説明

現像装置及び画像形成装置

【課題】トナー担持体の表面に電荷が蓄積するのを抑えてトナーのホッピング状態を良好に保つことができる現像装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】支持基板101の表面に沿うように複数の電極102が所定の間隔で配設され、支持基板及び電極の表面に絶縁性の表層である表面保護層103が積層された筒状のトナー担持体13aと、複数の電極に周期的な電圧を印加することによって、トナー担持体の表面に担持されている所定極性に帯電したトナーをホッピングさせる電界をトナー担持体の表面上に発生させるホッピング電界発生手段とを有し、トナー担持体の表面に担持されているトナーを潜像担持体11と対向する現像領域へ搬送して潜像担持体上の潜像にトナーを付着させることによって上記潜像を現像する現像装置13において、表面保護層に接触させて設けられた導電性部材を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機などの画像形成装置に用いられる現像装置、その現像装置を備える画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の現像装置としては、トナー担持体の表面上でホッピングさせたトナーを現像に用いるものが知られている。
【0003】
特許文献1に記載の現像装置は、絶縁性の支持基材の周方向に複数の電極が数十[μm]程度の所定の間隔で配設され、支持基材及び電極の表面に絶縁性の表層が積層された筒状のトナー担持体を有している。これら電極は、互いに隣り合う2つの電極からなる電極対が繰り返し配設されたものである。それぞれの電極対における2つの電極の間には交番電界が形成される。すると、電極対における一方の電極の上に位置していたトナーが浮上して他方の電極の上に着地したり、他方の電極の上から浮上して一方の電極の上に着地したりする。そして、このようにしてホッピングを繰り返しながら、筒状のトナー担持体の回転駆動に伴う表面移動によって現像領域まで搬送される。現像領域では、潜像担持体上の潜像の近傍まで浮上したトナーが、トナー担持体の電極に向けて下降することなく、潜像による電界に引かれて潜像に付着する。かかる構成では、現像ローラや磁性キャリアなどに吸着しているトナーではなく、ホッピングによって吸着力を発揮していないトナーを現像に用いる。これにより、現像ローラや磁性キャリアなどに吸着しているトナーを用いて現像を行う従来の1成分現像方式や2成分現像方式などでは実現が望めなかったほどの低電位現像を実現することができる。
【0004】
【特許文献1】特開2007−133388号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の現像装置のようにトナー担持体の表面でトナーをホッピングさせていると、トナー担持体とトナーとが衝突を繰り返すことになり、その衝突によってトナーとトナー担持体とが互いに摩擦される。この摩擦により、トナーとトナー担持体とが帯電し、経時でトナー担持体の表面に電荷が蓄積されていく。このようにトナー担持体の表面に電荷が蓄積されると静電的な力によってトナーのホッピングが阻害されホッピング不良となり、潜像担持体上の潜像を良好に現像することができなくなるといった問題が生じる。
【0006】
また、特許文献1に記載の現像装置のようにホッピングによって電極間を往復移動するトナーをトナー担持体の表面移動によって現像領域に搬送するのではなく、トナー担持体の表面上のトナーをホッピングによって一定方向に移動させて現像領域まで搬送する現像装置も知られている。例えば、A相、B相、C相という3つの電極がその順序で繰り返し配設されたトナー担持体を用いる現像装置では、トナー担持体の表面上でトナーをA相電極上からB相電極上へ、B相電極上からC相電極上へ、C相電極上からA相電極上へというように順次ホッピングさせていくことで、トナーを現像領域に向けて搬送する。このような現像装置でも、上述したような問題が生じる。
【0007】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、トナー担持体の表面に電荷が蓄積するのを抑えてトナーのホッピング状態を良好に保つことができる現像装置及び画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、支持基材の表面に沿うように複数の電極が所定の間隔で配設され、該支持基材及び該電極の表面に絶縁性の表層が積層された筒状のトナー担持体と、該複数の電極に周期的な電圧を印加することによって、該トナー担持体の表面に担持されている所定極性に帯電したトナーをホッピングさせる電界を該トナー担持体の表面上に発生させるホッピング電界発生手段とを有し、該トナー担持体の表面に担持されているトナーを潜像担持体と対向する現像領域へ搬送して該潜像担持体上の潜像にトナーを付着させることによって該潜像を現像する現像装置において、該表層に接触させて設けられた導電性部材を有することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1記載の現像装置において、上記表層が複数の層で構成されており、該複数の層の内の少なくとも一つの層が絶縁性を有することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の現像装置において、上記導電性部材は導電性ブラシであり、上記トナー担持体の表面に該導電性ブラシを接触させて設けたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1または2の現像装置において、上記導電性部材は導電性ブレードであり、上記トナー担持体の表面に該導電性ブレードを接触させて設けたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の現像装置において、上記導電性ブレードが、上記トナー担持体上のトナー量を規制する機能を有していることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1または2の現像装置において、上記導電性部材は導電性ローラであり、上記トナー担持体の表面に該導電性ローラを接触させて設けたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の現像装置において、上記導電性ローラが、上記トナー担持体へトナーを供給する機能を有していることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1または2の現像装置において、上記導電性部材は、上記表層と上記トナー担持体の内部で接触する電極であることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7または8の現像装置において、上記表層が体積抵抗率にして10[Ω・cm]〜1012[Ω・cm]の材料からなることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7または8の現像装置において、上記表層が、トナーとの摩擦によりトナーの正規帯電極性と同極性の電荷をトナーに対して付与し得る電気的特性を有した材料で形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体の潜像にトナーを付着させて現像する現像手段とを有し、該潜像担持体上で現像されたトナー像を最終的に転写材上に転写させて画像形成を行う画像形装置において、該現像手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の現像装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11の画像形成装置において、複数色のトナーを各色ごとに対応付けされて収容する複数の上記現像装置を有しており、、上記潜像担持体に形成された各色のトナー像を複数互いに重ね合わせて得られるフルカラー画像を上記転写材上に形成することを特徴とするものである。
