説明

画像処理方法および装置、並びに画像表示方法

【課題】例えば元画像の階調を忠実に再現できる等、所望の画像特性に処理できる画像処理方法および装置、並びにマルチ映像表示システムを提供する。
【解決手段】映像出力手段1からの映像信号を処理するにあたり、映像処理手段1から処理すべき映像信号の出力に先立ってテスト画像を出力させ、該テスト画像を無補正状態で処理して無補正処理テスト画像を得、その無補正処理テスト画像と所望特性画像との比較に基づいて、映像出力手段1からの映像信号を所望特性に処理するための入力特性パラメータを算出し、その後、映像出力手段1からの映像信号を、入力特性パラメータに基づいて補正して処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アナログまたはデジタル映像信号を入力して処理するA/Dコンバータ、CRT、液晶プロジェクタ、DLPプロジェクタ、液晶モニタ、プラズマディスプレイパネル表示装置、フィールドエミッションディスプレイ装置、エレクトロルミネッセンスディスプレイ装置、LED表示装置等における画像処理方法および装置、並びにマルチ映像表示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ(PC)、ビデオプレーヤ、DVDプレーヤ等の映像出力機器から液晶ディスプレイ等の表示装置に映像を表示するシステムにおいて、映像出力機器からアナログ映像信号を出力する場合、あるいはデジタル映像信号であってもアナログ映像信号が中間で介在する場合には、表示したい元画像と表示される表示画像との特性が異なる場合がある。
【0003】
例えば、映像信号を送出する側のD/Aコンバータの特性、電源電圧変動、各種電気・電子部品の温度特性、ケーブル特性等によって、あるいは信号を受ける側のA/Dコンバータの特性、電源電圧変動、各種電気・電子部品の温度特性等によって、元データと受データとで値が異なる場合がある。このため、システム設置時の初期状態において特性に差異が生じたり、あるいはシステム設置後、経時的に特性が変化したりするという問題がある。
【0004】
このような問題を解決するものとして、例えば、A/Dコンバータに基準信号を入力して、A/D変換後のデジタルデータが基準データに一致するように補正するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1〜4参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平8−279929号公報
【特許文献2】特開2000−295102号公報
【特許文献3】特開2001−53608号公報
【特許文献4】特開2002−217728号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1〜4に開示のA/Dコンバータは、基準アナログ信号が入力された場合に忠実にA/D変換を行なうことを目的としたもので、元画像を出力する映像出力機器やケーブルの影響による特性変化については補償していない。すなわち、これらのA/Dコンバータは、単に入力された映像信号を処理するもので、元データに忠実に一致させるものではないため、元画像の階調を忠実にデジタル化することができない。
【0007】
このため、例えば、デザイナが作成した図面を表示させた場合には、黒の階調がつぶれたり、中間調の色合いが変わったりしてしまうという問題がある。また、経時変化や温度変化等によるアナログ回路の特性変化によって画質が変化してしまったり、映像出力機器を交換すると画質が変わってしまったりするという問題がある。
【0008】
また、映像出力機器にグラフィックボードが使用され、その内部でアナログ処理が行われる場合には、出力信号がデジタルであっても同様の問題が発生することになる。さらに、同じ映像データを異なるシステム(映像出力機器と表示装置とを含めたもの)で表示した場合にも、表示される映像の画質が異なってしまうという問題が生じる。また、表示装置にもばらつきがあるため、表示装置側の補正も必要となる。
【0009】
さらに、複数の映像出力機器および複数の表示装置を有するマルチ映像表示システムでは、各映像出力機器の映像信号の特性が異なると、隣接する表示装置間の輝度、コントラスト、色合いの差等が見えてしまい、表示画像の画質を損ねるという問題がある。
【0010】
したがって、上記の事情に鑑みてなされた本発明の目的は、例えば元画像の階調を忠実に再現できる等、所望の画像特性に処理できる画像処理方法および装置、並びにマルチ映像表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成する請求項1に係る画像処理方法の発明は、映像出力手段からの映像信号を処理するにあたり、
上記映像処理手段から処理すべき映像信号の出力に先立ってテスト画像を出力させ、該テスト画像を無補正状態で処理して無補正処理テスト画像を得、その無補正処理テスト画像と所望特性画像との比較に基づいて、上記映像出力手段からの映像信号を所望特性に処理するための入力特性パラメータを算出し、
その後、上記映像出力手段からの映像信号を、上記入力特性パラメータに基づいて補正して処理することを特徴とするものである。
【0012】
請求項2に係る画像処置方法の発明は、映像出力手段からの映像信号を表示手段に表示するように処理するにあたり、
上記映像処理手段から処理すべき映像信号の出力に先立ってテスト画像を出力させ、該テスト画像を無補正状態で処理して無補正処理テスト画像を得、その無補正処理テスト画像と所望特性画像との比較に基づいて、上記映像出力手段からの映像信号を所望特性に処理するための入力特性パラメータを算出すると共に、上記表示手段に表示特性補正用の内部テスト画像を表示させ、その表示画像を撮像して得られる撮影データに基づいて、上記表示手段に表示する信号を所望表示特性に補正するための出力特性パラメータを算出し、
その後、上記映像出力手段からの映像信号を、上記入力特性パラメータおよび上記出力特性パラメータに基づいて補正して処理して、上記表示手段に表示することを特徴とするものである。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の画像処理方法において、上記映像出力手段から出力するテスト画像は、R,G,Bのそれぞれについて、少なくとも最低輝度値と最高輝度値とを含む階調画像であることを特徴とするものである。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像処理方法において、上記入力特性パラメータは、上記映像出力手段からの映像信号に対するオフセット、ゲイン、γの少なくとも一つの補正値を含むことを特徴とするものである。
【0015】
請求項5に係る発明は、映像出力手段からの映像信号を処理する画像処理装置において、
入力信号を変換する信号変換部と、
上記信号変換部での変換処理の入力特性パラメータを算出する特性パラメータ算出部と、
上記特性パラメータ算出部で算出された入力特性パラメータを格納する特性パラメータ記憶部と、
調整モードまたは通常モードを選択するモード選択手段とを有し、
上記モード選択手段により調整モードが選択されたときは、上記映像出力手段からのテスト画像を入力して、該テスト画像を上記信号変換部で何らの補正を施すことなく処理して無補正処理テスト画像として上記特性パラメータ算出部に供給し、該特性パラメータ算出部において、上記無補正処理テスト画像と所望特性画像との比較に基づいて、上記映像出力手段からの映像信号を所望特性に処理するための入力特性パラメータを算出して、その算出した入力特性パラメータを上記特性パラメータ記憶部に格納し、
