性変形を抑制し、セット跡画像の発生を抑制することができる。また、樹脂層の弾性率が1011Pa以下であれば、現像ローラーの高硬度によるトナーの融着の発生を抑制することができる。
【0040】
ここで、弾性率E’は、JIS K6394の「加硫ゴムの動的性質試験方法」に基づいて動的粘弾性試験装置(DVA−220:アイティー計測制御社製)により、周波数10Hz、温度20℃で測定した値を採用することができる。
【0041】
上記樹脂層を形成する材料としては、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテル樹脂、アミノ樹脂等を挙げることができる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。更に、これらの樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、酸無水物基、アミノ基、イミノ基、イソシアネート基、メチロール基、アルコキシ基、アルデヒド基、エポキシ基、不飽和基等の反応基を有するものが好ましい。これらの中で特に、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂のいずれか1種又は2種以上の混合物は、現像ローラーにおいて、所望の弾性及び硬度を有するものとして調整が容易であることから好ましい。
【0042】
上記樹脂層には、体積平均粒子径が1〜20μmの微粒子を分散させることもできる。微粒子が分散された樹脂層は、トナーの搬送を容易にする表面粗さを有し、充分な量のトナーを現像領域に搬送することができる。樹脂層に分散させる微粒子としては、例えば、ポリメチルメタクリル酸メチル微粒子、シリコーンゴム微粒子、ポリウレタン微粒子、ポリスチレン微粒子、アミノ樹脂微粒子、フェノール樹脂微粒子等のプラスチックピグメントを挙げることができる。これらのうち、特にポリメチルメタクリル酸メチル微粒子及びポリウレタン微粒子が好ましく、これらの微粒子を、これらの微粒子を除く樹脂層構成成分の総質量に対して、約20〜200質量%の範囲で添加することにより、好ましい表面粗さが得られる。
【0043】
更に、樹脂層には、現像ローラー全体の電気抵抗を調整するために導電剤を配合することができる。導電剤としては、各種電子伝導機構を有する導電剤である、カーボンブラック、グラファイト、導電性金属酸化物、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄粉等、またはイオン導電剤であるアルカリ金属塩、およびアンモニウム塩等の微粒子を用いることができる。導電剤は、樹脂層の表面凹凸の形成に影響を及ぼすことなく樹脂層の表面形状のコントロールを容易とするため、その平均粒径が0.08μm以下のものが好ましい。
【0044】
上記樹脂層の体積固有抵抗値としては、100Vの直流電圧印加時において106〜1010Ω・cmの範囲にあることが好ましい。樹脂層の体積固有抵抗値が106〜1010Ω・cmであれば、トナーを均一に帯電することができる。樹脂層をこのような体積固有抵抗値とするため使用する導電剤の使用量としては、例えば、カーボンブラックの場合は、樹脂成分100質量部に対して15〜80質量部等とすることができる。
【0045】
上記樹脂層の厚さとしては、弾性層との関連において、現像ローラーにおいて所望の弾性や硬度を有するように、また、弾性層からの可塑剤のブリードアウトによる感光体の汚染を防止する観点から5μm以上が好ましい。また、現像ローラーの高硬度化によるトナー融着の発生を抑制する観点から、500μm以下が好ましい。樹脂層の厚さのより好ましい範囲としては、10〜30μmである。
【0046】
このような本発明の現像ローラーにおける樹脂層と弾性層との積層体において、かかる積層体としては、ユニバーサル硬度計により100mN/mm2の荷重を1分間で加えたときの圧子の押し込み深さ率が積層体の厚さの4.0〜10.0%となる硬度を有する。具体的には、例えば、弾性層の厚さが2〜5mmのとき、100mN/mm2荷重を1分間で積層体に加えたときの圧子の押し込み深さが200〜500μmであることが好ましい。上記荷重を加えたときの圧子の押し込み深さ率が積層体の厚さの4.0%以上であれば、トナーに与えるストレスを抑制することができ、得られる画像においてトナー融着によるスジの発生を抑制することができる。また、上記荷重を加えたときの圧子の押し込み深さ率が積層体の厚さの10.0%以下であれば、低圧縮永久歪とし、得られる画像においてセット跡画像の発生を抑制することができる。上記荷重を加えたときの圧子の押し込み深さが、弾性層の厚さ2〜5mmの場合、200μm以上500μm以下であれば、このような効果をより顕著に得ることができる。
