画像処理装置、画像処理プログラム、及び画像処理方法
【課題】対象物を表す複数の画像に基づいて精度良く対象物の立体画像を生成できる画像処理装置、画像処理プログラム、及び画像処理方法を提供する。
【解決手段】画像処理装置100は、対象物を表す第1画像を特徴付ける複数の第1特徴点と、対象物を異なる方向から表す第2画像を特徴付ける第2特徴点とを抽出する特徴点抽出部120と、第1特徴点との相対距離が所定の距離範囲に属する他の第1特徴点の数で当該第1特徴点を特徴付ける第1相対位置特徴量と、第2特徴点との相対距離が距離範囲に属する他の第2特徴点の数で当該第2特徴点を特徴付ける第2相対位置特徴量とを算出する相対位置特徴量算出部130と、第1相対位置特徴量と第2相対位置特徴量とで第1特徴点と第2特徴点とを対応させる特徴点対応部150と、対応した第1特徴点と第2特徴点とを用いて対象物を表す立体画像を生成する立体画像生成部180と、を備える。
【解決手段】画像処理装置100は、対象物を表す第1画像を特徴付ける複数の第1特徴点と、対象物を異なる方向から表す第2画像を特徴付ける第2特徴点とを抽出する特徴点抽出部120と、第1特徴点との相対距離が所定の距離範囲に属する他の第1特徴点の数で当該第1特徴点を特徴付ける第1相対位置特徴量と、第2特徴点との相対距離が距離範囲に属する他の第2特徴点の数で当該第2特徴点を特徴付ける第2相対位置特徴量とを算出する相対位置特徴量算出部130と、第1相対位置特徴量と第2相対位置特徴量とで第1特徴点と第2特徴点とを対応させる特徴点対応部150と、対応した第1特徴点と第2特徴点とを用いて対象物を表す立体画像を生成する立体画像生成部180と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体画像を生成する画像処理装置、画像処理プログラム、及び画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の方向から対象物を撮影するためにカメラが移動した平行移動量をセンサーが検出した加速度を用いて算出すると共に、算出した平行移動量に基づいて対象物の立体画像を生成できるカメラについて開示されている。
【0003】
また、1つのカメラで複数の位置から同一の対象物を撮影した複数の画像間において、対象物上のある点が画像上で位置を変化させた変化量を算出すると共に、算出した変化量に基づいて対象物の立体画像を生成する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−23562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1に係る技術は、カメラが加速度センサーを備えなければならない。また、対象物を表す複数の画像を用いて対象物の立体画像を生成する方法では、センサーを必要としないが、画像に表された対象物の大きさ(スケール)の変化、又は他の物体に隠れて画像上に表示されない対象物の部分(オクルージョン)の変化がそれぞれの画像間で生じる場合がある。このため、それぞれの画像に表された対象物上の点を精度良く対応付けることができず、対象物の立体画像を精度良く生成できないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、このような点に鑑み、その目的とするところは、対象物を表す複数の画像に基づいて精度良く対象物の立体画像を生成できる画像処理装置、画像処理プログラム、及び画像処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第一の観点に係る画像処理装置は、
対象物を表す第1画像と、前記第1画像と異なる方向から前記対象物を表す第2画像とを取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段が取得した前記第1画像を特徴付ける複数の第1特徴点を前記第1画像から抽出すると共に、前記第2画像を特徴付ける複数の第2特徴点を前記第2画像から抽出する特徴点抽出手段と、
前記特徴点抽出手段が抽出した前記第1特徴点との相対距離が所定の距離範囲に属する他の前記第1特徴点の数で前記第1特徴点を特徴付ける第1相対位置特徴量と、前記第2特徴点との相対距離が前記距離範囲に属する他の前記第2特徴点の数で前記第2特徴点を特徴付ける第2相対位置特徴量とを算出する相対位置特徴量算出手段と、
前記相対位置特徴量算出手段が算出した前記第1相対位置特徴量と前記第2相対位置特徴量との差異に基づいて、前記第1相対位置特徴量で特徴付けられる前記第1特徴点と、前記第2相対位置特徴量で特徴付けられる前記第2特徴点とを対応させる特徴点対応手段と、
前記特徴点対応手段が対応させた前記第1特徴点と前記第2特徴点とを用いて、前記対象物を表す立体画像を生成する立体画像生成手段と、を備えることを特徴としている。
【0008】
また上記目的を達成するため、本発明の第二の観点に係る画像処理プログラムは、
コンピュータを、
対象物を表す第1画像と、前記第1画像と異なる方向から前記対象物を表す第2画像とを取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段が取得した前記第1画像を特徴付ける複数の第1特徴点を前記第1画像から抽出すると共に、前記第2画像を特徴付ける複数の第2特徴点を前記第2画像から抽出する特徴点抽出手段と、
前記特徴点抽出手段が抽出した前記第1特徴点との相対距離が所定の距離範囲に属する他の前記第1特徴点の数で前記第1特徴点を特徴付ける第1相対位置特徴量と、前記第2特徴点との相対距離が前記距離範囲に属する他の前記第2特徴点の数で前記第2特徴点を特徴付ける第2相対位置特徴量とを算出する相対位置特徴量算出手段と、
前記相対位置特徴量算出手段が算出した前記第1相対位置特徴量と前記第2相対位置特徴量との差異に基づいて、前記第1相対位置特徴量で特徴付けられる前記第1特徴点と、前記第2相対位置特徴量で特徴付けられる前記第2特徴点とを対応させる特徴点対応手段と、
前記特徴点対応手段が対応させた前記第1特徴点と前記第2特徴点とを用いて、前記対象物を表す立体画像を生成する立体画像生成手段と、して機能させることを特徴としている。
【0009】
また上記目的を達成するため、本発明の第三の観点に係る画像処理方法は、
コンピュータが、対象物を表す第1画像と、前記第1画像と異なる方向から前記対象物を表す第2画像とを取得する画像取得ステップと、
前記コンピュータが、前記画像取得ステップで取得した前記第1画像を特徴付ける複数の第1特徴点を前記第1画像から抽出すると共に、前記第2画像を特徴付ける複数の第2特徴点を前記第2画像から抽出する特徴点抽出ステップと、
前記コンピュータが、前記特徴点抽出ステップで抽出した前記第1特徴点との相対距離が所定の距離範囲に属する他の前記第1特徴点の数で前記第1特徴点を特徴付ける第1相対位置特徴量と、前記第2特徴点との相対距離が前記距離範囲に属する他の前記第2特徴点の数で前記第2特徴点を特徴付ける第2相対位置特徴量とを算出する相対位置特徴量算出ステップと、
前記コンピュータが、前記相対位置特徴量算出ステップで算出した前記第1相対位置特徴量と前記第2相対位置特徴量との差異に基づいて、前記第1相対位置特徴量で特徴付けられる前記第1特徴点と、前記第2相対位置特徴量で特徴付けられる前記第2特徴点とを対応させる特徴点対応ステップと、
前記コンピュータが、前記特徴点対応ステップで対応させた前記第1特徴点と前記第2特徴点とを用いて、前記対象物を表す立体画像を生成する立体画像生成ステップと、
を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る画像処理装置、画像処理プログラム、及び画像処理方法によれば、対象物を表す複数の画像に基づいて精度良く対象物の立体画像を生成できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態に係る画像処理装置の一構成例を表すハードウェア構成図である。
【図2】図2(a)は、第1画像の一例を表す図であり、図2(b)は、第2画像の一例を表す図である。
【図3】第1の実施形態に係る画像処理装置が実行する立体画像生成処理の一例を表すフローチャートである。
【図4】図4(a)は、第1の実施形態に係る画像処理装置が有する機能の一例を表す機能ブロック図であり、図4(b)は、相対位置特徴量算出部の一例を表す機能ブロック図である。
【図5】図5(a)は、第1特徴点の一例を表す図であり、図5(b)は、第2特徴点の一例を表す図である。
【図6】相対位置特徴量算出部が実行する相対位置特徴量算出処理の一例を表すフローチャートである。
【図7】投票箱の一例を表す図である。
【図8】視差ベクトルの一例を表す図である。
【図9】視差ベクトルの分布の一例を表す図である。
【図10】第2の実施形態に係る画像処理装置が実行する立体画像生成処理の一例を表すフローチャートである。
【図11】第2の実施形態に係る画像処理装置が有する機能の一例を表す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の最良の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。
【0013】
<第1実施形態>
第1実施形態に係る画像処理装置100は、図1に示す様なハードウェア構成を有するパーソナルコンピュータである。尚、画像処理装置100は、デジタルカメラ又はデジタルビデオカメラに内蔵されても良い。画像処理装置100は、図2(a)に示す様な第1画像と、図2(b)に示す様な第2画像とを用いて、第1画像及び第2画像に表された対象物(被写体)の立体画像を生成する。尚、第2画像は、第1画像よりも下側の位置から対象物を撮影した画像である。
