説明

環式化合物、フォトレジスト組成物、およびフォトレジスト組成物を用いるパターン形成方法

【課題】フォトレジストパターンの線幅粗さ、耐エッチング性の改良手段を提供する。
【解決手段】アダマンタン骨格、シクロヘキサン骨格を含む残基からなる群より選択されるいずれか1つの残基と下記化学式(5)で表される残基とを含む環式化合物。


R=t−Buまたはt−BuOC

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環式化合物、前記環式化合物を含むフォトレジスト組成物、およびフォトレジスト組成物を用いるパターン形成方法に関し、より詳細には、環状の残基を含むフォトレジスト用の環式化合物、前記環式化合物を含むフォトレジスト組成物、および前記フォトレジスト組成物を用いるパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フォトリソグラフィ工程は、半導体素子の形成において欠くことのできない工程である。フォトリソグラフィ工程は、フォトレジストパターンを形成するために、フォトレジスト組成物の層をパターン化することによる、エッチングマスクを形成する段階を含む。
【0003】
半導体素子の製造において、エッチングマスクとして用いられるフォトレジストパターンを形成するための過程であるフォトリソグラフィ工程では、化学増幅型フォトレジスト組成物を使用している。前記化学増幅型フォトレジスト組成物は、酸に敏感に反応する構造を有するフォトレジスト用高分子、光酸発生剤、および溶媒を混合して調製され、光の作用によって現像液に対する溶解性が変わる性質を示す。したがって、前記化学増幅型フォトレジスト組成物で基板をコートしフォトレジスト膜を形成する段階、前記フォトレジスト膜を部分的に露光する段階、およびフォトレジスト膜の露光された部分を、現像液を用いて現像する段階を順次に実施することによって、所望の形状を有するフォトレジストパターンを得ることができる。
【0004】
従来のフォトレジスト組成物は、高い分子量を有する高分子を含む(例えば特許文献1参照)。しかし、従来の相対的に大きなサイズを有するフォトレジスト用高分子は、フォトレジストパターンの線幅をより減少させることが困難である。また、前記のようなフォトレジスト用の高分子は、それぞれの分子が多様な分子量、すなわち、多様なサイズを有しており、このような分子は互いに絡んでいる構造を有する。このような高分子を含むフォトレジストを現像する場合、前記高分子が現像液によって膨潤し、一定の速度で現像液に溶解しなくなる。このことが、解像度、および形成されるフォトレジストパターンの線幅粗さに悪い影響を及ぼす。
【0005】
例えば、従来のフォトレジスト組成物を使用して得られる線幅粗さは、ラインパターンの両側で約20nmである。240nm幅で製造された半導体素子の場合、形成されるフォトレジストパターンの線幅粗さは、線幅の約16%である。しかしながら、最近、90nmピッチの半導体素子が開発されるにつれて、形成されるフォトレジストパターンの線幅粗さが約22%となってきている。70nmピッチの半導体素子の場合、線幅粗さは約29%になる。したがって、フォトレジストパターンの線幅粗さは、半導体素子の線幅を減少させることに対して大きな障害となっている。
【特許文献1】大韓民国特許第271420号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前述のような技術的課題を解決させるためのものであって、その目的は、フォトレジストパターンの線幅粗さおよび耐エッチング性が改良される手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するために、本発明は、下記化学式(1)〜(4)で表される残基からなる群より選択されるいずれか1つの残基と、下記化学式(5)で表される残基とを含む環式化合物を提供する。
【0008】
【化1】