【0009】
本発明においては、トナー担持体の絶縁性を有する表層に導電性部材を接触させて設けているので、上記表層の電荷を導電性部材に移動させることができる。これにより、上記表層に経時で電荷が蓄積するのを抑制することができる。よって、トナー担持体の表層に電荷が蓄積され静電的な力によりトナーのホッピングが阻害されてしまうことがなく、経時でトナーのホッピング状態を良好に保つことができる。
【発明の効果】
【0010】
以上、本発明によれば、トナー担持体の表面に電荷が蓄積するのを抑えてトナーのホッピング状態を良好に保つことができるという優れた効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を画像形成装置に適用した一実施形態を図面を参照して説明する。
図2は本実施形態に係る画像形成装置の要部の概略構成を示したものである。本実施形態の画像形成装置は、図3に示すフレア方式の現像装置13を利用して構成されており、潜像担持体である感光体11上に各色のトナー像を重ねて形成する画像形成装置である。フレア現像方式については後で詳しく説明する。
【0012】
ここで、現像装置13の基本的な構成について図3を用いて説明する。
【0013】
現像装置13に設けられたトナー担持体13aは、少なくとも画像形成時に感光体11に対して所定の間隙をあけて非接触で対向している。
【0014】
また、現像装置13は、トナー担持体13aへトナーを供給するための供給ローラ13bが配置されており、トナー担持体13aと供給ローラ13bは、不図示の回転駆動機構によって図中反時計回りに回転されるようになっている。
【0015】
トナーの搬送方向における現像領域の上流側部分には、トナー薄層を形成するためにトナー層を規制するトナー層厚規制部材13cが設置されている。このトナー層厚規制部材13cやトナー担持体13aなどとトナーとの摩擦によってトナーは帯電される。また、トナー層厚規制部材13cよりもトナー担持体回転方向下流側でトナー担持体13aの表面と現像装置13のケーシングとの間にある隙間には、その隙間からトナーが漏れ出さないようにシール部材13fが設けられている。
【0016】
供給ローラ13bの感光体11とは反対側領域には、図3に示すようにトナー収容部13g内に収容されたトナーを攪拌しながら供給ローラ13bへ汲み上げるためのパドル13e、13dが設置されている。
【0017】
ベルト状の感光体11は、複数のローラに掛け渡され、図示しない駆動部により回転駆動される。感光体11と対向して、複数色、例えばブラック(K)、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)の画像をそれぞれ形成する複数の画像形成手段としての現像装置13が配列されている。感光体11は、まず、帯電装置12Mにより一様に帯電されて図示しない露光手段としての書込装置により、マゼンタの画像データで変調された光ビーム72Mによって露光されることで静電潜像が形成され、この静電潜像が現像装置13Mにより現像されてマゼンタのトナー像となる。その後、感光体11は図示しない除電器により除電されて次の色の画像形成に備える。
【0018】
次いで、感光体11は、次の帯電装置12Cにより一様に帯電されて図示しない露光手段としての書込装置により、シアンの画像データで変調された光ビーム72Cによって露光されることで静電潜像が形成され、この静電潜像が現像装置13Cにより現像されて上記マゼンタのトナー像と重なるシアンのトナー像となる。その後、感光体11は図示しない除電器により除電されて次の画像形成に備える。
【0019】
さらに感光体11は、次の帯電装置12Yにより一様に帯電されて図示しない露光手段としての書込装置により、イエローの画像データで変調された光ビーム72Yによって露光されることで静電潜像が形成され、この静電潜像が現像装置13Yにより現像されて上記マゼンタのトナー像及び上記シアンのトナー像と重なるイエローのトナー像となる。その後、感光体11は図示しない除電器により除電されて次の画像形成に備える。
【0020】
最後に、感光体11は、次の帯電装置12Kにより一様に帯電されて図示しない露光手段としての書込装置により、ブラックの画像データで変調された光ビーム72Kによって露光されることで静電潜像が形成され、この静電潜像が現像装置13Kにより現像されて上記マゼンタのトナー像、上記シアンのトナー像及び上記イエローのトナー像と重なるブラックのトナー像となることでフルカラー画像が形成される。
【0021】
一方、図示しない給紙装置から記録紙等の記録媒体Sが給送され、この記録媒体Sは電源から転写バイアスが印加される転写手段としての転写ローラ2により感光体11上のフルカラー画像が転写される。フルカラー画像が転写された記録媒体Sは、図示しない定着装置によりフルカラー画像が定着され、外部へ排出される。感光体11は、フルカラー画像転写後にクリーニング手段としてのクリーナ4により残留トナー等が除去される。
【0022】
次に、フレア現像について詳しく説明する。フレア(Flare)現像で用いるトナー担持体13aを以後、フレアローラ13aと呼ぶことにする。
【0023】
まず、フレアローラ13aの構成について図4を参照して詳細に説明する。
図4は、フレアローラ13aの感光体11側表面を拡大した断面図である。フレアローラ13aは、支持基板101上に複数の電極102−1a、102−1b、102−2a、102−2b・・・をトナー移動方向に沿って所定の間隔で配置し、その上に絶縁性の表面保護層103を積層したものである。また、この表面保護層103の表面がトナー搬送面として機能する。
【0024】
フレアローラの支持基板101としては、ガラス基板、樹脂基板或いはセラミックス基板等の絶縁性材料からなる基板、あるいはステンレス鋼等の導電性材料からなる基板にSiO等の絶縁膜を成膜したもの、ポリイミドなどの材料からなる基板等を適用できる。
【0025】
電極102は、支持基板101上に、Al、Ni−Cr等の導電性材料を0.1〜10[μm]厚、好ましくは0.5〜2.0[μm]で成膜し、これをフォトリソ技術等で所要の電極形状にパターン化して形成している。
【0026】
次にトナーのホッピングを行うためのフレアローラ13a上の電極幅L及び電極間隔R、駆動波形形状並びに表面保護層103について説明する。フレアローラ13a上の電極幅Lと電極間隔Rとは、トナーのホッピング効率に大きく影響する。なお電極ピッチPは、P=R+Lで表される。
【0027】