上記モード選択手段により通常モードが選択されたときは、上記信号変換部において、上記特性パラメータ記憶部に格納されている上記入力特性パラメータに基づいて上記映像出力手段からの映像信号を補正して処理するよう構成したことを特徴とするものである。
【0016】
請求項6に係る発明は、映像出力手段からの映像信号を表示手段に表示するように処理する画像処理装置において、
入力信号を変換する信号変換部と、
上記表示手段に表示する信号を補正する出力補正部と、
上記表示手段に選択的に表示させる表示特性補正用の内部テスト画像を発生させる内部テスト画像発生部と、
上記信号変換部での変換処理の入力特性パラメータを算出すると共に、上記表示手段に表示する信号の出力特性パラメータを算出する特性パラメータ算出部と、
上記特性パラメータ算出部で算出された入力特性パラメータおよび出力特性パラメータを格納する特性パラメータ記憶部と、
調整モードまたは通常モードを選択するモード選択手段とを有し、
上記モード選択手段により調整モードが選択されたときは、上記映像出力手段からのテスト画像を入力して、該テスト画像を上記信号変換部で何らの補正を施すことなく処理して無補正処理テスト画像として上記特性パラメータ算出部に供給し、該特性パラメータ算出部において、上記無補正処理テスト画像と所望特性画像との比較に基づいて、上記映像出力手段からの映像信号を所望特性に処理するための入力特性パラメータを算出して、その算出した入力特性パラメータを上記特性パラメータ記憶部に格納すると共に、上記内部テスト画像発生部から内部テスト画像を発生させて、該テスト画像を上記出力補正部で何らの補正を施すことなく上記表示手段に供給して表示し、その表示画像を撮像して得られる撮影データに基づいて、上記表示手段に表示する信号を所望表示特性に補正するための出力特性パラメータを算出して、その算出した出力特性パラメータを上記特性パラメータ記憶部に格納し、
上記モード選択手段により通常モードが選択されたときは、上記信号変換部において、上記特性パラメータ記憶部に格納されている上記入力特性パラメータに基づいて上記映像出力手段からの映像信号を補正して処理した後、その処理された映像信号を上記出力補正部において、上記特性パラメータ記憶部に格納されている上記出力特性パラメータに基づいて補正して上記表示手段に表示するよう構成したことを特徴とするものである。
【0017】
請求項7に係る発明は、請求項5または6に記載の画像処理装置において、上記入力特性パラメータは、上記映像出力手段からの映像信号に対するオフセット、ゲイン、γの少なくとも一つの補正値を含むことを特徴とするものである。
【0018】
請求項8に係る発明は、請求項5または6に記載の画像処理装置において、上記信号変換部は、アナログ入力信号をデジタル信号に変換するA/D変換部を有し、該A/D変換部は、上記アナログ入力信号のオフセットおよび/またはゲインの調整手段を有することを特徴とするものである。
【0019】
請求項9に係る発明は、請求項5または6に記載の画像処理装置において、上記信号変換部は、通常モードにおいて、上記特性パラメータ記憶部に格納されている上記出力特性パラメータを保存するルックアップテーブルを有することを特徴とするものである。
【0020】
請求項10に係る発明は、請求項5〜9のいずれか一項に記載の画像処理装置において、上記特性パラメータ記憶部は、出力する映像信号特性が異なる複数の映像出力手段に対するそれぞれの入力特性パラメータを格納し、上記信号変換部に映像信号を供給する映像出力手段に対応する入力特性パラメータを選択して、その選択された入力特性パラメータに基づいて入力される映像信号を上記信号変換部で補正して処理するよう構成したことを特徴とするものである。
【0021】
請求項11に係る発明は、映像出力手段からの映像信号を表示手段に表示するように処理する画像処理装置において、
上記映像出力手段からの映像信号を色補正する第1色補正部と、
上記表示手段に表示する信号を色補正する第2色補正部とを有することを特徴とするものである。
【0022】
請求項12に係る発明は、請求項11に記載の画像処理装置において、上記第1色補正部および/または上記第2色補正部は、オフセット、ゲイン、γの少なくとも一つ補正することを特徴とするものである。
【0023】
請求項13に係る発明は、複数の映像出力機器を有する映像出力手段からの映像信号を画像処理手段で処理して複数の表示装置を有する表示手段により一つの画像として表示するマルチ映像表示システムにおいて、
上記表示手段による一つの画像の表示に先立って、上記映像出力手段の各映像出力機器からテスト画像を出力させ、これらテスト画像を上記画像処理手段において何らの補正を施すことなく処理して、それぞれの無補正処理テスト画像と共通の所望特性画像との比較に基づいて、上記各映像出力機器について、当該映像出力機器からの映像信号を所望特性に処理するための入力特性パラメータを算出し、
その後、上記各映像出力機器からの映像信号を、上記画像処理手段において対応する入力特性パラメータに基づいて補正して処理して、上記表示手段により一つの画像として表示することを特徴とするものである。
【0024】
請求項14に係る発明は、請求項13に記載のマルチ映像表示システムにおいて、上記各映像出力機器の各々から出力するテスト画像は、R,G,Bのそれぞれについて、少なくとも最低輝度値と最高輝度値とを含む階調画像であることを特徴とするものである。
【0025】
請求項15に係る発明は、請求項13または14に記載のマルチ映像表示システムにおいて、上記各映像出力機器に対応する入力特性パラメータは、当該映像出力機器からの映像信号に対するオフセット、ゲイン、γの少なくとも一つの補正値を含むことを特徴とするものである。
【0026】
請求項16に係る発明は、請求項13〜15のいずれか一項に記載のマルチ映像表示システムにおいて、上記共通の所望特性画像を、上記複数の映像出力機器に対応する複数の上記無補正処理テスト画像の平均画像としたことを特徴とするものである。
【0027】
請求項17に係る発明は、請求項13〜16のいずれか一項に記載のマルチ映像表示システムにおいて、上記画像処理手段は、上記複数の映像出力機器からの映像信号を並列的に入力して処理する一つの画像処理装置を有することを特徴とするものである。
【0028】
請求項18に係る発明は、請求項13〜16のいずれか一項に記載のマルチ映像表示システムにおいて、上記画像処理手段は、上記複数の映像出力機器に対応する複数の画像処理装置を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、例えば元画像の階調を忠実に再現できる等、所望の画像特性に処理することができる。特に、入力特性パラメータおよび出力特性パラメータを独立して算出して補正する場合には、映像出力手段を交換したときは、その映像出力手段に対応する入力特性パラメータだけを算出すれば良く、また、表示手段を交換したときは、出力特性パラメータのみの修正で済むので、調整作業を簡単にできると共に、メーカや機種の異なる映像出力手段や表示手段を組合せて容易に所望の特性に調整でき、資源の有効活用を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
先ず、本発明の実施の形態に先立って、本発明の概要について説明する。
【0031】
本発明が対象とする画像処理装置は、基本的には、映像出力手段からの映像信号を処理して表示手段に出力するものであるが、このような画像処理機能を含んだ表示装置も、本発明が対象とする画像処理装置に含むものである。
【0032】
