説明

現像装置及び画像形成装置

【課題】現像剤担持体の保持される現像剤の層厚を均一にして、濃度ムラの無い画像を形成することができる現像装置、及び、画像形成装置を提供する。
【解決手段】現像装置10は、規制ブレード16の長手方向中央部を移動させて、該長手方向中央部付近に対応する現像剤19の層厚を変化させるようにしたアクチュエータ40と、規制ブレード16の長手方向に沿って複数配設されると共に、そのうちの1つが前記長手方向中央部に対応する位置に配設されて、中間転写ベルト23上に形成された顕像パターンの濃度を測定する濃度センサ31と、濃度センサ31が測定した濃度から前記長手方向の濃度差を算出し、この濃度差が無くなるように、アクチュエータ40によって規制ブレード16の長手方向中央部を移動させるようにした制御部32と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等に用いられる現像装置及びそれら画像形成装置に関する。さらに詳しくは、静電潜像担持体上の静電潜像をトナーおよび磁性粒子からなる現像剤にて現像してトナー像を形成する現像装置、及び、この現像装置を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、ファクシミリ、及び、プリンタ等の画像形成装置において用いられる従来の現像装置110は、例えば、図9に示すように、ケース111と、ケース111内側下部に互いに区切られた第1空間112aと第2空間112bを備えて設けられた現像剤収容槽112と、前記第1空間112a内と前記第2空間112b内とにそれぞれ配設された攪拌スクリュー113a、113bと、現像剤119を供給するために現像剤収容槽112の上部に配設された現像剤容器114と、現像剤収容槽112から現像剤119を汲み上げるように、両端部を回転可能に軸支されてケース開口部111aに配設された円筒状の現像剤担持体115と、ケース111に長手方向両端部が固定されるとともに現像剤担持体115の円筒表面との間に所定の隙間(ギャップ)を設けて配設された、平板を長手方向に沿って断面L字状に折り曲げて成形された規制ブレード(即ち、現像剤規制部材)116と、を備えている。現像剤担持体115は、現像剤119を汲み上げて、その表面に保持し、そして、規制ブレード116は、現像剤担持体115の円筒表面に保持された余分な現像剤119をそぎ落とし、現像剤119の層厚が一定の厚みになるように規制している。
【0003】
この現像装置110は、図10に示すように、黒(K)、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)の各色に対応する現像装置110K、110Y、110C、110Mとして、従来の画像形成装置101内に一列に整列されて組み込まれている。そして、この画像形成装置101は、上記各現像装置110に加えて、上記各色に対応する感光体ドラム(即ち、静電潜像担持体)120K、120Y、120C、120Mと、駆動源としてのモータなどによって回転駆動される駆動ローラ121と、画像形成装置101本体に回転自在に支持された従動ローラ122と、各感光体ドラム120に接するように駆動ローラ121と従動ローラ122との双方に掛け渡された無端環状の中間転写ベルト123と、各感光体ドラム120上に現像された画像を中間転写ベルト123に転写させる転写ローラ124と、駆動ローラ121に対向して配設されて、中間転写ベルト123上に転写された顕像パターンの濃度を検知する濃度センサ131と、濃度センサ131によって検知された上記濃度に基づいて現像剤担持体115に供給する現像剤119の量を制御する制御部132と、を備えている。
【0004】
従来の現像装置110(画像形成装置101)は、濃度センサ131によって検知された顕像パターンの濃度について、制御部132において解析及び判定を行い、濃度が濃いと判定したときは、現像剤担持体115への現像剤119の供給量を減少させ、濃度が薄いと判定したときは現像剤担持体115への現像剤119の供給量を増加して、画像の濃度を調整していた。
【0005】
また、特許文献1に示される、従来の他の現像装置では、現像剤規制部材を現像剤担持体の円筒表面に対して垂直方向に移動させることによって、現像剤担持体の円筒表面と現像剤規制部材とのギャップの大きさを調整して、現像剤担持体に保持される現像剤全体の層厚を変化させることで画像の濃度を調整していた。
【特許文献1】特開平11−327290
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の現像装置110は、装置動作時に規制ブレード116によって余分な現像剤119をそぎ落とすので、現像剤119により現像剤担持体115と規制ブレード116とに対して応力が加わり、そのため、それらに撓みが生じてしまうことがあった。また、現像剤担持体115、規制ブレード116、及び、それらを組み付けるケース111等の部材には、形状誤差や線膨張係数の違いがあるので、組付作業による部材のずれや装置動作時に生じる熱などによっても、現像剤担持体115や規制ブレード116に撓みが生じてしまうことがあった。そして、現像剤担持体115及び規制ブレード116は、それら両端部がケース111に固定されているので、上記撓みは、それぞれの長手方向中央部に生じやすく、この撓みによって現像剤担持体115と規制ブレード116との間のギャップに偏りが生じてしまい、そのため、現像剤担持体115の円筒表面に付着する現像剤119の層厚が不均一になって、形成した画像に規制ブレード116長手方向の濃度ムラが発生するという問題があった。
