説明

画像処理装置、画像処理装置のデータ処理方法及びプログラム

【課題】 限られたメモリ容量内でフォールバック処理を行う際、空きメモリ待ち解消後の圧縮処理時間を、圧縮率が高い場合でも最小限に抑える。
【解決手段】
描画情報からイメージデータを生成した後、イメージデータを圧縮してメモリに記憶させる画像処理装置において、イメージデータのデータ容量がメモリに確保できる空き容量とメモリで使用できるメモリ容量から決定される第1のしきい値との差分量を超えるかどうかを判断する(S404)。そして、CPUが第1のしきい値との差分量を超えると判断した場合、背景圧縮データをメモリに記憶させることなく、圧縮部によりイメージデータを圧縮させる空圧縮処理を実行する(S405)。一方、第1のしきい値との差分量を超えないとCPUが判断した場合、圧縮部による空圧縮処理を実行することなく背景圧縮データをメモリに記憶させる(S406)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホストコンピュータより印刷情報を受信して処理する画像処理装置、画像処理装置のデータ処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カラー画像処理装置と複数のホストコンピュータとが通信可能な情報処理システムは一般化され広く使われるようになってきている。このような状況の中、情報処理システム上で作成される多くの電子ドキュメントが作成され、カラー画像処理装置への出力要求は増大する傾向にあり、高速かつ安価なカラー画像処理装置が望まれている。
【0003】
従来、印刷システムでは、ホストコンピュータから送信されてきたページ記述言語(PDL)を解釈した上で中間言語であるディスプレイリスト(DL)を作成し、このDLからラスタイメージ変換(レンダリング)を行うのが一般的である。
【0004】
この際、上記PDLデータのサイズは限定されていないため、このPDLデータから作成されるDLのサイズが非常に大きくなることがある。また、DLが複雑になり、そのサイズが大きくなると、このDLをレンダリングするレンダラの使用するワーク領域も大きなものとなる。
【0005】
しかしながら、画像処理装置に搭載されるメモリ量は有限であり、且つコスト的な制約から、前記DLを格納するのに十分な量が無いことが多い。したがって、上記DLを格納する領域及びレンダラの使用できるワーク領域のサイズは限定されており、定められた一定サイズ以上のDLを処理できないといった制約がでてくる。
【0006】
この制約を回避する為にフォールバックと呼ばれる処理が行われる。フォールバックは、DLのサイズやそのDLを処理するためのワーク領域が、一定のサイズを超えるとわかった場合に、一度そこまでに生成されたDLをレンダリングしてラスタイメージとし、そこまで作成したDLを一度クリアする。
【0007】
このラスタイメージを描画エリアのバックグラウンドイメージとして再びDLの一部に追加する。通常、このバックグラウンドイメージは圧縮されるため、追加されるDLのサイズは元のDLサイズよりも小さくなる。
そこで、この空いた領域に残りのDLを作成していくことにより限定されたメモリ空間で大きなサイズのDLを処理できる。
【0008】
また、フォールバック時のレンダリング終了時にレンダラのワーク領域もクリアされるため、このワーク領域のサイズ制限も回避することができ、かつ低コストな画像処理装置を提供することができる。
【0009】
一方で、前述のようにフォールバック処理を行う過程で作成されたラスタイメージは圧縮されてDLリストに追加されるが、このとき作成される圧縮イメージも所定のサイズに収めなければならない。
【0010】
特に、カラー画像ではレンダリング時に作成されるラスタイメージのサイズは非常に大きく、可逆圧縮では前記圧縮イメージを所定のサイズ内に収めることができないことが多く、通常非可逆圧縮が使用される。
【0011】
しかしながら、非可逆圧縮を使用すると圧縮された画像は劣化してしまう。この画像劣化を最小限に抑える手法としては、レンダリングされた画像に対して低圧縮率から高圧縮率へ(画像劣化の小さい圧縮から画像劣化の大きい圧縮へ)順次圧縮率を変えながら、前記所定のサイズに圧縮イメージが収まるまで、複数回繰り返す。このようにすることにより、所定のサイズが収まる最低の圧縮率で圧縮され、最小限の画像劣化で済む。
従来の画像処理装置は、圧縮時におけるラスタ画像情報の劣化状態を判別するためのしきい値を指定し、該指定されたしきい値を超えているか否かを判別している。
【0012】
このことにより、画像劣化の大きな圧縮画像を含む印刷出力を、印刷するか否かをユーザが選択できるようにしている。このことにより、ユーザの意図しない印刷出力は出力しないようにして、ユーザビリティを向上させている(例えば特許文献1参照。)。
【0013】
また、従来の画像処理装置は、メモリ出力を行わずに圧縮率を算出する空圧縮処理を予め行うことによって、圧縮率確定後にラスタ画像情報の圧縮処理を行っている。このことによって、ラスタ画像情報の圧縮処理がメモリ空き待ちになることを防いでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2004−152141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従来の画像処理装置では、メモリの使用状況によらず、一律フォールバック処理を実行していた。このため、空圧縮を行わない画像処理装置では、空きメモリが不足している場合、メモリ空き待ちが発生していた。
また、空圧縮を行う画像処理装置では、メモリが充分にある場合も、空圧縮処理を行っていたため、無駄に空圧縮処理を実行していた。
【0016】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、限られたメモリ容量内でフォールバック処理を行う際、空きメモリ待ち解消後の圧縮処理時間を、圧縮率が高い場合でも最小限に抑えることができる仕組みを提供することである。
また、限られたメモリ容量内でフォールバック処理を行う際、空きメモリが充分にある場合は、無駄な空圧縮処理を省くことができ、圧縮処理時間を短縮できる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成する本発明の画像処理装置は以下に示す構成を備える。
【0018】
