説明

画像処理装置、画像形成装置およびプログラム

【課題】形成される画像の濃度補正を、画像領域の違いに依存しにくく、より高精度で行なうことができる画像処理装置等を提供する。
【解決手段】被処理画像の濃度を補正するための基準パッチを形成する画像形成ユニットと、基準パッチの濃度を読み取る濃度検出センサ27と、被処理画像の画像情報から細線の画像領域と規則模様の画像領域を抽出する領域抽出部76と、通常画像領域の濃度を補正する第1の濃度補正係数を読み取られた濃度補正用画像の濃度に基づき決定し、細線の画像領域の濃度を補正する第2の濃度補正係数と規則模様の画像領域の濃度を補正する第3の濃度補正係数とを第1の補正係数および予め定められた連動係数から決定する濃度補正係数決定部77と、それぞれの濃度補正係数に基づいて、それぞれの画像領域の濃度を補正する濃度補正部78と、を備えることを特徴とする画像処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像形成装置、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置では、例えばドラム状に形成された感光体を帯電させ、この感光体を画像情報に基づいて制御された光で露光して感光体上に静電潜像を形成する。そして、この静電潜像をトナーによって可視像(トナー像)とし、更にこのトナー像を記録材に転写し、これを定着装置によって定着して画像形成している。
この種の画像形成装置では、得られる画質が、環境の変動や部品の経時劣化等により影響を受けることがある。そのため実際に形成される画像の濃度補正を行うことがある。
【0003】
特許文献1には、濃度を制御するための濃度制御ループと、線幅を制御するための線幅制御ループで構成されており、濃度制御ループで、感光体上に形成された基準濃度パッチのトナー像と基準濃度信号とを比較して複写画像の濃度を、露光量、帯電量、現像バイアス量の内の2つの入力量で制御する画像制御装置が記載されている。そして、この画像制御装置では、望みの濃度を得た後、線幅制御ループに移り、基準線幅パッチのトナー像と基準線幅信号とを比較して複写画像の線幅を、濃度制御に用いなかった入力量で制御する。この時、線幅を制御する入力を変えることで、濃度も望みの濃度からずれる。そこで、線幅制御の入力を更新した後、再び濃度制御ループに戻り濃度を制御する。したがって、この画質制御装置は濃度制御ループにより望みの濃度に戻した後の線幅を予想する線幅予想手段を有し、線幅制御の入力の方向はこの予測値にしたがって決定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−51599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで形成される画像の濃度補正は、画像領域の違いに依存しにくく、より高精度に行なわれることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、被処理画像の濃度を補正するための予め定められた濃度による濃度補正用画像を形成する補正用画像形成手段と、前記補正用画像形成手段により形成された濃度補正用画像の濃度を読み取る読み取り手段と、前記被処理画像の画像情報から予め定められた幅以下の線である細線の画像領域と予め定められた規則による繰り返し模様である規則模様の画像領域を抽出する抽出手段と、前記細線の画像領域および前記規則模様の画像領域の何れにも属さない画像領域である通常画像領域の濃度を補正するための第1の濃度補正係数を前記読み取り手段により読み取られた濃度補正用画像の濃度に基づき決定するとともに、当該細線の画像領域の濃度を補正するための第2の濃度補正係数と当該規則模様の画像領域の濃度を補正するための第3の濃度補正係数とを当該第1の濃度補正係数および予め定められた連動係数から決定する濃度補正係数決定手段と、前記濃度補正係数決定手段により決定された前記第1の濃度補正係数、前記第2の濃度補正係数および前記第3の濃度補正係数に基づいて、前記通常画像領域、前記細線の画像領域および前記規則模様の画像領域の濃度をそれぞれ補正する濃度補正手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記濃度補正用画像の濃度は複数設定され、前記濃度補正係数決定手段は、前記濃度補正用画像の設定された濃度毎に前記第1の濃度補正係数、前記第2の濃度補正係数および前記第3の濃度補正係数を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
請求項3に記載の発明は、前記規則模様の画像領域は、前記被処理画像中において当該規則模様により半透明処理が行なわれた画像領域であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置である。
【0008】
請求項4に記載の発明は、被処理画像の濃度を補正するための予め定められた濃度による濃度補正用トナー像を形成するトナー像形成手段と、前記トナー像形成手段により形成された前記濃度補正用トナー像が転写される像転写体と、前記像転写体に転写された前記濃度補正用トナー像の濃度を読み取る読み取り手段と、前記被処理画像の画像情報から予め定められた幅以下の線である細線の画像領域と予め定められた規則による繰り返し模様である規則模様の画像領域を抽出する抽出手段と、当該細線の画像領域および当該規則模様の画像領域の何れにも属さない画像領域である通常画像領域の濃度を補正するための第1の濃度補正係数を前記読み取り手段により読み取られた濃度補正用画像の濃度に基づき決定するとともに、当該細線の画像領域の濃度を補正するための第2の濃度補正係数と当該規則模様の画像領域の濃度を補正するための第3の濃度補正係数とを当該第1の補正係数および予め定められた連動係数から決定する濃度補正係数決定手段と、当該濃度補正係数決定手段により決定された当該第1の濃度補正係数、当該第2の濃度補正係数および当該第3の濃度補正係数に基づいて、当該通常画像領域、当該細線の画像領域および当該規則模様の画像領域の濃度をそれぞれ補正する濃度補正手段と、を備える画像処理部と、を備える画像形成装置である。
