説明

画像データ分類機能を備えた撮像装置およびプログラム

【課題】記憶媒体の大容量化に伴い、記憶媒体に記憶される画像データは膨大な数になり得るが、含まれる多くの画像データの中から、思い出に残っているシーンの画像データのみを検索するには、検索作業に費やす時間が増加して操作が煩雑になってしまう。
【解決手段】入射した光を電気信号に変換する撮像素子13の出力をデジタル値に変換して画像データを得る撮像装置において、前記画像データに含まれる特徴点情報を抽出する特徴点情報処理部17と、前記特徴点情報を分類する分類項目と、前記分類項目に応じた分類条件を入力する操作キースイッチ31と、前記画像データを前記分類条件に従って分類するCPU21と前記分類された画像データを表示する液晶モニタ30とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換素子を用いた撮像装置で得られた画像データの処理に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラなどの撮像装置で撮影した画像データは、撮像装置の内部記憶媒体または撮像装置に挿入された記憶媒体に保存される。近年その記憶媒体の容量は増大し、それに伴って記憶媒体内に保存されている画像データの数も膨大になっている。
【0003】
従来、大容量の記憶媒体に格納されている膨大な数の画像データから、目的とする1枚の画像を見つけるには、パーソナルコンピュータ(以下、PC)で画像データを一覧表示させるか、あるいは、撮影した被写体の画像データを撮像装置に直接接続して印刷する機能を備えたプリンタ等の印刷装置で印刷するか、撮像装置本体に備えられた液晶モニタなどの表示デバイスに、画像を出力して操作部材によって画像を順に切り換えるなどして、使用者が対象となる画像を検索している。
【0004】
また、撮像装置の内部記憶媒体または撮像装置に挿入された記憶媒体に保存した画像データと縮小画像データを用いて検索用インデックス画像データを生成し、この検索用インデックス画像データにより、画像データの検索を可能とする提案がなされている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2000−175147号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、検索用画像データを生成することによって検索の容易性は向上するが、使用者が対象となる画像を選択するという行為に変わりはない。
【0006】
使用者による画像データの選択が必要となる場合として、例えば複数人で旅行をした際に撮影された画像を配布もしくは印刷する場合が考えられる。複数人で旅行をした場合に撮影される画像には、風景とともに、旅行をした当人達だけが写っているもの、当人達と別の人物も写っているもの、当人達とは別の人物のみが写っているもの、あるいは、風景だけが写っているものと様々なシチュエーションのものが含まれることが考えられる。これらの画像が含まれる画像データの中から、思い出に残っているシーンの画像データのみを印刷したり、写っている人物ごとにフォルダに分けたり、携帯可能な記憶媒体に保存したり、あるいは転送したりする際に、使用者が表示デバイスに表示された画像を確認しながら対象となる画像データを検索する従来の方法では、画像データの総数が多い場合は、使用者が検索作業に費やす時間が増加して操作が煩雑になってしまう。
【0007】
また、目的とする画像が撮影されてから長い時間が経過している場合は、さらに検索作業は困難となる。例えば上記の旅行の前後にも複数の旅行を行っている場合、目的の画像がどの旅行の際のどの場所で撮影したものであるか、時間の経過とともに記憶が曖昧となり、上記のような従来の方法による検索では、使用者が検索作業に費やす時間はさらに増加し、さらに操作が煩雑になってしまう。
【0008】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、画像データを検索する際に、その画像データを撮影した際の撮影条件とその画像データから抽出された特徴点情報を用いることによって画像の分類を行い、目的とする画像の検索を簡便にする機能を有する撮像装置を提供することを主な目的とする。
【0009】
また、この画像データの撮影条件と特徴点情報を用いることに基づいて、前記の分類処理を実行するためのPC上で動作するプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、入射した光を電気信号に変換する撮像素子の出力をデジタル値に変換して画像データを得る撮像装置において、画像データの特徴点情報を用いて、画像データを分類して表示することを特徴とする。
【0011】