【0014】
画像処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)100a、ROM(Read Only Memory)100b、RAM(Random Access Memory)100c、ハードディスク100d、メディアコントローラ100e、LAN(Local Area Network)カード100f、ビデオカード100g、LCD(Liquid Crystal Display)100h、及びキーボード100iを備える。
【0015】
CPU100aは、ROM100b又はハードディスク100dに保存されたプログラムに従ってソフトウェア処理を実行することで、画像処理装置100の全体制御を行う。RAM100cは、CPU100aによるプログラムの実行時において、処理対象とする情報(データ)を一時的に記憶する。
【0016】
メディアコントローラ100eは、例えば、フラッシュメモリカード等の記録媒体から画像データを読み出す。メディアコントローラ100eによってデータを読み書きされる記録媒体及びハードディスク100dは、画像を表す画像データ及びプログラムを記憶している。LANカード100fは、画像処理装置100に接続する装置(又はインターネット)から画像データを受信(又はダウンロード)する。ビデオカード100gは、CPU100aに制御されて、LCD100hの表示を制御する。LCD100h及びキーボード100iは、ユーザーインターフェースを提供する。
【0017】
次に、画像処理装置100が、図1に示したハードウェアを用いて立体画像を生成するために実行するソフトウェア処理について説明を行う。図1のCPU100aは、図3に示す様な立体画像生成処理を実行することで、図4(a)に示す様な、画像取得部110、特徴点抽出部120、相対位置特徴量算出部130、費用表作成部140、特徴点対応部150、対応判定部160、誤対応除去部170、立体画像生成部180、立体画像表示制御部190、及び立体画像保存部195として機能する。
【0018】
図3の立体画像生成処理が開始されると、図4(a)の画像取得部110は、図1のメディアコントローラ100eから、第1画像を表す第1画像データと、第2画像を表す第2画像データとを取得する(ステップS01)。尚、画像処理装置100は、ハードディスク100d又はLANカード100fから第1画像データと第2画像データとを取得しても良い。
【0019】
次に、特徴点抽出部120は、ハリスのコーナー(角)検出法を用いて、第1画像を特徴付けるコーナー特徴量(以下、第1コーナー特徴量という)と、第2画像のコーナー特徴量(以下、第2コーナー特徴量という)とを算出する(ステップS02)。
【0020】
次に、特徴点抽出部120は、第1画像を所定の半径を有する円状の領域に分割すると共に、分割した領域において第1コーナー特徴量が最大となる点(以下、第1コーナー点という)を抽出する。また、特徴点抽出部120は、同様に分割した領域において第2コーナー特徴量が最大となる点(以下、第2コーナー点という)を抽出する。(ステップS03)。
【0021】
その後、特徴点抽出部120は、第1コーナー点の内で、第1コーナー特徴量が大きい(強い)点から順に100個の点を抽出して、図5(a)に示す様な第1特徴点とすると共に、第2コーナー点から同様に100個の点を抽出して、図5(b)に示す様な第2特徴点とする(ステップS04)。次に、特徴点抽出部120は、第1コーナー特徴量が大きい順に、第1特徴点に対して1番から100番までの番号を付すと共に、第2特徴点に対して同様に番号を付す。尚、図5(a)及び(b)は、それぞれ第1画像及び第2画像の左上の角を原点とした画像座標系における第1特徴点及び第2特徴点の位置を表す。
【0022】
次に、図4(a)の相対位置特徴量算出部130は、第1特徴点の相対位置特徴量(以下、第1相対位置特徴量という)と第2特徴点の相対位置特徴量(以下、第2相対位置特徴量という)とを算出する相対位置特徴量算出処理を実行する(ステップS05)。尚、相対位置特徴量算出部130が算出する相対位置特徴量は、シェイプコンテクスト(Serge Belonie著、「Shape Matching and Object Recognition Using Shape Contexts」、2002年4月発行、第509頁から第522頁 参照)である。また、相対位置特徴量算出部130は、図6に示す様な相対位置特徴量算出処理を実行することで、図4(b)に示す様な相対距離算出部131、距離正規化係数算出部132、投票箱設定部133、角度算出部134、投票部135、及び集計部136として機能する。
【0023】
図6の相対位置特徴量算出処理の実行が開始されると、図4(b)の相対距離算出部131は、先ず、1番の第1特徴点と1番以外(つまり、2番から100番)の第1特徴点との相対距離をそれぞれ算出する。また、相対距離算出部131は、2番から100番の第1特徴点及び1番から100番の第2特徴点についても同様に相対距離を算出する(ステップS21)。尚、以下単に、第1特徴点同士の相対距離を第1相対距離といい、第2特徴点同士の相対距離を第2相対距離という。
【0024】
次に、距離正規化係数算出部132は、第1相対距離を正規化する正規化係数と、第2相対距離を正規化する正規化係数とを算出する(ステップS22)。次に、距離正規化係数算出部132は、算出した正規化係数を用いて第1相対距離と第2相対距離とを正規化する。対象物の画像上の大きさが異なる場合でも、特徴点の相対距離を画像間で比較可能にするためである。尚、距離正規化係数算出部132は、処理精度を重視する場合には相乗平均を正規化係数とし、処理速度を重視する場合には相加平均を正規化係数とする。
【0025】
次に、投票箱設定部133は、図7に示す様な投票箱133aを第1特徴点毎及び第2特徴点毎に設定する(ステップS23)。投票箱133aは、投票箱133aに設定された第1特徴点(又は第2特徴点)を表す点を中心点とした5つの同心円と、互いに同じ角度を成す12個の半径とで構成されたグラフである。投票箱133aに描かれた点CPは、中心点で表される第1特徴点(又は第2特徴点)以外の第1特徴点(又は第2特徴点)を表す。点CPと中心点との距離は、中心点で表される特徴点と点CPで表される特徴点との相対的な対数距離を表し、点CPと中心点とを結んだ直線の方向(角度)は、中心点で表される特徴点と点CPで表される特徴点とを結んだ直線の方向(角度)を表す。つまり、投票箱133aは、距離で5分割され、かつ角度で12分割されているので、投票箱133aは、距離が所定範囲に属し、かつ角度が所定の範囲に属する60個の投票領域に分割されている。これらの投票領域は、投票箱設定部133によって1番から60番まで順に番号が付されている。
【0026】
図6のステップS23が実行された後に、図4(b)の角度算出部134は、1番の第1特徴点から他の(つまり、2番から100番の)第1特徴点への方向をそれぞれ算出する。また、角度算出部134は、2番から100番の第1特徴点及び1番から100番の第2特徴点についても同様に方向を算出する(ステップS24)。
【0027】
その後、投票部135は、1番の第1特徴点に対応した投票箱133aへ、1番の第1特徴点と1番以外の第1特徴点との相対距離及び角度を座標値にして、1番以外の第1特徴点を表す点をそれぞれ書き込む(以下、投票するという)。また、投票部135は、2番から100番の第1特徴点に対応した投票箱133a及び1番から100番の第2特徴点に対応した投票箱133aへ同様に投票を行う(ステップS25)。
【0028】
次に、集計部136は、1番の第1特徴点に対応する投票箱133aの1番から60番の投票領域について、それぞれの投票領域の獲得票数(つまり、Shape Context)を集計する。また、集計部136は、2番から100番の第1特徴点に対応する投票箱133a及び1番から100番の第2特徴点に対応する投票箱133aについても同様に集計を行う(ステップS26)。これは、ある第1特徴点(又は第2特徴点)を投票箱133aの中心に重ねた場合に、投票箱133aを構成するそれぞれ投票領域に投票される他の第1特徴点の数(又は他の第2特徴点の数)を用いて当該第1特徴点を特徴付けるためである。
【0029】
次に、集計部136は、投票領域に投票された票の数(投票領域の獲得票数)を、正規化する(ステップS27)。具体的には、集計部136は、ある投票箱133aへ投票された点の総数から当該投票箱133aを外れた点を差し引いた数(つまり、有効投票数)で、当該投票箱133aの投票領域毎の獲票数を除算する。投票箱133a間で各投票領域の得票数を比較するためである。その後、図4(b)の相対位置特徴量算出部130は、相対位置特徴量算出処理の実行を終了する。
【0030】
図3のステップS05の実行が終了されると、図4(a)の費用表作成部140は、表1に示す様な、第1特徴点と第2特徴点との照合コストを表す費用表(照合コスト表)を作成する(ステップS06)。尚、照合コストは、第1特徴点の相対位置特徴量と、第2特徴点の相対位置特徴量とが相違する程度を表す指標であり、照合対象とする2つの相対位置特徴量が相違する程大きい値となる。よって、費用表作成部140は、所定の閾値よりも大きい照合コストをコスト表から取り除く。相対位置特徴量で表される特徴が所定よりも相違する特徴点同士を対応させないためである。
【0031】
【表1】
【0032】
但し、表1は、変数iで特徴点抽出部120が付した第1特徴点の番号を表し、変数jで第2特徴点の番号を表す。また、Cijは、数式1に示す様な式を用いて算出されるi番の第1特徴点とj番の第2特徴点との照合コストを表す。尚、費用表作成部140は、i≦jとなるCijを算出すればCjiを計算する必要がない。
