説明

現像装置、プロセスユニット、画像形成装置

【課題】回転軸とボールベアリングの内輪との間からのトナーの漏出を、コストを抑制しつつ長期にわたって安定的に防止することができる。
【解決手段】回転軸23aを有し、回転軸23aの回転によって、ハウジング内に収容されたトナーを移動させる回転部材と、回転軸23aを前記ハウジングに対して回転可能に保持するボールベアリング24と、を備え、前記トナーを用いて、感光体の外周面に形成された静電潜像を現像する現像装置であって、
回転軸23aのボールベアリング24の内輪24aに対向する部分における第1の部位(接点R近傍部位)と、ボールベアリング24の内輪24aの前記第1の部位に対応する第2の部位(接点P近傍部位)とが、回転軸23aの周方向の全周にわたって、互いの間の隙間にトナーの平均粒径よりも大きな粒径を有するキャリア粒子61を保持する粒子保持部70を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体上の静電潜像を現像する現像装置、当該現像装置および感光体を有するプロセスユニット、および、当該プロセスユニットを有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナーによってフルカラー画像を電子写真方式によって形成するプリンタ、複写機等の画像形成装置には、Y、M、C、Kの各色のトナーによるトナー画像をそれぞれ形成するプロセスユニットが設けられている。各プロセスユニットによって形成される各色のトナー画像は、通常、中間転写ベルト上に転写された後に、記録シートに転写されて定着される。
【0003】
各プロセスユニットには、回転可能になった感光体ドラム、感光体ドラム上に静電潜像を形成するために感光体ドラムを帯電させる帯電器、感光体ドラム上に形成された静電潜像を所定の色のトナーにて現像する現像装置等が設けられている。現像装置には、Y、M、C、Kのそれぞれの色のトナーのみによって構成される1成分現像剤を用いる場合と、トナーと磁性のキャリアとを含む2成分現像剤を用いる場合とがある。
【0004】
各プロセスユニットの現像装置には、通常、感光体ドラムとは平行な状態で対向配置された現像ローラと、現像ローラとは平行に設けられた搬送スクリューとがハウジング内に設けられている。ハウジング内に供給されるトナーは、搬送スクリューによってハウジングにおける一方の端部から他方の端部に搬送され、現像ローラによって感光体ドラムへと供給され、感光体ドラム上の静電潜像に付着する。これにより、感光体ドラム上の静電潜像がトナーによって現像(顕像化)される。
【0005】
搬送スクリューは、直線状に延びる回転軸の周囲に螺旋状に搬送羽根が設けられており、回転軸のそれぞれの端部が、ハウジングの両側の各側面に、軸受け(ベアリング)によって、それぞれ回転可能に支持されている。また、現像ローラを構成する現像スリーブも、両側に設けられた回転軸が、ハウジングの両側の各側面に軸受けによって、それぞれ回転可能に支持されている。
【0006】
現像装置のハウジング内に収容されたトナーは微小な粉体であるために、搬送スクリューあるいは現像スリーブの回転軸の端部を支持する軸受けと回転軸との間から、ハウジングの外部に漏出するおそれがある。
ハウジング内のトナーが外部に漏出するとトナーが浪費されるために、経済性が損なわれることになる。また、現像装置の周囲が漏出したトナーによって汚染されるために、画像形成動作実行の際に、高品質な画像を形成できないおそれもある。
【0007】
ここで、軸受けと回転軸との間に隙間が生じないように、回転軸が軸受けに圧入され、締まり嵌めによって軸受けが回転軸の外周面に圧接される構成とすることも考えられるが、この場合、組み付けが容易でないという問題がある。そのため、従来、組み付けを容易にする目的で軸受けの回転軸が挿入される開口部と回転軸の外周面との間には若干の隙間が設けられている。ところが、組み付けを容易にするためには、どうしても当該隙間の大きさがトナーの平均粒径よりも大きくならざるを得ない。そのため、そこからトナーが漏出するおそれがあり、トナー漏れの問題を解消するために、従来から当該隙間をシールする構成がとられている。
【0008】
特許文献1には、2成分現像剤を用いる現像装置において、ベアリングにて支持される回転軸に嵌合された磁性体プレートと、磁性体プレートに対向するハウジング内の側面部分に設けられたマグネットとの間に、ハウジング内に収容されたキャリアを保持することによって、ハウジングの側面に設けられたベアリングに向ってトナーが流動することを防止する構成が開示されている。
【0009】
また、特許文献2には、回転軸を回転可能に保持する滑り軸受け(他端側供給ローラ用軸受け)において、回転軸が挿通される開口部のハウジング内側周縁部に開口部よりも内径の大きな円筒状の小径部が、開口部と同軸上に一体的に設けられており、当該円筒内部にリング状シール部材(第二軸受けシール)が圧入により装着され、当該リング状シール部材および上記滑り軸受けの開口部に回転軸が挿通される構成が開示されている。上記リング状シール部材は、回転軸に対して締まり嵌めによって回転軸の外周面に圧接されており、これにより、回転軸と軸受けとの間をシールしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平05−134540号公報
【特許文献2】特開2006−154431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1に開示された構成では、回転軸に嵌合された磁性体プレートと、磁性体プレートに対向するマグネットとの間に保持されたキャリアによって、回転軸に沿ってトナーがベアリングに向って流動することを防止することができる。
しかしながら、マグネットや磁性体プレートといった別部材を用いるために、コストアップの要因となる。
【0012】
特許文献2に開示された構成では、回転軸を回転可能に保持する滑り軸受けは、ハウジングの側面に対して固定された状態になっており、固定された滑り軸受けに対してリング状シール部材が圧入により固定的に装着されている。従って、滑り軸受けに支持された回転軸は、固定された状態のリング状シール部材に対して回転することになる。
このような構成では、別部材のリング状シール部材を用いるため、やはり、コストアップの要因となる。さらに、回転軸がリング状シール部材に対して摺動するため、当該リング状シール部材および回転軸が摩耗するおそれがある。その結果、リング状シール部材による回転軸との間のシール性が低下し、トナーの漏出を、長期にわたって安定的に防止できなくなるおそれがある。
【0013】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、コストを抑制しつつ、軸受けと回転軸との間のシール性を長期にわたって安定的に確保することができる現像装置を提供することにある。本発明の他の目的は、そのような現像装置を有するプロセスユニットおよび画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明に係る現像装置は、回転軸を有し、当該回転軸の回転によって、ハウジング内に収容されたトナーを移動させる回転部材と、前記回転軸を前記ハウジングに対して回転可能に保持する転がり軸受け部と、を備え、前記トナーを用いて、感光体の外周面に形成された静電潜像を現像する現像装置であって、前記回転軸の前記転がり軸受け部に対向する部分における第1の部位と、前記転がり軸受け部の内輪の前記第1の部位に対応する第2の部位とが、前記回転軸の周方向の全周にわたって、互いの間の隙間にトナーの平均粒径よりも大きな平均粒径のシール粒子を保持する粒子保持部を構成することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係るプロセスユニットは、前記現像装置を有することを特徴とする。
さらに、本発明に係る画像形成装置は、前記プロセスユニットが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
上記構成により、本発明の現像装置は、粒子保持部により回転軸と転がり軸受け部の内輪との間の隙間に、前記回転軸の周方向の全周にわたってシール粒子が保持されて当該隙間を塞ぐので、前記保持されたシール粒子によって当該隙間を通じてハウジング外部へとトナーが漏出するのを防止することができる。
また、粒子保持部に保持された粒子は、保持された状態のまま回転軸および内輪と一体となって回転するため、両者が摩耗して隙間が広がることが抑制され、回転軸と転がり軸受け部の内輪との間のシール性を長期にわたって安定的に確保することができる。
【0017】
さらに、別部材としてのシール部材を用いないため、部品点数を減じてコスト抑制に資することができる。
また、前記シール粒子が前記粒子保持部に保持された状態において、シール粒子と前記第2の部位との接点をP、当該シール粒子の中心点をQ、当該シール粒子と前記第1の部位との接点をRとしたとき、角PQRは鈍角であってもよい。
【0018】
これにより、シール粒子が粒子保持部により安定的に保持され、上記シール性の安定性が向上する効果がある。
さらに、前記隙間の前記回転軸の径方向における大きさは、前記シール粒子の平均粒径よりも小さく平均粒径の半分よりも大きくてもよい。
このようにすることによっても、シール粒子が粒子保持部により安定的に保持され、上記シール性の安定性が向上する効果がある。
【0019】
ここで、前記シール粒子は、前記トナーとは反対の極性に帯電する特性を有してもよい。
これにより、シール粒子の周囲に存在するトナーが、シール粒子の表面に静電気力により付着して、シール粒子間の隙間やシール粒子と内輪および回転軸との間の隙間を埋めて塞ぐため、これらの隙間を通じてハウジング外部へとトナーが漏出するのを防止することができる。