描画情報からイメージデータを生成する生成手段と、前記イメージデータを圧縮する圧縮手段と、前記描画情報と、前記イメージデータと、前記圧縮手段が前記イメージデータを描画情報として圧縮した背景圧縮データとを記憶する記憶手段と、前記イメージデータのデータ容量が、前記記憶手段に確保できる空き容量と前記記憶手段で使用できるメモリ容量から決定される第1のしきい値との差分量を超えるかどうかを判断する判断手段と、前記判断手段が前記第1のしきい値との差分量を超えると判断した場合、前記背景圧縮データを前記記憶手段に記憶させることなく、前記圧縮手段により前記イメージデータを圧縮させる空圧縮処理を実行し、前記判断手段が前記第1のしきい値との差分量を超えないと判断した場合、前記圧縮手段による空圧縮処理を実行することなく前記背景圧縮データを前記記憶手段に記憶させる制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、限られたメモリ容量内でフォールバック処理を行う際、空きメモリが不足している場合、メモリ空き待ち時間を利用して、空圧縮処理を実行することで、空きメモリ待ち解消後の圧縮処理時間を、圧縮率が高い場合でも最小限に抑えられる。
また、限られたメモリ容量内でフォールバック処理を行う際、空きメモリが充分にある場合は、無駄な空圧縮処理を省くことができ、圧縮処理時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】画像処理装置の構成を説明するブロック図である。
【図2】図1に示したコントローラの詳細構成を説明するブロック図である。
【図3】画像処理装置の制御手順を示すフローチャートである。
【図4】画像処理装置の制御手順を示すフローチャートである。
【図5】図1に示したメモリにおける第1のメモリ使用状況を示す図である。
【図6】画像処理装置の制御手順を示すフローチャートである。
【図7】画像処理装置の制御手順を示すフローチャートである。
【図8】画像処理装置の制御手順を示すフローチャートである。
【図9】図1に示したメモリにおける第2のメモリ使用状況を示す図である。
【図10】画像処理装置の制御手順を示すフローチャートである。
【図11】図1に示したメモリにおける第3のメモリ使用状況を示す図である。
【図12】画像処理装置の制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
【0022】
図1は、本実施形態を示す画像処理装置の構成を説明するブロック図である。本例は、画像処理装置としてスキャン、プリント、コピーを行うデジタル複合機システム(以降MFPと称する)の例を示す。
【0023】
図1において、コントローラ101は、画像入力デバイスであるスキャナ102や画像出力デバイスであるプリンタ103、LANや公衆回線(WAN)等ネットワーク104と接続している。このことで、画像情報やデバイス情報の入出力、PDLデータのイメージ展開を行う。なお、プリンタ103は、図示しないエンジン手段を備え、搬送される記録紙に画像を出力するデバイスを備える。また、エンジン手段は、用紙切れ、トナー切れ等を検知するセンサを備え、コントローラ101を介してCPU105がそれらのセンサ情報を受け取り、エンジン手段が現在画像を出力できる状況であるのかどうかを判断することが可能に構成されている。
【0024】
105はCPUで、バスに接続されるデバイスを含むシステム全体を制御するプロセッサとして機能する。106はメモリで、CPU105が動作するためのシステムワークメモリであり、画像データを一時記憶するための画像メモリとして機能し、RAM等の揮発性メモリで構成される。
107は記憶部で、ハードディスクドライブ(HDD)で構成され、CPU105が実行可能なシステムソフトウェア、画像データを格納する。
図2は、図1に示したコントローラ101の詳細構成を説明するブロック図である。
以下、スキャンデータを読み込む場合を例として構成を説明する。
【0025】
図2において、スキャナ102からRGB(RED、GREEN、BLUE)3色の読み取り画像データを受け取ったコントローラ101は、まずスキャナ用画像処理部201にてシェーディング処理やフィルタ処理等の画像処理を行う。画像処理を行ったデータを圧縮部202にて画像圧縮処理を行う。その圧縮データをDMAC(DIRECT MEMORY ACCESS CONTROLLER)203を介してメモリ106へ格納する。
【0026】
ここで、メモリ106は、描画情報と、前記イメージデータと圧縮部252がレンダリング部251により展開されたイメージデータを描画情報として圧縮した背景圧縮データとを記憶するメモリとして使用される。
【0027】
スキャンデータをプリントする場合は、メモリ106に格納されている圧縮データをDMAC211を介して画像処理部212へ入力しCMYK(CYAN、MAGENTA、YELLOW、BLACK)色空間へ変換する。その後、それらCMYKの値に対して濃度調整、プリンタガンマ補正等の調整の色処理を行った後、DMAC211を介して再度メモリ106へ格納する。
【0028】
その後、プリント用の画像処理を行うために、DMAC221を介して、メモリ106に格納されている圧縮データを読み込み、展開部222にてラスタ画像データへ展開する。ラスタのCMYK画像データをプリント用画像処理部223に入力し、そこでディザ法や誤差拡散法による面積階調処理を行い、プリンタ103へ出力する。
スキャンデータをネットワークへ送信する場合には、メモリ106に格納されている圧縮データをDMAC211を介して画像処理部212へ入力し色変換を行う。
【0029】
具体的には、ディスプレイガンマ調整や用紙地色調整等を行った後にYCbCr(輝度、BLUE色差、RED色差)色空間へ変換する。その後再度DMAC211を介してメモリ106へ格納する。その後、送信用の画像処理を行うために、DMAC231を介して、メモリ106に格納されている圧縮データを読み込み、展開部232にてラスタ画像データへ展開する。ラスタのYCbCr画像データに対して送信処理部233ではカラー画像送信であればJPEG圧縮処理を行い、モノクロ2値画像送信であればYデータに対して2値化を行いJBIG圧縮等を行い、ネットワーク104へ出力する。
【0030】
スキャンデータを保存する場合には、メモリ106に格納されている圧縮データをDMAC241を介してディスクスプール高圧縮/展開部242へ入力する。ディスクスプール高圧縮/展開部では、HDDの記憶部107に対する書き込みスピードがメモリ106に対して遅いため、さらに高圧縮のJPEG圧縮を施す。その後、ディスクアクセスコントローラ243を介してHDDの記憶部107へ圧縮データを保存する。
なお、保存されているデータを再度メモリ106へ展開する場合はその逆処理を行う。
以下、PDLのデータをメモリ106へ書き込む場合を説明する。
【0031】
