説明

生物分解性の紙を基材とするカップまたはパッケージ及び製造方法

基体表面と基体表面に置かれたコポリエステル(14、16)との間に介在するポリマー層が実質的に無い状態で基体(12)の少なくとも1つの表面の上に置かれた第1及び第2のコポリエステル層(14、16)を有する紙を基材とする基体(12)を含む、成形され紙を基材とする物品の例えば液体または固体であり高温または低温の食品製品のための容器において使用するのに適した生物分解性積層物(10)を開示する。積層物(10)から形成された生物分解性成形物品及び生物分解性積層物の形成方法も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物分解性の紙を基材とする積層物に関する。
使い捨て食品サービス用途のための紙コップは典型的に、100%紙コップの場合に一般的なように漏出することも柔らかくなることもなくより長い時間液体を保持するために、低密度ポリエチレン(LDPE)または他の同様の単数若しくは複数のポリマーで押出しコーティングされている。高温の飲料の例えばコーヒーのためのカップは、液体抵抗のために内側表面にLDPEの層を有する。清涼飲料及びその他同様なもののための低温の飲料用のカップは典型的に、カップの外側表面に形成される凝縮が紙を柔軟化することを防ぐために、両側の表面をLDPEでコーティングされている。LDPEコート量0.5〜1.5ミル(7.2〜21.6lb/3000ft2)が一般的である。
【0002】
こうしたタイプのカップは、1回または本当に最小の回数使用され、次に廃棄される。紙基体は典型的に分解可能であるが、LDPEコーティングは容易に分解可能(及びコンポスト化可能)ではなく、従って、カップは分解せずに埋立地に何年間も残るかもしれない。使用済みカップをより“環境に優しく”するために、LDPEの代わりに1つ以上の生物分解性ポリマーが望ましい。
【0003】
カップに加えて、他のコーティング済み紙製品の例えばゲーブルトップ板紙箱、折りたたみ箱、紙パウチ、サンドイッチ包装、紙プレート及びボール、並びに連包装も、本発明から利益を得ることができる。
【背景技術】
【0004】
従って本発明の目的は、この一般的なタイプの従来技術の材料及び方法の不利益を解決する、すなわちコンポスト環境において生物分解性である成形され紙を基材とする物品の例えば容器をコーティングするのに適した生物分解性積層物を提供することにある。
【0005】
本発明のさらなる目的は、成形され紙を基材とする物品をコーティングするのに適した生物分解性積層物の形成方法を提供することにある。
また本発明のさらなる目的は、生物分解性積層物を含む成形され紙を基材とする物品を提供することにある。
【0006】
前述の目的及び他の目的を考慮して、本発明によれば、成形され紙を基材とする物品の例えば液体または固体であり高温または低温の食品製品のための容器において使用するのに適した生物分解性積層物が提供される。生物分解性積層物は、2つ以上の表面を有し、基体表面と基体表面に配置された第1のコポリエステル層との間に介在するポリマー層が実質的に無い状態で、第1のコポリエステルの少なくとも1つの層及び第2のコポリエステルの少なくとも1つの層が基体の少なくとも1つの表面の上に置かれた、紙を基材とする基体を含む。第1のコポリエステル層は、紙を基材とする基体に接着を提供する内部層であり、第2のコポリエステル層は、冷却ロールスティッキング及びロールにおけるブロッキングを防ぐ外部層であり、第1の層と比較してより大きな熱安定性を提供する。第1のコポリエステル及び第2のコポリエステルは同一ではない。
【0007】
本発明のコポリエステル材料は、ベンゼン−1,4−ジカルボン酸と脂肪族二価アルコール並びに脂肪族ジカルボン酸及び環状二価アルコールからなる群から選択される少なくとも1つの反応物との共重合の生成物である。適切な二価アルコールは、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、及びエチレングリコールを含む。適切な脂肪族ジカルボン酸は、1,6−ヘキサン二酸、1,8−ノナン二酸、1,10−デカン二酸、及び1,12−ドデカン二酸を含む。適切な環状二価アルコールは、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、1,1,3,3−テトラクメチルシクロブタン−2,4−ジオール、及び1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトールを含む。
【0008】