【0007】
また、特許文献1に示される画像形成装置においても、平板状の現像剤規制部材の長手方向両端部が歯車で支持されているので、上記と同様に、形成した画像に現像剤規制部材の長手方向の濃度ムラが発生するという問題があった。
【0008】
本発明は、上記課題に係る問題を解決することを目的としている。即ち、本発明は、現像剤担持体の保持される現像剤の層厚を均一にして、濃度ムラの無い画像を形成することができる現像装置、及び、画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載された発明は、上記目的を達成するために、円筒状の現像剤担持体と、前記現像剤担持体に保持された現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材と、を有する現像装置において、(イ)前記現像剤規制部材の長手方向中央部を移動させて、該長手方向中央部付近に対応する前記現像剤の層厚を変化させるようにした移動手段と、(ロ)前記現像剤規制部材の長手方向に沿って複数配設されると共に、そのうちの1つが前記長手方向中央部に対応する位置に配設されて、転写部材上に形成された顕像パターンの濃度を測定する濃度測定手段と、(ハ)前記複数の濃度測定手段がそれぞれ測定した前記顕像パターンの濃度に基づいて、前記現像剤規制部材の長手方向中央部に対応する前記顕像パターンの濃度である中央部濃度と、前記現像剤規制部材の長手方向中央部以外に対応する前記顕像パターンの濃度である端部濃度と、を比較して、前記中央部濃度が前記端部濃度より所定の許容濃度差を超えて低ければ、前記現像剤規制部材の長手方向中央部付近に対応する前記現像剤の層厚を厚くするように、前記移動手段によって該長手方向中央部を移動させ、そして、前記中央部濃度が前記端部濃度より前記許容濃度差を超えて高ければ、前記現像剤規制部材の長手方向中央部付近に対応する前記現像剤の層厚を薄くするように、前記移動手段によって該長手方向中央部を移動させるようにした制御手段と、を有することを特徴とする現像装置である。
【0010】
請求項1に記載された発明によれば、現像剤規制部材の長手方向に沿って配置された複数の濃度測定手段を有するので、該長手方向の濃度差を測定することができ、特に、複数の濃度測定手段のうち1つが現像剤規制部材の長手方向中央部に配設されているので、該長手方向中央部とそれ以外の部分との濃度差を測定することができる。また、現像剤規制部材の長手方向中央部を移動させる移動手段を有するので、該長手方向中央部付近に対応する現像剤の層厚を変化させることができる。
【0011】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記複数の濃度測定手段が、前記現像剤規制部材の長手方向中央部に対応する位置と、前記現像剤規制部材の長手方向の両端部のいずれか一方に対応する位置と、に配設された2つの手段からなることを特徴とするものである。
【0012】
請求項2に記載された発明によれば、現像剤規制部材の長手方向中央部と、その両端部のいずれか一方と、に対応する位置にある顕像パターンの濃度を測定することができるので、該長手方向中央部と、該長手方向中央部との濃度差が最も大きくなる2つの端部と、の濃度を測定することができる。
【0013】
請求項3に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記複数の濃度測定手段が、前記現像剤規制部材の長手方向中央部に対応する位置と、前記現像剤規制部材の長手方向の両端部の両方に対応する位置と、に配設された3つの手段からなることを特徴とするものである。
【0014】
請求項3に記載された発明によれば、現像剤規制部材の長手方向中央部と、その両端部の両方と、に対応する位置にある顕像パターンの濃度を測定することができるので、該長手方向中央部と、該長手方向中央部との濃度差が最も大きくなる2つの端部と、の濃度を測定することができる。
【0015】
請求項4に記載された発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載された発明において、前記現像剤規制部材が、直方体状に形成された部材であることを特徴とするものである。
【0016】
請求項4に記載された発明によれば、前記現像剤規制部材が直方体形状であるので、その断面形状が長方形であり、また、移動手段によって、現像剤規制部材の長手方向中央部を、その1つの面に対して垂直方向に押圧、牽引することができる。
【0017】
請求項5に記載された発明は、前記請求項1〜4に記載された現像装置を有することを特徴とする画像形成装置である。
【0018】
請求項5に記載された発明によれば、画像形成装置が有する現像装置が、現像剤規制部材の長手方向に沿って複数配置された濃度測定手段を有するので、該長手方向の濃度差を測定することができ、特に、複数の濃度測定手段のうち1つが現像剤規制部材の長手方向中央部に配設されているので、該長手方向中央部とそれ以外の部分との濃度差を測定することができる。また、現像装置が、現像剤規制部材の長手方向中央部を移動させる移動手段を有するので、該長手方向中央部付近に対応する現像剤の層厚を変化させることができる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載された発明によれば、濃度測定手段によって測定した、現像剤規制部材の長手方向中央部と該長手方向中央部以外とのそれぞれに対応する位置にある顕像パターンの濃度に基づいて、該長手方向中央部付近に対応する現像剤の層厚を変化させるので、該長手方向中央部の濃度と、該長手方向中央部以外の濃度と、の濃度差を所定の許容濃度差以内にすることができ、そのため、現像剤担持体及び現像剤規制部材等において生じる、形状誤差や温度等の環境変動による撓みや現像剤の応力による撓みなどによって引き起こされる現像剤規制部材の長手方向の濃度ムラを解消して、濃度ムラのない均一な画像を形成することができ、経時で安定した良好な画像を得ることができる。
