説明

画像処理装置、画像処理方法、印刷物の真偽判別装置および印刷物の真偽判別方法

【課題】印刷物に印刷された目視手段による判別が極めて困難な2種類のパターンからなる面パターンが組み込まれた図柄に対し少なくとも一方のパターンを目視可能な状態にすることができ、これにより印刷物の真偽を目視により容易に判別することができる画像処理装置および画像処理方法を提供する。
【解決手段】微細な縞で構成された第1のパターンと第2のパターンとからなり、かつ、当該第1のパターンと第2のパターンの各縞はほぼ90度の角度をなすように形成された面パターンが組込まれた図柄を有する印刷物から前記図柄を画像データとして入力し、この入力された画像データを前記縞のピッチのほぼ半分の距離だけいずれか一方のパターンの縞に平行に移動させる処理を行ない、この処理された画像データと当該処理を行なう前の画像データとを重ね合わせることで対応する画素値を平均して新たな画像データを生成し、この生成された新たな画像データを目視可能な状態で表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、印刷物に印刷された目視手段による判別が極めて困難な2種類のパターンからなる面パターンが組み込まれた図柄に対し少なくとも一方のパターンを目視可能な状態にする画像処理装置および画像処理方法に関する。
【0002】
また、本発明は、たとえば、目視手段による判別が極めて困難な2種類のパターンからなる面パターンが組み込まれた図柄を有する印刷物の真偽を判別する印刷物の真偽判別装置および印刷物の真偽判別方法に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、カラー複写機、カラースキャナ、インクジェットプリンタに代表されるカラー高精細プリンタなどの普及に伴い、たとえば、高額紙幣、商品券などの有価証券や免許証などの偽造事件が頻発している。そのため、紙幣、商品券有価証券や免許証などには様々な偽造防止策が施されている。
【0004】
光回折構造体であるホログラムは、非常に高度な製造技術を必要とするため、偽造防止手段としてしばしば使用されている。しかし、製造技術の向上によって、一見して本物に近いホログラムを製造することができるようになってきた。
【0005】
このような偽造品をチェックするために、ホログラムの中に判別困難な隠しパターンを組み込んで真偽判別の手段として使用する技術が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。この公知技術では、微細な縞でそれぞれ縞が90度の角度をなすように構成された第1の隠しパターンと第2の隠しパターンとからなる面パターンが組込まれた光回折構造による図柄を印刷物に施すものである。この技術によれば、目視手段による判別が極めて困難なパターンを形成でき、偽造防止効果が大きい。
【特許文献1】特開2003−344631号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記公知技術では、隠しパターンを目視判別する手段として、特殊な確認パターンを使用するもので、画像処理による判別は不可能である。
【0007】
そこで、本発明は、印刷物に印刷された目視手段による判別が極めて困難な2種類のパターンからなる面パターンが組み込まれた図柄に対し少なくとも一方のパターンを目視可能な状態にすることができ、これにより印刷物の真偽を目視により容易に判別することができる画像処理装置および画像処理方法を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、目視手段による判別が極めて困難な2種類のパターンからなる面パターンが組み込まれた図柄を有する印刷物に対し少なくとも一方のパターンの有無を自動的に判別し、当該印刷物の真偽を容易に判別することができる印刷物の真偽判別装置および印刷物の真偽判別方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の画像処理装置は、それぞれが微細な縞で構成された第1のパターンと第2のパターンとからなり、かつ、当該第1のパターンと第2のパターンの各縞はほぼ90度の角度をなすように形成された面パターンが組込まれた図柄を有する印刷物から前記図柄を画像データとして入力する画像入力手段と、この画像入力手段により入力された画像データを前記縞のピッチのほぼ半分の距離だけいずれか一方のパターンの縞に平行に移動させる処理を行なう第1の処理手段と、この第1の処理手段により処理された画像データと当該処理を行なう前の画像データとを重ね合わせることで対応する画素値を平均して新たな画像データを生成する処理を行なう第2の処理手段とを具備している。
【0010】