特に好ましい第1のコポリエステルは、ベンゼン−1,4−ジカルボン酸とアジピン酸及び1,4−ブタンジオールとの共重合の生成物である。この生成物は、エコフレックス(ECOFLEX)及びイースターバイオ(EASTAR BIO)という商品名で市販されている。
【0009】
特に好ましい第2のコポリエステルは、ベンゼン−1,4−ジカルボン酸とエチレングリコール及び1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトールとの共重合の生成物である。この生成物は、バイオマックス(BIOMAX)という商品名で市販されている。
【0010】
コポリエステルの層を置く特に好ましい仕方は、適切には紙または板紙の移動するウェブの上への共押出しによる。
本積層物のコポリエステル材料は、コンポスト環境において生物分解性であると証明され(ASTM D6400−99の通りに試験して)、それによって積層物を、廃棄される前に一般に1回、または最小の回数使用される食品容器を形成する際に使用するための材料として非常に望ましいものにする。同様に、本積層物の生物分解性は、積層物を他の“1回使用(one-use)”の紙を基材とする製品の例えばサンドイッチ包装、連包装等において有用にする。
【0011】
1具体例においては、本積層物は、紙を基材とする基体の向かい合う表面に同じまたは他のコポリエステルの共押出層を提供されてよい。
また、本発明によれば、生物分解性の成形され紙を基材とする物品、例えば生物分解性容器または生物分解性積層物から形成され容器へと成形できるブランク若しくは半完成中間物が提供される。
【0012】
その上、本発明によれば、成形され紙を基材とする物品において使用するのに適した生物分解性積層物の形成方法が提供される。
本発明にとって特有とみなされる他の特徴を、添付の請求の範囲において述べる。
【0013】
本発明を、生物分解性の紙を基材とするカップまたはパッケージにおいて具体化されるものとして本明細書において示し、説明するが、それにもかかわらず、これは、示される詳細に限定されることを意図されておらず、というのは、本発明の精神から逸脱することなく及び請求の範囲の同等物の範囲内で、様々な修正及び構造上の変更をその中で行ってよいからである。
【0014】
本発明の作動の構成及び方法は、しかしながら、その追加の目的及び利点と一緒になって、添付図面に関連して読めば特定の具体例の以下の説明から最も良く理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
ここから図面の図を詳細に及び最初に特にその図1〜3を参照すると、積層物の基体12は、紙、一般に、全てが当分野において周知であるSBSカップ原料またはSUS(天然)クラフト折りたたみ箱板紙として周知の紙を基材とする原料を含むことを意味する、紙を基材とする生物分解性積層物10が示される。本発明の積層物はさらに、紙を基材とする基体の表面のうちの1つ18の上に共押出ししたコポリエステルの第1及び第2の層それぞれ14及び16を含む。
【0016】
図4に表すように、本発明の積層物の形成は、ロール22からSBSまたは他の許容可能な紙を基材とする基体の連続シート20を前方に、第1のコポリエステル26及び第2のコポリエステル28が供給される従来の共押出機24中に供給することを含む。第1及び第2のコポリエステルを、紙を基材とする基体の平坦な表面18の上に共押出しし、その後、完成した積層物30を、スピンドル32、またはその他同様なものの上に巻取ることによって集める。その後、適切にはまずブランクまたは中間物を製造し、これを完成物品に転換することによって、積層物を、食品製品のためのカップ、パウチ、ゲーブルトップ容器、または他の容器に形成してよい。このように形成された容器は、食品製品が低温であるかまたは高温であるかに関わり無く(加熱された及び冷却された食品製品の通常の温度限界の範囲内で)、液体、固体または半固体食品製品を含むために有用である。高温の食品製品の例は、約180°Fの高温のコーヒーである。低温の食品製品の例は、33〜40°Fのアイスティーである。
【0017】
好適な具体例においては、本発明の積層物の紙を基材とする基体は、SBS(固体漂白済みサルフェート)カップ原料またはSUS(固体未漂白サルフェート)(天然クラフト)折りたたみ箱板紙を含む。板紙厚さの好ましい範囲は、約100〜300lb/3000ft2の範囲にわたる。許容可能な原紙(基体)の他の例は、液体容器用板紙、SBS折りたたみ箱板紙、天然クラフトカップ原料、軽量クラフトまたはSBS紙、及び消費者後廃棄物(post-consumer waste)(“再生された”)含量を有する板紙または紙を含む。軽量紙は、100lb/3000ft2未満と定義される。液体容器用板紙を、製品の例えば乳製品のためのゲーブルトップ板紙箱のために使用してよい。軽量紙の使用は、粉末またはオートミールのような他の乾燥した製品のためのパウチ、素早く給仕するレストランのためのサンドイッチ包装、及びコピー用紙のための連包装を含む。