【0020】
また、ここで、前記シール粒子は、金属から成ってもよい。
これにより、樹脂から成るトナーと金属から成るシール粒子が接触する際に接触帯電によりトナーが帯電するため、トナーがシール粒子表面により付着しやすくなって、ハウジング外部へとトナーが漏出するのをより確実に防止することができる。
ここで、さらに、前記金属は、鉄であってもよい。
【0021】
これにより、汎用性が高く耐久性に優れた鉄を用いてシール粒子を作成できるため、コストを抑制しつつ、より長期的に安定してハウジング外部へのトナーの漏出を防止することができる。
ここで、また、前記ハウジングは、その内部にトナーとキャリアを含む2成分現像剤を収容し、前記シール粒子は、前記キャリアであってもよい。
【0022】
これにより、ハウジング内に収容されている現像剤中のキャリアをシール粒子に兼用するため、別個にシール粒子を用意する必要が無く、さらにコスト抑制に資することができる。
さらに、ここで、前記回転軸は、前記粒子保持部における外周面の表面粗さRmaxが、6.3s以上25s以下であってもよい。
【0023】
これにより、粒子保持部における回転軸の表面に存在する凹凸の凹部にシール粒子が嵌ることで、より安定的に粒子保持部にシール粒子が保持される効果がある。
また、前記回転軸は、前記粒子保持部を含むその前記ハウジング内側の外周面に周方向に沿って全周にわたって溝が設けられていてもよい。
これにより、溝内部に溜まった複数のシール粒子が、粒子保持部に保持されたシール粒子をバックアップするようにハウジング内部側から支え、シール粒子がより安定的に粒子保持部に保持される効果がある。
【0024】
さらに、前記回転軸は、少なくとも前記粒子保持部における外周面が樹脂により形成されていてもよい。
これにより、粒子保持部における回転軸表面は、シール粒子よりも柔らかい樹脂より成るため、シール粒子が粒子保持部に保持される際に回転軸表面がシール粒子により押さえつけられて当該シール粒子の形に凹部が形成され、シール粒子がより安定的に保持されやすいという効果がある。
【0025】
ここで、前記転がり軸受け部は、軸受け保持部を介して前記ハウジングの側面に保持されており、前記回転軸は、前記軸受け保持部に設けられた貫通穴を貫通しており、前記貫通穴は、前記ハウジングの外側に向かうにつれて径が小さくなっており、前記転がり軸受け部の内輪の外径の大きさは、前記貫通穴の径の最小値よりも大きくてもよい。
これにより、前記貫通穴の壁面は、ハウジングの外側に向かうほど回転軸に近くなっていくテーパー形状をしているため、回転部材により移動される際の現像剤の圧力により貫通穴内をハウジング外部側へと押し出された現像剤のキャリアが、当該テーパー形状によって粒子保持部へと案内され、キャリアが粒子保持部により保持されやすくなるという効果がある。
【0026】
さらに、軸受け部の内輪の外径が貫通穴の径の最小値よりも大きいので、内輪が貫通穴内部に侵入することなく、内輪を安定的に保持することが出来る。
また、ここで、前記軸受け保持部は、前記ハウジングの側面に着脱可能になっていてもよい。
これにより、回転部材をハウジングに対して組み付ける際に、回転部材の回転軸の端部に装着された転がり軸受け部を軸受け保持部によって保持した状態で、当該軸受け保持部をハウジング側面に装着することができるため、回転部材をハウジングに対して容易に組み付けることができる。
【0027】
ここで、さらに、前記軸受け保持部は、前記ハウジングの側面に一体的に形成されていてもよい。
これにより、部品点数を減じて、コスト抑制に資することができる。
ここで、また、前記内輪のハウジング内側の端面が、前記軸受け保持部における前記貫通穴の周縁部に、全周にわたって接触していることにより、前記内輪と前記周縁部との間がシールされていてもよい。
【0028】
これにより、軸受け保持部における貫通穴の周縁部と転がり軸受け部の内輪との間からのトナーの漏出を防止することができる。
さらに、ここで、前記転がり軸受け部の内輪と、前記軸受け保持部における前記貫通穴の周縁部との間に、その間を全周にわたってシールする側面シール部材が設けられていてもよい。
【0029】
これにより、軸受け保持部における貫通穴の周縁部と転がり軸受け部の内輪との間からのトナーの漏出をより一層確実に防止することができる。
さらに、前記転がり軸受け部の内輪と外輪との間に流動性シール材が充填されていてもよい。
これにより、転がり軸受け部の内輪と軸受け保持部における貫通穴の周縁部との間からトナー流出した場合にも、内輪と外輪との間を通ってトナーが外部に漏出することを防止することができる。
【0030】
ここで、前記転がり軸受け部は、内輪と外輪との間における前記貫通穴の周縁部に対向する側部を、全周にわたってシールするベアリングシール部材を有してもよい。
これによっても、転がり軸受け部の内輪と軸受け保持部における貫通穴の周縁部との間からトナー流出した場合にも、内輪と外輪との間を通ってトナーが外部に漏出することを防止することができる。
【0031】
また、ここで、前記ベアリングシール部材は、前記転がり軸受け部の内輪と、前記周縁部との間を全周にわたってシールしてもよい。
これにより、転がり軸受け部の内輪と軸受け保持部における貫通穴の周縁部とを互いに接触させずに、内輪に対向する軸受け保持部における貫通穴の周縁部と内輪との間からトナーが外部に漏出することを防止することができる。
【0032】
また、本発明は、上述の現像装置を備えたプロセスユニット、および、当該プロセスユニットを備えた画像形成装置としても、同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態に係る現像装置が設けられた画像形成装置であるタンデム型カラーデジタルプリンタの構成を示す模式図である。
【図2】図1に示すプリンタのプロセスユニットに設けられた現像装置の斜視図である。
【図3】図2に示す現像装置の縦断面図である。
【図4】図3に示す現像装置の縦断面図において円Fで囲まれた軸受け部分の概略構成を示す拡大図である。
【図5】図3に示す現像装置の縦断面図において円Gで囲まれた軸受け部分の概略構成を示す拡大図である。
【図6】回転軸保持機構の構成を模式的に示す断面図であって、(a)は、図4において円Hで囲まれた部分の概略構成を模式的に示す拡大図であり、(b)は、(a)において円Kで囲まれた部分を更に拡大して示す図である。
【図7】回転軸とボールベアリングの内輪との間の隙間の大きさが、図6よりも大きい場合の回転軸保持機構の構成を模式的に示す一部拡大断面図であって、(a)は、図6(a)と同様の拡大図であり、(b)は、(a)において円Jで囲まれた部分を更に拡大して示す図である。
【図8】キャリア粒子が2つの仮想平面に接触している状態における3つの異なる場合を模式的に示す断面図であって、(a)は、角PQRが鈍角の場合を示し、(b)は、角PQRが直角の場合を示し、(c)は、角PQRが鋭角の場合を示す断面図である。
【図9】ボールベアリングの内輪の内周面側の縁にラウンドエッジ加工が施されている場合における回転軸保持機構の構成を模式的に示す一部拡大断面図であって、(a)は、図7(a)と同様の拡大図であり、(b)は、図7(a)において円Jで囲まれた部分に相当する部分を更に拡大して示す断面図である。
【図10】本発明の変形例1においてキャリアが粒子保持部に保持されている状態を模式的に示す断面図である。
【図11】本発明の変形例2においてキャリアが粒子保持部に保持されている状態を模式的に示す断面図である。
【図12】本発明の変形例3においてキャリアが粒子保持部に保持されている状態を模式的に示す断面図であって、(a)は、突起部が回転軸側に設けられている場合を示す図であり、(b)は、突起部が内輪側に設けられている場合を示す図である。
【図13】本発明の変形例4においてキャリアが粒子保持部に保持されている状態を模式的に示す断面図である。
【図14】本発明の変形例5における回転軸支持機構の概略構成を模式的に示す断面図である。
【図15】本発明の変形例6における回転軸支持機構の概略構成を模式的に示す断面図である。
【図16】本発明の変形例7における回転軸支持機構の概略構成を模式的に示す断面図である。
【図17】本発明の変形例8における回転軸支持機構の概略構成を模式的に示す断面図である。
【図18】本発明の変形例9における回転軸支持機構の概略構成を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明に係る現像装置の実施の形態を、タンデム型デジタルカラープリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)に適用した場合を例にして図面に基づいて説明する。なお、図面に示された本発明の実施の形態および各変形例に係るプリンタおよび現像装置を構成する各構成部材の態様は模式的なものであり、各構成部材の大きさや位置等における相対的な関係は必ずしも正確に図面に示された通りでなくてもよい。
<実施の形態>
<プリンタの全体構成>
図1は、本発明の実施形態に係る現像装置が設けられた画像形成装置であるプリンタの構成を示す模式図である。このプリンタは、プリント(印刷)ジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいて、周知の電子写真方式により、フルカラーあるいはモノクロの画像を記録用紙、OHPシート等の記録シートに形成する。
【0035】
プリンタは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナーによるトナー画像を記録シート上に形成する画像形成部Aと、画像形成部Aの下方に配置されて、画像形成部Aに供給される記録シートが内部に収容された複数の給紙カセットを有する給紙部Bとを備えている。