図2では図示していないが、図1にてネットワーク104から送られてきたPDLデータをCPU105にてインタープリットしメモリ106へディスプレイリストを出力する。その後、メモリ106に格納されているディスプレイリストをレンダリング部251でラスタのRGB画像データへレンダリングを行い、圧縮部252にて画像圧縮処理を行う。その圧縮データをDMAC253を介してメモリ106へ格納する。
PDL画像データをプリント、ネットワークへ送信、保存する場合はスキャンデータのそれと同様の処理を行うことで実現する事が可能になる。
【0032】
圧縮部252は、前記ラスタイメージに非可逆圧縮を施し、DMAC253を経由して、メモリ106へ記憶する。本実施形態による圧縮部252はJPEGを採用している。JPEGは圧縮時に使用するQテーブルを変更することにより、圧縮対象となる画像の圧縮率を変更することが可能であり、圧縮率が高くなるほど画像劣化が大きくなる。
区ここでは、非可逆圧縮としてJPEGを使用するとしているが、圧縮率を変更可能な非可逆圧縮方法であれば、本発明を適用できることはいうまでもない。
後述するレンダリング時に生成されるラスタイメージを圧縮する際に、圧縮部252のJPEGに設定するQテーブルを、例えば6種類持っている。
【0033】
各Qテーブルは1から6までの識別子をもっており、この識別子を便宜上QテーブルIDと呼ぶ。各Qテーブルは大きなQテーブルIDを持つほど圧縮率が高くなるように設定されており、したがって大きなQテーブルIDを持つQテーブルを使用するほど画像劣化が大きくなる。
なお、ここではQテーブルの種類を6種類としているが、この数は限定されるものではないことは言うまでもない。
以降では本発明の特徴となるPDLのデータをメモリへ書き込む圧縮部のデータ処理の詳細に関して説明を行う。
【0034】
図3は、本実施形態を示す画像処理装置の制御手順を示すフローチャートである。本例は、PDLデータ受信時に、CPU105が処理するPDLデータの印刷処理手順に対応する。なお、各ステップは、CPU105がメモリ106にロードする制御プログラムをロードして実行することで実現される。
【0035】
コントローラ101が、ネットワーク104からPDLデータを受信すると(S301)、S302へ進み、CPU105が、現在設定中のQテーブルIDを示す変数カレントQIDを「1」に設定し、S303へ進む。
【0036】
そして、S303では、CPU105が、PDLデータの解析処理を行いながらディスプレイリスト(DL)をメモリ106上に生成(作成)とともに、S304へ進む。なお、S303でのDLの生成時には通常1ページ分のDLが生成される。
【0037】
ただし、常にレンダリング部251用のローカルメモリのサイズ、ワーク用テーブルのサイズをそれぞれ検査している。そして、生成中のDLがローカルメモリのサイズを超える場合、また生成中のDLをレンダリング時に使用するワーク用テーブルのサイズが、レンダリング部251に搭載されているテーブルサイズを超えた場合には、フォールバックが発生する。
【0038】
このとき、CPU105が、フォールバックフラグを立て、その時点でS304へ進む。そして、S304では、CPU105が、フォールバックフラグを検査し、フォールバックの有無を検査する。ここで、フォールバックが発生しているとCPU105が判定した場合は、S305へ進む。
そして、S305では、CPU105が、フォールバック処理を行い、メモリ106に圧縮イメージが格納される。なお、当該処理の詳細については後述する。
CPU105が、この圧縮イメージを背景イメージとしてDLへ登録し、S303へ戻り、PDLデータの解析及びDLの生成を続ける。
一方、S304でフォールバックが発生していないとCPU105が判断した場合、S307のレンダリング処理へ進む。
【0039】
そして、S307のレンダリング処理は、CPU105が、生成されたDLをレンダリング部251を使用してレンダリングしてラスタイメージを生成する。その後、CPU105が、圧縮部252を使用して、ラスタイメージから圧縮イメージを生成し、DMAC253を経由して、メモリ106に格納する。
【0040】
そして、CPU105は、S307でのレンダリング処理の後、S308へ進み、S307で、CPU105が、メモリ106に格納されている圧縮イメージをDMAC221へ転送する。転送された圧縮イメージを、CPU105が、展開部222を使用して、圧縮イメージをラスタイメージへ解凍しながら、プリンタ用画像処理部223を使用して、画像処理を施し、S309へ進む。
そして、S309では、CPU105が、S308で画像処理を施されたラスタイメージをプリンタ103へ転送し紙上へ印刷を行い、S310へ進む。
【0041】
S310では、CPU105が、S301で受信したPDLデータの全ページの処理が終了したか否かを判断し、全ページの処理が終了しているとCPU105が判断した場合は、DLデータの印刷処理を終了する。
【0042】
一方、S310で、まだ処理すべきPDLデータが残っているとCPU105が判断した場合は、S302へ戻り、CPU105が、カレントQIDを「1」に初期化した後、PDLデータの解析およびDL生成処理(DL作成処理)を続ける。
【0043】
図4は、本実施形態を示す画像処理装置の制御手順を示すフローチャートである。本例は、フォールバック処理例である。これは、図3に示したS305の詳細手順に対応する。なお、各ステップは、CPU105がメモリ106にロードする制御プログラムをロードして実行することで実現される。
【0044】
上述した図3に示したS305が実行されると本処理が開始され、S303で、CPU105が、メモリ106上に生成されたDLをレンダリング部251のローカルメモリへ転送し(S401)、S402へ進む。
S402では、CPU105が、変数カレントQIDに設定さているQテーブルIDのQテーブルを圧縮部252へ設定する。S303で、CPU105が、メモリの使用状況の判定を行う。なお、S404でNOと判定される場合とは、本処理開始時点では使用できるメモリ領域が、他の処理、例えば複合機能処理要求に応じてメモリが使用されている等の要因が発生した場合が含まれる。
【0045】
本実施形態では、CPU105がイメージデータのデータ容量が、メモリ106に確保できる空き容量と前記記憶手段で使用できるメモリ容量から決定される第1のしきい値との差分量を超えるかどうかを判断する。この際、第1のしきい値との差分量を超えるとCPU105が判断した場合、背景圧縮データをメモリ106に記憶させることなく、圧縮部252によりイメージデータを圧縮させる空圧縮処理を実行する。これにより、メモリ空き待ち時間を利用して、CPU105はメモリ106に収容できる程度に圧縮した背景圧縮データを生成することができる。
【0046】