【0009】
【化2】

【0010】
【化3】

【0011】
【化4】

【0012】
【化5】

【0013】
前記化学式(5)中、Rは、tert−ブチル基または1−tert−ブトキシエチル基である。
【0014】
また、本発明は、前記化学式(1)〜(4)で表される残基からなる群より選択されるいずれか1つの残基と前記化学式(5)で表される残基とを含む環式化合物、光酸発生剤、および有機溶媒を含むフォトレジスト組成物を提供する。
【0015】
さらに、本発明は、エッチング対象物上に前記化学式(1)〜(4)で表される残基からなる群より選択されるいずれか1つの残基と前記化学式(5)で表される残基とを含む環式化合物、光酸発生剤、および有機溶媒を含むフォトレジスト組成物をコートすることによってフォトレジスト膜を形成する段階と、露光工程を行って前記フォトレジスト膜を露光する段階と、現像液を用いて前記フォトレジスト膜を現像しフォトレジストパターンを形成する段階と、を含むことを特徴とする、パターン形成方法を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、フォトレジストパターンの線幅粗さおよび耐エッチング性を改良させうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の環式化合物、前記環式化合物を含むフォトレジスト組成物、および前記フォトレジスト組成物を用いるパターン形成方法を、例示的な実施形態を示しながら詳細に説明する。
【0018】
(環式化合物)
本発明の環式化合物は、保護基、カルボニル基などの接着部分、および環状の残基を含む非線形分子である。
【0019】
本発明の環式化合物は、次のような特性を有する。第一に、ほぼ単一の分子量および明確な分子構造を有し、分子量分布がほとんどない。第二に、本発明の環式化合物を含むフォトレジスト組成物の、それぞれの構成要素はほとんど単一の分子であるので、本発明の環式化合物を含むフォトレジスト組成物から形成されるフォトレジストパターンは分子レベルの解像度を有することができる。第三に、本発明の環式化合物は、フォトレジスト膜の露光部と未露光部との溶解度の差を大きくすることができるため、前記フォトレジスト膜がほとんど均一に現像されるようになる。これは、本発明の環式化合物が小さい分子サイズ、短い回転半径、および込み入った三次元構造を有しているため、分子鎖が絡むような分子間の相互作用がほとんどないからである。第四に、本発明の環式化合物は、分子鎖が絡むような現象がほとんどないため、形成されるフォトレジストパターンの線幅粗さが実質的に減少されうる。第五に、本発明の環式化合物は、フォトレジスト組成物に用いられる従来の樹脂よりも、相対的に高いガラス転移温度を有するため、本発明の環式化合物を含むフォトレジスト組成物から形成されるフォトレジストパターンは、優れた耐エッチング性を有しうる。
【0020】
このような特性を有する本発明の環式化合物は、下記化学式(1)〜(4)で表される残基からなる群より選択されるいずれか1つの残基と下記化学式(5)で表される残基とを含む。
【0021】
【化6】

【0022】
【化7】

【0023】
【化8】

【0024】
【化9】

【0025】
【化10】

【0026】
前記化学式(5)中、Rは、tert−ブチル基または1−tert−ブトキシエチル基である。
【0027】
具体的には、前記環式化合物が前記化学式(1)で表される残基を含む場合、下記化学式(6)で表される化合物であることが好ましい。
【0028】
【化11】

【0029】
前記化学式(6)で表される環式化合物において、Rは、環式化合物の保護基に該当する。前記Rの例としては、tert−ブチル基または1−tert−ブトキシエチル基が挙げられる。
【0030】
前記化学式(6)で表される環式化合物は、下記化学式(10)で表される1,3,5,7−アダマンタンテトラカルボン酸と、下記化学式(11)で表される胆汁酸の一種であるコール酸の誘導体であるコール酸tert−ブチルまたはコール酸1−tert−ブトキシエチルとを反応させることにより合成されることが好ましい。
【0031】
【化12】

【0032】
【化13】

【0033】
前記化学式(11)中、Rは、tert−ブチル基または1−tert−ブトキシエチル基である。
【0034】
前記のコール酸の誘導体がコール酸tert−ブチルである場合、前記化学式(6)で表される環式化合物は、1,3,5,7−アダマンタンテトラカルボン酸テトラキス(コール酸tert−ブチル)エステルとなり、前記のコール酸の誘導体が1−tert−ブトキシエチルである場合、前記化学式(6)で表される環式化合物は、1,3,5,7−アダマンタンテトラカルボン酸テトラキス(コール酸1−tert−ブトキシエチル)エステルとなる。
【0035】
前記環式化合物が前記化学式(2)で表される残基を含む場合、下記化学式(7)で表される環式化合物であることが好ましい。
【0036】
【化14】

【0037】
前記化学式(7)で表される環式化合物において、Rは環式化合物の保護基に該当する。Rの例としては、tert−ブチル基または1−tert−ブトキシエチル基が挙げられる。前記化学式(7)中、nは0または1である。
【0038】
前記化学式(7)中のnが0である場合、前記化学式(7)で表される環式化合物は、下記化学式(12)で表される1,4−アダマンタンジカルボン酸と、胆汁酸の一種であるコール酸の誘導体であるコール酸tert−ブチルまたはコール酸1−tert−ブトキシエチルとを反応させることにより合成されることが好ましい。
【0039】
【化15】

【0040】
前記のコール酸の誘導体がコール酸tert−ブチルである場合、前記化学式(7)で表される化合物は、1,3−アダマンタンジカルボン酸ビス(コール酸tert−ブチル)エステルとなり、前記のコール酸の誘導体がコール酸1−tert−ブトキシエチルである場合、前記化学式(7)で表される環式化合物は、1,3−アダマンタンジカルボン酸ビス(コール酸1−tert−ブトキシエチル)エステルとなる。
【0041】
前記化学式(7)中のnが1である場合、前記化学式(7)で表される環式化合物は、下記化学式(13)で表される1,3−アダマンタン二酢酸と、胆汁酸の一種であるコール酸の誘導体であるコール酸tert−ブチルまたはコール酸1−tert−ブトキシエチルとを反応させることにより合成されることが好ましい。
【0042】
【化16】

