説明

画像処理方法、及び画像形成装置

【課題】原稿における特定領域をその利用目的とともに過不足なく適切に指定可能な画像処理方法を提供する。
【解決手段】原点に係る基準情報、原点を基準として特定領域を指定するための領域指定情報、及び当該特定領域に係る利用目的情報が付加されている原稿を読み取り、前記読み取った原稿から、当該原稿に係る画像、並びに、前記基準情報、前記領域指定情報、及び前記利用目的情報を取得し、前記取得した基準情報及び領域指定情報に基づく前記特定領域に対し、前記利用目的に従う所定の画像処理を施し、前記画像処理後の原稿に係る画像を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿における特定の領域をその利用目的とともに過不足なく適切に指定可能な画像処理方法、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば秘密原稿の原本など、複数枚にわたる原稿の全てについて複写等の出力を禁止すべき社会的な要請が存在する。同様に、一枚の原稿における特定の領域についても出力禁止すべき社会的な要請が存在する。
【0003】
こうした要請に応えるために、原稿における特定の領域に、視覚を介して判読不能な濃度にて出力禁止パターンを付加しておき、かかる出力禁止パターンを有する原稿が読み取り検知されたとき、その出力禁止パターンの存在領域を白画像として置換出力することで、原稿の出力禁止を実現可能な画像形成装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、上記従来の技術では、原稿の出力を禁止するには、原稿における特定の領域に対して過不足なく出力禁止パターンを逐次付加してゆくことを要する。ところが、こうした逐次付加を適切に行うことは困難を極め、例えば、ユーザが望んでいるよりも狭いあるいは広い領域を出力禁止指定してしまうなど、特定の領域を過不足なく適切に指定することが難しかった。なお、こうした領域指定に係る利用目的は、出力禁止領域に係る指定を行う際に限られるものではない。
【特許文献1】特開平5−012422号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、従来技術では、原稿における特定の領域をその利用目的とともに過不足なく適切に指定することが難しかった点である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、原稿における特定の領域をその利用目的とともに過不足なく適切に指定可能な画像処理方法を提供することを目的として、原点に係る基準情報、前記原点を基準として特定領域を指定するための領域指定情報、及び当該特定領域に係る利用目的情報が付加されている原稿を読み取る原稿読取工程と、前記原稿読取工程で読み取った原稿から、当該原稿に係る画像、並びに、前記基準情報、前記領域指定情報、及び前記利用目的情報を取得する情報取得工程と、前記情報取得工程で取得した基準情報及び領域指定情報に基づく前記特定領域に対し、前記利用目的に従う所定の画像処理を施す画像処理工程と、前記画像処理工程で画像処理後の原稿に係る画像を出力する画像出力工程と、を備えたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る画像処理方法によれば、原点に係る基準情報、前記原点を基準として特定領域を指定するための領域指定情報、及び当該特定領域に係る利用目的情報が付加されている原稿を読み取り、前記読み取った原稿から、当該原稿に係る画像、並びに、前記基準情報、前記領域指定情報、及び前記利用目的情報を取得し、前記取得した基準情報及び領域指定情報に基づく前記特定領域に対し、前記利用目的に従う所定の画像処理を施し、前記画像処理後の原稿に係る画像を出力するので、従って、原稿における特定領域をその利用目的とともに過不足なく適切に指定可能な画像処理方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
原稿における特定領域をその利用目的とともに過不足なく適切に指定可能な画像処理方法を提供するといった目的を、原点に係る基準情報、前記領域指定情報、及び利用目的情報を原稿に付加しておき、これら各種情報が付加された原稿が読み取り取得されたとき、当該取得した基準情報及び領域指定情報に基づく特定領域に対し、前記利用目的に従う所定の画像処理を施し、前記画像処理後の原稿に係る画像を出力することによって実現した。
【実施例】
【0009】
以下、本発明実施例に係る画像処理方法、及び画像形成装置について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0010】
[本発明実施例に係る画像処理方法を適用した画像形成装置の概略構成]
図1は、本発明実施例に係る画像形成装置の概略構成を示すブロック図、図2は、同画像形成装置における操作パネル部の外観図である。
【0011】
