説明

画像処理装置および画像処理方法

【課題】トナーセーブモードが選択された場合であっても、色濃度のばらつきが抑制され、かつソリッド部分に白抜けが発生することが抑制された複製画像を形成することができる画像処理装置を提供すること。
【解決手段】画像処理装置は、デフォルトモードと、このモードよりトナー消費量が低減されるトナーセーブモードとが選択可能であって、原稿の読み取り値に基づいて信号を生成するスキャナ部12と、スキャナ部で生成された信号の値に対して、上記モードに応じた値を有する制御信号を出力する濃度調整部99と、制御信号の値によって、トナーセーブモードが選択させている場合に半導体レーザ発振器から出力されるレーザビーム光の強度が、デフォルトモードが選択されている場合より小さくなるように制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像処理装置および画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
所望の濃度の複製画像を形成するデフォルトモードと、トナーの消費量をデフォルトモードよりも低減して複製画像を形成するトナーセーブモードと、を有する従来の電子写真方式の画像処理装置は、ユーザ等によって上記いずれかのモードが選択されると、選択されたモードに基づいて、スキャナ部で読み取られた原稿の複製画像が形成される。複製画像は、複数の万線が互いに平行に密に配列された万線スクリーンの重ね合わせによって形成される。
【0003】
トナーセーブモードが選択された場合、トナーの消費量を低減してシート上に複製画像を形成するため、出力される複製画像の濃度は、デフォルトモードが選択された場合に出力される複製画像の濃度よりも薄くなる。
【0004】
このような従来の電子写真方式の画像処理装置において、トナーセーブモードが選択された場合であっても、色濃度のばらつきが抑制され、かつソリッド部分に白抜けが発生することが抑制された、良好な複製画像が形成されることが望まれる。なお、ソリッド部分とは、トナーが100%用紙を覆っている部分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−228339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は、デフォルトモードとトナーセーブモードとが選択可能な画像処理装置および画像処理方法であって、トナーセーブモードを選択した場合であっても、色濃度のばらつきが抑制され、かつソリッド部分に白抜けが発生すること抑制された複製画像を形成することができる画像処理装置および画像処理方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態に係る画像処理装置は、所望の濃度のトナー像を形成する第1のモードと、この第1のモードよりトナー消費量を低減することにより、前記第1のモードによって形成される前記トナー像よりも薄い濃度のトナー像を形成する第2のモードと、が選択可能な画像処理装置であって、原稿を読み取り、この読み取り値に基づいて信号を生成する画像入力部と、この画像入力部において生成された前記信号の値に対して、前記第1のモードまたは前記第2のモードに応じた所望の値を有する制御信号を出力する濃度調整部と、この濃度調整部から出力された前記制御信号の値によって、前記第2のモードが選択させている場合に半導体レーザ発振器から出力されるレーザビーム光の強度が、前記第1のモードが選択されている場合より小さくなるように制御されるレーザドライバと、このレーザドライバにより強度が制御された前記レーザビーム光を照射することにより、一様に帯電した表面に静電潜像が形成される感光体ドラムと、この静電潜像が形成された前記感光体ドラムの表面にトナーを供給することにより、トナー像を形成する現像装置と、この現像装置により形成された前記トナー像をシートに転写する転写装置と、を具備するものである。
【0008】
また、本発明の実施形態に係る画像処理方法は、所望の濃度のトナー像を形成する第1のモードと、この第1のモードよりトナー消費量を低減することにより、前記第1のモードによって形成される前記トナー像よりも薄い濃度のトナー像を形成する第2のモードと、が選択可能な画像処理方法であって、前記第1のモードまたは前記第2のモードを選択するステップと、原稿を読み取り、この読み取り値に基づいて信号を生成するステップと、このステップにおいて生成された前記信号の値に対して、前記第1のモードまたは前記第2のモードに応じた所望の値を有する制御信号を出力するステップと、このステップにおいて出力された前記制御信号の値によって、前記第2のモードが選択されている場合に半導体レーザ発振器から出力されるレーザビーム光の強度を、前記第1のモードが選択されている場合より小さくなるように制御するステップと、このステップにより強度が制御された前記レーザビーム光を照射することにより、感光体ドラムの表面に静電潜像を形成した後、前記感光体ドラムの表面にトナーを供給することにより、トナー像を形成するステップと、このステップにより形成された前記トナー像をシートに転写するステップと、を具備する方法である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態に係る画像処理装置の内部構成を概略的に示す図。
【図2】図1に示す画像処理装置の電気的接続を概略的に示すブロック図。
【図3】図2の画像処理部の構成を示すブロック図。
【図4】濃度調整方法を説明するための濃度調整グラフ。
【図5】実施形態に係る画像処理方法を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態に係る画像処理装置および画像処理方法について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、実施形態によるカラー画像の複製画像を形成する電子写真方式の画像処理装置11の内部構成を概略的に示している。また、図2は、図1に示した画像処理装置11の電気的接続および制御のための信号の流れを概略的に示すブロック図である。