【0009】
請求項5に記載の発明は、コンピュータに、読み取り手段により読み取られた濃度補正用画像の濃度を取得する機能と、被処理画像の画像情報から予め定められた幅以下の線である細線の画像領域と予め定められた規則による繰り返し模様である規則模様の画像領域を抽出する機能と、前記細線の画像領域および前記規則模様の画像領域の何れにも属さない画像領域である通常画像領域の濃度を補正するための第1の濃度補正係数を前記読み取り手段により読み取られた濃度補正用画像の濃度に基づき決定するとともに、当該細線の画像領域の濃度を補正するための第2の濃度補正係数と当該規則模様の画像領域の濃度を補正するための第3の濃度補正係数とを当該第1の濃度補正係数および予め定められた連動係数から決定する機能と、前記第1の濃度補正係数、前記第2の濃度補正係数および前記第3の濃度補正係数に基づいて、前記通常画像領域、前記細線の画像領域および前記規則模様の画像領域の濃度をそれぞれ補正する機能と、を実現するためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、形成される画像の濃度補正を、画像領域の違いに依存しにくく、より高精度で行なうことができる画像処理装置を提供できる。
請求項2の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、細線の画像領域および規則模様の画像領域に対する濃度の補正がさらに高精度になる。
請求項3の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、半透明処理された画像領域に対しても良好な画像を得ることができる。
請求項4の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、より良好な画像を形成することができる画像形成装置が提供できる。
請求項5の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、形成される画像の濃度補正を、画像領域の違いに依存しにくく、より高精度で行なうことができる機能をコンピュータにより実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施の形態の画像形成装置の概要を示す図である。
【図2】中間転写ベルト上に形成される基準パッチの一例について説明した図である。
【図3】プロセスコントロールで用いられる読み取り手段としての濃度検出センサの断面図を示している。
【図4】画像形成装置における信号処理系を示すブロック図である。
【図5】(a)〜(d)は、ROPパターンの一例を説明した図である。
【図6】濃度補正係数決定部を更に詳しく説明したブロック図である。
【図7】領域抽出部、濃度補正係数決定部、および濃度補正部の動作を説明したフローチャートである。
【図8】領域抽出部、濃度補正係数決定部、および濃度補正部の動作を説明したフローチャートである。
【図9】(a)は、記憶部に保存されている第1の連動係数および第2の連動係数についてその一例を説明した図である。(b)は、実際に求められる補正係数の例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<画像形成装置の全体構成の説明>
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態の画像形成装置1の概要を示す図である。
この画像形成装置(画像処理装置)1は、例えば電子写真方式にて各色成分トナー像が形成される複数(本実施の形態では4つ)の画像形成ユニット10(具体的には10Y(イエロー)、10M(マゼンタ)、10C(シアン)、10K(黒))を備える。また、この画像形成装置1は、各画像形成ユニット10で形成された各色成分トナー像を順次転写(一次転写)保持させる中間転写ベルト20を具備する。さらに、この画像形成装置1は、中間転写ベルト20に転写されたトナー像を用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写装置30を備える。さらにまた、この画像形成装置1は、二次転写されたトナー像を用紙P上に定着させる定着装置50を有している。
【0013】
各画像形成ユニット10(10Y、10M、10C、10K)は、使用されるトナーの色を除き、同じ構成を有している。そこで、イエローの画像形成ユニット10Yを例に説明を行う。イエローの画像形成ユニット10Yは、図示しない感光層を有し、矢印A方向に回転可能に配設される感光体ドラム11を具備している。この感光体ドラム11の周囲には、帯電ロール12、露光部13、現像器14、一次転写ロール15、およびドラムクリーナ16が配設される。これらのうち、帯電ロール12は、回転可能に感光体ドラム11に接触配置され、感光体ドラム11を予め定められた電位に帯電する。露光部13は、帯電ロール12によって予め定められた電位に帯電された感光体ドラム11に、レーザ光Bmによって静電潜像を書き込む。現像器14は、対応する色成分トナー(イエローの画像形成ユニット10Yではイエローのトナー)を収容し、このトナーによって感光体ドラム11上の静電潜像を現像する。一次転写ロール15は、感光体ドラム11上に形成されたトナー像を中間転写ベルト20に一次転写する。ドラムクリーナ16は、一次転写後の感光体ドラム11上の残留物(トナー等)を除去する。