【0020】
請求項2に記載された発明によれば、濃度測定手段によって最も濃度差の大きい2つの場所の濃度を測定するので、濃度差を容易に検出することができ、そのため、濃度ムラを確実に解消して、濃度ムラのない均一な画像を形成することができる。
【0021】
請求項3に記載された発明によれば、濃度測定手段によって最も濃度差の大きい3つの場所の濃度を測定するので、濃度差を容易且つ正確に検出することができ、そのため、濃度ムラをより確実に解消して、濃度ムラのない均一な画像を形成することができる。
【0022】
請求項4に記載された発明によれば、現像剤規制部材の形状が直方体であるので、一般的に使用されている断面形状がL字形の現像剤規制部材に比べて変形させやすく、また、その断面が長方形であるので、直方体の1つの面に対して垂直に力(押圧、牽引)を加えることで、その力を加えた方向に正確に変形させることができる。そのため、現像剤規制部材の長手方向中央部の移動位置を正確に制御することができ、より濃度ムラのない均一な画像を形成することができる。
【0023】
請求項5に記載された発明によれば、現像装置が、その濃度測定手段によって測定した現像剤規制部材の長手方向中央部と該長手方向中央部以外とに対応する位置の顕像パターンの濃度に基づいて、該長手方向中央部付近に対応する現像剤の層厚を変化させるので、該長手方向中央部の濃度と、該長手方向中央部以外の濃度と、の濃度差を所定の許容濃度差以内にすることができる。そのため、現像剤担持体及び現像剤規制部材等において生じる、形状誤差や温度等の環境変動による撓みや現像剤の応力による撓みなどによって引き起こされる現像剤規制部材の長手方向の濃度ムラを解消して、濃度ムラのない均一な画像を形成することができ、経時で安定した良好な画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1は、本発明の一実施形態である現像装置の断面図である。図2は、図1に示す現像装置のアクチュエータを拡大した図である。図3は、図1に示す現像装置の現像剤担持体及び規制ブレードの位置関係を示す図である。図4は、図1に示す現像装置の濃度センサと顕像パターンの位置関係を示す図である。図5は、本発明の一実施形態である画像形成装置の断面図である。図6は、図1に示す現像装置の現像剤担持体及び規制ブレードのギャップ(DG)と、顕像パターンのトナー付着量(M/A)と、の概略関係を示すグラフである。図7は、図5に示す画像形成装置における濃度調整動作の一例を示すフローチャートである。図8は、図1に示す現像装置において、濃度センサを3つ設けた場合の、濃度センサと顕像パターンの位置関係を示す図である。
【0025】
次に、本発明の第1の実施形態である現像装置及びこの現像装置を備える画像形成装置の構成を、図1〜図7を参照して説明する。
【0026】
図1において、10は現像装置である。現像装置10は、ケース11と、現像剤収容槽12と、攪拌スクリュー13a、13bと、現像剤容器14と、現像剤担持体15と、規制ブレード16と、アクチュエータ40と、濃度センサ31と、制御部32と、を備えている。なお、図1中の、感光体ドラム20、駆動ローラ21、中間転写ベルト23、転写ローラ24、については、後述する画像形成装置1が備えている。
【0027】
ケース11は、その内側下部に現像剤収容槽12が設けられ、また、その感光体ドラム20と対向する側部には開口部11aが設けられており、また、その上部には現像剤容器14を配設するための凹部が設けられて形成されている。ケース11内部には、現像剤担持体15が、その表面の一部を露出するように開口部11aに位置づけられて収容されている。
【0028】
現像剤収容槽12は、現像剤担持体15の長手方向と長さがほぼ等しく現像剤19を収容するための第1空間12a及び第2空間12bと、それらを仕切る仕切壁12cと、を備えている。また、第1空間12aと第2空間12bとは、それらの両端部が互いに連通している。
【0029】
現像剤19は、トナーと磁性キャリアとを含んでおり、現像剤担持体15から離れた側に位置する第1空間12aの一端部に、適宜供給される。現像剤19に含まれるトナーは、乳化重合法又は懸濁重合法により製造された球状の微粒子である。なお、トナーは、種々の染料又は顔料を混入・分散した合成樹脂で構成される塊を粉砕して得られても良い。トナーの平均粒径は、3μm以上でかつ7μm以下である。また、トナーは、粉砕加工などにより形成されても良い。
【0030】