【0047】
また、弾性層と樹脂層との積層体が、100mN/mm2荷重を1分間で加え、荷重が100mN/mm2に達した後、この100mN/mm2の荷重を1分間で取り除いたときから30分後の歪み率が積層体の厚さの0.50%以下となる弾性を有する。具体的には、例えば、弾性層の厚さが2〜5mmのとき、積層体の10.0μm以下であることが好ましい。上記加重を取り除いたときから30分後の歪み率が積層体の厚さの0.50%以下であれば、低圧縮永久歪とし、得られる画像においてセット跡画像の発生を抑制することができる。上記加重を取り除いたときから30分後の歪が、弾性層の厚さ2〜5mmの場合、10.0μm以下であれば、このような効果をより顕著に得ることができる。
【0048】
本発明の現像ローラーの製造方法として、軸芯体の表面に弾性層を形成するには、上記シリコーンゲル組成物を加熱による付加反応により硬化させる方法が好ましい。例えば、シリコーンゲル組成物を押出成形、プレス成形、射出成形、液状射出成形、注型成形などの各種成形法により成形し、適切な温度、具体的には、100〜150℃、10分〜3時間で加熱、硬化させて軸芯体の表面に弾性層を成形する方法が挙げられる。特に、未硬化材料を円筒形金型内に注入した後、加熱することにより弾性層を軸芯体の周りに形成する方法においては、ローラー形状は使用する円筒形金型の形状をある一定の収縮量のもとに再現するため、十分満足できる形状精度を有するものを得ることができる。
【0049】
このように成形された弾性層上に樹脂層を成形する方法としては、上記未硬化の樹脂を含有する塗工液を調製し、これを浸漬、塗布、噴霧等の方法により、塗膜を形成し、これを加熱、硬化して得る方法を挙げることができる。
【0050】
このような本発明の現像ローラーの一例として、図1の概略断面図、図2の斜視図に示すものを例示することができる。図1、2に示す現像ローラーは、軸芯体15と、該軸芯体15の外周上に同芯円状に順次形成された弾性層16と樹脂層17とを有する。
【0051】
本発明の現像ローラーとしては、弾性層や樹脂層はそれぞれ材質の異なる複数層から構成されるものであってもよく、また、これらの層に加え、例えば易帯電性、耐摩擦性等種々の機能を有する機能層を有するものであってもよい。
【0052】
本発明の画像形成装置は、静電潜像を担持する感光体と、該感光体へ薄膜状に形成した現像剤を供給し感光体が担持する静電潜像の現像を行う現像ローラーを有する画像形成装置において、現像ローラーが上記現像ローラーであることを特徴とする。その一例として、図3に示す画像形成装置を挙げることができる。図3の概略構成図に示す画像形成装置には、矢印方向に回転する静電潜像担持体としての感光体1が設けられる。感光体の周囲には、感光体を一様に帯電するための帯電ローラー2、一様に帯電処理した感光体にレーザービーム3を照射して静電潜像を形成する露光手段、静電潜像を形成した感光体にトナーを供給し静電潜像を現像する現像装置が設けられる。現像装置には、一成分トナーとして非磁性トナー8を収容した現像剤容器14と、現像剤容器の開口を閉塞するように設置され、現像剤容器から露出した部分で感光体と対向するように現像ローラー5が設けられる。現像剤容器内には、現像ローラーにトナーを供給すると同時に現像ローラー上に使用されずに残留するトナーを掻き取るトナー供給ローラー6と、現像ローラー上のトナーを薄膜状に形成すると共に、摩擦帯電する現像ブレード7とが設けられる。現像ローラー上に薄膜状にされたトナーは、現像ローラーに対向する感光体上の静電潜像に移動し、感光体上にトナー像が形成される。
【0053】
一方、給紙ローラーにより供給される紙等の記録材13が転写バイアス電源が印加された転写ローラー9と感光体間に搬送され、ここで記録材の裏面から印加される転写バイアス電荷により、感光体上のトナー像が記録材上に移動する。記録材上のトナー像は定着ローラーと加圧ローラー間で、加熱、加圧され記録材上に定着され、画像形成が完了する。
【0054】
