球体中心算出方法
【課題】球体表面の中心を迅速かつ正確に算出できる球体中心算出方法を提供すること。
【解決手段】球体中心算出方法は、測定装置10、第1駆動機構11、および第2駆動機構12を用いて、測定装置10から球体20の中心までの距離を算出する。まず、測定装置10により、レーザ光を射出しながら第1駆動機構11を駆動して、レーザ光で球体20の表面を走査するとともに、反射光の強度とY軸回りの回転角との関係を監視し、Y軸回りの回転角のうち反射光の強度が最大となるものを第1回転角として記憶する。次に、測定装置10により、レーザ光を射出しながら第2駆動機構12を駆動して、レーザ光で球体20の表面を走査するとともに、反射光の強度とX軸回りの回転角との関係を監視し、X軸回りの回転角のうち反射光の強度が最大となるものを第2回転角として記憶する。そして、第1回転角および第2回転角に基づいて、球体20の中心を算出する。
【解決手段】球体中心算出方法は、測定装置10、第1駆動機構11、および第2駆動機構12を用いて、測定装置10から球体20の中心までの距離を算出する。まず、測定装置10により、レーザ光を射出しながら第1駆動機構11を駆動して、レーザ光で球体20の表面を走査するとともに、反射光の強度とY軸回りの回転角との関係を監視し、Y軸回りの回転角のうち反射光の強度が最大となるものを第1回転角として記憶する。次に、測定装置10により、レーザ光を射出しながら第2駆動機構12を駆動して、レーザ光で球体20の表面を走査するとともに、反射光の強度とX軸回りの回転角との関係を監視し、X軸回りの回転角のうち反射光の強度が最大となるものを第2回転角として記憶する。そして、第1回転角および第2回転角に基づいて、球体20の中心を算出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球体中心算出方法に関する。詳しくは、レーザ測定装置を用いて、表面が鏡面である球体の中心を算出する球体中心算出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、レーザ測定装置を用いてワークの形状を測定することが行われている。具体的には、例えば、床面上にワーク台を設け、このワーク台上にワークを載置する。そして、レーザ測定装置を、天井面などのワーク全体を俯瞰できる位置に設ける。
このレーザ測定装置によれば、レーザ光でワーク表面を走査し、測定装置からワーク表面までの距離を計測することで、ワークの形状を測定する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、このようにワークの形状を高精度で測定するためには、ワーク台に対する測定装置の位置を厳密に測定しておく必要があるが、建物の振動により、天井に設置されたレーザ測定装置の位置がずれてしまう場合があった。
【0004】
この問題を解決するため、床面上に表面が鏡面の球体を設置しておき、レーザ測定装置からこの球体の中心位置までの距離を定期的に測定することで、レーザ測定装置の位置を把握することが行われている。ここで、球体の中心を求める方法としては、例えば、以下の2つが知られている。
【0005】
第1の方法は、レーザ測定装置により、球体表面に向かってレーザ光を射出する。このレーザ光で照射された球体表面上の点を照射点とすると、レーザ光の反射光を解析することで、レーザ測定装置から照射点までの距離を測定できる。さらに、この測定した距離とレーザ光の射出角度とから、照射点のレーザ測定装置に対する座標を計算する。このような作業を複数回繰り返して、複数の照射点についての座標を算出し、これらの座標に基づいて、球体表面の中心を算出する。
【0006】
第2の方法は、レーザ測定装置により、球体表面に向かってレーザ光を射出し、このレーザ光の反射光を解析する。レーザ光が球体表面の中心で反射した場合には反射光の強度が最大となるから、反射光の強度が最大となる地点を検出するまで、レーザ光の射出角度を変化させて、球体表面を走査する。
【特許文献1】特開平5−215528号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、第1の方法では、照射点が球体表面の中心に位置する場合には、反射光の強度が高く、レーザ測定装置から球体表面までの距離を正確に測定できるが、照射点が球体表面の中心から離れるに従って、反射光の強度が低下し、レーザ測定装置から照射点までの距離を正確に測定することが困難となる。その結果、照射点の座標の測定精度が低くなり、球体表面の中心位置を正確に算出できないおそれがあった。
【0008】
第2の方法では、反射光の強度が最大となるまでレーザ光で球体表面を走査するため、球体の中心位置の検出に時間がかかっていた。その結果、中心位置を検出する間に、天井面の振動によりレーザ測定装置の位置がずれてしまう場合があった。
【0009】
