説明

生物の生産に関連する構造物内を起源として発生する悪臭や臭気ガス物質の浄化および脱臭方法

本発明は生物学的浄化プロセスと吸収プロセスを系統する事により、空気中の悪臭や臭気物質を分解浄化する方法である。水に吸収された悪臭や臭気物質等は水と二酸化炭素等の無害な物質に分解される。また、本発明は生物生産に関連して作られる構造物内で発生するガスの浄化に適応する方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、悪臭や臭気を水に溶け込ませ濃縮することで水に吸収された悪臭や臭気物質を生物学的浄化プロセスで分解し、炭酸ガスや水、無機成分に分解するための方法に関する技術であるが、同時に家畜や養殖場、有機性廃棄物の処理場等で発生するアンモニアや硫化水素等の低分子の化学物質が悪臭や臭気ガスと共に存在している場合、それらの化学物質を有機性の臭気とともに窒素ガスや硫酸等の無害な物資にまで生物学的に分解し浄化する技術である。
【背景技術】
【0002】
魚類を含む動植物の生産や加工は、その後の廃棄物処理、食糧生産およびその他の有機性の廃棄物の生産活動を伴い、潜在的に周辺地域や近隣の人に影響を与える大気汚染物質である悪臭や臭気を生成します。悪臭や臭気の問題が環境汚染の問題になっています。
【0003】
家畜生産の建物や糞尿処理施設は動物の悪臭や臭気の問題を生じる主な原因です。家畜生産施設からの悪臭や臭気、アンモニアやホコリの排出量削減の要求は年々ますます強くなり、都市近郊から生産現場が遠くなりつつも近隣住民からの要望でますます臭気対策は強化されて来ています。
【0004】
悪臭や臭気は様々な産業活動に伴い発生しますが、有機物が微生物や微小生物により無機物に分解される過程で発生する副産物でも有ります。有機物の分解に伴う臭気の濃度や排出量は温度や活性な微生物の種類によって異なりますが、160以上の有機や無機の化合物がブタの生産現場では悪臭として同定されています。
【0005】
ブタの生産現場での悪臭や臭気の主成分は、アンモニア、アミン類、硫化水素や硫黄含有化合物、揮発性脂肪酸(低分子脂肪酸)、インドール類、スカトール類、アルコール類、カルボニル類です。
【0006】
臭気を低減するための方法は大きく分けて、物理学的方法(例えば、吸着、吸収、凝縮、光酸化等)、化学的手法(例えば、熱酸化やプラズマ技術等)や生物学的方法等があります。
【0007】
生物学的手法の水処理微生物を利用する方法では悪臭や臭気の分子をバイオマスの栄養やエネルギー源や成長のために利用し、炭酸ガスや水、無機塩、硫酸塩、硝酸塩等に分解しています。この生物学的方法では毒性の少ない、無臭の化合物、有機物、特定の無機化合物に悪臭や臭気は変換されますが、一般に低濃度では悪臭や臭気成分の水溶性の低さや微生物の栄養源としての利用が阻害されるので、物理学的手法や化学的手法の前処理として高濃度臭気の対策で利用されています。
【0008】
これらの手法を選択し、または組み合わせる事で脱臭や浄化の目的は投資や維持管理、自然条件や臭気化合物の複雑さ(例えば、流量、体積、濃度、溶解性、強度、温度、酸素含有量など)や場所の特性と合わせて(例えば、維持管理や保守機能の容易さ)利用します。
【0009】
物理的および化学的手法は、高い悪臭や臭気の除去効率が有りますが、化学物質の購入や装置や制御機械や維持管理等により高価です。一方、生物学的方法はコスト的には安価になりますが、低濃度での性能が劣るだけでなく副次的に発生する臭気の問題(例えば、汚水臭)や臭気濃度の変動に弱い事等が有ります。
【0010】
生物学的手法は低濃度でも水溶性が有り生物が分解できる物質で有れば広い範囲の物質を分解し浄化する事ができます。しかし、限られた周囲の温度や圧力(例えば、浄化槽では13℃を下回らない事や処理槽の水深は6メートル程度まで)等に依存し、そのため限られた範囲でエネルギーの消費や維持管理の容易さが得られる場所でのみ効率の良いシステムとして利用されています。
【0011】
生物学的手法による生物脱臭は成功しており、多くの産業用や農業用の装置として使用され、その使用が増加しています。通常、臭気の吸収塔(空気湿式スクラバー)とバイオリアクター(水処理装置)の2ユニットから構成されています。
【0012】
原理は、第1段階として臭気は物理的に臭気の吸収塔で分離され、第2段階としてのバイオリアクターで微生物浄化処理する事で、臭気の吸収塔内での水溶性洗浄槽中の気体化合物の吸収に依存しています。そして、微生物により浄化された液槽は排水されるか、吸収塔に再循環されます。
【0013】
臭気の吸収塔(空気湿式スクラバー)方式にはいくつかの種類が有りますが、一般的に使用される吸収体がパックされた塔には、ウェットサイクロン、スプレー塔、ベンチャースクラバーが含まれており、バイオスクラバーと呼ばれています。
【0014】