本装置は、例えば、コピージョブ、Fax送信ジョブ、印刷ジョブ、又はネットワーク送信(メール送信やデータ送信)ジョブを含む諸機能が利用可能であり、マイクロコンピュータ及び専用のハードウェア回路等から構成される主制御部11によって制御される。この主制御部11に接続され諸機能を担う入出力機器として、本装置は、原稿読取部21、画像処理部31、エンジン部41、操作パネル部51、ファクシミリ通信部61、HDD(ハードディスクドライブ)63、並びに、ネットワークI/F(インタフェース)部65を備える。
【0012】
主制御部11は、スキャナ機能を実現するための動作制御を行うスキャナコントローラ13と、ファクシミリ機能を実現するための動作制御を行うファクシミリコントローラ15、プリンタ機能を実現するための動作制御を行うプリンタコントローラ17、並びに、コピー機能を実現するための動作制御を行うコピーコントローラ19を内蔵し、本装置全体の動作を統括制御する。
【0013】
本発明において原稿読取手段として機能する原稿読取部21は、図示しないスキャナを構成する画像照射ランプ23及びCCD(電荷結合素子: Charge Coupled Device )センサ25を含む。原稿読取部21は、画像照射ランプ23により原稿を照射し、その反射光をCCDセンサ25で受光することにより、原稿から画像を読み取り、読み取った画像に対応する画像データを画像処理部31へ出力する。
【0014】
本発明において画像処理手段として機能する画像処理部31は、補正部33、画像加工部35及び画像メモリ37を含む。画像処理部31は、原稿読取部21で読み取られた画像データを、必要に応じて補正部33及び画像加工部35で処理し、処理後の画像データを画像メモリ37に記憶させ、或いは、エンジン部41、ファクシミリ通信部61等へ出力する。補正部33は、原稿読取部21で読み取られた画像データに対してレベル補正、ガンマ補正等の所定の補正処理を行う。画像加工部35は、画像データの圧縮又は伸張処理、及び拡大又は縮小処理等の種々の加工処理を行う。
【0015】
エンジン部41は、図示しない給紙カセットや給紙ローラ等から構成される用紙搬送部43、図示しない感光体ドラム、露光装置、現像装置等から構成される画像形成部(本発明の「画像形成手段」に相当する。)45、図示しない転写ローラ等から構成される転写部47、及び図示しない定着ローラ等から構成される定着部49を含む。エンジン部41は、原稿読取部21で読み取られた画像データ、ネットワークI/F部65を介してLAN(Local Area Network)によりクライアントPC(パーソナルコンピュータ)等から送信された画像データ、ファクシミリ通信部61を用いて外部のファクシミリ装置等から受信したファクスデータ等の画像データを用いて画像を用紙に印刷する。具体的には、用紙搬送部43は用紙を画像形成部45へ搬送し、画像形成部45は上記の画像データに対応するトナー像を形成し、転写部47はトナー像を用紙に転写し、定着部49はトナー像を用紙に定着させて画像を形成する。
【0016】
操作パネル部51は、図1及び図2に示すように、タッチパネル部53及び機能キー部55を含む。操作パネル部51は、ユーザがスキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、コピー機能等に関する操作を行うために使用され、ユーザによる操作指令等を主制御部11に与える。
【0017】
タッチパネル部53は、タッチパネルとカラーLCD(Liquid Crystal Display)とを組み合わせたタッチパネルユニット等から構成され、種々の設定画面、例えば、コピー機能実行時には、原稿サイズ、コピーサイズ、複写部数などを設定するための情報を表示するとともに、ユーザが該当部分をタッチすることにより種々の操作指令を入力するための操作ボタン類を表示する。
【0018】
機能キー部55は、画像形成処理に係る各種機能を選択する際にユーザによって操作される複数の機能キー、並びに、ショートカットキーを備えており、例えば、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能など諸機能のなかから、所要機能のキー入力操作をユーザが選択的に実行する際に、又は、ユーザが複写部数やコピー実行指令などを操作入力する際に用いられる。
【0019】
ファクシミリ通信部61は、符号化/復号化部(図示省略)、変復調部(図示省略)及びNCU(Network Control Unit)(図示省略)を含む。ファクシミリ通信部61は、原稿読取部21によって読み取られた原稿の画像データを電話回線を介してファクシミリ装置等へ送信したり、ファクシミリ装置等から送信された画像データを受信する。
【0020】
HDD(ハードディスクドライブ)63は、原稿読取部21によって読み取られた画像データ及び同画像データに設定されている出力形式等の種々のデータ等を記憶する。HDDに記憶されている画像データは、画像形成装置、プログラム及び記録媒体内部で使用されるだけでなく、必要に応じて、ネットワークI/F部65を介してクライアントPC等から確認したり、クライアントPCやFTPサーバ等の所定のフォルダへ転送される。