本発明に係る画像処理方法の一例では、映像処理手段から、処理すべき映像信号の出力に先立ってテスト画像を出力させ、該テスト画像を無補正状態で処理して無補正処理テスト画像を得、その無補正処理テスト画像と上記テスト画像あるいはその元テスト画像等の所望特性画像との比較に基づいて、無補正処理テスト画像を上記テスト画像あるいはその元テスト画像にほぼ一致させる等、映像出力手段からの映像信号を所望特性に処理するための入力特性パラメータを算出し、その後、算出した入力特性パラメータに基づいて映像出力手段からの入力映像信号を補正して画像処理する。
【0033】
また、本発明に係る画像処理装置の一例では、信号変換部、特性パラメータ算出部、特性パラメータ記憶部およびモード選択手段を有し、モード選択手段により調整モードが選択されたときは、映像出力手段からのテスト画像を入力して、該テスト画像を信号変換部で何らの補正を施すことなく処理して無補正処理テスト画像として特性パラメータ算出部に供給し、該特性パラメータ算出部において、無補正処理テスト画像と上記テスト画像あるいはその元テスト画像等の所望特性画像との比較に基づいて、無補正処理テスト画像を上記テスト画像あるいはその元テスト画像にほぼ一致させる等、映像出力手段からの映像信号を所望特性に処理するための入力特性パラメータを算出して、その算出した入力特性パラメータを特性パラメータ記憶部に格納し(以下、上記の処理を調整処理とも呼ぶことにする)、モード選択手段により通常モードが選択されたときは、信号変換部において、特性パラメータ記憶部に格納されている入力特性パラメータに基づいて映像出力手段からの映像信号を補正して画像処理する。
【0034】
ここで、入力映像信号の補正項目は、例えば、オフセット、ゲイン、γ(ガンマ)の少なくとも1つとすることができると共に、それ以外にも例えば3×3カラーマトリックス変換や3次元ルックアップテーブル(LUT)変換等による色空間補正が可能である。また、所望特性とは、無補正処理テスト画像を元テスト画像にほぼ一致させる等の他、例えば入力映像信号を表示手段のγ特性に合わせる等である。
【0035】
調整処理は、先ず映像表示システムの設置時に初期的に実施し、その後は、ほぼ定期的に、あるいはシステム立ち上げ時に自動的に実施したり、表示画質が変化した場合等に実施したりして、経時的な変動も調整する。ここで、調整処理は、必要な情報を1画面に含めたテスト画像を用意し、予め映像出力手段からテスト画像を出力させた状態で実施することもできるが、画像処理装置内の制御部あるいは画像処理装置を外部から制御するPC等の外部制御装置により、映像出力手段からのテスト画像の出力タイミングを制御して、調整処理を自動化することも可能である。例えば、映像出力手段がパーソナルコンピュータ(PC)の場合には、PCに専用のアプリケーションソフトを用意し、イーサネット(登録商標)やRS232C等の通信回線を介して外部からPCにテスト画像の出力指示を与えることで自動化を実現することができる。なお、テスト画像は、予めPCにインストールしておく。
【0036】
調整処理は、例えば、映像出力手段からのアナログ映像信号をデジタル映像信号に変換処理する場合には、オフセットおよびゲインについては、例えばA/D変換器に付随するオフセット調整機能やゲイン調整機能を用いてアナログ的に調整し、γについては、例えばデジタル化した後にLUTを用いて調整したり、デジタル化した後にLUTを用いてオフセット、ゲイン、γを調整したりする方法が考えられるが、いずれを選択するかは、コスト、性能、操作性、作り易さ等を考慮して決定すればよい。
【0037】
なお、例えばゲインが低い場合には、デジタル化した後にLUTで調整すると階調が劣化することが考えられるので、上記のようにアナログ信号の段階でアナログ的に調整した方が階調の劣化を少なくする上で好ましい。
【0038】
この調整処理の一例としては、オフセット調整では、無補正処理後の受データの黒レベルを例えば入力テスト画像の元データと一致させ、ゲイン調整では受データの白レベルを例えば元データと一致させ、さらに、中間値が異なる場合には、受データの中間値が元データの中間値と一致するように、入力特性パラメータを算出する。他の受データについては、算出した入力特性パラメータに従って変換することにより、元データと受データとの間のγ補正を行う。オフセットおよびゲインの調整手順は順番に行っても良いし、一括して行うことも可能である。
【0039】
他の例として、元データと受データとを一致させるのではなく、受データが他の所望特性になるように補正しても良い。例えば、映像出力手段のγ特性と、画像処理装置の出力段に接続される表示手段のγ特性とが一致していない場合には、γ変換を行うことで不一致を解消した方が好ましい。この場合、元データと補正処理後の受データとは一致しないが、受データは所定の特性に決定されることになる。具体的には、映像出力手段側のシステムγが1.8、表示手段側のモニタγが2.2の場合には、線形な映像信号を1.8/2.2のγ値で補正した値になるように受データを補正することで、あたかもγ=2.2の映像信号が入力されたかの如く信号処理される。
【0040】
なお、本発明は、画像処理装置に入力される映像信号がデジタルの場合でも、入力映像信号経路の途中でアナログ信号の状態があるような場合には、所望の特性と異なることがあるので、有効に適用することができる。この場合には、調整処理によってオフセット、ゲイン、γのうちの少なくとも1つを補正する入力特性パラメータをLUTに格納し、その入力特性パラメータに基づいて入力信号を補正する。
【0041】
また、画像処理装置から出力される映像信号は、表示手段で表示される間にも、特性の変化があり得るので、この特性変化についても補正するのが好ましい。この場合には、表示特性補正用のテスト画像を表示手段に表示し、その表示されたテスト画像を測色計や各種カメラで撮影して、その撮影データに基づいて所望の表示特性が得られる出力特性パラメータを算出して幾何補正や色補正等の補正を行えば良い。
【0042】
以上は、映像出力手段が1チャンネル、すなわち1台の映像出力機器を有する場合であるが、本発明は、複数の映像出力手段をスイッチャ等で切り換えて共通の表示手段で表示するシステムにも有効である。この場合には、共通の画像処理装置において予め各映像出力手段の入力特性パラメータを算出して格納しておき、スイッチャの切り換えタイミングに同期して、対応する入力特性パラメータに切り換えればよい。
【0043】
また、本発明は、複数の映像出力機器を有する映像出手段および複数の表示装置を有する表示手段を用いて、例えば、フラット形状、アーチ形状、ドーム形状等の種々のスクリーンに一つの映像を投影する目地有りマルチ映像表示システムあるいは目地無しマルチ映像表示システムにも有効である。特に、各映像出力機器からのアナログ映像信号を画像処理装置内のA/D変換器でデジタル化して複数の表示装置で表示するマルチ映像表示システムの場合には、映像出力機器間(チャンネル間)での入力映像信号のばらつきが発生し易く、その結果、隣接する表示装置間の輝度、色に差が生じて映像が見苦しくなるので、効果が大きい。
【0044】
このようなマルチ映像表示システムの場合には、先ず、各チャンネルからデジタルのテスト画像をアナログ化して個別あるいは共通の画像処理装置に供給し、ここで何らの補正を施すことなくA/D変換器でデジタル化して無補正処理テスト画像を得、その各チャンネルの無補正処理テスト画像と、入力テスト画像の元データ等の所望特性画像との比較に基づいて、所望特性が得られる入力特性パラメータをチャンネル毎に算出し、その後は、チャンネル毎に表示すべき入力映像信号を対応する入力特性パラメータで補正すればよい。