攪拌スクリュー13a、13bは、第1空間12aと第2空間12bとのそれぞれに収容されている。攪拌スクリュー13a、13bの長手方向は、現像剤収容槽12、及び、現像剤担持体15の長手方向と平行である。攪拌スクリュー13a、13bは、軸芯周りに回転自在に設けられており、軸芯周りに回転することで、トナーと磁性キャリアとを攪拌するとともに、該軸芯に沿って現像剤19を搬送する。本実施形態では、第1空間12a内の攪拌スクリュー13aは、現像剤19を前述した一端部から他端部に向けて搬送する。第2空間12b内の攪拌スクリュー13bは、現像剤19を他端部から一端部に向けて搬送する。つまり、攪拌スクリュー13aによって、第1空間12aの一端部に供給された現像剤19を攪拌しながら、他端部に搬送し、この他端部から第2空間12bの他端部に搬送する。そして、攪拌スクリュー13bによって、第2空間12b内で再度現像剤19を攪拌し、軸芯方向に搬送しながら、現像剤担持体15に供給する。
【0031】
現像剤容器14は、ケース11外側に取り付けられた現像剤19を格納した容器であり、該容器下部に設けられた供給口が現像剤収容槽12の第1空間12aの一端部に接続されており、現像剤収容槽12に現像剤19を供給する。
【0032】
現像剤担持体15は、芯金と、該芯金が軸となるように該芯金に固定されて取り付けられた円柱状のマグネットローラと、該マグネットローラを内包するように回転自在に配設された円筒状の現像スリーブとを備えていて、その円筒表面に現像剤19を吸着(保持)させて、感光体ドラム20に搬送するための部材である。芯金は、攪拌スクリュー13b及び感光体ドラム20とその軸が平行になるように、その両端部をケース11に固定して取り付けられている。マグネットローラは、現像スリーブ表面(即ち、現像剤担持体15の円筒表面)に現像剤19を吸着させる複数の固定磁極を備えている。固定磁極はマグネットローラの全長に亘って配設されており、そのうちの1つが現像剤19を汲み上げる汲み上げ磁極として、攪拌スクリュー13bと相対しており、他の固定磁極のうちの一つが現像磁極として、感光体ドラム20と相対している。この固定磁極は、現像剤19に含まれる磁性キャリアを、現像スリーブ表面に吸着し、そして、磁性キャリアを該固定磁極の生じる磁力線に沿って複数重ねさせて、該現像スリーブ表面上に立設(穂立ち)させる。すると、この穂立ちした磁性キャリアに、同じく現像剤19に含まれるトナーが吸着する。即ち、現像スリーブは、マグネットローラの磁力により、その表面に現像剤19を吸着する。そして、現像スリーブは回転されて、現像剤19を感光体ドラム20に搬送する。
【0033】
規制ブレード16は、請求項の現像剤規制部材に相当し、例えば、その形状が、長さ330mm、幅20mm、厚さ1.5mmとなる、厚み方向の辺が短い平板状の直方体に形成されて、ケース11の開口部11a上端部に、その長手方向(長さ方向)が現像剤担持体15の軸方向と平行になると共に、その短手方向(幅方向)が現像剤担持体15の周方向法線と同一になるように、その長手方向両端部をケース11に固定して配設されている。また、規制ブレード16は、現像剤担持体15の円筒表面と隙間(ギャップ)をあけた状態で、その長手方向中央部と現像剤担持体15の軸方向中央部とが同一線上に位置づくように配設されている。
【0034】
また、規制ブレード16は、現像剤担持体15の円筒表面上に保持された現像剤19を規制ブレード16に衝突させることにより、所望の厚さ(即ち、ギャップの大きさ)を超える余分な現像剤19を現像剤収容槽12内にそぎ落として、感光体ドラム20に搬送される現像剤19の量(層厚)を調整する。規制ブレード16は、硬質、且つ、その長手方向中央部を押圧及び牽引することで、1〜2mm程撓ませて変形させる(即ち、移動する)ことができる程度の弾力性を有する材料、例えば、アルミニウム若しくはステンレス鋼(SUS)等を用いて形成されている。
【0035】
そして、規制ブレード16は、その形状が直方体であるので、一般的に使用されている断面形状がL字形の規制ブレード(現像剤規制部材)に比べて変形させやすく、また、その断面が長方形であるので、1つの面に対して垂直に力(押圧、牽引)を加えることで、その力を加えた方向に正確に変形させることができる。そのため、規制ブレード16の長手方向中央部の移動位置を正確に制御することができる。
【0036】
アクチュエータ40は、請求項の移動手段に相当し、規制ブレード16の長手方向中央部を規制ブレード16の幅方向に移動させるものであり、図2に示すように、モータ41と、ジョイント部42と、マイクロメータ43と、を備えている。
【0037】
モータ41は、軸41aの回動角度を精密且つ高速に制御することが可能な、既存のサーボモータである。モータ41は、そのハウジングをケース11に固定されている。また、モータ41は、制御部32に接続されており、この制御部32から受信する制御信号によって回動動作する。なお、モータ41は、サーボモータ以外にも、例えば、ステッピングモータなど、軸の回動角が正確に制御できるモータであればどのようなものを用いても良い。
【0038】
ジョイント部42は、モータ41の軸41aとマイクロメータ43とを結合して、モータ41の回動動力をマイクロメータ43に伝達するための部材である。
【0039】
マイクロメータ43は、ネジ機構によって互いに組み付けられた可動部44と固定部45とを備え、ネジ機構に沿う可動部44の回動動作を、ネジ進行方向の直線動作に置き換える、既存の部材である。また、可動部44の下端部分には、先端部材46が配設されている。
【0040】
可動部44は、円柱状の大径部44aと、大径部44aより小さい径を有する円柱状の小径部44bと、が、それぞれの軸が同一線上に並んで重なるように形成されており、大径部44a上部がジョイント部42に覆われるように結合されて配設されている。小径部44bの円柱表面下部寄りには、雄ネジとなるようにネジが切られている。