【0033】
【数1】
【0034】
但し、Kは、投票箱133aが有する投票領域の総数60であり、hi(k)は、i番の第1特徴点に設定された投票箱133aのk番の投票領域の正規化された得票数であり、hj(k)は、j番の第2特徴点に設定された投票箱133aのk番の投票領域の正規化された得票数である。
【0035】
図3のステップS06が実行された後に、図4(a)の特徴点対応部150は、照合コスト表に基づいて第1特徴点と第2特徴点とを対応付ける(ステップS07)。具体的には、特徴点対応部150は、先ず、1番の第1特徴点との照合コストが最も低い第2特徴点を、1番から100番まで100個の第2特徴点から選択した後に、選択した第2特徴点との照合コストが最も低いものが1番の第1特徴点となる場合にのみ、選択した第2特徴点を1番の第1特徴点の対応点とする。次に、特徴点対応部150は、同様の処理を、2番から100番の第1特徴点に対して行う。
【0036】
この構成によれば、ある第1特徴点との照合コストが最小となる第2特徴点を、当該特徴点1に対応させるため、少ない算出量で第1特徴点と第2特徴点とを精度良く対応させることができる。特に、第1特徴点と第2特徴点との対応の考えられる全組合せの内で、第1特徴点と第2特徴点との照合コストの総和が最も少ない組み合わせを、例えば、ハンガリアン法を用いて算出する手法(「Shape Matching and Object Recognition Using Shape Contexts」参照)と比べて、算出量が少ないにも関わらず、第1特徴点と第2特徴点とを精度良く対応させることができる。
【0037】
これは、ハンガリアン法を用いた手法では、例えば、片方の画像にしか表されていない特徴点(対応相手が無い点)の照合コストと、対応相手がある点の照合コストとを加算して算出される照合コストの総和を最小化しているため、対応相手が無い点を他の点に対応させることで生じる対応精度の低下が、対応相手が有る点同士の対応精度の低下をもたらすためである。一方で、特徴点対応部150は、対応相手が有るか否かに関わらず最も照合コストの低い点同士を対応させるため、対応相手が無い点を他の点に対応させることで生じる対応精度の低下が、対応相手が有る点同士の対応精度の低下をもたらすことがないだけでなく、ハンガリアン法を用いる場合よりも計算量が少ない。
【0038】
尚、対応相手が無い特徴点は、第1画像と第2画像とでオクルージョンが変化した場合、又は第1画像の撮影タイミングと第2画像の撮影タイミングとの違いによって一方の画像のみにノイズが生じた場合に生じることが多い。
【0039】
図3のステップS07が実行された後に、図4(a)の対応判定部160は、図8に示す様な視差ベクトルと、図9に示す様な視差ベクトルの分布とを算出する(ステップS08)。尚、視差ベクトルは、特徴点対応部150が対応付けた第1特徴点から第2特徴点へ向かうベクトルであって、第1特徴点の座標値と第2特徴点の座標値との差分で表される。また、図8は、図5(a)と図5(b)を重ねて表示すると共に、図5(a)の第1特徴点から図5(b)の第2特徴点へ向かう視差ベクトルを表す。図9は、それぞれの視差ベクトルの始点をΔX軸とΔY軸とで表される座標の原点に揃えて表示している。
【0040】
図3のステップS08が実行された後に、図4(a)の対応判定部160は、視差ベクトルの分布に基づいて、視差ベクトルの始点である第1特徴点と終点である第2特徴点との対応が正しい対応(正対応)であるか誤った対応(誤対応)であるかを判定する(ステップS09)。尚、正対応は、同じ対象物上の同じ点を表す第1特徴点と第2特徴点との対応をいう。
【0041】
具体的には、対応判定部160は、視差ベクトルの分散共分散行列を算出すると共に、算出した分散共分散行列の固有ベクトルと固有値とに基づいて、視差ベクトルが分布から所定値よりも外れているか否かを判定する。次に、対応判定部160は、分布から所定値よりも外れている視差ベクトル(以下、誤対応の視差ベクトルという)の始点である第1特徴点と終点である第2特徴点との対応を誤対応と判定する。
【0042】
その後、図4(a)の誤対応除去部170は、誤対応の視差ベクトルを、視差ベクトルの分布から除去する(ステップS10)。つまり、画像処理装置100は、誤対応と判定された第1特徴点と第2特徴点とを、以降の処理に用いない。
【0043】
次に、立体画像生成部180は、誤対応の視差ベクトルが除去された分布に属する(つまり、正対応と判定された)視差ベクトルに基づいて、対象物の立体画像を生成する(ステップS11)。この構成によれば、正対応であると判定した特徴点を用いて算出された視差ベクトルに基づいて対象物を表す立体画像を生成するため、精度良く立体画像を生成できる。
【0044】
その後、立体画像表示制御部190は、対象物の立体画像を表示するよう図1のLCD100hを制御する(ステップS12)。次に、立体画像保存部195は、立体画像を表す立体画像データを、図1のハードディスク100dへ保存する(ステップS13)。その後、画像処理装置100は、処理の実行を終了する。
【0045】
これらの構成によれば、相対位置特徴量の差異に基づいて異なる画像間の特徴点を対応させるため、画像間で対象物の大きさ(スケール)が所定の範囲内で全体的に又は部分的に異なる場合、又は画像間で対象物の向きが所定の範囲内で全体的に又は部分的に異なる場合でも、異なる画像間の特徴点を精度良く対応付けることができる。また、画像間でオクルージョンが変化した場合、又は片方の画像にノイズがある、若しくは画像間で異なるノイズがある場合でも、異なる画像間の特徴点を精度良く対応付けることができる。つまり、第1画像及び第2画像を撮影するカメラの移動、カメラの移動によるオクルージョンの変化、及び第1画像と第2画像とにおけるノイズの相違に対してロバスト性が高い特徴点の照合を行うことができる。このため、画像処理装置100は、対象物を表す第1画像及び第2画像を用いて対象物の立体画像を精度の良く生成できる。
【0046】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明を行う。
第2実施形態に係る画像処理装置200は、第1画像を基準として第2画像が対象物をどの程度だけ回転させて表すかによって投票箱133aが有する投票領域の広さを変更する。尚、第1実施形態と共通する部分については詳細な説明を省略する。
【0047】
画像処理装置200は、図10に示す様な立体画像生成処理を実行することで、図11に示す様な、画像取得部210、特徴点抽出部220、相対位置特徴量算出部230、費用表作成部240、特徴点対応部250、対応判定部260、範囲変更部265、誤対応除去部270、立体画像生成部280、立体画像表示制御部290、及び立体画像保存部295として機能する。
【0048】
図10の画像取得部210、特徴点抽出部220、相対位置特徴量算出部230、費用表作成部240、特徴点対応部250、及び対応判定部260は、図3のステップS01からS09と同様の処理を実行する(ステップS31からS39)。
【0049】
ステップS39が実行された後に、範囲変更部265は、ステップS39で誤対応であると判定された対応の数が所定値を超えたため、所定の精度で立体画像を生成するためには、投票箱133aの投票領域の範囲を再設定する必要があると判定する(ステップS40;Yes)。
【0050】
次に、範囲変更部265は、投票箱133aの投票領域を、誤対応の数に基づいて既に設定したよりも広く再設定する(ステップS41)。具体的には、範囲変更部265は、誤対応の数が多くなる程、投票箱133aの分割数を減らすことで、投票領域の角度範囲を既定よりも広く設定する。この構成によれば、第1画像と第2画像とで対象物を表す方向の差異が既定よりも大きい場合でも、第1特徴点と第2特徴点とを対応付けることができる。
【0051】
次に、図11の相対位置特徴量算出部230は、再設定された投票箱133aを用いて、図6のステップ25及びS26と同様の処理を実行することで、第1相対位置特徴量及び第2相対位置特徴量を再算出する(ステップS42)。
【0052】
その後、費用表作成部240は、再算出された第1相対位置特徴量及び第2相対位置特徴量に対して、図3のステップS06と同様の処理を実行することで、照合コスト表を再作成する(ステップS36)。次に、特徴点対応部250は、再作成された照合コスト表を用いて、図3のステップS07と同様の処理を実行することで第1特徴点と第2特徴点とを再度対応付ける(ステップS37)。
【0053】
次に、対応判定部260は、ステップS08と同様の処理を実行することで、再度対応付けられた第1特徴点と第2特徴点との視差ベクトルの分布を再算出し(ステップS38)、ステップS09と同様の処理を実行することで、再算出された視差ベクトルの分布から誤対応を判定する(ステップS39)。その後、範囲変更部265は、誤対応と判定された対応の数が所定値を超えないため、投票箱133aを再設定する必要がないと判定する(ステップS40;No)。
【0054】
次に、誤対応除去部270、立体画像生成部280、立体画像表示制御部290、及び立体画像保存部295は、再算出された視差ベクトルを用いて、図3のステップS10からS13と同様の処理を順に実行する(ステップS43からS46)。その後、画像処理装置200は、処理の実行を終了する。
【0055】