【0012】
図1、図2に示すように、この画像処理装置11は、原稿の画像を読み取り、この読み取り値に基づいてRGBのデジタル信号を生成する画像入力部としてのスキャナ部12、読み取った画像の複製画像を形成する画像出力部としてのプリンタ部13、これらのスキャナ部12およびプリンタ部13を電気的に制御する主制御部14、およびユーザによる操作によって主制御部14に所望の指令を与える操作パネル15によって構成されている。
【0013】
図1に示すように、スキャナ部12は、原稿が載置される透明ガラスからなる原稿台16、および原稿台カバー17を有する。原稿台カバー17は、スキャナ部12の上部に開閉可能に設けられている。原稿台16は、閉じた状態にある原稿台カバー17に対向配設されている。
【0014】
スキャナ部12は、原稿台16の下方に、原稿台16上に載置された原稿を照明する露光ランプ19、露光ランプ19からの光を原稿に集光させるためのリフレクタ20、および原稿からの反射光を図面に対して左方向に折り曲げる第1のミラー21などが配設されている。露光ランプ19、リフレクタ20、および第1のミラー21は、第1のキャリッジ22に固定されている。第1のキャリッジ22は、図示しないパルスモータによって駆動されることにより、原稿台16の下面に沿って平行移動する。
【0015】
さらに、スキャナ部12は、第1のミラー21により案内される原稿からの反射光を図中下方に折り曲げる第2のミラー23、および、第2のミラー23からの反射光を図中右方向に折り曲げる第3のミラー24を有している。第2のミラー23および第3のミラー24は、これらの反射面が互いに直角の状態で、第2のキャリッジ25に固定されている。
【0016】
なお、第2のキャリッジ25は、図示しない駆動機構(たとえば、歯付きベルト並びに直流モータなど)を介して原稿台16と平行に移動可能に設けられており、第1のキャリッジ22に従動するとともに、第1のキャリッジ22に対して1/2の速度で原稿台16に沿って平行移動する。
【0017】
また、スキャナ部12は、結像レンズ26およびCCD形カラーイメージセンサ27(以下、CCD27と称する)を有する。結像レンズ26は、第3のミラー24で折り返された光の光軸を含む面内に設けられ、第3のミラー24からの反射光を所定の倍率で結像させる。CCD27は、結像レンズ26を通過した光の光軸と略直交する面内に設けられ、結像レンズ26により集束した反射光を受光し、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の光の3原色に応じた電気信号に変換する。CCD27は、図1の紙面表面から裏面方向に向かってライン状に配列された複数の光電変換素子からなる。
【0018】
次に、プリンタ部13は、周知の減色混合法に基づいて、各色成分ごとに色分解された画像、すなわち、イエロー(y)、マゼンタ(m)、シアン(c)、および、ブラック(k)の4色のトナー像をそれぞれ形成する画像形成部28y、28m、28c、28k、および各画像形成部28y、28m、28c、28kにより形成された各色ごとのトナー像を、図中矢印a方向に搬送する搬送機構29を有する。
【0019】
搬送機構29は、各画像形成部28y、28m、28c、28kの下方に配設されており、搬送ベルト30、駆動ローラ31、および従動ローラ32を有する。搬送ベルト30は、図示しないモータにより矢印a方向に回転される駆動ローラ31と、駆動ローラ31から所定距離離間された従動ローラ32との間に巻回されて張設され、矢印a方向に一定速度で無端走行する。
【0020】
なお、各画像形成部28y、28m、28c、28kは、搬送ベルト30の搬送方向に沿って直列に配設されている。
【0021】
各画像形成部28y、28m、28c、28kは、それぞれ搬送ベルト30と接する位置で外周面が同一の方向に回転可能に形成された感光体ドラム33y、33m、33c、33kを有する。各感光体ドラム33y、33m、33c、33kは、図示しないモータにより所定の速度で回転する。
【0022】
各感光体ドラム33y、33m、33c、33kは、その軸線がお互いに等間隔になるように配設されているとともに、その軸線は搬送ベルト30により画像が搬送される方向と直交するよう配設されている。なお、以下の説明においては、各感光体ドラム33y、33m、33c、33kの軸線方向を主走査方向とし、感光体ドラム33y、33m、33c、33kの回転方向、すなわち、搬送ベルト30の回転方向(図中矢印a方向)を副走査方向とする。
【0023】
各画像形成部28y、28m、28c、28kは、それぞれ各感光体ドラム33y、33m、33c、33kの表面を一様に帯電させる帯電装置34y、34m、34c、34k、帯電した各感光体ドラム33y、33m、33c、33kの表面を除電する除電装置35y、35m、35c、35k、現像ローラ36y、36m、36c、36k、トナー供給装置36´y、36´m、36´c、36´k、下攪拌ローラ37y、37m、37c、37k、上攪拌ローラ38y、38m、38c、38k、転写装置39y、39m、39c、39k、クリーニングブレード40y、40m、40c、40k、および、排トナー回収スクリュ41y、41m、41c、41kを有する。これら(ただし、トナー供給装置36´y、36´m、36´c、36´kは除く)は、それぞれ感光体ドラム33y、33m、33c、33kの回転方向に沿って順に配置されている。また、各転写装置39y、39m、39c、39kは、対応する感光体ドラム33y、33m、33c、33kとの間で搬送ベルト30を狭持する位置、すなわち、搬送ベルト30の内側に配設されている。
