説明

現像装置および画像形成装置

【課題】 現像剤搬送部が撓み難い現像装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】 現像剤を貯留する現像槽201と、現像剤を担持して供給する現像ローラ204とを備える現像装置200において、現像槽201に、仮想的な円柱の側面を取り巻く形状の第1螺旋羽根202aと前記仮想的な円柱の軸線Nに平行に設けられる2つ以上の第1撓み防止梁202bとを含み、前記仮想的な円柱の軸線Nを中心とする回転運動によって現像ローラ204に向けて現像剤を搬送する第1現像剤搬送部202を設け、第1撓み防止梁202bを、第1螺旋羽根202aの外周部分Tにおいて複数の箇所に亘って設け、かつ、前記仮想的な円柱の軸線Nに垂直な断面の形状が該軸線Nを中心とする扇形台となるように設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリなどは、電子写真方式によって画像を形成する画像形成装置を備えている。電子写真方式の画像形成装置は、帯電装置および露光装置によって感光体ドラムの表面に静電潜像を形成し、現像装置によってトナーを供給することで該静電潜像を現像し、転写部によって感光体ドラム上のトナー像を記録用紙などの記録媒体に転写し、定着装置によって記録用紙に該トナー像を定着させることで、画像を形成する。
【0003】
現像装置によって感光体ドラムへ供給されるトナーを含む現像剤は、現像装置が備える現像槽に貯留されている。現像槽に貯留される現像剤は、現像装置が備える現像ローラに搬送される。現像ローラは、その表面に現像剤を担持して回転することで、感光体ドラムへ現像剤を供給する。現像剤に含まれるトナーは、現像ローラに搬送される過程で摩擦帯電しており、帯電したトナーは、感光体ドラム表面の静電潜像との間の静電気力によって、現像ローラ上から感光体ドラム上に移動する。このようにして、現像装置は、感光体ドラム表面の静電潜像を現像し、トナー像を形成する。
【0004】
たとえば、特許文献1には、円柱状の部材である回転軸と該回転軸を取り巻く螺旋羽根とを有する現像剤搬送部を備える現像装置が記載されている。この現像剤搬送部は、回転軸がその軸線回りに回転するのに伴って該軸線を中心として螺旋羽根が回転運動することで、現像ローラへ向けて現像槽内の現像剤を搬送することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−109741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の現像装置には、現像槽内の現像剤量が多くなった場合や、回転軸の回転速度が大きい場合に、螺旋羽根と現像剤との摩擦により、現像剤搬送部が撓んでしまうという課題がある。現像剤搬送部が撓むと、螺旋羽根と現像槽内壁とが接触し易くなり、螺旋羽根と現像槽内壁との間にトナーが挟まって圧縮されて凝集トナーが発生し、その結果、転写不良などによる画像不良が発生してしまう。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためのものであり、現像剤搬送部が撓み難い現像装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、現像剤を貯留する現像槽と、現像剤を担持して供給する現像ローラとを備える現像装置において、
前記現像槽には、仮想的な円柱の側面を取り巻く形状の螺旋羽根と前記仮想的な円柱の軸線に平行に設けられる2つ以上の撓み防止梁とを含み、前記仮想的な円柱の軸線を中心とする回転運動によって前記現像ローラに向けて現像剤を搬送する現像剤搬送部が設けられ、
前記撓み防止梁が、前記螺旋羽根の外周部分において複数の箇所に亘って設けられ、かつ、前記仮想的な円柱の軸線に垂直な断面の形状が該軸線を中心とする扇形台となることを特徴とする現像装置である。
【0009】
また本発明は、現像剤を貯留する現像槽と、現像剤を担持して供給する現像ローラとを備える現像装置において、
前記現像槽には、仮想的な円柱の側面を取り巻く形状の螺旋羽根と該螺旋羽根の外周部分において前記仮想的な円柱の軸線に平行に設けられる3つ以上の撓み防止梁とを含み、前記仮想的な円柱の軸線を中心とする回転運動によって前記現像ローラに向けて現像剤を搬送する現像剤搬送部が設けられ、
前記撓み防止梁が、前記螺旋羽根の複数の部位に亘って設けられることを特徴とする現像装置である。
【0010】
また本発明は、前記撓み防止梁の、前記仮想的な円柱の軸線に垂直な断面の形状が該軸線を中心とする扇形台となることを特徴とする。
【0011】
また本発明は、前記撓み防止梁が、前記仮想的な円柱の軸線に垂直な断面において、該軸線からの距離がすべて等しくなるように設けられることを特徴とする。
【0012】
また本発明は、前記撓み防止梁が、前記仮想的な円柱の軸線に垂直な断面において、該軸線と隣り合う2つの撓み防止梁とがなす設置角がすべて等しくなるように設けられることを特徴とする。
【0013】
また本発明は、電子写真方式の画像形成装置において、
上記現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、現像剤搬送部は螺旋羽根と撓み防止梁とを含み、該撓み防止梁は、螺旋羽根が取り巻く仮想的な円柱の軸線に垂直な断面の形状が該軸線を中心とする扇形台となる。したがって、撓み防止梁は、螺旋羽根が取り巻く仮想的な円柱の軸線に垂直な方向への剛性が比較的高い。この撓み防止梁が螺旋羽根の外周部分において複数の箇所に亘って設けられている。さらに、撓み防止梁は、現像剤搬送部に2つ以上設けられる。これによって、現像剤搬送部が撓み難い現像装置を提供することができる。
【0015】
また、本発明では、撓み防止梁は螺旋羽根が取り巻く仮想的な円柱の軸線に平行に設けられるので、非平行に設けられる場合と比較して、撓み防止梁の体積を小さくすることができる。これによって、現像槽内により多くの現像剤を貯留することができる。
【0016】
また本発明によれば、現像剤搬送部は螺旋羽根と撓み防止梁とを含み、該撓み防止梁は、螺旋羽根の外周部分において複数の箇所に亘って設けられている。そして、撓み防止梁は、現像剤搬送部に3つ以上設けられる。これによって、現像剤搬送部が撓み難い現像装置を提供することができる。
【0017】
また、本発明では、撓み防止梁は螺旋羽根が取り巻く仮想的な円柱の軸線に平行に設けられるので、非平行に設けられる場合と比較して、撓み防止梁の体積を小さくすることができる。これによって、現像槽内により多くの現像剤を貯留することができる。
【0018】
また本発明によれば、撓み防止梁は、螺旋羽根が取り巻く仮想的な円柱の軸線に垂直な断面の形状が該軸線を中心とする扇形台となる。これによって、撓み防止梁の、螺旋羽根が取り巻く仮想的な円柱の軸線に垂直な方向への剛性を高くすることができる。
【0019】
また本発明によれば、撓み防止梁は、螺旋羽根が取り巻く仮想的な円柱の軸線に垂直な断面において、該軸線からの距離がすべて等しくなるように設けられる。これによって、螺旋羽根とともに複数の撓み防止梁が回転運動する際のバランスが良くなり、現像剤搬送部の撓みをより抑えることができる。
【0020】
また本発明によれば、撓み防止梁は、螺旋羽根が取り巻く仮想的な円柱の軸線に垂直な断面において、該軸線と隣り合う2つの撓み防止梁とがなす設置角がすべて等しくなるように設けられる。これによって、螺旋羽根とともに複数の撓み防止梁が回転運動する際のバランスが良くなり、現像剤搬送部の撓みをより抑えることができる。
【0021】
また本発明によれば、現像剤搬送部が撓み難い上記現像装置を備えているので、画像不良の発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】画像形成装置100の構成を示す模式図である。
【図2】トナーカートリッジ300の構成を示す模式図である。
【図3】図2のC−Cを切断面線とするトナーカートリッジ300の断面図である。
【図4】現像装置200の構成を示す模式図である。
【図5】図4のA−Aを切断面線とする現像装置200の断面図である。
【図6】図4のB−Bを切断面線とする現像装置200の断面図である。
【図7】図6のD−Dを切断面線とする第1螺旋羽根202aおよび第1撓み防止梁202bの断面図である。
【図8】変形例を示す図である。
【図9】現像装置400の構成を示す模式図である。
【図10】図9のE−Eを切断面線とする現像装置400の断面図である。
【図11】図9のF−Fを切断面線とする現像装置400の断面図である。
【図12】図11のH−Hを切断面線とする第1螺旋羽根402aおよび第1撓み防止梁402bの断面図である。
【図13】現像装置500の構成を示す模式図である。
【図14】図13のI−Iを切断面線とする現像装置500の断面図である。
【図15】図13のJ−Jを切断面線とする現像装置500の断面図である。
【図16】図15のK−Kを切断面線とする第1螺旋羽根502aおよび第1撓み防止梁502bの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
はじめに、本発明の第1実施形態である現像装置200を備える画像形成装置100について説明する。図1は、画像形成装置100の構成を示す模式図である。画像形成装置100は、複写機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を併せ持つ複合機であり、伝達される画像情報に応じて、記録媒体上にフルカラーまたはモノクロの画像を形成する。画像形成装置100は、コピアモード(複写モード)、プリンタモード、およびファクシミリモードという3種の印刷モードを有しており、図示しない操作部からの操作入力、パーソナルコンピュータ、携帯端末装置、情報記録媒体、メモリ装置を用いた外部機器などからの印刷ジョブの受信に応じて、図示しない制御ユニット部によって、印刷モードが選択される。
【0024】
