画像処理装置及び画像記録装置
【課題】記録ディスクのレーベル面に記録する画像を記録用紙に記録する試し記録モードにおいて、記録用紙にレーベル面に記録するレーベル画像とを記録ディスクを収納するケースに装着するジャケットとして使用されるジャケット画像とを記録することができる画像記録装置を提供する。
【解決手段】試し記録モードにおいて、1つの画像データからレーベル画像データRGとジャケット画像データJGとが生成され、これらのレーベル画像データRGとジャケット画像データJGとが同じ用紙P上に記録されるように集約画像データSGが作成される。このため、用紙Pに無駄な余白が発生しない。
【解決手段】試し記録モードにおいて、1つの画像データからレーベル画像データRGとジャケット画像データJGとが生成され、これらのレーベル画像データRGとジャケット画像データJGとが同じ用紙P上に記録されるように集約画像データSGが作成される。このため、用紙Pに無駄な余白が発生しない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に関するものであり、より詳しくは、CD(Compact Disc)等の記録媒体のレーベル面に記録する画像を、用紙に記録して画像確認等を行うお試し記録モードを備えた画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)等の円形状に形成された記録媒体をトレイに載置し、その記録媒体のレーベル面に画像を記録可能な画像記録装置が知られている。
【0003】
CD、DVD等の記憶領域には、ユーザによって、音楽データ、写真データ、動画データ等の各種データが記憶されている。記憶した各種データを使用しないときにはCD、DVD等はケースに収納されている。ユーザはCD、DVD等の記憶領域内の各種データの内容を外観で判断するために、レーベル面にその各種データに合った画像を記録する。
【0004】
このような、CD、DVD等をプレイヤーで複数枚使用していた後に、それぞれの収納するケースに戻す際に、対応するケースがどのケースなのか見分けがつかない場合がある。その為、対応するCD、DVD等に合った画像を用紙に記録しジャケット用紙としてケースに収納しておく必要があるが、ジャケット用紙としてジャケットのサイズや画像データの作成、そしてそれらの色を調整しなければならず面倒な作業である。
【0005】
また、CD、DVD等のレーベル面に画像を記録する場合は、通常の用紙への記録とは異なり、記録媒体に対する画像の記録位置や画像の色、濃度等をより丁寧に設定する必要がある。つまり、通常の用紙への記録においては、ユーザの意図とする色や大きさの画像が記録されなかった場合、再度画像を修正して他の用紙に記録すれば意図とする画像が得られる。しかし、CD、DVD等のレーベル面とは反対側の記憶領域には、写真データ、動画データ等の各種データが記憶されているため、CD、DVD等のレーベル面への記録においては、ユーザの意図する色や大きさの画像が記録されなかった場合、再度画像を修正して新たな他のCD、DVD等のレーベル面に記録したとしても、各種データも再度記憶させなければならず面倒であった。
【0006】
このため、実際に記録したいCD、DVD等のレーベル面に画像を記録する前に、用紙に画像を記録することで、CD、DVD等のレーベル面に対する画像の位置や画像の色、濃度等を確認するお試し記録モードという機能を備えた画像記録装置が存在している。また、特許文献1には、お試し記録モードにおいて、葉書に記録する画像を通常の用紙に記録することで、葉書に対する画像の位置や画像の色、濃度が確認できることも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−102990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した特許文献1に記載されている画像記録装置において、お試し記録モードで用紙に画像を記録した場合、ユーザが設定を行った画像のみしか用紙に記録されないため大きな余白が発生してしまい、用紙の余白が無駄になっていた。CD、DVD等のレーベル面に記録する画像を用紙に記録した場合においても同様の問題が発生する。更に、特許文献1に記載の画像記録装置においては、作成された画像を単にお試し記録するだけで、レーベル面の画像やそれに関連するジャケット用紙の画像に関しての問題は解決されていない。
【0009】
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、レーベル記録用の画像データから容易にジャケット用紙用の画像データを生成できる。更に、CD、DVD等のレーベル面に記録する画像を用紙に記録するお試し記録モードにおいて、レーベル面に記録したいレーベル画像とCD、DVD等を収納するケースに装着するジャケットとして使用されるジャケット画像とを記録する。これにより、記録されたジャケット画像を切り取ってケースのジャケットとして使用でき、お試し記録モードにおいて発生する余白を無駄にせず有効に活用することができる画像処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するために、請求項1に記載の画像記録装置は、記録ディスクのレーベル面に記録する画像を記録用紙に試し記録を行う試し記録モードを有する画像記録装置において、前記試し記録モードが選択されると、入力される画像データの前記記録ディスクのレーベル面に記録する範囲を設定する範囲設定部と、前記範囲設定部によって設定された前記画像データ上の範囲に基づいて、前記記録ディスクのレーベル面に記録されるレーベル画像データと前記記録ディスクを収納するケースに装着されるジャケットとして使用されるジャケット画像データとを生成する画像データ生成部と、前記画像データ生成部によって生成された前記レーベル画像データと前記ジャケット画像データとが同一の記録用紙上に記録されるように、両画像データを集約した集約画像データを作成する集約部と、前記集約部によって作成された前記集約画像データを前記記録用紙に記録する画像記録部と、を備えたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項2に記載の画像記録装置は、請求項1に記載の画像記録装置において、入力される前記画像データを表示する表示部と、前記表示部に表示された画像データ上でトリミングを行う範囲の指定を行うトリミング範囲指定部と、前記トリミング範囲指定部によって指定された範囲のトリミングを行うトリミング処理部と、前記トリミング処理部によってトリミングされた範囲のトリミング画像データを生成するトリミング画像生成部と、を備え、前記範囲設定部は、前記トリミング画像生成部によって生成された前記トリミング画像を、前記記録ディスクのレーベル面に記録する画像範囲として設定することを特徴とするものである。
【0012】
請求項3に記載の画像記録装置は、請求項1または2に記載の画像記録装置において、前記記録用紙のサイズを検出する用紙サイズ検出部と、前記用紙サイズ検出部によって検出された記録用紙のサイズが、前記集約画像データを記録可能なサイズか否かを判断する判断部と、前記判断部によって、記録用紙のサイズが前記集約画像データを記録できないサイズと判断された場合は、前記画像記録部によって当該記録用紙に前記レーベル画像データを記録させ、記録用紙のサイズが前記集約画像データを記録できるサイズと判断された場合は、前記画像記録部によって当該記録用紙に前記集約画像データを記録させる制御部と、を備えたことを特徴するものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、記録ディスクのレーベル面に記録する画像を記録用紙に記録する試し記録モードにおいて、記録用紙にレーベル面に記録するレーベル画像と記録ディスクを収納するケースに装着するジャケットとして使用されるジャケット画像とを記録する。これにより、記録されたジャケット画像を切り取ってケースのジャケットとして使用でき、無駄な余白の発生を解消できる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の画像記録装置の奏する効果に加え、
表示部に表示された画像データのある範囲をユーザが指定してトリミングすることで、そのトリミングされた範囲のみのトリミング画像データを、試し記録モードにおいて使用する画像データにすることができる。よって、入力された1つの画像データから、ユーザの好みに合わせた様々なレーベル画像データとジャケット画像データとを作成することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の画像記録装置の奏する効果に加え、用紙のサイズに応じて記録する画像データを決定することで、用紙のサイズに合った適切な画像データを記録することができる。また、レーベル画像のみの記録では大きな余白が発生する用紙サイズでは、ジャケット画像も記録することで、無駄な余白の発生を解消できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態における画像記録装置の外観的構成を示した斜視図である。