【0024】
上述の現像ローラ36y、36m、36c、36k、下攪拌ローラ37y、37m、37c、37k、および上攪拌ローラ38y、38m、38c、38kは、複数の現像装置を構成する。下攪拌ローラ37y、37m、37c、37k、および上攪拌ローラ38y、38m、38c、38kは、トナー供給装置36´y、36´m、36´c、36´kから供給された各色のトナーを、各感光体ドラム33y、33m、33c、33kの表面に形成される後述の静電潜像に付着可能なように帯電させる。現像ローラ36y、36m、36c、36kは、帯電したトナーを感光体ドラム33y、33m、33c、33kの表面に供給する。
【0025】
なお、後述する露光装置42による露光ポイント、すなわち、後述する半導体レーザ発振器58から出射されるレーザビーム光が照射される領域は、それぞれ帯電装置34y、34m、34c、34kと現像装置(現像ローラ36y、36m、36c、36k)との間の感光体ドラム33y、33m、33c、33kの表面である。
【0026】
また、プリンタ部13は、各画像形成部28y、28m、28c、28kにより形成されたトナー像を転写する被画像形成媒体としてのシートを複数枚収容した用紙カセット43a、43bを有する。用紙カセット43a、43bは、搬送機構29の下方に配置されている。
【0027】
プリンタ部13は、ピックアップローラ44a、44b、レジスタローラ45、および付着ローラ46を有する。ピックアップローラ44a、44bは、用紙カセット43a、43bの一端部であって、従動ローラ32に近接する側に配置されており、用紙カセット43a、43bに収容されているシートをその最上部から1枚ずつ取り出す。
【0028】
レジスタローラ45は、ピックアップローラ44a、44bと従動ローラ32との間に配置されており、用紙カセット23a、23bから取り出されたシートの先端と画像形成部28yの感光体ドラム33yに形成されたトナー像の先端とを整合させる。
【0029】
なお、他の感光体ドラム33y、33m、33cに形成されたトナー像は、搬送ベルト30上を搬送されるシートの搬送タイミングに合せて各転写位置に供給される。
【0030】
付着ローラ46は、レジスタローラ45と画像形成部28yとの間であって、従動ローラ32の近傍、すなわち、実質的に搬送ベルト30を挟んで従動ローラ32の外周上に配設されており、レジスタローラ45を介して所定のタイミングで搬送されるシートに、トナーを付着させるための電位(静電付着力)を付与する。なお、付着ローラ46の軸線と従動ローラ32の軸線とは、互いに平行になるように設定されている。
【0031】
また、プリンタ部13は、位置ずれセンサ47、および搬送ベルトクリーニング装置48を有する。位置ずれセンサ47は、搬送ベルト30の一端であって、駆動ローラ31の近傍、すなわち、実質的に搬送ベルト30を挟んで駆動ローラ31の外周上に配設されており、搬送ベルト30上に形成されたトナー像の位置を検出する。位置ずれセンサ47は、たとえば、透過形あるいは反射形の光センサにより構成される。また、搬送ベルトクリーニング装置48は、駆動ローラ31の外周上であって、位置ずれセンサ47の下流側の搬送ベルト30上に配置されており、搬送ベルト30上に付着したトナーあるいはシートの紙かすなどを除去する。
【0032】
また、プリンタ部13は、定着装置49を有する。定着装置49は、搬送ベルト30を介して搬送されたシートが駆動ローラ31から離脱されて、さらに搬送される方向に配設されおり、シートを所定温度に加熱することによりシートに転写されたトナー像を溶融し、トナー像をシートに定着させる。これにより、シートに複製画像が形成される。
【0033】
定着装置49は、ヒートローラ対50、オイル塗布ローラ51、ウェブ巻き取りローラ52、ウェブローラ53、ウェブ押し付けローラ54とから構成されている。シート搬送方向における定着装置49よりも下流側には、シート上に形成される複製画像を光学的に読み取るためのカラーセンサ55が配置されている。定着装置49にてトナー像が加熱定着されたシートは、排紙ローラ対56により排出される。
【0034】
また、プリンタ部13は、露光装置42を有する。露光装置42は、各画像形成部28y、28m、28c、28k上に配置されており、各感光体ドラム33y、33m、33c、33kの表面に、それぞれ色分解された静電潜像を形成する。
【0035】
露光装置42は、後述する主制御部14内の画像処理部57(図2)にて色分解され、所望の処理が施されたCMYKの各デジタル信号に基づいて、後述するレーザドライバ90(図2)により発光制御される半導体レーザ発振器58を有する。
【0036】
また、露光装置42において、半導体レーザ発振器58の光路上には、レーザビーム光を反射、走査するポリゴンモータ59に回転されるポリゴンミラー60、および、ポリゴンミラー60を介して反射されたレーザビーム光の焦点を補正して結像させるためのfθレンズ61、62が順に設けられている。
【0037】
さらに、露光装置42において、fθレンズ62と各感光体ドラム33y、33m、33c、33kとの間には、fθレンズ62を通過した各色ごとのレーザビーム光を各感光体ドラム33y、33m、33c、33kの露光ポイントに向けて折り曲げる第1の折り返しミラー63y、63m、63c、63k、および、第1の折り返しミラー63y、63m、63cにより折り曲げられたレーザビーム光を更に折り曲げる第2および第3の折り返しミラー64y、64m、64c、65y、65m、65cが配置されている。なお、黒用のレーザビーム光は、第1の折り返しミラー63kにより折り返された後、他のミラーを経由せずに感光体ドラム33kの表面に案内されるようになっている。
【0038】