画像形成装置100は、トナー像形成部20と、転写部30と、定着部40と、記録媒体供給部50と、排出部60と、図示しない制御ユニット部とを含む。トナー像形成部20は、感光体ドラム21b,21c,21m,21yと、帯電部22b,22c,22m,22yと、露光ユニット23と、現像装置200b,200c,200m,200yと、クリーニングユニット25b,25c,25m,25yと、トナーカートリッジ300b,300c,300m,300yと、トナー供給パイプ250b,250c,250m,250yとを含む。転写部30は、中間転写ベルト31と、駆動ローラ32と、従動ローラ33と、中間転写ローラ34b,34c,34m,34yと、転写ベルトクリーニングユニット35と、転写ローラ36とを含む。
【0025】
感光体ドラム21、帯電部22、現像装置200、クリーニングユニット25、トナーカートリッジ300、トナー供給パイプ250、および中間転写ローラ34は、カラー画像情報に含まれるブラック(b)、シアン(c)、マゼンタ(m)、およびイエロー(y)の各色の画像情報に対応するために、それぞれ4つずつ設けられる。本明細書中において、各色に応じて4つずつ設けられる各部材を区別する場合は、各部材を表す数字の末尾に各色を表すアルファベットを付して参照符号とし、各部材を総称する場合は、各部材を表す数字のみを参照符号とする。
【0026】
感光体ドラム21は、図示しない駆動部によって軸線回りに回転可能に支持され、図示しない導電性基体と、該導電性基体の表面に形成される光導電層とを含む。導電性基体は種々の形状を採ることができ、たとえば、円筒状、円柱状、薄膜シート状などを挙げることができる。光導電層は、光を照射されることで導電性を示す材料によって形成される。感光体ドラム21としては、たとえば、アルミニウムで形成された円筒状部材(導電性基体)と、該円筒状部材の外周面上に形成される、アモルファスシリコン(a−Si)、セレン(Se)、または有機光半導体(OPC)からなる薄膜(光導電層)とを含むものを用いることができる。
【0027】
帯電部22、現像装置200、およびクリーニングユニット25は、感光体ドラム21の回転方向周りに、この順序で配置される。帯電部22は、現像装置200およびクリーニングユニット25よりも鉛直方向下方に配置される。
【0028】
帯電部22は、感光体ドラム21表面を所定の極性および電位に帯電させる装置である。帯電部22は、感光体ドラム21に臨む位置に、感光体ドラム21の長手方向に沿って設置される。接触帯電方式の場合、帯電部22は、感光体ドラム21表面に接するように設置される。非接触帯電方式の場合、帯電部22は、感光体ドラム21表面から離隔するように設置される。
【0029】
帯電部22は、現像装置200、クリーニングユニット25などとともに、感光体ドラム21の周囲に設置される。帯電部22は、現像装置200、クリーニングユニット25などよりも、感光体ドラム21に近い位置に設置されることが好ましい。これによって、感光体ドラム21の帯電不良の発生を確実に防止することができる。
【0030】
帯電部22としては、ブラシ型帯電装置、ローラ型帯電装置、コロナ放電装置、イオン発生装置などを使用できる。ブラシ型帯電装置およびローラ型帯電装置は、接触帯電方式の帯電装置である。ブラシ型帯電装置には、帯電ブラシを用いるもの、磁気ブラシを用いるものなどがある。コロナ放電装置およびイオン発生装置は、非接触帯電方式の帯電装置である。コロナ放電装置には、ワイヤ状の放電電極を用いるもの、鋸歯状の放電電極を用いるもの、針状の放電電極を用いるものなどがある。
【0031】
露光ユニット23は、露光ユニット23から出射される光が、帯電部22と現像装置200との間を通過して感光体ドラム21の表面に照射されるように配置される。露光ユニット23は、帯電状態にある感光体ドラム21b,21c,21m,21y表面に、各色の画像情報に対応するレーザ光をそれぞれ照射することによって、感光体ドラム21b,21c,21m,21yそれぞれの表面に、各色の画像情報に対応する静電潜像を形成する。露光ユニット23には、たとえば、レーザ照射部および複数の反射ミラーを備えるレーザスキャニングユニット(LSU)を使用できる。露光ユニット23としては、LED(Light Emitting Diode)アレイ、液晶シャッタと光源とを適宜組み合わせたユニットなどを用いてもよい。
【0032】
現像装置200は、感光体ドラム21上に形成された静電潜像をトナーによって現像することで、感光体ドラム21上にトナー像を形成する装置である。現像装置200の鉛直方向上部には、筒状部材であるトナー供給パイプ250が接続される。現像装置200の詳細については後述する。
【0033】
トナーカートリッジ300は、現像装置200よりも鉛直方向上方に配され、未使用のトナーを貯蔵する。トナーカートリッジ300の鉛直方向下部にはトナー供給パイプ250が接続される。トナーカートリッジ300は、トナー供給パイプ250を介して、現像装置200へトナーを供給する。トナーカートリッジ300の詳細については後述する。
【0034】
クリーニングユニット25は、感光体ドラム21から中間転写ベルト31にトナー像が転写された後に、感光体ドラム21の表面に残留するトナーを除去し、感光体ドラム21の表面を清浄化する部材である。クリーニングユニット25としては、たとえば、トナーを掻き取るための板状部材と、掻き取ったトナーを回収する容器状部材とが用いられる。
【0035】
トナー像形成部20によれば、帯電部22によって均一な帯電状態にある感光体ドラム21の表面に、露光ユニット23から画像情報に応じたレーザ光が照射されて静電潜像が形成される。感光体ドラム21上の静電潜像に現像装置200からトナーが供給されることでトナー像が形成される。このトナー像は後述する中間転写ベルト31に転写される。トナー像が中間転写ベルト31に転写された後に、感光体ドラム21表面に残留するトナーは、クリーニングユニット25によって除去される。
【0036】
中間転写ベルト31は、感光体ドラム21の鉛直方向上方に配置される無端ベルト状部材である。中間転写ベルト31は、駆動ローラ32と従動ローラ33とによって張架されてループ状の経路を形成し、矢符B方向に移動する。
【0037】
駆動ローラ32は、図示しない駆動部によってその軸線回りに回転可能に設けられる。駆動ローラ32は、その回転によって、中間転写ベルト31を矢符B方向へ移動させる。従動ローラ33は、駆動ローラ32の回転に従動して回転可能に設けられ、中間転写ベルト31が弛まないように、中間転写ベルト31に一定の張力を発生させる。
【0038】
中間転写ローラ34は、中間転写ベルト31を介して感光体ドラム21に圧接し、かつ図示しない駆動部によってその軸線回りに回転可能に設けられる。中間転写ローラ34としては、たとえば、直径8mm〜10mmの金属(たとえば、ステンレス)ローラの表面に、導電性の弾性部材が形成されたものを用いることができる。中間転写ローラ34は、転写バイアスを印加する図示しない電源が接続され、感光体ドラム21表面のトナー像を中間転写ベルト31に転写する機能を有する。
【0039】
転写ローラ36は、中間転写ベルト31を介して駆動ローラ32に圧接し、図示しない駆動部によって軸線回りに回転可能に設けられる。転写ローラ36と駆動ローラ32との圧接部(転写ニップ部)において、中間転写ベルト31に担持されて搬送されるトナー像は、後述する記録媒体供給部50から送給される記録媒体に転写される。
【0040】
転写ベルトクリーニングユニット35は、中間転写ベルト31を介して従動ローラ33に対向し、中間転写ベルト31のトナー像担持面に接触するように設けられる。転写ベルトクリーニングユニット35は、記録媒体へのトナー像の転写後に、中間転写ベルト31表面のトナーを除去し回収するために設けられる。記録媒体へのトナー像の転写後に中間転写ベルト31にトナーが付着したまま残っていると、中間転写ベルト31の移動によって、残留トナーが転写ローラ36に付着するおそれがある。転写ローラ36にトナーが付着すると、そのトナーは、次に転写する記録媒体の裏面を汚染してしまう。
【0041】
転写部30によれば、中間転写ベルト31が感光体ドラム21に接しながら移動するとき、中間転写ローラ34に、感光体ドラム21表面のトナーの帯電極性とは逆極性の転写バイアスが印加され、感光体ドラム21の表面に形成されたトナー像は、中間転写ベルト31上へ転写される。感光体ドラム21y、感光体ドラム21m、感光体ドラム21c、感光体ドラム21bでそれぞれ形成される各色のトナー画像が、中間転写ベルト31上に、この順番で順次重ねて転写されることによって、フルカラートナー像が形成される。中間転写ベルト31に転写されたトナー像は、中間転写ベルト31の移動によって転写ニップ部に搬送され、転写ニップ部において、記録媒体に転写される。トナー像が転写された記録媒体は、後述する定着部40に搬送される。
【0042】
記録媒体供給部50は、給紙ボックス51と、ピックアップローラ52a,52bと、搬送ローラ53a,53bと、レジストローラ54と、給紙トレイ55とを含む。給紙ボックス51は、画像形成装置100の鉛直方向下部に設けられ、画像形成装置100内部において記録媒体を貯留する容器状部材である。給紙トレイ55は、画像形成装置100外壁面に設けられ、画像形成装置100外部において記録媒体を貯留するトレイ状部材である。記録媒体としては、普通紙、カラーコピー用紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート、葉書などがある。
【0043】
ピックアップローラ52aは、給紙ボックス51に貯留される記録媒体を1枚ずつ取り出し、用紙搬送路A1に送給する部材である。搬送ローラ53aは互いに圧接するように設けられる一対のローラ状部材であり、用紙搬送路A1において記録媒体をレジストローラ54に向けて搬送する。ピックアップローラ52bは、給紙トレイ55に貯留される記録媒体を1枚ずつ取り出し、用紙搬送路A2に送給する部材である。搬送ローラ53bは互いに圧接するように設けられる一対のローラ状部材であり、用紙搬送路A2において記録媒体をレジストローラ54に向けて搬送する。
【0044】