画像形成部Aは、プリンタのほぼ中央部において駆動ローラ42および従動ローラ43に水平状態に巻き掛けられて周回移動可能になった中間転写ベルト41を備えている。中間転写ベルト41は、図示しないモーターによって、矢印Xで示す方向に周回移動するようになっている。
【0036】
中間転写ベルト41の下方には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナーによって中間転写ベルト41上にトナー画像を順次形成するためのプロセスユニット10Y、10M、10C、10Kが、中間転写ベルト41の周回移動方向の上流側からこの順番で配置されている。
各プロセスユニット10Y、10M、10C、10Kのそれぞれは、画像形成部Aに対して着脱可能に構成されており、プリンタにおける正面側から内奥側(背面側)に向って画像形成部A内に挿入されることにより画像形成部Aに装着される。各プロセスユニット10Y、10M、10C、10Kのそれぞれは、寿命に達すると新たなプロセスユニット10Y、10M、10C、10Kに交換される。
【0037】
プロセスユニット10Y、10M、10Cの3つは、同様の構成になっており、K色のトナーによってトナー画像を形成するプロセスユニット10Kは、大きさが他のプロセスユニット10Y、10M、10Cよりも大きくなっている。全てのプロセスユニット10Y、10M、10C、10Kは、使用されるトナーの色が異なること以外は、同様の機能を有しているために、以下においては、主として、プロセスユニット10Yの構成について説明する。
【0038】
プロセスユニット10Yには、中間転写ベルト41に対向して配置された感光体ドラム11が設けられている。この感光体ドラム11は、軸方向が、中間転写ベルト41の幅方向に沿った状態になっており、プリンタにおける正面側の端部から内奥側の端部にわたって直線状に配置されている。各感光体ドラム11は、矢印Eで示す方向に回転されるようになっている。
【0039】
各感光体ドラム11の下方には、感光体ドラム11の表面にレーザ光を照射して静電潜像を形成する露光装置13Yが設けられている。露光装置13Yは、画像形成部Aに取り付けられている。なお、他のプロセスユニット10M、10C、10Kにおける感光体ドラム11を露光する露光装置13M、13C、13Kも、それぞれ画像形成部Aに取り付けられている。
【0040】
プロセスユニット10Yには、露光装置13Yからレーザ光が照射される感光体ドラム11の表面位置に対して回転方向の上流側には、感光体ドラム11の表面を一様に帯電させる帯電装置12が、感光体ドラム11に近接して配置されており、また、回転方向の下流側には、現像装置20が配置されている。回転される感光体ドラム11の表面は、帯電装置12にて帯電された後に、露光装置13Yから照射されるレーザ光によって静電潜像が形成され、さらにその後に、感光体ドラム11の表面に形成された静電潜像が、現像装置20にてトナーにより顕像化される。
【0041】
感光体ドラム11の上方には、中間転写ベルト41を挟んで対向配置された1次転写ローラ15Yが設けられている。現像装置20にて現像された感光体ドラム11上のトナー画像は、1次転写ローラ15Yによって中間転写ベルト41の外周面上に転写される。なお、1次転写ローラ15Yは、画像形成部Aに取り付けられている。
他のプロセスユニット10M、10C、10Kにおける感光体ドラム11上にも、それぞれの感光体ドラム11上に形成された画像を中間転写ベルト41に転写する1次転写ローラ15M、15C、15Kが、それぞれ画像形成部Aに取り付けられており、それぞれの感光体ドラム11上に形成されたトナー画像は、各1次転写ローラ15Y、15M、15C、15Kによって、中間転写ベルト41上の同一領域上にそれぞれ転写される。
【0042】
プロセスユニット10Yには、トナー画像が中間転写ベルト41上に転写された後に感光体ドラム11の表面に残留しているトナーを除去清掃する清掃装置16、清掃装置16によって清掃された感光体ドラム11の表面を除電する除電装置17が設けられている。なお、他のプロセスユニット10M、10C、10Kにも、感光体ドラム11の清掃装置16および除電装置17がそれぞれ設けられている。
【0043】
中間転写ベルト41は、各1次転写ローラ15Y、15M、15C、15Kによって転写されたトナー画像を、プロセスユニット10Kに近接して配置された駆動ローラ42まで搬送する。この駆動ローラ42には、中間転写ベルト41を介して2次転写ローラ44が対向配置されている。2次転写ローラ44は中間転写ベルト41に圧接されており、その圧接部分に、トナー画像を記録シートに転写する転写ニップが形成されている。
【0044】
転写ニップには、給紙部Bに設けられた給紙カセットに収容された記録シートが1枚ずつ搬送される。記録シートは、タイミングローラ対45によって、中間転写ベルト41上に形成されたトナー画像が転写ニップに搬送されるタイミングに同期して搬送される。中間転写ベルト41上に形成されたトナー画像は、転写ニップを通過する記録シートに圧接されると、2次転写ローラ44によって形成される電界の静電力によって記録シート上に一括して転写される。
【0045】
なお、中間転写ベルト41上のトナー画像を形成するトナーは、2次転写ローラ44の静電力によって完全には記録シート上に転写されず、一部が中間転写ベルト41上に残留する場合があるが、この残留トナーは、プロセスユニット10Yに近接して配置された従動ローラ43に対して中間転写ベルト41を介して対向配置された残留トナー除去装置46によって、電気的および機械的に除去されるようになっている。
【0046】
転写ニップを通過した記録シートは、画像形成部Aの上部に設けられた定着部50に搬送される。定着部50には、相互に圧接された加熱ローラ51および加圧ローラ52を備えており、加熱ローラ51および加圧ローラ52が相互に圧接されていることによって両者の間に定着ニップが形成されている。加熱ローラ51の軸心部にはヒータランプ(図示せず)が配置されており、ヒータランプによって加熱ローラ51が加熱されるようになっている。
【0047】
転写ニップを通過して定着部50に搬送された記録シート上の未定着トナー画像は、記録シートが定着ニップを通過する間に、加熱および加圧されて記録シート上に定着される。定着部50においてトナー画像が定着された記録シートは、排紙ローラ対49により、トナー画像が形成された面を下方に向けた状態で、プリンタの上部に設けられた排紙トレイ48上に排出される。
【0048】
各プロセスユニット10Y、10M、10C、10Kのそれぞれに設けられた現像装置20は、2成分現像剤(キャリアおよびトナー)によって、感光体ドラム11Y、11M、11C、11K上の静電潜像を現像するようになっており、中間転写ベルト41の上方に設けられたトナーホッパー47Y、47M、47C、47KからY、M、C、Kの各色のトナーがそれぞれの現像装置20に供給される。プロセスユニット10K以外の3つのプロセスユニット10Y、10M、10Cのそれぞれに設けられた現像装置20は、それぞれ同様の構成になっている。
<現像装置の構成>
図2は、上記現像装置20の斜視図、図3は、現像装置20の縦断面図である。なお、図3の縦断面図は、図2の斜視図に対して左右方向を反転させた状態で示されている。
【0049】
現像装置20は、感光体ドラム11の軸方向に沿って長く延びるハウジング21を有している。ハウジング21の一方の端部における上面にはトナー補給口21aが設けられている。
各プロセスユニット10Y、10M、10Cが画像形成部Aに装着される際には、トナー補給口21aが設けられた端部とは反対側の端部から、画像形成部A内に挿入して装着されるようになっている。各プロセスユニット10Y、10M、10Cが画像形成部Aに装着されると、画像形成部Aに設けられた各トナーホッパー47Y、47M、47CのY、M、Cの各トナーが、各プロセスユニット10Y、10M、10Cの現像装置20に対して、トナー補給口21aを介してハウジング21内に供給可能になる。
【0050】
図1および図3に示すように、ハウジング21内の下部には、ハウジング21の長手方向に沿って延びる第1トナー搬送スクリュー22が設けられており、また、ハウジング21内の上部には、第1トナー搬送スクリュー22とは平行になった第2トナー搬送スクリュー23が設けられている。図3に示すように、第1トナー搬送スクリュー22と第2トナー搬送スクリュー23との間には隔壁21bが設けられている。
【0051】
第1トナー搬送スクリュー22および第2トナー搬送スクリュー23は、それぞれ、回転軸22aおよび23aにおける両側の各端部を除いた周囲に螺旋状に設けられた搬送羽根22bおよび23bとを有している。第1トナー搬送スクリュー22および第2トナー搬送スクリュー23は、搬送羽根22bおよび23bがハウジング21の内部に位置するように、回転軸22aおよび23aにおける両側の各端部が、同様の構成の回転軸支持機構21Aによってハウジング21の両側の各側面21xに取り付けられている。
【0052】
第1トナー搬送スクリュー22および第2トナー搬送スクリュー23の各回転軸22aおよび23aは、トナー補給口21aが設けられた端部とは反対側の端部において、ハウジング21の側面21xを貫通しており、それぞれの端部にギア28および29が取り付けられている。ギア28および29は相互に噛み合っており、一方のギア28は、プロセスユニットが画像形成部Aに装着されることによって、画像形成部Aに設けられたギア(図示せず)と噛み合った状態になる。
【0053】