また、本発明の印刷物の真偽判別装置は、それぞれが微細な縞で構成された第1のパターンと第2のパターンとからなり、かつ、当該第1のパターンと第2のパターンの各縞はほぼ90度の角度をなすように形成された面パターンが組込まれた図柄を有する印刷物から前記図柄を画像データとして入力する画像入力手段と、この画像入力手段により入力された画像データを前記縞のピッチのほぼ半分の距離だけいずれか一方のパターンの縞に平行に移動させる処理を行なう第1の処理手段と、この第1の処理手段により処理された画像データと当該処理を行なう前の画像データとを重ね合わせることで対応する画素値を平均して新たな画像データを生成する処理を行なう第2の処理手段と、この第2の処理手段により生成された新たな画像データに前記第1のパターンあるいは第2のパターンが存在するか否かにより前記印刷物の真偽を判別する処理を行なう第3の処理手段とを具備している。
【0011】
また、本発明の画像処理方法は、それぞれが微細な縞で構成された第1のパターンと第2のパターンとからなり、かつ、当該第1のパターンと第2のパターンの各縞はほぼ90度の角度をなすように形成された面パターンが組込まれた図柄を有する印刷物から前記図柄を画像入力手段により画像データとして入力する第1の工程と、この第1の工程により入力された画像データを前記縞のピッチのほぼ半分の距離だけいずれか一方のパターンの縞に平行に移動させる処理を第1の処理手段により行なう第2の工程と、この第2の工程により処理された画像データと当該処理を行なう前の画像データとを重ね合わせることで対応する画素値を平均して新たな画像データを生成する処理を第2の処理手段により行なう第3の工程とを具備している。
【0012】
さらに、本発明の印刷物の真偽判別方法は、それぞれが微細な縞で構成された第1のパターンと第2のパターンとからなり、かつ、当該第1のパターンと第2のパターンの各縞はほぼ90度の角度をなすように形成された面パターンが組込まれた図柄を有する印刷物から前記図柄を画像入力手段により画像データとして入力する第1の工程と、この第1の工程により入力された画像データを前記縞のピッチのほぼ半分の距離だけいずれか一方のパターンの縞に平行に移動させる処理を第1の処理手段により行なう第2の工程と、この第2の工程により処理された画像データと当該処理を行なう前の画像データとを重ね合わせることで対応する画素値を平均して新たな画像データを生成する処理を第2の処理手段により行なう第3の工程と、この第3の工程により生成された新たな画像データに前記第1のパターンあるいは第2のパターンが存在するか否かにより前記印刷物の真偽を判別する処理を第3の処理手段により行なう第4の工程とを具備している。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、印刷物に印刷された目視手段による判別が極めて困難な2種類のパターンからなる面パターンが組み込まれた図柄に対し少なくとも一方のパターンを目視可能な状態にすることができ、これにより印刷物の真偽を目視により容易に判別することができる画像処理装置および画像処理方法を提供できる。
【0014】
また、本発明によれば、目視手段による判別が極めて困難な2種類のパターンからなる面パターンが組み込まれた図柄を有する印刷物に対し少なくとも一方のパターンの有無を自動的に判別し、当該印刷物の真偽を容易に判別することができる印刷物の真偽判別装置および印刷物の真偽判別方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、第1の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る印刷物を模式的に示すものである。図1(a)において、印刷物1は、たとえば、免許証などの身分証カードであり、所有者の顔画像2、個人情報などの文字情報3、図柄4などが印刷されている。図柄4は、偽造防止策の1つであり、それを拡大して示すのが図1(b)である。図柄4は、図に示すような横線パターンからなる六角形の第1の隠しパターン(第1のパターン)5と、図に示すような縦線パターンからなる文字「H」の第2の隠しパターン(第2のパターン)6とからなる。
【0016】
すなわち、図柄4は、それぞれが微細な縞で構成された第1の隠しパターン5と第2の隠しパターン6とからなり、かつ、当該第1の隠しパターン5と第2の隠しパターン6の各縞はほぼ90度の角度をなすように形成された面パターンが組込まれた図柄である。
【0017】
ここで、第1の隠しパターン5の横線パターン、第2の隠しパターン6の縦線パターンは、たとえば1200dpi相当の細線(微細な縞)であり、さらにホログラムであることから、目視確認することはできない。このため、六角形の図柄4は目視できるものの、その中の文字「H」の第2の隠しパターン6を確認することができず、偽造することが困難であり、偽造防止効果が大となる。