また、画像データの撮影条件と特徴点情報を分類項目に応じた分類条件との比較対象として、画像データに付随させて保存してもよい。画像データから抽出された特徴点情報に加えて、画像データを撮影した際の撮影条件をも加味して分類することで、より曖昧な記憶からでも目的とする画像の検索が可能になる。
【0012】
また、本発明の撮像装置は、分類された画像データを印刷する印刷手段及び/または分類された画像データを外部に送信する送信手段を備えていてもよい。さらに、分類された画像データを記憶媒体に保存する保存手段を備えていてもよい。これらによって、分類された画像データを、そのまま印刷したり、外部に送信したり、記憶媒体に保存したりすることが可能になるので、使用者の手間を軽減することができる。
【0013】
また、分類された画像データと結び付けられたインデックスとして、画像データの名前、または分類された画像データの記憶媒体内の論理的な位置、または分類された画像データの記憶媒体内の物理的な位置を保存してもよい。分類した画像データをインデックスで保持することにより、記憶媒体の容量を節約することができる。
【0014】
また、分類された画像データをさらに細かく分類するため、繰り返し絞り込みの分類を行ってもよい。
【0015】
また、本発明のプログラムは、コンピュータを、画像データに付随する撮影条件及び/または特徴点情報に応じて画像データを分類する画像データ分類手段として機能させるためのプログラムである。これによって、PCを画像データ分類手段として使用することが可能になり、本発明の用途を大きく広げるものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、大容量の記憶媒体に保存されている膨大な数の画像データを、一枚一枚の画像データを表示デバイス等で表示せずとも、分類項目に従って自動的に分類することが可能となる。
【0017】
さらに、大容量の記憶媒体に保存されている膨大な数の画像データを、一枚一枚の画像データを表示デバイス等で表示せずとも、目的の画像データに対する曖昧な印象に基づいて自動的に分類することが可能となる。
【0018】
これらの作用により、大容量の記憶媒体に保存されている膨大な数の画像データから目的の画像データを検索する際に、使用者の操作が簡便になるだけでなく、処理が自動化されるために時間の短縮にもつながる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例について説明する。
【0020】
(実施例1)
図1は本実施例の撮像装置であるデジタルカメラの構成を簡易に示したブロック図である。
【0021】
11は撮像素子13に被写体像を結像するための撮像レンズであり、12は絞りである。13はCCD等の、入射した光を電気信号に変換する撮像素子である。14はA/D変換器であり、撮像素子13の出力信号をデジタル値に変換して画像データを得る。15はA/D変換部14から出力された画像データにγ補正等の処理を施す画像処理部である。16は画像処理部15から出力された画像データを圧縮する圧縮処理部である。17は圧縮処理部16より出力される画像データを参照し、画像の色分布の取得や顔認識処理を行って個人特定情報を取得するなど、画像データに含まれる特徴点情報を抽出する、特徴点情報処理部である。この特徴点情報処理部17は画像処理部15に含まれる構成であってもかまわない。18は圧縮処理部16で得られた画像データと特徴点情報処理部17で得られた特徴点情報を一時的に保存するメモリである。特徴点情報については後述する。24はメモリ18内の特徴点情報と画像データが記憶される記憶媒体であり、撮像装置に固定されてあっても着脱可能であっても構わない。19は撮像素子13及びA/D変換器14を駆動する駆動部である。22は撮像素子13に対する入射光量を調節する絞り羽根を制御して駆動する絞り制御部である。23は撮像レンズ11を駆動して焦点距離を調節するレンズ制御部である。32は撮影開始を指示するレリーズスイッチである。20はデジタルカメラ全体の動作制御を司る全体制御部である。全体制御部20には、人工衛星を利用して地球上のどこにいるのかを正確に割り出す、GPS(Global Positioning System)25、現在の日時を得るためのRTC(Real Time Clock)26、現在の温度を得るための温度計27、現在の湿度を得るための湿度計28、周囲の音の大きさを得るためのマイク29などが接続され、全体制御部20内部にあるCPU(Central Processing Unit)21で撮影条件の一部として読み出すことができる。また、全体制御部20には、分類された画像データを抽出して表示する液晶モニタ30や、分類条件を入力したり、分類を開始/停止を選択したりするための操作キースイッチ31も接続されている。
【0022】