バイオスクラバーの利点としては、第1段階の臭気の吸収塔の性能と第2段階のバイオリアクターでの浄化を別々にと取り扱う事が出来ます。つまり、臭気の吸収塔への通気量と悪臭や臭気による汚染ガスの濃度が高くなると、吸収塔を大きくする事や長さを長くする事で排気中の汚染物質の排出濃度は減少させる事が出来ます。一方、それに伴い必要になる清浄な水の水量を得るためには第2段階のバイオリアクターでの浄化装置を追加出来ます。逆にバイオリアクターでの生物による分解量を増加させる事が出来れば臭気の吸収塔とは別にコンパクトにする事も出来ます。
【0015】
バイオスクラバーは臭気の吸収塔として畜舎では換気扇の煙突内に配置され、バイオリアクターは地下や地上に設置されます。
【0016】
バイオスクラバーでは臭気物質(悪臭物質)、アンモニア、ダスト粒子等が担体表面やスプレーによる水滴に吸収や吸着されます。水滴はバイオリアクターからの浄化されたリサイクル水を、スプレーノズルを使用してバイオスクラバー内の吸収塔の部分に供給されます。また、バイオスクラバー内では複数の吸収帯が存在し、バイオリアクターにより清浄になった水が供給されています。
【0017】
バイオスクラバーは、他の方式と比較して多くの利点を持っているにもかかわらず、中性域の多くの微生物が活動できる範囲の水質で高い溶解性を有する化合物を処理する方法に適していると言う制限が有ります。
【0018】
従って、物理的方法や化学的方法に有利な酸性やアルカリ性の水質領域でのみ吸収される多くの有機物が微生物により分解されるときに伴う悪臭や臭気に対して適用範囲を広げるには、方法を改善する必要が有ります。
【0019】
本発明は、吸収塔でスプレーする水の性質をバイオリアクターの働きを分けて制御し利用する事で、浄化され清浄になった中性の水を利用する従来の方法では無く、逆に酸性やアルカリ性の清浄になっていない臭気成分を多量に含んだ水と中性領域では悪臭や臭気成分を多量に含んだ水を利用する事で、清浄な水を利用するだけの方法よりも更に高効率で化学反応を伴う結果として臭気成分を液中に溶解する事や吸収させる事が出来る方法を得た事、吸収塔での微生物の繁殖を酸性やアルカリ性、オゾン水により抑制する事、また、スプレーの配置や方向、サイズ等を最適化した事により、この問題を解決しました。
【0020】
本発明の重要な特徴は、方法として化学廃棄物を生成しない事と水の継続的な循環利用が出来る事に有ります。また、多くの有機物の分解に伴う悪臭や臭気の問題が生じている場所でアンモニアの存在が有りますが、有機物の分解を伴わない広範囲の揮発性有機化合物による悪臭や臭気の浄化と脱臭について、アンモニアもしくは尿素等を添加する機能を付加する事で同等の性能を発現する事が出来ます。
【0021】
基本的な構造としては生物による分解が可能な悪臭や臭気物質の浄化と脱臭が行えますが、炭素成分は炭酸ガスに分解され、窒素成分は窒素ガスに分解されますので、硫黄やリンなどの不揮発性の無機物質の濃縮蓄積が生じますが、植物の生育に必要な肥料成分としての硫酸やリン酸の形態にまで分解され浄化されます。
【0022】
したがって、この発明は悪臭や臭気の発生源から吸収塔で吸着され得られた物質を生物学的に利用して悪臭物質をさらに効率良く吸収や吸着するための物質を作り出します。その結果として、悪臭や臭気物質、有害な廃棄物をシステムの系の外に放出しない事を可能にしたクローズドシステムを提供します。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
高効率で通気量の多い吸収塔を開発する。そのため本発明は、既知のシステムと比較して大幅な圧力損失を低減し、大量の通気量を扱う事が出来る湿式スクラバーのための新しいコンセプトを開発した。
【0024】
廃棄物を出さない悪臭や臭気の脱臭と臭気除去方式を提供するため、有機物からの悪臭や臭気を伴う環境汚染ガスを脱臭、浄化して周辺地域における住環境を向上するとともに、処理に伴う廃棄物を出さない方法を従来とは異なる考え方と生物処理方法の基で開発した。
【課題を解決するための手段】
【0025】
この発明は、高効率で通気量の多い吸収塔の湿式スクラバーのために、複数の吸着・整流列を吸収塔内に配列し、吸収列の間にスプレーを配置します。複数の吸収列を合わせた部分はカラムと呼ばれます
【0026】
湿式スクラバーのこの新しい概念は柔軟設置が出来るので広範囲に適用でき、家畜舎等の換気扇に敷設するだけでなく、多くの建物の中の空調装置やダクト内等での悪臭や臭気の吸着除去の利用が期待できます。
【0027】
吸収塔は少なくとも2つの吸収帯に分割する事が出来ます。各々の吸収帯には異なるpHと最適化された噴霧速度でのスプレーを設置し制御します。
【0028】
バイオリアクターによる水処理装置は、例えば、脱ガス、沈殿、汚泥の分離、流量調整や制御のために各種の水槽や処理装置と機能を備えています。
【0029】
吸収塔の下部には悪臭や臭気やホコリ等の化学物質や空気環境の汚染物を吸収や吸着した水が収集されます。そしてその水は調整槽に送られます。