【図2】本発明の実施形態におけるレーベル記録時の画像記録装置の外観的構成を示した斜視図である。
【図3】画像記録装置の電気的構成を示すブロック部である。
【図4】画像記録装置のメイン処理を示すフローチャートである。
【図5】画像記録装置のお試し記録モード処理を示すフローチャートである。
【図6】画像データが表示部に表示された状態を示す図である。
【図7】表示部に表示された画像データとトリミング範囲とを示す図である。
【図8】トリミング画像データを概念的に示す図である。
【図9】トリミング画像データから生成されるレーベル画像データの生成方法を概念的に示す図である。
【図10】レーベル画像データを概念的に示す図である。
【図11】トリミング画像データから生成されるジャケット画像データの生成方法を概念的に示す図である。
【図12】ジャケット画像データを概念的に示す図である。
【図13】集約画像データを概念的に示す図である。
【図14】お試し記録モードにおいて用紙Pに記録される内容を概念的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明を多機能型の画像記録装置に適用した実施形態について、添付資料を参照して以下に説明する。多機能型の画像記録装置は、プリンタ機能、スキャナ機能、及び、コピー機能等を備えており、公知なものである。
【0018】
<外観的構成>
図1は、本実施形態の画像記録装置10の外観的構成を示す斜視図である。以下の説明において、図1の画像記録装置10の手前側を前側とし、矢印左右で示す方向を左右方向(主走査方向)とし、矢印前後で示す方向を前後方向(副走査方向)とし、矢印上下で示す方向を上下方向とする。
【0019】
図1に示すように、画像記録装置10は、主に、下部に設けられるプリンタ部20と、上部に設けられるスキャナ部30と、正面上部に設けられる操作パネル部40と、正面に設けられるスロット部50とを備えている。
【0020】
プリンタ部20は、記録用紙Pに画像を記録するインクジェット方式のプリンタで構成されており、C(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色のインクを使用して、カラー印刷を行うものである。尚、プリンタ部20は、本発明の画像記録部の一例である。
【0021】
プリンタ部20の正面には、開口部21が形成されている。この開口部21に給紙トレイ22及び排紙トレイ23が上下2段に設けられている。給紙トレイ22は、記録用紙を積載するためのものである。この給紙トレイ22に積載された記録用紙は、プリンタ部20の内部へ給送され、所望の画像が印刷された後に排紙トレイ23へ排出されるようになっている。
【0022】
スキャナ部30は、フラットベッドタイプのスキャナである。原稿カバー31は、画像形成装置10の天板として設けられている。その原稿カバー31の下には、図示しないプラテンガラスが配置されている。原稿を読み取る場合は、原稿カバー31が上側に開かれ、原稿がプラテンガラス上に載置され、原稿カバー31が閉じられることで、原稿の読み取り準備が完了する。そして、ユーザにより原稿の読み取りが指示されると、プラテンガラスの下側に設けられている図示しないイメージセンサにより原稿の画像が読み取られる。例えば、原稿に、記録ディスクに記録したい画像が記載されている場合には、この画像がスキャナ部30によって読み取られる。
【0023】
操作パネル部40は、操作キー部41とLCD等の表示部42とで構成されている。操作キー部41は、数字ボタンやスタートボタン、機能操作ボタン等の各種のボタンを備えている。表示部42は、ユーザが実行する機能を指示するための機能選択画面を表示することができる。また、表示部42は、操作手順や実行中の処理の状態を表示すると共に、操作キー部41の押下に対応する情報を表示することができる。
【0024】
ユーザは、操作パネル部40を操作することで、各種機能の設定や動作を実行することができる。例えば、画像を記録する媒体の種類(記録用紙P又は記録ディスクD)及びサイズの設定や、片面印刷モードの設定、両面印刷モードの設定、お試し印刷モード等を、操作パネル部40を介して指示することができる。
【0025】
スロット部50は、記憶媒体である各種小型メモリカードが装填され得るように構成されている。例えば、スロット部50に小型メモリカードが装填された状態でユーザが操作パネル部40の操作を行うことにより、小型メモリカードに記憶された画像データが読み出され、その読み出された画像データが表示部42に表示されたり、記録用紙に印刷されることが可能となる。
【0026】
また、画像記録装置10は、記録ディスクDのレーベル面に、インクジェット方式で画像を記録可能に構成されている。記録ディスクDのレーベル面に画像を記録する場合には、図2に示すように、着脱式のディスクトレイTRに記録ディスクDが載置された状態で、そのディスクトレイTRがユーザによって、開口部21に副走査方向(前後方向)に挿入される。尚、記録ディスクDとしては、例えば、Compact Disk(以下、「CD」と称す)や、Digital Versatile Disk(以下、「DVD」と称す)や、Blu−ray Disk(以下、「BD」と称す)などが該当する。この様な記録ディスクDは、直径120mmの円形型のディスクであり、中心部には回転駆動を行うための開口穴が設けられている。このサイズが最も広く普及しているが、更に小さい直径80mmのサイズのものも流通している。
【0027】
<電気的構成>
次に、図3を参照して、画像記録装置10の電気的構成について説明する。図3は、画像記録装置10の電気的構成を示すブロック図である。図3に示すように、画像記録装置10は、CPU81、ROM82、RAM83、EEPROM87、プリンタ部20、スキャナ部30、操作パネル部40、及び、スロット部50を主に有している。
【0028】
CPU81、ROM82、及び、RAM83は、バスライン84を介して互いに接続されている。また、プリンタ部20、スキャナ部30、操作パネル部40、及び、バスライン84は、入出力ポート(ASIC)85を介して互いに接続されている。
【0029】
CPU81は、ROM82やRAM83に記憶さている固定値やプログラムに従って、画像記録装置10が有している各機能の制御や、入出力ポート85と接続された各部を制御するものである。尚、CPU81は、本発明の制御部の一例である。
【0030】
ROM82は、画像記録装置10で実行される制御プログラムなどを格納した書換不能なメモリである。例えば、図4のフローチャートに示す記録ディスクDのレーベル面に画像を記録するレーベル記録モードと、その記録ディスクDのレーベル面に記録する画像を用紙Pに記録して画像を確認するお試し記録モードとを備えるメイン処理、図5のお試し記録モードにおいて、レーベル画像データRGとジャケット画像データJGを生成し、集約画像データSGを生成するお試し記録モード処理は、このROM82に格納されている。
【0031】
また、ROM82は、レーベルフレームメモリ82aと、ジャケットフレームメモリ82aとが設けられている。レーベルフレームメモリ82aには、記録ディスクのサイズに合わせた円形のフレームデータが格納されており、例えば、後述する、図9に示すような、レーベルフレームRFが格納されている。このレーベルフレームRFは、記録ディスクの直径が120mmの場合のものだが、レーベルフレームメモリ82aには、直径が80mmのものも格納されている。
【0032】
ジャケットフレームメモリ82aには、記録ディスクを収納するケースに使用されるジャケットのサイズに合わせた四角形のフレームデータが格納されており、例えば、後述する、図11に示すような、ジャケットフレームJFが格納されている。このレーベルフレームJFは、直径が120mmの記録ディスクを収納するケースの場合のものであるが、レーベルフレームメモリ82aには、直径が80mmの記録ディスクを収納するケースのものも格納されている。
【0033】
RAM83は、CPU81が各プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域として、また作業領域として用いられる。またRAM83には、使用画像データメモリ83a、レーベル画像データメモリ83b、ジャケット画像データ83c、集約画像データメモリ83d、用紙サイズメモリ83eの各記憶領域が割り当てられている。
【0034】
使用画像データメモリ83aは、記録ディスクDに記録する画像を生成するための画像データを一時的に記憶する領域である。レーベル画像データメモリ83bは、記録ディスクDのレーベル面に記録したい円形のレーベル画像データRGを一時的に記憶する領域である。ジャケット画像データメモリ83cは、記録ディスクDを収納するケースのジャケットに使用するジャケット画像データJGを一時的に記憶する領域である。集約画像データメモリ83dは、お試し記録モードにおいて、記録ディスクDのレーベル面に記録する画像を確認するために用紙Pに記録する集約画像データSGを一時的に記憶する領域である。用紙サイズメモリ83eは、お試し記録モードにおいて、画像が記録される用紙サイズを一時的に記憶する領域である。