本発明は、球体表面の中心を迅速かつ正確に算出できる球体中心算出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の球体中心算出方法は、レーザ光を射出する光射出手段およびレーザ光の強度を検出する光検出手段を有する測定手段と、第1走査軸を回転軸として前記測定手段を回転させる第1回転手段と、前記第1走査軸と直交する第2走査軸を回転軸として前記測定手段を回転させる第2回転手段と、を用いて、前記測定手段から球体の中心までの距離を算出する球体中心算出方法であって、前記測定手段により、レーザ光を射出しながら前記第1回転手段を駆動して、レーザ光で前記球体の表面を走査するとともに、前記射出したレーザ光の反射光の強度を検出して、当該反射光の強度と前記第1走査軸回りの回転角との関係を監視する手順と、前記第1走査軸回りの回転角のうち前記反射光の強度が最大となるものを第1回転角として記憶する手順と、前記測定手段により、レーザ光を射出しながら前記第2回転手段を駆動して、レーザ光で前記球体の表面を走査するとともに、前記射出したレーザ光の反射光の強度を検出して、当該反射光の強度と前記第2走査軸回りの回転角との関係を監視する手順と、前記第2走査軸回りの回転角のうち前記反射光の強度が最大となるものを第2回転角として記憶する手順と、前記第1回転角および前記第2回転角に基づいて、前記球体の中心を算出する手順と、を備えることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、射出したレーザ光の反射光の強度を検出して、この反射光の強度と第1走査軸回りの回転角との関係を監視し、第1走査軸回りの回転角のうち反射光の強度が最大となるものを第1回転角として記憶する。
レーザ光が照射された球体表面上の点を照射点とすると、第1走査軸回りの回転角が変化することで、球体表面上には、照射点の集合として走査線が引かれることになる。反射光の強度は球体表面の中心に接近するに従って大きくなるから、第1回転角における照射点は、この走査線上の点の中で、球体表面の中心に最も接近した点となる。
【0012】
同様に、射出したレーザ光の反射光の強度を検出して、この反射光の強度と第2走査軸回りの回転角との関係を監視し、第2走査軸回りの回転角のうち反射光の強度が最大となるものを第2回転角として記憶する。
すると、第2回転角における照射点は、第2走査軸回りの回転角が変化することにより引かれる走査線上の点の中で、球体表面の中心に最も接近した点となる。
【0013】
そして、第1回転角および第2回転角に基づいて、球体の中心を算出する。つまり、球体表面の中心に近い2つの点の位置関係から、球体の中心を算出する。
【0014】
従来の第1の方法では、球体表面に複数の照射点についてレーザ測定装置に対する座標を計算するが、照射点が球体表面の中心から離れた位置にあった場合、反射光の強度が低下し、レーザ測定装置から照射点までの距離を正確に測定できなかった。これに対し、本発明によれば、反射光の強度が最も高い2点、つまり、球体表面の中心に近い2点を用いて、球体表面の中心を求めるので、従来に比べて、球体表面の中心を正確に算出できる。
【0015】
従来の第2の方法では、反射光の強度が最大となる地点を検出するまで球体表面を走査するため、球体の中心位置の検出に時間がかかっていた。これに対し、本発明では、第1走査軸回りの回転角を変化させる動作と、第2走査軸回りの回転角を変化させる動作と、の2つの動作のみでも球体表面の中心を算出できるから、従来に比べて、球体表面の中心を迅速に算出できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、射出したレーザ光の反射光の強度を検出して、この反射光の強度と第1走査軸回りの回転角との関係を監視し、第1走査軸回りの回転角のうち反射光の強度が最大となるものを第1回転角として記憶する。レーザ光が照射された球体表面上の点を照射点とすると、第1走査軸回りの回転角が変化することで、球体表面上には、照射点の集合として走査線が引かれることになる。反射光の強度は球体表面の中心に接近するに従って大きくなるから、第1回転角における照射点は、この走査線上の点の中で、球体表面の中心に最も接近した点となる。同様に、射出したレーザ光の反射光の強度を検出して、この反射光の強度と第2走査軸回りの回転角との関係を監視し、第2走査軸回りの回転角のうち反射光の強度が最大となるものを第2回転角として記憶する。すると、第2回転角における照射点は、第2走査軸回りの回転角が変化することにより引かれる走査線上の点の中で、球体表面の中心に最も接近した点となる。そして、第1回転角および第2回転角に基づいて、球体の中心を算出する。つまり、球体表面の中心に近い2つの点の位置関係から、球体の中心を算出する。これにより、従来の手法に比べて、球体表面の中心を迅速かつ正確に算出できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る球体中心算出方法が適用されたワーク測定システム1の側面図である。図2は、ワーク測定システム1のブロック図である。
ワーク測定システム1は、測定手段としての測定装置10と、第1走査軸としてのY軸を回転軸として測定装置10を回転させる第1回転手段としての第1駆動機構11と、Y軸と直交する第2走査軸としてのX軸を回転軸として測定装置10を回転させる第2回転手段としての第2駆動機構12と、これらを制御する制御装置13と、を備える。
【0018】
床面2には、ワーク台3が設けられ、このワーク台3にワーク4が載置されている。また、床面2には、表面が鏡面の球体20が設置されている。