【0014】
像転写体としての中間転写ベルト20は、複数(本実施の形態では5つ)の支持ロールに回転可能に張架支持される。これらの支持ロールのうち、駆動ロール21は、中間転写ベルト20を張架するとともに中間転写ベルト20を駆動して回転させる。また、張架ロール22および25は、中間転写ベルト20を張架するとともに駆動ロール21によって駆動される中間転写ベルト20に従って回転する。補正ロール23は、中間転写ベルト20を張架するとともに中間転写ベルト20の搬送方向に略直交する方向の蛇行を規制するステアリングロール(軸方向一端部を支点として傾動自在に配設される)として機能する。さらに、バックアップロール24は、中間転写ベルト20を張架するとともに後述する二次転写装置30の構成部材として機能する。
また、中間転写ベルト20を挟んで駆動ロール21と対向する部位には、二次転写後の中間転写ベルト20上の残留物(トナー等)を除去するベルトクリーナ26が配設されている。そして、中間転写ベルト20には、読み取り手段の一例である濃度検出センサ27が対向配置されている。濃度検出センサ27は、黒の画像形成ユニット10Kに隣接して配置されており、中間転写ベルト20上に一次転写された各色のトナー像を読み取って、その濃度を検知する。
【0015】
なお本実施の形態において、画像形成ユニット10は、被処理画像の濃度を補正するための予め定められた濃度による濃度補正用画像(基準パッチ、濃度補正用トナー像)を形成する補正用画像形成手段(トナー像形成手段)として機能する。
【0016】
二次転写装置30は、中間転写ベルト20のトナー像保持面側に圧接配置される二次転写ロール31と、中間転写ベルト20の裏面側に配置されて二次転写ロール31の対向電極をなすバックアップロール24とを備えている。このバックアップロール24には、トナーの帯電極性と同極性の二次転写バイアスを印加する給電ロール32が接触して配置されている。一方、二次転写ロール31は接地されている。
【0017】
また、用紙搬送系は、用紙トレイ40、搬送ロール41、レジストレーションロール42、搬送ベルト43、および排出ロール44を備える。用紙搬送系では、用紙トレイ40に積載された用紙Pを搬送ロール41にて搬送した後、レジストレーションロール42で一旦停止させ、その後予め定められたタイミングで二次転写装置30の二次転写位置へと送り込む。また、二次転写後の用紙Pを、搬送ベルト43を介して定着装置50へと搬送し、定着装置50から排出された用紙Pを排出ロール44によって機外へと送り出す。
【0018】
次に、この画像形成装置1の基本的な作像プロセスについて説明する。今、図示外のスタートスイッチがオン操作されると、予め定められた作像プロセスが実行される。具体的に述べると、例えばこの画像形成装置1をプリンタとして構成する場合には、PC(パーソナルコンピュータ)等、外部から入力されるデジタル画像信号をメモリに一時的に蓄積する。そして、メモリに蓄積されている4色(Y色、M色、C色、K色)のデジタル画像信号に基づいて各色のトナー像形成を行う。すなわち、各色のデジタル画像信号に応じて各画像形成ユニット10(具体的には10Y、10M、10C、10K)をそれぞれ駆動する。次に、各画像形成ユニット10では、帯電ロール12により帯電された感光体ドラム11に、露光部13によりデジタル画像信号に応じたレーザ光Bmを照射することで、静電潜像を形成する。そして、感光体ドラム11に形成された静電潜像を現像器14により現像し、各色のトナー像を形成させる。なお、この画像形成装置1を複写機として構成する場合には、図示しない原稿台にセットされる原稿をスキャナで読み取り、得られた読み取り信号を処理回路によりデジタル画像信号に変換した後、上記と同様にして各色のトナー像の形成を行うようにすればよい。
【0019】
その後、各感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、感光体ドラム11と中間転写ベルト20とが接する一次転写位置で、一次転写ロール15によって中間転写ベルト20の表面に順次一次転写される。一方、一次転写後に感光体ドラム11上に残存するトナーは、ドラムクリーナ16によってクリーニングされる。
【0020】
このようにして中間転写ベルト20に一次転写されたトナー像は中間転写ベルト20上で重ね合わされ、中間転写ベルト20の回転に伴って二次転写位置へと搬送される。一方、用紙Pは予め定められたタイミングで二次転写位置へと搬送され、バックアップロール24に対して二次転写ロール31が用紙Pを挟持する。
【0021】
そして、二次転写位置において、二次転写ロール31とバックアップロール24との間に形成される転写電界の作用で、中間転写ベルト20上に担持されたトナー像が用紙Pに二次転写される。トナー像が転写された用紙Pは、搬送ベルト43により定着装置50へと搬送される。定着装置50では、用紙P上のトナー像が加熱・加圧定着され、その後、機外に設けられた排紙トレイ(図示せず)に送り出される。一方、二次転写後に中間転写ベルト20に残存するトナーは、ベルトクリーナ26によってクリーニングされる。
【0022】
