説明

画像処理装置、その処理方法及びプログラム

【課題】
対象物体が表示されたボディマーク上に、異なる形状で撮像された当該対象物体における注目領域を合成して表示できるようにした技術を提供する。
【解決手段】
画像処理装置は、第1の形状の対象物体を表すボディマーク上に該対象物体における注目領域の位置を表示する。ここで、画像処理装置は、第1の形状とは異なる第2の形状の対象物体の画像を取得する画像取得手段と、第2の形状の対象物体における注目領域の位置を、第1の形状の前記対象物体における対応位置に変換する変換手段と、当該変換された注目領域の位置をボディマーク上に表示する合成手段とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、その処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波検査時のプローブ操作の支援や、電子カルテや画像診断レポートなどの医用文書を作成するため、対象物体の簡略形状を表すボディマーク上に医用画像内の病変部の情報やプローブの位置情報を表示する技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、超音波検査時の患者の乳房上の位置から乳房を表す標準的なボディマーク上への座標変換を行なう変換規則を求め、当該ボディマーク上に超音波プローブの位置を(ボディマーク座標系に正規化して)表示する技術が開示されている。また、例えば、特許文献2には、X線CT装置やMRI装置により撮像された対象物体をボリュームレンダリングして3Dボディマークを生成し、当該3Dボディマーク上に病変部の位置及びプローブの位置を表す図形を重ね合わせて表示する技術が開示されている。この技術によれば、超音波検査時に医師が病変部を検索する際のプローブ操作を支援することができる。
【0004】
ここで、乳腺科領域においては、MRI装置によって乳房を撮像した画像内で病変部の位置を同定した上で、超音波装置によって当該部位の状態を撮像して観察する、という手順で画像診断を行なう場合がある。
【0005】
乳腺科における一般的な撮像プロトコルでは、MRI装置による撮像を伏臥位(うつ伏せの体位)で行ない、超音波装置による撮像を仰臥位(仰向けの体位)で行なう場合が多い。このような場合、医師は、まず、伏臥位で撮像されたMRI画像内から病変部の位置を同定する。続いて、撮像体位の差異に起因する乳房の変形(物理変形)を考慮して、当該同定した病変部の位置から仰臥位における病変部の位置を推定する。そして、当該推定した位置を超音波装置によって撮像する。
【0006】
しかし、撮像体位の差異に起因する乳房の変形(物理変形)は非常に大きく、医師が推定する仰臥位における病変部の位置は、実際と大きく異なっている場合がある。
【0007】
このような事態には、例えば、非特許文献1の手法を用いて、伏臥位で撮像されたMRI画像に物理変換を施し、仰臥位で撮像した場合のMRI画像を仮想的に生成すれば対処することができる。この手法を用いれば、伏臥位から仰臥位への物理変換情報に基づいて、仮想的に生成された仰臥位のMRI画像上において病変部の位置を算出することができる。また、仮想的な仰臥位のMRI画像を医師が読影することにより、当該画像上における病変部の位置を直接的に求めることもできる。
【0008】
このような物理変換の精度が高ければ、仰臥位の被検体から病変部を撮像する際には、仮想的な仰臥位のMRI画像上における病変部の近傍に、実際の病変部が存在することになるため、当該領域に対して撮像を行なえば良い。
【0009】
このような物理変換技術と上記特許文献2に開示されている方法とに基づけば、伏臥位で撮像された対象物体の画像を仰臥位で撮像された対象物体の画像に物理変換して仰臥位の3Dボディマークを生成することができる。更に、その上に病変部の位置を表す図形を重ね合わせて表示することにより、超音波検査時に医師が病変部を検索する際のプローブ操作を支援することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−086742号公報
【特許文献2】特開2008−279272号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】T. Carter, C. Tanner, N .B. Newman, D. Barratt and D. Hawkes, “MR Navigated Breast Surgery: Method and Initial Clinical Experience,” MICCAI2008, Part II, LNCS 5242, pp.356-363, 2008.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献1に記載された従来例では、伏臥位のMRI画像上で指摘した病変部の情報をボディマーク上には表示できなかった。もし仮に、MRI画像から得た乳房の外形に基づいて病変部の位置をボディマーク上に座標変換するような変換規則を求めたとしても、病変部の表示位置が実際のものとはずれてしまう。このようなずれが生じるのは、超音波及びMRIにおける撮影時の乳房の物理変形状態の違いが考慮されていないためである。そのため、プローブ操作を適切に支援できないことになる。
【0013】
また、上記非特許文献1と特許文献2との手法に基づいて仰臥位の3Dボディマークを生成したとしても、ボディマークの形状が簡略化・標準化されていないため、標準的な位置表現(A領域、B領域など)との対比が直感的でない。そのため、電子カルテや画像診断レポートなどの医用文書に用いるには適さないことになる。