【0018】
図1及び2に表すように本発明の1態様によれば、紙を基材とする基体の少なくとも1つの平坦な表面に、コポリエステルの共押出組合せ、すなわち、1,4−ベンゼンジカルボン酸(テレフタル酸)、1,4−ブタンジオール、及びアジピン酸並びに鎖伸長剤(chain extender)または分岐剤(branching agent)の共重合から製造されたコポリエステル(エコフレックス(登録商標)という名称でBASFから入手可能であり、融点(MP)範囲212〜248°Fを有する)、または1,4ベンゼンジカルボン酸(テレフタル酸)、1,4−ブタンジオール及びアジピン酸の共重合から製造されたコポリエステル(得られたコポリエステルは、ポリ(テトラメチレンアジペート−co−テレフタレートである)(イースターバイオ(登録商標)という名称でイーストマン・ケミカル/ノバモント(Eastman Chemical/Novamont)から入手可能であり、MP226°Fを有する)、及び1,4−ベンゼンカルボン酸、エチレングリコール、及び1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトールの縮合反応によって製造されたコポリエステル(バイオマックス(登録商標)という名称でデュポン(DuPont)から入手可能であり、MP383°Fを有する)を適用する。
【0019】
図1に表すように、高温の食品製品のための容器と共に使用するための好適な具体例においては、紙を基材とする基体は、その1つの平坦な表面に、エコフレックス及びバイオマックスの共押出層が提供される。個々にコンポスト環境において、エコフレックス樹脂の約90%は約80日以内に生物分解し、バイオマックス樹脂の約95%は約63日以内に生物分解する。大学の研究室によって行った研究において、コーティング済み積層物の90%を超えるものは約88日で生物分解し、ASTM規格D6400−99及びD6868に従って、生物分解性/コンポスト化可能性のための基準に適合する。
【0020】
高温の食品容器のためのこの好適な具体例においては、総共押出しコート量約10〜約40lb/3000ft2を、約80/20〜20/80重量部のエコフレックス対バイオマックスの任意の組合せにおいて用いてよい。処理性及び最終用途性能の両方のために、総コート量約25lb/3000ft2が好ましい。好ましくは、バイオマックスを約5〜約20lb/3000ft2で適用し、総コート量の残りはエコフレックスである。高温の飲料用のカップの場合、例えば、共押出しを、紙を基材とする基体のコーティング済みの側に適用する。希望に応じてまたは必要に応じて、基体表面の火炎及び/またはコロナ前処理を用いて、接着を向上させてよい。より軽い総コート量を用いてよいが、その後の完成パッケージ(カップ、ゲーブルトップ容器等)におけるヒートシール品質の損失の可能性がある。より重い総コート量も使用してよいが、材料コストがこのようなより重い総コート量の任意の逐次増加する性能利点に勝るかもしれず及び/または容器の全分解速度を遅くするかもしれない。
【0021】
さらに、生物分解の目的での積層物における単層としてのエコフレックスの使用は、典型的に、冷却ロールスティッキング及び完成積層物のロールにおけるブロッキングを防ぐためにスリップ/アンチブロック添加剤パッケージを必要とすることが見い出された。さらに、単層として適用された場合、コポリエステルのうちの1つ以上を用いてかなりのネックインを経験し、過度のトリム及び廃棄物をもたらす。バイオマックスは、特に、単層として適用された場合、紙を基材とする基体に満足に接着しない。それに反して、言及したコポリエステルの本発明に従う組合せを用いることは、単層として適用された場合のコポリエステルの欠点を解決する際に有効であることが見い出された。
【0022】
低温の食品製品のための容器は、好ましくは、図3に表すように積層物から形成される。この表した積層物は、基体の1つの平坦な表面に提供された共押出イースターバイオまたはエコフレックス(好ましくはエコフレックス)及びバイオマックスの第1の層を有する紙を基材とする基体を含み、バイオマックスは、基体から最も遠くに配置される。さらに、共押出イースターバイオまたはエコフレックス(好ましくはエコフレックス)及びバイオマックスの第2の層は、基体の向かい合う平坦な表面に提供され、バイオマックスは再度、基体から最も遠くに配置される。低温の食品容器のためのこの具体例においては、コポリエステルの共押出層は(基体のどちらの側に層が配置されるかに関わり無く)、約80/20〜20/80重量部のエコフレックス対バイオマックスの任意の組合せにおいて、総コート量約10〜約40lb/3000ft2を有する。総コート量約25lb/3000ft2が好ましい。高温の食品製品と共に使用することを意図した積層物におけるように、低温の食品製品と共に使用することを意図したこの積層物においては、バイオマックスをコート量約5〜20lb/3000ft2で適用し、総コート量の残りはエコフレックスまたはイースターバイオである。