【0019】
測定装置10は、工場の天井面5にワーク4全体を俯瞰できる位置に設けられている。この測定装置10は、レーザ光を射出する光射出手段としての射出部101と、レーザ光の強度を検出する光検出手段としての検出部102と、を備える。
【0020】
このワーク測定システム1によれば、測定装置10からレーザ光を射出し、レーザ光でワーク4の表面を走査して、測定装置10からワーク4の表面までの距離を計測することで、ワーク4の形状を測定する。
また、このワーク測定システム1は、測定装置10から離れた球体20の中心を算出し、測定装置10から球体20の中心までの距離を定期的に測定することで、ワーク4の測定誤差を低減する。
【0021】
ワーク測定システム1の球体20の中心を算出する動作について、図3のフローチャートを参照しながら説明する。
ST1では、X軸回りの回転角を固定し、この状態で、測定装置10によりレーザ光を射出しながら第1駆動機構11を駆動してY軸回りに測定装置10を回転させ、レーザ光で球体20の表面をX軸方向に走査する。同時に、測定装置10により球体20の表面で反射するレーザ光を検出して、反射光の強度とY軸回りの回転角との関係を監視する。
【0022】
この動作を、図4に示すように、測定装置10のX軸回りの回転角を少しずつ変化させて、4つの異なるX軸回りの回転角について行う。これにより、図5に示すように、球体20の表面上には、X軸方向に延びる4本の走査線X1〜X4が引かれて、これらの走査線X1〜X4について、それぞれ、反射光の強度とY軸回りの回転角との関係が監視されることになる。
【0023】
ST2では、これらの走査線X1〜X4上の点のうち反射光強度が最大となるものを抽出し、反射光強度最大点Aとして記憶する。具体的には、反射光強度の最大値が測定された走査線、ここでは走査線X2と、反射光強度の最大値が測定された回転角、ここでは第1回転角θと、を記憶することになる。
【0024】
反射光強度最大点Aは走査線X2上の点の中で最も球体20の表面の中心に接近しているので、反射光強度最大点Aを通り、走査線X2に直交する方向、つまりY軸方向に延びる直線AYを引くと、この直線AY上に球体表面の中心が存在する。
【0025】
ST3では、Y軸回りの回転角を固定し、この状態で、測定装置10によりレーザ光を射出しながら第2駆動機構12を駆動してX軸回りに測定装置10を回転させ、レーザ光で球体20の表面をY軸方向に走査する。同時に、測定装置10により球体20の表面で反射するレーザ光を検出して、反射光の強度とX軸まわりの回転角との関係を監視する。
【0026】
この動作を、図6に示すように、測定装置10のY軸回りの回転角を少しずつ変化させて、4つの異なるY軸回りの回転角について行う。これにより、図7に示すように、球体20の表面上には、Y軸方向に延びる4本の走査線Y1〜Y4が引かれて、これらの走査線Y1〜Y4について、それぞれ、反射光の強度とX軸回りの回転角との関係が監視されることになる。
【0027】
ST4では、これらの走査線Y1〜Y4上の点のうち反射光強度が最大となるものを抽出し、反射光強度最大点Bとして記憶する。具体的には、反射光強度の最大値が測定された走査線、ここでは走査線Y3と、反射光強度の最大値が測定された回転角、ここでは第2回転角φと、を記憶する。
【0028】
反射光強度最大点Aは走査線Y3上の点の中で最も球体20の表面の中心に接近しているので、反射光強度最大点Bを通り、走査線Y3に直交する方向、つまりX軸方向に延びる直線BXを引くと、この直線BX上に球体20の表面の中心が存在する。
【0029】
ST5では、反射光強度最大点A、Bに基づいて、球体20の中心までの距離を算出する。つまり、図8に示すように、直線AYと直線BXとの交点である点Cを求めると、この点Cが球体20の表面の中心となる。
具体的には、第1回転角θおよび第2回転角φに基づいて、球体20の表面の中心までの距離を算出する。すなわち、測定装置10により、Y軸回りに第1回転角θ、X軸回りに第2回転角φの角度でレーザ光を射出する。すると、図9に示すように、このレーザ光の光路上には、球体20の表面の中心である点Cと、球体20の中心である点Oと、が存在することになる。したがって、このレーザ光の反射光を検出することで、図10に示すように、測定装置10から球体20の表面の中心までの距離Lを測定できるので、測定装置10から球体20の中心までの距離Mは、この距離Lと球体の半径rとの和となる。
【0030】
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)測定装置10から射出したレーザ光の反射光の強度を検出して、この反射光の強度とY軸回りの回転角との関係を監視し、Y軸回りの回転角のうち反射光の強度が最大となるものを第1回転角θとして記憶する。第1回転角θにおける照射点Aは、走査線X1〜X4上の点の中で、球体20の表面の中心に最も接近した点となる。
【0031】
同様に、測定装置10から射出したレーザ光の反射光の強度を検出して、この反射光の強度とX軸回りの回転角との関係を監視し、X軸回りの回転角のうち反射光の強度が最大となるものを第2回転角φとして記憶する。すると、第2回転角φにおける照射点Bは、走査線Y1〜Y4上の点の中で、球体20の表面の中心に最も接近した点となる。