レジストローラ54は、互いに圧接するように設けられる一対のローラ状部材であり、搬送ローラ53a,53bから送給される記録媒体を、中間転写ベルト31に担持されるトナー像が転写ニップ部に搬送されるのに同期して、転写ニップ部に送給する。
【0045】
記録媒体供給部50によれば、中間転写ベルト31に担持されるトナー像が転写ニップ部に搬送されるのに同期して、給紙ボックス51または給紙トレイ55から記録媒体が転写ニップ部に送給され、該記録媒体にトナー像が転写される。
【0046】
定着部40は、加熱ローラ41および加圧ローラ42を備える。加熱ローラ41は、所定の定着温度となるように制御される。加圧ローラ42は、加熱ローラ41に圧接するローラである。加熱ローラ41は、加圧ローラ42とともに記録媒体を加熱しながら挟持することにより、トナー像を構成するトナーを溶融させて記録媒体上に定着させる。トナー像が定着した記録媒体は、後述する排出部60に搬送される。
【0047】
排出部60は、搬送ローラ61と、排出ローラ62と、排出トレイ63とを含む。搬送ローラ61は、定着部40よりも鉛直方向上方において、互いに圧接するように設けられる一対のローラ状部材である。搬送ローラ61は、画像が定着した記録媒体を排出ローラ62に向けて搬送する。
【0048】
排出ローラ62は、互いに圧接するように設けられる一対のローラ状部材である。排出ローラ62は、片面印刷の場合、片面の印刷が完了した記録媒体を排出トレイ63に排出する。排出ローラ62は、両面印刷の場合、片面の印刷が完了した記録媒体を、用紙搬送路A3を介してレジストローラ54へ搬送し、両面の印刷が完了した記録媒体を排出トレイ63に排出する。排出トレイ63は、画像形成装置100の鉛直方向上面に設けられ、画像が定着した記録媒体を貯留する。
【0049】
画像形成装置100は、図示しない制御ユニット部を含む。制御ユニット部は、たとえば、画像形成装置100の内部空間における鉛直方向上部に設けられ、記憶部と演算部と制御部とを含む。記憶部には、画像形成装置100の鉛直方向上面に配置される図示しない操作パネルを介した各種設定値、画像形成装置100内部の各所に配置される図示しないセンサなどからの検知結果、外部機器からの画像情報などが入力される。また、記憶部には、各種処理を実行するプログラムが書き込まれる。各種処理とは、たとえば、記録媒体判定処理、付着量制御処理、定着条件制御処理などである。
【0050】
記憶部には、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、リードオンリィメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ(HDD)などが挙げられる。外部機器には、画像情報の形成または取得が可能であり、かつ画像形成装置100に電気的に接続可能な電気、電子機器を使用でき、たとえば、コンピュータ、デジタルカメラ、テレビジョン受像機器、ビデオレコーダ、DVD(Digital Versatile
Disc)レコーダ、HDDVD(High-Definition Digital Versatile Disc)レコーダ、
ブルーレイディスクレコーダ、ファクシミリ装置、携帯端末装置などが挙げられる。
【0051】
演算部は、記憶部に書き込まれる各種データ(画像形成命令、検知結果、画像情報など)および各種処理のプログラムを取り出し、各種判定を行う。制御部は、演算部の判定結果に応じて画像形成装置100に設けられる各装置に制御信号を送付し、動作制御を行う。
【0052】
制御部および演算部は中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)を備えるマ
イクロコンピュータ、マイクロプロセッサなどによって実現される処理回路を含む。制御ユニット部は、この処理回路とともに主電源を含み、電源は制御ユニット部だけでなく、画像形成装置100に設けられる各装置にも電力を供給する。
【0053】
図2は、トナーカートリッジ300の構成を示す模式図である。図3は、図2のC−Cを切断面線とするトナーカートリッジ300の断面図である。トナーカートリッジ300は、トナー供給パイプ250を介して、現像装置200へトナーを供給する装置である。トナーカートリッジ300は、トナー収容容器301と、トナー汲み上げ部材302と、トナー排出部材303と、トナー排出容器304とを含む。
【0054】
トナー収容容器301は、略半円柱状の内部空間を有する容器状部材であり、その内部空間において、トナー汲み上げ部材302を回転自在に支持し、未使用のトナーを収容する。トナー排出容器304は、トナー収容容器301の長手方向に沿って設けられる略半円柱状の内部空間を有する容器状部材であり、その内部空間において、トナー排出部材303を回転自在に支持する。トナー収容容器301の内部空間とトナー排出容器304の内部空間とは、トナー収容容器301の長手方向に沿って形成される連通口305を介して連通する。トナー排出容器304は、その鉛直方向下部に、排出口306が形成される。トナー排出容器304には、排出口306において、トナー供給パイプ250が接続される。
【0055】
トナー汲み上げ部材302は、回転軸302aと、基体302bと、摺動部302cとを含む。回転軸302aは、トナー収容容器301の長手方向に沿って延びる円柱状の部材である。基体302bは、トナー収容容器301の長手方向に沿って延びる板状の部材であり、その幅方向および厚さ方向の中央部において、回転軸302aに取り付けられる。摺動部302cは、基体302bの幅方向両端部に取り付けられる可撓性を有する部材であり、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)から形成される。トナー汲み上げ部材302は、回転軸302aがその軸線回りに回転するのに伴って基体302bが回転運動し、これによって基体302bの幅方向両端部に設けられる摺動部302cがトナー収容容器301の内壁面を摺擦することで、該トナー収容容器301内のトナーを、トナー排出容器304へ汲み上げる。
【0056】
トナー排出部材303は、トナー排出容器304内のトナーを排出口306に向けて搬送する部材である。トナー排出部材303は、トナー排出回転軸303aと、該トナー排出回転軸303aを取り巻いて設けられるトナー排出羽根303bとを含む、いわゆるオーガスクリューである。
【0057】
トナーカートリッジ300によれば、トナー収容容器301内の未使用トナーが、トナー汲み上げ部材302によってトナー排出容器304に汲み上げられる。そして、トナー排出容器304に汲み上げられたトナーは、トナー排出部材303によって排出口306に搬送される。排出口306に搬送されたトナーは、該排出口306からトナー排出容器304外へ排出され、トナー供給パイプ250を介して、現像装置200に供給される。
【0058】
図4は、現像装置200の構成を示す模式図である。図5は、図4のA−Aを切断面線とする現像装置200の断面図である。図6は、図4のB−Bを切断面線とする現像装置200の断面図である。現像装置200は、感光体ドラム21の表面にトナーを供給することで、該表面に形成された静電潜像を現像する装置である。現像装置200は、現像槽201と、第1現像剤搬送部202と、第2現像剤搬送部203と、現像ローラ204と、現像槽カバー205と、ドクターブレード206と、隔壁207と、トナー濃度検知センサ208とを含む。
【0059】
現像槽201は、内部空間を有する長手形状の部材であり、その内部空間に現像剤を貯留する。本発明において用いられる現像剤としては、トナーのみからなる1成分現像剤であっても、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤であってもよい。現像槽201には、その鉛直方向上部に現像槽カバー205が設けられ、内部空間において、第1現像剤搬送部202、第2現像剤搬送部203、現像ローラ204、ドクターブレード206、隔壁207、およびトナー濃度検知センサ208が設けられる。
【0060】
現像ローラ204は、図示しない駆動部によって軸線回りに回転するマグネットローラであり、現像槽201内の現像剤を表面に担持して、担持した現像剤に含まれるトナーを感光体ドラム21へ供給する。現像ローラ204には、図示しない電源が接続され、現像バイアス電圧が印加される。現像ローラ204に担持されたトナーは、感光体ドラム21近傍において、現像バイアス電圧による静電気力によって、感光体ドラム21へ移動する。
【0061】
ドクターブレード206は、現像ローラ204の軸線方向に延びる板状部材であり、その幅方向の一端が現像槽201に固定され、かつ他端が現像ローラ204の表面に対して間隙を有するように設けられる。ドクターブレード206は、現像ローラ204の表面に対して間隙を有して設けられることで、現像ローラ204に担持される現像剤の量を所定量に規制する。ドクターブレード206の材料としては、ステンレス鋼、アルミニウム、合成樹脂などを使用できる。
【0062】
隔壁207は、現像槽201の略中央部において、該現像槽201の長手方向に沿って延びる長手形状の部材である。隔壁207は、現像槽201の鉛直方向下部と、現像槽カバー205との間に設けられ、長手方向両端部が現像槽201の内壁面から離間するように設けられる。隔壁207は、現像槽201の内部空間を、第1搬送路Qと、第2搬送路Pと、第1連通路Sと、第2連通路Rとに区分する。
【0063】
第2搬送路Pは、隔壁207の長手方向に沿って延びる空間であって、現像ローラ204を収容する空間である。第1搬送路Qは、隔壁207を挟んで第2搬送路Pに対向する空間である。第1連通路Sは、隔壁207の長手方向一端部207aにおいて、第1搬送路Qと第2搬送路Pとを連通する空間である。第2連通路Rは、隔壁207の長手方向他端部207bにおいて、第1搬送路Qと第2搬送路Pとを連通する空間である。
【0064】