【0023】
さらなる具体例においては、図1に表すように、紙を基材とする基体12は、基体の平坦な表面のうちの1つにイースターバイオ14及びバイオマックス16の共押出層を提供されることができる。この具体例においては、総コート量約10〜約40lb/3000ft2を、約80/20〜20/80重量部のイースターバイオ対バイオマックスの任意の組合せにおいて用いてよい。総コート量約25lb/3000ft2が好ましい。バイオマックスをコート量約5〜20lb/3000ft2で適用し、総コート量の残りはイースターバイオである。
【0024】
希望に応じて、費用節約の措置として及び生物分解性樹脂材料の幾らかを置き換えることによって分解速度の増大を提供するために、炭酸カルシウムを、コポリエステル押出品のいずれかまたは全てに加えてよい。他の可能な有機及び無機充填剤を、炭酸カルシウムと共にまたは代わりに用いてよく、これは、デンプン、クレイ、カオリン、タルク、セルロース繊維、及びケイソウ土を含む。
【0025】
BASFのエコフレックス及びデュポンのバイオマックスからなる2層共押出しコーティングを、SBSカップ原料及び天然クラフト折りたたみ箱板紙に適用した。SBS及びクラフトの坪量は、180〜210lb/3000ft2の範囲内だった。2つの樹脂の融解処理温度は、それぞれ450°F及び465°Fだった。
【0026】
適用されたコート量は、12.5lb/3000ft2のエコフレックス及び12.5lb/3000ft2のバイオマックスだった。総コート量少なくとも10lb/3000ft2〜25lb/3000ft2は、良好な溶融強度及び共押出しカーテンの最小の縁部織り(edge weave)を提供した。
【0027】
上記に述べたように製造したSBSカップ原料及びSUS折りたたみ箱板紙の表面に共押出しされた生物分解性積層物を有するブランク及び中間物材料を、PMC1000カップ形成装置上で、140カップ/分の速度で、カップに転換した。全てのカップが、漏出もコーティングの軟化もコーティングによる飲料の目に見える汚染も無しに、コーヒー(180°Fで)を少なくとも25分間保持するための試験に合格した。
【0028】
ヒートシール試験を、標準的な低密度ポリエチレン(LDPE)コーティング済みカップ原料及び上にエコフレックス及びバイオマックスを共押出しされたコーティング済みクラフト折りたたみ箱材料に関して行った。各基体につき、試料は、バーバー−コールマンシーリングユニット(Barber-Coleman sealing unit)において、コーティング済みの側から未コーティングの側に置かれた。シーリング圧力を80psiで一定に保持し、ドエル時間を5秒で保持した。100%繊維引裂(fiber tear)が得られる最低温度を決定するために、温度を変化させた。シーリング工程に続いて、試料を30秒間冷却し、その後、手で層を引き離し、繊維引裂の程度を目視評価した。標準的なLDPEコーティング済みカップ原料の場合、最低シーリング温度は215°Fだった。エコフレックス及びバイオマックスでコーティングしたクラフトボールは、わずかにより低い最低温度210°Fでシーリングされた。
【0029】
本発明の1態様によれば、2つのコポリエステルの共押出しは、多数の利益を提供することが言及されている。例えば、イースターバイオ及びエコフレックスは、紙に十分に接着し、100%繊維引裂をもたらす。一方、バイオマックスと紙との間の接着のレベルははるかに低く、非常に小さい繊維引裂をもたらす。従って、本発明においては、共押出しのイースターバイオまたはエコフレックス層は、板紙基体に直接に隣接して配置されて、良好な接着を得る。バイオマックスは、イースターバイオまたはエコフレックスよりも粘着しない。従って、共押出しのバイオマックス層は、積層物の層の最も遠くにに配置されて、積層物の冷却ロールへのスティッキングを防ぎ、ロールにおける積層物のブロッキングを妨げる。
【0030】