【0032】
そして、第1回転角θおよび第2回転角φに基づいて、球体20の中心を算出する。つまり、球体20の表面の中心に近い2つの点A、Bの位置関係から、球体20の中心を算出する。
【0033】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、本実施形態では、ST5では、測定装置10から球体20の表面の中心である点Cまでの距離Lを、直接、測定したが、これに限らず、測定装置10から反射光強度最大点A、Bまでの距離に基づいて、測定装置10から点Cまでの距離Lを、間接的に求めてもよい。
すなわち、図11に示すように、測定装置10から反射光強度最大点Aまでの距離L1を測定し、さらに、測定装置10から反射光強度最大点Bまでの距離L2を測定する。測定装置10から反射光強度最大点A、Bに至る直線と、測定装置10から点Cに至る直線と、の成す角度δ1、δ2は、十分に小さいと考えられるから、測定装置10から点Cまでの距離Lを、L1およびL2の平均とする。
【0034】
また、例えば、本実施形態では、X軸方向およびY軸方向について、それぞれ4本の走査線X1〜X4および走査線Y1〜Y4を設けたが、これに限らず、各方向について走査線の本数は任意に決められてよく、X軸方向およびY軸方向について、走査線を1本ずつとしてもよい。この場合、反射光強度の最大値が測定された走査線を記憶する必要がなく、反射光強度の最大値が測定された回転角のみを記憶すればよい。
また、球体表面の中心位置を高精度で算出する場合には、走査線の本数を多くして、走査線同士の間隔を狭くすればよい。
【0035】
また、本実施形態では、直線AYを、反射光強度最大点Aを通りY軸方向に延びる直線としたが、これに限らず、図12に示すように、走査線X1〜X4について、それぞれ、反射光強度が最大となる反射光強度最大点A1〜A4を求めて、これら反射光強度最大点A1〜A4を結んで、直線AYを引いてもよい。同様に、直線BXを、反射光強度最大点Bを通りX軸方向に延びる直線としたが、これに限らず、図13に示すように、走査線Y1〜Y4について、それぞれ、反射光強度が最大となる反射光強度最大点B1〜B4を求めて、これら反射光強度最大点B1〜B4を結んで、直線BXを引いてもよい。このようにしても、直線AYや直線BXを求めることができる。
【0036】
また、本実施形態では、第1駆動機構11および第2駆動機構12を用いて、測定装置10を物理的にX軸およびY軸回りに回転させたが、これに限らず、画像処理により、コンピュータ上の仮想空間にX軸およびY軸を設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態に係る球体中心算出方法が適用されたワーク測定システムの側面図である。
【図2】前記実施形態に係るワーク測定システムのブロック図である。
【図3】前記実施形態に係るワーク測定システムの球体中心を算出する動作のフローチャートである。
【図4】前記実施形態に係る測定装置の第1走査軸回りの回転動作を説明するための図である。
【図5】前記実施形態に係る測定装置の第1走査軸回りの回転動作により引かれた走査線を示す平面図である。
【図6】前記実施形態に係る測定装置の第2走査軸回りの回転動作を説明するための図である。
【図7】前記実施形態に係る測定装置の第2走査軸回りの回転動作により引かれた走査線を示す平面図である。
【図8】前記実施形態に係る走査線上の反射光強度最大点から求めた球体表面の中心を示す平面図である。
【図9】前記実施形態に係る走査線上の反射光強度最大点から求めた球体表面の中心を示す側面図である。
【図10】前記実施形態に係る測定装置から球体中心までの距離を算出する手順を説明するための図である。
【図11】本発明の変形例に係る測定装置から球体中心までの距離を算出する手順を説明するための図である。
【図12】本発明の別の変形例に係る測定装置の第1走査軸回りの回転動作により引かれた走査線から球体表面の中心に向かう直線を算出する手順を説明するための平面図である。
【図13】前記変形例に係る測定装置の第2走査軸回りの回転動作により引かれた走査線から球体表面の中心に向かう直線を算出する手順を説明するための平面図である。
【符号の説明】
【0038】
10 測定装置(測定手段)
11 第1駆動機構(第1回転手段)
12 第2駆動機構(第2回転手段)
20 球体
101 射出部(光射出手段)
102 検出部(光検出手段)
Y軸 第1走査軸
X軸 第2走査軸
θ 第1回転角
φ 第2回転角
【技術分野】
【0001】
本発明は、球体中心算出方法に関する。詳しくは、レーザ測定装置を用いて、表面が鏡面である球体の中心を算出する球体中心算出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、レーザ測定装置を用いてワークの形状を測定することが行われている。具体的には、例えば、床面上にワーク台を設け、このワーク台上にワークを載置する。そして、レーザ測定装置を、天井面などのワーク全体を俯瞰できる位置に設ける。