【0045】
この場合には、元データであるテスト画像は共通にできるので、例えば、チャンネル毎に元データと受データとを一致させるようにすれば、各チャンネルの信号処理後の入力映像信号特性も一致させることができる。また、チャンネル間の特性の平均値を算出し、その平均値に各チャンネルの入力映像信号特性を一致させるように補正することも可能である。この方法は、各チャンネルの入力映像信号特性はあまり変えずに、チャンネル間のばらつきを抑える場合に有効である。
【0046】
また、マルチ映像表示システムの場合には、画像処理装置から表示装置までの間での映像信号の特性変化に加えて、表示装置間の輝度、色のばらつきがあるので、これらを同時に補正するのが好ましい。この場合には、上述したと同様にして、複数の表示装置に表示特性補正用のテスト画像を表示し、その表示されたテスト画像を測色計や各種カメラで撮影して、その撮影データに基づいて所望の表示特性が得られる各表示装置の出力特性パラメータを算出して幾何補正や色補正等の補正を行えば良い。
【0047】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
【0048】
(第1実施の形態)
図1は、本発明の第1実施の形態を示すブロック図である。
【0049】
本実施の形態は、映像出力手段である1台の映像出力機器1からのアナログ映像信号(以下、単にアナログ信号とも言う)を、画像処理手段である画像処理装置2でデジタル映像信号(以下、単にデジタルデータとも言う)に処理して、表示手段である1台のプロジェクタからなる表示装置3に表示するものである。
【0050】
画像処理装置2は、信号変換部であるA/D変換部11、γ補正部12およびγ補正LUT13と、データ読み取り部14と、解像度変換部15と、内部テスト画像発生部16と、出力補正部である幾何補正部17および色補正部18と、特性パラメータ記憶部である不揮発性メモリ19と、モード選択手段であるモード選択スイッチ20と、特性パラメータ算出部を構成するとともに全体の動作を制御する制御部21とを有している。A/D変換部11は、オフセット補正レジスタ11aおよびゲイン補正レジスタ11bを有しており、データ読み取り部14は、データ格納メモリ14aを有している。また、モード選択スイッチ20は、オペレータの操作により「調整モード」または「通常モード」のいずれかの動作モードを選択するようになっている。
【0051】
図1において、映像出力機器1から出力されたアナログ信号は、A/D変換部11に入力され、通常モードでは、ここでオフセット補正レジスタ11aおよびゲイン補正レジスタ11bに格納されているそれぞれの補正値に基づいてオフセットおよびゲインが補正されてデジタルデータに変換される。A/D変換部11で変換されたデジタルデータは、γ補正部12においてγ補正LUT13に格納されているγ補正値でγ補正されてデータ読み取り部14のデータ格納メモリ14aにフレーム単位で一旦格納されてから読み出される。
【0052】
データ格納メモリ14aは、例えばR,G,Bの3フレーム分のフレームメモリを有しており、通常モードでは、その全てのフレームメモリが後段の解像度変換部15で使用されるが、調整モードでは、そのうちの1つのフレームメモリが入力データ読み出しに利用される。なお、オフセット補正値、ゲイン補正値、γ補正LUTデータは、不揮発性メモリ19に保存されており、画像処理装置2の電源オン後の起動処理にて、それぞれオフセット補正レジスタ11a、ゲイン補正レジスタ11b、γ補正LUT13にダウンロードされるようになっている。
【0053】
以下、本実施の形態の動作について説明する。
【0054】
先ず、図2のフローチャートを参照しながら「調整モード」の動作について説明する。
【0055】
モード選択スイッチ20の操作により「調整モード」が選択されたら、制御部21は、先ず、A/D変換部11のオフセット補正レジスタ11a、ゲイン補正レジスタ11bにデフォルト値(00)を書き込んで、オフセットを0に、ゲインを1にそれぞれセットすると共に、γ補正LUT13にもデフォルト値(γ係数=1)を書き込む(ステップS1)。
【0056】
次に、映像出力機器1から画像処理装置2に対して、例えば図3(a)に示すようなR,G,Bの各色を256(8ビット)の階調としたデジタルの元テスト画像に対応するアナログのテスト画像を供給し(ステップS2)、そのテスト画像を信号変換部であるA/D変換部11およびγ補正部12において補正しない状態で、デジタルデータに変換して無補正処理テスト画像を得、その無補正処理テスト画像をデータ読み取り部14のデータ格納メモリ14aのフレームメモリに図3(b)に示すように取り込む(ステップS3)。なお、図3(b)は、R,G,Bの3色の無補正処理テスト画像を、横800×縦600(SVGA対応)のフレームメモリの順次の行に書き込んだ状態を示している。
【0057】
その後、制御部21は、データ格納メモリ14aに取り込んだ無補正処理テスト画像を読み取って、その読み取った無補正処理テスト画像と所望特性画像、例えば映像出力機器1から供給されるアナログのテスト画像の元データであるデジタルの元テスト画像とを比較し、これにより読み取った無補正処理テスト画像の特性を把握して、無補正処理テスト画像特性を元テスト画像の特性にほぼ一致させる等、入力映像信号特性を所望特性に補正するための入力特性パラメータであるオフセット補正値、ゲイン補正値およびγ補正値をそれぞれ算出して、不揮発性メモリ19に書き込む(ステップS4)。なお、デジタルの元テスト画像等の所望特性画像は、制御部21に予め格納しておく。
【0058】
その後、必要に応じて、ステップS5およびステップS6を実行して表示装置3による表示特性を取得する。すなわち、先ず、内部テスト画像発生部16から表示特性補正用の内部テスト画像を出力させて、その内部テスト画像を幾何補正部17および色補正部18で処理することなくスルー状態で表示装置3に供給してスクリーン(図示せず)に表示させる(ステップS5)。なお、図1では図示を省略しているが、解像度変換部15と幾何補正部17との間には、解像度変換部15からの出力と内部テスト画像発生部16からの出力とを切り換えるセレクタが設けられている。
【0059】
次に、表示された内部テスト画像を、例えばデジタルカメラからなる撮像装置25で撮影して撮影データを制御部21に取り込み、その撮影データと内部テスト画像との比較に基づいて所望の表示特性、例えば内部テスト画像とほぼ一致する表示特性が得られる幾何補正データ(LUT)および色補正データ(LUT)の出力特性パラメータを算出して不揮発性メモリ19に書き込み(ステップS6)、「調整モード」の動作を終了する。
【0060】
次に、図4のフローチャートを参照して、「通常モード」の動作について説明する。
【0061】
モード選択スイッチ20の操作により「通常モード」が選択された状態で、電源が投入されたら、制御部21は、先ず、不揮発性メモリ19に書き込まれているオフセット補正値をオフセット補正レジスタ11aに、ゲイン補正値をゲイン補正レジスタ11bに、γ補正値をγ補正LUT13にそれぞれ書き込むと共に、幾何補正データおよび色補正データがある場合には、それらをそれぞれ幾何補正部17および色補正部18に書き込む(ステップS11)。
【0062】
次に、映像出力機器1から供給される入力映像信号を、A/D変換部11においてオフセット補正レジスタ11aおよびゲイン補正レジスタ11bでそれぞれオフセット補正およびゲイン補正してデジタルデータに変換し、さらにγ補正部12でγ補正してデータ読み取り部14のデータ格納メモリ14aに取り込んだ後、その取り込まれたデジタルデータを表示装置3に対応するように解像度変換部15で解像度を変換し、さらに必要に応じて幾何補正部17および色補正部18で所要の処理を行って表示装置3に供給して表示させる(ステップS12)。