【0035】
EEPROM87は、電源オフ後も保持すべき設定やフラグ等を格納する。例えば、スロット部50から取り込まれた画像データを保存できる。これにより、一度取り込んだ画像データを繰り返し使用することができる。
【0036】
入出力ポート85は、CPU81からの指令に従い、接続されているプリンタ部20等の周辺機器を制御するものである。
【0037】
プリンタ部20は、入出力ポート85からの画像記録指令信号により、記録媒体(記録用紙P又は記録ディスクD)に画像を記録する。スキャナ部30は、入出力ポート85からの読取指令信号により、原稿の画像を読み取り、読み取った画像データを入出力ポート85に出力する。操作パネル部40は、入出力ポート85からの検知指令信号により、操作パネル部40の操作キー部41の操作状態を検知し、その検知された操作データを入出力ポート85に出力する。また、操作パネル部40は、入出力ポート85からの指示命令信号により、表示部42に画像表示データを供給する。スロット部50は、入出力ポート85からの読出命令信号により、小型メモリカードに記憶された画像データを読み出し、その読み出された画像データを入出力ポート85に出力する。
【0038】
<実施形態の動作>
次に、本実施形態の画像記録装置10の動作について、図4乃至図11を参照して説明する。ここで、図6は、表示部42に表示された画像データGを示す図である。図7は、表示部42に表示された画像データGとトリミング範囲THとを示す図である。図8は、RAM83の使用画像データメモリ83aに記憶されている、トリミング画像データTGを概念的に示す図である。図9は、トリミング画像データTHから生成されるレーベル画像データRGの生成方法を概念的に示す図である。図10は、RAM83のレーベル画像データメモリ83bに記憶されている、レーベル画像データRGを概念的に示す図である。図11は、トリミング画像データTHから生成されるジャケット画像データJGの生成方法を概念的に示す図である。図12は、RAM83のジャケット画像データメモリ83cに記憶されている、ジャケット画像データJGを概念的に示す図である。図13は、RAM83の集約画像データメモリ83dに記憶されている、集約画像データSGを概念的に示す図である。図14(a)は、レーベル画像データメモリ83bに記憶されているレーベル画像データRGが、お試し記録モードにおいて用紙Pに記録された内容を概念的に示す図である。図14(b)は、集約画像データメモリ83dに記憶されている集約画像データSGが、お試し記録モードにおいて用紙Pに記録された内容を概念的に示す図である。
【0039】
(メイン処理)
まず、図4を参照して、画像記録装置10のCPU81により実行されるメイン処理について説明する。図4は、画像記録装置10のメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理は、ユーザによる操作パネル部40の操作を介して、プリンタ機能、スキャナ機能、及び、コピー機能等の各種機能、プリント機能が選択された場合に実行される処理である。特に、メイン処理では、お試し記録モードにおいて、記録ディスクDのレーベル面に記録するレーベル画像データと記録ディスクDを収納するケースのジャケットとして使用するジャケット画像データとを1枚の用紙Pに記録することで、お試し記録時に発生していた余白を有効活用する処理を含んでいる。尚、本実施形態において、対象とされる記録ディスクDのサイズは直径120mmとする。
【0040】
このメイン処理では、まず、レーベル記録モードが選択されたかが判断される(ステップ1、以下ステップをSと記す)。本実施形態では、ユーザによってプリント機能が選択されると、表示部16には、レーベル記録モード、通常記録モード等のプリント種別を選択する要求が表示され、その中からレーベル記録モードが選択されたかが判断される。レーベル記録モードが選択されない場合には(S1:NO)、本メイン処理は終了する。
【0041】
一方、レーベル記録モードが選択されると(S1:YES)、記録ディスクDのレーベル面に記録するレーベル画像として使用する画像データの候補が表示部42に表示される。(S2)。表示される画像データとは、前述したように、小型メモリカードに格納されている画像や、スキャナ部30で原稿から読み取った画像や、EEPROM87に記憶されている画像である。
【0042】
その表示部42により表示されている画像データの中からレーベル画像として使用する画像データが選択されるまで待機し(S3:NO)、画像データが選択されると(S3:YES)、その選択された画像データが表示部42に表示される(S4)。本実施形態においては、ステップS3において、図6に示す画像データ6が選択され、表示部42に表示されたとする。
【0043】
次に、表示部42に表示されている画像データGに対して、トリミング処理が選択されたか否かが判断される(S5)。トリミング処理が選択されると(S5:YES)、図7に示すように、表示部42の画像データG上にトリミング範囲THが表示される。操作キー部41をユーザが操作することによって、トリミング範囲THの移動や拡大・縮小を行うことができる。このようにして、図7に示す位置でトリミング範囲THがユーザによって指定されると、トリミング範囲THに囲まれた範囲のトリミング処理が行われる(S6)。トリミング処理によって切り取られた範囲から、図8に示すトリミング画像データTGが生成される(S7)。生成されたトリミング画像データTGが使用画像データメモリ83aに記憶される(S8)。トリミング処理が選択されなければ(S5:NO)、画像データGが使用画像データメモリ83aに記憶される。尚、本実施形態において、この使用画像データメモリ83aに記憶されている画像データ全体の矩形範囲が記録ディスクDのレーベル面に記録する範囲として設定される。また、使用画像データメモリ83aに記憶されている画像データは、トリミング画像データTGとする。
【0044】
次に、記録ディスクDのレーベル面に画像を記録するか、お試し記録モードとして用紙Pに画像を記録するかが判断される(S9)。お試し記録モードが選択されたと判断すると(S9:YES)、図5に示す、お試し記録モードにおいて用紙Pに記録されるレーベル画像データRGとジャケット画像データJGとを生成するお試し記録モード処理が実行される(S10)。お試し記録モード処理の詳細については、後述する。
【0045】
次に、ステップS10において生成された画像データが表示部42に表示されている。後述するが、表示部42に表示されている画像データは図10に示すレーベル画像データRG、もしくは、図13に示す集約画像データSGである。ユーザが操作パネル40を介して「記録OK」を入力したか否かが判断される(S11)。「記録OK」の入力がない場合には(S11:NO)、ステップS4からの処理が繰り返され、「記録OK」の入力があった場合には(S11:YES)、予め画像記録装置10で設定されている画像を記録する用紙サイズがお試し記録モードにおいて適しているか否かを判断する(S12)。表示部42に表示されている画像がお試し記録モードとして用紙Pに記録される(S12)。そして、本メイン処理を終了する。
【0046】
尚、ステップS12において用紙Pには、図14(a)に示す直径120mmのレーベル画像データRGが記録される、もしくは、図14(b)に示す、直径120mmのレーベル画像データRGと、縦120mm、横120mmのジャケット画像データJGとの集約画像データSGが記録される。
【0047】
レーベル記録モードが選択されたと判断すると(S9:NO)、使用画像データメモリ83aに記憶されているトリミング画像データTGから記録ディスクDのレーベル面に記録するレーベル画像データRGを生成する(S13)。ここで、図9を参照して、レーベル画像データRGの生成方法について説明する。例えば、図9に示すように、座標をとり、使用画像データメモリ83aに記憶されているトリミング画像データTGの頂点座標をX1、X2、X3、X4とする。線X1−X4と線X2−X4との交点から中心座標T1を算出する。そしてレーベルフレームメモリ82aに記録媒体の大きさに合わせて記憶されているレーベルフレームRFの中心が中心座標T1に位置するように配置する。その配置されたレーベルフレームRFの領域から、図10に示すレーベル画像データRGを所定のレーベルサイズに合わせて生成する。尚、本実施形態において、レーベルフレームRFの形状は、図9に示すように、中心部に円形の穴を有する輪形状となっている。
【0048】
生成されたレーベル画像データRGをレーベル画像データメモリ83bに記憶する(S14)。レーベル画像データメモリ83bに記憶されているレーベル画像データRGが表示部42に表示される(S15)。ユーザが操作パネル40を介して「記録OK」を入力したか否かが判断される(S16)。「記録OK」の入力がない場合には(S16:NO)、ステップS4からの処理が繰り返され、「記録OK」の入力があった場合には(S16:YES)、レーベルトレイTRが挿入されているか判断する(S17)。レーベルトレイTRが挿入されていなければ、レーベルトレイTRを挿入するようにユーザに促し、レーベルトレイが挿入されるまで待機する(S17:NO)。レーベルトレイが挿入されていれば記録ディスクDのレーベル面にレーベル画像データRGを記録する(S18)そして、本メイン処理を終了する。