【0014】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、対象物体が表示されたボディマーク上に、異なる形状で撮像された当該対象物体における注目領域を合成して表示できるようにした技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、第1の形状の対象物体を表すボディマーク上に該対象物体における注目領域の位置を表示する画像処理装置であって、前記第1の形状とは異なる第2の形状の前記対象物体の画像を取得する画像取得手段と、前記第2の形状の前記対象物体における注目領域の位置を、前記第1の形状の前記対象物体における対応位置に変換する変換手段と、前記変換された注目領域の位置を前記ボディマーク上に表示する合成手段とを具備する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、対象物体が表示されたボディマーク上に、異なる形状で撮像された当該対象物体における注目領域を合成して表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施の形態に係わる画像処理装置を配して構成した画像処理システムの構成の一例を示す図。
【図2】第1の画像撮像装置31により乳房を撮像する際の概要を示す図。
【図3】超音波断層画像の一例を示す図。
【図4】ボディマークの一例を示す図。
【図5】MRI画像の一例を示す図。
【図6】図1に示す画像処理装置10の処理の流れの一例を示すフローチャート。
【図7】実施形態2に係わる画像処理装置10の構成の一例を示す図。
【図8】実施形態2に係わるボディマークの一例を示す図。
【図9】実施形態2に係わる画像処理装置10の処理の流れの一例を示すフローチャート。
【図10】伏臥位用のボディマークの一例を示す図。
【図11】実施形態3に係わる画像処理装置10の構成の一例を示す図。
【図12】実施形態3に係わる画像処理装置10の処理の流れの一例を示すフローチャート。
【図13】実施形態3に係わるボディマークの一例を示す図。
【図14】実施形態3に係わるボディマークの変形例の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係わる実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態においては、人体の乳房を対象物体とするとともに、当該乳房における病変の拡がりを表す3次元領域(以下、病変領域と呼ぶ)を注目領域とする場合について説明する。
【0019】
(実施形態1)
図1は、本発明の一実施の形態に係わる画像処理装置を配して構成した画像処理システムの構成の一例を示す図である。
【0020】
画像処理システムには、第1の画像撮像装置31と、位置姿勢計測装置32と、第2の画像撮像装置33と、データサーバ34とが具備される。画像処理装置10は、第1の画像撮像装置31と、位置姿勢計測装置32と、データサーバ34とに対して通信可能に接続されている。画像処理装置10と第2の画像撮像装置33との間は、データサーバ34を介して通信が行なわれる。
【0021】
なお、第1の画像撮像装置31、第1の画像撮像装置31、位置姿勢計測装置32、第2の画像撮像装置33、データサーバ34には、それぞれコンピュータが内蔵されている。コンピュータには、CPU(Central Processing Unit)等の主制御手段、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶手段が具備される。また、コンピュータにはその他、マウスやディスプレイ等の入出力手段、ネットワークカード等の通信手段等も具備されていても良い。なお、これら各構成部は、バス等により接続され、主制御手段が記憶手段に記憶されたプログラムを実行することで制御される。
【0022】
第1の画像撮像装置31は、例えば、超音波を利用して画像を撮像する超音波装置で実現され、第1の形状にある対象物体(乳房)を撮像する。ここで、本実施形態においては、第1の形状とは、重力方向に対して仰向け(仰臥位)にある乳房の形状を指す。そのため、第1の画像撮像装置31においては、仰臥位時の乳房が撮像される。第1の画像撮像装置31においては、プローブから超音波信号を送受信することにより仰臥位時の乳房を撮像する。
【0023】
ここで、被検体が仰臥位にある場合、図2に示すように、仰臥位時の乳房の表面51にプローブ40を当てることによって撮像が行なわれる。これにより、図3に示すように、乳房の超音波断層画像60が取得される。超音波断層画像60は、画像処理装置10に逐次的に入力される。
【0024】
第1の画像撮像装置31は、図4に示すような乳房の概略形状を表す仰臥位ボディマーク(以下、単に、ボディマークと呼ぶ)70を保持している。なお、ボディマーク70は、例えば、ベクトル画像データ形式で保持されていても良いし、また、ラスタ画像データなどの他の形式で保持されていても良い。図4には、乳房50を表すボディマーク70が示されているが、他の部位(対象物体)の診断を行なう場合、ボディマークは、その診断対象となる部位等に応じて適宜変更される。
【0025】
第2の画像撮像装置33は、例えば、磁気共鳴を利用して画像を撮像するMRI装置で実現され、第2の形状にある対象物体(乳房)を撮像する。ここで、第2の形状とは、乳房の物理的な形状が第1の形状とは異なる形状を示し、本実施形態においては、重力方向に対してうつ伏せ(伏臥位)の乳房の形状を指す。そのため、第2の画像撮像装置33においては、伏臥位時の乳房が撮像される。第2の画像撮像装置33による(乳房の)撮像により、図5に示すMRI画像(3次元医用画像)80が取得される。
【0026】
データサーバ34は、各種データを保持する。データサーバ34には、例えば、第2の画像撮像装置33により撮像されたMRI画像80や、MRI画像80内における病変領域87の位置及び形状を示す形状データが保持される。MRI画像80や病変領域87の形状データは、画像処理装置10に入力される。