全体制御部20は、例えば、レリーズスイッチ32の操作に応じた制御、焦点距離の調節や露光量の調節、及びメモリ18や記憶媒体24へのデータの書き込み制御及び読み出し制御を行う。この全体制御部20内部にあるCPU21が所定のプログラムを読み出して実行することで、本実施例における機能を実行する。
【0023】
特徴点情報処理部17は、顔検出機能を有している。また、画像データに含まれている指定領域の輝度分布または色分布(ヒストグラム)を取得する機能を有している。
【0024】
本実施例におけるデジタルカメラのレリーズスイッチ32が押されてから画像データが記憶されるまでのフローチャートを、図2を用いて説明する。
【0025】
使用者がレリーズスイッチ32を操作すると、全体制御部20がこれを検知し撮影動作を開始する(ステップ101)。
【0026】
撮像レンズ11及び絞り12を通過した被写体からの光束を受光した撮像素子13の出力は、A/D変換器14でデジタル信号の画像データ(RAW形式の画像データ)に変換される(ステップ102)。
【0027】
画像処理部15は、A/D変換器14の出力データに黒引き処理、ホワイトバランスゲイン値演算、アパーチャ補正、輝度γ補正等を施して輝度信号Yを作成し、同時に、色補間やマトリクス変換、色γ補正等を施して色信号Cを作成し、YC形式の信号を形成する(ステップ103)。
【0028】
形成されたYC形式の画像データは圧縮処理部16に出力され、画像圧縮のフォーマットの一つであるJPEG形式の画像データを生成し、メモリ18に記憶する(ステップ104)。圧縮処理せずにRAW形式のままメモリ18に記憶しておいてもかまわない。
【0029】
また、YC形式の画像データを作成する間にGPS25、RTC26、温度計27、湿度計28、マイク29、全体制御部20で制御する制御パラメータなどから撮影条件を取得し、メモリ18に記憶する(ステップ105)。
【0030】
また、YC形式の画像データは特徴点情報処理部17で参照され、上述した顔検出機能や指定領域の輝度分布または色分布(ヒストグラム)を取得する機能によって、画像中の特徴点を取得し、メモリ18に記憶する(ステップ106)。
【0031】
メモリ18に記憶した撮影条件と特徴点情報を、例えば、Exif(Exchangeable Image File Format)情報のような画像データのヘッダ情報として作成し(ステップ107)、JPEG形式等の画像データにこのヘッダ情報を付随させて記憶媒体24に記憶させる(ステップ108)。
【0032】
なお、上記の特徴点情報の取得は必ずしもステップ106で行う必要はない。画像データの分類を行う際の処理速度が十分に高速であれば、画像データに含まれる特徴点情報を抽出しながら画像分類を行うことは可能である。
【0033】
また、上記のフローチャートではYC形式の画像データから特徴点情報の抽出を行ったが、撮像素子13の出力をデジタル化しただけのRAW形式の画像データに対しても適用できることは上述した通りである。
【0034】
次に、上述の手段によって記憶媒体24に記憶された画像データが分類されるまでのフローチャートを、図3を用いて説明する。
【0035】
使用者が液晶モニタ30に表示されるガイダンスを見ながら操作キースイッチ31を操作して、分類を実行するモードに入る(ステップ201)。
【0036】
次に、使用者が液晶モニタ30に表示されるガイダンスを見ながら操作キースイッチ31を操作して、どのような項目で分類を実行するかを選択し(ステップ202)、分類項目に応じた分類条件の入力を行う(ステップ203)と、画像データ分類のための画像データ検索動作を開始する(ステップ204)。図4は、液晶モニタ30に表示するガイダンスの例である。
【0037】
全画像の検索が終了していなければ(ステップ205)、順次画像データを読み出し(ステップ206)、入力された分類項目の分類条件に従って、画像データに付随する撮影条件、または特徴点情報を比較し(ステップ207)、分類条件に合致しているかどうかを自動的に判別する(ステップ208)。分類条件に合致していなければ次の画像データを読み出して同様の処理を行うため、ステップ205に戻る。分類条件に合致していれば、その画像データのインデックスを保存し、次のデータを読み出すため、ステップ205に戻る。画像データのインデックスについては後述する。
【0038】
全画像の検索が終了すれば(ステップ205)、画像データのインデックスが空であるかどうかを判定し(ステップ210)、空であれば分類条件に合致する画像が無かった旨のメッセージを液晶モニタ30に表示する(ステップ212)。空でなければ、画像データのインデックスを参照して、分類された画像データの一覧を液晶モニタ30に表示する(ステップ211)。
【0039】