【0063】
その後は、モード選択スイッチ20を「通常モード」のままとすることで、画像処理装置2の電源をオンする毎に、不揮発性メモリ19から各補正データを対応する処理部にダウンロードして、通常モードとして動作を開始する。
【0064】
次に、「調整モード」における処理について、具体例を挙げて詳細に説明する。
【0065】
A/D変換部11でオフセット補正およびゲイン補正しない状態での無補正処理テスト画像特性が、例えば図5(a)に示すように、元テスト画像のデジタル値「0」および「255」に対してA/D変換後の値(入力値)がそれぞれ「9」および「250」の場合には、無補正処理テスト画像のA/D変換特性は図5(b)に実線で示すようになる。
【0066】
ここで、所望特性として、例えば元テスト画像のデジタル値とA/D変換後の入力値とを一致させたい場合には、図5(b)に破線で示すように、元テスト画像のデジタル値「0」および「255」に対してA/D変換後の入力値がそれぞれ「0」および「255」となるように、オフセット値を−9、ゲイン値を255/(250−9)=1.058とする。このようにすれば、オフセット補正およびゲイン補正してA/D変換した後の入力値(補正処理テスト画像)は、図5(a)に示すように元テスト画像のデジタル値と一致することになる。
【0067】
一度の調整処理でうまくいかない場合には、何度か調整を繰り返しフィードバックすることで調整精度を上げることも可能である。例えば、映像出力機器1がDVDの場合には、図3(a)に示したテスト画像を連続再生させておき、DVDからの同期信号に基づいて各階調レベルを読み取って特性を調査し、これによりオフセット補正値、ゲイン補正値を算出して、それぞれオフセット補正レジスタ11a、ゲイン補正レジスタ11bに設定する。その後、再度特性を調査して元データのデジタル値「00」および「255」がずれている場合には、再度、オフセット補正値、ゲイン補正値を算出して、オフセット補正レジスタ11a、ゲイン補正レジスタ11bの内容を更新する。このフィードバック回数は予め決めておき、設定回数に達したら、あるいは設定回数以前に所望の特性が目的の値に達したり、所定範囲内に達したりした場合には処理を終了する。
【0068】
なお、入力される信号の種類は様々で、例えばγ特性が均一であることがわかっている場合には、γ補正部12は不要となる。
【0069】
また、オフセット補正およびゲイン補正は、γ補正で代替えすることも可能である。例えば、図6(a)に示すように、図5(a)の場合と同様のA/D変換特性を有する場合において、所望特性として元テスト画像のデジタル値とγ補正後の入力値とを一致させたい場合には、例えば元テスト画像のデジタル値3に対してオフセット補正およびゲイン補正を行わない場合のA/D変換後の入力値が12であるので、図6(b)に示すようにA/D変換後の入力値12が所望の入力値3に変換されるように、A/D変換後の入力値9〜250を0〜255に変換するγ補正LUT13を作成して、γ補正部12で補正すればよい。
【0070】
また、図7(a)に示すようなA/D変換特性を有する場合において、所望特性として元テスト画像のデジタル値とγ補正後の入力値とを一致させたい場合には、例えば元テスト画像のデジタル値10に対してオフセット補正およびゲイン補正を行わない場合のA/D変換後の入力値が6であるので、図7(b)に示すようにA/D変換後の入力値6が所望の入力値10に変換されるように、A/D変換後の入力値0〜255を4〜246に変換するγ補正LUT13を作成して、γ補正部12で補正すればよい。なお、この場合、元テスト画像のデジタル値が3以下および247以上に対しては原画像を復元できないが、4〜246の値に対しては所望特性とすることができる。
【0071】
もちろん、図6(a)および図7(a)の場合においても、図5の場合と同様に、オフセット補正およびゲイン補正を行うことにより、A/D変換した後の入力値を元テスト画像のデジタル値と一致させる等、所望特性とすることもできる。
【0072】
また、A/D変換部11におけるオフセット補正およびゲイン補正しない状態での特性が、例えば図8(a),(b)に示すような放物線状の非線形な特性の場合において、所望特性として元テスト画像のデジタル値とγ補正後の入力値とを一致させたい場合には、図8(c)に示すようなA/D変換後の非線形な入力値0〜255を0〜255に線形に変換するγ補正LUT13を作成して、γ補正部12で補正すればよい。
【0073】
同様に、A/D変換部11におけるオフセット補正およびゲイン補正しない状態での特性が、例えば図9(a),(b)に示すような指数曲線状の非線形な特性の場合において、所望特性として元テスト画像のデジタル値とγ補正後の入力値とを一致させたい場合には、図9(c)に示すようなA/D変換後の非線形な値0〜255を0〜255に線形に変換するγ補正LUT13を作成して、γ補正部12で補正すればよい。
【0074】
また、無補正処理テスト画像を所望の非線形な特性に合わせることもできる。例えば、A/D変換部11におけるオフセット補正およびゲイン補正しない状態での特性が、例えば図10(a),(b)に示すような特性の場合において、所望特性として図10(c)に示すようなγ補正LUT13を作成してγ補正部12で補正することにより、図10(d)に示すような指数曲線状の非線形な特性を得ることもでき、これにより映像出力機器1側と表示装置3側とのγ変換を同時行うことができる。
【0075】
具体的には、映像出力機器1側のγが1.8、表示装置3側のγが2.2の場合、線形な映像信号を1.8/2.2のγ値で補正した値になるように受データを補正することで、あたかも線形な元データが入力されたかの如く処理することができる。
【0076】
図6〜図10に示すように、オフセット補正およびゲイン補正をγ補正で代替えする場合には、A/D変換部11、γ補正部12およびγ補正LUT13の機能を有して、映像出力機器1からの入力信号の色特性を補正する第1色補正部を構成し、出力側の色補正部18を表示装置3側の色特性を補正する第2色補正部として構成することもできる。
【0077】
なお、本実施の形態では、A/D変換部11でのデジタルデータを一旦、データ読み取り部14のデータ格納メモリ14aに格納してから読み取るようにしたが、これに限らず、種々の読み取り方法が考えられる。また、γ補正を省略して、オフセット補正および/またはゲイン補正のみを行うこともできる。この場合、オフセット補正レジスタ11aおよび/またはゲイン補正レジスタ11bを有するA/D変換部11の機能を有して、映像出力機器1からの入力信号の色特性を補正する第1色補正部を構成するもできる。また、オフセット補正、ゲイン補正、γ補正に代えて、3×3カラーマトリックス変換や3次元ルックアップテーブル(LUT)変換等による色空間補正を行うこともできる。
【0078】
以上のように、本実施の形態によれば、入力側である映像出力機器1に対する調整と、出力側である表示装置3に対する調整とを独立して行うようにしたので、映像出力機器1を交換した場合には、その映像出力機器1に対応する入力特性パラメータだけを求めれば良く、また、表示装置3を交換した場合には出力特性パラメータのみの修正で済むので、調整作業を簡単にできると共に、メーカや機種の異なる映像出力機器や表示装置を組合せて容易に所望の特性に調整でき、資源を有効活用することができる。
【0079】