【0030】
吸収塔内の上部のカラムで必要な一部の水量がバイオリアクターのタンクの配列に送水され、残りの水量は浄化処理が行われない状態で吸収塔の下部近くにある第一吸収ゾーンに送られ、比較的大きな水滴が形成される高流量のスプレーノズルを使用し循環する事で水溶性の高い悪臭や臭気やホコリ等の吸収と吸着を行います。この部分で水溶性の高い悪臭や臭気成分が濃縮され蓄積されるので、その反対の性質を持つ悪臭や臭気成分が吸収や吸着だけでなく化学反応を伴い濃縮され蓄積されます。
【0031】
バイオリアクターのタンクの配列に送られた悪臭や臭気やホコリ等を含む水は亜嫌気性や嫌気性生物の繁殖するタンクを通り、次いで好気性の生物が繁殖するタンクで浄化処理を行います。水中に吸収や吸着された悪臭や臭気やホコリ等の有機物は生物による分解過程を経て水や二酸化炭素、アンモニアや硝酸、硫化水素や硫酸等に分解され安定化されます。また、悪臭や臭気として吸収されたアンモニアを含む低分子の窒素は浄化の過程で亜硝酸や硝酸になると共に、一部は中間生成物としての亜酸化窒素などを経てアンモニア窒素リサイクル反応を経て脱窒素反応を通じ窒素ガスとなる事で、無害な形で大気中に放出され水中に吸収された過剰の窒素は削減されます。
【0032】
悪臭や臭気から水中に吸収された化学成分のアンモニアは、水のpHの上昇を引き起こしながら逆の性質の酸性の悪臭や臭気ガスの化学成分を強く吸収し吸着する様になりますが、一部はバイオリアクターの好気処理の過程で硝酸となりpHの低い水を得る事が出来ます。ホコリ等の粉塵や他の有機化合物は余剰の窒素成分を大気中に窒素ガスに還元するための脱窒素反応に使われると共に、水中では2塩基酸や3塩基酸としての緩衝効果を作りだす化学物質を生成します。
【0033】
これらの水処理の各々別々のステージから、濃縮や脱窒、硝化処理のプロセスの段階で異なったpHの水を得る事が出来ます。
【0034】
バイオリアクターのタンクの配列の最後からの水は吸収塔の上部にある第2の吸収帯に循環供給されます。この場所でのスプレーノズルは比較的小さな液滴を供給します。
【0035】
バイオリアクターの1つまたは複数から、また調整タンクから特定の吸収塔の吸収帯で必要とされるpHの水を供給し再循環させる事が出来ます。
【0036】
吸収塔内は構造化された充填材が異なる高さで、要素の数が吸収や吸着に必要な数だけ充填します。ガイドパネルは通過空気の圧力降下を防止すると同時に吸収や吸着効率を向上させるために角度と距離等に付いて特別に設計された様態です。
【0037】
吸収塔内に構造化された充填材に悪臭や臭気を発生するバイオフィルム(生物膜)が生育した場合、バイオリアクターやオゾン装置からの水を利用して洗浄除去する事ができます。バイオフィルムの発生の有無に関わらず、定期的な洗浄を行う事が好ましい。
【0038】
吸収塔内では、様々な悪臭や臭気の形態により、酸性化された水のみを塔内で噴霧する事や下部の大容量のノズルで噴霧する事も可能であり、硝酸やアンモニアを添加する事でより高性能を得る事も可能です。
【0039】
この発明のシステムでは、殆どの悪臭や臭気に対して化学物質を添加する事無くバイオリアクターによる処理により異なるpHの水を自ら生産し利用する事が出来ます。これは、有機物からの悪臭や臭気にはアンモニア態の窒素が伴う事が通例であり、さらに有機化合物である酸性の臭気は適度にアンモニアを窒素ガスに変換し脱窒させるための生物のエネルギーに利用されるからです。また、アンモニアは好気処理により亜硝酸や硝酸の酸性物質に変換され酸性の水を得る事で、吸収塔内の後段で残っているアルカリ性臭気の吸収と吸着に利用されます。
【0040】
悪臭や臭気の性情によっては、アンモニアが少なく十分な量が得られない場合がありますが、尿素やアンモニアとして添加する事で性能を得る事ができます。逆にアンモニアが非常に過剰な場合は硝化プロセスを進行させ、その後の脱窒素プロセスを進行させるには有機物の添加をする事で性能を得る事ができます。
【0041】
このシステムでは、畜舎等の湿度の高い場所での悪臭や臭気の発生場所での利用は凝集水による水の増加を示しますが、スプレーによる冷却効果により極限られた水の供給が必要な場合が有ります。
【0042】
この方法は基本的に、全ての悪臭や臭気やホコリ等からの吸収や吸着された成分がその様態をバイオリアクターによって変換され悪臭や臭気の吸収と吸着に有望な化学物質として利用される事で閉鎖系のシステムを提供します。
【0043】
従って本発明は上記の様な新しい概念により、悪臭や臭気の吸着と吸収を行い、バイオリアクターでそれらの成分をさらに吸収や吸着に有効な成分に変換する事でより浄化された排気を得る事が出来ます。
【0044】
さらに本発明は吸収塔とバイオリアクターを関係付けた一体であり、浄化された排気を得るために悪臭や臭気を濃縮して生物的に疑似的な化学脱臭におけるアルカリ・酸洗浄システムで必要とされる水を生物処理として得られる事でバイオリアクターの効率を上げる事が可能になり、生物処理のコンパクト化と高性能化を実現しました。