【0049】
(お試し記録モード処理)
画像記録装置10のお試し記録モード処理の詳細について、図5を参照して説明する。図5は、ステップS10にて実行されるお試し記録モード処理の詳細を示すフローチャートである。
【0050】
このお試し記録モード処理では、まず、使用画像データ記録部83aに記憶されているトリミング画像データTGから、お試し記録モードにおいて用紙Pに記録されるレーベル画像データRGとジャケット画像データJGとが生成される(S30)。尚、ステップS30は、本発明の画像データ生成部の一例である。
【0051】
ここで、図11を参照して、ジャケット画像データJGの生成方法について説明する。尚、レーベル画像データRGの生成方法は上述したステップS13において説明したので省略する。例えば、図11に示すように、座標をとり、使用画像データメモリ83aに記憶されているトリミング画像データTGの頂点座標をX1、X2、X3、X4とする。線X1−X4と線X2−X4との交点から中心T1を算出する。そしてジャケットフレームメモリ82bに記憶されているジャケットフレームRFの中心が中心座標T1に位置するように配置する。その配置されたレーベルフレームRFの領域から、図12に示すジャケット画像データJGを所定のジャケットサイズに合わせて生成する。
【0052】
生成されたレーベル画像データRGをレーベル画像データメモリ83bに、ジャケット画像データJGをジャケット画像データメモリ83cに記憶する(S31)。
【0053】
次に、お試し記録モードにおいて、画像データを記録する用紙サイズを設定する(S32)。ここでユーザによって設定された用紙サイズが用紙サイズメモリ83eに記憶される。本実施形態において、用紙サイズメモリ83eに記憶されている用紙サイズはA4サイズとする。
【0054】
用紙サイズメモリ83eに記憶されている用紙サイズから、レーベル画像データRGとジャケット画像データJGとを記録して納まるか否かが判断される(S33)。すなわち、レーベル画像データRGは直径120mmの円形、ジャケット画像データJGは120mm×120mmの四角形で出力されるので、用紙サイズは最低でも240mm×120mmは必要となる。例えば、ステップS32において、ユーザが設定した用紙サイズがA4サイズ(297mm×210mm)だった場合は、レーベル画像データRGとジャケット画像データJGとが1枚の用紙Pに納めることができる(S33:YES)。よって、ステップS34に進む。しかし、設定されている用紙サイズがA5サイズ(210mm×148mm)だった場合は、レーベル画像データRGとジャケット画像データJGとが1枚の用紙Pに納めることができない(S33:NO)。よって、ステップS37に進み、レーベル画像データRGを表示部42に表示し(S38)、お試し記録モード処理を終了する。
【0055】
ステップS33において、レーベル画像データRGとジャケット画像データJGとが1枚の用紙Pに納めることができると判断された場合は(S33:YES)、お試し記録モードにおいて、用紙Pにレーベル画像データRGとジャケット画像データJGとを記録するか否かが判断される(S34)。レーベル画像データRGとジャケット画像データJGとを記録すると判断された場合は(S34:YES)、レーベル画像データRGとジャケット画像データJGとが同じ用紙P上に記録されるように、図13に示す、集約画像データSGを作成する(S35)。尚、ステップS35は、本発明の集約部の一例である。
【0056】
ここで、図13を参照して、ステップS34における集約画像データSGの作成方法について説明する。ステップS34においては、まず、用紙サイズメモリ83eに記憶されている用紙サイズからレーベル画像データRGとジャケット画像データJGとの用紙P上での配置位置を算出する。図13に示すように、座標をとり、用紙Pの頂点座標をY1、Y2、Y3、Y4とする。次に、線Y1−Y3の中点座標Y5、線Y2―Y4の中点座標Y6を算出する。線Y1−Y6と線Y2−Y5との交点から中心座標T2を算出する。また、線Y3−Y6と線Y4−Y5との交点から中心座標T3を算出する。この算出された中心座標T2に、レーベル画像データメモリ83cに記憶されているレーベル画像データRGの中心が位置するように配置され、中心座標T3に、ジャケット画像データメモリ83dに記憶されているジャケット画像データJGの中心が位置するように配置される。即ち、レーベル画像データRGとジャケット画像データJGとが、用紙Pに対して算出された各位置に記録されるように配置されて集約画像データSGとして作成される。
【0057】
集約画像データSGを集約画像データメモリ83dに記憶する(S36)。集約画像データSGを表示部42に表示し(S37)、お試し記録モード処理を終了する。レーベル画像データRGのみを記録すると判断された場合は(S34:NO)、レーベル画像データRGを表示部42に表示し(S38)、お試し記録モード処理を終了する。
【0058】
上述したが、ステップS10のお試し記録モード処理が終了すると、ステップS11に進み、ステップS10のお試し記録モード処理で生成された画像データが、お試し記録モードとして用紙Pに記録される処理が行われる。
【0059】
本実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0060】
本実施形態では、お試し記録モードにおいて、集約画像データSGを記録する用紙サイズをA4サイズとしたが、レーベル画像データRGとジャケット画像データSGとが納まる用紙サイズであれば良い。例えば、B5(257mm×182mm)、B4(364mm×257mm)等の用紙サイズでも良い。
【0061】
本実施形態では、お試し記録モードにおいて、用紙Pに記録されるレーベル画像データのサイズを直径120mmとしたが、これに限定されるものではない。例えば、ユーザによってサイズを調整することができ、直径116mm、118mm等のサイズも設定できる。また、直径だけでなく、上述した中心部の円形の穴のサイズも調節し設定できる。
【0062】
本実施形態では、お試し記録モードにおいて、用紙Pに記録されるジャケット画像データのサイズ(縦×横)を120mm×120mmとしたが、これに限定されるものではない。例えば、ユーザによってサイズを調整することができ、116×118mm、118mm×118mm等のサイズも設定できる。
【符号の説明】
【0063】
10 画像記録装置
20 プリンタ部
30 スキャナ部
40 操作パネル部
42 表示部
50 スロット部
81 CPU
83a 使用画像データメモリ
83d 集約画像データメモリ
D 記録ディスク
RG レーベル画像データ
JG ジャケット画像データ
SG 集約画像データ
S10 お試し記録モード処理
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に関するものであり、より詳しくは、CD(Compact Disc)等の記録媒体のレーベル面に記録する画像を、用紙に記録して画像確認等を行うお試し記録モードを備えた画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)等の円形状に形成された記録媒体をトレイに載置し、その記録媒体のレーベル面に画像を記録可能な画像記録装置が知られている。
【0003】
CD、DVD等の記憶領域には、ユーザによって、音楽データ、写真データ、動画データ等の各種データが記憶されている。記憶した各種データを使用しないときにはCD、DVD等はケースに収納されている。ユーザはCD、DVD等の記憶領域内の各種データの内容を外観で判断するために、レーベル面にその各種データに合った画像を記録する。
【0004】
このような、CD、DVD等をプレイヤーで複数枚使用していた後に、それぞれの収納するケースに戻す際に、対応するケースがどのケースなのか見分けがつかない場合がある。その為、対応するCD、DVD等に合った画像を用紙に記録しジャケット用紙としてケースに収納しておく必要があるが、ジャケット用紙としてジャケットのサイズや画像データの作成、そしてそれらの色を調整しなければならず面倒な作業である。
【0005】
また、CD、DVD等のレーベル面に画像を記録する場合は、通常の用紙への記録とは異なり、記録媒体に対する画像の記録位置や画像の色、濃度等をより丁寧に設定する必要がある。つまり、通常の用紙への記録においては、ユーザの意図とする色や大きさの画像が記録されなかった場合、再度画像を修正して他の用紙に記録すれば意図とする画像が得られる。しかし、CD、DVD等のレーベル面とは反対側の記憶領域には、写真データ、動画データ等の各種データが記憶されているため、CD、DVD等のレーベル面への記録においては、ユーザの意図する色や大きさの画像が記録されなかった場合、再度画像を修正して新たな他のCD、DVD等のレーベル面に記録したとしても、各種データも再度記憶させなければならず面倒であった。