現像槽カバー205は、現像槽201の鉛直方向上側に、着脱自在に設けられる。現像槽カバー205には、供給口205aが形成される。供給口205aは、第1搬送路Qの鉛直方向上方において第2連通路Rに臨む位置に形成される。現像槽カバー205には、供給口205aにおいて、トナー供給パイプ250が接続される。トナーカートリッジ300に収容されているトナーは、トナー供給パイプ250および供給口205aを介して現像槽201内に供給される。
【0065】
第1現像剤搬送部202は、第1搬送路Qに設けられ、第1螺旋羽根202aと第1撓み防止梁202bと第1支持部材202cと第1ギア202dとを含む。第1螺旋羽根202aは、隔壁207の長手方向に延びており、その長手方向両端において、2つの第1支持部材202cに支持される。2つの第1支持部材202cのうち、第2連通路R側の第1支持部材202cは、現像槽201の内壁に回転自在に支持される。2つの第1支持部材202cのうち、第1連通路S側の第1支持部材202cは、現像槽201の外側において第1ギア202dと接続される。
【0066】
第1螺旋羽根202aは、仮想的な円柱の側面を取り巻く形状であり、第1支持部材202cおよび第1ギア202dを介して、モータなどの駆動部によって、該仮想的な円柱の軸線を中心として回転方向Gに回転運動する。第1螺旋羽根202aの回転運動により、第1搬送路Qに貯留される現像剤は、搬送方向Yに搬送される。搬送方向Yは、第2連通路Rから第1連通路Sへ向かう方向である。
【0067】
第2現像剤搬送部203は、第2搬送路Pに設けられ、第2螺旋羽根203aと第2撓み防止梁203bと第2支持部材203cと第2ギア203dとを含む。第2螺旋羽根203aは、隔壁207の長手方向に延びており、その長手方向両端において、2つの第2支持部材203cに支持される。2つの第2支持部材203cのうち、第2連通路R側の第2支持部材203cは、現像槽201の内壁に回転自在に支持される。2つの第2支持部材203cのうち、第1連通路S側の第2支持部材203cは、現像槽201の外側において第2ギア203dと接続される。
【0068】
第2螺旋羽根203aは、仮想的な円柱の側面を取り巻く形状であり、第2支持部材203cおよび第2ギア203dを介して、モータなどの駆動部によって、該仮想的な円柱の軸線を中心として回転方向Gに回転運動する。第2螺旋羽根203aの回転運動により、第2搬送路Pに貯留される現像剤は、搬送方向Xに搬送される。搬送方向Xは、第1連通路Sから第2連通路Rへ向かう方向であり、搬送方向Yとは反対方向である。
【0069】
本実施形態では、第1現像剤搬送部202と第2現像剤搬送部203とは同一の形状に構成される。しかしながら、第1現像剤搬送部202と第2現像剤搬送部203とは同一の形状でなくてもよく、たとえば、第1現像剤搬送部202と第2現像剤搬送部203とのいずれか一方がオーガスクリュー状であってもよい。第1現像剤搬送部202については、後に詳述する。
【0070】
上述したように、現像槽カバー205の供給口205aは、第1搬送路Qの鉛直方向上方において第2連通路Rに臨む位置に形成される。したがって、トナーカートリッジ300内の未使用のトナーは、まず、第1搬送路Qにおける搬送方向Y上流側に供給され、その後、第1現像剤搬送部202によって、搬送方向Y下流側に搬送されることになる。
【0071】
トナー濃度検知センサ208は、現像槽201の鉛直方向下部において、第2現像剤搬送部203の鉛直方向下方に装着され、センサ面が第2搬送路Pに露出するように設けられる。トナー濃度検知センサ208は、図示しないトナー濃度制御部に電気的に接続される。
【0072】
トナー濃度制御部は、トナー濃度検知センサ208が検知するトナー濃度検知結果に応じて、トナー排出部材303を回転させ、現像槽201内にトナーを供給する制御を行う。より具体的には、トナー濃度制御部は、トナー濃度検知センサ208によるトナー濃度検知結果が所定の設定値よりも低いか否か判断し、低いと判断した場合に、トナー排出部材303を回転させる駆動部に制御信号を送り、トナー排出部材303を所定の期間回転させる。
【0073】
また、トナー濃度検知センサ208には、図示しない電源が接続される。電源は、トナー濃度検知センサ208を駆動させるための駆動電圧、およびトナー濃度検知結果をトナー濃度制御部に出力するための制御電圧を、トナー濃度検知センサ208に印加する。電源によるトナー濃度検知センサ208への電圧の印加は、図示しない制御部によって制御される。
【0074】
トナー濃度検知センサ208としては、一般的なトナー濃度検知センサを使用でき、たとえば、透過光検知センサ、反射光検知センサ、透磁率検知センサなどを使用できる。これらのトナー濃度検知センサの中でも、透磁率検知センサを使用することが好ましい。透磁率検知センサとしては、たとえば、TS−L(商品名、TDK株式会社製)、TS−A(商品名、TDK株式会社製)、TS−K(商品名、TDK株式会社製)などが挙げられる。
【0075】
このような現像装置200によれば、現像槽201内において、現像剤は、第1搬送路Q、第1連通路S、第2搬送路P、第2連通路R、という順序で循環搬送される。このように循環搬送される現像剤のうちの一部は、第2搬送路Pにおいて、現像ローラ204の表面に担持され、担持された現像剤中のトナーは、感光体ドラム21へと移動して順次消費される。所定量のトナーが消費されたことをトナー濃度検知センサ208が検知すると、未使用のトナーがトナーカートリッジ300から第1搬送路Qへ供給される。供給されたトナーは、第1搬送路Q内で搬送されながら、現像剤中に拡散する。
【0076】
以下では、第1現像剤搬送部202について詳細に説明する。なお、第2現像剤搬送部203は第1現像剤搬送部202と同じ構成であるので説明を省略する。第1現像剤搬送部202は、上述したように、第1螺旋羽根202aと、第1撓み防止梁202bと、第1支持部材202cと、第1ギア202dとを含む。
【0077】
第1螺旋羽根202a、第1撓み防止梁202b、第1支持部材202c、および第1ギア202dは、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ハイインパクトポリスチレン、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合合成樹脂)などの材料から形成される。第1螺旋羽根202a、第1撓み防止梁202b、第1支持部材202c、および第1ギア202dの材質が同じである場合、第1現像剤搬送部202は一体成形されることが好ましい。
【0078】
図7は、図6のD−Dを切断面線とする第1螺旋羽根202aおよび第1撓み防止梁202bの断面図である。第1螺旋羽根202aは、仮想的な円柱の側面を取り巻く形状の部材であり、該仮想的な円柱の軸線Nの方向に見たときの形状は略円環状である。より詳細には、第1螺旋羽根202aは、螺線に沿って線分を移動させたときに該線分の軌跡がなす面を有する所定の厚さの部材である。ここで、「螺線」とは、仮想的な円柱の側面上の連続した空間曲線であって、該仮想的な円柱の周方向のうちの一方向に進みながら該仮想的な円柱の軸線方向のうちの一方向に進む空間曲線である。
【0079】
軸線Nから最も遠い第1螺旋羽根202a上の点までの距離の2倍の値を、該第1螺旋羽根202aの外径Lと称する。また、軸線Nから最も近い第1螺旋羽根202a上の点までの距離の2倍の値を、該第1螺旋羽根202aの内径Lと称する。外径Lは、たとえば10mm〜30mmの範囲内で適宜設定でき、内径Lは、たとえば0mm〜10mmの範囲内で適宜設定できる。なお、現像装置200が小型である場合は、外径Lは、10mm〜20mmの範囲内で設定され、内径Lは、0mm〜5mmの範囲内で設定される。
【0080】
第1螺旋羽根202aの厚さLは、1mm〜3mmの範囲内で適宜設定できる。現像装置200が小型である場合は、第1螺旋羽根202aの厚さLは、1mm〜2mmの範囲内で設定される。
【0081】
第1螺旋羽根202aにおいて、軸線Nからの距離が外径Lの40%以上50%以下となる部分の集合を、第1螺旋羽根202aの外周部分Tと称する。なお、第1螺旋羽根202aの外周部分Tは螺線状となる。図7中の破線は、外周部分Tとそれ以外の部分との境界を表している。本実施形態では、第1螺旋羽根202aの外周部分Tには、凹部Wが形成されている。凹部Wは、第1螺旋羽根202aの外周部分Tにおいて、軸線Nに平行な直線上の複数の箇所に形成されている。凹部Wには、第1撓み防止梁202bが設けられる。
【0082】
第1撓み防止梁202bは、第1螺旋羽根202aが軸線Nに垂直な方向に撓むのを抑えるための部材である。第1撓み防止梁202bは、軸線Nに平行に設けられる柱状部材であり、凹部Wに囲まれる空間を通って、該凹部Wに接続されている。第1螺旋羽根202aの外周部分Tにおいて軸線Nに平行な直線上の複数の箇所に凹部Wが形成されているので、第1撓み防止梁202bは、第1螺旋羽根202aの外周部分Tにおいて複数の箇所に亘って一直線上に設けられることになる。
【0083】
本実施形態では、同一形状の2つの第1撓み防止梁202bが設けられている。第1撓み防止梁202bの設けられる数は2つ以上の任意の数でよいけれども、第1撓み防止梁202bの設けられる数が多過ぎると、該第1撓み防止梁202bの表面積の合計値が大き過ぎ、その結果、第1螺旋羽根202aの回転運動の際に、第1撓み防止梁202bと現像剤との間に生じる摩擦が大きくなってしまう。したがって、第1撓み防止梁202bの設けられる数は2つ以上6つ以下であることが好ましい。
【0084】
第1撓み防止梁202bの長手方向における長さは、第1螺旋羽根202a全体の長手方向における長さの70%以上であり、より好ましくは、90%以上である。これによって、第1螺旋羽根202aが撓むのをより抑えることができる。
【0085】
第1撓み防止梁202bの軸線Nに垂直な断面の形状は、軸線Nを中心とする扇形台である。扇形台は、扇形から、中心および中心角が一致し、かつ、該扇形よりも小さな扇形を除いた形状である。扇形台の中心および中心角は、元となる扇形の中心および中心角である。第1撓み防止梁202bの軸線Nに垂直な断面の形状である扇形台の中心角は、好ましくは5°以上45°以下であり、さらに好ましくは15°以上30°以下である。本実施形態では、扇形台の中心角θは25°である。