また、第1のしきい値との差分量を超えないとCPU105が判断した場合、圧縮部252による空圧縮処理を実行することなく背景圧縮データをメモリ106に記憶させる。これにより、メモリ106に空きメモリが十分に確保できる場合には、無駄な空圧縮処理を実行させずに済み、圧縮処理時間を短縮することができる。
図5は、図1に示したメモリ106における第1のメモリ使用状況を示す図である。
【0047】
図5において、1002が第1のしきい値の容量を示す。ラスタ画像情報を格納可能な全メモリ容量と第1のしきい値の容量の差1003より、ラスタ画像情報の容量1001が大きいと判定した場合、CPU105は図4に示すS405へ進み、第1の圧縮処理を行う。
【0048】
ラスタ画像情報を格納可能な全メモリ容量と第1のしきい値の容量の差1003より、ラスタ画像情報の容量1001が小さいと判定した場合、
CPU105はS406へ進み、第2の圧縮処理を行う。なお、当該処理の詳細については後述する。
第1の圧縮処理及び第2の圧縮処理では、メモリ106に生成されたDLを圧縮イメージに変換して、フォールバック処理を終了する。
【0049】
図6は、本実施形態を示す画像処理装置の制御手順を示すフローチャートである。本例は、第1の圧縮処理の詳細手順に対応する。以下、図4に示したS405でDLをレンダリングし生成されたラスタイメージが圧縮されて、メモリに格納されるまでの詳細手順を説明する。なお、各ステップは、CPU105がメモリ106にロードする制御プログラムをロードして実行することで実現される。
【0050】
上述した図4に示したS405が実行されると本処理が開始され、S501で、CPU105が、メモリ出力なしの設定を圧縮部252に行う。そして、S502では、CPU105が、レンダリング部251のレジスタ設定等、各種初期化処理を行った後、レンダリングスタートの信号を送りDLのレンダリングを開始する。
【0051】
次に、S503では、CPU105が、S502で生成された前記ラスタイメージを圧縮部252へ転送しS402で設定されているQテーブルでJPEG圧縮を施す。S501で、CPU105が、圧縮部の出力をなしに設定されているので、圧縮部はメモリに出力を行わない。
【0052】
そして、S504では、CPU105が、圧縮部252のJPEG圧縮の出力カウンタを参照して、ラスタイメージの圧縮後の容量を取得する。そして、S505で、この容量が第1のしきい値の容量未満であるかどうかをCPU105が判断する。ここで、この容量が第1のしきい値の容量未満であるとCPU105が判断した場合、S506へ進み、CPU105が、メモリ出力なしの設定を圧縮部252に行う。
そして、再度、S507では、CPU105が、レンダリング部251のレジスタ設定等、各種初期化処理を行った後、レンダリングスタートの信号を送りDLのレンダリングを開始する。
次に、S508では、CPU105は、S507で生成された前記ラスタイメージを圧縮部252へ転送し設定されているQテーブルでJPEG圧縮を施す。
【0053】
一方、S505で、ラスタイメージの圧縮後の容量が第1のしきい値の容量より大きいとCPU105が判断した場合、S509へ進み、CPU105が、変数カレントQIDの値をインクリメントしてS502へ戻る。そして、CPU105が、変数カレントQIDに設定されているQテーブルIDのQテーブルを圧縮部252へ再設定してレンダリングを再スタートする。
【0054】
図7は、本実施形態を示す画像処理装置の制御手順を示すフローチャートである。本例は、第2の圧縮処理の詳細手順に対応する。第2の圧縮処理を示すフローチャートである。以下、図4に示したS406でDLをレンダリングし生成されたラスタイメージが圧縮されて、メモリに格納されるまでの詳細手順を説明する。なお、各ステップは、CPU105がメモリ106にロードする制御プログラムをロードして実行することで実現される。
上述した図4に示したS406が実行されると本処理が開始され、S601で、CPU105が、メモリ出力ありの設定を圧縮部252に行う。
そして、S602では、CPU105が、レンダリング部251のレジスタ設定等、各種初期化処理を行った後、レンダリングスタートの信号を送りDLのレンダリングを開始する。
【0055】
次に、S603では、CPU105が、S502で生成された前記ラスタイメージを圧縮部252へ転送し設定されているQテーブルでJPEG圧縮を施す。S602で圧縮部の出力をありに設定されているので、圧縮部252はDMAC253を経由してメモリに出力を行う。
【0056】
そして、S604では、圧縮部252のJPEG圧縮の出力カウンタが第1のしきい値の容量未満で出力が完了しているかどうかをCPU105が判断する。ここで、第1のしきい値の容量未満で出力が完了しているとCPU105が判断した場合、圧縮イメージはメモリに正常に格納され、S606へ進み、第2の圧縮処理は終了となる。
【0057】
一方、S604で、JPEG圧縮の出力カウンタが第1のしきい値の容量に達しているとCPU105が判断した場合は、S605へ進み、圧縮部252が、圧縮処理の中断を行う(S605)。そして、CPU105が、メモリに格納された圧縮イメージの残骸を破棄して、S606へ進み、変数カレントQIDの値をインクリメントして、S602へ戻る。そして、CPU105が、変数カレントQIDに設定されているQテーブルIDのQテーブルを圧縮部252へ再設定してレンダリングを再スタートする。なお、S
【0058】
第1実施形態に示す画像処理装置では、空きメモリが不足している場合、メモリ空き待ち時間を利用して、空圧縮処理を実行するため、空きメモリ待ち解消後の圧縮処理時間を、圧縮率が高い場合でも最小限に抑えることが可能である。
また、空きメモリが充分にある場合は、無駄な空圧縮処理を省くことができ、圧縮処理時間を短縮することが可能である。
〔第2実施形態〕
【0059】
第1実施形態に示した画像処理装置では、空きメモリの容量だけでメモリの使用状況を判断していたが、即座に解消される見込みの圧縮イメージの容量を空きメモリと同等に扱うことも可能である。ここでの説明は前述の第1実施形態の図3とほぼ同様なため、異なる部分のみを以下説明する。より具体的には、CPU105が背景圧縮データのデータ容量が、メモリ106に確保できる空き容量とメモリ106で使用できるメモリ容量から決定される第1のしきい値との差分量を超えるかどうかを判断する。そして、第1のしきい値との差分量を超えるとCPU105が判断した場合、背景圧縮データをメモリ106に記憶させることなく、圧縮部252よりイメージデータを圧縮させる空圧縮処理を実行する。一方、第1のしきい値との差分量を超えないとCPU105が判断した場合、圧縮部252による空圧縮処理を実行することなく背景圧縮データをメモリ106に記憶させる例である。