【0006】
このため、実際に記録したいCD、DVD等のレーベル面に画像を記録する前に、用紙に画像を記録することで、CD、DVD等のレーベル面に対する画像の位置や画像の色、濃度等を確認するお試し記録モードという機能を備えた画像記録装置が存在している。また、特許文献1には、お試し記録モードにおいて、葉書に記録する画像を通常の用紙に記録することで、葉書に対する画像の位置や画像の色、濃度が確認できることも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−102990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した特許文献1に記載されている画像記録装置において、お試し記録モードで用紙に画像を記録した場合、ユーザが設定を行った画像のみしか用紙に記録されないため大きな余白が発生してしまい、用紙の余白が無駄になっていた。CD、DVD等のレーベル面に記録する画像を用紙に記録した場合においても同様の問題が発生する。更に、特許文献1に記載の画像記録装置においては、作成された画像を単にお試し記録するだけで、レーベル面の画像やそれに関連するジャケット用紙の画像に関しての問題は解決されていない。
【0009】
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、レーベル記録用の画像データから容易にジャケット用紙用の画像データを生成できる。更に、CD、DVD等のレーベル面に記録する画像を用紙に記録するお試し記録モードにおいて、レーベル面に記録したいレーベル画像とCD、DVD等を収納するケースに装着するジャケットとして使用されるジャケット画像とを記録する。これにより、記録されたジャケット画像を切り取ってケースのジャケットとして使用でき、お試し記録モードにおいて発生する余白を無駄にせず有効に活用することができる画像処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するために、請求項1に記載の画像記録装置は、記録ディスクのレーベル面に記録する画像を記録用紙に試し記録を行う試し記録モードを有する画像記録装置において、前記試し記録モードが選択されると、入力される画像データの前記記録ディスクのレーベル面に記録する範囲を設定する範囲設定部と、前記範囲設定部によって設定された前記画像データ上の範囲に基づいて、前記記録ディスクのレーベル面に記録されるレーベル画像データと前記記録ディスクを収納するケースに装着されるジャケットとして使用されるジャケット画像データとを生成する画像データ生成部と、前記画像データ生成部によって生成された前記レーベル画像データと前記ジャケット画像データとが同一の記録用紙上に記録されるように、両画像データを集約した集約画像データを作成する集約部と、前記集約部によって作成された前記集約画像データを前記記録用紙に記録する画像記録部と、を備えたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項2に記載の画像記録装置は、請求項1に記載の画像記録装置において、入力される前記画像データを表示する表示部と、前記表示部に表示された画像データ上でトリミングを行う範囲の指定を行うトリミング範囲指定部と、前記トリミング範囲指定部によって指定された範囲のトリミングを行うトリミング処理部と、前記トリミング処理部によってトリミングされた範囲のトリミング画像データを生成するトリミング画像生成部と、を備え、前記範囲設定部は、前記トリミング画像生成部によって生成された前記トリミング画像を、前記記録ディスクのレーベル面に記録する画像範囲として設定することを特徴とするものである。
【0012】
請求項3に記載の画像記録装置は、請求項1または2に記載の画像記録装置において、前記記録用紙のサイズを検出する用紙サイズ検出部と、前記用紙サイズ検出部によって検出された記録用紙のサイズが、前記集約画像データを記録可能なサイズか否かを判断する判断部と、前記判断部によって、記録用紙のサイズが前記集約画像データを記録できないサイズと判断された場合は、前記画像記録部によって当該記録用紙に前記レーベル画像データを記録させ、記録用紙のサイズが前記集約画像データを記録できるサイズと判断された場合は、前記画像記録部によって当該記録用紙に前記集約画像データを記録させる制御部と、を備えたことを特徴するものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、記録ディスクのレーベル面に記録する画像を記録用紙に記録する試し記録モードにおいて、記録用紙にレーベル面に記録するレーベル画像と記録ディスクを収納するケースに装着するジャケットとして使用されるジャケット画像とを記録する。これにより、記録されたジャケット画像を切り取ってケースのジャケットとして使用でき、無駄な余白の発生を解消できる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の画像記録装置の奏する効果に加え、
表示部に表示された画像データのある範囲をユーザが指定してトリミングすることで、そのトリミングされた範囲のみのトリミング画像データを、試し記録モードにおいて使用する画像データにすることができる。よって、入力された1つの画像データから、ユーザの好みに合わせた様々なレーベル画像データとジャケット画像データとを作成することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の画像記録装置の奏する効果に加え、用紙のサイズに応じて記録する画像データを決定することで、用紙のサイズに合った適切な画像データを記録することができる。また、レーベル画像のみの記録では大きな余白が発生する用紙サイズでは、ジャケット画像も記録することで、無駄な余白の発生を解消できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態における画像記録装置の外観的構成を示した斜視図である。
【図2】本発明の実施形態におけるレーベル記録時の画像記録装置の外観的構成を示した斜視図である。
【図3】画像記録装置の電気的構成を示すブロック部である。
【図4】画像記録装置のメイン処理を示すフローチャートである。
【図5】画像記録装置のお試し記録モード処理を示すフローチャートである。
【図6】画像データが表示部に表示された状態を示す図である。
【図7】表示部に表示された画像データとトリミング範囲とを示す図である。
【図8】トリミング画像データを概念的に示す図である。
【図9】トリミング画像データから生成されるレーベル画像データの生成方法を概念的に示す図である。
【図10】レーベル画像データを概念的に示す図である。
【図11】トリミング画像データから生成されるジャケット画像データの生成方法を概念的に示す図である。
【図12】ジャケット画像データを概念的に示す図である。
【図13】集約画像データを概念的に示す図である。
【図14】お試し記録モードにおいて用紙Pに記録される内容を概念的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明を多機能型の画像記録装置に適用した実施形態について、添付資料を参照して以下に説明する。多機能型の画像記録装置は、プリンタ機能、スキャナ機能、及び、コピー機能等を備えており、公知なものである。
【0018】
<外観的構成>
図1は、本実施形態の画像記録装置10の外観的構成を示す斜視図である。以下の説明において、図1の画像記録装置10の手前側を前側とし、矢印左右で示す方向を左右方向(主走査方向)とし、矢印前後で示す方向を前後方向(副走査方向)とし、矢印上下で示す方向を上下方向とする。
【0019】
図1に示すように、画像記録装置10は、主に、下部に設けられるプリンタ部20と、上部に設けられるスキャナ部30と、正面上部に設けられる操作パネル部40と、正面に設けられるスロット部50とを備えている。
【0020】
プリンタ部20は、記録用紙Pに画像を記録するインクジェット方式のプリンタで構成されており、C(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色のインクを使用して、カラー印刷を行うものである。尚、プリンタ部20は、本発明の画像記録部の一例である。
【0021】
プリンタ部20の正面には、開口部21が形成されている。この開口部21に給紙トレイ22及び排紙トレイ23が上下2段に設けられている。給紙トレイ22は、記録用紙を積載するためのものである。この給紙トレイ22に積載された記録用紙は、プリンタ部20の内部へ給送され、所望の画像が印刷された後に排紙トレイ23へ排出されるようになっている。
【0022】
スキャナ部30は、フラットベッドタイプのスキャナである。原稿カバー31は、画像形成装置10の天板として設けられている。その原稿カバー31の下には、図示しないプラテンガラスが配置されている。原稿を読み取る場合は、原稿カバー31が上側に開かれ、原稿がプラテンガラス上に載置され、原稿カバー31が閉じられることで、原稿の読み取り準備が完了する。そして、ユーザにより原稿の読み取りが指示されると、プラテンガラスの下側に設けられている図示しないイメージセンサにより原稿の画像が読み取られる。例えば、原稿に、記録ディスクに記録したい画像が記載されている場合には、この画像がスキャナ部30によって読み取られる。
