説明

現像装置、可視像形成装置及び画像形成装置

【課題】搬送部材が搬送した現像剤に基づく現像剤保持体上の現像剤のムラの発生を低減すること。
【解決手段】現像容器(V)と、磁石部材(8)と円筒部材(9)を有する現像剤保持体(R0)と、回転軸(R1a)と搬送羽根(R1b)を有する搬送部材(R1)と、層厚規制部材(SK)と、吸着磁極(S3)を有する前記磁石部材(8)と、現像剤保持体(R0)と搬送部材(R1)の間に配置され、層厚規制部材(SK)が現像剤保持体(R0)と対向する対向位置(Q11)を通り搬送羽根(R1b)が層厚規制部材(SK)に近づく位置(Q12)で搬送羽根(R1b)の回転軌跡(12)に接する第1の仮想平面(B1)と交差し、現像剤保持体(R0)の中心と搬送部材(R1)の中心を通る第2の仮想平面(B2)と交差して、搬送羽根(R1b)の径方向に押されて移動する現像剤を遮る遮断部材(11)と、を備えた現像装置(Gy〜Gk)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置、可視像形成装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
像保持体の表面に形成された潜像を、現像剤で現像する現像装置に関して、以下の特許文献1〜4に記載の技術が知られている。
【0003】
特許文献1としての特開2007−79335号公報には、回転する非磁性のスリーブ(2)と、スリーブ(2)の内側に配置された磁界発生手段(2a)と、スリーブ(2)の下方に配置されてスリーブ(2)に対向するドクタ(4)と、ドクタ(4)に対して左方に配置されてスリーブ(2)に隣接するスクリュウ(5)と、スクリュウ(5)に並行に配置されてスリーブ(2)から離れて配置されたスクリュウ(6)とを有する現像装置(1)が記載されている。また、特許文献1には、磁界発生手段(2a)として、スリーブ(2)の回転方向に沿って磁極(2b(S),2c(N),2d(S),2e(S),2f(N))が順に配置されて、スクリュウ(5)が搬送する現像剤を汲み上げる現像剤汲み上げ極(2e(S))と、ドクタ(4)に対向する隣接磁極(2f(N))とを有する構成が記載されている。
【0004】
特許文献1には、磁石で構成された汲み上げ補助磁界発生手段(7)を、前記スリーブ(2)の径方向外側に配置して、現像剤を汲み上げる技術が記載されている。特許文献1に記載の技術では、前記汲み上げ補助磁界発生手段(7)を、現像剤汲み上げ極(2e)に対してスリーブ(2)の回転方向下流側であって、隣接磁極(2f)に対してスリーブ(2)の回転方向上流側である位置に配置し、且つ、スクリュウ(5)に攪拌される現像剤上面に対して現像剤の量に関わらず下方となる位置に配置している。そして、特許文献1では、前記汲み上げ補助磁界発生手段(7)を、非着磁面がスリーブ(2)側を向いた状態で配置すると共に、スリーブ(2)の回転方向上流側の磁極が現像剤汲み上げ磁極(2e(S))と同極性で、且つ、スリーブ(2)の回転方向下流側の磁極が隣接磁極(2f(N))と同極性となるように配置している。
これにより、特許文献1では、現像剤汲み上げ極(2e(S))、隣接磁極(2f(N))及び汲み上げ補助磁界発生手段(7)の磁極(S,N)により、反発磁界を構成して、スクリュウ(5)に攪拌される現像剤を下方からスリーブ(2)に向けて持ち上げるように穂立ちさせて、現像剤の嵩を擬似的に高くし、スリーブ(2)に保持される現像剤について、スクリュウ(5)の羽根の影響を低減している。
【0005】
特許文献2としての特開2002−258605号公報には、感光体(1)の下方に配置されて感光体(1)に対向する現像スリーブ(2)と、前記現像スリーブ(2)の左方に配置されて現像スリーブ(2)に対向するドクタ(8)と、前記現像スリーブ(2)の斜め下方に配置されたトナー搬送用の第2のスクリュー(6)と、前記第2のスクリュー(6)と並行に配置され且つ現像スリーブ(2)から離れたトナー搬送用の第1のスクリュー(5)と、を有する現像装置が記載されている。
特許文献2には、前記現像装置において、非磁性で弾性を有する第2の規制部材(11)を、現像スリーブ(2)に対向させて配置した構成が記載されている。特許文献2に記載の技術では、前記第2の規制部材(11)を、第2のスクリュー(6)に対して現像スリーブ(2)の回転方向下流側且つドクタ(8)に対して現像スリーブ(2)の回転方向上流側の位置に配置し、第2の規制部材(11)で現像スリーブ(2)に保持された現像剤のスクリュー状のムラを均している。
【0006】
特許文献3としての特開2001−281997号公報には、内部にマグネットローラ(23)が配置された現像スリーブ(21)と、前記現像スリーブ(21)に吸着される現像剤の層厚を規制する規制ブレード(20)と、現像スリーブ(21)に供給される現像剤を攪拌しながら搬送する攪拌搬送スクリュー(24)とを有する現像装置において、磁性部材である前記規制ブレード(20)の上流側に、非磁性部材(30)を隣接させて配置する構成が記載されている。
特許文献3では、非磁性部材(30)を配置することにより、規制ブレード(20)の上流側の空間に磁力で現像剤が吸着されることを低減して、現像剤の堆積、凝集を低減すると共に、非磁性部材(30)で、規制ブレード(21)の上流側における現像スリーブ(21)との隙間を小さくして、攪拌搬送スクリュー(24)から供給された攪拌不足による凝集トナーが、規制ブレード(20)に供給されることを低減したり、凝集トナーを現像スリーブ(21)と非磁性部材(30)との間のせん断力で崩したりして、凝集トナーによる現像スリーブ(21)の現像剤ムラを低減している。
【0007】
特許文献4としての特開2008−129128号公報には、循環型の現像装置(40Y)が記載されており、現像ローラ(42Y)右下の供給側の第1搬送スクリュ(43Y)と、現像ローラ(42Y)から離れた側の第2搬送スクリュ(44Y)と、各スクリュ(43Y,44Y)の間を仕切る仕切り壁(47Y)と、現像ローラ(42Y)の上方で層厚を規制する規制ブレード(45Y)とが配置された構成が記載されている。
特許文献4では、規制ブレード(45Y)の上流側に、規制ブレード(45Y)とは別に層厚を規制する層厚規制部材(50Y)を設けて、2段階の層厚規制を行っている。そして、前記層厚規制部材(50Y)を、断面直角三角形のブロック状に構成して、第1搬送スクリュ(43Y)の上方に配置することで、現像剤が搬送される供給側の空間の容積を小さくし現像剤の剤面を第1搬送スクリュ(43Y)よりも上昇させて現像ローラ(42Y)に現像剤を供給しており、現像ローラ(42Y)上の現像剤に対する第1搬送スクリュ(43Y)の羽根の影響を低減している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−79335号公報(「0025」〜「0027」、図5、図6)
【特許文献2】特開2002−258605号公報(「0015」〜「0020」、図5、図6)
【特許文献3】特開2001−281997号公報(「0063」〜「0067」、図2)
【特許文献4】特開2008−129128号公報(「0015」、図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、搬送部材が搬送した現像剤に基づく現像剤保持体上の現像剤のムラの発生を低減することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の現像装置は、
現像剤が収容された現像容器と、
外周面に複数の磁極が設けられた磁石部材と、前記磁石部材の外側に設けられた円筒状の円筒部材であって前記磁石部材の磁力で吸着された現像剤を外表面に保持して回転する前記円筒部材と、を有し、前記現像容器に支持された現像剤保持体と、
前記現像剤保持体に沿って延びる回転軸と、前記回転軸に支持された螺旋状の搬送羽根と、を有し、現像剤を攪拌しながら搬送する搬送部材と、
前記現像剤保持体に対向して配置され、前記現像剤保持体に保持された現像剤の層の厚さを規制する層厚規制部材と、
前記搬送部材で搬送された現像剤を前記現像剤保持体に吸着する吸着磁極を有する前記磁石部材と、
前記現像剤保持体と前記搬送部材との間に配置されて現像剤の移動を遮る遮断部材であって、前記搬送羽根の径方向外端の回転軌跡に接する仮想的な平面である第1の仮想平面であり且つ前記層厚規制部材が前記現像剤保持体と対向する対向位置を通ると共に前記搬送羽根の周方向の速度が前記層厚規制部材に近づく方向の速度成分を有する位置において前記回転軌跡に接する前記第1の仮想平面と交差し、且つ、前記現像剤保持体の回転中心と前記搬送部材の回転中心とを通る仮想的な平面である第2の仮想平面と交差して、前記搬送部材に搬送される際に前記搬送羽根の径方向に押されて前記現像剤保持体に向かって移動する現像剤の移動を遮る前記遮断部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の現像装置において、
前記搬送部材の前記回転軌跡に沿って湾曲して形成された前記遮断部材、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の現像装置において、
前記搬送部材に搬送される現像剤の剤面の予め設定された下限の剤面に対して、上端が重力方向下方に配置された前記遮断部材、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
前記技術的課題を解決するために、請求項4に記載の発明の現像装置は、
現像剤が収容された現像容器と、
外周面に複数の磁極が設けられた磁石部材と、前記磁石部材の外側に設けられた円筒状の円筒部材であって前記磁石部材の磁力で吸着された現像剤を外表面に保持して回転する前記円筒部材と、を有し、前記現像容器に支持された現像剤保持体と、
