説明

画像処理装置及び画像処理方法

【課題】同じ原稿を使用したコピーやデバッグを実施する際に、再度同一の画像データの入力を不要としてコピーの生産性やデバッグ効率を向上させる。
【解決手段】入力された画像データに対して所定の処理を施す画像処理部5と、画像データ及び付帯情報を一時的に蓄積するメモリ部4と、画像デバッグ装置が接続される画像デバッグI/F部8と、前記各部4,5,8を標準規格化された拡張バス規格を含む複数のバス規格をまたがって接続する画像バス制御部7とを有し、入力された画像データ又は処理された画像データを出力する画像処理装置において、前記メモリ部4に一時蓄積領域4aの他に同時に蓄積可能な蓄積領域4bを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ、スキャナ等の機能を複合したデジタル複合機(MFP)における、デジタル画像データに対する画像処理装置及び画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
CCD光電変換素子からなるラインセンサ読み取り装置やレーザーによる書き込み装置の発展により、アナログ複写機からデジタル化された画像データの処理を行うデジタル複写機が普及している。デジタル複写機となってからは、複写機の機能だけでなく、ファクシミリの機能、プリンタの機能、スキャナの機能等の各機能と複合したため、単なるデジタル複写機ではなく、デジタル複合機(MFP)と呼ばれるようになった。また、HDDドライブ等メモリ大容量化及び低コスト化、ネットワーク等通信技術の高速化とその普及、CPUの処理能力の向上、デジタル画像データに関連する技術(特性値の規格化や圧縮フォーマット等)等々、MFPに関連する技術の進化に伴い、MFPに搭載される機能も多種、多様化してきている。
【0003】
一方、オフィスの中でのMFPの使われ方も多種、多様化してきている。例えば小型のMFPはPCの横にペアで設置され、各職務者が手軽に複写機、ファクシミリ、プリンタ、スキャナの機能を使用することができる。また、中型のMFPは部署や課単位の複数名で共有され、ある程度の生産性が要求されるとともに、ソート、パンチ、ステープル等の機能が使用できる。更に、大型のMFPは企業の中で複写関連業務を集中して行う部署、もしくは複写関連業務そのものを生業とする会社で使用され、高生産性と高品位な出力を保証するとともに、多機能な装置として使用されている。
【0004】
ビジネスにおける情報価値の重要性は既に認知されており、情報を早く・正確に・確実に伝えるだけでなく、分かりやすく・効果的に伝えることも要求されている。通信技術の高速化/普及化・メモリの大容量化/低コスト化/小型化・PCの高性能化にともない、デジタルデータを利用した情報を効率的に扱う新しい機能が提供されてきており、デジタルデータの一部であるデジタル画像データを扱うMFPにも、新機能の提供や融合が図られ多機能化してきているとともに、更なる新機能I/Fの提供や融合が望まれている。
【0005】
ところが、MFPの機能は高機能化していく反面、MFPのサイズは小型化の傾向があり、画像処理装置に於いてもボードレイアウトへの制約が厳しくなってきている。また、高機能化に伴い、複数のデバッグI/Fが必要となり、デバッグ機能実装に要するボードレイアウトへの制約やコストアップ、デバッグ効率も問題になっている。
【0006】
そこで、例えば特許文献1には、デバッグ機能実装に要するコストの削減とボードレイアウトの簡素化を実現できる画像処理装置を提供することを目的とし、入力する画像データに画像処理を施し、画像出力手段によって画像出力する画像処理装置であって、入力した前記画像データに対して、それぞれ異なる画像処理を施す複数の画像処理手段と、前記複数の画像処理手段及び画像出力手段間で画像データを伝送する画像バスと、前記画像バス上に配設され、前記画像データの入力及び出力の少なくともいずれかを行う単一の画像デバッグインタフェース手段と、前記画像データが前記複数の画像処理手段のうちどの手段による画像処理後に前記画像デバッグインタフェース手段から出力するかの指定を受け付ける指定手段と、前記指定手段によって受け付けられた指定の手段による画像データ処理を施し、前記指定の手段による処理後に後続の処理を施すことなく該処理後の画像データを、前記画像デバッグインタフェース手段から出力させるよう制御する制御手段と、を備えた画像処理装置が提案されている。
【特許文献1】特開2007−043571号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、デバッグ機能を実装する場合、メモリ部に一時蓄積領域の他に同時に蓄積可能な複数の蓄積領域がないので、同じ原稿を使用したコピーやデバッグを実施する際に、画像読取部から再度画像データを読み取る必要があり、コピーの生産性やデバッグ効率を上げることができなかった。