一方、感光体上に転写されずに残存する転写残トナーを除去し表面をクリーニングするクリーニングブレード10が設けられ、感光体から掻き取られた廃トナーを収納する廃トナー容器11等が設けられる。クリーニングされた感光体は画像形成可能状態とされて待機するようになっている。
【0055】
また、本発明の電子写真プロセスカートリッジは、電子写真装置に着脱自在に設けられ、感光体へ薄膜状に形成した現像剤を供給し感光体が担持する静電潜像の現像を行う現像ローラーを有する電子写真プロセスカートリッジにおいて、現像ローラーが上記現像ローラーであることを特徴とする。その一例として、例えば、図3中、帯電ローラー2と、感光体1と、現像ローラー5と、トナー供給ローラー6と、現像ブレード7と、撹拌羽根と、トナーを収納する現像剤容器14とが一体化され、画像形成装置に着脱自在に設けられたものを挙げることができる。各部材の機能は上記画像形成装置における場合と同様であるので、その説明を省略する。本発明の電子写真プロセスカートリッジは、上記の他、感光体上のトナー像を記録材に転写する転写ローラー、クリーニングブレード等の上記の部材と共にまたは上記の部材のいずれか一個または二個以上と交換して一体的に設けたものであってもよい。
【実施例】
【0056】
以下に、本発明の現像ローラー、電子写真プロセスカートリッジ、電子写真画像形成装置を具体的に詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されるものではない。以下、「部」は「質量部」を示す。
【0057】
[実施例1]
直径6mm、長さ250mmのSUM製軸芯体の表面に、シリコーンゴムとの接着性を向上させる目的で、プライマー処理を行った。
【0058】
[弾性層の調製]
ジメチルポリシロキサン(分子鎖両末端にビニル基を有し、重量平均分子量18,000)100.0部、結晶性シリカ5部、カーボンブラック(電気化学工業製デンカブラック、粉状品)5部、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(分子鎖両末端と側鎖にSiH基を有し、重量平均分子量500)3.0部(ジメチルポリシロキサンのビニル基1モルに対して、SiH基が1.1モルとなる量である。)、白金化合物(Pt濃度1%)0.1部を配合し液状組成物を得た。
【0059】
円筒形金型中心部に軸芯体を配置し、円筒形金型内に注入口からこの液状組成物を注入し、130℃で20分間、加熱硬化させ、さらに200℃で4時間ポストキュアーして厚さが5mmの弾性層を得た。
【0060】
[ユニバーサル硬度計による硬度の測定]
得られた弾性層について、100mN/mm2の荷重を加えたときの圧子の押し込み深さと、荷重を解放後30分後の歪み量を、Fischer社製の表面皮膜物性試験機フィッシャースコープH100Cを用いて測定した。圧子は四角錘型ダイヤモンドで±100(mN/mm2)/1.0(min)の速度で荷重を増減させた。結果を表1に示す。
【0061】
[樹脂層の調製]
アクリルポリオール(ダイセル化学工業製DC2016)100部、ウレタン変性ポリメリックMDI(日本ポリウレタン工業製コロネート2520)102部、カーボンブラック(三菱化学製MA−100)20部にMEKを添加した。ボールミルにて5時間分散回転させた後、平均粒径10μmのウレタン微粒子35部を加えて再度1時間分散回転させた。この溶液に弾性層を浸漬させて塗膜を形成し、風乾後、140℃で4時間の熱処理によって、厚さ20μmのアクリル樹脂の樹脂層を作製し、現像ローラーを得た。
【0062】
樹脂層単体でシートを作製し、弾性率E’をアイティー計測制御社製の動的粘弾性測定装置DVA−220を用いて、周波数10Hz、温度20℃で測定した。9.4×1010Paであった。得られた現像ローラーからレーザー加工で樹脂層を剥がして測定すると、9.1×1010Paであった。
【0063】
得られた樹脂層及び弾性層の積層体について、上記と同様にして100mN/mm2の荷重を加えたときの圧子の押し込み深さと、荷重を解放後30分後の歪み量を測定した。結果を表1に示す。
【0064】
[画像評価]
[セット跡画像]