前記現像剤保持体に沿って延びる回転軸と、前記回転軸に支持された螺旋状の搬送羽根と、を有し、現像剤を攪拌しながら搬送する搬送部材と、
前記現像剤保持体に対向して配置され、前記現像剤保持体に保持された現像剤の層の厚さを規制する層厚規制部材と、
前記搬送部材で搬送された現像剤を前記現像剤保持体に吸着する吸着磁極を有する前記磁石部材と、
前記現像剤保持体と前記搬送部材との間に配置されて現像剤の移動を遮る遮断部材であって、前記搬送部材に搬送される現像剤の剤面の予め設定された下限の剤面に対して、上端が重力方向下方に配置されると共に、前記搬送羽根の径方向外端の回転軌跡に接する仮想的な平面である第1の仮想平面であり且つ前記層厚規制部材が前記現像剤保持体と対向する対向位置を通ると共に前記搬送羽根の周方向の速度が前記層厚規制部材に近づく方向の速度成分を有する位置において前記回転軌跡に接する前記第1の仮想平面と交差して、前記搬送部材に搬送される際に前記搬送羽根の径方向に押されて前記現像剤保持体に向かって移動する現像剤の移動を遮る前記遮断部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
前記技術的課題を解決するために、請求項5に記載の発明の現像装置は、
現像剤が収容された現像容器と、
外周面に複数の磁極が設けられた磁石部材と、前記磁石部材の外側に設けられた円筒状の円筒部材であって前記磁石部材の磁力で吸着された現像剤を外表面に保持して回転する前記円筒部材と、を有し、前記現像容器に支持された現像剤保持体と、
前記現像剤保持体に沿って延びる回転軸と、前記回転軸に支持された螺旋状の搬送羽根と、を有し、現像剤を攪拌しながら搬送する搬送部材と、
前記現像剤保持体に対向して配置され、前記現像剤保持体に保持された現像剤の層の厚さを規制する層厚規制部材と、
前記搬送部材で搬送された現像剤を前記現像剤保持体に吸着する吸着磁極を有する前記磁石部材と、
前記搬送羽根の径方向外端の回転軌跡に沿って湾曲して形成され且つ前記現像剤保持体と前記搬送部材との間に配置されて現像剤の移動を遮る遮断部材であって、前記回転軌跡に接する仮想的な平面である第1の仮想平面であり且つ前記層厚規制部材が前記現像剤保持体と対向する対向位置を通ると共に前記搬送羽根の周方向の速度が前記層厚規制部材に近づく方向の速度成分を有する位置において前記回転軌跡に接する前記第1の仮想平面と交差して、前記搬送部材に搬送される際に前記搬送羽根の径方向に押されて前記現像剤保持体に向かって移動する現像剤の移動を遮る前記遮断部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0015】
前記技術的課題を解決するために、請求項6に記載の発明の可視像形成装置は、
像を表面に保持する像保持体と、
前記像保持体の表面に保持された潜像を可視像に現像する請求項1ないし5のいずれかに記載の現像装置と、
を備えたことを特徴とする。
【0016】
前記技術的課題を解決するために、請求項7に記載の発明の画像形成装置は
像を表面に保持する像保持体と、
前記像保持体の表面に保持された潜像を可視像に現像する請求項1ないし5のいずれかに記載の現像装置と、
可視像を媒体に転写する転写装置と、
媒体に転写された可視像を媒体に定着させる定着装置と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1,4,5,6,7に記載の発明によれば、遮断部材が設けられていない場合に比べて、搬送部材が搬送した現像剤に基づく現像剤保持体上の現像剤のムラの発生を低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、遮断部材が搬送部材の回転軌跡に沿って湾曲していない場合に比べて、現像剤を遮断部材に沿って搬送し易くすることができる。
請求項3に記載の発明によれば、遮断部材の上端が現像剤の下限の剤面に対して、重力方向上方に配置された場合に比べて、現像剤保持体に現像剤を供給し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の正断面図である。
【図2】図2は本発明の実施例1の画像形成装置の要部拡大図である。
【図3】図3は本発明の実施例1の現像装置の説明図である。
【図4】図4は図3のIV−IV線断面図である。
【図5】図5は本発明の実施例1の遮断部材の配置位置の説明図であり、図5Aは図3に対応する図、図5Bは層厚規制部材の近傍の拡大図である。
【図6】図6はオーガと現像剤の量の説明図である。
【図7】図7はオーガの搬送羽根が現像剤に与える力の向きを説明する図であり、図7Aは水平方向からオーガを見た場合の説明図、図7Bは斜め上方からオーガを見た場合の説明図、図7Cは重力方向上方からオーガを見た場合の説明図、図7Dは軸方向からオーガを見た場合の説明図である。
【図8】図8は本発明の実施例1の作用説明図であり、図8Aは図5Aに対応する図、図8Bは図8Aの拡大図、図8Cは実施例1に対する遮断部材が設けられていない場合の比較の説明図である。
【図9】図9は実験例2の説明図である。
【図10】図10は比較例1の説明図である。
【図11】図11は実験例の実験結果の説明図である。
【図12】図12は本発明の実施例2の現像装置の説明図であり、実施例1の図8Aに対応する説明図である。
【図13】図13は本発明の実施例3の画像形成装置の全体説明図である。
【図14】図14は本発明の実施例3の現像装置の斜視図である。
【図15】図15は本発明の実施例3の現像装置の現像剤の補給口部分の拡大説明図で図14の矢印XV方向から見た部分断面図である。
【図16】図16は本発明の実施例3の現像装置の後端部の説明図であり、図14の矢印XVI方向からみた部分断面図である。
【図17】図17は本発明の実施例3の現像装置の後端部の説明図であり、図17は図16のXVII−XVII線断面図の説明図である。
【図18】図18は本発明の実施例3の現像装置の説明図であり、図18Aは図15のXVIIIA−XVIIIA線断面図、図18Bは図15のXVIIIB−XVIIIB線断面図である。
【図19】図19は本発明の実施例3の現像装置の説明図であり、図19Aは図16のXIXA−XIXA線断面図であり、図19Bは図16のXIXB−XIXB線断面図、図19Cは現像装置のギヤの説明図である。
【図20】図20は本発明の実施例3の現像装置の説明図であり、図18Bの要部拡大図である。
【図21】図21は本発明の実施例3の遮断部材の配置位置の説明図であり、図21Aは図20に対応する図、図21Bは層厚規制部材の近傍の拡大図である。
【図22】図22は本発明の実施例3の作用説明図である。
【図23】図23は実施例3に対する遮断部材が設けられていない場合の比較の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0020】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の正断面図である。
図1において、本発明の実施例1の画像形成装置の一例としての複写機Uは、自動原稿搬送装置U1と、これを支持し且つ上端に透明な原稿台PGを有する画像形成装置本体U2とを備えている。
前記自動原稿搬送装置U1は、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて載置される原稿給紙部TG1と、原稿給紙部TG1から、前記原稿台PG上の原稿読取位置の一例としての複写位置を通過して搬送される原稿Giが排出される原稿排紙部TG2とを有している。
前記画像形成装置本体U2は、利用者が複写開始等の作動指令信号を入力操作する操作部UIと、露光光学系A等を有している。
【0021】
前記自動原稿搬送装置U2で原稿台PG上を搬送される原稿Giまたは手動で原稿台PG上に置かれた原稿からの反射光は、前記露光光学系Aを介して、固体撮像素子CCDで赤R、緑G、青Bの電気信号に変換される。
画像変換部IPSは、固体撮像素子CCDから入力される前記RGBの電気信号を黒K、イエローY、マゼンタM、シアンCの画像情報に変換して一時的に記憶し、前記画像情報を予め設定された時期に潜像形成用の画像情報として潜像形成装置駆動回路DLに出力する。
なお、原稿画像が単色画像、いわゆるモノクロの場合は、黒のみの画像情報が潜像形成装置駆動回路DLに入力される。
前記潜像形成装置駆動回路DLは、各色Y,M,C,Kの図示しない各潜像形成装置駆動回路を有し、入力された画像情報に応じた潜像形成装置駆動信号を予め設定された時期に、潜像形成装置ROSの各色の図示しない潜像書込光照射部に出力する。
【0022】
図2は本発明の実施例1の画像形成装置の要部拡大図である。
前記潜像形成装置ROSの上方に配置された可視像形成装置Uy,Um,Uc,Ukはそれぞれ、イエローY、マゼンタM、シアンC、および黒Kの各色の可視像の一例としてのトナー像を形成する装置である。
潜像形成装置ROSの前記図示しない各潜像形成光照射部からは、潜像書込光の一例として、Y,M,C,KのレーザビームLy,Lm,Lc,Lkが照射される。前記レーザビームLy,Lm,Lc,Lkは、それぞれ、回転する像保持体PRy,PRm,PRc,PRkに入射する。
前記Yの可視像形成装置Uyは、回転する像保持体PRy、帯電器CRy,現像装置Gy、一次転写器T1y、像保持体清掃器CLyを有しており、前記可視像形成装置Um,Uc,Ukはいずれも前記Y色の可視像形成装置Uyと同様に構成されている。
【0023】
前記各像保持体PRy,PRm,PRc,PRkは、それぞれ、帯電器の一例としての帯電ロールCRy,CRm,CRc,CRkにより一様に帯電された後、画像書込位置Q1y、Q1m,Q1c,Q1kにおいて、前記レーザビームLy,Lm,Lc,Lkにより、その表面に静電潜像が形成される。前記像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面の静電潜像は、現像領域Q2y,Q2m,Q2c,Q2kにおいて現像装置Gy,Gm,Gc,Gkによりトナー像に現像される。