【0043】
前記のコール酸の誘導体がコール酸tert−ブチルである場合、前記化学式(7)で表される環式化合物は、1,3−アダマンタン二酢酸ビス(コール酸tert−ブチル)エステルとなり、前記のコール酸の誘導体がコール酸1−tert−ブトキシエチルである場合、前記化学式(7)で表される環式化合物は、1,3−アダマンタン二酢酸ビス(コール酸1−tert−ブトキシエチル)エステルとなる。
【0044】
前記環式化合物が前記化学式(3)で表される残基を含む場合、下記化学式(8)で表される環式化合物であることが好ましい。
【0045】
【化17】

【0046】
前記化学式(8)で表される環式化合物において、Rは環式化合物の保護基に該当する。Rの例としては、tert−ブチル基または1−tert−ブトキシエチル基が挙げられる。
【0047】
前記化学式(8)で表される環式化合物は、下記化学式(14)で表される1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸と、胆汁酸の1種であるコール酸の誘導体であるコール酸tert−ブチルまたはコール酸1−tert−ブトキシエチルとを反応させることにより合成されることが好ましい。
【0048】
【化18】

【0049】
前記のコール酸の誘導体がコール酸tert−ブチルである場合、前記化学式(8)で表される環式化合物は、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸トリス(コール酸tert−ブチル)エステルとなり、前記のコール酸の誘導体がコール酸1−tert−ブトキシエチルである場合、前記化学式(8)で表される環式化合物は、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸トリス(コール酸1−tert−ブトキシエチル)エステルとなる。
【0050】
前記環式化合物が前記化学式(4)で表される残基を含む場合、下記化学式(9)で表される環式化合物であることが好ましい。
【0051】
【化19】

【0052】
前記化学式(9)で表される前記環式化合物において、Rは環式化合物の保護基に該当する。Rの例としては、tert−ブチル基または1−tert−ブトキシエチル基が挙げられる。
【0053】
前記化学式(9)で表される環式化合物は、下記化学式(15)で表される1,4−シクロヘキサンジカルボン酸と、胆汁酸の1種であるコール酸の誘導体であるコール酸tert−ブチルまたはコール酸1−tert−ブトキシエチルとを反応させることにより合成されることが好ましい。
【0054】
【化20】