【0027】
位置姿勢計測装置32は、第1の画像撮像装置31に接続されるプローブ40の位置姿勢を計測する。位置姿勢計測装置32は、例えば、米国Polhemus社のFASTRAK等で実現され、図2に示すセンサ座標系92(位置姿勢計測装置32が基準として定める座標系)を基準としたプローブ40の位置姿勢を計測する。プローブ40の位置姿勢を示す情報(位置姿勢データ)は、画像処理装置10に逐次的に入力される。なお、位置姿勢計測装置32は、プローブ40の位置姿勢を計測できるのであれば、どのような方式で位置姿勢の計測を行なっても良い。
【0028】
画像処理装置10は、各種画像を処理する。ここで、画像処理装置10には、その機能的な構成として、ボディマーク取得部11と、断層画像取得部12と、位置姿勢取得部13と、形状データ算出部14と、ボディマーク変換規則算出部15と、プローブマーク算出部16と、画像合成部17とが具備される。また、画像処理装置10には、3次元画像取得部18、物理変換規則算出部19、変換領域算出部20、注目領域取得部21も具備される。
【0029】
ボディマーク取得部11は、第1の画像撮像装置31に保持されるボディマーク70を取得する。取得されたボディマーク70は、ボディマーク変換規則算出部15及び画像合成部17へ出力される。
【0030】
断層画像取得部12は、第1の画像撮像装置31から逐次的に入力される(仰臥位時の乳房の)超音波断層画像60を取得する。取得された超音波断層画像60は、形状データ算出部14及び画像合成部17へ出力される。
【0031】
位置姿勢取得部13は、位置姿勢計測装置32から逐次的に入力されるプローブ40の位置姿勢データを逐次的に取得する。取得された位置姿勢データは、形状データ算出部14及びプローブマーク算出部16へ出力される。
【0032】
3次元画像取得部18は、第2の画像撮像装置33から入力される(伏臥位時の乳房の)MRI画像80を取得する。取得されたMRI画像80は、物理変換規則算出部19及びボディマーク変換規則算出部15へ出力される。
【0033】
注目領域取得部21は、データサーバ34から入力される(伏臥位時の乳房の)病変領域87の位置及び形状を示す形状データを取得する。なお、注目領域は、例えば、MRI画像を読影した医師等により指摘された領域がなり得る。取得された形状データは、変換領域算出部20へ出力される。
【0034】
形状データ算出部14は、超音波断層画像60と、プローブ40の位置姿勢データとに基づいて、仰臥位時の乳房50の位置及び形状を示す形状データを算出する。算出された形状データは、物理変換規則算出部19へ出力される。
【0035】
物理変換規則算出部19は、MRI画像80内における伏臥位時の乳房の表面81の形状を、形状データ算出部14により算出された形状データと略一致するように変換させるための物理変換規則を算出する。すなわち、伏臥位時(第2の形状時)の乳房の表面81の形状を、仰臥位時(第1の形状時)の乳房の表面51の形状に略一致するように変換させるための物理変換規則を算出する。算出された物理変換規則は、変換領域算出部20へ出力される。
【0036】
ボディマーク変換規則算出部15は、仰臥位時の乳房の形状を、ボディマーク70の形状と略一致するように変換(正規化変換)させるためのボディマーク変換規則を算出する。算出されたボディマーク変換規則は、変換領域算出部20及びプローブマーク算出部16へ出力される。
【0037】
変換領域算出部20は、物理変換規則算出部19により算出された物理変換規則に基づいて、伏臥位時の病変領域87の形状データを、仰臥位時の病変領域の形状データに変換(物理変換)する。そして、ボディマーク変換規則に基づいて、当該変換後の形状データを更にボディマーク70上における病変領域77の形状データへと変換する。この変換後の形状データは、画像合成部17へ出力される。
【0038】
プローブマーク算出部16は、プローブ40の位置姿勢データと、ボディマーク変換規則とに基づいて、ボディマーク70上におけるプローブ40の位置を表すプローブマーク71を算出する。算出されたプローブマーク71は、画像合成部17へ出力される。
【0039】
画像合成部17は、ボディマーク70と、変換後の病変領域77の形状データと、プローブマーク71とを合成する。そして、その合成後の画像と超音波断層画像60とを合成して表示器(不図示)に表示する。
【0040】
以上が、画像処理システムの構成の一例についての説明である。なお、画像処理装置10に設けられる機能的な構成や各種装置は、必ずしも図示した通りに実現される必要はなく、システム内におけるいずれかの装置にその全部若しくは一部が実現されていればよい。例えば、位置姿勢計測装置32が画像処理装置10に組み込まれて実現されても良い。
【0041】
図6を用いて、図1に示す画像処理装置10の処理の流れの一例について説明する。この処理は、例えば、画像処理装置10において、CPUが、RAMをワーク領域として、ROM等に格納されたプログラムを読み込み実行することで実現される。
【0042】
[S101]
画像処理装置10は、まず、3次元画像取得部18において、データサーバ34から伏臥位時の乳房のMRI画像80を取得する。なお、本実施形態においては、MRI画像80内から乳房の表面81が伏臥位時の乳房の形状として予め抽出されているものとする。また、本実施形態においては、乳頭82、乳房上端(不図示)、乳房下端(不図示)、乳房左端(不図示)、乳房右端(不図示)を伏臥位時の乳房の特徴点とする。これら特徴点の位置XIkProne(1≦I≦II)も、伏臥位のMRI画像80から予め抽出されているものとする。これら伏臥位時の乳房の形状や、特徴点に関する情報は、MRI画像80の取得時にデータサーバ34から同時に取得される。なお、Iは特徴点それぞれに予め割り振られたインデックスを示し、Iは特徴点の数(本実施形態においては、「5」)を示す。