得られた現像ローラーを電子写真プロセスカートリッジに搭載し、40℃、95%R.Hの環境下で一ヶ月放置した。その後、新たに用意した電子写真プロセスカートリッジに現像ローラーを装着し、これをA4版出力用、記録メディアの出力スピードA4縦16枚/分、画像の解像度600dpiの電子写真式レーザービームプリンターに装着した。感光体はアルミシリンダーにOPC(有機光導電体)層をコートした反転現像方式で変性ポリカーボネートをバインダー樹脂とする電荷輸送層を有するものである。得られた画像について、以下の基準により評価を行った。結果を表1に示す。
【0065】
×:現像ローラピッチに明確な横スジが発生し、実用上問題であるレベル。
【0066】
△:横スジは発生するが実用上問題のないレベル。
【0067】
○:横スジが全く見られない。
[トナー融着画像]
現像ローラーを上記電子写真レーザービームプリンターに装着し、幅2ドット、間隔50ドットの横線を描くような画像を10,000枚連続出力した後、幅1ドット、間隔2ドットの横線を描くような画像を出力した。得られた画像について、以下の基準により評価を行った。結果を表1に示す。
【0068】
×:現像ローラー表面、またはブレードへのトナーの融着による画像印字方向と同方向に多数の縦スジが見られるレベル。
【0069】
△:縦スジは見られるが実用上問題のないレベル。
【0070】
○:縦スジが全く見られないレベル。
【0071】
[実施例2]
直径8mm、長さ250mmのSUM製軸芯体の表面に、シリコーンゴムとの接着性を向上させる目的で、プライマー処理を行った。
【0072】
[弾性層の調製]
ジメチルポリシロキサン(分子鎖両末端にビニル基を有し、重量平均分子量86,000)100.0部、結晶性シリカ5部、カーボンブラック(電気化学工業製デンカブラック、粉状品)5部、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(分子鎖両末端と側鎖にSiH基を有し、重量平均分子量7,800)10.1部(ジメチルポリシロキサンのビニル基1モルに対して、SiH基が1.1モルとなる量である。)、白金化合物(Pt濃度1%)0.1部を配合し液状組成物を得た。
【0073】
円筒形金型中心部に軸芯体を配置し、円筒形金型内に注入口からこの液状組成物を注入し、130℃で20分間、加熱硬化させ、さらに200℃で4時間ポストキュアーして厚みが4mmの弾性層を形成した。
【0074】
得られた弾性層について、100mN/mm2の荷重を加えたときの圧子の押し込み深さと、荷重を解放後30分後の歪み量を、実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
【0075】
[樹脂層の調製]
アクリルポリオール(日立化成製ヒタロイド3368)100部、ウレタン変性ポリメリックMDI(日本ポリウレタン工業製コロネート2520)57部、カーボンブラック(三菱化学製MA−100)16部にMEKを添加した。ボールミルにて5時間分散回転させた後、平均粒径10μmのウレタン微粒子18部を加えて再度1時間分散回転させた。この溶液に弾性層を浸漬させて塗膜を形成し、風乾後、140℃で4時間の熱処理によって樹脂層として厚みが18μmのアクリル樹脂の樹脂層を作製し、現像ローラーを得た。
【0076】
[硬度・弾性率の測定、特性画像形成]
樹脂層単体でシートを作製し、その弾性率E’を測定すると2.1×109Paであった。得られた現像ローラーからレーザー加工で樹脂層を剥がして測定すると、1.8×109Paであった。
【0077】
得られた弾性層と、樹脂層及び弾性層の積層体について、実施例1と同様にして100mN/mm2の荷重を加えたときの圧子の押し込み深さと、荷重を解放後30分後の歪み量を測定し、樹脂層の弾性率を測定した。更に、実施例1と同様にして、画像形成を行い、得られた画像について、セット跡画像、トナー融着画像の評価を行った。結果を表1に示す。
【0078】
[実施例3]
[現像ローラーの調製]
弾性層として、ジメチルポリシロキサン(分子鎖両末端にビニル基を有し、重量平均分子量86,000)100.0部に、充填剤として結晶性シリカ5部、カーボンブラック(電気化学工業製デンカブラック、粉状品)5部、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(分子鎖両末端および側鎖にSiH基を有し、重量平均分子量2,300)2.9部(ジメチルポリシロキサンのビニル基1モルに対して、SiH基が1.1モルとなる量である。)、硬化触媒として白金化合物(Pt濃度1%)0.1部を配合して得られた液状組成物を用いた以外は実施例2と同様にして、現像ローラーを得た。