【0008】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、同じ原稿を使用したコピーやデバッグを実施する際に、再度同一の画像データの入力を不要としてコピーの生産性やデバッグ効率を向上させることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、第1の手段は、入力された画像データに対して所定の処理を施す画像処理部と、画像データ及び付帯情報を一時的に蓄積するメモリ部と、画像デバッグ装置が接続される画像デバッグI/F部と、前記各部を標準規格化された拡張バス規格を含む複数のバス規格をまたがって接続する画像バス制御部とを有し、入力された画像データ又は処理された画像データを出力する画像処理装置において、前記メモリ部に一時蓄積領域の他に同時に蓄積可能な蓄積領域を備えていることを特徴とする。
【0010】
この場合、前記メモリ部の蓄積領域への蓄積/非蓄積を選択する手段、前記メモリ部に蓄積したい画像データに対する画像処理を選択する手段、所望の蓄積データを前記画像デバッグI/F部から出力する手段、所望の蓄積データを外部I/F制御部から出力する手段、前記メモリ部の蓄積領域に対してライトプロテクトを行う手段を任意に備えていることができる。なお、ライトプロテクトを行う手段を備えたものでは、所望の蓄積領域のライトプロテクトを可能とし、また、前記画像デバッグI/F部の接続検知からライトプロテクトを設定することも可能である。
【0011】
また、原稿を読み取り、電子化したデータを入力画像データとして得る画像読取部を備え、あるいは、前記画像データを印字媒体に印字して出力する画像出力部を備えることもできる。
【0012】
更に、第2の手段は、入力された画像データに対して所定の処理を施す画像処理部と、前記各部を標準規格化された拡張バス規格を含む複数のバス規格をまたがって接続する画像バス制御部と、画像データ及び付帯情報を一時的に蓄積するメモリ部と、前記標準規格化された拡張バス上に設けられた画像デバッグI/F部とを有し、入力された画像データ又は処理された画像データを前記各部で選択的に処理して出力する画像処理方法において、前記メモリ部に一時蓄積領域の他に同時に蓄積可能な蓄積領域を備え、前記蓄積領域への蓄積の可否を前記画像データへの付加情報に基づいて決定することを特徴とする。
【0013】
なお、後述の実施形態では、画像処理部は符号5に、画像バス制御部は符号7に、メモリ部は符号4に、画像デバッグI/F部は符号8に、一時蓄積領域は符号4aに、蓄積領域は符号4bに、メモリ部の蓄積領域への蓄積/非蓄積を選択する手段、メモリ部に蓄積したい画像データに対する画像処理を選択する手段、所望の蓄積データを前記画像デバッグI/F部から出力する手段、所望の蓄積データを外部I/F制御部から出力する手段は画像バス制御部7に、それぞれ設定され、ライトプロテクトのON/OFFは操作部9から選択される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、メモリ部に一時蓄積領域の他に同時に蓄積可能な複数の蓄積領域を備えているので、同じ原稿を使用したコピーやデバッグを実施する際に、再度同一の画像データを入力する必要がなく、コピーの生産性やデバッグ効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係る画像処理装置の構成の一例を示すブロック図である。同図において、本実施形態に係る画像処理装置は、スキャナ等、原稿を読み取る画像読取部1、画像データを紙などのメディアに出力する画像出力部2、外部装置(PC等)12とネットワーク・インタフェース・コントローラ(以下、NICと称す)11を介して画像データを送受信する外部I/F制御部3、読み取った画像データを蓄積可能で一時蓄積領域と蓄積領域を有するメモリ部4、画像データに対して、補正、加工、認識、編集、データ埋め込み・埋め込みデータ抽出などの画像処理を行う画像処理部5、バックアップや再利用等のために画像データを保存しておく大容量記憶装置6、拡張バス10を制御する画像バス制御部7、デバッグ装置を接続するための画像デバッグI/F部8、外部からの設定等を入力する操作部9から構成されている。なお、メモリ部4及び操作部9は画像バス制御部7を介して、他の各部は直接それぞれ画像データ拡張バス10に接続されている。更に、外部I/F制御部3、画像デバッグI/F部8、操作部9は画像バス制御部7によって制御され、大容量記憶部6の入出力制御も画像バス制御部7を介して実行される。
【0017】
画像バス制御部7はCPU、ROM及びRAMを備え、CPUはROMに格納されたプログラムコードに従ってRAMをワークエリアとして使用しながら後述の各制御を実行する。
【0018】