【0021】
ネットワークI/F部65は、ネットワークインタフェース(10/100Base−TX)等を用い、LANを介して接続されたクライアントPC等のユーザ端末67に対する種々のデータの送受信を制御する。
【0022】
さて、原稿における特定の領域をその利用目的とともに過不足なく適切に指定可能とするために、本発明実施例に係る画像形成装置は、原点に係る基準情報、原点を基準として特定領域を指定するための領域指定情報、及び当該特定領域に係る利用目的情報が付加されている原稿を読み取る原稿読取部21と、原稿読取部21で読み取った原稿から、当該原稿に係る画像、並びに、前記基準情報、前記領域指定情報、及び前記利用目的情報を取得する情報取得部(本発明の「情報取得手段」に相当する。)71と、情報取得部71で取得した利用目的情報に基づいて、利用目的が出力禁止か否かに係る利用目的判定、並びに、基準情報及び領域指定情報を両者共に取得できたか否かに係る情報取得判定を行う情報判定部73と、利用目的が特定領域に係る原稿画像の出力禁止であるとき、特定領域に係る原稿画像に代えて置換出力するためのダミー画像を記憶するダミー画像記憶部75と、情報取得部71で取得した基準情報及び領域指定情報に基づく前記特定領域に対し、前記利用目的に従う所定の画像処理、具体的には、例えば、利用目的が特定領域に係る原稿画像の出力禁止であるとき、前記特定領域に係る原稿画像を、所定のダミー画像に置換する画像処理、を施す画像処理部31と、画像処理部31で画像処理後の原稿に係る画像を形成する画像形成部45と、を備えて構成されている。
【0023】
[本発明実施例に係る画像形成装置の動作]
次に、本発明実施例に係る画像形成装置の動作について、図3乃至図5を参照して説明する。図3は、本画像形成装置の動作フローチャートを示し、図4は、出力禁止に係る特定領域を有しない原稿を読み取って画像形成処理を行わせた際における出力画像例を示し、図5は、出力禁止に係る特定領域を有する原稿を読み取って画像形成処理を行わせた際における出力画像例を示す。
【0024】
図3に示すように、原稿読取部21における原稿自動送り装置(不図示)に原稿がセットされた後に、同原稿の複写指示が操作パネル部51を介してユーザに操作入力されると、主制御部11は、原稿読み取りの開始信号を原稿読取部21に送出する。これを受けて原稿読取部21は、原稿読み取りを開始する(ステップ11)。
【0025】
ステップS11で読み取られた画像データは、原稿読取部21から情報取得部71宛に送出される。これを受けて情報取得部71は、当該原稿に係る画像を取得する一方で、当該原稿に、原点に係る基準情報、前記原点を基準として特定領域を指定するための領域指定情報、及び当該特定領域に係る利用目的情報を含む各種情報が付加されているときには、これら各種情報を併せて取得する(ステップ12)。なお、本実施例では、原稿に対して、基準情報、領域指定情報、及び当該特定領域に係る利用目的情報を含む各種情報が付加されているものとして、以下の説明を進めるものとする。
【0026】
次いで、情報判定部73は、ステップ12で取得した利用目的情報に基づいて、当該特定領域に係る利用目的が出力禁止か否かに係る利用目的判定を行う(ステップS13)。
【0027】
ステップS13における利用目的判定の結果、当該特定領域に係る利用目的が出力禁止ではない旨の判定が下されたとき、情報判定部73は、この判定結果を画像処理部31宛に送出する。これを受けて画像処理部31は、通常の処理の流れに従って、原稿に係る画像データを画像形成部45宛に送出することで、ステップS17において通常の画像形成処理が行われることになる。
【0028】
一方、ステップS13における利用目的判定の結果、当該特定領域に係る利用目的が出力禁止である旨の判定が下されたとき、情報判定部73は、基準情報及び領域指定情報を両者共に取得できたか否かに係る情報取得判定を行う(ステップS14)。
【0029】
ステップS14における情報取得判定の結果、基準情報及び領域指定情報を両者共に取得できた旨の判定が下されたとき、情報判定部73は、この判定結果を画像処理部31宛に送出する。これを受けて画像処理部31は、情報取得部71で取得した基準情報及び領域指定情報に基づく特定領域に係る原稿画像を、ダミー画像記憶部75に記憶保持されている所定のダミー画像に置換する画像処理を行う(ステップS15)。ステップS15では、情報取得部71で取得した基準情報及び領域指定情報に基づいて精密に指定された特定領域に係る原稿画像が、その利用目的情報から出力禁止指定されたものであることに鑑みて、特定領域に係る原稿画像に代えて、所定のダミー画像(例えば、白画像、出力禁止画像である旨の警告表示、その他の適宜設定される画像)をはめ込むようにしている。
【0030】