露光装置42内の半導体レーザ発振器58が上述の感光体ドラム33y、33m、33c、33kの表面を主走査方向に照射すると、帯電装置34y、34m、34c、34kによって、帯電した各色のトナーが反発するように一様に帯電した感光体ドラム33y、33m、33c、33kの露光ポイント、すなわち、感光体ドラム33y、33m、33c、33kの表面のレーザビーム光が照射された領域には、各色のトナーが付着されるように帯電した静電潜像が形成される。従って、静電潜像が形成された感光体ドラム33y、33m、33c、33kの表面に、現像装置から各色のトナーが供給されると、静電潜像にトナーが付着し、トナー像が形成される。形成されるトナー像は、複数の線状の万線が平行かつ密に配列されることによって形成される。
【0039】
次に、主制御部14は、画像処理装置内11であって、結像レンズ26と主制御部14とでCCD27を挟む位置に設けられている。
【0040】
また、図2に示す操作パネル15は、液晶表示部66および操作キー67を有し、例えば画像処理装置11の上面に設けられている。この操作パネル15の液晶表示部66は、所望の色濃度の複製画像(所望の色濃度のトナー像)を形成する第1のモードであるデフォルトモード、またはトナーの消費量を通常よりも低減し、デフォルトモードよりも薄い色濃度の複製画像(デフォルトモードよりも薄い色濃度のトナー像)を形成する第2のモードであるトナーセーブモード、のいずれかが選択可能な選択表示を表示する。ユーザは、この選択表示のいずれかを選択することにより、上述のいずれかのモードで複製画像を形成するかを選択することができる。ユーザが上述のいずれかのモードを選択すると、選択結果を示すモード選択信号が、後述する画像処理部57内の濃度調整部99(図3)に送られる。
【0041】
図2に示すように、上述の画像処理装置11は、スキャナ部12、プリンタ部13、主制御部14、および操作パネル15、によって構成されている。制御系は、主制御部14内のメインCPU(セントラル・プロセッシング・ユニット)69、スキャナ部12のスキャナCPU70、および、プリンタ部13のプリンタCPU71の3つのCPUによって構成されている。
【0042】
メインCPU69は、プリンタCPU71と共有RAM(ランダム・アクセス・メモリ)72を介して双方向通信を行うものであり、メインCPU69は動作指示を出し、プリンタCPU71は状態ステータスを返すようになっている。プリンタCPU71とスキャナCPU70はシリアル通信を行い、プリンタCPU71は動作指示をだし、スキャナCPU70は状態ステータスを返すようになっている。
【0043】
操作パネル15は、液晶表示部66、各種操作キー67、および、パネルCPU73を有する。液晶表示部66、各種操作キー67は、パネルCPU73に接続されており、パネルCPU73は、メインCPU69に接続されている。
【0044】
主制御部14は、メインCPU69、ROM(リード・オンリ・メモリ)74、RAM75、NVRAM76、共有RAM72、画像処理部57、画像格納部57a、ページメモリ制御部77、ページメモリ78、プリンタコントローラ79、および、プリンタフォントROM80によって構成されている。
【0045】
メインCPU69は、全体的な制御を司るものである。ROM74は、色変換の際に用いられる色変換用マトリクスM、濃度調整の際に用いられる各色の濃度調整用テーブル、制御プログラムなどが格納されている。RAM75は、一時的にデータを格納するものである。
【0046】
NVRAM(持久ランダム・アクセス・メモリ:nonvolatile RAM)76は、バッテリ(図示しない)にバックアップされた不揮発性のメモリであり、電源を遮断しても記憶データを保持するようになっている。なお、上述の濃度調整用テーブルは、NVRAM76に格納してもよい。
【0047】
共有RAM72は、メインCPU69とプリンタCPU71との間で、双方向通信を行うために用いるものである。
【0048】
ページメモリ制御部77は、ページメモリ78に、画像を読み取ることにより生成されたRGBのデジタル信号を格納したり、ページメモリ78からRGBのデジタル信号を読み出したりするものである。ページメモリ78は、複数ページ分の画像のRGBのデジタル信号を格納できる領域を有し、スキャナ部12で得られたRGBのデジタル信号を圧縮したデータを1ページ分ごとに記憶可能に形成されている。
【0049】
プリンタフォントROM80には、プリントデータに対応するフォントデータが記憶されている。プリントコントローラ79は、パーソナルコンピュータなどの外部機器81からのプリンタデータを、そのプリンタデータに付与されている解像度を示すデータに応じた解像度でプリンタフォントROM80に格納されているフォントデータを用いて画像データに展開するものである。
【0050】
画像格納部57aは、後に詳述する画像処理部57内において色変換等の信号処理されたCMYKのデジタル信号を格納することができる。
【0051】
スキャナ部12は、全体の制御を司るスキャナCPU70、制御プログラム等が格納されるROM82、データ記憶用のRAM83、CCD27を駆動するCCDドライバ85、第1のキャリッジ22などを移動する走査モータの回転を制御するスキャナモータドライバ86、および、画像補正部87などによって構成されている。
【0052】
画像補正部87は、CCD27から出力されるRGBのアナログ信号をそれぞれRGBのデジタル信号に変換するA/D変換回路、シェーディング補正回路、および、シェーディング補正回路からのシェーディング補正されたRGBのデジタル信号を一旦格納するラインメモリなどから構成されている。
【0053】
プリンタ部13は、全体の制御を司るプリンタCPU71、制御プログラムなどが格納されているROM88、データ記憶用のRAM89、露光装置42の半導体レーザ発振器58を制御して駆動するレーザドライバ90、露光装置42のポリゴンモータ59を駆動するポリゴンドライバ91、搬送機構29による用紙Pの搬送を制御する搬送部92、帯電装置34y、34m、34c、34k、現像装置、および転写装置39y、39m、39c、39kを用いての帯電、現像、転写を行う現像プロセス条件を制御する現像プロセス部93、定着装置49を制御する定着制御部94、および、オプションを制御するオプション部95などによって構成されている。