【0060】
図8は、本実施形態を示す画像処理装置の制御手順を示すフローチャートである。本例は、フォールバック処理であって、図3に示したS305の詳細手順に対応する。なお、各ステップは、CPU105がメモリ106にロードする制御プログラムをロードして実行することで実現される。
【0061】
上述した図3に示したS305が実行されると本処理が開始される。CPU105が、メモリ106上に生成されたDLをレンダリング部251のローカルメモリへ転送する(S701)。S702へ進み、CPU105が、変数カレントQIDに設定されているQテーブルIDのQテーブルを圧縮部252へ設定する。S703で、メモリの使用状況の判定を行う。
図9は、図1に示したメモリ106における第2のメモリ使用状況を示す図である。
図9において、1102が第1のしきい値の容量を示す。
【0062】
S704において、ラスタ画像情報を格納可能な全メモリ容量と第1のしきい値の容量の差1103より、フォールバックの背景画像の容量1101が大きいとCPU105が判断した場合、S705へ進み、第1の圧縮処理を行う。
【0063】
一方、S704で、ラスタ画像情報を格納可能な全メモリ容量と第1のしきい値の容量の差1103より、フォールバックの背景画像の容量1101以下であるとCPU105が判断した場合、S706へ進み、CPU105が、第2の圧縮処理を行う。
そして、第1の圧縮処理及び第2の圧縮処理では、メモリ106に生成されたDLを圧縮イメージに変換してフォールバック処理を終了する。
第2実施形態を示す画像処理装置では、即座に解消される見込みの圧縮イメージの容量を空きメモリと同等に扱うことにより、より適切にメモリ使用状況を判定している。
このことによって、メモリ空き待ちが発生しそうな状況では、空圧縮処理を実行するため、空きメモリ待ち解消後の圧縮処理時間を、圧縮率が高い場合でも最小限に抑えることが可能である。
また、メモリ空き待ちが発生しなさそうな状況では、無駄な空圧縮処理を省くことができ、圧縮処理時間を短縮することが可能である。
〔第3実施形態〕
【0064】
第2実施形態に示した画像処理装置では、即座に解消される見込みの圧縮イメージの容量を空きメモリと同等に扱っていたが、即座に解消される見込みの圧縮イメージを印刷待ち圧縮イメージと限定して取り扱うことも可能である。
【0065】
ここでの説明は前述の第1実施形態に示した図3とほぼ同様なため、異なる部分のみを以下説明する。より具体的には、CPU105が第1の判断手段、第2の判断手段、制御手段として機能する。そして、CPU105が背景圧縮データのデータ容量が、メモリ106に確保できる空き容量とメモリ106で使用できるメモリ容量から決定される第1のしきい値との差分量を超えるかどうかを判断する。また、CPU105は背景圧縮データと印刷待ち圧縮データとを合算したデータ容量が、メモリ106で使用できるメモリ容量から決定される第2のしきい値を超えるかどうかを判断する。
【0066】
そして、背景圧縮データのデータ容量が差分量を超えるとCPU105が判断した場合、または、背景圧縮データのデータ容量が差分量を超ないとCPU105が判断した場合は、さらに続けて以下の判断を行う。ここで、背景圧縮データと印刷待ち圧縮データとを合算したデータ容量が第2のしきい値を超えるとCPU105が判断した場合、背景圧縮データをメモリ106に記憶させることなく、以下の処理を行う。ここで、CPU105は圧縮部252によりイメージデータを圧縮させる空圧縮処理を実行する。
一方、背景圧縮データのデータ容量が前記差分量を超ないとCPU105が判断し、かつ、背景圧縮データと印刷待ち圧縮データとを合算したデータ容量が第2のしきい値を超えないとCPU105が判断した場合、以下の処理を行う。ここで、CPU105は、圧縮部252による空圧縮処理を実行することなく背景圧縮データをメモリ106に記憶させる例である。
【0067】
図10は、本実施形態を示す画像処理装置の制御手順を示すフローチャートである。本例は、フォールバック処理であって、図3に示したS305の詳細手順に対応する。なお、各ステップは、CPU105がメモリ106にロードする制御プログラムをロードして実行することで実現される。
【0068】
上述した図3に示したS305が実行されると本処理が開始される。S303で、CPU105が、メモリ106上に生成されたDLをレンダリング部251のローカルメモリへ転送する(S801)。そして、S802へ進み、CPU105が、変数カレントQIDに設定さているQテーブルIDのQテーブルを圧縮部252へ設定する。S803で、CPU105はメモリの使用状況の判定を行う。
図11は、図1に示したメモリ106における第3のメモリ使用状況を示す図である。なお、本例は、後述する第4実施形態においても援用する。
図11において、1202は第1のしきい値の容量を示す。
【0069】
S804において、ラスタ画像情報を格納可能な全メモリ容量と第1のしきい値の容量の差1203より、フォールバックの背景画像の容量1201が大きいとCPU105が判断した場合、S805へ進み、CPU105が、第1の圧縮処理を行う。
【0070】
一方、S804で、ラスタ画像情報を格納可能な全メモリ容量と第1のしきい値の容量の差1203より、フォールバックの背景画像の容量1201以下であるとCPU105が判断した場合は、S806へ進む。そして、S806で、CPU105が、メモリの使用状況の判定を行うS806)。
【0071】
そして、印刷待ち圧縮イメージの容量とフォールバックの背景圧縮イメージの容量の合算が、第2のしきい値1204の容量より大きいかどうかをCPU105が判断する(S807)。ここで、印刷待ち圧縮イメージの容量とフォールバックの背景圧縮イメージの容量の合算値が、第2のしきい値1204の容量より大きいとCPU105が判断した場合は、S805へ進み、CPU105が、第1の圧縮処理を行う。
【0072】
一方、S807で、印刷待ち圧縮イメージの容量とフォールバックの背景圧縮イメージの容量の合算値が、第2のしきい値1204の容量以下であるとCPU105が判断した場合、S808へ進み、第2の圧縮処理を行う。
そして、第1の圧縮処理及び第2の圧縮処理では、メモリ106に生成されたDLを圧縮イメージに変換してフォールバック処理を終了する。
第3実施形態に示す画像処理装置では、即座に解消される見込みの印刷待ち圧縮イメージの容量を空きメモリと同等に扱うことにより、より適切にメモリ使用状況を判定している。
このことによって、メモリ空き待ちが発生しそうな状況では、空圧縮処理を実行するため、空きメモリ待ち解消後の圧縮処理時間を、圧縮率が高い場合でも最小限に抑えることが可能である。