【0086】
第1撓み防止梁202bの軸線Nに垂直な断面の形状を扇形台にすることで、該第1撓み防止梁202bの剛性を高めることができるとともに、第1螺旋羽根202aの回転運動の際に、第1撓み防止梁202bと現像剤との間に生じる摩擦を小さくすることができる。なお、第1撓み防止梁202bの軸線Nに垂直な断面の形状を、扇形台の代わりに該扇形台と同じ面積の円にした場合、第1撓み防止梁202bの剛性は低くなってしまう。
【0087】
第1撓み防止梁202bの軸線Nに垂直な断面の面積は、1mm〜20mmの範囲内で適宜設定できる。現像装置200が小型である場合は、第1撓み防止梁202bの軸線Nに垂直な断面の面積は、1mm〜10mmの範囲内で設定される。
【0088】
本実施形態では、2つの第1撓み防止梁202bは、軸線Nに垂直な断面において、該軸線Nからの距離が等しくなるように設けられる。第1撓み防止梁202bと軸線Nとの距離は、より詳細には、第1撓み防止梁202bの断面図形の図心Zと軸線Nとの距離である。このように構成されることで、第1螺旋羽根202aとともに第1撓み防止梁202bが回転運動する際のバランスが良くなり、第1現像剤搬送部202の撓みをより抑えることができる。
【0089】
軸線Nに垂直な断面において、隣り合う2つの第1撓み防止梁202bと該軸線Nとがなす角度を設置角と称する。設置角は、より詳細には、一の第1撓み防止梁202bの図心Zと軸線Nとを結ぶ線分と、他の第1撓み防止梁202bの図心Zと軸線Nとを結ぶ線分とがなす角度であり、0°を超え180°以下の角度である。本実施形態における設置角をσとするとき、設置角σは180°である。
【0090】
第1螺旋羽根202aは、その長手方向両端部に、第1支持部材202cが設けられている。本実施形態の第1支持部材202cは円柱状部材である。第1螺旋羽根202aの長手方向において、1つの第1支持部材202cが設けられている部分の長さは、第1螺旋羽根202a全体の長手方向における長さの15%以上40%以下である。したがって、第1螺旋羽根202aの長手方向において、第1支持部材202cが設けられていない部分、すなわち、第1螺旋羽根202aの長手方向中央部の長さは、第1螺旋羽根202a全体の長手方向における長さの60%以上85%以下である。
【0091】
第1支持部材202cの外径は、第1螺旋羽根202aの内径Lと同じ長さに設定でき、また、たとえば、5mm〜15mmの範囲内で適宜設定できる。第1支持部材202cは、図示しない駆動部によって、60rpm〜180rpmで、回転方向Gに回転する。
【0092】
本実施形態において、第1螺旋羽根202aの長手方向中央部では、該第1螺旋羽根202aの内側には何も設けられていない。本実施形態の第1螺旋羽根202aの内側の空間は、現像剤の移動空間として利用される。すなわち、第1螺旋羽根202aの内側の空間に存在する現像剤は、該第1螺旋羽根202aによって押されないので、搬送方向Yに進まずにその場に留まろうとする。その結果、第1螺旋羽根202aの内側の空間に存在する現像剤は、搬送方向Yに進む現像剤を基準とすれば、搬送方向Xに進むように見える。本実施形態では、第1搬送路Qにおいて、このような2つの現像剤の流れが生じることにより、現像剤同士の摩擦によって現像剤が攪拌され、現像槽201内におけるトナーの偏りが解消される。
【0093】
本実施形態では、第1螺旋羽根202aの長手方向中央部には、第1撓み防止梁202bのみが設けられている。第1螺旋羽根202aの材質と第1撓み防止梁202bの材質とが同じ硬さである場合、または、第1螺旋羽根202aの材質よりも第1撓み防止梁202bの材質が硬い場合、第1撓み防止梁202bにおいて、第1螺旋羽根202aの長手方向中央部に対応する部分の体積は、第1螺旋羽根202aの長手方向中央部の体積の5%以上15%以下であることが好ましい。5%以上とすることにより、第1螺旋羽根202aが撓み難くなり、15%以下とすることにより、現像槽201内における第1現像剤搬送部202の占有体積を小さくでき、その結果、より多くの現像剤を現像槽201内に貯留することができる。
【0094】
また、本発明の他の実施形態としては、第1螺旋羽根202aの長手方向中央部において、該第1螺旋羽根202aの内側に円柱状部材が設けられてもよい。この場合、円柱状部材の材質と第1螺旋羽根202aの材質と第1撓み防止梁202bの材質とが同じ硬さであるとき、または、第1螺旋羽根202aの材質よりも第1撓み防止梁202bおよび円柱状部材の材質が硬いとき、該円柱状部材の体積と第1撓み防止梁202bにおける第1螺旋羽根202aの長手方向中央部に対応する部分の体積との合計は、第1螺旋羽根202aの長手方向中央部の体積の7%以上15%以下であることが好ましい。7%以上とすることにより、第1螺旋羽根202aが撓み難くなり、15%以下とすることにより、現像槽201内における第1現像剤搬送部202の占有体積を小さくでき、その結果、より多くの現像剤を現像槽201内に貯留することができる。
【0095】
なお、従来の現像剤搬送部は、円柱状の回転軸部材と、該回転軸部材を取り巻く螺旋羽根とからなり、現像剤搬送部を小径化した場合に同等の剛性を保つためには、該回転軸部材の体積は、螺旋羽根の体積の20%以上30%以下が必要となる。
【0096】
このように構成される第1現像剤搬送部202では、第1撓み防止梁202bは、軸線Nに垂直な断面の形状が該軸線Nを中心とする扇形台となっているので、該第1撓み防止梁202bの、軸線Nに垂直な方向への剛性が比較的高くなっている。この第1撓み防止梁202bは、第1螺旋羽根202aの外周部分Tにおいて複数の箇所に亘って設けられ、さらに、第1撓み防止梁202bは、第1現像剤搬送部202に2つ設けられる。したがって、第1現像剤搬送部202は、従来の現像剤搬送部よりも撓み難くなっている。
【0097】
従来の現像剤搬送部は、螺旋羽根と比較的太い回転軸部材とからなるけれども、第1現像剤搬送部202には、回転軸部材は必須ではなく、回転軸部材が設けられる場合であっても、比較的細くできる。たとえば、従来の現像剤搬送部では、回転軸部材の外径/螺旋羽根の外径×100の値が20%以上50%以下であるのに対して、本発明では、回転軸部材の外径/螺旋羽根の外径×100の値を0%以上20%未満にすることができる。
【0098】
また、第1撓み防止梁202bは軸線Nに平行に設けられるので、非平行に設けられる場合と比較して、第1撓み防止梁202bの体積が小さい。したがって、現像槽201内により多くの現像剤を貯留することができる。
【0099】
なお、本実施形態では、各第1撓み防止梁202bは1つの連続した部材であるけれども、本実施形態の変形例としては、1つの第1撓み防止梁202bが複数の断片から構成されていてもよい。
【0100】
図8は、変形例を示す図である。変形例では、第1撓み防止梁202bは、複数の断片202eからなる。また、変形例では、第1螺旋羽根202aの外周部分には凹部Wは設けられておらず、各断片202eは、第1螺旋羽根202aの外周部分の表面上に接続される。より詳細には、変形例では、各断片202eは、第1螺旋羽根202aの外周部分において、一の表面と他の表面とを接続しており、各断片202eが軸線Nに平行な直線状に並ぶことで、1つの第1撓み防止梁202bを形成している。このように構成される変形例も、従来の現像剤搬送部と比較して、撓みが抑えられている。
【0101】
次に、本発明の第2実施形態である現像装置400について説明する。図9は、現像装置400の構成を示す模式図である。図10は、図9のE−Eを切断面線とする現像装置400の断面図である。図11は、図9のF−Fを切断面線とする現像装置400の断面図である。現像装置400は、現像装置200の代わりに画像形成装置100に備えられ、感光体ドラム21の表面にトナーを供給することで、該表面に形成された静電潜像を現像する装置である。現像装置400は、現像槽201と、第1現像剤搬送部402と、第2現像剤搬送部403と、現像ローラ204と、現像槽カバー205と、ドクターブレード206と、隔壁207と、トナー濃度検知センサ208とを含む。
【0102】
現像装置400は、現像装置200において、第1現像剤搬送部202の代わりに第1現像剤搬送部402を設け、第2現像剤搬送部203の代わりに第2現像剤搬送部403を設けたものである。よって、第1実施形態と第2実施形態とで共通する部材である、現像槽201、現像ローラ204、現像槽カバー205、ドクターブレード206、隔壁207、およびトナー濃度検知センサ208については、その説明を省略する。なお、本発明の他の実施形態としては、現像装置200において、第1現像剤搬送部202の代わりに第1現像剤搬送部402を設け、第2現像剤搬送部203はそのままとしたものであってもよい。
【0103】
第1現像剤搬送部402は、第1搬送路Qに設けられ、第1螺旋羽根402aと第1撓み防止梁402bと第1支持部材402cと第1ギア402dとを含む。第1螺旋羽根402aは、隔壁207の長手方向に延びており、その長手方向両端において、2つの第1支持部材402cに支持される。2つの第1支持部材402cのうち、第2連通路R側の第1支持部材402cは、現像槽201の内壁に回転自在に支持される。2つの第1支持部材402cのうち、第1連通路S側の第1支持部材402cは、現像槽201の外側において第1ギア402dと接続される。
【0104】
第1螺旋羽根402aは、仮想的な円柱の側面を取り巻く形状であり、第1支持部材402cおよび第1ギア402dを介して、モータなどの駆動部によって、該仮想的な円柱の軸線を中心として回転方向Gに回転運動する。第1螺旋羽根402aの回転運動により、第1搬送路Qに貯留される現像剤は、搬送方向Yに搬送される。
【0105】