上記の画像データのインデックスが空であった場合、分類項目の選択からやり直す場合は(ステップ213)、ステップ202に戻る。絞込みの分類を行う場合も同様にステップ202に戻るが、ステップ205からステップ209で検索対象となる画像データは、既にインデックスに保存された画像データのみが対象となる。
【0040】
ステップ213で実行しない場合は分類処理を終了する(ステップ214)。図5は、分類された画像データの一覧を表示した例である。その分類された画像データは、使用者が任意に選択し、印刷、外部への送信、記憶媒体に保存する、などの操作が行える。
【0041】
次に、上述の画像データのインデックスについて、図6を用いて説明する。
【0042】
一般的に記憶媒体24に記憶されているデータは、ユニークな(唯一の)ファイル名を持ち、ファイル名に結び付けられた論理的な位置情報と、論理的な位置情報に結び付けられた物理的な位置情報をもとに管理されている。記憶媒体24に記憶されている画像データも、記憶媒体24に、ユニークなファイル名と論理的な位置情報、物理的な位置情報によって管理され、記憶されている。
【0043】
図6のように画像フォルダの中に記憶されている画像データ(画像1から画像5)も、ユニークなファイル名、論理的な位置情報、物理的な位置情報によって管理されているため、そのうちの一つを知ることができれば、特定の一枚の画像データを読み出すことが可能である。インデックスは、ファイル名、論理的な位置情報、物理的な位置情報のいずれかを記憶したものであり、分類した画像データをインデックスで保持することにより、記憶媒体24の容量を節約することができる。インデックスを記憶媒体24ではなく、メモリ18に記憶することも可能である。
【0044】
インデックスを使用しない例として、図7のように分類した画像データを別フォルダにコピーして保存することもできる。この場合、記憶媒体24の容量を圧迫してしまうが、画像データを配布することを目的とする場合、インデックスを参照しながら画像データを選択する必要が無く、使用者の操作を簡便にすることができる。
【0045】
以上、画像データの撮影条件と特徴点情報の抽出と、画像データの撮影条件と特徴点情報を利用して画像データを分類する動作、分類したデータを保存する方法について説明した。また、上述した特徴点情報の抽出は、記憶媒体24に既に保存されている画像データや、外部の電子機器から転送されてメモリ18や記憶媒体24に保存された画像データに対して行うことも可能である。
【0046】
(実施例2)
本実施例では、JPEG形式もしくはRAW形式の画像データの特徴点情報を用いて、撮像装置もしくはPC等の情報処理装置上で画像データを分類することを特徴とする。
【0047】
例えば、まだ分類されていない画像データの特徴点情報を読み出し、これに基づいて使用者が作成した複数の任意のフォルダに割り振ったり、画像データを複製したりする。
【0048】
特徴点情報として領域毎の色分布を用いて画像データを分類する方法を、図8と図9を用いて説明する。
【0049】
図8のような画像データを検索したい場合、例えばこの画像データを撮影して長い時間が経過していれば、使用者が撮影時期や撮影場所を忘れてしまっている事がある。しかしその場合でも、画像データの「空が青く木々の緑が美しい画像」という印象だけが残っていれば、図9のように上下に領域を分割し、上が青、下が緑の画像データだけを分類できる。図9において、左上の「領域:上下」は画像を上下に分割することを示しており、左の9つに分割された領域に色名が記載されたパレットから、右の「上」及び「下」に該当する色を選択する。
【0050】
しかし、この例に挙げた図8の画像データを、領域ごとの厳密な色分布をもとに分類すると、分類条件に合致しない場合がある。図8の画像データであれば、例えば太陽の光によって色データが飽和して上部の色は白が一番多いかもしれないし、下部は緑よりも土や木の色である茶色が一番多いかもしれない。そこで、領域内の色分布は、上位2位または3位までの色を特徴点情報として持っておく。
【0051】
また、分類条件として選択する色相には、一定の幅を持たせることにより、印象に近い色を的確に指定できる。
【0052】
また、領域の分割は、上下、上下と中心、左右、左右と中心、4分割、4分割と中心程度とすることで、複雑な領域分割をしなくとも曖昧な印象を分類条件に的確に指定できる。デジタルカメラなどの撮像装置で画像を撮影する際、中心付近に撮影対象物を置く構図とする場合が多いため、中心の色分布を別に取得することで、印象に近い分類条件を指定することができる。例えば、領域の分割を4分割と中心とした場合、図10のような画像データは上下左右の周囲が黒で中心が白、という分類条件を指定すればよい。
【0053】
図11は特徴点情報として色分布を取得する領域を示す。領域1から領域5までの、領域毎の上位2位または3位までの色を特徴点情報として抽出することで、例えば上部の色の数は領域1と領域2の加算、左部の色の数は領域1と領域3の加算とすることで、全ての分割した領域の色分布を得ることができる。