その現像されたトナー像は、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBに接触する1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kに搬送される。前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて、中間転写ベルトBの裏面側に配置された一次転写装置の一例としての1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kには、制御部Cにより制御される電源回路Eから予め設定された時期にトナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される。
前記各像保持体PRy〜PRk上のトナー像は前記1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトBに1次転写される。1次転写後の像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面の残留トナーは、像保持体清掃器の一例としての像保持体クリーナCLy,CLm,CLc,CLkにより清掃される。
【0024】
前記像保持体PRy〜PRkの上方には、上下移動可能且つ前方に引き出し可能な中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、前記中間転写ベルトBと、張力付与部材の一例としてのテンションロールRtと、蛇行防止部材の一例としてのウォーキングロールRwと、従動部材の一例としてのアイドラロールRfと、駆動部材の一例としての駆動ロール兼用の二次転写対向部材の一例としてのバックアップロールT2aと、前記1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kとを有している。前記テンションロールRt、ウォーキングロールRw、アイドラロールRf、駆動ロール兼用のバックアップロールT2aにより、中間転写体支持部材の一例としてのベルト支持ロールRt+Rw+Rf+T2が構成されている。そして、前記中間転写ベルトBは前記ベルト支持ロールRt+Rw+Rf+T2aにより回転移動可能に支持されている。したがって、前記駆動ロール兼用のバックアップロールT2aを回転駆動する駆動装置および前記ベルト支持ロールRt+Rw+Rf+T2a等により中間転写ベルト駆動装置が構成されている。
【0025】
前記バックアップロールT2aに接する中間転写ベルトBの表面に対向して二次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bが配置されており、前記各ロールT2a,T2bにより、実施例1の2次転写装置T2が構成されている。また、2次転写ロールT2bおよび中間転写ベルトBの対向する領域には2次転写領域Q4が形成される。
前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kで一次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトB上に順次重ねて転写されたトナー像は、前記2次転写領域Q4に搬送される。
【0026】
前記潜像形成装置ROSの下方には、媒体給紙部の一例としての給紙トレイTR1〜TR3を前後方向に出入可能に支持する左右一対の案内部の一例としてのガイドレールGR、GRが3段設けられている。給紙トレイTR1〜TR3には、媒体の一例としての記録シートSが収容されている。前記記録シートSは、媒体取出し部材の一例としてのピックアップロールRpにより取り出され、捌き部材の一例としてのさばきロールRsにより1枚ずつ分離される。さばきロールRsにより分離された記録シートSは、媒体搬送部材の一例としてのシート搬送ロールRaにより、給紙時期調整部材の一例としてのレジロールRrに送られる。前記シート搬送ロールRaは、媒体案内部材、いわゆるシートガイドにより形成された搬送路SHに沿って複数設けられており、2次転写領域Q4のシート搬送方向上流側にはレジロールRrが配置されている。前記搬送路SH、シート搬送ロールRa、レジロールRr等によりシート搬送装置SH+Ra+Rrが構成されている。
【0027】
レジロールRrは、前記中間転写ベルトBに形成されたトナー像が2次転写領域Q4に搬送されるのに時期を合わせて、前記記録シートSを2次転写領域Q4に搬送する。記録シートSが前記2次転写領域Q4を通過する際、前記バックアップロールT2aは接地、すなわちアースされ、2次転写ロールT2bには前記制御部Cにより制御される電源回路Eから予め設定された時期にトナーの帯電極性と逆極性の2次転写電圧が印加される。このとき、前記中間転写ベルトB上のトナー像は、前記2次転写器T2により前記記録シートSに転写される。
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、中間転写体の清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbにより清掃される。
前記1次転写ロールT1y〜T1k、中間転写ベルトBおよび2次転写器T2等により、実施例1の転写装置T1y〜T1k+T2+Bが構成されている。
【0028】
前記トナー像が2次転写された記録シートSは、定着装置Fに搬送される。前記定着装置Fは、加熱定着部材の一例としての加熱ロールFhおよび加圧定着部材の一例としての加圧ロールFpを有し、加熱ロールFhおよび加圧ロールFpの圧接領域である定着領域Q5を通過する際に、記録シートS表面の未定着トナー像が加熱定着される。トナー像が加熱定着された記録シートSは、媒体排出部材の一例としての排出ローラRhにより、媒体排出部の一例としての排紙トレイTRhに排出される。
なお、前記加熱ロールFh表面には、記録シートSについて、前記加熱ロールFhからの離型性を良くするための離型剤が離型剤塗布装置Faにより塗布されている。
【0029】
前記ベルトモジュールBMの上方には、各色Y,M,C,Kの各現像剤を収容する現像剤補給容器の一例としてのトナーカートリッジKy,Km,Kc,Kkが配置されている。各トナーカートリッジKy,Km,Kc,Kkに収容された現像剤は、前記現像装置Gy,Gm,Gc,Gkの現像剤の消費に応じて、図示しない現像剤補給路から前記各現像装置Gy,Gm,Gc,Gkに補給される。
【0030】
図1において、前記画像形成装置Uは上側枠体UFと下側枠体LFとを有しており、上側枠体UFには、前記潜像形成装置ROSおよび潜像形成装置ROSよりも上方に配置された部材、すなわち、像保持体PRy,PRm,PRc,PRk、現像装置Gy,Gm,Gc,Gk、ベルトモジュールBM等が支持されている。
また、下側枠体LFには、前記給紙トレイTR1〜TR3を支持するガイドレールGRおよび前記各トレイTR1〜TR3から給紙を行う前記給紙部材、すなわち、ピックアップロールRp,さばきロールRs,シート搬送ロールRa等が支持されている。
【0031】
(現像装置Gy〜Gkの説明)
図3は本発明の実施例1の現像装置の説明図である。
図4は図3のIV−IV線断面図である。
なお、前記現像装置Gy、Gm、Gc、Gkは同様の構成をしているので、以下では、Y色の現像装置Gyに関して説明し、その他の現像装置Gm、Gc、Gkに関する説明は省略する。
【0032】
図3、図4において、前記現像領域Q2yで像保持体PRyに対向して配置された現像装置Gyは、現像剤が収容された現像容器Vを有している。前記現像容器Vは、現像剤の一例として、負極性、すなわち、−極性に帯電するトナーと、正極性、すなわち+極性に帯電する磁性キャリアとを含む2成分現像剤を収容している。前記現像容器Vは、現像容器本体1とその上端を塞ぐ蓋部材の一例としての現像容器カバーWとを有している。前記現像容器本体1の前方には、図4に示すように、現像容器本体1の前方に突出する前方突出部3が一体成形されている。前記現像容器本体1の前壁1a、後壁1bには、現像装置Gyの長手方向に延びる層厚規制部材SKの両端部がネジで固定されている。
【0033】
図3において、現像容器本体1は、その内側に、現像剤保持体の一例としての現像ロールR0が収容される保持体収容室の一例としての現像ロール室4と、前記現像ロール室4に隣接する第1攪拌室6と、前記第1攪拌室6に隣接する第2攪拌室7とを有している。前記現像容器カバーWは前記第2攪拌室7上に配置される上壁Waと、前記上壁Waの左端部から延びて前記現像ロール室4を形成する現像剤保持体収容壁Wbと、前記上壁Waの右部から下方に延びて前記現像容器本体1の内壁に嵌合する嵌合部Wcとを有している。そして、前記現像剤保持体収容壁Wbは弧状の頂壁Wb1及び平板状の傾斜壁Wb2とを有している。
【0034】
図4において、前記第1攪拌室6は、現像容器本体1側の第1主攪拌室6aと、前方突出部3の左部3a側の排出室6bとを有している。また、前記第2攪拌室7は、現像容器本体1側の第2主攪拌室7aと、前記前方突出部3の右部3b側の補給室7bとを有している。前記現像容器本体1の内側で前記第1攪拌室6と第2攪拌室7との間には、前記第1主攪拌室6aおよび第2主攪拌室7aの両端部以外の部分を仕切る仕切壁9が設けられている。即ち、前記第1主攪拌室6a及び第2主攪拌室7aはその前後方向両端部の前側流入部E1及び後側流入部E2において現像剤が流入可能に構成されている。
前記第1攪拌室6及び第2攪拌室7とによって、実施例1の循環攪拌室6+7が構成されている。
【0035】
図3、図4において、前記前方突出部3の左部3aの下部には現像剤排出口3a1が設けられており、前記前方突出部3の右部3bの上部には、図4に示すように、補給口3b1が設けられている。前記補給口3b1は、補給された新しい現像剤が補給後すぐに排出されないように配置されている。