【0054】
なお、画像処理部57、ページメモリ78、プリンタコントローラ79、画像補正部87、レーザドライバ90は、画像データバス96によって接続されている。
【0055】
図3は、本実施の形態に係る画像形成装置11の画像処理部57の構成を示すブロック図である。画像処理部57は、色変換処理部97、高画質化処理部98、濃度調整部99によって構成されている。これらは、画像入力部12としてのスキャナ部12と、画像出力部13としてのプリンタ部13と、の間に、この順で電気的に接続されている。
【0056】
色変換処理部97は、原稿を読み取ることによって得られるRGBのデジタル信号を、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各デジタル信号に変換する。この色変換処理は、例えば以下の式1に基づいて算出される。
【数1】

【0057】
式1において、(R、G、B)は、RGBのデジタル信号の各値を示し、(C、M、Y、K)は、CMYKのデジタル信号の各値である。Mは、a1〜a3、b1〜b3、c1〜c3の9個の係数からなる色変換マトリクスであり、予めROM74に格納されている行列である。また、ブラック(K)の値を算出する式において、aは、濃さを決定するパラメータであり、min(C、M、Y)は、C、M、Yの全てのデジタル信号値のうち、最も暗い値を意味する。
【0058】
なお、色変換処理部97による色変換処理は、上述の方法に限らず、例えばDLUT(Direct Look Up Table)を用いた変換等、一般的に知られる手段により行われてもよい。
【0059】
高画質化処理部98は、色変換処理部97から出力されるCMYKの各デジタル信号に対し拡大・縮小・下地除去・ノイズ除去・エッジ強調などの通常のフィルタ処理を行う。ここでの高画質化処理も、色変換処理と同様に、予めROM74に格納された所望の行列を用いて、一般的に知られる手段により必要に応じて行われればよい。
【0060】
濃度調整部99は、最終的にシートに形成される複製画像の色濃度を調整する。具体的には、以下の通りである。
【0061】
すなわち、濃度調整部99は、高画質化処理部98によって処理された後に入力されるCMYKのデジタル信号の各値(C、M、Y、K)に応じて、半導体レーザ発振器58から出射されるレーザビーム光の強度を制御する制御信号を、レーザドライバ90に出力する。出力される制御信号は、後述する濃度調整グラフに従って定められたデジタル信号値を有する。
【0062】
図4は、濃度調整グラフを示す。図4に示すグラフは、濃度調整部99に入力されるCMYKのデジタル信号の各値(C、M、Y、K)と、濃度調整部99から出力されるCMYK用の各制御信号のデジタル信号値と、の関係を示しており、同図の横軸は、濃度調整部99に入力されるデジタル信号値、縦軸は、濃度調整部99から出力される制御信号のデジタル信号値をそれぞれ示す。このグラフにおいて、図中の点線dは、操作パネル15において、デフォルトモードが選択された場合の入出力の関係を示す。また、図中の実線tsは、操作パネル15において、トナーセーブモードが選択された場合の入出力の関係を示す。
【0063】
図4のような濃度調整グラフは、CMYKの各色毎に用意されており、実際には、テーブルの形で、濃度調整用テーブルとして、例えばROM74に格納されている。
【0064】
なお、CMYK各色の濃度調整用テーブルは、予め図4のように定められたグラフに基づいて形成されたものであるが、ユーザ等による操作パネル15の操作によりトナーセーブモードが選択された場合、操作パネル15の操作により、図中の実線の曲線を自由に変更するように、濃度調整用テーブルを書き換え可能にしてもよい。この場合、濃度調整用テーブルは、データを書き換え可能なNVRAM76に格納される。
【0065】
濃度調整部99にCMYKのデジタル信号がそれぞれ入力されると、濃度調整部99は、操作パネル15から送られたモード選択信号に応じてROM74に格納されている濃度調整用テーブルを参照して、CMYK各色に対応した図4に示す濃度調整グラフに従って定められたデジタル信号値を有するCMYK各色用の制御信号を出力する。例えば、濃度調整部99にデジタル信号値が100のシアン(C)を示すデジタル信号が入力されると、デフォルトモードを示すモード選択信号を受け取っている場合には、シアン(C)用の濃度調整用テーブルを参照して、デジタル信号値が100のシアン(C)用の制御信号が出力され、トナーセーブモードを示すモード選択信号を受け取っている場合には、同様にシアン(C)用の濃度調整用テーブルを参照して、デジタル信号値が50のシアン(C)用の制御信号が出力される。
【0066】
濃度調整部99から出力されるCMYK各色用の制御信号は、画像出力部としてのプリンタ部13のレーザドライバ90に入力される。CMYK各色用の制御信号がレーザドライバ90に入力されると、プリンタ部13は、入力された制御信号に応じて、例えばシートに複製画像を形成する。
【0067】
すなわち、濃度調整部99から出力されるCMYK各色用の制御信号がプリンタ部13のレーザドライバ90に入力されると、レーザドライバ90は、入力されたCMYK各色用の制御信号のデジタル値(C、M、Y、K)に応じた強度で、半導体レーザ発振器58からレーザビーム光を出射する。レーザビーム光が、各色のトナーが反発するように一様に帯電した感光体ドラム33y、33m、33c、33kの表面に照射されると、露光ポイント、すなわち、レーザビーム光が照射された領域に、各色のトナーが付着する電位を有する静電潜像が形成される。この状態で感光体ドラム33y、33m、33c、33kの表面に、現像装置によってトナーを供給すると、静電潜像にトナーが付着し、感光体ドラム33y、33m、33c、33kの表面に、複数の万線によって構成されるトナー像が形成される。転写装置39y、39m、39c、39kによってトナー像をシートに転写し、定着装置49によって転写されたトナー像をシートに定着させることにより、シートに複製画像が形成される。