【0079】
[硬度・弾性率の測定、特性画像形成]
得られた弾性層、弾性層及び樹脂層の積層体について、100mN/mm2の荷重を加えたときの圧子の押し込み深さと、荷重を解放後30分後の歪み量を、実施例1と同様にして測定し、樹脂層の弾性率を測定した。更に、実施例1と同様にして、画像形成を行い、得られた画像について、セット跡画像、トナー融着画像の評価を行った。結果を表1に示す。結果を表1に示す。
【0080】
[実施例4]
[現像ローラーの調製]
樹脂層として、ウレタン変性ポリメリックMDI(日本ポリウレタン工業製コロネート2520)の添加量を45部に変更した以外は実施例3と同様にして現像ローラーを得た。
【0081】
[硬度・弾性率の測定、特性画像形成]
樹脂層単体でシートを作製し、その弾性率E’を測定すると1.1×109Paであった。得られた現像ローラーからレーザー加工で樹脂層を剥がして測定すると、1.0×109Paであった。
【0082】
得られた樹脂層及び弾性層の積層体について、実施例1と同様にして100mN/mm2の荷重を加えたときの圧子の押し込み深さと、荷重を解放後30分後の歪み量を測定し、樹脂層の弾性率を測定した。更に、実施例1と同様にして、画像形成を行い、得られた画像について、セット跡画像、トナー融着画像の評価を行った。結果を表1に示す。
【0083】
[実施例5]
直径8mm、長さ250mmのSUM製軸芯体の表面に、シリコーンゴムとの接着性を向上させる目的で、プライマー処理を行った。
【0084】
[現像ローラーの調製]
ジメチルポリシロキサン(分子鎖両末端にビニル基を有し、重量平均分子量930,000)100.0部に、充填剤として結晶性シリカ5部、カーボンブラック(電気化学工業製デンカブラック、粉状品)5部、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(分子鎖両末端および側鎖にSiH基を有し、重量平均分子量300)1.6部(ジメチルポリシロキサンのビニル基1モルに対して、SiH基が5.0モルとなる量)、硬化触媒として白金化合物(Pt濃度1%)0.1部を配合して液状組成物を得た。
【0085】
円筒形金型中心部に軸芯体を配置し、円筒形金型内に注入口からこの液状組成物を注入し、130℃で20分間、加熱硬化させ、さらに200℃で4時間ポストキュアーして厚さが2mmの弾性層を形成した以外は実施例1と同様にして現像ローラーを得た。
【0086】
[硬度・弾性率の測定、特性画像形成]
得られた弾性層、弾性層及び樹脂層の積層体について、100mN/mm2の荷重を加えたときの圧子の押し込み深さと、荷重を解放後30分後の歪み量を、実施例1と同様にして測定し、樹脂層の弾性率を測定した。更に、実施例1と同様にして、画像形成を行い、得られた画像について、セット跡画像、トナー融着画像の評価を行った。結果を表1に示す。
【0087】
[実施例6]
直径6mm、長さ250mmのSUM製軸芯体の表面に、シリコーンゴムとの接着性を向上させる目的で、プライマー処理を行った。
【0088】
[弾性層の調製]
ジメチルポリシロキサン(分子鎖両末端にビニル基を有し、重量平均分子量92,000)100.0部に、充填剤として結晶性シリカ5部、カーボンブラック(電気化学工業製デンカブラック、粉状品)5部、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(分子鎖両末端および側鎖にSiH基有し、重量平均分子量910,000)98.9部(ジメチルポリシロキサンのビニル基1モルに対して、SiH基が0.1モルとなる量である。)、硬化触媒として白金化合物(Pt濃度1%)0.1部を配合した液状組成物を用いた他は実施例1と同様にして弾性層を作製した。
【0089】
[樹脂層の調製]
ウレタン変性ポリメリックMDI(日本ポリウレタン工業製コロネート2520)の添加量を127部とした他は実施例1と同様にして樹脂層を作製し、現像ローラーを得た。
【0090】
[硬度・弾性率の測定、特性画像形成]
樹脂層単体でシートを作製し、その弾性率E’を測定すると9.9×1010Paであった。得られた現像ローラーからレーザー加工で樹脂層を剥がして測定すると、9.9×1010Paであった。
【0091】