隣り合う電極の間にあるトナーは、ほぼ水平方向の電界によって隣接する電極102まで移動する。これに対して、電極102上に乗っているトナーは、少なくとも垂直方向の電界により垂直方向成分の初速が与えられることから、多くは支持基板101から離れて飛翔する。
【0028】
特に、電極端面付近にあるトナーは、隣接電極を飛び越えて移動するため、電極幅Lが広い場合には、その電極102上に乗っているトナーの数が多くなり、移動距離の大きいトナーが増える。ただし、電極幅Lが広すぎると、電極中央付近の電界強度が低下するためにトナーが電極に付着し、ホッピング効率が低下することになる。そこで、本発明者らは鋭意研究した結果、低電圧で効率よくトナーをホッピングさせるための適正な電極幅Lがあることを見出した。
【0029】
また、電極間隔Rは、距離と印加電圧との関係から電極間の電界強度を決定し、電極間隔Rが狭い程、電界強度は当然強く、ホッピングの初速が得られやすい。しかし、ある電極102から他の電極102へ移動するようなトナーについては、一回の移動距離が短くなり、駆動周波数を高くしないとホッピングしている時間が短くなり、着地している時間が長くなる。これについても、本発明者らは鋭意研究した結果、低電圧で効率よくトナーを搬送、ホッピングするための適正な電極間隔Rがあることを見出した。
【0030】
さらに、電極表面を覆う表面保護層103の厚さも電極表面の電界強度に影響を与え、特に垂直方向成分の電気力線への影響が大きく、ホッピングの効率を決定することをも見出した。
【0031】
すなわち、フレアローラ13aの電極幅L、電極間隔R及び表面保護層103の厚さの関係を適正に設定することによって、低電圧で効率的なホッピングを行うことができる。
【0032】
そこで、本実施形態では、図5に示す電極幅Lは、トナー平均粒径の1倍以上20倍以下とし、且つ、電極間隔Rもトナー平均粒径の1倍以上20倍以下としている。
【0033】
図6はフレアローラ13aの外観図ある。フレアローラ13aは、回転ローラ形状に形成したもので、移動方向に所定のピッチで配列されて空間周期的に配置された複数の電極102からなる電極バターンにおける奇数番目の電極の集合体であるA相電極におけるそれぞれの電極に接続された第1共通電極としての電極軸40Aを有している。また、偶数番目の電極の集合体であるB相電極におけるそれぞれの電極に接続された第2共通電極としての電極軸40Bも有している。
【0034】
電極軸40Aは、フレアローラ13aの回転軸線方向の一端側に位置する金属製の回転軸部材が第1共通電極として兼用されたものである。また、電極軸40Bは、フレアローラ13aの回転軸線方向の他端側に位置する金属製の回転軸部材が第2共通電極として兼用されたものである。これら電極軸40A、電極軸40Bは、互いに絶縁状態を維持するように配設されており、それぞれ図示しない軸受けに回転自在に支持されている。
【0035】
それぞれの電極軸40A、40Bには、後述する電極ブラシ等の摺擦接点部材47A、47Bによって後述する交流電源である電源45A、45Bからバイアス電位として交流電圧が印加される。この交流電圧は、図7に示されるように、上述のA相電極を束ねた電極軸40Aに印加される矩形波状のA相パルス電圧と、B相電極を束ねた電極軸40Bに印加される矩形波状のB相パルス電圧とからなる。これらA相パルス電圧、B相パルス電圧は、図示のように互いに逆位相になっており、単位時間あたりにおける平均電位は互いに同じである。
【0036】
また、A相電極とB相電極とには位相をπだけずらして電圧が印加させているため、この位相差によって、A相電極とB相電極との間には常にVppだけの電位差が生じている。そして、この電位差によってA相電極とB相電極との電極間に電界が発生し、この電界に応じてトナーが電極間をホッピングして往復するような運動を行う。この現象を以下、フレア(あるいはフレア現象)と呼ぶ。また、フレア現象を引き起こしている状態をフレア状態という。なお、Vppは、100[V]〜1000[V]としている。Vppが100[V]より小さくなると上記電極間の電界が小さくなってしまい、トナーがホッピングしなくなってしまう。また、Vppが1000[V]より大きくなると、経時で上記電極間でリークが発生する可能性がある。リークが発生すると、それ以降は上記電極間に電界が発生しなくなり、トナーがホッピングしなくなってしまう。また、通常現像時における上記電圧の周波数は0.1[kHz]〜10[kHz]としている。周波数を0.1[kHz]より小さくするとトナーのホッピングが現像速度に追いつかなくなってしまう。周波数を10[kHz]より大きくすると、トナーが電圧の切り替わりに追従できなくなってしまう。さらに、上記電圧の中心値V0は、画像部電位と非画像部電位との間で現像条件によって変動させている。なお、図8に示すようにA相電極とB相電極とに印加する電圧が矩形波状であることで、電圧の切り替わりが瞬時に起きトナーのホッピングには適してるが、サイン波状や三角波状などの電圧を印加してもよい。
【0037】
また、図8に示すように、一方(A相電極)の電極軸に矩形波状のパルス電圧を印加し、他方(B相電極)の電極軸に上記パルス電圧の平均電位となる直流電圧を印加しても、逆位相のパルス電圧を採用する場合と同様に、フレア現象を生起せしめることが可能である。なお、この場合、上記電極間の電位差はVpp/2となることから、Vppの範囲は200[V]〜2000[V]となる。
【0038】
フレアローラ13aは、図9(a)に示すように導電性を有する金属製の電極軸40A、40Bを図9(b)に示すように円筒51の軸穴52に圧入して、電極軸40A、40BをA相電極、B相電極にそれぞれ接続する。なお、図10に示すように、A相電極はフレアローラ13aの図中左側からB相電極はフレアローラ13aの図中右側から出ており、A相電極とB相電極とで櫛歯状の電極構成になっている。また、上述したように電極軸40A、40Bには、電極ブラシ等の摺擦接点部材47A、47Bによって交流電源である電源45A、45Bからバイアス電位として交流電圧が印加される。
【0039】
かかる構成において、フレアローラ13aの複数の電極における同一群の電極に対して共通した電圧を導くための電極軸40A、電極軸40Bについては、トナーの粒径やホッピング性を考慮して幅を決定する必要がないため、図示のようにかなり広幅のものを用いることが可能となる。更には、これら電極軸に摺擦せしめる電極ブラシ等の摺擦接点部材47A、47Bについても、電極軸40A、40Bの幅に合わせて、広幅のものを用いることが可能になる。これらの結果、電極軸40A、40Bと摺擦接点部材47A、47Bとの摩耗による接触不良の発生時期を従来よりも遅らせて、従来よりも現像装置の長寿命化を図ることができる。
【0040】
第1共通電極たる電極軸40Aと、第2共通電極たる電極軸40Bとは、フレアローラ13aにおいて互いに回転軸線方向にずらして配設されている。かかる構成では、電極軸40Aと電極軸40Bとを互いに回転軸線方向にずらしていることで、回転する電極軸40A、電極軸40Bに対して、それぞれ摺擦接点部材47A、47Bを独立させて摺擦せしめることができる。
【0041】
また、本実施形態に係る画像形成装置においては、フレアローラ13aの回転軸線方向における一端側に位置する金属製の電極軸40Aを第1共通電極として兼用するとともに、他端側に位置する金属製の電極軸40Bを第2共通電極として兼用し、それら電極軸を互いに絶縁状態にしている。かかる構成では、フレアローラ13aに新たな共通電極を設けることなく、それぞれの電極群に独立してパルス電圧を印加することができる。