これにより、第1トナー搬送スクリュー22の回転軸22aは、画像形成部Aを駆動するモーターの動力が伝達されて回転する。また、第1トナー搬送スクリュー22の回転軸22aに伝達された動力が、ギア28および29を介して第2トナー搬送スクリュー23の回転軸23aに伝達されて、その回転軸23aが、第1トナー搬送スクリュー22の回転軸22aとは反対方向に回転される。第1トナー搬送スクリュー22および第2トナー搬送スクリュー23は、それぞれの回転軸を中心に回転されることによってトナーおよびキャリアを搬送する回転部材として機能する。
【0054】
図1および図2に示すように、ハウジング21内の上部には、第2トナー搬送スクリュー23に対向して、また、感光体ドラム11の表面に対向して現像ローラ25が配設されている。現像ローラ25は、従来の2成分現像剤を用いた現像装置において使用される現像ローラと同様に、ハウジング21に固定的に設けられた磁気ローラと、磁気ローラに外挿された現像スリーブとを有しており、現像スリーブの両側の端部に、軸方向に沿って外側に突出する回転軸25a(図2参照)がそれぞれ設けられている。
【0055】
現像ローラ25は、感光体ドラム11の軸方向長さと同程度の長さを有しており、第2トナー搬送スクリュー23とは平行な状態に配置されている。
図3に示すように、トナー補給口21aを介してハウジング21の内部に供給されたトナーは、隔壁21bにおける一方の端部に設けられた第1現像剤通過穴21mを通って、図3に矢印D1で示すように、ハウジング21の下部にまで落下し、第1トナー搬送スクリュー22の回転によって、図3に矢印D2で示すように、トナー補給口21aとは反対側の端部に向って搬送される。第1トナー搬送スクリュー22によって搬送されるトナーは、その搬送の間に、ハウジング21の内部に収容された磁性のキャリアと撹拌される。
【0056】
前記磁性のキャリアは、鉄より成る球形の粒子である。ここで前記鉄には、ヘマタイトやマグネタイトといった酸化鉄やフェライト等も含まれる。また、前記鉄の表面に樹脂等によるコーティングや表面処理が施されていてもよく、また、前記鉄より成る微粒子をバインダー樹脂等を用いて集合的に固着させ、球形化処理を施したものであってもよい。
トナー補給口21aとは反対側の端部に搬送されたトナーは、キャリアとともに、隔壁21bに設けられた第2現像剤通過穴21nを通って、図3に矢印D3で示すように、ハウジング21内の第2トナー搬送スクリュー23が設けられた上部へと搬送される。
【0057】
第2トナー搬送スクリュー23は、第1トナー搬送スクリュー22とは反対方向に回転されているので、図3に矢印D4で示すように、第1トナー搬送スクリュー22とは反対方向に、現像ローラ25の軸方向に沿ってトナーおよびキャリアを搬送する。そして、第2トナー搬送スクリュー23によって搬送されるトナーおよびキャリアの一部が、その搬送途中において、現像ローラ25に供給される。
【0058】
ハウジング21内のキャリアおよびトナーは、固定状態になった磁気ローラに外挿された現像スリーブの回転によって、現像スリーブの外周面上を搬送される。現像スリーブの外周面上を搬送されるキャリアは、マグネットローラの磁極によって磁気ブラシを形成し、磁気ブラシに付着したトナーが、感光体ドラム11の静電潜像にトナーが付着する。これにより、感光体ドラム11の静電潜像がトナー現像される。
【0059】
なお、K色のトナーによってトナー画像を形成するプロセスユニット10Kに設けられた現像装置20では、図1に示すように、ハウジング21の下部に、第1トナー搬送スクリュー22および第2トナー搬送スクリュー23が水平方向に並んで配置されて、第2トナー搬送スクリュー23の上方に現像ローラ25が配置されている。また、現像ローラ25が、ハウジング21の上部に設けられた開口部21cを介して感光体ドラム11に対向した状態になっている。その他の構成は、他の3つのプロセスユニット10Y、10M、10Cのそれぞれに設けられた現像装置20と同様の構成になっている。
<回転軸支持機構の構成>
図4および図5は、それぞれ、図3において円Fおよび円Gで囲まれた部分の拡大図である。
【0060】
図4および図5に示すように、ハウジング21における長手方向の両側の各端部に位置するそれぞれの側面21xには、円筒形状のベアリング保持部(軸受け保持部)27が設けられている。各ベアリング保持部27は、ハウジング21の各側面21xに設けられた開口部21w内にそれぞれ着脱可能に嵌合されている。各ベアリング保持部27内には、第1トナー搬送スクリュー22の回転軸22aおよび第2トナー搬送スクリュー23の回転軸23aのそれぞれの端部を保持する転がり軸受け部としてのボールベアリング24が保持されている。
【0061】
円筒形状の各ベアリング保持部27は、開口部21wとは同心状態になっており、ハウジング21の内部側に位置する端面が、それぞれの回転軸22aおよび23aの各端部が貫通する貫通穴27bが設けられた側壁部27aになっている。各貫通穴27bは、それぞれを貫通する回転軸22aおよび23aの直径よりも若干大きな直径(図5において「d1」で示す、貫通穴27bの径の最小値。詳しくは後述する。)になっている。
【0062】
各ベアリング保持部27の内部に嵌入されたボールベアリング24は、一般的に使用されているボールベアリングと同様の構成であり、内輪24aと、外輪24bと、内輪24aおよび外輪24bの間に周方向に一定の間隔をあけた状態で配置された複数のボール24cとを有しており、各ボール24cがボール保持部材(図示せず)によって、周方向に一定の間隔をあけた状態で保持されている。
【0063】
ボールベアリング24は、外輪24bの外周面がベアリング保持部27の内周面に圧接されるように、ベアリング保持部27内に嵌入されており、外輪24bがベアリング保持部27に対して固定状態で取り付けられている。貫通穴27bの直径d1(図5参照)は、内輪24aの外径d2よりも小さく設定されており(d1<d2)、内輪24aは、貫通穴27bが設けられた側壁部27aの周縁部に全周にわたって接触している。これにより、内輪24aと側壁部27aの間を通ってトナーが外部に漏出することを防止することができる。
【0064】
なお、内輪24aと前記周縁部とは、互いの間からトナーが漏出しない程度に密に接触しているが、内輪24aの回転が妨げられることはない程度である。
上記回転軸22aおよび23aは、PC/AS材(ポリカーボネイトとアクリロニトリル・スチレンの複合材)等の樹脂より成り、これらの外径は、具体的には、例えば、5.985±0.010[mm]である。なお、回転軸22aおよび23aは、鉄やアルミ等の金属を用いて形成されてもよい。ボールベアリング24の内輪24aの内径および外径(d2)は、具体的には、例えば、それぞれ、6.004±0.004[mm]および、7.1±0.1[mm]である。また、貫通穴27bの径が最も小さい部分の直径(d1)は、具体的には、例えば、6.5±0.2[mm]である。
【0065】
さらに、本実施形態では、ボールベアリング24を保持する各ベアリング保持部27が、ハウジング21の各側面21xを貫通する開口部21w内にそれぞれ着脱可能に嵌合されている。従って、第1トナー搬送スクリュー22および第2トナー搬送スクリュー23をハウジング21に対して組み付ける際に、回転軸22aまたは23aの各端部に装着されたボールベアリング24を各ベアリング保持部27によって保持した状態で、各ベアリング保持部27を、ハウジング21の各側面21xに設けられた開口部21w内にそれぞれ装着すればよい。このように、第1トナー搬送スクリュー22および第2トナー搬送スクリュー23をハウジング21に対して容易に組み付けることができる。
【0066】
また、図4に示す開口部21wと比べて図5に示す開口部21wの方が径が大きくなっている。言い換えれば、図3において、第1トナー搬送スクリュー22および第2トナー搬送スクリュー23の紙面左側の端部(円Fで囲まれた部分)を支持するベアリング保持部27が嵌合されている開口部21wの径よりも、紙面右側の端部(円Gで囲まれた部分)を支持するベアリング保持部27が嵌合されている開口部21wの径の方が大きくなっている。上記紙面右側の開口部21wの径は、第1トナー搬送スクリュー22および第2トナー搬送スクリュー23それぞれの搬送羽根22bおよび23bの稜線部(外周部)よりも大きく設定されており、これにより、上記紙面右側の開口部21wから第1トナー搬送スクリュー22および第2トナー搬送スクリュー23のハウジング21内部への挿入を容易に行うことができ、組み付け作業が簡便化される。
<粒子保持部の構成>
図6(a)は、回転軸支持機構21Aと同様のボールベアリングとベアリング保持部によって回転軸が保持されている部分(図4において円Hで囲まれた部分に相当)の構成を模式的に示す拡大断面図である。図6(b)は、図6(a)において、円Kで囲まれた部分の拡大図である。
【0067】
図7(a)、(b)は、それぞれ図6(a)、(b)と同様の図であるが、回転軸23aと内輪24aとの間の隙間の大きさd3が図6よりも大きく設定されている。図7(b)は、図7(a)において、円Jで囲まれた部分の拡大図である。図6、図7各図において、紙面右側がハウジング21の内側、紙面左側がハウジング21の外側である。
なお、図6(b)および図7(b)においては、トナー62については、図示を省略している。
【0068】
また、キャリア粒子61として、球形のキャリアが使用される。これは、球形に近いキャリアほど、現像剤としての流動性が高く、良好な現像特性を得ることができるため、一般に、キャリアの製造過程においては、球形化処理が行われるためである。キャリアの球形化処理の方法としては、例えば、液晶ポリマーをバインダー樹脂(結着樹脂)として用い、バインダー樹脂と磁性体(例えば鉄)微粒子とを所望の量比で混合し、例えば、3本ロール又は押出機等の加熱溶融混合装置を用いて適当な温度で混練し、射出成形時に磁性体微粒子を機械的に、磁気的に、或いはそれらを組み合わせて配向させ、上記混練物を冷却後、粉砕及び分級した後に得られた粒子を高速で板に衝突させ、そのエネルギーで表面を熱溶解させ球形化処理を施す方法が、特開平7−175270に開示されている。詳細については、上記特許文献を参考されたし。