このように、各画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kは、それぞれ電子写真方式によって対応する色成分トナー像を形成し、形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト20に一次転写している。タンデム型の画像形成装置1では、それぞれ別々の感光体ドラム11、帯電ロール12および一次転写ロール15を用いているため、色毎にその劣化の度合いが異なる。すなわち、感光体ドラム11に設けられた感光層の厚み、帯電ロール12や一次転写ロール15の抵抗値などが画像形成ユニット10毎に相違している。また、色毎のトナーの帯電特性なども異なる。このため、各色で同一濃度の画像を形成すべく各画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kで対応する色成分トナー像を形成し、それを中間転写ベルト20上に一次転写したとしても、中間転写ベルト20上に形成された各色成分トナーの画像の濃度は、実際には同一とはなりにくい。
【0023】
そこで、本実施の形態では、各画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kで濃度補正用の基準パッチ(濃度補正用画像、濃度補正用トナー像)を作成し、これを利用して各色成分トナー像の濃度補正(プロセスコントロール)を行っている。つまり濃度補正用の基準パッチをまず中間転写ベルト20上に転写する。次に中間転写ベルト20上に転写された各色の基準パッチの濃度を読み取り手段としての濃度検出センサ27で読み取り、得られた読み取り結果に基づいて各色成分トナー像の濃度補正を行なう。そしてこの濃度補正が行われた後に、実際に用紙Pに画像形成を行なうための画像用トナー像の形成が行われる。
以下、本実施の形態におけるプロセスコントロールの詳細について説明する。
【0024】
図2は、中間転写ベルト20上に形成される基準パッチの一例について説明した図である。
図2に示す基準パッチSは、Y色、M色、C色、K色毎に作成されるトナー像であり、例えば、5つずつ作成される。これら5つの基準パッチSは、設定濃度がそれぞれ異なる。この設定濃度としては、例えば、20%、40%、60%、80%、100%の濃度が選択される。
これらの基準パッチSは、それぞれが例えば、1mm×1mmの正方形状であり、中間転写ベルト20上に例えば、0.5mm間隔で一列に形成され、中間転写ベルト20の回転に従い移動する。そしてそれぞれの基準パッチSが、濃度検出センサ27の位置に達したときに濃度検出センサ27によりその濃度が読み取られる。
【0025】
図3は、プロセスコントロールで用いられる濃度検出センサ27の断面図を示している。なお、図3は、濃度検出センサ27を中間転写ベルト20の移動方向に直交する方向にカットした断面を示している。濃度検出センサ27は、中間転写ベルト20のトナー像担持面を照射する第1のLED(Light Emitting Device)271および第2のLED272を備えている。また濃度検出センサ27は、これら第1のLED271および第2のLED272にて照射された中間転写ベルト20および中間転写ベルト20上に形成された濃度補正用トナー像からの反射光を受光し、受光量に応じた強度の電流値を出力するPD(Photo Diode)273を備えている。
【0026】
これら第1のLED271、第2のLED272、およびPD273は、下向きの開口を有するケース274に収容されている。そして、第1のLED271による照射光は、ケース274に設けられた第1の射出スリット274aを通過し、中間転写ベルト20の表面を例えば70°の角度で照らすように構成されている。また、ケース274には、第2のLED272からの照射光を中間転写ベルト20表面へと導く第2の射出スリット274bも設けられている。ここで、第2のLED272による照射光は、中間転写ベルト20を例えば135°の角度で照らすように構成されている。さらに、ケース274には、中間転写ベルト20および中間転写ベルト20表面に形成された基準パッチSからの反射光をPD273に向けて通過させるための入射スリット274cも設けられている。ここで、入射スリット274cは、中間転写ベルト20の表面に対し例えば110°の方向に設けられている。したがって、PD273には、第1のLED271による照射光のうち、中間転写ベルト20および基準パッチSで正反射した反射光が入射することになる。一方、このPD273には、第2のLED272による照射光のうち、中間転写ベルト20および基準パッチSで拡散した反射光が入射することになる。例えば黒のトナー像では、トナーによる光の吸収が大きいため、拡散光だけでは受光量が不十分となるおそれがある。このため、本実施の形態にかかる濃度検出センサ27では、それぞれ取り付け角度を異ならせた第1のLED271および第2のLED272を光源として用いている。なお、入射スリット274cの内部には、入射光をPD273の受光面に集光させるためのレンズ275が装着されている。また、入射スリット274cの開口は、例えば、φ0.8に設定されている。
【0027】
図4は、画像形成装置1における信号処理系を示すブロック図である。
なお、この例では、画像形成装置1をプリンタとして構成する例を示している。この信号処理系は、プリンタドライバ60と、制御部としての画像処理部70とを有している。
プリンタドライバ60は、PC(パーソナルコンピュータ)61およびPDL(PDL:Page Description Language(ページ記述言語))生成部62を有している。このPDL生成部62は、ユーザがPC61の画面上に予め定められたPDLで記述した画像を、コードデータに変換して出力する。
【0028】
また、画像処理部70は、ラスタイメージ生成部71、色変換処理部72、出力画像処理部73、パルス幅変調部74、およびレーザドライバ75を備える。また、画像処理部70は、領域抽出部76、濃度補正係数決定部77、濃度補正部78をさらに備える。