さらに、バイオマックスは、イースターバイオまたはエコフレックスよりもかなり高い融点を有し(Tm=バイオマックスの場合383°F対イースターバイオの場合226°F及びエコフレックスの場合212〜248°F)、その結果、バイオマックスを、高温の食品製品と接触した状態になっている積層物の最も遠い層として位置決めすることは、積層物から形成された容器が、高温の食品製品によるコーティングの劣化及び軟化により良好に耐えることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の様々な特徴を具体化する積層物の具体例を表す概略斜視図である。
【図2】本発明の様々な特徴を具体化する積層物の具体例を表す概略斜視図である。
【図3】本発明の様々な特徴を具体化する積層物の第2の具体例の略図である。
【図4】本発明の積層物の形成のプロセスの線図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のコポリエステルの少なくとも1つの層及び第2のコポリエステルの少なくとも1つの層が積層した紙を基材とする基体を含み、前記層は前記基体の少なくとも1つの表面の上に置かれた、生物分解性積層物において、第1の層は、前記紙を基材とする基体に接着を提供する内部層であり、第2の層は、冷却ロールスティッキング及び該ロールにおけるブロッキングを防ぎ、前記第1の層と比較してより大きな熱安定性を提供する外部層である、生物分解性積層物。
【請求項2】
前記第1及び第2の層の前記コポリエステルは、ベンゼン−1,4−ジカルボン酸と脂肪族二価アルコール並びに脂肪族ジカルボン酸及び環状二価アルコールからなる群から選択される少なくとも1つの反応物との異なった共重合生成物である、請求項1に記載の生物分解性積層物。
【請求項3】
前記二価アルコールは1,4−ブタンジオールであり、前記少なくとも1つの反応物は1,6−ヘキサン二酸である、請求項2に記載の生物分解性積層物。
【請求項4】
前記二価アルコールはエチレングリコールであり、前記少なくとも1つの反応物は1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトールである、請求項2に記載の生物分解性積層物。
【請求項5】
前記第1及び第2の層の前記コポリエステルは、ベンゼン−1,4−ジカルボン酸と脂肪族ジヒドロキシアルコール並びに脂肪族ジカルボン酸及び芳香族ジヒドロキシアルコールからなる群から選択される少なくとも1つの反応物との異なった共重合生成物である、請求項1に記載の生物分解性積層物。
【請求項6】
コポリエステル層は異なる融点を有し、より低融点のコポリエステルは、前記基体とより高融点のコポリエステルとの間に配置される、請求項1に記載の生物分解性積層物。
【請求項7】
第1のコポリエステル及び第2のコポリエステルの比率は、20重量部の前記第1のコポリエステル対80重量部の前記第2のコポリエステル〜80重量部の前記第1のコポリエステル対20重量部の前記第2のコポリエステルの範囲にわたる、請求項1に記載の生物分解性積層物。
【請求項8】
前記第1及び第2のコポリエステルの総コート量は、約10〜約40lb/3000ft2の範囲内である、請求項1に記載の生物分解性積層物。
【請求項9】
第1及び第2のコポリエステルの総コート量は、25lb/3000ft2である、請求項8に記載の生物分解性積層物。
【請求項10】
無機充填剤は、少なくとも1つのコポリエステル層に加えられる、請求項1に記載の生物分解性積層物。
【請求項11】
前記無機充填剤は炭酸カルシウムである、請求項10に記載の生物分解性積層物。
【請求項12】
前記コポリエステル層はヒートシールされることができる、請求項1に記載の生物分解性積層物。
【請求項13】
ASTM規格D6400−99及びD6868に指定されるように生物分解性/コンポスト化可能性のための基準に従って生物分解するように構成された、請求項1に記載の生物分解性積層物。
【請求項14】
少なくとも2つの表面及び基体の少なくとも1つの表面に提供された生物分解性積層物を有する紙を基材とする基体を含む生物分解性の紙を基材とする成形物品において、前記積層物はこれに積層した第1のコポリエステルの内部層を有し、第1のコポリエステル層は前記紙を基材とする基体に接着を提供し、第2のコポリエステルの外部層は冷却ロールスティッキング及び該ロールにおけるブロッキングを防ぎ、第1の層と比較してより大きな熱安定性を提供し、第1及び第2の層のコポリエステルは、ベンゼン−1,4−ジカルボン酸と脂肪族二価アルコール並びに脂肪族ジカルボン酸及び環状二価アルコールからなる群から選択される少なくとも1つの反応物との異なった共重合生成物である、生物分解性の紙を基材とする成形物品。
【請求項15】