また、メモリ空き待ちが発生しなさそうな状況では、無駄な空圧縮処理を省くことができ、圧縮処理時間を短縮することが可能である。
〔第4実施形態〕
【0073】
上記第3実施形態に示した画像処理装置では、紙なしや紙ジャムのように印刷できない状態にプリンタが陥った場合は、印刷待ち圧縮イメージは即座に消去されず、想定どおりメモリが空かない状態が続いてしまう。
【0074】
プリンタの状態は確認することによって、前述の問題を解消することが可能である。ここでの説明は前述の実施形態1の図3とほぼ同様なため、異なる部分のみを以下説明する。より具体的には、CPU105が第1の判断手段、第2の判断手段と、第1の制御手段、第2の制御手段として機能する。つまり、CPU105が背景圧縮データのデータ容量が、メモリ106に確保できる空き容量とメモリ106で使用できるメモリ容量から決定される第1のしきい値との差分量を超えるかどうかを判断する第1の判断手段として機能する。同様に、CPU105が背景圧縮データと前記印刷待ち圧縮データとを合算したデータ容量が、メモリ106で使用できるメモリ容量から決定される第2のしきい値を超えるかどうかを判断する第2の判断手段として機能する。
【0075】
そして、プリンタ103が記録紙にイメージデータを出力できる状態であるとCPU105が判別した場合、以下の判断を行う。ここで、CPU105は、背景圧縮データのデータ容量が、メモリ106に確保できる空き容量とメモリ106で使用できるメモリ容量から決定される第1のしきい値との差分量を超えるかどうかを判断する。ここで、第1のしきい値との差分量を超えないとCPU105が判断した場合(後述するS910でNOと判断した場合)、さらに以下の判断を行う。ここで、CPU105は背景圧縮データと印刷待ち圧縮データとを合算したデータ容量が、メモリ106で使用できるメモリ容量から決定される第2のしきい値を超えるかどうかを判断する。ここで、データ容量が、第2のしきい値を超えるとCPU105が判断した場合、背景圧縮データをメモリ106に記憶させることなく、後述するS911でメモリ106によりイメージデータを圧縮させる空圧縮処理を実行する。
一方、CPU105は、プリンタ103が記録紙にイメージデータを出力できる状態であるとCPU105が判別した場合で、かつ、第2のしきい値を超えないとCPU105が判断した場合、以下の処理を行う。ここで、CPU105は圧縮部252による空圧縮処理を実行することなく背景圧縮データをメモリ106に記憶させる。この処理は、後述するS909,S913でともにNOと判別される場合にCPU105により実行される。
一方、プリンタ103が記録紙にイメージデータを出力できる状態でないとCPU105が判別した場合、さらに以下の判断を行う。ここで、CPU105は、背景圧縮データと前記印刷待ち圧縮データとを合算したデータ容量が、メモリ106で使用できるメモリ容量から決定される第2のしきい値を超えるかどうかを判断する。ここで、データ容量が、第2のしきい値を超えるとCPU105が判断した場合、後述するS907で、圧縮部252によりイメージデータを空圧縮処理を実行する。一方、背景圧縮データと印刷待ち圧縮データとを合算したデータ容量が、第2のしきい値を超えないとCPU105が判断した場合、後述するS908を実行する。つまり、CPU105は圧縮部252により背景圧縮データを空圧縮処理させることなくメモリ106に記憶させる。以下、図12に従って各処理を説明する。なお、第2のしきい値は図11に示した通りであり、第1のしきい値は、図9にしめした通りである。
【0076】
図12は、本実施形態を示す画像処理装置の制御手順を示すフローチャートである。本例は、フォールバック処理であって、図3に示したS305の詳細手順に対応する。なお、各ステップは、CPU105がメモリ106にロードする制御プログラムをロードして実行することで実現される。
【0077】
上述した図3に示したS305が実行されると本処理が開始され、S303で、CPU105が、メモリ106上に生成されたDLをレンダリング部251のローカルメモリへ転送し(S901)、S902へ進む。S902では、CPU105が変数カレントQIDに設定さているQテーブルIDのQテーブルを圧縮部252へ設定する。
【0078】
そして、S903で、CPU105はプリンタの状態を判定する。そして、プリンタ103が紙なしや紙ジャムなどが発生していて出力不可状態であるかどうかをCPU105が判断する(S904)。ここで、プリンタ103が紙なしや紙ジャムなどが発生していて出力不可状態であるとCPU105が判断した場合は、S905へ進む。
これ以降の説明は、第3実施形態の図10に示したS806以降と同様のため、省略する。
一方、S904で、プリンタが紙なしや紙ジャムなど発生していなく、出力可能状態であるとCPU105が判断した場合は、S909へ進む。
これ以降の説明は、第3実施形態における図10に示したS803以降と同様のため、省略する。
【0079】
上記第4実施形態に示した画像処理装置では、プリンタの状態は確認することによって、印刷待ち圧縮イメージは、即座に消去されるか否かを判定することができるので、より適切にメモリ使用状況を判定している。
このことによって、メモリ空き待ちが発生しそうな状況では、空圧縮処理を実行するため、空きメモリ待ち解消後の圧縮処理時間を、圧縮率が高い場合でも最小限に抑えることが可能である。
また、メモリ空き待ちが発生しなさそうな状況では、無駄な空圧縮処理を省くことができ、圧縮処理時間を短縮することが可能である。
【0080】
以上、詳細に説明した本発明を適用できる本実施形態により、アプリケーションで扱うデータが異なる場合でも、インストール時にデータ定義ファイルによる不要なデータの削除を伴った移行を行うことが出来る。
【0081】
本発明の各工程は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウエア(プログラム)をパソコン(コンピュータ)等の処理装置(CPU、プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【符号の説明】
【0082】
101 コントローラ
105 CPU
106 メモリ
107 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
描画情報からイメージデータを生成する生成手段と、
前記イメージデータを圧縮する圧縮手段と、
前記描画情報と、前記イメージデータと、前記圧縮手段が前記イメージデータを描画情報として圧縮した背景圧縮データとを記憶する記憶手段と、
前記イメージデータのデータ容量が、前記記憶手段に確保できる空き容量と前記記憶手段で使用できるメモリ容量から決定される第1のしきい値との差分量を超えるかどうかを判断する判断手段と、