【0029】
ラスタイメージ生成部71は、PDL生成部62から出力されてくるPDLで記述されたコードデータを各画素毎のラスタデータに変換する。そして、ラスタイメージ生成部71は、変換後のラスタデータをRGB(Red,Green,Blue)のビデオデータ(RGBビデオデータ)として出力する。このとき、ラスタイメージ生成部71は、1ページ毎にRGBデータを出力することになる。色変換処理部72は、ラスタイメージ生成部71から入力されるRGBデータをデバイスインディペンデントな[XYZ]、[L]、[L]等のカラーバリューに変換した後、画像形成装置の再現色(イエロー、マゼンタ、シアン、黒)であるYMCKデータに変換して出力する。このYMCKデータは、色毎に分離されたY色データ、M色データ、C色データ、K色データで構成される。
【0030】
出力画像処理部73は、色変換処理部72から入力されるYMCKデータに対し、γ変換、精細度処理、中間調処理等を施し、画像用データとして出力する。
【0031】
パルス幅変調部74は、出力画像処理部73から出力される各色の画像データ(画像用データまたは基準パッチSのデータ)を、その濃度に応じてパルス幅変調することでパルスのオンタイムの長さに変換し、各色の光量データとして出力する。レーザドライバ75は、パルス幅変調部74から入力される各色の光量データに基づき、各色の露光部13(具体的にはイエロー露光部(Y露光部)13Y、マゼンタ露光部(M露光部)13M、シアン露光部(C露光部)13C、黒露光部(K露光部)13K)を駆動する。なお、レーザドライバ75には濃度補正部78から補正データが入力されており、レーザドライバ75は、この補正データに基づく光量補正を行いながら各色の露光部13を駆動する。
【0032】
領域抽出部76は、被処理画像の画像情報から予め定められた幅以下の線である細線の画像領域と予め定められた規則による繰り返し模様である規則模様の画像領域を抽出する抽出手段の一例である。ここで被処理画像は、画像形成装置1により実際に用紙Pに形成しようとする画像である。
また細線の画像領域は、例えば、細線により構成される模様等の画像領域の他に、予め定められた幅以下の線により構成される文字の画像領域である。本実施の形態では、例えば、600dpi(dots per inch)で4dot以下のものを細線として扱う。
【0033】
また規則模様の画像領域としては、例えば、ROP(Raster Operation)処理を行なった画像が該当する。ここでROP処理とは、元の画像に対し規則模様であるROPパターンを重ね合わせる処理であり、これにより例えば、半透明処理を行うことができる。そして半透明処理を行った画像を見る者は、元の画像が透けて見えることにより画像が背景に溶け込んだような印象を受ける。本実施の形態では、規則模様の画像領域は、例えば、被処理画像中においてROPパターンにより半透明処理が行なわれた画像領域である。
【0034】
図5(a)〜(d)は、ROPパターンの一例を説明した図である。
このうち図5(a)〜(b)は、ROPパターンとして千鳥格子パターンを採用した例である。そして図5(a)は、2dot×2dotの大きさの正方形状のパターンを千鳥状に繰り返したパターンであり、図5(b)は、4dot×4dotの大きさの正方形状のパターンを千鳥状に繰り返したパターンである。
さらに図5(c)〜(d)は、ROPパターンとしてラインラダーパターンを採用した例である。そして図5(c)は、2dotの幅の縦ラインが横方向に繰り返したパターンであり、図5(d)は、2dotの幅の横ラインが縦方向に繰り返したパターンである。
【0035】
ROP処理を行う際は、元の画像に上述したROPパターンを重ね合わせ、例えば、図5(a)〜(d)における灰色地(ON)の部分については、元の画像のデータを残すが、白地(OFF)の部分については、元の画像のデータの代わりに背景のデータとする。これにより半透明処理を行うことができる。
【0036】
濃度補正係数決定部77は、細線の画像領域および規則模様の画像領域の何れにも属さない画像領域である通常画像領域の濃度を補正するための第1の濃度補正係数を濃度検出センサ27により読み取られた基準パッチSの濃度に基づき決定するとともに、細線の画像領域の濃度を補正するための第2の濃度補正係数と規則模様の画像領域の濃度を補正するための第3の濃度補正係数とを第1の濃度補正係数および予め定められた連動係数から決定する濃度補正係数決定手段として機能する。
【0037】
図6は、濃度補正係数決定部77を更に詳しく説明したブロック図である。
図6に示す濃度補正係数決定部77は、濃度検出センサ27から基準パッチSを読み取った際の濃度データを取得する濃度データ取得部771と、基準パッチSの設定濃度毎に第1の濃度補正係数と第2の濃度補正係数との関係についての連動係数(第1の連動係数)、および第1の濃度補正係数と第3の濃度補正係数との関係についての連動係数(第2の連動係数)を記憶する記憶部772と、記憶部772からこれらの連動係数を取得する連動係数取得部773と、濃度データおよび連動係数を使用して、基準パッチSの設定された濃度毎に第1の濃度補正係数、第2の濃度補正係数および第3の濃度補正係数を決定し、詳しくは後述する各種のLUT(Look Up Table)を作成するLUT作成部774と、LUT作成部774で作成された各種LUTを保存するLUT保存部775とを備える。
【0038】
濃度補正部78は、濃度補正係数決定部77により決定された第1の濃度補正係数、第2の濃度補正係数および第3の濃度補正係数に基づいて、通常画像領域、細線の画像領域および規則模様の画像領域の濃度をそれぞれ補正する濃度補正手段として機能する。