また、第2実施形態において、範囲変更部265は、投票箱133aの分割数を減らすことで、投票領域の角度範囲を変更前よりも広く設定するとして説明した。しかし、範囲変更部265は、投票領域同士を一部重複させることで、投票領域の角度範囲を変更前よりも広く設定する構成を採用できる。例えば、範囲変更部265は、投票領域同士が互いに接する境界線から所定の距離までの境界部分において、投票領域が重なり合う様に設定し直す構成を採用できる。境界部分に投票される点を、境界に接する投票領域の双方が得票する様にするためである。また、範囲変更部265は、誤対応と判定された対応の数が増える程、投票領域が重なり合う境界部分を拡大させる構成を採用できる。
【0056】
第2実施形態において、範囲変更部265は、誤対応の数に基づいて投票箱133aを再設定する必要があるか否かを判断するとして説明した。しかし、範囲変更部265は、対応判定部260が算出した視差ベクトルの分散共分散行列の固有値及び固有ベクトルに基づいて視差ベクトルの分布の広がりを判断すると共に、視差ベクトルの分布の広がりが所定よりも広い場合に、投票箱133aを再設定する必要があると判断する構成を採用できる。また、範囲変更部265は、視差ベクトルの分布の広がりが広い程、投票領域の角度範囲を既定よりも広く設定する又は投票領域同士を重複させる領域を広く設定する構成を採用できる。視差ベクトルの分布の広がりが広い程、第2画像は、第1画像に比べて対象物を回転させて表示するためである。
【0057】
尚、本発明に係る機能を実現するための構成を予め備えた画処理信装置として提供できることはもとより、プログラムの適用により、既存の画像処理装置を本発明に係る画像処理装置として機能させることもできる。すなわち、上記実施形態で例示した画像処理装置100による各機能構成を実現させるための画像処理プログラムを、既存の画像処理装置を制御するコンピュータ(CPUなど)が実行できる様に適用することで、本発明に係る画像処理装置100として機能させることができる。また、本発明に係る画像処理方法は、上記実施形態で例示した画像処理装置100を用いて実施できる。
【0058】
この様プログラムの配布方法は任意であり、例えば、メモリカード、CD−ROM、又はDVD−ROMなどの記録媒体に格納して配布できる他、インターネットなどの通信媒体を介して配布することもできる。
【0059】
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0060】
100,200・・・画像処理装置、100a・・・CPU、100b・・・ROM、100c・・・RAM、100d・・・ハードディスク、100e・・・メディアコントローラ、100f・・・LANカード、100g・・・ビデオカード、100h・・・LCD、100i・・・キーボード、110,210・・・画像取得部、120,220・・・特徴点抽出部、130,230・・・相対位置特徴量算出部、131・・・相対距離算出部、132・・・距離正規化係数算出部、133・・・投票箱設定部、133a・・投票箱、134・・・角度算出部、135・・・投票部、136・・・集計部、140,240・・・費用表作成部、150,250・・・特徴点対応部、160,260・・・対応判定部、170,270・・・誤対応除去部、180,280・・・立体画像生成部、190,290・・・立体画像表示制御部、195,295・・・立体画像保存部、265・・・範囲変更部
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体画像を生成する画像処理装置、画像処理プログラム、及び画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の方向から対象物を撮影するためにカメラが移動した平行移動量をセンサーが検出した加速度を用いて算出すると共に、算出した平行移動量に基づいて対象物の立体画像を生成できるカメラについて開示されている。
【0003】
また、1つのカメラで複数の位置から同一の対象物を撮影した複数の画像間において、対象物上のある点が画像上で位置を変化させた変化量を算出すると共に、算出した変化量に基づいて対象物の立体画像を生成する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−23562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1に係る技術は、カメラが加速度センサーを備えなければならない。また、対象物を表す複数の画像を用いて対象物の立体画像を生成する方法では、センサーを必要としないが、画像に表された対象物の大きさ(スケール)の変化、又は他の物体に隠れて画像上に表示されない対象物の部分(オクルージョン)の変化がそれぞれの画像間で生じる場合がある。このため、それぞれの画像に表された対象物上の点を精度良く対応付けることができず、対象物の立体画像を精度良く生成できないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、このような点に鑑み、その目的とするところは、対象物を表す複数の画像に基づいて精度良く対象物の立体画像を生成できる画像処理装置、画像処理プログラム、及び画像処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第一の観点に係る画像処理装置は、
対象物を表す第1画像と、前記第1画像と異なる方向から前記対象物を表す第2画像とを取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段が取得した前記第1画像を特徴付ける複数の第1特徴点を前記第1画像から抽出すると共に、前記第2画像を特徴付ける複数の第2特徴点を前記第2画像から抽出する特徴点抽出手段と、
前記特徴点抽出手段が抽出した前記第1特徴点との相対距離が所定の距離範囲に属する他の前記第1特徴点の数で前記第1特徴点を特徴付ける第1相対位置特徴量と、前記第2特徴点との相対距離が前記距離範囲に属する他の前記第2特徴点の数で前記第2特徴点を特徴付ける第2相対位置特徴量とを算出する相対位置特徴量算出手段と、
前記相対位置特徴量算出手段が算出した前記第1相対位置特徴量と前記第2相対位置特徴量との差異に基づいて、前記第1相対位置特徴量で特徴付けられる前記第1特徴点と、前記第2相対位置特徴量で特徴付けられる前記第2特徴点とを対応させる特徴点対応手段と、
前記特徴点対応手段が対応させた前記第1特徴点と前記第2特徴点とを用いて、前記対象物を表す立体画像を生成する立体画像生成手段と、を備えることを特徴としている。
【0008】
また上記目的を達成するため、本発明の第二の観点に係る画像処理プログラムは、
コンピュータを、
対象物を表す第1画像と、前記第1画像と異なる方向から前記対象物を表す第2画像とを取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段が取得した前記第1画像を特徴付ける複数の第1特徴点を前記第1画像から抽出すると共に、前記第2画像を特徴付ける複数の第2特徴点を前記第2画像から抽出する特徴点抽出手段と、
前記特徴点抽出手段が抽出した前記第1特徴点との相対距離が所定の距離範囲に属する他の前記第1特徴点の数で前記第1特徴点を特徴付ける第1相対位置特徴量と、前記第2特徴点との相対距離が前記距離範囲に属する他の前記第2特徴点の数で前記第2特徴点を特徴付ける第2相対位置特徴量とを算出する相対位置特徴量算出手段と、
前記相対位置特徴量算出手段が算出した前記第1相対位置特徴量と前記第2相対位置特徴量との差異に基づいて、前記第1相対位置特徴量で特徴付けられる前記第1特徴点と、前記第2相対位置特徴量で特徴付けられる前記第2特徴点とを対応させる特徴点対応手段と、
前記特徴点対応手段が対応させた前記第1特徴点と前記第2特徴点とを用いて、前記対象物を表す立体画像を生成する立体画像生成手段と、して機能させることを特徴としている。
【0009】
また上記目的を達成するため、本発明の第三の観点に係る画像処理方法は、
コンピュータが、対象物を表す第1画像と、前記第1画像と異なる方向から前記対象物を表す第2画像とを取得する画像取得ステップと、
前記コンピュータが、前記画像取得ステップで取得した前記第1画像を特徴付ける複数の第1特徴点を前記第1画像から抽出すると共に、前記第2画像を特徴付ける複数の第2特徴点を前記第2画像から抽出する特徴点抽出ステップと、
前記コンピュータが、前記特徴点抽出ステップで抽出した前記第1特徴点との相対距離が所定の距離範囲に属する他の前記第1特徴点の数で前記第1特徴点を特徴付ける第1相対位置特徴量と、前記第2特徴点との相対距離が前記距離範囲に属する他の前記第2特徴点の数で前記第2特徴点を特徴付ける第2相対位置特徴量とを算出する相対位置特徴量算出ステップと、
前記コンピュータが、前記相対位置特徴量算出ステップで算出した前記第1相対位置特徴量と前記第2相対位置特徴量との差異に基づいて、前記第1相対位置特徴量で特徴付けられる前記第1特徴点と、前記第2相対位置特徴量で特徴付けられる前記第2特徴点とを対応させる特徴点対応ステップと、
前記コンピュータが、前記特徴点対応ステップで対応させた前記第1特徴点と前記第2特徴点とを用いて、前記対象物を表す立体画像を生成する立体画像生成ステップと、
を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る画像処理装置、画像処理プログラム、及び画像処理方法によれば、対象物を表す複数の画像に基づいて精度良く対象物の立体画像を生成できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態に係る画像処理装置の一構成例を表すハードウェア構成図である。
【図2】図2(a)は、第1画像の一例を表す図であり、図2(b)は、第2画像の一例を表す図である。
【図3】第1の実施形態に係る画像処理装置が実行する立体画像生成処理の一例を表すフローチャートである。