前記第1のしきい値との差分量を超えると前記判断手段が判断した場合、前記背景圧縮データを前記記憶手段に記憶させることなく、前記圧縮手段により前記イメージデータを圧縮させる空圧縮処理を実行し、
前記第1のしきい値との差分量を超えないと前記判断手段が判断した場合、前記圧縮手段による空圧縮処理を実行することなく前記背景圧縮データを前記記憶手段に記憶させる制御手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
描画情報からイメージデータを生成する生成手段と、
前記イメージデータを圧縮する圧縮手段と、
前記描画情報と、前記イメージデータと、前記圧縮手段が前記イメージデータを描画情報として圧縮した背景圧縮データとを記憶する記憶手段と、
前記背景圧縮データのデータ容量が、前記記憶手段に確保できる空き容量と前記記憶手段で使用できるメモリ容量から決定される第1のしきい値との差分量を超えるかどうかを判断する判断手段と、
前記第1のしきい値との差分量を超えると前記判断手段が判断した場合、前記背景圧縮データを前記記憶手段に記憶させることなく、前記圧縮手段により前記データを圧縮させる空圧縮処理を実行し、
前記第1のしきい値との差分量を超えないと前記判断手段が判断した場合、前記圧縮手段による空圧縮処理を実行することなく前記背景圧縮データを前記記憶手段に記憶させる制御手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
描画情報からイメージデータを生成する生成手段と、
前記イメージデータを圧縮する圧縮手段と、
前記描画情報と、前記圧縮手段が前記イメージデータを圧縮した印刷待ち圧縮データと、前記圧縮手段が前記イメージデータを描画情報として圧縮した背景圧縮データとを記憶する記憶手段と、
前記背景圧縮データのデータ容量が、前記記憶手段に確保できる空き容量と前記記憶手段で使用できるメモリ容量から決定される第1のしきい値との差分量を超えるかどうかを判断する第1の判断手段と、
前記背景圧縮データと前記印刷待ち圧縮データとを合算したデータ容量が、前記記憶手段で使用できるメモリ容量から決定される第2のしきい値を超えるかどうかを判断する第2の判断手段と、
前記背景圧縮データのデータ容量が前記差分量を超えると第1の判断手段が判断した場合、または、前記背景圧縮データのデータ容量が前記差分量を超ないと第1の判断手段が判断し、かつ、前記背景圧縮データと前記印刷待ち圧縮データとを合算したデータ容量が第2のしきい値を超えると前記第2の判断手段が判断した場合、前記背景圧縮データを前記記憶手段に記憶させることなく、前記圧縮手段により前記イメージデータを圧縮させる空圧縮処理を実行し、
前記背景圧縮データのデータ容量が前記差分量を超ないと第1の判断手段が判断し、かつ、前記背景圧縮データと前記印刷待ち圧縮データとを合算したデータ容量が第2のしきい値を超えないと前記第2の判断手段が判断した場合、前記圧縮手段による空圧縮処理を実行することなく前記背景圧縮データを前記記憶手段に記憶させる制御手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
描画情報からイメージデータを生成する生成手段と、
前記イメージデータを圧縮する圧縮手段と、
前記描画情報と、前記圧縮手段が前記イメージデータを圧縮した印刷待ち圧縮データと、前記圧縮手段が前記イメージデータを描画情報として圧縮した背景圧縮データとを記憶する記憶手段と、
記録紙に前記イメージデータを出力するエンジン手段と、
前記エンジン手段が前記記録紙に前記イメージデータを出力できる状態であるかどうかを判別する判別手段と、
前記背景圧縮データのデータ容量が、前記記憶手段に確保できる空き容量と前記記憶手段で使用できるメモリ容量から決定される第1のしきい値との差分量を超えるかどうかを判断する第1の判断手段と、
前記背景圧縮データと前記印刷待ち圧縮データとを合算したデータ容量が、前記記憶手段で使用できるメモリ容量から決定される第2のしきい値を超えるかどうかを判断する第2の判断手段と、
前記記録紙に前記イメージデータを出力できる状態でないと前記判別手段が判別した場合、前記背景圧縮データと前記印刷待ち圧縮データとを合算したデータ容量が、前記記憶手段で使用できるメモリ容量から決定される第2のしきい値を超えると第2の判断手段が判断した場合、前記背景圧縮データを前記記憶手段に記憶させることなく、前記圧縮手段により前記イメージデータを圧縮させる空圧縮処理を実行し、前記背景圧縮データと前記印刷待ち圧縮データとを合算したデータ容量が、前記記憶手段で使用できるメモリ容量から決定される第2のしきい値を超えないと第2の判断手段が判断した場合、前記圧縮手段による空圧縮処理を実行することなく前記背景圧縮データを前記記憶手段に記憶させる第1の制御手段と、
前記記録紙に前記イメージデータを出力できる状態であると前記判別手段が判別した場合、さらに、前記背景圧縮データのデータ容量が、前記記憶手段に確保できる空き容量と前記記憶手段で使用できるメモリ容量から決定される第1のしきい値との差分量を超えないと前記第1の判断手段が判断し、かつ、前記背景圧縮データと前記印刷待ち圧縮データとを合算したデータ容量が、前記記憶手段で使用できるメモリ容量から決定される第2のしきい値を超えると第2の判断手段が判断した場合は、前記背景圧縮データを前記記憶手段に記憶させることなく、前記圧縮手段により前記イメージデータを圧縮させる空圧縮処理を実行し、
前記記録紙に前記イメージデータを出力できる状態であると判別した場合、さらに、前記背景圧縮データのデータ容量が、前記記憶手段に確保できる空き容量と前記記憶手段で使用できるメモリ容量から決定される第1のしきい値との差分量を超えないと前記第1の判断手段が判断し、かつ、前記背景圧縮データと前記印刷待ち圧縮データとを合算したデータ容量が、前記記憶手段で使用できるメモリ容量から決定される第2のしきい値を超えないと第2の判断手段が判断した場合は、前記圧縮手段による空圧縮処理を実行することなく前記背景圧縮データを前記記憶手段に記憶させる第2の制御手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
描画情報からイメージデータを生成する生成手段と、前記イメージデータを圧縮する圧縮手段と、前記描画情報と、前記イメージデータと、前記圧縮手段が前記イメージデータを描画情報として圧縮した背景圧縮データとを記憶する記憶手段とを備える画像処理装置のデータ処理方法であって、
前記イメージデータのデータ容量が、前記記憶手段に確保できる空き容量と前記記憶手段で使用できるメモリ容量から決定される第1のしきい値との差分量を超えるかどうかを判断する判断工程と、