このレーザ測定装置によれば、レーザ光でワーク表面を走査し、測定装置からワーク表面までの距離を計測することで、ワークの形状を測定する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、このようにワークの形状を高精度で測定するためには、ワーク台に対する測定装置の位置を厳密に測定しておく必要があるが、建物の振動により、天井に設置されたレーザ測定装置の位置がずれてしまう場合があった。
【0004】
この問題を解決するため、床面上に表面が鏡面の球体を設置しておき、レーザ測定装置からこの球体の中心位置までの距離を定期的に測定することで、レーザ測定装置の位置を把握することが行われている。ここで、球体の中心を求める方法としては、例えば、以下の2つが知られている。
【0005】
第1の方法は、レーザ測定装置により、球体表面に向かってレーザ光を射出する。このレーザ光で照射された球体表面上の点を照射点とすると、レーザ光の反射光を解析することで、レーザ測定装置から照射点までの距離を測定できる。さらに、この測定した距離とレーザ光の射出角度とから、照射点のレーザ測定装置に対する座標を計算する。このような作業を複数回繰り返して、複数の照射点についての座標を算出し、これらの座標に基づいて、球体表面の中心を算出する。
【0006】
第2の方法は、レーザ測定装置により、球体表面に向かってレーザ光を射出し、このレーザ光の反射光を解析する。レーザ光が球体表面の中心で反射した場合には反射光の強度が最大となるから、反射光の強度が最大となる地点を検出するまで、レーザ光の射出角度を変化させて、球体表面を走査する。
【特許文献1】特開平5−215528号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、第1の方法では、照射点が球体表面の中心に位置する場合には、反射光の強度が高く、レーザ測定装置から球体表面までの距離を正確に測定できるが、照射点が球体表面の中心から離れるに従って、反射光の強度が低下し、レーザ測定装置から照射点までの距離を正確に測定することが困難となる。その結果、照射点の座標の測定精度が低くなり、球体表面の中心位置を正確に算出できないおそれがあった。
【0008】
第2の方法では、反射光の強度が最大となるまでレーザ光で球体表面を走査するため、球体の中心位置の検出に時間がかかっていた。その結果、中心位置を検出する間に、天井面の振動によりレーザ測定装置の位置がずれてしまう場合があった。
【0009】
本発明は、球体表面の中心を迅速かつ正確に算出できる球体中心算出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の球体中心算出方法は、レーザ光を射出する光射出手段およびレーザ光の強度を検出する光検出手段を有する測定手段と、第1走査軸を回転軸として前記測定手段を回転させる第1回転手段と、前記第1走査軸と直交する第2走査軸を回転軸として前記測定手段を回転させる第2回転手段と、を用いて、前記測定手段から球体の中心までの距離を算出する球体中心算出方法であって、前記測定手段により、レーザ光を射出しながら前記第1回転手段を駆動して、レーザ光で前記球体の表面を走査するとともに、前記射出したレーザ光の反射光の強度を検出して、当該反射光の強度と前記第1走査軸回りの回転角との関係を監視する手順と、前記第1走査軸回りの回転角のうち前記反射光の強度が最大となるものを第1回転角として記憶する手順と、前記測定手段により、レーザ光を射出しながら前記第2回転手段を駆動して、レーザ光で前記球体の表面を走査するとともに、前記射出したレーザ光の反射光の強度を検出して、当該反射光の強度と前記第2走査軸回りの回転角との関係を監視する手順と、前記第2走査軸回りの回転角のうち前記反射光の強度が最大となるものを第2回転角として記憶する手順と、前記第1回転角および前記第2回転角に基づいて、前記球体の中心を算出する手順と、を備えることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、射出したレーザ光の反射光の強度を検出して、この反射光の強度と第1走査軸回りの回転角との関係を監視し、第1走査軸回りの回転角のうち反射光の強度が最大となるものを第1回転角として記憶する。
レーザ光が照射された球体表面上の点を照射点とすると、第1走査軸回りの回転角が変化することで、球体表面上には、照射点の集合として走査線が引かれることになる。反射光の強度は球体表面の中心に接近するに従って大きくなるから、第1回転角における照射点は、この走査線上の点の中で、球体表面の中心に最も接近した点となる。
【0012】
同様に、射出したレーザ光の反射光の強度を検出して、この反射光の強度と第2走査軸回りの回転角との関係を監視し、第2走査軸回りの回転角のうち反射光の強度が最大となるものを第2回転角として記憶する。
すると、第2回転角における照射点は、第2走査軸回りの回転角が変化することにより引かれる走査線上の点の中で、球体表面の中心に最も接近した点となる。
【0013】
そして、第1回転角および第2回転角に基づいて、球体の中心を算出する。つまり、球体表面の中心に近い2つの点の位置関係から、球体の中心を算出する。
【0014】