【0055】
前記化学式(6)〜(9)で表される環式化合物に含まれる保護基は、エネルギー(例えば光)が照射されると、発生する酸と反応することによって化合物から容易に脱離する。保護基が脱離することによって、化合物中に含まれるヒドロキシ基(OH)は親水性部分となる。
【0056】
前述のような化学構造を有する環式化合物は、柔軟な鎖構造を有するので、環式化合物は低分子量の化合物が有しやすい結晶性よりもむしろ非晶質性を示す。したがって、本発明の環式化合物を含むフォトレジスト膜は、スピンコーティングによって形成されうる。また、本発明の環式化合物は、比較的高いガラス転移温度を有する。したがって、本発明の環式化合物がフォトレジスト組成物に含まれると、微細な幅を有し、かつ、改良された耐エッチング性を有するフォトレジストパターンが形成されうる。
【0057】
(フォトレジスト組成物)
本発明によるフォトレジスト組成物は、前記化学式(1)〜(4)で表される残基からなる群より選択されるいずれか1つの残基と前記化学式(5)で表される残基とを含む環式化合物、光酸発生剤、および有機溶媒を含む。
【0058】
本発明のフォトレジスト組成物中の環式化合物は、前記フォトレジスト組成物の総質量に対して7〜14質量%含まれることが好ましい。例えば、193nmの波長の光を利用して70nm以下の線幅を有するフォトレジストパターンを形成するフォトレジスト組成物の場合、前記環式化合物は、前記フォトレジスト組成物の総質量に対して9〜12質量%含まれることが好ましい。
【0059】
前記フォトレジスト組成物に含まれる前記環式化合物が7質量%未満であると、フォトレジストパターンの耐エッチング性が不十分となる場合があり、フォトレジストパターンがエッチングマスクとしての効果を発揮しなくなる場合がある。一方、前記環式化合物が14質量%を超えると、対象物上に実質的に均一な厚みを有するフォトレジスト膜を形成することが困難となる場合がある。
【0060】
前記環式化合物は、前記化学式(6)〜(9)で表される低分子量の化合物であり得る。これら環式化合物は、親水性部分であるヒドロキシ基(OH)と、保護基であるtert−ブチル基または1−tert−ブトキシエチル基とを含む。前記化学式(6)〜(9)で表される本発明の環式化合物は柔軟な鎖構造を有するので、低分子量の化合物の一般的な特性である結晶性をほとんど有さない。すなわち、本発明の環式化合物は非晶質性を有するので、スピンコーティングが可能なフォトレジスト組成物に適用されうる。また、本発明の環式化合物は環構造を有するため、フォトレジストパターンの耐エッチング性を改良させうる。
【0061】
本発明の一実施形態によるフォトレジスト組成物において、前記化学式(6)〜(9)で表される本発明の環式化合物から保護基を脱離させるために、一定量の酸および熱が必要とされる。前記酸は、フォトレジスト組成物に含まれる光酸発生剤によって発生されうる。前記光酸発生剤は光が照射されると、酸を発生する。
【0062】
本発明のフォトレジスト組成物中の前記光酸発生剤の含有量は、前記フォトレジスト組成物の総質量に対して、好ましくは0.1〜0.5質量%、より好ましくは0.2〜0.4質量%である。
【0063】
前記光酸発生剤の含有量が0.1質量%未満であると、露光工程時、環式化合物から保護基を確実に脱離させるために十分な量の酸が発生しない場合がある。一方、前記光酸発生剤の含有量が0.5質量%を超えると、露光工程時、酸が過度に発生することにより、現像工程時、フォトレジスト膜が過度に現像され、フォトレジストパターンの上部の損傷が起こる場合がある。
【0064】
本発明のフォトレジスト組成物に含まれる光酸発生剤は、トリアリールスルホニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、スルホン酸塩、およびトリフルオロメタンスルホン酸N−ヒドロキシコハク酸イミドエステルからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0065】
前記光酸発生剤のより具体的な例としては、トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、アンチモン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、アンチモン酸ジフェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸メトキシジフェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジ−t−ブチルジフェニルヨードニウム、2,6−ジニトロベンジルスルホン酸塩、ピロガロールトリス(アルキルスルホネート)、トリフルオロメタンスルホン酸ノルボルネン−ジカルボキシイミド、ノナフルオロオクタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、ノナフルオロオクタンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、ノナフルオロオクタンスルホン酸メトキシジフェニルヨードニウム、ノナフルオロオクタンスルホン酸ジ−t−ブチルジフェニルヨードニウム、ノナフルオロオクタンスルホン酸N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル、ノナフルオロオクタンスルホン酸ノルボルネン−ジカルボキシイミド、ペルフルオロオクタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、ペルフルオロオクタンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、ペルフルオロオクタンスルホン酸メトキシフェニルヨードニウム、ペルフルオロオクタンスルホン酸N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル、ペルフルオロオクタンスルホン酸ノルボルネン−ジカルボキシイミド、またはトリフルオロメタンスルホン酸N−ヒドロキシコハク酸イミドエステルなどが挙げられ、これらは単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。
【0066】
本発明のフォトレジスト組成物に含まれる有機溶媒の例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、乳酸エチル、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、または4−ヘプタノンなどが挙げられ、これらは単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。