【0041】
固定部45は、円筒状に形成されており、可動部44の小径部44bと螺合する雌ネジとなるように、その円筒内面にネジが切られている。また、固定部45の円筒外面はケース11に固定されている。
【0042】
先端部材46は、可動部44の小径部44bより小さい径の円柱状に形成された部材であり、その上端部が、可動部44の小径部44b下面部に回動自在に軸支されており、その下端部が、規制ブレード16の幅方向に対向して位置する側面のうち上部側の長手方向中央部に結合されている。
【0043】
アクチュエータ40は、次のように動作する。モータ41の軸41aの回動に合わせて、可動部44が、固定部45との間に設けられたネジ機構により、規制ブレード16の幅方向に上下動して、つまり、先端部材46が規制ブレード16の長手方向中央部を幅方向に押圧及び牽引して変形させることで、規制ブレード16の長手方向中央部を移動させる。そして、このアクチュエータ40の動作により、規制ブレード16の長手方向中央部のギャップの大きさが変化して、該長手方向中央部付近の現像剤19の層厚が変化する。
【0044】
濃度センサ31a、31bは、請求項の濃度測定手段に相当し、図4に示すように、中間転写ベルト23上に形成された複数の濃度調整用の顕像パターン50a、51a、52a、53a、50b、51b、52b、53bの濃度を測定する、既存の反射型フォトセンサである。濃度センサ31aは、規制ブレード16の長手方向中央部に対応する位置に、濃度センサ31bは、規制ブレード16の長手方向の一方の端部に対応する位置に、それぞれ駆動ローラ21に対向して配置されている。濃度センサ31a、31bによって、規制ブレード16の長手方向中央部と、その両端部のいずれか一方と、に対応する位置にある顕像パターンの濃度を測定することができるので、該長手方向中央部と、該長手方向中央部との濃度差が最も大きくなる2つの端部と、の濃度を測定することができ、そのため、濃度差を容易に検出することができる。
【0045】
濃度調整用の顕像パターン50a〜53aは、それぞれ順に黒(K)、黄色(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)の各色に対応しており、現像剤担持体15に対向して配置された感光体ドラム20上に形成された基準電位潜像パターンを現像することによって、中間転写ベルト23の回転方向に沿って順に現像ブレード16の長手方向中央部に対応する位置に形成される。濃度調整用の顕像パターン50b〜53bについても、同様に、現像ブレード16の長手方向の一方の端部に対応する位置に形成される。濃度センサ31a、31bによる濃度測定は、上記顕像パターン上のトナー付着量(以下、M/A)を測定して行う。このM/Aは、現像剤担持体15と規制ブレード16との間に設けられたギャップと関係を有する。
【0046】
図6に、現像剤担持体15と規制ブレード16とのギャップの大きさ(以下、DG)とM/Aとの関係を示す。現像剤担持体15の円筒表面に保持された現像剤19の層厚は、それが厚ければ現像剤19中のトナー量も増えるためM/Aが高くなり、それが薄ければ現像剤19中のトナー量が減るためM/Aは低くなるという関係がある。また、DGが大きいとき現像剤19の層厚も厚くなり、DGが小さいとき現像剤19の層厚は薄くなるという関係がある。つまり、DGが大きくなるとM/Aも高くなり、DGが小さくなるとM/Aは低くなるという図6のグラフの関係が成立することが判る。この関係から、規制ブレード16の長手方向中央部を移動させてDGを変化させることで該長手方向中央部付近のM/Aを制御することができる。
【0047】
制御部32は、周知の中央演算処理装置(CPU)と、記憶部と、外部インタフェース部と、を備えたコンピュータである。CPUは、現像装置10に係る各種動作を制御し、また、請求項の制御手段として動作する。記憶部、はROM及びRAM等で構成され、現像装置10を動作させるためのプログラムおよび該プログラム実行時のデータなどを記憶し、また、濃度センサ31a、31bが測定した各M/Aにおける許容濃度差M(M>0)および濃度調整用の顕像パターンデータを格納している。外部インタフェース部は、汎用I/Oポートを備えており、モータ41に接続されて、モータ41を回動させる制御信号を送信する。なお、このコンピュータは、後述する画像形成装置1に係る各種動作を制御するものでもある。
【0048】
現像装置10は、アクチュエータ40と、濃度センサ31a、31bと、制御部32と、を備えているので、濃度センサ31a、31bによって測定した、規制ブレード16の長手方向中央部に対応する位置の顕像パターン50a〜53aのM/Aと、該長手方向の一方の端部に対応する位置の顕像パターン50b〜53bのM/Aと、に基づいて、制御部32によって、アクチュエータ40を動作させ、規制ブレード16の長手方向中央部を移動させることができる。そのため、該長手方向中央部付近に対応する現像剤19の層厚を変化させることができるので、該長手方向中央部のM/A(即ち、中央部濃度)と、該長手方向の一方の端部のM/A(即ち、端部濃度)と、の濃度差を許容濃度差M以内にすることができる。
【0049】
次に、画像形成装置の構成について説明する。
【0050】
図5において、1は画像形成装置である。画像形成装置1は、黒(K)、黄色(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)の各色に対応した上述の現像装置10K、10Y、10C、10Mと、感光体ドラム20K、20Y,20C、20Mと、駆動ローラ21と、従動ローラ22と、中間転写ベルト23と、転写ローラ24K、24Y、24C、24Mと、を備えている。