【0069】
ハウジング21内部に収容された現像剤は、第1搬送スクリュー22および第2搬送スクリュー23によってハウジング21内部を循環するように搬送される。ここで、図3の円Fで囲まれた部分においては、現像剤は、ハウジング21内の第1トナー搬送スクリュー22が設けられた下部から、隔壁21bに設けられた第2現像剤通過穴21nを通って、同図において矢印D3で示すように、ハウジング21内の第2トナー搬送スクリュー23が設けられた上部へと搬送され、そこからさらに、第2トナー搬送スクリュー23によって矢印D4方向へと搬送される。しかし、このとき、第2トナー搬送スクリュー23の現像剤搬送方向上流側(図3において、紙面左側)端部付近においては、現像剤の一部は、第2トナー搬送スクリュー23の搬送羽根23bによって矢印D4方向に搬送されずに、ハウジング下部から上部へと搬送されてきた現像剤の圧力によって矢印D4とは反対の方向、即ちハウジング21の外側へと向かう方向へと押し出される力も受ける。そして、現像剤の一部は、矢印D4とは反対の方向に運ばれて、図6(a)、(b)および図7(a)、(b)に示すように、キャリア粒子61は、ボールベアリング24の内輪24aのハウジング21内部側(両図においては、紙面右側)の側面に押し当てられる。
【0070】
このとき、図6(b)、図7(b)に示すように、回転軸23aと内輪24aとの間の隙間の大きさd3はキャリア粒子61の直径d5よりも小さいため、キャリア粒子61は、上記隙間を通過してハウジング21の外部へとは漏出しない。
ここで、従来、回転軸23aと内輪24aとの組み付けを容易にするために、回転軸23aと内輪24aとの間に若干の隙間が設けられているのであるが、当該隙間からのトナーの漏出をできるだけ少なくするために、当該隙間の大きさd3は、図6(b)に示すように、組み付けの容易さを損なわない範囲内で出来るだけ小さくなるように設定されていた。なお、同図においては、上記隙間の大きさd3は、キャリア粒子61の半径d4以下である。
【0071】
しかし、この場合においても、上記隙間の大きさはどうしてもトナーの平均粒径よりも大きくならざるを得なかった。
内輪24aのハウジング21内部側側面に押し当てられているキャリア粒子61の周囲には、図示はしていないが、一緒に運ばれてきた他のキャリア粒子が複数存在しており、上記押し当てられているキャリア粒子61は、これらによってハウジング内部側から内輪24aの側面に押し当てる方向にバックアップする押力を受けて当該側面に単に当接しているだけである。従って、回転軸23aの回転や新たな現像剤の流入に伴ってこれら周囲のキャリア粒子の配置が変化し、これら他のキャリア粒子からのバックアップ押力が作用しなくなった、あるいは、弱まった場合に、上記押し当てられているキャリア粒子61は、内輪24a側面から容易に離間する。すると、そこにトナーが流入し、回転軸23aと内輪24aとの間の隙間をシールするシール部材を別個用いなければ、当該隙間を通ってハウジング外部へと漏出してしまう。
【0072】
そこで、本発明においては、図7(b)に示すように、回転軸23aと内輪24aとの間の隙間の大きさd3を図6(b)よりも大きく設定している。図7(b)においては、d3はキャリア粒子61の半径d4よりも大きく、直径d5よりも小さい。
このようにすると、同図に示すように、キャリア粒子61が、回転軸23aと内輪24aとの間に押し当てられた際に当該隙間に挟まることができ、これにより当該隙間に保持される。このとき、回転軸23aのキャリア粒子61と接している部分(第1の部位)と、内輪24aのキャリア粒子61と接している部分(第2の部位)とにより、粒子保持部70が構成される。
【0073】
また、このとき、回転軸23aが、キャリア粒子61よりも柔らかい樹脂から成るため、キャリア粒子61が粒子保持部70に保持される際に、回転軸23aの表面がキャリア粒子61により押さえつけられて当該キャリア粒子61の形に凹部が形成され、キャリア粒子61がより安定的に保持されやすくなる場合もある。
そして、キャリア粒子61が上記隙間に挟まることにより、キャリア粒子61は粒子保持部70により安定的に保持され、周囲のキャリア粒子(不図示)からのバックアップ押力が作用しなくなっても、キャリア粒子61は上記隙間から容易には離脱しにくくなる。
【0074】
同様にして、回転軸23aの周面上において周方向の略全周に亘ってキャリア粒子61が上記隙間に環状に保持され、当該隙間が前記周方向においてキャリア粒子61によって大まかに塞がれる。
このとき、キャリア粒子61は、トナー62とは逆極性に帯電しているため、図7(a)に示すように、キャリア粒子61の周囲に存在するトナーはキャリア粒子61の表面に静電気的な力によって付着している。そのため、粒子保持部70によって回転軸23aの周方向に保持されたキャリア粒子61間の隙間が、当該静電気的に付着したトナー62により埋められて、シールが完成する。
【0075】
また、同図に示すように、ベアリング保持部27の側壁部27aに設けられた貫通穴27bの径がハウジング21の外側に向かうほど小さくなっている、即ち、ハウジング21の外側に向かうほど貫通穴27bの周面と回転軸23aとの距離が近くなるテーパー形状となっている。当該テーパー形状が漏斗のような働きをして、ハウジング21内部に収容された現像剤のキャリアが回転軸23aと内輪24aとの間の隙間へと導かれ、粒子保持部70によって保持されやすくなる効果がある。上記テーパーの角度(貫通穴27bの周面と回転軸23aとが成す角度)は、具体的には、例えば、15度である。また、一般に広く使用されているキャリアの平均粒径としては、例えば、0.030〜0.060[mm]程度であるが、ここでは、キャリア粒子61の平均粒径(直径)は、具体的には、例えば、0.033[mm]程度である。そして、トナーの平均粒径は、例えば、0.005〜0.010[mm]である。上記キャリア粒子61の平均粒径およびトナーの平均粒径の数値は、電子顕微鏡によりキャリア粒子61およびトナーを観察してこれらの粒径を測定し、その平均値をそれぞれについて求めて得た値である。
【0076】
なお、上記キャリア粒子およびトナーの平均粒径の測定法としては、電子顕微鏡による測定に限られず、例えば、コールターカウンター法やレーザー回折・散乱法等の測定法を用いてもよい。この場合、上記電子顕微鏡による測定とは異なる平均粒径の値が得られる場合もある。
なお、上述したように、キャリア粒子61の粒径は、ここでは、例えば、0.033[mm]程度と非常に微小な大きさであるので、上記第1の部位と第2の部位とは、実質的に互いに対向しているとみなすことができる。
<キャリア粒子の保持安定性>
図6、図7各図に示すように、キャリア粒子61が回転軸23aおよび内輪24aに当接しているか、もしくはこれらの間の隙間に挟まっているとき、この状態は、キャリア粒子61と内輪24aとの接点をP、キャリア粒子61と回転軸23aとの接点をRとすると、点Pおよび点Rにおいてキャリア粒子61にそれぞれ接する仮想平面S1およびS2によりキャリア粒子61が挟まれている状態(ここでは、「挟まれている状態」には、単に接している状態を含む。)と見なすことが出来る。
【0077】
ここで、キャリア粒子61の中心点をQとしたとき、仮想平面S1およびS2によりキャリア粒子61が挟まれている状態の、3点P、Q、Rを通る平面による断面図を図8に示す。図8(a)は、角PQRが鈍角である場合を、図8(b)は、角PQRが直角である場合を、図8(c)は、角PQRが鋭角である場合をそれぞれ示す。
なお、ここでいう角PRQは、点Pと点Qを結ぶ線分および点Qと点Rを結ぶ線分により形成される二つの角のうち、小さい方の角を意味する。
【0078】
図8(a)に示すように、角PQRが鈍角である場合、同図に示すようにキャリア粒子61が仮想平面S1およびS2により挟まれている時、キャリア粒子61は、点Pにおいて仮想平面S1から反力F1を受け、点Rにおいて仮想平面S2から反力F2を受ける。このとき、反力F1は、分力F1aおよびF1bに分解することができる。そして、キャリア粒子61は、分力F1bにより仮想平面S2に押し付けられる方向の力を受ける。また、反力F2は、分力F2aおよびF2bに分解することが出来る。そして、キャリア粒子61は、分力F2bにより仮想平面S1に押し付けられる方向の力を受ける。このように、角PQRが鈍角である場合、仮想平面S1およびS2から受ける反力の分力が、キャリア粒子61をそれぞれ他方の仮想平面に押し付ける方向に作用して、キャリア粒子61と仮想平面S1およびS2との接触を互いに補強しあう形となっているため、粒子保持部70によるキャリア粒子61の保持安定性が増す。
【0079】
一方、図8(b)に示すように、角PQRが直角である場合、仮想平面S1とS2とは互いに直角に交わっているため、それぞれの仮想平面からキャリア粒子61が受ける反力F3およびF4には、互いにキャリア粒子を押し付ける方向の分力は存在せず、キャリア粒子61は、仮想平面S1およびS2に単に接触しているだけであるので、粒子保持部70に安定的に保持されるとは言えない。
【0080】
また、図8(c)に示すように、角PQRが鋭角である場合、キャリア粒子61が仮想平面S1およびS2からそれぞれ受ける反力F5、F6の分力F5b、F6bは、それぞれ仮想平面S2、S1から離間する方向に作用する。そのため、上記分力はキャリア粒子61と仮想平面S1、S2との接触を弱める方向に作用し、その結果、粒子保持部70によるキャリア粒子61の保持安定性は図8(b)に示す角PQRが直角の場合よりもさらに低下することとなる。