【0036】
図3、図4において、前記現像ロールR0は、磁石部材の一例として、現像容器Vに現像剤保持体軸R0aを介して固定支持された磁石ロール8と、円筒状の円筒部材の一例として、前記磁石ロール8の外周に回転可能に支持され且つ現像領域Q2yで反重力方向であるY1方向に回転する現像スリーブ9とを有する。
前記磁石ロール8には、外周面に複数の磁極が設けられている。実施例1の磁石ロール8は、像保持体PRyに対向して配置された現像磁極S1と、前記現像磁極S1の現像スリーブ9の回転方向上流側に配置され且つ層厚規制部材SKと対向して配置された層厚規制磁極N2と、前記現像磁極S1の前記現像スリーブ9の回転方向下流側に配置された搬送磁極N1と、搬送磁極N1の現像スリーブ9の回転方向下流側に配置された剥離磁極の一例としてのピックオフ磁極S2と、前記ピックオフ磁極S2と層厚規制磁極N2との間に配置された吸着磁極の一例としてのピックアップ磁極S3と、を有する。
前記第1主攪拌室6aの現像剤は、前記ピックアップ磁極S3によって前記現像スリーブ9表面上に吸着されると、現像スリーブ9上に保持されてY1方向に回転する。そして、現像スリーブ9上に保持された現像剤は、層厚規制磁極N2と層厚規制部材SKとにより現像剤の層の厚さが規制されて、現像領域Q2yに搬送される。
【0037】
図4において、前記現像剤保持体軸R0aの外周側には、現像スリーブ9の前後に対応して、現像スリーブ9を支持する外周軸R0bが回転自由に支持されており、図4に示すように、後端側の外周軸R0bには駆動伝達部材の一例としてのギアG0が固定支持されている。したがって、ギヤG0が回転すると、外周軸R0bが現像剤保持体軸R0aの周りを回転して現像スリーブ9が磁石ロール8の外周を回転する。
【0038】
図3、図4において、前記第1攪拌室6には、第1の搬送部材の一例として、現像剤を攪拌しながら搬送する第1オーガR1が配置されている。
図4において、前記第1オーガR1は、前記現像ロールR0の軸方向に延びる回転軸R1aと、螺旋状の搬送羽根の一例として、前記回転軸R1aの外周に支持された順搬送羽根R1bと逆搬送羽根R1cとを有している。前記順搬送羽根R1bは、現像剤を後側から前側の第1搬送方向Yaに搬送するために、前記後側流入部E2から前側流入部E1にかけて設けられている。前記逆搬送羽根R1cは前記現像剤排出口3a1付近に設けられており、現像剤を順搬送羽根R1bの搬送方向とは逆方向に搬送することによって、現像剤を第1攪拌室6から第2攪拌室7に流入させている。前記回転軸R1aは前記前方突出部3の左部3aの前面壁と前記現像容器本体1の後面壁によって回転自由に支持されており、回転軸R1aの後端部、すなわち、図4の−X側の端部にはギアG1が支持されている。
【0039】
図3、図4において、前記第2攪拌室7には、第2の搬送部材の一例として、現像剤を攪拌しながら搬送する第2オーガR2が配置されている。前記第2オーガR2も、第2オーガR2用の回転軸R2a、順搬送羽根R2bおよび逆搬送羽根R2cを有している。
図4において、前記第2オーガR2の順搬送羽根R2bは、現像剤を前側から後側の第2搬送方向Ybに搬送するために、前記補給口3b1から後側流入部E2にかけて設けられている。前記逆搬送羽根R2cは、前記後側流入部E2の後端側に設けられており、現像剤を攪拌搬送羽根R2bの搬送方向とは逆方向に搬送することによって、現像剤を第2攪拌室7から第1攪拌室6に流入させている。前記第2オーガR2の回転軸R2aは前方突出部3の右部3bの前面壁と現像容器本体1の後面壁によって回転自由に支持され、後端部にギアG2が支持されている。
【0040】
図3、図4において、前記現像ロールR0のギアG0は第1オーガR1のギアG1と中間のギアG3を介して噛合っており、ギアG1は前記第2オーガR2のギアG2と噛合っている。前記ギアG0は、図示しない現像装置駆動源の一例としての現像装置用モータの回転力が伝達されており、前記現像装置用モータによってギアG0が回転すると、ギアG1はギアG0と同方向であるY2方向に回転し、前記ギアG1とギアG2は互いに逆方向であるY3方向に回転する。即ち、前記ギアG1及びギアG2と一体に回転する第1オーガR1及び第2オーガR2は互いに逆方向に回転する。前記第1オーガR1及び第2オーガR2の回転によって、前記第1攪拌室6及び第2攪拌室7の中の現像剤は互いに逆方向に搬送され循環している。この際に、前記第1オーガR1の搬送する現像剤は現像ロールR0に供給される。
【0041】
(湾曲ブロック11の説明)
図5は本発明の実施例1の遮断部材の配置位置の説明図であり、図5Aは図3に対応する図、図5Bは層厚規制部材の近傍の拡大図である。
図3〜図5において、前記現像ロールR0と前記第1オーガR1との間には、遮断部材の一例として、前記現像ロールR0に向かって移動する現像剤の移動を遮る湾曲ブロック11が配置されている。前記湾曲ブロック11は、現像容器Vの前後の壁面に支持されている。前記湾曲ブロック11は、前記第1オーガR1が回転した場合に搬送羽根R1b,R1cが回転して描く軌跡、すなわち、前記搬送羽根R1bの径方向外端の回転軌跡12に沿って湾曲した部分円筒状に形成されている。
図5において、実施例1の湾曲ブロック11は、前記第1オーガR1に搬送される現像剤の剤面の予め設定された下限の剤面13に対して、上端11aが重力方向下方に配置されている。実施例1では、前記現像剤の下限の剤面13として、現像剤中のトナーが消費されてキャリアのみの場合の現像剤の剤面が設定されている。なお、現像剤の剤面13は、これに限定されず、現像装置の構成に応じて任意の剤面が設定可能であり、例えば、印刷可能なトナー消費最大の画像が印刷された場合の現像剤の剤面や、下限の剤面13に対して、余裕値、いわゆる、マージンを加算、減算した剤面に設定することが可能である。
【0042】
図5において、前記湾曲ブロック11は、仮想的な平面である第1の仮想平面B1、第2の仮想平面B2、第3の仮想平面B3と交差するよう配置される。
ここで、前記第2の仮想平面B2は、前記現像ロールR0の回転中心と前記第1オーガR1の回転中心とを通る仮想的な平面である。
また、前記第1の仮想平面B1と第3の仮想平面B3とは、前記回転軌跡12に接する仮想的な平面である。前記第1の仮想平面B1と第3の仮想平面B3とは、層厚規制部材SKが現像ロールR0と対向する対向位置Q11を通る。このうち、前記第1の仮想平面B1は、搬送羽根R1bの周方向の速度が前記層厚規制部材SKに近づく方向の速度成分を有する位置Q12において前記回転軌跡12に接している。一方、前記第3の仮想平面B3は、前記搬送羽根R1bの周方向の速度が層厚規制部材SKから離れる方向の速度成分を有する位置Q13において前記回転軌跡12に接している。
【0043】
なお、実施例1では、前記対向位置Q11は、図5Bに示すように、層厚規制部材SKが現像ロールR0に対向する端部SK1上であって、現像スリーブ9の回転方向中央部の位置が設定されているが、前記対向位置Q11の位置は、実施例1の構成に限定されない。すなわち、現像装置の構成に応じて、前記層厚規制部材SKと前記現像ロールR0とが対向する部分の空間の任意の位置を対向位置Q11として、第1の仮想平面B1と第3の仮想平面B3を設定することが可能である。したがって、例えば、層厚規制部材SKの端部SK1であって、現像スリーブ9の回転方向上流端を対向位置として、第1の仮想平面と第3の仮想平面を設定することが可能である。
前記現像容器V、現像ロールR0、湾曲ブロック11、第1オーガR1および第2オーガR2等によって現像装置Gyが構成されている。
【0044】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の複写機Uでは、像保持体PRy〜PRkの表面に静電潜像が形成され、現像装置Gy〜Gkが、現像ロールR0に保持した現像剤で、像保持体PRy〜PRk上の潜像をトナー像に現像する。
この際に、実施例1の現像装置Gy〜Gkでは、螺旋状の搬送羽根R1b,R1c,R2b,R2cを有するオーガR1,R2が回転して、循環攪拌室6+7に収容された現像剤が攪拌されながら搬送される。そして、現像ロールR0側の第1攪拌室6に搬送された現像剤は、現像ロールR0に供給されて、現像ロールR0に、現像剤が吸着、保持される。
【0045】
図6はオーガと現像剤の量の説明図である。
図6において、螺旋状の攪拌羽根を有する搬送部材、いわゆる、オーガ01が矢印Y01方向に現像剤を搬送する場合、螺旋状の搬送羽根02の各部分に対して上流側の部分では現像剤の量が少なくなり、下流側の部分では現像剤の量が多くなり易い。したがって、搬送羽根02の1ピッチ毎に、現像剤の量が増減し、オーガ01の軸方向に沿って現像剤の剤面が波状の凹凸となる場合がある。特に、高濃度の画像が印刷される等して現像剤が消費されて現像剤の総量が少なくなると、現像剤の剤面の凹凸が顕著となり易い。したがって、オーガ01で攪拌、搬送された現像剤を、現像ロールが吸着する場合、オーガ01の軸方向の位置に応じて、現像ロールに吸着される現像剤の量が異なり易く、現像ロールに保持された現像剤の量が軸方向に増減が生じてムラとなり、現像ロール上に、攪拌羽根02に応じた周期的な斜めの模様が形成される場合があった。
【0046】
図7はオーガの搬送羽根が現像剤に与える力の向きを説明する図であり、図7Aは水平方向からオーガを見た場合の説明図、図7Bは斜め上方からオーガを見た場合の説明図、図7Cは重力方向上方からオーガを見た場合の説明図、図7Dは軸方向からオーガを見た場合の説明図である。