【0051】
感光体ドラム20(20K、20Y、20C、20M)は、その表面に静電潜像を担持する像担持体であり、上記各色に対応した現像装置10が備える現像剤担持体15と軸方向が平行になるように対向して、それぞれ画像形成装置1本体に回動可能に組み付けられている。感光体ドラム20は、帯電器によって、表面の感光体層が所定の電位に均一に帯電され、露光ユニットからのレーザ光の照射によって画像データに応じた静電潜像が形成されるようになっている。
【0052】
駆動ローラ21は、中間転写ベルト23の上面部進行方向下流側に配置されており、駆動源としての図示しないモータなどによって回転駆動される。
【0053】
従動ローラ22は、中間転写ベルト23の上面部進行方向上流側に配置されており、画像形成装置1本体に回転自在に支持されている。
【0054】
中間転写ベルト23は、請求項の転写部材に相当し、無端環状に形成されており、駆動ローラ21と従動ローラ22との双方に掛け渡されている。また、中間転写ベルト23は、駆動ローラ21が回転駆動されることで、駆動ローラ21と従動ローラ22との周りを図5中反時計回りに循環(無端走行)する。
【0055】
転写ローラ24(24K、24Y、24C、24M)は、上記各色に対応した感光体ドラム20との間に中間転写ベルト23を挟むように配設されており、中間転写ベルト23を感光体ドラム20の表面に押し付けて、電流作用により感光体ドラム20上に現像された画像を中間転写ベルト23に転写する。
【0056】
次に、上述した構成の画像形成装置1(即ち、CPU)における、画像形成装置のメンテナンス(プロセスコントロール)時などに行う、本発明に係る濃度調整動作の一例について、図7に示すフローチャートを参照して説明する。
【0057】
上述した画像形成装置1のCPUは、濃度調整動作時において、記憶部に格納された濃度調整用の顕像パターンデータを読み出し、該データに基づいて感光体ドラム20K、20Y,20C、20Mそれぞれに基準電位潜像パターンを形成し、それらを現像して、中間転写ベルト23上面部の規制ブレード16の長手方向中央部および一方の端部に対応する位置に、上記各色に対応した濃度調整用の顕像パターン50a〜53a、50b〜53bを順に形成する(ステップS210)。形成する各顕像パターンは、濃度センサ31a、31bによってM/A測定が可能な程度の大きさである。
【0058】
そして、濃度センサ31aによって顕像パターン50aのM/A(以下、中央部M/A、請求項の中央部濃度に相当)を測定し、濃度センサ31bによって顕像パターン50bのM/A(以下、端部M/A、請求項の端部濃度に相当)を測定する(ステップS220)。また、順次、顕像パターン51a〜53a、顕像パターン51b〜53bについても測定を行う。また、以下の顕像パターン50a、50bに対する処理は、順次、顕像パターン51a〜53a、顕像パターン51b〜53bについても同様に行うものである。
【0059】
そして、顕像パターン50aから測定した中央部M/AをA1とし、顕像パターン50bから測定した端部M/AをA2として、中央部M/Aと端部M/Aとの差、即ち、濃度差X=A1−A2を算出する(ステップS230)。
【0060】
濃度差Xを算出した後、記憶部から許容濃度差Mを読み出し、算出した濃度差の絶対値|X|と比較する(ステップS240)。|X|が許容濃度差M以下であれば(S240でY)、顕像パターン50a、50b間に濃度ムラがないものと判定して濃度調整動作を終了する。|X|が許容濃度差Mを超えていれば(S240でN)、顕像パターン50a、50b間に濃度ムラがあるものと判定して、差分Xの符号を判定する。(ステップS250)。
【0061】
濃度差Xが正の値(即ち、X>0)であれば(S250でY)、中央部M/Aが多い、即ち、規制ブレード16の長手方向中央部付近の濃度が濃いものと判断して、DGが所定の大きさ(例えば、0.05mm)だけ小さくなるように、アクチュエータ40を制御して、規制ブレード16の長手方向中央部を押圧して移動させ(ステップS260)、再度、顕像パターン50a、50bを形成する(ステップS210)。濃度差Xが負の値(即ち、X<0)であれば(S250でN)、中央部M/Aが少ない、即ち、規制ブレード16の長手方向中央部付近の濃度が薄いものと判断して、DGが所定の大きさ(例えば、0.05mm)だけ大きくなるように、アクチュエータ40を制御して、規制ブレード16の長手方向中央部を牽引して移動させ(ステップS270)、再度、顕像パターン50a、50bを形成する(ステップS210)。以降、濃度差Xが許容濃度差M以下になるまで上記動作を繰り返す。なお、上述したステップS220〜S270が、請求項の制御手段に相当する。
【0062】
上記より、現像装置10、及び、画像形成装置1は、濃度センサ31a、31bによって測定した規制ブレード16の長手方向中央部と該長手方向中央部以外とに対応する位置の顕像パターン50a〜53a、50b〜53bの濃度に基づいて、該長手方向中央部付近に対応する現像剤19の層厚を変化させるので、該長手方向中央部のM/A(即ち、中央部濃度)と、該長手方向中央部以外のM/A(即ち、端部濃度)と、の濃度差を許容濃度差M以内にすることができる。そのため、現像剤担持体15及び規制ブレード16等において生じる、形状誤差や温度等の環境変動による撓みや現像剤19の応力による撓みなどによって引き起こされる規制ブレード16の長手方向の濃度ムラを解消して、濃度ムラのない均一な画像を形成することができ、経時で安定した良好な画像を得ることができる。