【0042】
表面保護層103は、絶縁性材料としては、例えばSiO、BaTiO、TiO、SiON、BN、TiN、Ta等を適用でき、厚さは0.5〜10[μm]、好ましくは、0.5〜3[μm]で形成している。また、ポリカーボネートなどの有機材料をコートしても良い。ジルコニア、あるいは二成分現像剤のキャリアのコート材料として一般的に使われる材料、例えばシリコーン系樹脂やメラミン系樹脂を使用することもできる。本発明に係る、表面保護層103に関しては、上記絶縁性材料に対して、例えばカーボンや有機溶剤に可溶な導電性ポリマーなどを添加した材料を使用することで形成することができる。
【0043】
このようなフレアローラ13aを有する現像装置13において、図示しない回転駆動装置によって時計方向に回転するフレアローラ13aに供給ローラ13bから供給されたトナーは、トナー層厚規制部材13cにより薄層化された後、フレアローラ13aの表面に形成された電極間の電界によりフレアを形成し現像領域に運ばれ、感光体11上に形成された潜像を現像する。
【0044】
ところで、従来、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に用いられる現像装置には、2成分現像方式や1成分現像方式などがある。2成分現像方式は、高速現像に非常に適しており、現在の中速や高速の画像形成装置の主流方式である。この2成分現像方式では、高画質を狙うためには、潜像担持体上の静電潜像との接触部における現像剤の状態を非常に緻密にする必要がある。そのために、現在はキャリア粒子の小径化が進んでおり、商用レベルでは30[μm]程度のキャリアも使われ始めている。
【0045】
1成分現像方式は、機構が小型軽量になることから、現在の低速の画像形成装置の主流方式である。この1成分現像方式では、現像ローラ等の現像剤担持体の表面に担持したトナーをホッピングさせずに現像に用いる。具体的には、現像ローラ上にトナー薄層を形成するために、ブレードやローラなどのトナー規制部材を現像ローラ上のトナーに当接させ、そのときに現像ローラやトナー規制部材とトナーとの摩擦によってトナーは帯電される。現像ローラ上に薄層に形成された帯電トナー層は、現像部に運ばれて潜像担持体上の静電潜像を現像する。ここでの1成分現像方式には大きく分けて接触型と非接触型があり、前者は現像ローラと潜像担持体とが接触するものであり、後者は現像ローラと潜像担持体とが非接触であるものである。
【0046】
上記2成分現像方式と1成分現像方式との欠点を補い合うべく、特開平3−100575号公報に記載のものなどのように2成分現像方式と1成分現像方式とをハイブリッド化したハイブリッド化方式も幾つか提案されている。
【0047】
高解像度の微小均一ドットを現像する方法としては、例えば特開平3−113474号公報に記載の方式がある。この方式は、上記ハイブリッド化方式に対して、現像部に高周波バイアスを印加したワイヤを設置することにより、現像部でのトナークラウド化を行い、高解像度のドット現像性を実現するものである。
【0048】
また、特開平3−21967号公報には、最も効率良く、且つ安定なトナークラウドを形成するために、回転ローラ上に電界カーテンを形成する方法が提案されている。
【0049】
また、進行波電界による電界カーテンで現像剤を搬送する現像装置が特開2003−15419号公報に記載されている。また、現像ローラの周面上にほぼ1層のキャリアをほぼ均等に吸着する複数の磁極を有する現像装置が特開平9−269661号公報に記載されている。また、特開2003−84560号公報には、非磁性トナーを担持する現像剤担持体表面に、絶縁部を介して周期的な導電性電極パターンを設け、上記電極に所定のバイアス電位を与えることで現像剤担持体表面近傍に電界勾配を発生せしめ、上記現像剤担持体上に上記非磁性トナーを付着搬送させる現像装置が記載されている。
【0050】
従来の2成分現像方式では、高画質化に対する要求が益々高まっており、必要とされる画素のドットサイズ自身が現状のキャリア粒子径と同等もしくはそれよりも小さい必要があるために、孤立ドットの再現性という意味では更にキャリア粒子を小さくする必要がある。しかし、キャリア径を小さくしていくと、キャリア粒子の透磁率が低下するために、現像ローラからのキャリア離脱が生じやすくなり、離脱したキャリア粒子が潜像担持体に付着した場合には、キャリア付着そのものによる画像欠陥が生じるだけでなく、それを起点として潜像担持体に傷をつけてしまうなどいろいろな副作用が生じる。
【0051】
このキャリア離脱を防止するために、材料面からキャリア粒子の透磁率を上げる試みや、現像ローラに内包されるマグネットの磁力を強くする試みが進められているが、低コスト化及び高画質化との兼ね合いの中で開発は困難を極めている。また、小型化の煽りを受けて、現像ローラは益々小径化の一途をたどっていることからも、キャリア離脱を完全に抑止できるような強力な磁場構成を有した現像ローラ設計が困難となっている。
【0052】
そもそも2成分現像方式は、磁気ブラシと呼ばれる2成分現像剤の穂を静電潜像に対して擦り付けるようにしてトナー像を形成するプロセスであるために、どうしても穂の不均一性によって、孤立ドットの現像性にムラが生じやすい。現像ローラと潜像担持体との間に交番電界を形成することで画質の向上は可能であるが、現像剤の穂のムラといった根本的な画像ムラを完全に消滅させることは困難である。
【0053】
また、潜像担持体上の現像されたトナー像を転写する工程や、転写後に潜像担持体上に残存するトナーをクリーニングする工程において、転写効率やクリーニング効率を向上させるためには、潜像担持体とトナーとの非静電的付着力を極力下げる必要がある。潜像担持体とトナーとの非静電的付着力を下げる方法としては、潜像担持体表面の摩擦係数を下げることが効果的であることが知られているが、この場合、2成分現像剤の穂が滑らかに現像部をすり抜けてしまうために現像効率やドット再現性が非常に悪くなってしまう。
【0054】
1成分現像方式では、トナー規制部材により薄層化された現像ローラ上のトナー層は、現像ローラ上に十分に圧接されてしまっているために、現像部での電場に対するトナー応答性が非常に悪い。よって、通常は高画質を得るために、現像ローラと潜像担持体との間に強力な交番電場を形成するのが主流であるが、この交番電場の形成をもってしても静電潜像に対して一定量のトナーを安定して現像することは困難であり、高解像度の微小ドットを均一に現像することは難しい。また、この1成分現像方式は、現像ローラへのトナー薄層形成時にトナーに対して非常に大きなストレスをかけてしまうため、現像装置内を循環するトナーの劣化が非常に早い。トナーの劣化に連れて、現像ローラへのトナー薄層形成の工程でもムラなどが生じやすくなり、1成分現像方式は一般には高速や高耐久の画像形成装置としては向かない。
【0055】
ハイブリッド化方式(特開平3−100575号公報)では、現像装置そのものの大きさや部品点数は増えてしまうものの、幾つかの課題は克服される。しかし、現像部においてはやはり1成分現像方式と同様の問題があり、つまり高解像度の微小均一ドットを現像することには難が残る。
【0056】