この濃度補正部78によりこれら各画像領域毎の補正データがYMCKの各色毎に作成され、この補正データは、上述の通りレーザドライバ75に送られる。
【0039】
また図7および図8は、領域抽出部76、濃度補正係数決定部77、および濃度補正部78の動作を説明したフローチャートである。ここで図7は、濃度補正係数決定部77においてLUT保存部775が各種のLUTを保存するまでの動作を説明している。そして図8は、領域抽出部76の動作と濃度補正部78が補正データの作成を行う動作について説明している。
【0040】
以下、図6〜図8を使用して領域抽出部76、濃度補正係数決定部77、および濃度補正部78の動作について説明を行う。
まず濃度データ取得部771が、濃度検出センサ27から基準パッチSを読み取った際の濃度データを取得する(ステップ101)。
【0041】
次に連動係数取得部773が、第1の濃度補正係数と第2の濃度補正係数との関係についての連動係数(第1の連動係数)および第1の濃度補正係数と第3の濃度補正係数との関係についての連動係数(第2の連動係数)を記憶部772から取得する(ステップ102)。
【0042】
ここで通常画像領域の濃度を補正するための第1の濃度補正係数と細線の画像領域の濃度を補正するための第2の濃度補正係数とは互いに相関関係にある。そしてこの2つの補正係数の相関関係は画像領域の濃度が変化すれば、変化する。そのため基準パッチSの設定濃度を基準として、予め行われる機種毎の実験等によりこの相関関係を求めておく。本実施の形態では、この相関関係として次の(1)式により定義される第1の連動係数を使用する。
【0043】
(第2の濃度補正係数)=(第1の連動係数)×(第1の濃度補正係数) …(1)
【0044】
また同様にして通常画像領域の濃度を補正するための第1の濃度補正係数と規則模様の画像領域の濃度を補正するための第3の濃度補正係数とは互いに相関関係にある。本実施の形態では、この相関関係として次の(2)式により定義される第2の連動係数を使用する。
【0045】
(第3の濃度補正係数)=(第2の連動係数)×(第1の濃度補正係数) …(2)
【0046】
これら第1の連動係数および第2の連動係数は、上述したように基準パッチSの設定濃度毎に記憶部772に保存される。
【0047】
図9(a)は、記憶部772に保存されている第1の連動係数および第2の連動係数についてその一例を説明した図である。なお図9(a)では、Y色の場合を例に取り示しているが、他のM色、C色、K色についても同様であり、別途記憶部772に保存されている。
【0048】
図9(a)において、基準パッチSは、図2に示したものを使用しており、その設定濃度は、20%〜100%の範囲の20%きざみ(20%、40%、60%、80%、100%)となっている。そして設定濃度のそれぞれについて第1の連動係数および第2の連動係数が設定されている。例えば、基準パッチSの設定濃度が60%の場合は、第1の連動係数は145%である。この値は、後述するLUT作成部774で作成される通常画像領域についての第1の濃度補正係数に対し、145%で(つまり45%増しで)、第2の濃度補正係数を設定して細線の画像領域の濃度補正を行うことを意味する。また基準パッチSの設定濃度が60%の場合は、第2の連動係数は150%である。この値は、後述するLUT作成部774で作成される通常画像領域についての第1の濃度補正係数に対し、150%で(つまり50%増しで)、第3の濃度補正係数を設定して規則模様の画像領域の濃度補正を行うことを意味する。
【0049】
図9(b)に実際に求められる補正係数の例を挙げる。図9(b)に示すように、例えば、基準パッチSの設定濃度が60%であった場合に、通常画像領域について第1の濃度補正係数が120(つまり20%分画像を濃くする)であったとする。この場合、細線の画像領域についての第2の補正係数は、120の145%である174(つまり74%分画像を濃くする)であり、さらに規則模様の画像領域についての第3の補正係数は、120の150%である180(つまり80%分画像を濃くする)である。このように通常画像領域についての補正係数と第1の連動係数および第2の連動係数を使用して、細線の画像領域の濃度を補正するための第2の濃度補正係数および規則模様の画像領域の濃度を補正するための第3の濃度補正係数が算出できる。
【0050】
図6および図7に戻り、次に読み取られた基準パッチSの濃度、第1の連動係数、および第2の連動係数を使用して、濃度補正用の各種LUTを作成する。このLUTは、通常画像領域の濃度を補正するための通常画像領域濃度補正用LUT、細線の画像領域の濃度を補正するための細線濃度補正用LUT、および規則模様の画像領域の濃度を補正するための規則模様濃度補正用LUTの3種類である。本実施の形態では通常画像領域濃度補正用LUTをまず作成し(ステップ103)、その後、細線濃度補正用LUTおよび規則模様濃度補正用LUTを作成する(ステップ104)。
【0051】
ここで、通常画像領域濃度補正用LUTは、基準パッチSの設定濃度と濃度検出センサ27により読み取られた基準パッチSの濃度から算出される。つまり図2で説明した基準パッチSのそれぞれの設定濃度についてまず通常画像領域の濃度を補正する第1の濃度補正係数が算出できる。この第1の濃度補正係数は、基準パッチSの設定濃度である20%〜100%の範囲における20%きざみでまず算出される。そして間を線形補完することで、例えば0%〜100%の濃度範囲を256階調のきざみで第1の濃度補正係数を算出し、これを通常画像領域濃度補正用LUTとする。
【0052】