第2現像剤搬送部403は、第2搬送路Pに設けられ、第2螺旋羽根403aと第2撓み防止梁403bと第2支持部材403cと第2ギア403dとを含む。第2螺旋羽根403aは、隔壁207の長手方向に延びており、その長手方向両端において、2つの第2支持部材403cに支持される。2つの第2支持部材403cのうち、第2連通路R側の第2支持部材403cは、現像槽201の内壁に回転自在に支持される。2つの第2支持部材403cのうち、第1連通路S側の第2支持部材403cは、現像槽201の外側において第2ギア403dと接続される。
【0106】
第2螺旋羽根403aは、仮想的な円柱の側面を取り巻く形状であり、第2支持部材403cおよび第2ギア403dを介して、モータなどの駆動部によって、該仮想的な円柱の軸線を中心として回転方向Gに回転運動する。第2螺旋羽根403aの回転運動により、第2搬送路Pに貯留される現像剤は、搬送方向Xに搬送される。
【0107】
本実施形態では、第1現像剤搬送部402と第2現像剤搬送部403とは同一の形状に構成される。しかしながら、第1現像剤搬送部402と第2現像剤搬送部403とは同一の形状でなくてもよく、たとえば、第1現像剤搬送部402と第2現像剤搬送部403とのいずれか一方がオーガスクリュー状であってもよい。
【0108】
以下では、第1現像剤搬送部402について詳細に説明する。なお、第2現像剤搬送部403は第1現像剤搬送部402と同じ構成であるので説明を省略する。第1現像剤搬送部402は、上述したように、第1螺旋羽根402aと、第1撓み防止梁402bと、第1支持部材402cと、第1ギア402dとを含む。
【0109】
第1螺旋羽根402a、第1撓み防止梁402b、第1支持部材402c、および第1ギア402dは、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ハイインパクトポリスチレン、ABS樹脂などの材料から形成される。第1螺旋羽根402a、第1撓み防止梁402b、第1支持部材402c、および第1ギア402dの材質が同じである場合、第1現像剤搬送部402は一体成形されることが好ましい。
【0110】
図12は、図11のH−Hを切断面線とする第1螺旋羽根402aおよび第1撓み防止梁402bの断面図である。第1螺旋羽根402aは、仮想的な円柱の側面を取り巻く形状の部材であり、該仮想的な円柱の軸線Nの方向に見たときの形状は略円環状である。より詳細には、第1螺旋羽根402aは、螺線に沿って線分を移動させたときに該線分の軌跡がなす面を有する所定の厚さの部材である。
【0111】
軸線Nから最も遠い第1螺旋羽根402a上の点までの距離の2倍の値を、該第1螺旋羽根402aの外径Lと称する。また、軸線Nから最も近い第1螺旋羽根402a上の点までの距離の2倍の値を、該第1螺旋羽根402aの内径Lと称する。外径Lは、たとえば10mm〜30mmの範囲内で適宜設定でき、内径Lは、たとえば0mm〜10mmの範囲内で適宜設定できる。なお、現像装置400が小型である場合は、外径Lは、10mm〜20mmの範囲内で設定され、内径Lは、0mm〜5mmの範囲内で設定される。
【0112】
第1螺旋羽根402aの厚さLは、1mm〜3mmの範囲内で適宜設定できる。現像装置400が小型である場合は、第1螺旋羽根402aの厚さLは、1mm〜2mmの範囲内で設定される。
【0113】
第1螺旋羽根402aにおいて、軸線Nからの距離が外径Lの40%以上50%以下となる部分の集合を、第1螺旋羽根402aの外周部分Tと称する。なお、第1螺旋羽根402aの外周部分Tは螺線状となる。図12中の破線は、外周部分Tとそれ以外の部分との境界を表している。本実施形態では、第1螺旋羽根402aの外周部分Tには、孔部Wが形成されている。孔部Wは、第1螺旋羽根402aの外周部分Tにおいて、軸線Nに平行な直線上の複数の箇所に形成されている。孔部Wには、第1撓み防止梁402bが設けられる。
【0114】
第1撓み防止梁402bは、第1螺旋羽根402aが軸線Nに垂直な方向に撓むのを抑えるための部材である。第1撓み防止梁402bは、軸線Nに平行に設けられる柱状部材であり、孔部Wに囲まれる空間を通って、該孔部Wに接続されている。第1螺旋羽根402aの外周部分Tにおいて軸線Nに平行な直線上の複数の箇所に孔部Wが形成されているので、第1撓み防止梁402bは、第1螺旋羽根402aの外周部分Tにおいて複数の箇所に亘って一直線上に設けられることになる。
【0115】
本実施形態では、同一形状の3つの第1撓み防止梁402bが設けられている。第1撓み防止梁402bの設けられる数は3つ以上の任意の数でよいけれども、第1撓み防止梁402bの設けられる数が多過ぎると、該第1撓み防止梁402bの表面積の合計値が大き過ぎ、その結果、第1螺旋羽根402aの回転運動の際に、第1撓み防止梁402bと現像剤との間に生じる摩擦が大きくなってしまう。したがって、第1撓み防止梁402bの設けられる数は3つ以上6つ以下であることが好ましい。
【0116】
第1撓み防止梁402bの長手方向における長さは、第1螺旋羽根402a全体の長手方向における長さの70%以上であり、より好ましくは、90%以上である。これによって、第1螺旋羽根402aが撓むのをより抑えることができる。
【0117】
第1撓み防止梁402bの軸線Nに垂直な断面の形状は円である。第1実施形態において述べたように、断面形状が円の第1撓み防止梁402bは、断面形状が扇形台の第1撓み防止梁402bよりも剛性が低い。しかしながら、本実施形態では、第1撓み防止梁402bは3つ設けられているので、第1螺旋羽根402aの撓みは抑えられている。
【0118】
第1撓み防止梁402bの軸線Nに垂直な断面の面積は、1mm〜20mmの範囲内で適宜設定できる。現像装置400が小型である場合は、第1撓み防止梁402bの軸線Nに垂直な断面の面積は、1mm〜10mmの範囲内で設定される。
【0119】
本実施形態では、3つの第1撓み防止梁402bは、軸線Nに垂直な断面において、該軸線Nからの距離が等しくなるように設けられる。第1撓み防止梁402bと軸線Nとの距離は、より詳細には、第1撓み防止梁402bの断面図形の図心Zと軸線Nとの距離である。このように構成されることで、第1螺旋羽根402aとともに第1撓み防止梁402bが回転運動する際のバランスが良くなり、第1現像剤搬送部402の撓みをより抑えることができる。
【0120】
軸線Nに垂直な断面において、隣り合う2つの第1撓み防止梁402bと該軸線Nとがなす角度を設置角と称する。設置角は、より詳細には、一の第1撓み防止梁402bの図心Zと軸線Nとを結ぶ線分と、他の第1撓み防止梁402bの図心Zと軸線Nとを結ぶ線分とがなす角度であり、0°を超え180°以下の角度である。本実施形態では、第1撓み防止梁402bが3つあるので、設置角は3つとなる。本実施形態における3つの設置角をσ,σ,σとするとき、3つの設置角σ,σ,σは、すべて120°である。このように、軸線Nに垂直な断面において、該軸線Nと隣り合う2つの第1撓み防止梁402bとがなす設置角がすべて等しくなるように複数の第1撓み防止梁402bが設けられることで、第1螺旋羽根402aとともに複数の第1撓み防止梁402bが回転運動する際のバランスが良くなり、第1現像剤搬送部402の撓みをより抑えることができる。
【0121】
第1螺旋羽根402aは、その長手方向両端部に、第1支持部材402cが設けられている。本実施形態の第1支持部材402cは円柱状部材である。第1螺旋羽根402aの長手方向において、1つの第1支持部材402cが設けられている部分の長さは、第1螺旋羽根402a全体の長手方向における長さの15%以上40%以下である。したがって、第1螺旋羽根402aの長手方向において、第1支持部材402cが設けられていない部分、すなわち、第1螺旋羽根402aの長手方向中央部の長さは、第1螺旋羽根402a全体の長手方向における長さの60%以上85%以下である。
【0122】
第1支持部材402cの外径は、第1螺旋羽根402aの内径Lと同じ長さに設定でき、また、たとえば、5mm〜15mmの範囲内で適宜設定できる。第1支持部材402cは、図示しない駆動部によって、60rpm〜180rpmで、回転方向Gに回転する。
【0123】
本実施形態において、第1螺旋羽根402aの長手方向中央部では、該第1螺旋羽根402aの内側には何も設けられていない。本実施形態の第1螺旋羽根402aの内側の空間は、現像剤の移動空間として利用される。すなわち、第1螺旋羽根402aの内側の空間に存在する現像剤は、該第1螺旋羽根402aによって押されないので、搬送方向Yに進まずにその場に留まろうとする。その結果、第1螺旋羽根402aの内側の空間に存在する現像剤は、搬送方向Yに進む現像剤を基準とすれば、搬送方向Xに進むように見える。本実施形態では、第1搬送路Qにおいて、このような2つの現像剤の流れが生じることにより、現像剤同士の摩擦によって現像剤が攪拌され、現像槽201内におけるトナーの偏りが解消される。
【0124】
本実施形態では、第1螺旋羽根402aの長手方向中央部には、第1撓み防止梁402bのみが設けられている。第1螺旋羽根402aの材質と第1撓み防止梁402bの材質とが同じ硬さである場合、または、第1螺旋羽根402aの材質よりも第1撓み防止梁402bの材質が硬い場合、第1撓み防止梁402bにおいて、第1螺旋羽根402aの長手方向中央部に対応する部分の体積は、第1螺旋羽根402aの長手方向中央部の体積の5%以上15%以下であることが好ましい。5%以上とすることにより、第1螺旋羽根402aが撓み難くなり、15%以下とすることにより、現像槽201内における第1現像剤搬送部402の占有体積を小さくでき、その結果、より多くの現像剤を現像槽201内に貯留することができる。
【0125】
また、本発明の他の実施形態としては、第1螺旋羽根402aの長手方向中央部において、該第1螺旋羽根402aの内側に円柱状部材が設けられてもよい。この場合、円柱状部材の材質と第1螺旋羽根402aの材質と第1撓み防止梁402bの材質とが同じ硬さであるとき、または、第1螺旋羽根402aの材質よりも第1撓み防止梁402bおよび円柱状部材の材質が硬いとき、該円柱状部材の体積と第1撓み防止梁402bにおける第1螺旋羽根402aの長手方向中央部に対応する部分の体積との合計は、第1螺旋羽根402aの長手方向中央部の体積の7%以上15%以下であることが好ましい。7%以上とすることにより、第1螺旋羽根402aが撓み難くなり、15%以下とすることにより、現像槽201内における第1現像剤搬送部402の占有体積を小さくでき、その結果、より多くの現像剤を現像槽201内に貯留することができる。