【0068】
ここで、ユーザによってトナーセーブモードが選択され、レーザドライバ90に、デジタル信号値がそれぞれ50のCMYK各色用の制御信号が入力された場合について述べる。例えば、デジタル信号値がそれぞれ50のCMYK各色用の制御信号がレーザドライバ90に入力された場合、デフォルトモードにおいて、デジタル信号値がそれぞれ100のCMYK各色用の制御信号がレーザドライバ90に入力された場合に半導体レーザ発振器58から出射されるレーザビーム光よりも小さい強度(例えば1/2の強度)でレーザビーム光を出射する。レーザビーム光の強度を小さくすると、感光体ドラム33y、33m、33c、33k表面に形成される静電潜像の電位の絶対値は低下する。従って、感光体ドラム33y、33m、33c、33kに付着されるトナー量は、デフォルトモードの場合と比較して低減される。なお、この場合、シートに転写されるトナー像、すなわち、トナー像を構成する各万線の色濃度は低下する。しかし、レーザビーム光のスポットサイズ(レーザビーム光が照射される面積)は、デフォルトモードの場合におけるレーザビーム光のスポットサイズ(レーザビーム光が照射される面積)と同一であるため、各万線の幅は変わらない。
【0069】
以上に説明した画像処理装置11による画像処理方法について、図5を参照して説明する。図5は、画像処理装置方法を説明するためのフローチャートである。
【0070】
まず、ユーザによる操作パネル15の操作により、デフォルトモードまたはトナーセーブモードのいずれかを選択する(ステップ1:以下S1とする)。選択結果を示すモード選択信号は、画像処理部57内の濃度調整部99に送られる。
【0071】
S1においていずれかのモードを選択した後、原稿を読み取る(ステップ2:以下S2とする)。すなわち、スキャナ部12の原稿台16の表面に原稿を載置した後、操作パネル15の液晶表示部66に表示される操作キー67が押されると、露光ランプ19が原稿に光を照射する。原稿で反射された光は、所定の動作をする第1のミラー21、第2のミラー23、第3のミラー24、および、結像レンズ26を介してCCD27に読み取られる。
【0072】
CCD27で読み取られた原稿の反射光はRGBの光の3原色に応じたアナログ電気信号に変換され、画像補正部87内のA/D変換回路によってRGBのデジタル信号に変換され、一旦ページメモリ78に格納される。この後、ページメモリ78からRGBのデジタル信号を取り出し、シェーディング補正回路によってシェーディング補正された後、画像処理部57内の色変換処理部97に送られる。
【0073】
色変換処理部97は、ROM74に格納された色変換マトリクスMを読み出し、式1に基づいて、RGBのデジタル信号をCMYKのデジタル信号に変換する(ステップ3:以下S3とする)。なお、色変換手段は、例えば上述の通りであるが、限定はされない。変換されたCMYKのデジタル信号は、高画質化処理部98に送られる。
【0074】
色変換処理部97から送られたCMYKのデジタル信号は、高画質化処理部98において、高画質化処理される(ステップ4:以下S4とする)。高画質化処理は、例えば拡大・縮小・下地除去・ノイズ除去・エッジ強調などの通常のフィルタ処理を、必要に応じて行えばよい。高画質化処理は、例えば、高画質化処理に必要なマトリクスを予めROM74に格納しておき、ROM74から必要に応じて所望のマトリクスを読み出して実行される。
【0075】
高画質化処理されたCMYKのデジタル信号は、濃度調整部99に送られる。
【0076】
濃度調整部99は、S1において送られたモード選択信号に応じて濃度調整する(ステップ5:以下S5とする)。具体的には、以下の通りである。すなわち、濃度調整部99は、S1において送られたモード選択信号に応じて、ROM74に格納された濃度調整用テーブルを参照し、高画質化処理されたCMYKのデジタル信号の値(C、M、Y、K)に応じて、所望のデジタル信号値を有するCMYK各色用の制御信号を出力する。
【0077】
CMYK各色の制御信号は、プリンタ部13のレーザドライバ90に送られる。
【0078】
レーザドライバ90は、S5において濃度調整部99から出力されたCMYK各色の制御信号のデジタル値(C、M、Y、K)に応じて、半導体レーザ発振器58から出射されるレーザビーム光の強度を制御する(ステップ6:以下S6とする)。強度が制御されたレーザビーム光は、感光体ドラム33y、33m、33c、33kの表面に照射される。すると、感光体ドラム33y、33m、33c、33kの表面に、トナーが付着する電位を有する静電潜像が形成される。
【0079】
次に、静電潜像が形成された感光体ドラム33y、33m、33c、33kの表面に、現像装置によって各色のトナーを供給し、複数の万線によって構成されるトナー像を形成する(ステップ7:以下S7とする)。
【0080】
次に、転写装置39y、39m、39c、39kにより、搬送機構29によって搬送されるシートの移動タイミングに合わせて、シート上にCMYK各色のトナー像を順次転写する(ステップ8:以下S8とする)。
【0081】
次に、定着装置49によって、シート上に転写されたトナー像をシート上に定着させる(ステップ9:以下S9とする)。このステップにより、シートに複製画像が形成される。
【0082】