【0063】
また、濃度センサ31a、31bによって最も濃度差の大きい2つの場所のM/Aを測定するので、濃度差を容易に検出することができ、そのため、濃度ムラを確実に解消して、濃度ムラのない均一な画像を形成することができる。
【0064】
また、規制ブレード16の形状が直方体であるので、一般的に使用されている断面形状がL字形の規制ブレード(現像剤規制部材)に比べて変形させやすく、また、その断面が長方形であるので、1つの面に対して垂直に力(押圧、牽引)を加えることで、その力を加えた方向に正確に変形させることができる。そのため、規制ブレード16の長手方向中央部の移動位置を正確に制御することができ、より濃度ムラのない均一な画像を形成することができる。
【0065】
なお、本実施形態において、濃度調整時の規制ブレード16の移動量は所定値(0.05mm)に固定されているが、これに限定するものではなく、例えば、図6に示すM/AとDGとの関係を示すグラフを記憶部に記憶し、該グラフと差分Xとに基づいて、規制ブレード16の移動量を決定しても良い。このようにすることで、濃度調整サイクルを繰り返すことなく、1回の規制ブレード16の移動により調整が可能となるので、濃度調整作業に必要な時間を短縮することができる。
【0066】
また、図4に示すように、濃度センサ31a、31bの2つを備えるものであったが、例えば、図8に示すように、濃度センサ31a、31bに加えて、規制ブレード16の長手方向の他方の端部に濃度センサ31cを配設し、これに対応して、顕像パターン50c〜53cを形成して濃度調整動作を行っても良い。そして、顕像パターン50c(51c〜53cも同様)から測定した端部M/AをA3として、濃度差X=A1−(A2+A3)/2として算出する。このようにすることで、最も濃度差の大きい3つの場所の濃度を測定するので、より容易且つ正確に濃度ムラを検出することができ、さらに濃度ムラの少ない画像を形成することができる。
【0067】
また、規制ブレード16の形状、上述した直方体形状に限定するものではなく、例えば、平板状の直方体をその長手方向に折り曲げて断面L字状にしたものなど、アクチュエータ40によって、その長手方向中央部が移動できるものであれば形状は任意である。また規制ブレード16の現像剤担持体15に対する角度についても、幅方向が現像剤担持体15の周方向法線と同一となる角度に限定するものではなく、規制ブレード16が現像剤19の層厚を規制することができ、また、アクチュエータ40によって、規制ブレード16の長手方向中央部付近の現像剤19の層厚が調整できるものであれば、その角度は任意である。
【0068】
次に、本発明者は、濃度センサの個数と、規制ブレードの形状と、がそれぞれ異なる構成の本発明に係る画像形成装置1を用意して、各構成において濃度調整後の画像の濃度ムラを測定し、また、従来の画像形成装置101においても、濃度ムラを測定して、それらを比較する試験を行った。
【0069】
濃度ムラの測定及び評価は次のように行った。画像形成装置1及び画像形成装置101において、感光体ドラム上に基準電位潜像パターンを形成し、それらを現像して、各濃度センサに対応する中間転写ベルト上の位置に顕像パターンを形成する。そして、試験構成ごとに、それら顕像パターンのトナー付着量(M/A)について測定を行い、その最大値と最小値との差を濃度ムラとして、以下の基準値に基づいて評価を行った。
○:濃度差が0.2mg/cm2以下
×:濃度差が0.2mg/cm2
【0070】
(実施例1)
上述した画像形成装置1において、規制ブレード16が、アルミニウムを材料として、長さ330mm、厚み1.5mmで、幅方向断面の形状がL字形であり、該L字形の長線分が15mm、短線分が6mm、に形成されたものを用い、また、規制ブレード16の長手方向中央部及び一方の端部に対応する位置に、濃度センサ31a、31bの2つを備えた構成である。
【0071】
(実施例2)
上述した画像形成装置1において、実施例1と同一の規制ブレード16を用い、また、規制ブレード16の長手方向中央部及び両端部に対応する位置に、濃度センサ31a、31b、31cの3つを備えた構成である。
【0072】
(実施例3)
上述した画像形成装置1において、規制ブレード16が、アルミニウムを材料として、長さ330mm、幅20mm、厚み1.5mmで、幅方向断面の形状が長方形に形成されたものを用い、また、規制ブレード16の長手方向中央部及び両端部に対応する位置に、濃度センサ31a、31b、31cの3つを備えた構成である。
【0073】
(比較例1)
上述した従来の画像形成装置101において、実施例1と同一の規制ブレード116を備えた構成である。
【0074】
これら実施例1〜3、比較例1のそれぞれにてM/A測定を行い、M/A最大値とM/A最小値との差を算出して評価を行った。その評価結果を表1に示す。
【0075】
【表1】

【0076】
実施例1については、規制ブレード16の長手方向中央部と一方の端部とのそれぞれに対応する位置の濃度に基づいて濃度調整を行っているので、上記基準値を達成することができ、濃度ムラの小さい画像を得ることができた。
【0077】