【0067】
本発明のフォトレジスト組成物は、その特性をより向上させるために、添加剤をさらに含むことができる。前記添加剤の例としては、有機塩基が挙げられる。前記有機塩基は、大気中に含まれているアミンなどの塩基性化合物が、露光工程後に得られるフォトレジストパターンに及ぼす影響を最小化すると同時に、パターンの形状を調節する役割を果たしうる。
【0068】
前記有機塩基の例としては、トリエチルアミン、トリイソブチルアミン、トリイソオクチルアミン、トリイソデシルアミン、ジエタノールアミン、またはトリエタノールアミンなどが挙げられ、これらは単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。
【0069】
(パターン形成方法)
以下、本発明の一実施形態によるパターン形成方法を詳細に説明する。
【0070】
図1〜図3は、本発明のパターン形成方法を説明するための断面概略図である。
【0071】
図1を参照すれば、まず、エッチング対象物が準備される。前記エッチング対象物は、例えば、半導体基板100上に形成されるエッチング対象膜102であり得る。以下では、前記エッチング対象膜102がハードマスク膜である場合に限って説明する。しかし、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。前記ハードマスク膜は、スピンコーティングによって前記基板上に形成される。前記ハードマスク膜は、ギャップフィリング特性、平坦化特性、均一性、反射防止膜特性、および耐エッチング性において、優れた性質を有する。
【0072】
前記ハードマスク膜102上に残留する汚染物等を除去するために、ハードマスク膜102を有する半導体基板100が前洗浄される。洗浄されたハードマスク膜102の表面上に、本発明の環式化合物、光酸発生剤、および有機溶媒を含む本発明のフォトレジスト組成物をコートすることにより、フォトレジスト膜104が形成される。
【0073】
前記フォトレジスト組成物は、前記化学式(1)〜(4)で表される残基からなる群より選択されるいずれか1つの残基と前記化学式(5)で表される残基とを含む環式化合物を、前記フォトレジスト組成物の総質量に対して好ましくは7〜14質量%含み、光酸発生剤を前記フォトレジスト組成物の総質量に対して好ましくは0.1〜0.5質量%含み、さらに有機溶媒を含む。また、前記フォトレジスト組成物は、前述したような添加剤等をさらに含むことができる。
【0074】
次に、フォトレジスト膜104が形成されている半導体基板100を加熱する第1ベーキング工程を行う。前記第1ベーキング工程は、例えば、90〜120℃の温度で行われることが好ましい。前記第1ベーキング工程を行うことにより、ハードマスク膜102に対するフォトレジスト膜104の接着性が高まりうる。
【0075】
図2を参照すれば、フォトレジスト膜104が選択的に露光される。
【0076】
具体的には、露光装置のマスクステージ上に、所定の回路パターンを有するマスク110が位置され、フォトレジスト膜104の上部にマスク110が配置される。その後、光がマスク110に所定時間照射されることにより、基板100に形成されたフォトレジスト膜104の一部が前記マスク110を透過した光と選択的に反応する。
【0077】
前述のような露光工程で使用することができる光源の例としては、193nmの波長を有するフッ化アルゴン(ArF)レーザー、フッ素(F)レーザー、水銀キセノン(Hg−Xe)ランプ、遠紫外線ランプ、X線光源、またはイオンビームなどが挙げられる。
【0078】
フォトレジスト膜104の露光部104bは、フォトレジスト膜の未露光部104aよりも相対的に高い親水性を有する。したがって、フォトレジスト膜104の露光部104bおよび未露光部104aは、互いに異なる溶解度を有する。
【0079】
この後、現像液を用いた現像工程が行われるが、現像工程の前に半導体基板100に対して、第2ベーキング工程が行われてもよい。前記第2ベーキング工程は、例えば、90〜150℃の温度で行われることが好ましい。前記第2ベーキング工程を行うことにより、フォトレジスト膜104の露光部104bは、現像液に対して溶解しやすくなる。
【0080】
図3を参照すれば、現像液にフォトレジスト膜104の露光部104bが溶解し、その後フォトレジスト膜104から露光部104bが除去されることにより、フォトレジストパターン106が形成される。
【0081】
具体的には、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を現像液として用いて、フォトレジスト膜104の露光部104bを溶解させることによって、フォトレジスト膜104の露光部104bが除去される。上述のように、フォトレジスト膜104の未露光部104aは、フォトレジスト膜104の露光部104bとは、親水性が実質的に異なっているため、フォトレジスト膜104の露光部104bは、現像液に溶解し除去されうる。その後、フォトレジストパターン106を有する半導体基板100が洗浄および乾燥されることにより、フォトレジストパターン106が完成する。
【実施例】
【0082】
以下、下記実施例を通じて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0083】
<実施例1>
コール酸tert−ブチルの製造
窒素雰囲気下でコール酸10g(0.025mol)を、精製されたテトラヒドロフラン200mlに溶解させた。この溶液を0℃に維持した後、無水トリフルオロ酢酸30mlを徐々に投入した。常温で2時間反応させた後、溶液を0℃に維持し、tert−ブチルアルコール60mlを徐々に投入した。その後、常温で12時間反応させた後、溶液の温度を0℃まで冷却した。得られた結果物に、28質量%のアンモニア水40mlを加え、0℃で20時間反応させた。反応終了後、アンモニア水20mlを更に加え、常温で6時間反応させた。その後、ジエチルエーテル300mlと水200mlを用いることによって有機物が得られた。得られた有機物を、1MのNaOH水溶液と食塩水とで洗浄した。その後、無水硫酸マグネシウムを用いて水分を除去した後、フィルターでろ過して溶媒を除去することにより、白色固体を得た。これをアセトニトリルで再結晶させて、純粋なコール酸tert−ブチル9g(収率90%)を得た。得られた生成物のH−NMRは、下記表1の通りであった。
【0084】
【表1】