以上に示される本実施形態による画像処理装置11、および画像処理方法によれば、トナーセーブモードが選択されると、感光体ドラム33y、33m、33c、33kの表面に照射されるレーザビーム光の強度が、デフォルトモードの場合よりも低下し、感光体ドラム33y、33m、33c、33kの表面に付着されるトナー量は、デフォルトモードの場合よりも低減される。従って、トナーセーブモードが選択された場合、デフォルトモードが選択された場合と比較して、トナー像を構成する各万線の色濃度が低下する。ここで、トナーセーブモードの場合、レーザビーム光の強度が制御されるが、制御されたレーザビーム光の強度は、静電気等の周囲の環境に影響を受けにくい。従って、トナーセーブモードの場合に、感光体ドラム33y、33m、33c、33kの表面に形成される静電潜像の電位のばらつきは抑制される。これにより、トナー像を構成する各万線の色濃度のばらつきは抑制されるため、トナーセーブモードの場合であっても、形成される複製画像の色濃度のばらつきは抑制される。
【0083】
さらに、レーザビーム光のスポットサイズ(感光体ドラム33y、33m、33c、33k表面を照射する面積)は、各モードに関わらず同一である。従って、トナーセーブモードが選択された場合であっても、トナー像を構成する複数の万線の各幅は、デフォルトモードが選択された場合と同じ幅となり、万線間隔はデフォルトモードの場合と同一となるため、形成される複製画像のソリッド部分に白抜けが発生することが抑制される。
【0084】
すなわち、本実施形態による画像処理装置11、および画像処理方法によれば、トナーセーブモードを選択した場合であっても、色濃度のばらつきが抑制され、かつソリッド部分に白抜けが発生することが抑制された良好な複製画像を形成することができる。
【0085】
以上に、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0086】
例えば、トナーセーブモードの場合に濃度調整部99から出力される制御信号は、レーザドライバ90に送られるとともに、現像プロセス部93に送られてもよい。現像プロセス部93は、トナーセーブモードの場合に消費されるトナー量を、デフォルトモードの場合に消費されるトナー量よりも低減されるように、帯電装置34y、34m、34c、34k、現像装置、転写装置39y、39m、39c、39kの各条件である現像プロセス条件を調整する。なお、現像プロセス条件は、静電気等の周囲の環境に影響されやすい。
【0087】
このように、レーザビーム光の強度、および現像プロセス条件を制御することにより、トナーセーブモードの場合に形成される複製画像の色濃度を、デフォルトモードよりも薄くなるようにトナー消費量を調整しても、レーザビーム光の強度は、静電気等の周囲の環境に影響を受けにくく、かつレーザビーム光のスポットサイズ(感光体ドラム33y、33m、33c、33k表面を照射する面積)はデフォルトモードの場合と同一である。従って、トナーセーブモードの場合において、デフォルトモードの場合よりもトナー消費量を低減するために、周囲の環境に影響を受けやすい現像プロセス条件のみを制御する場合と比較して、色濃度のばらつきが抑制され、かつソリッド部分に白抜けが発生することが抑制された良好な複製画像を形成することができる。
【符号の説明】
【0088】
11・・・画像処理装置
12・・・スキャナ部
13・・・プリンタ部
14・・・主制御部
15・・・操作パネル
16・・・原稿台
17・・・原稿台カバー
19・・・露光ランプ
20・・・リフレクタ
21・・・第1のミラー
22・・・第1のキャリッジ
23・・・第2のミラー
24・・・第3のミラー
25・・・第2のキャリッジ
26・・・結像レンズ
27・・・CCD形カラーイメージセンサ(CCD)
28y、28m、28c、28k・・・画像形成部
29・・・搬送機構
30・・・搬送ベルト
31・・・駆動ローラ
32・・・従動ローラ
33y、33m、33c、33k・・・感光体ドラム
34y、34m、34c、34k・・・帯電装置
35y、35m、35c、35k・・・徐電装置
36y、36m、36c、36k・・・現像ローラ
36´y、36´m、36´c、36´k・・・トナー供給装置
37y、37m、37c、37k・・・下攪拌ローラ
38y、38m、38c、38k・・・上攪拌ローラ
39y、39m、39c、39k・・・転写装置
40y、40m、40c、40k・・・クリーニングブレード
41y、41m、41c、41k・・・排トナー回収スクリュ
42・・・露光装置
43a、43b・・・用紙カセット
44a、44b・・・ピックアップローラ
45・・・レジスタローラ
46・・・付着ローラ
47・・・位置ずれセンサ
48・・・搬送ベルトクリーニング装置
49・・・定着装置
50・・・ヒートローラ対
51・・・オイル塗布ローラ
52・・・ウェブ巻き取りローラ
53・・・ウェブローラ
54・・・ウェブ押し付けローラ
55・・・カラーセンサ
56・・・排紙ローラ対
57・・・画像処理部
57a・・・画像格納部
58・・・半導体レーザ発振器
59・・・ポリゴンモータ
60・・・ポリゴンミラー
61、62・・・fθレンズ
63y、63m、63c、63k・・・第1の折り返しミラー
64y、64m、64c・・・第2の折り返しミラー
65y、65m、65c・・・第3の折り返しミラー
66・・・液晶表示部
67・・・操作キー
69・・・メインCPU
70・・・スキャナCPU
71・・・プリンタCPU
72・・・共有RAM
73・・・パネルCPU
74・・・ROM
75・・・RAM
76・・・NVRAM
77・・・ページメモリ制御部
78・・・ページメモリ
79・・・プリンタコントローラ
80・・・プリンタフォントROM
81・・・外部機器
82・・・ROM
83・・・RAM
85・・・CCDドライバ
86・・・スキャナモータドライバ
87・・・画像補正部
88・・・ROM
89・・・RAM
90・・・レーザドライバ
91・・・ポリゴンモータドライバ
92・・・搬送部
93・・・現像プロセス部