特開平3−113474号公報に記載の方式は、高安定且つ高画質な現像が実現できるものと考えられるが、現像装置の構成が複雑になる。
【0057】
また、特開平3−21967号公報に記載の方法は、小型且つ高画質の現像を得るには非常に優れたものと解釈できるが、本発明者らが鋭意研究した結果、理想的な高画質を得るためには、形成する電界カーテンや現像などの条件を限定しなくてはならないことが発見された。すなわち、適正な条件から外れた条件で作像を行ってしまうと、全く効果が得られないばかりか、返って粗悪な画質を提供してしまうことになる。また、この方式はトナー担持体上でホッピングするトナーをトナー担持体の表面移動によって現像領域まで搬送するものであるが、トナー担持体を表面移動させずに、ホッピングよる移動のみによってトナーを現像領域まで搬送する特開2002−341656号公報に記載の方式でも、同様のことが言える。
【0058】
また、潜像担持体に第一のトナー像が形成され、その上に順次に第二のトナー像、第三のトナー像を形成していくような作像プロセスにおいては、先に潜像担持体上に形成されているトナー像を乱さないような現像方式でなくてはいけない。非接触一成分現像方式や、特開平3−113474号公報に記載のトナークラウド現像方式を用いることで、潜像担持体上に順次に各色トナーを形成していくことは可能であるが、いずれの方式も、潜像担持体と現像ローラとの間には交番電界が形成されてしまうために、潜像担持体上に先に形成されたトナー像からトナーの一部が引き剥がされて現像装置に入り込んでしまう。これによって、潜像担持体上の画像が乱されてしまうばかりでなく、現像装置内のトナーが混色するという問題も生じてしまう。これらは高画質画像を得るには致命的であり、この問題を解決する方法としては潜像担持体と現像ローラとの間には交番電場を形成しない方法で、クラウド現像を実現する必要がある。
【0059】
このようなフレア現像を実現できる方法としては、先に挙げた特開平3−21967号公報や特開2002−341656号公報に記載の方式が有効と考えられるが、これらに関しては先にも述べた通り、適当な条件の元で利用しないと全く効果が無い。
【0060】
また、特開2002−341656号公報に記載の方式などの様に、トナー担持体の機械的な駆動を無くし、3相以上の交互電場によってトナーを静電的に搬送し現像する方法も有効であると考えられる。しかしながら、同公報に記載の方法によれば、何かのきっかけで静電搬送できなくなったトナーを起点として、搬送基板上にトナーが堆積してしまい、結果として機能しなくなる問題を抱えてしまう。このような問題を解決すべく、例えば特開2004−286837号公報に記載の方式のように固定搬送基板とその表面を移動するトナー担持体の組合せのような構造も提案されているが、機構が非常に複雑になってしまう。これに対し、本画像形成装置のように、トナーをホッピングによって電極間で往復移動させながら、トナー担持体の表面移動によって現像領域に搬送する方式では、前述のようなトナーの堆積や機構の複雑化を回避することができる。
【0061】
また、本実施形態のような、トナーを電極間の電界によりトナー担持体表面から引き離し、フレアを形成させるタイプの現像装置では、トナーがトナー担持体表面をホッピングして移動するため、トナーとトナー担持体表面とが大部分の時間、非接触である。したがって、トナーがトナー担持体表面に静電的に付着する力は弱い。そのため、現像電界を弱く設定しても(例えば、現像ポテンシャルが100[V]以下でも)現像能力を容易に確保することができる利点がある。また、トナーとトナー担持体表面とが静電的に付着する力が弱いので、トナー担持体表面から容易にトナーを引き剥がすことができ、トナーの劣化が抑えられるため高耐久化にできる利点がある。
【0062】
また、4色のトナー像を重ね合わせてフルカラー画像を形成する本実施形態のような画像形成装置に、フレアを形成させるタイプの現像装置を用いることで、感光体11上に一度形成されたトナー像に対して全く影響を与えることが無く、しかも、感光体11上に形成された先行色のトナー層を後続色の現像装置13内に転移させることも無い。よって、スキャベンジ(掻き取り)や混色などの問題などが一切無く、高画質な画像を作像できる作像プロセスを長期にわたって安定して行うことができる。
【0063】
本実施形態に係る現像装置13を画像形成装置に用いる場合、フレアローラ13aとして、少なくともA4縦幅21[cm]、または横幅30[cm]以上の長尺、大面積にファインパタンの実用が必要になってくる。
【0064】
ここでフレアローラ13aの製法についていくつか挙げる。
まずはじめに、フレキシブルな電極パターンを形成し、それを支持ドラムに巻きつけてフレアローラ13aを形成する場合について説明する。
【0065】
フレキシブルなファインピッチ薄層電極を有する基板の一例としては、ポリイミドのベースフィルム(厚さ20〜100[μm])を支持基板101として、その上に蒸着法によって0.1〜0.3[μm]のCu、Al、Ni−Cr等を成膜する。幅30〜60[cm]であれば、ロール・トゥ・ロールの装置で製造可能であり、量産性が非常に高まる。共通バスラインは同時に幅1〜5[mm]程度の電極を形成する。
【0066】
この蒸着法の具体的手段としては、スパッタ法、イオンプレーティング法、CVD法、イオンビーム法、等の方法が可能である。例えば、スパッタ法で電極を形成する場合において、ポリイミドとの密着性を向上させるため、Cr膜を介在させても良いし、プラズマ処理やプライマー処理によっても密着性を向上させることができる。
【0067】
また、蒸着法以外の工法としては、電着法によっても薄層電極を形成することができる。この場合は、前記ポリイミドの基材上に、まず、無電解メッキによって電極を形成する。塩化Sn、塩化Pd、塩化Niに順次浸漬して下地電極を形成した後、Ni電解液中で電解メッキを行ってNi膜1〜3[μm]をロール・トゥ・ロールで製造することが可能である。
【0068】
そして、これらの薄膜電極にレジスト塗布、パタンニング、エッチングで電極102を形成する。この場合、0.1〜3[μm]厚さの薄層電極であれば、フォトリソ、エッチング処理によって5[μm]〜数10[μm]幅、又は間隔のファインパタン電極を精度良く形成することができる。
【0069】
次いで、表面保護層103を形成する。表面保護層の形成方法としては、SiO 、BaTiO、TiO等を厚さ0.5〜2[μm]でスパッタ等により形成する。或いは、表面保護層103としてPI(ポリイミド)を厚さ2〜5[μm]にロールコータ、その他コーティング装置により塗布し、ベークして仕上げることも可能である。ジルコニア、あるいは二成分現像剤のキャリアのコート材料として一般的に使われる材料、例えばシリコーン系樹脂を選択する場合にもロールコータなどでのコーティングが可能である。
【0070】
表面保護層103の多層化はさらに、その上にスパッタやロールコータ、およびその他コーティング装置にて形成する。
【0071】
このようなフレキシブル基板を構成することによって、円筒形状のドラムに貼り付けたり、或いは、部分的に曲面形状にしたりすることが容易に行える。
【0072】
また、別の例としては、ポリイミドのベースフィルム(厚さ20〜100μm)を支持基板101として、その上に電極材料として、厚さ10〜20μmのCu、ステンレス鋼等を使用することも可能である。この場合は、逆に金属材の上にポリイミドをロールコータにて20〜100[μm]塗布してベークする。その後、金属材をフォトリソ、エッチング処理によって電極102の形状にパターン化する。