【0054】
以上、色分布を特徴点情報とし、分類条件として利用して、画像データを分類する方法について説明した。
【0055】
(実施例3)
本実施例では、JPEG形式もしくはRAW形式の画像データの撮影条件と特徴点情報を用いて、分類項目と分類条件とを、使用者がわかりやすく簡便に指定できることを特徴とする。
【0056】
デジタルカメラなどの撮像装置使用者にとって、露光時間、レンズのF値、ISO感度、露光補正量、ストロボ発光量、レンズの焦点距離、画像圧縮率、γ補正量などの意味や、画像データの品質に与える影響と関連がわからない場合がある。また、検索したい画像データを撮影して長い時間が経過していれば、使用者が撮影時の撮影条件を忘れていることも考えられる。そのため、分類するための分類項目と分類条件は、記憶している印象を表現しやすいものがよい。
【0057】
図12は、撮影条件、特徴点情報と、実際に分類項目として指定する項目との関係を示した図である。縦の項目が撮影条件及び特徴点情報であり、横の項目が分類項目である。例えば、分類項目(体感温度)は、撮影条件の日付、時刻、気温、湿度、そして必要であれば位置情報をもとに決定する。検索したい画像を撮影した時は、寒かった、という印象さえあれば、寒いと感じる、例えば気温が10℃以下の画像データを検索する。暖かいという印象があれば、日付と気温、湿度を参照し、晩秋から春先にかけての平年の平均気温より高い気温の画像データを検索する。初夏から初秋には、心理的に暖かいという印象は持ちにくいため、検索対象から外すことができる。
【0058】
図13は、図12をもとに、使用者が分類項目と分類条件を表現しやすくした場合の、分類項目と分類条件のメニュー構成例を樹状図で示した。
【0059】
以上、使用者が検索したい画像データへの印象を分類項目と分類条件として指定することで、複数の関連する撮影条件と特徴点情報とを使用して、画像データを分類する方法について説明した。
【0060】
以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき説明をしたが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0061】
なお、上記実施例において、本発明の記憶手段、比較情報記憶手段は、記憶媒体24に相当する。また、本発明の特徴点情報抽出手段は、特徴点情報処理部17に相当する。また、本発明の分類項目入力手段と分類条件入力手段は、操作キースイッチ31に相当する。また、本発明の画像データ分類手段、読出手段、保存手段、インデックス保存手段は、全体制御部20内部にあるCPU21が所定のプログラムを読み出して実行することで実現している。また、本発明の表示手段は、液晶モニタ30に相当する。また、本発明の撮影条件抽出手段は、特徴点情報処理部17で特徴点情報抽出と同時に行われる。
【0062】
さらに、本発明の撮像装置は、画像データ分類手段によって分類された画像データを印刷する印刷手段及び/または画像データ分類手段によって分類された画像データを外部に送信する送信手段とをさらに備えていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明によれば、大容量の記憶媒体に保存されている膨大な数の画像データを、一枚一枚の画像データを表示デバイス等で表示せずとも、分類項目に従って自動的に分類することが可能となるので、デジタルカメラ、静止画撮影機能付きビデオカメラ、静止画撮影機能付き携帯電話のような静止画撮影機能を有する機器及びPCなどで実現される画像検索プログラムとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】撮像装置の構成を示すブロック図
【図2】撮像装置におけるレリーズスイッチが押されてから画像データが記憶されるまでのフローチャート
【図3】分類実行モードを選択し、分類を終了するまでのフローチャート
【図4】分類項目を指定するガイダンスを示す図
【図5】分類された画像データの一覧を表示した例を示す図
【図6】画像データとインデックスとの関係を示す図
【図7】画像データと分類された画像データの関係を示す図
【図8】検索する対象となる画像データの例を示す図
【図9】検索する対象となる画像データを分類する条件を入力する画面の例を示す図
【図10】検索する対象となる画像データの例を示す図
【図11】色分布を抽出する領域を示す図
【図12】抽象化された分類項目と撮影条件、特徴点情報との関係を示す図
【図13】分類項目の構成例を示す図
【符号の説明】
【0065】
11 撮像レンズ
12 絞り
13 撮像素子
14 A/D変換器
15 画像処理部
16 圧縮処理部