【0018】
なお、本発明では、図柄4はホログラムで構成されているが、これに限るものではなく、通常の目視確認できる例えば黒細線パターン等であっても構わない。
【0019】
図2は、図柄4を詳細に説明するための説明図である。図2(a)において図柄4の太線で示す矩形部aを拡大したものが図2(b)である。図柄4は、黒い画素と白い画素とから構成されている。六角形である第1の隠しパターン5は黒い画素が横方向に並んだ横線パターン7となっており、文字「H」の第2の隠しパターン6は黒い画素が縦方向に並んだ縦線パターン8となっている。
【0020】
図3は、第1の実施の形態に係る画像処理装置の構成を概略的に示すものである。この画像処理装置は、印刷物1上の図柄4を画像データとして入力する画像入力手段としての画像入力部11、パターンを目視可能な状態にする処理を行なう処理手段としての計算機12、パターンを目視可能な状態で表示する表示手段としての表示部13から構成される。
【0021】
画像入力部11は、たとえば、スキャナやカメラなど印刷物上の画像をデジタルデータに変換するものであり、ここではカラースキャナとした。計算機12は、たとえば、専用のCPUボードであってもよいし、パーソナルコンピュータであってもよく、ここではパーソナルコンピュータとした。計算機12内には、入力された画像データを一時保持する一時保持メモリ14、および、パターンを目視可能な状態にするためのパターン復元処理部15などを有している。表示部13は、たとえば、CRT表示器や液晶表示器などである。
【0022】
次に、このような構成において画像処理装置の動作について説明する。印刷物1の図柄4近傍を画像入力部11であるカラースキャナで読込み、グレースケールの画像データ(デジタルデータ)に変換し、計算機12の一時保持メモリ14内に一時保持する。ここで、画像入力部11から得られる画像データは8ビット(0〜255)のデータとなっている。
【0023】
一時保持メモリ14に一時保存された画像データは、計算機12のアプリケーションから命令により、パターン復元処理部15に送られる。パターン復元処理部15では、隠しパターン復元処理が行なわれ、その処理結果を表示部13に表示して一連の動作が終了する。
【0024】
次に、パターン復元処理部15の動作を図4に示すフローチャートを参照して説明する。
【0025】
まず、入力された画像データを2つの配列に保持し(ステップS1)、一方の配列のデータの並び換えを行ない(ステップS2)、その後、2つの配列の同じ位置同士の平均値を計算し(ステップS3)、新たな画像データを作成する処理を行なう。
【0026】
図5は、パターン復元処理部15の動作を詳細に説明するための図柄4の要部(図2の矩形部a)拡大図である。図5(a)のように、入力された画像データは2つの配列の同じ要素に並べられる。2つの配列をD1[i、j]、D2[i、j]とするとき、D1[i、j]=D2[i、j]の等式が成り立っている。ここで、画像データの大きさをM×N(M、Nとも整数で、Mは画像の高さ、Nは幅を表す)とするとき、iは0〜M−1の整数、jは0〜N−1の整数である。
【0027】
次に、一方の配列の要素を並び換えるが、本実施の形態では、図柄4が1画素おきのピッチで黒い画素が縦横に並んだパターンにより形成されているため、配列の並び換えは、図5(b)のように横方向に1画素分(1配列要素)だけずらすことで実現される。並び換え後の配列をD2’とするとき、D2’[i、j]=D2[i、j+1](i=0〜M−1、j=0〜N−2とする)となる。
【0028】
次に、配列D1とD2’との平均値を計算する。新しい配列をD3とするとき、D3[i、j]=(D1[i,j]+D2’[i、j])/2(i=0〜M−1、j=0〜N−2とする)なる計算を行ない、新たな画像データD3を作成する。
【0029】
ここで、平均化の効果を図5(c)で詳細に説明する。図5(a)は配列D1の要素を表し、図5(b)はD2’の要素を表している。図の縦線パターン部は、図5(a)と(b)とで1画素ずれているため、図5(a)の黒い画素部に図5(b)の白い画素部が対応する。たとえば、m行n列の要素がそれに当たる。その平均値は白い画素と黒い画素の半分の値になる。いま、黒い画素の値が「0」、白い画素の値が「255」だとすれば、新しい配列D3のm行n列の要素の値は「127」となり、画像としては図5(c)に示す灰色(斜線で示す)になる。
【0030】
一方、横線パターン部は、横に1画素ずれても横線パターンの隣の画素を除いて、黒い画素は黒い画素のまま、白い画素は白い画素のままとなり、平均値に変化はない。新たな画像データD3は結果として、図5(c)のように、横線パターン部が灰色(斜線で示す)の画素値になる。