実施例2については、規制ブレード16の長手方向中央部と両端部とのそれぞれに対応する位置の濃度に基づいて濃度調整を行っているので、実施例1より小さい濃度差で上記基準値を達成することができ、実施例1より濃度ムラの小さい画像を得ることができた。
【0078】
実施例3については、規制ブレード16の長手方向中央部と両端部とのそれぞれに対応する位置の濃度に基づいて濃度調整を行っていることに加え、規制ブレード16の形状が直方体であるので、規制ブレード16に対する精度の高い制御が可能であり、そのため、実施例2よりさらに小さい濃度差で上記基準値を達成することができ、実施例2よりさらに濃度ムラの小さい画像を得ることができた。
【0079】
比較例1については、現像剤119による応力などにより生じた規制ブレード116の撓みを調整することができないので、濃度ムラが発生してしまい、上記基準値を満たすことができなかった。
【0080】
以上より、本発明によれば、規制ブレードの長手方向の濃度差を小さくして、濃度ムラを解消した画像を得られることが明らかになった。
【0081】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の一実施形態である現像装置の断面図である。
【図2】図1に示す現像装置のアクチュエータを拡大した図である。
【図3】図1に示す現像装置の現像剤担持体及び規制ブレードの位置関係を示す図である。
【図4】図1に示す現像装置の濃度センサと顕像パターンの位置関係を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態である画像形成装置の断面図である。
【図6】図1に示す現像装置の現像剤担持体及び規制ブレードのギャップ(DG)と、顕像パターンのトナー付着量(M/A)と、の概略関係を示すグラフである。
【図7】図5に示す画像形成装置における濃度調整動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】図1に示す現像装置において、濃度センサを3つ設けた場合の、濃度センサと顕像パターンとの位置関係を示す図である。
【図9】従来の現像装置を示す断面図である。
【図10】従来の画像形成装置を示す断面図である。
【符号の説明】
【0083】
1 画像形成装置
10 現像装置
15 現像剤担持体
16 規制ブレード(現像剤規制部材)
20 感光体ドラム(静電潜像担持体)
23 中間転写ベルト(転写部材)
31 濃度センサ(濃度測定手段)
32 制御部(制御手段)
40 アクチュエータ(移動手段)
50〜53 顕像パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の現像剤担持体と、前記現像剤担持体に保持された現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材と、を有する現像装置において、
(イ)前記現像剤規制部材の長手方向中央部を移動させて、該長手方向中央部付近に対応する前記現像剤の層厚を変化させるようにした移動手段と、
(ロ)前記現像剤規制部材の長手方向に沿って複数配設されると共に、そのうちの1つが前記長手方向中央部に対応する位置に配設されて、転写部材上に形成された顕像パターンの濃度を測定する濃度測定手段と、
(ハ)前記複数の濃度測定手段がそれぞれ測定した前記顕像パターンの濃度に基づいて、前記現像剤規制部材の長手方向中央部に対応する前記顕像パターンの濃度である中央部濃度と、前記現像剤規制部材の長手方向中央部以外に対応する前記顕像パターンの濃度である端部濃度と、を比較して、前記中央部濃度が前記端部濃度より所定の許容濃度差を超えて低ければ、前記現像剤規制部材の長手方向中央部付近に対応する前記現像剤の層厚を厚くするように、前記移動手段によって該長手方向中央部を移動させ、そして、前記中央部濃度が前記端部濃度より前記許容濃度差を超えて高ければ、前記現像剤規制部材の長手方向中央部付近に対応する前記現像剤の層厚を薄くするように、前記移動手段によって該長手方向中央部を移動させるようにした制御手段と、
を有することを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記複数の濃度測定手段が、前記現像剤規制部材の長手方向中央部に対応する位置と、前記現像剤規制部材の長手方向の両端部のいずれか一方に対応する位置と、に配設された2つの手段からなることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記複数の濃度測定手段が、前記現像剤規制部材の長手方向中央部に対応する位置と、前記現像剤規制部材の長手方向の両端部の両方に対応する位置と、に配設された3つの手段からなることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項4】
前記現像剤規制部材が、直方体状に形成された部材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項5】
前記請求項1〜4に記載された現像装置を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−122330(P2009−122330A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−295347(P2007−295347)
【出願日】平成19年11月14日(2007.11.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】