【0043】
[S102]
画像処理装置10は、断層画像取得部12において、第1の画像撮像装置31から画像処理装置10へと逐次入力される超音波断層画像60を取得する。
【0044】
[S103]
画像処理装置10は、位置姿勢取得部13において、位置姿勢計測装置32から画像処理装置10へと逐次入力されるプローブ40の位置姿勢データを取得する。
【0045】
[S104]
画像処理装置10は、形状データ算出部14において、仰臥位時の乳房の形状を取得する。具体的には、操作者がプローブ40の先端の中央部41を仰臥位時の乳房の表面51の複数箇所に接触させた瞬間の位置座標ベクトルを取得する。仰臥位時の乳房の形状は、これらの位置座標ベクトル群として表現されるものとする。
【0046】
[S105]
画像処理装置10は、物理変換規則算出部19において、伏臥位時の乳房の形状を、仰臥位時の乳房の形状と略一致するように変換させるための物理変換規則を算出する。
【0047】
この処理では、まず、伏臥位時の乳房の剛体部分(例えば、MRI画像80内の肋骨84)と、仰臥位時の乳房の剛体部分(例えば、超音波断層画像60内の肋骨64)とに基づいて、伏臥位から仰臥位への剛体変換規則を算出する。この算出処理には、ICP(Iterative Closest Point)法などの既知の手法を用いれば良い。
【0048】
続いて、伏臥位時の乳房の形状を、仰臥位時の乳房の形状と略一致するように、物理的な変形を考慮した変換を行なうための非剛体変換規則を算出する。この非剛体変換規則は、伏臥位から仰臥位の画像への変換時において、MRI画像80を構成する各画素が、対応位置まで移動する際の移動量を表す3次元変位ベクトル群で表現される。
【0049】
非剛体変換規則の算出には、例えば、重力変形シミュレーションに基づく手法を用いれば良い(非特許文献1参照)。本実施形態においては、伏臥位から仰臥位への物理変換規則は、上述の剛体変換規則と非剛体変換規則とによって構成される。
【0050】
[S106]
画像処理装置10は、ボディマーク取得部11において、第1の画像撮像装置31から乳房の概略形状を表すボディマーク70を取得する。本実施形態においては、乳頭72、乳房上端73、乳房下端74、乳房内端75、乳房外端76をボディマーク70の特徴点とする。これら特徴点の位置XIkBodymark(1≦I≦I)は、予め抽出されており、ボディマーク取得部11において、ボディマーク70とともに第1の画像撮像装置31から取得されるものとする。なお、これらの特徴点は、ボディマーク座標系94(ボディマークを含む平面をXY平面とし、それと直交する軸をZ軸として定義した座標系)で表されるものとし、本実施形態においては、XY平面上のみに存在するものとする。
【0051】
[S107]
画像処理装置10は、ボディマーク変換規則算出部15において、特徴点の位置の算出処理を行なう。より具体的には、伏臥位時の乳房の特徴点の位置XIkProne(1≦I≦I)を、S105の処理で算出された物理変換規則に基づいて、仰臥位時の乳房の特徴点の位置XIkSupine(1≦I≦I)に変換する。
【0052】
[S108]
画像処理装置10は、ボディマーク変換規則算出部15において、仰臥位時の乳房の形状を、ボディマーク70の形状と略一致するように変換させるためのボディマーク変換規則を算出する。具体的には、仰臥位時の乳房の特徴点の位置XIkSupineと、ボディマーク70の特徴点の位置XIkBodymarkとを対応するように変換させるためのボディマーク変換規則を算出する。ボディマーク変換規則の算出には、例えば、特許文献1に開示されている手法を用いれば良い。ボディマーク変換規則は、特徴点の位置の変換時において、仰臥位時の乳房上の各点が、ボディマーク座標系94におけるXY平面上の対応位置まで移動する際の移動量を表す3次元変位ベクトル群で表現される。
【0053】
[S109]
画像処理装置10は、注目領域取得部21において、データサーバ34から画像処理装置10へ入力される伏臥位時の病変領域87の形状データを取得する。本実施形態においては、伏臥位時の病変領域87を、伏臥位時の乳房のMRI画像80と同じ大きさのラベル画像として取得し、ILesionProne(x,y,z)と表記する。ここで、ILesionProne(x,y,z)は、MRI画像座標系95における位置座標ベクトルXProne(x,y,z)が病変領域を表すか否かを表す1か0のいずれかの値を持つスカラ関数である。
【0054】
[S110]
画像処理装置10は、変換領域算出部20において、ボディマーク座標系94における病変領域77を算出する。すなわち、ILesionProne(x,y,z)=1となる位置座標ベクトルXVkProne(1≦V≦V)それぞれを、物理変換規則とボディマーク変換規則とを用いて変換する。これにより、ボディマーク座標系94における位置座標ベクトルXVkBodymarkを算出する。なお、Vは、伏臥位時の病変領域87を構成する画素の個数である。その後、位置座標ベクトルXVkBodymarkで表される領域を、ボディマーク座標系94における病変領域77として設定する。
【0055】
[S111]
画像処理装置10は、断層画像取得部12において、第1の画像撮像装置31から画像処理装置10へと逐次入力される超音波断層画像60を取得する。
【0056】
[S112]
画像処理装置10は、位置姿勢取得部13において、位置姿勢計測装置32から画像処理装置10へと逐次入力されるセンサ座標系92におけるプローブ40の位置姿勢データを取得する。
【0057】
[S113]