また、図7に示すように、オーガ01が現像剤を搬送する場合に、オーガ01が矢印Y02方向に回転すると、回転する螺旋状の搬送羽根02から、現像剤は力03を受ける。すなわち、回転する螺旋状の搬送羽根02は、現像剤に、軸方向である搬送方向Y01に移動する力を与える一方で、周方向や、軸から離れる径方向に移動する力も与える。したがって、現像ロールとオーガ01との間の現像剤は、周方向、径方向の力が作用して、搬送羽根02から現像ロールに向かう方向の力を受け、現像ロールの磁力だけでなく、搬送羽根02から受ける力も加わり、現像ロールに吸着、保持される場合がある。すなわち、現像ロールに保持される現像剤に関し、搬送羽根02から力を受けた部分は、単純に現像剤の量が多く保持されたり、現像剤の密度が部分的に高くなったりして、搬送羽根02に応じて軸方向に増減が生じムラが生じる場合があり、この場合にも、現像ロールにオーガ01の搬送羽根02に応じた斜めの模様が形成される恐れがあった。
【0047】
このような現像ロール上に周期的な斜めの模様が形成された状態で像保持体上の潜像が現像されると、現像された画像にも周期的な斜めの模様の影響が出て、記録シートS上の画像に搬送羽根02に応じた周期的な斜めの濃淡、いわゆる、オーガマークが発生して画質が悪化してしまう場合があった。特に、濃度の薄い画像、いわゆる、ハーフトーン画像を印刷した場合に、このオーガマークが顕著となり易い。
ここで、従来の構成では、層厚規制磁極の磁力を十分に大きくして、層厚規制部材の上流側に層厚規制部材で規制された現像剤を一定量保持しながら現像剤の層の厚さを規制しており、現像ロール上に現像剤の少ない部分があってムラが生じていても均され易くて、オーガマークの発生が低減されていた。
【0048】
しかしながら、この場合、層厚規制部材の上流側の現像剤には、さらに上流側から次々と現像剤が搬送されてきて圧縮されて負荷を受け、現像剤の劣化が発生する。
一方、現像剤への負荷を軽減しようとして、層厚規制磁極の磁力を小さくすると、層厚規制部材で規制された現像剤は、層厚規制部材の上流側の現像ロールに保持され難くなって、保持されて溜まった現像剤が緩和していた現像ロールの現像剤の量のムラも、緩和され難くなってしまう。しかも、層厚規制部材の上流側における現像ロールの現像剤の保持量が少なくなると、オーガ01から力を受けた現像剤が、直接、層厚規制部材の上流側に移動し易く、現像ロール上の現像剤が、オーガ01から移動して来た現像剤から圧力を受けて密度ムラが生じ、現像ロール上に現像剤のムラが生じてしまう恐れがある。
【0049】
ここで、特許文献1〜4に記載の構成では、現像剤の剤面を擬似的に、あるいは、実際に高くしたり、第2の層厚規制部材を設けたりするなどして、現像ロール上の現像剤の量のムラを低減したりしている。しかしながら、特許文献1〜4の構成では、現像剤が現像ロールに吸着される際や、現像ロール上の現像剤の層の厚さが規制される際などに、搬送羽根の力が作用してしまい、力が作用した部分と作用しない部分とで密度ムラが生じてしまい易く、現像ロール上に現像剤の量のムラが残ってしまう場合があった。
特に、特許文献4のように、現像剤の剤面をオーガ全体に比べて高くしてオーガマークを低減しようとする構成では、現像ロールの一部が現像剤の剤面に浸り易く、現像剤が搬送羽根に押し退けられて径方向に押された場合に、搬送羽根に応じた力が現像剤を介して現像ロール上に伝わり易く、現像ロール上の現像剤が密集してしまう場合がある。したがって、現像剤の剤面をオーガ全体に比べて高くしてオーガマークを低減しようとする構成では、現像剤が密集した状態で現像されてしまい、密集した部分の画像が濃く印刷される場合があった。
【0050】
図8は本発明の実施例1の作用説明図であり、図8Aは図5Aに対応する図、図8Bは図8Aの拡大図、図8Cは実施例1に対する遮断部材が設けられていない場合の比較の説明図である。
これらに対して、実施例1の現像装置Gy〜Gkでは、現像ロールR0と第1オーガR1との間に湾曲ブロック11が配置されており、図8A、図8Bに示すように、第1オーガR1に搬送される現像剤は、搬送羽根R1bから径方向に押され現像ロールR0方向に移動しようとしても、湾曲ブロック11に遮断される。すなわち、第1オーガR1から現像ロールR0方向に働く力は湾曲ブロック11に妨げられ、現像ロールR0近傍の現像剤は、第1オーガR1から現像ロールR0方向の力を直接的には受け難い。したがって、実施例1の現像装置Gy〜Gkでは、現像剤が、磁石ロール8の磁力のみで現像ロールR0に吸着され易く、第1オーガR1からの力が加わって現像剤が現像ロールR0上に多く保持されたり、現像剤の密度が部分的に高くなったりすることが低減される。すなわち、実施例1の現像装置Gy〜Gkでは、特許文献1〜4の構成に比べて、現像ロールR0上の現像剤のムラが低減され易くなっている。
【0051】
特に、実施例1では、湾曲ブロック11が、第1オーガR1の回転軌跡12に沿って湾曲して形成されており、現像剤が湾曲ブロック11に遮断される際に、湾曲ブロック11に沿って、第1オーガR1の回転方向Y2に搬送され易くなっている。すなわち、遮断部材の第1オーガR1側が、前記回転軌跡12に沿って湾曲していない場合には、遮断部材と第1オーガR1との間の現像剤に、第1オーガR1から周方向の力が働き難い場合があり、現像剤が、遮断部材と第1オーガR1との間に滞留して、第1オーガR1から現像ロールR0方向の力を受け続け劣化する恐れがある。これに対して、実施例1では、湾曲ブロック11が回転軌跡12に沿って湾曲しており、湾曲ブロック11と第1オーガR1との間にある現像剤は、第1オーガR1から周方向の力を受けて移動し易く、遮断部材と第1オーガR1との間を短時間で通過して劣化し難くなっている。
【0052】
また、実施例1の湾曲ブロック11は、対向位置Q11と接点の位置Q12とを結ぶ第1の仮想平面B1と交差している。したがって、第1オーガR1がY2方向に回転した場合に、現像剤が、位置Q12を通過する搬送羽根R1bから力を受けて対向位置Q11に向かって移動しようとしても、湾曲ブロック11に遮断され易くなっている。すなわち、層厚規制部材SKで規制されて規制磁極N2で保持された対向位置Q11の上流側の現像剤に向けて、第1オーガR1からの力が作用し難くなっており、搬送羽根R1bに応じた現像剤の密集や、力を受けて現像剤が劣化することが低減される。
【0053】
さらに、実施例1の湾曲ブロック11は、部分円筒状で、第1の仮想平面B1に加えて第2の仮想平面B2と交差する。したがって、現像剤が吸着されてから現像剤の層の厚さが規制されるまでの現像ロールR0の部分、すなわち、現像領域Q2y〜Q2kに搬送される現像剤が保持される現像ロールR0の部分に、第1オーガR1から力を受けた現像剤が直接的に到達し難くなっている。よって、実施例1では、湾曲ブロック11が、第1の仮想平面B1及び第2の仮想平面B2と交差していない場合に比べて、現像ロールR0上の現像剤の密度ムラ、量ムラなどの現像剤のムラが低減され易くなっている。
なお、実施例1では、前記湾曲ブロック11が、第1の仮想平面B1に加えて第3の仮想平面B3とも交差している。したがって、第1オーガR1から対向位置Q11に向かう方向が遮断されている。すなわち、実施例1では、第1オーガR1から力を受けて、現像剤が直線的に対向位置Q11に移動しようとしても全て遮断される。
【0054】
また、実施例1では、湾曲ブロック11の上端11aが、予め設定された現像剤の下限の剤面13に対して下方に配置されており、現像剤が消費された場合でも現像剤の剤面が湾曲ブロック11の上方となるように設定されている。ここで、実施例1では、湾曲ブロック11が、上方側の現像ロールR0と、下方側の第1オーガR1との間に配置されている。したがって、仮に、湾曲ブロック11の上端11aが現像剤の下限の剤面13に対して上方に配置されているとすると、第1オーガR1が搬送する現像剤が湾曲ブロック11に遮断されて、湾曲ブロック11を越えて現像ロールR0側に移動し難く、現像ロールR0に現像剤が供給され難い恐れがある。これに対して、実施例1では、現像剤が消費された場合でも現像剤の剤面が湾曲ブロック11の上方となるように設定されており、湾曲ブロック11の上端11aが下限の剤面13に対して上方に配置される場合に比べて、現像剤が湾曲ブロック11の上方を移動して現像ロールR0に供給され易くなっている。
【0055】
さらに、実施例1では、現像剤の下限の剤面13は、第1オーガR1の上方に設定されている。ここで、現像剤の下限の剤面13が第1オーガR1の下方に設定されており第1オーガR1の上部が現像剤の剤面から上方に露出する構成では、現像剤が搬送羽根R1b,R1cを越えて搬送方向に移動し難く、図6に示すように、搬送羽根の1ピッチ毎に、現像剤の量が増減し易い。これに対して、実施例1では、現像剤の剤面が搬送羽根R1b,R1cの上方にあり、現像剤が搬送羽根R1b,R1cを越えて均され易くなっている。すなわち、実施例1では、オーガの上部が現像剤の剤面から上方に露出する構成に比べて、現像剤の剤面が波状の凹凸が大きくなり難く、剤面が均された状態で現像ロールR0に吸着され易くなっている。したがって、実施例1では、現像剤の下限の剤面13が第1オーガR1上部の下方に設定されている場合に比べて、現像ロールR0上の現像剤のムラが低減され易く、印刷される画像に、オーガマークなどの搬送羽根R1b,R1cに応じた斜めの模様が形成されることが低減されている。
【0056】
(実験例)
次に、実施例1の複写機Uの機能を確認するための実験を行った。
(実験例1)
実験例1では、富士ゼロックス株式会社製のDCC3300の複写機を改造して実施例1の構成を適用して、画像を印刷し、遮断部材が、記録される画像に与える影響を測定した。実験例1では、いわゆる、全面ベタ画像を、20枚の記録シートに連続して印刷し、印刷された20枚の記録シート上の画像のうち、オーガマーク等の搬送羽根に応じた斜めの模様が最も大きく現れた画像を評価して、遮断部材の与える影響を測定した。実験例1では、オーガマーク等の搬送羽根に応じた斜めの模様が表れていないと判断された場合には評価1を、前記模様が表れているが許容水準にあると判断された場合には評価2を、前記模様がやや目立つと判断された場合には評価3を、前記模様が目立つと判断された場合には評価4を、前記模様が著しく目立つと判断された場合には評価5を付けて測定した。