また細線濃度補正用LUTは、第1の連動係数を使用して算出される。つまり図9(b)で説明したように通常画像領域の濃度を補正する第1の濃度補正係数に対し、第1の連動係数を使用して第2の濃度補正係数を算出する。この補正係数は、まず基準パッチSの設定濃度である20%〜100%の範囲における20%きざみで算出される。そして間を線形補完することで、例えば0%〜100%の濃度範囲を256階調のきざみで補正係数を算出し、これを細線濃度補正用LUTとする。さらに同様にして規則模様濃度補正用LUTは、第2の連動係数を使用して算出することができる。
【0053】
そして通常画像領域濃度補正用LUT、細線濃度補正用LUT、および規則模様濃度補正用LUTは、LUT保存部775に保存される(ステップ105)。
【0054】
次に図6および図8を用いて、領域抽出部76の動作と濃度補正部78が補正データの作成を行う動作について説明する。
まず領域抽出部76が、被処理画像の画像データから細線の画像領域と規則模様の画像領域を抽出する(ステップ201)。ここで領域抽出部76は、被処理画像の画像データのコード解析や被処理画像のデータのパターンマッチングにより、被処理画像中の細線の画像領域と規則模様の画像領域を判定し、抽出する。
【0055】
次に濃度補正部78が、LUT保存部775から通常画像領域濃度補正用LUT、細線濃度補正用LUT、および規則模様濃度補正用LUTの各種LUTを取得する(ステップ202)。そして被処理画像中の通常画像領域、細線の画像領域、および規則模様の各画像領域をそれぞれ順に選択する(ステップ203)。更にそれぞれの画像領域毎に通常画像領域濃度補正用LUT、細線濃度補正用LUT、および規則模様濃度補正用LUTを使用して、各画像領域の濃度を補正する補正係数の適用が行われる(ステップ204)。
そして最後に被処理画像の例えば画素毎について、濃度を補正するための補正データが作成され、この補正データは、レーザドライバ75に送られる(ステップ205)。
【0056】
以上図7において述べた各種LUTを作成して保存するまでの処理は、画像形成装置1(図1参照)により画像が形成される前に行われることが好ましい。つまり例えば、画像形成装置1の電源が入れられた後のウォーミングアップ時に行われる。そして実際に画像形成装置1により画像が形成される際には、図8で説明した処理を行い、画像の濃度を補正する。また濃度のずれは、画像形成動作中にも逐次進行する。そのため画像形成装置1により画像を形成する合間などに、いったん作成した各種LUTを更新してもよい。
【0057】
以上のように通常画像領域、細線の画像領域、および規則模様の画像領域について別個に濃度補正を行うことにより、被処理画像の濃度をより目標濃度に合わせやすくなる。即ち、従来のように基準パッチSの濃度を読み取り、これを基準として一義的に被処理画像の濃度補整を行う方法では、細線の濃度が過補正となりやすい。実際には、細線の濃度が、薄くなりすぎる場合が多い(ただしこれに限らず逆に濃くなりすぎる場合もある)。本実施の形態では、細線の画像領域に対し、別途第2の濃度補正係数を設定し、濃度を補正するため、このようなことが生じにくい。また細線の太さ(線幅)を合わせる方法より、濃度の補正精度はより高くなる。一方、規則模様の画像については、逆に濃度が、濃くなりすぎる場合が多い(ただしこれに限らず逆に薄くなりすぎる場合もある)。本実施の形態では、規則模様の画像領域に対し、別途第3の濃度補正係数を設定し、濃度を補正するため、このようなことが生じにくい。
【0058】
また図6〜図9で説明を行った本実施の形態における領域抽出部76、濃度補正係数決定部77、および濃度補正部78が行なう処理は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。即ち、画像形成装置1に設けられた制御用コンピュータ内部の図示しないCPUが、画像形成装置1内の領域抽出部76、濃度補正係数決定部77、および濃度補正部78の各機能を実現するプログラムを実行し、これらの各機能を実現させる。
【0059】
よって図6〜図9で説明を行った領域抽出部76、濃度補正係数決定部77、および濃度補正部78が行なう処理は、コンピュータに、濃度検出センサ27により読み取られた基準パッチSの濃度を取得する機能と、被処理画像の画像情報から予め定められた幅以下の線である細線の画像領域と予め定められた規則による繰り返し模様である規則模様の画像領域を抽出する機能と、細線の画像領域および規則模様の画像領域の何れにも属さない画像領域である通常画像領域の濃度を補正するための第1の濃度補正係数を濃度検出センサ27により読み取られた基準パッチSの濃度に基づき決定するとともに、細線の画像領域の濃度を補正するための第2の濃度補正係数と規則模様の画像領域の濃度を補正するための第3の濃度補正係数とを第1の濃度補正係数および予め定められた連動係数から決定する機能と、第1の濃度補正係数、第2の濃度補正係数および第3の濃度補正係数に基づいて、通常画像領域、細線の画像領域および規則模様の画像領域の濃度をそれぞれ補正する機能と、を実現するためのプログラムとして捉えることもできる。
【0060】
なお上述した例では、画像形成ユニット10(図1参照)により形成した基準パッチSを中間転写ベルト20に転写し、これを濃度検出センサ27により読み取っていたが、これに限られるものではない。つまり、画像形成ユニット10の感光体ドラム11(図1参照)により形成した基準パッチSとしてのトナー像を感光体ドラム11に隣接して設けられた濃度検出センサにより読み取り、この読み取り結果を濃度補正係数決定部77に送ってもよい。また基準パッチSとしてのトナー像を定着装置50(図1参照)により用紙Pに定着した後に用紙P上に形成された基準パッチSの画像を別途スキャナ等で濃度を読み取り、この読み取り結果を濃度補正係数決定部77に送ってもよい。