17 特徴点情報処理部
18 メモリ
19 駆動部
20 全体制御部
21 CPU
22 絞り制御部
23 レンズ制御部
24 記憶媒体
25 GPS
26 RTC
27 温度計
28 湿度計
29 マイク
30 液晶モニタ
31 操作キースイッチ
32 レリーズスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射した光を電気信号に変換する撮像素子の出力をデジタル値に変換して画像データを得る撮像装置において、
前記画像データを記憶媒体に記憶する記憶手段と、
前記画像データに含まれる特徴点情報を抽出する特徴点情報抽出手段と、
前記特徴点情報を分類する分類項目を入力する分類項目入力手段と、
前記分類項目に応じた分類条件を入力する分類条件入力手段と、
前記記憶媒体に記憶された前記画像データを前記分類条件に従って分類する画像データ分類手段と、
前記分類された画像データを前記記憶媒体から読み出す読出手段と、
前記読み出された画像データを表示する表示手段と、
を備えた撮像装置。
【請求項2】
前記画像データを撮影する時の撮影条件を抽出する撮影条件抽出手段をさらに備え、
前記記憶手段は、前記撮影条件と前記特徴点情報とを前記画像データに付随させて前記記憶媒体に記憶し、
前記画像データ分類手段は、前記画像データを、前記画像データに付随する前記撮影条件及び/または前記特徴点情報に応じて分類する、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記画像データ分類手段によって分類された画像データを印刷する印刷手段及び/または、
前記画像データ分類手段によって分類された画像データを外部に送信する送信手段、
をさらに備えた請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記画像データ分類手段によって分類された画像データを記憶媒体に保存する保存手段、をさらに備えた請求項1から3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記画像データ分類手段によって分類された画像データと結び付けられたインデックスを記憶媒体に保存するインデックス保存手段、
をさらに備えた請求項1から4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記画像データ分類手段は、前記画像データ分類手段によって分類された画像データをさらに分類するため、繰り返し絞込みの分類を行う、
ことを特徴とする請求項1から5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記撮影条件とは、日付、時刻、露光時間、レンズのF値、ISO感度、露光補正量、ストロボ発光量、レンズの焦点距離、ズーム倍率、画像サイズ、画像圧縮率、画像の天地方向、γ補正量、のうち、少なくとも一つを含む、
ことを特徴とする請求項1から6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記撮影条件とは、撮影時における場所、気温、湿度、音の大きさ、のうち、少なくとも一つを含む、
ことを特徴とする請求項1から7に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記特徴点情報とは、前記画像データの全体、または前記画像データをいくつかに分割した領域毎の輝度分布及び/または色分布である、
ことを特徴とする請求項1から8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記特徴点情報とは、前記画像データに含まれる人物を特定するための衣服の色及び/または模様の組合せ情報である、
ことを特徴とする請求項1から9に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記特徴点情報とは、前記画像データに含まれる人物の顔を特定するための顔の形状、及び/または座標位置を含む情報である、
ことを特徴とする請求項1から10に記載の撮像装置。
【請求項12】
コンピュータを、
前記画像データに付随する前記撮影条件及び/または前記特徴点情報に応じて前記画像データを分類する前記画像データ分類手段として、
機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−288409(P2007−288409A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−111766(P2006−111766)
【出願日】平成18年4月14日(2006.4.14)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】