【0085】
<実施例2>
コール酸1−tert−ブトキシエチルの製造
tert−ブチルアルコールの代わりに、1−tert−ブチルエタノールを使用したこと以外は、実施例1と同様の方法により、コール酸1−tert−ブトキシエチル9g(収率90%)を得た。得られた生成物のH−NMRは、下記表2の通りであった。
【0086】
【表2】

【0087】
<実施例3>
1,3−アダマンタンジカルボン酸ビス(コール酸tert−ブチル)エステルの製造
窒素雰囲気下で1,3−アダマンタンジカルボン酸0.1gと過剰の塩化チオニルとを、100℃で2時間反応させた。FT−IRを用いてアシル化反応が終了したことを確認した後、残留している塩化チオニルを減圧蒸留により除去し、さらに残留している塩化チオニルをヘキサンとの分別蒸留により除去した。その後、得られた固体を、精製した50mlのテトラヒドロフランに溶解させた後、コール酸tert−ブチル3gを100mlの精製したテトラヒドロフランに溶解させたものとトリエチルアミン1.2mlとを、窒素雰囲気下で、3つ口丸底フラスコに0℃で30分間かけて徐々に加えた。その後、常温で24時間反応させた後、反応物をジエチルエーテル用いて分離した。その後、1M NaOH水溶液で2回洗浄した後、食塩水でもう一度洗浄した。無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後、溶媒を除去することにより、固体の生成物が得られた。得られた生成物を酢酸エチル:ヘキサン=1:1(体積比)の溶離液を用いてカラムクロマトグラフィーで分離することにより、白色固体である1,3−アダマンタンジカルボン酸ビス(コール酸tert−ブチル)エステル2g(収率70%)を得た。得られた生成物のH−NMRは、下記表3の通りであった。
【0088】
【表3】

【0089】
<実施例4>
1,3−アダマンタンジカルボン酸ビス(コール酸1−tert−ブトキシエチル)エステルの製造
コール酸tert−ブチルの代わりに、実施例2で得られたコール酸1−tert−ブトキシエチルを使用したこと以外は、実施例3と同様の方法により、1,3−アダマンタンジカルボン酸ビス(コール酸1−tert−ブトキシエチル)エステル2g(収率70%)を得た。得られた生成物のH−NMRは、下記表4の通りであった。
【0090】
【表4】

【0091】
<実施例5>
1,3−アダマンタン二酢酸ビス(コール酸tert−ブチル)エステルの製造
1,3−アダマンタンジカルボン酸の代わりに、1,3−アダマンタン二酢酸を使用したこと以外は実施例3と同様の方法により、1,3−アダマンタン二酢酸ビス(コール酸tert−ブチル)エステル2g(収率70%)を得た。得られた生成物のH−NMRは、下記表5の通りであった。
【0092】
【表5】

【0093】
<実施例6>
1,3−アダマンタン二酢酸ビス(コール酸1−tert−ブトキシエチル)エステルの製造
1,3−アダマンタンジカルボン酸の代わりに、1,3−アダマンタン二酢酸を使用し、コール酸tert−ブチルの代わりに、実施例2で得られたコール酸1−tert−ブトキシエチルを使用したこと以外は、実施例1と同様の方法により、1,3−アダマンタン二酢酸ビス(コール酸1−tert−ブトキシエチル)エステル2g(収率70%)を得た。得られた生成物のH−NMRは、下記表6の通りであった。
【0094】
【表6】

【0095】
<実施例7>
1,3,5,7−アダマンタンテトラカルボン酸テトラキス(コール酸tert−ブチル)エステルの製造
1,3−アダマンタンジカルボン酸の代わりに、1,3,5,7−アダマンタンテトラカルボン酸を使用したこと以外は、実施例3と同様の方法により、1,3,5,7−アダマンタンテトラカルボン酸テトラキス(コール酸tert−ブチル)エステル3g(収率70%)を得た。得られた生成物のH−NMRは、下記表7の通りであった。
【0096】
【表7】

【0097】
<実施例8>
1,3,5,7−アダマンタンテトラカルボン酸テトラキス(コール酸1−tert−ブトキシエチル)エステルの製造
1,3−アダマンタンジカルボン酸の代わりに、1,3,5,7−アダマンタンテトラカルボン酸を使用し、コール酸tert−ブチルの代わりに、実施例2で得られたコール酸1−tert−ブトキシエチルを使用したこと以外は、実施例3と同様の方法により、1,3,5,7−アダマンタンテトラカルボン酸テトラキス(コール酸1−tert−ブトキシエチル)エステル3g(収率70%)を得た。得られた生成物のH−NMRは、下記表8の通りであった。
【0098】
【表8】

【0099】
<実施例9>
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ビス(コール酸tert−ブチル)エステルの製造
1,3−アダマンタンジカルボン酸の代わりに、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を使用したこと以外は、実施例3と同様の方法により、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ビス(コール酸tert−ブチル)エステル2.5g(収率80%)を得た。得られた生成物のH−NMRは、下記表9の通りであった。
【0100】
【表9】

【0101】
<実施例10>
1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ビス(コール酸1−tert−ブトキシエチル)エステルの製造
1,3−アダマンタンジカルボン酸の代わりに、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を使用し、コール酸tert−ブチルの代わりに、実施例2で得られたコール酸1−tert−ブトキシエチルを使用したこと以外は、実施例3と同様の方法により、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ビス(コール酸1−tert−ブトキシエチル)エステル2g(収率70%)を得た。得られた生成物のH−NMRは、下記表10の通りであった。
【0102】
【表10】