【0073】
さらに、フレキシブル基板の強度を上げた更に他の例としては、支持基板101として厚さ20〜30[μm]のステンレス鋼、Al材等を用いて、その表面に絶縁層(電極102と支持基板101との間の絶縁)として5μm程度の希釈したポリイミド材をロールコータによりコーティングする。そして、このポリイミドを例えば150[℃]、30分のプリベーク、350[℃]、60分のポストベークして薄層ポリイミド膜を形成して支持基板101とする。
【0074】
その後、密着性向上のプラズマ処理やプライマー処理を施した後、薄層電極層としてNi−Crを0.1〜0.2[μm]の厚みで蒸着し、フォトリソ、エッチングによって前記数10μmのファインパタンの電極102を形成する。さらに、表面保護層103を形成することで、フレキシブルなフレア部材を得ることができる。
【0075】
フレアローラ13aの別の製法としては、はじめから円筒ドラムに対して電極102をパターニング及び表面保護層103を形成する方法もある。一例として図11に示すような工法が挙げられる。
【0076】
この例では工程1〜5によりパターン電極を形成する。図11はフレアローラ表面を、回転軸に沿った方向に見たときのものである。工程1ではローラ表面を外周旋削によって平滑に仕上げる。工程2では溝のピッチが100[μm]、溝幅が50[μm]となるように溝切削を行う。工程3では無電解ニッケルメッキを施し、工程4では外周を旋削して不要な導体膜を取り除く。この時点で電極102が溝部分に形成される。工程5では支持基板101と電極102との表面に表面保護層103を形成する。
【0077】
さらに別のフレアローラ13aの製法としては、導電インクを用いたスクリーン印刷、インクジェットによるプリント、メッキ加工した電極の非電極部をレーザ加工で除去する等の製法も挙げられる。
【0078】
フレアローラ13aの電極パターンおよび表面保護層の作成方法は上述の方法に限定されるものではなく、電極材料としては銀、銅などを使用しても良い。
【0079】
本実施形態の現像装置13においては、フレアローラ13aのA相の接続端子とB相の接続端子との間で測定した静電容量は1000[pF]〜2000[pF]であった。
【0080】
また、トナーの粒径は平均粒径が3〜12[μm]のトナーを用いることができ、トナーに添加するシリカは1重量部から5重量部までは、トナーが正常な範囲に帯電した。すなわち、フレアローラ13a上でホッピングするのに十分な帯電量を持ち、かつ、フレアローラ13aに貼り付くほどの高い帯電量にもならなかった。
【0081】
次に、絶縁性を有する表層保護層の必要性について比較例を用いて説明する。
【0082】
[比較例]
まず、フレアローラ13aの表面保護層103であるが、絶縁性材料であるSiOを単層にて厚み3[μm]形成したものを用いた。
【0083】
次にトナーを供給する部分について説明すると、本比較例では図12に示す現像装置13を用い、トナーは体積平均粒径が6[μm]のものを用いた。トナー収容部13gに収容されているトナーが撹拌パドル13d,13eにより、供給ローラ13bに運ばれる。供給ローラ13bとしては体積抵抗が10[Ω・cm]のスポンジローラを用いた。供給ローラ13bはフレアローラ13aへ0.5[mm]食い込んでおり、トナーは機械的、もしくは供給バイアスとフレアローラ平均電位との間の電界でフレアローラ13aに供給されると同時に摩擦帯電を促進される。フレアローラ13aに供給されたトナーは、フレアローラ13aの回転とともに運ばれ、トナー層厚規制部材13cで付着量が規制される。トナー層厚規制部材13cとしては、絶縁性のゴムブレードを用いた。
【0084】
付着量を規制されたのちのフレアローラ13a上のトナーは、ホッピングしながら均一に再配置されつつ、フレアローラ13aと感光体11とが対向する現像領域に搬送され、感光体11上の静電潜像を非接触で現像する。
【0085】
現像に使用されなかったトナーは、現像領域を通過して、再び供給ローラ13bの位置まで運ばれて戻ってくる。フレアローラ13a上のトナーはホッピングしているため、非常に付着力が小さく、先ほど述べた0.5[mm]程度の少ない食い込み量でも十分な回収性能が得られる。
【0086】
その他の条件としては、フレアローラ13aの線速を300[mm/s]とし、供給ローラ13bの線速をフレアローラ13aとカウンター方向で200[mm/s]にした。フレアローラ13aに印加するバイアスは周波数fが1[kHz]、Vppが200[V]の矩形波電圧を図7に示すように、A相、B相で位相を180度ずらして印加した。なお、オフセット電圧は−200[V]とした。また、供給ローラ13bにはDCバイアス−450[V]を印加した。このとき供給ローラ13bとフレアローラ13aとの間の電界はトナーを回収する方向であるが、機械的な力で必要なトナー量を供給することができる。しかし、フレアローラ13aを連続回転させると、回転時間とともにフレアローラ13aの表面電位が変化し、90秒間回したところ、−450[V]まで下がってしまい、供給バイアスと同じ電位になってしまった。このとき、画像濃度が濃くなり、地汚れも発生する不具合が生じた。
【0087】
逆に、この供給ローラ13bにDCバイアス+450Vを印加した。これにより、トナーはフレアローラ13aに電界供給される。しかし、フレアローラ13aを連続回転させ続けると、回転時間とともにフレアローラ13aの表面電位が変化し、90秒間回したところ、+450[V]まで上昇してしまい、供給バイアスと同じ電位になってしまった。このとき、画像濃度が薄くなる不具合が生じた。
【0088】
これらの結果をまとめると、フレアローラ回転開始直後は、フレアローラ表面電位が0であるため、狙い通りの画像が得られるが、ローラ電位がプラス側に大きくなると、現像ポテンシャルが小さくなり、画像濃度が薄くなり、逆にローラ電位がマイナス側に大きくなると、現像ポテンシャルが大きくなり、画像濃度が濃く不具合が生じる。この結果からフレアローラ13aの表面電位を安定にすることが必要であることが分かる。
【0089】
このような実験結果の原因を突き止めるため、本発明者らが鋭意研究した結果、フレアローラ表面電位の変動要因には以下の3つがあることを発見した。
【0090】
<1.コンデンサーモデルによる電荷の蓄積>
トナーの介在をなくし、供給ローラ13bとフレアローラ13aとの影響のみを抽出するために、供給ローラ13bとフレアローラ13aのみを空回転させ、フレアローラ13aの表面電位の時間推移を測定した結果を図13に示す。この挙動は図14に示したRC直列回路のコンデンサーに蓄積される電荷が生み出すコンデンサーの表面電位に他ならない。すなわち、供給ローラ13bとフレアローラ13aとの表面電位の電位差がなくなるまでフレアローラ13aの表面保護層103に電荷が蓄積し、電位が飽和する。
【0091】
供給バイアス、フレアバイアスの電源をオフにして放置すれば電荷は徐々に失われるが、ここで用いた表面保護層103は電極102間の絶縁性を出すために抵抗が高いため、いったん蓄えた電荷をなかなか自然にはリークしない。
【0092】
<2.フレアローラと供給ローラの摩擦帯電>