この場合、画像読取部1及び画像処理部5から出力された画像データは必ず画像バス制御部7経由でメモリ部4に一時蓄積され、メモリ部4から出力後に画像バス制御部7経由で後段の装置に入力される。
【0019】
図2は画像読取部1から画像データが入力され、画像処理部5で各種画像処理が行われ、画像出力部2に出力される通常モードの画像処理の流れを示す図である。画像処理部5には第1の処理部5a及び第2の処理部5bが設定され、画像読取部1、画像処理部5、画像デバッグI/F部8、外部I/F制御部3の各装置は、どの装置からの出力画像データなのかを識別するための情報を付加する機能を有し、各装置とも出力時に付加情報を更新する。付加情報については、画像バス制御部7で識別する。
【0020】
各装置からの出力データは、付加情報と共に画像バス制御部7経由で一旦メモリ部4の一時蓄積領域4aに蓄積され、同時にメモリ部4の蓄積領域4bに蓄積されることを原則とする。なお、蓄積領域4bは複数の画像ファイルを並行して蓄積することが可能であり、その場合には、蓄積領域4bを複数に分けて使用することもできる。画像処理の流れP1としては、
画像読取部1 → 画像処理部5(第1の処理部5a) → 画像処理部5(第2の処理部5b) → 画像出力部3
の順番で処理される。したがって、画像データは図2において、
画像読取部1 → 一時蓄積領域4a → 第1の処理部5a → 一時蓄積領域4a → 第2の処理部5b → 一時蓄積領域4a → 画像出力部3
のように転送される。なお、一時蓄積領域4aに蓄積された出力データは同時に蓄積領域4bに蓄積されることは前述の通りである。なお、画像読取部1では通常の読取動作の他にライン間補正やシェーディング補正などの主にスキャナに依存する補正も行う。これによって、特性の異なるいろいろなスキャナが接続されても、メモリ4上ではスキャナに依存しない一定の画像データを得ることができる。
【0021】
なお、本実施形態では、図1に示した構成について画像処理装置と称しているが、画像出力部2を備えていることから、画像形成装置として機能し、画像読取部1を備えていることから複写機としても機能する。
【実施例1】
【0022】
図3は実施例1に係る処理手順を示すフローチャートである。この処理手順では、まず、操作部9から通常モードかデバッグモードかを選択し(ステップS101)、通常モードの場合(ステップS102−No)、画像読取部1で画像データが読み取られ、画像読取部1からの出力であることを識別するための付加情報がデータに付加される(ステップS103)。
【0023】
図18は付加情報が付加された画像データの画像フォーマット例を示す図である。同図から分かるように、画像データのヘッダとして、「画像読取部出力」、「第1の処理部の出力」、「第2の処理部の出力」を示す情報が付加されている。以下、各実施例についても同様の画像フォーマットで処理される。
【0024】
画像読取部1から出力された画像データは画像バス制御部7で付加情報の識別が実施され、メモリ部4の一時蓄積領域4aと蓄積領域4bの双方に蓄積される。メモリ部4の一時蓄積領域4aから出力された画像データは画像処理部5の第1の処理部5aで処理され、第1の処理部5aからの出力であること識別するための情報が付加される(ステップS105)。なお、付加情報は新規に追加されるのではなく更新される。以下の実施例でも同様なので、以降の実施例ではこの点についての説明を省略する。
【0025】
出力された画像データは画像バス制御部7で付加情報の識別が実施され、メモリ部の一時蓄積領域と蓄積領域の双方に蓄積される(ステップS106)。メモリ部4の一時蓄積領域4aから出力された画像データは画像処理部5の第2の処理部5bで処理され、第2の処理部5bからの出力であること識別するための情報が付加される(ステップS107)。出力された画像データは画像バス制御部7で付加情報の識別が実施され、メモリ部4の一時蓄積領域4aと蓄積領域4bの双方に蓄積される(ステップS108)。そして、メモリ部4の一時蓄積領域4aから出力された画像データは画像出力部2から出力される(ステップS109)。その際、画像出力部2からの出力時には付加情報が削除される。以下の実施例でも同様なので、以降の実施例ではこの点についての説明を省略する。
【0026】
一方、ステップS102でデバッグモードであれば(ステップS102−Yes)、操作部9から蓄積領域4bに蓄積されているどのデータを出力するかを選択する(ステップS110)。蓄積領域4bから出力された画像データは画像バス制御部7で付加情報が識別される(ステップS111)。
【0027】
このステップS111では、
(1)画像読取部1
(2)第1の処理部5a
(3)第2の処理部5b
のいずれからの出力画像か判断される。
【0028】