(第2実施の形態)
図11は、本発明の第2実施の形態を示すブロック図である。
【0080】
本実施の形態は、第1実施の形態において、画像処理装置2にモード選択スイッチ20を設ける代わりに、制御部21と映像出力機器1との間を、例えばRS232Cケーブルで接続して、制御部21から映像出力機器1に対して、調整モードではテスト画像の出力を指示し、調整終了後、通常モードではテスト画像の出力を停止させて、通常の映像出力を指示するようにしたものである。その他の構成および動作は、第1実施の形態と同様であるので説明を省略する。なお、図11では、図1に示した解像度変換部15、内部テスト画像発生部16、幾何補正部17、色補正部18の図示を省略してある。
【0081】
(第3実施の形態)
図12は、本発明の第3実施の形態を示すブロック図である。
【0082】
本実施の形態は、第1実施の形態において、画像処理装置2にモード選択スイッチ20を設ける代わりに、映像出力機器1および画像処理装置2を制御する外部制御装置31を設けて、調整モードでは映像出力機器1にテスト画像の出力を指示すると共に、画像処理装置2には調整動作を指示し、調整終了後は、両者に通常モードヘの移行を指示するようにしたもので、その他の構成および動作は、第1実施の形態と同様であるので説明を省略する。なお、図12においても、図1に示した解像度変換部15、内部テスト画像発生部16、幾何補正部17、色補正部18の図示を省略してある。
【0083】
(第4実施の形態)
図13は、本発明の第4実施の形態を示すブロック図である。
【0084】
本実施の形態は、映像出力機器1からのデジタル映像信号を画像処理装置2で適宜処理して、デジタル映像信号のまま表示装置3に供給して表示するもので、画像処理装置2は、図1のA/D変換部11およびγ補正部12に代えて、γ補正等を行う信号変換部である信号補正部35およびその補正データを格納する信号補正LUT36を有している。また、第1実施の形態のように画像処理装置2にモード選択スイッチ20を設ける代わりに、第3実施の形態と同様に映像出力機器1および画像処理装置2を制御する外部制御装置31を設けて、調整モードでは映像出力機器1にテスト画像の出力を指示すると共に、画像処理装置2には調整動作を指示し、調整終了後は、両者に通常モードヘの移行を指示するようにしている。その他の構成および動作は、第1実施の形態と同様であるので説明を省略する。なお、図13においても、図1に示した解像度変換部15、内部テスト画像発生部16、幾何補正部17、色補正部18の図示を省略してある。
【0085】
上記第2〜4実施の形態においても、第1実施の形態と同様の効果を得ることができる。特に、第3および第4実施の形態のように、外部制御装置31を設ける場合は、外部制御装置31をPCで構成して、調整モードにおける入力特性パラメータを外部制御装置31で算出することもできる。
【0086】
以上、映像出力機器1が1台の場合について説明したが、本発明は、映像出力機器1を複数台用意し、それらをスイッチャ等で切り換えて共通の表示装置3で表示するシステムにも有効に適用することができる。この場合には、共通の画像処理装置において予め各映像出力機器1の入力特性パラメータを算出して格納しておき、スイッチャの切り換えタイミングに同期して、対応する入力特性パラメータに切り換えればよい。
【0087】
次に、複数の映像出力機器を有する映像出力手段および複数の表示装置を有する表示手段を用いて、種々の形状のスクリーンに映像を投影するマルチ映像表示システムの実施の形態について説明する。
【0088】
(第5実施の形態)
図14は、本発明の第5実施の形態を示すブロック図である。
【0089】
本実施の形態は、4台の映像出力機器1−1〜1−4からのアナログ映像信号を、4チャンネル対応の画像処理装置2を用いて並列的にデジタル処理して、4台の表示装置3−1〜3−4により一つの画像をスクリーンに表示する目地有りマルチ映像表示システムあるいは目地無しマルチ映像表示システムに適用したものである。
【0090】
ここで、目地有りマルチ映像表示システムの場合には、図15(a)に示すように、4台の表示装置3−1〜3−4をマトリックス状に重ね合わせて、個々の表示装置に設けられたスクリーン41−1〜41−4に部分画像を表示することで、全体として一つの画像を表示する。また、目地無しマルチ映像表示システムの場合には、図15(b)に示すように、任意の形状からなる共通のスクリーン41に対して、各表示装置からの部分画像を隣接する表示装置からの部分画像と一部重ね合わせて、全体として一つの画像を表示する。なお、図15(b)は、スクリーン41のリア側から映像を投影表示しているが、フロント側から投影表示する場合もある。
【0091】
本実施の形態では、第1実施の形態と同様に、画像処理装置2に設けられたモード選択スイッチの操作により「調整モード」を選択し、映像出力機器1−1〜1−4からテスト画像を出力させて、チャンネル毎に入力映像信号特性を所望特性に補正するための入力特性パラメータを算出する。また、必要に応じて、画像表示装置2から表示装置3−1〜3−4に内部テスト画像を供給してスクリーンに表示させ、その表示画像全体を撮像装置25で撮影して、表示画像全体として所望の表示特性が得られる個々の出力特性パラメータを算出する。
【0092】
その後、モード選択スイッチにより「通常モード」が選択されたら、各映像出力機器から供給される入力映像信号を画像処理装置2の対応するチャンネルにおいて、その入力特性パラメータに基づいて補正してデジタル処理し、さらに必要に応じて対応する出力特性パラメータに基づいて補正して対応する表示装置に表示する。
【0093】
ここで、画像処理装置2において、各チャンネルの入力特性パラメータを算出する所望特性は、第1実施の形態で説明したと同様に算出することもできる。また、図16(a)に示すように、所望特性を4チャンネル無補正処理テスト画像の入力値A〜Dの平均値とすることもできる。この場合には、例えば図16(b)に示すようなγ補正LUTを作成して各チャンネルのγ補正部で補正することにより、図16(c)に示すように、細線で示す個々の入力特性を太線で示す平均的な入力特性とすることができる。
【0094】
本実施の形態によれば、チャンネル間での入力映像信号のばらつきを補正できるので、隣接する表示装置間の輝度、色に差のない良好な映像を観察することができると共に、特に所望の表示特性が得られる出力特性パラメータを算出して各表示装置の表示特性を補正することにより、各表示装置の面内ムラや隣接する表示装置間の面間ムラのない、より良好な映像を観察することができる。また、所望の入力特性をチャンネル間の平均値とする場合には、各チャンネルの入力映像信号特性はあまり変えずに、チャンネル間のばらつきを抑えることができる。
【0095】
(第6実施の形態)
図17は、本発明の第6実施の形態を示すブロック図である。
【0096】
本実施の形態は、第5実施の形態において、画像処理装置2にモード選択スイッチを設ける代わりに、画像処理装置2の制御部と映像出力機器1−1〜1−4とをそれぞれ接続して、画像処理装置2の制御部から映像出力機器1−1〜1−4に対して、調整モードではテスト画像の出力を指示し、調整終了後、通常モードではテスト画像の出力を停止させて、通常の映像出力を指示するようにしたものである。その他の構成および動作は、第5実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0097】
(第7実施の形態)
図18は、本発明の第7実施の形態を示すブロック図である。
【0098】