【0061】
さらに本実施の形態では、電子写真方式の画像形成装置1について説明を行ったが、これに限られるものではない。例えば、インクジェット方式の画像形成装置についても適用が可能である。この場合、各色インクを用紙Pに吹き付けることで用紙Pに基準パッチSを形成し、この基準パッチSの濃度をスキャナ等で読み取ればよい。
また本実施の形態では、4色のトナーによりカラー画像を形成する画像形成装置1について説明を行ったが、これに限られるものではなく、単色(例えば黒)の画像を形成する画像形成装置にも適用が可能である。
【符号の説明】
【0062】
1…画像形成装置、10…画像形成ユニット、20…中間転写ベルト、27…濃度検出センサ、76…領域抽出部、77…濃度補正係数決定部、78…濃度補正部、771…濃度データ取得部、773…連動係数取得部、774…LUT作成部、P…用紙、S…基準パッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理画像の濃度を補正するための予め定められた濃度による濃度補正用画像を形成する補正用画像形成手段と、
前記補正用画像形成手段により形成された濃度補正用画像の濃度を読み取る読み取り手段と、
前記被処理画像の画像情報から予め定められた幅以下の線である細線の画像領域と予め定められた規則による繰り返し模様である規則模様の画像領域を抽出する抽出手段と、
前記細線の画像領域および前記規則模様の画像領域の何れにも属さない画像領域である通常画像領域の濃度を補正するための第1の濃度補正係数を前記読み取り手段により読み取られた濃度補正用画像の濃度に基づき決定するとともに、当該細線の画像領域の濃度を補正するための第2の濃度補正係数と当該規則模様の画像領域の濃度を補正するための第3の濃度補正係数とを当該第1の濃度補正係数および予め定められた連動係数から決定する濃度補正係数決定手段と、
前記濃度補正係数決定手段により決定された前記第1の濃度補正係数、前記第2の濃度補正係数および前記第3の濃度補正係数に基づいて、前記通常画像領域、前記細線の画像領域および前記規則模様の画像領域の濃度をそれぞれ補正する濃度補正手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記濃度補正用画像の濃度は複数設定され、
前記濃度補正係数決定手段は、前記濃度補正用画像の設定された濃度毎に前記第1の濃度補正係数、前記第2の濃度補正係数および前記第3の濃度補正係数を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記規則模様の画像領域は、前記被処理画像中において当該規則模様により半透明処理が行なわれた画像領域であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
被処理画像の濃度を補正するための予め定められた濃度による濃度補正用トナー像を形成するトナー像形成手段と、
前記トナー像形成手段により形成された前記濃度補正用トナー像が転写される像転写体と、
前記像転写体に転写された前記濃度補正用トナー像の濃度を読み取る読み取り手段と、
前記被処理画像の画像情報から予め定められた幅以下の線である細線の画像領域と予め定められた規則による繰り返し模様である規則模様の画像領域を抽出する抽出手段と、当該細線の画像領域および当該規則模様の画像領域の何れにも属さない画像領域である通常画像領域の濃度を補正するための第1の濃度補正係数を前記読み取り手段により読み取られた濃度補正用画像の濃度に基づき決定するとともに、当該細線の画像領域の濃度を補正するための第2の濃度補正係数と当該規則模様の画像領域の濃度を補正するための第3の濃度補正係数とを当該第1の補正係数および予め定められた連動係数から決定する濃度補正係数決定手段と、当該濃度補正係数決定手段により決定された当該第1の濃度補正係数、当該第2の濃度補正係数および当該第3の濃度補正係数に基づいて、当該通常画像領域、当該細線の画像領域および当該規則模様の画像領域の濃度をそれぞれ補正する濃度補正手段と、を備える画像処理部と、
を備える画像形成装置。
【請求項5】
コンピュータに、
読み取り手段により読み取られた濃度補正用画像の濃度を取得する機能と、
被処理画像の画像情報から予め定められた幅以下の線である細線の画像領域と予め定められた規則による繰り返し模様である規則模様の画像領域を抽出する機能と、
前記細線の画像領域および前記規則模様の画像領域の何れにも属さない画像領域である通常画像領域の濃度を補正するための第1の濃度補正係数を前記読み取り手段により読み取られた濃度補正用画像の濃度に基づき決定するとともに、当該細線の画像領域の濃度を補正するための第2の濃度補正係数と当該規則模様の画像領域の濃度を補正するための第3の濃度補正係数とを当該第1の濃度補正係数および予め定められた連動係数から決定する機能と、
前記第1の濃度補正係数、前記第2の濃度補正係数および前記第3の濃度補正係数に基づいて、前記通常画像領域、前記細線の画像領域および前記規則模様の画像領域の濃度をそれぞれ補正する機能と、
を実現するためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−55601(P2013−55601A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194024(P2011−194024)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】