画像処理装置10は、プローブマーク算出部16において、プローブマークの算出を行なう。より具体的には、超音波断層画像60内のプローブ先端の左端部68及び右端部69の位置を、ボディマーク変換規則に基づいて、ボディマーク座標系94におけるプローブ先端の左端部78及び右端部79の位置に変換する。そして、左端部78の位置と右端部99の位置とを結ぶ線分をプローブマーク71とする。
【0058】
[S114]
画像処理装置10は、画像合成部17において、ボディマーク70上に、病変領域77とプローブマーク71とを合成して表示する。そして、S111の処理で取得された超音波断層画像60上の所定の位置に当該ボディマーク70を重畳表示する。
【0059】
[S115]
画像処理装置10は、処理を終了するか否かの判定を行なう。例えば、操作者が、マウス等を介して、表示部(不図示)上に配置された終了ボタンをクリックするなどした場合に処理を終了すると判定する。処理を終了すると判定した場合、画像処理装置10は、この処理を終了し、そうでなければ、再度、S111の処理に戻り、新たに取得される超音波断層画像60及びプローブ40の位置姿勢データに対して上記同様の処理を行なう。
【0060】
以上説明したように本実施形態によれば、伏臥位で撮像されたMRI画像内の病変領域(注目領域)を仰臥位で撮像が行なわれたときの形状に変換し、当該変換後の病変領域をボディマーク上の適切な位置に合成して表示することができる。また、仰臥位での撮像時におけるプローブの位置姿勢をボディマーク上の適切な位置に併せて表示することができる。
【0061】
これにより、操作者は、注目領域とプローブとの位置関係を参照しながら、プローブを操作することができる。また、注目領域とプローブとの位置関係を容易に把握可能な医用文書の作成も支援することができる。
【0062】
(実施形態2)
次に、実施形態2について説明する。実施形態2においては、実施形態1で説明した処理に加えて、伏臥位時に撮像された病変領域の形状に対して物理変換を施さずに、ボディマークへの正規化変換(ボディマーク変換)のみを実施して当該病変領域をボディマーク上に表示する場合について説明する。すなわち、実施形態2に係わる合成後の表示では、実施形態1で説明した病変領域とともに、伏臥位時に撮像された病変領域が合成して表示される(図8参照)。以下、実施形態2に係わる画像処理装置について、実施形態1との相違部分について重点的に説明する。
【0063】
図7は、実施形態2に係わる画像処理装置10の構成の一例を示す図である。なお、実施形態1を説明した図1と同じ構成については同じ番号を付しており、その説明については省略する場合もある。
【0064】
実施形態2に係わる画像処理装置10においては、図1に示す構成に加えて、第2のボディマーク変換規則算出部23と、第2の変換領域算出部22とが設けられる。
【0065】
第2のボディマーク変換規則算出部23は、3次元画像取得部18により取得された伏臥位時の乳房の形状を、ボディマーク取得部11により取得されたボディマーク70の形状と略一致するように変換(正規化変換)させるための変換規則を算出する。この変換規則(第2のボディマーク変換規則)は、第2の変換領域算出部22へ出力される。
【0066】
第2の変換領域算出部22は、第2のボディマーク変換規則に基づいて、注目領域取得部21により取得された伏臥位時の病変領域87の形状データを、ボディマーク70上における病変領域の形状データへ変換させる。この形状データは、画像合成部17へ出力される。
【0067】
画像合成部17は、ボディマーク70と、変換領域算出部20及び第2の変換領域算出部22によりそれぞれ算出された領域の形状データと、プローブマーク71とを合成する。そして、当該合成後の画像と超音波断層画像60とを合成して表示する。
【0068】
図8は、変換領域算出部20及び第2の変換領域算出部22によりそれぞれ算出された領域の形状データを表示したボディマークの一例を示す図である。なお、実施形態1を説明した図4と同じ部分については同じ符号を付してある。
【0069】
実施形態2においては、ボディマーク70上に、実施形態1同様の病変領域77に加えて、伏臥位時の病変領域103が表示される。その他、病変領域77に対応して仰臥位マーク102が表示され、病変領域103に対応して伏臥位マーク101も表示されている。
【0070】
次に、図9を用いて、実施形態2に係わる画像処理装置10の処理の流れの一例について説明する。この処理は、実施形態1と同様に、例えば、画像処理装置10において、CPUが、RAMをワーク領域として、ROM等に格納されたプログラムを読み込み実行することで実現される。なお、基本的な処理の流れは、実施形態1を説明した図6と同様となるため、ここでは、相違する処理について重点的に説明する。
【0071】
ここで、相違する処理としては、S201〜S203の処理が追加されている点である。
【0072】
[S201]
画像処理装置10は、第2のボディマーク変換規則算出部23において、伏臥位時の乳房の形状を、ボディマーク70の形状と略一致するように変換させるための第2のボディマーク変換規則を算出する。より具体的には、S107の処理で算出された伏臥位時の乳房の特徴点の位置XIkProneと、ボディマーク70の特徴点の位置XIkBodymarkとが対応するように変換する規則を算出する。第2のボディマーク変換規則の算出には、例えば、特許文献1に開示されている手法を用いれば良い。第2のボディマーク変換規則は、特徴点の位置の変換時において、伏臥位時の乳房上の各点が、ボディマーク座標系94におけるXY平面上の対応位置まで移動する際の移動量を表す3次元変位ベクトル群で表現される。
【0073】
[S202]