従来の第1の方法では、球体表面に複数の照射点についてレーザ測定装置に対する座標を計算するが、照射点が球体表面の中心から離れた位置にあった場合、反射光の強度が低下し、レーザ測定装置から照射点までの距離を正確に測定できなかった。これに対し、本発明によれば、反射光の強度が最も高い2点、つまり、球体表面の中心に近い2点を用いて、球体表面の中心を求めるので、従来に比べて、球体表面の中心を正確に算出できる。
【0015】
従来の第2の方法では、反射光の強度が最大となる地点を検出するまで球体表面を走査するため、球体の中心位置の検出に時間がかかっていた。これに対し、本発明では、第1走査軸回りの回転角を変化させる動作と、第2走査軸回りの回転角を変化させる動作と、の2つの動作のみでも球体表面の中心を算出できるから、従来に比べて、球体表面の中心を迅速に算出できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、射出したレーザ光の反射光の強度を検出して、この反射光の強度と第1走査軸回りの回転角との関係を監視し、第1走査軸回りの回転角のうち反射光の強度が最大となるものを第1回転角として記憶する。レーザ光が照射された球体表面上の点を照射点とすると、第1走査軸回りの回転角が変化することで、球体表面上には、照射点の集合として走査線が引かれることになる。反射光の強度は球体表面の中心に接近するに従って大きくなるから、第1回転角における照射点は、この走査線上の点の中で、球体表面の中心に最も接近した点となる。同様に、射出したレーザ光の反射光の強度を検出して、この反射光の強度と第2走査軸回りの回転角との関係を監視し、第2走査軸回りの回転角のうち反射光の強度が最大となるものを第2回転角として記憶する。すると、第2回転角における照射点は、第2走査軸回りの回転角が変化することにより引かれる走査線上の点の中で、球体表面の中心に最も接近した点となる。そして、第1回転角および第2回転角に基づいて、球体の中心を算出する。つまり、球体表面の中心に近い2つの点の位置関係から、球体の中心を算出する。これにより、従来の手法に比べて、球体表面の中心を迅速かつ正確に算出できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る球体中心算出方法が適用されたワーク測定システム1の側面図である。図2は、ワーク測定システム1のブロック図である。
ワーク測定システム1は、測定手段としての測定装置10と、第1走査軸としてのY軸を回転軸として測定装置10を回転させる第1回転手段としての第1駆動機構11と、Y軸と直交する第2走査軸としてのX軸を回転軸として測定装置10を回転させる第2回転手段としての第2駆動機構12と、これらを制御する制御装置13と、を備える。
【0018】
床面2には、ワーク台3が設けられ、このワーク台3にワーク4が載置されている。また、床面2には、表面が鏡面の球体20が設置されている。
【0019】
測定装置10は、工場の天井面5にワーク4全体を俯瞰できる位置に設けられている。この測定装置10は、レーザ光を射出する光射出手段としての射出部101と、レーザ光の強度を検出する光検出手段としての検出部102と、を備える。
【0020】
このワーク測定システム1によれば、測定装置10からレーザ光を射出し、レーザ光でワーク4の表面を走査して、測定装置10からワーク4の表面までの距離を計測することで、ワーク4の形状を測定する。
また、このワーク測定システム1は、測定装置10から離れた球体20の中心を算出し、測定装置10から球体20の中心までの距離を定期的に測定することで、ワーク4の測定誤差を低減する。
【0021】
ワーク測定システム1の球体20の中心を算出する動作について、図3のフローチャートを参照しながら説明する。
ST1では、X軸回りの回転角を固定し、この状態で、測定装置10によりレーザ光を射出しながら第1駆動機構11を駆動してY軸回りに測定装置10を回転させ、レーザ光で球体20の表面をX軸方向に走査する。同時に、測定装置10により球体20の表面で反射するレーザ光を検出して、反射光の強度とY軸回りの回転角との関係を監視する。
【0022】
この動作を、図4に示すように、測定装置10のX軸回りの回転角を少しずつ変化させて、4つの異なるX軸回りの回転角について行う。これにより、図5に示すように、球体20の表面上には、X軸方向に延びる4本の走査線X1〜X4が引かれて、これらの走査線X1〜X4について、それぞれ、反射光の強度とY軸回りの回転角との関係が監視されることになる。
【0023】
ST2では、これらの走査線X1〜X4上の点のうち反射光強度が最大となるものを抽出し、反射光強度最大点Aとして記憶する。具体的には、反射光強度の最大値が測定された走査線、ここでは走査線X2と、反射光強度の最大値が測定された回転角、ここでは第1回転角θと、を記憶することになる。
【0024】
反射光強度最大点Aは走査線X2上の点の中で最も球体20の表面の中心に接近しているので、反射光強度最大点Aを通り、走査線X2に直交する方向、つまりY軸方向に延びる直線AYを引くと、この直線AY上に球体表面の中心が存在する。
【0025】
ST3では、Y軸回りの回転角を固定し、この状態で、測定装置10によりレーザ光を射出しながら第2駆動機構12を駆動してX軸回りに測定装置10を回転させ、レーザ光で球体20の表面をY軸方向に走査する。同時に、測定装置10により球体20の表面で反射するレーザ光を検出して、反射光の強度とX軸まわりの回転角との関係を監視する。