【図面の簡単な説明】
【図1】
【0045】
この発明における吸収塔に配置する4つのスプレーの段階を示したのが図1である。(A)は第1段階、(B)は第2段階、(C)は第3段階、(D)は第4段階を示し、図2における(A)、(B)、(C)、(D)から得られた水が供給される。(E)は始めの悪臭や臭気やダストを循環濃縮し吸収や吸着性能を向上さえるための吸収帯を示し、(F)はオゾン水やバイオリアクターにより得られた各種の水を利用した低濃度領域の残存した悪臭や臭気、吸収塔内で副次的に発生した生物膜の臭気の吸収帯を示す。
【0046】
(G)は脱臭塔に処理を行う空気を送り込むファンであるが、図は取り付ける方向を指定しない、横から取り出した場合においての摸式である。(H)はスプレーからの微小な液滴を系外に放出しないためのミストセパレータである。(I)は流量計を示し、(J)は生物処理に伴う生物の破片を除去するストレーナー(フィルター)である。悪臭や臭気物質やホコリ等を含む空気は(a)より導入され、各種の吸収や吸着による浄化を経て(b)より脱臭された空気が大気中に放出される。(c)は上部のスプレーより収集された水をバイオリアクターに送る部分である。
【図2】
【0047】
この発明におけるバイオリアクターによる水処理装置の配置と役割を示したのが、図2である。(0)は沈殿槽を示し、(1)は嫌気性タンク、(2)は好気性タンク、(3)は嫌気性タンク、(4)は好気性タンク、(5)は嫌気性タンク、(6)は好気性タンク、(7)はオゾン水生成タンク、(8)はオゾンガス混合インジェクター、(9)は消泡のためのヘッドスペース、(10)はオゾン発生器、(11)は短時間沈砂槽、(12)は高容量沈殿槽、(13)はスプレーに水を供給するためのポンプを示す。
【0048】
吸収塔(図1)の(c)で集められた悪臭や臭気やダストを含む水は(d)に供給され、大きな砂等のゴミを(0)にて除去した後に、第1段階であるAに再度循環されます。(1)のバイオリアクターを通じた水はアルカリ化が進行しpHが高い水となり、吸収塔の第2段階であるBに供給され循環します。(2)を通じた水は硝化作用により酸性化が進行し低いpHの水となり、第3段階であるCに供給されます。(3)、(4)、(5)、(6)のバイオリアクターの好機嫌気処理を連結し通過させる事により高度に浄化された水(オゾンガスを効率良く溶解し利用するためには非常に有機物が少ない状態の水が必要である)を得る事が出来、更にオゾンを溶かす過程でさらに有機物の分解を促進させ、さらにオゾンガスで飽和されたオゾン水を第4段階であるDに供給する事で、第1〜第3段階のアルカリ水、強アルカリ水、酸性水による疑似的化学脱臭を行った後、さらに残存している中性域の水溶性の低い悪臭や臭気成分をオゾンガスによる強酸化を行い分解するとともに、生物処理における病原性微生物の不活化等の公衆安全衛生面を担保しています。これらのスプレーに供給された水は全て図1の下部の(c)で集められ、(0)の沈殿槽に回収利用されます。
【図3】
【0049】
吸収塔の中に充填される低負荷の構造化されたパッキング材のスケッチです。(30)は吸収塔壁、(31)はガイドプレート、(32)はガイドプレートホルダー、(33)はガイドプレートの角度、(34)はガイドプレートの高さ、(35)は取り付け角度を示します。
【図4】
【0050】
本発明においてオゾンガスを利用する場合および悪臭物質中のアンモニア濃度が非常に高い養豚舎等に適応する場合の吸収塔の構造を示しています。オゾン水を得るためのバイオリアクターを取り除き、吸収塔でのオゾン水をオゾンガスの導入で行います。(A)は第1段階、(B)は第2段階、(C)は第3段階、(D)は第4段階を示し、(G)は脱臭塔に処理を行う空気を送り込むファンであるが、図は取り付ける方向を指定しない、横から取り出した場合においての摸式である。(H)はスプレーからの微小な液滴を系外に放出しないためのミストセパレータである。(I)は流量計を示し、(K)はオゾンガス発生装置である。悪臭や臭気物質やホコリ等を含む空気は(a)より導入され、各種の吸収や吸着による浄化を経て(b)より脱臭された空気が大気中に放出される。(c)は上部のスプレーより収集された水をバイオリアクターに送る部分である。
【図5】
【0051】
吸収塔(図2)の(c)で集められた悪臭や臭気やダストを含む水は(d)に供給され、(20)の沈殿槽で大きな異物を除去した後に(A)、(B)に供給され循環される。アンモニアの濃縮により非常に高いpHの水が循環する。一部の水は、アンモニア酸化細菌(ニトロソモナス)がよく育つアルカリ下での高酸素高流量バイオリアクター装置に供給された後、(24)の好気処理槽に送り酸性化で良く育つ亜硝酸酸化細菌(ニトロソバクター等)により酸性化が進行した水が得られ、(C)、(D)供給され、酸性の低いpHの水がスプレーされ、第1,2段階のアルカリで除去されなかった成分が酸性領域の水で吸収や吸着される。(23)の嫌気性処理バイオリアクターは余剰の窒素成分を脱窒作用により無害な窒素ガスに変換し大気中に放出するためのタンクである。