画像処理装置10は、第2の変換領域算出部22において、ボディマーク座標系94における伏臥位時の病変領域103の形状を算出する。この処理においては、まず、ILesionProne(x,y,z)=1となる位置座標ベクトルXVkProne(1≦V≦V)それぞれを、第2のボディマーク変換規則を用いて変換する。そして、ボディマーク座標系94における位置座標ベクトルX’VkBodymarkを算出する。最後に、位置座標ベクトルX’VkBodymarkで表される領域を、ボディマーク座標系94における病変領域103として設定する。
【0074】
[S203]
画像処理装置10は、画像合成部17において、実施形態1と同様に、ボディマーク70上に、病変領域77とプローブマーク71とを合成して表示する。その上で、伏臥位時の病変領域103と伏臥位マーク101(例えば、伏臥位(Prone)の頭文字であるPの文字)とを併せて表示する。更に、病変領域77に仰臥位マーク102(例えば、仰臥位(Supine)の頭文字であるSの文字)を併せて表示しても良い。その後、S111の処理で取得された超音波断層画像60上に、当該ボディマーク70を重畳表示する。
【0075】
以上説明したように実施形態2によれば、異なる物理形状で撮像された対象物体の注目領域を1つのボディマーク上に同時に表示することができる。これにより、操作者は、異なる物理形状の注目領域の位置関係を参照しながら、プローブを操作することができる。また、異なる物理形状の注目領域の位置関係を容易に把握可能な医用文書の作成も支援することができる。
【0076】
(実施形態3)
次に、実施形態3について説明する。実施形態3においては、仰臥位用のボディマークと伏臥位用のボディマークとを両方表示する場合について説明する。以下、実施形態3に係わる画像処理装置について、実施形態1及び2との相違部分についてのみ説明する。
【0077】
図10は、伏臥位用のボディマークの一例を示す図である。なお、実施形態3においては、伏臥位用のボディマーク110が、仰臥位用のボディマーク70と同一の形状であるものとして説明する。
【0078】
図11は、実施形態3に係わる画像処理装置10の構成の一例を示す図である。なお、実施形態2を説明した図7と同じ構成については同じ番号を付しており、その説明については省略する場合もある。
【0079】
実施形態3に係わる画像処理装置10においては、図7に示す構成に加えて、第2のプローブマーク算出部24が設けられる。
【0080】
ここで、ボディマーク取得部11は、実施形態2と同様に、画像処理装置10へ入力される仰臥位用のボディマーク70を取得し、ボディマーク変換規則算出部15及び画像合成部17へ出力する。また更に、ボディマーク取得部11は、伏臥位用のボディマーク110を取得し、第2のボディマーク変換規則算出部23及び画像合成部17へ出力する。
【0081】
第2のボディマーク変換規則算出部23は、3次元画像取得部18により取得された伏臥位時の乳房の形状を、伏臥位用のボディマーク110の形状と略一致するように変換(正規化変換)させるための第2のボディマーク変換規則を算出する。この第2のボディマーク変換規則は、第2の変換領域算出部22及び第2のプローブマーク算出部24へ出力される。
【0082】
第2のプローブマーク算出部24は、位置姿勢取得部13により取得されたプローブ40の位置姿勢データと、物理変換規則算出部19により取得された物理変換規則と、第2のボディマーク変換規則とを入力する。そして、これらの情報に基づいて、伏臥位用のボディマーク110上におけるプローブマーク111を算出して、画像合成部17へ出力する。
【0083】
画像合成部17は、仰臥位用のボディマーク70と、変換領域算出部20により算出された領域の形状データと、仰臥位時のプローブマーク71とを合成する。また、画像合成部17は、伏臥位用のボディマーク110と、第2の変換領域算出部22により算出された領域の形状データと、伏臥位時のプローブマーク111とを合成する。そして、これらを超音波断層画像60と合成して表示する。その後、それぞれのボディマークの物理形状を表す情報(それぞれのボディマークが仰臥位を表すのか伏臥位を表すのかを識別できる情報)も併せて表示する。
【0084】
図12を用いて、実施形態3に係わる画像処理装置10の処理の流れの一例について説明する。この処理は、実施形態1と同様に、例えば、画像処理装置10において、CPUが、RAMをワーク領域として、ROM等に格納されたプログラムを読み込み実行することで実現される。なお、基本的な処理の流れは、実施形態1を説明した図6及び実施形態2を説明した図9と同様となるため、ここでは、相違する処理について重点的に説明する。
【0085】
ここで、相違する処理としては、S301〜S303の処理が追加されている点である。
【0086】
[S301]
画像処理装置10は、第2のボディマーク変換規則算出部23において、伏臥位用のボディマーク110について、上述した実施形態2の図9で説明したS201と同様の処理を実施する。これにより、伏臥位時の乳房の形状を、伏臥位用のボディマーク110の形状と略一致するように変換させるための第2のボディマーク変換規則が算出される。
【0087】
[S302]
画像処理装置10は、第2のプローブマーク算出部24において、第2のプローブマークの算出を行なう。より具体的には、超音波断層画像60内のプローブ先端の左端部68及び右端部69の位置を、物理変換規則と第2のボディマーク変換規則とに基づいて、ボディマーク座標系96におけるプローブ先端の左端部118及び右端部119の位置に変換する。実施形態3においては、伏臥位から仰臥位への物理変換規則を、仰臥位から伏臥位への物理変換規則に変換して用いる。そして、左端部118及び右端部119の位置を結ぶ線分をプローブマーク111とする。
【0088】
[S303]