【図4】図4(a)は、第1の実施形態に係る画像処理装置が有する機能の一例を表す機能ブロック図であり、図4(b)は、相対位置特徴量算出部の一例を表す機能ブロック図である。
【図5】図5(a)は、第1特徴点の一例を表す図であり、図5(b)は、第2特徴点の一例を表す図である。
【図6】相対位置特徴量算出部が実行する相対位置特徴量算出処理の一例を表すフローチャートである。
【図7】投票箱の一例を表す図である。
【図8】視差ベクトルの一例を表す図である。
【図9】視差ベクトルの分布の一例を表す図である。
【図10】第2の実施形態に係る画像処理装置が実行する立体画像生成処理の一例を表すフローチャートである。
【図11】第2の実施形態に係る画像処理装置が有する機能の一例を表す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の最良の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。
【0013】
<第1実施形態>
第1実施形態に係る画像処理装置100は、図1に示す様なハードウェア構成を有するパーソナルコンピュータである。尚、画像処理装置100は、デジタルカメラ又はデジタルビデオカメラに内蔵されても良い。画像処理装置100は、図2(a)に示す様な第1画像と、図2(b)に示す様な第2画像とを用いて、第1画像及び第2画像に表された対象物(被写体)の立体画像を生成する。尚、第2画像は、第1画像よりも下側の位置から対象物を撮影した画像である。
【0014】
画像処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)100a、ROM(Read Only Memory)100b、RAM(Random Access Memory)100c、ハードディスク100d、メディアコントローラ100e、LAN(Local Area Network)カード100f、ビデオカード100g、LCD(Liquid Crystal Display)100h、及びキーボード100iを備える。
【0015】
CPU100aは、ROM100b又はハードディスク100dに保存されたプログラムに従ってソフトウェア処理を実行することで、画像処理装置100の全体制御を行う。RAM100cは、CPU100aによるプログラムの実行時において、処理対象とする情報(データ)を一時的に記憶する。
【0016】
メディアコントローラ100eは、例えば、フラッシュメモリカード等の記録媒体から画像データを読み出す。メディアコントローラ100eによってデータを読み書きされる記録媒体及びハードディスク100dは、画像を表す画像データ及びプログラムを記憶している。LANカード100fは、画像処理装置100に接続する装置(又はインターネット)から画像データを受信(又はダウンロード)する。ビデオカード100gは、CPU100aに制御されて、LCD100hの表示を制御する。LCD100h及びキーボード100iは、ユーザーインターフェースを提供する。
【0017】
次に、画像処理装置100が、図1に示したハードウェアを用いて立体画像を生成するために実行するソフトウェア処理について説明を行う。図1のCPU100aは、図3に示す様な立体画像生成処理を実行することで、図4(a)に示す様な、画像取得部110、特徴点抽出部120、相対位置特徴量算出部130、費用表作成部140、特徴点対応部150、対応判定部160、誤対応除去部170、立体画像生成部180、立体画像表示制御部190、及び立体画像保存部195として機能する。
【0018】
図3の立体画像生成処理が開始されると、図4(a)の画像取得部110は、図1のメディアコントローラ100eから、第1画像を表す第1画像データと、第2画像を表す第2画像データとを取得する(ステップS01)。尚、画像処理装置100は、ハードディスク100d又はLANカード100fから第1画像データと第2画像データとを取得しても良い。
【0019】
次に、特徴点抽出部120は、ハリスのコーナー(角)検出法を用いて、第1画像を特徴付けるコーナー特徴量(以下、第1コーナー特徴量という)と、第2画像のコーナー特徴量(以下、第2コーナー特徴量という)とを算出する(ステップS02)。
【0020】
次に、特徴点抽出部120は、第1画像を所定の半径を有する円状の領域に分割すると共に、分割した領域において第1コーナー特徴量が最大となる点(以下、第1コーナー点という)を抽出する。また、特徴点抽出部120は、同様に分割した領域において第2コーナー特徴量が最大となる点(以下、第2コーナー点という)を抽出する。(ステップS03)。
【0021】
その後、特徴点抽出部120は、第1コーナー点の内で、第1コーナー特徴量が大きい(強い)点から順に100個の点を抽出して、図5(a)に示す様な第1特徴点とすると共に、第2コーナー点から同様に100個の点を抽出して、図5(b)に示す様な第2特徴点とする(ステップS04)。次に、特徴点抽出部120は、第1コーナー特徴量が大きい順に、第1特徴点に対して1番から100番までの番号を付すと共に、第2特徴点に対して同様に番号を付す。尚、図5(a)及び(b)は、それぞれ第1画像及び第2画像の左上の角を原点とした画像座標系における第1特徴点及び第2特徴点の位置を表す。
【0022】
次に、図4(a)の相対位置特徴量算出部130は、第1特徴点の相対位置特徴量(以下、第1相対位置特徴量という)と第2特徴点の相対位置特徴量(以下、第2相対位置特徴量という)とを算出する相対位置特徴量算出処理を実行する(ステップS05)。尚、相対位置特徴量算出部130が算出する相対位置特徴量は、シェイプコンテクスト(Serge Belonie著、「Shape Matching and Object Recognition Using Shape Contexts」、2002年4月発行、第509頁から第522頁 参照)である。また、相対位置特徴量算出部130は、図6に示す様な相対位置特徴量算出処理を実行することで、図4(b)に示す様な相対距離算出部131、距離正規化係数算出部132、投票箱設定部133、角度算出部134、投票部135、及び集計部136として機能する。
【0023】
図6の相対位置特徴量算出処理の実行が開始されると、図4(b)の相対距離算出部131は、先ず、1番の第1特徴点と1番以外(つまり、2番から100番)の第1特徴点との相対距離をそれぞれ算出する。また、相対距離算出部131は、2番から100番の第1特徴点及び1番から100番の第2特徴点についても同様に相対距離を算出する(ステップS21)。尚、以下単に、第1特徴点同士の相対距離を第1相対距離といい、第2特徴点同士の相対距離を第2相対距離という。
【0024】
次に、距離正規化係数算出部132は、第1相対距離を正規化する正規化係数と、第2相対距離を正規化する正規化係数とを算出する(ステップS22)。次に、距離正規化係数算出部132は、算出した正規化係数を用いて第1相対距離と第2相対距離とを正規化する。対象物の画像上の大きさが異なる場合でも、特徴点の相対距離を画像間で比較可能にするためである。尚、距離正規化係数算出部132は、処理精度を重視する場合には相乗平均を正規化係数とし、処理速度を重視する場合には相加平均を正規化係数とする。
【0025】
次に、投票箱設定部133は、図7に示す様な投票箱133aを第1特徴点毎及び第2特徴点毎に設定する(ステップS23)。投票箱133aは、投票箱133aに設定された第1特徴点(又は第2特徴点)を表す点を中心点とした5つの同心円と、互いに同じ角度を成す12個の半径とで構成されたグラフである。投票箱133aに描かれた点CPは、中心点で表される第1特徴点(又は第2特徴点)以外の第1特徴点(又は第2特徴点)を表す。点CPと中心点との距離は、中心点で表される特徴点と点CPで表される特徴点との相対的な対数距離を表し、点CPと中心点とを結んだ直線の方向(角度)は、中心点で表される特徴点と点CPで表される特徴点とを結んだ直線の方向(角度)を表す。つまり、投票箱133aは、距離で5分割され、かつ角度で12分割されているので、投票箱133aは、距離が所定範囲に属し、かつ角度が所定の範囲に属する60個の投票領域に分割されている。これらの投票領域は、投票箱設定部133によって1番から60番まで順に番号が付されている。
【0026】
図6のステップS23が実行された後に、図4(b)の角度算出部134は、1番の第1特徴点から他の(つまり、2番から100番の)第1特徴点への方向をそれぞれ算出する。また、角度算出部134は、2番から100番の第1特徴点及び1番から100番の第2特徴点についても同様に方向を算出する(ステップS24)。
【0027】
その後、投票部135は、1番の第1特徴点に対応した投票箱133aへ、1番の第1特徴点と1番以外の第1特徴点との相対距離及び角度を座標値にして、1番以外の第1特徴点を表す点をそれぞれ書き込む(以下、投票するという)。また、投票部135は、2番から100番の第1特徴点に対応した投票箱133a及び1番から100番の第2特徴点に対応した投票箱133aへ同様に投票を行う(ステップS25)。
【0028】
次に、集計部136は、1番の第1特徴点に対応する投票箱133aの1番から60番の投票領域について、それぞれの投票領域の獲得票数(つまり、Shape Context)を集計する。また、集計部136は、2番から100番の第1特徴点に対応する投票箱133a及び1番から100番の第2特徴点に対応する投票箱133aについても同様に集計を行う(ステップS26)。これは、ある第1特徴点(又は第2特徴点)を投票箱133aの中心に重ねた場合に、投票箱133aを構成するそれぞれ投票領域に投票される他の第1特徴点の数(又は他の第2特徴点の数)を用いて当該第1特徴点を特徴付けるためである。
【0029】