【0057】
(実験例2)
図9は実験例2の説明図である。
図9において、実験例2では、実施例1の湾曲ブロック11に替えて、遮断部材の一例としての湾曲ブロック11′が配置された現像装置Gy〜Gkを使用した。実験例2の湾曲ブロック11′は、第2の仮想平面B2と交差しないように配置され且つ軸方向の断面積が小型化されている点を除いて、実施例1の湾曲ブロック11と同様に構成されている。
実験例2では、実験例2の現像装置Gy〜Gkを使用した点以外は、実験例1と同様にして測定を行った。
【0058】
(比較例1)
図10は比較例1の説明図である。
図10において、比較例1では、湾曲ブロック11等の遮断部材が省略された従来の現像装置Gy〜Gkを使用した。比較例1では、従来の現像装置Gy〜Gkを使用した点以外は、実験例1と同様にして測定を行った。
【0059】
(実験結果)
図11は実験例の実験結果の説明図である。
図11において、実験例1では、評価1.5が得られた。また、実験例2では、評価2が得られた。これらに対して、比較例1では評価3が得られた。したがって、遮断部材が設けられた構成では、オーガマーク等の搬送羽根に応じた斜めの模様の発生が低減されることが確認された。すなわち、遮断部材が、現像ロールの現像剤のムラに影響を与えたと判断されると共に、実験例2の構成に比べて、実験例1の構成の方が現像ロールの現像剤のムラを低減する効果が大きいと判断される。
【実施例2】
【0060】
(現像装置の説明)
図12は本発明の実施例2の現像装置の説明図であり、実施例1の図8Aに対応する説明図である。
図12において、実施例2の現像装置Gy〜Gkは、実施例1の湾曲ブロック11に替えて、遮断部材の一例としての遮断フィルム11″を有する。実施例2の遮断フィルム11″は、実施例1の湾曲ブロック11と同様に、部分円筒状に構成され、現像容器Vに前後の壁面で支持されており、仮想平面B1〜B3と交差し、且つ、現像剤の下限の剤面13に対して下方に配置されている。
【0061】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2の現像装置Gy〜Gkでは、現像剤が、第1オーガR1から力を受けて現像ロールR0に移動しようとしても、第1オーガR1と現像ロールR0との間に配置された遮断フィルム11″に遮断される。したがって、実施例2でも、実施例1と同様に現像ロールR0の現像剤のムラが低減される。
【実施例3】
【0062】
図13は本発明の実施例3の画像形成装置の全体説明図である。
次に本発明の実施例3の説明をする。図13において、実施例3の複写機U′では、実施例1の複写機Uに対して位置や形状は異なるが、実施例1の複写機Uと同様の機能を有する部材には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、実施例3の複写機U′は従来公知であり、例えば、特開2005−208340号公報、特開2009−175768号公報などに記載されている。そこで、以下では、後述する実施例3の現像装置Gy′〜Gk′についてのみ説明し、他の部材についての説明は省略する。
【0063】
(現像装置Gy′〜Gk′について)
図14は本発明の実施例3の現像装置の斜視図である。
図15は本発明の実施例3の現像装置の現像剤の補給口部分の拡大説明図で図14の矢印XV方向から見た部分断面図である。
図16は本発明の実施例3の現像装置の後端部の説明図であり、図14の矢印XVI方向からみた部分断面図である。
図17は本発明の実施例3の現像装置の後端部の説明図であり、図17は図16のXVII−XVII線断面図の説明図である。
図18は本発明の実施例3の現像装置の説明図であり、図18Aは図15のXVIIIA−XVIIIA線断面図、図18Bは図15のXVIIIB−XVIIIB線断面図である。
図19は本発明の実施例3の現像装置の説明図であり、図19Aは図16のXIXA−XIXA線断面図であり、図19Bは図16のXIXB−XIXB線断面図、図19Cは現像装置のギヤの説明図である。
【0064】
図13、図14において、実施例3の複写機U′は、実施例1の現像装置Gy,Gm,Gc,Gkに替えて、実施例3の現像装置Gy′,Gm′,Gc′,Gk′を有する。実施例3の現像装置Gy′〜Gk′は、ベルトモジュールBMの上方に配置された像保持体PRy〜PRkに対して、右側に配置されている。なお、各現像装置Gy′〜Gk′は同様の構成をしているので、Y色の現像装置Gy′についてのみ説明を行い、その他の色の現像装置Gm′,Gc′,Gk′についての詳細な説明は省略する。
図18B、図19Bにおいて、現像領域Q2yで像保持体PRyに対向して配置された現像装置Gy′は、現像剤を収容する現像容器V′を有している。
図14において、前記現像容器V′は、容器本体201と、容器本体201の前端および後端に連結された前側接続部材202および後側接続部材203を有している。前側接続部材202は、前側上部接続部材202aおよび前側下部接続部材202bを有しており、後側接続部材203は、後側上部接続部材203aおよび後側下部接続部材203bを有している。
【0065】
図14〜図16において、前記容器本体201の前端および後端のそれぞれ上側の部分には、一対の被支持部201a,201aが設けられており、前記現像容器V′が複写機U′内部に装着された際に、前記各被支持部201aが複写機U′の図示しない枠体により支持される。
図18B、図19Bにおいて、前記容器本体201、前側接続部材202および後側接続部材203を有する現像容器V′は、その内部に、保持体収容室の一例としての現像ロール室204と、現像ロール室204の斜め下方に配置された下側攪拌室206と、前記現像ロール室204に隣接し且つ下側攪拌室206の上方に配置された上側攪拌室207とを有している。前記下側攪拌室206と上側攪拌室207との間は、仕切壁208により仕切られている。図15において、前記仕切壁208の前端部には、下側攪拌室206と上側攪拌室207とを上下に接続する前側流入部E1′が形成されている。図16、図19Aにおいて、前記仕切壁208の後端部には、下側攪拌室206と上側攪拌室207とを上下に接続する後側流入部E2′が形成されている。前記下側攪拌室206と上側攪拌室207とにより、実施例3の循環攪拌室206+207が構成されている。
【0066】
図18、図19において、前記現像ロール室204には、現像剤保持体の一例としての現像ロールR0′が収容されている。前記現像ロールR0′は、磁石部材の一例として、外周面に複数の磁極が設けられ現像容器V′に固定支持された磁石ロール213と、円筒状の円筒部材の一例として、前記磁石ロール213の外周に回転可能に支持され且つ磁石ロール213の磁力で吸着された現像剤を外表面に保持して回転する現像スリーブ214とを有する。実施例3の現像スリーブ214は、現像領域Q2yにおいて上方から下方に表面が移動する矢印Y6方向に回転する。
現像容器V′内で前記現像ロールR0′の上方には、現像ロールR0′に沿って延び、且つ、現像ロールR0′表面に対向して現像ロールR0′に保持された現像剤の層の厚さを規制する実施例3の層厚規制部材SK′が支持されている。
【0067】
図20は本発明の実施例3の現像装置の説明図であり、図18Bの要部拡大図である。
図20において、前記磁石ロール213は、前後方向に延びる支持軸216を有している。前記支持軸216には、磁石部材本体の一例としての磁石ロール本体217が固定支持されている。
前記磁石ロール本体217の外周面には、現像領域Q2yに対向して配置され、現像スリーブ214表面の現像剤を像保持体PRyに向けて立たせる現像磁極S1′が配置されている。前記現像磁極S1′に対して現像スリーブ214の回転方向下流側には、離脱磁極の一例として、前記現像磁極S1′と異なる極性の磁極であって、現像スリーブ214の外表面に保持された現像剤を現像スリーブ214から離脱させるピックオフ磁極N1′が配置されている。前記ピックオフ磁極N1′に対して、現像スリーブ214の回転方向下流側には、吸着磁極の一例として、前記ピックオフ磁極N1′と同一の極性の磁極であって、前記上側攪拌室207に対応して配置され且つ前記上側攪拌室207の現像剤を現像スリーブ214の外表面に吸着させるピックアップ磁極N2′が配置されている。
【0068】
前記ピックアップ磁極N2′に対して、現像スリーブ214の回転方向下流側には、前記ピックアップ磁極N2′と異なる極性の磁極である層厚規制磁極S2′が、層厚規制部材SK′に対向して配置されている。前記層厚規制磁極S2′は、現像スリーブ214表面の現像剤を立たせて前記層厚規制部材SK′で現像剤の層の厚さを規制させる。前記層厚規制磁極S2′に対して現像スリーブ214の回転方向下流側且つ前記現像磁極S1′に対して現像スリーブ214の回転方向上流側には、前記層厚規制磁極S2′と異なる極性の磁極である搬送磁極N3′が配置されている。
前記支持軸216と、磁石ロール本体217とにより、実施例3の磁石ロール213が構成されている。前記磁石ロール213の支持軸216には、前記現像スリーブ214が回転可能に支持されている。前記磁石ロール213と、現像スリーブ214とにより、実施例3の現像ロールR0′が構成されている。
【0069】
図14〜図20において、前記下側攪拌室206には、第1の搬送部材の一例としての第1オーガR1′が回転可能に支持されている。