この判断で(1)の画像読取部1から画像データであれば、ステップS105以降の処理を実行し、(2)の第1の処理部5aからの画像データであれば、ステップS107以降の処理を実行し、(3)の第2の処理部5bからの画像データであれば、ステップS109以降の処理を実行する。
【0029】
図4は(1)の画像読取部1からの出力データと判断された場合の画像処理の流れP2を示す図である。画像読取部1からの出力データと判断された場合には、その判断された画像データは第1の処理部5aで処理され、第1の処理部5aからの出力であること識別するための情報が付加される(ステップS105)。その後、前述の通常モードであるステップS106以降のステップが実行される。
【0030】
図5は(2)の第1の処理部5aからの出力データと判断された場合の画像処理の流れP3を示す図である。この場合には、第1の処理部5aからの出力データと判断された画像データは第2の処理部5bで処理され、第1の処理部5aからの出力であること識別するための情報が付加される(ステップS107)。その後、前述の通常モードであるステップS108以降のステップが実行される。
【0031】
図6は(3)の第2の処理部5bからの出力データと判断された場合の画像処理の流れP4を示す図である。この場合には、第2の処理部5bからの出力データと判断された画像データはそのまま画像出力部2に転送される。その際、第2の処理部5bからの出力であることを識別するために付加された情報は削除される。
【0032】
本実施例によれば、複数の蓄積領域4a,4bに蓄積された画像読取部1あるいは画像処理部5(第1及び第2の処理部5a,5b)からの出力画像データ(処理結果)の読み出しができるので、例えば、同じ画像データによるデバッグを実施する際に、画像読取部1から再度画像データを読み取る必要がなく、不具合箇所の切り分けも含めたデバッグ効率の向上を図ることができる。
【実施例2】
【0033】
この実施例2は実施例1に対してメモリ部の蓄積領域への蓄積/非蓄積を選択できるようにした例である。
【0034】
図7は実施例2に係る処理手順を示すフローチャートである。この処理手順では、まず、操作部9から通常モードかデバッグモードか、メモリ部蓄積領域への蓄積/非蓄積を選択する(ステップS201)。通常モードの場合(ステップS202−No)、画像読取部1で画像データが読み取られ、画像読取部1からの出力であることを識別するための付加情報がデータに付加される(ステップS203)。この場合も実施例1と同様に図18に示すような付加情報が画像データのヘッダに付加される。
【0035】
画像読取部から出力された画像データは画像バス制御部7で付加情報の識別が実施され(ステップS203)、その後、操作部9より選択したメモリ部蓄積領域への蓄積/非蓄積設定がチェックされ(ステップS204)、蓄積の場合(ステップS204−蓄積)には、メモリ部4の一時蓄積領域4aと蓄積領域4bの双方に蓄積され(ステップS205)、非蓄積の場合(ステップS204−非蓄積)には、メモリ部4の一時蓄積領域4aのみに蓄積される(ステップS206)。
【0036】
メモリ部4の一時蓄積領域4aから出力された画像データは画像処理部5の第1の処理部5aで処理され、第1の処理部5aからの出力であること識別するための情報が付加される(ステップS207)。出力された画像データは、更に、操作部9より選択したメモリ部蓄積領域への蓄積/非蓄積設定がチェックされ(ステップS208)、蓄積の場合(ステップS208−蓄積)には、メモリ部4の一時蓄積領域4aと蓄積領域4bの双方に蓄積され(ステップS209)、非蓄積の場合(ステップS208−非蓄積)には、メモリ部4の一時蓄積領域4aのみに蓄積される(ステップS210)。
【0037】
メモリ部4の一時蓄積領域4aから出力された画像データは画像処理部5の第2の処理部5bで処理され、第2の処理部5bからの出力であること識別するための情報が付加される(ステップS211)。そして、更に操作部9より選択したメモリ部蓄積領域への蓄積/非蓄積設定がチェックされ(ステップS212)、蓄積の場合(ステップS212−蓄積)には、メモリ部4の一時蓄積領域4aと蓄積領域4bの双方に蓄積され(ステップS213)、非蓄積の場合(ステップS212−非蓄積)には、メモリ部4の一時蓄積領域4aのみに蓄積される(ステップS214)。その後、画像出力部2から出力される(ステップS215)。その際、付加情報は削除される。
【0038】
一方、ステップS202でデバッグモードであれば(ステップS202−Yes)、操作部9から蓄積領域4bに蓄積されているどのデータを出力するかを選択する(ステップS216)。蓄積領域4bから出力された画像データは画像バス制御部7で付加情報が識別される(ステップS217)。前記実施例1のステップS111と同様に(1)画像読取部1、(2)第1の処理部5a、(3)第2の処理部5bのいずれからの出力画像か判断される。
【0039】