画像処理装置10は、画像合成部17において、図13に示すように、仰臥位用のボディマーク70と伏臥位用のボディマーク110との両方のボディマークを並べて表示する。具体的には、仰臥位用のボディマーク70上に、病変領域77とプローブマーク71とを表示する。また、仰臥位用のボディマーク70であることを表す情報(例えば仰臥位(Supine)の頭文字であるSの文字からなる仰臥位マーク121)も併せて表示する。
【0089】
また更に、伏臥位用のボディマーク110上(第2のボディマーク上)に、病変領域117とプローブマーク111とを表示する。そして、仰臥位用のボディマーク70と同様に、伏臥位用のボディマーク110であることを表す情報(例えば、伏臥位(Prone)の頭文字であるPの文字からなる伏臥位マーク116)も併せて表示する。最後に、S111の処理で取得された超音波断層画像上60に、仰臥位と伏臥位との両方のボディマークをそれぞれ重畳し、それらボディマークを並べて表示する。なお、乳房のボディマークは、一般的には、仰臥位時の乳房を表しているので、仰臥位用のボディマークであることを表す情報(仰臥位マーク121)は必ずしも表示しなくても良い。
【0090】
以上説明したように実施形態3によれば、異なる物理形状で撮像された対象物体の注目領域を、それぞれが対応するボディマーク上の適切な位置に同時に表示することができる。
【0091】
これにより、操作者は、異なる物理形状の注目領域の位置関係を参照しながら、プローブを操作することができる。また、異なる物理形状の注目領域の位置関係を容易に把握可能な医用文書の作成も支援することができる。
【0092】
以上が本発明の代表的な実施形態の一例であるが、本発明は、上記及び図面に示す実施形態に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。ここで、いくつか変形例を挙げて説明する。
【0093】
(実施形態3の変形例1)
上述した実施形態3では、仰臥位と伏臥位との両方のボディマークを(並べて)表示する場合について説明したが、これに限られない。例えば、伏臥位用のボディマーク110のみを表示しても良いし、また、仰臥位用と伏臥位用のボディマークを操作者の指示に応じて切り替えて表示するようにしても良い。
【0094】
(実施形態3の変形例2)
上述した実施形態3では、図13に示すように、仰臥位マーク121や伏臥位マーク116をPやSの文字で表す場合について説明したが、これに限られない。仰臥位マーク121や伏臥位マーク116は、仰臥位を表すのか伏臥位を表すのかを識別できる情報であれば何でも良く、例えば、図14に示すような、丸印(乳頭を表す領域)の中に黒丸や罰の印を描いた記号で示すようにしても良い。
【0095】
(実施形態1〜3の変形例1)
上述した実施形態1〜3では、人体の乳房を対象物体とする場合を例に挙げて説明したが、これに限られず、対象物体は、どのような部位であっても良い。
【0096】
また、上述した実施形態では、病変領域を注目領域とする場合を例に挙げて説明したが、注目領域はこれに限られず、どのような領域であっても良い。例えば、MRI画像内における生検などの治療痕を表す領域や、血腫を表す領域などであっても良い。また、注目領域は、複数あっても良いし、体積を持たない注目点(の位置)であっても良い。
【0097】
(実施形態1〜3の変形例2)
上述した実施形態1〜3では、プローブ40を用いて仰臥位時の乳房の表面51の形状の計測を行なう場合(S104参照)について説明したが、これに限られない。例えば、レンジセンサ等の形状計測装置を用いて仰臥位時の乳房の表面51の形状を計測しても良い。
【0098】
(実施形態1〜3の変形例3)
上述した実施形態1〜3では、乳房の概略形状を表す2次元のボディマークを用いる場合(図4参照)について説明したが、これに限られない、例えば、乳房の概略形状を表す3次元のボディマークを用いても良い。3次元のボディマークを用いる場合には、ボディマーク上の特徴点は、XY平面上以外にも存在することになる。
【0099】
(実施形態1〜3の変形例4)
上述した実施形態1〜3では、第1の形状は、重力方向に対して仰向け(仰臥位)の乳房の形状を指し、第2の形状は、重力方向に対してうつ伏せ(伏臥位)の乳房の形状を指す場合について説明したが、これに限られない。例えば、第1及び第2の形状は、側位、立位及び座位をも含めた任意の状態時の対象物体の形状であっても良い。
【0100】
また、重力方向に起因する形状の違いに限らず、それ以外の要因に起因する形状を第1及び第2の形状としても良い。例えば、MRI撮像時に使用するマンモコイル(不図示)の圧迫によって生じる変形や、超音波撮像時にプローブ40を乳房に押し当てることによって生じる変形などの影響による変形をそれぞれ第1及び第2の形状としても良い。なお、プローブ40を乳房に押し当てることによって生じる変形は、逐次的に変形する乳房の形状を計測することが可能な距離計測装置を用いれば良い。また、この場合、図6、図9及び図12に示すS115の処理において、終了すると判定されなかった場合には、図6、図9及び図12に示すS104まで処理を戻せば良い。
【0101】
(実施形態1〜3の変形例5)
上述した実施形態1〜3では、第2の画像撮像装置33としてMRI装置を用いる場合について説明したが、これに限られない。例えば、X線CT装置、光音響トモグラフィ装置、OCT(Optical Coherence Tomograph)装置、PET/SPECT、3次元超音波装置などを第2の画像撮像装置として用いても良い。すなわち、3次元で画像を取得でき、且つ、第1の画像撮像装置31により撮像された対象物体(乳房)の形状と異なる形状の対象物体を撮像できるのであれば、どのような装置であっても良い。
【0102】
(実施形態1〜3の変形例6)
上述した実施形態1〜3では、ボディマーク上に、プローブマークを合成して表示する場合について説明したが、プローブマークは、必ずしも表示する必要はない。