前記第1オーガR1′は、前記現像ロールR0′に沿って延び且つ前記現像容器V′に回転可能に支持された回転軸R1a′を有する。前記回転軸R1a′の外周面には、螺旋状の攪拌羽根の一例として、回転軸R1a′の前方から後方に延びる順搬送羽根R1b′と、回転軸R1a′の後方に設けられた逆搬送羽根R1c′とが支持されている。前記第1オーガR1′は図18に示す矢印Y7方向に回転すると、前記順搬送羽根R1a′は、回転駆動時に、前方から後方に向かう第1搬送方向Ya′に下側攪拌室206内の現像剤を撹拌しながら搬送する。一方、前記逆搬送羽根R1c′は、回転駆動時に、第1搬送方向Ya′とは逆方向に下側攪拌室206後端の現像剤を撹拌しながら搬送する。よって、下側攪拌室206の後端部には、順搬送羽根R1b′と逆搬送羽根R1c′とにより前後両側から搬送されて現像剤が堆積し易くなっており、後端部上方に設けられた後側流入部E2′を介して、下側攪拌室206から上側攪拌室207に現像剤が流入可能に構成されている。
【0070】
図18〜図20において、前記上側攪拌室207には、第2の搬送部材の一例としての第2オーガR2′が回転可能に支持されている。図15、図16において、前記第2オーガR2′は、前記現像ロールR0′に沿って延び且つ前記現像容器V′に回転可能に支持された回転軸R2a′を有する。前記回転軸R2a′の外周面には、第2オーガR2′の螺旋状の搬送羽根の一例としての第2搬送羽根R2b′が支持されており、第2オーガR2′が図18に示す矢印Y8方向に回転すると、回転駆動時に後方から前方に向かう第2搬送方向Yb′に上側攪拌室207内の現像剤を撹拌しながら搬送する。図15において、前記第2オーガR2′の前端部には、前側上部接続部材202aの上部前端部に形成された現像剤補給口Va′から補給された現像剤を撹拌し且つ前側流入部E1′に搬送する補給現像剤撹拌部材R2d′が設けられている。
前記第1オーガR1′及び第2オーガR2′によって循環搬送部材R1′+R2′が構成されている。
【0071】
図17〜図20において、前記第1オーガR1′と現像ロールR0′との間には、第3の搬送部材の一例としての第3オーガR3′が配置されている。前記第3オーガR3′は、前記現像ロールR0′に沿って延び且つ前記現像容器V′に回転可能に支持された回転軸R3a′を有する。前記回転軸R3a′の外周面には、第3オーガR3′の螺旋状の搬送羽根の一例としての第3搬送羽根R3b′が支持されており、現像ロールR0′と第1オーガR1′との間に滞留する現像剤を撹拌しながら搬送する。
図14、図15、図18Aにおいて、前記前側上部接続部材202a側面には現像剤排出口Vb′が形成されている。前記現像剤排出口Vb′は、前記現像剤補給口Va′から補給された新しい現像剤が補給後すぐに排出される割合を少なくするため、前記現像剤補給口Va′の位置より第2搬送方向Yb′の上流側、すなわち、後側に形成されている。
【0072】
(遮断ブロック221の説明)
図21は本発明の実施例3の遮断部材の配置位置の説明図であり、図21Aは図20に対応する図、図21Bは層厚規制部材の近傍の拡大図である。
図21において、前記現像ロールR0′と前記第2オーガR2′との間には、遮断部材の一例として、前記現像ロールR0′に向かって移動する現像剤の移動を遮る遮断ブロック221が配置されている。前記遮断ブロック221は、現像容器V′の前後の壁面に支持されている。前記遮断ブロック221は、前記第2搬送羽根R2b′の径方向外端の回転軌跡222に沿って湾曲した部分円筒状に形成された遮断部221aと、前記遮断部221aの上端から、層厚規制部材SK′が現像剤の層の厚さを規制する領域に向かって延び且つ層厚規制部材SK′で規制された現像剤を上側攪拌室に207に案内する案内部221bとを有する。
【0073】
前記遮断ブロック221の遮断部221aは、仮想的な平面である第1の仮想平面B1′と、第2の仮想平面B2′と交差するように配置される。
ここで、実施例3の第2の仮想平面B2′は、前記現像ロールR0′の回転中心と前記第1オーガR1′の回転中心とを通る仮想的な平面である。
また、実施例3の第1の仮想平面B1′は、前記回転軌跡222に接する仮想的な平面であり、層厚規制部材SK′が現像ロールR0′と対向する対向位置Q11′を通る。前記第1の仮想平面B1′は、第2搬送羽根R2b′の周方向の速度が前記層厚規制部材SK′に近づく方向の速度成分を有する位置Q12′において前記回転軌跡222に接している。
【0074】
なお、実施例3の対向位置Q11′は、図21Bに示すように、層厚規制部材SK′が現像ロールR0に対向する端部SK1′上であって、現像スリーブ214の回転方向中央部の位置が設定されているが、実施例1と同様に、前記対向位置Q11′の位置は、前記層厚規制部材SK′と前記現像ロールR0′とが対向する部分の空間の任意の位置を設定可能である。
また、実施例3では、現像剤の下限の剤面223として、印刷可能なトナー消費最大の画像が連続して印刷された場合の予め設定された現像剤の剤面が設定されている。実施例3では、印刷可能なトナー消費最大の画像が連続して印刷された場合に、上側攪拌室207の右壁207aと接触する現像剤の剤面が吸着磁極N2′の配置位置よりも高い位置となるように設定されている。
前記容器本体201、前側接続部材202、後側接続部材203、現像ロール室204、下側攪拌室206、上側攪拌室207、仕切壁208、遮断ブロック221等から、実施例3の現像容器V′が構成されている。
【0075】
図14、図19Cにおいて、前記現像ロールR0′の現像スリーブ214の後端部には、ギヤG0′が装着され、回転軸R2a′,R1a′,R3a′の後端部にはギヤG1′,G2′,G3′が装着されている。ギヤG0′とギヤG1′とは中間ギヤG4′を介して噛み合っている。またギヤG1′,G2′,G3′は順次噛み合っている。そして、現像動作時には、図示しない駆動源の回転力は順次ギヤG0′,G4′,G1′,G2′,G3′に伝達され、現像ロールR0′の現像スリーブ214、オーガR1′〜R3′が回転駆動される。
【0076】
図14、図19において、現像容器V′の前記現像剤排出口Vb′の外側には、排出用の現像剤搬送筒の接続部251が配置されている。前記排出用の現像剤搬送筒の接続部251には、排出用の現像剤搬送筒252の前端部が接続されており、前記排出用の現像剤搬送筒252の後端部には、排出現像剤の回収容器の一例として、回収タンク253が接続されている。前記排出用の現像剤搬送筒252の内部は現像剤排出路252aを形成している。図14において、前記排出用の現像剤搬送筒252内部には、排出用の現像剤搬送部材R5が配置されている。この現像剤の排出は、図示しない容器内トナー濃度センサの検出値により制御される。
【0077】
図14、図19Cにおいて、前記排出用の現像剤搬送部材R5の回転軸の後端部にはギヤG6′が装着されており、ギヤG6′は、図示しない現像剤排出用の駆動源により回転駆動される。前記ギヤG6′が回転すると前記排出用の現像剤搬送部材R5が回転し、前記現像剤排出口Vb′から排出用の現像剤搬送筒の接続部251を介して排出用の現像剤搬送筒252内に排出された余剰現像剤は、回収タンク253へ搬送されるようになっている。
前記現像容器V′、現像ロールR0′、搬送部材R1′〜R5′及び符号251〜253で示された要素等により、実施例3の現像装置Gy′が構成されている。
【0078】
(実施例3の作用)
図22は本発明の実施例3の作用説明図である。
図22において、前記構成を備えた実施例3の複写機U′では、像保持体PRy〜PRkの表面に静電潜像が形成されて、現像装置Gy′〜Gk′が、現像ロールR0′〜R0′に保持された現像剤で、像保持体PRy〜PRk上の潜像をトナー像に現像する。
実施例3の現像装置Gy′〜Gk′では、螺旋状の搬送羽根R1b′〜R3b′を有するオーガR1′〜R3′が、循環攪拌室206+207に収容された現像剤を攪拌しながら搬送する。そして、循環攪拌室206+207の上側攪拌室207に搬送された現像剤は、第2オーガR2′に搬送されながら現像ロールR0′の現像スリーブ214に吸着される。現像スリーブ214に吸着された現像剤は、現像スリーブ214に保持された状態で矢印Y6方向に回転して搬送され、層厚規制部材SK′で現像剤の層の厚さが規制された後に、現像領域Q2y〜Q2kに搬送される。
【0079】
ここで、実施例3では、遮断ブロック221が、現像ロールR0′と第2オーガR2′との間に配置されている。したがって、現像剤が第2搬送羽根R2b′から径方向に押されて現像ロールR0′方向に移動しようとしても、遮断ブロック221に遮断される。よって、実施例3でも、実施例1と同様に、第2オーガR2′からの力が加わって現像剤が現像ロールR0′に保持されたりすることが低減されており、現像ロールR0′上の現像剤のムラが低減され易くなっている。
【0080】
図23は実施例3に対する遮断部材が設けられていない場合の比較の説明図である。
なお、実施例3の現像装置Gy′〜Gk′では、層厚規制部材SK′が現像ロールR0′の重力方向上方に配置されており、層厚規制部材SK′で規制された現像剤は重力方向下方に移動し難く、層厚規制部材SK′の上流側に溜まり易い。また、実施例3では、現像剤の下限の剤面223が吸着磁極N2′の配置位置に対して高く設定されており、現像ロールR0′と上側攪拌室207との間が現像剤で満たされ易い。
したがって、仮に、遮断ブロック221が設けられていない場合には、図23に示すように、現像ロールR0′上の現像剤が吸着される位置から現像剤の層の厚さが規制される位置までの部分が、上側攪拌室207から供給される現像剤で満たされて、現像剤に浸った状態となり易い。よって、第2オーガR2′が現像剤を搬送する際に、第2搬送羽根R2b′が現像剤を押し退けると、第2搬送羽根R2b′からの力が現像剤を介して現像ロールR0上に伝わり易い。
【0081】
これに対して、実施例3では、遮断ブロック221が、第1の仮想平面B1′、第2の仮想平面B2′と交差して配置されており、現像剤を介して、搬送羽根R2b′から現像ロールR0′上や対向位置Q11′に向かって伝わる力が遮断され易くなっている。したがって、実施例3では、吸着磁極N2′に比べて現像剤の剤面を高くして、搬送羽根R2b′に応じた現像剤の剤面における波状の凹凸に伴う吸着不良を低減しつつ、搬送羽根R2b′から伝わる力で現像剤が密集して、密集した部分の画像が濃く印刷される場合も低減される。