この判断で(1)の画像読取部1から画像データであれば、ステップS207以降の処理を実行し、(2)の第1の処理部5aからの画像データであれば、ステップS214以降の処理を実行し、(3)の第2の処理部5bからの画像データであれば、ステップS215以降の処理を実行する。
【0040】
図8は(1)の画像読取部1からの出力データと判断された場合において、メモリ部4の蓄積領域4bへの蓄積/非蓄積設定が非蓄積の場合の画像処理の流れP5を示す図である。図7のフローチャートでは、
ステップS207 → ステップS208 → ステップS209 → ステップS211 → ステップS212 → ステップS214 → ステップS215
の処理に対応する。
【0041】
本実施例によれば、蓄積処理が不要の場合の蓄積領域4bへの蓄積処理を削除できるので、システムとして消費電力の削減が可能となる。
【実施例3】
【0042】
この実施例3は、実施例2に対して画像データ(処理結果)を蓄積したい画像処理を選択できるようにした例である。
【0043】
図9は実施例3に係る処理手順を示すフローチャートである。この処理手順では、まず、操作部9から通常モードかデバッグモードかの選択と、メモリ部蓄積領域への蓄積処理が必要な画像読取部1や画像処理部5からの出力画像データ(処理結果)の選択を実施する(ステップS301)。その後、実施例2と同じ処理を実行し、画像出力部2から画像を出力する。なお、実施例2のステップS202以降は本実施例3のステップS302以降と対応し、ステップを表す下2桁の番号が同じ処理を示すので、重複する説明は省略する。
【0044】
図10は(1)の画像読取部1からの出力データと判断された場合の、メモリ部4の蓄積領域4bへの蓄積/非蓄積設定が第1の処理部5aの処理データについて非蓄積の場合の画像処理の流れP6を示す図である。図9のフローチャートでは、
ステップS307 → ステップS308 → ステップS309 → ステップS311 → ステップS212 → ステップS313 → ステップS315
の処理に対応する。
【0045】
本実施例によれば、蓄積処理が必要な画像読取部1や画像処理部5からの出力画像データ(処理結果)のみが蓄積領域4bに蓄積できるので、デバッグ効率向上とシステムとしての消費電力削減の調整が可能となる。
【実施例4】
【0046】
この実施例4は実施例3に対して所望の蓄積データを画像デバッグI/Fから出力できるようにした例である。
【0047】
図11は実施例4に係る処理手順を示すフローチャートである。この処理手順では、まず、操作部9から通常モードかデバッグモードかの選択と、メモリ部蓄積領域への蓄積処理が必要な画像読取部1や画像処理部5からの出力画像データ(処理結果)の選択を実施する(ステップS401)。通常モードの場合(ステップS402−No)、実施例3と同じ処理を実行し、画像出力部2から画像を出力する。なお、実施例3のステップS302からステップS315までは、実施例4のステップS402からステップS415と対応し、ステップを表す下2桁の番号が同じ処理を示すので、重複する説明は省略する。
【0048】
一方、デバッグモードの場合(ステップS402−Yes)、操作部9から蓄積領域4bに蓄積されているどのデータを出力するかを選択する(ステップS416)。蓄積領域4bから出力された画像データは画像バス制御部7で付加情報が識別される(ステップS417)。前記実施例1のステップS111と同様に(1)画像読取部1、(2)第1の処理部5a、(3)第2の処理部5bのいずれからの出力画像か判断される。
【0049】
この判断で(1)の画像読取部1から画像データであれば、ステップS207以降の処理を実行し、(2)の第1の処理部5aからの画像データであれば、ステップS214以降の処理を実行し、(3)の第2の処理部5bからの画像データであれば、ステップS2159以降の処理を実行する。出力先がいずれでもなければ(ステップS418−No、S419−No、S420−No)、操作部9から出力先の選択(画像出力部2又は画像デバッグI/F部8)を実施し、出力が画像デバッグI/Fの場合には、メモリ部の蓄積領域から読み出された画像データが画像デバッグI/Fへ出力される(ステップS421)。なお、画像デバッグI/Fからの出力時には付加情報が削除される。
【0050】
図12はメモリ部4の蓄積領域4bから読み出された画像データの出力先として画像デバッグI/F部8が選択された場合の画像処理の流れP7を示す図である。図11のフローチャートでは、
ステップS418−No、S419−No、S420−No → ステップS421
の処理に対応する。
【0051】
本実施例によれば、複数の蓄積領域4a,4bに蓄積された画像読取部1や画像処理部5からの出力画像データ(処理結果)の中から、解析等で読み出しが必要な画像データ(処理結果)を選択して画像デバッグI/F部8から出力できるので、不具合箇所の切り分けも含めたデバッグ効率の向上が可能となる。