次に、集計部136は、投票領域に投票された票の数(投票領域の獲得票数)を、正規化する(ステップS27)。具体的には、集計部136は、ある投票箱133aへ投票された点の総数から当該投票箱133aを外れた点を差し引いた数(つまり、有効投票数)で、当該投票箱133aの投票領域毎の獲票数を除算する。投票箱133a間で各投票領域の得票数を比較するためである。その後、図4(b)の相対位置特徴量算出部130は、相対位置特徴量算出処理の実行を終了する。
【0030】
図3のステップS05の実行が終了されると、図4(a)の費用表作成部140は、表1に示す様な、第1特徴点と第2特徴点との照合コストを表す費用表(照合コスト表)を作成する(ステップS06)。尚、照合コストは、第1特徴点の相対位置特徴量と、第2特徴点の相対位置特徴量とが相違する程度を表す指標であり、照合対象とする2つの相対位置特徴量が相違する程大きい値となる。よって、費用表作成部140は、所定の閾値よりも大きい照合コストをコスト表から取り除く。相対位置特徴量で表される特徴が所定よりも相違する特徴点同士を対応させないためである。
【0031】
【表1】
【0032】
但し、表1は、変数iで特徴点抽出部120が付した第1特徴点の番号を表し、変数jで第2特徴点の番号を表す。また、Cijは、数式1に示す様な式を用いて算出されるi番の第1特徴点とj番の第2特徴点との照合コストを表す。尚、費用表作成部140は、i≦jとなるCijを算出すればCjiを計算する必要がない。
【0033】
【数1】
【0034】
但し、Kは、投票箱133aが有する投票領域の総数60であり、hi(k)は、i番の第1特徴点に設定された投票箱133aのk番の投票領域の正規化された得票数であり、hj(k)は、j番の第2特徴点に設定された投票箱133aのk番の投票領域の正規化された得票数である。
【0035】
図3のステップS06が実行された後に、図4(a)の特徴点対応部150は、照合コスト表に基づいて第1特徴点と第2特徴点とを対応付ける(ステップS07)。具体的には、特徴点対応部150は、先ず、1番の第1特徴点との照合コストが最も低い第2特徴点を、1番から100番まで100個の第2特徴点から選択した後に、選択した第2特徴点との照合コストが最も低いものが1番の第1特徴点となる場合にのみ、選択した第2特徴点を1番の第1特徴点の対応点とする。次に、特徴点対応部150は、同様の処理を、2番から100番の第1特徴点に対して行う。
【0036】
この構成によれば、ある第1特徴点との照合コストが最小となる第2特徴点を、当該特徴点1に対応させるため、少ない算出量で第1特徴点と第2特徴点とを精度良く対応させることができる。特に、第1特徴点と第2特徴点との対応の考えられる全組合せの内で、第1特徴点と第2特徴点との照合コストの総和が最も少ない組み合わせを、例えば、ハンガリアン法を用いて算出する手法(「Shape Matching and Object Recognition Using Shape Contexts」参照)と比べて、算出量が少ないにも関わらず、第1特徴点と第2特徴点とを精度良く対応させることができる。
【0037】
これは、ハンガリアン法を用いた手法では、例えば、片方の画像にしか表されていない特徴点(対応相手が無い点)の照合コストと、対応相手がある点の照合コストとを加算して算出される照合コストの総和を最小化しているため、対応相手が無い点を他の点に対応させることで生じる対応精度の低下が、対応相手が有る点同士の対応精度の低下をもたらすためである。一方で、特徴点対応部150は、対応相手が有るか否かに関わらず最も照合コストの低い点同士を対応させるため、対応相手が無い点を他の点に対応させることで生じる対応精度の低下が、対応相手が有る点同士の対応精度の低下をもたらすことがないだけでなく、ハンガリアン法を用いる場合よりも計算量が少ない。
【0038】
尚、対応相手が無い特徴点は、第1画像と第2画像とでオクルージョンが変化した場合、又は第1画像の撮影タイミングと第2画像の撮影タイミングとの違いによって一方の画像のみにノイズが生じた場合に生じることが多い。
【0039】
図3のステップS07が実行された後に、図4(a)の対応判定部160は、図8に示す様な視差ベクトルと、図9に示す様な視差ベクトルの分布とを算出する(ステップS08)。尚、視差ベクトルは、特徴点対応部150が対応付けた第1特徴点から第2特徴点へ向かうベクトルであって、第1特徴点の座標値と第2特徴点の座標値との差分で表される。また、図8は、図5(a)と図5(b)を重ねて表示すると共に、図5(a)の第1特徴点から図5(b)の第2特徴点へ向かう視差ベクトルを表す。図9は、それぞれの視差ベクトルの始点をΔX軸とΔY軸とで表される座標の原点に揃えて表示している。
【0040】
図3のステップS08が実行された後に、図4(a)の対応判定部160は、視差ベクトルの分布に基づいて、視差ベクトルの始点である第1特徴点と終点である第2特徴点との対応が正しい対応(正対応)であるか誤った対応(誤対応)であるかを判定する(ステップS09)。尚、正対応は、同じ対象物上の同じ点を表す第1特徴点と第2特徴点との対応をいう。
【0041】
具体的には、対応判定部160は、視差ベクトルの分散共分散行列を算出すると共に、算出した分散共分散行列の固有ベクトルと固有値とに基づいて、視差ベクトルが分布から所定値よりも外れているか否かを判定する。次に、対応判定部160は、分布から所定値よりも外れている視差ベクトル(以下、誤対応の視差ベクトルという)の始点である第1特徴点と終点である第2特徴点との対応を誤対応と判定する。
【0042】
その後、図4(a)の誤対応除去部170は、誤対応の視差ベクトルを、視差ベクトルの分布から除去する(ステップS10)。つまり、画像処理装置100は、誤対応と判定された第1特徴点と第2特徴点とを、以降の処理に用いない。
【0043】
次に、立体画像生成部180は、誤対応の視差ベクトルが除去された分布に属する(つまり、正対応と判定された)視差ベクトルに基づいて、対象物の立体画像を生成する(ステップS11)。この構成によれば、正対応であると判定した特徴点を用いて算出された視差ベクトルに基づいて対象物を表す立体画像を生成するため、精度良く立体画像を生成できる。
【0044】
その後、立体画像表示制御部190は、対象物の立体画像を表示するよう図1のLCD100hを制御する(ステップS12)。次に、立体画像保存部195は、立体画像を表す立体画像データを、図1のハードディスク100dへ保存する(ステップS13)。その後、画像処理装置100は、処理の実行を終了する。
【0045】
これらの構成によれば、相対位置特徴量の差異に基づいて異なる画像間の特徴点を対応させるため、画像間で対象物の大きさ(スケール)が所定の範囲内で全体的に又は部分的に異なる場合、又は画像間で対象物の向きが所定の範囲内で全体的に又は部分的に異なる場合でも、異なる画像間の特徴点を精度良く対応付けることができる。また、画像間でオクルージョンが変化した場合、又は片方の画像にノイズがある、若しくは画像間で異なるノイズがある場合でも、異なる画像間の特徴点を精度良く対応付けることができる。つまり、第1画像及び第2画像を撮影するカメラの移動、カメラの移動によるオクルージョンの変化、及び第1画像と第2画像とにおけるノイズの相違に対してロバスト性が高い特徴点の照合を行うことができる。このため、画像処理装置100は、対象物を表す第1画像及び第2画像を用いて対象物の立体画像を精度の良く生成できる。
【0046】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明を行う。
第2実施形態に係る画像処理装置200は、第1画像を基準として第2画像が対象物をどの程度だけ回転させて表すかによって投票箱133aが有する投票領域の広さを変更する。尚、第1実施形態と共通する部分については詳細な説明を省略する。
【0047】
画像処理装置200は、図10に示す様な立体画像生成処理を実行することで、図11に示す様な、画像取得部210、特徴点抽出部220、相対位置特徴量算出部230、費用表作成部240、特徴点対応部250、対応判定部260、範囲変更部265、誤対応除去部270、立体画像生成部280、立体画像表示制御部290、及び立体画像保存部295として機能する。
【0048】
図10の画像取得部210、特徴点抽出部220、相対位置特徴量算出部230、費用表作成部240、特徴点対応部250、及び対応判定部260は、図3のステップS01からS09と同様の処理を実行する(ステップS31からS39)。
【0049】
ステップS39が実行された後に、範囲変更部265は、ステップS39で誤対応であると判定された対応の数が所定値を超えたため、所定の精度で立体画像を生成するためには、投票箱133aの投票領域の範囲を再設定する必要があると判定する(ステップS40;Yes)。
【0050】
次に、範囲変更部265は、投票箱133aの投票領域を、誤対応の数に基づいて既に設定したよりも広く再設定する(ステップS41)。具体的には、範囲変更部265は、誤対応の数が多くなる程、投票箱133aの分割数を減らすことで、投票領域の角度範囲を既定よりも広く設定する。この構成によれば、第1画像と第2画像とで対象物を表す方向の差異が既定よりも大きい場合でも、第1特徴点と第2特徴点とを対応付けることができる。
【0051】
次に、図11の相対位置特徴量算出部230は、再設定された投票箱133aを用いて、図6のステップ25及びS26と同様の処理を実行することで、第1相対位置特徴量及び第2相対位置特徴量を再算出する(ステップS42)。
【0052】