前記判断工程が前記第1のしきい値との差分量を超えると判断した場合、前記背景圧縮データを前記記憶手段に記憶させることなく、前記圧縮手段により前記イメージデータを圧縮させる空圧縮処理を実行し、
前記判断工程が前記第1のしきい値との差分量を超えないと判断した場合、前記圧縮手段による空圧縮処理を実行することなく前記背景圧縮データを前記記憶手段に記憶させる制御工程と、
を備えることを特徴とする画像処理装置のデータ処理方法。
【請求項6】
描画情報からイメージデータを生成する生成手段と、前記イメージデータを圧縮する圧縮手段と、前記描画情報と、前記イメージデータと、前記圧縮手段が前記イメージデータを描画情報として圧縮した背景圧縮データとを記憶する記憶手段とを備える画像処理装置のデータ処理方法であって、
前記背景圧縮データのデータ容量が、前記記憶手段に確保できる空き容量と前記記憶手段で使用できるメモリ容量から決定される第1のしきい値との差分量を超えるかどうかを判断する判断工程と、
前記第1のしきい値との差分量を超えると前記判断工程が判断した場合、前記背景圧縮データを前記記憶手段に記憶させることなく、前記圧縮手段により前記データを圧縮させる空圧縮処理を実行し、
前記第1のしきい値との差分量を超えないと前記判断工程が判断した場合、前記圧縮手段による空圧縮処理を実行することなく前記背景圧縮データを前記記憶手段に記憶させる制御工程と、
を備えることを特徴とする画像処理装置のデータ処理方法。
【請求項7】
描画情報からイメージデータを生成する生成手段と、前記イメージデータを圧縮する圧縮手段と、前記描画情報と、前記圧縮手段が前記イメージデータを圧縮した印刷待ち圧縮データと、前記圧縮手段が前記イメージデータを描画情報として圧縮した背景圧縮データとを記憶する記憶手段とを備える画像処理装置のデータ処理方法であって、
前記背景圧縮データのデータ容量が、前記記憶手段に確保できる空き容量と前記記憶手段で使用できるメモリ容量から決定される第1のしきい値との差分量を超えるかどうかを判断する第1の判断工程と、
前記背景圧縮データと前記印刷待ち圧縮データとを合算したデータ容量が、前記記憶手段で使用できるメモリ容量から決定される第2のしきい値を超えるかどうかを判断する第2の判断工程と、
前記背景圧縮データのデータ容量が前記差分量を超えると第1の判断工程が判断した場合、または、前記背景圧縮データのデータ容量が前記差分量を超ないと第1の判断工程が判断し、かつ、前記背景圧縮データと前記印刷待ち圧縮データとを合算したデータ容量が第2のしきい値を超えると前記第2の判断工程が判断した場合、前記背景圧縮データを前記記憶手段に記憶させることなく、前記圧縮手段により前記イメージデータを圧縮させる空圧縮処理を実行し、
前記背景圧縮データのデータ容量が前記差分量を超ないと第1の判断工程が判断し、かつ、前記背景圧縮データと前記印刷待ち圧縮データとを合算したデータ容量が第2のしきい値を超えないと前記第2の判断工程が判断した場合、前記圧縮手段による空圧縮処理を実行することなく前記背景圧縮データを前記記憶手段に記憶させる制御工程と、
を備えることを特徴とする画像処理装置のデータ処理方法。
【請求項8】
描画情報からイメージデータを生成する生成手段と、前記イメージデータを圧縮する圧縮手段と、前記描画情報と、前記圧縮手段が前記イメージデータを圧縮した印刷待ち圧縮データと、前記圧縮手段が前記イメージデータを描画情報として圧縮した背景圧縮データとを記憶する記憶手段と、記録紙に前記イメージデータを出力するエンジン手段とを備える画像処理装置のデータ処理方法であって、
前記エンジン手段が前記記録紙に前記イメージデータを出力できる状態であるかどうかを判別する判別工程と、
前記背景圧縮データのデータ容量が、前記記憶手段に確保できる空き容量と前記記憶手段で使用できるメモリ容量から決定される第1のしきい値との差分量を超えるかどうかを判断する第1の判断工程と、
前記背景圧縮データと前記印刷待ち圧縮データとを合算したデータ容量が、前記記憶手段で使用できるメモリ容量から決定される第2のしきい値を超えるかどうかを判断する第2の判断工程と、
前記記録紙に前記イメージデータを出力できる状態でないと前記判別工程が判別した場合、前記背景圧縮データと前記印刷待ち圧縮データとを合算したデータ容量が、前記記憶手段で使用できるメモリ容量から決定される第2のしきい値を超えると第2の判断工程が判断した場合、前記背景圧縮データを前記記憶手段に記憶させることなく、前記圧縮手段により前記イメージデータを圧縮させる空圧縮処理を実行し、前記背景圧縮データと前記印刷待ち圧縮データとを合算したデータ容量が、前記記憶手段で使用できるメモリ容量から決定される第2のしきい値を超えないと第2の判断工程が判断した場合、前記圧縮手段による空圧縮処理を実行することなく前記背景圧縮データを前記記憶手段に記憶させる第1の制御工程と、
前記記録紙に前記イメージデータを出力できる状態であると前記判別工程が判別した場合、さらに、前記背景圧縮データのデータ容量が、前記記憶手段に確保できる空き容量と前記記憶手段で使用できるメモリ容量から決定される第1のしきい値との差分量を超えないと前記第1の判断手段が判断し、かつ、前記背景圧縮データと前記印刷待ち圧縮データとを合算したデータ容量が、前記記憶手段で使用できるメモリ容量から決定される第2のしきい値を超えると第2の判断手段が判断した場合は、前記背景圧縮データを前記記憶手段に記憶させることなく、前記圧縮手段により前記イメージデータを圧縮させる空圧縮処理を実行し、
前記記録紙に前記イメージデータを出力できる状態であると判別した場合、さらに、前記背景圧縮データのデータ容量が、前記記憶手段に確保できる空き容量と前記記憶手段で使用できるメモリ容量から決定される第1のしきい値との差分量を超えないと前記第1の判断手段が判断し、かつ、前記背景圧縮データと前記印刷待ち圧縮データとを合算したデータ容量が、前記記憶手段で使用できるメモリ容量から決定される第2のしきい値を超えないと第2の判断手段が判断した場合は、前記圧縮手段による空圧縮処理を実行することなく前記背景圧縮データを前記記憶手段に記憶させる第2の制御工程と、
を備えることを特徴とする画像処理装置のデータ処理方法。
【請求項9】
請求項4乃至8のいずれか1項に記載のデータ処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−70304(P2012−70304A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214782(P2010−214782)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】