【0081】
上記仮想平面S1、S2、および角PQRを、図6(b)および図7(b)に当てはめて考えてみると、図6(b)に示す状態においては、角PQRは直角であって、キャリア粒子61は粒子保持部70により安定的に保持されないが、図7(b)に示す状態においては、角PQRは鈍角であり、キャリア粒子61は粒子保持部70によって安定的に保持される。
【0082】
このように、回転軸23aと内輪24aとの間の隙間の大きさd3を、キャリア粒子61の直径d5以上とならない程度に大きくすることによって、当該隙間にキャリア粒子61をより安定的に保持させることができる。
なお、上記角PQRは180度よりも小さい値である。これは、角PQRが180度となるのは、回転軸23aと内輪24aとの間の隙間の大きさd3がキャリア粒子61の粒径(直径)d5と等しいときであり、この場合は、キャリア粒子61は、当該隙間を通ってハウジング外部へと漏出してしまう。
【0083】
ここで、図6および図7は、回転軸支持機構21Aの構成を模式的に示した図であって、内輪24aの内周面側の縁が略直角な形状として表されている。しかし、実際の内輪24aの縁にはラウンドエッジ加工あるいは面取り加工が施されている場合が多い。
図9(a)、(b)は、それぞれ図7(a)、(b)と同様の図であるが、図9各図においては、内輪24aの内周面側の縁にはラウンドエッジ加工が施されている。この場合においても、図9(b)に示すように、角PQRは鈍角であり、キャリア粒子61は、回転軸23aと内輪24aとの間の隙間に挟まって、粒子保持部70により安定的に保持される。
【0084】
なお、同図に示すように、内輪24aの内周面側の縁にラウンドエッジ加工が施されている場合や面取り加工が施されている場合には、回転軸23aと内輪24aとpの間の隙間の大きさが同図に示す状態よりも小さくても、粒子保持部によりキャリア粒子61が安定的に保持される場合もある。
<キャリア粒子によるトナー漏出防止>
以上説明したように、本発明の現像装置においては、ボールベアリング24の内輪24aと回転軸23aとの間の隙間にキャリア粒子61が保持される。そして、これが繰り返されて回転軸23aの周面上の略全周に亘ってキャリア粒子61が上記隙間に環状に保持され、当該隙間がキャリア粒子によって大まかに塞がれる。そして、ハウジング21内部の現像剤の搬送に伴って、更に多くのキャリア粒子61が当該環状に連なったキャリア粒子の層へと押し付けられるように運ばれてきて、上記キャリア粒子の環状層のハウジング21内側に更に別のキャリア粒子の環状層が幾重にも重なるように形成される。
【0085】
このようにして形成されたキャリア粒子の環状層におけるキャリア粒子61間の隙間および、キャリア粒子61と内輪24a、回転軸23aとの間の隙間には、トナー62が流入してくるのであるが、トナー62は、キャリア粒子61の表面に静電気力により付着するため、これらの隙間を通過してハウジング21の外部へと漏出することはなく、むしろこれらの隙間を埋めてシール性をより高める働きをする。
【0086】
なお、図6、図7、および図9においては、粒子保持部70に保持されているキャリア粒子61(図6においては、内輪24aに当接しているキャリア粒子61)のハウジング21内部側にも現像剤(キャリア粒子61よびトナー62)は存在しているが、粒子保持部70に保持されているキャリア粒子61および当該キャリア粒子61表面に付着しているトナー62以外については、図示を省略している。また、図9(b)においても、図6(b)、図7(b)と同様にトナーについては図示を省略している。
【0087】
さらに、図9においては、内輪24aの外周面側端部の縁および外輪24bの内周面側端部の縁についてはラウンドエッジ加工が施されていないが、これらについても同様にラウンドエッジ加工が施されていてもよい。さらには、ラウンドエッジ加工に限られず、面取り加工でもよい。以下、各変形例においても、同様である。
ここで、上記においては、第2トナー搬送スクリュー23の図4に示す側の端部における回転軸支持機構21Aについて説明したが、これに限られず、第2トナー搬送スクリュー23の図5に示す側の端部における回転軸支持機構21Aおよび、第1トナー搬送スクリュー22の両端部における各回転軸支持機構21Aにおいても同様である。以下、各変形例においても同様である。
【0088】
また、上記においては、第1トナー搬送スクリュー22および第2トナー搬送スクリュー23それぞれの回転軸22aおよび23aが回転軸支持機構21Aによってハウジング21に対して回転可能に支持される構成について説明したが、これに限られず、現像ローラ25における現像スリーブの回転軸も、同様の構成の回転軸支持機構21Aによってハウジング21に対して回転可能に支持されてもよい。ハウジング21内に収容されたトナーが現像スリーブの回転軸とボールベアリング24の内輪24aとの間の隙間からハウジング21の外部へと漏出することを防止することができる。また、この場合、回転部材には現像スリーブも含まれる。
<まとめ>
従来、現像装置においては、現像剤を搬送するトナー搬送スクリューを現像装置のハウジングに組み付ける際に、組み付けを容易にするために、ボールベアリングにより回転可能に保持される回転軸と当該ボールベアリングの内輪との間には、若干の隙間が設けられている。そして、当該隙間の大きさはトナーの平均流径よりも大きくならざるを得ないのであるが、それでも、当該隙間からのトナーの漏出を出来るだけ少なくするために、組みつけの容易さを損なわない範囲内で当該隙間が出来るだけ小さくなるように設定されていた。そのため、当該隙間にキャリア粒子が安定的に保持されないため、キャリア粒子によって当該隙間を塞ぐことが出来ず、トナー漏れを防止するためには、当該隙間を塞ぐシール部材を別個使用しなくてはならなかった。
【0089】
しかし、本発明の現像装置においては、前記隙間を敢えて拡張することにより、当該隙間にキャリア粒子を安定的に保持させて、それによりトナーの漏出を防止することができる。これにより、ハウジング21内のトナーが浪費されることを抑制することができ、経済性を向上させることができる。また、マグネットシールや弾性部材等の別個のシール部材を用いることなく、トナーの漏出を防止することができるので、さらに経済性を向上させることができる。加えて、別個のシール部材を使用した場合のようにシール部材の磨耗等の問題も発生しないため、長期にわたって安定的にトナーの漏出を防止することができる。これにより、プリンタの画像形成部Aにおける現像装置の周囲が、現像装置から漏出するトナーによって汚染されるおそれがなく、従って、画像形成部Aにおいて形成される画像も、トナーによって汚染されないために、長期にわたって安定的に高品質な画像を得ることができる。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を考えることができる。
【0090】
(1)回転軸23aの内輪24aと対向する部分の表面の表面粗さが一般的な現像装置のトナー搬送スクリューの回転軸における加工精度の表面粗さよりも粗くてもよい。例えば、図10に示すように、回転軸23aの内輪24aと対向する部分の外周面に、周方向の全周にわたって、一般的な現像装置のトナー搬送スクリューの回転軸における加工精度の表面粗さよりも粗い粗面部23cが設けられていてもよい。この場合、現像装置20の使用開始初期においては、回転軸23aと内輪24aとの間に若干の隙間が設けられているために、回転軸23aが回転する際に内輪24aの中で多少ぶれながら回転し、上記隙間の大きさが若干変動するのであるが、この変動により隙間が広がったときにキャリア粒子61が隙間に入り込み、隙間が狭まったときに同図に示すように粗面部23cの凹部にキャリア粒子61が嵌り込むようにして保持される。
【0091】
なお、現像装置20の使用に伴い、上記のようにしてキャリア粒子61が次々と保持されて回転軸23aの周方向の全周にわたってキャリア粒子61が保持されると、上記隙間の大きさの変動は無くなって固定され、回転軸23aの周方向の全周にわたって略均等な大きさとなる。
上記粗面部23cにおける表面粗さは、具体的には、例えば、Rmaxが6.3s以上25s以下であることが望ましい。
【0092】
また、粗面部23cは、回転軸23aの内輪24aと対向する部分の回転軸23aの軸方向における全域にわたって設けられていてもよく、同図に示すように上記対向する部分の前記軸方向における一部にのみ設けられていてもよい。また、回転軸23aの外周面に周方向の全周にわたってリング状に連続して設けられるのが好ましい。連続して設けられることにより、リングが途切れた部分からトナーが漏出するのを防ぐことができる。
【0093】
上記粗面部23cは、例えば、回転軸23aの外周面上に傷や溝を形成することによって、または、予め金型に溝を形成して回転軸23aを成形する等の方法により形成することが出来るが、粗面部23cの形成方法についてはこれに限られず、他の如何なる適当な方法を用いてもよい。
なお、回転軸23aが樹脂により形成されている場合、現像装置20の使用開始当初には当該回転軸23aの外周面が平滑な面(Rmaxが6.3sより小さい)であっても、使用に伴い上記のようにしてキャリア粒子61が保持される際に回転軸23a外周面がキャリア粒子61により押さえつけられて当該キャリア粒子61の形に凹部が形成され、当該凹部が形成された箇所が、結果的に粗面部23cと同様の働きをする場合もある。
【0094】
(2)図11に示すように、回転軸23aの外周面に周方向の全周にわたって溝部23dが設けられていてもよい。溝部23d内にキャリア粒子61が溜まる構成とすることにより、粒子保持部70にキャリア粒子61がより保持されやすくなる。