その後、費用表作成部240は、再算出された第1相対位置特徴量及び第2相対位置特徴量に対して、図3のステップS06と同様の処理を実行することで、照合コスト表を再作成する(ステップS36)。次に、特徴点対応部250は、再作成された照合コスト表を用いて、図3のステップS07と同様の処理を実行することで第1特徴点と第2特徴点とを再度対応付ける(ステップS37)。
【0053】
次に、対応判定部260は、ステップS08と同様の処理を実行することで、再度対応付けられた第1特徴点と第2特徴点との視差ベクトルの分布を再算出し(ステップS38)、ステップS09と同様の処理を実行することで、再算出された視差ベクトルの分布から誤対応を判定する(ステップS39)。その後、範囲変更部265は、誤対応と判定された対応の数が所定値を超えないため、投票箱133aを再設定する必要がないと判定する(ステップS40;No)。
【0054】
次に、誤対応除去部270、立体画像生成部280、立体画像表示制御部290、及び立体画像保存部295は、再算出された視差ベクトルを用いて、図3のステップS10からS13と同様の処理を順に実行する(ステップS43からS46)。その後、画像処理装置200は、処理の実行を終了する。
【0055】
また、第2実施形態において、範囲変更部265は、投票箱133aの分割数を減らすことで、投票領域の角度範囲を変更前よりも広く設定するとして説明した。しかし、範囲変更部265は、投票領域同士を一部重複させることで、投票領域の角度範囲を変更前よりも広く設定する構成を採用できる。例えば、範囲変更部265は、投票領域同士が互いに接する境界線から所定の距離までの境界部分において、投票領域が重なり合う様に設定し直す構成を採用できる。境界部分に投票される点を、境界に接する投票領域の双方が得票する様にするためである。また、範囲変更部265は、誤対応と判定された対応の数が増える程、投票領域が重なり合う境界部分を拡大させる構成を採用できる。
【0056】
第2実施形態において、範囲変更部265は、誤対応の数に基づいて投票箱133aを再設定する必要があるか否かを判断するとして説明した。しかし、範囲変更部265は、対応判定部260が算出した視差ベクトルの分散共分散行列の固有値及び固有ベクトルに基づいて視差ベクトルの分布の広がりを判断すると共に、視差ベクトルの分布の広がりが所定よりも広い場合に、投票箱133aを再設定する必要があると判断する構成を採用できる。また、範囲変更部265は、視差ベクトルの分布の広がりが広い程、投票領域の角度範囲を既定よりも広く設定する又は投票領域同士を重複させる領域を広く設定する構成を採用できる。視差ベクトルの分布の広がりが広い程、第2画像は、第1画像に比べて対象物を回転させて表示するためである。
【0057】
尚、本発明に係る機能を実現するための構成を予め備えた画処理信装置として提供できることはもとより、プログラムの適用により、既存の画像処理装置を本発明に係る画像処理装置として機能させることもできる。すなわち、上記実施形態で例示した画像処理装置100による各機能構成を実現させるための画像処理プログラムを、既存の画像処理装置を制御するコンピュータ(CPUなど)が実行できる様に適用することで、本発明に係る画像処理装置100として機能させることができる。また、本発明に係る画像処理方法は、上記実施形態で例示した画像処理装置100を用いて実施できる。
【0058】
この様プログラムの配布方法は任意であり、例えば、メモリカード、CD−ROM、又はDVD−ROMなどの記録媒体に格納して配布できる他、インターネットなどの通信媒体を介して配布することもできる。
【0059】
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0060】
100,200・・・画像処理装置、100a・・・CPU、100b・・・ROM、100c・・・RAM、100d・・・ハードディスク、100e・・・メディアコントローラ、100f・・・LANカード、100g・・・ビデオカード、100h・・・LCD、100i・・・キーボード、110,210・・・画像取得部、120,220・・・特徴点抽出部、130,230・・・相対位置特徴量算出部、131・・・相対距離算出部、132・・・距離正規化係数算出部、133・・・投票箱設定部、133a・・投票箱、134・・・角度算出部、135・・・投票部、136・・・集計部、140,240・・・費用表作成部、150,250・・・特徴点対応部、160,260・・・対応判定部、170,270・・・誤対応除去部、180,280・・・立体画像生成部、190,290・・・立体画像表示制御部、195,295・・・立体画像保存部、265・・・範囲変更部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を表す第1画像と、前記第1画像と異なる方向から前記対象物を表す第2画像とを取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段が取得した前記第1画像を特徴付ける複数の第1特徴点を前記第1画像から抽出すると共に、前記第2画像を特徴付ける複数の第2特徴点を前記第2画像から抽出する特徴点抽出手段と、
前記特徴点抽出手段が抽出した前記第1特徴点との相対距離が所定の距離範囲に属する他の前記第1特徴点の数で前記第1特徴点を特徴付ける第1相対位置特徴量と、前記第2特徴点との相対距離が前記距離範囲に属する他の前記第2特徴点の数で前記第2特徴点を特徴付ける第2相対位置特徴量とを算出する相対位置特徴量算出手段と、
前記相対位置特徴量算出手段が算出した前記第1相対位置特徴量と前記第2相対位置特徴量との差異に基づいて、前記第1相対位置特徴量で特徴付けられる前記第1特徴点と、前記第2相対位置特徴量で特徴付けられる前記第2特徴点とを対応させる特徴点対応手段と、
前記特徴点対応手段が対応させた前記第1特徴点と前記第2特徴点とを用いて、前記対象物を表す立体画像を生成する立体画像生成手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第1相対位置特徴量は、前記第1特徴点との相対距離が前記距離範囲に属し、かつ前記第1特徴点からの角度が所定の角度範囲に属する他の前記第1特徴点の数で、前記第1特徴点を特徴付け、
前記第2相対位置特徴量は、前記第2特徴点との相対距離が前記距離範囲に属し、かつ前記第2特徴点からの角度が所定の角度範囲に属する他の前記第2特徴点の数で、前記第2特徴点を特徴付ける、ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記特徴点対応手段が対応させた前記第1特徴点と前記第2特徴点とで算出される視差ベクトルの分散共分散行列を算出すると共に、算出した前記分散共分散行列の固有ベクトルと固有値とに基づいて、前記第1特徴点と前記第2特徴点との対応が正対応であるか誤対応であるかを判定する対応判定手段を、さらに備え、
前記立体画像生成手段は、前記対応判定手段が正対応であると判定した前記第1特徴点と前記第2特徴点とを用いて算出された前記視差ベクトルに基づいて、前記対象物を表す前記立体画像を生成することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記対応判定手段が誤対応であると判定した対応の数に基づいて、前記角度範囲を変更する範囲変更手段をさらに備え、
前記相対位置特徴量算出手段は、前記範囲変更手段が変更した前記角度範囲を用いて、前記第1相対位置特徴量と前記第2相対位置特徴量とを再度算出し、
前記特徴点対応手段は、前記特徴点対応手段が再度算出した前記第1相対位置特徴量と前記第2相対位置特徴量とを用いて、前記第1特徴点と前記第2特徴点とを再度対応させ、
前記立体画像生成手段は、前記特徴点対応手段が再度対応させた前記第1特徴点と前記第2特徴点とを用いて、前記対象物を表す前記立体画像を生成することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記対応判定手段が算出した前記分散共分散行列の前記固有ベクトルと前記固有値とに基づいて、前記角度範囲を変更する範囲変更手段をさらに備え、
前記相対位置特徴量算出手段は、前記範囲変更手段が変更した前記角度範囲を用いて前記第1相対位置特徴量と前記第2相対位置特徴量とを再算出し、
前記特徴点対応手段は、前記特徴点対応手段が再算出した前記第1相対位置特徴量と前記第2相対位置特徴量とを用いて、前記第1特徴点と前記第2特徴点とを再対応させ、
前記立体画像生成手段は、前記特徴点対応手段が再対応させた前記第1特徴点と前記第2特徴点とを用いて、前記対象物を表す前記立体画像を生成することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記相対位置特徴量算出手段は、前記第2特徴点毎に前記第2相対位置特徴量を算出し、
前記特徴点対応手段は、前記第1特徴点を特徴付ける前記第1相対位置特徴量と最も近似している前記第2相対位置特徴量で特徴付けられる前記第2特徴点を、前記第1特徴点に対して対応付けることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
コンピュータを、
対象物を表す第1画像と、前記第1画像と異なる方向から前記対象物を表す第2画像とを取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段が取得した前記第1画像を特徴付ける複数の第1特徴点を前記第1画像から抽出すると共に、前記第2画像を特徴付ける複数の第2特徴点を前記第2画像から抽出する特徴点抽出手段と、
前記特徴点抽出手段が抽出した前記第1特徴点との相対距離が所定の距離範囲に属する他の前記第1特徴点の数で前記第1特徴点を特徴付ける第1相対位置特徴量と、前記第2特徴点との相対距離が前記距離範囲に属する他の前記第2特徴点の数で前記第2特徴点を特徴付ける第2相対位置特徴量とを算出する相対位置特徴量算出手段と、