【0023】
操作パネル部40は、操作キー部41とLCD等の表示部42とで構成されている。操作キー部41は、数字ボタンやスタートボタン、機能操作ボタン等の各種のボタンを備えている。表示部42は、ユーザが実行する機能を指示するための機能選択画面を表示することができる。また、表示部42は、操作手順や実行中の処理の状態を表示すると共に、操作キー部41の押下に対応する情報を表示することができる。
【0024】
ユーザは、操作パネル部40を操作することで、各種機能の設定や動作を実行することができる。例えば、画像を記録する媒体の種類(記録用紙P又は記録ディスクD)及びサイズの設定や、片面印刷モードの設定、両面印刷モードの設定、お試し印刷モード等を、操作パネル部40を介して指示することができる。
【0025】
スロット部50は、記憶媒体である各種小型メモリカードが装填され得るように構成されている。例えば、スロット部50に小型メモリカードが装填された状態でユーザが操作パネル部40の操作を行うことにより、小型メモリカードに記憶された画像データが読み出され、その読み出された画像データが表示部42に表示されたり、記録用紙に印刷されることが可能となる。
【0026】
また、画像記録装置10は、記録ディスクDのレーベル面に、インクジェット方式で画像を記録可能に構成されている。記録ディスクDのレーベル面に画像を記録する場合には、図2に示すように、着脱式のディスクトレイTRに記録ディスクDが載置された状態で、そのディスクトレイTRがユーザによって、開口部21に副走査方向(前後方向)に挿入される。尚、記録ディスクDとしては、例えば、Compact Disk(以下、「CD」と称す)や、Digital Versatile Disk(以下、「DVD」と称す)や、Blu−ray Disk(以下、「BD」と称す)などが該当する。この様な記録ディスクDは、直径120mmの円形型のディスクであり、中心部には回転駆動を行うための開口穴が設けられている。このサイズが最も広く普及しているが、更に小さい直径80mmのサイズのものも流通している。
【0027】
<電気的構成>
次に、図3を参照して、画像記録装置10の電気的構成について説明する。図3は、画像記録装置10の電気的構成を示すブロック図である。図3に示すように、画像記録装置10は、CPU81、ROM82、RAM83、EEPROM87、プリンタ部20、スキャナ部30、操作パネル部40、及び、スロット部50を主に有している。
【0028】
CPU81、ROM82、及び、RAM83は、バスライン84を介して互いに接続されている。また、プリンタ部20、スキャナ部30、操作パネル部40、及び、バスライン84は、入出力ポート(ASIC)85を介して互いに接続されている。
【0029】
CPU81は、ROM82やRAM83に記憶さている固定値やプログラムに従って、画像記録装置10が有している各機能の制御や、入出力ポート85と接続された各部を制御するものである。尚、CPU81は、本発明の制御部の一例である。
【0030】
ROM82は、画像記録装置10で実行される制御プログラムなどを格納した書換不能なメモリである。例えば、図4のフローチャートに示す記録ディスクDのレーベル面に画像を記録するレーベル記録モードと、その記録ディスクDのレーベル面に記録する画像を用紙Pに記録して画像を確認するお試し記録モードとを備えるメイン処理、図5のお試し記録モードにおいて、レーベル画像データRGとジャケット画像データJGを生成し、集約画像データSGを生成するお試し記録モード処理は、このROM82に格納されている。
【0031】
また、ROM82は、レーベルフレームメモリ82aと、ジャケットフレームメモリ82aとが設けられている。レーベルフレームメモリ82aには、記録ディスクのサイズに合わせた円形のフレームデータが格納されており、例えば、後述する、図9に示すような、レーベルフレームRFが格納されている。このレーベルフレームRFは、記録ディスクの直径が120mmの場合のものだが、レーベルフレームメモリ82aには、直径が80mmのものも格納されている。
【0032】
ジャケットフレームメモリ82aには、記録ディスクを収納するケースに使用されるジャケットのサイズに合わせた四角形のフレームデータが格納されており、例えば、後述する、図11に示すような、ジャケットフレームJFが格納されている。このレーベルフレームJFは、直径が120mmの記録ディスクを収納するケースの場合のものであるが、レーベルフレームメモリ82aには、直径が80mmの記録ディスクを収納するケースのものも格納されている。
【0033】
RAM83は、CPU81が各プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域として、また作業領域として用いられる。またRAM83には、使用画像データメモリ83a、レーベル画像データメモリ83b、ジャケット画像データ83c、集約画像データメモリ83d、用紙サイズメモリ83eの各記憶領域が割り当てられている。
【0034】
使用画像データメモリ83aは、記録ディスクDに記録する画像を生成するための画像データを一時的に記憶する領域である。レーベル画像データメモリ83bは、記録ディスクDのレーベル面に記録したい円形のレーベル画像データRGを一時的に記憶する領域である。ジャケット画像データメモリ83cは、記録ディスクDを収納するケースのジャケットに使用するジャケット画像データJGを一時的に記憶する領域である。集約画像データメモリ83dは、お試し記録モードにおいて、記録ディスクDのレーベル面に記録する画像を確認するために用紙Pに記録する集約画像データSGを一時的に記憶する領域である。用紙サイズメモリ83eは、お試し記録モードにおいて、画像が記録される用紙サイズを一時的に記憶する領域である。
【0035】
EEPROM87は、電源オフ後も保持すべき設定やフラグ等を格納する。例えば、スロット部50から取り込まれた画像データを保存できる。これにより、一度取り込んだ画像データを繰り返し使用することができる。
【0036】
入出力ポート85は、CPU81からの指令に従い、接続されているプリンタ部20等の周辺機器を制御するものである。
【0037】
プリンタ部20は、入出力ポート85からの画像記録指令信号により、記録媒体(記録用紙P又は記録ディスクD)に画像を記録する。スキャナ部30は、入出力ポート85からの読取指令信号により、原稿の画像を読み取り、読み取った画像データを入出力ポート85に出力する。操作パネル部40は、入出力ポート85からの検知指令信号により、操作パネル部40の操作キー部41の操作状態を検知し、その検知された操作データを入出力ポート85に出力する。また、操作パネル部40は、入出力ポート85からの指示命令信号により、表示部42に画像表示データを供給する。スロット部50は、入出力ポート85からの読出命令信号により、小型メモリカードに記憶された画像データを読み出し、その読み出された画像データを入出力ポート85に出力する。
【0038】
<実施形態の動作>
次に、本実施形態の画像記録装置10の動作について、図4乃至図11を参照して説明する。ここで、図6は、表示部42に表示された画像データGを示す図である。図7は、表示部42に表示された画像データGとトリミング範囲THとを示す図である。図8は、RAM83の使用画像データメモリ83aに記憶されている、トリミング画像データTGを概念的に示す図である。図9は、トリミング画像データTHから生成されるレーベル画像データRGの生成方法を概念的に示す図である。図10は、RAM83のレーベル画像データメモリ83bに記憶されている、レーベル画像データRGを概念的に示す図である。図11は、トリミング画像データTHから生成されるジャケット画像データJGの生成方法を概念的に示す図である。図12は、RAM83のジャケット画像データメモリ83cに記憶されている、ジャケット画像データJGを概念的に示す図である。図13は、RAM83の集約画像データメモリ83dに記憶されている、集約画像データSGを概念的に示す図である。図14(a)は、レーベル画像データメモリ83bに記憶されているレーベル画像データRGが、お試し記録モードにおいて用紙Pに記録された内容を概念的に示す図である。図14(b)は、集約画像データメモリ83dに記憶されている集約画像データSGが、お試し記録モードにおいて用紙Pに記録された内容を概念的に示す図である。
【0039】
(メイン処理)
まず、図4を参照して、画像記録装置10のCPU81により実行されるメイン処理について説明する。図4は、画像記録装置10のメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理は、ユーザによる操作パネル部40の操作を介して、プリンタ機能、スキャナ機能、及び、コピー機能等の各種機能、プリント機能が選択された場合に実行される処理である。特に、メイン処理では、お試し記録モードにおいて、記録ディスクDのレーベル面に記録するレーベル画像データと記録ディスクDを収納するケースのジャケットとして使用するジャケット画像データとを1枚の用紙Pに記録することで、お試し記録時に発生していた余白を有効活用する処理を含んでいる。尚、本実施形態において、対象とされる記録ディスクDのサイズは直径120mmとする。