また、溝部23dは、回転軸23aの外周面上において、粒子保持部70を含んで、もしくはこれに隣接して、それよりもハウジング21内部側に設けられるのが好ましい。これにより、溝部23d内部に溜まった複数のキャリア粒子61が、粒子保持部70に保持されたキャリア粒子61をバックアップするようにハウジング21内部側から支え、キャリア粒子61がより安定的に粒子保持部70に保持される効果がある。
【0095】
なお、溝部23dの深さおよび幅は、具体的には、深さ0.5〜1[mm]、幅0.5〜1[mm]であることが望ましい。
なお、同図においては、トナー62については、図示を省略している。以下、図12〜図18においても、同様である。
(3)上記実施の形態においては、ボールベアリング24の内輪24aのハウジング21内部側端部が粒子保持部70を構成する例について説明したが、これに限られない。例えば、図12(a)に示すように、内輪24aの回転軸23aと対向する部分の、回転軸23aの軸方向における何れかの位置に周方向の全周にわたって突起部23eが設けられ、当該突起部23eが粒子保持部70を構成してもよい。この場合、突起部23eと内輪24aとの間の隙間の最も狭い部分の大きさがキャリア粒子61の直径よりも小さければ、当該部分によりキャリア粒子61が保持されるので、回転軸23aの上記突起部23e以外の部分と内輪24aとの間の隙間の大きさが、キャリア粒子61の直径よりも大きくてもよい。
【0096】
また、図12(b)に示すように、突起部が回転軸23a側に設けられている代わりに、内輪24a側に突起部24dとして設けられていてもよい。この場合においても、上記と同様、突起部24dと回転軸23aとの間の隙間の最も狭い部分の大きさがキャリア粒子61の直径よりも小さければ、当該部分によりキャリア粒子61が保持されるので、内輪24aの上記突起部24d以外の部分と回転軸23aとの間の隙間の大きさが、キャリア粒子61の直径よりも大きくてもよい。
【0097】
(4)上記実施の形態および各変形例においては、ハウジング21内部を現像剤が搬送される際に、第2トナー搬送スクリュー23の端部近傍において、現像剤の一部が当該第2トナー搬送スクリュー23の搬送方向とは逆方向に押し出されて、回転軸支持機構21Aの方向へと運ばれ、回転軸23aと内輪24aとの間の隙間に挟まり保持されるとしたが、これに限られない。
【0098】
例えば、第2トナー搬送スクリュー23をハウジング21に組み付ける際に、予め回転軸23aの内輪24aと対向する部分の表面にキャリア粒子61をふりかけ、静電気力により付着させた状態で組み付けてもよい。また、キャリア粒子61を揮発性の溶剤等に分散させて回転軸23aの内輪24aと対向する部分の表面に塗布し、溶剤が揮発した後に組み付けを行ってもよい。
【0099】
この場合、回転軸23aがキャリア粒子61よりも柔らかい材質であるPC/AS材等の樹脂から成るため、第2トナー搬送スクリュー23がハウジング21に組みつけられたときに、図13に示すように、キャリア粒子61が付着している回転軸23aの表面がキャリア粒子61により押さえつけられて当該キャリア粒子61の形に凹部が形成され、キャリア粒子61がより安定的に保持されやすくなる。
【0100】
また、上述のように、組みつけの際に予めキャリア粒子61を回転軸23aの表面に付着させる場合、回転軸23aと内輪24aとの間の隙間に保持されたシール用のキャリア粒子61は、保持された状態で回転軸23aおよび内輪24aと共に一体的に回転するため、ハウジング内部に流出して現像剤と混ざることはない。従ってこの場合、シール用の粒子(シール粒子)として、キャリア粒子61に限られず、トナーの平均粒径よりも大きな粒径を有する他のシール粒子63を用いてもよい。
【0101】
ここで、上記シール粒子63の粒径は、キャリア粒子61の平均粒径より大きくてもトナーおよびキャリアの漏出を防止することはできるが、あまり大きすぎるとシール粒子63同士の隙間およびシール粒子63と回転軸23aとの間の隙間、シール粒子63と内輪24aとの間の隙間が大きくなり、シール性が低下する。従って、シール粒子63の粒径としては、キャリア粒子61と同等程度であるのが望ましい。
【0102】
上記シール粒子63は、例えば、鉄等の金属や樹脂などから成る。シール粒子63に樹脂を用いる場合は、回転軸23aは、金属ではなく樹脂製であるのが好ましく、シール粒子63に用いられる樹脂よりも硬度の低い樹脂を用いるのがより好ましい。この場合、第2トナー搬送スクリュー23がハウジング21に組みつけられたときに、回転軸23aの表面がシール粒子63により押さえつけられて当該シール粒子63の形に凹部が形成され、当該凹部にシール粒子63が嵌ることにより、シール粒子63がより安定的に保持されやすくなる。
【0103】
また、回転軸23aが金属から成る場合には、同図に示すように、その内輪24aと対向する部分の外周面が、周方向の全周にわたって樹脂により成る樹脂表面部23fを備えてもよい。当該樹脂表面部23fを構成する樹脂としては、例えば、PC/AS材などが用いられ、インサート成形等により回転軸23aの外周面に形成されてもよい。これにより、樹脂表面部23fはシール粒子63よりも柔らかい材質から成るため、上で述べたように、第2トナー搬送スクリュー23がハウジング21に組みつけられたときに、樹脂表面部23fがシール粒子63により押さえつけられて当該シール粒子63の形に凹部が形成され、シール粒子63がより安定的に保持されやすくなる。
【0104】
また、上記シール粒子63の材質としては、例えば鉄等のトナーと反対の極性(通常プラス)に帯電する性質を有する材質であれば、なお望ましい。この場合、シール粒子の表面にトナーが付着して、よりシール性を高める働きをする。
ここで、シール粒子を揮発性の溶剤等に分散させて回転軸23aの内輪24aと対向する部分の表面に塗布する場合、シール粒子63に樹脂を用いるときには、分散させる溶剤に溶融しないような樹脂および溶剤の組み合わせを選択する必要がある。
【0105】
なお、キャリアの代わりにシール粒子63を用いる場合は、2成分現像剤を用いる現像装置に限らず、1成分現像剤を用いる現像装置にも適用できる。
(5)上記実施の形態においては、円筒形状のベアリング保持部27が、ハウジング21の側面21xに設けられた開口部21wに着脱可能に嵌合されている構成について説明した。しかし、これに限られず、図14に示すように、ベアリング保持部がハウジング21と一体的に構成されていてもよい。
【0106】
本変形例では、円筒形状のベアリング保持部27が、ハウジング21と一体に形成されており、ベアリング保持部27の側壁部27aがハウジング21の側面を構成している。ベアリング保持部27の側壁部27aに設けられた貫通穴27bは、ベアリング保持部27と同軸状態で設けられている。ベアリング保持部27の内部には、回転軸22aの端部を回転可能に保持するボールベアリング24が装着されている。そして、内輪24aとベアリング保持部27の側壁部27aとが全周にわたって接触している。その他の構成は、上記実施の形態と同様になっている。
【0107】
なお、ここでも、内輪24aと側壁部27aとは、互いの間からトナーが漏出しない程度に密に接触しているが、内輪24aの回転が妨げられることはない程度である。
なお、第1トナー搬送スクリュー22の回転軸22a、現像ローラ25における現像スリーブの回転軸も、同様の構成の回転軸支持機構21Aによって、それぞれハウジング21に回転可能に支持されている。
【0108】
このような構成によっても、ハウジング21内のトナーが外部に漏出することを確実に防止することができる。
(6)また、ボールベアリング24の内輪24aに対向する側壁部27aと、内輪24aとを相互に圧接する構成に代えて、図15に示すように、ボールベアリング24の内輪24aに対向する側壁部27aと、内輪24aとの間に、貫通穴27bの周縁部を全周にわたってシールするリング状の側面シール部材24eを設ける構成としてもよい。側面シール部材24eは、ボールベアリング24の内輪24aに摺接するために、発泡ウレタンやモルトプレーン等の弾性体によって、平板状に構成されている。
【0109】
このような構成によっても、内輪24aと側壁部27aとの間を通って内輪24aの外周側にトナーが流出することを、より一層確実に防止することができる。
なお、同図においては、本変形例の構成を、ベアリング保持部27がハウジング21と一体的に形成されている図14に示す変形例5の構成に適用した例を示したが、本変形例の構成を、ベアリング保持部27がハウジング21に対して着脱可能に設けられている実施の形態の構成に適用してもよい。以下、図16〜図18についても、同様である。
【0110】
(7)また、図16に示すように、ボールベアリング24の内輪24aと外輪24bとの間を、流動性シール材24fによってシールする構成としてもよい。この場合には、流動性シール材24fが内輪24aと外輪24bとの間から流出することを防止するために、内輪24aと外輪24bとの間におけるボール24cを挟んだ両側に、平板状のシールド部材24gをそれぞれ設けてもよい。流動性シール材24fとして、例えば、グリース等の潤滑剤を使用することができる。また、流動性シール材24fとして、粘性の高いゲル状の潤滑剤を使用する場合、流動性シール材24fが内輪24aと外輪24bとの間から流出するおそれが無いため、シールド部材24gを省略することができる。
【0111】
このような構成により、ボールベアリング24の内輪24aとベアリング保持部27の側壁部27aとの間からトナー流出した場合にも、内輪24aと外輪24bとの間を通ってトナーが外部に漏出することを防止することができる。
(8)また、図17に示すように、ボールベアリング24の内輪24aと外輪24bとの間における側壁部27aに対向する側部を、全周にわたってシールする平板状のベアリングシール部材24hを設ける構成としてもよい。