本実施の形態は、第5実施の形態において、映像出力機器1−1〜1−4の各々に対応して画像処理装置2−1〜2−4を設け、これら画像処理装置2−1〜2−4を共通の外部制御装置31に接続して、外部制御装置31により各チャンネルの入力特性パラメータおよび出力特性パラメータを算出して対応する画像処理装置2−1〜2−4に設定するようにしたものである。その他の構成および動作は、第5実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0099】
(第8実施の形態)
図19は、本発明の第8実施の形態を示すブロック図である。
【0100】
本実施の形態は、第7実施の形態において、外部制御装置31により映像出力機器1−1〜1−4をも制御するようにして、調整モードでは映像出力機器1−1〜1−4にテスト画像の出力を指示すると共に、画像処理装置2−1〜2−4には調整動作を指示し、調整終了後は、両者に通常モードヘの移行を指示するようにしたもので、その他の構成および動作は、第7実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0101】
(第9実施の形態)
図20は、本発明の第9実施の形態を示すブロック図である。
【0102】
本実施の形態は、第7実施の形態において、4台の映像出力機器として、第1群の映像出力機器1a−1〜1a−4と、第2群の映像出力機器1b−1〜1b−4とを有し、これら第1群または第2群の映像出力機器を外部制御装置31の制御のもとにマトリックススイッチャ45により切り換えて、第1群および第2群に対して共通の画像処理装置2−1〜2−4に接続するようにしたものである。
【0103】
このため、本実施の形態では、調整モードでは、マトリックススイッチャ45により映像出力機器群を切り換えて、各映像出力機器群に対する画像処理装置2−1〜2−4の入力特性パラメータを算出してそれぞれ格納しておく。すなわち、画像処理装置2−1については対応する映像出力機器1a−1,1b−1に対する入力特性パラメータをそれぞれ算出して格納し、画像処理装置2−2については対応する映像出力機器1a−2,1b−2に対する入力特性パラメータをそれぞれ算出して格納し、画像処理装置2−3については対応する映像出力機器1a−3,1b−3に対する入力特性パラメータをそれぞれ算出して格納し、画像処理装置2−4については対応する映像出力機器1a−4,1b−4に対する入力特性パラメータをそれぞれ算出して格納する。
【0104】
その後の通常モードでは、外部制御装置31の制御のもとに、マトリックススイッチャ45による映像出力機器群の切り換えに同期して、画像処理装置2−1〜2−4の入力特性パラメータを対応するパラメータに切り換える。その他の構成および動作は、第7実施の形態と同様である。
【0105】
なお、本発明は、映像出力機器からの映像信号を処理して表示装置に表示する場合に限らず、単に、映像出力機器からの映像信号を処理して出力する場合にも有効に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の第1実施の形態を示すブロック図である。
【図2】第1実施の形態の「調整モード」時の動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】映像出力機器から出力するテスト画像を説明するための図である。
【図4】第1実施の形態の「通常モード」時の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】「調整モード」における処理の一具体例を説明するための図である。
【図6】同じく、他の具体例を説明するための図である。
【図7】同じく、他の具体例を説明するための図である。
【図8】同じく、他の具体例を説明するための図である。
【図9】同じく、他の具体例を説明するための図である。
【図10】同じく、他の具体例を説明するための図である。
【図11】本発明の第2実施の形態を示すブロック図である。
【図12】同じく、第3実施の形態を示すブロック図である。
【図13】同じく、第4実施の形態を示すブロック図である。
【図14】同じく、第5実施の形態を示すブロック図である。
【図15】第5実施の形態におけるマルチ映像表示システムの構成例を説明するための図である。
【図16】第5実施の形態の「調整モード」における処理の一具体例を説明するための図である。
【図17】本発明の第6実施の形態を示すブロック図である。
【図18】同じく、第7実施の形態を示すブロック図である。
【図19】同じく、第8実施の形態を示すブロック図である。
【図20】同じく、第9実施の形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0107】
1,1−1〜1−4,1a−1〜1a−4,1b−1〜1b−4 映像出力機器
2,2−1〜2−4 画像処理装置
3,3−1〜3−4 表示装置
11 A/D変換部
11a オフセット補正レジスタ
11b ゲイン補正レジスタ
12 γ補正部
13 γ補正LUT
14 データ読み取り部
14a データ格納メモリ
15 解像度変換部
16 内部テスト画像発生部
17 幾何補正部
18 色補正部
19 不揮発性メモリ
20 モード選択スイッチ
21 制御部
25 撮像装置
31 外部制御装置
35 信号補正部
36 信号補正LUT
41,41−1〜41−4 スクリーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像出力手段からの映像信号を処理するにあたり、
上記映像処理手段から処理すべき映像信号の出力に先立ってテスト画像を出力させ、該テスト画像を無補正状態で処理して無補正処理テスト画像を得、その無補正処理テスト画像と所望特性画像との比較に基づいて、上記映像出力手段からの映像信号を所望特性に処理するための入力特性パラメータを算出し、
その後、上記映像出力手段からの映像信号を、上記入力特性パラメータに基づいて補正して処理することを特徴とする画像処理方法。
【請求項2】
映像出力手段からの映像信号を表示手段に表示するように処理するにあたり、
上記映像処理手段から処理すべき映像信号の出力に先立ってテスト画像を出力させ、該テスト画像を無補正状態で処理して無補正処理テスト画像を得、その無補正処理テスト画像と所望特性画像との比較に基づいて、上記映像出力手段からの映像信号を所望特性に処理するための入力特性パラメータを算出すると共に、上記表示手段に表示特性補正用の内部テスト画像を表示させ、その表示画像を撮像して得られる撮影データに基づいて、上記表示手段に表示する信号を所望表示特性に補正するための出力特性パラメータを算出し、
その後、上記映像出力手段からの映像信号を、上記入力特性パラメータおよび上記出力特性パラメータに基づいて補正して処理して、上記表示手段に表示することを特徴とする画像処理方法。
【請求項3】
上記映像出力手段から出力するテスト画像は、R,G,Bのそれぞれについて、少なくとも最低輝度値と最高輝度値とを含む階調画像であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理方法。
【請求項4】
上記入力特性パラメータは、上記映像出力手段からの映像信号に対するオフセット、ゲイン、γの少なくとも一つの補正値を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像処理方法。
【請求項5】
映像出力手段からの映像信号を処理する画像処理装置において、
入力信号を変換する信号変換部と、
上記信号変換部での変換処理の入力特性パラメータを算出する特性パラメータ算出部と、