【0103】
(実施形態1〜3の変形例7)
上述した実施形態1〜3では、ボディマーク上の対応する位置に、所定の形状を有する病変領域(注目領域)を合成して表示する場合について説明したが、これに限られない。例えば、注目領域の位置のみをボディマーク上に合成して表示するようにしても良い。
【0104】
(実施形態1〜3の変形例8)
本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施態様を採ることもできる。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0105】
(その他の実施形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の形状の対象物体を表すボディマーク上に該対象物体における注目領域の位置を表示する画像処理装置であって、
前記第1の形状とは異なる第2の形状の前記対象物体の画像を取得する画像取得手段と、
前記第2の形状の前記対象物体における注目領域の位置を、前記第1の形状の前記対象物体における対応位置に変換する変換手段と、
前記変換された注目領域の位置を前記ボディマーク上に表示する合成手段と
を具備することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記変換手段は、
前記第1の形状及び前記第2の形状における前記対象物体の形状に基づいて、前記第2の形状の前記対象物体における前記注目領域の位置及び形状を、前記第1の形状の前記対象物体における対応する位置及び形状に変換する物理変換手段と、
前記第2の形状の前記対象物体における前記注目領域の位置及び形状と、前記ボディマークの形状とに基づいて、前記物理変換手段により変換された注目領域の位置及び形状を、前記ボディマーク上の位置及び形状に変換するボディマーク変換手段と
を具備し、
前記合成手段は、
前記ボディマーク変換手段により変換された前記ボディマーク上の位置に当該変換された形状を有する注目領域を表示する
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記変換手段は、
前記第2の形状の前記対象物体における前記注目領域の位置及び形状を、前記ボディマーク上の位置及び形状に変換する第2のボディマーク変換手段
を具備し、
前記合成手段は、
前記第2のボディマーク変換手段により変換された前記ボディマーク上の位置に当該変換された形状を有する注目領域を更に表示する
ことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記変換手段は、
前記第2の形状の前記対象物体における前記注目領域の位置及び形状を、当該第2の形状の対象物体を表す第2のボディマーク上の位置及び形状に変換する第2のボディマーク変換手段
を具備し、
前記合成手段は、
前記ボディマーク変換手段により変換された前記ボディマーク上の位置への当該変換された形状を有する注目領域の表示と、前記第2のボディマーク変換手段により変換された前記第2のボディマーク上の位置への当該変換された形状を有する注目領域の表示との少なくともいずれかを行なう
ことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第1の形状の対象物体は、プローブから超音波信号を送受信することにより撮像されており、
前記第1の形状の対象物体の撮像が行なわれたときの前記プローブの位置を表すプローブマークを算出するプローブマーク算出手段
を更に具備し、
前記合成手段は、
前記ボディマーク上に、前記プローブマークを更に表示する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記第1の形状の対象物体は、プローブから超音波信号を送受信することにより撮像されており、
前記第1の形状の対象物体の撮像が行なわれたときの前記プローブの位置を表すプローブマークを算出するプローブマーク算出手段と、
前記第1の形状及び前記第2の形状における前記対象物体の形状に基づいて、前記プローブマークの位置を前記第2の形状の前記対象物体における対応する位置に変換した第2のプローブマークを算出する第2のプローブマーク算出手段と
を更に具備し、
前記合成手段は、
前記第2のボディマーク上に、前記第2のプローブマークを更に表示する
ことを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記合成手段は、
前記第1の形状の対象物体における注目領域と、前記第2の形状の対象物体における注目領域とを識別する情報を更に表示する
ことを特徴とする請求項3又は4記載の画像処理装置。
【請求項8】
第1の形状の対象物体を表すボディマーク上に該対象物体における注目領域の位置を表示する画像処理装置の処理方法であって、
画像取得手段が、前記第1の形状とは異なる第2の形状の前記対象物体の画像を取得する工程と、
変換手段が、前記第2の形状の前記対象物体における注目領域の位置を、前記第1の形状の前記対象物体における対応位置に変換する工程と、
合成手段が、前記変換された注目領域の位置を前記ボディマーク上に表示する工程と
を含むことを特徴とする処理方法。
【請求項9】
コンピュータを、請求項1から7のいずれか1項に記載の画像処理装置として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−217770(P2012−217770A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−89538(P2011−89538)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】