【0031】
次に、新たな画像データD3を表示部13に表示することにより、図6に示すように、文字「H」の第2の隠しパターン6が灰色(斜線で示す)となり、目視可能な状態にすることができる。ここで、たとえば、印刷物1が偽造されたものであれば、第2の隠しパターン6が灰色に表示されないことになる。これにより、印刷物1の真偽を目視により容易に判別することが可能となる。
【0032】
次に、第2の実施の形態について説明する。
図7は、第2の実施の形態に係る印刷物の真偽判別装置の構成を概略的に示すものである。第2の実施の形態に係る印刷物の真偽判別装置は、計算機12内にパターン判別処理部16が追加された点が図3の第1の実施の形態と異なり、その外は第1の実施の形態と同様な構成であるので、同一部分には同一符号を付して説明は省略し、異なるパターン判別処理部16のみについて説明を行なう。
【0033】
図8は、パターン判別処理部16の動作を説明するフローチャートの一例であり、以下、このフローチャートに基づき動作を説明する。まず、パターン復元処理部15から入力された画像データD3の2値化を行ない(ステップS11)、次に、第2の隠しパターン6周辺の抜き取り処理を行なう(ステップS12)。次に、抜き取ったデータを所定の方向に沿って画素値を足し合わせて、新たなデータ(射影データ)を作成する(ステップS13)。次に、作成したデータをあらかじめ設定された基準データと比較することで(ステップS14)、印刷物1の真偽を判別する(ステップS15)。
【0034】
なお、パターン判別処理部16によるパターン判別処理は図8の処理に限ったことではなく、一般的なパターン認識処理を使用することができる。
【0035】
図9は、パターン判別処理部16の動作を詳細に説明するための説明図である。パターン復元処理部15から入力された画像データ(配列)D3(図9(a))は、図9(b)のように、灰色の要素は白データd1に、それ以外の要素は黒データd2になるように2値化を行なう。詳しくは、要素値が110以上144以下であれば白データ(255)に、それ以外の要素値は黒データ(0)になるようにした。
【0036】
次に、図9(c)のように、白データの周辺のデータを抜き取る。次に、抜き取ったデータを図9(d)のように、縦方向に向かって要素値を足し合わせることで、一次元の配列(射影データ)E1を作成する。ここで、抜き取ったデータ配列をD4[i、j]とすると、E1[j]=ΣD4[i、j]となる。
【0037】
次に、E1[j]は、計算機12の一時保持メモリ14に保持されている、あらかじめ作成された文字「H」の基準パターン(基準データ)と比較することで、同形状であるか否かをチェックし、同形状であれば「真」、異なった形状であれば「偽」との判別結果を出力し、一連の処理が終了する。パターン判別処理部16の判別結果を表示部13に表示することにより、印刷物1の真偽を自動的に容易に判別することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係る印刷物を概略的に示す模式図。
【図2】印刷物に印刷された図柄を詳細に説明するための説明図。
【図3】第1の実施の形態に係る画像処理装置の構成を概略的に示すブロック図。
【図4】パターン復元処理部の動作を説明するフローチャート。
【図5】パターン復元処理部の動作を詳細に説明するための図柄の要部拡大図。
【図6】パターン復元結果を説明する図。
【図7】第2の実施の形態に係る印刷物の真偽判別装置の構成を概略的に示すブロック図。
【図8】パターン判別処理部の動作を説明するフローチャート。
【図9】パターン判別処理部の動作を詳細に説明するための説明図。
【符号の説明】
【0039】
1…印刷物、2…顔画像、3…文字情報、4…図柄、5…第1の隠しパターン(第1のパターン)、6…第2の隠しパターン(第2のパターン)、7…横線パターン、8…縦線パターン、11…画像入力部(画像入力手段)、12…計算機(処理手段)、13…表示部(表示手段)、14…一時保持メモリ、15…パターン復元処理部、16…パターン判別処理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが微細な縞で構成された第1のパターンと第2のパターンとからなり、かつ、当該第1のパターンと第2のパターンの各縞はほぼ90度の角度をなすように形成された面パターンが組込まれた図柄を有する印刷物から前記図柄を画像データとして入力する画像入力手段と、
この画像入力手段により入力された画像データを前記縞のピッチのほぼ半分の距離だけいずれか一方のパターンの縞に平行に移動させる処理を行なう第1の処理手段と、