供給ローラ13bとフレアローラ13aとの表面電位の影響のうち、さらに、供給ローラ13bに印加するバイアス、フレアローラ13aに印加するバイアスの影響を取り除き、両者の摩擦帯電特性のみを調べるために、供給バイアス、2相(A相及びB相)のフレアローラ印加バイアス、をすべてグランド接続して、同様にフレアローラ表面電位の時間推移を測定した結果を図15に示す。この挙動から、フレアローラ13aと供給ローラ13bとの摩擦帯電のみでフレアローラ13aが−40[V]程度帯電することが分かった。この値、収束速度は、供給ローラ13bとフレアローラ13aの表面保護層103との材料の帯電列の関係や、供給ローラ13bの食い込み量なども影響する。
【0093】
<3.トナーのマイナス電荷を打ち消す電荷が誘起される>
供給ローラ13bから供給されたトナーがフレアローラ13a上でホッピングしていると、トナーとフレアローラ13aの表面保護層103とが衝突することで互いに摩擦し合い、逆チャージのプラス電荷がフレアローラ13aの表面保護層103に誘起される。そのため、図16に示すように、トナーを除去(吸引)した後のフレアローラ表面電位を測定すると、プラス側の表面電位を持つ。トナーの帯電量が高いほど、この値は顕著となる。
【0094】
[実施例1]
そこで、本実施例では、表面保護層103として、まず絶縁層としてシリコーン系樹脂を5[μm]コートした上に、カーボンを微分散させて、1010[Ω・cm]の抵抗層としたシリコーン樹脂を3[μm]、最表層としてコートした。
【0095】
このフレアローラ13aにて、図1に示す現像装置13を用いてフレアローラ最表層に導電性ブラシ13hが接触する状態とした。なお、導電性ブラシ13hは接地されている。その他の条件としては、トナーは体積平均粒径が6[μm]で、小粒径シリカを2重量部添加したものを用い、フレアローラ13aの線速を300[mm/s]とし、供給ローラ13bの線速をフレアローラ13aとカウンター方向で200[mm/s]にした。フレアローラ13aに印加するバイアスは周波数fが1[kHz]、ピーク・ツー・ピーク電圧Vppが200[V]の矩形波電圧を図7に示すように、A相、B相で位相を180度ずらして印加した。オフセット電圧は−200Vとした。
【0096】
このような条件で実験を行った結果、図17に示すようにフレアローラ13aの表面電位を常に一定にすることができた。つまり、導電性ブラシ13hを介してフレアローラ13aの最表層の電荷が逃げることで、フレアローラ13aの表面に電荷が蓄積されず、常にフレアローラ13aの表面電位を一定の状態にすることができることがわかる。なお、この表面電位は、測定時にフレアローラ印加バイアスをオフにした測定値である。このように、フレアローラ13aの表面電位が常に一定となる条件で現像を行ったところ、トナーを良好にホッピングさせながら現像領域へ運ぶことができ、画像濃度が安定して、地汚れすることもなく良好な画像形成を行うことができた。
【0097】
[実施例2]
本実施例では、図3に示す現像装置13を用い、トナー層厚規制部材13cとして導電性ブレード(SUSブレード)を用いた。その他条件は、実施例1と同じである。この構成においても、トナー層厚規制部材13cを介してフレアローラ13aの最表層の電荷が逃げることで、常にフレアローラ13aの表面電位を一定の状態にすることができ、実施例1と同様の効果を得ることができた。また、トナー層厚規制部材13cに代えて、フレアローラ13aの最表層の電荷を逃がす導電性部材として、供給ローラ13bを導電性ローラとすることでも同様の効果が得られた。
【0098】
[実施例3]
本実施例では、図18に示すように、電極層であるA層とB層とを同一層(表面保護層)には形成せず、片方の電極層(図18ではA層)と表面保護層103とを接触させることで、電極層(図18ではA層)を介して電荷を逃がすことが可能であることも確認された。電極層であるA層とB層とを同一層(表面保護層)としないことで、表面保護層103が電極102間の電界を阻害することなく、且つ、表面保護層103の表面に導電性部材を当接させずとも、表面保護層103の電荷を逃がす構成をとることが可能である。
【0099】
以上、本実施形態によれば、支持基板101の表面に沿うように複数の電極102が所定の間隔で配設され、支持基板101及び電極102の表面に絶縁性の表層である表面保護層103が積層された筒状のトナー担持体であるフレアローラ13aと、複数の電極102に周期的な電圧を印加することによって、フレアローラ13aの表面に担持されている所定極性に帯電したトナーをホッピングさせる電界をフレアローラ13aの表面上に発生させるホッピング電界発生手段である電源45A,45Bとを有し、フレアローラ13aの表面に担持されているトナーを潜像担持体である感光体11と対向する現像領域へ搬送して感光体11上の潜像にトナーを付着させることによって上記潜像を現像する現像装置13において、表面保護層103に接触させて設けられた導電性部材を有する。これにより、導電性部材を介してフレアローラ13aの表面保護層103の電荷を逃がすことができる。よって、フレアローラ13aが帯電するのを抑えられ、トナーのホッピング状態を良好に保つことができ、感光体11上の潜像を良好に現像することができる。
また、本実施形態によれば、表面保護層103が複数の層で構成されており、上記複数の層の内の少なくとも一つの層が絶縁性を有するような表面保護層103であっても、本発明を適用することにより、上述したように、フレアローラ13aが帯電するのを抑えられ、トナーのホッピング状態を良好に保つことができ、感光体11上の潜像を良好に現像することができる。
また、本実施形態によれば、上記導電性部材は導電性ブラシ13hであり、フレアローラ13aの表面に導電性ブラシ13hを接触させて設けることで、簡易な構成でフレアローラ13aの表面保護層103の電荷を逃がすことができる。
また、本実施形態によれば、上記導電性部材は導電性ブレードであり、フレアローラ13aの表面に上記導電性ブレードを接触させて設けることで、簡易な構成でフレアローラ13aの表面保護層103の電荷を逃がすことができる。
また、本実施形態によれば、上記導電性ブレードが、フレアローラ13a上のトナー量を規制する機能を有しているトナー層厚規制部材13cであることで、フレアローラ13aの表面保護層103の電荷を逃がすため専用の上記導電性ブレードを別途設ける必要が無く、現像装置13の小型化や低コスト化を図ることができる。
また、本実施形態によれば、上記導電性部材は導電性ローラであり、フレアローラ13aの表面に上記導電性ローラを接触させて設けることで、簡易な構成でフレアローラ13aの表面保護層103の電荷を逃がすことができる。
また、本実施形態によれば、上記導電性ローラが、フレアローラ13aへトナーを供給する機能を有している供給ローラ13bであることで、フレアローラ13aの表面保護層103の電荷を逃がすため専用の上記導電性ローラを別途設ける必要が無く、現像装置13の小型化や低コスト化を図ることができる。
また、本実施形態によれば、上記導電性部材は、表面保護層103とフレアローラ13aの内部で接触する電極102であることで、フレアローラ13aの表面保護層103の電荷を逃がすため専用の導電性部材を別途設ける必要が無く、また、フレアローラ13aの外周に導電性部材を設けないので、現像装置13の小型化や低コスト化を図ることができる。