一方、ステップS14における情報取得判定の結果、基準情報及び領域指定情報のうちいずれかを取得できない旨の判定が下されたとき、情報判定部73は、この判定結果を画像処理部31宛に送出する。これを受けて画像処理部31は、全ての領域に係る原稿画像を、ダミー画像記憶部75に記憶保持されている所定のダミー画像に置換する画像処理を行う(ステップS16)。ステップS16では、情報取得部71で取得した利用目的情報が出力禁止であるにもかかわらず、基準情報又は領域指定情報のうちいずれか一方が取得できない場合には特定領域を精密に指定することができないことに鑑みて、特定領域を指定したダミー画像のはめ込みに代えて、全ての領域に係る原稿画像に対して、所定のダミー画像をはめ込むようにしている。
【0031】
ステップS17において、画像処理部31は、ステップS15又はS16の画像処理後の原稿に係る画像データを画像形成部45宛に送出することで、特定領域又は全ての領域に係る原稿画像に代えて、所定のダミー画像がはめ込まれた、画像形成処理が行われた後、一連の処理の流れを終了させる。
【0032】
ここで、本発明実施例に係る特定領域(出力禁止領域)を含んだ原稿に対し、各種情報がどのような態様で付加されるのかが問題となる。これについて述べると、例えば原稿Dにおける向かって左上隅などの適宜の位置(この位置は、適宜設定変更可能である。)に、図4に示すような特定の画像パターン(バーコードでもよい)81を呈する各種情報(基準情報、領域指定情報、及び当該特定領域に係る利用目的情報を含む)を付加する態様を例示することができる。なお、基準情報は、図4に示す画像パターン81のうち所定の画像の存在位置が原点である態様で付加され、領域指定情報は、前記原点位置を、二次元座標空間における原点としてあてはめた上で、同二次元座標空間における相対的な位置情報(XY座標)と、領域の幅(W)及び高さ(H)に係る距離情報(なお、距離に係る単位情報を、基準情報として含ませておくように構成してもよい。)と、などの態様で付加される。後者の例をあげると、第1指定領域83が(X1,Y1,W1,H1)=(945,236,1180,709)、第2指定領域85が(X2,Y2,W2,H2)=(472,2362,1417,1890)などといったように表現形式で付加される。
【0033】
さて、図4に示す第1指定領域83及び第2指定領域85が、これら特定領域に係る利用目的が出力禁止指定されているときには、第1指定領域83及び第2指定領域85のそれぞれの画像に代えて、図5に示すように、出力禁止を警告表示するためのダミー画像が出力されることになる。
【0034】
[本発明実施例の効果]
以上述べたように、本発明実施例に係る画像処理方法によれば、原点に係る基準情報、原点を基準として特定領域を指定するための領域指定情報、及び当該特定領域に係る利用目的情報が付加されている原稿を読み取り、前記読み取った原稿から、当該原稿に係る画像、並びに、前記基準情報、前記領域指定情報、及び前記利用目的情報を取得し、前記取得した基準情報及び領域指定情報に基づく前記特定領域に対し、前記利用目的に従う所定の画像処理を施し、前記画像処理後の原稿に係る画像を出力するので、従って、原稿における特定領域をその利用目的とともに過不足なく適切に指定可能な画像処理方法を提供することができる。
【0035】
一方、本発明実施例に係る画像処理方法が適用された画像形成装置によれば、原稿における特定領域をその利用目的とともに過不足なく適切に指定可能な画像処理装置を提供することができる。
【0036】
[その他]
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、あるいは技術思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う画像処理方法及び画像形成装置もまた、本発明における技術的範囲の射程に包含されるものである。
【0037】
すなわち、例えば、本発明実施例において、特定領域(出力禁止領域)を含んだ原稿Dに対し、図4に示すような特定の画像パターン81によって各種情報(基準情報、領域指定情報、及び当該特定領域に係る利用目的情報を含む)を付加する態様を例示して説明したが、本発明はかかる実施例に限定されるものではなく、例えば電子すかしなど、あらゆる情報の付加態様を適宜採用することができる。
【0038】
また、本発明実施例において、二次元座標空間における相対的な位置情報(XY座標)を同定する際に用いられる距離に係る単位情報を、基準情報として含ませておく態様を例示して説明したが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。具体的には、例えば、図4に示す画像パターン81が位置する左上隅が原点である場合に、主走査方向の端点を示す画像パターン87を、その原稿Dにおける右上隅に付加すると共に、副走査方向の端点を示す画像パターン89を、その原稿Dにおける左下隅に付加しておき、原点と主走査方向の端点、又は原点と副走査方向の端点とのそれぞれの距離を把握した上で、距離に係る単位情報を適宜設定する態様を採用してもよい。
【0039】