【0040】
このメイン処理では、まず、レーベル記録モードが選択されたかが判断される(ステップ1、以下ステップをSと記す)。本実施形態では、ユーザによってプリント機能が選択されると、表示部16には、レーベル記録モード、通常記録モード等のプリント種別を選択する要求が表示され、その中からレーベル記録モードが選択されたかが判断される。レーベル記録モードが選択されない場合には(S1:NO)、本メイン処理は終了する。
【0041】
一方、レーベル記録モードが選択されると(S1:YES)、記録ディスクDのレーベル面に記録するレーベル画像として使用する画像データの候補が表示部42に表示される。(S2)。表示される画像データとは、前述したように、小型メモリカードに格納されている画像や、スキャナ部30で原稿から読み取った画像や、EEPROM87に記憶されている画像である。
【0042】
その表示部42により表示されている画像データの中からレーベル画像として使用する画像データが選択されるまで待機し(S3:NO)、画像データが選択されると(S3:YES)、その選択された画像データが表示部42に表示される(S4)。本実施形態においては、ステップS3において、図6に示す画像データ6が選択され、表示部42に表示されたとする。
【0043】
次に、表示部42に表示されている画像データGに対して、トリミング処理が選択されたか否かが判断される(S5)。トリミング処理が選択されると(S5:YES)、図7に示すように、表示部42の画像データG上にトリミング範囲THが表示される。操作キー部41をユーザが操作することによって、トリミング範囲THの移動や拡大・縮小を行うことができる。このようにして、図7に示す位置でトリミング範囲THがユーザによって指定されると、トリミング範囲THに囲まれた範囲のトリミング処理が行われる(S6)。トリミング処理によって切り取られた範囲から、図8に示すトリミング画像データTGが生成される(S7)。生成されたトリミング画像データTGが使用画像データメモリ83aに記憶される(S8)。トリミング処理が選択されなければ(S5:NO)、画像データGが使用画像データメモリ83aに記憶される。尚、本実施形態において、この使用画像データメモリ83aに記憶されている画像データ全体の矩形範囲が記録ディスクDのレーベル面に記録する範囲として設定される。また、使用画像データメモリ83aに記憶されている画像データは、トリミング画像データTGとする。
【0044】
次に、記録ディスクDのレーベル面に画像を記録するか、お試し記録モードとして用紙Pに画像を記録するかが判断される(S9)。お試し記録モードが選択されたと判断すると(S9:YES)、図5に示す、お試し記録モードにおいて用紙Pに記録されるレーベル画像データRGとジャケット画像データJGとを生成するお試し記録モード処理が実行される(S10)。お試し記録モード処理の詳細については、後述する。
【0045】
次に、ステップS10において生成された画像データが表示部42に表示されている。後述するが、表示部42に表示されている画像データは図10に示すレーベル画像データRG、もしくは、図13に示す集約画像データSGである。ユーザが操作パネル40を介して「記録OK」を入力したか否かが判断される(S11)。「記録OK」の入力がない場合には(S11:NO)、ステップS4からの処理が繰り返され、「記録OK」の入力があった場合には(S11:YES)、予め画像記録装置10で設定されている画像を記録する用紙サイズがお試し記録モードにおいて適しているか否かを判断する(S12)。表示部42に表示されている画像がお試し記録モードとして用紙Pに記録される(S12)。そして、本メイン処理を終了する。
【0046】
尚、ステップS12において用紙Pには、図14(a)に示す直径120mmのレーベル画像データRGが記録される、もしくは、図14(b)に示す、直径120mmのレーベル画像データRGと、縦120mm、横120mmのジャケット画像データJGとの集約画像データSGが記録される。
【0047】
レーベル記録モードが選択されたと判断すると(S9:NO)、使用画像データメモリ83aに記憶されているトリミング画像データTGから記録ディスクDのレーベル面に記録するレーベル画像データRGを生成する(S13)。ここで、図9を参照して、レーベル画像データRGの生成方法について説明する。例えば、図9に示すように、座標をとり、使用画像データメモリ83aに記憶されているトリミング画像データTGの頂点座標をX1、X2、X3、X4とする。線X1−X4と線X2−X4との交点から中心座標T1を算出する。そしてレーベルフレームメモリ82aに記録媒体の大きさに合わせて記憶されているレーベルフレームRFの中心が中心座標T1に位置するように配置する。その配置されたレーベルフレームRFの領域から、図10に示すレーベル画像データRGを所定のレーベルサイズに合わせて生成する。尚、本実施形態において、レーベルフレームRFの形状は、図9に示すように、中心部に円形の穴を有する輪形状となっている。
【0048】
生成されたレーベル画像データRGをレーベル画像データメモリ83bに記憶する(S14)。レーベル画像データメモリ83bに記憶されているレーベル画像データRGが表示部42に表示される(S15)。ユーザが操作パネル40を介して「記録OK」を入力したか否かが判断される(S16)。「記録OK」の入力がない場合には(S16:NO)、ステップS4からの処理が繰り返され、「記録OK」の入力があった場合には(S16:YES)、レーベルトレイTRが挿入されているか判断する(S17)。レーベルトレイTRが挿入されていなければ、レーベルトレイTRを挿入するようにユーザに促し、レーベルトレイが挿入されるまで待機する(S17:NO)。レーベルトレイが挿入されていれば記録ディスクDのレーベル面にレーベル画像データRGを記録する(S18)そして、本メイン処理を終了する。
【0049】
(お試し記録モード処理)
画像記録装置10のお試し記録モード処理の詳細について、図5を参照して説明する。図5は、ステップS10にて実行されるお試し記録モード処理の詳細を示すフローチャートである。
【0050】
このお試し記録モード処理では、まず、使用画像データ記録部83aに記憶されているトリミング画像データTGから、お試し記録モードにおいて用紙Pに記録されるレーベル画像データRGとジャケット画像データJGとが生成される(S30)。尚、ステップS30は、本発明の画像データ生成部の一例である。
【0051】
ここで、図11を参照して、ジャケット画像データJGの生成方法について説明する。尚、レーベル画像データRGの生成方法は上述したステップS13において説明したので省略する。例えば、図11に示すように、座標をとり、使用画像データメモリ83aに記憶されているトリミング画像データTGの頂点座標をX1、X2、X3、X4とする。線X1−X4と線X2−X4との交点から中心T1を算出する。そしてジャケットフレームメモリ82bに記憶されているジャケットフレームRFの中心が中心座標T1に位置するように配置する。その配置されたレーベルフレームRFの領域から、図12に示すジャケット画像データJGを所定のジャケットサイズに合わせて生成する。
【0052】
生成されたレーベル画像データRGをレーベル画像データメモリ83bに、ジャケット画像データJGをジャケット画像データメモリ83cに記憶する(S31)。
【0053】
次に、お試し記録モードにおいて、画像データを記録する用紙サイズを設定する(S32)。ここでユーザによって設定された用紙サイズが用紙サイズメモリ83eに記憶される。本実施形態において、用紙サイズメモリ83eに記憶されている用紙サイズはA4サイズとする。
【0054】
用紙サイズメモリ83eに記憶されている用紙サイズから、レーベル画像データRGとジャケット画像データJGとを記録して納まるか否かが判断される(S33)。すなわち、レーベル画像データRGは直径120mmの円形、ジャケット画像データJGは120mm×120mmの四角形で出力されるので、用紙サイズは最低でも240mm×120mmは必要となる。例えば、ステップS32において、ユーザが設定した用紙サイズがA4サイズ(297mm×210mm)だった場合は、レーベル画像データRGとジャケット画像データJGとが1枚の用紙Pに納めることができる(S33:YES)。よって、ステップS34に進む。しかし、設定されている用紙サイズがA5サイズ(210mm×148mm)だった場合は、レーベル画像データRGとジャケット画像データJGとが1枚の用紙Pに納めることができない(S33:NO)。よって、ステップS37に進み、レーベル画像データRGを表示部42に表示し(S38)、お試し記録モード処理を終了する。
【0055】