【0052】
本発明は図1および図2、図3及び図4においての吸収塔とバイオリアクターからの性質の異なる水を利用する事で悪臭や臭気の吸収や吸着と浄化処理が行える事であるが、僅かに残る臭気成分や生物学的処理における公衆安全の担保からオゾンガス水あるいはオゾンガスを導入する事を勧める。また、図3におけるパッキング材については、ホコリの量や導入する空気の性質により、必要不可欠な物では無い場合が有ります。
【0053】
本発明の特徴として、有機物が生物により分解される過程で発生した悪臭や臭気物質が、図1および図4に示した吸収塔の下部のスプレーと図2および図5に示したバイオリアクターでの沈殿槽との間において短時間で循環し臭気物質を濃縮しpHが上がったアルカリ水を得る事で、疑似的に化学脱臭でのアルカリ洗浄を行う事です。
【0054】
さらに、一部の水を浄化し中性域の有機物を含まない浄化された水を得るのでは無く、高濃度に濃縮されたアンモニアを生物反応を用い酸化して酸性の水を得るために、図2および図5に示したバイオリアクターで、水質としてアルカリ領域で生育しやすいアンモニア酸化細菌(ニトロソモナス)と酸性領域で生育しやすい亜硝酸酸化細菌(ニトロソバクター)の生育するバイオリアクターを分けた事で、高密度に特定の生物活性を得られるシステムとした特徴が有ります。
【0055】
すなわち、処理対象の発生している悪臭や臭気から、アルカリ性水溶液と酸性水溶液の2種類を生産するシステムである事が特徴であり、それを吸収塔で利用する事で、あたかも化学脱臭装置でのアルカリ・酸洗浄法を悪臭や臭気を吸収や吸着除去を行う事を疑似的に可能とした特徴が有ります。
【0056】
本発明の動作は、導入されたホコリ等を含む悪臭や臭気から水溶性の成分を水中に溶け込ませる事により、その悪臭や臭気の持つ特性としての水質が変化する事で、アルカリ側に移動すれば酸性物質の吸収が促進され、酸性側に移動すればアルカリ性物質が吸収されると言う自己安定のバランスが得られる事に特徴が有ります。すなわち、人為的に操作を行う事無く、臭気の性質の変化に合わせて自己安定作用が得られます。
【0057】
そして、バイオリアクターによる水処理のプロセスでは、図2において嫌気状態におけるアルカリ性での生物相と好気状態における酸性化での生物相により、pHの全く異なる水を獲得し利用する事を明確にしました。さらに、図5において、好気状態におけるアルカリ性で好気状態の生物相を別にバイオリアクターとして利用する事で、アンモニアの悪臭が非常に高い、養鶏や養豚と言う特殊な悪臭の処理を自立的に可能にしました。
【0058】
一方、多くのホコリ等のゴミを含む空気の処理も、スプレーを利用した液滴を利用する事で、養豚舎の様に中で動物が動いた時に一時的に大量のホコリ(粉塵)が舞い上がり、吸収塔に導入された時に生じる、フィルター方式等での閉塞が起こりません。また、パッキング材においてもバイオフィルムが生成し難い材を利用する事やスプレーにより常に清掃されるため、ホコリ等の化学物質では無い汚染物に対して強い性質を合わせ持ちます。
【0059】
ホコリ等に伴い、病原性の微生物が装置に導入されますが、吸収塔下部および沈殿槽において、主にアルカリ成分が濃縮される特徴が有ります。この高いpH領域で滞留する事は病原性微生物やウィルスの不活化に対して有効である事は消毒薬その他の基本から述べるまでも無い事でしょう。その後さらに、高いpH条件下で嫌気的や好機的な生物処理が行われるために、病原性微生物やウィルスが吸収塔やバイオリアクターから放出される可能性が低くなる特徴を備えています。
【0060】
図1および図4に使用されるスプレーの液滴の大きさは、臭気の性質により最適化されます。通常100マイクロメートルから4000マイクとメートルの範囲に有りますが、サイズを限定しません。傾向としては、第2、第3吸収帯に行くに従い小さなサイズとなります。また、気体と液体の比率は浄化効率に大きな影響を示すだけでなく吸収塔で接触時間、すなわち胴径や長さに影響を及ぼしますが、本発明では多くの悪臭対策に利用する場合に大体1〜10の重量比の範囲で至適となりますが、比率を限定しません。
【0061】
しかしながら、中性付近の清浄な水による従来の吸着方法とは異なり、アルカリ性や酸性の強い水を利用しますので、その時点でのコンパクト化が主となり、装置全体のコンパクト化が達成されました。
【0062】
ホコリ等からの悪臭や臭気等の化学物質で無い物も、本装置のバイオリアクターは余剰の窒素成分(主に硝酸成分)を窒素ガスに変換し大気に放出する機能のエネルギーとして利用しています。これらは、図2および図4に示した、バイオリアクターの中で行われます。この事は余りに過剰な窒素を含む悪臭や臭気の場合に、ホコリ等からの有機物の供給量が不足する時には外部からの有機物の添加が必要である可能性を示唆しています。