【0126】
このように構成される第1現像剤搬送部402では、第1撓み防止梁402bは、第1螺旋羽根402aの外周部分Tにおいて複数の箇所に亘って設けられている。そして、第1撓み防止梁402bは、第1現像剤搬送部402に3つ設けられる。したがって、第1現像剤搬送部402は、従来の現像剤搬送部よりも撓み難くなっている。
【0127】
従来の現像剤搬送部は、螺旋羽根と比較的太い回転軸部材とからなるけれども、第1現像剤搬送部402には、回転軸部材は必須ではなく、回転軸部材が設けられる場合であっても、比較的細くできる。たとえば、従来の現像剤搬送部では、回転軸部材の外径/螺旋羽根の外径×100の値が20%以上50%以下であるのに対して、本発明では、回転軸部材の外径/螺旋羽根の外径×100の値を0%以上20%未満にすることができる。
【0128】
また、第1撓み防止梁402bは軸線Nに平行に設けられるので、非平行に設けられる場合と比較して、第1撓み防止梁402bの体積が小さい。したがって、現像槽201内により多くの現像剤を貯留することができる。
【0129】
なお、本実施形態では、各第1撓み防止梁402bは1つの連続した部材であるけれども、本実施形態の変形例としては、1つの第1撓み防止梁402bが複数の断片から構成されていてもよい。
【0130】
次に、本発明の第3実施形態である現像装置500について説明する。図13は、現像装置500の構成を示す模式図である。図14は、図13のI−Iを切断面線とする現像装置500の断面図である。図15は、図13のJ−Jを切断面線とする現像装置500の断面図である。現像装置500は、現像装置200の代わりに画像形成装置100に備えられ、感光体ドラム21の表面にトナーを供給することで、該表面に形成された静電潜像を現像する装置である。現像装置500は、現像槽201と、第1現像剤搬送部502と、第2現像剤搬送部503と、現像ローラ204と、現像槽カバー205と、ドクターブレード206と、隔壁207と、トナー濃度検知センサ208とを含む。
【0131】
現像装置500は、現像装置200において、第1現像剤搬送部202の代わりに第1現像剤搬送部502を設け、第2現像剤搬送部203の代わりに第2現像剤搬送部503を設けたものである。よって、第1実施形態と第3実施形態とで共通する部材である、現像槽201、現像ローラ204、現像槽カバー205、ドクターブレード206、隔壁207、およびトナー濃度検知センサ208については、その説明を省略する。なお、本発明の他の実施形態としては、現像装置200において、第1現像剤搬送部202の代わりに第1現像剤搬送部502を設け、第2現像剤搬送部203はそのままとしたものであってもよい。
【0132】
第1現像剤搬送部502は、第1搬送路Qに設けられ、第1螺旋羽根502aと第1撓み防止梁502bと第1支持部材502cと第1ギア502dとを含む。第1螺旋羽根502aは、隔壁207の長手方向に延びており、その長手方向両端において、2つの第1支持部材502cに支持される。2つの第1支持部材502cのうち、第2連通路R側の第1支持部材502cは、現像槽201の内壁に回転自在に支持される。2つの第1支持部材502cのうち、第1連通路S側の第1支持部材502cは、現像槽201の外側において第1ギア502dと接続される。
【0133】
第1螺旋羽根402aは、仮想的な円柱の側面を取り巻く形状であり、第1支持部材502cおよび第1ギア502dを介して、モータなどの駆動部によって、該仮想的な円柱の軸線を中心として回転方向Gに回転運動する。第1螺旋羽根502aの回転運動により、第1搬送路Qに貯留される現像剤は、搬送方向Yに搬送される。
【0134】
第2現像剤搬送部503は、第2搬送路Pに設けられ、第2螺旋羽根503aと第2撓み防止梁503bと第2支持部材503cと第2ギア503dとを含む。第2螺旋羽根503aは、隔壁207の長手方向に延びており、その長手方向両端において、2つの第2支持部材503cに支持される。2つの第2支持部材503cのうち、第2連通路R側の第2支持部材503cは、現像槽201の内壁に回転自在に支持される。2つの第2支持部材503cのうち、第1連通路S側の第2支持部材503cは、現像槽201の外側において第2ギア503dと接続される。
【0135】
第2螺旋羽根503aは、仮想的な円柱の側面を取り巻く形状であり、第2支持部材503cおよび第2ギア503dを介して、モータなどの駆動部によって、該仮想的な円柱の軸線を中心として回転方向Gに回転運動する。第2螺旋羽根503aの回転運動により、第2搬送路Pに貯留される現像剤は、搬送方向Xに搬送される。
【0136】
本実施形態では、第1現像剤搬送部502と第2現像剤搬送部503とは同一の形状に構成される。しかしながら、第1現像剤搬送部502と第2現像剤搬送部503とは同一の形状でなくてもよく、たとえば、第1現像剤搬送部502と第2現像剤搬送部503とのいずれか一方がオーガスクリュー状であってもよい。
【0137】
以下では、第1現像剤搬送部502について詳細に説明する。なお、第2現像剤搬送部503は第1現像剤搬送部502と同じ構成であるので説明を省略する。第1現像剤搬送部502は、上述したように、第1螺旋羽根502aと、第1撓み防止梁502bと、第1支持部材502cと、第1ギア502dとを含む。
【0138】
第1螺旋羽根502a、第1撓み防止梁502b、第1支持部材502c、および第1ギア502dは、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ハイインパクトポリスチレン、ABS樹脂などの材料から形成される。第1螺旋羽根502a、第1撓み防止梁502b、第1支持部材502c、および第1ギア502dの材質が同じである場合、第1現像剤搬送部502は一体成形されることが好ましい。
【0139】
図16は、図15のK−Kを切断面線とする第1螺旋羽根502aおよび第1撓み防止梁502bの断面図である。第1螺旋羽根502aは、仮想的な円柱の側面を取り巻く形状の部材であり、該仮想的な円柱の軸線Nの方向に見たときの形状は略円環状である。より詳細には、第1螺旋羽根502aは、螺線に沿って線分を移動させたときに該線分の軌跡がなす面を有する所定の厚さの部材である。
【0140】
軸線Nから最も遠い第1螺旋羽根502a上の点までの距離の2倍の値を、該第1螺旋羽根502aの外径Lと称する。また、軸線Nから最も近い第1螺旋羽根502a上の点までの距離の2倍の値を、該第1螺旋羽根502aの内径Lと称する。外径Lは、たとえば10mm〜30mmの範囲内で適宜設定でき、内径Lは、たとえば0mm〜10mmの範囲内で適宜設定できる。なお、現像装置500が小型である場合は、外径Lは、10mm〜20mmの範囲内で設定され、内径Lは、0mm〜5mmの範囲内で設定される。
【0141】
第1螺旋羽根502aの厚さLは、1mm〜3mmの範囲内で適宜設定できる。現像装置500が小型である場合は、第1螺旋羽根502aの厚さLは、1mm〜2mmの範囲内で設定される。
【0142】
第1螺旋羽根502aにおいて、軸線Nからの距離が外径Lの40%以上50%以下となる部分の集合を、第1螺旋羽根502aの外周部分Tと称する。なお、第1螺旋羽根502aの外周部分Tは螺線状となる。図16中の破線は、外周部分Tとそれ以外の部分との境界を表している。本実施形態では、第1螺旋羽根502aの外周部分Tには、凹部Wが形成されている。凹部Wは、第1螺旋羽根502aの外周部分Tにおいて、軸線Nに平行な直線上の複数の箇所に形成されている。凹部Wには、第1撓み防止梁502bが設けられる。
【0143】
第1撓み防止梁502bは、第1螺旋羽根502aが軸線Nに垂直な方向に撓むのを抑えるための部材である。第1撓み防止梁502bは、軸線Nに平行に設けられる柱状部材であり、凹部Wに囲まれる空間を通って、該凹部Wに接続されている。第1螺旋羽根502aの外周部分Tにおいて軸線Nに平行な直線上の複数の箇所に凹部Wが形成されているので、第1撓み防止梁502bは、第1螺旋羽根502aの外周部分Tにおいて複数の箇所に亘って一直線上に設けられることになる。
【0144】
本実施形態では、同一形状の3つの第1撓み防止梁502bが設けられている。第1撓み防止梁502bの設けられる数は3つ以上の任意の数でよいけれども、第1撓み防止梁502bの設けられる数が多過ぎると、該第1撓み防止梁502bの表面積の合計値が大き過ぎ、その結果、第1螺旋羽根502aの回転運動の際に、第1撓み防止梁502bと現像剤との間に生じる摩擦が大きくなってしまう。したがって、第1撓み防止梁502bの設けられる数は3つ以上6つ以下であることが好ましい。
【0145】
第1撓み防止梁502bの長手方向における長さは、第1螺旋羽根502a全体の長手方向における長さの70%以上であり、より好ましくは、90%以上である。これによって、第1螺旋羽根502aが撓むのをより抑えることができる。
【0146】
第1撓み防止梁502bの軸線Nに垂直な断面の形状は、軸線Nを中心とする扇形台である。第1撓み防止梁502bの軸線Nに垂直な断面の形状である扇形台の中心角は、好ましくは5°以上45°以下であり、さらに好ましくは15°以上30°以下である。本実施形態では、扇形台の中心角θは25°である。
【0147】
第1撓み防止梁502bの軸線Nに垂直な断面の形状を扇形台にすることで、該第1撓み防止梁502bの剛性を高めることができるとともに、第1螺旋羽根502aの回転運動の際に、第1撓み防止梁502bと現像剤との間に生じる摩擦を小さくすることができる。
【0148】
第1撓み防止梁502bの軸線Nに垂直な断面の面積は、1mm〜20mmの範囲内で適宜設定できる。現像装置500が小型である場合は、第1撓み防止梁502bの軸線Nに垂直な断面の面積は、1mm〜10mmの範囲内で設定される。