【実施例5】
【0052】
この実施例5は実施例3に対して所望の蓄積データを外部I/F制御部から出力できるようにした例である。
【0053】
図13は実施例5に係る処理手順を示すフローチャートである。この処理手順は、実施例4におけるステップS421をステップS521に置換し、デバッグモードの場合に、ステップS418,S419,S420に対応するステップS518,S519,S520で、操作部9から出力先の選択(画像出力部2又は外部I/F制御部3)を実施し、出力が外部I/F制御部3の場合には、メモリ部4の蓄積領域4bから読み出された画像データが外部I/F制御部3で汎用画像フォーマットに変換後に出力される(ステップS521)。なお、実施例5のステップS501からステップS520までは、実施例4のステップS401からステップS420と対応し、ステップを表す下2桁の番号が同じ処理を示すので、重複する説明は省略する。
【0054】
なお、外部I/F制御部3で汎用画像フォーマットに変換時に付加情報が削除される。その他の各処理は実施例4と同一なので、説明は省略する。
【0055】
図14はメモリ部4の蓄積領域4bから読み出された画像データの出力先として外部I/F制御部3が選択された場合の画像処理の流れP8を示す図である。図14のフローチャートでは、
ステップS518−No、S519−No、S520−No → ステップS521
の処理に対応する。
【0056】
本実施例によれば、複数の蓄積領域4a,4bに蓄積された画像読取部1や画像処理部5からの出力画像データ(処理結果)の中から、解析等で読み出しが必要な画像データ(処理結果)を選択して外部I/F制御部3経由でPC12等に出力できるので、特定のデバッグ装置等がなくても不具合箇所の切り分けも含めたデバッグ効率の向上が可能となる。
【実施例6】
【0057】
この実施例6は実施例1に対して蓄積領域のライトプロテクトを可能とした例である。
【0058】
図15は実施例6に係る処理手順を示すフローチャートである。この処理手順では、まず、操作部9から通常モードかデバッグモードか、及びメモリ部蓄積領域4bのライトプロテクトのON/OFFを選択する(ステップS601)。通常モードの場合(ステップS602−No)、画像読取部1で画像データが読み取られ、画像読取部1からの出力であることを識別するための付加情報がデータに付加される(ステップS603)。
【0059】
画像読取部1から出力された画像データは画像バス制御部7で付加情報の識別が実施され(ステップS603)、その後、操作部9より選択したメモリ部蓄積領域4bに対するライトプロテクトのON/OFFがチェックされる(ステップS604)。ONの場合には、メモリ部4の一時蓄積領域4aのみに蓄積される(ステップS605)、OFFの場合には、メモリ部4の一時蓄積領域4aと蓄積領域4bの双方に蓄積される(ステップS606)。
【0060】
メモリ部4の一時蓄積領域4aから出力された画像データは画像処理部5の第1の処理部5aで処理され、第1の処理部5aからの出力であること識別するための情報が付加される(ステップS607)。出力された画像データは、更に、操作部9より選択したメモリ部蓄積領域4bへの第1の処理部5aで処理したデータに対するライトプロテクトのON/OFFがチェックされ(ステップS608)、ONの場合には、メモリ部4の一時蓄積領域4aのみに蓄積され(ステップS609)、OFFの場合には、メモリ部4の一時蓄積領域4aと蓄積領域4bの双方に蓄積される(ステップS610)。
【0061】
次いで、メモリ部4の一時蓄積領域4aから出力された画像データは画像処理部5の第2の処理部5bで処理され、第2の処理部5bからの出力であること識別するための情報が付加される(ステップS611)。そして、更に操作部9より選択したメモリ部蓄積領域6bへの第2の処理部5bで処理したデータに対するライトプロテクトのON/OFFがチェックされ(ステップS612)、ONの場合には、メモリ部4の一時蓄積領域4aのみに蓄積され(ステップS613)、OFFの場合には、メモリ部4の一時蓄積領域4aと蓄積領域4bの双方に蓄積される(ステップS614)。その後、画像出力部2から出力される(ステップS615)。その際、付加情報は削除される。
【0062】
一方、ステップS602でデバッグモードであれば(ステップS602−Yes)、操作部9から蓄積領域4bに蓄積されているどのデータを出力するかを選択する(ステップS616)。蓄積領域4bから出力された画像データは画像バス制御部7で付加情報が識別される(ステップS617)。前記実施例1のステップS111と同様に(1)画像読取部1、(2)第1の処理部5a、(3)第2の処理部5bのいずれからの出力画像か判断される。
【0063】