【0026】
この動作を、図6に示すように、測定装置10のY軸回りの回転角を少しずつ変化させて、4つの異なるY軸回りの回転角について行う。これにより、図7に示すように、球体20の表面上には、Y軸方向に延びる4本の走査線Y1〜Y4が引かれて、これらの走査線Y1〜Y4について、それぞれ、反射光の強度とX軸回りの回転角との関係が監視されることになる。
【0027】
ST4では、これらの走査線Y1〜Y4上の点のうち反射光強度が最大となるものを抽出し、反射光強度最大点Bとして記憶する。具体的には、反射光強度の最大値が測定された走査線、ここでは走査線Y3と、反射光強度の最大値が測定された回転角、ここでは第2回転角φと、を記憶する。
【0028】
反射光強度最大点Aは走査線Y3上の点の中で最も球体20の表面の中心に接近しているので、反射光強度最大点Bを通り、走査線Y3に直交する方向、つまりX軸方向に延びる直線BXを引くと、この直線BX上に球体20の表面の中心が存在する。
【0029】
ST5では、反射光強度最大点A、Bに基づいて、球体20の中心までの距離を算出する。つまり、図8に示すように、直線AYと直線BXとの交点である点Cを求めると、この点Cが球体20の表面の中心となる。
具体的には、第1回転角θおよび第2回転角φに基づいて、球体20の表面の中心までの距離を算出する。すなわち、測定装置10により、Y軸回りに第1回転角θ、X軸回りに第2回転角φの角度でレーザ光を射出する。すると、図9に示すように、このレーザ光の光路上には、球体20の表面の中心である点Cと、球体20の中心である点Oと、が存在することになる。したがって、このレーザ光の反射光を検出することで、図10に示すように、測定装置10から球体20の表面の中心までの距離Lを測定できるので、測定装置10から球体20の中心までの距離Mは、この距離Lと球体の半径rとの和となる。
【0030】
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)測定装置10から射出したレーザ光の反射光の強度を検出して、この反射光の強度とY軸回りの回転角との関係を監視し、Y軸回りの回転角のうち反射光の強度が最大となるものを第1回転角θとして記憶する。第1回転角θにおける照射点Aは、走査線X1〜X4上の点の中で、球体20の表面の中心に最も接近した点となる。
【0031】
同様に、測定装置10から射出したレーザ光の反射光の強度を検出して、この反射光の強度とX軸回りの回転角との関係を監視し、X軸回りの回転角のうち反射光の強度が最大となるものを第2回転角φとして記憶する。すると、第2回転角φにおける照射点Bは、走査線Y1〜Y4上の点の中で、球体20の表面の中心に最も接近した点となる。
【0032】
そして、第1回転角θおよび第2回転角φに基づいて、球体20の中心を算出する。つまり、球体20の表面の中心に近い2つの点A、Bの位置関係から、球体20の中心を算出する。
【0033】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、本実施形態では、ST5では、測定装置10から球体20の表面の中心である点Cまでの距離Lを、直接、測定したが、これに限らず、測定装置10から反射光強度最大点A、Bまでの距離に基づいて、測定装置10から点Cまでの距離Lを、間接的に求めてもよい。
すなわち、図11に示すように、測定装置10から反射光強度最大点Aまでの距離L1を測定し、さらに、測定装置10から反射光強度最大点Bまでの距離L2を測定する。測定装置10から反射光強度最大点A、Bに至る直線と、測定装置10から点Cに至る直線と、の成す角度δ1、δ2は、十分に小さいと考えられるから、測定装置10から点Cまでの距離Lを、L1およびL2の平均とする。
【0034】
また、例えば、本実施形態では、X軸方向およびY軸方向について、それぞれ4本の走査線X1〜X4および走査線Y1〜Y4を設けたが、これに限らず、各方向について走査線の本数は任意に決められてよく、X軸方向およびY軸方向について、走査線を1本ずつとしてもよい。この場合、反射光強度の最大値が測定された走査線を記憶する必要がなく、反射光強度の最大値が測定された回転角のみを記憶すればよい。
また、球体表面の中心位置を高精度で算出する場合には、走査線の本数を多くして、走査線同士の間隔を狭くすればよい。
【0035】
また、本実施形態では、直線AYを、反射光強度最大点Aを通りY軸方向に延びる直線としたが、これに限らず、図12に示すように、走査線X1〜X4について、それぞれ、反射光強度が最大となる反射光強度最大点A1〜A4を求めて、これら反射光強度最大点A1〜A4を結んで、直線AYを引いてもよい。同様に、直線BXを、反射光強度最大点Bを通りX軸方向に延びる直線としたが、これに限らず、図13に示すように、走査線Y1〜Y4について、それぞれ、反射光強度が最大となる反射光強度最大点B1〜B4を求めて、これら反射光強度最大点B1〜B4を結んで、直線BXを引いてもよい。このようにしても、直線AYや直線BXを求めることができる。
【0036】