前記紙を基材とする基体は、前記基体の1つの表面に提供された第1及び第2のコポリエステルの層を有し、前記第1及び第2のコポリエステルの第2の層は、前記基体の向かい合う表面に提供される、請求項14に記載の生物分解性成形物品。
【請求項16】
前記紙を基材とする基体は、前記基体の1つの表面に提供された前記第1及び第2のコポリエステルの層を有し、前記基体の向かい合う表面は未コーティングである、請求項14に記載の生物分解性成形物品。
【請求項17】
カップ、ゲーブルトップ板紙箱、折りたたみ箱、紙パウチ、サンドイッチ包装、紙プレート及びボール、連包装並びにこれらの製造のためのブランクからなる群から選択される形状を有する、請求項14に記載の生物分解性成形物品。
【請求項18】
低温の食品製品のためのカップを製造する際に使用するためのブランクである、請求項14に記載の生物分解性成形物品。
【請求項19】
低温の食品製品のためのカップである、請求項14に記載の生物分解性成形物品。
【請求項20】
請求項15に記載の積層物から構成されたパウチ、ゲーブルトップ板紙箱、または液体、固体、若しくは半固体食品及び非食品製品のための他の容器。
【請求項21】
請求項15に記載の積層物から構成されたパッケージング包装。
【請求項22】
生物分解性の紙を基材とする成形物品の形成方法であって:
a)坪量100〜300lb/3000ft2の範囲内及び少なくとも1つの平坦な表面を有する紙を基材とする基体を提供する工程と;
b)前記基体の少なくとも1つの平坦な表面に少なくとも1つの第1のコポリエステル及び少なくとも1つの第2のコポリエステルの積層物を適用し、前記第1のコポリエステル及び前記第2のコポリエステルは異なる工程と;
c)前記物品を成形する工程と;を含む方法において、
第1のコポリエステルの層は、前記紙を基材とする基体に接着を提供する内部層であり、第2のコポリエステルの層は、冷却ロールスティッキング及び該ロールにおけるブロッキングを防ぎ、前記内部層と比較してより大きな熱安定性を提供する外部層であり、前記第1及び第2のコポリエステルは、ベンゼン−1,4−ジカルボン酸と脂肪族二価アルコール並びに脂肪族ジカルボン酸及び環状二価アルコールからなる群から選択される少なくとも1つの反応物との異なった共重合生成物である、方法。
【請求項23】
前記第1及び第2のコポリエステルは、ベンゼン−1,4−ジカルボン酸と脂肪族ジヒドロキシアルコール及び反応物を形成する脂肪族ジカルボン酸または芳香族ジヒドロキシアルコールとの異なった共重合生成物である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
コポリエステルの総コート量は、約10〜約40lb/3000ft2の範囲内である、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記第1及び第2のコポリエステルは異なる融点を有し、より低融点のコポリエステルは、前記基体とより高融点のコポリエステルとの間に配置される、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
コポリエステルの層は前記基体の1つの表面に適用され、コポリエステルの第2の層は、前記基体の向かい合う表面に適用される、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
コポリエステルの層は前記基体の1つの表面に適用され、前記基体の向かい合う表面は未コーティングである、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
少なくとも2つのコポリエステルは、紙または板紙の移動するウェブの上に一緒に共押出しされることによって、前記基体に適用される、請求項22に記載の方法。
【請求項29】
第1及び第2のコポリエステル層のための押出し融解温度は、440〜510°Fの範囲内である、請求項28に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−513234(P2008−513234A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−531308(P2007−531308)
【出願日】平成17年9月8日(2005.9.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/031888
【国際公開番号】WO2006/031568
【国際公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(504293447)インターナショナル・ペーパー・カンパニー (15)
【Fターム(参考)】