【0103】
<実施例11>
1,3,5−シクロヘキサンカルボン酸トリス(コール酸tert−ブチル)エステルの製造
1,3−アダマンタンジカルボン酸の代わりに、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸を使用したこと以外は、実施例3と同様の方法により、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸トリス(コール酸tert−ブチル)エステル3g(収率80%)を得た。得られた生成物のH−NMRは、下記表11の通りであった。
【0104】
【表11】

【0105】
<実施例12>
1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸トリス(コール酸1−tert−ブトキシエチル)エステルの製造
1,3−アダマンタンジカルボン酸の代わりに、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸を使用し、コール酸tert−ブチルの代わりに、実施例2で得られたコール酸1−tert−ブトキシエチルを使用したこと以外は、実施例3と同様の方法により、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸トリス(コール酸1−tert−ブトキシエチル)エステル3g(収率70%)を得た。得られた生成物のH−NMRは、下記表12の通りであった。
【0106】
【表12】

【0107】
(フォトレジスト組成物の作製およびフォトレジストパターンの形成)
遠紫外線が遮断された実験室で、フォトレジスト組成物の調製を行った。前記実施例1で得られた環式化合物0.2gと、光酸発生剤であるトリフェニルスルホニウムトリフラート0.004gとを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.5gに溶解させた後、0.2μmのメンブランフィルターでろ過することにより、フォトレジスト組成物が得られた。その後、前記フォトレジスト組成物をシリコンウェハ上にスピンコートした後、100℃で90秒間加熱して、厚みが0.4μmのフォトレジスト膜を形成させた。DUV露光装置を用いてフォトレジスト膜を露光させた後、120℃で90秒間さらに加熱した。加熱終了後、2.38質量%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いて90秒間現像することにより、図4に示すようなフォトレジストパターンが形成された。
【0108】
図4は、本発明のフォトレジスト組成物を用いて形成された、フォトレジストパターンを示す電子顕微鏡写真である。
【0109】
図4を参照すると、前述のような組成を有する本発明のフォトレジスト組成物を用いて形成されたフォトレジストパターンは、約0.8μmの均一な幅を有し、優れたプロファイルを有することがわかる。
【0110】
以上、本発明を、実施例を用いて詳細に説明したが、これら実施例は例示的なものに過ぎず、特許請求の範囲で定義した本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明が、形態および詳細において、多様な変形がなされうることは、当業者にとって容易に理解できるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は、フォトレジスト関連の技術分野に好適に用いられうる。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明の一実施形態によるフォトレジストパターンの形成方法を示す断面概略図である。
【図2】本発明の一実施形態によるフォトレジストパターンの形成方法を示す断面概略図である。
【図3】本発明の一実施形態によるフォトレジストパターンの形成方法を示す断面概略図である。
【図4】本発明のフォトレジスト組成物で形成されたフォトレジストパターンを示す電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
【0113】
100 半導体基板、
102 エッチング対象膜(ハードマスク膜)、
104 フォトレジスト膜、
104a フォトレジスト膜の未露光部、
104b フォトレジスト膜の露光部、
106 フォトレジストパターン、
110 マスク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式(1)〜(4)で表される残基からなる群より選択されるいずれか1つの残基と、
下記化学式(5)で表される残基と、
を含む環式化合物:
【化1】

【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

前記化学式(5)中、Rは、tert−ブチル基または1−tert−ブトキシエチル基である。
【請求項2】
前記化学式(1)で表される残基を含む環式化合物は、下記化学式(6)で表される化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の環式化合物:
【化6】

前記化学式(6)中、Rは、tert−ブチル基または1−tert−ブトキシエチル基である。
【請求項3】
前記環式化合物は、1,3,5,7−アダマンタンテトラカルボン酸と、コール酸tert−ブチルまたはコール酸1−tert−ブトキシエチルとを反応させることによって合成されることを特徴とする、請求項2に記載の環式化合物。
【請求項4】
前記化学式(2)で表される残基を含む環式化合物は、下記化学式(7)で表される化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の環式化合物:
【化7】

前記化学式(7)中、Rは、tert−ブチル基または1−tert−ブトキシエチル基であり、nは0または1である。
【請求項5】
前記環式化合物は、1,3−アダマンタンジカルボン酸と、コール酸tert−ブチルまたはコール酸1−tert−ブトキシエチルとを反応させることによって合成されることを特徴とする、請求項4に記載の環式化合物。
【請求項6】
前記環式化合物は、1,3−アダマンタン二酢酸と、コール酸tert−ブチルまたはコール酸1−tert−ブトキシエチルとを反応させることによって合成されることを特徴とする、請求項4に記載の環式化合物。
【請求項7】
前記化学式(3)で表される残基を含む環式化合物は、下記化学式(8)で表される化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の環式化合物:
【化8】