また、本実施形態では、第1駆動機構11および第2駆動機構12を用いて、測定装置10を物理的にX軸およびY軸回りに回転させたが、これに限らず、画像処理により、コンピュータ上の仮想空間にX軸およびY軸を設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態に係る球体中心算出方法が適用されたワーク測定システムの側面図である。
【図2】前記実施形態に係るワーク測定システムのブロック図である。
【図3】前記実施形態に係るワーク測定システムの球体中心を算出する動作のフローチャートである。
【図4】前記実施形態に係る測定装置の第1走査軸回りの回転動作を説明するための図である。
【図5】前記実施形態に係る測定装置の第1走査軸回りの回転動作により引かれた走査線を示す平面図である。
【図6】前記実施形態に係る測定装置の第2走査軸回りの回転動作を説明するための図である。
【図7】前記実施形態に係る測定装置の第2走査軸回りの回転動作により引かれた走査線を示す平面図である。
【図8】前記実施形態に係る走査線上の反射光強度最大点から求めた球体表面の中心を示す平面図である。
【図9】前記実施形態に係る走査線上の反射光強度最大点から求めた球体表面の中心を示す側面図である。
【図10】前記実施形態に係る測定装置から球体中心までの距離を算出する手順を説明するための図である。
【図11】本発明の変形例に係る測定装置から球体中心までの距離を算出する手順を説明するための図である。
【図12】本発明の別の変形例に係る測定装置の第1走査軸回りの回転動作により引かれた走査線から球体表面の中心に向かう直線を算出する手順を説明するための平面図である。
【図13】前記変形例に係る測定装置の第2走査軸回りの回転動作により引かれた走査線から球体表面の中心に向かう直線を算出する手順を説明するための平面図である。
【符号の説明】
【0038】
10 測定装置(測定手段)
11 第1駆動機構(第1回転手段)
12 第2駆動機構(第2回転手段)
20 球体
101 射出部(光射出手段)
102 検出部(光検出手段)
Y軸 第1走査軸
X軸 第2走査軸
θ 第1回転角
φ 第2回転角
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を射出する光射出手段およびレーザ光の強度を検出する光検出手段を有する測定手段と、第1走査軸を回転軸として前記測定手段を回転させる第1回転手段と、前記第1走査軸と直交する第2走査軸を回転軸として前記測定手段を回転させる第2回転手段と、を用いて、前記測定手段から球体の中心までの距離を算出する球体中心算出方法であって、
前記測定手段により、レーザ光を射出しながら前記第1回転手段を駆動して、レーザ光で前記球体の表面を走査するとともに、前記射出したレーザ光の反射光の強度を検出して、当該反射光の強度と前記第1走査軸回りの回転角との関係を監視する手順と、
前記第1走査軸回りの回転角のうち前記反射光の強度が最大となるものを第1回転角として記憶する手順と、
前記測定手段により、レーザ光を射出しながら前記第2回転手段を駆動して、レーザ光で前記球体の表面を走査するとともに、前記射出したレーザ光の反射光の強度を検出して、当該反射光の強度と前記第2走査軸回りの回転角との関係を監視する手順と、
前記第2走査軸回りの回転角のうち前記反射光の強度が最大となるものを第2回転角として記憶する手順と、
前記第1回転角および前記第2回転角に基づいて、前記球体の中心を算出する手順と、を備えることを特徴とする球体中心算出方法。
【請求項1】
レーザ光を射出する光射出手段およびレーザ光の強度を検出する光検出手段を有する測定手段と、第1走査軸を回転軸として前記測定手段を回転させる第1回転手段と、前記第1走査軸と直交する第2走査軸を回転軸として前記測定手段を回転させる第2回転手段と、を用いて、前記測定手段から球体の中心までの距離を算出する球体中心算出方法であって、
前記測定手段により、レーザ光を射出しながら前記第1回転手段を駆動して、レーザ光で前記球体の表面を走査するとともに、前記射出したレーザ光の反射光の強度を検出して、当該反射光の強度と前記第1走査軸回りの回転角との関係を監視する手順と、
前記第1走査軸回りの回転角のうち前記反射光の強度が最大となるものを第1回転角として記憶する手順と、
前記測定手段により、レーザ光を射出しながら前記第2回転手段を駆動して、レーザ光で前記球体の表面を走査するとともに、前記射出したレーザ光の反射光の強度を検出して、当該反射光の強度と前記第2走査軸回りの回転角との関係を監視する手順と、
前記第2走査軸回りの回転角のうち前記反射光の強度が最大となるものを第2回転角として記憶する手順と、
前記第1回転角および前記第2回転角に基づいて、前記球体の中心を算出する手順と、を備えることを特徴とする球体中心算出方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−249484(P2008−249484A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−91175(P2007−91175)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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