なお、実施例3の遮断ブロック221には、案内部221bが設けられており、層厚規制部材SK′で規制された現像剤が案内部221bに沿って移動して上側攪拌室207に戻り易い。したがって、層厚規制部材SK′が規制した現像剤が、遮断ブロック221と現像ロールR0′との間に、上方から流入して滞留することが低減されており、現像剤の劣化が低減されている。
【0082】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H06)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としての複写機U,U′を例示したが、これに限定されず、FAXやプリンタあるいはこれらすべてまたは複数の機能を備えた複合機とすることも可能である。また、4色分の像保持体PRy〜PRkおよび現像装置Gy〜Gk,Gy′〜Gk′、潜像形成装置ROSを有する画像形成装置を例示したが、これに限定されず、単色の画像形成装置や、像保持体および潜像形成装置が1つで4つの現像装置が回転して順次像保持体に対向する回転式の画像形成装置にも適用可能である。
【0083】
(H02)前記実施例において、遮断部材11,11′,11″,211は、搬送部材R1,R2′と対向する部分が、搬送部材R1,R2′の回転軌跡12,222に沿って湾曲した形状を有していることが望ましいが、これに限定されない。例えば、遮断部材の搬送部材R1,R2′と対向する部分を平面状に構成するなど、搬送部材R1,R2′から現像ロールR0,R0′に直接的に移動する現像剤を遮断する構成であれば、任意の形状が可能である。
(H03)前記実施例において、遮断部材11,11′,11″の上端11aは、現像剤の下限の剤面13に対して、下方に配置されていることが望ましいが、これに限定されず、上方に配置される構成も可能である。
(H04)前記実施例3において、案内部221bと、遮断部221aとが、一体的に形成された構成を例示したが、案内部221bと、遮断部221aとを別部材として構成することが可能である。また、別部材として構成した案内部221bと、遮断部221aとを分離して配置することが可能である。なお、実施例3において、案内部221bが設けられていることが望ましいが、案内部221bを省略した構成も可能である。
【0084】
(H05)前記実施例において、遮断部材11,11″,211は第2の仮想平面B2,B2′と交差する構成が望ましいが、第2の仮想平面B2,B2′と交差しない構成も可能である。また、前記実施例において、遮断部材11,11′,11″は第3の仮想平面B3と交差する構成を例示したが、これに限定されず、第3の仮想平面B3と交差しない構成も可能である。
(H06)前記実施例において、遮断部材11,11′,11″,211が現像ロールR0,R0′とオーガR1,R2′との間に、一つのみ配置された構成を例示したが、これに限定されない。例えば、遮断部材を、オーガR1,R2′から現像ロールR0,R0′に向かう方向に間隔をあけて複数配置して、多層の遮断部材の構成でオーガR1,R2′からの力を受けて移動する現像剤の移動を複数回遮断する構成も可能である。
【符号の説明】
【0085】
8,213…磁石部材、
9,214…円筒部材、
11,11′,11″,221…遮断部材、
11a…上端、
12,222…回転軌跡、
13…下限の剤面、
B1,B1′…第1の仮想平面、
B2,B2′…第2の仮想平面、
F…定着装置、
Gy,Gm,Gc,Gk,Gy′,Gm′,Gc′,Gk′…現像装置、
PRy,PRm,PRc,PRk…像保持体、
Q11,Q11′…対向位置、
Q12,Q12′…層厚規制部材に近づく方向の速度成分を有する位置、
R0,R0′…現像剤保持体、
R1,R2′…搬送部材、
R1a,R2a′…回転軸、
R1b,R2b′…搬送羽根、
S…媒体、
T1y〜T1k+T2+B…転写装置、
U,U′…画像形成装置、
Uy,Um,Uc,Uk…可視像形成装置、
V,V′…現像容器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤が収容された現像容器と、
外周面に複数の磁極が設けられた磁石部材と、前記磁石部材の外側に設けられた円筒状の円筒部材であって前記磁石部材の磁力で吸着された現像剤を外表面に保持して回転する前記円筒部材と、を有し、前記現像容器に支持された現像剤保持体と、
前記現像剤保持体に沿って延びる回転軸と、前記回転軸に支持された螺旋状の搬送羽根と、を有し、現像剤を攪拌しながら搬送する搬送部材と、
前記現像剤保持体に対向して配置され、前記現像剤保持体に保持された現像剤の層の厚さを規制する層厚規制部材と、
前記搬送部材で搬送された現像剤を前記現像剤保持体に吸着する吸着磁極を有する前記磁石部材と、
前記現像剤保持体と前記搬送部材との間に配置されて現像剤の移動を遮る遮断部材であって、前記搬送羽根の径方向外端の回転軌跡に接する仮想的な平面である第1の仮想平面であり且つ前記層厚規制部材が前記現像剤保持体と対向する対向位置を通ると共に前記搬送羽根の周方向の速度が前記層厚規制部材に近づく方向の速度成分を有する位置において前記回転軌跡に接する前記第1の仮想平面と交差し、且つ、前記現像剤保持体の回転中心と前記搬送部材の回転中心とを通る仮想的な平面である第2の仮想平面と交差して、前記搬送部材に搬送される際に前記搬送羽根の径方向に押されて前記現像剤保持体に向かって移動する現像剤の移動を遮る前記遮断部材と、
を備えたことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記搬送部材の前記回転軌跡に沿って湾曲して形成された前記遮断部材、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記搬送部材に搬送される現像剤の剤面の予め設定された下限の剤面に対して、上端が重力方向下方に配置された前記遮断部材、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
【請求項4】
現像剤が収容された現像容器と、
外周面に複数の磁極が設けられた磁石部材と、前記磁石部材の外側に設けられた円筒状の円筒部材であって前記磁石部材の磁力で吸着された現像剤を外表面に保持して回転する前記円筒部材と、を有し、前記現像容器に支持された現像剤保持体と、
前記現像剤保持体に沿って延びる回転軸と、前記回転軸に支持された螺旋状の搬送羽根と、を有し、現像剤を攪拌しながら搬送する搬送部材と、
前記現像剤保持体に対向して配置され、前記現像剤保持体に保持された現像剤の層の厚さを規制する層厚規制部材と、
前記搬送部材で搬送された現像剤を前記現像剤保持体に吸着する吸着磁極を有する前記磁石部材と、
前記現像剤保持体と前記搬送部材との間に配置されて現像剤の移動を遮る遮断部材であって、前記搬送部材に搬送される現像剤の剤面の予め設定された下限の剤面に対して、上端が重力方向下方に配置されると共に、前記搬送羽根の径方向外端の回転軌跡に接する仮想的な平面である第1の仮想平面であり且つ前記層厚規制部材が前記現像剤保持体と対向する対向位置を通ると共に前記搬送羽根の周方向の速度が前記層厚規制部材に近づく方向の速度成分を有する位置において前記回転軌跡に接する前記第1の仮想平面と交差して、前記搬送部材に搬送される際に前記搬送羽根の径方向に押されて前記現像剤保持体に向かって移動する現像剤の移動を遮る前記遮断部材と、
を備えたことを特徴とする現像装置。
【請求項5】
現像剤が収容された現像容器と、
外周面に複数の磁極が設けられた磁石部材と、前記磁石部材の外側に設けられた円筒状の円筒部材であって前記磁石部材の磁力で吸着された現像剤を外表面に保持して回転する前記円筒部材と、を有し、前記現像容器に支持された現像剤保持体と、
前記現像剤保持体に沿って延びる回転軸と、前記回転軸に支持された螺旋状の搬送羽根と、を有し、現像剤を攪拌しながら搬送する搬送部材と、
前記現像剤保持体に対向して配置され、前記現像剤保持体に保持された現像剤の層の厚さを規制する層厚規制部材と、
前記搬送部材で搬送された現像剤を前記現像剤保持体に吸着する吸着磁極を有する前記磁石部材と、
前記搬送羽根の径方向外端の回転軌跡に沿って湾曲して形成され且つ前記現像剤保持体と前記搬送部材との間に配置されて現像剤の移動を遮る遮断部材であって、前記回転軌跡に接する仮想的な平面である第1の仮想平面であり且つ前記層厚規制部材が前記現像剤保持体と対向する対向位置を通ると共に前記搬送羽根の周方向の速度が前記層厚規制部材に近づく方向の速度成分を有する位置において前記回転軌跡に接する前記第1の仮想平面と交差して、前記搬送部材に搬送される際に前記搬送羽根の径方向に押されて前記現像剤保持体に向かって移動する現像剤の移動を遮る前記遮断部材と、
を備えたことを特徴とする現像装置。
【請求項6】
像を表面に保持する像保持体と、
前記像保持体の表面に保持された潜像を可視像に現像する請求項1ないし5のいずれかに記載の現像装置と、
を備えたことを特徴とする可視像形成装置。
【請求項7】
像を表面に保持する像保持体と、
前記像保持体の表面に保持された潜像を可視像に現像する請求項1ないし5のいずれかに記載の現像装置と、
可視像を媒体に転写する転写装置と、
媒体に転写された可視像を媒体に定着させる定着装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−189636(P2012−189636A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50780(P2011−50780)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】