得られた弾性層と、樹脂層及び弾性層の積層体について、実施例1と同様にして100mN/mm2の荷重を加えたときの圧子の押し込み深さと、荷重を解放後30分後の歪み量を測定し、樹脂層の弾性率を測定した。更に、実施例1と同様にして、画像形成を行い、得られた画像について、セット跡画像、トナー融着画像の評価を行った。結果を表1に示す。
【0092】
[実施例7]
[現像ローラーの調製]
弾性層として、ジメチルポリシロキサン(分子鎖両末端にビニル基を有し、重量平均分子量6,100)100.0部に、充填剤として結晶性シリカ5部、カーボンブラック(電気化学工業製デンカブラック、粉状品)5部、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(分子鎖両末端および側鎖にSiH基を有し、重量平均分子量62,000)101.6部(ジメチルポリシロキサンのビニル基1モルに対して、SiH基が0.1モルとなる量である。)、硬化触媒として白金化合物(Pt濃度1%)0.1部を配合して得られた液状組成物を用いた以外は実施例2と同様にして現像ローラを得た。
【0093】
[硬度・弾性率の測定、特性画像形成]
得られた弾性層、弾性層及び樹脂層の積層体について、100mN/mm2の荷重を加えたときの圧子の押し込み深さと、荷重を解放後30分後の歪み量を、実施例1と同様にして測定し、樹脂層の弾性率を測定した。更に、実施例1と同様にして、画像形成を行い、得られた画像について、セット跡画像、トナー融着画像の評価を行った。結果を表1に示す。
【0094】
[実施例8]
[現像ローラーの調製]
弾性層として、重量平均分子量1,500のポリプロピレングリコール100.0部に、充填剤として結晶性シリカ5部、カーボンブラック(電気化学工業製デンカブラック、粉状品)5部、トリメチロールプロパンのポリプロピレングリコール付加物にヘキサメチレンジイソシアネートを反応させて得られた三官能のトリイソシアネートをNCO/OHの価が0.6となるように添加して得られた液状組成物を用いた以外は実施例2と同様にして現像ローラーを得た。
【0095】
[硬度・弾性率の測定、特性画像形成]
得られた弾性層、弾性層及び樹脂層の積層体について、100mN/mm2の荷重を加えたときの圧子の押し込み深さと、荷重を解放後30分後の歪み量を、実施例1と同様にして測定し、樹脂層の弾性率を測定した。更に、実施例1と同様にして、画像形成を行い、得られた画像について、セット跡画像、トナー融着画像の評価を行った。結果を表1に示す。
【0096】
[実施例9]
[現像ローラーの調製]
直径6mmのSUM製軸芯体を用いた他は、実施例3と同様にして弾性層を形成した。
【0097】
ポリイミド(宇部興産製UワニスS)100部、カーボンブラック(三菱化学製MA−100)4部にMEKを添加した。ボールミルにて5時間分散回転させた後、平均粒径10μmのウレタン微粒子3部を加えて再度1時間分散回転させた。この溶液に該弾性層を浸漬させて塗膜を形成し、140℃で4時間の熱処理をした後、さらに250℃で3時間の熱処理をして厚みが20μmのポリイミド樹脂層の樹脂層を作製し、現像ローラーを得た。
【0098】
[硬度・弾性率の測定、特性画像形成]
樹脂層単体でシートを作製し、その弾性率E’を測定すると6.7×1010Paであった。得られた現像ローラーからレーザー加工で樹脂層を剥がして測定すると、6.6×1010Paであった。
【0099】
得られた弾性層と、樹脂層及び弾性層の積層体について、実施例1と同様にして100mN/mm2の荷重を加えたときの圧子の押し込み深さと、荷重を解放後30分後の歪み量を測定し、樹脂層の弾性率を測定した。更に、実施例1と同様にして、画像形成を行い、得られた画像について、セット跡画像、トナー融着画像の評価を行った。結果を表1に示す。
【0100】
[比較例1]
樹脂層として、アクリルポリオール(ダイセル化学工業製DC2016)100部、ウレタン変性ポリメリックMDI(日本ポリウレタン工業製コロネート2520)141部、カーボンブラック(三菱化学製MA−100)20部にMEKを添加して得られた液状組成物を用いた以外は実施例3と同様にして現像ローラーを得た。
【0101】
[硬度・弾性率の測定、特性画像形成]
樹脂層単体でシートを作製し、その弾性率E’を測定すると3.8×1012Paであった。
【0102】