前記相対位置特徴量算出手段が算出した前記第1相対位置特徴量と前記第2相対位置特徴量との差異に基づいて、前記第1相対位置特徴量で特徴付けられる前記第1特徴点と、前記第2相対位置特徴量で特徴付けられる前記第2特徴点とを対応させる特徴点対応手段と、
前記特徴点対応手段が対応させた前記第1特徴点と前記第2特徴点とを用いて、前記対象物を表す立体画像を生成する立体画像生成手段と、
して機能させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項8】
コンピュータが、対象物を表す第1画像と、前記第1画像と異なる方向から前記対象物を表す第2画像とを取得する画像取得ステップと、
前記コンピュータが、前記画像取得ステップで取得した前記第1画像を特徴付ける複数の第1特徴点を前記第1画像から抽出すると共に、前記第2画像を特徴付ける複数の第2特徴点を前記第2画像から抽出する特徴点抽出ステップと、
前記コンピュータが、前記特徴点抽出ステップで抽出した前記第1特徴点との相対距離が所定の距離範囲に属する他の前記第1特徴点の数で前記第1特徴点を特徴付ける第1相対位置特徴量と、前記第2特徴点との相対距離が前記距離範囲に属する他の前記第2特徴点の数で前記第2特徴点を特徴付ける第2相対位置特徴量とを算出する相対位置特徴量算出ステップと、
前記コンピュータが、前記相対位置特徴量算出ステップで算出した前記第1相対位置特徴量と前記第2相対位置特徴量との差異に基づいて、前記第1相対位置特徴量で特徴付けられる前記第1特徴点と、前記第2相対位置特徴量で特徴付けられる前記第2特徴点とを対応させる特徴点対応ステップと、
前記コンピュータが、前記特徴点対応ステップで対応させた前記第1特徴点と前記第2特徴点とを用いて、前記対象物を表す立体画像を生成する立体画像生成ステップと、
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項1】
対象物を表す第1画像と、前記第1画像と異なる方向から前記対象物を表す第2画像とを取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段が取得した前記第1画像を特徴付ける複数の第1特徴点を前記第1画像から抽出すると共に、前記第2画像を特徴付ける複数の第2特徴点を前記第2画像から抽出する特徴点抽出手段と、
前記特徴点抽出手段が抽出した前記第1特徴点との相対距離が所定の距離範囲に属する他の前記第1特徴点の数で前記第1特徴点を特徴付ける第1相対位置特徴量と、前記第2特徴点との相対距離が前記距離範囲に属する他の前記第2特徴点の数で前記第2特徴点を特徴付ける第2相対位置特徴量とを算出する相対位置特徴量算出手段と、
前記相対位置特徴量算出手段が算出した前記第1相対位置特徴量と前記第2相対位置特徴量との差異に基づいて、前記第1相対位置特徴量で特徴付けられる前記第1特徴点と、前記第2相対位置特徴量で特徴付けられる前記第2特徴点とを対応させる特徴点対応手段と、
前記特徴点対応手段が対応させた前記第1特徴点と前記第2特徴点とを用いて、前記対象物を表す立体画像を生成する立体画像生成手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第1相対位置特徴量は、前記第1特徴点との相対距離が前記距離範囲に属し、かつ前記第1特徴点からの角度が所定の角度範囲に属する他の前記第1特徴点の数で、前記第1特徴点を特徴付け、
前記第2相対位置特徴量は、前記第2特徴点との相対距離が前記距離範囲に属し、かつ前記第2特徴点からの角度が所定の角度範囲に属する他の前記第2特徴点の数で、前記第2特徴点を特徴付ける、ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記特徴点対応手段が対応させた前記第1特徴点と前記第2特徴点とで算出される視差ベクトルの分散共分散行列を算出すると共に、算出した前記分散共分散行列の固有ベクトルと固有値とに基づいて、前記第1特徴点と前記第2特徴点との対応が正対応であるか誤対応であるかを判定する対応判定手段を、さらに備え、
前記立体画像生成手段は、前記対応判定手段が正対応であると判定した前記第1特徴点と前記第2特徴点とを用いて算出された前記視差ベクトルに基づいて、前記対象物を表す前記立体画像を生成することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記対応判定手段が誤対応であると判定した対応の数に基づいて、前記角度範囲を変更する範囲変更手段をさらに備え、
前記相対位置特徴量算出手段は、前記範囲変更手段が変更した前記角度範囲を用いて、前記第1相対位置特徴量と前記第2相対位置特徴量とを再度算出し、
前記特徴点対応手段は、前記特徴点対応手段が再度算出した前記第1相対位置特徴量と前記第2相対位置特徴量とを用いて、前記第1特徴点と前記第2特徴点とを再度対応させ、
前記立体画像生成手段は、前記特徴点対応手段が再度対応させた前記第1特徴点と前記第2特徴点とを用いて、前記対象物を表す前記立体画像を生成することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記対応判定手段が算出した前記分散共分散行列の前記固有ベクトルと前記固有値とに基づいて、前記角度範囲を変更する範囲変更手段をさらに備え、
前記相対位置特徴量算出手段は、前記範囲変更手段が変更した前記角度範囲を用いて前記第1相対位置特徴量と前記第2相対位置特徴量とを再算出し、
前記特徴点対応手段は、前記特徴点対応手段が再算出した前記第1相対位置特徴量と前記第2相対位置特徴量とを用いて、前記第1特徴点と前記第2特徴点とを再対応させ、
前記立体画像生成手段は、前記特徴点対応手段が再対応させた前記第1特徴点と前記第2特徴点とを用いて、前記対象物を表す前記立体画像を生成することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記相対位置特徴量算出手段は、前記第2特徴点毎に前記第2相対位置特徴量を算出し、
前記特徴点対応手段は、前記第1特徴点を特徴付ける前記第1相対位置特徴量と最も近似している前記第2相対位置特徴量で特徴付けられる前記第2特徴点を、前記第1特徴点に対して対応付けることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
コンピュータを、
対象物を表す第1画像と、前記第1画像と異なる方向から前記対象物を表す第2画像とを取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段が取得した前記第1画像を特徴付ける複数の第1特徴点を前記第1画像から抽出すると共に、前記第2画像を特徴付ける複数の第2特徴点を前記第2画像から抽出する特徴点抽出手段と、
前記特徴点抽出手段が抽出した前記第1特徴点との相対距離が所定の距離範囲に属する他の前記第1特徴点の数で前記第1特徴点を特徴付ける第1相対位置特徴量と、前記第2特徴点との相対距離が前記距離範囲に属する他の前記第2特徴点の数で前記第2特徴点を特徴付ける第2相対位置特徴量とを算出する相対位置特徴量算出手段と、
前記相対位置特徴量算出手段が算出した前記第1相対位置特徴量と前記第2相対位置特徴量との差異に基づいて、前記第1相対位置特徴量で特徴付けられる前記第1特徴点と、前記第2相対位置特徴量で特徴付けられる前記第2特徴点とを対応させる特徴点対応手段と、
前記特徴点対応手段が対応させた前記第1特徴点と前記第2特徴点とを用いて、前記対象物を表す立体画像を生成する立体画像生成手段と、
して機能させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項8】
コンピュータが、対象物を表す第1画像と、前記第1画像と異なる方向から前記対象物を表す第2画像とを取得する画像取得ステップと、
前記コンピュータが、前記画像取得ステップで取得した前記第1画像を特徴付ける複数の第1特徴点を前記第1画像から抽出すると共に、前記第2画像を特徴付ける複数の第2特徴点を前記第2画像から抽出する特徴点抽出ステップと、
前記コンピュータが、前記特徴点抽出ステップで抽出した前記第1特徴点との相対距離が所定の距離範囲に属する他の前記第1特徴点の数で前記第1特徴点を特徴付ける第1相対位置特徴量と、前記第2特徴点との相対距離が前記距離範囲に属する他の前記第2特徴点の数で前記第2特徴点を特徴付ける第2相対位置特徴量とを算出する相対位置特徴量算出ステップと、
前記コンピュータが、前記相対位置特徴量算出ステップで算出した前記第1相対位置特徴量と前記第2相対位置特徴量との差異に基づいて、前記第1相対位置特徴量で特徴付けられる前記第1特徴点と、前記第2相対位置特徴量で特徴付けられる前記第2特徴点とを対応させる特徴点対応ステップと、
前記コンピュータが、前記特徴点対応ステップで対応させた前記第1特徴点と前記第2特徴点とを用いて、前記対象物を表す立体画像を生成する立体画像生成ステップと、
を有することを特徴とする画像処理方法。
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【公開番号】特開2011−163900(P2011−163900A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−26574(P2010−26574)
【出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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