【0063】
酸性の強い悪臭や臭気を処理する場合、図1および図4の吸収塔の下部が酸性になる可能性が有ります。その場合、窒素量が少ない場合においてはアンモニアや尿素を添加する事で、処理が可能になります。これらの物質は安価で安全であり、化学脱臭法の様な強アルカリや強酸とは異なり、本発明で廃棄物となり系外に出す事はありません。特殊な悪臭環境においても、アンモニアや尿素、廃糖蜜等の有機物の添加で広範囲の悪臭や臭気の処理に適応できる事を示します。
【0064】
図1および図2に示したオゾンガスの利用は、酸化による効果的な殺菌消毒方法であり、吸収塔内での病原菌等の繁殖を抑制や殺滅するために効果が期待できます。更にウィルスに付いても効果が期待できます。また、当技術分野で知られている化学酸化剤を使用する事も出来ます。また、紫外線照射による殺菌装置を内装する事も可能です。
【0065】
図3に示したパッキング材は他の多くのパッキング材で発生しているバイオフィルムの定着による汚水臭等の再発生を防止するための構造です。しかしながら、バイオフィルムの発生を完全に抑制する事は難しく、オゾンガスや他の酸化による殺菌と合わせて、パッキング材のバイオフィルムによる閉塞や異常な肥厚を抑止する必要が有ります。
【0066】
図2および図3における吸収帯の間では、主にアンモニアと硝酸による中和反応が生じているが、その過程で発生する水酸イオンや水素イオン、各種のラジカルイオンが中和に利用されるだけでなく境界面において悪臭や臭気の吸収や吸着の促進を行っている。これは化学脱臭装置では完全に酸とアルカリ処理を分離して行う事に対して、本発明は生物処理により供給され続ける酸により、アルカリとの中和反応を継続的に行う特徴がある。
【0067】
本発明は図1および図2における吸収塔での悪臭や臭気成分などの吸収や吸着と、図4および図5におけるバイオリアクターによる処理のバランスにより成立するが、日夜、季節における負荷の変動に対して生物処理の持つ緩衝能力に依存するだけでなく、必要に応じスプレー等に供給する水量のコントロールや液滴の大きさなどを変化させる装置を敷設する事を妨げない。
【実施例】
【0068】
本実施例は本発明を養豚舎に限定して特化した例であり、この例により本発明の保護の範囲の制限を受けた物とみなされてはならない。実施を行った形態の一例として説明する。
【0069】
図4および図5を使用し、アンモニアガスとダストおよび負荷変動の激しい養豚舎(出荷されれば数週間の期間において負荷が減少する)で実施し調査を行った。
【0070】
図4に示す吸収塔の吸収帯には4つの噴霧段階が有るが、(A)、(B)に示すノズルはスパイラルスプレーノズルを用い1平方センチ当たり4キログラムの圧力で空液比約30の状態とした。また、(C)、(D)に示す吸収帯のノズルも1平方センチ当たり4キログラムの圧力で中空円錐ノズルを使用しノズル当たり0.5リットル毎分の流速で使用した。また、オゾンガスを中和反応領域の(C)と(D)の間に入れる事により、オゾンガスからのスーパーオキシダイザー(過酸化分子)による水に溶解していない空気中の物質の酸化分解だけでなく水中への溶け込みによる有機物の酸化分解を促進した。
【0071】
悪臭や臭気やダストを吸収や吸着した水は図4に示した吸収塔の下部に溜まり、(C)より、図5の(d)に供給されバイオリアクターによる水処理を受ける。(20)の沈殿タンク内の水は夾雑物の沈殿除去の後吸収塔の(A)、(B)に再供給されるため、pHが速やかに上昇しアルカリ性の強い水となり、化学脱臭におけるアルカリ洗浄での酸性物質の吸着が生じた。
【0072】
(20)の沈殿タンクより一部の水は、(21)のアルカリ性の強い好気処理バイオリアクターによりアンモニア酸化細菌(ニトロソモナス)の活性を強く獲得しアンモニアを亜硝酸に酸化したため、一時的に高い亜硝酸濃度が得られた。
【0073】
更に、(C)、(D)で必要とされる水量だけの水が(23)、(24)のバイオリアクタータンクを通過する事で、(24)で亜硝酸酸化細菌(ニトロバクター)の活性がえられた。活性の獲得とともに亜硝酸濃度が低下し、硝酸濃度が上昇したので、低いpHの酸性水が得られるようになった。そして、その酸性の水が図4の(C)、(D)のノズルから供給され、この実施例の養豚舎での脱臭の安定を得る事が出来た。
【0074】
養豚舎で有るので、ホコリ(ダスト)が多く、パッキング材の閉塞が心配されたが、閉塞は生じなかった。更にパッキング材の表面に発生したバイオフィルムはスプレーの作用により脱落し、バイオリアクターでの水処理過程で消化され余剰の窒素成分を脱窒させるのに利用された。また、(21)のアルカリ性の強い状態で好気処理を行うバイオリアクターに養豚舎で有るためにアンモニアの過剰による装置全体のアルカリ化を防止するために有機物の供与体のキャリアーを使用した。
【0075】