得られた弾性層、弾性層及び樹脂層の積層体について、100mN/mm2の荷重を加えたときの圧子の押し込み深さと、荷重を解放後30分後の歪み量を、実施例1と同様にして測定し、樹脂層の弾性率を測定した。更に、実施例1と同様にして、画像形成を行い、得られた画像について、セット跡画像、トナー融着画像の評価を行った。結果を表2に示す。
【0103】
[比較例2]
樹脂層として、ポリテトラメチレングリコール(保土谷化学製PTG1000SN)100部に、イソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業製ミリオネートMT)23部をMEK溶媒中で段階的に混合した。窒素雰囲気下80℃にて7時間反応させて、重量平均分子量Mw=11000、水酸基価20のポリウレタンポリオールを得た。
【0104】
得られたポリウレタンポリオール100部、ウレタン変性ポリメリックMDI(日本ポリウレタン工業製コロネート2520)42部、カーボンブラック(三菱化学製MA−100)20部にMEKを添加して得られた液状組成物を用いた以外は実施例3と同様にして現像ローラーを得た。
【0105】
[硬度・弾性率の測定、特性画像形成]
樹脂層単体でシートを作製し、その弾性率E’を測定すると5.5×107Paであった。
【0106】
得られた弾性層、弾性層及び樹脂層の積層体について、100mN/mm2の荷重を加えたときの圧子の押し込み深さと、荷重を解放後30分後の歪み量を、実施例1と同様にして測定し、樹脂層の弾性率を測定した。更に、実施例1と同様にして、画像形成を行い、得られた画像について、セット跡画像、トナー融着画像の評価を行った。結果を表2に示す。
【0107】
[比較例3]
弾性層として、ジメチルポリシロキサン(分子鎖両末端にビニル基を有し、重量平均分子量930,000)100.0部に、充填剤として結晶性シリカ12部、カーボンブラック(電気化学工業製デンカブラック、粉状品)5部、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(分子鎖両末端および側鎖にSiH基を有し、重量平均分子量88,000)10.4部(ジメチルポリシロキサンのビニル基1モルに対して、SiH基が1.1モルとなる量である。)、硬化触媒として白金化合物(Pt濃度1%)0.1部を添加した液状組成物を用いた以外は実施例2と同様にして現像ローラーを得た。
【0108】
[硬度・弾性率の測定、特性画像形成]
得られた弾性層、弾性層及び樹脂層の積層体について、100mN/mm2の荷重を加えたときの圧子の押し込み深さと、荷重を解放後30分後の歪み量を、実施例1と同様にして測定し、樹脂層の弾性率を測定した。更に、実施例1と同様にして、画像形成を行い、得られた画像について、セット跡画像、トナー融着画像の評価を行った。結果を表2に示す。
【0109】
[比較例4]
弾性層として、ジメチルポリシロキサン(分子鎖両末端にビニル基を有し、重量平均分子量17,200の)100.0部に、充填剤として結晶性シリカ12部、カーボンブラック(電気化学工業製デンカブラック、粉状品)5部、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(分子鎖両末端および側鎖にSiH基を有し、重量平均分子量300)1.9部(ジメチルポリシロキサンのビニル基1モルに対して、SiH基が1.1モルとなる量)、硬化触媒として白金化合物(Pt濃度1%)0.1部を添加した液状組成物を用いた以外は実施例3と同様にして現像ローラーを得た。
【0110】
[硬度・弾性率の測定、特性画像形成]
得られた弾性層、弾性層及び樹脂層の積層体について、100mN/mm2の荷重を加えたときの圧子の押し込み深さと、荷重を解放後30分後の歪み量を、実施例1と同様にして測定し、樹脂層の弾性率を測定した。更に、実施例1と同様にして、画像形成を行い、得られた画像について、セット跡画像、トナー融着画像の評価を行った。結果を表2に示す。
【0111】
【表1】

【0112】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明の現像ローラーの一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の現像ローラーの一例を示す概略斜視図である。