さらに、本発明実施例において、「特定領域に係る利用目的」として、「出力禁止」を例示して説明したが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。具体的には、本発明でいう「特定領域に係る利用目的」としては、「1.オーバーレイ文字列に係る領域指定」や、「2.カラーマッチングルックアップテーブルを切替えるための領域指定」などをあげることができる。前者1の例では、原本(オリジナル)と複写物を見分けるために、領域指定情報と文字列情報をセットにして原稿に付加(埋め込み)しておき、コピー時には前記読み込んだ文字列情報に従って、指定された特定領域に「複写物」等の文字列をオーバーレイ印刷するといった、いわゆる地紋印刷技術を実現することができる。また、後者2の例では、写真や企業ロゴ等、よりオブジェクトに合ったカラーマッチングを行いたい領域に対して、領域指定情報とルックアップテーブル( LUT : LookUp Table )の識別番号(LUTは画像形成装置本体のテーブル記憶部に格納されている。)を原稿に付加(埋め込み)しておき、コピー時には前記読み込んだLUT識別番号に係る情報に従って、指定された特定領域のカラーマッチングLUTを切替えて色補正処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図2】同画像形成装置における操作パネル部の外観図である。
【図3】本画像形成装置の動作フローチャート図である。
【図4】出力禁止に係る特定領域を有しない原稿を読み取って画像形成処理を行わせた際における出力画像例を示す図である。
【図5】出力禁止に係る特定領域を有する原稿を読み取って画像形成処理を行わせた際における出力画像例を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
11 主制御部
21 画像読取部(画像読取手段)
31 画像処理部(画像処理手段)
45 画像形成部(画像形成手段)
71 情報取得部(情報取得手段)
73 情報判定部
75 ダミー画像記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原点に係る基準情報、前記原点を基準として特定領域を指定するための領域指定情報、及び当該特定領域に係る利用目的情報が付加されている原稿を読み取る原稿読取工程と、
前記原稿読取工程で読み取った原稿から、当該原稿に係る画像、並びに、前記基準情報、前記領域指定情報、及び前記利用目的情報を取得する情報取得工程と、
前記情報取得工程で取得した基準情報及び領域指定情報に基づく前記特定領域に対し、前記利用目的に従う所定の画像処理を施す画像処理工程と、
前記画像処理工程で画像処理後の原稿に係る画像を出力する画像出力工程と、
を備えたことを特徴とする画像処理方法。
【請求項2】
請求項1記載の画像処理方法であって、
前記利用目的は、前記特定領域に係る原稿画像の出力禁止であり、
前記画像処理工程では、
前記特定領域に係る原稿画像を、所定の画像に置換する、
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項3】
請求項2記載の画像処理方法であって、
前記情報取得工程において、前記基準情報若しくは前記領域指定情報のうちいずれかを取得できなかったとき、
前記画像処理工程では、
全ての領域に係る原稿画像を、所定の画像に置換する、
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項4】
原点に係る基準情報、前記原点を基準として特定領域を指定するための領域指定情報、及び当該特定領域に係る利用目的情報が付加されている原稿を読み取る原稿読取手段と、
前記原稿読取手段で読み取った原稿から、当該原稿に係る画像、並びに、前記基準情報、前記領域指定情報、及び前記利用目的情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段で取得した基準情報及び領域指定情報に基づく前記特定領域に対し、前記利用目的に従う所定の画像処理を施す画像処理手段と、
前記画像処理手段で画像処理後の原稿に係る画像を形成する画像形成手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4記載の画像形成装置であって、
前記利用目的は、前記特定領域に係る原稿画像の出力禁止であり、
前記画像処理手段は、
前記特定領域に係る原稿画像を、所定の画像に置換する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5記載の画像処理方法であって、
前記情報取得手段が、前記基準情報若しくは前記領域指定情報のうちいずれかを取得できなかったとき、
前記画像処理手段は、
全ての領域に係る原稿画像を、所定の画像に置換する、
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−206642(P2009−206642A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−44985(P2008−44985)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】