この養豚舎での脱臭の初期のバイオリアクターのバイオマスが十分でない初期の性能は、オゾンガスを導入したが、22ppmのアンモニアガスと、ヨーロッパでの臭気単位として1200の臭気濃度のガスを供給した所、1ppmのアンモニアガス濃度と700の臭気濃度まで低下した。吸収塔においての反応時間は約1.9秒であった。臭気物質の残存が多くオゾンガスの供給性能は得られなかった。
【0076】
バイオリアクターのバイオマスが十分になり、性能が安定した状態での性能は、オゾンガスの使用と共にアンモニアを20ppmの濃度で、ヨーロッパの臭気単位で1200の臭気濃度のガスを与えた時に、アンモニア濃度は1ppm以下であり、160の臭気濃度への低下を得る事が出来た。この時点での反応時間は1.8秒であった。また、オゾンガスによる臭気の低減効果も得られた。アンモニアにおいては90%以上、臭気においては87%の低減効果が得られた。
【産業上の利用の可能性】
【0077】
以上の様に、本発明による悪臭や臭気の浄化と脱臭方法は廃棄物を生じないだけでなく、悪臭や臭気物質の殆どを化学脱臭と類似の程度まで低減する事ができる。養豚や養鶏場だけでなくゴミ処理場やコンポスト工場、畜産業における堆肥の製造場所など、有機物の生物分解に伴い発生する悪臭や臭気の対策に利用できる事は明らかであるが、食品の加工場や自然環境から発生しているガス等へも有効に利用できる可能性が有る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機物の生物分解に伴い発生する悪臭や臭気を含む空気の浄化および脱臭に対して、吸収塔の下部より悪臭や臭気を含む空気を導入し、下部の第1吸収帯において悪臭や臭気の成分を水に吸収や吸着をさせ、その水を第1吸収帯で再循環利用を行い、一部の水をバイオリアクターであるアルカリ性下での嫌気処理、アルカリ性下での好気処理、酸性化での好気処理、中性域での嫌気処理、中性域での好気処理のいずれか、あるいは、複数の系統を通じ、それらの生物処理の結果得られたアルカリ性や酸性や中性の水、中性域の水にオゾンガスを溶解した水やオゾンガスを、吸収塔の上部に配置した第2吸収帯で別々にあるいは混合して供給し使用する方法。
【請求項2】
請求の範囲第1項記載の空気の浄化および脱臭する方法はアンモニアの生物学的変換により浄化される事を含む。
【請求項3】
請求の範囲第1項と第2項目では、悪臭や臭気の浄化能力を高める。
【請求項4】
請求の範囲第1〜3項目では、ホコリ(ダスト等)を浄化する。
【請求項5】
請求の範囲第1〜4項目では、病原体を浄化する。
【請求項6】
請求の範囲第1〜5項目では、動物を生育させる建築構造物からの臭気を浄化する。
【請求項7】
請求の範囲第1〜6項目では、吸収塔の液滴に吸収や吸着物質が入る(溶解する)。
【請求項8】
請求の範囲第1〜7項目では、吸収塔の第1吸収帯で液滴のサイズ50〜5000マイクロメートルの大きさに吸収されるが、最も多く吸収される範囲は100〜4000マイクロメートルの大きさである。
【請求項9】
請求の範囲第1〜8項目では、吸収塔の第2吸収帯で液滴のサイズ10〜500マイクロメートルの大きさに吸収されるが、最も多く吸収される範囲は100〜300マイクロメートルの大きさである。
【請求項10】
請求の範囲第1〜9項目では、液ガス比1〜10で行われ、得られた水の0.1〜1がバイオリアクターの系列に導入される。
【請求項11】
請求の範囲第1〜10項目では、バイオリアクターの始めの沈殿調整槽でpH5から11、よりよい性能はpH6から10の範囲のである。
【請求項12】
請求の範囲第1〜11項目では、吸収塔の第1吸収帯での水の循環において、pH4〜10の範囲で有り、より良い性能はpH5〜9の範囲である。
【請求項13】
請求の範囲第1〜12項目では、吸収塔の第2吸収帯での水の循環はpH3〜9であり、より良い性能はpH4〜8の範囲である。
【請求項14】
請求の範囲第1〜13項目では、尿素を添加する事が出来る。
【請求項15】
請求の範囲第1〜14項目では、吸収塔の前で酸化剤を吸収剤と混合する事が出来る。
【請求項16】
請求の範囲第1〜14項目では、吸収塔に直接酸化剤を注入する事が出来る。
【請求項17】
請求の範囲第15と16項目では、酸化剤としてオゾンガスを入れられる。
【請求項18】
請求の範囲第15〜17項目では、ガスや水はさらに照射を受ける事が出来る。
【請求項19】
請求の範囲18項目では、照射として紫外線(UV)を使用できる。
【請求項20】
請求の範囲第1〜19項目では、水中の浄化を受ける物質は吸収塔の中に存在する微生物により、さらに生物学的分解を受ける。
【請求項21】
請求の範囲第1〜19項目では、吸収塔を常時洗浄するための水を供給する。
【請求項22】
請求の範囲第1〜21項目では、アンモニア臭気を80%以上減少させる。
【請求項23】
請求の範囲第1〜22項目では、臭気物質について少なくとも40%まで、ホコリ(ダスト)については少なくとも80%は減少させる。