【図3】本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0114】
1 感光体
2 帯電ローラー
3 レーザービーム
4 加圧ローラー
5 現像ローラー
6 トナー供給ローラー
7 現像ブレード
8 トナー
9 転写ローラー
10 クリーニングブレード
11 廃トナー容器
12 定着ローラー
13 記録材
14 現像剤容器
15 軸芯体
16 弾性層
17 樹脂層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸芯体と、該軸芯体上に順次設けられた弾性層と、樹脂層とを有する現像ローラーにおいて、弾性層と樹脂層との積層体が、ユニバーサル硬度計により100mN/mm2の荷重を加えられたときの圧子の押し込み深さ率が厚さの4.0〜10.0%で、荷重を解放されたときから30分後の歪み率が厚さの0.50%以下であり、弾性層が、ユニバーサル硬度計により100mN/mm2の荷重を加えられたときの圧子の押し込み深さ率が厚さの10.0〜50.0%で、荷重を解放されたときから30分後の歪み率が厚さの1.0〜10.0%であり、樹脂層が周波数10Hz、温度20℃における引張法で測定した弾性率E’が109〜1011Paであることを特徴とする現像ローラー。
【請求項2】
弾性層が、2〜5mmの厚さを有し、ユニバーサル硬度計により100mN/mm2の荷重を加えられたときの圧子の押し込み深さが500μmから1000μmで、荷重を解放されたときから30分後の歪みが50μmから200μmであり、前記弾性層と樹脂層との積層体が、ユニバーサル硬度計により100mN/mm2の荷重を加えられたときの圧子の押し込み深さが200μmから500μmで、荷重を解放されたときから30分後の歪みが10.0μm以下であることを特徴とする請求項1記載の現像ローラー。
【請求項3】
弾性層が、シロキサン結合を有するシリコーンゲル組成物で形成されたことを特徴とする請求項1または2記載の現像ローラー。
【請求項4】
シリコーンゲル組成物が、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有する分子量6,000〜1,000,000のオルガノポリシロキサン(A)を100.0重量部と、
1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する分子量500〜1,000,000のオルガノハイドロジェンシロキサン(B)を、ケイ素原子に結合した水素原子の総数(b)が、オルガノポリシロキサン(A)のアルケニル基の総数(a)に対して、b/aが0.1〜5.0となる重量部と、
白金系触媒(C)を(A)及び(B)との結合に充分な量とを含むことを特徴とする請求項3記載の現像ローラー。
【請求項5】
樹脂層が、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂の中から選ばれた一種又は二種以上を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか記載の現像ローラー。
【請求項6】
請求項3から5のいずれか記載の現像ローラーの製造方法であって、シリコーンゲル組成物を加熱による付加反応により硬化させることを特徴とする現像ローラーの製造方法。
【請求項7】
電子写真装置に着脱自在に設けられ、薄膜状に形成した現像剤を感光体へ供給し、感光体が担持する静電潜像の現像を行う現像ローラーを有する電子写真プロセスカートリッジにおいて、現像ローラーが請求項1から5のいずれか記載の現像ローラーであることを特徴とする電子写真プロセスカートリッジ。
【請求項8】
静電潜像を担持する感光体と、該感光体へ薄膜状に形成した現像剤を供給し感光体が担持する静電潜像の現像を行う現像ローラーを有する画像形成装置において、現像ローラーが請求項1から5のいずれか記載の現像ローラーであることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−20531(P2008−20531A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−190404(P2006−190404)
【出願日】平成18年7月11日(2006.7.11)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】