また、本実施形態によれば、表面保護層103が体積抵抗率にして10[Ω・cm]〜1012[Ω・cm]の材料からなることが望ましい。
また、本実施形態によれば、表面保護層103が、トナーとの摩擦によりトナーの正規帯電極性と同極性の電荷をトナーに対して付与し得る電気的特性を有した材料で形成されていることで、ホッピングに伴うトナーの帯電量(正規帯電極性)の低下を抑えることができ、トナーのホッピング不良による現像不良の発生を抑えることができる。
また、本実施形態によれば、潜像を担持する潜像担持体である感光体11と、感光体11上の潜像にトナーを付着させて現像する現像手段とを有し、感光体11上で現像されたトナー像を最終的に転写材上に転写させて画像形成を行う画像形装置において、上記現像手段として、本発明の現像装置13を用いることによって、経時で良好な画像形成を行うことができる。
また、本実施形態によれば、複数色のトナーを各色ごとに対応付けされて収容する複数の現像装置13を有し、感光体11に形成された各色のトナー像を複数互いに重ね合わせて得られるフルカラー画像を上記転写材上に形成する画像形成装置に対して、本発明の現像装置13を用いることで、感光体11上に一度形成されたトナー像に対して全く影響を与えることが無く、しかも、感光体11上に形成された先行色のトナー層を後続色の現像装置13内に転移させることも無い。よって、スキャベンジ(掻き取り)や混色などの問題などが一切無く、高画質な画像を作像できる作像プロセスを長期にわたって安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】実施例1に係る現像装置の概略構成図。
【図2】本実施形態に係る画像形成装置の要部の概略構成図。
【図3】現像装置の基本的な構成を示す概略構成図。
【図4】フレアローラに設けた電極の電極幅Lと電極間隔Rとを示した模式図。
【図5】トナー担持体の像担持体側表面を拡大した断面図。
【図6】トナー担持体の外観図。
【図7】トナー担持体の電極に印加されるパルス電圧の特性を示す波形図。
【図8】トナー担持体の一方の電極に矩形波状のパルス電圧を印加し、他方の電極に直流電圧を印加した際の波形図。
【図9】(a)電極軸の斜視図。(b)トナー担持体の回転軸と電極軸とを兼用したトナー担持体の模式図。
【図10】トナー担持体を平面状に展開した状態を示す展開図。
【図11】(a)フレアローラ製造工程1。(b)フレアローラ製造工程2。(c)フレアローラ製造工程3。(d)フレアローラ製造工程4。(e)フレアローラ製造工程5。
【図12】比較例に係る現像装置の概略構成図。
【図13】フレアローラの表面電位の時間推移を測定した結果を示すグラフ。
【図14】RC直列回路のコンデンサーの回路図。
【図15】フレアローラの表面電位の時間推移を測定した結果を示すグラフ。
【図16】フレアローラの表面電位の時間推移を測定した結果を示すグラフ。
【図17】フレアローラの表面電位の時間推移を測定した結果を示すグラフ。
【図18】実施例3に係る現像装置に用いられるフレアローラの断面図。
【符号の説明】
【0101】
2 転写ローラ
4 クリーナ
11 感光体
12 帯電装置
13 現像装置
13a フレアローラ(トナー担持体)
13b 供給ローラ
13c トナー層厚規制部材
13d 攪拌パドル
13e 撹拌パドル
13f シール部材
13g トナー収容部
13h 導電性ブラシ
40 電極軸
45 電源
47 摺擦接点部材
51 円筒
52 軸穴
72 光ビーム
101 支持基材
101 支持基板
102 電極
103 表面保護層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持基材の表面に沿うように複数の電極が所定の間隔で配設され、該支持基材及び該電極の表面に絶縁性の表層が積層された筒状のトナー担持体と、
該複数の電極に周期的な電圧を印加することによって、該トナー担持体の表面に担持されている所定極性に帯電したトナーをホッピングさせる電界を該トナー担持体の表面上に発生させるホッピング電界発生手段とを有し、
該トナー担持体の表面に担持されているトナーを潜像担持体と対向する現像領域へ搬送して該潜像担持体上の潜像にトナーを付着させることによって該潜像を現像する現像装置において、
該表層に接触させて設けられた導電性部材を有することを特徴とする現像装置。
【請求項2】
請求項1記載の現像装置において、
上記表層が複数の層で構成されており、該複数の層の内の少なくとも一つの層が絶縁性を有することを特徴とする現像装置。
【請求項3】
請求項1または2の現像装置において、
上記導電性部材は導電性ブラシであり、上記トナー担持体の表面に該導電性ブラシを接触させて設けたことを特徴とする現像装置。
【請求項4】
請求項1または2の現像装置において、
上記導電性部材は導電性ブレードであり、上記トナー担持体の表面に該導電性ブレードを接触させて設けたことを特徴とする現像装置。
【請求項5】
請求項4の現像装置において、
上記導電性ブレードが、上記トナー担持体上のトナー量を規制する機能を有していることを特徴とする現像装置。
【請求項6】
請求項1または2の現像装置において、
上記導電性部材は導電性ローラであり、上記トナー担持体の表面に該導電性ローラを接触させて設けたことを特徴とする現像装置。
【請求項7】
請求項6の現像装置において、
上記導電性ローラが、上記トナー担持体へトナーを供給する機能を有していることを特徴とする現像装置。
【請求項8】
請求項1または2の現像装置において、
上記導電性部材は、上記表層と上記トナー担持体の内部で接触する電極であることを特徴とする現像装置。
【請求項9】
請求項1、2、3、4、5、6、7または8の現像装置において、
上記表層が体積抵抗率にして10[Ω・cm]〜1012[Ω・cm]の材料からなることを特徴とする現像装置。
【請求項10】
請求項1、2、3、4、5、6、7または8の現像装置において、
上記表層が、トナーとの摩擦によりトナーの正規帯電極性と同極性の電荷をトナーに対して付与し得る電気的特性を有した材料で形成されていることを特徴とする現像装置。
【請求項11】
潜像を担持する潜像担持体と、
該潜像担持体の潜像にトナーを付着させて現像する現像手段とを有し、
該潜像担持体上で現像されたトナー像を最終的に転写材上に転写させて画像形成を行う画像形装置において、
該現像手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の現像装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項11の画像形成装置において、
複数色のトナーを各色ごとに対応付けされて収容する複数の上記現像装置を有しており、、
上記潜像担持体に形成された各色のトナー像を複数互いに重ね合わせて得られるフルカラー画像を上記転写材上に形成することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−61057(P2010−61057A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−229299(P2008−229299)
【出願日】平成20年9月8日(2008.9.8)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】