【請求項24】
請求の範囲第1〜23項目では、吸着塔の第2吸収帯は1あるいは2種類の吸収帯から構成され、バイオリアクターからの1つあるいは複数の異なるpHの水が使用される。
【請求項25】
請求の範囲第24項目では、吸収塔の第2吸収帯の液滴のサイズが10〜5000マイクロメートルであり、より良い性能は50から4000マイクロメートルである。
【請求項26】
請求の範囲第24と25項目では、第2吸収帯は第1吸収帯後に設置されているが、第1吸収帯と等しくバイオリアクターからの各種の水を導入する事が出来、供給された水は第1吸収帯の水と混じり合わさる。
【請求項27】
請求の範囲第24と25項目の悪臭や臭気を含む空気を浄化するシステムは、吸収塔、吸収塔の下部と上部に有る吸収帯にバイオリアクターにより性質の異なる水を個別あるいは混合して供給する構造である。
【請求項28】
請求の範囲第27項目の下部の水の出口は、システムの配置によりバイオリアクター系列に越流による無動力接続をする事が出来る。
【請求項29】
請求の範囲第27と28項目では、システムとしてバイオリアクターによる水処理系列と水流により接続されている。
【請求項30】
請求の範囲29項目では、吸収塔とバイオリアクターによる水処理系列と直列に接続されている。
【請求項31】
請求の範囲第27〜30項目では、吸収塔の下部から集められた水を受水する沈殿タンクがバイオリアクターによる水処理系列に有り、その受水した一部が、さらに1個あるいは複数のバイオリアクターによる水処理装置に提供される。
【請求項32】
請求の範囲31項目において分配された水は、アルカリ性で好気処理を行う高速生物ろ過槽に接続される場合が有る。
【請求項33】
請求の範囲31項目での沈殿タンクは、システムに配水する水の割合を調整する調整槽の役割を兼ねる場合が有る。
【請求項34】
請求の範囲第27〜33項目での吸収塔は、1あるいは多くの吸収帯を備え、第1と第2の吸収帯へ1つあるいは多くの沈殿(調整)槽やバイオリアクターからの水が供給される。
【請求項35】
請求の範囲第27〜34項目では、スプレーノズルにより臭気の吸収成分を含む水が供給される。
【請求項36】
請求の範囲第35項目では、第1吸収帯で高容量スプレーノズルを使用できる。
【請求項37】
請求の範囲第36項目では、高容量スプレーノズルとしてスパイラル型を用いる事が出来る。
【請求項38】
請求の範囲第35〜37項目で第2吸収帯への臭気の吸収成分を含む水を導入するために、ホロコーン型のスプレーノズルを使用できる。
【請求項39】
請求の範囲第35〜38項目では、各々の吸収帯のノズルは均等に配置される。
【請求項40】
請求の範囲第27〜39項目では、吸収塔内に図3の様な充填材を配置する事が出来る。
【請求項41】
請求の範囲第40項目では、図3に示した吸収塔内の充填材を異なる高さで配置する事が出来る。
【請求項42】
請求の範囲第40と41項目では、充填材の整流板の角度は5〜20度で有り、高さと隙間と板の長さは5〜200ミリメートルの範囲に有る。
【請求項43】
請求の範囲第27〜42項目では、充填された材の表面で成長するバイオフィルムを形成する事が出来る。
【請求項44】
請求の範囲第27〜43項目では、酸化剤を供給する装置をさらに付加する事が出来る。
【請求項45】
請求の範囲第44項目では、酸化剤を供給する装置にオゾンガスの発生装置を使用できる。
【請求項46】
請求の範囲第27〜45項目では、更に吸収塔内に照射をする手段を使用できる。
【請求項47】
請求の範囲第46項目では、紫外線(UV)照射する手段を使用する事が出来る。
【請求項48】
請求の範囲第27〜45項目では、1つあるいは複数の沈殿槽や調整槽、脱気槽が有る。
【請求項49】
請求の範囲第27〜45項目では、請求の範囲第1〜26項目での方法を使用して浄化と脱臭を行うシステムである。
【請求項50】
請求の範囲第1〜26項目の方法でアンモニアの濃度1ppm以下にする性能。
【請求項51】
請求の範囲第50の項目で、生物の生産に関連する構造物を起源として発生するガスの浄化。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−520610(P2011−520610A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511977(P2011−511977)
【出願日】平成21年5月19日(2009.5.19)
【国際出願番号】PCT/DK2009/050113
【国際公開番号】WO2009/140970
【国際公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(510321550)玉川大学 農学部 (1)
【出願人】(593171592)学校法人玉川学園 (38)
【Fターム(参考)】