【0149】
本実施形態では、3つの第1撓み防止梁502bは、軸線Nに垂直な断面において、該軸線Nからの距離が等しくなるように設けられる。第1撓み防止梁502bと軸線Nとの距離は、より詳細には、第1撓み防止梁502bの断面図形の図心Zと軸線Nとの距離である。このように構成されることで、第1螺旋羽根502aとともに第1撓み防止梁502bが回転運動する際のバランスが良くなり、第1現像剤搬送部502の撓みをより抑えることができる。
【0150】
軸線Nに垂直な断面において、隣り合う2つの第1撓み防止梁502bと該軸線Nとがなす角度を設置角と称する。設置角は、より詳細には、一の第1撓み防止梁502bの図心Zと軸線Nとを結ぶ線分と、他の第1撓み防止梁502bの図心Zと軸線Nとを結ぶ線分とがなす角度であり、0°を超え180°以下の角度である。本実施形態では、第1撓み防止梁502bが3つあるので、設置角は3つとなる。本実施形態における3つの設置角をσ,σ,σとするとき、3つの設置角σ,σ,σは、すべて120°である。このように、軸線Nに垂直な断面において、該軸線Nと隣り合う2つの第1撓み防止梁502bとがなす設置角がすべて等しくなるように複数の第1撓み防止梁502bが設けられることで、第1螺旋羽根502aとともに複数の第1撓み防止梁502bが回転運動する際のバランスが良くなり、第1現像剤搬送部502の撓みをより抑えることができる。
【0151】
第1螺旋羽根502aは、その長手方向両端部に、第1支持部材502cが設けられている。本実施形態の第1支持部材502cは円柱状部材である。第1螺旋羽根502aの長手方向において、1つの第1支持部材502cが設けられている部分の長さは、第1螺旋羽根502a全体の長手方向における長さの15%以上40%以下である。したがって、第1螺旋羽根502aの長手方向において、第1支持部材502cが設けられていない部分、すなわち、第1螺旋羽根502aの長手方向中央部の長さは、第1螺旋羽根502a全体の長手方向における長さの60%以上85%以下である。
【0152】
第1支持部材502cの外径は、第1螺旋羽根502aの内径Lと同じ長さに設定でき、また、たとえば、5mm〜15mmの範囲内で適宜設定できる。第1支持部材502cは、図示しない駆動部によって、60rpm〜180rpmで、回転方向Gに回転する。
【0153】
本実施形態において、第1螺旋羽根502aの長手方向中央部では、該第1螺旋羽根502aの内側には何も設けられていない。本実施形態の第1螺旋羽根502aの内側の空間は、現像剤の移動空間として利用される。すなわち、第1螺旋羽根502aの内側の空間に存在する現像剤は、該第1螺旋羽根502aによって押されないので、搬送方向Yに進まずにその場に留まろうとする。その結果、第1螺旋羽根502aの内側の空間に存在する現像剤は、搬送方向Yに進む現像剤を基準とすれば、搬送方向Xに進むように見える。本実施形態では、第1搬送路Qにおいて、このような2つの現像剤の流れが生じることにより、現像剤同士の摩擦によって現像剤が攪拌され、現像槽201内におけるトナーの偏りが解消される。
【0154】
本実施形態では、第1螺旋羽根502aの長手方向中央部には、第1撓み防止梁502bのみが設けられている。第1螺旋羽根502aの材質と第1撓み防止梁502bの材質とが同じ硬さである場合、または、第1螺旋羽根502aの材質よりも第1撓み防止梁502bの材質が硬い場合、第1撓み防止梁502bにおいて、第1螺旋羽根502aの長手方向中央部に対応する部分の体積は、第1螺旋羽根502aの長手方向中央部の体積の5%以上15%以下であることが好ましい。5%以上とすることにより、第1螺旋羽根502aが撓み難くなり、15%以下とすることにより、現像槽201内における第1現像剤搬送部502の占有体積を小さくでき、その結果、より多くの現像剤を現像槽201内に貯留することができる。
【0155】
また、本発明の他の実施形態としては、第1螺旋羽根502aの長手方向中央部において、該第1螺旋羽根502aの内側に円柱状部材が設けられてもよい。この場合、円柱状部材の材質と第1螺旋羽根502aの材質と第1撓み防止梁502bの材質とが同じ硬さであるとき、または、第1螺旋羽根502aの材質よりも第1撓み防止梁502bおよび円柱状部材の材質が硬いとき、該円柱状部材の体積と第1撓み防止梁502bにおける第1螺旋羽根502aの長手方向中央部に対応する部分の体積との合計は、第1螺旋羽根502aの長手方向中央部の体積の7%以上15%以下であることが好ましい。7%以上とすることにより、第1螺旋羽根502aが撓み難くなり、15%以下とすることにより、現像槽201内における第1現像剤搬送部502の占有体積を小さくでき、その結果、より多くの現像剤を現像槽201内に貯留することができる。
【0156】
このように構成される第1現像剤搬送部502では、第1撓み防止梁502bは、軸線Nに垂直な断面の形状が該軸線Nを中心とする扇形台となっているので、該第1撓み防止梁502bの、軸線Nに垂直な方向への剛性が比較的高くなっている。この第1撓み防止梁502bは、第1螺旋羽根502aの外周部分Tにおいて複数の箇所に亘って設けられ、さらに、第1撓み防止梁502bは、第1現像剤搬送部502に3つ設けられる。したがって、第1現像剤搬送部502は、従来の現像剤搬送部よりも撓み難くなっている。
【0157】
従来の現像剤搬送部は、螺旋羽根と比較的太い回転軸部材とからなるけれども、第1現像剤搬送部502には、回転軸部材は必須ではなく、回転軸部材が設けられる場合であっても、比較的細くできる。たとえば、従来の現像剤搬送部では、回転軸部材の外径/螺旋羽根の外径×100の値が20%以上50%以下であるのに対して、本発明では、回転軸部材の外径/螺旋羽根の外径×100の値を0%以上20%未満にすることができる。
【0158】
また、第1撓み防止梁502bは軸線Nに平行に設けられるので、非平行に設けられる場合と比較して、第1撓み防止梁502bの体積が小さい。したがって、現像槽201内により多くの現像剤を貯留することができる。
【0159】
なお、本実施形態では、各第1撓み防止梁502bは1つの連続した部材であるけれども、本実施形態の変形例としては、1つの第1撓み防止梁502bが複数の断片から構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0160】
20 トナー像形成部
30 転写部
40 定着部
50 記録媒体供給部
60 排出部
100 画像形成装置
200,200b,200c,200m,200y,400,500 現像装置
201 現像槽
202,402,502 第1現像剤搬送部
202a,402a,502a 第1螺旋羽根
202b,402b,502b 第1撓み防止梁
202c,402c,502c 第1支持部材
202d,402d,502d 第1ギア
203,403,503 第2現像剤搬送部
203a,403a,503a 第2螺旋羽根
203b,403b,503b 第2撓み防止梁
203c,403c,503c 第2支持部材
203d,403d,503d 第2ギア
204 現像ローラ
205 現像槽カバー
206 ドクターブレード
207 隔壁
208トナー濃度検知センサ
250,250b,250c,250m,250y トナー供給パイプ
300,300b,300c,300m,300y トナーカートリッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を貯留する現像槽と、現像剤を担持して供給する現像ローラとを備える現像装置において、
前記現像槽には、仮想的な円柱の側面を取り巻く形状の螺旋羽根と前記仮想的な円柱の軸線に平行に設けられる2つ以上の撓み防止梁とを含み、前記仮想的な円柱の軸線を中心とする回転運動によって前記現像ローラに向けて現像剤を搬送する現像剤搬送部が設けられ、
前記撓み防止梁は、前記螺旋羽根の外周部分において複数の箇所に亘って設けられ、かつ、前記仮想的な円柱の軸線に垂直な断面の形状が該軸線を中心とする扇形台となることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
現像剤を貯留する現像槽と、現像剤を担持して供給する現像ローラとを備える現像装置において、
前記現像槽には、仮想的な円柱の側面を取り巻く形状の螺旋羽根と該螺旋羽根の外周部分において前記仮想的な円柱の軸線に平行に設けられる3つ以上の撓み防止梁とを含み、前記仮想的な円柱の軸線を中心とする回転運動によって前記現像ローラに向けて現像剤を搬送する現像剤搬送部が設けられ、
前記撓み防止梁は、前記螺旋羽根の複数の部位に亘って設けられることを特徴とする現像装置。
【請求項3】
前記撓み防止梁は、前記仮想的な円柱の軸線に垂直な断面の形状が該軸線を中心とする扇形台となることを特徴とする請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記撓み防止梁は、前記仮想的な円柱の軸線に垂直な断面において、該軸線からの距離がすべて等しくなるように設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の現像装置。
【請求項5】
前記撓み防止梁は、前記仮想的な円柱の軸線に垂直な断面において、該軸線と隣り合う2つの撓み防止梁とがなす設置角がすべて等しくなるように設けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の現像装置。
【請求項6】
電子写真方式の画像形成装置において、
請求項1〜5のいずれか1つに記載の現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−32718(P2012−32718A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−174018(P2010−174018)
【出願日】平成22年8月2日(2010.8.2)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】