ステップS33において、レーベル画像データRGとジャケット画像データJGとが1枚の用紙Pに納めることができると判断された場合は(S33:YES)、お試し記録モードにおいて、用紙Pにレーベル画像データRGとジャケット画像データJGとを記録するか否かが判断される(S34)。レーベル画像データRGとジャケット画像データJGとを記録すると判断された場合は(S34:YES)、レーベル画像データRGとジャケット画像データJGとが同じ用紙P上に記録されるように、図13に示す、集約画像データSGを作成する(S35)。尚、ステップS35は、本発明の集約部の一例である。
【0056】
ここで、図13を参照して、ステップS34における集約画像データSGの作成方法について説明する。ステップS34においては、まず、用紙サイズメモリ83eに記憶されている用紙サイズからレーベル画像データRGとジャケット画像データJGとの用紙P上での配置位置を算出する。図13に示すように、座標をとり、用紙Pの頂点座標をY1、Y2、Y3、Y4とする。次に、線Y1−Y3の中点座標Y5、線Y2―Y4の中点座標Y6を算出する。線Y1−Y6と線Y2−Y5との交点から中心座標T2を算出する。また、線Y3−Y6と線Y4−Y5との交点から中心座標T3を算出する。この算出された中心座標T2に、レーベル画像データメモリ83cに記憶されているレーベル画像データRGの中心が位置するように配置され、中心座標T3に、ジャケット画像データメモリ83dに記憶されているジャケット画像データJGの中心が位置するように配置される。即ち、レーベル画像データRGとジャケット画像データJGとが、用紙Pに対して算出された各位置に記録されるように配置されて集約画像データSGとして作成される。
【0057】
集約画像データSGを集約画像データメモリ83dに記憶する(S36)。集約画像データSGを表示部42に表示し(S37)、お試し記録モード処理を終了する。レーベル画像データRGのみを記録すると判断された場合は(S34:NO)、レーベル画像データRGを表示部42に表示し(S38)、お試し記録モード処理を終了する。
【0058】
上述したが、ステップS10のお試し記録モード処理が終了すると、ステップS11に進み、ステップS10のお試し記録モード処理で生成された画像データが、お試し記録モードとして用紙Pに記録される処理が行われる。
【0059】
本実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0060】
本実施形態では、お試し記録モードにおいて、集約画像データSGを記録する用紙サイズをA4サイズとしたが、レーベル画像データRGとジャケット画像データSGとが納まる用紙サイズであれば良い。例えば、B5(257mm×182mm)、B4(364mm×257mm)等の用紙サイズでも良い。
【0061】
本実施形態では、お試し記録モードにおいて、用紙Pに記録されるレーベル画像データのサイズを直径120mmとしたが、これに限定されるものではない。例えば、ユーザによってサイズを調整することができ、直径116mm、118mm等のサイズも設定できる。また、直径だけでなく、上述した中心部の円形の穴のサイズも調節し設定できる。
【0062】
本実施形態では、お試し記録モードにおいて、用紙Pに記録されるジャケット画像データのサイズ(縦×横)を120mm×120mmとしたが、これに限定されるものではない。例えば、ユーザによってサイズを調整することができ、116×118mm、118mm×118mm等のサイズも設定できる。
【符号の説明】
【0063】
10 画像記録装置
20 プリンタ部
30 スキャナ部
40 操作パネル部
42 表示部
50 スロット部
81 CPU
83a 使用画像データメモリ
83d 集約画像データメモリ
D 記録ディスク
RG レーベル画像データ
JG ジャケット画像データ
SG 集約画像データ
S10 お試し記録モード処理
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録ディスクのレーベル面に記録する画像を記録用紙に試し記録を行う試し記録モードを有する画像記録装置において、
前記試し記録モードが選択されると、入力される画像データの前記記録ディスクのレーベル面に記録する範囲を設定する範囲設定部と、
前記範囲設定部によって設定された前記画像データ上の範囲に基づいて、前記記録ディスクのレーベル面に記録されるレーベル画像データと前記記録ディスクを収納するケースに装着されるジャケットとして使用されるジャケット画像データとを生成する画像データ生成部と、
前記画像データ生成部によって生成された前記レーベル画像データと前記ジャケット画像データとが同一の記録用紙上に記録されるように、両画像データを集約した集約画像データを作成する集約部と、
前記集約部によって作成された前記集約画像データを前記記録用紙に記録する画像記録部と、
を備えたことを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
入力される前記画像データを表示する表示部と、
前記表示部に表示された画像データ上でトリミングを行う範囲の指定を行うトリミング範囲指定部と、
前記トリミング範囲指定部によって指定された範囲のトリミングを行うトリミング処理部と、
前記トリミング処理部によってトリミングされた範囲のトリミング画像データを生成するトリミング画像生成部と、を備え、
前記範囲設定部は、前記トリミング画像生成部によって生成された前記トリミング画像を、前記記録ディスクのレーベル面に記録する画像範囲として設定することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記記録用紙のサイズを検出する用紙サイズ検出部と、
前記用紙サイズ検出部によって検出された記録用紙のサイズが、前記集約画像データを記録可能なサイズか否かを判断する判断部と、
前記判断部によって、記録用紙のサイズが前記集約画像データを記録できないサイズと判断された場合は、前記画像記録部によって当該記録用紙に前記レーベル画像データを記録させ、記録用紙のサイズが前記集約画像データを記録できるサイズと判断された場合は、前記画像記録部によって当該記録用紙に前記集約画像データを記録させる制御部と、
を備えたことを特徴する請求項1または2に記載の画像記録装置。
【請求項1】
記録ディスクのレーベル面に記録する画像を記録用紙に試し記録を行う試し記録モードを有する画像記録装置において、
前記試し記録モードが選択されると、入力される画像データの前記記録ディスクのレーベル面に記録する範囲を設定する範囲設定部と、
前記範囲設定部によって設定された前記画像データ上の範囲に基づいて、前記記録ディスクのレーベル面に記録されるレーベル画像データと前記記録ディスクを収納するケースに装着されるジャケットとして使用されるジャケット画像データとを生成する画像データ生成部と、
前記画像データ生成部によって生成された前記レーベル画像データと前記ジャケット画像データとが同一の記録用紙上に記録されるように、両画像データを集約した集約画像データを作成する集約部と、
前記集約部によって作成された前記集約画像データを前記記録用紙に記録する画像記録部と、
を備えたことを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
入力される前記画像データを表示する表示部と、
前記表示部に表示された画像データ上でトリミングを行う範囲の指定を行うトリミング範囲指定部と、
前記トリミング範囲指定部によって指定された範囲のトリミングを行うトリミング処理部と、
前記トリミング処理部によってトリミングされた範囲のトリミング画像データを生成するトリミング画像生成部と、を備え、
前記範囲設定部は、前記トリミング画像生成部によって生成された前記トリミング画像を、前記記録ディスクのレーベル面に記録する画像範囲として設定することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記記録用紙のサイズを検出する用紙サイズ検出部と、
前記用紙サイズ検出部によって検出された記録用紙のサイズが、前記集約画像データを記録可能なサイズか否かを判断する判断部と、
前記判断部によって、記録用紙のサイズが前記集約画像データを記録できないサイズと判断された場合は、前記画像記録部によって当該記録用紙に前記レーベル画像データを記録させ、記録用紙のサイズが前記集約画像データを記録できるサイズと判断された場合は、前記画像記録部によって当該記録用紙に前記集約画像データを記録させる制御部と、
を備えたことを特徴する請求項1または2に記載の画像記録装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−226281(P2010−226281A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−69560(P2009−69560)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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