この判断で(1)の画像読取部1から画像データであれば、ステップS607以降の処理を実行し、(2)の第1の処理部5aからの画像データであれば、ステップS614以降の処理を実行し、(3)の第2の処理部5bからの画像データであれば、ステップS615以降の処理を実行する。
【0064】
本実施例によれば、異常画像等の不具合発生時に、解析に必要な複数の蓄積領域4a,4bに蓄積された画像読取部1や画像処理部5からの出力画像データ(処理結果)の意図しない上書き等を防止することが可能となる。
【実施例7】
【0065】
この実施例7は、実施例6に対して所望の蓄積領域のライトプロテクトを可能とした例である。
【0066】
図16は実施例7に係る処理手順を示すフローチャートである。この処理手順は、実施例6のステップS601の処理に代えて、操作部9から通常モードかデバッグモードかの選択と、メモリ部蓄積領域へのライトプロテクトが必要な画像読取部や画像処理部からの出力画像データ(処理結果)の選択を実施する(ステップS701)ようにしたもので、ステップS702以降の処理は実施例6のステップS602以降の処理と同一であり、ステップを表す下2桁の番号が同じ処理を示すので、重複する説明は省略する。
【0067】
この実施例では、画像読取部1から出力された画像データは画像バス制御部7で付加情報の識別が実施され、その後、操作部9より選択したメモリ部蓄積領域4bへのライトプロテクトがOFF場合にはメモリ部4の一時蓄積領域4aと蓄積領域4bの双方に蓄積され、ONの場合には、メモリ部4の一時蓄積領域4aのみに蓄積される。
【0068】
図17は本実施例における画像読取部1と第1の処理部5aの出力画像データのメモリ部の蓄積領域のライトプロテクトをONした場合の画像処理の流れP9を示す図である。
【0069】
図16のフローチャートでは、
ステップS707 → ステップS708 → ステップS709 → ステップS711 → ステップS712 → ステップS714 → ステップS715
である。
【0070】
本実施例によれば、異常画像等の不具合発生時に、解析に必要な複数の蓄積領域4a,4bに蓄積された画像読取部1や画像処理部5からの出力画像データ(処理結果)の中から、プロテクトが必要な画像データ(処理結果)のみ意図しない上書きを防止することが可能となる。
【実施例8】
【0071】
この実施例8は実施例6に対して画像デバッグI/Fの接続検知からライトプロテクトを設定できるようにした例である。
【0072】
実施例8では、画像デバッグI/F8にデバッグ装置等を接続した際の接続検知から、ライトプロテクトをONとするように設定されている。図16は実施例7の処理手順を示すフローチャートであるが、実施例8における処理手順も前記接続検知からライトプロテクトをONとすることを除いてこの図16のフローチャートと同等である。すなわち、画像読取部1から出力された画像データは画像バス制御部7で付加情報の識別が実施され(ステップS703)、その後、操作部9からステップS704のメモリ部蓄積領域へのライトプロテクトON/OFF設定で、ライトプロテクトをONするのを忘れた場合でも、画像デバッグI/F部8にデバッグ装置等を接続した際の接続検知から、ライトプロテクトはONとなり、メモリ部4の一時蓄積領域4aのみに蓄積される(ステップS705)。これ以降の処理については、実施例6と同一であるため、説明は省略する。
【0073】
本実施例によれば、異常画像等の不具合発生時に、プロテクト設定を忘れていた場合でも、画像デバッグI/F部8へのデバッグ装置等の接続検知からライトプロテクトをONにするので、自動的に解析に必要な複数の蓄積領域4a,4bに蓄積された画像読取部1や画像処理部5からの出力画像データ(処理結果)の意図しない上書きを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の実施形態に係る画像処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】画像読取部から画像データが入力され、画像処理部で各種画像処理が行われ、画像出力部に出力される通常モードの画像処理の流れを示す図である。
【図3】実施例1に係る処理手順を示すフローチャートである。
【図4】実施例1における画像読取部からの出力データと判断された場合の画像処理の流れを示す図である。
【図5】実施例1における第1の処理部からの出力データと判断された場合の画像処理の流れを示す図である。
【図6】実施例1における第2の処理部からの出力データと判断された場合の画像処理の流れを示す図である。
【図7】実施例2に係る処理手順を示すフローチャートである。
【図8】実施例2における画像処理の流れの一例を示す図である。
【図9】実施例3に係る処理手順を示すフローチャートである。
【図10】実施例3における画像処理の流れの一例を示す図である。