前記化学式(8)中、Rは、tert−ブチル基または1−tert−ブトキシエチル基である。
【請求項8】
前記環式化合物は、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸と、コール酸tert−ブチルまたはコール酸1−tert−ブトキシエチルとを反応させることによって合成されることを特徴とする、請求項7に記載の環式化合物。
【請求項9】
前記化学式(4)で表される残基を含む環式化合物は、下記化学式(9)で表される化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の環式化合物:
【化9】

前記化学式(9)中、Rは、tert−ブチル基または1−tert−ブトキシエチル基である。
【請求項10】
前記環式化合物は、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸と、コール酸tert−ブチルまたはコール酸1−tert−ブトキシエチルを反応させて合成されることを特徴とする、請求項9に記載の環式化合物。
【請求項11】
下記化学式(1)〜(4)で表される残基からなる群より選択されるいずれか1つの残基と、下記化学式(5)で表される残基と、を含む環式化合物と、
光酸発生剤と、
有機溶媒と、
を含むことを特徴とする、フォトレジスト組成物:
【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

前記化学式(5)中、Rは、tert−ブチル基または1−tert−ブトキシエチル基である。
【請求項12】
前記フォトレジスト組成物の総質量に対して前記環式化合物が7〜14質量%含まれ、前記フォトレジスト組成物の総質量に対して前記光酸発生剤が0.1〜0.5質量%含まれることを特徴とする、請求項11に記載のフォトレジスト組成物。
【請求項13】
前記化学式(1)で表される残基を含む環式化合物は、下記化学式(6)で表される化合物であることを特徴とする、請求項11または12に記載のフォトレジスト組成物:
【化15】

前記化学式(6)中、Rは、tert−ブチル基または1−tert−ブトキシエチル基である。
【請求項14】
前記化学式(2)で表される残基を含む環式化合物は、下記化学式(7)で表される化合物であることを特徴とする、請求項11または12に記載のフォトレジスト組成物:
【化16】

前記化学式(7)中、Rは、tert−ブチル基または1−tert−ブトキシエチル基であり、nは0または1である。
【請求項15】
前記化学式(3)で表される残基を含む環式化合物は、下記化学式(8)で表される化合物であることを特徴とする、請求項11または12に記載のフォトレジスト組成物:
【化17】

前記化学式(8)中、Rは、tert−ブチル基または1−tert−ブトキシエチル基である。
【請求項16】
前記化学式(4)で表される残基を含む環式化合物は、下記化学式(9)で表される化合物であることを特徴とする、請求項11または12に記載のフォトレジスト組成物:
【化18】

前記化学式(9)中、Rは、tert−ブチル基または1−tert−ブトキシエチル基である。
【請求項17】
前記光酸発生剤は、トリアリールスルホニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、スルホン酸塩、およびトリフルオロメタンスルホン酸N−ヒドロキシコハク酸イミドエステルからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項11〜16のいずれか1項に記載のフォトレジスト組成物。
【請求項18】
エッチング対象物上に下記化学式(1)〜(4)で表される残基からなる群より選択されるいずれか1つの残基と下記化学式(5)で表される残基とを含む環式化合物、光酸発生剤、および有機溶媒を含むフォトレジスト組成物をコートすることによってフォトレジスト膜を形成する段階と、
露光工程により前記フォトレジスト膜を露光する段階と、
現像液を用いて前記フォトレジスト膜を現像しフォトレジストパターンを形成する段階と、
を含むことを特徴とする、パターン形成方法:
【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

前記化学式(5)中、Rは、tert−ブチル基または1−tert−ブトキシエチル基である。
【請求項19】
前記フォトレジスト組成物は、前記フォトレジスト組成物の総質量に対して前記環式化合物を7〜14質量%含み、前記フォトレジスト組成物の総質量に対して前記光酸発生剤を0.1〜0.5質量%含むことを特徴とする、請求項18に記載のパターン形成方法。
【請求項20】
現像を行う前に、前記フォトレジスト膜を90〜150℃で熱処理する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項18または19に記載のパターン形成方法。
【請求項21】
前記露光工程は、フッ化アルゴン(ArF)レーザー、フッ素(F)レーザー、水銀キセノン(Hg−Xe)ランプ、遠紫外線ランプ、X線、またはイオンビームを光源として用いて行われることを特徴とする、請求項18〜20のいずれか1項に記載のパターン形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−191468(P2007−191468A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−334773(P2006−334773)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【出願人】(592127149)韓国科学技術院 (129)
【Fターム(参考)】