この第1の処理手段により処理された画像データと当該処理を行なう前の画像データとを重ね合わせることで対応する画素値を平均して新たな画像データを生成する処理を行なう第2の処理手段と、
を具備したことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第2の処理手段により生成された新たな画像データを目視可能な状態で表示する表示手段をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記図柄は光回折構造により形成されていることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
それぞれが微細な縞で構成された第1のパターンと第2のパターンとからなり、かつ、当該第1のパターンと第2のパターンの各縞はほぼ90度の角度をなすように形成された面パターンが組込まれた図柄を有する印刷物から前記図柄を画像データとして入力する画像入力手段と、
この画像入力手段により入力された画像データを前記縞のピッチのほぼ半分の距離だけいずれか一方のパターンの縞に平行に移動させる処理を行なう第1の処理手段と、
この第1の処理手段により処理された画像データと当該処理を行なう前の画像データとを重ね合わせることで対応する画素値を平均して新たな画像データを生成する処理を行なう第2の処理手段と、
この第2の処理手段により生成された新たな画像データに前記第1のパターンあるいは第2のパターンが存在するか否かにより前記印刷物の真偽を判別する処理を行なう第3の処理手段と、
を具備したことを特徴とする印刷物の真偽判別装置。
【請求項5】
前記第3の処理手段の判別結果を目視可能な状態で表示する表示手段をさらに具備したことを特徴とする請求項4記載の印刷物の真偽判別装置。
【請求項6】
前記図柄は光回折構造により形成されていることを特徴とする請求項4記載の印刷物の真偽判別装置。
【請求項7】
それぞれが微細な縞で構成された第1のパターンと第2のパターンとからなり、かつ、当該第1のパターンと第2のパターンの各縞はほぼ90度の角度をなすように形成された面パターンが組込まれた図柄を有する印刷物から前記図柄を画像入力手段により画像データとして入力する第1の工程と、
この第1の工程により入力された画像データを前記縞のピッチのほぼ半分の距離だけいずれか一方のパターンの縞に平行に移動させる処理を第1の処理手段により行なう第2の工程と、
この第2の工程により処理された画像データと当該処理を行なう前の画像データとを重ね合わせることで対応する画素値を平均して新たな画像データを生成する処理を第2の処理手段により行なう第3の工程と、
を具備したことを特徴とする画像処理方法。
【請求項8】
前記第3の工程により生成された新たな画像データを表示手段により目視可能な状態で表示する第4の工程をさらに具備したことを特徴とする請求項7記載の画像処理方法。
【請求項9】
前記図柄は光回折構造により形成されていることを特徴とする請求項7記載の画像処理方法。
【請求項10】
それぞれが微細な縞で構成された第1のパターンと第2のパターンとからなり、かつ、当該第1のパターンと第2のパターンの各縞はほぼ90度の角度をなすように形成された面パターンが組込まれた図柄を有する印刷物から前記図柄を画像入力手段により画像データとして入力する第1の工程と、
この第1の工程により入力された画像データを前記縞のピッチのほぼ半分の距離だけいずれか一方のパターンの縞に平行に移動させる処理を第1の処理手段により行なう第2の工程と、
この第2の工程により処理された画像データと当該処理を行なう前の画像データとを重ね合わせることで対応する画素値を平均して新たな画像データを生成する処理を第2の処理手段により行なう第3の工程と、
この第3の工程により生成された新たな画像データに前記第1のパターンあるいは第2のパターンが存在するか否かにより前記印刷物の真偽を判別する処理を第3の処理手段により行なう第4の工程と、
を具備したことを特徴とする印刷物の真偽判別方法。
【請求項11】
前記第4の工程の判別結果を表示手段により目視可能な状態で表示する第5の工程をさらに具備したことを特徴とする請求項10記載の印刷物の真偽判別方法。
【請求項12】
前記図柄は光回折構造により形成されていることを特徴とする請求項10記載の印刷物の真偽判別方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−299189(P2007−299189A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−126370(P2006−126370)
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】