【0112】
ベアリングシール部材24hは、例えば、ウレタンゴム等の弾性体、金属等によって形成されており、内輪24aおよび外輪24bの相互に対向する面におけるベアリング保持部27の側壁部27aに近接した部分間を全周にわたって覆っている。
このような構成によっても、ボールベアリング24の内輪24aと外輪24bとの間からトナーが漏出することも防止することができる。
【0113】
(9)さらには、図18に示すように、内輪24aと外輪24bとの間をシールするベアリングシール部材24hに、内輪24aに対向する側壁部27aと内輪24aとの間をシールする第2シール部24iを設ける構成としてもよい。この場合は、内輪24aに対向する側壁部27aと内輪24aとを相互に圧接させる必要がなく、第2シール部24iの先端部が側壁部27aに突き当てられる。これにより、第2シール部24iによって、内輪24aに対向する側壁部27aと内輪24aとの間をシールすることができる。この場合には、ベアリングシール部材24hは、ウレタンゴム等の弾性体によって形成されている。
【0114】
(10)上記実施の形態および各変形例(変形例4においてキャリア粒子61が樹脂より成る場合を除く)においては、キャリア粒子61は鉄より成るとしたが、これに限られない。キャリア粒子61の材質として、鉄以外のいかなる金属を用いてもよい。ただし、この場合、トナーとは逆極性に帯電する特性を有する金属が望ましい。また、トナーよりも硬度の高い金属を用いるのが望ましい。これは、キャリア粒子の硬度があまり低いと、現像剤が搬送される際に周囲のトナーや他のキャリア粒子から受ける圧力によってキャリア粒子が変形し、その結果、回転軸とボールベアリングの内輪との間の隙間を通過してハウジング外部へと漏出するおそれがあるからである。
【0115】
(11)上記実施の形態および各変形例における具体的な数値は一例として挙げたものであり、これらに限定されないことは勿論である。
(12)上記実施の形態および各変形例においては、転がり軸受け部としてボールベアリング24を用いた例について説明したが、これに限られない。例えば、円筒コロ、円錐コロ、自動調心コロ、ローラーベアリング等のコロベアリングを用いてもよい。
【0116】
(13)本発明における回転軸支持機構は、現像装置に設けられた少なくとも1つの回転軸に対して適用できる。
(14)本発明に係る画像形成装置は、タンデム型カラーデジタルプリンタに限るものではなく、モノクロ画像を形成するプリンタであってもよく、しかも、プリンタに限らず、カラーまたはモノクロの画像を形成できる複写機、FAX、MFP(Multiple Function Peripheral)等にも適用できる。
【0117】
また、上記各実施の形態および上記各変形例の内容をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明は、感光体ドラムの外周面に形成された静電潜像を現像する現像装置において、現像装置からのトナーの漏出を防止する技術として有用である。
【符号の説明】
【0119】
A 画像形成部
B 給紙部
10Y、10M、10C、10K プロセスユニット
11 感光体ドラム
12 帯電装置
13Y、13M、13C、13K 露光装置
20 現像装置
21 ハウジング
21A 回転軸支持機構
21x 側面
22 第1トナー搬送スクリュー
22a 回転軸
22b 搬送羽根
23 第2トナー搬送スクリュー
23a 回転軸
23b 搬送羽根
23e、24d 突起部
23f 樹脂表面部
24 ボールベアリング
24a 内輪
24b 外輪
24c ボール
24e 側面シール部材
24f 流動性シール材
24g シールド部材
24h ベアリングシール部材
24i 第2シール部
25 現像ローラ
27 ベアリング保持部
27a 側壁部
27b 貫通穴
61 キャリア粒子
62 トナー
63 シール粒子
70 粒子保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を有し、当該回転軸の回転によって、ハウジング内に収容されたトナーを移動させる回転部材と、前記回転軸を前記ハウジングに対して回転可能に保持する転がり軸受け部と、を備え、前記トナーを用いて、感光体の外周面に形成された静電潜像を現像する現像装置であって、
前記回転軸の前記転がり軸受け部に対向する部分における第1の部位と、前記転がり軸受け部の内輪の前記第1の部位に対応する第2の部位とが、前記回転軸の周方向の全周にわたって、互いの間の隙間にトナーの平均粒径よりも大きな平均粒径のシール粒子を保持する粒子保持部を構成する
ことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記シール粒子が前記粒子保持部に保持された状態において、シール粒子と前記第2の部位との接点をP、当該シール粒子の中心点をQ、当該シール粒子と前記第1の部位との接点をRとしたとき、角PQRは鈍角である
ことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記隙間の前記回転軸の径方向における大きさは、前記シール粒子の平均粒径よりも小さく平均粒径の半分よりも大きい
ことを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記シール粒子は、前記トナーとは反対の極性に帯電する特性を有する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項5】
前記シール粒子は、金属から成る
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項6】
前記金属は、鉄である
ことを特徴とする請求項5に記載の現像装置。
【請求項7】
前記ハウジングは、その内部にトナーとキャリアを含む2成分現像剤を収容し、
前記シール粒子は、前記キャリアである
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項8】
前記回転軸は、前記粒子保持部における外周面の表面粗さRmaxが、6.3s以上25s以下である
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項9】
前記回転軸は、前記粒子保持部を含むその前記ハウジング内側の外周面に周方向に沿って全周にわたって溝が設けられている
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項10】
前記回転軸は、少なくとも前記粒子保持部における外周面が樹脂により形成されている
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項11】
前記転がり軸受け部は、軸受け保持部を介して前記ハウジングの側面に保持されており、
前記回転軸は、前記軸受け保持部に設けられた貫通穴を貫通しており、
前記貫通穴は、前記ハウジングの外側に向かうにつれて径が小さくなっており、
前記転がり軸受け部の内輪の外径の大きさは、前記貫通穴の径の最小値よりも大きい
ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項12】
前記軸受け保持部は、前記ハウジングの側面に着脱可能になっている
ことを特徴とする請求項11に記載の現像装置。
【請求項13】
前記軸受け保持部は、前記ハウジングの側面に一体的に形成されている
ことを特徴とする請求項11に記載の現像装置。
【請求項14】
前記内輪のハウジング内側の端面が、前記軸受け保持部における前記貫通穴の周縁部に、全周にわたって接触していることにより、前記内輪と前記周縁部との間がシールされている
ことを特徴とする請求項11から13のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項15】
前記転がり軸受け部の内輪と、前記軸受け保持部における前記貫通穴の周縁部との間に、その間を全周にわたってシールする側面シール部材が設けられている
ことを特徴とする請求項11から13のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項16】
前記転がり軸受け部の内輪と外輪との間に流動性シール材が充填されている
ことを特徴とする請求項11から13のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項17】
前記転がり軸受け部は、内輪と外輪との間における前記貫通穴の周縁部に対向する側部を、全周にわたってシールするベアリングシール部材を有する
ことを特徴とする請求項11から13のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項18】
前記ベアリングシール部材は、前記転がり軸受け部の内輪と、前記周縁部との間を全周にわたってシールする
ことを特徴とする請求項17に記載の現像装置。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか1項に記載の現像装置を有する
ことを特徴とするプロセスユニット。
【請求項20】
請求項19に記載のプロセスユニットが設けられている
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−63619(P2012−63619A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−208380(P2010−208380)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】