94・・・定着制御部
95・・・オプション部
96・・・画像データバス
97・・・色変換処理部
98・・・高画質化処理部
99・・・濃度調整部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所望の濃度のトナー像を形成する第1のモードと、この第1のモードよりトナー消費量を低減することにより、前記第1のモードによって形成される前記トナー像よりも薄い濃度のトナー像を形成する第2のモードと、が選択可能な画像処理装置であって、
原稿を読み取り、この読み取り値に基づいて信号を生成する画像入力部と、
この画像入力部において生成された前記信号の値に対して、前記第1のモードまたは前記第2のモードに応じた所望の値を有する制御信号を出力する濃度調整部と、
この濃度調整部から出力された前記制御信号の値によって、前記第2のモードが選択させている場合に半導体レーザ発振器から出力されるレーザビーム光の強度が、前記第1のモードが選択されている場合より小さくなるように制御されるレーザドライバと、
このレーザドライバにより強度が制御された前記レーザビーム光を照射することにより、一様に帯電した表面に静電潜像が形成される感光体ドラムと、
この静電潜像が形成された前記感光体ドラムの表面にトナーを供給することにより、トナー像を形成する現像装置と、
この現像装置により形成された前記トナー像をシートに転写する転写装置と、
を具備することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第2のモードが選択されている場合に前記感光体ドラムに形成される前記静電潜像の電位の絶対値は、前記第1のモードが選択されている場合に形成される前記静電潜像の電位の絶対値よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記濃度調整部は、前記第2のモードが選択されている場合に出力する前記制御信号の値が、前記第1のモードが選択されている場合に出力される前記制御信号の値よりも小さくなるように、前記制御信号の値を調整することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第1のモードまたは前記第2のモードのいずれかが選択可能な選択表示を表示する操作パネルをさらに具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記感光体ドラムの表面を、前記トナーが反発するように一様に帯電させる帯電装置と、
前記制御信号によって、前記第2のモードが選択された場合におけるトナー消費量が、前記第1のモードが選択された場合により低減されるように、前記帯電装置、前記現像装置、および前記転写装置を制御する現像プロセス部と、
をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
所望の濃度のトナー像を形成する第1のモードと、この第1のモードよりトナー消費量を低減することにより、前記第1のモードによって形成される前記トナー像よりも薄い濃度のトナー像を形成する第2のモードと、が選択可能な画像処理方法であって、
前記第1のモードまたは前記第2のモードを選択するステップと、
原稿を読み取り、この読み取り値に基づいて信号を生成するステップと、
このステップにおいて生成された前記信号の値に対して、前記第1のモードまたは前記第2のモードに応じた所望の値を有する制御信号を出力するステップと、
このステップにおいて出力された前記制御信号の値によって、前記第2のモードが選択されている場合に半導体レーザ発振器から出力されるレーザビーム光の強度を、前記第1のモードが選択されている場合より小さくなるように制御するステップと、
このステップにより強度が制御された前記レーザビーム光を照射することにより、感光体ドラムの表面に静電潜像を形成した後、前記感光体ドラムの表面にトナーを供給することにより、トナー像を形成するステップと、
このステップにより形成された前記トナー像をシートに転写するステップと、
を具備することを特徴とする画像処理方法。
【請求項7】
前記第2のモードが選択されている場合に前記感光体ドラムに形成される前記静電潜像の電位の絶対値は、前記第1のモードが選択されている場合に形成される前記静電潜像の電位の絶対値よりも小さいことを特徴とする請求項6に記載の画像処理方法。
【請求項8】
前記制御信号を出力するステップは、前記第2のモードが選択されている場合に出力される値が、前記第1のモードが選択されている場合に出力される値よりも小さい前記制御信号を出力するステップであることを特徴とする請求項6または7に記載の画像処理方法。
【請求項9】
前記第1のモードまたは前記第2のモードを選択するステップは、これらのモードのいずれかが選択可能な選択表示を表示する操作パネルを操作することにより選択するステップであることを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の画像処理方法。
【請求項10】
前記制御信号の値によって、前記第2のモードが選択された場合におけるトナー消費量が、前記第1のモードが選択された場合より低減されるように、前記感光体ドラムの表面を前記トナーが反発するように一様に帯電させる帯電装置、前記感光体ドラムに前記トナー像を形成する現像装置、および前記トナー像をシートに転写する転写装置を、制御するステップをさらに具備することを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−170352(P2011−170352A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−27377(P2011−27377)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】