【図11】実施例4に係る処理手順を示すフローチャートである。
【図12】実施例4における画像処理の流れの一例を示す図である。
【図13】実施例5に係る処理手順を示すフローチャートである。
【図14】実施例5における画像処理の流れの一例を示す図である。
【図15】実施例6に係る処理手順を示すフローチャートである。
【図16】実施例7に係る処理手順を示すフローチャートである。
【図17】実施例7における画像処理の流れの一例を示す図である。
【図18】付加情報が付加された画像データの画像フォーマット例を示す図である。
【符号の説明】
【0075】
1 画像読取部
2 画像出力部
3 外部I/F制御部
4 メモリ部
4a 一時蓄積領域
4b 蓄積領域
5 画像処理部
5a 第1の処理部
5b 第2の処理部
6 大容量記憶部
7 画像バス制御部
8 画像デバッグI/F部
9 操作部
10 画像データ拡張バス
11 NIC
12 外部PC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された画像データに対して所定の処理を施す画像処理部と、
画像データ及び付帯情報を一時的に蓄積するメモリ部と、
画像デバッグ装置が接続される画像デバッグI/F部と、
前記各部を標準規格化された拡張バス規格を含む複数のバス規格をまたがって接続する画像バス制御部と、
を有し、入力された画像データ又は処理された画像データを出力する画像処理装置において、
前記メモリ部に一時蓄積領域の他に同時に蓄積可能な蓄積領域を備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像処理装置において、
前記メモリ部の蓄積領域への蓄積/非蓄積を選択する手段を備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項2記載の画像処理装置において、
前記メモリ部に蓄積したい画像データに対する画像処理を選択する手段を備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像処理装置において、
所望の蓄積データを前記画像デバッグI/F部から出力する手段を備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像処理装置において、
所望の蓄積データを外部I/F制御部から出力する手段を備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項1記載の画像処理装置において、
前記メモリ部の蓄積領域に対してライトプロテクトを行う手段を備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
請求項6記載の画像処理装置において、
所望の蓄積領域のライトプロテクトが可能であることを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
請求項6記載の画像処理装置において、
前記画像デバッグI/F部の接続検知からライトプロテクトを設定する手段を備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像処理装置において、
原稿を読み取り、電子化したデータを入力画像データとして得る画像読取部を備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項10】
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像処理装置において、
前記画像データを印字媒体に印字して出力する画像出力部を備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項11】
入力された画像データに対して所定の処理を施す画像処理部と、
前記各部を標準規格化された拡張バス規格を含む複数のバス規格をまたがって接続する画像バス制御部と、
画像データ及び付帯情報を一時的に蓄積するメモリ部と、
前記標準規格化された拡張バス上に設けられた画像デバッグI/F部と、
を有し、入力された画像データ又は処理された画像データを前記各部で選択的に処理して出力する画像処理方法において、
前記メモリ部に一時蓄積領域の他に同時に蓄積可能な蓄積領域を備え、前記蓄積領域への蓄積の可否を前記画像データへの付加情報に基づいて決定することを特徴とする画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−77055(P2009−77055A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−242797(P2007−242797)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】