上記特性パラメータ算出部で算出された入力特性パラメータを格納する特性パラメータ記憶部と、
調整モードまたは通常モードを選択するモード選択手段とを有し、
上記モード選択手段により調整モードが選択されたときは、上記映像出力手段からのテスト画像を入力して、該テスト画像を上記信号変換部で何らの補正を施すことなく処理して無補正処理テスト画像として上記特性パラメータ算出部に供給し、該特性パラメータ算出部において、上記無補正処理テスト画像と所望特性画像との比較に基づいて、上記映像出力手段からの映像信号を所望特性に処理するための入力特性パラメータを算出して、その算出した入力特性パラメータを上記特性パラメータ記憶部に格納し、
上記モード選択手段により通常モードが選択されたときは、上記信号変換部において、上記特性パラメータ記憶部に格納されている上記入力特性パラメータに基づいて上記映像出力手段からの映像信号を補正して処理するよう構成したことを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
映像出力手段からの映像信号を表示手段に表示するように処理する画像処理装置において、
入力信号を変換する信号変換部と、
上記表示手段に表示する信号を補正する出力補正部と、
上記表示手段に選択的に表示させる表示特性補正用の内部テスト画像を発生させる内部テスト画像発生部と、
上記信号変換部での変換処理の入力特性パラメータを算出すると共に、上記表示手段に表示する信号の出力特性パラメータを算出する特性パラメータ算出部と、
上記特性パラメータ算出部で算出された入力特性パラメータおよび出力特性パラメータを格納する特性パラメータ記憶部と、
調整モードまたは通常モードを選択するモード選択手段とを有し、
上記モード選択手段により調整モードが選択されたときは、上記映像出力手段からのテスト画像を入力して、該テスト画像を上記信号変換部で何らの補正を施すことなく処理して無補正処理テスト画像として上記特性パラメータ算出部に供給し、該特性パラメータ算出部において、上記無補正処理テスト画像と所望特性画像との比較に基づいて、上記映像出力手段からの映像信号を所望特性に処理するための入力特性パラメータを算出して、その算出した入力特性パラメータを上記特性パラメータ記憶部に格納すると共に、上記内部テスト画像発生部から内部テスト画像を発生させて、該テスト画像を上記出力補正部で何らの補正を施すことなく上記表示手段に供給して表示し、その表示画像を撮像して得られる撮影データに基づいて、上記表示手段に表示する信号を所望表示特性に補正するための出力特性パラメータを算出して、その算出した出力特性パラメータを上記特性パラメータ記憶部に格納し、
上記モード選択手段により通常モードが選択されたときは、上記信号変換部において、上記特性パラメータ記憶部に格納されている上記入力特性パラメータに基づいて上記映像出力手段からの映像信号を補正して処理した後、その処理された映像信号を上記出力補正部において、上記特性パラメータ記憶部に格納されている上記出力特性パラメータに基づいて補正して上記表示手段に表示するよう構成したことを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
上記入力特性パラメータは、上記映像出力手段からの映像信号に対するオフセット、ゲイン、γの少なくとも一つの補正値を含むことを特徴とする請求項5または6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
上記信号変換部は、アナログ入力信号をデジタル信号に変換するA/D変換部を有し、該A/D変換部は、上記アナログ入力信号のオフセットおよび/またはゲインの調整手段を有することを特徴とする請求項5または6に記載の画像処理装置。
【請求項9】
上記信号変換部は、通常モードにおいて、上記特性パラメータ記憶部に格納されている上記出力特性パラメータを保存するルックアップテーブルを有することを特徴とする請求項5または6に記載の画像処理装置。
【請求項10】
上記特性パラメータ記憶部は、出力する映像信号特性が異なる複数の映像出力手段に対するそれぞれの入力特性パラメータを格納し、上記信号変換部に映像信号を供給する映像出力手段に対応する入力特性パラメータを選択して、その選択された入力特性パラメータに基づいて入力される映像信号を上記信号変換部で補正して処理するよう構成したことを特徴とする請求項5〜9のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項11】
映像出力手段からの映像信号を表示手段に表示するように処理する画像処理装置において、
上記映像出力手段からの映像信号を色補正する第1色補正部と、
上記表示手段に表示する信号を色補正する第2色補正部とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項12】
上記第1色補正部および/または上記第2色補正部は、オフセット、ゲイン、γの少なくとも一つ補正することを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。
【請求項13】
複数の映像出力機器を有する映像出力手段からの映像信号を画像処理手段で処理して複数の表示装置を有する表示手段により一つの画像として表示するマルチ映像表示システムにおいて、
上記表示手段による一つの画像の表示に先立って、上記映像出力手段の各映像出力機器からテスト画像を出力させ、これらテスト画像を上記画像処理手段において何らの補正を施すことなく処理して、それぞれの無補正処理テスト画像と共通の所望特性画像との比較に基づいて、上記各映像出力機器について、当該映像出力機器からの映像信号を所望特性に処理するための入力特性パラメータを算出し、
その後、上記各映像出力機器からの映像信号を、上記画像処理手段において対応する入力特性パラメータに基づいて補正して処理して、上記表示手段により一つの画像として表示することを特徴とするマルチ映像表示システム。
【請求項14】
上記各映像出力機器の各々から出力するテスト画像は、R,G,Bのそれぞれについて、少なくとも最低輝度値と最高輝度値とを含む階調画像であることを特徴とする請求項13に記載のマルチ映像表示システム。
【請求項15】
上記各映像出力機器に対応する入力特性パラメータは、当該映像出力機器からの映像信号に対するオフセット、ゲイン、γの少なくとも一つの補正値を含むことを特徴とする請求項13または14に記載のマルチ映像表示システム。
【請求項16】
上記共通の所望特性画像を、上記複数の映像出力機器に対応する複数の上記無補正処理テスト画像の平均画像としたことを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載のマルチ映像表示システム。
【請求項17】
上記画像処理手段は、上記複数の映像出力機器からの映像信号を並列的に入力して処理する一つの画像処理装置を有することを特徴とする請求項13〜16のいずれか一項に記載のマルチ映像表示システム。
【請求項18】
上記画像処理手段は、上記複数の映像出力機器に対応する複数の画像処理装置を有することを特徴とする請求項13〜16のいずれか一項に記載のマルチ映像表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−217208(P2006−217208A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−27297(P2005−27297)
【出願日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】